説明

骨髄増殖性疾患を治療及び管理するための選択的サイトカイン阻害薬の使用方法及びそれを含む組成物

【課題】 骨髄増殖性疾患を治療、予防、かつ/又は管理する方法を開示する。
【解決手段】 具体的な諸方法は、選択的サイトカイン阻害薬、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接体、若しくはプロドラッグを単独で又は第2の活性剤と組み合わせて投与し、かつ/又は血液又は細胞を移植することを包含する。特定の第2の活性剤は、造血幹細胞の過剰産生を抑制、或いはMPDの症状の1つ又は複数を軽減することができる。本発明の方法で使用するのに適した薬剤組成物、単回用量形態、及びキットも開示する。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨髄増殖性疾患を治療又は予防する方法であって、このような治療又は予防を必要とする患者に、治療又は予防有効量の選択的サイトカイン阻害薬、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接体、若しくはプロドラッグを投与することを含む、前記方法。
【請求項2】
骨髄増殖性疾患を管理する方法であって、このような管理を必要とする患者に、予防有効量の選択的サイトカイン阻害薬、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接体、若しくはプロドラッグを投与することを含む方法。
【請求項3】
骨髄増殖性疾患を治療又は予防する方法であって、このような治療又は予防を必要とする患者に、治療又は予防有効量の選択的サイトカイン阻害薬、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接体、若しくはプロドラッグ、及び治療又は予防有効量の少なくとも1つの第2の活性剤を投与することを含む、前記方法。
【請求項4】
骨髄増殖性疾患を管理する方法であって、このような管理を必要とする患者に、予防有効量の選択的サイトカイン阻害薬、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接体、若しくはプロドラッグ、及び治療又は予防有効量の少なくとも1つの第2の活性剤を投与することを含む、前記方法。
【請求項5】
前記患者が、骨髄増殖性疾患の従来治療に不応性である、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
前記患者が、サリドマイドを含む骨髄増殖性疾患治療に不応性である、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
【請求項7】
前記第2の活性剤が、造血幹細胞の過剰産生を抑制し、或いは骨髄増殖性疾患の症状の1つ以上を軽減することができる、請求項3又は4記載の方法。
【請求項8】
前記前記第2の活性剤が、サイトカイン、コルチコステロイド、リボヌクレオチド還元酵素阻害剤、血小板阻害剤、抗凝血薬、血栓溶解剤、抗繊維化剤、オールトランスレチノイン酸、キナーゼ阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、アンチセンスオリゴヌクレオチド、抗体、多剤耐性を無効にするのに使用する作用剤、ワクチン、骨髄抑制剤、又は抗癌剤である、請求項3又は4記載の方法。
【請求項9】
前記第2の活性剤が、インターフェロン−α、ヒドロキシウレア、アナグレリド、ブスルファン、三酸化ヒ素、ST1571、メシル酸イマチニブ、DX−8951f、R115777、ビンクリスチン、ダウノルビシン、プレドニゾン、又はそれらの薬理学的活性変異体若しくは誘導体、或いはそれらの組合せである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記骨髄増殖性疾患が、真性一次性多血症、原発性血小板血症、慢性骨髄性白血病、又は原因不明骨髄化生である、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
【請求項11】
前記骨髄増殖性疾患が、原発性又は続発性である、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
【請求項12】
前記選択的サイトカイン阻害薬が、3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−3−(1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−プロピオンアミドである、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
【請求項13】
前記選択的サイトカイン阻害薬がエナンチオマーとして純度の高い、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記選択的サイトカイン阻害薬が、シクロプロパンカルボン酸{2−[1−(3−エトキシ−4−メトキシ−フェニル)−2−メタンスルホニル−エチル]−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−4−イル}−アミドである、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
【請求項15】
前記選択的サイトカイン阻害薬がエナンチオマーとして純度の高い、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記選択的サイトカイン阻害薬が、式(I)を有する:
【化1】

(式中、nは、1、2、又は3の値を有し、
は、非置換o−フェニレン、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、1〜10個の炭素原子のアルキル、1〜10個の炭素原子のアルキル、及びハロからなる群からそれぞれ独立に選択される1〜4個の置換基で置換されたo−フェニレンであり;
は、(i)フェニル、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、1〜10個の炭素原子のアルキル、1〜10個の炭素原子のアルコキシ、及びハロからなる群から、それぞれその他とは独立に選択された1個以上の置換基で置換されているフェニル、(ii)非置換ベンジル、又はニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、1〜10個の炭素原子のアルキル、1〜10個の炭素原子のアルコキシ、及びハロからなる群から選択される1〜3個の置換基で置換されているベンジル、(iii)ナフチル、並びに(iv)ベンジルオキシであり;
12は、−OH、1〜12個の炭素原子のアルコキシ、又は
【化2】

であり;
は、水素又は1〜10個の炭素原子のアルキルであり;かつ
は、水素、1〜10個の炭素原子のアルキル、−COR10、又は−SO10であり、式中、R10は、水素、1〜10個の炭素原子のアルキル、又はフェニルである)
請求項1から4のいずれか一項記載の方法。
【請求項17】
前記選択的サイトカイン阻害薬がエナンチオマーとして純度の高い、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記選択的サイトカイン阻害薬が式(II)を有する:
【化3】

(式中、R及びRは、それぞれ互いに独立である場合、水素、低級アルキルであり、或いはR及びRは、それぞれが結合している図示された炭素原子と一緒になっている場合、非置換のo−フェニレン、o−ナフチレン、又はシクロヘキセン−1,2−ジイル、或いはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、1〜10個の炭素原子のアルキル、1〜10個の炭素原子のアルコキシ、及びハロからなる群からそれぞれ独立に選択された1〜4個の置換基で置換されているo−フェニレン、o−ナフチレン、又はシクロヘキセン−1,2−ジイルであり;
は、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、カルボエトキシ、カルボメトキシ、カルボプロポキシ、アセチル、カルバモイル、アセトキシ、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、1〜10個の炭素原子のアルキル、1〜10個の炭素原子のアルコキシ、1〜10個の炭素原子のアルキルチオ、ベンジルオキシ、3〜6個の炭素原子のシクロアルコキシ、C〜C−シクロアルキリデンメチル、C〜C10−アルキリデンメチル、インダニルオキシ、及びハロからなる群から選択される1〜4個の置換基で置換されているフェニルであり;
は、水素、1〜6個の炭素原子のアルキル、フェニル、又はベンジルであり;
4’は、水素又は1〜6個の炭素原子のアルキルであり;
は、−CH−、−CH−CO−、−SO−、−S−、又は−NHCO−であり;かつ
nは、0、1、又は2の値を有する)
請求項1から4のいずれか一項記載の方法。
【請求項19】
前記選択的サイトカイン阻害薬がエナンチオマーとして純度の高い、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記選択的サイトカイン阻害薬が、式(III)を有する:
【化4】

(式中、*で指定した炭素原子は、キラル中心を構成し;
Yは、C=O、CH、SO、又はCHC=Oであり;
、R、R、及びRはそれぞれその他とは独立に、水素、ハロ、1〜4個の炭素原子のアルキル、1〜4個の炭素原子のアルコキシ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、又は−NRであり、或いは隣接する炭素原子上のR、R、R、及びRの任意の2つは、図示されたフェニレン環と一緒になって、ナフチリデンとなり;
及びRはそれぞれ互いに独立に、水素、1〜4個の炭素原子のアルキル、1〜4個の炭素原子のアルコキシ、シアノ、又は最高18個の炭素原子のシクロアルコキシであり;
は、ヒドロキシ、1〜8個の炭素原子のアルキル、フェニル、ベンジル、又はNR8’9’であり;
及びRはそれぞれ互いに独立して、水素、1〜8個の炭素原子のアルキル、フェニル、又はベンジルであり、或いはR及びRの一方は水素であり、かつ他方は−COR10又は−SO10であり、或いはR及びRは一緒になって、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、又は−CHCHCHCH−(式中、Xは、−O−、−S−、又は−NH−である)であり;かつ
8’及びR9’はそれぞれ互いに独立して、水素、1〜8個の炭素原子のアルキル、フェニル、又はベンジルであり、或いはR8’及びR9’の一方は水素であり、かつ他方は−COR10’又は−SO10’であり、或いはR8’及びR9’は一緒になって、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、又は−CHCHCHCH−(式中、Xは、−O−、−S−、又は−NH−である)である)
請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
【請求項21】
前記選択的サイトカイン阻害薬がエナンチオマーとして純度の高い、請求項20記載の方法。
【請求項22】
骨髄増殖性疾患を治療、予防、又は管理する方法であって、このような治療、予防、又は管理を必要とする患者に、治療又は予防有効量の選択的サイトカイン阻害薬、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接体、若しくはプロドラッグを、臍帯血、胎盤血、末梢血幹細胞、造血幹細胞調製物、又は骨髄を患者に移植する前、その最中、又はその後に、投与することを含む方法。
【請求項23】
骨髄増殖性疾患を患っている患者において第2の活性剤の投与に関連する副作用を低減又は回避する方法であって、そのような低減又は回避を必要とする患者に、治療又は予防有効量の選択的サイトカイン阻害薬、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接体、若しくはプロドラッグを投与することを含む方法。
【請求項24】
前記第2の活性剤が、造血幹細胞の過剰産生を抑制し、或いは骨髄増殖性疾患の症状の1つ以上を軽減することができる、請求項23記載の方法。
【請求項25】
第2の活性剤が、サイトカイン、コルチコステロイド、リボヌクレオチド還元酵素阻害剤、血小板阻害剤、抗凝血薬、血栓溶解剤、抗繊維化剤、オールトランスレチノイン酸、キナーゼ阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、アンチセンスオリゴヌクレオチド、抗体、多剤耐性を無効にするのに使用する作用剤、ワクチン、骨髄抑制剤、又は抗癌剤である、請求項23記載の方法。
【請求項26】
前記第2の活性剤が、インターフェロン−α、ヒドロキシウレア、アナグレリド、ブスルファン、三酸化ヒ素、ST1571、メシル酸イマチニブ、DX−8951f、R115777、ビンクリスチン、ダウノルビシン、プレドニゾン、又はその薬理学的活性変異体若しくは誘導体である、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記副作用が、急性白血病への転化;重度骨髄抑制;胃腸毒性;消化管出血;悪心;嘔吐;食欲不振;白血球減少;貧血;好中球減少;無力症;腹部疝痛;発熱;疼痛;体重減少;脱水;脱毛症;呼吸困難;不眠;眩暈;粘膜炎;口腔乾燥;粘膜皮膚病変;又は腎不全である、請求項23記載の方法。
【請求項28】
骨髄増殖性疾患治療の治療有効性を高める方法であって、このような高められた治療有効性を必要とする患者に、治療上有効量の選択的サイトカイン阻害薬、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接体、若しくはプロドラッグ、及び治療又は予防有効量の第2の活性剤を投与することを含む方法。
【請求項29】
前記第2の活性剤を患者に投与する前に、治療上有効量の選択的サイトカイン阻害薬、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接体、若しくはプロドラッグを投与する、請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記第2の活性剤を患者に投与する最中に、治療上有効量の選択的サイトカイン阻害薬、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接体、若しくはプロドラッグを投与する、請求項28記載の方法。
【請求項31】
第2の活性剤を患者に投与した後に、治療上有効量の選択的サイトカイン阻害薬、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接体、若しくはプロドラッグを投与する、請求項28記載の方法。
【請求項32】
骨髄増殖性疾患を治療、予防、又は管理するのに有効な量の選択的サイトカイン阻害薬、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接体、若しくはプロドラッグ、及び担体を含む薬剤組成物。
【請求項33】
選択的サイトカイン阻害薬、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接体、若しくはプロドラッグ、及び第2の活性剤を含む薬剤組成物。
【請求項34】
前記第2の活性剤が、造血幹細胞の過剰産生を抑制、或いは骨髄増殖性疾患の症状の1つ又は複数を軽減することができる、請求項33記載の薬剤組成物。
【請求項35】
前記第2の活性剤が、サイトカイン、コルチコステロイド、リボヌクレオチド還元酵素阻害剤、血小板阻害剤、抗凝血薬、血栓溶解剤、抗繊維化剤、オールトランスレチノイン酸、キナーゼ阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、アンチセンスオリゴヌクレオチド、抗体、多剤耐性を無効にするのに使用する作用剤、ワクチン、骨髄抑制剤、又は抗癌剤である、請求項33記載の薬剤組成物。
【請求項36】
前記第2の活性剤が、インターフェロン−α、ヒドロキシウレア、アナグレリド、ブスルファン、三酸化ヒ素、ST1571、メシル酸イマチニブ、DX−8951f、R115777、ビンクリスチン、ダウノルビシン、プレドニゾン、又はそれらの薬理学的活性変異体若しくは誘導体、或いはそれらの組合せである、請求項35記載の薬剤組成物。
【請求項37】
選択的サイトカイン阻害薬、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接体、若しくはプロドラッグを含む薬剤組成物;及び
造血幹細胞の過剰産生を逆転抑制することができる第2の活性剤を含む薬剤組成物を含むキット。
【請求項38】
選択的サイトカイン阻害薬、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接体、若しくはプロドラッグを含む薬剤組成物;及び
臍帯血、胎盤血、末梢血幹細胞、造血幹細胞調製物、又は骨髄を含むキット。
【請求項39】
選択的サイトカイン阻害薬、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接体、若しくはプロドラッグを含む薬剤組成物;
サイトカイン、コルチコステロイド、リボヌクレオチド還元酵素阻害剤、血小板阻害剤、抗凝血薬、血栓溶解剤、抗繊維化剤、オールトランスレチノイン酸、キナーゼ阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、アンチセンスオリゴヌクレオチド、抗体、多剤耐性を無効にするのに使用する作用剤、ワクチン、骨髄抑制剤、又は抗癌剤である第2の活性剤を含む薬剤組成物;及び
臍帯血、胎盤血、末梢血幹細胞、造血幹細胞調製物、又は骨髄を含むキット。
【請求項40】
前記薬剤組成物又は単回用量形態を投与するための装置をさらに含む、請求項37〜39のいずれか一項記載のキット。

【公表番号】特表2007−536221(P2007−536221A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511327(P2007−511327)
【出願日】平成16年5月5日(2004.5.5)
【国際出願番号】PCT/US2004/014001
【国際公開番号】WO2005/112917
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(591120033)セルジーン・コーポレーション (84)
【氏名又は名称原語表記】CELGENE CORPORATION
【Fターム(参考)】