説明

高−界面活性剤配合物のためのポリマー

【課題】高濃度界面活性剤を含み、適度の粘性と透明性を有する液体洗剤組成物を提供すること。
【解決手段】少なくとも2つの成分を有する洗剤組成物。第1の成分は14〜50重量%の界面活性剤である。第2の成分は40〜65重量%の(メタ)アクリル酸C−C18アルキルおよび25〜55重量%のC−Cカルボン酸モノマーの重合残基を有するポリマー0.05〜4重量%である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概してアクリル系ポリマーを含む改良された高−界面活性剤洗剤配合物に関する。
【背景技術】
【0002】
高次のアルキルモノマーをはじめとするアクリル酸モノマーから製造されるポリマーは洗濯洗剤のための添加剤として知られている。例えば、米国特許出願公開第2008/0306218号はメタクリル酸、アクリル酸エチル、メタクリル酸のC12ポリエチレングリコールエステル、およびメタクリル酸ラウリルの重合残基を含むポリマーを開示する。しかし、先行技術は優れた結果をもたらす本発明の高−界面活性剤洗剤組成物を開示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0306218号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明により解決される課題はアクリル系ポリマーを含む高−界面活性剤洗剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、
(a)14〜50重量%の界面活性剤;並びに(b)0.05〜4重量%の少なくとも1種のポリマーを含む洗剤組成物であって、
前記少なくとも1種のポリマーが(i)40〜65重量%の(メタ)アクリル酸C−C18アルキル、ここで、前記(メタ)アクリル酸C−C18アルキルの重量で少なくとも1/10は(メタ)アクリル酸C−C18アルキルに限定される;(ii)25〜55重量%のC−Cカルボン酸モノマー;並びに(iii)0〜20重量%の構造HC=C(R)C(O)X(CHCHO)(CH(R’)CHO)R”もしくはHC=C(R)CC(CHNHCO(CHCHO)(CH(R’)CHO)R”のモノマー、式中、XはOもしくはNHであり、RはHもしくはCHであり、R’はC−Cアルキルであり、R’’はC−C25アルキル、C−C16アルキルフェニルもしくはC13−C36アルアルキルフェニルであり、nは平均数6〜100であり、mは平均数0〜50であり、ただしn≧m、かつm+nは6〜100である;
の重合残基を含む、洗剤組成物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
他に特定されない限りは、全てのパーセンテージは重量パーセンテージ(重量%)であり、全ての比率は重量比であり、並びに他に示されない限りは全ての温度は℃単位である。「室温」でなされる測定は20〜25℃でなされた。重量平均分子量(M)は、当該技術分野において知られている様に、ポリマーを加水分解し、不溶性物質を濾別し、次いでポリアクリル酸標準を用いるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を行うことによって測定される。GPCの技術はModern Size Exclusion Chromatography(現在のサイズ排除クロマトグラフィ),W.W.Yau(ヨー),J.J.Kirkland(カークランド),D.D.Bly(ブライ);Wiley−Interscience(ウイリー−インターサイエンス),1979年およびA Guide to Materials Characterization and Chemical Analysis(物質の特徴付けおよび化学分析についての指針),J.P.Sibilia(シビリア);VCH,1988年、第81〜84ページに詳細に論じられている。本明細書において報告される分子量はダルトンの単位である。本明細書において使用される場合、用語「(メタ)アクリル」はアクリルもしくはメタクリルをいう。「C−Cカルボン酸モノマー」は1もしくは2つのカルボン酸基を有するモノエチレン性不飽和化合物、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸無水物、クロトン酸などである。アルキル基は、直鎖もしくは分岐であり得る飽和ヒドロカルビル基である。アルアルキル基はアリール基で置換されたアルキル基である。アルアルキル基の例には、例えば、ベンジル、2−フェニルエチルおよび1−フェニルエチルが挙げられる。アルアルキルフェニル基は、1以上のアルアルキル置換基を有するフェニル基、例えば、2,4,6−トリス(1−フェニルエチル)フェニルである。
【0007】
好ましくは、ポリマーはアクリル系ポリマー、すなわち、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、好ましくは少なくとも98重量%のアクリル系モノマーの重合残基を有するポリマーである。アクリル系モノマーには、(メタ)アクリル酸、およびそのC−C25アルキルもしくはヒドロキシアルキルエステル、例えば、構造HC=C(R)CO(CHCHO)(CH(R’)CHO)R”のモノマー;クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、並びにクロトン酸、イタコン酸、フマル酸もしくはマレイン酸のアルキルもしくはヒドロキシアルキルエステルが挙げられる。アクリル系ポリマーは他の重合モノマー残基、例えば、非イオン性(メタ)アクリラートエステル、カチオン性モノマー、HC=C(R)CC(CHNHCO(CHCHO)(CH(R’)CHO)R”、HC=C(R)C(O)X(CHCHO)(CH(R’)CHO)R”、モノ不飽和ジカルボキシラート、ビニルエステル、ビニルアミド(例えば、N−ビニルピロリドンなど)、スルホン化アクリル系モノマー、ビニルスルホン酸、ハロゲン化ビニル、リン含有モノマー、複素環式モノマー、スチレンおよび置換スチレンを含むこともできる。好ましくは、ポリマーは5重量%以下、好ましくは3重量%以下、好ましくは2重量%以下、好ましくは1重量%以下しか硫黄−もしくはリン−含有モノマーを含まない。好ましくは、ポリマーは少なくとも150,000、好ましくは少なくとも180,000、好ましくは少なくとも200,000、好ましくは少なくとも300,000の重量平均分子量(M)を有する。ある場合には、特にポリマーが架橋されている場合には、Mが極端に高くても、例えば、10,000,000の高さでもよい。好ましくは、Mは5,000,000以下、好ましくは2,000,000以下、好ましくは1,000,000以下である。
【0008】
好ましくは、洗剤組成物は水を35〜85重量%含む。好ましくは、洗剤組成物は水を少なくとも40重量%、好ましくは少なくとも45重量%、好ましくは少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%を含む。好ましくは、洗剤組成物は水を80重量%以下、好ましくは70重量%以下、好ましくは60重量%以下、好ましくは50重量%以下、好ましくは45重量%以下、好ましくは40重量%以下しか含まない。好ましくは、洗剤組成物は20℃で液体もしくはゲルである。
【0009】
界面活性剤はカチオン性、アニオン性、非イオン性、脂肪酸金属塩、両性イオン性もしくはベタイン界面活性剤でありうる。好ましくは、界面活性剤は、アニオン性および非イオン性界面活性剤から選択される少なくとも1種の界面活性剤を含む。好ましくは、非イオン性界面活性剤は少なくとも8個の炭素原子を有するアルキル基、並びに少なくとも5個の重合されたエチレンオキシドもしくはプロピレンオキシド残基を有する。好ましくは、アニオン性界面活性剤は、少なくとも10個の炭素原子を有するアルキル基およびアニオン性基(好ましくはスルホナートおよびカルボキシラートから選択される)を有する。アニオン性界面活性剤はエチレンオキシドの重合残基を有することができ、および/または芳香環、例えば線状アルキルベンゼンスルホナートを有することができる。あるアニオン性界面活性剤は脂肪酸アルカリ金属塩である。好ましくは、洗剤組成物は少なくとも15重量%、好ましくは少なくとも17重量%、好ましくは少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも25重量%、好ましくは少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも35重量%、好ましくは少なくとも40重量%の界面活性剤を含む。好ましくは、洗剤組成物は46重量%以下、好ましくは42重量%以下、好ましくは38重量%以下、好ましくは34重量%以下しか界面活性剤を含まない。好ましくは、洗剤組成物は少なくとも6重量%、好ましくは少なくとも8重量%、好ましくは少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも12重量%、好ましくは少なくとも14重量%の線状アルキルベンゼンスルホナートを含む。好ましくは、洗剤組成物は20重量%以下、好ましくは18重量%以下、好ましくは16重量%以下しか線状アルキルベンゼンスルホナートを含まない。好ましくは、手作業食器洗浄のための配合物は5〜25%、好ましくは10〜22%、好ましくは15〜20%のアルキルエトキシラートスルファート(AEOS);並びに15〜30%、好ましくは15〜25%の全界面活性剤濃度を含む。場合によっては、配合物はアルキルアミンオキシド界面活性剤を含んでいてもよい。
【0010】
ある実施形態においては、好ましくは、洗剤組成物が界面活性剤を25重量%以下しか含まない場合には、ポリマー中の(メタ)アクリル酸C−C18アルキルの少なくとも3/10、好ましくは少なくとも4/10、好ましくは少なくとも5/10は(メタ)アクリル酸C−C18アルキルに限定され;好ましくは、(メタ)アクリル酸C−C18アルキルは(メタ)アクリル酸C−Cアルキルに限定され、および(メタ)アクリル酸C−C18アルキルは(メタ)アクリル酸C−Cアルキル、好ましくはアクリル酸C−Cアルキル、好ましくはアクリル酸ブチル(BA)に限定される。ある実施形態においては、洗剤組成物が界面活性剤を20重量%以下しか含まない場合に、これら限定は存在する。
【0011】
洗剤組成物は、洗剤の全重量に対するポリマー固形分基準で計算して0.05〜4重量%の少なくとも1種のポリマーを含む。好ましくは、洗剤組成物は、少なくとも0.2重量%、好ましくは少なくとも0.3重量%、好ましくは少なくとも0.4重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、好ましくは少なくとも0.6重量%、好ましくは少なくとも0.8重量%のポリマーを含む。好ましくは、洗剤組成物は3.5重量%以下、好ましくは3重量%以下、好ましくは2.5重量%以下、好ましくは2重量%以下、好ましくは1.5重量%以下のポリマーを含む。1種より多いポリマーが存在する場合には、このポリマーの合計量は上記限度内である。洗剤組成物は5〜30重量%、好ましくは8〜20重量%の他の成分、例えば、溶媒(例えば、プロピレングリコール、エタノール;典型的には1〜12重量%)、香料、酵素、レオロジー調整剤、塩(例えば、クエン酸ナトリウム)、ポリカルボキシラート分散剤、合成クレイ(例えば、ラポナイト)、炭酸(水素)および/または(二)ケイ酸ナトリウム/カリウム、並びに他のキレート剤、例えば、メチルグリシンN,N−二酢酸(MGDA)、グルタミン酸N,N−二酢酸(GLDA)、2−ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HEIDA)またはその塩、例えば、ナトリウム塩も含むことができる。
【0012】
好ましくは、ポリマーは少なくとも42重量%、好ましくは少なくとも44重量%、好ましくは少なくとも46重量%、好ましくは少なくとも48重量%、好ましくは少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも52重量%、好ましくは少なくとも55重量%、好ましくは少なくとも58重量%の(メタ)アクリル酸C−C18アルキルの重合残基を含む。好ましくは、ポリマーは62重量%以下、好ましくは60重量%以下、好ましくは55重量%以下、好ましくは52重量%以下、好ましくは50重量%以下の(メタ)アクリル酸C−C18アルキルの重合残基を含む。好ましくは、(メタ)アクリル酸C−C18アルキル残基は(メタ)アクリル酸C−C12アルキル残基、好ましくはメタクリル酸C−C12アルキルもしくはアクリル酸C−C12アルキル残基、好ましくは(メタ)アクリル酸C−Cアルキル残基、好ましくはメタクリル酸C−Cアルキルもしくはアクリル酸C−Cアルキル残基、好ましくは(メタ)アクリル酸C−Cアルキル残基、好ましくはメタクリル酸C−Cアルキルもしくはアクリル酸C−Cアルキル残基、好ましくは(メタ)アクリル酸C−C12アルキル残基、好ましくはメタクリル酸C−C12アルキルもしくはアクリル酸C−C12アルキル残基、好ましくはアクリル酸C−Cアルキル残基、好ましくはアクリル酸C−Cアルキル残基に限定される。好ましくは、(メタ)アクリル酸C−C18アルキルの重量で少なくとも2/10、好ましくは少なくとも3/10、好ましくは少なくとも4/10、好ましくは少なくとも5/10は(メタ)アクリル酸C−C18アルキルに限定される。好ましくは、(メタ)アクリル酸C−C18アルキルの重量で少なくとも2/10、好ましくは少なくとも3/10、好ましくは少なくとも4/10、好ましくは少なくとも5/10は(メタ)アクリル酸C−Cアルキルに限定される。好ましくは、ポリマーは(メタ)アクリル酸C−C18アルキルではない(メタ)アクリラートエステルの重合残基を15重量%以下、好ましくは10重量%以下、好ましくは7重量%以下、好ましくは4重量%以下しか含まない。
【0013】
好ましくは、ポリマーは少なくとも27重量%、好ましくは少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも33重量%、好ましくは少なくとも36重量%、好ましくは少なくとも38重量%、好ましくは少なくとも40重量%のC−Cカルボン酸モノマーの重合残基を含む。好ましくは、ポリマーは50重量%以下、好ましくは48重量%以下、好ましくは45重量%以下、好ましくは40重量%以下、好ましくは35重量%以下のC−Cカルボン酸モノマーの重合残基を含む。好ましくは、C−Cカルボン酸モノマーはC−Cカルボン酸モノマーであり、好ましくは(メタ)アクリル酸、好ましくはメタクリル酸(MAA)である。好ましくは、ポリマーは30重量%以下、好ましくは28重量%以下、好ましくは26重量%以下、好ましくは22重量%以下のアクリル酸(AA)の重合残基を含む。
【0014】
好ましくは、ポリマーが少なくとも15重量%のアクリル酸メチルの重合残基を含む場合には、このポリマーは少なくとも45重量%、好ましくは少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも55重量%の(メタ)アクリル酸C−C18アルキルの重合残基を含む。好ましくは、ポリマーが少なくとも25重量%のアクリル酸メチルの重合残基を含む場合には、このポリマーは少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも55重量%、好ましくは少なくとも60重量%の(メタ)アクリル酸C−C18アルキルの重合残基を含む。好ましくは、ポリマーが少なくとも25重量%のアクリル酸メチルの重合残基を含む場合には、このポリマーは少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも12重量%、好ましくは少なくとも14重量%、好ましくは少なくとも16重量%のアクリル酸の重合残基を含む。
【0015】
好ましくは、ポリマーは、構造HC=C(R)C(O)X(CHCHO)(CH(R’)CHO)R”もしくはHC=C(R)CC(CHNHCO(CHCHO)(CH(R’)CHO)R”のモノマーの重合残基を18重量%以下、好ましくは15重量%以下、好ましくは12重量%以下、好ましくは10重量%以下、好ましくは8重量%以下、好ましくは6重量%以下、好ましくは4重量%以下、好ましくは2重量%以下含む。構造HC=C(R)C(O)X(CHCHO)(CH(R’)CHO)R”もしくはHC=C(R)CC(CHNHCO(CHCHO)(CH(R’)CHO)R”のモノマーにおいては、好ましい(メタ)アクリル酸C−C25アルキルは(メタ)アクリル酸C12−C22アルキル、好ましくは(メタ)アクリル酸C16−C22アルキル、好ましくは(メタ)アクリル酸C12−C18アルキルである。典型的には、構造HC=C(R)C(O)X(CHCHO)(CH(R’)CHO)R”を有するモノマーにおいては、XはOであり;R”はC−C25アルキル、好ましくはC12−C22アルキル、好ましくはC16−C22アルキルであり;nは15〜30でありかつmは0〜5であり;好ましくはnは18〜25でありかつmは0〜3であり;好ましくはnは18〜25でありかつmは0〜2であり;R’およびRはメチルである。好ましくは、ポリマーは、アクリル系モノマーではないモノマーの重合残基を10重量%以下、好ましくは7重量%以下、好ましくは5重量%以下、好ましくは2重量%以下含む。
【0016】
ポリマーは架橋ポリマーであることができ、すなわち、架橋剤、例えば、2以上の非共役エチレン性不飽和基を有するモノマーが重合中にコポリマー成分と共に含まれる。このようなモノマーの好ましい例には、例えば、ジもしくはトリアリルエーテル、およびジオールもしくはポリオールのジもしくはトリ−(メタ)アクリリルエステル(例えば、トリメチロールプロパンジアリルエーテル(TMPDE)、エチレングリコールジメタクリラート)、ジ−もしくはトリ−酸のジもしくはトリ−アリルエステル、(メタ)アクリル酸アリル、ジビニルスルホン、トリアリルホスファート、ジビニル芳香族(例えば、ジビニルベンゼン)が挙げられる。好ましくは、ポリマー中に重合された架橋剤残基の量は0.3重量%以下、好ましくは0.2重量%以下、好ましくは0.1重量%以下、好ましくは0.05重量%以下、好ましくは0.02重量%以下、好ましくは0.01重量%以下である。
【0017】
好ましくは、ポリマーは、水性媒体中に分散された離散粒子としてポリマーを含む水性組成物として提供される。この水性分散物においては、ポリマー粒子の平均粒子直径は典型的には、20〜1,000nmの範囲内、好ましくは50〜500nmの範囲内、より好ましくは75〜350nmの範囲内である。本明細書において粒子サイズはニューヨーク州ホルツビルのブルックハーベンインスツルメンツコーポレーションによって製造されたブルックハーベンモデルBI−90粒子サイズ測定装置を用いて決定される「有効直径」として報告されるものである。水性分散物中のポリマー粒子の量は、典型的には、水性分散物の重量を基準にして15〜60重量%、好ましくは20〜50重量%の範囲内である。
【0018】
好ましくは、液体洗濯洗剤組成物のpHは6〜12、好ましくは6.5〜10.5、好ましくは7〜10、好ましくは8〜10、好ましくは8〜9.5の範囲にあるように調節される。配合物のpHを調節するのに好適な塩基には、無機塩基、例えば、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム;水酸化アンモニウム;並びに有機塩基、例えば、モノ−、ジ−もしくはトリ−エタノールアミンが挙げられる。塩基の混合物が使用されうる。水性媒体のpHを調節するのに好適な酸には、無機酸、例えば、塩酸、リン酸および硫酸;並びに有機酸、例えば、酢酸が挙げられる。酸の混合物が使用されうる。配合物は塩基を用いてより高いpHに調節され、次いで酸を用いて上記範囲に滴定で戻されることができる。
【0019】
本発明の方法に使用するのに好適な重合技術には、乳化重合および溶液重合、好ましくは乳化重合が挙げられる。水性乳化重合プロセスは典型的には、水性反応混合物中で行われ、この水性反応混合物は、水性反応媒体中に少なくとも1種のモノマー、および様々な合成アジュバント、例えば、フリーラジカル源、緩衝剤、および還元剤を含む。場合によっては、分子量を制限するために、連鎖移動剤、好ましくはメルカプタン、好ましくはC−C12アルキルメルカプタン(例えば、n−ドデシルメルカプタン、nDDM)が使用され;好ましくは0.5%以下の連鎖移動剤が使用される。水性反応媒体は水性反応混合物の連続流体相であり、かつ水性反応媒体の重量を基準にして50重量%を超える水および場合によっては1種以上の水混和性溶媒を含む。好適な水混和性溶媒には、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、エチレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテルおよびジアセトンアルコールが挙げられる。好ましくは、水性反応媒体は、水性反応媒体の重量を基準にして90重量%を超える水、より好ましくは95重量%を超える水を含む。最も好ましいのは、水性反応媒体の重量を基準にして98〜100重量%の水を含む水性反応媒体である。
【0020】
ポリマーは、重合が熱酸化剤、好ましくは過硫酸のナトリウム、アンモニウム、カリウム塩を用いる熱酸化剤の存在下で、起こる熱開始方法によって製造されうる。
【0021】
ポリマーは、酸化剤、還元剤および金属触媒の存在下であって、かつ少なくとも5つの炭素原子を有するアルキル基を含むペルエステル、ヒドロペルオキシド、もしくはペルオキシドの実質的に非存在下で、重合の少なくとも30%が起こるレドックス方法によって製造されうる。このレドックスシステムは1種以上の酸化剤を好適な還元剤および金属触媒と組み合わせて使用する。好ましくは、全モノマーの少なくとも40重量%、好ましくは少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%はレドックスシステムの存在下で重合される。モノマーの全重量はレドックスシステムが添加される時点ですでに重合されたモノマーを含む。好適な酸化剤には、例えば、t−アルキルヒドロペルオキシド、t−アルキルペルオキシドおよびt−アルキルペルエステル(それぞれの場合において、t−アルキル基は5個より少ない炭素原子を有する);過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過硫酸塩、過炭酸塩、過ホウ酸塩、過リン酸およびその塩、過マンガン酸カリウム、並びにペルオキソ二硫酸のアンモニウムもしくはアルカリ金属塩が挙げられる。好ましい酸化剤には、過硫酸塩、過炭酸塩および過ホウ酸塩が挙げられ;好ましくは過硫酸塩が挙げられる。本発明の方法においては、重合は少なくとも5個の炭素原子を有するアルキル基を含むペルオキシド、ヒドロペルオキシドまたはペルエステルの実質的に非存在下で起こる。本明細書において、語句「実質的に非存在下で」とは、酸化剤が、Cまたはそれより大きいアルキル基を有するペルオキシド、ヒドロペルオキシドまたはペルエステルを5重量%未満、好ましくは2重量%未満、好ましくは1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、好ましくは0.1重量%未満、好ましくは0重量%しか含まないことを意味する。好ましくは、重合はあらゆるペルオキシド、ヒドロペルオキシドまたはペルエステルの実質的に非存在下で行われる。好ましくは、酸化剤はモノマーの全重量を基準にして、全量で0.01〜1重量%、好ましくは0.03〜0.5重量%、好ましくは0.05〜0.25重量%で存在する。好適な還元剤には、ナトリウムスルホキシラートホルムアルデヒド、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、硫黄含有酸のアルカリ金属およびアンモニウム塩、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素塩、チオ硫酸塩、ヒドロ亜硫酸塩、硫化物、水硫化物、亜ジチオン酸塩、ホルマジンスルフィン酸(formadinesulfinic acid)、ヒドロキシメタンスルホン酸、ナトリウム2−ヒドロキシ−2−スルフィナト酢酸、アセトンビサルファイト(acetone bisulfite)、アミン、例えば、エタノールアミン、酸、例えば、グリコール酸、グリオキシル酸水和物、乳酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、ならびに前記の酸の塩が挙げられる。好ましい還元剤はイソアルコルビン酸である。好ましくは、還元剤は、モノマーの全重量を基準にして、全量で0.01〜1重量%、好ましくは0.03〜0.4重量%、好ましくは0.05〜0.2重量%で存在する。好適な金属触媒はレドックス反応触媒金属塩であり、例えば、鉄、銅、マンガン、銀、白金、バナジウム、ニッケル、クロム、パラジウムおよびコバルトが挙げられる。好ましい金属触媒は鉄、銅およびこれらの組み合わせから選択され;好ましくは鉄である。好ましくは、金属触媒は、モノマーの全重量中の金属イオン含量を基準にして、全量で少なくとも0.1ppm、好ましくは少なくとも0.5ppm、好ましくは少なくとも1ppm、好ましくは少なくとも2ppm、好ましくは少なくとも3ppm、好ましくは少なくとも4ppmで存在し;好ましくは金属触媒は、全量で、100ppm以下、好ましくは50ppm以下、好ましくは25ppm以下、好ましくは20ppm以下で存在する。モノマーの全重量は、酸化剤、還元剤および金属イオンが添加される時点ですでに重合されたモノマーを含む。酸化剤、還元剤および金属イオンで触媒された重合反応の部分が触媒金属を含む装置、例えば、スチール反応器と接触して行われる場合には、追加の金属イオンを他の反応物質と共に添加する必要がない場合がある。本発明のある好ましい実施形態においては、モノマー混合物の一部分は、酸化剤を開始剤として使用して部分的に重合され、次いで、残りのモノマーを添加して、酸化剤、還元剤および金属触媒の存在下で重合される。好ましくは熱酸化剤を用いて、全モノマーの50重量%未満、好ましくは25重量%未満、好ましくは15重量%未満、好ましくは10重量%未満が重合される。この熱重合される物質は重合の開始時にその場で、またはあらかじめ製造されたポリマーシードから、または「チェイサー(chaser)」添加の結果として形成されうる。さらに、重合はレドックスプロセス(酸化剤/還元剤/および金属触媒)を使用して開始されることができ、第二段階は熱プロセスを使用することができた。このプロセスのレドックス部分は漸次フィード、ショット、フィードとその後のショット、もしくはショットとその後のフィード、または他の可能な組み合わせであることができる。ショット添加は、比較的短い時間、例えば、20分未満、好ましくは15分未満、好ましくは10分未満にわたってモノマーが添加される添加であり、その結果、その添加の後で反応混合物はかなりの未反応のモノマーを含むであろう。典型的には、ショット添加はモノマーのみを含み、触媒は別に、好ましくはこのショット添加の後で、反応混合物に添加される。重合のほとんど、すなわち、少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%が完了した後で、残留するモノマーのほとんどを重合させるように追加の開始剤が「チェイサー」として添加されることができる。チェイサーは熱開始剤またはレドックスシステムであることができる。
【0022】
典型的なレドックス重合がポリマーNの製造について以下のように例示される。機械式攪拌装置、加熱マントル、熱電対、凝縮器、並びにモノマー、開始剤および窒素の添加のための入口を備えた1リットル丸底フラスコに、271.2グラムの脱イオン水を入れた。この混合物を攪拌する様にセットし、45℃に加熱した。この反応系は重合の開始前に窒素で1時間スパージされた。5.78グラムの28%ラウリル硫酸ナトリウムおよび124.5グラムの脱イオン水を磁気攪拌しつつ容器に入れることによりモノマーコフィード溶液が製造された。14.26グラムのMA−20をこの容器に入れて、次いで、100グラムのBA、次いで、87グラムのMAAをゆっくりと添加し、滑らかで安定なモノマーエマルションを形成した。この溶液をケトルへの添加のためのシリンジに入れた。0.29グラムの過硫酸ナトリウムおよび10.7グラムの脱イオン水を添加することによりケトル触媒チャージが調製され、とっておかれた。0.06グラムのイソアスコルビン酸および13.3グラムの脱イオン水のケトルアクチベータ溶液が製造され、とっておかれた。
【0023】
0.595グラムの過硫酸ナトリウムおよび39.3グラムの脱イオン水のコフィード触媒溶液が製造され、ケトルへの添加のためのシリンジに入れられた。0.119グラムのイソアスコルビン酸および40グラムの脱イオン水のコフィードアクチベータ溶液が製造され、ケトルへの添加のためのシリンジに入れられた。
【0024】
45℃で1時間のスパージ後、5.73グラムの28%ラウリル硫酸ナトリウムが4グラムの脱イオン水すすぎと共に、ケトルに入れられた。45℃で、0.8グラムの0.15%硫酸鉄七水和物溶液がこのケトルに添加され、その後すぐにイソアスコルビン酸ケトルアクチベータ、次いで過硫酸ナトリウム触媒溶液を添加した。モノマーエマルションコフィードおよび触媒コフィードが同時に開始された。モノマーエマルションコフィードは3.7グラム/分の割合で90分間にわたって添加された。コフィードアクチベータおよび触媒溶液は0.4グラム/分の割合で合計100分間で添加された。これらコフィードの完了後に、反応系は45℃で10分間保持された。
【0025】
この保持中に、チェイサー溶液の2つの同じセットが準備された。0.071グラムのイソアスコルビン酸が6.6グラムの脱イオン水に溶かされ、そして0.15グラムの70%tert−ブチルヒドロペルオキシドが6.6グラムの脱イオン水と混合され、両方のセットはとっておかれた。上記保持の終わりの時に、チェイサー溶液の第1のセットがショットでこのケトルに添加され、20分間保持された。この保持の後で、チェイサーセット2がショットで添加され、20分間保持された。このチェイサーの完了時に、反応系は室温に冷却され、100メッシュバッグを通してろ過された。最終的なエマルションポリマーは25.0%の固形分を有していた。
【実施例】
【0026】
【表1】

【0027】
ここで言及されるアクリル系モノマーには、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、アクリル酸エチル(EA)、アクリル酸n−ブチル(BA)、メタクリル酸n−ブチル(BMA)、アクリル酸2−エチルヘキシル(EHA)、アクリル酸メチル(MA)、メタクリル酸ラウリル(LMA)、MA−20(C16−C18アルコールの20モルエトキシ化物のメタクリル酸エステル)、MA−22(C22アルコールの25モルエトキシ化物のメタクリル酸エステル)が挙げられる。n−ドデシルメルカプタン(nDDM)が多くの場合連鎖移動剤として使用される。各モノマーの量は全モノマー(nDDMを含まない)量のパーセントとして計算され、nDDMの量も全モノマーのパーセントとして示され、すなわち、モノマーパーセンテージはnDDM抜きで合計100になる。
【0028】
Witco90フレーク=アニオン性ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(線状アルキルベンゼンスルホン酸塩)、90%活性;NEODOL25−7アルコールエトキシラート(AE)=アルコール1モルあたり平均約7モルのエチレンオキシドを有する非イオン性C12−C15アルコール(100%活性)。アルキルエトキシラート硫酸金属塩(AEOS)の例には、WITCOLATE LES−60C=アニオン性C12−C14(3モルEO)硫酸ナトリウム、60%活性;EMPICOL ESB70=アニオン性C12−C14(2モルEO)硫酸ナトリウム、70%活性;が挙げられる。
【0029】
均質な液体を確実にするために、配合物は以下の6工程で製造された。
【表2】

二軸スピードミキサーを使用(設定33で3540rpm)
【0030】
界面活性剤がプラスチックマックス100スピードミキサーカップに入れられ、スピードミキサー(FlackTek SpeedMixer(商標)モデルDAC150FVZ−K)で3540rpmで1分間ブレンドされた。次いで、プロピレングリコールおよびエタノールが添加され、再び混合された。次いで、クエン酸(水性35重量%)が添加され、混合された。レオロジー調整剤が添加され、混合された。最後に、水酸化ナトリウム(水性30重量%)が添加され、混合された。サンプルは室温で一晩保存され、2日目にスピードミキサーで3540rpmで1分間再混合された。
【0031】
3日目に、全てのサンプルはまずスピードミキサーで3540rpmで1分間再混合された。次いで、セミマイクログラス組み合わせ電極(サーモサイエンティフィックROSS8103BN)を備えたOrion4StarpH計を用いて、各サンプルのpHが測定された。このpH計は、使用前にpH4、7、10の緩衝液で較正された。次いで、水酸化ナトリウム溶液もしくはクエン酸溶液を用いて、各サンプルのpHが8.2〜8.4に調節された。
【0032】
約0.7mLのサンプルが1mLガラスバイアルに分配され、PICA II透明度測定のために蓋をされた。ピペットを用いて、約4〜5mLのサンプルが自動化アントンパール(Anton Paar)レオロジー測定のためのPPR試験管に注がれもしくは入れられた。バイアルに泡を入れないことに注意する。
【0033】
特性評価:
自動化アントンパールM−301レオメータを用いてレオロジー試験が行われた。粘度は20〜40℃の温度で剪断速度0.1〜117s−1で測定された。透明度および相安定性は、相特定および特性評価装置(Phase Identification and Characterization Apparatus:PICA)を用いて、5、20および45℃で測定された。標準側方照明(side lighting)方法および平面偏光照明(plane polarized lighting)方法の両方を用いて、各サンプルのイメージが得られた。透明度および相の数を処理するために、エポック(Symyx、カリフォルニア)ソフトウェアが使用された。
【0034】
比較例1:
3種の界面活性剤LABS/AEOS/AE(比率0.333/0.333/0.333)の界面活性剤33%の界面活性剤システムにおいて、1.25%のポリマーAが添加された。この配合物はpH8.2に調節された。20および40℃でのポア(pour)剪断粘度(20s−1の剪断速度)は595および223cPであり、並びに5,20および45℃での透明度はそれぞれ23、17および12であった。
【0035】
実施例1〜5
比較例1と同じ界面活性剤システムにおいて、1.25%の新規レオロジー調整剤が添加された。この配合物はpH8.2に調節された。20および40℃でのポア剪断粘度(20s−1の剪断速度)並びに5,20および45℃での透明度が測定された。結果は表3に示される。新規レオロジー調整剤は対照のポリマーAよりも有意に高い粘度を有している。例えば、実施例1はポリマーAよりも40%増加した粘度を有している。新規レオロジー調整剤は、試験された3つ全ての温度で対照のポリマーAよりも高い透明度(低い透明度数(clarity number))を有する。
【0036】
実施例1〜5の配合物:33%界面活性剤の洗濯用液体配合物(センターポイント;Center Point)
【表3】

【0037】
ネフェロメトリック濁度単位(Nephelometric Turbidity Units:NTU)が示されることを除いて、透明度および相安定性を測定するために、相特定および特性評価装置(PICA II)が使用された。エポックソフトウェア(Symyx、カリフォルニア州)「PICA II V10.0.5−現行バージョン」が使用された。蓋をされた1mLガラスバイアル中の各サンプルが、ロボットグリッパーアームで96ウェルアルミニウムプレートから筐体に移された。この筐体内でキヤノンレーベルXTiカメラを用いて標準白色光および平面偏光の双方を用いてイメージが得られた。PICA IIはサンプル間の相対的濁度比較提供するが、ネフェロメトリック濁度単位(NTU)での絶対的濁度を提供しない。PICA II透明度数はNTUとの直接的な相関性を有していない。しかし、両方の試験は与えられたサンプルについて同様の結論をもたらす。20以下のPICA II透明度値はサンプルが目視で透明であることを示す。透明度数がより高くなると、配合物はより曇っている。PICA IIは透明度データに加えて、見た目のイメージも提供する。
【0038】
実施例1〜5および比較例1のポア剪断粘度および透明度比較
【表4】

ベース配合物:LABS/AEOS/AE(0.333/0.334/0.333)、界面活性剤合計濃度33%、ポリマー量1.25%。
【0039】
比較例2:
3種の界面活性剤LABS/AEOS/AE(比率0.270/0.348/0.382)の界面活性剤36%の界面活性剤システムにおいて、0.8%のポリマーAが添加された。この配合物はpH8.3に調節された。20および40℃でのポア剪断粘度(20s−1の剪断速度)は412および132cPであり、並びに5,20および45℃での透明度はそれぞれ25、22および14であった。
【0040】
実施例6〜8
比較例1と同じ界面活性剤システムにおいて、0.8%の新規レオロジー調整剤が添加された。この配合物はpH8.3に調節された。20および40℃でのポア剪断粘度(20s−1の剪断速度)並びに5,20および45℃での透明度が測定された。結果は表4に示される。新規レオロジー調整剤は対照のポリマーAよりも有意に高い粘度を有している。例えば、実施例7はポリマーAよりも32%増加した粘度を有している。新規レオロジー調整剤は、試験された3つ全ての温度で対照のポリマーAよりも高い透明度(低い透明度数)を有する。
【0041】
実施例6〜8の配合物:36%界面活性剤の洗濯用液体配合物
【表5】

【0042】
実施例1〜5および比較例2のポア剪断粘度および透明度(PICA)比較
【表6】

ベース配合物:LABS/AEOS/AE(0.270/0.348/0.382)、界面活性剤合計濃度36%、ポリマー量0.8%。
【0043】
比較例3:
3種の界面活性剤LABS/AEOS/AE(比率0.60/0.02/0.38)の界面活性剤33%の界面活性剤システムにおいて、01.2%のポリマーAが添加された。この配合物はpH8.3に調節された。20および40℃でのポア剪断粘度(20s−1の剪断速度)は389および170cPであり、並びに5,20および45℃での透明度はそれぞれ41、38および27であった。
【0044】
実施例9〜10
比較例3と同じ界面活性剤システムにおいて、1.2%の新規レオロジー調整剤が添加された。この配合物はpH8.3に調節された。20および40℃でのポア剪断粘度(20s−1の剪断速度)並びに5,20および45℃での透明度が測定された。結果は表5に示される。新規レオロジー調整剤は対照のポリマーAよりも有意に高い粘度を有している。例えば、実施例8はポリマーAよりも27%増加した粘度を有している。新規レオロジー調整剤は、試験された3つ全ての温度で対照のポリマーAよりも高い透明度(低い透明度数)を有する。
【0045】
実施例9〜10の配合物:33%界面活性剤で低AEOSの洗濯用液体配合物
【表7】

【0046】
実施例1〜5および比較例2のポア剪断粘度および透明度比較
【表8】

ベース配合物:LABS/AEOS/AE(0.6/0.02/0.38)、界面活性剤合計濃度33%、ポリマー量1.2%。
【0047】
36%界面活性剤配合物中の0.5%のポリマーA、B、GおよびH
36%界面活性剤の洗濯用液体配合物(pH8.2に調節)
【表9】

【0048】
【表10】

上記レオロジーデータはTAインスツルメンツAR2000レオメータを用いて20℃で集計された。NTUはネフェロメータを用いて室温で測定された。
【0049】
硫酸塩を含まないシャンプー配合物におけるレオロジー調整剤
配合は以下の通りである:
硫酸塩を含まないシャンプーは10%のスルホコハク酸ラウレス二ナトリウム10%およびコカミドプロピルベタイン2%(界面活性剤合計12%)を含んでいる。
【0050】
硫酸塩を含まないシャンプーの配合
【表11】

トリエタノールアミンが添加されて、pH7.0にされた。
【0051】
pH7で、より疎水性の骨格を有する新規レオロジー調整剤は、硫酸塩を含まない界面活性剤12%のものをポリマーAほど増粘させない。高い透明度数(曇り)を有するポリマーFを除いて、他の新規のレオロジー調整剤はポリマーAと同様の透明度を有している。
【0052】
粘度およびPICA透明度数
【表12】

【0053】
レオロジー調整剤のEHA量が粘度および透明度に及ぼす影響
配合は33%界面活性剤の洗濯用液体配合物(センターポイント)について上述したのと同じである。
【0054】
様々なEHAレベルでの粘度およびPICA透明度数
【表13】

ベース配合物:LABS/AEOS/AE(0.333/0.334/0.333)、界面活性剤合計濃度33%、ポリマー量1.25%。
【0055】
最も高い粘度は9%のEHAを含むポリマーJレオロジー調整剤についてである。4%のEHAでは、ポリマーIの粘度はポリマーAの粘度よりも依然として高く、かつ透明度もより良好である。
【0056】
ポリマーK変異型が粘度および透明度に及ぼす影響
配合は33%界面活性剤の洗濯用液体配合物(センターポイント)について上述したのと同じである。
【0057】
BA(SIPOMER BEMホーブ(Phobe))を伴うポリマーK(比較)の粘度およびPICA透明度数
【表14】

ベース配合物:LABS/AEOS/AE(0.333/0.334/0.333)、界面活性剤合計濃度33%、ポリマー量1.25%。
【0058】
10%シポマーホーブ(Sipomer phobe)を伴うポリマーKベースのレオロジー調整剤については、20%BAを含むポリマーLの粘度は、BAを含まないポリマーKの粘度の2倍を超えている。さらに、ポリマーL(20%)BAの透明度はポリマーKの透明度よりもかなり良好である。
【0059】
界面活性剤合計量が粘度および透明度に及ぼす影響(10および15%)
配合物は1/1/1の比率のLABS/AEOS/AE(3.33%/3.34%/3.33%)を有する10%界面活性剤、および1.25%の量のレオロジー調整剤を含む。
【0060】
10%界面活性剤濃度での粘度およびPICA透明度数
【表15】

ベース配合物:LABS/AEOS/AE(0.333/0.334/0.333)、界面活性剤合計濃度10%、ポリマー量1.25%。
【0061】
10%の界面活性剤合計濃度において、ポリマーAは、増大した疎水性骨格を有する新規レオロジー調整剤よりも高い粘度および良好な透明度を有する。
【0062】
配合物は1/1/1の比率のLABS/AEOS/AE(5%/5%/5%)を有する15%界面活性剤、および1.25%の量のレオロジー調整剤を含む。
【0063】
15%界面活性剤濃度での粘度およびPICA透明度数
【表16】

ベース配合物:LABS/AEOS/AE(0.333/0.334/0.333)、界面活性剤合計濃度15%、ポリマー量1.25%。
【0064】
15%の界面活性剤合計濃度において、増大した疎水性骨格を有するいくつかの新規レオロジー調整剤(B、D、E)は、対照であるポリマーAと同等もしくはより高い粘度および良好な透明度を有する。
【0065】
ポリマーM(比較)およびポリマーNでの粘度および透明度数
【表17】

ベース配合物:LABS/AEOS/AE(0.333/0.334/0.333)、界面活性剤合計濃度36%、ポリマー量0.5%。
【0066】
26%界面活性剤配合物中での、アルキルキャップポリアルキレンオキシドモノマー残基(ポリマーO、PおよびQ)を有しないポリマーの1%での効果(以下に示されるポリマーRおよびSについては、ポリマーRおよびSは2%で存在した)。
【0067】
【表18】

上記レオロジーデータはTAインスツルメンツAR2000レオメータを用いて20℃で集計された。NTUはネフェロメータを用いて室温で測定された。
【0068】
相分離に及ぼす界面活性剤およびポリマーの影響
【表19】

【0069】
【表20】

【表21】

【0070】
架橋の効果
ポリマーRおよびSのサンプルが以下のように配合された。
【表22】

【0071】
粘度および透明度は上述のように測定され、結果は以下の表に示される。
【0072】
【表23】

上記レオロジーデータはTAインスツルメンツAR2000レオメータを用いて20℃で集計された。NTUはネフェロメータを用いて室温で測定された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)14〜50重量%の界面活性剤;並びに(b)0.05〜4重量%の少なくとも1種のポリマーを含む洗剤組成物であって、
前記少なくとも1種のポリマーが(i)40〜65重量%の(メタ)アクリル酸C−C18アルキル、ここで、前記(メタ)アクリル酸C−C18アルキルの重量で少なくとも1/10は(メタ)アクリル酸C−C18アルキルに限定される;(ii)25〜55重量%のC−Cカルボン酸モノマー;並びに(iii)0〜20重量%の構造HC=C(R)C(O)X(CHCHO)(CH(R’)CHO)R”もしくはHC=C(R)CC(CHNHCO(CHCHO)(CH(R’)CHO)R”のモノマー、式中、XはOもしくはNHであり、RはHもしくはCHであり、R’はC−Cアルキルであり、R’’はC−C25アルキル、C−C16アルキルフェニルもしくはC13−C36アルアルキルフェニルであり、nは平均数6〜100であり、mは平均数0〜50であり、ただしn≧m、かつm+nは6〜100である;
の重合残基を含む、洗剤組成物。
【請求項2】
20〜50重量%の界面活性剤を含む請求項1に記載の洗剤組成物。
【請求項3】
ポリマー中の(メタ)アクリル酸C−C18アルキルの重量で少なくとも2/10が(メタ)アクリル酸C−C18アルキルに限定される、請求項2に記載の洗剤組成物。
【請求項4】
前記ポリマーを0.3〜3重量%含む請求項3に記載の洗剤組成物。
【請求項5】
界面活性剤を25〜46重量%含む請求項4に記載の洗剤組成物。
【請求項6】
前記ポリマーが、(i)42〜60重量%の(メタ)アクリル酸C−C18アルキル、ここで、前記(メタ)アクリル酸C−C18アルキルの重量で少なくとも2/10は(メタ)アクリル酸C−Cアルキルに限定される;(ii)28〜58重量%のC−Cカルボン酸モノマー;並びに(iii)0〜12重量%の構造HC=C(R)C(O)X(CHCHO)(CH(R’)CHO)R”もしくはHC=C(R)CC(CHNHCO(CHCHO)(CH(R’)CHO)R”のモノマー、式中、XはOであり、R’’はC12−C22アルキルであり、nは15〜30であり、mは0〜5であり、並びにR’およびRはメチルである;
の重合残基を含む、請求項5に記載の洗剤組成物。
【請求項7】
(メタ)アクリル酸C−C18アルキルが(メタ)アクリル酸C−Cアルキルに限定され、当該(メタ)アクリル酸C−Cアルキルの重量で少なくとも2/10が(メタ)アクリル酸C−Cアルキルに限定される、請求項1に記載の洗剤組成物。
【請求項8】
前記ポリマーを0.3〜3重量%含む請求項7に記載の洗剤組成物。
【請求項9】
前記ポリマーが、(i)42〜60重量%の(メタ)アクリル酸C−C18アルキル;(ii)28〜58重量%のC−Cカルボン酸モノマー;並びに(iii)0〜12重量%の構造HC=C(R)C(O)X(CHCHO)(CH(R’)CHO)R”もしくはHC=C(R)CC(CHNHCO(CHCHO)(CH(R’)CHO)R”のモノマー、式中、XはOであり、R’’はC12−C22アルキルであり、nは15〜30であり、mは0〜5であり、並びにR’およびRはメチルである;
の重合残基を含む、請求項8に記載の洗剤組成物。
【請求項10】
(メタ)アクリル酸C−Cアルキルの重量で少なくとも3/10が(メタ)アクリル酸C−Cアルキルに限定される請求項9に記載の洗剤組成物。

【公開番号】特開2012−136694(P2012−136694A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−261126(P2011−261126)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】