説明

高い比表面積および還元率を有する、ジルコニウム、セリウムおよびランタンならびにイットリウム、ガドリニウムまたはサマリウムの酸化物を基にした組成物、調製方法および触媒としての使用

【課題】表面積安定性が増加した比表面積を有する材料の提供。
【解決手段】1000℃で4時間および1150℃で10時間、それぞれか焼後の少なくとも40m/gおよび少なくとも15m/gの比表面積を有する、ジルコニウム、セリウムおよびランタンならびにイットリウム、ガドリニウムおよびサマリウムの中から選択される別の希土類の酸化物から成る。又、1200℃で10時間のか焼後は、少なくとも7m/gの表面積を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安定な比表面積を有する、ジルコニウムの酸化物、セリウムの酸化物、ランタンの酸化物ならびにイットリウム、ガドリニウムおよびサマリウムから選択される別の希土類金属の酸化物を基にした組成物、その調製方法および自動車の排気ガスの処理でのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
「多官能」触媒は、内燃機関の排気ガスの処理のために現在使用されている(自動車の再燃焼触媒反応)。「多官能」という用語は、酸化、特に、排気ガス中に存在する一酸化炭素および炭化水素の酸化だけでなく、還元、特に、これらのガス中にまた存在する窒素酸化物の還元も行うことのできる触媒(「三元」触媒)を意味すると理解される。酸化ジルコニウムおよび酸化セリウムは、今日、このタイプの触媒の組成物に関与する材料の2つの特に重要な、そして有益な構成成分とされている。そのような使用において有効であるためには、これらの材料は、高温でも十分に大きいままである比表面積を示さねばならない。
【0003】
ジルコニウムおよびセリウムと組み合わせて他の希土類金属を、満足の行く比表面積を示す材料を得るために使用することは公知である。しかし、これらは、或る場合には、これらが、ジルコニウム元素およびセリウム元素に加えて3つまでの他の希土類金属を含むので複雑な組合せである。更に、この表面積安定性を改善すること、即ち、同じ温度でなお大きい表面積値または高温でもなお十分大きい表面積値を得ることが常に求められている。
【0004】
したがって、表面積安定性が増加した比表面積を有する材料であり、できれば過度に複雑な組成を持たない材料に対する要求が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の第一の主題は、この要求に合致する生成物である。
【0006】
更に、上述の材料に求められる別の性質はこれらの還元率である。「還元率」という用語は、ここにおいておよび以降の説明において、還元雰囲気の効果の下で、および所定の温度で、セリウム(III)へ転換されることのできるこれらの材料中のセリウム(IV)の水準を意味すると理解される。この還元率は、例えば、所定の温度範囲内での水素の消費量により測定することができる。それは、還元または酸化される性質を有するセリウムによる。この還元率は、勿論、できる限り高いものでなければならない。
【0007】
したがって、高い還元率および安定化された比表面積、即ち、高温で満足できる表面積値を示す比表面積の両方を示す生成物を得ることが有益である。
【0008】
したがって、本発明の第二の主題は、これらの性質の有利な組合せを与えることのできる組成物の開発である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的をもって第一の実施形態によれば、本発明による組成物は、次の特徴:
少なくとも40m/gの、1000℃で4時間のか焼後の比表面積、
少なくとも15m/gの、1150℃で10時間のか焼後の比表面積、
少なくとも7m/gの、1200℃で10時間のか焼後の比表面積、
少なくとも15%の、酸化ランタンおよび他の希土類金属の酸化物の含有量
を示すことを特徴とする、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ランタンならびにイットリウム、ガドリニウムおよびサマリウムから選択される別の希土類金属の酸化物から本質的に構成される。
【0010】
本発明の第二の実施形態によれば、組成物は、次の特徴:
少なくとも40m/gの、1000℃で4時間のか焼後の比表面積、
少なくとも15m/gの、1150℃で10時間のか焼後の比表面積(このか焼の終わりで組成物は純粋な固溶体の形態にある。)、
少なくとも5m/gの、1200℃で10時間のか焼後の比表面積、
少なくとも15%の、酸化ランタンおよび他の希土類金属の酸化物の含有量
を示すことを特徴とする、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ランタンならびにイットリウム、ガドリニウムおよびサマリウムから選択される別の希土類金属の酸化物から本質的に構成される。
【0011】
第三の実施形態によれば、本発明による組成物は、次の特徴:
少なくとも40m/gの、1000℃で4時間のか焼後の比表面積、
少なくとも15m/gの、1150℃で10時間のか焼後の比表面積、
少なくとも7m/gの、1200℃で10時間のか焼後の比表面積、
少なくとも15%の酸化ランタンおよび他の希土類金属の酸化物の含有量、
少なくとも80%の、900℃で4時間か焼した組成物について測定された還元率の程度
を示すことを特徴とする、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ランタンならびにイットリウム、ガドリニウムおよびサマリウムから選択される別の希土類金属の酸化物から本質的に構成される。
【0012】
本発明の第四の実施形態によれば、組成物は、次の特徴:
少なくとも40m/gの、1000℃で4時間のか焼後の比表面積、
少なくとも15m/gの、1150℃で10時間のか焼後の比表面積(このか焼の終わりで組成物は純粋な固溶体の形態にある。)、
少なくとも5m/gの、1200℃で10時間のか焼後の比表面積、
少なくとも15%の、酸化ランタンおよび他の希土類金属の酸化物の含有量、
少なくとも80%の、900℃で4時間か焼した組成物について測定された還元率の程度
を示すことを特徴とする、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ランタンならびにイットリウム、ガドリニウムおよびサマリウムから選択される別の希土類金属の酸化物から本質的に構成される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の組成物についてのX線回折により得られた回折パターンを示す図である。
【図2】本発明の別の組成物についてのX線回折により得られた回折パターンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の他の特徴、詳細および利点は、以下に続く説明を、特に、添付の図面を参照して読めば、より一層完全に明らかとなる。
【0015】
説明の続きにおいて、「比表面積」という用語は、定期刊行物の「The Journal of the American Chemical Society、60、309頁(1939年)」に記載されているBrunauer−Emmett−Teller法から転用された標準ASTM D 3663−78による、窒素吸着で決定されるBET比表面積を意味すると理解される。
【0016】
説明の続きにおいて、別段の記載がない限り、限界での値は、与えられる値の範囲中に含まれることが明記される。
【0017】
元素の含有量または水準は、これらの含有量の表示として、これらの元素の酸化物、別段の記載がない限り、これらの酸化物の重量として与えられ、セリウムでは酸化セリウムの形態および他の希土類金属ではLnの形態にあるものと見なされる。
【0018】
所定の温度および所定の期間に対して示される比表面積値は、別段の記載がない限り、示された期間にわたる定常的温度相の空気の下でのか焼に相当する。
【0019】
本発明による組成物は、ジルコニウム元素、セリウム元素、ランタン元素およびイットリウムまたはサマリウムまたはガドリニウムのいずれかである別の希土類金属の4つの酸化物の混合物から本質的に構成される。「本質的に構成される」という用語は、検討中の組成物が4つの上述の元素の酸化物のみを含み、別の元素、例えば、組成物の比表面積の安定性に明らかな影響を及ぼし得る別の希土類金属の酸化物を含まないことを意味すると理解される。一方、組成物は、特にその調製方法から、例えば、使用される出発物質または出発反応体から生じ得る不純物等の元素を含み得る。
【0020】
本発明の組成物は、少なくとも15%である酸化ランタン/他の希土類金属の酸化物の組合せに対する含有量を示す。この含有量は、15%から35%の間にあることができる。35%を超えると、表面積の安定性についての効果が最早認められなくなる。酸化ランタンおよび他の希土類金属の酸化物の含有量が少なくとも30%である場合、特に、30%から35%の範囲内である場合は、多くて30%の酸化セリウムの含有量を有することが好ましい可能性があることに留意されたい。
【0021】
少なくとも2%のランタンの含有量を示すことが組成物にとって好ましい。ランタン対他の希土類金属の相対的割合は、広範囲の内で変動することができる。1.5未満、実際には1未満さえのランタンの含有量対他の希土類金属の含有量の比(酸化ランタンの重量/他の希土類金属の酸化物の重量比)が、最も高い表面積を有する生成物を得るために好ましいものであり得る。
【0022】
セリウムの含有量は、一般に、10%から60%の間、好ましくは、20%から50%の間である。この含有量は、より具体的には、30%から45%の間、なおより具体的には、40%から45%の間であることができる。
【0023】
更に、本発明の組成物は、これらが異なる温度で示す比表面積により特徴付けられる。
【0024】
上で示したように、これらは、先ず初めに、少なくとも40m/gの、1000℃で4時間のか焼後の比表面積を示す。好ましくは、この表面積は、少なくとも45m/g、なお更に好ましくは、少なくとも50m/gであることができる。例えば、単に特定の例として、約55m/gの表面積が、第三および第四の実施形態の場合に達成でき、第一および第二の実施形態の場合では、実際に、60m/gの表面積さえ達成することができると言い得る。
【0025】
本発明の組成物は、少なくとも15m/gの、1150℃で10時間のか焼後の比表面積を次に示し、この表面積は少なくとも18m/gであることさえも可能である。例えば、単に特定の例として、約23m/gの表面積が達成できると言い得る。
【0026】
ここで、いま提供された説明、特に、与えられた全ての特徴は、本発明のどのような実施形態の組成物にも適用されることに留意されたい。しかし、特定の実施形態(第二および第四の実施形態)によれば、組成物は、1150℃で10時間のか焼の終わりでは、純粋な固溶体の形態で存在し得る。これらの組成物についてのX線回折により得られる回折パターンは、特に、後者の内に、フッ素タイプの立方結晶対称、したがって、セリウム、ランタン、ジルコニウムおよび他の希土類金属の純粋な固溶体の存在を反映する単一の明確に特定可能な相の存在を示す。
【0027】
本発明の組成物は、検討中の実施形態により変動する、1200℃で10時間のか焼後の比表面積を次に示す。第一および第三の実施形態の場合では、この表面積は少なくとも7m/gである。他の実施形態、即ち、上で説明されたばかりの、および組成物が、1150℃でのか焼後に固溶体の形態にある実施形態の場合では、この表面積は少なくとも5m/gである。これらの実施形態の代替形態によれば、この表面積は、また、1200℃で10時間のか焼後でなお少なくとも7m/gであることができる。有利には、これはどんな実施形態の場合にも当てはまり、1200℃で10時間のか焼後の比表面積は少なくとも10m/gである。例えば、単に特定の例として、約15m/gの表面積が達成できると言い得る。
【0028】
本発明の第三および第四の実施形態の組成物は、他の特徴として、少なくとも80%の還元率の程度で反映される高い還元率を示す。この程度は、より具体的には、少なくとも85%、なおより具体的には、少なくとも90%であることができる。ここでおよび以降の説明のために、還元率のこの程度は、定常的条件下で4時間、空気の下で900℃でか焼に掛けられた組成物について測定されることが明記される。
【0029】
組成物の還元率は、30℃から900℃の間で測定される、これらの水素消費量の測定により決定される。この測定は、アルゴン中に希釈された水素を使用する温度−プログラム化還元により行われる。信号は熱伝導検出器で検出される。水素の消費量は、30℃での基線から900℃での基線までの水素の信号の不在面積から計算される。還元率の程度は、還元されたセリウムの割合を表し、消費され、この方法により測定されたHの1/2molが、還元されたCe(IV)の1molに相当すると理解される。
【0030】
本発明の組成物の調製方法がここで説明される。
【0031】
これらの方法は、2つの代替形態で存在する:第一の代替形態は、上述の最初の2つの実施形態による組成物の調製に相当し、第二の代替形態は、上述の後の2つの実施形態による組成物の調製に相当する。後で分かる通り、これらの2つの代替形態は、最終工程、即ち、か焼工程でのみ異なる。第一の代替形態による方法は、
(a)ジルコニウム、セリウム、ランタンおよび他の希土類金属の化合物を含む混合物が液体媒体中で形成される工程、
(b)前記混合物を塩基性化合物と接触させ、それによって沈殿物が得られる工程、
(c)前記沈殿物が液体媒体中で加熱される工程、
(d)アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、ポリエチレングリコール、カルボン酸およびそれらの塩、ならびに脂肪族アルコールタイプのカルボキシメチル化エトキシレートの界面活性剤から選択される添加剤が、先の工程で得られた沈殿物へ添加される工程、
(e)沈殿物が工程(d)の終わりで洗浄される工程、
(f)このようにして得られた沈殿物がか焼される工程
を含むことを特徴とする。
【0032】
第一の代替形態による方法の最初の工程(a)は、したがって、組成物の構成成分元素、即ち、ジルコニウム、セリウム、ランタンおよび他の希土類金属の化合物の、液体媒体中で混合物を調製することにある。
【0033】
混合物は、一般的に、好ましくは水である液体媒体中で調製される。
【0034】
化合物は、好ましくは、可溶性化合物である。これらは、特に、ジルコニウム、セリウム、ランタンおよび他の希土類金属の塩であることができる。これらの化合物は、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物、硝酸アンモニウム第二セリウムから選択できる。
【0035】
例としては、硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニルまたは塩化ジルコニルが挙げられる。最も一般的に使用されるのは硝酸ジルコニルである。また、例えば、本明細書では特によく適する硝酸塩または硝酸アンモニウム第二セリウム等のセリウム(IV)塩が特に挙げられる。硝酸第二セリウムが好ましくは使用される。99.5%、より具体的には、少なくとも99.9%の純度を有する塩を使用することが有利である。水性硝酸第二セリウム溶液は、例えば、硝酸と、水性過酸化水素溶液の存在下で、第一セリウム塩、例えば、硝酸第一セリウムの溶液、および水性アンモニア溶液の反応によって通常調製される酸化第二セリウム水和物との反応によって得ることができる。また、好ましくは、この場合有利な出発物質を構成する、文献FR−A−2570087に記載されているような硝酸第一セリウム溶液の電解酸化の方法により得られる硝酸第二セリウム溶液が使用されてもよい。
【0036】
セリウム塩およびジルコニウム塩の水溶液は、塩基または酸の添加で調整することのできる或る程度の初期遊離酸性度を示し得ることに本明細書では留意されたい。しかし、前以て多少徹底的に中和された溶液として、上述のような或る程度の遊離酸性度を効果的に示すセリウム塩およびジルコニウム塩の初期溶液を使用することがまさに可能である。この中和は、この酸性度を限定するために、上述の混合物への塩基性化合物の添加により行うことができる。この塩基性化合物は、例えば、水性アンモニア溶液、あるいはまた、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)水酸化物の溶液であることができるが、好ましくは、水性アンモニア溶液である。
【0037】
最後に、出発混合物がセリウムを本質的にIII形態で含む場合は、方法の過程において酸化剤、例えば、水性過酸化水素溶液を含むことが好ましいことに留意されたい。この酸化剤は、工程(a)中または工程(b)中あるいはまた後者の終わりで、反応媒体へ添加されて使用することができる。
【0038】
また、出発ジルコニウムまたはセリウム化合物としてゾルを使用することも可能である。「ゾル」という用語は、コロイド寸法、即ち、ジルコニウムまたはセリウム化合物を基にした、約1nmから約500nmの間の寸法の微細固体粒子から構成される任意の系を意味し、この化合物は、一般的に、水性液体相の懸濁液中のジルコニウムまたはセリウム酸化物および/または酸化物水和物であり、加えて前記粒子が場合によって、例えば、硝酸塩、酢酸塩、塩化物またはアンモニウム等の結合もしくは吸着したイオンの残留量を含むことも可能である。そのようなゾルでは、ジルコニウムまたはセリウムは、全体的に、コロイドの形態で、または同時にイオンの形態およびコロイドの形態で見出され得ることに留意されたい。
【0039】
混合物は、例えば、初め固体状態にあって、その後水性容器ヒール中へ導入される化合物からか、あるいは、これらの化合物の溶液から直接、次いで、前記溶液を任意の順番で混合するかどちらでも区別なしに得ることができる。
【0040】
第一の代替形態による方法の第二工程(b)では、前記混合物を塩基性化合物と接触させる。水酸化物タイプの生成物は、塩基または塩基性化合物として使用することができる。例としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物を挙げることができる。また、第二級、第三級または第四級アミンが使用されてもよい。しかし、アミンおよび水性アンモニアは、これらが、アルカリ金属またはアルカリ土類金属カチオンによる汚染の危険性を減少する範囲で好まれ得る。また、例として尿素を挙げることができる。塩基性化合物は、より具体的には、溶液の形態で使用することができる。
【0041】
混合物と塩基性化合物とを接触させる方法、即ち、これらの導入の順序は重要ではない。しかし、この接触操作は、混合物を、溶液の形態にある塩基性化合物の中へ導入することにより行うことができる。純粋な固溶体の形態で本発明の組成物を得るためにはこのように進めることが好ましい。
【0042】
接触操作または混合物と塩基性化合物との間の反応、特に、溶液の形態にある塩基性化合物への混合物の添加は、一度に、徐々にまたは連続的に行うことができ、好ましくは、撹拌しながら行われる。それは、好ましくは周囲温度で行われる。
【0043】
第一の代替形態による方法の次の工程(c)は、沈殿物を水性媒体中で加熱する工程である。
【0044】
この加熱は、塩基性化合物との反応後に得られる反応媒体で直接に、または反応媒体からの沈殿物の分離後、場合によっては、沈殿物の洗浄および水中に再懸濁後に得られる懸濁液で行うことができる。媒体が加熱される温度は、通常、少なくとも100℃であり、一般的には、100℃から160℃の間である。加熱操作は、液体媒体を密閉空間(オートクレーブタイプの密閉反応器)へ導入することにより行うことができる。上で与えられた温度条件下で、および水性媒体中で、したがって、例示として、密閉反応器中の圧力は、1bar(10Pa)を超える値から165bar(1.65×10Pa)の間で、好ましくは、5bar(5×10Pa)から165bar(1.65×10Pa)の間で変動できることが明記されてもよい。加熱は、およそ100℃の温度については開放反応器で行うこともできる。
【0045】
加熱は、空気の下または不活性雰囲気、好ましくは窒素下のいずれかで行うことができる。
【0046】
加熱の期間は、広い範囲内で、例えば、30分から48時間の間、好ましくは、1時間から5時間の間で変動できる。温度上昇は、同様に、臨界的ではない速度で起き、したがって、媒体を、例えば、30分から4時間の間加熱することにより設定反応温度を達成することが可能であり、これらの値は全体に示度として与えられる。
【0047】
数度の加熱操作を実施することが可能である。したがって、加熱工程後に、場合によっては1回または複数回の洗浄操作後に得られる沈殿物は、水中に再懸濁することができ、次いで、別の加熱操作が、このようにして得られた媒体で行うことができる。この他の加熱操作は、最初の加熱操作に対して記載されたものと同じ条件下で行われる。
【0048】
本発明方法の次の工程(d)は、先の工程から生じる沈殿物へ、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、ポリエチレングリコールならびにカルボン酸およびそれらの塩、ならびにまた脂肪族アルコールタイプのカルボキシメチル化エトキシレートの界面活性剤から選択される添加剤を添加することにある。
【0049】
この添加剤に関しては、WO98/45212の出願の教示を参照することができ、この文献に記載されている界面活性剤を使用してもよい。
【0050】
アニオンタイプの界面活性剤としては、エトキシカルボキシレート、エトキシル化脂肪酸、サルコシネート、ホスフェートエステル、スルフェート(例えば、アルコールスルフェート、アルコールエーテルスルフェートおよびスルフェート化アルカノールアミドエトキシレート等)、スルホネート(例えば、スルホスクシネート、アルキルベンゼンスルホネートまたはアルキルナフタレンスルホネート等)を挙げることができる。
【0051】
非イオン界面活性剤の例としては、アセチレン系界面活性剤、アルコールエトキシレート、アルカノールアミド、アミンオキシド、エトキシル化アルカノールアミド、長鎖エトキシル化アミン、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー、ソルビタン誘導体、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ポリグリセリルエステルおよびそのエトキシル化誘導体、アルキルアミン、アルキルイミダゾリン、エトキシル化油ならびにアルキルフェノールエトキシレートを挙げることができる。特に、Igepal(登録商標)、Dowanol(登録商標)、Rhodamox(登録商標)およびAlkamide(登録商標)の商標名で販売されている製品を挙げることができる。
【0052】
カルボン酸に関しては、特に、脂肪族モノ−およびジカルボン酸を使用することができ、これらの中で、より具体的には、飽和酸を使用することができる。また、脂肪酸、より具体的には、飽和脂肪酸を使用することができる。したがって、特に、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸およびパルミチン酸を使用することができる。ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸およびセバシン酸を挙げることができる。
【0053】
カルボン酸の塩も使用することができ、特に、アンモニア性塩が使用できる。
【0054】
より具体的には、例えば、ラウリン酸およびラウリン酸アンモニウムを挙げることができる。
【0055】
最後に、脂肪族アルコールタイプのカルボキシメチル化エトキシレートの界面活性剤の中から選択される界面活性剤を使用することが可能である。
【0056】
「脂肪族アルコールタイプのカルボキシメチル化エトキシレートの生成物」という用語は、鎖末端にCH−COOH基を含むエトキシル化またはプロポキシル化脂肪族アルコールから構成される生成物を意味すると理解される。
【0057】
これらの生成物は、式:
−O−(CR−CR−O)−CH−COOH
(式中、Rは飽和または不飽和炭素鎖を表し、炭素鎖の長さは、一般的に、多くて22個の炭素原子、好ましくは、少なくとも12個の炭素原子であり、R、R、RおよびRは同じで、水素を表すことができ、あるいはまた、Rは、CH基を表すことができ、R、RおよびRは水素を表し、nは、50まで、より具体的には、5から15の間の範囲であることができる、これらの値が含まれるゼロではない整数である。)に相当することができる。界面活性剤は、Rがそれぞれ飽和または不飽和であることのできる上記式の生成物、あるいはまた−CH−CH−O−基と−CH(CH)−CH−O−基の両方を含む生成物の混合物から構成され得ることに留意されたい。
【0058】
界面活性剤は2つの方法で添加することができる。それは、先の加熱工程(c)から得られる沈殿物懸濁液へ直接添加することができる。それは、また、加熱が行われた媒体から、任意の公知の手段で媒体の分離後に固体沈殿物へ添加することもできる。
【0059】
組成物の重量に対して添加剤の重量パーセンテージとして表示される、使用される界面活性剤の量は、酸化物として計算され、一般的に、5%から100%の間、より具体的には、15%から60%の間である。
【0060】
本発明方法の特定の実施形態によれば、懸濁した沈殿物を、例えばコロイドミルまたは撹拌タービンを使用してこの懸濁液を剪断に掛けることにより、適度のエネルギー粉砕に掛けることが可能である。
【0061】
工程(d)の終わりで、沈殿物は、懸濁液中に沈殿が起きた媒体から沈殿物を分離した後に洗浄される。この洗浄操作は、水で、好ましくは、塩基性pHの水、例えば、水性アンモニア溶液で行うことができる。
【0062】
第一の代替形態による方法の最終工程で、回収された沈殿物はその後か焼される。このか焼は、形成された生成物の結晶化度を成長させることを可能とし、また、本発明による組成物のために意図されるその後の操作温度により調整および/または選択することができ、これは、生成物の比表面積が、(使用されるか焼温度が増加するにつれて)減少することを考慮して行われる。そのようなか焼は、一般的に、空気の下で行われる。
【0063】
実際には、か焼温度は、一般的に、500から1000℃の間の値の範囲に制限される。
【0064】
第二の代替形態による方法がここで説明される。この方法は、第三および第四の実施形態による組成物、即ち、改善された還元率特性を示す組成物を得ることを可能にする。
【0065】
第二の代替形態によるこの方法は、第一の代替形態による方法に関連して上で説明した全ての工程(a)から(e)を含む。したがって、これらの工程について上で説明された全てのことが、同様に、この方法の説明のためにここで適用される。
【0066】
第二の代替形態による方法は、工程(e)の終わりで上で得られた沈殿物の二重か焼、即ち、不活性ガス下または真空下での沈殿物の第一のか焼、次いで、酸化雰囲気下での第二のか焼が行われる工程(f’)を含む。
【0067】
第一のか焼は、不活性ガス下または真空下で行われる。不活性ガスはヘリウム、アルゴンまたは窒素であることができる。真空は、一般的に、10−1mbar未満の部分的酸素圧力を伴う低真空である。か焼温度は、一般的に、少なくとも900℃である。この値より下の温度では、上で与えられた還元率の特徴を示す生成物が得られない危険が存在する。か焼温度の増加は還元率の増加をもたらし、この還元率の増加は最高温度に対しては100%の値に達することができる。更に、温度は、生成物の比表面積が、(使用されるか焼温度が増加するにつれて)減少することを考慮した値に設定される。したがって、一般的に、最大か焼温度は、高くても1000℃であり、この値より上では比表面積が不十分である危険が存在する。この第一のか焼の期間は、一般的に、少なくとも2時間、好ましくは、少なくとも4時間、特に、少なくとも6時間である。この期間の増加は、普通、還元率の程度の増加をもたらす。勿論、期間は温度の関数として設定することができ、か焼の短い期間はより高い温度を必要とする。
【0068】
酸化雰囲気下での第二のか焼は、第一のか焼の終わりで行われる。「酸化雰囲気」という用語は、空気または酸化性を伴うガス、例えば、オゾン等、より具体的には、空気/酸化ガス混合物を意味すると理解される。一般的に、この第二のか焼は、一般的に少なくとも30分の期間にわたって少なくとも600℃の温度で行われる。600℃未満の温度は、上述の工程(d)中に使用される添加剤を除去することを困難にする可能性がある。900℃のか焼温度を超えないことが好ましい。
【0069】
上述のまたは上で検討された方法で得られる本発明の組成物は粉末の形態で提供されるが、これらは、場合によっては形状化して、種々のサイズの粒状、玉、円柱またはハニカムの形態で提供することもできる。
【0070】
本発明の組成物は、触媒または触媒支持体として使用することができる。したがって、本発明は、また、本発明の組成物を含む触媒系に関する。そのような系に対して、これらの組成物は、したがって、触媒反応の分野で普通に使用される任意の支持体、即ち、特に熱的に不活性な支持体へ適用することができる。この支持体は、アルミナ、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、シリカ、スピネル、ゼオライト、シリケート、結晶性シリコアルミニウムホスフェートまたは結晶性アルミニウムホスフェートから選択することができる。
【0071】
組成物は、また、例えば、これらの組成物を基にした、触媒的性質を有する、金属またはセラミック一体型の基体上のコーティング(薄め塗膜)を含む触媒系で使用することもできる。コーティングは、それ自体、上述のタイプの支持体を含むこともできる。このコーティングは、組成物と支持体とを混合して懸濁液を形成し、この懸濁液を、次に基体上に堆積することにより得られる。
【0072】
これらの触媒系、より具体的には、本発明の組成物は、極めて多数の用途を有することができる。したがって、これらは、特に、種々の反応、例えば、脱水、水素化硫化、水素化脱窒、脱硫、水素化脱硫、脱ハロゲン化水素、リフォーミング、水蒸気リフォーミング、クラッキング、水素化分解、水素化、脱水素化、異性化、不均化、オキシ塩素化、炭化水素または他の有機化合物の脱水素化環化、酸化および/または還元反応、クラウス反応、内燃機関からの排気ガスの処理、脱メタル化、メタン生成、内燃機関(例えば、リーンバーン条件下でのディーゼルエンジンまたはガソリンエンジンの運転)により発せられる煤煙の移動転換または触媒酸化等の触媒反応に適し、したがって、使用可能である。最後に、本発明の触媒系および組成物は、NOトラップとしてまたは酸化媒体中でもNO化合物の還元を促進するために使用することができる。
【0073】
触媒反応でのこれらの使用の場合に、本発明の組成物は、貴金属との組合せで使用される。したがって、これらは、これらの貴金属の支持体として作用する。これらの金属の性質および支持体組成物でのこれらの金属の導入のための方法は、当業者には良く知られている。例えば、金属は、白金、ロジウム、パラジウムまたはイリジウムであることができ、これらは、特に、含浸によって組成物に導入することができる。
【0074】
上述の使用の中で、内燃機関からの排気ガスの処理(自動車の再燃焼触媒反応)は特に有益な用途である。したがって、本発明は、また、上述の触媒系または上述の本発明による組成物の、触媒として使用されることを特徴とする、内燃機関からの排気ガスの処理方法に関する。
【0075】
実施例が次に与えられる。
【0076】
実施例1
この実施例は、40%のジルコニウム、40%のセリウム、6%のランタンおよび14%のイットリウムを含む組成物に関し、これらの割合は、酸化物ZrO、CeO、LaおよびYの重量でのパーセンテージとして表示される。
【0077】
152mlの硝酸ジルコニウム(ZrOとして264g/l)、163.9mlの硝酸セリウム(CeOとして244g/l、Ce3+形態で合計セリウムの6.8%、残りのセリウムはCe4+形態、0.6mol/lの遊離酸性度)、13.2mlの硝酸ランタン(Laとして454g/l)および36.6mlの硝酸イットリウム(Yとして382g/l)を、撹拌したビーカー中へ導入する。次いで、混合物を蒸留水と一緒にして1リットルの硝酸塩の溶液を得る。
【0078】
253.4mlの水性アンモニア溶液(12mol/l)を、撹拌した反応器中へ導入し、次いで、溶液を蒸留水と一緒にして1リットルの合計容量を得る。
【0079】
硝酸塩の溶液を、連続撹拌しながら反応器中へ導入する。
【0080】
得られた溶液を、撹拌機を備えたステンレススチール製オートクレーブに入れる。媒体の温度を、撹拌しながら2時間、150℃に持って行く。
【0081】
33gのラウリン酸を、このようにして得た懸濁液へ添加する。懸濁液を1時間撹拌し続ける。
【0082】
次いで、懸濁液をブフナー漏斗で濾過し、次いで、濾過した沈殿物を水性アンモニア溶液で洗浄する。得られた生成物を、次に、定常的条件下で4時間、700℃に持って行く。
【0083】
実施例2から8
この手順は実施例1と同じである。組成物および使用された反応体の量は、以下の表1および2でそれぞれ示される。実施例6では、硝酸ガドリニウム溶液は、380g/lのGdの濃度を示す。実施例7では、硝酸サマリウム溶液は、369g/lのSmの濃度を示す。
【0084】
【表1】

【0085】
【表2】

【0086】
これらの熱安定性を決定するために、組成物を異なる温度で空気の下でのか焼に掛けた。これらの加熱処理後に測定された比表面積は次の表3で示される。値は、m/gとして表示される。
【0087】
【表3】

【0088】
空気の下で、1150℃で10時間の加熱処理後、これらの組成物のX線分析は、立体対称の単一相を系統的に示す。分析は、X’Celerator型の多重チャンネル検出器およびKβ/Kαモノクロメーターを備えたPanalytical回折計を使用して粉末で行われる。データは、0.017mmのステップで2θ=10から2θ=95°の間で20分で集められる。
【0089】
図1および2は、実施例1および6のそれぞれの組成物についてのX線回折により得られた回折パターンである。
【0090】
比較例9
この実施例は、50%のジルコニウム、40%のセリウム、5%のランタンおよび5%のイットリウムを含む組成物に関し、これらの割合は、酸化物ZrO、CeO、LaおよびYの重量でのパーセンテージとして表示される。ランタンおよびイットリウムの割合は、本発明による組成物でのこれらの同じ元素の割合よりも低い。この組成物の調製で使用された反応体の量および異なる温度での組成物の比表面積は、それぞれ、以下の表4および5で示される。
【0091】
【表4】

【0092】
【表5】

【0093】
次の実施例は、改善された還元率を有する組成物の調製での第二の代替形態による方法の利点を示す。
【0094】
還元率の程度は、次の条件下で測定された。
【0095】
還元率の程度
セリウムの還元率の程度は、Ohkura Riken TP5000の装置で、温度−プログラム化還元を行うことにより測定される。この装置は、温度の関数として、およびセリウムの還元の程度をそれから推論するための、本発明による組成物の水素消費量の測定を可能にする。
【0096】
より具体的には、水素は、アルゴン中で10容量%の還元ガスとして、30ml/分の流量で使用される。実験のプロトコルは、200mgのサンプルを準備された容器中へ計り入れることにある。サンプルを、次いで、底に石英ウールを含む石英セル中へ導入する。最後に、サンプルを石英ウールで覆い、測定装置のオーブンに入れる。温度プログラムは次の通りである:
酸化:He中で、5容量%のO下で、10℃/分の上昇勾配で500℃まで温度を上昇;
30分の定常相、次いで、30℃までの下方勾配;
20分間のAr下で30℃での処理;
還元:Ar中で、10容量%のH下で、20℃/分の上昇勾配で900℃まで温度を上昇;
か焼;
900℃から30℃までのAr下での下方温度勾配。
【0097】
このプログラム中に、サンプルの温度を、サンプルの上の石英セル中に置かれた熱電対を使用して測定する。還元相中の水素消費量を、熱伝導度検出器(TCD)を使用して、セルの出口で測定されたガス流の熱伝導度の変動の較正により推論する。
【0098】
セレニウムの還元の程度を、30℃から900℃の間で測定された水素消費量から計算する。
【0099】
実施例10
この実施例は、40%のジルコニウム、38%のセリウム、11%のランタンおよび11%のイットリウムを含む組成物に関し、これらの割合は、酸化物ZrO、CeO、LaおよびYの重量でのパーセンテージとして表示される。
【0100】
145mlの硝酸ジルコニウム(ZrOとして265g/l)、145mlの硝酸セリウム(CeOとして254g/l)、24mlの硝酸ランタン(Laとして456g/l)および27mlの硝酸イットリウム(Yとして382g/l)を、撹拌したビーカー中へ導入する。次いで、混合物を蒸留水と一緒にして1リットルの硝酸塩の溶液を得る。
【0101】
225mlの水性アンモニア溶液(12mol/l)を撹拌した反応器中へ導入し、次いで、溶液を、蒸留水と一緒にして1リットルの合計容量を得る。
【0102】
硝酸塩の溶液を、連続撹拌しながら1時間掛けて反応器中へ導入する。
【0103】
このようにして得られた懸濁液を、撹拌機を備えたステンレススチール製オートクレーブに入れる。媒体の温度を、撹拌しながら2時間、150℃に持って行く。
【0104】
33gのラウリン酸を、このようにして得た懸濁液へ添加する。懸濁液を1時間撹拌し続ける。
【0105】
次いで、懸濁液をブフナー漏斗で濾過し、次いで、水性アンモニア溶液を、濾過母液と同量を1回で濾過沈殿物へ添加する。
【0106】
濾過および洗浄後に得られた沈殿物を、次に、900℃で4時間、空気の下でか焼する。
【0107】
実施例11
この実施例は、本発明の第四の実施形態を例示する。
【0108】
実施例10と同様の組成物を調製し、手順は、か焼工程まで同じである。
【0109】
次いで、第一のか焼を、不活性ガス下で、1000℃で4時間行う。周囲温度まで戻した後、第二のか焼を、空気の下で、700℃で4時間行う。
【0110】
実施例10および11の生成物の還元率および比表面積の特徴は、以下の表で与えられる。
【0111】
与えられた表面積および還元率の値は、実施例に記載された方法により得られた生成物で、表で示される温度および期間でのか焼に再度掛けられた生成物について測定した。
【0112】
【表6】

【0113】
【表7】

【0114】
1150℃で10時間のか焼後、実施例10および11からの生成物は単一立体結晶相の形態で存在することが明記される。
【0115】
実施例11による組成物は、900℃、1000℃および1100℃で著しく改善された還元率を示す一方、高温においてでも高い比表面積を保持し続けることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の特徴:
少なくとも40m/gの、1000℃で4時間のか焼後の比表面積、
少なくとも15m/gの、1150℃で10時間のか焼後の比表面積、
少なくとも7m/gの、1200℃で10時間のか焼後の比表面積、
少なくとも15%の、酸化ランタンおよび他の希土類金属の酸化物の含有量
を示すことを特徴とする、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ランタンならびにイットリウム、ガドリニウムおよびサマリウムから選択される別の希土類金属の酸化物から本質的に構成される組成物。
【請求項2】
次の特徴:
少なくとも40m/gの、1000℃で4時間のか焼後の比表面積、
少なくとも15m/gの、1150℃で10時間のか焼後の比表面積(このか焼の終わりで組成物は純粋な固溶体の形態にある。)、
少なくとも5m/gの、1200℃で10時間のか焼後の比表面積、
少なくとも15%の、酸化ランタンおよび他の希土類金属の酸化物の含有量
を示すことを特徴とする、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ランタンならびにイットリウム、ガドリニウムおよびサマリウムから選択される別の希土類金属の酸化物から本質的に構成される組成物。
【請求項3】
少なくとも7m/gの、1200℃で10時間のか焼後の比表面積を示すことを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
少なくとも45m/gの、1000℃で4時間のか焼後の比表面積を示すことを特徴とする、請求項1から3の一項に記載の組成物。
【請求項5】
少なくとも50m/gの、1000℃で4時間のか焼後の比表面積を示すことを特徴とする、請求項1から4の一項に記載の組成物。
【請求項6】
少なくとも10m/gの、1200℃で10時間のか焼後の比表面積を示すことを特徴とする、請求項1から5の一項に記載の組成物。
【請求項7】
15%から35%の間の、酸化ランタンおよび他の希土類金属の酸化物の含有量を示すことを特徴とする、請求項1から6の一項に記載の組成物。
【請求項8】
1.5未満、より具体的には1未満の、酸化ランタンの重量/他の希土類金属の酸化物の重量比で、ランタンおよび他の希土類金属の含有量を示すことを特徴とする、請求項1から7の一項に記載の組成物。
【請求項9】
10%から60%の間、より具体的には20%から50%の間のセリウムの含有量を示すことを特徴とする、請求項1から8の一項に記載の組成物。
【請求項10】
少なくとも80%の、900℃で4時間か焼した組成物について測定された還元率の程度を示すことを特徴とする、請求項1から9の一項に記載の組成物。
【請求項11】
少なくとも85%、より具体的には少なくとも90%の、900℃で4時間か焼した組成物について測定された還元率の程度を示すことを特徴とする、請求項1から9の一項に記載の組成物。
【請求項12】
(a)ジルコニウム、セリウム、ランタンおよび他の希土類金属の化合物を含む混合物が液体媒体中で形成される工程、
(b)前記混合物を塩基性化合物と接触させ、それによって沈殿物が得られる工程、
(c)前記沈殿物が液体媒体中で加熱される工程、
(d)アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、ポリエチレングリコール、カルボン酸およびそれらの塩、ならびに脂肪族アルコールタイプのカルボキシメチル化エトキシレートの界面活性剤から選択される添加剤が、先の工程で得られた沈殿物へ添加される工程、
(e)沈殿物が工程(d)の終わりで洗浄される工程、
(f)このようにして得られた沈殿物がか焼される工程
を含むことを特徴とする、請求項1から9の一項に記載の組成物の調製方法。
【請求項13】
(a’)ジルコニウム、セリウム、ランタンおよび他の希土類金属の化合物を含む混合物が液体媒体中で形成される工程、
(b’)前記混合物を塩基性化合物と接触させ、それによって沈殿物が得られる工程、
(c’)前記沈殿物が液体媒体中で加熱される工程、
(d’)アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、ポリエチレングリコール、カルボン酸およびそれらの塩、ならびに脂肪族アルコールタイプのカルボキシメチル化エトキシレートの界面活性剤から選択される添加剤が、先の工程で得られた沈殿物へ添加される工程、
(e’)沈殿物が工程(d’)の終わりで洗浄される工程、
(f’)このようにして得られた沈殿物の第一のか焼が、不活性ガス下または真空下で行われ、次いで、第二のか焼が酸化雰囲気下で行われる工程
を含むことを特徴とする、請求項10または11に記載の組成物の調製方法。
【請求項14】
工程(c)または(c’)の沈殿物の加熱が、少なくとも100℃の温度で行われることを特徴とする、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
基体上に請求項1から11の一項に記載の組成物を基にしたコーティングを含むことを特徴とする、触媒系。
【請求項16】
請求項15に記載の触媒系または請求項1から11の一項に記載の組成物の、触媒としての使用が為されることを特徴とする、内燃機関からの排気ガスの処理方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−180271(P2012−180271A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−95283(P2012−95283)
【出願日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【分割の表示】特願2009−510404(P2009−510404)の分割
【原出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【出願人】(508183151)ロデイア・オペラシヨン (70)
【Fターム(参考)】