髄鞘再形成を誘導する能力を有するヒトIgM抗体、および、特に中枢神経系における、その診断使用及び治療使用
【課題】中枢神経系内の構造及び細胞を結合する能力を特徴とするヒトモノクローナル自己抗体を使用して、哺乳類の髄鞘脱落疾患、並びにヒト及び家畜動物の中枢神経系のウイルス性疾患を治療し、又はこれらの症状における髄鞘脱落の開始もしくは進行を予防抑制するための抗体および組成物を提供する。
【解決手段】髄鞘再形成治療を要する哺乳類に、有効量の、中枢神経内の構造及び細胞を結合する能力を特徴とするヒトモノクローナル自己抗体、又はその混合物、モノマー、及び/又は活性フラグメント、並びにこれらの特性を有する天然又は合成の自己抗体を投与することを含む、このような治療を要する哺乳類の中枢神経系軸索の髄鞘再形成を刺激するための抗体および組成物。
【解決手段】髄鞘再形成治療を要する哺乳類に、有効量の、中枢神経内の構造及び細胞を結合する能力を特徴とするヒトモノクローナル自己抗体、又はその混合物、モノマー、及び/又は活性フラグメント、並びにこれらの特性を有する天然又は合成の自己抗体を投与することを含む、このような治療を要する哺乳類の中枢神経系軸索の髄鞘再形成を刺激するための抗体および組成物。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳類の中枢神経系軸索の髄鞘再形成の刺激または中枢神経系の髄鞘脱落疾患の治療に使用するための、中枢神経内の構造及び細胞に結合する能力を特徴とするヒトモノクローナルIgM抗体、又はそのモノマー、又はその活性フラグメント、又は、中枢神経内の構造及び細胞に結合する能力を有する天然または合成の抗体であって、
i)それぞれ配列番号1または配列番号49に記載のアミノ酸配列を有する、A型またはB型sHIGM22の重鎖可変ドメイン、またはそれらのCDR1、CDR2およびCDR3領域配列を含む重鎖可変ドメイン;および、配列番号5または配列番号50にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する、I型またはII型sHIGM22の軽鎖可変ドメイン、またはそれらのCDR1、CDR2およびCDR3領域配列を含む軽鎖可変ドメイン;または、
ii)配列番号9記載のアミノ酸配列を有する、ebvHIgM MS119D10の重鎖可変ドメインまたはそのCDR1、CDR2およびCDR3領域配列を含む重鎖可変ドメイン;および配列番号11に記載のアミノ酸配列を有する、ebvHIgM MS119D10の軽鎖可変ドメイン、またはそのCDR1、CDR2およびCDR3領域配列を含む軽鎖可変ドメイン;または、
iii)配列番号13記載のアミノ酸配列を有する、HIgM CB2bG8の重鎖可変ドメイン、またはそのCDR1、CDR2およびCDR3領域配列を含む重鎖可変ドメイン;および配列番号15記載のアミノ酸配列を有する、HIgM CB2bG8の軽鎖可変ドメイン、またはそのCDR1、CDR2およびCDR3領域配列を含む軽鎖可変ドメイン、
を含む、前記抗体又はそのモノマー、又はその活性フラグメント。
【請求項2】
以下の性質を有する、請求項1記載の抗体:
a) 髄鞘再形成を誘導すること、
b) グリア細胞の細胞増殖を促進すること、または、
c) オリゴデンドロサイトにおいてCa++シグナリングを促進すること。
【請求項3】
請求項1または2記載の抗体を含む静脈内又は腹腔内投与用医薬組成物。
【請求項4】
投与すべき量が0.5mg/kgから400mg/kgである、請求項1または2記載の抗体。
【請求項5】
キメラ(二重特異性)抗体である、請求項1記載の抗体。
【請求項6】
検出可能な標識で標識された請求項1記載の抗体。
【請求項7】
標識が酵素、発光する薬品または放射性元素である、請求項6記載の抗体。
【請求項8】
哺乳類の中枢神経系軸索の髄鞘再形成の刺激または中枢神経系の髄鞘脱落疾患の治療に使用するための、請求項1または2記載のモノクローナル抗体。
【請求項9】
多発性硬化症のヒト、または、マウス脳脊髄炎サイラーウイルスのDA株に感染したマウスのような、髄鞘脱落疾患のヒトまたは家畜の治療用に使用するための、請求項1または2記載の抗体。
【請求項10】
a) グリア細胞を含む混合細胞培養物を細胞増殖に充分な条件下で培養すること、
b) 前記混合培養物に、有効量の、中枢神経内の構造及び細胞に結合するそれらの能力を特徴とする請求項1または2記載のヒトモノクローナル抗体、その活性フラグメント、そのモノマー、または、これらの特性を有する天然又は合成の抗体を導入し、それによりモノクローナル抗体処理混合培養物を作製すること、
c) 工程b)の培養物をモノクローナル抗体処理細胞の増殖に充分な条件下に維持し、それにより前記混合培養物中のグリア細胞の増殖を生じさせること、および
d) 前記グリア細胞を前記混合培養物から回収すること、
を含む、混合細胞培養物からグリア細胞の増殖を刺激するin vitro方法。
【請求項11】
A) グリア細胞を細胞増殖に充分な条件下で培養し、それによりグリア細胞培養物を生産すること、
B) 前記グリア細胞培養物にグリア細胞を刺激してカルシウム(Ca++)ピークを示すことができる有効量の薬剤を導入し、それにより処理されたグリア細胞培養物を生産することであって、前記薬剤は請求項1または2記載のヒト抗体、これらの活性フラグメント、これらのモノマー、またはこれらの特性を有する天然又は合成の抗体であり、前記抗体は中枢神経系の構造及び細胞に結合することができることを特徴とし、
C) 工程B)の処理されたグリア細胞培養物を処理された細胞の増殖に充分な条件下に維持すること、および、
D) 前記処理された細胞を培養物から回収し、それによりグリア細胞を得ること、
によって得られる、中枢神経系軸索の髄鞘再形成を要する哺乳類の中枢神経軸索の髄鞘再形成を刺激するための収集されたグリア細胞。
【請求項12】
活性薬剤として、請求項1または2記載の抗体若しくはその活性フラグメント、その混合物、またはそのモノマー、および医薬上許容できる担体または希釈剤を含む、医薬組成物。
【請求項13】
さらに1以上の抗炎症剤、ステロイド、ベータセロン、コパキソンを含む、請求項12記載の医薬組成物。
【請求項14】
請求項1または2記載の抗体又はこれらの活性フラグメントをコードする、DNA分子またはRNA分子である核酸分子又はその縮重変異体。
【請求項15】
請求項14記載のDNA分子またはその縮重変異体を含む組換えDNA分子。
【請求項16】
発現調節配列に機能し得る形で連結されている、請求項15記載の組換えDNA分子。
【請求項17】
発現調節配列がSV40又はアデノウイルスの初期若しくは後期プロモーター、lac系、trp系、TAC系、TRC系、ファージλの主要オペレーター領域及びプロモーター領域、fdコートタンパク質の調節領域、3-ホスホグリセレートキナーゼのプロモーター、酸ホスファターゼのプロモーターまたは酵母α交配因子のプロモーターである、請求項16記載の組換えDNA分子。
【請求項18】
請求項14記載の核酸分子から調製される、請求項1記載の抗体又はその活性フラグメントについてスクリーニングすることができるプローブであって、配列番号1、49、5、50、9、11、13または15から選ばれる可変領域をコードする核酸の15〜25またはそれより多いヌクレオチドを含む、前記プローブ。
【請求項19】
請求項15または16記載の組換えDNA分子で形質転換された単細胞宿主。
【請求項20】
大腸菌、シュードモナス、バチルス、ストレプトミセス、酵母、CHO細胞、R1.1細胞、B-W細胞、L-M細胞、COS1細胞、COS7細胞、BSC1細胞、BSC40細胞、及びBTM10細胞、植物細胞、昆虫細胞、または組織培養ヒト細胞である、請求項19記載の単細胞宿主。
【請求項21】
請求項15〜17のいずれか1項記載のDNA分子で形質転換された組換えウイルス。
【請求項22】
RNA転写のプロモーターに機能し得る形で連結された、請求項14記載の単離されたDNA分子。
【請求項23】
請求項22記載の核酸分子を含むことを特徴とするベクター。
【請求項24】
プロモーターが細菌プロモーター、酵母プロモーター、昆虫プロモーター、ウイルスプロモーター又は哺乳類プロモーターを含む請求項23記載のベクター。
【請求項25】
好適な宿主細胞中に請求項23記載のベクターを含むことを特徴とするポリペプチドの生産用の宿主ベクター系。
【請求項26】
好適な宿主細胞が原核生物細胞又は真核生物細胞を含む請求項25記載の宿主ベクター系。
【請求項27】
(a) 請求項23記載のベクターを好適な宿主細胞に導入すること、
(b) ポリペプチドを生産するように得られる宿主細胞を培養すること、および、
(c) 工程(b)で生産されたポリペプチドを回収すること、
を特徴とする精製形態のポリペプチドを得る方法。
【請求項28】
請求項27記載のポリペプチド及び医薬上許される担体又は希釈剤を含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項29】
請求項1または2記載のモノクローナル抗体の存在又は活性を検出する方法であって、前記モノクローナル抗体が、
A) 前記モノクローナル抗体の存在又は活性が疑われている哺乳類からの生物学的サンプルを、脊髄ホモジネート、グリア細胞およびオリゴデンドロサイトからなる群より選ばれる結合パートナーへの前記モノクローナル抗体の結合を生じさせる条件下で、前記モノクローナル抗体の結合パートナーと接触させること、および、
B) 前記サンプル中の前記モノクローナル抗体と前記結合パートナーの間に結合が生じたか否かを検出すること、
によって測定され、前記結合の検出が前記サンプル中の前記モノクローナル抗体の存在又は活性の指標となる、前記モノクローナル抗体の存在又は活性を検出する方法。
【請求項30】
A. 所定量の請求項1または2記載のモノクローナル抗体、
B. 所定量の、脊髄ホモジネート、グリア細胞およびオリゴデンドロサイトからなる群より選ばれる前記モノクローナル抗体の特異的結合パートナー、
C. その他の試薬、及び
D. キットの使用のための指示書、
を含み、
前記モノクローナル抗体又は前記特異的結合パートナーが検出可能に標識されていることを特徴とする、真核生物細胞サンプル中の請求項1または2記載のモノクローナル抗体の存在を証明するための試験キット。
【請求項31】
中枢神経内の構造及び細胞に特異的に結合するヒトモノクローナルIgM抗体、又はそのモノマー、又はその活性フラグメントであって、
i)配列番号23に記載のアミノ酸配列を有する、AKJR4の重鎖可変ドメイン、またはそれらのCDR1、CDR2およびCDR3領域配列を含む重鎖可変ドメイン;および、配列番号25に記載のアミノ酸配列を有する、AKJR4の軽鎖可変ドメイン、またはそのCDR1、CDR2およびCDR3領域配列を含む軽鎖可変ドメイン;または、
ii)配列番号27記載のアミノ酸配列を有する、CB2iE12の重鎖可変ドメイン、またはそれらのCDR1、CDR2およびCDR3領域配列を含む重鎖可変ドメイン;および配列番号29に記載の配列を有する、CB2iE12の軽鎖可変ドメイン、またはそのCDR1、CDR2およびCDR3領域配列を含む軽鎖可変ドメイン;または、
iii)配列番号31記載のアミノ酸配列を有する、CB2iE7の重鎖可変ドメイン、またはそのCDR1、CDR2およびCDR3領域配列を含む重鎖可変ドメイン;および配列番号33記載のアミノ酸配列を有する、CB2iE7の軽鎖可変ドメイン、またはそのCDR1、CDR2およびCDR3領域配列を含む軽鎖可変ドメイン、
を含む、前記抗体、又はそのモノマー、又はその活性フラグメント。
【請求項32】
ヒト細胞由来である、請求項31記載の抗体。
【請求項33】
請求項31または32記載の抗体を活性成分として含む、医薬組成物。
【請求項34】
静脈投与または腹腔内投与に適合された、請求項33記載の医薬組成物。
【請求項35】
投与されるモノクローナル抗体の量が0.5mg/kg〜400mg/kgである、請求項33または34記載の医薬組成物。
【請求項36】
検出可能標識で標識された、請求項31または32記載の抗体。
【請求項37】
標識が、酵素、発光する薬品または放射性元素である、請求項36記載の抗体。
【請求項38】
請求項31または32記載の抗体をコードする単離された、DNA分子又はRNA分子である核酸分子またはその縮重変異体。
【請求項39】
i)配列番号1または配列番号49に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメイン、および、配列番号5または配列番号50に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメイン;または、
ii)配列番号9記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインおよび配列番号11に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメイン;または、
iii)配列番号13記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインおよび配列番号15記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメイン、
を含む、請求項1記載のヒトモノクローナルIgM抗体。
【請求項40】
i)配列番号23に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインおよび配列番号25に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメイン;または、
ii)配列番号27記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインおよび配列番号29に記載の配列を有する軽鎖可変ドメイン;または、
iii)配列番号31記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインおよび配列番号33記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメイン、
を含む、請求項31記載のヒトモノクローナルIgM抗体。
【請求項1】
哺乳類の中枢神経系軸索の髄鞘再形成の刺激または中枢神経系の髄鞘脱落疾患の治療に使用するための、中枢神経内の構造及び細胞に結合する能力を特徴とするヒトモノクローナルIgM抗体、又はそのモノマー、又はその活性フラグメント、又は、中枢神経内の構造及び細胞に結合する能力を有する天然または合成の抗体であって、
i)それぞれ配列番号1または配列番号49に記載のアミノ酸配列を有する、A型またはB型sHIGM22の重鎖可変ドメイン、またはそれらのCDR1、CDR2およびCDR3領域配列を含む重鎖可変ドメイン;および、配列番号5または配列番号50にそれぞれ記載のアミノ酸配列を有する、I型またはII型sHIGM22の軽鎖可変ドメイン、またはそれらのCDR1、CDR2およびCDR3領域配列を含む軽鎖可変ドメイン;または、
ii)配列番号9記載のアミノ酸配列を有する、ebvHIgM MS119D10の重鎖可変ドメインまたはそのCDR1、CDR2およびCDR3領域配列を含む重鎖可変ドメイン;および配列番号11に記載のアミノ酸配列を有する、ebvHIgM MS119D10の軽鎖可変ドメイン、またはそのCDR1、CDR2およびCDR3領域配列を含む軽鎖可変ドメイン;または、
iii)配列番号13記載のアミノ酸配列を有する、HIgM CB2bG8の重鎖可変ドメイン、またはそのCDR1、CDR2およびCDR3領域配列を含む重鎖可変ドメイン;および配列番号15記載のアミノ酸配列を有する、HIgM CB2bG8の軽鎖可変ドメイン、またはそのCDR1、CDR2およびCDR3領域配列を含む軽鎖可変ドメイン、
を含む、前記抗体又はそのモノマー、又はその活性フラグメント。
【請求項2】
以下の性質を有する、請求項1記載の抗体:
a) 髄鞘再形成を誘導すること、
b) グリア細胞の細胞増殖を促進すること、または、
c) オリゴデンドロサイトにおいてCa++シグナリングを促進すること。
【請求項3】
請求項1または2記載の抗体を含む静脈内又は腹腔内投与用医薬組成物。
【請求項4】
投与すべき量が0.5mg/kgから400mg/kgである、請求項1または2記載の抗体。
【請求項5】
キメラ(二重特異性)抗体である、請求項1記載の抗体。
【請求項6】
検出可能な標識で標識された請求項1記載の抗体。
【請求項7】
標識が酵素、発光する薬品または放射性元素である、請求項6記載の抗体。
【請求項8】
哺乳類の中枢神経系軸索の髄鞘再形成の刺激または中枢神経系の髄鞘脱落疾患の治療に使用するための、請求項1または2記載のモノクローナル抗体。
【請求項9】
多発性硬化症のヒト、または、マウス脳脊髄炎サイラーウイルスのDA株に感染したマウスのような、髄鞘脱落疾患のヒトまたは家畜の治療用に使用するための、請求項1または2記載の抗体。
【請求項10】
a) グリア細胞を含む混合細胞培養物を細胞増殖に充分な条件下で培養すること、
b) 前記混合培養物に、有効量の、中枢神経内の構造及び細胞に結合するそれらの能力を特徴とする請求項1または2記載のヒトモノクローナル抗体、その活性フラグメント、そのモノマー、または、これらの特性を有する天然又は合成の抗体を導入し、それによりモノクローナル抗体処理混合培養物を作製すること、
c) 工程b)の培養物をモノクローナル抗体処理細胞の増殖に充分な条件下に維持し、それにより前記混合培養物中のグリア細胞の増殖を生じさせること、および
d) 前記グリア細胞を前記混合培養物から回収すること、
を含む、混合細胞培養物からグリア細胞の増殖を刺激するin vitro方法。
【請求項11】
A) グリア細胞を細胞増殖に充分な条件下で培養し、それによりグリア細胞培養物を生産すること、
B) 前記グリア細胞培養物にグリア細胞を刺激してカルシウム(Ca++)ピークを示すことができる有効量の薬剤を導入し、それにより処理されたグリア細胞培養物を生産することであって、前記薬剤は請求項1または2記載のヒト抗体、これらの活性フラグメント、これらのモノマー、またはこれらの特性を有する天然又は合成の抗体であり、前記抗体は中枢神経系の構造及び細胞に結合することができることを特徴とし、
C) 工程B)の処理されたグリア細胞培養物を処理された細胞の増殖に充分な条件下に維持すること、および、
D) 前記処理された細胞を培養物から回収し、それによりグリア細胞を得ること、
によって得られる、中枢神経系軸索の髄鞘再形成を要する哺乳類の中枢神経軸索の髄鞘再形成を刺激するための収集されたグリア細胞。
【請求項12】
活性薬剤として、請求項1または2記載の抗体若しくはその活性フラグメント、その混合物、またはそのモノマー、および医薬上許容できる担体または希釈剤を含む、医薬組成物。
【請求項13】
さらに1以上の抗炎症剤、ステロイド、ベータセロン、コパキソンを含む、請求項12記載の医薬組成物。
【請求項14】
請求項1または2記載の抗体又はこれらの活性フラグメントをコードする、DNA分子またはRNA分子である核酸分子又はその縮重変異体。
【請求項15】
請求項14記載のDNA分子またはその縮重変異体を含む組換えDNA分子。
【請求項16】
発現調節配列に機能し得る形で連結されている、請求項15記載の組換えDNA分子。
【請求項17】
発現調節配列がSV40又はアデノウイルスの初期若しくは後期プロモーター、lac系、trp系、TAC系、TRC系、ファージλの主要オペレーター領域及びプロモーター領域、fdコートタンパク質の調節領域、3-ホスホグリセレートキナーゼのプロモーター、酸ホスファターゼのプロモーターまたは酵母α交配因子のプロモーターである、請求項16記載の組換えDNA分子。
【請求項18】
請求項14記載の核酸分子から調製される、請求項1記載の抗体又はその活性フラグメントについてスクリーニングすることができるプローブであって、配列番号1、49、5、50、9、11、13または15から選ばれる可変領域をコードする核酸の15〜25またはそれより多いヌクレオチドを含む、前記プローブ。
【請求項19】
請求項15または16記載の組換えDNA分子で形質転換された単細胞宿主。
【請求項20】
大腸菌、シュードモナス、バチルス、ストレプトミセス、酵母、CHO細胞、R1.1細胞、B-W細胞、L-M細胞、COS1細胞、COS7細胞、BSC1細胞、BSC40細胞、及びBTM10細胞、植物細胞、昆虫細胞、または組織培養ヒト細胞である、請求項19記載の単細胞宿主。
【請求項21】
請求項15〜17のいずれか1項記載のDNA分子で形質転換された組換えウイルス。
【請求項22】
RNA転写のプロモーターに機能し得る形で連結された、請求項14記載の単離されたDNA分子。
【請求項23】
請求項22記載の核酸分子を含むことを特徴とするベクター。
【請求項24】
プロモーターが細菌プロモーター、酵母プロモーター、昆虫プロモーター、ウイルスプロモーター又は哺乳類プロモーターを含む請求項23記載のベクター。
【請求項25】
好適な宿主細胞中に請求項23記載のベクターを含むことを特徴とするポリペプチドの生産用の宿主ベクター系。
【請求項26】
好適な宿主細胞が原核生物細胞又は真核生物細胞を含む請求項25記載の宿主ベクター系。
【請求項27】
(a) 請求項23記載のベクターを好適な宿主細胞に導入すること、
(b) ポリペプチドを生産するように得られる宿主細胞を培養すること、および、
(c) 工程(b)で生産されたポリペプチドを回収すること、
を特徴とする精製形態のポリペプチドを得る方法。
【請求項28】
請求項27記載のポリペプチド及び医薬上許される担体又は希釈剤を含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項29】
請求項1または2記載のモノクローナル抗体の存在又は活性を検出する方法であって、前記モノクローナル抗体が、
A) 前記モノクローナル抗体の存在又は活性が疑われている哺乳類からの生物学的サンプルを、脊髄ホモジネート、グリア細胞およびオリゴデンドロサイトからなる群より選ばれる結合パートナーへの前記モノクローナル抗体の結合を生じさせる条件下で、前記モノクローナル抗体の結合パートナーと接触させること、および、
B) 前記サンプル中の前記モノクローナル抗体と前記結合パートナーの間に結合が生じたか否かを検出すること、
によって測定され、前記結合の検出が前記サンプル中の前記モノクローナル抗体の存在又は活性の指標となる、前記モノクローナル抗体の存在又は活性を検出する方法。
【請求項30】
A. 所定量の請求項1または2記載のモノクローナル抗体、
B. 所定量の、脊髄ホモジネート、グリア細胞およびオリゴデンドロサイトからなる群より選ばれる前記モノクローナル抗体の特異的結合パートナー、
C. その他の試薬、及び
D. キットの使用のための指示書、
を含み、
前記モノクローナル抗体又は前記特異的結合パートナーが検出可能に標識されていることを特徴とする、真核生物細胞サンプル中の請求項1または2記載のモノクローナル抗体の存在を証明するための試験キット。
【請求項31】
中枢神経内の構造及び細胞に特異的に結合するヒトモノクローナルIgM抗体、又はそのモノマー、又はその活性フラグメントであって、
i)配列番号23に記載のアミノ酸配列を有する、AKJR4の重鎖可変ドメイン、またはそれらのCDR1、CDR2およびCDR3領域配列を含む重鎖可変ドメイン;および、配列番号25に記載のアミノ酸配列を有する、AKJR4の軽鎖可変ドメイン、またはそのCDR1、CDR2およびCDR3領域配列を含む軽鎖可変ドメイン;または、
ii)配列番号27記載のアミノ酸配列を有する、CB2iE12の重鎖可変ドメイン、またはそれらのCDR1、CDR2およびCDR3領域配列を含む重鎖可変ドメイン;および配列番号29に記載の配列を有する、CB2iE12の軽鎖可変ドメイン、またはそのCDR1、CDR2およびCDR3領域配列を含む軽鎖可変ドメイン;または、
iii)配列番号31記載のアミノ酸配列を有する、CB2iE7の重鎖可変ドメイン、またはそのCDR1、CDR2およびCDR3領域配列を含む重鎖可変ドメイン;および配列番号33記載のアミノ酸配列を有する、CB2iE7の軽鎖可変ドメイン、またはそのCDR1、CDR2およびCDR3領域配列を含む軽鎖可変ドメイン、
を含む、前記抗体、又はそのモノマー、又はその活性フラグメント。
【請求項32】
ヒト細胞由来である、請求項31記載の抗体。
【請求項33】
請求項31または32記載の抗体を活性成分として含む、医薬組成物。
【請求項34】
静脈投与または腹腔内投与に適合された、請求項33記載の医薬組成物。
【請求項35】
投与されるモノクローナル抗体の量が0.5mg/kg〜400mg/kgである、請求項33または34記載の医薬組成物。
【請求項36】
検出可能標識で標識された、請求項31または32記載の抗体。
【請求項37】
標識が、酵素、発光する薬品または放射性元素である、請求項36記載の抗体。
【請求項38】
請求項31または32記載の抗体をコードする単離された、DNA分子又はRNA分子である核酸分子またはその縮重変異体。
【請求項39】
i)配列番号1または配列番号49に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメイン、および、配列番号5または配列番号50に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメイン;または、
ii)配列番号9記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインおよび配列番号11に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメイン;または、
iii)配列番号13記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインおよび配列番号15記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメイン、
を含む、請求項1記載のヒトモノクローナルIgM抗体。
【請求項40】
i)配列番号23に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインおよび配列番号25に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメイン;または、
ii)配列番号27記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインおよび配列番号29に記載の配列を有する軽鎖可変ドメイン;または、
iii)配列番号31記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインおよび配列番号33記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメイン、
を含む、請求項31記載のヒトモノクローナルIgM抗体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15AB】
【図15CD】
【図15EF】
【図16AB】
【図16CD】
【図16EF】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27A】
【図27B】
【図28A】
【図28B】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34A】
【図34B】
【図35A】
【図35B】
【図36A】
【図36B】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43A】
【図43B】
【図44】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15AB】
【図15CD】
【図15EF】
【図16AB】
【図16CD】
【図16EF】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27A】
【図27B】
【図28A】
【図28B】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34A】
【図34B】
【図35A】
【図35B】
【図36A】
【図36B】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43A】
【図43B】
【図44】
【公開番号】特開2013−59318(P2013−59318A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−168953(P2012−168953)
【出願日】平成24年7月30日(2012.7.30)
【分割の表示】特願2001−582396(P2001−582396)の分割
【原出願日】平成12年5月30日(2000.5.30)
【出願人】(502407484)メイヨ ファンデーション フォア メディカル エディケイション アンド リサーチ (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年7月30日(2012.7.30)
【分割の表示】特願2001−582396(P2001−582396)の分割
【原出願日】平成12年5月30日(2000.5.30)
【出願人】(502407484)メイヨ ファンデーション フォア メディカル エディケイション アンド リサーチ (2)
【Fターム(参考)】
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