説明

骨髄異形成症候群(MDS)に関連する増殖性障害の治療および診断のためのSALL4の標的化方法

本発明は、ジンクフィンガー転写因子であるSALL4(アイソフォームSALL4A、SALL4BおよびSALL4Cを含む)の核酸、タンパク質、およびそれに対する抗体を開示する。さらに、SALL4の構成的発現がモデル動物系の細胞における白血病誘発の可能性を高めることを実証する方法も開示する。加えて、トランスジェニックマウスにおける選定アイソフォーム(例えば、SALL4B)の構成的発現は、これらの動物が、移植可能である後発性の急性骨髄性白血病(AML)を含む、骨髄異形成症候群(MDS)様の徴候および症状を生じることを実証する。本開示はまた、胚性幹細胞、成体幹細胞、白血病幹細胞を含むがん幹細胞を同定して精製するための方法、SALL4と結合する、および/またはSALL4を調節する物質を同定するための方法、対象におけるMDSを診断するための方法、ならびにMDS、AMLおよび他の形態の白血病を呈する対象を治療するための方法も提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象における始原細胞起源の障害を診断する方法であって、対象由来の組織試料におけるSALL4の発現を決定する段階を含む方法。
【請求項2】
障害が胚細胞腫瘍(GCT)に関連する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
GCTが古典的セミノーム、精母細胞セミノーム、胎生期癌、卵黄嚢腫瘍または未熟型奇形種である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
組織試料が精巣起源の細胞を含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
試料中に存在する実質的にすべての成熟精巣細胞型がSALL4を発現しない、請求項4記載の方法。
【請求項6】
組織試料が、GCTから転移した細胞を含む部位から得られる、請求項1記載の方法。
【請求項7】
以下の段階:
a)対象への移植の前に幹細胞におけるSALL4の発現レベルを決定する段階;
b)対象に段階(a)の細胞をグラフト(graft)する段階;
c)グラフトされた幹細胞におけるSALL4の発現レベルを移植後の期間で決定する段階
を含む、対象における移植された幹細胞の生着(engraftment)をモニタリングする方法であって、
前記期間にわたるSALL4発現の低下が幹細胞の分化と相関し、そのような分化が対象における細胞の生着が陽性であることを示す、モニタリング方法。
【請求項8】
前記期間にわたるSALL4発現の増大が分化の抑圧と相関し、そのような抑圧が対象における細胞の生着が陰性であることを示す、請求項7記載の方法。
【請求項9】
細胞が、外来性または内在性遺伝子産物をコードするベクターによって形質転換される、請求項7記載の方法。
【請求項10】
以下の段階:
a)対象から臍帯細胞(UBC)を得る段階;
b)SALL4を発現する細胞をSALL4を発現しない細胞から選別する段階;および任意で、
c)SALL4を発現する選別された細胞から1つまたは複数のマーカーを用いて細胞を選択する段階
を含む、臍帯血から幹細胞を単離するための方法であって、
SALL4を発現するUBCが単離された幹細胞を示す、単離方法。
【請求項11】
1つまたは複数のマーカーが、SSEA-1、SSEA-2、SSEA-4、TRA-1-60、TRA-1-81、CD34+、CD59+、Thy1/CD90+、CD38lo/-、C-kit-/lo、lin-、SH2、ビメンチン、過ヨウ素酸シッフ活性(PAS)、FLK1、BAPおよび酸性ホスファターゼからなる群より選択される、請求項10記載の方法。
【請求項12】
選別の段階が、蛍光活性化細胞選別(FACS)による選別を含む、請求項10記載の方法。
【請求項13】
選別の段階が、磁性ビーズ選別(MACS)による選別を含む、請求項12記載の方法。
【請求項14】
幹細胞または前駆細胞起源のがんを治療する方法であって、それを必要とする対象に対して、SALL4の発現レベルを低下させる作用物質を含む組成物を投与する段階を含む方法。
【請求項15】
作用物質が、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:32;SEQ ID NO:33;またはSEQ ID NO:34から選択されるオリゴヌクレオチド配列である、請求項14記載の方法。
【請求項16】
組成物がメチル化阻害薬を含む、請求項14記載の方法。
【請求項17】
メチラーゼ阻害薬が、5'アザシチジン、5'アザ-2-デオキシシチジン、1-B-D-アラビノフラノシル-5-アザシトシンまたはジヒドロキシ-5-アザシチジンから選択される、請求項16記載の方法。
【請求項18】
組成物がさらにプロテアソーム阻害薬を含む、請求項17記載の方法。
【請求項19】
プロテアソーム阻害薬が、MG 132、PSI、ラクタシスチン、エポキソミシンまたはボルテゾミブから選択される、請求項18記載の方法。
【請求項20】
幹細胞または前駆細胞が、白血病幹細胞、セミノーム、精母細胞セミノーム、胎生期癌、卵黄嚢腫瘍または未熟型奇形種から選択される、請求項14記載の方法。
【請求項21】
SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31;SEQ ID NO:32;SEQ ID NO:33;またはSEQ ID NO:34から選択される、単離されたオリゴヌクレオチド。

【公表番号】特表2010−528620(P2010−528620A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510523(P2010−510523)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/065349
【国際公開番号】WO2008/151035
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(508158894)ネバダ キャンサー インスティテュート (2)
【Fターム(参考)】