説明

高イブプロフェン含有量顆粒並びにそれらの製造および製薬学的薬用量形態中でのそれらの使用

実質的な量のイブプロフェン、少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤、および少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤から少なくとも構成される顆粒であって、その結合剤が1種もしくは複数の超崩壊剤とは異なり、ここで1種もしくは複数の超崩壊剤が顆粒全体に実質的に均一に分散されている顆粒が記載されている。a)微細に分割されたイブプロフェンおよび少なくとも1種の微細に分割された製薬学的に許容可能な超崩壊剤から混合物を製造するか、またはそれらの混合物を得、b)a)からの混合物を気体状の流動化剤を用いて流動化してそれによりイブプロフェンおよび少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤から構成される実質的に均質な乾燥混合物を製造し、c)b)で製造された均質な乾燥混合物を加熱された気体状の流動化剤を用いて流動化し、流動化された混合物の上に該超崩壊剤とは異なる少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤の水溶液、分散液または懸濁液を噴霧して、イブプロフェン、少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤、および少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤とは異なる少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤から構成される湿った顆粒を製造し、そしてd)c)からの湿った顆粒を加熱された気体状の流動化剤を用いて流動化して、顆粒の重量を基準として5重量%より少ない水分含有量を有する顆粒を製造することにより、顆粒を製造することができる。顆粒は例えば充填カプセル剤または圧縮された固体の薬用量形態の如き固体の薬用量形態の製造において有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、高いイブプロフェン薬品含有量を有する新規な製薬学的顆粒、それらの製造、並びに例えば圧縮錠剤および充填カプセル剤の如き種々の薬用量形態の調合物または調剤中でのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
水中に急速に溶解でき且つこれも同様に水中に急速に溶解できる固体の薬用量形態を形成できる高濃度のイブプロフェンを含有する顆粒を提供する有効な方法に関する要望が存在する。
【発明の開示】
【0003】
発明の要旨
イブプロフェン(ibuprofen)、少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤(super disintegrant)、および少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤を含んでなる顆粒状イブプロフェン組成物であって、その結合剤が該超崩壊剤とは異なり、ここで該組成物は該超崩壊剤が実質的に均一に分散されている顆粒の形態である組成物を製造することにより、前記の要望を満たしうることが今回見出された。超崩壊剤とは異なる結合剤の使用が、実質的に均一に分散された超崩壊剤が確実に実質的に均一に分散されたままにするであろう。実質的に均一に分散された超崩壊剤が適切に結合することにより、顆粒は水との接触時に急速に溶解するであろう。さらに、本発明の顆粒からの固体の薬用量形態の形成における超崩壊剤の使用は水中にそれら自体が急速に溶解して製薬学的組成物の水溶液を製造する固体の薬用量形態を形成する。
【0004】
好ましい態様では、本発明の顆粒は少量の製薬学的に許容可能な湿潤剤をさらに含有する。
【0005】
本発明の顆粒は乾燥重量基準で少なくとも約75重量%のそして好ましくは少なくとも約85重量%のイブプロフェンを含有する。好ましくは、本発明の顆粒は乾燥重量基準で少なくとも約95重量%のイブプロフェンを含有する。
【0006】
本発明の顆粒を製造する時には、非常に少量のヒュームドシリカの含有が顆粒の流動性を大きく高めそして加工および処理中の顆粒の摩擦を減ずることも見出された。
【0007】
本発明の他の特徴は、本発明の顆粒を(i)別の製薬学的に許容可能な賦形剤、例えば1種もしくはそれ以上の潤滑剤、滑り剤、充填剤、界面活性剤もしくは湿潤剤、追加の1種もしくは複数の崩壊剤、追加の結合剤など、および/または(ii)別の活性な製薬学的成分、例えばプソイドエフェドリン、ヒドロコドン、オキシコドン、ジフェンヒドラミンなどと容易に混和されうることである。
【0008】
本発明の顆粒を製造するために、本発明の方法は
a)微細に分割されたイブプロフェンおよび少なくとも1種の微細に分割された製薬学的に許容可能な超崩壊剤から混合物を製造するか、またはそれらの混合物を得、
b)a)からの混合物を気体状の流動化剤を用いて流動化し、それによりイブプロフェンおよび少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤から構成される実質的に均質な乾
燥混合物を製造し、
c)b)で製造される均質な乾燥混合物を加熱された気体状の流動化剤を用いて流動化し、流動化された混合物上に該超崩壊剤とは異なる少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤の水溶液、分散液または懸濁液を噴霧して、イブプロフェン、少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤、および少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤とは異なる少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤から構成される湿った顆粒を製造し、そして
d)c)からの湿った顆粒を加熱された気体状の流動化剤を用いて流動化し(好ましくは連続的に流動化し)、顆粒の重量を基準として5重量%より少ない(好ましくは2重量%より少ない)水分含有量を有する顆粒を製造する
ことを含んでなる。好ましくは、微細に分割されたイブプロフェン、使用される少なくとも1種の微細に分割された製薬学的に許容可能な超崩壊剤、および使用される少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤のそれぞれの量は、(i)顆粒の乾燥重量を基準として約85〜約95重量%の範囲内のイブプロフェン、(ii)顆粒の乾燥重量を基準として約0.5〜約10重量%の範囲内(好ましくは約1〜約5重量%の範囲内)の少なくとも1種の超崩壊剤、および(iii)顆粒の乾燥重量を基準として約2〜約14.5重量%の範囲内(好ましくは約5〜約10重量%の範囲内)の少なくとも1種の結合剤を含有する顆粒を与えるようなものである。
【0009】
湿潤剤(すなわち、少なくとも1種の湿潤剤)を含有する本発明の顆粒を製造する時には、流動化された混合物上に別個におよび/または組み合わせて(i)少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤の該水溶液、分散液、または懸濁液および(ii)少なくとも1種の製薬学的に許容可能な湿潤剤の水溶液、分散液、または懸濁液を噴霧して湿った顆粒を製造することによりc)を行い、そしてここで使用されるそれぞれの量が顆粒の乾燥重量を基準として約0.01〜約2.0重量%の範囲内(好ましくは約0.01〜約0.2重量%の範囲内)の該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な湿潤剤をさらに含有する顆粒を製造する上記の方法が使用される。
【0010】
ここでいずれかの箇所で使用される際に、用語「微細に分割された」は、本発明の方法を実施する時に例えば乾燥空気の如き気体状の流動化剤により粒子が流動化されるのに充分なほど小さいことを意味する。粒子が構成される物質の密度および流動化中に使用される気体流の速度が粒子の流動化能力に影響を与えるであろうため、流動化目的に関しては「微細に分割された」および「微細に分割されていない」の間には数理的に正確な、厳しいそして堅固な分割線はない。それ故、流動化技術の専門家が「微細に分割された」とみなすであろうものをみなすべきである。ここに含まれるタイプの多分ほとんどの粉末状または微小化物質は微細に分割されていた。いずれかの疑わしい場合には、関連する操作条件(例えば、気体組成、気体速度、気体温度)下での簡単な研究室流動化試験がこの開示の意味内でいずれかの指定された物質または物質の混合物が「微細に分割された」かどうかに関して判断を可能にするであろう。
【0011】
本発明の他の態様、特徴および利点は次の記述および添付の特許請求の範囲からさらに明らかになるであろう。
【0012】
発明のさらに詳細な記述
上記のように、本発明の顆粒はイブプロフェン、少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤、および超崩壊剤とは異なる化学物質である少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤の存在を必要とする。好ましくは、顆粒は製薬学的に許容可能な湿潤剤も含有する。本発明の顆粒は典型的には顆粒の合計乾燥重量を基準として約85〜約95重量%の範囲内のイブプロフェンを含有する。本発明の好ましい顆粒は顆粒の合計乾燥重量を基準として約88〜約92重量%の範囲内のイブプロフェンを含有する。
【0013】
製薬学的に許容可能な超崩壊剤
超崩壊剤は、水中で膨潤して容量を約200%もしくはそれ以上増加させる崩壊剤である。本発明の顆粒の製造において使用できる適当な超崩壊剤には、例えばクロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、およびナトリウム澱粉グリコレートの如き物質がある。好ましい超崩壊剤はクロスカルメロースナトリウムおよびナトリウム澱粉グリコレートであり、ナトリウム澱粉グリコレートが特に好ましい。本発明の顆粒の製造においては、1種もしくはそれ以上の超崩壊剤が典型的には顆粒の合計乾燥重量を基準として約0.5〜約10重量%の範囲内の、そして好ましくは約1〜約5重量%の範囲内の、量で使用される。しかしながら、クロスカルメロースナトリウムを使用する場合には0.5〜約3重量%の範囲内のそして好ましくは約0.5〜約2重量%の範囲内の量が必要なすべであり、そしてそのような量でのこの超崩壊剤の使用が比較的高いクロスカルメロースナトリウムの価格の観点で有利である。対照的に、ナトリウム澱粉グリコレートは実質的にそれより安価でありそしてそれは同様な低薬用量水準において非常に有効であるがそれはそのより安い価格のためにクロスカルメロースナトリウムと比べてより高い濃度で使用することができる。
【0014】
製薬学的に許容可能な結合剤
この顆粒中で使用される結合剤は、直接的に圧縮可能な製薬学的調合物中での使用に適することが当該技術で知られているものから選択することができる。そのような結合剤の適する例には、澱粉類、セルロース類、および糖類がある。より具体的には、結合剤は予備ゼラチン化された澱粉、微結晶性セルロース、ラクトース、トウモロコシ澱粉、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、ゼラチン、トウモロコシ甘味剤、アラビアゴム(acacia)、ナトリウムアルガナート(sodium alganate)、カルボキシメチルセルロース、およびワックス類でありうる。澱粉および予備ゼラチン化された澱粉が好ましい結合剤である。本発明の顆粒の製造では、1種もしくはそれ以上のそのような結合剤は典型的には顆粒の合計乾燥重量を基準として約2〜約14.5重量%の範囲内の、そして好ましくは約5〜約10重量%の範囲内の量で使用される。
【0015】
製薬学的に許容可能な湿潤剤
本発明の好ましい態様では、少なくとも1種の製薬学的に許容可能な湿潤剤が本発明の顆粒の製造において使用されるかまたはその中に存在する。そのような使用に適する湿潤剤には、ソルビタンモノオレイン酸ポリオキシエチレン、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリエトキシル化されたひまし油、ポリエトキシル化された水素化されたひまし油などが包含される。使用できる市販の湿潤剤は、クレモフォル(Cremophor)、ミルジ(Myrj)、ポリオキシル40ステアレート(Polyoxyl 40 stearate)、エメレスト(Emerest)2675、リパル(Lipal)395、およびPEG3350の如きそのような商業的表示で知られる製品を包含する。好ましい湿潤剤はポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、例えばソルビタンモノオレイン酸ポリオキシエチレン、特に種々の供給業者から市販されておりそして化学的にソルビタンモノオレイン酸ポリオキシエチレン20と称されるポリソルベート(Polysorbate)80(CAS9005−65−6)である。本発明の好ましい顆粒の製造では、1種もしくはそれ以上のそのような湿潤剤は典型的には、両者とも顆粒の合計乾燥重量を基準として、約0.01〜約2.0重量%の範囲内のそして好ましくは約0.01〜約0.2重量%の範囲内の量で使用される。顆粒の合計乾燥重量を基準として約0.01〜約0.2重量%の範囲内の量(特に約0.02重量%の量)のポリソルベート80の使用が好ましい態様である。ポリソルベート80より有効でない湿潤剤に関しては顆粒の合計乾燥重量を基準として約0.05〜約0.2重量%の範囲内の量が推奨される。
【0016】
製薬学的に許容可能な滑り剤
本発明の好ましい態様では、少なくとも1種の製薬学的に許容可能な滑り剤が本発明の顆粒の製造において使用されそしてその中に存在する。そのような滑り剤の非限定例は、微細に分割された(すなわち、粉末状の)物質、例えばタルク、シリカ、トウモロコシ澱粉、微結晶性セルロース、ステアリン酸、および無毒のステアリン酸金属塩、またはこのタイプの物質の混合物である。粉末状の(微細な)珪素質物質、例えばタルク、沈殿シリカおよびヒュームドシリカ、が好ましい。ヒュームドシリカがより好ましい。一般的に述べると、使用される場合には、滑り剤の使用量はそれぞれが最終的な滑り剤で処理された生成物の重量を基準として約0.01〜約0.5重量%の範囲内、望ましくは約0.01〜約0.1重量%の範囲内、そしてヒュームドシリカほど有効でない滑り剤の場合には、望ましくは約0.02〜約0.5重量%の範囲内にある。ヒュームドシリカは、最終的な滑り剤で処理された生成物の重量を基準として約0.02〜約0.1重量%の範囲内の量で使用される時に、非常に有効であるが、ヒュームドシリカを最終的な滑り剤で処理された生成物の重量を基準として約0.01〜約0.05重量%の範囲内で、例えば最終的な滑り剤で処理された生成物の重量を基準として約0.02重量%で使用することが好ましい。
【0017】
本発明の顆粒の「乾燥重量」は、カールフィッシャー滴定により測定した内部の水の重量により減じられる顆粒の重量を意味する。換言すると、顆粒の重量からそのような顆粒に対して行われるカールフィッシャー滴定により測定した内部に存在する水の重量が引き算される。
【0018】
それ故、顆粒の合計乾燥重量を基準としたイブプロフェンの重量百分率を測定するためには、2回の測定が必要である。最初に、顆粒内のイブプロフェンの見掛け百分率を測定するために顆粒の特定バッチをHPLCによる検定測定にかける。次に、カールフィッシャー滴定を顆粒の同じバッチに対して行って顆粒の水含有量を測定する。次に、顆粒内の水の重量を考慮に入れることにより顆粒内のイブプロフェンの見掛け重量を数理的に調節する。例えば、HPLCによる検定測定時の本発明の顆粒のバッチが90.0重量%のイブプロフェンの存在を示しそしてカールフィッシャー滴定時に顆粒の同じバッチが実質的に同時に2重量%の水含有量を有する場合には、乾燥重量基準の顆粒内のイブプロフェンの百分率は90.0/(100%−2%)すなわち91.8重量%である。
【0019】
「乾燥重量」は、イブプロフェン以外の本発明の顆粒の成分に適用される時には、もしあっても、顆粒の製造で使用されるその水含有量に関して補正された化合物の重量を基準としたイブプロフェン以外の成分の標的重量百分率を意味する。例えば、使用される超崩壊剤が例えばカールフィッシャー滴定により3重量%の水を含有することがわかっている場合には、そのような水含有量を補正するために使用される崩壊剤の量は1/0.97すなわち1.03に増加されるであろう。それ故、本発明の目的のためにはこの場合の乾燥重量はその成分の補正された標的重量である。
【0020】
顆粒の製造
本発明の顆粒を効果的に製造するためには、本発明の好ましい流動床造粒方法を使用することが望ましい。この方法は、顆粒の製造において湿潤剤を使用しない時には、下記の段階:
a)微細に分割されたイブプロフェンおよび少なくとも1種の微細に分割された製薬学的に許容可能な超崩壊剤から混合物を製造するか、またはそれらの混合物を得、
b)a)からの混合物を気体状の流動化剤を用いて流動化し、それによりイブプロフェンおよび少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤から構成される実質的に均質な乾燥混合物を製造し、
c)b)で製造される均質な乾燥混合物を加熱された気体状の流動化剤、例えば除湿され
た空気を用いて流動化し、流動化された混合物上に少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤の水溶液、分散液または懸濁液を噴霧し、そして
d)c)からの湿った顆粒を加熱された気体状の流動化剤、例えば除湿された空気を用いて流動化して、顆粒の重量を基準として5重量%より少ない、そしてより好ましくは2重量%より少ない水分含有量を有する顆粒を製造する
ことを含んでなり、微細に分割されたイブプロフェン、使用される少なくとも1種の微細に分割された製薬学的に許容可能な超崩壊剤、および使用される少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤のそれぞれの量は、(i)約85〜約95重量%の範囲内のイブプロフェン、(ii)約0.5〜約10重量%の範囲内の、そしてより好ましくは約1〜約5重量%の少なくとも1種の超崩壊剤、および(iii)約2〜約14.5重量%の範囲内の、そしてより好ましくは約5〜約10重量%の範囲内の少なくとも1種の結合剤を含有する顆粒を与えるように割り当てられ、上記の重量百分率はそれぞれ顆粒の乾燥重量を基準とする。
【0021】
上記のb)、c)、およびd)においては、それぞれ、b)において、c)において存在する化合物の中に、並びにd)において湿ったおよび乾燥した顆粒の中に存在する各成分に対して不活性であり且つd)における乾燥顆粒の製造を妨害しないであろういずれかの気体状の流動化剤を使用することができる。使用できる気体状の流動化剤のいくつかの非限定例は、空気、窒素、酸素、アルゴン、クリプトン、ネオン、および窒素もしくは他のそのような不活性気体に富んだ空気、またはそのような気体の混合物を包含する。少なくともc)およびd)において、そして望ましくはb)においても、b)、c)、およびd)のそれぞれの操作中に存在する流動化された固体の蒸発および乾燥を促進させるために気体状の流動化剤は乾燥すべきである。費用効果基準で好ましい気体状の流動化剤は除湿された空気である。実施する際に2種類もしくは3種類の気体状の流動化剤をそれぞれb)、c)、およびd)を使用することができるが、b)、c)、およびd)における同種類の気体状の流動化剤はそれが全体的な操作を簡単にするため望ましいようである。
【0022】
上記方法を実施する際に使用される除湿された空気の如き加熱された入り口の気体状の流動化剤の1つもしくは複数の温度は妥当な限度内で変動しうる。典型的には、それぞれの流動化段階b)、c)、およびd)におけるそのような入り口気体(例えば、空気)温度は約20〜約80℃の範囲内のそして好ましくは約50〜約80℃の範囲内のそしてより好ましくは約60〜約75℃の範囲内の温度であろう。これらのそれぞれの流動化段階の1つもしくはそれ以上の実施中に、入り口気体(例えば、空気)温度は、それが上記範囲内に実質的に留まる限り、上昇もしくは低下または両方を行うことができる。また、いずれかの指定された流動化段階における使用のために選択される1つもしくは複数の入り口気体(例えば、空気)温度は他の流動化段階において使用される1つもしくは複数の温度と異なりうる。換言すると、流動化段階用に使用される入り口気体(例えば、空気)温度は互いに独立しており、従って全てが同一であってもよくまたは1つもしくはそれ以上の差異も包含しうる。好ましくは、段階c)を実施する際には入り口気体温度は流動床水分含有量を約12〜約20重量%の範囲内に保つように選択される。従って、段階c)を実施する際に、流動床中の顆粒の水分含有量を連続的に監視し、入り口気体(例えば、空気)の温度を連続的に監視し、そして必要に応じて流動床の顆粒の水分含有量を約12〜約20重量%の望ましい範囲内に保つように入り口気体(例えば、空気)の温度を調節することが望ましい。少なくとも約20分間の期間にわたり、そして好ましくは少なくとも約30分間の期間にわたり、顆粒の水分含有量をこの望ましい範囲内に保つことにより、生じた顆粒の強度性質は高められそして微細物の量は減じられる。段階a)において混合物が生成する際の温度は、イブプロフェンが約75℃を超える温度まで溶融または熱分解が起きるのに充分な長さにわたり加熱されない限り、厳密でない。
【0023】
特許請求の範囲を包含する本明細書中のいずれかにある流動床の顆粒の水分含有量に関
する言及は、流動床に挿入された試料採取口から20グラム試料をそれを流動化条件下にある間に取り出すことにより測定された粒子の平均水分含有量に関する。この20グラム試料から2個の0.5グラム試料が無作為に分析用に取り出された。これらの後者の試料をカールフィッシャー滴定にかけそして得られた値を一緒に平均化した。
【0024】
少量の湿潤剤を含有する本発明の好ましい顆粒を製造するために、本発明の下記の流動床造粒方法が好ましく使用される。1種もしくはそれ以上の湿潤剤の包含のために、この好ましい方法は下記の段階:
a)微細に分割されたイブプロフェンおよび少なくとも1種の微細に分割された製薬学的に許容可能な超崩壊剤から混合物を製造するか、またはそれらの混合物を得、
b)a)からの混合物を気体状の流動化剤を用いて流動化し、それによりイブプロフェンおよび少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤から構成される実質的に均質な乾燥混合物を製造し、
c)b)で製造される均質な乾燥混合物を加熱された気体状の流動化剤、例えば除湿された空気、を用いて流動化し、流動化された混合物上に別個におよび/または組み合わせて(i)少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤の水溶液、分散液または懸濁液および(ii)少なくとも1種の製薬学的に許容可能な湿潤剤の水溶液、分散液または懸濁液を噴霧して、湿った顆粒を製造し、
d)c)からの湿った顆粒を加熱された気体状の流動化剤、例えば除湿された空気を用いて流動化して、顆粒の重量を基準として5重量%より少ない、そしてより好ましくは2重量%より少ない水分含有量を有する顆粒を製造する
ことを含んでなり、微細に分割されたイブプロフェン、使用される少なくとも1種の微細に分割された製薬学的に許容可能な超崩壊剤、および使用される少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤のそれぞれの量は、(i)約85〜約95重量%の範囲内のイブプロフェン、(ii)約0.5〜約10重量%の範囲内の、そして好ましくは約1〜約5重量%の範囲内の少なくとも1種の超崩壊剤、(iii)約2〜約14.5重量%の範囲内の、そして好ましくは約5〜約10重量%の範囲内の少なくとも1種の結合剤、および(iv)約0.01〜約2.0重量%の範囲内、そして好ましくは約0.01〜約0.2重量%の範囲内の少なくとも1種の湿潤剤を含有する顆粒を与えるように割り当てられ、前記の重量百分率はそれぞれ顆粒の乾燥重量を基準とする。上記方法の段階c)を実施する際には、顆粒上に少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤の溶液、分散液、または懸濁液を噴霧し、引き続き少なくとも1種の製薬学的に許容可能な湿潤剤の溶液、分散液、または懸濁液を噴霧することが好ましい。この方法で、湿潤剤は顆粒の外表面上に留まる傾向があり、それが水中での顆粒の溶解を助ける。
【0025】
上記のb)、c)、およびd)においては、それぞれ、b)において、c)において存在する化合物の中に、並びにd)において湿ったおよび乾燥した顆粒の中に存在する各成分に対して不活性であり且つd)における乾燥顆粒の製造を妨害しないであろういずれかの気体状の流動化剤を使用することができる。使用できる気体状の流動化剤のいくつかの非限定例は、空気、窒素、酸素、アルゴン、クリプトン、ネオン、および窒素もしくは他のそのような不活性気体に富んだ空気、またはそのような気体の混合物を包含する。少なくともc)およびd)において、そして望ましくはb)においても、b)、c)、およびd)のそれぞれの操作中に存在する流動化された固体の蒸発および乾燥を促進させるために気体状の流動化剤は乾燥すべきである。費用効果基準で好ましい気体状の流動化剤は除湿された空気である。実施する際に2種類もしくは3種類の気体状の流動化剤をそれぞれb)、c)、およびd)を使用することができるが、b)、c)、およびd)における同種類の気体状の流動化剤はそれが全体的な操作を簡単にするため望ましいようである。
【0026】
上記方法を実施する際に使用される除湿された空気の如き加熱された入り口の気体状の流動化剤の1つもしくは複数の温度は妥当な限度内で変動しうる。典型的には、それぞれ
の流動化段階b)、c)、およびd)におけるそのような入り口気体(例えば、空気)温度は約20〜約80℃の範囲内のそして好ましくは約50〜約80℃の範囲内のそしてより好ましくは約60〜約75℃の範囲内の温度であろう。これらのそれぞれの流動化段階の1つもしくはそれ以上の実施中に、入り口気体(例えば、空気)温度は、それが上記範囲内に実質的に留まる限り、上昇もしくは低下または両方を行うことができる。また、いずれかの指定された流動化段階における使用のために選択される1つもしくは複数の入り口気体(例えば、空気)温度は他の流動化段階において使用される1つもしくは複数の温度と異なりうる。換言すると、流動化段階用に使用される入り口気体(例えば、空気)温度は互いに独立しており、従って全てが同一であってもよくまたは1つもしくはそれ以上の差異も包含しうる。好ましくは、段階c)を実施する際には入り口気体温度は流動床水分含有量を約12〜約20重量%の範囲内に保つように選択される。従って、段階c)を実施する際に、流動床中の顆粒の水分含有量を連続的に監視し、入り口気体(例えば、空気)の温度を連続的に監視し、そして必要に応じて流動床の顆粒の水分含有量を約12〜約20重量%の望ましい範囲内に保つように入り口気体(例えば、空気)の温度を調節することが望ましい。少なくとも約20分間の期間にわたり、そして好ましくは少なくとも約30分間の期間にわたり、顆粒の水分含有量をこの望ましい範囲内に保つことにより、生じた顆粒の強度性質は高められそして微細物の量は減じられる。約60分を越える時間は有意の追加の利益を与えない。今日までの経験によれば、最大の強度及び最少の微細物含有量を有する顆粒は流動床中の顆粒の水分含有量を約30〜約60分間の範囲内の時間の間約17〜約20ml%の範囲内に保持することにより製造されることが示された。段階a)において混合物が生成する際の温度は、イブプロフェンが約75℃を超える温度まで熱分解が起きるのに充分な長さにわたり加熱されない限り、厳密でない。
【0027】
湿潤剤を含んでまたは含まないで本発明の方法を実施する際には、そのような比較的高い入り口空気温度における時間の間隔がイブプロフェンの認識可能な溶融または認識可能な熱分解をもたらさないほど充分に短い限り、約80℃より高い入り口空気温度における一時的な上昇は許容されそして本発明の範囲内である。同様に、約20℃より低い温度の低下も普通は害をもたらさないであろうが、乾燥した除湿空気の使用を含む指定された操作を行うのに必要な時間の長さを増加させるであろう。
【0028】
場合により、上記のようにして製造された顆粒は、湿潤剤を用いてまたは用いなくても、所望するものより大きいおよび小さい粒子を除去するためにふるいにかける。典型的には、ふるいかけ後の本発明の顆粒は米国標準番号16メッシュスクリーンを通りそして米国標準番号200メッシュスクリーン上に残るであろう。本発明の好ましい顆粒は米国標準番号20メッシュスクリーンを通りそして米国標準番号150メッシュスクリーン上に残るであろう。
【0029】
本発明は、また、(i)本発明の顆粒の流動性を改良し、または(ii)その後の取り扱いすなわち配合操作中の顆粒の摩擦を減少させ、または(iii)(i)および(ii)の両者をもたらす方法も提供する。さらに、この方法は湿潤剤を用いてまたは用いずに製造された本発明の顆粒にも同等に良く適用される。これらの目的を達成するための方法は、滑り剤、すなわち少なくとも1種の微細に分割された(すなわち、粉末状の)滑り剤、例えばヒュームドシリカ、沈殿シリカ、またはタルクを上記のようにして製造された顆粒に加えそして生じた混合物を、好ましくは顆粒の構造を認識できるほど破壊しない物理的混合工程の使用により配合することを含む。そのような混合工程を行うために好ましい装置は転回配合器、例えば二重円錐配合器、V−形状配合器などである。一般的に述べると、例えばヒュームドシリカの如き滑り剤の使用量は各々最終的な滑り剤で処理された生成物の重量を基準として約0.01〜0.5重量%の範囲内、望ましくは約0.01〜0.1重量%の範囲内、そしてヒュームドシリカほど有効でない滑り剤の場合には望ましくは約0.02〜0.5重量%の範囲内にある。ヒュームドシリカは最終的な滑り剤で処理された生成物の重量を基準として約0.02〜0.1重量%の範囲内の量で使用される時に非常に有効であるが、ヒュームドシリカを最終的な滑り剤で処理された生成物の重量を基準として約0.01〜0.05重量%の範囲内、例えば約0.02重量%で使用することが好ましい。この操作を行う際には、これまでに知られていない場合には、前記の混合工程を一定期間にわたり行い、引き続き既知量の添加された滑り剤、例えば、ヒュームドシリカから製造された混合生成物の試料の流動性を測定することにより、所望する流動性の改良を達成するために使用される時間を容易に決めることができる。混合生成物が依然として所望する流動性を達成しない場合には、混合をさらなる時間にわたり続けそして別の試料を取り出しそして流動性測定にかける。そのような工程は必要に応じて多数回繰り返すことができ、それによりその量の滑り剤を添加してそしてそのタイプの混合装置を用いる時の顆粒のそのタイプに関して使用される合計期間を設定することができる。そのような操作が所望する流動性を有する生成物の製造をもたらさない場合には、顆粒に対する既知の増加量の滑り剤、例えばヒュームドシリカの添加後に前記の工程を繰り返すべきである。
【0030】
本発明の別の好ましい態様は、本発明の顆粒を製造するための本発明の方法における粉末状の珪素質滑り剤、例えばタルク、沈殿シリカ、および特にヒュームドシリカの使用を含む。使用量は、完成顆粒がそのような湿潤剤を顆粒の合計乾燥重量を基準として約0.01〜約0.05重量%の範囲内の量で含有するようなものである。
【0031】
本発明の顆粒の製造における使用に好ましい工程は流動床造粒器および配合器の使用を含む。適するタイプの流動床造粒器、例えばグラット・エア・テクニクス・インコーポレーテッド(Glatt Air Techniques, Inc.)、にイブプロフェン、最も好ましくはナトリウム澱粉グリコレートである超崩壊剤、および場合により少割合の結合剤、最も好ましくは予備ゼラチン化された澱粉を充填する。結合剤として予備ゼラチン化された澱粉を使用する時には、顆粒の合計乾燥重量を基準として約3重量%まで、そしてより好ましくは約1重量%までの量のものを造粒器に加えることができる。物質を充分に配合されるまで流動化する。顆粒の合計乾燥重量を基準として7〜約14重量%の範囲内(予め加えられた結合剤を含む)の量を水中に高剪断ミキサーを用いて分散させて約5〜約10重量%の間の予備ゼラチン化された澱粉を含有するスラリーを製造する。好ましくは、水分散液は約8重量%の予備ゼラチン化された澱粉結合剤の濃度を有する。流動化を続けながら、分散液を次にイブプロフェン、ナトリウム澱粉グリコレート、および予備ゼラチン化された澱粉混合物の流動床の上に、約12〜約22重量%の間の範囲内の粉末床水分を維持するのに充分な速度で、約10分間〜約60分間のそして好ましくは約20分間〜約50分間の期間にわたり噴霧する。噴霧速度の他に、別の操作変数、例えば入り口空気温度、空気湿潤気泡温度、および空気流速、が全て所望する水分範囲および期間を維持するために調節できる要素である。澱粉溶液の噴霧の完了直後に、湿潤剤、好ましくはポリソルベート溶液、の噴霧が開始される。この噴霧は顆粒の合計乾燥重量を基準として全部で約0.01〜約2重量%の範囲内の湿潤剤を与えるべきである。湿潤剤の噴霧の完了後に、流動床操作を2重量%の水分水準に達するまで続けそして次に造粒器の操作を終了させる。造粒器ボールの内容物を、16メッシュスクリーンを装備したシーバー/シェーカー(スウェコ(Sweco)、M−IL.L.C.部門により製作された)を通してふるいかけされる。ふるいかけ段階中に、必要なら、微細メッシュスクリーン、例えば米国標準200メッシュスクリーンをシェーカー上に設置して過剰の微粒子を除去することもできる。ふるいかけされた物質を次に適当な寸法の配合器に移し、引き続き滑り剤、好ましくはヒュームドシリカを添加し、そして混合物を配合して完成顆粒を製造する。
【0032】
従って、本発明はとりわけ、(i)イブプロフェンおよび少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤を流動床内で一緒に混合して混合物を製造しそして(ii)該超崩壊剤とは異なる製薬学的に許容可能な結合剤を該混合物に噴霧してイブプロフェン、該少なくとも1種の超崩壊剤、および該少なくとも1種の結合剤を含んでなる顆粒を製造する方法により製造される製薬学的組成物を提供する。同様に、本発明は、とりわけ、(i)流
動床内でイブプロフェンおよび少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤を一緒に混合して混合物を製造しそして(ii)該混合物に該超崩壊剤とは異なる製薬学的に許容可能な結合剤を噴霧してイブプロフェン、該少なくとも1種の超崩壊剤、および該少なくとも1種の結合剤を含んでなる顆粒を製造する製薬学的組成物を製造する方法を提供する。
【0033】
本発明の好ましい顆粒状の製薬学的組成物は本質的に約85〜95重量%のイブプロフェン、約1〜5重量%の少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤、約5〜10重量%の該超崩壊剤とは異なる少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤、および約0.01〜2.0重量%の少なくとも1種の製薬学的に許容可能な湿潤剤よりなる。
【0034】
湿潤造粒方法から誘導されそしてイブプロフェン、少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤、および少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤を含有する製薬学的組成物も、本発明により提供される。上記のように、そのような組成物は5重量%より少ない、そして好ましくは2重量%より少ない水を含有する。
【0035】
顆粒の使用
本発明の顆粒は種々の薬用量形態で使用することができる。1つのそのような態様では、顆粒を例えばゼラチンカプセルの如きカプセルの中に包装する。他の態様では、例えば錠剤、カプレット剤、ディスク剤、ロゼンジ剤などの如き固体の薬用量形態を製造するために顆粒を圧縮にかける。
【0036】
典型的には、本発明の顆粒および1種もしくはそれ以上の他の活性な製薬学的成分を含有する本発明の顆粒を用いて製造される本発明の固体の薬用量形態は、乾燥重量基準で少なくとも約20重量%のイブプロフェン含有量を有するであろう。好ましい顆粒および1種もしくはそれ以上の他の活性な製薬学的成分を含有する本発明の固体の薬用量形態は、乾燥重量基準で少なくとも約50重量%のイブプロフェン含有量を有するであろう。
【0037】
本発明の顆粒はカプセルに直接充填するために使用することができる。それらの優れた自由流動特性のために、そのような操作は非常に効率的に行うことができる。さらに、それらの特性、例えば密度および寸法分布のために、カプセルは最少の空隙を有するように容積が容易に充填されうる。
【0038】
本発明の顆粒に関する別の用途は錠剤および他の固体の薬用量形態の製造におけるものである。そのような薬用量形態を製造する際には、顆粒を典型的には1種もしくはそれ以上の追加の製薬学的に許容可能な賦形剤と配合する。適する賦形剤の中には、例えば充填剤、崩壊剤、潤滑剤、滑り剤、結合剤、防腐剤などの如き物質がある。本発明の非常に有利な特徴は、顆粒の全体的な組成および物理的特性のために、そのような追加の賦形剤の量を最少にすることができる。ポリビニルピロリドン(PVP)はイブプロフェンとの混合時に低融点共晶を生成するその傾向のために本発明の顆粒中では使用されないが、低融点共晶の生成をもたらすのに充分な熱の発生なしに製造される固体の薬用量形態の調合物中ではPVPを使用することができる。固体の薬用量形態の製造において使用される多くの錠剤製造および他の圧縮操作は圧縮中にかなりの熱を発生する傾向があるため、錠剤、カプレット剤、ディスク剤、ロゼンジ剤などの製造におけるPVPの使用はそのような固体の薬用量形態の製造において使用される装置が圧縮操作中に大量の熱を発生しない場合に限定されるべきである。
【0039】
顆粒の別の使用は、イブプロフェンと少なくとも1種の活性な製薬学的成分との組み合わせを基にした薬品の製造におけるものである。高いイブプロフェン含有量および制限された数の賦形剤により、顆粒は他の活性成分との配合を受けやすくなる。そのような活性
成分の例は、抗ヒスタミン薬、うっ血除去薬、鎮咳薬、および他の鎮痛薬、筋肉弛緩薬などである。
【0040】
以下の実施例は本発明の実施を説明するものである。それらは本発明の特有な性質を限定することを意図せずそして限定するものとみなすべきでない。実施例において、固体の薬用量形態の硬度はディステク・タブレット・ハードネス・テスター(Distek Tablet Hardness Tester)を用いて測定され、固体の薬用量形態の溶解時間はSRPlus溶解テスター(ハンソン・リサーチ(Hanson Research))を用いるUSPXXIに示された試験方法を用いて測定された。固体の薬用量形態の脆さは20個の固体の服用量単位を用いるディステク・フライアビュレーター(Distek Friabulator)モデルDF−3上で測定された。
【実施例】
【0041】
実施例1
本発明の顆粒の製造
GPCG300流動床造粒器(グラット・エア・テクニックス・インコーポレーテッド(Glatt Air Techniques, Inc.)、ラムゼー、ニュージャージー州)のボールに下記の成分を示された量で充填することにより300kgバッチの本発明の顆粒を製造する:270kgのイブプロフェン40ミクロン等級(アルベマーレ・コーポレーション(Albemarle Corporation))、6kgのナトリウム澱粉グリコレート(エクスプロタブ・ロウ・PH(Explotab Low PH))、および2.88kgの予備ゼラチン化された澱粉であるユニ−ピュア(Uni−Pure)WG220(ナショナル・スターチ・カンパニー(National Starch Co.))。充填前に、生成物を塊にしないためにイブプロフェンを米国標準16メッシュスクリーンを装備したスウェコふるいに通す。前記成分をボールに充填した後に、造粒器を作動させてボールの内容物を撹拌しそしてボール混合物を流動化するのに充分なボールの網目状の底を通して上方に流れる空気流と混合する。21kgのユニ−ピュアWG220である予備ゼラチン化された澱粉を241.5kgの水中でスラリー化して8重量%溶液を製造することにより、結合剤を製造する。この溶液を流動化されたボール混合物の上に毎分1〜4kgの範囲内の割合で噴霧する。この時間の間に、ボールに入る空気流の割合は毎分約2000〜約5000立方フィートの範囲内に保たれ、そして入り口空気温度は約50〜約75℃の範囲内に保たれる。澱粉溶液の噴霧を完了したら、湿潤剤の溶液の噴霧を開始する。この湿潤剤溶液は0.06kgのポリソルベート80を6kgの水と混合することにより製造されそして毎分1〜2kgの割合で噴霧される。ポリソルベート溶液の噴霧を完了した後に、約2.0重量%の水分水準に達するまで流動化操作を続ける。ボールの内容物を米国標準16メッシュスクリーンを装備したシーバー/シェーカー(スウェコ)の中に廃棄して、大きすぎる寸法の塊を除去する。ふるいかけした物質を次に配合器内に移し、その中に.06kgのふるいかけしたヒュームドシリカ(アエロシル(AEROSIL)200;デグッサ(Degussa)AG)を加えそして配合して、高い硬度、短い崩壊時間および迅速な溶解速度を有する製薬学的に許容可能な固体の薬用量形態に直接成型できる自由流動性の粒状イブプロフェン−含有顆粒組成物を製造する。表1はこれらの粒子の組成をまとめている。
【0042】
【表1】

【0043】
顆粒の物理的特徴は表2にまとめられている。
【0044】
【表2】

【0045】
表2で報告されたフロデックス値は本発明の顆粒の優れた流動性質を説明する。これらのフロデックス値は、ハンソン・リサーチ・インコーポレーテッド(Hanson Research Incorporated)により製作された流れ測定器具の使用により測定される。ミリメートル単位での値は、顆粒が静止状態で始まりその中を流動しうる最小の円形オリフィスを表す。
【0046】
実施例2
本発明の固体の薬用量形態の製造
固体の薬用量形態を製造する際の本発明の顆粒の有利な性質を説明するために、2種の調合物を製造しそして評価した。1つのそのような調合物は実施例1で製造された粒子を使用して製造された。他の調合物は同様な方法で製造されたが、70ミクロンの平均粒子寸法を有するイブプロフェン粉末を他の成分と一緒に錠剤プレスの中で許容可能な性能を有する調合物を与えるために指定された量で用いた。
【0047】
固体の薬用量形態を製造する際に使用された各調合物の組成は表3に示されている。
【0048】
【表3】

【0049】
表3のそれぞれの調合物の各々から、試験下で2種の調合物の均質な混合物を製造するためにそれぞれの調合物の成分を適当な配合器中で配合することにより、カプレット剤を製造した。これはステアリン酸マグネシウム以外の全ての成分(米国標準20メッシュふるいを通してふるいかけされた)を2立方フィートのツイン・シェル配合器(パターソン・アンド・ケリー(Patterson and Kelly))の中に充填することにより行われそして10分間にわたり配合した。ステアリン酸マグネシウム(これも米国標準20メッシュふるいを通してふるいかけした)を次に配合器に加えそして混合物をさらに5分間にわたり配合した。それぞれの調合物を次に10−ステーション回転錠剤製造プレスの中で圧縮した。各カプレット剤の種々の性質を評価するために生じたカプレット剤を次に評価した。それぞれの固体の薬用量形態の溶解時間および硬度は匹敵していたが、これらの試験の結果は本発明の固体の薬用量形態は比較用の薬用量形態より実質的に大きい脆さ耐性を有したことを示した。特に、20個の錠剤および200回転のためにディステク・フライビュレーター(Distek Friabulator)モデルDF−3を用いると、9−15kPaの範囲内の硬度を有する本発明の固体の薬用量形態は0.19−0.21重量%の脆さを有したが同じ硬度範囲の本発明でない比較用の固体の薬用量形態は0.40−0.72重量%の脆さを有したことが見出された。
【0050】
実施例3
本発明の固体の薬用量形態の製造
実施例2に記載された配合工程を用いて、3種の調合物を製造した。これらの調合物の1種−本発明の調合物−を実施例1で製造された顆粒から製造した。イブプロフェンが70ミクロンの平均粒子寸法を有する粉末形態(アルベマーレ・コーポレーション)であるこれらの調合物の別のもの(調合物A)を製造した。第三の調合物(調合物B)は90ミクロンの平均粒子寸法を有するイブプロフェン(シャンドン・キシンヒュア(Shangdon Xinhua))を用いて製造した。これらの調合物から実施例2に記載された工程を用いて固体の薬用量形態を製造したが、表4に示された成分および割合を用いた。
【0051】
【表4】

【0052】
表4の調合された配合物に関するフロデックス測定は、本発明の組成物が4mmのフロデックス値を与えたことを示した。対照的に、調合物Aに関するフロデックス値は9mmでありそして調合物Bに関するフロデックス値は8mmであった。
【0053】
固体の薬用量形態を表4の調合物から実施例2の通りにして一連の圧縮力を用いて製造しそして次に射出力、カプレット硬度、およびカプレット脆さを測定した。これらの評価の結果は表5にまとめられている。
【0054】
【表5】

【0055】
表5の結果から、本発明の固体の薬用量形態が指定された力に関して優れた性質を有していたことがわかる。脆さ結果は特に顕著である。本発明の他の有利な特徴は個別の固体の薬用量単位の優れた重量均一性である。例えば、実施例1−3における本発明の固体の薬用量単位の各々からの10個の薬用量単位に関する重量測定は米国薬局方(USP)によりプロムメルゲートされた(prommelgated)厳密な耐性水準内に良く一致した。
【0056】
本発明のさらに別の利点は、顆粒が顆粒内に実質的に均一に分散された超崩壊剤を有しそしてこれがまた顆粒中および固体の薬用量形態の製造において使用される他の固体中の両方に超崩壊剤が存在しており且つ実質的に均一に分散されている固体の薬用量形態の製造を可能にすることである。換言すると、生ずる固体の薬用量形態は組成物全体に均一に実質的に分散された少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤を有する(すなわち、超崩壊剤は顆粒内および顆粒外の両方に実質的に均一に分散されている)。超崩壊剤のそのような実質的に均一な分散が、水に対する固体の薬用量形態の添加時に、イブプロフェン(およびそれと会合されていてもよい他の活性な製薬学的活性成分)を急速に溶解させる。顆粒外に均一に分散された超崩壊剤が固体の薬用量形態を急速に破壊しそして同時に細胞内に均一に分散された超崩壊剤が顆粒を急速に破壊し、それによりイブプロフェンを遊離させ、それがまた水中に急速に溶解する。
【0057】
実施例4
本発明の顆粒内の超崩壊剤の実質的に均一な分散を示すために、下記の実験作業を行った。上記の段階に従い顆粒を製造した。顆粒は90重量%のイブプロフェン、7.98重量%の澱粉(ナショナル・スターチによるWG200)、2.0重量%のNa澱粉グリコレート(エクスプロタブ・ロウpH)、および0.02重量%のポリソルベート80(ツイーン(Tween)80)よりなっていた。100グラム試料を20、40、60、80、および200メッシュスクリーンからなる機械的ふるい層の中に入れた。試料を20
分間にわたりふるいかけしそしてふるいかけの結果は表6に示された通りであった。
【0058】
【表6】

【0059】
それぞれのふるいスクリーンの上に保持された物質の量は2欄に示されておりそしてICPにより測定されたNa含有量は3欄に示されている。イブプロフェン中のNa含有量は数ppmだけであり、WG220中のNa含有量は約150ppmである。それ故、Naの大部分は超崩壊剤であるナトリウム澱粉グリコレートから由来する。それ故、種々の寸法片内のNa含有量を監視することがナトリウム澱粉グリコレートの分布を測定する際の良好な方法である。種々の寸法片から測定されたNa濃度は、Na澱粉グリコレートが全ての寸法片中に良く分布されていることを示している。1121ppmの平均、147ppmの標準偏差および13.1%の相対的標準偏差が全ての寸法片で測定されたNa含有量から得られる。この種類のNa分布は、Na澱粉グリコレートがはるかに大きいイブプロフェン顆粒内に配合された場合には、決して起きないであろう。この点については、Na澱粉グリコレートは基本的に200メッシュより大きい寸法の粒子を有しておらずそしてその結果としてふるいかけにより除去されているはずである。
【0060】
下記の作業は、Na澱粉グリコレートが種々の寸法片内に実質的に均一に分布されているだけでなくそれぞれの顆粒状粒子の内外に実質的に均一に分布されていることも示す。エネルギー分散X線分析(SEM/EDX)技術を用いる走査電子顕微鏡を使用して、イブプロフェンの粒子上の(ナトリウム澱粉グリコレートからの)ナトリウムの存在を示した。JOELJSM−6300F電界放出タイプ走査電子顕微鏡を使用した。INCAマイクロ分析ソフトウエアを有するオックスフォード・インスツルメンツ(Oxford Instruments)モデル6731X線検出器を元素地図の作成用に使用した。Bal−TecCED−30炭素蒸発器を用いてそれぞれの寸法片からの試料を炭素の薄膜でコーティングした。電子線を20KVにおいて発生させそしてX線を地図作成に必要な長期間にわたり集めた。寸法片のそれぞれからのx線スペクトルは顆粒内のナトリウムの存在を示した。ナトリウム地図はまたナトリウムが各顆粒内に存在することも示した。地図はナトリウム(およびナトリウム澱粉グリコレート)が実質的に均一な方法で顆粒内に存在することを示す傾向がある。
【0061】
明細書またはその特許請求の範囲のいずれかに化学名または式により言及される成分は、単数形または複数形で言及されるかどうかに拘わらず、それらが化学名または化学タイプにより言及される別の物質(例えば、別の反応物、溶媒、希釈剤など)と接触する前に存在している状態で同定されることを理解すべきである。生じた混合物もしくは溶液または反応媒体中で、もしあっても、予備的な化学変化、転換および/または反応が起きるかどうかは問題ではなく、なぜならばそのような変化、転換および/または反応は指定された反応物および/または成分をこの開示に従い指令される条件下で一緒にすることの当然の結果であるからである。それ故、反応物および他の物質は所望する化学反応の実施に関連してまたは所望する反応を行う際に使用される混合物の製造において一緒にされる成分
として同定される。また、以下の特許請求の範囲が現在形(「含んでなる」、「である」など)で物質、化合物および/または成分を言及しうるとしても、この言及は物質または成分が1種もしくはそれ以上の他の物質または成分と本開示に従い最初に接触、配合または混合される直前に存在する物質または成分をさす。物質または成分がそのような接触、配合または混合操作の工程中にある種の他の化学形態の化学反応もしくは転換または錯体生成もしくは推定によってその元々の同一性(identity)を失うかもしれないことは、それ故、この開示およびその特許請求の範囲の正確な理解および認識にとって全く重要でない。化学名または式による成分の言及は、所望する反応中に成分が反応に実際に入るかまたは別の方法で沈殿する1種もしくはそれ以上の一時的な中間体に転換される可能性を除外するものでない。簡単に述べると、名付けられた成分が反応中にそれらの元々の化学的組成、構造または形態でありながら反応に関与するはずであることを断言されたりまたは推定されない。
【0062】
断らない限り、冠詞「a」または「an」はここで使用される際には特許請求の範囲を冠詞が言及する単独の要素に制限することは意図せずそして制限するものとみなしてはならない。むしろ、冠詞「a」または「an」はここで使用される際には、断らない限り、1種もしくはそれ以上のそのような要素を包括することが意図される。
【0063】
ここで使用される際には、用語「認識可能な」および「認識可能に」は容易に認識されるのに充分であり且つ痕跡量または無意味量より多いが許容できない実体のある量より少ないことを意味する。同様に、用語「実質的に均一な」は物質が顆粒の本体内に充分に分散されて物質が顆粒内に存在しない場合より急速な水中での顆粒の破壊を可能にすることを意味する。
【0064】
本発明はその実施において考えうる変更が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イブプロフェン(ibuprofen)、少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤(super disintegrant)、および少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤を含んでなる製薬学的組成物であって、その結合剤が該超崩壊剤とは異なり、ここで該組成物は該超崩壊剤が実質的に均一に分散されている顆粒の形態にある組成物。
【請求項2】
組成物中で使用される該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤がクロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、およびナトリウム澱粉グリコレートから選択される少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤である請求項1の組成物。
【請求項3】
組成物中で使用される該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムおよびナトリウム澱粉グリコレートから選択される少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤である請求項1の組成物。
【請求項4】
組成物中で使用される該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤が製薬学的に許容可能なナトリウム澱粉グリコレートである請求項1の組成物。
【請求項5】
組成物中で使用される該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤が澱粉類、セルロース類、および糖類から選択される少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤である請求項1の組成物。
【請求項6】
組成物中で使用される該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤が予備ゼラチン化された澱粉、微結晶性セルロース、ラクトース、トウモロコシ澱粉、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、ゼラチン、トウモロコシ甘味剤、アラビアゴム(acacia)、ナトリウムアルガナート(sodium alganate)、カルボキシメチルセルロース、およびワックス類から選択される少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤である請求項1の組成物。
【請求項7】
組成物中で使用される該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤が予備ゼラチン化された澱粉NFである請求項1の組成物。
【請求項8】
組成物中で使用される該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤がクロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、およびナトリウム澱粉グリコレートから選択される少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤であり、そして組成物中で使用される該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤が澱粉類、セルロース類、および糖類から選択される少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤である請求項1の組成物。
【請求項9】
組成物中で使用される該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムおよびナトリウム澱粉グリコレートから選択される少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤である請求項8の組成物。
【請求項10】
組成物中で使用される該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤が製薬学的に許容可能なナトリウム澱粉グリコレートである請求項8の組成物。
【請求項11】
組成物中で使用される該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤がクロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、およびナトリウム澱粉グリコレートから選択される少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤であり、そして組成物中で使用される該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤が予備ゼラチン化された澱粉、微結晶性
セルロース、ラクトース、トウモロコシ澱粉、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、ゼラチン、トウモロコシ甘味剤、アラビアゴム、ナトリウムアルガナート、カルボキシメチルセルロース、およびワックス類から選択される少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤である請求項1の組成物。
【請求項12】
組成物中で使用される該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムおよびナトリウム澱粉グリコレートから選択される少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤である請求項11の組成物。
【請求項13】
組成物中で使用される該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤が製薬学的に許容可能なナトリウム澱粉グリコレートである請求項11の組成物。
【請求項14】
組成物中で使用される該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤がクロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、およびナトリウム澱粉グリコレートから選択される少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤であり、そして組成物中で使用される該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤が予備ゼラチン化された澱粉NFである請求項1の組成物。
【請求項15】
組成物中で使用される該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムおよびナトリウム澱粉グリコレートから選択される少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤である請求項14の組成物。
【請求項16】
組成物中で使用される該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤が製薬学的に許容可能なナトリウム澱粉グリコレートである請求項14の組成物。
【請求項17】
組成物が少なくとも1種の製薬学的に許容可能な湿潤剤をさらに含んでなる請求項1〜16のいずれかの組成物。
【請求項18】
該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な湿潤剤がソルビタンモノオレイン酸ポリオキシエチレン、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリエトキシル化されたひまし油、およびポリエトキシル化された水素化ひまし油から選択される少なくとも1種の製薬学的に許容可能な湿潤剤である請求項17の組成物。
【請求項19】
組成物が少なくとも75重量%のイブプロフェン、0.5〜10重量%の範囲内の該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤、および2〜14.5重量%の範囲内の該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤より構成され、但し該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤がクロスカルメロースナトリウムであるかそれを含み、その量が0.5〜3重量%の範囲内にあり、全てのそのような百分率は該顆粒の乾燥重量を基準とし、そしてここで該顆粒は架橋結合されていないポリビニルピロリドンを欠いている請求項1〜3、5〜9、11、12、14または15のいずれかの組成物。
【請求項20】
該組成物中のイブプロフェンが該顆粒の乾燥重量を基準として85〜95重量%の範囲内の量で存在する請求項19の組成物。
【請求項21】
超崩壊剤がクロスカルメロースナトリウム以外である場合に、該組成物中の少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤が該顆粒の乾燥重量を基準として1〜5重量%の範囲内の量で存在する請求項19の組成物。
【請求項22】
組成物が少なくとも75重量%のイブプロフェン、0.5〜10重量%の範囲内の該少なくとも1種の製薬学的に許容可能なナトリウム澱粉グリコレート、および2〜14.5
重量%の範囲内の該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤より構成され、全てのそのような百分率は該顆粒の乾燥重量を基準とし、そしてここで該顆粒は架橋結合されていないポリビニルピロリドンを欠いている請求項4の組成物。
【請求項23】
該組成物中のイブプロフェンが該顆粒の乾燥重量を基準として85〜95重量%の範囲内の量で存在する請求項22の組成物。
【請求項24】
該組成物中の該製薬学的に許容可能なナトリウム澱粉グリコレートが該顆粒の乾燥重量を基準として1〜5重量%の範囲内の量で存在する請求項22の組成物。
【請求項25】
該組成物中のイブプロフェンが該顆粒の乾燥重量を基準として85〜95重量%の範囲内の量で存在する請求項24の組成物。
【請求項26】
該組成物中の該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤が該顆粒の乾燥重量を基準として5〜10重量%の範囲内の量で存在する請求項22の組成物。
【請求項27】
組成物が少なくとも1種の製薬学的に許容可能な湿潤剤をさらに含んでなる請求項22〜26のいずれかの組成物。
【請求項28】
該組成物中の該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な湿潤剤が該顆粒の乾燥重量を基準として0.01〜2重量%の範囲内の量で存在する請求項27の組成物。
【請求項29】
該組成物中の該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な湿潤剤が該顆粒の乾燥重量を基準として約0.01〜0.2重量%の範囲内の量で存在する請求項27の組成物。
【請求項30】
a)微細に分割されたイブプロフェンおよび少なくとも1種の微細に分割された製薬学的に許容可能な超崩壊剤から混合物を製造するか、またはそれらの混合物を得、
b)a)からの混合物を気体状の流動化剤を用いて流動化し、それによりイブプロフェンおよび少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤から構成される実質的に均質な乾燥混合物を製造し、
c)b)で製造された均質な乾燥混合物を加熱された気体状の流動化剤を用いて流動化し、流動化された混合物上に該超崩壊剤とは異なる少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤の水溶液、分散液または懸濁液を噴霧して、(1)イブプロフェン、(2)少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤、および(3)少なくとも1種の製薬学的に許容可能な超崩壊剤とは異なる少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤から構成される湿った顆粒を製造し、そして
d)c)からの湿った顆粒を加熱された気体状の流動化剤を用いて流動化し、顆粒の重量を基準として5重量%より少ない水分含有量を有する顆粒を製造する
ことを含んでなるイブプロフェンに富む顆粒の製造方法。
【請求項31】
微細に分割されたイブプロフェン、使用される少なくとも1種の微細に分割された製薬学的に許容可能な超崩壊剤、および使用される少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤のそれぞれの量が、(i)顆粒の乾燥重量を基準として約85〜約95重量%の範囲内のイブプロフェン、(ii)顆粒の乾燥重量を基準として約0.5〜約10重量%の範囲内の少なくとも1種の超崩壊剤、および(iii)顆粒の乾燥重量を基準として約2〜約14.5重量%の範囲内の少なくとも1種の結合剤を含有する顆粒を与えるように割り当てられる請求項30の方法。
【請求項32】
d)を行って顆粒の重量を基準として2重量%より少ない水分含有量を有する顆粒を製造する請求項30の方法。
【請求項33】
d)を行って顆粒の重量を基準として2重量%より少ない水分含有量を有する顆粒を製造する請求項31の方法。
【請求項34】
使用される該それぞれの量が1〜5重量%の範囲内の該少なくとも1種の超崩壊剤、および5〜10重量%の範囲内の該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤を含有する顆粒を製造し、前記の重量百分率がそれぞれ顆粒の乾燥重量を基準とする請求項30〜33のいずれかの方法。
【請求項35】
b)、c)、およびd)におけるそれぞれの流動化を20〜80℃の範囲内の独立している温度において行う請求項30〜33のいずれかの方法。
【請求項36】
c)における流動入り口空気温度が12〜20重量%の範囲内の流動床水分含有量を少なくとも20分間にわたり保つ請求項35の方法。
【請求項37】
c)における流動入り口空気温度が12〜20重量%の範囲内の流動床水分含有量を少なくとも30分間にわたり保つ請求項35の方法。
【請求項38】
流動化された混合物上に別個におよび/または組み合わせて(i)少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤の該水溶液、分散液、または懸濁液および(ii)少なくとも1種の製薬学的に許容可能な湿潤剤の水溶液、分散液、または懸濁液を噴霧して湿った顆粒を製造することによりc)を行い、そしてここで使用される該それぞれの量が顆粒の乾燥重量を基準として約0.01〜約2.0重量%の範囲内の該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な湿潤剤をさらに含有する顆粒を製造する請求項30〜33のいずれかの方法。
【請求項39】
使用される該それぞれの量が顆粒の乾燥重量を基準として約0.01〜約0.2重量%の範囲内の該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な湿潤剤をさらに含有する顆粒を製造する請求項38の方法。
【請求項40】
流動化された混合物上に少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤の該水溶液、分散液、または懸濁液を噴霧し、引き続き湿った顆粒上に少なくとも1種の製薬学的に許容可能な湿潤剤の該水溶液、分散液、または懸濁液を噴霧して湿潤剤が顆粒の外表面上に留まる傾向があるようにすることによりc)を行う請求項38の方法。
【請求項41】
b)、c)、およびd)におけるそれぞれの流動化を20〜80℃の範囲内の独立している温度において行う請求項38の方法。
【請求項42】
該範囲が50〜80℃である請求項41の方法。
【請求項43】
該範囲が60〜75℃である請求項41の方法。
【請求項44】
c)における流動入り口空気温度が17〜20重量%の範囲内の流動床水分含有量を30〜60分間の範囲内の期間にわたり保つ請求項38の方法。
【請求項45】
c)における流動入り口空気温度が17〜20重量%の範囲内の流動床水分含有量を30〜60分間の範囲内の期間にわたり保つ請求項40の方法。
【請求項46】
d)で乾燥された顆粒に滑り剤を加え、そして該顆粒の構造を認識可能な程度に破壊することなく滑り剤を該顆粒と物理的に混合することをさらに含んでなる請求項30〜33
のいずれかの方法。
【請求項47】
該滑り剤が少なくとも1種の粉末状シリカ滑り剤でありそしてここで使用されるその量が最終的なシリカ滑り剤処理された生成物の重量を基準として0.01〜0.1重量%の範囲内にある請求項46の方法。
【請求項48】
該滑り剤がヒュームドシリカでありそしてここで使用されるその量が最終的なシリカ滑り剤処理された生成物の重量を基準として0.01〜0.05重量%の範囲内にある請求項46の方法。
【請求項49】
d)を行って顆粒の重量を基準として2重量%より少ない水分含有量を有する顆粒を製造し、ここで使用される該それぞれの量が1〜5重量%の範囲内の該少なくとも1種の超崩壊剤、および5〜10重量%の範囲内の該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤を含有する顆粒を製造し、前記の重量百分率はそれぞれ顆粒の乾燥重量を基準としており、ここでb)、c)、およびd)におけるそれぞれの流動化を20〜80℃の範囲内の独立している温度において行い、ここでc)における流動入り口空気温度が12〜20重量%の範囲内の流動床水分含有量を少なくとも20分間にわたり保ち、ここで流動化された混合物上に別個におよび/または組み合わせて(i)少なくとも1種の製薬学的に許容可能な結合剤の該水溶液、分散液、または懸濁液および(ii)少なくとも1種の製薬学的に許容可能な湿潤剤の水溶液、分散液、または懸濁液を噴霧して湿った顆粒を製造することによりc)を行い、そしてここで使用される該それぞれの量が顆粒の乾燥重量を基準として約0.01〜約2.0重量%の範囲内の該少なくとも1種の製薬学的に許容可能な湿潤剤をさらに含有する顆粒を製造する請求項30〜33のいずれかの方法。
【請求項50】
b)、c)、およびd)におけるそれぞれの流動化を50〜80℃の範囲内の独立している温度において行う請求項49の方法。
【請求項51】
b)、c)、およびd)におけるそれぞれの流動化を60〜75℃の範囲内の独立している温度において行う請求項49の方法。
【請求項52】
c)における流動入り口空気温度が17〜20重量%の範囲内の流動床水分含有量を30〜60分間の範囲内の期間にわたり保つ請求項49の方法。
【請求項53】
d)で乾燥された顆粒に滑り剤を加え、そして該顆粒の構造を認識可能な程度に破壊することなく滑り剤を該顆粒と物理的に混合することをさらに含んでなる請求項49の方法。
【請求項54】
該滑り剤が少なくとも1種の粉末状シリカ滑り剤でありそしてここで使用されるその量が最終的なシリカ滑り剤処理された生成物の重量を基準として0.01〜0.1重量%の範囲内にある請求項53の方法。
【請求項55】
該滑り剤がヒュームドシリカでありそしてここで使用されるその量が最終的なシリカ滑り剤処理された生成物の重量を基準として0.01〜0.05重量%の範囲内にある請求項53の方法。
【請求項56】
顆粒の合計乾燥重量を基準として約0.01〜約0.05重量%の範囲内のヒュームドシリカを含有することを特徴とする請求項46の方法により製造される乾燥顆粒。
【請求項57】
顆粒中に存在するヒュームドシリカの少なくとも50重量%が顆粒の外表面上に存在することをさらに特徴とする請求項56の乾燥顆粒。
【請求項58】
該顆粒が顆粒の合計乾燥重量を基準として約0.01〜約0.05重量%の範囲内のヒュームドシリカを含有する請求項56の乾燥顆粒。
【請求項59】
カプセルに請求項1〜29のいずれかの製薬学的組成物を充填することを含んでなる製薬学的薬用量形態の製造方法。
【請求項60】
該カプセルがゼラチンカプセルである請求項59の方法。
【請求項61】
(A)請求項56〜58のいずれかの乾燥顆粒が少なくとも部分的に充填されたカプセルまたは(B)請求項56〜58のいずれかの乾燥顆粒をその成分として使用して製造される圧縮された固体の薬用量形態から構成される製薬学的薬用量形態。

【公表番号】特表2008−505074(P2008−505074A)
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519208(P2007−519208)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【国際出願番号】PCT/US2005/016833
【国際公開番号】WO2006/007095
【国際公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(594066006)アルベマール・コーポレーシヨン (155)
【Fターム(参考)】