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高テナシティーポリオレフィン繊維のモノフィラメント釣糸の製造方法
説明

高テナシティーポリオレフィン繊維のモノフィラメント釣糸の製造方法

実質的に無撚のマルチフィラメント超高分子量ポリオレフィンヤーンを供給し;実質的に無撚のマルチフィラメントヤーンを着色剤で被覆し;被覆されたマルチフィラメントヤーンを撚糸し;そして、撚糸したマルチフィラメントヤーンを、延伸しながら、隣接するフィラメントを少なくとも部分的に融合させるのに十分な温度及び時間加熱する;工程を含む、着色モノフィラメント超高分子量ポリオレフィン釣糸の製造方法。得られる生成物は、向上した染色堅牢度及び耐摩耗性を有する着色モノフィラメント釣糸である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高テナシティーのポリオレフィン繊維から形成される釣糸における改良に関する。
【背景技術】
【0002】
高テナシティーのポリオレフィン繊維から形成される釣糸は公知である。かかる繊維は、Honeywell International Inc.及び他の供給者からのSPECTRA伸びきり鎖ポリエチレン繊維及びヤーンのような高テナシティーのポリオレフィン繊維であってよい。かかる釣糸は商業的に成功している。
【0003】
通常は、かかる高テナシティーの繊維は、好適な溶媒で膨潤させたポリエチレンゲルを含む溶液を超高分子量ポリエチレンのフィラメントに紡糸することによって製造される。溶媒を除去し、得られるヤーンを1以上の段階で延伸又は引き延ばす。一般に、このようなフィラメントは「ゲル紡糸」ポリオレフィンとして知られており、ゲル紡糸ポリエチレンが最も商業的に販売されている。
【0004】
ゲル紡糸ポリエチレンヤーンからの釣糸は、通常はマルチフィラメントヤーンを編込むことによって製造される。超高分子量ポリエチレン糸はより高い強度を有しているので、これらの釣糸は他の編込釣糸材料(例えばポリエステル)及びナイロンモノフィラメント糸を凌ぐ有利性を有する。しかしながら、多くの釣り人はモノフィラメント釣糸の感触を好み、編込糸は糸の端部において擦り切れる可能性がある。また、編込ポリエチレン糸は、通常用いられている圧縮タイプの糸切具ではなく、鋏のような剪断器具を用いて切断することが必要である。
【0005】
USP−6,148,597においては、取り扱い性がよりモノフィラメントに似ているポリオレフィン釣糸を提供することが提案されている。この特許においては、編込又は撚糸したヤーンを形成し、次にヤーンを加熱して融合させることが示唆されている。マルチフィラメントヤーンの融合を助ける幾つかの被覆材料が示唆されている。このヤーンはまた延伸工程にかけられ、1.01〜2.5の間の延伸比が開示されている。
【0006】
上記の方法に対する改良がWO−2006/040191−A1に記載されており、ここではマルチフィラメントヤーンを少なくとも2.7の比で延伸している。結果は、より高い破断点伸びのような向上した特性を有する釣糸が得られたと記載されている。
【0007】
着色されている釣糸は、多くの釣り人に好まれている。これまでは、これは編込又は撚糸したヤーンを、着色剤を含む被覆浴中に導入することによって行われていた。しかしながら、着色被覆は激しい摩擦によって剥がれる傾向を有していることが分かっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】USP−6,148,597
【特許文献2】WO−2006/040191−A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
向上した染色堅牢度を有するモノフィラメントポリオレフィン釣糸を提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、
少なくとも1つの実質的に無撚のマルチフィラメント超高分子量ポリオレフィンヤーンを供給し;
実質的に無撚のマルチフィラメントヤーンを着色剤で被覆し;
被覆されたマルチフィラメントヤーンを撚糸し;そして
撚糸したマルチフィラメントヤーンを、延伸しながら、隣接するフィラメントを少なくとも部分的に融合させるのに十分な温度及び時間加熱し;
それによって向上した染色堅牢度及び耐摩耗性を有する着色モノフィラメント釣糸を形成する;
工程を含む、着色モノフィラメント超高分子量ポリオレフィン釣糸の製造方法が提供される。
【0011】
また本発明によれば、上記記載の方法によって形成される着色超高分子量ポリオレフィンモノフィラメント釣糸が提供される。
更に本発明によれば、
複数の実質的に無撚のマルチフィラメント超高分子量ポリオレフィンヤーンを供給し;
実質的に無撚のマルチフィラメントヤーンを着色剤で被覆し;
被覆されたマルチフィラメントヤーンを撚糸し;そして
撚糸したマルチフィラメントヤーンを、延伸しながら、隣接するフィラメントを少なくとも部分的に融合させるのに十分な温度及び時間加熱し;
それによって向上した染色堅牢度及び耐摩耗性を有する着色モノフィラメント釣糸を形成する;
工程を含む、着色モノフィラメント超高分子量ポリオレフィン釣糸の製造方法が提供される。
【0012】
好ましくは、供給ヤーンは比較的低テナシティーで高デニールのヤーンである。また好ましくは、着色剤は熱可塑性樹脂のキャリア中で導入する。
而して、本発明は、モノフィラメント糸の感触を有し、色が摩耗による消滅及び色褪せに抵抗する超高分子量ポリオレフィンからの着色釣糸を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで用いるマルチフィラメントヤーンは、高テナシティーのポリオレフィンモノフィラメントから形成される。ここで用いる「高テナシティー」繊維又はフィラメントという用語は、約7g/d以上のテナシティーを有する繊維又はフィラメントを意味する。好ましくは、これらの繊維は、ASTM−D2256によって測定して少なくとも約150g/dの初期引張弾性率及び少なくとも約8J/gの破断エネルギーを有する。ここで用いる「初期引張弾性率」、「引張弾性率」、及び「弾性率」という用語は、ヤーンに関してASTM−2256によって測定される弾性率を意味する。
【0014】
本発明の目的のためには、フィラメントは、その長さ寸法が幅及び厚さの横方向の寸法よりも非常に大きい細長い物体である。したがって、フィラメントという用語は、繊維、リボン、ストリップ、短繊維、及び他の形態の細切、切断、又は不連続の繊維又は連続繊維を含む。「繊維」又は「フィラメント」という用語は、複数の任意の上記のもの又はこれらの組み合わせを含む。ヤーンは、多くの繊維又はフィラメントを含む連続ストランドである。連続マルチフィラメントヤーンが好ましい。
【0015】
好ましくは、高テナシティーの繊維は、約10g/d以上、より好ましくは約15g/d以上、更により好ましくは約20g/d以上、最も好ましくは約25g/d以上のテナシティーを有する。
【0016】
本発明の釣糸構造体のヤーンにおいて用いる繊維は、伸びきり鎖(超高分子量又は高弾性率としても知られている)ポリオレフィン繊維、特に高テナシティーのポリエチレン繊維及びポリプロピレン繊維、並びにこれらのブレンドを含む。繊維は、ゲル紡糸、溶液紡糸、又は押出すことができる。
【0017】
ここで有用な繊維の断面は広範に変化させることができる。これらは、断面が円形、平坦状、又は楕円形であってよい。これらはまた、繊維の線方向又は縦方向の軸から突き出している1以上の規則的か又は不規則な突出部を有する不規則か又は規則的な複数の突出部を有する断面のものであってもよい。繊維は、実質的に円形、平坦、又は楕円形の断面、最も好ましくは実質的に円形の断面のものであることが好ましい。
【0018】
米国特許4,457,985においては、概してかかる高分子量ポリエチレン及びポリプロピレン繊維が議論されており、この特許の開示事項は本発明と矛盾しない範囲で参照として本明細書中に包含する。ポリエチレンの場合においては、少なくとも約150,000、好ましくは少なくとも約1,000,000、より好ましくは約2,000,000〜約5,000,000の重量平均分子量のものが好適な繊維である。かかる高分子量ポリエチレン繊維は、溶液中で紡糸することができ(米国特許4,137,394及び米国特許4,356,138を参照)、或いはフィラメントを溶液から紡糸してゲル構造体を形成することができ(米国特許4,413,110、ドイツ公開3,004,699、及び英国特許2051667を参照)、或いは圧延延伸プロセスによってポリエチレン繊維を製造することができる(米国特許5,702,657を参照)。ここで用いるポリエチレンという用語は、主として、主鎖炭素原子100あたりの修飾単位が約5以下である少量の連鎖分岐又はコモノマーを含んでいてもよく、また、約50重量%以下の1種類以上のポリマー添加剤、例えば、アルケン−1−ポリマー、特に低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリブチレン、主モノマーとしてモノオレフィンを含むコポリマー、酸化ポリオレフィン、グラフトポリオレフィンコポリマー、及びポリオキシメチレン、又は低分子量添加剤、例えば通常的に導入される酸化防止剤、潤滑剤、紫外線遮断剤などをそれらと混合して含んでいてもよい線状ポリエチレン材料を意味する。
【0019】
高テナシティーのポリエチレンマルチフィラメントヤーンが好ましく、これらは、例えばMorristown, New Jersey, USAのHoneywell International Inc.からSPECTRA繊維及びヤーンの商標で入手できる。
【0020】
形成方法、延伸比、及び温度、並びに他の条件によって、種々の特性をこれらの前駆体繊維に与えることができる。ポリエチレン繊維のテナシティーは、少なくとも約7g/d、好ましくは少なくとも約15g/d、より好ましくは少なくとも約20g/d、更により好ましくは少なくとも約25g/d、最も好ましくは少なくとも約30g/dである。同様に、Instron引張試験機によって測定される繊維の初期引張弾性率は、好ましくは少なくとも約300g/d、より好ましくは少なくとも約500g/d、更により好ましくは少なくとも約1,000g/d、最も好ましくは少なくとも約1,200g/dである。初期引張弾性率及びテナシティーに関するこれらの最も高い値は、一般に溶液成長又はゲル紡糸法を用いることによってのみ得ることができる。フィラメントの多くは、それからフィラメントが形成されるポリマーの融点よりも高い融点を有する。而して、例えば約150,000、約1,000,000、及び約2,000,000の分子量の高分子量ポリエチレンは、138℃のバルク融点を有する。これらの材料で形成される高度に配向されたポリエチレンフィラメントは、約7℃〜約13℃高い融点を有する。而して、融点の僅かな増加が結晶の完全性に影響を与え、バルクポリマーと比べてフィラメントの結晶配向性がより高くなる。
【0021】
好ましくは、用いるポリエチレンは、炭素原子1000あたり約1個より少ないメチル基、より好ましくは炭素原子1000あたり約0.5個より少ないメチル基、及び約1重量%未満の他の構成成分を有するポリエチレンである。
【0022】
同様に、少なくとも約200,000、好ましくは少なくとも約1,000,000、より好ましくは少なくとも約2,000,000の重量平均分子量の高度に配向された高分子量ポリプロピレン繊維を用いることができる。かかる伸びきり鎖ポリプロピレンは、上記で参照した種々の参考文献において示されている方法、特に米国特許4,413,110の方法によって、適度によく配向されているフィラメントに形成することができる。ポリプロピレンはポリエチレンよりも非常に結晶性に乏しい材料であり、懸垂メチル基を含んでいるので、ポリプロピレンによって達成することができるテナシティーの値は、一般にポリエチレンに関する対応する値よりも非常に低い。したがって、好適なテナシティーは、好ましくは少なくとも約8g/d、より好ましくは少なくとも約11g/dである。ポリプロピレンに関する初期引張弾性率は、好ましくは少なくとも約160g/d、より好ましくは少なくとも約200g/dである。ポリプロピレンの融点は、一般に配向プロセスによって数度上昇するので、ポリプロピレンフィラメントは、好ましくは、少なくとも168℃、より好ましくは少なくとも170℃の主融点を有する。特に好ましい範囲の上記に記載のパラメーターによって、最終物品における向上した性能を有利に与えることができる。少なくとも約200,000の重量平均分子量を上記記載のパラメーター(弾性率及びテナシティー)に関する好ましい範囲と組み合わせて有する繊維を用いることにより、最終物品において有利に向上した性能を与えることができる。
【0023】
伸びきり鎖ポリエチレン繊維の場合においては、ゲル紡糸ポリエチレン繊維の製造及び延伸が、米国特許4,413,110;4,430,383;4,436,689;4,536,536;4,545,950;4,551,296;4,612,148;4,617,233;4,663,101;5,032,338;5,246,657;5,286,435;5,342,567;5,578,374;5,736,244;5,741,451;5,958,582;5,972,498;6,448,359;6,969,553;及び7,344,668(これらの開示事項は本発明と矛盾しない範囲で参照として明確に本明細書中に包含する)などの種々の公報に記載されている。
【0024】
本発明の釣糸は、高テナシティーのポリオレフィン繊維を含むか、或いは高テナシティーのポリオレフィン繊維から実質的に構成されるか、或いは高テナシティーのポリオレフィン繊維から構成され、ポリオレフィン繊維は好ましくは高テナシティーのポリエチレン繊維である。マルチフィラメントヤーンは、溶融押出などの任意の好適な方法によって形成することができる。マルチフィラメントヤーンは、好ましくは糸の長さに沿って実質的に一軸方向に整列させる。「実質的に一軸方向」とは、全て又は殆ど全て(例えば少なくとも約95%、より好ましくは少なくとも約99%)のヤーンが単一の方向に伸びていることを意味する。マルチフィラメント供給ヤーンは実質的に無撚である。「実質的に無撚」とは、ヤーンがその長さに沿って実質的にゼロの撚度又は非常に小さい撚度(例えば、ヤーンの長さに沿って約0.1回/インチ(4回/m)以下、好ましくは約0.05回/インチ(2回/m)以下)を有することを意味する。
【0025】
ここで用いる高テナシティー繊維のヤーンは、例えば約100〜約10,000デニール、より好ましくは約1000〜約8,000デニール、更により好ましくは約650〜約6000デニール、最も好ましくは約1200〜約4800デニールのような任意の好適なデニール数のものであってよい。
【0026】
本発明において用いるマルチフィラメント供給ヤーンを形成するフィラメントの数は、所望の特性によって広範囲に変化させることができる。例えば、ヤーン中のフィラメントの数は、約10〜約3000、より好ましくは約30〜約1500、最も好ましくは約60〜約1200の範囲であってよい。必須ではないが、それぞれのマルチフィラメント前駆体ヤーン中のフィラメントの数は、好ましくは実質的に同じである。
【0027】
同様に、本発明の釣糸を形成するマルチフィラメントのヤーン又はトウの数は、広範囲に変化させることができる。例えば、マルチフィラメントヤーンの数は、約1〜約16、より好ましくは約1〜約8の範囲であってよい。而して、少なくとも1つのマルチフィラメントヤーン、好ましくは複数のマルチフィラメントヤーンを本発明にしたがって処理する。
【0028】
本発明方法によれば、実質的に無撚の1つ又は複数のマルチフィラメントヤーンを、撚糸の前に着色剤で被覆する。任意の好適な被覆方法を用いることができる。本発明方法において有用な被覆装置の例としては、限定なしに、ルーブロール、キスロール、浸漬浴、噴霧被覆器等が挙げられる。或いは、押出被覆器を用いることができる。着色剤は、好ましくはキャリア中で供給され、水、又は有機溶媒(例えばメチルエチルケトン、アセトン、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサン、エチルアセトン等、及びこれらの組み合わせ)のような任意の好適な溶媒を用いる溶液、分散液、又はエマルジョンの形態であってよい。着色剤は好ましくは連続被覆として適用するが、所望の場合には不連続被覆を用いることができる。
【0029】
1つの好ましい態様においては、1つ又は複数のヤーンを、着色剤被覆組成物を含む浴中に浸漬する。任意の方法による被覆の後、過剰の被覆組成物を、任意の1以上の好適な手段によって除去する、例えば絞り出し、吹き飛ばし、又は排水するか、或いは空気乾燥又は加熱装置内で乾燥することができる。
【0030】
着色剤としては、任意の好適な着色剤を用いることができる。例は、水性及び有機の両方の染料及び顔料である。かかる着色剤の非限定的な例は、銅フタロシアニンなどである。好ましい色は、青、緑、黄、及び黒である。
【0031】
上述したように、着色剤は、好ましくはキャリア材料中に含ませる。かかる材料は、好ましくは熱可塑性樹脂である。かかる熱可塑性樹脂の例としては、限定なしに、ポリオレフィン樹脂、例えば低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリオレフィンコポリマー、例えばエチレンコポリマー、例えばエチレン−アクリル酸コポリマー、エチレン−アクリル酸エチルコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマーなど、及び上記の1以上のブレンドが挙げられる。熱可塑性樹脂は、好ましくは用いる特定のポリオレフィン繊維よりも低い融点を有し、延伸可能な材料である。
【0032】
ヤーン上の着色被覆の量は、広範囲に変化させることができる。例えば、被覆は、乾燥後のヤーンの全重量の約1〜約40重量%、より好ましくは約2〜約25重量%、最も好ましくは約5〜約15重量%を構成してよい。勿論、被覆材料中の着色剤の重量は、着色被覆の重量よりも非常に少なくすることができる。通常は、着色被覆中の着色剤の量は、約0.5〜約20重量%、より好ましくは約2〜約15重量%、最も好ましくは約4〜約10重量%の範囲であってよい。
【0033】
被覆された実質的に無撚の1つ又は複数のポリオレフィンマルチフィラメントヤーンを乾燥した後、これらを撚糸操作にかけて所望の撚度を与える。リング撚糸器、直接撚合器などのような任意の好適な撚糸装置を、この目的のために用いることができる。好ましくは、ヤーンに約2回/インチ(79回/m)の最小撚度を与える。より好ましくは、1つ又は複数のヤーンを、約3〜約15回/インチ(118〜590回/m)、より好ましくは約4〜約11回/インチ(157〜433回/m)、最も好ましくは約5〜約7回/インチ(197〜276回/m)のような比較的高い撚度に撚糸する。2以上のマルチフィラメントヤーンの端部は、一緒に撚糸した後に更に処理することができ、或いはそれぞれのマルチフィラメントヤーンの端部を撚糸した後に2以上の撚糸したヤーンの端部を更なる処理のために一緒に撚合することができる。例えば、ヤーンをまず「z」方向に好適な回数、次に反対の「s」方向に所望回数撚糸して、バランスの取れたケーブルヤーンを得ることができ、その逆も可能である。
【0034】
次に、着色し、被覆及び撚糸した1つ又は複数のマルチフィラメントヤーンを、昇温下で延伸工程にかける。延伸工程は、単一の延伸工程又は複数回の延伸工程であってよい。好ましくは、ヤーンは加熱空気オーブン中で延伸する。かかるオーブンは当該技術において公知であり、かかるオーブンの例は米国特許7,370,395(その開示事項は本発明と矛盾しない範囲で参照として本明細書中に包含する)に記載されている。1つ又は複数のマルチフィラメントヤーンの延伸は、好ましくはポリオレフィンの融点範囲内で行う。ポリオレフィンマルチフィラメントヤーンを延伸するための方法の例は、上記で言及した米国特許6,148,597及びWO−2006/040191−A1(これらの開示事項は本発明と矛盾しない範囲で参照として本明細書中に包含する)に開示されている。望ましくは、延伸は、望ましくはオーブンの外側、或いは1以上のオーブンの内側又はそれらの間であってよい1以上の延伸ローラーによって行う。1つのオーブン又は1つのオーブンの最初の部分を用いてフィラメントを軟化させ、他のオーブン又はオーブンの他の部分を用いてフィラメントを糸に融合させることができる。
【0035】
好ましくは、1つ又は複数のマルチフィラメントヤーンを、約135〜約160℃、より好ましくは約152〜約157℃、最も好ましくは約153〜約155℃のような比較的高い温度に加熱する。上述したように、加熱工程中にマルチフィラメントヤーンを所望の程度に延伸(又は引延)する。通常は少なくとも約2、例えば約2〜約10、より好ましくは約3〜約8、最も好ましくは約4〜約6の任意の所望の延伸比を用いることができる。望ましくは、延伸工程中全体にわたって糸に緊張を加える。
【0036】
1つ又は複数のヤーンを、所望の時間加熱及び延伸する。オーブンのような加熱装置内での実際の滞留時間は、オーブンの温度、オーブンの長さ、オーブンのタイプ(例えば加熱空気循環オーブン、加熱浴等)などのような種々のファクターによって定まる。
【0037】
加熱及び延伸の条件は、マルチフィラメントヤーンの隣接するフィラメントが少なくとも部分的に融合するように選択される。フィラメントの外表面の温度をフィラメントを構成するポリマーの融点又は融点範囲内にすると、フィラメントの外表面の長さに沿った接触点においてフィラメントの表面が軟化及び融合し始めると考えられる。
【0038】
昇温下での延伸工程の間に、着色被覆がポリオレフィン繊維に浸透し、これによりその一体部分になる。
加熱及び延伸工程によって、1つ又は複数のマルチフィラメントヤーンがモノフィラメント糸に変換され、マルチフィラメントヤーンは少なくともある程度融合する。得られる糸は、モノフィラメントであるか又は実質的にモノフィラメント(モノフィラメント様)であり、モノフィラメント釣糸の感触を有する。しかしながら、編込ヤーンとは異なり、これは切断した際にほぐれない。ここで用いる「モノフィラメント」という用語は、モノフィラメント又はモノフィラメント様のものを意味する。供給ヤーンは比較的高デニールで低テナシティーのヤーンであるのに対して、延伸後のモノフィラメントは比較的低デニールで高テナシティーである。
【0039】
得られる釣糸は、任意の好適な直径のものであってよい。例えば、モノフィラメント釣糸は、約0.001mm〜約3mm、より好ましくは約0.1mm〜約1mm、最も好ましくは約0.15mm〜約0.5mmの直径を有することができる。
【0040】
驚くべきことに、撚糸後ではなく撚糸の前に1つ又は複数のマルチフィラメントヤーンを着色すると、かかるヤーンから形成される釣糸は増加した染色堅牢度を示すことが見出された。釣糸は、太陽光(UV光)に対する曝露及び摩擦又は他の摩耗作用による色褪せに対して抵抗性である。更に、驚くべきことに、得られる釣糸は向上した耐摩耗性を示す。
【0041】
本発明のより完全な理解を与えるために、以下の非限定的な実施例を示す。本発明の原理を説明するために示す特定の方法、条件、材料、割合、及び報告データは、例示のものであり、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【実施例】
【0042】
実施例1:
マルチフィラメント伸びきり鎖ポリエチレンヤーンから釣糸を形成した。それぞれのヤーンは、Honeywell International Inc.から入手できるSPECTRA 900繊維から形成した。ヤーンは、1200のデニールを有し、それぞれのヤーン中に120のフィラメントを有していた。ヤーンのテナシティーは30g/dであった。実質的にゼロの撚度を有する1つのマルチフィラメントヤーンを、ポリエチレン熱可塑性樹脂中に分散している銅フタロシアニンをベースとする緑色染色顔料の水溶液を含む被覆浴中に供給した。被覆溶液の固形分含量は約40重量%であった。ヤーン上への被覆の装填量は、マルチフィラメントヤーンの全重量を基準として約15%であった。加熱空気オーブン(約80〜約110℃の温度)内でヤーンを乾燥した。次に、ヤーンに11回/インチ(433回/m)の撚りを与えた。プロセス中は、ヤーンの解撚を防ぐために緊張を保持した。
【0043】
撚糸したヤーンを、水平に整列されている隣接した合計で6つの加熱空気循環オーブンを用いる上述の米国特許7,370,395に開示されている加熱装置中に供給した。ロールの第1の組はオーブンの入口側に隣接し、ロールの第2の組はオーブンの出口側に隣接していた。ヤーンはオーブン内で非支持状態にして、ほぼ真っ直ぐなラインでオーブンを通して移動させた。ロールの第1及び第2の組の速度は、約4.0のオーブン内での延伸比を与えるように選択した。オーブン温度は約155℃であった。マルチフィラメントヤーンをオーブン内で溶融し、隣接するヤーンを少なくとも部分的に融合させた。得られた構造体を巻取ロール上に巻き取り、これはモノフィラメント様の釣糸の形態であった。
【0044】
釣糸を六角形の断面を有する金属棒に対して摩擦することによって釣糸の染色堅牢度を試験した(Hex Bar耐摩耗性試験)。50gのウエイトを用いてモノフィラメント釣糸を緊張させ、「靴磨き」のような動作で2,500サイクル、六角形の金属棒上で前後に摩擦した。次に、釣糸を残留した色及び残留破断強さに関して試験した。
【0045】
モノフィラメント釣糸はその鮮やかな色を保持しており、被覆はまた増加した耐摩耗性を与え、釣糸はその元々の破断強さの約50〜80%を保持していた。
実施例2(比較例):
ヤーンを撚糸し、融合させ、延伸した後に着色被覆を適用して、実施例1と同様の方法で釣糸を製造した。着色釣糸を、同じHex Bar試験によって染色堅牢度及び耐摩耗性に関して試験した。2,500サイクルの後、色被覆は糸から殆ど削り落とされていたことが分かった。釣糸はその元々の破断強さの約20〜40%しか保持していなかった。
【0046】
実施例3(比較例):
撚糸の後であって融合及び延伸の前に着色被覆を適用して、実施例2と同様の方法で釣糸を製造した。実施例2と同様の結果が示された。
【0047】
かなり詳細に本発明を記載したが、かかる詳細はそれに厳格に固執する必要はなく、それら自体で更なる変更及び修正を当業者に示唆することができ、これらは全て特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲内であることが理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの実質的に無撚のマルチフィラメント超高分子量ポリオレフィンヤーンを供給し;
かかる実質的に無撚のマルチフィラメントヤーンを着色剤で被覆し;
被覆されたマルチフィラメントヤーンを撚糸し;そして
かかる撚糸したマルチフィラメントヤーンを、延伸しながら、隣接するフィラメントを少なくとも部分的に融合させるのに十分な温度及び時間加熱し;
それによって向上した染色堅牢度及び耐摩耗性を有する着色モノフィラメント釣糸を形成する;
工程を含む、着色モノフィラメント超高分子量ポリオレフィン釣糸の製造方法。
【請求項2】
着色剤を、着色剤及び熱可塑性樹脂キャリアを含む着色組成物として適用する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
熱可塑性樹脂がポリオレフィン樹脂を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
熱可塑性樹脂キャリアが超高分子量ポリオレフィンヤーンよりも低い融点を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
マルチフィラメントヤーンが被覆の前にゼロの撚度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
撚糸工程によってヤーンに少なくとも約2回/インチ(79回/m)の撚りを与える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
撚糸したヤーンを約2〜約10の延伸比に延伸する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
撚糸した被覆マルチフィラメントヤーンを該ヤーンの融点範囲内の温度に加熱する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
供給工程が、複数の実質的に無撚のマルチフィラメント超高分子量ポリオレフィンヤーンを供給することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法によって製造される着色超高分子量ポリオレフィンモノフィラメント釣糸。

【公表番号】特表2011−525947(P2011−525947A)
【公表日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516484(P2011−516484)
【出願日】平成21年6月22日(2009.6.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/048078
【国際公開番号】WO2009/158293
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】