説明

高められた効力を有する、組み合わされた消毒−及び汚染除去剤

本発明の主題は、少なくとも1のビタミン、少なくとも1の金属イオン、少なくとも1の表面活性化合物、及び少なくとも1の更なる抗微生物性作用物質を含む、新規の、組み合わされた消毒−及び汚染除去剤である。意外なことに、本発明による剤は、改善された消毒作用の他に、ほとんど完全な核酸分解を示す。この剤は、全ての種類の、皮膚、粘膜、手、傷口及び/又は毛髪又は器具及び表面のための組み合わされた汚染除去−及び消毒剤として、成功して使用されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、少なくとも1のビタミン、少なくとも1の金属イオン、少なくとも1の表面活性化合物及び少なくとも1の抗微生物性作用物質を含む、消毒−及び汚染除去剤である。
【0002】
医薬領域において、食品の製造の場合に、試験実験室及び他の感度の高い領域において、微生物を殺し、可能な限り完全に取り除くことが必要である。この場合に、一方では、この微生物を消毒の形で撲滅することが知られている。消毒とは、一般的には、微生物の、効果的な、不可逆的な不活性化、殺菌又は除去が理解される。この場合に、微生物には、細菌、マイコバクテリウム、菌類、酵母、胞子、プリオン、マイコプラズマ及び/又はウィルスが属する。これは、生きている及び/又は生きていない表面、組織(Gewebe)又は室の消毒でも除去される。
【0003】
幾つかの領域においては、消毒単独では十分でないことが明らかになっており、というのも、殺した微生物又は個々の核酸分子、例えば微生物のDNA及びRNA又はタンパク質又は他の残渣が、直接的に又は他の微生物の感染度又は耐性の増加を介して更なる感染を生じることができるからである。したがって、タンパク質又は核酸での汚染の完全な除去のために、汚染除去剤が使用される。このDNA/RNA汚染除去剤は、この場合に、有効な汚染除去で、可能な限り完全な核酸分解を引き起こすことが望ましい。
【0004】
したがって、生きているか又は生きていない表面の完全な消毒及び汚染除去では、2つの剤、すなわち、微生物を殺すための消毒剤、及び、核酸分子、タンパク質又は他の残渣による残存する残留汚染の除去のための汚染除去剤、を適用することが必要である。汚染除去剤の適用は、効率的な汚染除去を、遊離核酸分子を修飾、変性又は分解することによって、確実にする。この知られている汚染除去剤は、これがしばしば化学的に攻撃的であり、かつ、健康上懸念がない訳でないという欠点を有する。攻撃的な物質の使用の場合には、これは、例えば生きていない表面を襲い、そして、持続的な損傷又は変色を生じる。生きている表面、例えば手、皮膚、粘膜では、多くの攻撃的な汚染除去剤が、健康的な理由から全く使用可能でない。
【0005】
攻撃性のより低い汚染除去剤が、例えばDE 10 2005 020 327 A1から知られている。この、ビタミン、金属イオン及び表面活性化合物から構成される汚染除去溶液は、表面の保護と同時に、良好な核酸分解を示す。但し、例えば十分な効力が、この通常の適用濃度及び作用時間でカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)に対して確認されることはできていない。
【0006】
したがって、本発明の課題は、生きている及び生きていない表面の同時の消毒及び汚染除去を初めてもたらす新規の組み合わせ剤を提供することである。この剤は、表面に対して保護的であること、すなわち、良好な材料相容性又は皮膚−及び粘膜相容性を有することが望ましい。この剤は、信頼できる消毒の他に、可能な限り完全な核酸分解を示すことが望ましい。
【0007】
この課題は、本発明により、少なくとも1のビタミン、少なくとも1の金属イオン、少なくとも1の表面活性化合物及び少なくとも1の抗微生物性作用物質を含む、消毒−及び汚染除去剤であって、前記抗微生物性作用物質が、
−一価又は多価の、脂肪族又は芳香族の、又は/及び置換されたアルコール、
−第四級アンモニウム化合物、
−脂肪族又は芳香族のモノ−又はジアルデヒド、
−フェノール又はフェノール誘導体、
−脂肪族、第二級又は第三級アミン、
−ペルオキシド又は過酸、
−有機及び無機の酸又はその塩、エステル又はアミド、
−グアニジン又はビグアニド、
−ピリジン又はピリミジン、
−次の群:
−アミン、n−C10−C16−アルキルトリメチレンジ−、クロロ酢酸からの反応生成物(Ampholyt 30)、
−第四級アンモニウム化合物、[2−[[2−[(2−カルボキシエチル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル]アミノ]−2−オキソエチル]ココアルキルジメチル−、そのヒドロキシド、その「内部塩」(Rewoteric QAM 50)、
−N−[3−(ドデシルアミノ)プロピル]グリシン(Amphionic SFB)から選択される、2007年12月4日の委員会の番号1451/2007の指示(EG)に応じた両性作用物質、
−イソチアゾリン、
−エーテル性油、又は
−この混合物
からなる群から選択されている剤によって解決される。
【0008】
更なる実施態様は、この下位請求項の主題であるか、又は以下に記載される。
【0009】
抗微生物性作用物質としてアルコール性作用物質が使用される場合には、これは好ましくは一価アルコール、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、クロロブタノール、ペンタノール又はヘキサノール、又はこの混合物、特に好ましくはエタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール及び/又はペンタノールである。この一価アルコールは、抗微生物性作用物質として1〜90%、好ましくは1.5〜80%、特に2〜70%の濃度で使用される。特に適していることが判明したのは、2〜60質量%、好ましくは2〜40質量%及び2〜30質量%の一価のアルコールを有する組成物である。
【0010】
二価又は多価アルコールとして、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシルジグリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、グリセリンであり、これは好ましくは1,2−又は1,3−ジオール又はヘキシルジグリコール又はこの混合物として使用され、特に好ましくはプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキシルジグリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール及び/又はオクタンジオールである。これは好ましくは、0.01〜20質量%、特に好ましくは0.025〜15質量%、特に0.025〜10質量%、とりわけ0.05〜5.0質量%の濃度で行われる。
【0011】
抗微生物性作用物質として、芳香族アルコールが使用される場合には、これは好ましくはベンジルアルコール、クロロベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フェノキシエタノール、1,2−フェノキシプロパノール、1,3−フェノキシプロパノール及び/又はこの混合物、特に好ましくはフェノキシエタノールである。これは好ましくは0.01〜15質量%、特に好ましくは0.02〜15質量%、特に0.02〜10質量%、とりわけ0.02〜5.0質量%の濃度で使用される。
【0012】
置換されたアルコールとして、例えば2−ブロモ−2−ニトロプロパンジオール(Bronopol)、5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン(Bronidox)が使用される。これは0.01〜20質量%、特に好ましくは0.025〜15質量%、特に0.05〜10質量%、とりわけ0.05〜5.0質量%の濃度で使用される。
【0013】
更なる一実施態様において、抗微生物性作用物質は、第四級アンモニウム化合物である。適した第四級アンモニウム化合物は、例えば、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド(DDAC)、ベンズアルコニウムクロリド(BAC)、ベンズアルコニウムブロミド、ベンズオキソニウムクロリド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジアルキル−N,N−ジメチルアンモニウムカーボナート、第四級アンモニウムヨウ化物、第四級アンモニウム化合物であってジアルキルジメチル(C6〜C18からのアルキル、飽和及び不飽和、及び獣脂アルキル、ココアルキル及びダイズアルキル)クロリド、ブロミドタイプの化合物又はメチルスルファート/DDAC、メセトロニウムメチルスルファート(MES)、ジメチルデシルオキシ(Dimethyldecylox)エチルアンモニウムプロピオナート、セトリミド、セトリモニウブロミド、セチルピリジニウムクロリド又はウンデシレンアミドプロピルトリモニウムメトスルファートである。特に好ましくは、抗微生物性作用物質として、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド(DDAC)、ベンズアルコニウムブロミド(BAC)又はメセトロニウムメチルスルファート(MES)が使用される。これは好ましくは、0.01〜25質量%、特に好ましくは0.01〜20質量%、特に0.01〜15質量%の濃度で使用される。この第四級アンモニウム化合物は、さらに好ましくは、0.01〜10質量%、特に好ましくは0.01〜5.0質量%、特に0.01〜2質量%の濃度で使用される。
【0014】
更なる一実施態様において、本発明による消毒−及び汚染除去剤において使用される抗微生物性作用物質は、脂肪族又は芳香族のモノ−又はジアルデヒドの群から選択されるアルデヒドである。適したモノ−及びジアルデヒドは、特にグルタルジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、オルト−フタルアルデヒド、グリオキサール、アクロレイン、ピペロナール、ホルムアルデヒド、ホルムアルデヒド開裂物、及びジアルデヒドの開裂物である。ホルムアルデヒド開裂物は、例えば(エチレンジオキシ)ジメタノール、テトラヒドロ−1,3,4,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)イミダゾ[4,5d]イミダゾール−2,5(1H,3H)−ジオン、イミダゾリジニル尿素、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)尿素、ジアゾリジニル尿素、トリアジン、パラホルムアルデヒド、ヘキサメチレンテトラアミン、Quatemium(R) 15又はジメチロールジメチルヒダントインである。好ましくは、0.01〜15質量%、特に好ましくは0.1〜10質量%、特に0.01〜5.0質量%、とりわけ0.025〜2.5質量%の濃度で前記モノアルデヒド及び/又はジアルデヒドは使用される。
【0015】
更なる適した抗微生物性作用物質は、フェノール及びフェノール誘導体、例えば、フェノール、ペンタクロロフェノール、クレゾール、クロロクレゾール、4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール、チモール、オイゲノール、レゾルシノール、4−ヘキシルレゾルシノール、ビフェニル、2−フェニルフェノール、クロロフェン、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、トリクロサン、ブロモクロロフェン、キレノール、クロロキシレノール、イソプロピルクレゾール、クロロ−チモール、又はその混合物、好ましくはチモール、2−フェニルフェノール又はトリクロサンである。これは、0.01〜20質量%、特に好ましくは0.05〜15質量%、特に0.1〜10質量%、とりわけ0.1〜5.0質量%の濃度で好ましく使用される。
【0016】
抗微生物性作用物質は、更なる実施態様において、脂肪族又は芳香族の有機酸又は無機酸又はその塩、エステル又はアミドである。適した有機酸は、例えば、ギ酸、酢酸、ブロモ酢酸、グリコール酸、プロピオン酸、グリオキシル酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピロリドンカルボン酸、ソルビン酸、ウンデシレン酸、ウンデシン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、デヒドロ酢酸、4−ヒドロキシ安息香酸エステル(パラベン)、ジメチルカーボナート、クロロアセタミド、2−クロロ−N−(ヒドロキシメチル)アセタミド及び/又はサリチルアニリド、好ましくはグリコール酸、乳酸、クエン酸、ピロリドンカルボン酸、ソルビン酸、ウンデシレン酸、ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、デヒドロ酢酸(Dehydacetsaeure)及び/又は4−ヒドロキシ安息香酸エステル(パラベン)である。有機酸は、好ましくは0.01〜10質量%又は0.01〜5.0質量%、特に好ましくは0.01〜3.0質量%、特に0.01〜2.5質量%又は0.025〜2.5質量%の濃度で使用される。適した無機酸は、例えばリン酸、硫酸、塩酸、ホウ酸、亜硫酸(schwefelige Saeure)、硝酸又は炭酸である。無機酸は、好ましくは、有機酸と同じ濃度で使用される。
【0017】
更なる一実施態様において、抗微生物性作用物質は、ペルオキシド又は過酸であり、その際、好ましいペルオキシド又は過酸は、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、過酢酸、過ホウ酸ナトリウム、マグネシウム−モノペルオキシフタラート又はマグネシウム−モノペルオキシフタラート六水和物(MMPP)、ペンタカリウム−ビス(ペルオキシモノスルファート)ビス(スルファート)、ジナトリウムペルオキソジスルファート/ナトリウムペルスルファート、ジカリウムペルオキソジスルファート、ジナトリウムカーボナートであってヒドロゲンペルオキシドを有するもの、2−ブタノンペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、ペルオキシオクタン酸、過酸エステル又は次のものからの反応生成物、ジメチルアジパート、ジメチルグルタラート、ジメチルスクシナートと過酸化水素、例えばPerestane(R) (Solvay)及び/又はフタルイミド−ペルオキシ−カプロン酸、6−(フタルイミド)ペルオキシヘキサン酸、好ましくは過酸化水素又はマグネシウム−モノペルオキシフタラート(MMPP)の群から選択される。過酸化物は、好ましくは0.01〜10質量%又は0.01〜5.0質量%、更に好ましくは0.01〜2.0質量%、特に0.01〜1.0質量%又は0.01〜0.5質量%の濃度で使用される。
【0018】
更なる一実施態様において、抗微生物性作用物質は、グアニジン−、ビグアニド−又はピリジン−又はピリミジン化合物、例えばクロロヘキシジン塩、例えばジグルコナート(CHG)、ポリヘキサニド、PHMG、ココプロピレンジアミン1,5−ビスグアニジウムアセタート、ジピリチオン、ピリチオン−亜鉛、ピロクトン、ヘキセチジン又はオクテニジン塩、例えばジヒドロクロリドである。この作用物質は、例えば0.01〜20質量%、好ましくは0.01〜10質量%、並びに0.01〜5.0質量%の濃度で使用され、その際、好ましくは0.01〜2.0質量%、特に好ましくは0.01〜1.5質量%、特に0.05〜1.0質量%又は0.05〜0.5質量%の濃度で使用される。
【0019】
更なる一実施態様において、抗微生物性作用物質は、脂肪族の第二級又は第三級アミン、例えばN−(3−アミノプロピル)−N−ドデシルプロパン−1,3−ジアミン、N−ドデシルプロパン−1,3−ジアミン又はL−グルタミン酸及びココプロピレン−1,3−ジアミンの反応生成物であり、これは商標Glucoprotamin(R)で販売されている。脂肪族アミンは好ましくは、0.01〜25質量%、好ましくは0.01〜20質量%、並びに0.01〜15質量%の濃度で使用され、その際、好ましくは0.01〜10質量%、特に好ましくは0.01〜5.0質量%、特に0.01〜2.0質量%が使用される。
【0020】
更なる一実施態様において、抗微生物性作用物質は、n−C10−C16−アルキルトリメチレンジアミン−、クロロ酢酸(Ampholyt 30)からの反応生成物又は次のものからの反応生成物、1,3−プロパンジアミン、C10−C16アルキル誘導体及びクロロ酢酸又はアミン、n−C10−16−アルキルトリメチレンジ−、クロロ酢酸(又はアミノアルキルグリシン)からの反応生成物、第四級アンモニウム化合物、[2−[[2−[(2−カルボキシエチル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル]アミノ]2−オキソエチル]ココアルキルジメチル−、その水酸化物、その「内部塩」(Rewoteric QAM 50)又はココベタインアミドアンホプロピオン、N−[3−(ドデシルアミノ)プロピル]グリシンヒドロクロリド(Amphionic SFB)又はアルキルアミノカルボキシラートからなる群から選択される、2007年12月4日付けの委員会の番号1451/2007の指示(EG)に応じた両性作用物質である。この両性化合物は好ましくは、0.01〜25質量%、特に好ましくは0.01〜20質量%、とりわけ0.01〜15質量%、0.01〜10質量%、特に好ましくは0.01〜5.0質量%、特別に0.01〜2.0質量%の濃度で使用される。
【0021】
更なる一実施態様において、抗微生物性作用物質は、エーテル性油、例えばシトロネロール、リナロール(例えばラベンダーオイル)、ゲラニオール(例えばローズオイル)、シンナムアルデヒド(例えば桂皮油)、ティーツリーオイル、カンファー、メントール、ファルネソール又は松エキスである。エーテル性油は好ましくは、0.002〜5.0質量%又は0.002〜1.0質量%、特に好ましくは0.005〜0.5質量%、特に0.002〜0.1質量%の濃度で使用される。
【0022】
更なる一実施態様において、抗微生物性作用物質は、イソチアゾリン、例えばメチルイソチアゾリノン、クロロ−メチルイソチアゾリノン、オクチルイソチアゾリノンである。このイソチアゾリンは好ましくは、0.01〜1質量%、好ましくは0.0005〜0.5質量%、特に好ましくは0.0005〜0.2質量%、とりわけ0.0005〜0.1質量%の濃度で使用される。
【0023】
特に好ましくは、本発明による消毒−及び汚染除去剤は、1又は複数の抗微生物性作用物質を含み、その際好ましい作用物質として次のものが使用される:エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、ペンタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキシルジグリコール、ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、乳酸、サリチル酸、グリコール酸、クエン酸、ピロリドンカルボン酸、ソルビン酸、ウンデシレン酸、ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、デヒドロ酢酸、4−ヒドロキ安息香酸エステル(パラベン)、リン酸、塩酸、クロロヘキシジン塩、ポリヘキサニド、PHMG、オクテニジン塩、ピリチオン−亜鉛、フェノキシエタノール、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド(DDAC)、ベンズアルコニウムクロリド(BAC)、メセトロニウムメチルスルファート(MES)、グルタルジアルデヒド、チモール、2−フェニルフェノール、トリクロサン、過酸化水素、マグネシウム−モノペルオキシフタラート(MMPP)、又はその混合物。
【0024】
本発明による消毒剤において使用されるビタミン、その塩又は酸性誘導体は好ましくはビタミンであって、酸化防止剤の特性を有するものである。適したビタミンは、特にビタミンA、ビタミンC(D−アスコルビン酸)、B及びEである。特に好ましいビタミンは、水溶性ビタミンB及びCである。このビタミンは、0.1mM〜1000mM、特に好ましくは0.1mM〜500mM、更に好ましくは0.1mM〜300mM、とりわけ0.1mM〜100mMの量で、本発明による消毒−及び汚染除去剤中に含まれている。
【0025】
金属イオンとして、本発明による消毒−及び汚染除去剤においては、好ましくは、元素の周期表の第4の周期の金属のイオン又は副族I、II又はVIIIの金属のイオンが使用される。特に好ましい金属イオンは、鉄、コバルト、亜鉛、銅及び銀である。この金属イオンは、0.01mM〜100mM、好ましくは0.01mM〜50mM、特に0.01mM〜30mM、特に好ましくは0.01mM〜10mMの量で本発明による剤において含まれている。
【0026】
本発明による消毒−及び汚染除去剤は、好ましくは界面活性物質として、アニオン性、非イオン性、両性又はカチオン性界面活性剤又はその混合物からなる群から選択された化合物を含む。この界面活性物質は、この場合に、0.01質量%〜35質量%、好ましくは0.01質量%〜30質量%、特に0.01質量%〜20質量%、特に好ましくは0.025質量%〜15質量%の量で全溶液中に含まれている。特に、アルキルエーテルスルファート、アルキル−及び/又はアリールスルホナート、アルキルスルファート、アムホテンシド(Amphotenside)、ベタイン、アルキルアミドアルキルアミン、アルキル置換したアミノ酸及び/又はイミノ酸、アシル化したアミノ酸及び/又はアムホテンシド組み合わせ、例えば、脂肪アルコールエトキシラート、脂肪アルコールプロポキシラート、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、分枝鎖のアルキルエトキシラート、脂肪酸エトキシラート、アルキルポリグルコシド、サッカロースエステル、ソルビタンエステル、アミンオキシドが使用されることができる。原則的に、全ての界面活性剤が適している。本発明により好ましいのは、アニオン性及び非イオン性界面活性剤である。
【0027】
全ての濃度の記載は、そのつどこの完成した適用溶液又は適用形態に対する。したがって、希釈してない溶液の使用の場合には、この濃度は希釈していない溶液中の量を記載し、濃縮物の使用の場合には、この濃度はこの濃縮物から製造される適用溶液中の量を表示する。相応することは、固形及び半固形の生成物に当てはまり、これは適用のために溶媒中に溶解される。
【0028】
本発明による消毒−及び汚染除去剤は、液状、半固形状又は固形の形で使用されることができ、その際次の適用形態が好ましい:溶液、懸濁液、エマルション、ペースト、ゲル、フォーム、タブレット、粉末、顆粒、布状物(Tuch)、自体溶解性の袋及び/又は二成分システム。
【0029】
本発明による消毒−及び汚染除去剤は、液状の濃縮物の形で存在でき、この結果、使用溶液はそのつど新規に調合される。この液状の濃縮物はこの場合に、適用溶液へと水で希釈される。
【0030】
特に好ましくは、本発明による剤は、次のもののみからなる
−好ましくは0.1mM〜1000mMの量で、少なくとも1のビタミン、
−好ましくは0.01mM〜100mMの量で、少なくとも1の金属イオン、
−好ましくは全溶液の0.01〜35質量%の量で、少なくとも1の表面活性化合物、
−少なくとも1の抗微生物性作用物質、
−助剤及び場合によって
−水、
その際、この成分は100質量%まで補われる。この使用される助剤は、好ましくは着色剤、保存剤、乳化剤、酸化防止剤、ケア剤(Pflegestoff)、保存剤、コンシステンシー付与剤、溶媒、増粘剤、香料、腐食防止剤、錯形成剤及び/又はpH調節剤である。
【0031】
適した増粘剤は例えば、これに限定することなく、アクリル酸又はその誘導体のポリマー、例えば、ポリアクリル酸、アクリルアミドコポリマー、アクリルアミド/ナトリウムアクリラート−コポリマー、アクリラートコポリマー、アンモニウムアクリラート−コポリマー、ナトリウムアクリラートポリマー、架橋した(quervernetzen)アクリラートポリマー、例えば、アクリラート/C10−30アルキルアクリラートクロスポリマー、カルボマー、架橋したメチル−メタクリラートコポリマー、天然ポリマー及びその誘導体、例えばアンモニウムアルギナート、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデキストラン、エチルセルロース、グアール−ヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルキトサン、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピルデンプンホスファート、ヒドロキシエチルメチルセルロース、シリコーンポリマー、例えば、架橋したジビニルジメチコーン/ジメチコーンコポリマー、ポリグリコール、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン−コ−プロピレングリコールであって異なる分子量を有するもの、異なる分子量のポリビニルアルコール、架橋したコポリマーであってメチルビニルエーテル/無水マレイン酸/デカジエン−単位からのもの(INCI:PVM/MA/デカジエンクロスポリマー)、ポリビニルピロリドン、その他を挙げることができる。
【0032】
本発明による剤は、pH値0.5〜8.5、特に1〜7、好ましくは2〜6又は2〜4.5を有する。pH調整のためには、一変形において緩衝液システムが使用されることができる。適した緩衝液システムは例えば、カーボナート及びコハク酸の誘導体を有する緩衝液システムであり、これは好ましくはそのつど1mM〜500mMの濃度にある。この緩衝液システムの使用の場合には、本発明による剤においては、この溶液のpH値は、溶解された成分、特に酸性のビタミンに基づいて、強酸性の範囲にあり、容易に中性又は弱塩基性の範囲に高めることができ、この場合に、この溶解した金属イオンが沈殿することはない。適したシステムは、特にボラート−、オキサラート−、フタラート−、グリシン−、タルトラート−、ホスファート−、カーボナート、シトラート−、アセタート−緩衝液である。
【0033】
本発明による剤は、一実施態様において、生きている表面の汚染除去及び消毒のために、好ましくは皮膚、粘膜、傷口、毛髪及び/又は手の消毒及び汚染除去のために、使用される。更なる一実施態様において、この剤は、生きていない表面の消毒及び汚染除去のために、好ましくは器具及び/又は表面の消毒のために使用される。
【0034】
意外なことに、本発明による剤が、完全かつ信頼できる核酸分解、すなわち、核酸分子の完全な変性及び除去を、同時の良好な消毒作用でもって発揮することが確認されることができた。抗微生物性作用物質と、ビタミン、金属イオン及び表面活性化合物からの組み合わせとの組み合わせは、この場合に、予期できない相乗作用を示し、かつ、単独成分に対して顕著に改善された消毒作用を生じる。金属塩、ビタミン、表面活性化合物及び抗微生物性作用物質との組み合わせにより、ウィルス及び細菌に対する作用は著しく増加されることができた。
【0035】
本発明による消毒−及び汚染除去剤は、加えて、従来の消毒剤に比較して、顕著により良好な相容性を、材料に関してもまた同様に皮膚に対しても示す。このより良好な相容性は、特に、この4つの作用物質の組み合わせにおいて発生するこの特殊な相乗作用によって、通常の消毒剤に比較してより低濃度の抗微生物性作用物質が使用できることにより条件付けられている。ここから、より良好な材料−及び皮膚相容性も、また同様により良好な環境相容性も明らかである。より低濃度における抗微生物性作用物質の使用はしたがって、この相乗作用の組み合わせの本質的な利点である。
【0036】
本発明による消毒−及び汚染除去剤は、加えて、バイオフィルム(Biofilm)の分解のために使用できる。より新しい検査により、医薬的器具又はインプラントが微生物により汚染されていることが判明し、その際、この汚染は細菌のバイオフィルムの形で行われる。意外なことに、本発明による消毒−及び汚染除去剤は、単離された細菌のみでなく、バイオフィルム中に存在する細菌及び菌類をも、取り除くことが判明した。このバイオフィルム分解の試験は、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)の生育したバイオフィルム(シリコーン表面上)を用いて実施された。作用時間は25℃で30分間であった。
【0037】
本発明による消毒−及び汚染除去剤の使用は、バイオフィルムの信頼できる分解を生じる。これは、金属塩、ビタミン、表面活性化合物及び抗微生物性作用物質の組み合わせのみでなく、金属塩、ビタミン及び表面活性化合物から構成される消毒−及び汚染除去剤にも該当する。3つの作用物質を有するこの組成物では、この成分、金属塩、ビタミン及び表面活性化合物は、4つの作用物質を有する調製物と同じ濃度において使用されることができる。相応して、バイオフィルムの分解のための、金属塩、ビタミン及び表面活性化合物から構成される消毒−及び汚染除去剤の使用も、本発明の主題である。
【0038】
本発明による利点は、以下の実施例をもとにより詳細に説明される。
【0039】
1.ウィルス効力
金属イオン、ビタミン及び界面活性剤を含む汚染除去剤及びアルコール性消毒剤のウィルス効力が、本発明による剤に比較して測定される。以下の表は、測定された剤の組成並びにこの剤のポリオウィルスに対する効力を示す。
【表1】

【表2】

【0040】
意外なことに、アルコール単独では特別良好なポリオ効力は示されないが、金属塩、ビタミン及び界面活性剤の組み合わせへのアルコール性作用物質の添加により、ポリオ効力の顕著な改善が明らかになった。これは、一層目立っており、というのも、このアルコールの濃度は通常の消毒剤よりも低いからである。かなり短い作用時間が達成されることができた。この剤は、したがって、良好なウィルス効力を示す。意外なことに、加えて、エタノール及び/又は1−及び2−プロパノールの添加の場合の核酸分解もが金属塩、ビタミン及び界面活性剤の純粋な組み合わせの核酸分解に対して改善されることができることが明らかになった。第3表から明らかであるとおり、このアルコールは核酸分解を妨げないだけでなく、これを更に増強すらする。
【表3】

【0041】
2.殺菌類効力
殺菌類効力の測定のために、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)の減少を測定した。以下の表は、この測定した剤の組成、並びに比較として測定した物質を示す。この表は更に、減少ファクター(Reduktionfaktor)を記載する。
【表4】

【0042】
菌類効力に関しても、汚染除去剤と作用物質との組み合わせが、カンジダ・アルビカンスの減少の意外なまでに強力な改善を生じることが明らかになった。これは、この作用物質単独に起因するのでなく、V6及びV7に比較した実施例E、及び、V8及びV9に比較した実施例Fから明らかであるとおり、単独では十分な効力は全く示されない。
【0043】
第5b表及び第6b表も示すとおり、表面−及び器具消毒−及び汚染除去剤としての本発明による剤の使用では既に5分間の短い作用時間後に、作用物質単独又は従来の汚染除去剤単独が示すのに比較して、より顕著な減少が達成されることができる。
【表5】

【表6】

【0044】
3.抗細菌性効力
更なる試験において、本発明による消毒−及び汚染除去剤の抗細菌性効力が試験された。以下の第7a及び第7b表は、比較として、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)に対する、純粋な汚染除去剤の効力、並びに、純粋な作用物質の効力を、本発明による剤に比較して示している。
【表7】

【0045】
意外なことに、本発明による消毒−及び汚染除去剤は、純粋な汚染除去剤に対して、また、純粋な作用物質に対しても、顕著に増加した効力を示すことがここでも示された。
【0046】
4.バイオフィルムに対する効力
バイオフィルムに対する効力の測定のために、バイオフィルムでの清浄化ひいてはバイオフィルムの減少を検証した。以下の表は、この測定された剤の組成を示す。作用時間は25℃で30分間であった。
【表8】

【0047】
この第8b表は、表面−及び器具の消毒−及び汚染除去剤としての本発明による剤の使用の場合に、既に30分間の作用時間後に、バイオフィルムで顕著な減少が達成されることができることを示す。
【表9】

【0048】
したがって、本発明による剤は、細菌、菌類、酵母及びウィルスに対して並びにバイオフィルムに対して、意外なまでに良好な効力を示す。予期できないことに、抗微生物性作用物質の添加によりこの核酸分解が更に改善され、この結果、本発明による剤は、生きている表面も生きていない表面も、同時に消毒かつ汚染除去する。実施例からも認識できるとおり、この場合に、作用物質及び基本組成物(金属塩、ビタミン及び界面活性剤から構成される)との間で特殊な相乗作用が発生し、これはこの個々の物質の挙動からは導くことができない。この相乗作用は、より少ない濃度そして、これによってより良好な相容性で、効力を可能にする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
−少なくとも1のビタミン、
−少なくとも1の金属イオン、
−少なくとも1の表面活性化合物、及び
−少なくとも1の抗微生物性作用物質
を含む消毒−及び汚染除去剤であって、前記抗微生物性作用物質が、
−脂肪族又は芳香族の、一価又は多価の、又は/及び置換されたアルコール、
−有機及び無機の酸又はその塩、エステル、アミド、脂肪族又は芳香族のモノアルデヒド又はジアルデヒド、
−ペルオキシド又は過酸、
−第四級アンモニウム化合物、
−グアニジン又はビグアニド、
−ピリジン又はピリミジン、
−両性作用物質であって、次の群:
−n−C10−C16−アルキルトリメチレンジアミン、クロロ酢酸からの反応生成物(Ampholyt 30)、
−第四級アンモニウム化合物、[2−[[2−[(2−カルボキシエチル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル]アミノ]−2−オキソエチル]ココアルキルジメチル−、ヒドロキシド、「内部塩」、又は
−N−[3−(ドデシルアミノ)プロピル]グリシンヒドロクロリド
から選択される両性作用物質、
−脂肪族、第二級又は第三級アミン、又は
−この混合物
からなる群から選択される、消毒−及び汚染除去剤。
【請求項2】
抗微生物性作用物質が、アルコール性作用物質であり、これがメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、クロロブタノール、ペンタノール又はヘキサノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシルジグリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、グリセリンから選択され、好ましくは1,2−又は1,3−ジオール又はヘキシルジグリコール、2−ブロモ−2−ニトロプロパンジオール、5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン、ベンジルアルコール、クロロベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フェノキシエタノール、1,2−フェノキシプロパノール、1,3−フェノキシプロパノール又はこの混合物であることを特徴とする請求項1記載の剤。
【請求項3】
抗微生物性作用物質が、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド(DDAC)、ベンズアルコニウムクロリド(BAC)、ベンズアルコニウムブロミド、ベンズオキソニウムクロリド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジアルキル−N,N−ジメチルアンモニウムカーボナート、第四級アンモニウムヨウ化物、第四級アンモニウム化合物であってジアルキルジメチル(C6〜C18からのアルキル、飽和及び不飽和、及び獣脂アルキル、ココアルキル及びダイズアルキル)クロリド、ブロミドタイプの化合物又はメチルスルファート/DDAC、メセトロニウムメチルスルファート(MES)、ジメチルデシルオキシエチルアンモニウムプロピオナート、セトリミド、セトリモニムウブロミド、セチルピリジニウムクロリド及び/又はウンデシレンアミドプロピルトリモニウムメトスルファートからなる群から選択された化合物であることを特徴とする請求項1記載の剤。
【請求項4】
抗微生物性作用物質が、モノ−又はジアルデヒドであり、かつ、グルタルジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、オルト−フタルアルデヒド、グリオキサール、アクロレイン、ピペロナール、ホルムアルデヒド、ホルムアルデヒド開裂物及び/又はジアルデヒドの開裂物の群から選択されることを特徴とする請求項1記載の剤。
【請求項5】
抗微生物性作用物質が、脂肪族又は芳香族の有機酸又は無機酸又はその塩、エステル又はアミドであり、これがギ酸、酢酸、ブロモ酢酸、グリコール酸、プロピオン酸、グリオキシル酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピロリドンカルボン酸、ソルビン酸、ウンデシレン酸、ウンデシン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、デヒドロ酢酸、4−ヒドロキシ安息香酸エステル、ジメチルカーボナート、クロロアセタミド、2−クロロ−N−(ヒドロキシメチル)アセタミド、サリチルアニリド、リン酸、硫酸、塩酸、ホウ酸、亜硫酸、硝酸及び/又は炭酸からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の剤。
【請求項6】
抗微生物性作用物質が、フェノール又はフェノール誘導体であり、フェノール、ペンタクロロフェノール、クレゾール、クロロクレゾール、4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール、チモール、オイゲノール、レゾルシノール、4−ヘキシルレゾルシノール、ビフェニル、2−フェニルフェノール、クロロフェン、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、トリクロサン、ブロモクロロフェン、キシレノール、クロロキシレノール、イソプロピル−クレゾール、クロロ−チモール、又はその混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の剤。
【請求項7】
抗微生物性作用物質が、ペルオキシド又は過酸であり、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、過酢酸、過ホウ酸ナトリウム、マグネシウム−モノペルオキシフタラート又はマグネシウム−モノペルオキシフタラート六水和物(MMPP)、ペンタカリウム−ビス(ペルオキシモノスルファート)ビス(スルファート)、ジナトリウムペルオキソジスルファート/ナトリウムペルスルファート、ジカリウムペルオキソジスルファート、ジナトリウムカーボナートであってヒドロゲンペルオキシドを有するもの、2−ブタノンペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、ペルオキシオクタン酸、過酸エステル又は次のものからの反応生成物、ジメチルアジパート、ジメチルグルタラート、ジメチルスクシナートと過酸化水素及び/又はフタルイミド−ペルオキシ−カプロン酸、6−(フタルイミド)ペルオキシヘキサン酸からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の剤。
【請求項8】
抗微生物性作用物質が、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ペンチルレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキシルジグリコール、ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、乳酸、サリチル酸、グリコール酸、クエン酸、ピロリドンカルボン酸、ソルビン酸、ウンデシレン酸、ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、デヒドロ酢酸、4−ヒドロキ安息香酸エステル(パラベン)、リン酸、塩酸、クロロヘキシジン塩、ポリヘキサニド、PHMG、オクテニジン塩、ピリチオン−亜鉛、フェノキシエタノール、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド(DDAC)、ベンズアルコニウムクロリド(BAC)、メセトロニウムメチルスルファート(MES)、グルタルジアルデヒド、チモール、2−フェニルフェノール、トリクロサン、過酸化水素、マグネシウム−モノペルオキシフタラート(MMPP)、又はその混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の剤。
【請求項9】
ビタミン、その塩又は酸性誘導体が、ビタミンA、B、E及びCの群から選択された少なくとも1の化合物であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の剤。
【請求項10】
金属イオンが、元素の周期表の第4の周期の、副族I、II又はVIIIの金属のイオン、好ましくは鉄−、銅−又は亜鉛イオンであることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載の剤。
【請求項11】
表面活性物質として、アニオン性、非イオン性、両性又はカチオン性の界面活性剤又はこの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物が含まれていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項記載の剤。
【請求項12】
−少なくとも1のビタミン、
−少なくとも1の金属イオン、
−少なくとも1の表面活性化合物、
−少なくとも1の抗微生物性作用物質、
−助剤及び場合によって
−水
からなり、その際、この成分が100質量%まで補われることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項記載の剤。
【請求項13】
剤が、0.5〜8.5の範囲内のpH値を有することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項記載の剤。
【請求項14】
ビタミンが、0.1mM〜1000mMの量で含まれていることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項記載の剤。
【請求項15】
金属イオンが、0.01mM〜100mMの量で含まれていることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項記載の剤。
【請求項16】
表面活性物質が、全溶液の0.01〜35質量%の量で含まれていることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項記載の剤。
【請求項17】
生きている表面の汚染除去及び消毒のための、好ましくは皮膚、毛髪、粘膜、傷口及び手の消毒及び汚染除去のための、請求項1から16のいずれか1項記載の剤の使用。
【請求項18】
生きていない表面の消毒及び汚染除去のための、好ましくは器具又は表面の消毒のための、請求項1から13のいずれか1項記載の剤の使用。
【請求項19】
−少なくとも1のビタミン、
−少なくとも1の金属イオン、
−少なくとも1の表面活性化合物
を含む組成物の、バイオフィルム分解のための剤の製造のための使用。
【請求項20】
組成物が、請求項1から16のいずれか1項記載の消毒−及び汚染除去剤により特徴付けられている請求項19記載の使用。

【公表番号】特表2012−512199(P2012−512199A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541130(P2011−541130)
【出願日】平成21年11月14日(2009.11.14)
【国際出願番号】PCT/EP2009/008122
【国際公開番号】WO2010/078883
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(510002523)ボーデ ヒェミー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (2)
【氏名又は名称原語表記】Bode Chemie GmbH
【住所又は居所原語表記】Melanchthonstrasse 27, D−22525 Hamburg, Germany
【出願人】(510002534)マルチバインド バイオテック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (2)
【氏名又は名称原語表記】multiBIND biotec GmbH
【住所又は居所原語表記】Gottfried−Hagen−Strasse 60−62, D−51105 Koeln, Germany
【Fターム(参考)】