説明

高い電気伝導率を有するn−型ダイヤモンドを製造する方法

本発明は、n−型ダイヤモンドを製造する方法に関する。本発明の方法は、n−ドーピングステップを含み、その間において、アクセプタとドナー種との間に形成された錯体の解離温度以下、またはその温度と等しい温度で、ドナー種を含んだドナー基を形成するために、ドナー種が、最初にアクセプタ(12)でドーピングされたダイヤモンド中で真空拡散される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はn−型ダイヤモンドを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
これまでに増大している電子部品の需要は、半導体物質としてのシリコンへの代替の追及につながってきた。特許文献1は上記のような方法に関する例について説明している。この処理例で得られるものは、ダイヤモンド炭素基板上にホウ素(B)などの電子アクセプタと、窒素(N)などの電子ドナーとを同時蒸着法によってn−ドーピングしたダイヤモンド膜である。そのようなダイヤモンド膜の特性は、400℃を超える温度で半導体としての使用が可能である。しかしながら、これらの膜の電気伝導率は温度と共に減少し、そして、ほとんどすべての半導体の通常の使用温度である室温においては、このようにして得られた部品はもはや役に立つ半導体的特性を持っているとは言えない。従って、室温で高い電気伝導率を有するn−型ダイヤモンドの必要性がある。
【特許文献1】特開平10−247624号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、特に、このようなn−型ダイヤモンドを製造するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的のために、そして全く驚くべきことに、発明者は、この目的が、アクセプタとドナー種との間に形成された錯体の解離温度を超えない温度で前記ダイヤモンド中のドナー種を含んだドナー基を形成するために、ドナー種が最初にアクセプタドーピングされたダイヤモンド中で真空拡散されるn−ドーピングステップを含む、n−型ダイヤモンドを製造する方法によって、達成されることを見出した。
【0005】
これらの処理のおかげで、室温で1Ω−1・cm−1オーダーの高い電気伝導率を有するn−型ダイヤモンド膜が得られる。従って、この膜は、アクセプタとドナー種の間の錯体の解離温度より低い温度、とりわけ室温で動作する、どんな部品及び電子機器においても使用できる。
【0006】
さらに、本発明を実施する上での好ましい方法では、必要に応じて以下の一つまたは他の処理を使用することができる。
【0007】
・n−ドーピングステップが、アクセプタ濃度に少なくとも等しくなるように得られたn−型ダイヤモンド中のドナー種の濃度のために、十分長い時間ドナー種を拡散させるようにする段階を含む。
【0008】
・n−ドーピングステップが、ガス形態でチャンバに導入されるドナー種を含むプラズマをダイヤモンドの周りに形成することによって、チャンバにおいて行われる。
【0009】
・この処理が、n−ドーピングステップの前に、ダイヤモンド基板上に真空中で炭素原子およびアクセプタ原子が同時に堆積するp−ドーピングステップをさらに含み、アクセプタドーピングされたダイヤモンドを形成するために、前記原子がダイヤモンド基板の周りに形成されたプラズマに含まれるようにする。
【0010】
・p−ドーピングステップがダイヤモンド基板に搭載されたダイヤモンドバッファ膜上で行われる。
【0011】
・p−ドーピングステップが、チャンバにおいて、アクセプタと炭素を含むプラズマをダイヤモンド基板の周りで形成することによって行われ、これらアクセプタと炭素がガス形態でチャンバに導入される。
【0012】
・ドナー種は水素である。
【0013】
・アクセプタがホウ素である。
【0014】
・そして、アクセプタがホウ素であり、水素ドナー種の拡散が500℃と600℃の間の温度において行われ、望ましくは約550℃において行われる。
【0015】
他の局面によれば、本発明は、300Kにおいて1Ω−1・cmにほぼ等しいか、またはそれより大きな電気伝導率を有することを特徴とするn−型ダイヤモンドに関する。
【0016】
他の実施の方法によれば、このようにして得られたダイヤモンドはホウ素および水素によってドーピングされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の他の局面、対象、および利点は、非限定的な例によって与えられるその一実施の方法に関する説明を読むことで明らかとなるであろう。
【0018】
また、本発明は、[図面の簡単な説明]及び図面の助けによって、より明確に理解されるであろう。
【0019】
種々の図面においては、同じ参照番号は同一または同様の部材を示す。
【0020】
図1は本発明による処理を実施する1つの方法を示す。ここで説明されているのは、アクセプタドーピングされたダイヤモンドを水素マイクロ波プラズマに露出することによって、n−型ダイヤモンドを得るための処理である。水素ドナー種の原子源を作るのに使用される従来の他の方法(RFプラズマ、DCプラズマ、熱フィラメント、または同様のもの)も、使えるであろう。水素の代わりに、他のドナー種(例えば、リチウムまたはナトリウム、あるいは同様のもの)が使えるであろう。
【0021】
アクセプタドーピングされたダイヤモンド12は、例えば、黒鉛で作られ、場合によってはシリコンウエハで覆われ、またある温度まで加熱されたチャンバサポート(チャンバ支持体)6上の真空チャンバ2に配置される。このアクセプタドーピングされたダイヤモンド12は、例えばバルク、天然または合成、単結晶または多結晶ダイヤモンド、あるいは、単結晶または多結晶ダイヤモンド膜とすることができる。チャンバは側壁8に、またはその上端9に、ドナー種を含むガスがそれを通して注入される噴射ノズル5も含む。ドナー種は、1つまたはその他の同位体形態の水素、即ち、例えば普通の水素、重水素、または三重水素とすることができ、その場合、ガスは分子状水素(H)である。エネルギーはエネルギー源10からガスに、それを分離するために供給され、ドナー種またはドナー種のラジカルを含むプラズマ4を、アクセプタドーピングされたダイヤモンド12の周りで発生させる。次に、ドナー種がアクセプタドーピングされたダイヤモンド12に拡散され、そして、アクセプタドーピングされたダイヤモンド12に含まれるアクセプタ原子によってアクセプタとドナー種の間の錯体を形成する。ドナー種の原子を含んだドナー基がアクセプタドーピングされたダイヤモンド12中に形成される。この処理の間、ダイヤモンドの加熱は、エネルギー源10によって、ダイヤモンドの温度がアクセプタとドナー種の間の錯体の解離温度、またはそれより低い温度で保たれるように制御される。これが、ドナー種の拡散に従うアクセプタドーピングされたダイヤモンド12をプラズマが加熱する理由である。必要に応じて外部冷却/加熱装置11を使用することができ、ダイヤモンドの温度が、アクセプタとドナー種の間の錯体の前記解離温度を超えないように制御することが可能となる。
【0022】
ホウ素ドーピングされたダイヤモンドがアクセプタドーピングされたダイヤモンド12として使用され、水素がドナー種として使用されるならば、この錯体の解離温度は、ホウ素と水素の間の錯体に対して約550℃である。この処理の間、ホウ素と水素の間の錯体の解離温度付近に温度を制御することによって、水素は容易にホウ素ドーピングされたダイヤモンド12中に拡散する。その結果、ホウ素ドーピングされたダイヤモンド12に、ホウ素原子の濃度に少なくとも等しい濃度である水素原子を組み込むことが可能である。従来技術の工程で生成されるようなn−型ダイヤモンド膜よりも、本発明に使用されるようなホウ素ドーピングされたダイヤモンド12中に、水素がHイオンとしてはるかに容易に拡散する、ということに注目すべきである。この拡散は、550℃で、0.5μm厚さのホウ素ドーピングされたダイヤモンド膜12において、8時間の間、5x1019cm−3のホウ素アクセプタ原子によって行われる。ここに与えられたこの拡散時間は実験条件に依存し、ダイヤモンド膜の厚み全体に亘って、アクセプタ濃度に少なくとも等しいドナー種の濃度を得ることをここで可能にする。より厚いダイヤモンド、またはより高いホウ素濃度に対して、ダイヤモンドの厚み全体に亘ってアクセプタ濃度に少なくとも等しいドナー種濃度を得るには、より長い拡散時間を必要とする。そして、n−型ダイヤモンドが得られ、ホール効果の兆候が示すように、このダイヤモンドは高い電気伝導率を室温で有する。ホウ素ドーピングされたダイヤモンドの厚みの一部分のみにn−ドーピングを要するならば、水素拡散時間が調整される。
【0023】
ここで説明された水素拡散条件は、提示された実施方法で使用される条件であるが、水素をホウ素などのアクセプタドーピングされたダイヤモンド中に拡散させることを可能にする他の技術が存在し、それをアクセプタドーピングされたダイヤモンドにおける水素ドナー種の必要な分布を得るために適用することができるだろう。特に、既に言及されたRFプラズマ、DCプラズマ、および熱フィラメントの技術ではなく、低エネルギー注入または高エネルギー注入、電気化学反応または化学反応、水素含有分子(例えば、CF+H)を使用したイオン・エッチング、水素分子中での高温アニーリング、並びに、例えばダイヤモンド状炭素、水素化アモルファス炭素(a−C:H)、水素化アモルファス窒化炭素(a−C:H)、シリコン・ベースの材料(a−Si:H,a−SiNy:H,a−SiCN:H)、または同様の材料であって、アクセプタドーピングされたダイヤモンド上に蒸着させ大量の水素を含有する材料のアニーリングなどの他の公知の技術を使うことが可能であるだろう。しかしながら、使用されるこの技術は、形成されたダイヤモンドにおいて高い濃度の構造欠陥を生成することのないドナー種の導入を必要とし、それは提示された実施方法で達成されるものである。
【0024】
ホウ素濃度はダイヤモンド中で高くすることができ、その高濃度のおかげで、ホウ素ドーピングされたダイヤモンド12において高濃度の水素ドナー種Hを得ることが可能である。さらに、このドナー種は容易にホウ素ドーピングされたp型ダイヤモンド12中に移る。これら2つの特性は、ドナー基を発生させることを可能にし、少量の熱エネルギーによって300Kの温度で放出される電子源としてのドナー種を含むことができる。
【0025】
しかしながら、このダイヤモンド中のホウ素濃度が増加すると、ホウ素ドーピングされたダイヤモンド中への水素の拡散係数は減少する。ダイヤモンドが高度にホウ素ドーピングされるならば、非常に長い拡散ステップの後にのみ、ダイヤモンドの厚み全体に亘ってホウ素濃度に少なくとも等しいドナー種の濃度を得ることができる。この処理は、室温で高い電気伝導率のn−ドーピングされたダイヤモンドを得ることを可能にする。勿論、本発明による処理で得られたn−ドーピングされたダイヤモンドは、アクセプタとドナー種の間の錯体の解離温度よりは下の高温であって、従来技術の処理によるn−型ダイヤモンド膜が使用される温度での使用のために非常に有用でもある(高伝導である)。
【0026】
n−型ダイヤモンドを供給するのには、例えば、アニーリングステップ、ダイヤモンド表面を酸化させるステップ、酸洗いステップ、または同様のステップなどをこのダイヤモンドに施すことが要給される用途に依存して、他のステップが時々必要である。これらの作業の間、アクセプタとドナー種の間の錯体の解離温度を超えないように注意を払うべきである。
【0027】
さらに、n−ドーピングされたダイヤモンド膜を生産する必要があるならば、ダイヤモンド中へのドナー種の拡散の前に、ダイヤモンド膜をアクセプタによってp−ドーピングを行うことが可能である。図2は、マイクロ波プラズマ化学気相蒸着(MPCVD)技術により、ホウ素などのアクセプタによってドーピングされたダイヤモンド膜を生成する状況を示している。例えばホットフィラメント(hot-filament)成長技術により同様の膜を得ることもできるであろう。基板1としては、天然または合成ダイヤモンドが可能であるが、例えば(100)などの単結晶Ib型、または多結晶ダイヤモンドが使用される。他の何らかのタイプの合成ダイヤモンドが必要に応じて使用でき、非ダイヤモンド基板、例えばバイアスをかけた、あるいはかけていないシリコン基板、例えばSiC基板、またはイリジウム基板さえ使用することができる。この基板は上述のように真空チャンバ2内のチャンバサポート6上に置かれる。さて、このチャンバは、側壁8に、またはその上端9に、1個またはそれ以上の噴射ノズル5を有することができる。単一の噴射ノズル5のみが使用されているならば、これはチャンバ2内にいくつかのガスを同時に注入することができ、それらのガスには、CHまたはCOなどの炭素含有ガス、及びH、及び必要に応じてOまたはNが一般的に含まれる。必要に応じて、各々のガスに単一のノズルを使用することも可能である。注入されるガス種の量は、それぞれの注入ガスの流量割合によって制御される。提示された実施方法では、炭素含有ガスはメタンCHであり、Hに対するCHの量は4mol%で、0.01及び10mol%の間で変動することができるが、この値は本発明の範囲内において制限されることはない。チャンバ内のガスの全圧力は例えば10torrであるが、それは約1torrと100torrの間で変えることができる。そして、チャンバに含まれるガスは、マイクロ波エネルギーの発生源10から生じるエネルギーにさらされ、そのエネルギーはそれらのガスを分離し、チャンバ内の主に基板の周りでプラズマ4を発生させる。ガスに供給されたマイクロ波パワーはプラズマを生起するのに必要なパワーに等しいか、またはそれより大きく、そして、例えば、ここで提示されたように、マイクロ波プラズマ化学気相蒸着手法の状況下において300W程度である。プラズマは基板を加熱し、そして、外部冷却/加熱装置11は、基板の温度を制御するのに使用され、その温度は700℃から1000℃の範囲内、例えば820℃である。このプラズマは、ガスの中に存在してエネルギー源10で解離された種類のラジカルを主に含む。ダイヤモンド膜3は、プラズマ4中に存在する炭素ラジカルの解離に起因する炭素原子の析出によって、基板上に形成される。プラズマの持続時間は、得られる成長率と必要な厚さに依存して、数分から数時間に及ぶ。
【0028】
アクセプタドーピングされたダイヤモンドを得るために、アクセプタ含有ガスが上記のガスに追加して、及び上記のガスと同時に注入される。例えば、ホウ素ドーピングされたダイヤモンド膜を得るためには、ガス形態のジボランBを、単一の噴射ノズル5を通して、またはそのガスに特化したノズルを通して注入することが一般的である。典型的に、元素周期表の第III族の全ての元素、例えばガリウム(Ga)や、アルミ(アルミニウム)や、インジウム(In)などの他のドーパント(dopant)が、本発明の状況において注入できる。そして、ダイヤモンド基板の周りの原子のプラズマは、アクセプタ・ドーパントのラジカルを含み、炭素原子とアクセプタ・ドーパント原子を同時に組み込むことによって、ダイヤモンド膜の成長が可能となる。
【0029】
従って、ホウ素ドーピングされたダイヤモンドの場合、およそ1xl016から5x1021cm−3のホウ素濃度でドーピングされ、約100μmに及ぶダイヤモンドの厚さを得ることが可能であり、これは一般にダイヤモンド膜の厚み全体に亘って一定で、この濃度は実験条件に依存する。プラズマ中の炭素原子とホウ素原子のそれぞれの濃度を制御することによって、ダイヤモンド膜内のホウ素濃度を制御することが事実上可能である。
【0030】
上記ステップを使用することによってここで提示された実施方法では、0.5mmを超える厚さで、およそ1x1019cm−3から5x1019cm−3の間の濃度を有するホウ素ドーピングされたダイヤモンド膜が得られる。一般にホウ素でドーピングされないか、または少しだけドーピングされ、しかし場合によっては他の種でドーピングされ、1ミクロン程度の厚さまたはそれ以下の厚さを有する合成ダイヤモンドバッファ膜(図示せず)上に堆積させることにより、上記のアクセプタドーピングされたダイヤモンド膜を必要に応じて生産できる。なお、上記他の種は、より少ない構造欠陥を含む初期の表面をもって成長を経験するこの膜を供給するために、基板とドーピングされ成長を経験した膜12との間に位置付けられる。
【0031】
ホウ素ドーピングされたダイヤモンド膜が一旦得られると、炭素含有ガスとアクセプタ含有ガスの注入が中断され、システムが冷却される。次に、水素含有ガスの注入を中断することができ、得られたダイヤモンドは図1に示されるような他の装置に移送されうる。その装置では、上記に挙げられた技術の1つを使用して、ドナー種の拡散にさらされうる。あるいは、ドナー種の拡散を遂行するのに同じチャンバを使用することが可能である。水素がドナー種を構成する場合には、得られたアクセプタでドーピングされたダイヤモンド膜を図2のチャンバ2内に残すことができ、水素含有ガスの流れは中断する必要はなく、そして基板の温度だけが、例えば外部冷却/加熱装置11を使用して適合される。水素がドナー種でないならば、必要に応じて、チャンバにアクセプタドーピングされたダイヤモンド膜3を残し、水素含有ガスの流れを中断し、代わりにドナー種を含むガスを注入することが想定できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明によるドナー種拡散方法を示す図である。
【図2】アクセプタドーピングされたダイヤモンド膜を得る事前のステップを示す。
【符号の説明】
【0033】
2 真空チャンバ
3 ダイヤモンド膜
4 プラズマ
5 噴射ノズル
6 チャンバサポート(チャンバ支持体)
8 側壁
9 上端
10 エネルギー源
11 外部冷却/加熱装置
12 ダイヤモンド膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセプタとドナー種との間に形成された錯体の解離温度を超えない温度で前記ダイヤモンド中のドナー種を含んだドナー基を形成するために、ドナー種が、最初にアクセプタドーピングされたダイヤモンド(12)中で真空拡散されるn−ドーピングステップを含む、n−型ダイヤモンドを製造する方法。
【請求項2】
前記n−ドーピングステップは、アクセプタ濃度に少なくとも等しくなるように得られたn−型ダイヤモンド中のドナー種の濃度のために、十分長い時間ドナー種を拡散させる段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記n−ドーピングステップが、ガス形態でチャンバに導入されるドナー種を含むプラズマ(4)をダイヤモンドの周りに形成することによって、チャンバ(2)において行われる請求項1または2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記n−ドーピングステップの前に、ダイヤモンド基板(1)上に真空中で炭素原子およびアクセプタ原子が同時に堆積するp−ドーピングステップをさらに含み、アクセプタドーピングされたダイヤモンド(12)を形成するために、前記原子がダイヤモンド基板(1)の周りに形成されたプラズマ(3)に含まれるようにする請求項1から3のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記p−ドーピングステップがダイヤモンド基板(1)に搭載されたダイヤモンドバッファ膜上で行われる請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記p−ドーピングステップが、チャンバ(2)において、アクセプタと炭素を含むプラズマ(4)をダイヤモンド基板(1)の周りに形成することによって行われ、これらアクセプタと炭素がガス形態でチャンバに導入される請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記ドナー種が水素である請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記アクセプタがホウ素である請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記アクセプタがホウ素であり、前記水素ドナー種の拡散が500℃と600℃の間の温度において行われ、望ましくは約550℃において行われる請求項7に記載の方法。
【請求項10】
水素およびホウ素によってドーピングされ、300Kにおいて1Ω−1・cm−1にほぼ等しいか、またはそれより大きな電気伝導率を有することを特徴とするn−型ダイヤモンド。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−508887(P2006−508887A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−558172(P2004−558172)
【出願日】平成15年12月4日(2003.12.4)
【国際出願番号】PCT/FR2003/003592
【国際公開番号】WO2004/053960
【国際公開日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(500174661)サントル・ナショナル・ドゥ・ラ・レシェルシュ・サイエンティフィーク−セ・エン・エール・エス− (54)
【出願人】(505211271)ユニヴェルシテ・ドゥ・ヴェルサイユ・サン−クァンタン・アン・イヴェリーヌ (2)
【Fターム(参考)】