説明

高い耐摩耗性を有する熱反射性接着テープ

【課題】 ケーブルに巻き付けたときに高い熱反射の他に同時に、公知の接着テープで巻かれた従来の製品よりも柔軟性がありそして同時に向上した耐摩耗性を提供する巻かれた製品を保証する熱反射性接着テープを提供。
【解決手段】 30〜200g/mの坪量を有するガラス織物で形成される少なくとも1つの第一の層(2a)、10〜40μmの厚さ及びSAE J2302に従う350℃で45℃より大きい熱的効果を持つ金属層(2b)で形成される少なくとも1つの第二の層よりなる複合体よりなるテープ状支持体(2)及び該支持体(2)の少なくとも片面に塗布された感圧粘着層(3)及び該感圧粘着層(3)の解放面に設けられた少なくとも一つのストライプ状被覆(5)を持ち、該ストライプ状被覆が接着テープ(1)の長手方向に伸びておりそして感圧粘着層(3)の20〜90%を覆っている、特に伝導体又はケーブルハーネスの様な細長い材料を包装するための熱反射性接着テープ(1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス織物で形成される少なくとも1つの第一の層、金属層で形成される少なくとも1つの第二の層よりなる複合体よりなるテープ状支持体及び該支持体の少なくとも片面に塗布された感圧接着剤層を持つ、特に伝導体又はケーブルハーネスの様な細長い材料を包装するための熱反射性接着テープに関する。更に本発明は該接着テープの用途並びに本発明の接着テープで被覆されているケーブルルーム(cable loom)に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの工業分野界においては、取り付ける前又は既に取り付けられた状態で多数の伝導体よりなる束状物は、巻き付け(バンデージ)により導体束の容積要求を減らし並びに追加的に保護機能を獲得するために包帯状に巻き付けられる。フィルム状接着テープで液体の侵入に対してある程度の保護が達成され、支持体としての厚い不織布又は発泡体をベースとする軽く嵩張った接着テープで減衰特性が得られ、耐摩耗性で安定した支持体材料を用いた場合には擦過及び摩擦に対しての保護機能がもたらされる。
【0003】
この様な接着テープは熱放射に対して保護されていない。
【0004】
ケーブルハーネスの伝導体及び他の要素について現存するこの要求を実現することを実証するために、色々なチェック及び試験が提案されており、なかでも色々な自動車メーカーが賛同する作業基準において集約されている(LV112−自動車用低電圧伝導体;2004年6月版)。この基準によれば伝導体の絶縁材料はVDA 231−106の要求に適合しなければならない。3000時間の暴露時間の間の最少及び最大の継続使用温度(TU及びTo)は温度クラスBでの要求の場合には例えば−40℃及び100℃であり、この場合、材料は125±3℃の短時間温度(240℃)及び150±3℃の過剰負荷温度(6時間)に耐えなければならない。
【0005】
ケーブルハーネスの導線及び他の要素はそれの最大の継続使用温度を特定するために、温度をクラス分けされている。温度のこのクラス分けは一般に知られており、下記表に体系化して総括掲載する。
【0006】
【表1】

【0007】
輻射熱に対する保護は一般に熱伝導性の低い断熱層によって行われる。ケーブルハーネスの場合には、この目的のために、耐熱性スリーブ、例えば回旋状細管、シリコーン製ホース又は金属補強されたガラス織製ホースがしばしば使用されるが、比較的に高い負荷に対して十分な保護がされていない。
【0008】
更に特別な用途のためには、冒頭に記載の種類の接着テープが適するいわゆる熱反射テープが存在している。このテープは、アルミニウムフィルム(第一の支持体層)が積層されそして裏面に高温耐久性シリコーン接着剤を有するガラス繊維織物(第二の支持体層)よりなる。このような製品は、例えばTyco & Aremco社、ニューヨークによって提供されている。しかしながらこのテープの場合には支持体の剛性が高くそして慣用の接着テープに比較して価格が高いという欠点がある。
【0009】
ヨーロッパ特許出願公開第1,615,238 A1号明細書から、細長い製品、例えば特に導線又はケーブルハーネスを旋回巻き付けるための、テープ状支持体を持つ断熱性接着テープが公知である。この支持体は少なくとも1つの第一の層と少なくとも1つの第二の層との複合体であり、この場合、第一の層は金属層である。支持体の片面には感圧接着剤層が塗布されている。支持体の第二の層は少なくとも175℃の温度まで耐える合成樹脂フィルム又は少なくとも175℃の温度まで耐える繊維性支持体材料が形成している。
【0010】
このような接着テープ、いわゆる“熱反射接着テープ”は公知である。熱反射効果のために、接着テープは例えばケーブルの回りに重なり合わせて巻き付けられるので、特に使用される厚い金属層に起因するこの公知の接着テープの剛性が特にマイナスの影響を及ぼす。
【0011】
更にこの接着テープの巻き解き力が大きい。これは高い巻き圧に起因しており、ケーブルハーネスが柔軟でなくなりそして搬送及び取り付けにとってマイナスの性質を示す。これによって生じる遅くなった巻き付け工程が多大な費用を生じさせる。
【0012】
更にアルミニウムメッキした又はアルミニウム被覆したホース状物(例えばBentley Harris社のもの)が公知であるが、使用するときに同様に柔軟性が非常に低いケーブルハーネスをもたらす(米国特許第5,843,542 A1号明細書又は米国特許第5,849,379 A1号明細書参照)。
【0013】
大抵は前成形されたこの種の特別な製品でのケーブルの保護は、上記の熱保護手段の費用が、保護手段なしでもこれらの要求にそれ自体満足させる導線や部品を使用する場合よりも多大なので、経済的でないことがわかっている。
【0014】
断熱性の螺旋状に巻き付けられる接着テープを使用することも、巻き付けたときにあまり柔軟性のないケーブルファーネスが生じるので、同様に十分に解決していない。結果として搬送が困難でありそして包装のときに熱反射性金属層が傷つけられる。ケーブルファーネスを後で組み込むこと及び必要な形状へ曲げることが、柔軟性に欠けているので困難である。この工程であるいは既に生じるケーブルファーネスの機能のダメージは必ず避けなければならない。
【0015】
自動車電装品において保護システムの耐摩耗性を測定する方法として国際規格ISO 6722,第9.3章“摩耗損傷試験”(2002年4月版)がある。この試験では、試験体(例えば絶縁銅線又は金属製マンドレルの上に貼り付けられた包装用テープ)を細い鋼鉄製ワイヤに、決められた荷重の負荷下に及び衝撃形態で、保護用ケーシングが摩耗し尽くされるまで触れさせそして短絡の結果として同時に運転される計測器を止める。
【0016】
その他は記載しないが、耐摩擦性についての全ての詳細はこのISO 6722−法を参照する。この目的のために接着テープを10mmの直径の金属製マンドレルに長手方向に貼り付け、7Nの荷重の下で接着テープの中央で擦過運動を生じさせる。摩擦体としてはISO 8458−2に従う0.45mmの直径の鋼鉄製線を使用する。耐摩擦性の目安としては短絡が生じるまでの往復回数である。非常に高い耐摩耗性の場合には、測定時間を短くしそして往復回数を減らすために負荷質量を増加させる。この場合、10Nの負荷重量が最適であることがわかっている。
【0017】
音響減衰効果は接着テープの擦り減り効果の目安である。
【0018】
音響減衰効果の物理的測定はドイツ特許出願公開第10,039,982 A1号明細書に記載されているような方法に従って行う。この場合、自動車工業において定着されている測定法、例えばBMW規格 GS 95008−3(2000年5月版)に記載されるような測定法が適する。
【0019】
以下において、図1及び2と関連付けてBMW規格 GS 95008−3(2000年5月版)に従う測定法を詳細に説明する。
【0020】
図1は測定装置の構造を側面図で図示しておりそして
図2はその構造を水平図で図示している。
【0021】
この測定方法の場合には、220mm及び150mmのレバー長さが残るように、8mmの直径の規定の鋼鉄製棒(1)に試験体(2)(接着テープ)を巻き付ける。巻き付けられた鋼鉄製棒(1)を落下高さの停止部(3)の所まで持ち上げそして約16gの重量と一緒にアルミニウム製薄板(5)に落とす。曲げてない状態で350×190×0.3mmの寸法を有するアルミニウム薄板(5)を試験体(2)の下に半分の樽状にして配置し、290mmの幅とする。
【0022】
全体の音の結果を試験体の上に存在するマイクロホン(4)によって例えば20〜12,500Hzの周波数で市販の音響測定装置、例えばBruel & Kjaer 社の2226型で捕捉しそして表示する。人の耳に特に関係するのは2000〜5000Hzの範囲内の周波数である。
【0023】
減衰は巻かれていない鋼鉄製棒での0の値とそれぞれの測定値dB(A)との間の差として表示される。
【0024】
上記の測定方法の他に接着テープは、自動車試験基準LV 312によれば摩耗分類(僅かな耐摩耗性の分類Aから最も高い耐摩耗性の分類Eまで)並びに 音響減衰分類(測定をdB(A)で行う低い音響減衰の分類Aから最も高い音響減衰の分類Eまで)に分類される。
【0025】
以下の表は記載された分類についての概観を提示している:
【0026】
【表2】

【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
本発明の課題は、例えばケーブルに巻き付けたときに高い熱反射の他に同時に、公知の接着テープで巻かれた従来の製品よりも柔軟性がありそして同時に向上した耐摩耗性を提供する巻かれた製品を保証する熱反射性接着テープを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
この課題は請求項1に詳細に規定する接着テープによって解決される。従属形式の請求項には本発明の有利な実施態様を記載している。更に本発明の接着テープの用途並びに該接着テープで巻かれたケーブルルームも本発明の発明思想に包含される。
【0029】
従って、本発明は、30〜200g/mの坪量を有するガラス織物で形成される少なくとも1つの第一の層、10〜40μmの厚さ及びSAE J2302に従う350℃で45℃より大きい熱的効果を持つ金属層で形成される少なくとも1つの第二の層よりなる複合体よりなるテープ状支持体及び該支持体の少なくとも片面に塗布された感圧粘着層を有する、特に伝導体又はケーブルハーネスの様な細長い材料を包装するための熱反射性接着テープに関する。
【0030】
感圧粘着層の解放面には少なくとも一つのストライプ状被覆を持ち、該ストライプ状被覆が接着テープの長手方向に伸びておりそして感圧粘着層の20〜90%を覆っている。
【0031】
本発明の目的にとって一般的表現での“接着テープ”は二次元に延伸されたフィルム又はフィルム切片、伸びた長さ及び制限された幅を持つテープ、テープ切片、打ち抜き片、ラベル等の如き平らなあらゆるシート状構造物を包含する。
【0032】
本発明の有利な一つの実施態様によれば、接着剤層が第一の層の、第二の層と反対側の解放面に塗布されている。
【0033】
更に、第一の層と反対側の、第二の層の解放面に好ましくは0.5g/m〜1.5g/m、特に好ましくは1g/mのシリコーン塗膜、特にポリシロキサン塗膜が塗布されている。この剥離用シリコーン塗膜は、使用のときに本発明の接着テープを非常に容易にかつ一様に巻き解くことを可能とする。これによって、剥離紙或いは剥離フィルムの使用を省くことができるという長所が得られる。
【0034】
被覆物としては通例の剥離用ポリシロキサン塗膜層、例えばWacker社、Rhodia社又はDow Corning社のものが適する。溶剤ベースの被覆物、エマルジョンベースの被覆物又は100%の系が適する。これらのポリシロキサン被覆物は一般に付加反応又は縮合反応によって架橋している。これら被覆物のための非常に容易に剥離するポリシロキサン系を使用するのが有利である。
【0035】
支持体の及びそれ故に接着テープの曲げ剛性は本発明の別の有利な一つの実施態様によれば長手方向及び横方向で500mNより小さく、好ましくは300mNより小さい。
(Wolf社のSoftometer KWS basic 2000 mN で測定)。
【0036】
支持体の及びそれ故に接着テープの曲げ剛性は本発明の別の有利な一つの実施態様によれば長手方向で230mNより小さくそして横方向で150mNより小さい(同様に、
Wolf社のSoftometer KWS basic 2000 mN で測定)。
【0037】
本発明の特に有利な一つの実施態様によれば、ストライプ状被覆が接着剤層の上に正確に存在している。
【0038】
接着剤層上のストライプの状態は自由に選択することができ、支持体の長手方向の一方の辺縁部に接して真っ直ぐに配置するのが特に有利である。この様に接着テープの長手方向に伸びそして支持体のもう一方の長手方向の辺縁部に接して接着剤ストライプを生じさせる。
【0039】
接着テープをケーブルルームの回りで螺旋状に動かして接着テープをケーブルルームの包装に使用する場合には、ケーブルルームの被覆は接着テープの接着剤が接着テープ自身にだけ接触するように行い、ケーブルは接着剤と接触させない。
【0040】
この様に被覆されたケーブルルームはケーブルが接着剤によって固定されていないので非常に高い柔軟性を有している。従って、特に狭い通路で又は鋭角的に曲げて取り付けるときの曲げ性は明らかに高められている。
【0041】
接着テープが製品をある程度、固定することを望む場合には、被覆は接着剤ストライプが接着テープ自体を一部接着しそして他の部分が製品に貼りけるように行うことができる。
【0042】
別の有利な一つの実施態様によれば、ストライプを接着剤層の上の中程に塗布して、支持体の両方の長手方向辺縁に接着テープの長手方向に伸びる接着剤ストライプを生じさせる。
【0043】
ケーブルルームの回りを前述の通り螺旋状に回転して接着テープを正確でかつ経済的に巻き付けそして得られる保護被覆の滑りに立ち向うためには、接着テープの長手方向辺縁のそれぞれに存在する2つの接着剤ストライプを設けることが有利であり、特に第二のストライプよりも大抵は狭いものが固定手段として役立ちそして幅広の第二のストライプは固定手段として役立つ。この様に接着テープは、ケーブルファーネスが滑りに対して安定化されそしてそれでもなお柔軟性があるようにケーブルに貼り付けられている。
【0044】
その他に、一つ以上のストライプ状被覆が接着剤層の上に設けられている本発明の一つの実施態様がある。一つだけのストライプにふれた場合、当業者は沢山のストライプが同時に接着剤層をすっかり被覆するという技術思想も読み取る。
【0045】
ストライプは合計して接着剤層の50%〜80%を覆うのが特に有利である。被覆の程度は用途及びケーブルファーネスの直径に依存して選択される。
【0046】
合計幅が支持体の幅の20〜50%となる1又は2つの接着剤ストライプを残存させるのが特に有利である。
【0047】
特に接着剤が全面を被覆するのでなく、例えばストライプ状に被覆する場合には、支持体の幅を基準とするストライプ状被覆の幅の百分率は支持体の幅の20%〜90%となる幅を有する。
【0048】
第一の層のガラス織物は以下の性質を持つのが有利である:
− 坪量が30〜120g/m、好ましくは80〜120g/mである。
− 長手方向及び横方向のフィラメントの数がそれぞれ1〜10本/cm、特にそれぞれ3〜10本/cmである。
− ガラス織物を形成するために使用されるフィラメントが150テックス(tex)より少ない、好ましくは100texより少ないタイターを有する。
【0049】
本発明の別の有利な一つの実施態様によれば、金属層は12〜20μmの厚さを有する。場合によっては更にエンボスを有していてもよい。
【0050】
金属としては銀、銅、金、プラチナ、アルミニウム及びアルミニウム化合物、錫、ニクロム、NIROSTA、チタン、金属酸化物、例えば酸化カドミウム、酸化錫、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、殊にアルミニウムを選択することができる。ここに挙げたものに限定されず、当業者ならばここに記載していない別の金属の層を本発明の思想から外れることなく選択することができる。
【0051】
支持体から粘着テープを製造するためには公知のあらゆる接着剤系を使用することが可能である。天然又は合成ゴムをベースとする接着剤の他に特にシリコーン系接着剤並びにポリアクリレート系接着剤を使用することができる。曇りがないこと並びにPVC−並びにPVC不含心線絶縁体との優れた相容性の観点で自動車ケーブルハーネスの包装用テープのための接着剤として特に適しているので、ドイツ特許出願公開第19,807,752 A1号明細書並びに同第10,011,788 A1号明細書に詳細に説明されているような溶剤不含アクリレート−ホットメルト接着剤が特に有利である。
【0052】
塗布量は20〜100g/mの範囲内であるのが適している。
【0053】
塗布技術としては公知の方法が使用される。それには高粘度の接着剤の無圧塗装、例えばホットメルト接着剤を噴霧塗装又は非接着性支持布又は剥離用ライナーによる支持体複合体への転写が可能である。
【0054】
接着剤としてはアクリレートホットメルトをベースとしそして少なくとも20、特に好ましくは30より大きいK−値(それぞれトルエン1重量%溶液で25℃において測定)を有するものが適する。このものは、かかる組成物の溶液を濃縮してホットメルトとして加工可能な系を得ることができる。
【0055】
濃縮は適当に設置されたタンク又は押出機中で行うことができ、特に脱気を伴う場合には脱気用押出機が特に有利である。
【0056】
このような接着剤はドイツ特許第4,313,008 C1号明細書に記載されている。この方法で製造されるアクリレート組成物からは溶剤を中間段階で完全に除去する。
【0057】
K値はDIN 53,726と同様に特に有利に測定される。
【0058】
追加的にこの場合に別の易揮発性成分が除去される。溶融物の塗布後に組成物は未だ僅かな量の揮発性成分を含有している。従って前記特許に記載のモノマー/処方の全てを採用することができる。
【0059】
組成物の溶液は5〜80重量%、特に30〜70重量%の溶剤を含有し得る。
【0060】
市販の溶剤、特に低沸点炭化水素、ケトン、アルコール及び/又はエステルを使用するのが有利である。
【0061】
一つ又は特に二つ以上の脱気手段を備えた一軸スクリュー式、二軸スクリュー式又は多軸スクリュウー式押出機を使用するのが更に有利である。
【0062】
アクリレート系ホットメルトをベースとする接着剤中にはベンゾイン誘導体、例えばベンゾインアクリレート又はベンゾインメタクリレート、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを組み入れ重合することができる。このようなベンゾイン誘導体はヨーロッパ特許出願公開第0,578,151 A号明細書に記載されている。アクリレート系ホットメルトをベースとする接着剤は紫外線架橋し得る。他の架橋性のもの、例えば電子線照射架橋性のものも可能である。
【0063】
他の有利な一つの実施態様において、粘着剤としては(メタ)アクリル酸及びそれの炭素原子数1〜25のエステル、マレイン酸、フマル酸及び/又はイタコン酸及び/又はそれらのエステル、置換された(メタ)アクリルアミド、無水マレイン酸及び他のビニル化合物、ビニルエステル、特に酢酸ビニル、ビニルアルコール及び/又はビニルエーテルを使用する。
【0064】
残留溶剤含有量は1重量%以下であるべきである。
【0065】
特に適する接着剤は、BASF社からacResin UV又は Acronal (R)、特に Acronal DS 3458の名称で市販されているような低分子量のアクリレート系ホットメルト接着剤である。低いK−値を持つこの接着剤は、それの使用特質を放射線化学に起因する最終的架橋によって得る。
【0066】
接着剤層は好ましくはアクリレート又はシリコーン含有接着剤よりなる。
【0067】
接着剤は接着テープの長手方向に、接着テープの支持体よりも狭い幅でストライプ状に塗布される。個々の用途次第で支持体上に接着剤の複数の平行のストライプを塗布してもよい。
【0068】
支持体上のストライプの位置は自由に選択することができ、支持体の辺縁部に真っ直ぐに一方の端に配置するのが有利である。
【0069】
被覆材料としては特にケーブル被覆用途のための、ポリオレフィンの通例のフィルム(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、一軸又は二軸延伸されたポリプロピレンフィルム、ポリエステル、PA及びその他のフィルム)又はPVC、特に20〜60phrの可塑剤含有量のものが適する。
【0070】
更に材料としてはあらゆる公知の繊維製支持体、例えばループ製品、ベロア、撚製物、
織製物、編製物、特にPETフィラメント織製物又はポリアミド織製物、又はフリースが使用でき、この場合“フリース”とはEN 29092(1988)に従う繊維製シート状構造物並びにステッチボンド不織布及び類似の系を意味する。
【0071】
同様に織製物及び編製物を含むスペーサー布を被覆物と一緒に使用することも可能である。スペーサー布はファブリック又はフィラメント製フリースよりなるカバー層、下層及びこれらの層の間にある保持繊維又はこの様な繊維の束状物を有するマット状層構造物である。その際に、該繊維はこの層構造物の表面に分布しており、粒子層(particle layer)によって縫い通されておりそして被覆層及び下層を互いに連結させている。粒子層によって縫い通された保持繊維はカバー層及び下層を互いから間隔をもって保持しておりそしてカバー層と下層とを繋ぎ合わせている。
【0072】
フリース材料としては特に強化されたステープル繊維フリースがあるが、大抵は追加的に強化できるフィラメント、溶融ブロー製品並びに紡糸フリースも該当する。フリースに対しての可能な強化法としては機械的、熱的並びに化学的強化が公知である。機械的強化では、大抵は個々の繊維を絡みあわせることによって、繊維束状物を絡ませることによって又は追加的な糸を縫い込むことによって純機械的に保持するが、熱的方法によって及び化学的方法によって(バインダーでの)接合的に又は(バインダーなしでの)凝集的に繊維―繊維結合が達成される。これらは適切な処方及び適切な方法形態の場合には専ら又は少なくとも主として繊維結節点に限定され、その結果フリース中に緩くかつ解放された構造が保持されたままで、安定な三次元ネットワークが形成される。
【0073】
別の糸で仕上げ縫いすることによって又は絡まさせることによって強化されているフリースが特に有利であることがわかっている。
【0074】
この様な強化されたフリースは例えばKarl Mayer社の“マリフリース(Malivlies)”(かつてはMalimoと称した)タイプのステッチボンディング装置で製造されそして中でもNaue Fasertechnik and Techtex GmbH 社から入手できる。マリフリースはクロスレイドフリース(ross-laid web)が該フリースの繊維からループを形成することによって強化されていることに特徴がある。
【0075】
更に被覆物として編製フリース又はマルチ編製フリースという種類のフリースを使用することができる。編製フリースは、長手方向に配向した繊維フリースから出発して一方の面にループを有しそしてもう一方の面にループフト(loop feet)又はパイル繊維折り目を有するが、糸も既成のシート状構造も有していないシート状構造物を製造するのに有利であるということに特徴がある。この様なフリースも例えばKarl Mayer社の“編製フリース”のステッチングボンディング装置で久しい以前から既に製造されている。このフリースの別の特徴的長所は長手繊維フリースとして長手方向で強い張力を十分に吸収することができることにある。マルチ編製フリースは編製フリースに比較して、フリースが上側並びに下側で針で両面ステッチされていることによって強化されていることに特徴がある。
【0076】
最後にステッチボンディングされたフリースも適している。ステッチボンディングされたフリースは互いに平行の沢山のステッチを有するフリース材料で形成される。これらのステッチは連続する繊維製糸で縫われるか又は編まれることによって生じる。この様な種類のフリースのためには、Karl Mayer社の“マリワット(Maliwatt)”(かつてはMalimoと称した)というステッチボンディング装置が公知である。
【0077】
また、Caliweb(R)は優れて適している。Caliweb(R)は外側にある二つの網目層及び該網目層に対して直角に配置されている内側にあるパイル層を持つ熱的に固定されたスペーサーフリースで構成されている。
【0078】
更に、第一の層中において機械加工によって予め強化するか又は流体力学的状況にある湿ったフリースであるステープルファイバーフリースが特に有利であり、その際にフリースの2%〜50%、特に5%〜40%の繊維が溶融性の繊維である。
【0079】
この様なフリースは繊維が湿った状態にあるか又は例えばステープルファイバーフリースがフリースの繊維よりなるループを形成することによって又はニードリング、ステッチングあるいはエアジェット及び/又はウオタージェット処理によって予め強化されていることに特徴がある。
【0080】
第二段階において熱固定を行う。そのときにフリースの強度は溶融性繊維の溶融又は部分溶融によって再び増強される。
【0081】
フリース支持体の強化はバインダーなしで例えば構造化されたロールを用いて加熱エンボス加工することによって達成され、その際に圧力、温度、滞留時間及びエンボス形状が強度、厚み、密度、柔軟性等の性質を制御するために使用することができる。
【0082】
繊維材料のための原料には特にポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ビスコース繊維又は木綿繊維が含まれる。しかしながら本発明は上記の材料に限定されることはなく、むしろ如何なる発明活動を必要とすることなく、当業者に自明である他の沢山の繊維をこの材料を製造するために使用することが可能である。特に耐摩耗性のポリマー、例えばポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド又はガラス繊維又は炭素繊維が使用される。
【0083】
材料として適するのはフィルム又はウエッブ状の発泡体(例えばポリエチレン及びポリウレタン)よりなる積層体も適している。
【0084】
材料を適切に選択することによって、接着テープで形成された被覆物は広い範囲で変更することができる。例えば耐摩耗性、耐熱性、減衰性並びに色調及び被覆物の概観を選択することができる。
【0085】
更に第一の層、ストライプ状被覆及び/又は接着剤層は例えばアンモニウムポリホスファート、水酸化マグネシウム及び/又は水酸化アルミニウムよりなる難燃剤によって又は塩素化パラフィンによって、場合によってはそれらと三酸化アンチモンとを組合せて難燃化してもよい。難燃剤は臭素系有機化合物でもよく、必要な場合には三酸化アンチモンのような相乗剤と一緒に使用してもよいが、接着テープがハロゲンを含まない観点から赤燐、有機燐、鉱物性又は膨張性化合物、例えばポリリン酸アンモニウムを単独で又は相乗剤との組み合わせで使用するのが有利である。
【0086】
接着テープは単層で測定される500より多い、特に800〜2500のストローク回数に耐えるようなISO 6722に従う耐摩耗性を有しているのが有利である。
【0087】
次いで接着テープは単層測定で3dB(A)より多い、特に5dB(A)〜6dB(A)のBMW 95008−3に従う音響減衰を有する。
【0088】
接着テープは少なくとも手で横方向に裂くことができるのが好ましい。
【0089】
接着テープの提供を最適化するために、本発明の特に有利な一つの実施態様においては接着テープの全幅にわたって薄い厚みのラインが伸びている。
【0090】
ユーザーにとって特に簡単に作業することができるように、この薄い厚みのラインは接着テープの機械方向に対して直角にあるか及び/又は規則的間隔で配置されている。
【0091】
接着テープを使用する場合の更なる改善は、接着テープが特に規則的な間隔を置いて完全に切断されそしていわゆる“キス・カット打ち抜き(kiss-cut diecuts)”として離型紙に塗布する場合である。このように打ち抜き具を用いることによって個々の打ち抜き物を意図的に打ち抜くことができる。
【0092】
薄い厚みのラインをミシン目の状態で作製するのが有利である。このように全く糸くずのでない個々の区域の間に辺縁を設け、不所望の擦り切れを避ける。
【0093】
薄い厚みのラインは、特に有利には平らな型又は横断走行するミシン目付けホイールで不連続的に並びに回転式システム、例えばスパイク付きローラー又はパンチングローラーの使用下に、場合によっては切断するときにカウンターホイールを形成するカウンターローラ(Vulkollan roller)の使用下に連続的に作製するのが特に有利である。
【0094】
他の可能な方法には例えばレーザー、超音波、高圧水ジェットのような制御して間欠的に運転される切断技術がある。レーザー切断又は超音波切断の場合のようなエネルギーの一部を熱として材料に供給する場合には、切断域において材料を溶融させ、妨害になる糸くず発生が十分に回避されそして鮮明な辺縁が得られる。後者の方法は、特別な切断辺縁形状、例えば凹凸形状を形成する切断辺縁を得るのにも適している。
【0095】
パンチングローラーのスパイク部又はブレード部の高さは接着テープの厚さの150%であるのが好ましい。
【0096】
ミシン目付けのときの孔部/ブリッジ部−比、すなわち材料が保持されるミリメーター数(ブリッジ部)と材料が切断されるミリメータ数との比は、接着テープが糸くずなくどの程度容易に引き裂かれるかによって決まる。更にこの比は引き裂かれた辺縁部が糸くずを出さない程度にも決定的な影響を及ぼす。
【0097】
好ましくはブリッジ部の幅は約2mmでそしてブリッジ部同志の間のカット部幅は約5mmであり、すなわち2mmの幅のブリッジ部と5mmのカット部幅とが交互にある。従って孔部/ブリッジ部−比は好ましくは2:5である。
【0098】
材料の薄くなった部分によって、十分に小さな引裂力が達成される。
【0099】
接着テープは特にケーブルハーネスのような細長い材料を被覆するのに使用するのが好ましく、そのとき細長い材料は細長い材料の軸方向に沿って接着テープで被覆されているか又は接着テープが細長い材料の回りにらせん状に巻き付けらている。
【0100】
最後に本発明の接着テープで被覆された特にケーブルハーネスのような細長い材料も本発明の発明思想に包括される。
【0101】
本発明の接着テープを特に有利な一つの実施態様において添付の図面を用いて更に詳細に説明するが、これに本発明は制限されない。
【0102】
図3aは第一の有利な実施態様における本発明の接着テープの側面断面図である。
【0103】
図3bは第二の有利な実施態様における本発明の接着テープの側面断面図である。
【0104】
図3cは第三の有利な実施態様における本発明の接着テープの側面断面図である。
【0105】
図4はケーブル又はケーブルルーム(cable loom)を被覆した場合の本発明の別の一つの実施態様における本発明の接着テープの用途を示している。
【0106】
図3aによれば本発明の熱反射性接着テープ(1)は、30〜200g/mの坪量を有するガラス織物で形成される少なくとも1つの第一の層(2a)、10〜40μmの厚さ及びSAE J2302に従う350℃で45℃より大きい熱的効果を持つ金属層で形成される少なくとも1つの第二の層(2b)よりなるテープ状支持体(2)を有する。
【0107】
支持体(2)の片面には感圧接着剤層(3)が塗布されている。
【0108】
第一の層(2a)と反対側の、第二の層(2b)の解放面にはシリコーン塗膜(4)が塗布されている。
【0109】
接着剤層(3)の上にはストライプ状被覆(5)が精密に設けられておりそして該ストライプ(5)は支持体(2)の長手方向辺縁部に接して直ぐに沿って設けられている。このようにして、接着テープ(1)の長手方向に伸びる接着剤ストライプ(6)が生じる。
【0110】
図3bによればストライプ(5)は接着剤層(3)の中程に塗布されており、その結果支持体(2)の辺縁部に接して接着テープ(1)の長手方向に伸びる2つの接着剤ストライプ(6a,6b)がもたらされる。
【0111】
図3cには、2つのストライプ(5a,5b)が接着剤層(3)の上に塗布されており、その結果支持体(2)に接着テープ(1)の長手方向に伸びる2つの接着剤ストライプ(6a,6b)がもたらされる。
【0112】
図4には、個々のケーブル(7)の束よりなりそして本発明の接着テープ(1)で被覆されたケーブルルームの断面が図示されている。接着テープ(1)はケーブルルーム(loom)の回りに螺旋運動して導かれている。ケーブルルームの図示した断面は接着テープ(1)の2つの巻き部(I)及び(II)を図示している。左の方向には別の巻き部があり、それは図示していない。
【0113】
接着剤層(3)の上にストライプ状被覆(5)が存在し、その結果接着テープの非接着性領域(11、21、23)と接着性領域(12、22、24)とが交互になっている。(区域(22、24)は解放されている接着剤(12)と反対に外から視認できない。何故ならば表現するために濃い陰影を選択している。)
接着剤ストライプ(6)は、接着テープ(1)に完全に貼り付けられるようにケーブルルーム(6)の被覆を行う。ケーブル(7)への接着は不可能である。
【0114】
本発明の課題は、僅かな製造費用及び僅かな取り付け費用で断熱被覆を提供しそしてそれ故に耐熱性の低い、ケーブルファーネス中の導線断熱部を部分的に使用することによって特に比較的に高い温度領域においての要求(例えば自動車試験ガイドラインLV312)を満足しながら保護しそして同時に高まる耐摩耗性の要求を満足する簡単な使用形態を提供することである。
【0115】
この課題は達成されなければならない。
【0116】
接着剤層の上のストライプ状被覆によって、非接着性領域が形成されそして更に被覆されたケーブルファーネスの性質に多面的なメリットを実現する別の機能も付加される。
【0117】
本発明の全面的に貼り付いていない被覆が耐摩耗性を実現することも特に有利である。OEM−仕様による要求、例えばLV 312が満足される。
【0118】
全面に貼り付けられていない本発明の被覆はケーブルファーネスの音響減衰に特に有利な影響を及ぼす。OEM−仕様による要求、例えばLV 312が満足される。
【0119】
全面に貼り付けられていない本発明の被覆はケーブルファーネスの柔軟性に特に有利な影響を及ぼす。OEM−仕様による要求、例えばFiat Auto規格、2001年12月19日、購買規格9.91220、第2.4.1章、柔軟性試験が特に有利に満足される。
【0120】
本発明はSAE J2302又は他の規格に従う長期間耐久温度、例えば200℃での要求に適合する。
【0121】
本発明の接着テープが公知のテープに比較して非常に薄い金属層であるにもかかわらず熱を卓越的に反射するという長所を示したことは、驚くべきことであり、かつ、当業者にとって予期できなかったことである。
【0122】
同時にこの薄い金属層は、接着テープで被覆すると、接着テープが遥かに柔軟性のある製品をもたらすことに関与している。
【0123】
このことを以下の比較試験でも実証する。
以下に記載の接着テープは次に記載する層で構成されている(第二の層、第一の層、第一の層上の全面の接着剤層)。
【0124】
以下の材料を試験した:
比較例1:
17μmのアルミニウムフィルム、100g/mのガラス織物、90g/mの感圧アクリレート接着剤(アクリレート粘着剤)。
【実施例1】
【0125】
17μmのアルミニウムフィルム、100g/mのガラス織物、90g/mの感圧アクリレート接着剤、接着剤層上のストライプとしての130g/mのPET布。
【実施例2】
【0126】
17μmのアルミニウムフィルム、100g/mのガラス織物、90g/mの感圧アクリレート接着剤、ストライプとしての200g/mのマリフリース。このストライプは接着剤層の66%を覆い、長手方向の辺縁部に沿って設けられている。
【実施例3】
【0127】
17μmのアルミニウムフィルム、100g/mのガラス織物、90g/mの感圧アクリレート接着剤、ストライプとしての180g/mのマリワット。このストライプは接着剤層の66%を覆い、長手方向の辺縁部に接して設けられている。
【0128】
比較例2:
30μmのアルミニウムフィルムの上に300g/mのガラス織物及び90g/mのアクリレートを設ける。
【0129】
結果:
LV 312に従う耐摩耗性:
接着テープの耐摩耗性をストライプの貼り付けによっていずれの場合にも明らかに改善することができる。
【0130】
【表3】

【0131】
音響減衰(BMW GS69008−3)
接着テープの音響減衰性はストライプの貼り付けによって明らかに改善することができる。
【0132】
【表4】

【0133】
曲げ剛性:
曲げ剛性は支持体又は支持体複合体の柔軟性の目安である。表3に記載した値は色々な繊維材料よりなるストライプの積層によって曲げ剛性が許容できる範囲ないで高められることを示している。試験体“実施例2”は柔軟性において僅かしか変化しないが、約1200ストロークの耐摩耗性を示す(表1)。
【0134】
曲げ剛性(
BS)はWolf 社のSoftometer KWS basic 2000 mN を用いて測定した。
【0135】
【表5】

【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】BMW規格 GS 95008−3(2000年5月版)に従う測定法の測定装置の構造を側面図で図示している。
【図2】該装置の構造を水平図で図示している。
【図3a】第一の有利な実施態様における本発明の接着テープの側面断面図である。
【図3b】第二の有利な実施態様における本発明の接着テープの側面断面図である。
【図3c】第三の有利な実施態様における本発明の接着テープの側面断面図である。
【図4】ケーブル又はケーブルハーネスを被覆した場合の本発明の接着テープの使用例を示している。
【符号の説明】
【0137】
1・・・接着テープ
2a・・・第一の層
2b・・・第二の層
3・・・接着層
4・・・シリコーン塗膜
5・・・ストライプ状被覆
5a、5b・・・被覆ストライプ
6a,6b・・・接着剤ストライプ
7・・・ケーブル
11、21、23・・・非接着性領域
12、22、24・・・接着性領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
30〜200g/mの坪量を有するガラス織物で形成される少なくとも1つの第一の層(2a)、10〜40μmの厚さ及びSAE J2302に従う350℃で45℃より大きい熱的効果を持つ金属層(2b)で形成される少なくとも1つの第二の層よりなる複合体よりなるテープ状支持体(2)及び該支持体(2)の少なくとも片面に塗布された感圧粘着層(3)及び該感圧粘着層(3)の解放面に設けられた少なくとも一つのストライプ状被覆(5)を持ち、該ストライプ状被覆が接着テープ(1)の長手方向に伸びておりそして感圧粘着層(3)の20〜90%を覆っている、特に伝導体又はケーブルハーネスの様な細長い材料を包装するための熱反射性接着テープ(1)。
【請求項2】
接着剤層(3)が第一の層(2a)の、第二の層(2b)に対峙する解放面に塗布されている、請求項1に記載の熱反射性接着テープ。
【請求項3】
第一の層(2a)の反対側の、第二の層(2b)の解放面に好ましくは0.5g/m〜1.5g/m、特に好ましくは1g/mのシリコーン塗膜(4)を有する、請求項1又は2に記載の熱反射性接着テープ。
【請求項4】
接着テープの曲げ剛性が長手方向及び横方向で500mNより小さく、好ましくは300mNより小さく、特に好ましくは長手方向で230mNより小さくそして横方向で150mNより小さい(Wolf社のSoftometer KWS basic2000 mN で測定)、請求項1〜3のいずれか一つに記載の熱反射性接着テープ。
【請求項5】
第一の層(2a)のガラス織物が次の性質を有する:
− 80〜120g/mの坪量、
− 長手方向及び横方向のフィラメントの数がそれぞれ3〜10本/cmであり、
及び/又は
− ガラス織物を形成するために使用されるフィラメントが150テックス(tex)より小さい、好ましくは100テックスより小さいタイターを有する、
請求項1〜4のいずれか一つに記載の熱反射性接着テープ。
【請求項6】
金属層(2b)が12〜20μmの厚さを有する、請求項1〜5のいずれか一つに記載の熱反射性接着テープ。
【請求項7】
金属層(2b)がアルミニウムよりなる、請求項1〜6のいずれか一つに記載の熱反射性接着テープ。
【請求項8】
接着剤層がアクリレート又はシリコーン含有接着剤よりなる請求項1〜7のいずれか一つに記載の熱反射性接着テープ。
【請求項9】
ストライプ状被覆(5)が接着剤層(3)の上に存在する請求項1〜8のいずれか一つに記載の熱反射接着テープ。
【請求項10】
ストライプ状被覆(5)が、ストライプ(5)の外部辺縁が支持体(2)の外部辺縁に一致するか又はストライプ(5)が接着剤層の中央部に塗布されている請求項1〜9のいずれか一つに記載の熱反射接着テープ。
【請求項11】
第一の層(2a)、ストライプ状被覆(5)及び/又は接着剤層(3)が、例えばポリリン酸アンモニウム、水酸化マグネシウム及び/又は水酸化アルミニウムよりなる難燃剤によって又はクロロパラフィンによって、場合によっては三酸化アンチモンと組み合わせて難燃化されている、請求項1〜10のいずれか一つに記載の熱反射接着テープ。
【請求項12】
接着テープが、500より多い、特に好ましくは800〜2500のストローク回数に耐えるように、単層測定でのISO 6722に従う耐摩耗性を示す、請求項1〜11のいずれか一つに記載の熱反射性接着テープ。
【請求項13】
接着テープが3dB(A)より多い、特に好ましくは5dB(A)〜6dB(A)の、単層測定でのBMW GS 95008−3に従う音波減衰を示す、請求項1〜12のいずれか一つに記載の熱反射性接着テープ。
【請求項14】
細長い材料、特にケーブルハーネスを被覆するために、請求項1〜13のいずれか一つに記載の接着テープを用いるにあたり、細長い材料が軸方向に沿って該接着テープで被覆されるか又は接着テープが細長い材料の回りにらせん状に巻き付けられる、上記熱反射性接着テープの用途。
【請求項15】
請求項1〜13のいずれか一つに記載の接着テープで被覆された細長い材料、特にケーブルハーネス。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−274285(P2008−274285A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−120205(P2008−120205)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(507249591)テーザ・アクチエンゲゼルシャフト (52)
【Fターム(参考)】