説明

骨関連疾患の予防及び治療のための置換ベンゾフロクロメン及び関連化合物

本発明は一般式(I)で表される新規な置換ベンゾフロクロメン及び関連化合物、塩、キラル、キラル誘導体に関し、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8 は、ハイドロ
ゲン、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルコキシル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアシルアミノ、任意に置換されたアリールアミノ、任意に置換されたアシルチオ、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアロイル、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたチオアミド、ハロゲン、ニトリル、エステル、ヒドロキシ、メルカプト、三フッ化カーボン、ニトロ、からなる群よりそれぞれ選択されるが、これに限らない。R1、R2、又はR2、R3、又はR6、R7は結合して、任意に置換されたフラン、任意に置換されたジヒドロフラン、任意に置換されたピラン等の五員環又は六員環のいずれかを形成してもよいし、メチレンジオキシ部分を介して結合してもよい。Xは、ケトン群、メチレン群、任意に置換されたメチレン群、任意に置換されたアルケン群からなる一群より選択される。Y及びZは、CH、C-OH、C-Me、C-OMeからなる群より選択される。ただし、YとZの結合は単結合である。Y
及びZは炭素原子であってもよい。ただし、YとZの結合は二重結合である。上記一般式で表される化合物は骨関連疾患の予防及び治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エストロゲン依存性疾患又は症候群に関連するさまざまな医学的適応症の予防又は治療、好ましくは人間及び動物に発生する疾患及び症候群の予防又は治療において治療薬として使用することができる、添付の図面において一般式1で表される置換ベンゾフロクロメン及び関連化合物の開発に関する。
【0002】
本発明は特に式Iで表される化合物に関する。

1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8は、水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルコキシル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアシルアミノ、任意に置換されたアリールアミノ、任意に置換されたアシルチオ、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアロイル、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたチオアミド、ハロゲン、ニトリル、エステル、ヒドロキシ、メルカプト、三フッ化カーボン、ニトロからなる群よりそれぞれ選択されるが、これに限らない。
1、R2、又はR2、R3、又はR6、R7は結合して、任意に置換されたフラン、任意に置換されたジヒドロフラン、任意に置換されたピラン等の五員環又は六員環のいずれかを形成してもよいし、メチレンジオキシ部分を介して結合してもよい。
Xは、ケトン群、メチレン群、任意に置換されたメチレン群、任意に置換されたアルケン群からなる一群より選択される。
Y及びZは、CH、C-OH、C-Me、C-OMeからなる群より選択される。ただし、YとZの結
合は単結合である。
Y及びZは炭素原子であってもよい。ただし、YとZの結合は二重結合である。
【0003】
更に本発明は、エストロゲン依存性疾患や症候群に関連するさまざまな医学的適応症の予防又は治療に有用であると共に、好ましくは特に人間及び動物に起こる以下に記載する疾患や症候群の予防又は治療に有用な任意に置換されたベンゾフロクロメン、関連化合物、薬理学的に許容される塩類や化合物の作成方法に関する:骨粗しょう症、骨量の減少、骨形成;タイプII/年齢性/老人性骨粗しょう症罹患の際の骨形成、高骨密度を達成する成長期、骨折治療、欠陥のある骨の交換によるインビトロ/インビボでの新しい骨形成の促進;エストロゲン関連疾患又は症候群、好ましくは哺乳類のエストロゲン欠乏症によって引き起こされる疾患又は症候群;心臓血管作用、特に脂質異常症、血栓症、及び血管運動異常;脳卒中等の神経変性作用、老年性認知症を伴うパーキンソン病;のぼせ等の閉経期症状、泌尿器生殖器萎縮、うつ病、躁病、統合失調症等、尿失禁、月経困難症の緩和;機能不全性子宮出血、卵巣発育ほう助、にきび及び多毛症の治療;前立腺癌等の癌、乳癌、子宮癌、頸癌、及び大腸癌;人間やその他動物の避妊コントロール又は規制;切迫流産又は習慣性流産の予防のための使用;産後授乳の抑制;肥満等の病理的疾患、うつ病等。
【背景技術】
【0004】
「低骨密度状態」と定義される骨粗しょう症は、老齢化社会における主要な問題の一つである。それは、骨組織のミクロの構造的劣化によって特徴づけられる疾患であり、ひいては高齢者における骨脆弱性の拡大や骨折のリスクの増加等を招く。50歳以上の女性の50%以上、及び50歳以上の男性の30%以上に影響することが知られている。女性においては、閉経直後及び数年後に骨重量の減少率が加速する。
【0005】
このリスク要因や骨折を減少させるため鋭意検討した結果、骨吸収を抑制することによって、および/又は骨形成を促進することによって、骨格量を維持する化合物の開発が必要であるとわかった。(Dwivedy I, Ray S, 1995 Recent developments in the chemotherapy of osteoporosis”Progress in Drug Research 45, 289-338, Editor E Jucker, Birkhauser Vela; Marshall DH, Horsmann A, Nordin BEC, 1977,“The prevention and management of post-menopausal osteoporosis”Acta Obstet Gynecol Scand(Suppl)65:49-56; Hutchinson TA, Polansky SM, Feinstein AR, 1979, “Postmenopausal estrogen protect against fractures of hip and distal radius: A care-control study”Lancet
2: 705-709. Estrogen replacement therapy also has positive effect on CVS & CNS related disorders(Lobo RA, 1990,“Cardiovascular implication of estrogen replacement therapy”Obstetrics & Gynaecology 75:185-245; Mendelson ME, Karas RH, 1994,“Estrogen and the blood vessel wall”Current opinion in Cardiology 1994:619-626; Stampfer MJ, Colditz GA, 1991,“Estrogen replacement therapy and coronary heart disease: a quantitative assessment of the epidemiological evidence”Preventive Medicine 20:47-63).
【0006】
カルシウム、ビタミンD及びその類似体、エストロゲン、カルシトニン、ビスフォスフォネート、ラロキシフェン等の臨床治療用薬理学的薬剤は、骨吸収率を減少させることによって骨量減少率を遅らせる作用をする。このような抗吸収剤を適宜投与することによって、骨量減少を防ぐことができる。しかしながら、一度欠損した骨量は、このような抗吸収剤を使用しても回復しない。
【0007】
従来、骨疾患の治療に対して許容されると思われる多くの生薬があるが、臨床的にこの医学的適応症に対して使用されてきたイプリフラボン、イソフラボノイドを除いて、その有効な利用開発を評価するような研究実験は報告されていない。
【0008】
本発明に係る化合物は、多くのインビトロでの分析において、骨芽細胞の増殖や分化、基質成熟及び骨石灰化などを促進すると共にインビボでの長期に亘る治療後の骨ミネラル欠乏を改善し、骨の機械的強度を増すことが示され、迅速な骨折治療や年齢性(タイプII)骨粗しょう症の管理等に、多大に使用されるのみならず、成長期に投与する場合、より高い骨量達成に役立つと共に欠陥のある骨を交換し、閉経後骨粗しょう症を含むエストロゲン欠乏状態における骨吸収を防ぐためインビトロ/インビボで新しい骨形成を促進する。本発明の化合物の中には、その薬力学的性質に関連した優れた全身アベイラビリティを実験動物において示したものもある。
【0009】
現在、骨形成作用を示す唯一の薬剤として、(a)非経口、高投与で骨吸収を増す副甲状腺ホルモン、(b)過剰摂取で骨粗しょう症を招くとも言われるフッ化物、(c)同化作用を有するアンドロゲン、等があげられる。これは天然源から得られる初めてのこの種の薬剤であり、人間の健康使用に供する経口製剤として開発された。
【0010】
ベンゾフロクロメンは天然イソフラボノイドの2番目に大きい群を構成し、4-及び2'-
位置間のエーテル結合によるイソフラボノイド骨格から派生する四環系システムを含む[(
a) Dewich, P. M. In Harborne, J. B., Ed.; The Flavanoids: Advances in Research Since 1986; Chapman and Hall: London, 1994;(b) Tanaka, H.; Oh-Uchi, T.; Etoh, H.;
Shimizu, H.; Tateishi, Y. Phytochemistry 2002, 60, 789]. Various biological activities are associated with this compound, which include potent phytoalexins(Mansfield, J. W. In Phytoalexins; Bailey, J. A., Mansfield, J. W., Eds.; Glasgow, 1982.), antitoxin and antiviral(Nakagawa, M.; Nakanishi, K.; Darko, L. L.; Vick, J. A. Tetrahedron Lett. 1982, 23, 3855.), antifungal((a) Maximo, P.; Lourenc,o, A. Phytochemistry 1998, 48, 359; (b) Perrin, D. R. Tetrahedron Lett. 1964,
1, 29.), and antibacterial(Ingham, J. L. In Progress in the Chemistry of Organic Natural Products; Herz, W., Grisebach, H., Kirby, G. W., Eds.; Springer: New
York, 1983; Vol. 43, pp 1-266.)properties. そこで、我々はフラボノイド、テルペ
ン、その他関連する生物学的に重要な酸素四環系化合物等の天然産物の合成を試み、その生物学的性質を、さまざまな社内スクリーニングモデルにおいて評価した。最近、エストロゲン依存性疾患又は症候群に関連するさまざまな医学的適応症の予防又は治療、好ましくは特に人間や動物に起こる以下に記載する疾患及び症候群の予防又は治療のための、一連のベンゾフロクロメン及び関連化合物を作成した:骨粗しょう症、骨量減少、骨形成;タイプII/年齢性/老人性骨粗しょう症罹患の際の骨形成、高骨密度を達成する成長期、骨折治療、欠陥のある骨の交換によるインビトロ/インビボでの新しい骨形成の促進。
【0011】
新規な合成ベンゾフロクロメン、特に3-アリルオキシ-4-メチル-6a、11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-C]クロメン(S-007-1500)は、繰り返し行われるスクリーニング
において、濃度10-12M〜10-6Mの頭蓋冠骨由来の骨粗しょう症におけるALP活性の刺激解析を示す。このような有望な結果により、エストロゲン依存性疾患又は症候群に関連するさまざまな医学的適応症の予防又は治療、好ましくは特に人間や動物に起こる疾患及び症候群の予防又は治療のための、天然様ベンゾフロクロメン及び関連化合物の作成が促進された。合成化合物に関する詳細な生物学的検討(インビトロ及びインビボで)を本明細書の生物学的評価のセクションに記載する。
【0012】
骨粗しょう症は老齢化社会において主要な問題の一つである。骨粗しょう症は、高齢者において、特に閉経後の女性において骨折のリスクを有する。従来、骨の疾患の治療に有望として多くの生薬が使用されてきた。しかし、これまで、骨形成又は非骨形成活性を示す薬剤はなかった。よって、理想的な薬理学的プロフィールを有し、新しい骨形成を促進する薬剤を緊急に発見、開発する必要があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の主な目的は、骨関連疾患の予防及び治療のための置換ベンゾフロクロメン及び関連化合物を提供することである。
本発明の他の目的は、置換ベンゾフロクロメン及び関連化合物の作成方法を提供することである。
本発明の更に他の目的は、骨形成/強化活性を有する化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
従って、本発明は一般式Iで表される新規な置換ベンゾフロクロメン及び関連化合物、塩類及びキラル、そのアキラル誘導体を提供し、

1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8は、水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルコキシル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアシルアミノ、任意に置換されたアリールアミノ、任意に置換されたアシルチオ、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアロイル、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたチオアミド、ハロゲン、ニトリル、エステル、ヒドロキシ、メルカプト、三フッ化カーボン、ニトロからなる群よりそれぞれ選択されるが、これに限らない;
1、R2、又はR2、R3、又はR6、R7は結合して、任意に置換されたフラン、任意に置換されたジヒドロフラン、任意に置換されたピラン等の五員環又は六員環のいずれかを形成してもよいし、メチレンジオキシ部分を介して結合してもよい;
Xは、ケトン群、メチレン群、任意に置換されたメチレン群、任意に置換されたアルケン群からなる一群より選択される;
Y及びZは、CH、C-OH、C-Me、C-OMeからなる群より選択される。ただし、YとZの結
合は単結合である;
Y及びZは炭素原子であってもよい。ただし、YとZの結合は二重結合である。
【0015】
本発明の一実施形態によると、一般式Iで表される特に好ましい新規な化合物は更に具体的にテンプレートIによって表される;

1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8は、水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルコキシル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアシルアミノ、任意に置換されたアリールアミノ、任意に置換されたアシルチオ、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアロイル、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたチオアミド、ハロゲン、ニトリル、エステル、ヒドロキシ、メルカプト、三フッ化カーボン、ニトロからなる群よりそれぞれ選択されるが、これに限らない;
1、R2、又はR2、R3、又はR6、R7は結合して、任意に置換されたフラン、任意に置換されたジヒドロフラン、任意に置換されたピラン等の五員環又は六員環のいずれかを形成してもよいし、メチレンジオキシ部分を介して結合してもよい。
【0016】
本発明の他の実施形態によると、テンプレートIの一般式で表される化合物の新規な前
駆体は具体的にテンプレートIIによって表される;

1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8は、水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルコキシル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアシルアミノ、任意に置換されたアリールアミノ、任意に置換されたアシルチオ、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアロイル、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたチオアミド、ハロゲン、ニトリル、エステル、ヒドロキシ、メルカプト、三フッ化カーボン、ニトロからなる群よりそれぞれ選択されるが、これに限らない;
1、R2、又はR2、R3、又はR6、R7は結合して、任意に置換されたフラン、任意に置換されたジヒドロフラン、任意に置換されたピラン等の五員環又は六員環のいずれかを形成してもよいし、メチレンジオキシ部分を介して結合してもよい。
【0017】
本発明の更に他の実施形態によると、代表的な化合物は以下に記載する化合物であるが、これに限らない;
i. 3-アリルオキシ-4-メチル-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロ
メン
ii. 4-メチル-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol
iii. 6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol
iv. (4-メチル-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-イルオキシ)-アセトニトリル
v. 3-イソプロポキシ-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾフロ[3,2-c]クロメン
vi. 3-(アリルオキシ)-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾフロ[3,2-c]クロメン
vii. 1-(2-(6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾフロ[3,2-c]クロメン-3-イルオキシ)エチル)ピペラジン
viii. 3-ヒドロキシ-6H-ベンゾフロ[3,2-c]クロメン-6-オン
ix. 7,8-ジヒドロキシ-3-(2-メトキシ-フェニル)-クロメン-4-オン
x. 7,8-ジヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-フェニル)-クロメン-4-オン
xi. 6-クロロ-7-ヒドロキシ-3-(2-メトキシ-フェニル)-クロメン-4-オン
xii. 6-クロロ-7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-フェニル)-クロメン-4-オン
xiii. 7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-フェニル)-8-メチル-クロメン-4-オン
xiv. 7-ヒドロキシ-3-(2-メトキシ-フェニル)-クロメン-4-オン
xv. 7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-フェニル)-クロメン-4-オン
xvi. 3-(2,4-ジメトキシ-フェニル)-7-ヒドロキシ-クロメン-4-オン
xvii. 7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-クロメン-4-オン
【0018】
本発明の更なる実施形態によると、前記化合物は、エストロゲン依存性疾患や症候群に関連するさまざまな医学的適応症の予防又は治療に有用であると共に、好ましくは特に人間及び動物に起こる以下に記載する病気や症候群の予防又は治療に有用であることを特徴とする:骨粗しょう症、骨量の減少、骨形成;タイプII/年齢性/老人性骨粗しょう症罹患の際の骨形成、高骨密度を達成する成長期、骨折治療、欠陥のある骨の交換によるイン
ビトロ/インビボでの新しい骨形成の促進;エストロゲン関連疾患又は症候群、好ましくは哺乳類のエストロゲン欠乏症によって引き起こされる疾患又は症候群;心臓血管作用、特に脂質異常症、血栓症、及び血管運動異常;脳卒中等の神経変性作用、老年性認知症を伴うパーキンソン病;のぼせ等の閉経期症状、泌尿器生殖器萎縮、うつ病、躁病、統合失調症等、尿失禁、月経困難症の緩和;機能不全性子宮出血、卵巣発育ほう助、にきび及び多毛症の治療;前立腺癌等の癌、乳癌、子宮癌、頸癌、及び大腸癌;人間やその他動物の避妊コントロール又は規制;切迫流産又は習慣性流産の予防のための使用;産後授乳の抑制;肥満等の病理的疾患等。本発明の実施形態によると、これら化合物は、10-12M〜10-10Mの濃度下、18日間の骨髄培養で、初期カルシウム沈着の石灰化を著しく増進することがわかった。
【0019】
本発明の実施形態によると、これら化合物は、10-12M〜10-6Mの濃度において、骨芽細胞ALP活性を示すことがわかった。
【0020】
本発明の実施形態によると、これら化合物は、異なる濃度下、すなわち10-12M〜10-10Mでは、脂質生成を著しく阻害することがわかった。
【0021】
本発明の実施形態によると、これら化合物は、1.0と10mg/kg内の投与範囲で、インビボにおいてBMDを著しく増加させることがわかった。
【0022】
本発明の更なる実施形態では、以下に記載する一般式Iで表される化合物、塩及びキラル、アキラル、の誘導体を提供する。

1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8は、水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルコキシル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアシルアミノ、任意に置換されたアリールアミノ、任意に置換されたアシルチオ、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアロイル、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたチオアミド、ハロゲン、エステル、ヒドロキシ、メルカプト、三フッ化カーボン、ニトロからなる群よりそれぞれ選択されるが、これに限らない;
1、R2、又はR2、R3、又はR6、R7は結合して、任意に置換されたフラン、任意に置換されたジヒドロフラン、任意に置換されたピラン等の五員環又は六員環のいずれかを形成してもよいし、メチレンジオキシ部分を介して結合してもよい;
Xは、ケトン群、メチレン群、任意に置換されたメチレン群、任意に置換されたアルケン群からなる一群より選択される;
Y及びZは、CH、C-OH、C-Me、C-OMeからなる群より選択される。ただし、YとZの結
合は単結合である;
Y及びZは炭素原子であってもよい。ただし、YとZの結合は二重結合である。
又、6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol(S-006-1709)等のあらゆる公知の天然及び合成プテロカルパンクラス化合物(この化合物に限らないが)及び新規なイソフラボン及び関連化合物は、骨粗しょう症、骨量の減少、骨形成等の予防治療
;タイプII/年齢性/老人性骨粗しょう症罹患の際の骨形成、高骨密度を達成する成長期、骨折治療又はその他いかなる骨疾患にも有用である。
【0023】
従って、本発明は請求項1に記載する置換ベンゾフロクロメン及び一般式Iで表される関連化合物、塩類及びその誘導体の作成方法に関し、
(i)置換基R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8が水素、任意に置換されたア
ルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルコキシル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアシルアミノ、任意に置換されたアリールアミノ、任意に置換されたアシルチオ、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアロイル、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたチオアミド、ハロゲン、エステル、ヒドロキシ、メルカプト、三フッ化カーボン、ニトロからなる群よりそれぞれ選択される一般式Aで表される化合物と式Bで表される置換2'-メトキシフェニル酢酸とをルイス酸、好
ましくはボロントリフルオリド エーテラートの存在下25℃〜150℃の温度範囲で、1時間〜20時間、添付図面に示すように反応させる工程と、
(ii)添付図面に示すように一般式Cで表される化合物を分離し一般式Cで表される
上記化合物をクロマトグラフ法により精製する工程と、
(iii)一般式Cで表される化合物とメタンスルホニルクロリドとを、酸性媒質の存在下反応させ、温度範囲25℃〜100℃で1〜10時間加熱する工程と、
(iv)添付の図面に示すように、置換基R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8
水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルコキシル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアシルアミノ、任意に置換されたアリールアミノ、任意に置換されたアシルチオ、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアロイル、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたチオアミド、ハロゲン、エステル、ヒドロキシ、メルカプト、三フッ化カーボン、ニトロ、からなる群よりそれぞれ選択される一般式Dで表される化合物を分離し、一般式Dで表される上記化合物をクロマトグラフ法により精製する工程と、
(v)置換基R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8が水素、任意に置換されたア
ルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルコキシル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアシルアミノ、任意に置換されたアリールアミノ、任意に置換されたアシルチオ、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアロイル、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたチオアミド、ハロゲン、エステル、ヒドロキシ、メルカプト、三フッ化カーボン、ニトロからなる群よりそれぞれ選択される一般式Dで表される化合物と、三臭化ホウ素又は三塩化アルミニウムのいずれかとを、THF、DMF、エタノール、アセトニトリル、ジクロロメタン等からなる群より選択されるプロトン性又は非プロトン性溶媒中で、-40℃〜150℃の温度範囲で、1時間〜20時間反応さ
せ、一般式Eで表される前記化合物をクロマトグラフ法により分離し精製する工程と、
(vi)置換基R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8が水素、任意に置換されたア
ルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルコキシル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアシルアミノ、任意に置換されたアリールアミノ、任意に置換されたアシルチオ、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアロイル、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたチオアミド、ハロゲン、エステル、ヒドロキシ、メルカプト、三フッ化カーボン、ニトロからなる群よりそれぞれ選択される一般式Eで表される化合物と水素化リチウムアルミニウムや水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤とを、添付図面に示すように、DMSO、エタノール、メタノール、THF、DMF等のプロトン性又は非プロトン性溶媒中で、0℃〜150℃の温度範囲で、1時間〜20時間反応
させ、式Fで表される化合物をクロマトグラフ法により分離し精製する工程と、を含むこ
とを特徴とする。
【0024】
本発明の実施形態において、化合物は以下に記載する薬理学的に許容される塩類に変換してもよい。
塩酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、フェニル酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アクリレート、アスコルビン酸塩、安息香酸エステル塩、クロロ安息香酸塩、ブロモベンゾアート、ヨード安息香酸塩、ニトロベンゾアート、ヒドロキシベンゾアート、アルキルベンゾアート、アルキロキシベンゾアート、アルコキシカルボニルベンゾアート、ナフタレン-2-ベンゾアー
ト、ブチラート、フェニルブチラート、ヒドロキシブチラート、カプリン酸塩、カプリル酸塩、シンナマート、マンデル酸塩、メシラート、クエン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、ヘプタン酸塩、馬尿酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、ニコチン酸塩、イソニコチン酸塩、シュウ酸塩、ナトリウム、カリウム、フタル酸塩、テレフタラート、リン酸塩、リン酸一水素、リン酸二水素、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、プロピオラート、プロピオナート、フェニルプロピオナート、サリチル酸塩、セバシン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、ピロ硫酸塩、亜硫酸塩、スルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ブロモベンゼンスルホン酸塩、クロロベンゼンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩等。
【0025】
本発明の実施形態において、骨粗しょう症、骨量減少により引き起こされる疾患や症候群の予防又は治療、骨形成、骨折の治療、成長期投与による骨量の高いピークの達成、及び新しい骨形成の促進に有用な、薬理学的に許容されるキャリア又は希釈剤又は賦形剤を含む又は含まない一般式Iで表される化合物又は 6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol(S-006-1709)等のプテロカルパンを含む医薬的成分を提供する。
【0026】
本発明の実施形態において、一般式Iで表される化合物又は 6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol(S-006-1709)等のプテロカルパンと、薬理学的に有
効性があるキャリア又は希釈剤又は賦形剤との率は、好ましくはコア材の1〜20%であり
、コア材において薬剤充填のmgあたりの非イオン性界面活性剤が10〜40%であり、その後のカプセル化において反対電荷の高分子電解質の割合が10〜60%であり、表面改質のための胆汁酸塩の割合が10〜30%であることを特徴とする。
【0027】
エストロゲン依存性疾患や症候群に関連するさまざまな医学的適応症の予防又は治療に有用であると共に、好ましくは特に人間及び動物に起こる以下に記載する疾患や症候群の予防又は治療に有用な一般式で表される薬理的に許容される塩類及び成分を提供する:骨粗しょう症、骨量の減少、骨形成;タイプII/年齢性/老人性骨粗しょう症罹患の際の骨形成、高骨密度を達成する成長期、骨折治療、欠陥のある骨の交換によるインビトロ/インビボでの新しい骨形成の促進;エストロゲン関連疾患又は症候群、好ましくは哺乳類のエストロゲン欠乏症によって引き起こされる疾患又は症候群;心臓血管作用、特に脂質異常症、血栓症、及び血管運動異常;脳卒中等の神経変性作用、老年性認知症を伴うパーキンソン病;のぼせ等の閉経期症状、泌尿器生殖器萎縮、うつ病、躁病、統合失調症等、尿失禁、月経困難症の緩和;機能不全性子宮出血、卵巣発育ほう助、にきび及び多毛症の治療;前立腺癌等の癌、乳癌、子宮癌、頸癌、及び大腸癌;人間やその他動物の避妊コントロール又は規制;切迫流産又は習慣性流産の予防のための使用;産後授乳の抑制;肥満等の病理的疾患、うつ病等。
【0028】
主な実施形態によると、本発明はエストロゲン依存性疾患や症候群に関連するさまざまな医学的適応症の予防又は治療に有用であると共に、好ましくは特に人間及び動物に起こる疾患や症候群の予防又は治療に有用なベンゾフロクロメン及び関連化合物、薬理的に許容されるそれら塩類及び成分を提供する。
【0029】
本発明の主な実施形態によると、本発明は治療的に有効な量のベンゾフロクロメン及び関連化合物を含む医薬組成物、薬理的に許容されるそれら塩類又はその成分等を単独で、又は混合型で、又は薬理学的活性因子の組み合わせで、又は一つ又はそれ以上の薬理学的に許容されるキャリア又は賦形剤、又はその両方の形態で提供する。
【0030】
他の実施形態によると、本発明はベンゾフロクロメン及び関連化合物、これらから、又は天然源から分離された薬理学的に許容される塩類や純化合物又は合成物、薬理学的に許容されるそれら塩類又はその成分を採用した医学的方法、又哺乳類や動物におけるエストロゲン依存性又は非依存性症状の予防又は治療、特に骨粗しょう症、骨量減少の予防や治療、骨形成や心臓血管系作用及びエストロゲン依存性又はエストロゲン非依存性癌の予防や治療、これら病変又は人間やその他動物における避妊コントロールや規制を含む内因性エストロゲンに対する異常生理学的反応に関連する疾患の予防や治療のための上記薬剤を使用した方法を提供する。
【0031】
本発明の主な実施形態によると、本発明は実験動物において、本発明に係る化合物の一つであるS006-1709の全身アベイラビリティを証明した。
【図面の簡単な説明】
【0032】
以下に記載する図や表を参照することにより、本発明をより明らかに理解することができる。
【図1a】骨芽細胞増殖に関して、化合物S006-1709の効力を示す。
【図1b】骨芽細胞増殖に関して、化合物S006-1710の効力を示す。
【図1c】骨芽細胞増殖に関して、化合物S006-1711の効力を示す。
【図2a】骨芽細胞増殖に関して、化合物S006-1713の効力を示す。
【図2b】骨芽細胞増殖に関して、化合物S006-1714の効力を示す。
【図3a】10-16M〜10-6Mの範囲の濃度における骨芽細胞ALP活性に関して、化合物S006-1709の効力を示す。
【図3b】頭蓋冠及び骨髄骨芽細胞両方の骨芽細胞分化におけるS006-1710の効力を示す。
【図3c】骨芽細胞に由来する頭蓋冠及び骨髄におけるS006-1711の効力を示す。
【図4a】S006-1713のALP活性を示す。
【図4b】S006-1714のALP活性を示す。
【図5】頭蓋冠骨芽細胞の石化に関してS006-1709〜S006-1711の効力を示す。
【図6】骨髄骨芽細胞の石化に関してS006-1709〜S006-1711の効力を示す。
【図7】10-12M〜10-6Mの範囲の濃度におけるS007-1351、S007-1352、S007-1353、S007-1495、S007-1500による骨芽細胞ALP活性を示す。
【図8a】8日間の実験の終わりに形成される脂肪細胞を示す。
【図8b】異なる濃度における脂質生成に関して、化合物S006-1709、S007-1495、及びS007-1500の効力を示す。
【0033】
[表1]化合物S006-1709のエストロゲン及び非エストロゲン活性を示す。
[表2]S006-1709のインビボでの薬効を示す。
[表3]S007-1500のインビボでの薬効を示す。
[表4]S006-1709の薬物動態評価を示す。
【0034】
[発明の詳細な説明]
本発明は式Iで表される化合物に関する:

1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8は、水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルコキシル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアシルアミノ、任意に置換されたアリールアミノ、任意に置換されたアシルチオ、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアロイル、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたチオアミド、ハロゲン、ニトリル、エステル、ヒドロキシ、メルカプト、三フッ化カーボン、ニトロ、からなる群よりそれぞれ選択されるが、これに限らない。
1、R2、又はR2、R3、又はR6、R7は結合して、任意に置換されたフラン、任意に置換されたジヒドロフラン、任意に置換されたピラン等の五員環又は六員環のいずれかを形成してもよいし、メチレンジオキシ部分を介して結合してもよい。
Xは、ケトン群、メチレン群、任意に置換されたメチレン群、任意に置換されたアルケン群からなる一群より選択される。
Y及びZは、CH、C-OH、C-Me、C-OMeからなる群より選択される。ただし、YとZの結
合は単結合である。
Y及びZは炭素原子であってもよい。ただし、YとZの結合は二重結合であり、薬理学的に許容されるそれらの塩類又はその成分を提供すると共に、人間及び/または動物に起こるエストロゲン依存性疾患又は症候群に関連するさまざまな医学的適応症の症状の予防又は治療のための上記薬剤を使用した方法を提供する。
【0035】
本明細書中及び添付の請求項で使用される「薬理学的に許容される塩類」という用語は、Berge et al. (J. Phramaceutical Sciences, 66(1), 1-19, 1977)に開示された種類の塩類を示す。薬理学的に許容される適切な塩類として、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、次リン酸等の無機酸によって形成される塩類の他、脂肪族モノカルボン酸及びジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、芳香族酸、脂肪酸及び芳香族スルホン酸等の有機酸に由来する塩類などが挙げられる。このような薬理学的に許容される酸添加塩類として、ギ酸塩、酢酸塩、フェニル酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アクリレート、アスコルビン酸塩、安息香酸エステル塩、クロロ安息香酸塩、ブロモベンゾアート、ヨード安息香酸塩、ニトロベンゾアート、ヒドロキシベンゾアート、アルキルベンゾアート、アルキロキシベンゾアート、アルコキシカルボニルベンゾアート、ナフタレン-2-ベン
ゾアート、ブチラート、フェニルブチラート、ヒドロキシブチラート、カプリン酸塩、カプリル酸塩、シンナマート、マンデル酸塩、メシラート、クエン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、ヘプタン酸塩、馬尿酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、ニコチン酸塩、イソニコチン酸塩、シュウ酸塩、フタル酸塩、テレフタラート、リン酸塩、リン酸一水素、リン酸二水素、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、プロピオラート、プロピオナート、フェニルプロピオナート、サリチル酸塩、セバシン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、ピロ硫酸塩、亜硫酸塩、スルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ブロモベンゼンスルホン酸塩、クロロベンゼンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩等が挙げられる。最も
好ましい塩類は、フマル酸エステル塩又はアスコルビン酸塩又は塩酸塩である。
【0036】
本明細書中及び添付の請求項で使用される本発明の薬剤の「薬理学的に許容される成分」という用語は、公知の「薬理学的に許容される賦形剤」という用語を使用した従来技術に則って作成したものである。
【0037】
ここに記載する疾患や病気を予防又は治療するための方法は、このような治療を必要とする人間又は他のいかなる哺乳類又は他のいかなる動物に対し、治療的に有効な量の本発明に係る一又はそれ以上の薬剤、又は一又はそれ以上の薬理学的に許容されるキャリア、賦形剤等を添加した薬理学的に許容される塩類又は薬理学的に許容されるその成分を投与することを含む。
【0038】
本発明の薬剤又は、一又はそれ以上の薬理学的に許容されるキャリア、賦形剤等を添加した薬理学的に許容され塩類又は薬理学的に許容されるその成分の投与法や投与形態は、ここに記載する疾患や病気の種類に応じてさまざまであり、医療従事者の判断に委ねられる。
【0039】
本発明の薬剤又は一又はそれ以上の薬理学的に許容されるキャリア、賦形剤等を添加した薬理学的に許容されるそれら塩類又は薬理学的に許容されるその成分を、0.1mg〜5000mgの範囲の投与量で、好ましくは0.5〜1000mgの範囲の投与量で、更に好ましくは1mg〜500mgの投与量で、週1回又は週2回、毎日又は一日に2回又は一日に3回又は更に細かい分割投与にて効果的に投与してもよい。
【0040】
本発明に係る治療的に有効な量の薬剤又は薬理学的に許容されるその成分は、ゼラチンカプセル包含されるか又はタブレットやピルに圧縮されるか又は薬用キャンディー、シクロデキストリン誘導体を添加した包接錯体、注入可能な徐放性製剤、エアロゾル、顆粒状、粉状、経口液剤、粘膜接着性投与、ジェル製剤、トローチ、エリキシル剤、懸濁液、シロップ、ウェハース、リポソーム送達系、インプラント、座薬、ペッサリー、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、マイクロパーティクル、ナノパーティクル、又は単クローン体の抗体又はその他適切なキャリア部分との複合体等、制御放出送達系、経皮投与送達系、標的送達系の形態に製剤されてもよい。
【0041】
上記投与は、本発明に係る化合物又は一又はそれ以上の薬理学的に許容されるキャリア、賦形剤等を添加した薬理学的に許容される塩類又は薬理学的に許容されるその成分を、従来の送達、制御送達又は標的送達例えば、経口、組織的、局所的送達、静脈内投与、動脈内投与、筋肉投与、皮下投与、腹腔内投与、皮内投与、口腔投与、経鼻投与、吸入投与、膣内投与、直腸投与、経皮投与又は従来の液状又は固形投与形態における他のいかなる適切な液状又は固形投与形態によって投与されてもよい。
【0042】
本発明の薬剤又は薬理学的に許容される塩類又は薬理学的に許容されるその成分等の、好ましい投与形態は、経口である。
【0043】
経口成分は、一般的に本発明に係る薬剤又は薬理学的に許容されるその成分及び一又はそれ以上の薬理学的に許容される賦形剤からなる。
【0044】
タブレット、ピル、カプセル、粉状、顆粒状等の経口成分は、以下のいかなる薬理学的に許容される賦形剤を含んでもよい。
1.ラクトース、マニトール、ソルビトール、結晶セルロース、スクロース、クエン酸ナトリウム、二塩基リン酸カルシウム、又は同様な性質の成分単独又は適切な組み合わせによる希釈剤、
2.トラガントゴム、アカシアゴム、メチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、澱粉又は他のいかなる同様な性質の成分単独又は組み合わせによるバインダー、
3.寒天培地、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、シリケート、アルギン酸、コーンスターチ、じゃがいもタピオカ澱粉、プリモゲル、又は他のいかなる同様な性質の成分単独又は組み合わせによる崩壊剤、
4.マグネシウムステアリン酸塩、カルシウムステアリン酸塩、タルク、固形ポリエチレングリコール、ナトリウムラウリル硫酸、又は同様な性質の成分単独又は適切な組み合わせによる潤滑剤、
5.コロイド状二酸化ケイ素、又は他のいかなる同様な性質の成分単独又は組み合わせによる滑剤、
6.スクロース、サッカリン、又は他のいかなる同様な性質の成分単独又は組み合わせによる甘味剤、
7.ペパーミント、サリチル酸メチル、オレンジフレーバー、バニラフレーバー、又は他のいかなる同様な性質の成分単独又は組み合わせによる着香剤、
8.ヘキサデシルアルコール、モノステアリン酸グリセリン、又は他のいかなる同様な性質の成分単独又は組み合わせによる湿潤剤、
9.カオリン、ベントナイト粘土、又は他のいかなる同様な性質の成分単独又は組み合わせによる吸収剤、
10.ワックス、パラフィン、又は他のいかなる同様な性質の成分単独又は組み合わせによる溶液遅延剤。
【0045】
以下に挙げる実施例はあくまでも例示として挙げるもので本発明の権利範囲を規定するものと解釈されてはならない。
【0046】
ベンゾフロクロメン及び関連化合物の実施例
実施例1
3-アリルオキシ4-メチル-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン(S-007-1500):

化合物 4-メチル-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol(100mg,
0.34mmol)をDMF(5ml)に溶解し、NaH(8.1mg, 0.34mmol)を室温でこの溶液に添加し
、次に臭化アリル(0.06ml, 0.68mmol)を添加した。反応混合物を室温で6時間撹拌し、
氷水に注ぎ10%HClで中和し、白色沈殿物を得た。この沈殿物を水で洗浄し、クロロホル
ムヘキサンを溶離剤として使用し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、3-イソプロポキシ-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾフロ[3,2-c]クロメン(58mg, 50%)を白色固体として得た。
白色固体;mp 100-102℃; 1H NMR(300MHz, CDCl3) δ 2.13(s, 3H, CH3), 3.53-3.73 (m, 2H, H-6β + H-6a), 4.32 (dd, J = 4.4, 5.9 Hz, 1H, H-6α), 4.56(d, J = 5.0 Hz, 2H, CH2), 5.27 (dd, J=1.4, 10.5 Hz, 1H, CH), 5.42(dd, J=1.5, 17.3 Hz, 1H, CH), 5.53 (d, J=6.6 Hz, 1H, H-11a), 5.97-6.11 (m, 1H, CH), 6.62 (d, J=8.6 Hz, 1H, ArH), 6.84 (d, J=8.0 Hz, 1H, ArH), 6.89-6.94 (m, 1H, ArH), 7.13-7.19 (m, 1H, ArH), 7.27 (d, J=8.0 Hz, 1H, ArH), 7.33 (d, J=8.5 Hz, 1H, ArH); 13C NMR (75.5 MHz, CDCl3) δ 7.10, 38.98, 65.26, 67.86, 77.10, 104.59, 108.84, 111.46, 113.47, 115.77, 119.49, 123.45, 126.07, 127.06, 127.84, 132.18, 153.06, 156.32, 158.14; MS (ESI)
295(M++1); HRMS calcd. for C19H18O3 294.1256, found: 294.1241.
【0047】
実施例2
1-(2-(6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾフロ[3,2-c]クロメン-3-イルオキシ)エチル)ピペラジ
ン(S-008-0399):

化合物 6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol(100mg, 0.42mmol)を DMF(5ml)に溶解し、NaH(10mg, 0.42mmol)をこの溶液に室温で添加し、次に1-(2-クロロエチル)ピペラジン 塩酸塩(366mg, 0.84mmol)を添加した。反応混合物を室温で6時間撹拌し、氷水に注ぎ10%HClで中和し、白色沈殿物を得た。この沈殿物を水で洗浄し、クロロホルムヘキサンを溶離剤として使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(2-(6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾフロ[3,2-c]クロメン-3-イルオキ
シ)エチル)ピペラジン(102mg, 70%)を白色固体として得た。
白色固体; mp 202-204℃; 1H NMR(300MHz, CDCl3)δ 1.44-1.72(m, 6H, 3CH2), 1.88-2.20(m, 4H, 2CH2), 3.28-3.40(m, 2H, CH2), 3.55-3.73(m, 2H, H-6β + H-6a), 4.29 (dd, J=3.6, 9.7 Hz, 1H, H-6α),4.46-4.58(m, 2H, CH2), 5.50(d, J= 6.3 Hz, 1H, H-11a), 6.47(d, J=2.4 Hz, 1H, ArH), 6.63(dd, J=2.5, 8.5Hz, 1H, ArH), 6.81-6.95 (m, 2H, ArH), 7.10-7.28(m, 2H, ArH), 7.46(d, J=6.5 Hz, 1H, ArH); MS(ESI)352(M++1).
【0048】
実施例3
4-メチル-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol(S-007-1499):

0℃の無水エタノール(30ml)に撹拌溶解した7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-フェニル)-8-メチル-クロメン-4-オン(3gm, 11.2mmol)溶液にNaBH4(2.6gm, 67.2mmol)を添加
した。反応混合物を室温で24時間撹拌した。氷水を添加することによって反応をストップさせ、この溶液を10%HClで中和して、白色沈殿物を得た。この沈殿物を水で洗浄し、ク
ロロホルムヘキサンを溶離剤として使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、4-メチル-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol(1.56gm, 55%)を白色固体として得た。
白色固体; mp 160-162℃; 1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 2.12(s, 3H, CH3), 3.52-3.75(m, 2H, H-6β + H-6a), 4.33(dd, J=4.5, 5.8 Hz, 1H, H-6α), 4.87(s, 1H, OH,
D2O exchange), 5.52(d, J=6.6 Hz, 1H, H-11a), 6.55(d, J=8.34 Hz, 1H, ArH), 6.81-6.94(m, 2H, ArH), 7.13-7.23(m, 1H, ArH), 7.24-7.30(m, 2H, ArH); IR(KBr)1479, 1552, 1599, 3383, 3407cm-1(OH); MS(ESI)255(M++1).
【0049】
実施例4
3-イソプロポキシ-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾフロ[3,2-c]クロメン(S-008-0398):

化合物 6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol(100mg, 0.42mmol)をDMF(5ml)に溶解し、NaH(10mg, 0.42mmol)を室温でこの溶液に添加し、次にイソ
プロピルヨウ化物(149mg, 0.84mmol)を添加した。反応混合物を室温で6時間撹拌し、氷水に注ぎ、10%HClで中和し、白色沈殿物を得た。この沈殿物を水で洗浄し、クロロホル
ムヘキサンを溶離剤として使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製
して、3-イソプロポキシ-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾフロ[3,2-c]クロメン(60mg, 51%)を白色固体として得た。
白色固体; mp 96-98℃; 1H NMR(200 MHz, CDCl3)δ 1.33(d, J=6 Hz, 6H, 2CH3) 3.51-3.75(m, 2H, H-6β + H-6a), 4.28(dd, J=3.3, 9.8 Hz, 1H, H-6α),4.42-4.64 (m, 1H, CH), 5.50(d, J=6.3 Hz, 1H, H-11a), 6.46(d, J=2.4 Hz, 1H, ArH), 6.62(dd, J=2.4, 8.4 Hz, 1H, ArH), 6.81-6.96(m, 2H, ArH), 7.13-7.29(m, 2H, ArH
), 7.43(d, J=8.5 Hz, 1H, ArH); 13C-NMR(75.5 MHz, CDCl3)δ 22.00, 40.15, 66.36, 66.99, 77.78, 103.50, 110.21, 110.73, 112.00, 120.8, 124.72, 127.20, 129.19,
131.88, 156.55, 159.40; IR(KBr)744, 784, 876, 928, 981, 1038, 1132,1174, 1229, 1279, 1371, 1461, 1502, 1577, 1625, 2925, 2977, 3052 cm-1; MS(ESI)283(M++1
).
【0050】
実施例5
3-(アリルオキシ)-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾフロ[3,2-c]クロメン(S-008-0625):

化合物 6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol(100mg, 0.42 mmol)をDMF(5ml)に溶解し、NaH(10mg, 0.42mmol)を室温でこの溶液に添加し、次に臭化アリル(0.07ml, 0.84mmol)を添加した。反応混合物を室温で6時間撹拌し、氷水に注ぎ
、10%HClで中和し、白色沈殿物を得た。この沈殿物を水で洗浄し、クロロホルムヘキサ
ンを溶離剤として使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、3-(アイルオキシ)-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾフロ[3,2-c]クロメン(58mg, 50%)を白色固体として得た。
白色固体; mp 72-74℃; 1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 3.56-3.72(m, 2H, H-6β + H-6a), 4.27(dd, J=4.3, 5.9 Hz, 1H, H-6α), 4.52(d, J=5.2 Hz, 2H, CH2), 5.28 (dd, J=1.2, 10.5 Hz, 1H, CH), 5.40(dd, J=1.4, 17.3 Hz, 1H, CH), 5.49(d, J=6.4
Hz, 1H, H-11a), 5.96-6.06(m, 1H, CH), 6.48(d, J=6.5 Hz, 1H, ArH), 6.66(dd, J=2.4, 8.5 Hz, 1H, ArH), 6.81-6.94(m, 2H, ArH), 7.13-7.22(m, 1H, ArH), 7.22-7.28(m, 1H, ArH), 7.43(d, J=8.6 Hz, 1H, ArH); 13C NMR(75.5 MHz, CDCl3
δ 40.12, 66.36, 68.87, 77.7, 102.56, 109.83, 110.22, 112.42, 117.89, 120.88, 124.74, 127.25, 129.23, 131.91, 132.95, 156.52, 159.35, 160.00; IR(KBr)757, 803,
833, 869, 888, 907, 931, 995, 1033, 1086, 1111, 1178, 1230, 1266, 1304, 1337, 1385, 1432, 1461, 1478, 1504, 1585, 1619, 2898, 2925, 2989, 3016, 3050 cm-1; MS(ESI)280(M++1).
【0051】
実施例6
(4-メチル-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-イルオキシ)-アセトニトリル(S-007-1501):

化合物 4-メチル-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol(100mg,
0.34mmol)をDMF(5ml)に溶解し、NaH(8.1mg, 0.34mmol)を室温でこの溶液に添加し
、次に2-ブロモアセトニトリル(0.05ml, 0.68mmol)を添加した。反応混合物を室温で6
時間撹拌し、氷水に注ぎ、10%HClで中和し、白色沈殿物を得た。この沈殿物を水で洗浄
し、クロロホルムヘキサンを溶離剤として使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、3-イソプロポキシ-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾフロ[3,2-c]クロメ
ン(63.5mg, 55%)を白色固体として得た。
白色固体; mp 130-132℃; 1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 2.12(s, 3H, CH3), 3.56-3.74(m, 2H, H-6β + H-6a), 4.35(dd, J=4.0, 6.0 Hz, 1H, H-6α), 4.79(s, 2H, OH, CH2), 5.53(d, J=6.5 Hz, 1H, H-11a), 6.69(d, J=8.6 Hz, 1H, ArH), 6.85(d, J=8.0 Hz, 1H, ArH), 6.87-6.96(m, 1H, ArH), 7.14-7.23(m, 1H, ArH), 7.27(d, J=8.0 Hz, 1H, ArH), 7.41(d, J=8.6 Hz, 1H, ArH); 13C NMR(75.5 MHz, CDCl3)δ 7.12, 38.89, 52.88, 65.29, 76.60, 104.54, 108.89, 113.90, 114.70, 119.67, 123.47, 125.73, 127.51, 127.97, 153.48, 154.22, 156.11, 158.01; IR(KBr)753, 798, 825, 891, 934, 986, 1018, 1121, 1176, 1234, 1277, 1316, 1352, 1390, 1481, 1612 cm-1, 2273 cm-1(CN); MS(ESI)293, 269(M+, M++1-CN).
【0052】
実施例7
6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol(S-006-1709):

0℃の無水エタノール(30ml)に撹拌溶解した7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-フェニル)-クロメン-4-オン(3gm, 11.8mmol)溶液にNaBH4(2.7gm, 70.8mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌した。氷水を添加することによって反応をストップさせ、この溶液を10%HClで中和して、白色沈殿物を得た。この沈殿物を水で洗浄し、クロロホルム
ヘキサンを溶離剤として使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol(1.6gm, 57%)を白色固体として得た。
白色固体; mp 148-152 ℃; 1H NMR(200 MHz, CDCl3)δ 3.57-3.74(m, 2H, H-6β + H-6a), 4.22-4.33(m, 1H, H-6α), 5.19(s, 1H, OH, D2O exchange), 5.49(d, J=6.2 Hz, 1H, H-11a), 6.42(d, J=2.4 Hz, 1H, ArH), 6.56(dd, J=2.4, 8.4 Hz, 1H, ArH), 6.81-6.96(m, 2H, ArH), 7.17(d, J=7.76 Hz, 1H, ArH), 7.22-7.30(m, 1H, ArH), 7.41(d, J=8.4 Hz, 1H, ArH); IR(KBr)1017, 1082, 1122, 1170, 1222, 1259, 1289, 1351, 1381, 1476, 1516, 1597, 3396 cm-1(OH); MS(ESI)241(M++1).
【0053】
実施例8
3-ヒドロキシ-6H-ベンゾフロ[3,2-c]クロメン-6-オン(S-008-400):

この化合物6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol(100mg, 0.42mmol)をトルエン(10ml)中DDQ(190.7 mg, 0.84mmol)で10時間還流させた。沈殿したヒドロキノンを濾過し、溶媒を濾過物から取り除いた。残留物は、シリカゲルカラムを通し、クロロホルムメタノールで溶出させることによって精製した。
白色固体; mp 170-172℃; 1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ 6.90-6.97(m, 2H, ArH), 7.40-7.47(m, 2H, ArH), 7.60-7.68(m, 1H, ArH), 7.87(d, J = 8.2 Hz, 1H, ArH), 8.02-8.10(m, 1H, ArH); IR(KBr)746, 773, 807, 855, 951, 1000, 1122, 1264, 1309, 1372, 1440, 1610, 1730(CO), 2927, 3085 cm-1; MS(ESI)252(M++1).
新規なイソフラボン前駆体:
【0054】
実施例9
7,8-ジヒドロキシ-3-(2-メトキシ-フェニル)-クロメン-4-オン(S-007-1352):

合成物BF3-OEt2(7ml, 56mmol)を、0℃でDMF中の2-(2-メトキシ-フェニル)-1-(2,3,4-トリヒドロキシ-フェニル)-エタノン(3.8gm, 14mmol)溶液に徐々に添加した。結果得られた溶液を30分間撹拌した。そこにメシチル塩化物(1.5ml, 42mmol)を50℃で徐々に添
加した。それからこの溶液を5時間110℃まで加熱した。次にこの混合物を濃縮した。そして残留物を氷で処理し、得られた固体を、クロロホルムヘキサンを溶離剤として使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、7,8-ジヒドロキシ-3-(2-メトキシ-フェニル)-クロメン-4-オン(0.98gm, 25%)を白色固体として得た。
白色固体; mp 220-222℃; 1H NMR(300 MHz, CDCl3 + DMSO)δ 3.10(s, 3H, OCH3),
6.94-7.05(m, 3H, ArH), 7.25-7.38(m, 2H, ArH), 7.55-7.65(m, 1H, ArH), 7.98
(s, 1H, CH), 8.74(s, 1H, OH), 9.54(s, 1H, OH); 13C NMR(50 MHz, CDCl3 +DMSO)d60.85, 110.37, 119.53, 121.53, 123.21, 125.53, 126.46, 126.69, 134.77, 136.96, 138.08, 152.23, 154.99, 158.81, 162.73, 180.92 ; IR(KBr)1629 cm-1(CO); MS(ESI)285(M++1).
【0055】
実施例10
7,8-ジヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-フェニル)-クロメン-4-オン(S-007-1351):

-80℃の乾燥CH2Cl2(50ml)に撹拌溶解した7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-フェニル)-8-メチル-クロメン-4-オン(3gm, 11.2mmol)溶液にBBr3(1.4ml in DCM, 14.2mmol)を
添加した。反応混合物を-80℃で1時間、室温で12時間撹拌した。それから氷水を使用して反応を冷却し、反応混合物をCH2Cl2で抽出し、有機層を分離し、塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残留物は、クロロホルムヘキサンを溶離剤として使用し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して7,8-ジヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-フ
ェニル)-クロメン-4-オン(0.95gm, 50%)を白色固体として得た。
白色固体; mp 240-242℃; 1H NMR(300 MHz, CDCl3 + DMSO)δ 6.91-7.00(m, 1H, ArH), 7.01-7.13(m, 2H, ArH), 7.21(d, J=7.6 Hz, 1H, ArH), 7.25-7.35(m, 1H, ArH), 7.72(d, J=7.6 Hz, 1H, ArH), 8.18(s, 1H, CH), 9.17(s, 1H, OH); IR(KBr)1723 cm-1(CO); MS(ESI)271(M++1).
【0056】
実施例11
6-クロロ-7-ヒドロキシ-3-(2-メトキシ-フェニル)-クロメン-4-オン(S-007-1355):

合成物BF3-OEt2(7ml, 56mmol)を、0℃でDMF 中の1-(5-クロロ-2,4-ジヒドロキシ-フ
ェニル)-2-(2-メトキシ-フェニル)-エタノン(4.1gm, 14 mmol)溶液に徐々に添加した。結果得られた溶液を30分間撹拌した。そこにメシチル塩化物(1.5ml, 42mmol)を50℃で
徐々に添加した。それからこの溶液を5時間110℃まで加熱した。次にこの混合物を濃縮した。そして残留物を氷で処理し、得られた固体を、クロロホルムヘキサンを溶離剤として使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、6-クロロ-7-ヒドロ
キシ-3-(2-メトキシ-フェニル)-クロメン-4-オン(2.5gm, 60%)を白色固体として得た。
白色固体; mp 228-230℃; 1H NMR(300 MHz, CDCl3 + DMSO)δ 3.79(s, 3H, OCH3),
6.95-7.09(m, 3H, ArH), 7.24-7.40(m, 2H, ArH), 7.91(s, 1H, ArH), 8.13(s, 1H, CH), 10.85(s, 1H, OH);13 C NMR(75.5 MHz, CDCl3 + DMSO)d 59.16, 107.43,114.68, 121.50, 123.75, 123.90, 124.32, 125.70, 130.29, 133.23, 135.11, 157.33, 159.60, 160.96, 161.45, 178.50; IR(KBr)1625 cm-1(CO); MS(ESI)303 (M++1).
【0057】
実施例12
6-クロロ-7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-フェニル)-クロメン-4-オン(S-007-1354):

-80℃の乾燥CH2Cl2(25ml)に撹拌溶解した6-クロロ-7-ヒドロキシ-3-(2-メトキシフェニル)-4H-クロメン-4-オン(2.5gm, 8.3mmol)溶液にBBr3(1.6ml in DCM, 16.6mmol)を添加した。反応混合物を-80℃で1時間、室温で12時間撹拌した。それから氷水を使用して反応を冷却し、反応混合物をCH2Cl2で抽出し、有機層を分離し、塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残留物は、クロロホルムヘキサンを溶離剤として使用し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して6-クロロ-7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキ
シ-フェニル)-クロメン-4-オン(1.4gm, 60%)を白色固体として得た。
白色固体; mp>250℃; 1H NMR(300 MHz, CDCl3 + DMSO)δ 6.95-7.04(m, 3H, ArH),
7.20-7.32(m, 2H, ArH), 8.11(s, 1H, ArH), 8.20(s, 1H, CH), 9.05(s, 1H, OH); IR(KBr)1625 cm-1(CO); MS(ESI)289(M++1).
【0058】
実施例13
7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-フェニル)-8-メチル-クロメン-4-オン(S-007-1498):

-80℃の乾燥CH2Cl2(50ml)に撹拌溶解した7-ヒドロキシ-3-(2-メトキシフェニル)-8-
メチル-4H-クロメン-4-オン(5gm, 17.7mmol)溶液にBBr3(3.4ml in DCM, 35.4mmol)を添加した。反応混合物を-80℃で1時間、室温で12時間撹拌した。それから氷水を使用して反応を冷却し、反応混合物をCH2Cl2で抽出し、有機層を分離し、塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残留物は、クロロホルムヘキサンを溶離剤として使用し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-フェニ
ル)-8-メチル-クロメン-4-オン(3.5gm, 72%)を白色固体として得た。
白色固体; mp 196-198℃; 1H NMR(300 MHz, CDCl3 + DMSO)δ 2.34(s, 3H, CH3), 6.90-7.06(m, 3H, ArH), 7.22-7.32(m, 2H, ArH), 7.95-8.04(m, 1H, ArH), 8.18
(s, 1H, CH), 10.18(s, 1H, OH, D2O exchange); IR(KBr)1625 cm-1(CO); MS(ESI)269(M++1).
公知のイソフラボン前駆体:
【0059】
実施例14
7-ヒドロキシ-3-(2-メトキシ-フェニル)-クロメン-4-オン(S-006-1710):

合成物BF3-OEt2(14ml, 112mmol)を、0℃でDMF 中の1-(2,4-ジヒドロキシ-フェニル)-2-(2-メトキシ-フェニル)-エタノン(7.2gm, 28mmol)溶液に徐々に添加した。結果得ら
れた溶液を30分間撹拌した。そこにメシチル塩化物(6.5ml, 84mmol)を50℃で徐々に添
加した。それからこの溶液を5時間110℃まで加熱した。次にこの混合物を濃縮した。そして残留物を氷で処理し、得られた固体を、クロロホルムヘキサンを溶離剤として使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、7-ヒドロキシ-3-(2-メトキシ-フェニル)-クロメン-4-オン(5.6 gm, 75%)を白色固体として得た。
白色固体; mp 222-224℃; 1H NMR(200 MHz, CDCl3 + CD3OD)δ 3.80(s, 3H, OCH3), 6.85-7.07(m, 4H, ArH), 7.23-7.41(m, 2H, ArH), 7.96(s, 1H, CH), 8.08(d, J=8.8 Hz, 1H, ArH); IR(KBr)1628 cm-1(CO); MS(ESI)269(M++1).
【0060】
実施例15
7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-フェニル)-クロメン-4-オン(S-006-1711):

-80℃の乾燥CH2Cl2(50ml)に撹拌溶解した7-ヒドロキシ-3-(2-メトキシ-フェニル)-クロメン-4-オン(5gm, 18.7mmol)溶液にBBr3(3.6ml in DCM, 37.4mmol)を添加した。反応混合物を-80℃で1時間、室温で12時間撹拌した。それから氷水を使用して反応を冷却し、反応混合物をCH2Cl2で抽出し、有機層を分離し、塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残留物は、クロロホルムヘキサンを溶離剤として使用し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-フェニル)-クロメン-4-オン(3.8gm, 80%)を白色固体として得た。
白色固体; mp 196-198℃; 1H NMR(200 MHz, CDCl3 + CD3OD)δ 6.89-7.05(m, 4H, ArH), 7.20-7.36(m, 2H, ArH), 8.12(s, 1H, CH), 8.15(d, J=9.04 Hz, 1H, ArH);
IR(KBr)1621 cm-1(CO); MS(ESI)255(M++1).
【0061】
実施例16
3-(2,4-ジメトキシ-フェニル)-7-ヒドロキシ-クロメン-4-オン(S-006-1713):

合成物BF3-OEt2(14ml, 112mmol)を、0℃でDMF 中の1-(2,4-ジヒドロキシ-フェニル)-2-(2,4-ジメトキシ-フェニル)-エタノン(8.1gm, 28mmol)溶液に徐々に添加した。結果
得られた溶液を30分間撹拌した。そこにメシチル塩化物(6.5ml, 84mmol)を50℃で徐々
に添加した。それからこの溶液を5時間110℃まで加熱した。次にこの混合物を濃縮した。そして残留物を氷で処理し、得られた固体を、クロロホルムヘキサンを溶離剤として使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、3-(2,4-ジメトキシ-フェニル)-7-ヒドロキシ-クロメン-4-オン(5.9 gm, 70%)を白色固体として得た。
白色固体; mp 238-240℃; 1H NMR(200 MHz, CDCl3 + CD3OD)δ 3.78(s, 3H, OCH3), 3.85(s, 3H, OCH3), 6.53-6.59(m, 2H, ArH), 6.83-6.98(m, 2H, ArH), 7.20(d, J=8.9 Hz, 1H, ArH)7.92(s, 1H, CH), 8.08(d, J=8.8 Hz, 1H, ArH); IR(KBr)1621 cm-1(CO); MS(ESI)299(M++1).
【0062】
実施例17
7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-クロメン-4-オン(S-006-1714):

化合物 3-(2,4-ジメトキシ-フェニル)-7-ヒドロキシ-クロメン-4-オン(2gm, 6.7mmol
)を CH3CN(25ml)に溶解し、AlCl3(2.6gm, 20mmol)を0℃でこの溶液に添加した。反
応を10時間還流させ、混合物を冷却して氷水に注入した。沈殿固体を濾過し、水で洗浄し、クロロホルムヘキサンを溶離剤として使用し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-クロメン-4-オ
ン(0.95gm, 50%)を白色固体として得た。
白色固体; mp 210-212℃; 1H NMR(300 MHz, CDCl3 + CD3OD)δ 3.86(s, 3H, OCH3), 6.51-6.65(m, 2H, ArH), 6.90(d, J=1.9 Hz, 1H, ArH), 7.03(dd, J=2.2, 10.28 Hz, 1H, ArH), 7.13(d, J=8.4 Hz, 1H, ArH), 8.07(s, 1H, CH), 8.15(d, J=8.9 Hz, 1H, ArH); IR(KBr)1619 cm-1(CO); MS(ESI)285(M++1).
【0063】
生物学的評価
本発明の純化合物は、骨原性骨形成の強化、哺乳類におけるエストロゲン欠乏又は欠損状態を含むエストロゲン欠乏又は欠損症状の予防又は治療、特に人間や他の動物における骨粗しょう症、骨形成、骨欠損の予防又は治療に使用されるために、評価された。本発明に係る分離化合物の評価の詳細な手順を次に説明する。本発明の化合物S006-1709の薬物
動態評価を実験動物において行い、その詳細な手順を以下に記載する。しかしながら、以下の実施例に例示する活性試験は、本発明の範囲を制限するものと解釈されてはならない。
【0064】
骨原性又は骨形成活性を判断するための手順:
本発明のテスト化合物のテスト溶液が、濃度範囲10-14 M〜10-6Mの適切な溶媒中に作成された。それぞれの濃度のうち2μlが、インビトロで行う骨形成の評価に使用された。コントロール実験において、テスト薬剤の代わりに、同等量の適切な溶媒が使用された。
【0065】
骨芽細胞培養:
骨芽細胞は多分化能性幹細胞から発生する。前骨芽細胞の最も豊富な発生源の一つとして、ラット又はマウスの新生児の頭蓋冠が挙げられる。骨芽細胞は骨髄にも存在する。培養の過程で、前骨芽細胞は、骨芽細胞に特徴的な以下に記載する3段階のステージを経て
、それぞれのステージで特異的遺伝子の発現を伴う。
・分裂増殖及び分化:1〜12日間
遺伝子-アルカリホスファターゼ、コラーゲン-I、Osterix, cbfa1(転写因子)
・細胞外マトリックス成熟:12〜18日間
遺伝子-オステオカルシン、オステオポンチン、フィブロネクチン
・石灰化:14〜35日間
機能石灰化(結節形成)
【0066】
多少の変更をした新生児ラット頭蓋冠細胞培養を前記のように用意した(内分泌学145:3451)。簡単に言うと、新生児SDラット(生後1-3日)から採取した前頭葉と頭頂骨を、
α-MEMにおけるコラゲナーゼ0.1%/ディスパーゼ0.1%で消化し、5連続消化を得た。こ
のうち、2番目から5番目の消化が結合し、α-MEMにおいて37℃及び大気中5%CO2下で集密し、ここに10%のウシ胎児血清(FBS)、2Mmのグルタミン、100U/mlのペニシリンストレプトマイシン、非必須アミノ酸溶液、及びピルビン酸ナトリウムを補充した。
骨芽細胞及び溶骨細胞に関して、純化合物の試験を行った。
【0067】
MTT 細胞増殖アッセイ
方針
Mosmann(1983)が最初に開示したMTT [3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-yl)-2,5-ジフェニルテトラゾリウム ブロミド] アッセイは、生細胞から遊離したミトコンドリア脱水素酵素が、淡黄色のMTTのテトラゾリウム環を劈開して細胞膜を概して透過しない青黒いホ
ルマザン結晶を形成する能力に基づくものであるが、このホルマザン結晶は、健康な細胞
内で蓄積してしまう。洗剤添加によって細胞の可溶化が起こると、可溶化する結晶の遊離を招く。細胞の生存数はホルマザン生成レベルに比例する。色は比色分析法によって定量化することができる。結果は、マルチウエル走査分光光度計(Mosmann T. Rapid colorimetric assay for cellular growth and survival: application to proliferation and cytotoxicity assays. J Immunol Methods. 1983 Dec 16; 65(1-2):55-63)で読むこと
ができる。
【0068】
材料及び方法:
頭蓋冠骨芽細胞を、2.0×103 cells/200ulの濃度で、96のウェルプレート上に置く。
細胞は60%の集密度に成長し、これら成長した細胞に対し、10-10M〜10-6Mの濃度の化合
物S006-1709、S006-1710、S006-1711、S006-1713及びS006-1714で、24時間処理を行った
。そして処理媒体を取り除いた後、フエノールレッドフリーのDMEM媒体に10mMのMTTを添
加した。4時間の定温培養の後、MTT溶液を取り除いた。DMSOに溶解する青色結晶が形成され、ELISAプレートリーダー上で、570nmの波長にて、吸収度を読んだ。
結果:化合物S006-1709は、骨芽細胞の増殖に効果なし(図1a)。
【0069】
骨芽細胞の分化を起こすアルカリホスファターゼ活性
70%〜80%の集密的頭蓋冠骨芽細胞に対し、アスコルビン酸塩とグリセロリン酸塩の存在下、μM S006-1709で、48時間処理を行った。定温培養の終わりに、p-ニトロフェニル
リン酸(PNPP)を基材として使用する方法によって、ALP活性をトータルで測定した。反
応混合物は、ジエタノールアミンバッファ(1mol/L, pH 9.8), 0.5mmol/L MgCl2・6H2O
、及び10mmol/L PNPPを含む。PNPPの脱リン酸化を波長405nmで行うことによって形成される着色生成物分の光学濃度を測り、ALP活性を測定した。この結果、10-16M〜10-6Mの濃度範囲で、S006-1709によって処理することにより、骨芽細胞ALPの著しい増加があることが判明した(図3a)。更に、頭蓋冠骨芽細胞の石灰化に対するS006-1709の影響を調べた
。データによると、10-12 M 及び 10-10 Mにおけるアリザリンレッド抽出のコントロール下、S006-1709によって、初期のカルシウム沈着の石灰化に著しい増加があることが判明
した(図5)。
【0070】
最近の調査結果によると、さまざまな成長因子に対して、頭蓋骨芽細胞は骨髄骨芽細胞とは異なる反応を示すことが分かった。明確に言うと、S006-1709は、頭蓋冠骨芽細胞に
おいて成長促進剤及び機能促進剤として作用する。閉経後や老化に関連した骨量の減少において、骨髄と海綿骨が影響を受ける。骨髄の骨芽細胞は、骨量減少に見合う率で骨形成することができない。よって、骨量減少疾患の最も好ましい治療形態として、骨芽細胞の骨形成能を強化する方法が考えられる。
【0071】
更に、骨髄の石灰化に対するS006-1709の効果も研究された。
データによると、10-12 M 及び 10-10 Mの濃度範囲において、18日間の骨髄培養法におけるアリザリンレッド抽出のコントロール下、S006-1709によって、初期のカルシウム沈
着の石灰化に著しい増加があることが判明した(図6)。
S006-1710: S006-1709と同様に調査した結果、S006-1710には骨芽細胞増殖効果がない
ことが分かった(図1b)。
【0072】
そこで、頭蓋冠及び骨髄骨芽細胞における骨芽細胞分化の効果を調べた。集密的頭蓋冠骨芽細胞(70〜80%)に対し、アスコルビン酸塩とグリセロリン酸塩の存在下、10-16M〜10-6Mの濃度範囲で、S006-1710で、48時間処理を行った。定温培養の終わりに、先に使用した同じ方法、p-ニトロフェニルリン酸(PNPP)を基材として使用する方法によって、ALP活性をトータルで測定した。その結果、コントロール媒体と比べて、調査したあらゆる
濃度範囲において、S006-1710治療を施した方が、骨芽細胞ALP活性の著しい増加があることが分かった(図3b)。
【0073】
S006-1710は、初期カルシウム沈着量を測定するアリザリンレッド染色によって評価す
る10-12 M 及び 10-10 Mの濃度範囲における頭蓋及び骨髄骨芽細胞の石灰化を促すことが分かった。この効果は、S006-1709と同様であることが分かった(図5)。
更に、骨髄骨芽細胞の石灰化に対するS006-1710の効果も調べた。データによると、10-12 M 及び10-10Mの濃度範囲において、18日間の骨髄培養法におけるアリザリンレッド抽
出のコントロール下、S006-1710によって、初期のカルシウム沈着の石灰化に著しい増加
があることが判明した(図6)。
【0074】
S006-1711: S006-1711は骨芽細胞増殖に何ら影響を与えなかったが(図1c)、10-16M 〜10-6M濃度の頭蓋及び骨髄抽出骨芽細胞におけるALP活性を促した(図3c)。S006-1711は10-12M〜10-10M濃度の頭蓋及び骨髄抽出骨芽細胞の石灰化も促した(図5及び図6)

S006-1713: S006-1713は、骨芽細胞の増殖に何ら影響を与えず(図2a)、ALP活性に対する刺激も目立たなかった(図4a)。
S006-1714: S006-1714は、骨芽細胞の増殖に何ら影響を与えず(図2b)、ALP活性に対する刺激も目立たなかった(図4b)。
【0075】
骨芽細胞分化を起こすアルカリホスファターゼ活性
S007-1351
70%〜80%の集密的頭蓋冠骨芽細胞に対し、アスコルビン酸塩とグリセロリン酸塩の存在下、S007-1351で、48時間処理を行った。定温培養の終わりに、p-ニトロフェニルリン
酸(PNPP)を基材として使用する方法によって、ALP活性をトータルで測定した。反応混合
物は、ジエタノールアミンバッファ(1mol/L, pH9.8)、0.5mmol/L MgCl2・6H2O、及び 10mmol/L PNPP等を含む。PNPPの脱リン酸化を波長405nmで行うことによって形成される着
色生成物の光学濃度を測り、ALP活性を測定した。この結果、10-12M〜10-6Mの濃度範囲で、S007-1351によって処理することにより、骨芽細胞ALPの著しい増加があることが判明した(図7)。
S006-1352
70%〜80%の集密的頭蓋冠骨芽細胞に対し、10-12M〜10-6 Mの濃度範囲のアスコルビン酸塩とグリセロリン酸塩の存在下、S007-1352で、48時間処理を行った。定温培養の終わ
りに、先に使用した同じ方法、p-ニトロフェニルリン酸(PNPP)を基材として使用する方法によって、ALP活性をトータルで測定した。その結果、コントロール媒体と比べて、調
査したあらゆる濃度範囲において、S007-1352治療を施した方が、骨芽細胞ALP活性の著しい増加があることが分かった(図7)。
S007-1353: S007-1353は、10-12M〜10-6Mの濃度範囲において、頭蓋抽出骨芽細胞におけるALP活性を促した(図7)。
S007-1495: S007-1495は、10-12M〜10-6Mの濃度範囲において、頭蓋抽出骨芽細胞におけるALP活性を促した(図7)。
S007-1500: S007-1500は、10-12M〜10-6Mの濃度範囲において、頭蓋抽出骨芽細胞におけるALP活性を促した(図7)。
S007-1354、S007-1355、S007-1496、S007-1497、S007-1498、S007-1499及びS007-1501
これら化合物のALP活性に対する刺激は目立たないことが分かった。
【0076】
さまざまな合成化合物の抗脂質生成効果
方針:脂質生成の増加は、骨量減少を促進することがインビボで示されたため、この実験は脂質生成を阻害する合成化合物を同定することを目指した。インビトロでの最も顕著な脂質生成モデルは3T3-L1細胞株、つまりスイス3T3細胞(マウス胎仔由来線維芽細胞株)
の亜株である。基準状態下で伝搬する3T3-L1細胞株は線維芽細胞の形質を有する。しかしながら、デキサメタゾン、イソブチルメチルキサンチン(IBMX or MIX)、及びインシュ
リンの組み合わせにより治療する場合、3T3-L1細胞株は丸みを帯びた形質をとり、5日以
内に、脂肪滴の形態で細胞内に脂質を蓄積し始める。
【0077】
方法:
脂肪細胞分化のプロセス(インビトロ)
3T3-L1細胞株を、40,000細胞/ウェルの48ウェルプレートに置いた。この細胞を、DMEM含有ウシ胎児血清中で2日間、細胞が併合するまで定温培養した。その後、10%のFCS、IBMX、及びデキサメタゾンとDMEMを含む脂質生成開始媒体で、48時間、37℃、5%のCO2下で、細胞を定温培養した。2日後、媒体をDMEM/10%FCSとインシュリンを含む脂質生成促進媒体に置き換え、48時間、37℃、5%のCO2下で、細胞を定温培養した。媒体を徐々に脂質生成保持媒体に変更し、48時間、37℃、5%のCO2下で、細胞を定温培養した。実験8日後
、細胞を固定し、オイルレッドOで染色して、脂質滴を染色した。染料を抽出し、抽出した染料を96-ウェルプレートに移し、抽出したオイルレッドOの吸収度を490nmの波長のプレートリーダーで測定した。
【0078】
結果:
化合物S006-1709、S007-1351-53、S007-1495及びS007-1500を、10-10M及び10-12Mの濃
度で、3T3L1細胞株中、インビトロでテストした。図8aは、8日間の実験後に形成された脂肪細胞を示す。固定された細胞はオイルレッドOで染色した。その後染料を抽出して定量化した。あらゆる化合物の中で、S006-1709、S007-1495及びS007-1500が、異なる濃度
における脂質生成を著しく阻害した(図8b)。化合物S007-1353は、10-10Mの濃度で脂
質生成を阻害したが、統計的に重要ではないことが分かった。その他の化合物S007-1351
(両濃度において)、S007-1352(両濃度において)、及び10-12Mの濃度におけるS007-1353は、抗脂質生成物質というより、脂質生成の誘導物質であることが分かった。
【0079】
エストロゲン性及び抗エストロゲン性
閉経後女性におけるエストロゲン治療を断念せざるを得ない主な障害となる、閉経後女性におけるエストロゲンの癌促進性を考慮して、これら女性における潜在的なエストロゲン性を引き出す活性純化合物をテストした。
【0080】
生後21日の雌ラット(25-30グラム)の卵巣切除を行い、術後7日間静置した。その後、これらに対し、参考基準としての、テスト薬剤(体重当たり10mg/Kg)又は媒体又はエチ
ニルエストラジオールで3日間継続して経口治療を施した。抗エストロゲン性に関して、
テスト薬剤の他にエチニルエストラジオール(0.01mg/kg)を、テスト薬剤投与前に15分
間隔で投与した。最後の治療後24時間後に解剖して、子宮生体重を取り出した。
【0081】
化合物S006-1709は非エストロゲン性であることが分かり、一方S006-1710及びS006-1711はエストロゲン性であることが分かった(表1)。化合物S006-1709は抗エストロゲン性であることが分かり、一方S006-1710及びS006-1711は抗エストロゲン性でないことが分かった(表1)。
【表1】

【0082】
S-006-1709及びS007-1500のインビボでの有効性
S006-1709 及び S007-1500は、骨芽細胞の機能のあらゆるステージで、いかなるエストロゲン性も発揮することなく、増殖、分化、石灰化等の刺激性作用を発揮することが知られている。よって、インビボでの有効性を求めるため、S006-1709(表2)及びS007-1500(表3)の評価を行った。
【0083】
成熟していない生後21日の雌のSDラットをモデルとして選択し、大まかに4グループに
分け、テスト薬剤又は媒体を1カ月間毎日投与して治療を行い、31日目に解剖した。
【0084】
解剖の1日前に、ラットを代謝ケージに移し、24時間餌と水を与えて馴養した。馴養し
たラットを代謝ケージに残し、更に24時間餌を与えず水だけ与えた。24時間後、血液と尿のサンプルを採取した。血清カルシウム、血清リン、血清オステオカルシン、血清アルカリ性ホスファターゼ(ALP)等のさまざまな生化学的パラメータを評価した。31日目にラッ
トの解剖を行い、腰椎、大腿骨、脛骨を分離、洗浄し、BMD測定まで70%のエタノールを
含む生理食塩水中に固定し、4℃で保存した。初期体重と最終的な体重及び解剖時の子宮
重量を記録した。対象領域(腰椎:全体、L1-L4; 大腿骨:全体、首及び背骨;脛骨:全体、局所、及び脛腓接点)に対し、インビボで小動物の骨密度測定及び身体組成の測定を行う市販されているファンビームDXA装置用ソフトウェア(QDR 4500 ACCLAIM シリーズ)を備える骨密度測定器(型:4500 Elite, Hologic)を使用してBMD測定を行った。
結果:大腿骨と脛骨において、10mg/kgのS006-1709投与でBMDの著しい増加が見られた。
又、1.0及び5.0mg/kgのS007-1500の2回投与でBMDの著しい増加が見られた。
【表2】

【表3】

薬物動態の検討:
実験動物を使用して本発明の化合物S006-1709の薬物動態評価を行い、そのデータを表
4に示すと共にその詳細な手順を以下に記載する。
【0085】
経口投与によってSDラットに5mg/Kg投与することにより、インビボで薬物動態パラメータを得た。0.25、0.5、0.75、1.0、1.5、2.0、2.5、4.0、6、8、10、12、18、24、28、36及び48時間毎に血液サンプルを採取し、液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)によって加工、分析した。異なる時点における血漿濃度をプロットして血漿濃度タイムプロファイルを作成し、Win NonLin 5.1 版ソフトウェアを使用して非コンパートメント解析によ
ってデータ合わせを行い、薬物動態パラメータの概算をSD平均値で得た。最大血漿濃度(Cmax)、最大血漿濃度を達成する時点(tmax)、曲線下面積、排出半減期(T1/2)、及び平均滞留時間(MRT)はそれぞれ17.533 ± 1.76、15分、32.12±12.0 hr.ng/ml、2.5時間及び3.5時間であることが分かった。
【表4】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式Iで表される新規な置換ベンゾフロクロメン、及びその塩、キラル、アキラル、の化合物であって、

1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8は、水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルコキシル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアシルアミノ、任意に置換されたアリールアミノ、任意に置換されたアシルチオ、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアロイル、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたチオアミド、ハロゲン、ニトリル、エステル、ヒドロキシ、メルカプト、三フッ化カーボン、ニトロからなる群よりそれぞれ選択され、
1、R2、又はR2、R3、又はR6、R7は結合して、任意に置換されたフラン、任意に置換されたジヒドロフラン、任意に置換されたピラン等の五員環又は六員環のいずれかを形成すると共に、メチレンジオキシ部分を介して結合し、
Xは、ケトン群、メチレン群、任意に置換されたメチレン群、任意に置換されたアルケン群からなる一群より選択され;
Y及びZは、CH、C-OH、C-Me、C-OMeからなる群より選択され、但しYとZの結合は単
結合である、ことを特徴とする化合物。
【請求項2】
一般式Iで表記される請求項1に記載の化合物であって、更に好ましくはテンプレートIによって表される化合物であって;

1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8は、水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルコキシル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアシルアミノ、任意に置換されたアリールアミノ、任意に置換されたアシルチオ、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアロイル、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたチオアミド、ハロゲン、ニトリル、エステル、ヒドロキシ、メルカプト、三フッ化カーボン、ニトロからなる群よりそれぞれ選択され、
1、R2、又はR2、R3、又はR6、R7は結合して、任意に置換されたフラン、任意に置換されたジヒドロフラン、任意に置換されたピラン等の五員環又は六員環のいずれかを形成し、又はメチレンジオキシ部分を介して結合することを特徴とする化合物。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物であって、3-アリルオキシ-4-メチル-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベ
ンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメンで表され、例えば:
i. 4-メチル-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-o1
ii. 6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol
iii. (4-メチル-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-イルオ
キシ)-アセトニトリル
iv. 3-イソプロポキシ-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン
v. 3-(アリルオキシ)-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン
vi. 1-(2-(6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-イルオキシ)エチル)ピペラジン
vii. 3-アリルオキシ-4-メチル-6aR,11aR-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]
クロメン
viii. 3-アリルオキシ-4-メチル-6aS,11aS-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン
ix. 4-メチル-6aR,11aR-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol
x. 4-メチル-6aS,11aS-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol
xi. 6aR,11aR-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol
xii. 6aS,11aS-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol
xiii. (4-メチル-6aR,11aR-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-イル
オキシ)-アセトニトリル
xiv. (4-メチル-6aS,11aS-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-イル
オキシ)-アセトニトリル
xv. 3-イソプロポキシ-6aR,11aR-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン
xvi. 3-イソプロポキシ-6aS,11aS-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン
xvii. 3-(アリルオキシ)-6aR,11aR-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン
xviii. 3-(アリルオキシ)-6aS,11aS-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン
xix. 1-(2-(6aR,11aR-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-イルオキ
シ)エチル)ピペラジン
xx. 1-(2-(6aS,11aS-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-イルオキ
シ)エチル)ピペラジン
からなることを特徴とする化合物。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物であって、エストロゲン依存性疾患や症候群に関連するさまざまな医学的適応症の予防又は治療に有用であると共に、好ましくは特に人間及び動物に起こる以下に記載する疾患や症候群の予防又は治療に有用であることを特徴とする化合物:骨粗しょう症、骨量の減少、骨形成;タイプII/年齢性/老人性骨粗しょう症罹患の際の骨形成、高骨密度を達成する成長期、骨折治療、欠陥のある骨の交換によるインビトロ/インビボでの新しい骨形成の促進。
【請求項5】
請求項1に記載の化合物であって、10-12M〜10-10Mの濃度下、18日間の骨髄培養で、初期カルシウム沈着の石灰化を著しく増進することを特徴とする化合物。
【請求項6】
請求項1に記載の化合物であって、10-12M〜10-6Mの濃度において、骨芽細胞ALP活性
を示すことを特徴とする化合物。
【請求項7】
請求項1に記載の化合物であって、異なる濃度下、すなわち10-12M〜10-10Mでは、脂質生成を著しく阻害することを特徴とする化合物。
【請求項8】
請求項1に記載の化合物であって、1.0〜10mg/kg内の投与範囲で、インビボにおいてBMDを著しく増加させることを特徴とする化合物。
【請求項9】
骨粗しょう症、骨量の減少、骨形成等の治療用;タイプII/年齢性/老人性骨粗しょう症罹患の際の骨形成、高骨密度を達成する成長期、骨折治療又はその他いかなる骨疾患にも有用な一般式Iで表される化合物、及びその塩、キラル、アキラル、の化合物の利用であって:

1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8は、水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルコキシル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアシルアミノ、任意に置換されたアリールアミノ、任意に置換されたアシルチオ、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアロイル、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたチオアミド、ハロゲン、ニトリル、エステル、ヒドロキシ、メルカプト、三フッ化カーボン、ニトロからなる群よりそれぞれ選択され、
1、R2、又はR2、R3、又はR6、R7は結合して、任意に置換されたフラン、任意に置換されたジヒドロフラン、任意に置換されたピラン等の五員環又は六員環のいずれかを形成すると共に、メチレンジオキシ部分を介して結合し、
Xは、ケトン群、メチレン群、任意に置換されたメチレン群、任意に置換されたアルケン群からなる一群より選択され、
Y及びZは、CH、C-OH、C-Me、C-OMeからなる群より選択され、但しYとZの結合は単
結合であり、
前記化合物は、骨粗しょう症、骨量の減少、骨形成等の治療用;タイプII/年齢性/老人性骨粗しょう症罹患の際の骨形成、高骨密度を達成する成長期、骨折治療又はその他いかなる骨疾患にも有用な6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol(実施例3)等の公知の天然及び合成化合物の類6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン(プテロカルパン)、及び公知又は公知でない(3-ヒドロキシ-6H-ベンゾフロ[3,2-c]クロメン-6-オン, 7,8-ジヒドロキシ-3-(2-メトキシ-フェニル)-クロメン-4-オン,7,8-ジヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-フェニル)-クロメン-4-オン, 6-クロロ-7-ヒドロキ
シ-3-(2-メトキシ-フェニル)-クロメン-4-オン, 6-クロロ-7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-フェニル)-クロメン-4-オン, 7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-フェニル)-8-メチル-クロメン-4-オン, 7-ヒドロキシ-3-(2-メトキシ-フェニル)-クロメン-4-オン,7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-フェニル)-クロメン-4-オン, 3-(2,4-ジメトキシ-フェニル)-7-ヒドロキシ-クロメン-4-オン,7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-クロメン-4-オン)等のイソフラボンであることを特徴とする化合物。
【請求項10】
請求項1に記載する一般式Iで表される置換ベンゾフロクロメン、及びその塩、純キラル、の化合物の作成方法であって、
(i)置換基R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8が水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルコキシル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアシルアミノ、任意に置換されたアリールアミノ、任意に置換されたアシルチオ、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアロイル、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたチオアミド、ハロゲン、エステル、ヒドロキシ、メルカプト、三フッ化カーボン、ニトロ、からなる群よりそれぞれ選択される一般式Aで表される化合物と式Bで表される置換2'-メトキシフェニル酢酸とを、ルイス酸好
ましくはボロントリフルオリド エーテラートの存在下、25℃〜150℃の温度範囲で、1時間〜20時間、添付図面に示すように反応させる工程と、
(ii)添付図面に示すように一般式Cで表される化合物を分離し一般式Cで表される上記化合物をクロマトグラフ法により精製する工程と、
(iii)一般式Cで表される化合物とメタンスルホニルクロリドとを、酸性媒質の存在
下で反応させ、温度範囲25℃〜100℃で1〜10時間加熱する工程と、
(iv)添付の図面に示すように、置換基R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8がハイドロゲン、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルコキシル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアシルアミノ、任意に置換されたアリールアミノ、任意に置換されたアシルチオ、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアロイル、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたチオアミド、ハロゲン、エステル、ヒドロキシ、メルカプト、三フッ化カーボン、ニトロ、からなる群よりそれぞれ選択される一般式Dで表される化合物を分離し、一般式Dで表される上記化合物をクロマトグラフ法により精製する工程と、
(v)置換基R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8が水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルコキシル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアシルアミノ、任意に置換されたアリールアミノ、任意に置換されたアシルチオ、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアロイル、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたチオアミド、ハロゲン、エステル、ヒドロキシ、メルカプト、三フッ化カーボン、ニトロ、からなる群よりそれぞれ選択される一般式Dで表される化合物と、三臭化ホウ素又は三塩化アルミニウムのいずれかとを、THF、DMF、エタノール、アセトニトリル、ジクロロメタン等からなる群より選択されるプロトン性又は非プロトン性溶媒中で、-40℃〜150℃の温度範囲で、1時間〜20時間反応さ
せ、一般式Eで表される前記化合物をクロマトグラフ法により分離し精製する工程と、
(vi)置換基R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8が水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルコキシル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアシルアミノ、任意に置換されたアリールアミノ、任意に置換されたアシルチオ、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアロイル、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたチオアミド、ハロゲン、エステル、ヒドロキシ、メルカプト、三フッ化カーボン、ニトロ、からなる群よりそれぞれ選択される一般式Eで表される化合物と水素化リチウムアルミニウムや水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤とを、添付図面に示すように、DMSO、エタノール、メタノール、THF、DMF等のプロトン性又は非プロトン性溶媒中で、0℃〜150℃の温度範囲で、1時間〜20時間反応
させ、式Fで表される前記化合物をクロマトグラフ法により分離し精製する工程と、
(vii)セルロース又はアミロース系置換又は未置換フェニルカーバメート等キラル固
定相を使用するキラルHPLC法によって、純キラル化合物を、一般式Fで表されるラセミ化合物から分解する工程と、を含むことを特徴とする作成方法。
【請求項11】
請求項1に記載の化合物の作成方法であって、前記化合物は以下に記載する薬理学的に許容される塩類に変換してもよい:塩酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、フェニル酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アクリレート、アスコルビン酸塩、安息香酸エステル塩、クロロ安息香酸塩、ブロモベンゾアート、ヨード安息香酸塩、ニトロベンゾアート、ヒドロキシベンゾアート、アルキルベンゾアート、アルキロキシベンゾアート、アルコキシカルボニルベンゾアート、ナフタレン-2-ベンゾアート、ブチラート、フェニルブチラート、ヒドロキシブチ
ラート、カプリン酸塩、カプリル酸塩、シンナマート、マンデル酸塩、メシラート、クエン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、ヘプタン酸塩、馬尿酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、ニコチン酸塩、イソニコチン酸塩、シュウ酸塩、ナトリウム、カリ
ウム、フタル酸塩、テレフタラート、リン酸塩、リン酸一水素、リン酸二水素、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、プロピオラート、プロピオナート、フェニルプロピオナート、サリチル酸塩、セバシン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、スルホン酸塩、重硫酸塩、ピロ硫酸塩、亜硫酸塩、スルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ブロモベンゼンスルホン酸塩、クロロベンゼンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩。
【請求項12】
骨粗しょう症、骨量減少により引き起こされる疾患や症候群の予防又は治療、骨形成、骨折の治療、成長期投与による骨量の高いピークの達成、及び新しい骨形成の促進に有用な、薬理学的に許容されるキャリア又は希釈剤又は賦形剤を含む又は含まない請求項1に記載する化合物の医薬的成分。
【請求項13】
請求項12に記載の医薬的成分であって、3-アリルオキシ4-メチル-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン等の式Iで表される化合物(実施例1)と、薬理学的に許容されるキャリア又は希釈剤又は賦形剤との率は、好ましくはコア材の1〜20%であ
り、コア材において薬剤充填のmgあたりの非イオン性界面活性剤が10〜40%であり、その後のカプセル化において反対電荷の高分子電解質の割合が10〜60%であり、表面改質のための胆汁酸塩の割合が10〜30%であることを特徴とする医薬的成分。
【請求項14】
請求項12に記載の医薬的成分であって、公知又は公知ではないベンゾフロクロメン(プテロカルパン)を、さまざまな率の組み合わせで、又はモル濃度、パーセント当たりで、又は等量で使用することを特徴とする医薬的成分。
【請求項15】
請求項12に記載の医薬的成分であって、医薬的希釈剤は、ラクトース、マニトール、ソルビトール、微結晶質、ショ糖、クエン酸ナトリウム、二塩基リン酸カルシウムからなる群より選ばれるか、同様な性質の成分単独又は適切な組み合わせによる希釈剤であることを特徴とする医薬的成分。
【請求項16】
請求項12に記載の医薬的成分であって、医薬的賦形剤は以下の薬剤からなるグループより選ばれることを特徴とする:
i.ラクトース、マニトール、ソルビトール、微結晶質のセルロース、スクロース、クエン酸ナトリウム、二塩基リン酸カルシウム、又は同様な性質の成分単独又は適切な組み合わせによる希釈剤、
ii.トラガントゴム、アカシアゴム、メチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、澱粉又は他のいかなる同様な性質の成分単独又は組み合わせによるバインダー、
iii.寒天培地、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、シリケート、アルギン酸、コーンス
ターチ、じゃがいもタピオカ澱粉、プリモゲル、又は他のいかなる同様な性質の成分単独又は組み合わせによる崩壊剤、
iv.マグネシウムステアリン酸塩、カルシウムステアリン酸塩、タルク、固形ポリエチレングリコール、ナトリウムラウリル硫酸、又は同様な性質の成分単独又は適切な組み合わせによる潤滑剤、
v.コロイド状二酸化ケイ素、又は他のいかなる同様な性質の成分単独又は組み合わせによる滑剤、
vi.スクロース、サッカリン、又は他のいかなる同様な性質の成分単独又は組み合わせによる甘味剤、
vii.ペパーミント、サリチル酸メチル、オレンジフレーバー、バニラフレーバー、又は
他のいかなる同様な性質の成分単独又は組み合わせによる着香剤、
viii.ヘキサデシルアルコール、モノステアリン酸グリセリン、又は他のいかなる同様な性質の成分単独又は組み合わせによる湿潤剤、
ix.カオリン、ベントナイト粘土、又は他のいかなる同様な性質の成分単独又は組み合わ
せによる吸収剤、
x.ワックス、パラフィン、又は他のいかなる同様な性質の成分単独又は組み合わせによる溶液遅延剤。
【請求項17】
請求項12に記載の成分であって、前記成分の効果的な投与量は、0.1mg〜5000mgの範
囲で、好ましくは1mg〜500mgの範囲で、週1回又は週2回、毎日又は一日に2回又は一日に3回又は更に細かい分割投与であることを特徴とする成分。
【請求項18】
請求項12に記載の成分であって、前記成分は、口腔投与、経皮投与、筋肉投与、腹腔内投与、静脈内投与、及び局所投与から選ばれる送達系によって投与されることを特徴とする成分。
【請求項19】
請求項12に記載の成分であって、前記成分は、タブレット、シロップ、粉末状、カプセル、懸濁液、溶液、軟膏、及びこれらの混合物の形態で使用されることを特徴とする成分。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【公表番号】特表2012−507578(P2012−507578A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535212(P2011−535212)
【出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際出願番号】PCT/IN2009/000285
【国際公開番号】WO2010/052734
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(596020691)カウンスィル オブ サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ (42)
【氏名又は名称原語表記】COUNCIL OF SCIENTIFIC & INDUSTRIAL RESEARCH
【Fターム(参考)】