説明

高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリック

【課題】高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリックの提供。
【解決手段】高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリックは、弾性布10、通気布20を備え、通気布20は弾性布10上に設置し、通気布20は結合面11に連接する複数の接触区域21、及び接触区域21と隣接する複数の隆起区域22を備え、隆起区域22と結合面11とは気体を収容可能なチェンバー30を区画し、弾性布10は伸展状態と未伸展状態との間で変化すると同時に、隆起区域22は結合面11へと移動し、これによりチェンバー30は体積を変化させ、チェンバー30内の圧力を増加し、こうして気体に弾性布10を通過させ、高い通気性を達成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は機能性ファブリックに関し、特に優れた通気効果と保護機能を兼ね備えた機能性ファブリックに関する。
【背景技術】
【0002】
機能性ファブリックとは、防水性、通気性、紫外線カット、抗衝撃、耐磨耗、軽量など特定の機能を備えたファブリックをいい、日常生活、レジャー、専門領域に広く応用されている。
中でも、激しい運動や登山を行う時、或いは軍人、警察官、消防隊員などが任務を執行する時には、通常は抗衝撃機能を備えた機能性ファブリックにより縫製された衣服或いは防具を着用、或いは身に着ける必要がある。
現在関連業者が開発している製品中において、この類のファブリックは主に、振動吸収効果を備える材質、或いは緩衝構造を加えた設計を選択することで、外部からの衝撃力を低減させる機能を提供している。
【0003】
特許文献1は、人体を保護するポリウレタン保護パッドの製造方法を開示する。
それは、テリー織の管体を用い、管体の外表面に、発泡パッドを付着させる。
発泡パッドは、ポリウレタン(Polyurethane、PUと略称)を使用したスポンジである。
特許文献2は、運動用保護パッドを開示する。
それは、管体、及び管体上に設置する高い耐摩擦性能を備える材料を備える。
管体は、保護パッド部と非保護パッド部を含み、保護パッド部中には、保護パッドを設置する。
保護パッドは、発泡性高分子材料で、これにより保護効果を提供する。
【0004】
特許文献3は、激しい運動に用いる関節保護装置を開示する。
それは、緩衝保護パッド、セミハード蓋体、たわみカバー体を備え、内から外へとそれぞれ設置する。
保護パッドの材質は、ポリエチレン(Polyethylene、PEと略称)スポンジ、或いはポリウレタン(Polyurethane、PUと略称)スポンジから選択する。
蓋体の材質は、ポリビニルクロライド(Polyvinyl chloride、PVCと略称)、ポリプロピレン(Polypropylene、PPと略称)、或いはポリエチレン(Polyethylene、PEと略称)を利用し、射出成型により、一定の厚みに形成する。
特許文献4は、保護カバー体を開示する。
それは、軟質内層と硬質外層を備え、軟質内層と硬質外層との間には、別に中間層を設置することができる。
軟質内層と中間層とは、発泡性のエチレンビニルアセテート(ethylene-vinyl acetate、EVAと略称)を採用する。
特許文献5は、伸縮性防護保護パッドを開示する。
それは、金属カバー体、スポンジ、合成ゴムであるネオプレン(Neoprene)を備える。
【0005】
上記した従来の技術が開示する機能性ファブリックはすべて、発泡性高分子材質、或いはゴムなどの弾性体材料を採用し、それに一定の厚みを持たせることで、抗衝撃機械特性を備えさせ、保護パッドとしている。
しかし、この種の材質は人体に十分な保護効果を提供することはできるが、通気性が劣るという欠点が存在する。
そのため、実際の応用においては、使用者は耐え難い蒸し暑さを感じている。
しかし、運動で発生する汗は、衣服或いは保護具外へは排出されにくく、使用者にさわやかな着心地を提供することができていない。
本発明は、従来の保護性能を備えた機能性ファブリックの上記した欠点に鑑みてなされたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第US4,292,263号明細書
【特許文献2】米国特許第US6,192,519号明細書
【特許文献3】米国特許第US6,122,768号明細書
【特許文献4】米国特許公開第US2009/0255037号明細書
【特許文献5】米国特許第US5,416,924号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、従来の保護機能を備えた機能性ファブリックの、気体透過機能が劣るため、使用者に耐え難い蒸し暑さを感じさせているという欠点を解決する高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は下記の高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリックを提供する。
高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリックは、弾性布、通気布を備え、
該弾性布は、結合面を備え、しかも該弾性布は、該結合面に平行な力を受け、該力を受ければ伸展状態を呈し、該力を受けなければ、未伸展状態を呈し、
該通気布は、該弾性布上に設置し、該通気布は、該結合面に連接する複数の接触区域、及び該接触区域と隣接する複数の隆起区域を備え、
該隆起区域と該結合面とは、気体を収容可能なチェンバーを区画し、
該接触区域は、該弾性布において、未伸展状態から伸展状態へと相対移動を行い、該隆起区域は、該相対移動に従い、該結合面へと移動し、これにより該チェンバーは体積を変化させ、圧力差を生じ、こうして気体に該弾性布を通過させ、
該弾性布は、底層、該通気布に連接する頂点層、該底層と該頂点層との間に設置するサポート層とを備え、
該サポート層は、両端がそれぞれ該底層と該頂点層とに連接するサポート部分を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリックは、従来の技術に比べ、以下に記す効果を達成することができる。
1.本発明の構造設計により、使用者の活動時には、その力は弾性布へと提供され、隆起区域の陥没を連動し、これによりチェンバーの圧力は上昇し、空気は使用者の皮膚へと強制的に流動され、こうして機能性ファブリックは高い通気効果を達成する。
2.弾性布と皮膚との間には、相互に対応する別の圧力差が生じるため、該圧力差の作用を受け、皮膚が排出する熱は機能性ファブリック外へと排出され、こうして運動時に皮膚に涼しくさわやかな触感を与えることができる。
3.空気を流動させる効果を備える他に、隆起区域は人体保護の機能をも提供することができ、外部から衝撃力を受けると、衝撃エネルギーの一部を吸収し、人体への傷害を低減することができる。
4.弾性布内にサポート部分を設置することで、外部からの衝撃力を緩衝する能力を増強できる他、縦方向の延性を提供し、同時に、編織方向が相互に異なる底層と頂点層とを合わせることで、横方向の延性を提供し、弾性布は三次元方向すべてにおいて最良の延伸効果を備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリック第一実施例の分解表示図である。
【図2】本発明高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリック第一実施例において、未伸展状態の弾性布の断面表示図である。
【図3】本発明高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリック第一実施例において、伸展状態の弾性布の断面表示図である。
【図4】本発明高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリック第二実施例において、弾性布の断面表示図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0012】
本発明高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリック第一実施例の分解模式図である図1、本発明高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリック第一実施例において、未伸展状態の弾性布の断面模式図である図2に示すように、本発明高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリック第一実施例は、弾性布10、通気布20を備える。
弾性布10は結合面11を備え、通気布20は、弾性布10上に設置する。
通気布20は、複数の接触区域21と複数の隆起区域22を備える。
接触区域21は、結合面11と相互に連接し、隆起区域22は、接触区域21と隣接する。
隆起区域22と結合面11とは、チェンバー30を区画し、気体は、通気布20の隆起区域22からチェンバー30へと進入する。
隆起区域22は、周縁部221、頂点部222を備える。
周縁部221は、接触区域21に続き、頂点部222は、周縁部221から延伸する。
頂点部222の外径は、周縁部221より小さく、これにより隆起区域22は、半球体状を呈する。
本実施例中では、隆起区域22は、二次元方向に沿って規則的に配列するが、実際の応用においては、これに限定するものではなく、不規則な配列も可能である。
【0013】
本実施例中では、弾性布10と通気布20とは、結合面11に設置する粘着結合層40を通して相互に結合する。
粘着結合層40は、通気効果を備える湿気硬化型高分子樹脂を使用し、しかも硬化後にもその延性を保留可能な、例えばポリウレタン(Polyurethane、PUと略称)、或いはポリメチルメタクリレート(Polymethylmethacrylate、PMMAと略称)などの高分子が好ましい。
先ず、ローラープリンティング(roller printing)、ナイフプリンティング(knife printing)、或いはスプレー塗布(spreading)方式を利用して、湿気硬化型高分子樹脂を結合面11に塗布し、通気布20を接着後、高分子樹脂を硬化させ、粘着結合層40を構成する。
粘着結合層40は、複数の接合区域41、及び接合区域41と相互に補い合う複数の非接合区域42を備える。
接合区域41により、結合面11と接触区域21とは相互に緊密に接合する。
粘着結合層40は、化学結合方式を使用する他、弾性布10と通気布20は、各種編織プロセスにより、機械結合の方式で相互に接合させることができる。
【0014】
図2に示すように、弾性布10は、頂点層12、底層13、サポート層14を備える。
頂点層12は、粘着結合層40を通して、通気布20と相互に結合する。
サポート層14は、頂点層12と底層13との間に設置し、しかもサポート層14は、複数のサポート部分141を備える。
サポート部分141の両端は、頂点層12と底層13にそれぞれ連接し、しかもサポート部分141は相互に一定の角度を呈して交差する。
その角度は10°〜90°の間である。
人の皮膚に直接接触する衣服に応用する場合には、通気布20に対して反対側になる弾性布10の表面に、柔軟層50を増設することができる。
柔軟層50は、コットン、或いはそれと合成繊維との混合などの柔軟な触感を備える通気性能ファブリックを採用する。
弾性布10と通気布20との結合方式同様、柔軟層50と通気布20もまた、化学結合或いは機械結合の方式を使用する。
【0015】
本発明において、底層13、頂点層12、通気布20は、平織り(weaving)、ニッティング(knitting)、或いはかぎ針編織(crocheting)などの紡織方式により製造する。
本実施例において、底層13と頂点層12は、円編針織機により製造し、それぞれ径方向と緯方向に沿って編織することが好ましく、これにより底層13と頂点層12に、垂直方向の延性をそれぞれ提供することができる。
通気布20は、経編機を使用することが好ましく、これにより通気布20表面に、より優れた耐摩耗性を持たせることができる。
底層13、頂点層12、通気布20の糸は、あらゆる紡織領域において常用される弾性繊維で、スパンデックス(Spandex)繊維、ナイロン6(nylon 6)繊維、ナイロン6-6(nylon 6-6)繊維、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate、PETと略称)繊維、ポリウレタン(Polyurethane、PUと略称)繊維、ポリエチレン(Polyethylene、PEと略称)繊維、ポリプロピレン(Polypropylene、PPと略称)繊維、或いは上記繊維の組合せである。
【0016】
サポート部分141は、ポリエステル(Polyester)繊維、ポリプロピレン(Polypropylene、PPと略称)繊維、ポリアミド(polyamide)繊維、ポリエチレン(Polyethylene、PEと略称)繊維、ポリアクリルオニトリル(polyacrylonitrile、PANと略称)繊維、或いはポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate、PETと略称)繊維などの単糸繊維である。
サポート部分141は、掛針方式を利用し、底層13及び頂点層12と相互に結合させることが好ましい。
【0017】
実際の使用においては、使用者が静止、或いは活動量が比較的少ない状態にある時には、弾性布10は、図2に示す未伸展状態を呈する。
この時、チェンバー30は、そのもともとの外観形態を維持する。
続いて、本発明高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリック第一実施例において、伸展状態の弾性布の断面模式図である図3に示すように、使用者の活動時には、弾性布10は、結合面11に平行な力を受ける。
例えば、関節を曲げる、或いは身体を伸ばすなどの動作を行うと、弾性布10は、横方向へと伸展する。
この時、弾性布10は、伸展状態となる。
弾性布10と通気布20とは、緊密に結合しているため、弾性布10は、通気布20に一緒に横方向の伸展を生じさせ、同時に、接触区域21は、未伸展状態から伸展状態に至るまで、相対移動を生じる。
この時、隆起区域22を連動し、結合面11方向へと移動させ、こうしてチェンバー30は、下方へと陥没し体積が変化する。
【0018】
図3に示すように、その体積の変化量により、チェンバー30はそれに相対して圧力差を生じる。
この圧力差は、チェンバー30内の増加した圧力で、これは気体を下方へと流動させる。
これにより、弾性布10の、隆起区域22に対応する部分は、気体を皮膚へと導入することができる通路を形成する。
こうして図3の下向き矢印に示すように、気体は、その通路を通って、弾性布10と柔軟層50を通過し、人体の皮膚まで到達する。
また、気体が柔軟層50と人体皮膚との間の区域に迅速に導入されると、その区域に気体圧力を生じるため、人の皮膚が発散する熱を、その通路部分に局限し流動させ、接触区域21から外へと排出する。
こうして図3の上向き矢印に示すように、弾性布10の、接触区域21に対応する部分は、熱を肌から話すための通路を形成する。
すなわち、気体と熱とは、通路において気流循環を形成するため、本発明機能性ファブリックは、人体の活動時には、皮膚において冷気と熱気との交換を行うことができる。
【0019】
本発明高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリック第二実施例において、弾性布の断面模式図である図4に示すように、弾性布20の編織方式を変え、隆起区域22において、頂点部222aの外径を、周縁部221aより大きくすることができる。
これにより、隆起区域22は、水滴状の外観を呈する。
また、気体を皮膚へと届ける際の障害を減らすため、粘着結合層40は、接合区域41だけを結合面11上に設置する形態とすることができる。
図4に示すように、粘着結合層40は、隆起区域22と相互に対応する空白区域43を含み、これにより湿気硬化型高分子樹脂を塗布する時、ネットスクリーン、或いは他の類似の設備を用いて行うことができる。
【0020】
次に、本発明の機能性ファブリックが備える通気性能と抗衝撃性について説明する。
以下の実施例において実施した評価試験に基づき説明するが、これは説明の目的のために提供するに過ぎず、本発明の範囲を制限するものではない。
【0021】
本発明が開示する機能性ファブリックの、通気布20は、経編機により製造した図2に示す構造である。
それが使用する糸は、ナイロン6繊維とポリウレタン繊維との混合によるもので、そのデニール(denier)は、それぞれ70と40である。
頂点層12と底層13とは、円編機により製造し、それが使用する糸はナイロン6繊維とポリウレタン繊維との混合によるもので、そのデニールは、それぞれ50と40である。
サポート部分141は、30デニールのポリエチレンテレフタレート繊維を使用し、サポート部分141は、掛針方式を利用し、頂点層12及び底層13と相互に結合させる。
粘着結合層40の使用材質は、プリウレタン湿気硬化型高分子樹脂である。
上記したデニールとは、各9000メートルの繊維重量(g)である。
【0022】
通気性能及び抗衝撃性に関するテストは、米国材料試験協会(American Society for Testing Materials、ASTMと略称)制定の紡織物通気テスト法ASTM D737、及び落重式衝撃試験機をそれぞれ採用する。
使用する比較例は、ネオプレン(Neoprene)を採用し、具体的な数値データは表一に示す。
ASTM D737は、毎分、何立方フィート(cubic feet per minute、cfmと略称)の空気が通過するかを測定する。
抗衝撃性試験が使用する衝撃エネルギーは、6ジュール(joule)で、通気布20が衝撃エネルギーを受けた時の、衝撃を受けた面とは反対側の荷重の大きさ(単位はkilonewtons、kNと略称)を測定する。
【0023】
【表1】

【0024】
上記の表から明らかなように、実施例が開示する機能性ファブリックは、ASTM D737試験において、毎分34.90cfmの空気を通過させることができるが、比較例は0cfmである。
抗衝撃試験において、6ジュールの衝撃エネルギーを受けた時、実施例の機能性ファブリックを使用者が着用していれば、わずかに10.3kNの荷重を受けるだけであるが、比較例のネオプレン(Neoprene)では、17.4kNの荷重を受けることになる。
すなわち、通気性能、抗衝撃性共に、上記した実施例はネオプレン(Neoprene)より優れている。
【0025】
上記したように、本発明高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリックは、隆起区域22の設計を利用し、機能性ファブリック中にチェンバー30を形成し、しかもチェンバー30は人体の運動に従い収縮と拡張を繰り返し、体積の変化が引き起こす圧力差により、気体は人体の皮膚へと導入され、同時に人体皮膚が発生する熱は迅速に排出される。
これにより、弾性布10中にサポート層14を設置しても、圧力差は、気体に弾性布10を通過させ、こうして冷気と熱気の気体循環効果を達成する。
同時に、隆起区域22とサポート部分141の立体構造設計は、外部の衝撃の人体への傷害を減少させ、これにより機能性ファブリックは高い通気性と防護能力を兼ね備えることができる。
【0026】
さらに、弾性布10において、底層13と頂点層12とは、それぞれ緯方向と径方向に編織を行い、またサポート部分141を組み合わせることで、本発明機能性ファブリックは、三次元方向において優れた伸展能力を発揮することができ、これにより使用者は活動の制限を受けることがなくなる。
同時に、通気布20は、経編機により製造するため、耐磨耗特性を備える。
【0027】
上記の本発明名称と内容は、本発明技術内容の説明に用いたのみで、本発明を限定するものではない。本発明の精神に基づく等価応用或いは部品(構造)の転換、置換、数量の増減はすべて、本発明の保護範囲に含むものとする。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は特許の要件である新規性を備え、従来の同類製品に比べ十分な進歩を有し、実用性が高く、社会のニーズに合致しており、産業上の利用価値は非常に大きい。
【符号の説明】
【0029】
10 弾性布
11 結合面
12 頂点層
13 底層
14 サポート層
141 サポート部分
20 通気布
21 接触区域
22 隆起区域
221、221a 周縁部
222、222a 頂点部
30 チェンバー
40 粘着結合層
41 接合区域
42 非接合区域
43 空白区域
50 柔軟層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性布、通気布を備え、
前記弾性布は、結合面を備え、前記弾性布は、前記結合面に平行な力を受け、前記力を受ければ伸展状態を呈し、前記力を受けなければ、未伸展状態を呈し、
前記通気布は、前記弾性布上に設置し、前記通気布は、前記結合面に連接する複数の接触区域、及び前記接触区域と隣接する複数の隆起区域を備え、
前記隆起区域と前記結合面とは、気体を収容可能なチェンバーを区画し、
前記接触区域は、前記弾性布において、未伸展状態から伸展状態へと相対移動を行い、前記隆起区域は、前記相対移動に従い、前記結合面へと移動し、これにより前記チェンバーは体積を変化させ、こうして気体に前記弾性布を通過させる圧力を発生することを特徴とする高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリック。
【請求項2】
前記弾性布は、底層、前記通気布に連接する頂点層、前記底層と前記頂点層との間に設置するサポート層とを備えることを特徴とする請求項1に記載の高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリック。
【請求項3】
前記底層と前記頂点層とは、スパンデックス(Spandex)繊維、ナイロン6(nylon 6)繊維、ナイロン6-6(nylon 6-6)繊維、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate、PETと略称)繊維、ポリウレタン(Polyurethane、PUと略称)繊維、ポリエチレン(Polyethylene、PEと略称)繊維、ポリプロピレン(Polypropylene、PPと略称)繊維が組成するグループから選択することを特徴とする請求項2に記載の高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリック。
【請求項4】
前記サポート層は、両端がそれぞれ前記底層と前記頂点層とに連接するサポート部分を備えることを特徴とする請求項2に記載の高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリック。
【請求項5】
前記サポート部分は、10°〜90°の角度で、相互に交差することを特徴とする請求項4に記載の高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリック。
【請求項6】
前記サポート部分は、単糸繊維で、
前記単糸繊維は、ポリエステル(Polyester)繊維、ポリプロピレン(Polypropylene、PPと略称)繊維、ポリアミド(polyamide)繊維、ポリエチレン(Polyethylene、PEと略称)繊維、ポリアクリルオニトリル(polyacrylonitrile、PANと略称)繊維、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate、PETと略称)繊維が組成するグループから選択することを特徴とする請求項4に記載の高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリック。
【請求項7】
前記結合面上には、粘着結合層を設置し、
前記粘着結合層は、前記結合面と前記接触区域に連接する複数の接合区域を備えることを特徴とする請求項1に記載の高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリック。
【請求項8】
前記粘着結合層は、前記隆起区域と相互に対応する複数の空白区域を備えることを特徴とする請求項7に記載の高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリック。
【請求項9】
前記粘着結合層は、ポリウレタン(Polyurethane、PUと略称)、或いはポリメチルメタクリレート(Polymethylmethacrylate、PMMAと略称)であることを特徴とする請求項7に記載の高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリック。
【請求項10】
前記通気布は、スパンデックス(Spandex)繊維、ナイロン6(nylon 6)繊維、ナイロン6-6(nylon 6-6)繊維、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate、PETと略称)繊維、ポリウレタン(Polyurethane、PUと略称)繊維、ポリエチレン(Polyethylene、PEと略称)繊維、ポリプロピレン(Polypropylene、PPと略称)繊維が組成するグループから選択することを特徴とする請求項1に記載の高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリック。
【請求項11】
前記隆起区域は、前記接触区域と相互に接触する周縁部、及び前記周縁部から延伸する頂点部を備えることを特徴とする請求項1に記載の高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリック。
【請求項12】
前記頂点部は、前記周縁部より大きい外径を備えることを特徴とする請求項11に記載の高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリック。
【請求項13】
前記頂点部は、前記周縁部より小さい外径を備えることを特徴とする請求項11に記載の高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリック。
【請求項14】
前記弾性布は、前記通気布に対して反対側になる表面に、柔軟層を設置することを特徴とする請求項1に記載の高い通気性と保護性能を兼ね備えた機能性ファブリック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−17534(P2012−17534A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154560(P2010−154560)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(508116137)隆芳興業股▲ふん▼有限公司 (2)
【Fターム(参考)】