説明

高リン血症のためのマグネシウム含有重合体

脂肪族アミン重合体またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物、およびマグネシウムイオンを含む薬学的に許容されるマグネシウム化合物を開示する。また患者における高リン血症の治療法も開示する。該方法は、開示される医薬組成物の有効量を被検体へ投与するステップを含む。一実施形態では、本発明は脂肪族アミン重合体またはその薬学的に許容される塩、および、マグネシウムイオンを含む薬学的に許容されるマグネシウム化合物を含み、前記マグネシウムイオンは、後記医薬組成物の無水重量あたり、5〜35%である医薬組成物を対象とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2005年11月8日に出願された米国仮出願第60/734,593,号の利益を主張するものである。
上記出願の全教示は、参照することによって、本願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
(背景)
不適切な腎機能、副甲状腺機能低下症、またはある特定の病状のある人々は、しばしば高リン血症、または血中リン酸塩値の上昇を有する。高リン血症は、特に長期間に渡って存在する場合、しばしば間接、肺、目および血管構造における副甲状腺機能亢進症、骨疾患および石灰化の症状を表す、カルシウムおよびリン代謝の重度の異常を引き起こす。腎機能障害を示す患者にとって、正常範囲内での血中リンの上昇は、腎不全の進行と心血管系疾患の発症の危険性の増加に関連している。
【0003】
リン酸塩値の上昇を治療するためのマグネシウム化合物のような特定のリン吸着薬の経口投与が論じられてきた。しかし、マグネシウム化合物は、高マグネシウム血症および浸透圧性下痢を引き起こす場合がある。
【0004】
脂肪族アミン重合体などのポリマ材料もまた、高リン血症の治療において使用されてきた。これらのポリマは、リン酸塩の血中濃度を低下させるための効果的な治療を提供する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(要旨)
一実施形態では、本発明は脂肪族アミン重合体またはその薬学的に許容される塩、および、マグネシウムイオンを含む薬学的に許容されるマグネシウム化合物を含み、前記マグネシウムイオンは、後記医薬組成物の無水重量あたり、5〜35%である医薬組成物を対象とする。
【0006】
別の実施形態では、本発明は、脂肪族アミン重合体またはその薬学的に許容される塩、およびマグネシウムイオンを含む薬学的に許容されるマグネシウム化合物を含む医薬組成物を対象とする。前記マグネシウムイオンのアミン窒素原子に対する脂肪族アミン重合体におけるモル比は0.4〜3.0である。
【0007】
さらに別の実施形態では、本発明は、架橋脂肪族アミン重合体またはその薬学的に許容される塩、およびマグネシウムイオンを含む薬学的に許容されるマグネシウム化合物を含む医薬組成物を対象とする。前記マグネシウム化合物は前記架橋脂肪族アミン重合体内で同伴される。
【0008】
さらに別の実施形態では、本発明は、脂肪族アミン重合体またはその薬学的に許容される塩、およびマグネシウムイオンを含む薬学的に許容されるマグネシウム化合物を含む医薬組成物を対象とする。前記マグネシウム化合物は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0009】
本発明は、高リン血症を伴う被検体の治療方法も提供する。該方法は、本願に開示される医薬組成物の有効量を被検体へ投与するステップを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(詳細な説明)
本願において、「薬学的に許容されるマグネシウム化合物」とは、投与される投与量で好ましくない副作用を引き起こさない、マグネシウム陽イオンを含む化合物を意味する。前記薬学的に許容されるマグネシウム化合物は、水溶性または不水溶性であることができる。
【0011】
当然のことながら、「薬学的に許容されるマグネシウム化合物」は、前記薬学的に許容されるマグネシウム化合物の異なる多形体を含むことができる。「多形体」という用語は、異なる物理的特性、化学的特性または分光学的特性を示すことのできる、化合物の固体の結晶形を指す。
【0012】
前記「薬学的に許容されるマグネシウム化合物」は、例えば、水または有機溶媒などの、非共有結合の分子間力によって結合された溶媒の化学量論量または非化学量論量を含む、前記薬学的に許容されるマグネシウム化合物の多種の溶媒和物を含むこともできる。
【0013】
好ましい薬学的に許容されるマグネシウム化合物は、高重量パーセントのマグネシウムを有し、および/または高濃度を有する。これらのマグネシウム化合物は、毎日の投与量を最小限にすることができる。本発明に適したマグネシウム化合物の例としては、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、ハロゲン化マグネシウム(例えば、フッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウムおよびヨウ化マグネシウムなど)、マグネシウムアルコキシド(例えば、マグネシウムエトキシドおよびマグネシウムイソプロポキシドなど)、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、ギ酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、フマル酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸およびスチレンスルホン酸のような有機酸のマグネシウム塩、およびそれらの組合せが挙げられる。いずれのこれらのマグネシウム化合物を示す際は、当然のことながら、それらの混合体、多形体および溶媒体が含まれる。
【0014】
本発明における、好ましい薬学的に許容されるマグネシウム化合物の例としては、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムおよびギ酸マグネシウム、およびそれらの組合せが挙げられる。好ましいマグネシウム化合物の他の例としては、炭酸水素マグネシウム、マグネシウムエトキシドおよび三ケイ酸マグネシウムが挙げられる。酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、または酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムの混合体が、本発明においてはより好ましい。
【0015】
いくつかの実施形態において、本発明における薬学的に許容されるマグネシウム化合物はステアリン酸マグネシウムまたはケイ酸マグネシウムではない。
【0016】
一般的には、薬学的に許容されるマグネシウム化合物のマグネシウムイオンは医薬組成物の無水重量あたり、10〜30%、10〜25%、13〜25%、15〜22%および16〜20%など、5〜35%を構成する。
【0017】
代替方法として、薬学的に許容されるマグネシウム化合物のマグネシウムイオンは、マグネシウム化合物と脂肪族アミン重合体遊離塩基の無水総重量あたり、10〜30%、10〜25%、13〜25%、15〜22%および16〜20%など、5〜35%を構成する。本願において、「脂肪族アミン重合体遊離塩基」という用語は、いかなる対イオンも含まない脂肪族アミン重合体を意味する。医薬組成物におけるマグネシウム化合物の量がこの方法で表される場合、当然のことながら、医薬組成物における脂肪族アミン重合体は、非プロトン化または部分的にプロトン化または完全にプロトン化されることができる。しかし、脂肪族アミン重合体の重量は、それは対応する脂肪族アミン重合体遊離塩基ということ、および脂肪族アミン重合体における窒素原子のすべては遊離であり、いかなる対イオンにも結合されないということを仮定して計算される。
【0018】
代替方法として、薬学的に許容されるマグネシウム化合物は、薬学的に許容されるマグネシウム化合物のマグネシウムイオンの脂肪族アミン重合体の総アミン窒素原子(プロトン化および非プロトン化)に対するモル比は、0.4〜2.5、0.8〜2.0、0.8〜1.5および0.8〜1.3など、0.4〜3.0の量で、本発明の医薬組成物に存在する。好ましくは、そのモル比は1である。本比率は、薬学的に許容されるマグネシウム化合物のマグネシウムイオンを、脂肪族アミン重合体において、窒素原子のモル数で除したものである。存在する場合に、対イオンまたは架橋剤からの窒素は、脂肪族アミン重合体のモル数に含まれる。
【0019】
代替方法として、薬学的に許容されるマグネシウム化合物は、薬学的に許容されるマグネシウム化合物のマグネシウムイオンの脂肪族アミン重合体の総窒素原子に対する荷重配分比は0.7〜2.5(0.7〜2.0、1.0〜2.0および1.2〜1.8など)のような量で本発明の医薬組成物において存在する。好ましくは、その荷重配分比は1.57である。本荷重配分比は、マグネシウムイオンのグラム数を、脂肪族アミン重合体において、窒素原子のグラム数で除したものである。(しかし、組成物全体ではない。)つまり、対イオンまたは架橋剤からの窒素は、存在する場合に、脂肪族アミン重合体において窒素原子のグラム数に含まれる。
【0020】
代替方法として、薬学的に許容されるマグネシウム化合物は、薬学的に許容されるマグネシウム化合物のマグネシウムイオンの脂肪族アミン重合体遊離塩基に対する荷重配分比は0.2〜1.2(0.2〜1.0、0.3〜1.0、0.3〜0.8および0.3〜0.5等)のような量で本発明の医薬組成物において存在する。好ましくは、その荷重配分比は0.42である。「脂肪族アミン重合体遊離塩基」という用語は上述である。つまり、この比は、マグネシウムイオンのグラム数を、脂肪族アミン重合体におけるいかなる対イオンからの重量も含まない脂肪族アミン重合体のグラム数で除したものである。
【0021】
脂肪族アミン重合体は、最低1つの脂肪族アミン基を含む繰り返し単位を特徴とする。脂肪族アミン基はアミンポリマバックボーン(例えば、ポリエチレンイミンのようなポリアルキレンイミン)の一部、またはポリマバックボーン(例えばポリアリルアミン)からのペンダントであることができ、またはポリマバックボーンからのペンダントの基などの一部を含むことができる(例えば、下記構造式(7)および(8)参照)。代わりの方法として、アミン基の両タイプは、同じ繰り返し単位および/または重合体内に存在することができる。「アミン」という用語は、本願に使用されるように、トリアルキルアンモニウムのようなアンモニウム基と同様に第1、第2、および第3アミン基を含む。
【0022】
脂肪族アミン重合体は脂肪族アミン単量体を重合することにより得られる。脂肪族アミンは、アミノ置換基および随意に1つ以上の追加の置換基を有する、飽和または不飽和、直鎖、分岐または環状の非芳香族炭化水素である。脂肪族アミン単量体は、オレフィンのような重合性基を含む脂肪族アミンである。適した脂肪族アミン重合体は、内容全体が参照することにより本願に組み込まれる、米国特許第5,487,888号、第5,496,545号、第5,607,669号、第5,618,530号、第5,624,963号、第5,667,775号、第5,679,717号、第5,703,188号、第5,702,696号、第5,693,675号、第5,900,475号、第5,925,379号、第6,083,497号、第6,177,478号、第6,083,495号、第6,203,785号、第6,423,754号、第6,509,013号、第6,605,270号、第6,726,905号、第6,733,780号および第6,858,203号、および、米国公開出願第2002/0159968A1号および第2003/0086898A1号に記載される。
【0023】
脂肪族アミン重合体は1つ以上の脂肪族アミン含有単量体の単独重合体または共重合体、あるいは1つ以上の非アミン含有単量体との組合せで、1つ以上の脂肪族アミン含有単量体であることができ、それらは好ましくは不活性で非毒性である。適切な非アミン含有単量体の例としては、ビニルアルコール、アクリル酸、アクリルアミド、およびビニルホルムアミドが挙げられる。代替方法として、脂肪族アミン重合体は2つ以上の異なる脂肪族アミン単量体の共重合体であることができる。
【0024】
脂肪族アミン重合体の例として、以下の(1)−(8)の化学式
【0025】
【化13】

【0026】
【化14】

から選択された1つ以上の繰り返し単位を有するポリマ、またはそれらの塩あるいはは共重合体が挙げられ、
式中、
yはゼロまたは1以上の整数(例えば、1から10の間、好ましくは1から4の間、さらに好ましくは1)であり、各R、R、R、およびRは、単独で、水素、置換または非置換アルキル基(例えば、全てを含んで、炭素数1〜25、または炭素数1〜5を有する。)あるいはアリール(例えばフェニ−ル等)基であり、各Xは交換性負荷電対イオンである。
【0027】
好ましくは、R、R、R、またはRの少なくとも1つは水素原子である。さらに好ましくは、これらの基のそれぞれが水素である。
【0028】
アルキル基またはアリール基は、R、R、RおよびRで表され、1つ以上の置換基を有することができる。適した置換基として、例えば第4アンモニウム基等の陽性基、または、第1、第2または第3アルキル基あるいはアリルアミン等のアミン基が挙げられる。その他の適した置換基の例として、ヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボキサミド基、スルホンアミド基、ハロゲン基、アルキル基、アリール基、ヒドラジン基、グアニジン基、尿素、ポリ(エチレンイミン)のようなポリ(アルキレンイミン)およびカルボン酸エステルが挙げられる。
【0029】
好ましくは、脂肪族アミン重合体は、ホモポリアリルアミン、ホモポリビニルアミン、ホモポリジアリルアミンまたはポリエチレンアミンのような、単独重合体であるが、共重合体であることもできる。
【0030】
一実施形態において、前記脂肪族アミン重合体は単独重合体または共重合体は、下記構造式(9)の1つ以上の繰り返し単位、
【0031】
【化15】

またはその薬学的に許容される塩を特徴とし、
式中、
xは0または1から4の間の整数であり、好ましくは1である。構造式(9)によって示されるポリマは、有利に、架橋剤を用いて架橋される。
【0032】
本発明において使用される好ましい脂肪族アミンは、重合アリルアミン単量体からの繰り返し単位を有するポリマである、ポリアリルアミンである。アリール単量体のアミン基は非置換でありまたは、例えば、1つまたは2つの直鎖状、または分岐状のC1−C10アルキル基と置換である。これらのアルキル基は随意に1つ以上のヒドロキシ基l、アミン基、ハロ基、フェニール基、アミド基またはニトリル基で置換される。好ましくは、本発明の前記脂肪族アミン重合体は、以下の構造式(10)によって示される繰り返し単位を含むポリアリルアミン重合体である:
【0033】
【化16】

本発明の脂肪族アミン重合体として使用されることのできるポリアリルアミンは、2つそれ以上の異なる重合アリール単量体からの繰り返し単位、あるいは1つ以上の重合アリール単量体からの繰り返し単位、および1つ以上の重合非アリール単量体からの繰り返し単位を含む共重合体を含むことができる。適した非アリール単量体の例として、アクリルアミド単量体、アクリレート単量体、マレイン酸、リンゴ酸イミド単量体、ビニルアシル単量体およびアルキル置換オレフィンが挙げられる。代替方法として、その他のオレフィン系脂肪族アミン単量体はアルキルアミン単量体で重合させられることができる。しかし、好ましくは、本発明において使用される前記ポリアリルアミンは、重合アリルアミン単量体からの繰り返し単位を単独で含む。さらに好ましくは、本発明において使用される前記ポリアリルアミン重合体は単独重合体である。またさらに好ましくは、本発明において使用されるポリアリルアミン重合体は、構造式(10)に示される繰り返し単位の単独重合体である。本開示された発明において使用されるポリアリルアミン重合体は好ましくは、架橋ポリマであり、さらに好ましくは、架橋単独重合体である。
【0034】
その他の実施形態において、脂肪族アミン重合体は、ポリブテニルアミン、ポリリシン、またはポリアルギニンの単独重合体または共重合体であることができる。
【0035】
好ましくは、前記脂肪族アミン重合体は、架橋剤などを用いての架橋結合によって不水溶性にされる。適した架橋剤とは脂肪族アミン単量体のアミノ基と反応する官能基を有する架橋剤を含む。代替方法として、架橋剤は、脂肪族アミン単量体でラジカル重合を行う2つ以上のビニル基を含んでもよい。一部の例では、脂肪族アミン重合体は、重合された後に架橋される。
【0036】
脂肪族アミン重合体は、一般的に、ニ官能性架橋剤で架橋される。適した架橋剤の例としては、ジアクリレートおよびジメチルアクリレート(例えば、エチレングリコールジアクリレ−ト、プロピレングリコールジアクリレ−ト、ブチレングリコールジアクリレ−ト、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸プロピレングリコール、ジメタクリル酸ブチレングリコー、ポリエチレングリコールジメタクリレートおよびポリエチレングリコールジアクリレ−ト等)、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、エチレンビスアクリルアミド、エチレンビスメタクリルアミド、エチリデンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールAジグリシダールエーテル、ピロメリト酸二無水物、トルエンジイソシアネート、エチレンジアミンおよびジメチルコハク酸エステル、ジメタクリレート、およびビスフェノールAジアクリレ−トが挙げられる。好ましいニ官能性架橋剤の例として、エピクロロヒドリン、1,4ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,2エタンジオールジグリシジルエーテル、1,3−ジクロロプロパン、1,2−ジクロロエタン、1,3−ジブロモプロパン、1,2−ジブロモエタン、二塩化スクシニル、ジメチルコハク酸エステル、トルエンジイソシアネート、塩化アクリロイル、およびピロメリト酸二無水物が挙げられる。エピクロロヒドリンは、その高可用性と低コストによって、もっとも好ましい架橋剤である。エピクロロヒドリンは、その低分子量および親水性により効果的であり、ポリアミンの水膨潤性およびゲル物性を増長させる。エピクロロヒドリンは、2−ヒドロキシプロピル架橋基を形成する。
【0037】
すでに重合化された材料における架橋結合の誘導のその他の方法は、これらに限定されるものではないが、電離放射線、紫外線放射、電子線、基、および熱分解への暴露を含む。
【0038】
架橋結合のレベルは脂肪族アミン重合体に、不溶性および実質的に吸収分解に対して抵抗性を示させ、それにより、消化管への脂肪族アミン重合体の活性を限定し、患者における潜在的副作用を低減する。一般的には、その架橋剤は、架橋剤が追加された脂肪族アミン単量体の総量に基づいて、0.5〜35重量%(例えば、0.5〜25重量%、2.5〜20重量%または1〜10重量%)の量で存在する。
【0039】
一般的には、アリール窒素原子の約3%から約30%の間で架橋基に結合され、好ましくは6%から約21%の間である。
【0040】
脂肪族アミン重合体はまた、さらに誘導体化されることができ、例として、例えば、全体において教示は参照することによって本願に取り込まれる米国特許第5,679,717、5,607,669号および第5,618,530号に記載されるように、アルキルアミン重合体が挙げられる。好ましいアルキル化剤は疎水基(脂肪族疎水基など)および/または第4アンモニウムアルキル基またはアミン置換アルキル基を含む。
【0041】
非架橋および架橋のポリアリルアミンおよびポリビニルアミンは、一般的には、当技術分野で既知であり、市販されている。ポリアリルアミンおよびポリビニルアミン、およびそれらの架橋誘導体の製造方法は上記の米国特許に記載される。全体が参照することにより本願に取り込まれる、ハラダ(Harada)らによる特許(米国特許第4,605,701号および第4,528,347号)もまたポリアリルアミンおよび架橋ポリアリルアミンの製造方法を記載する。スタッツ(Stutts)らによる特許(米国特許第6,180,754号)は架橋ポリアリルアミンのさらなる製造方法を記載する。
【0042】
脂肪族アミン重合体の分子量は、不可欠であるとは考えられないが、その分子量は、前記脂肪族アミン重合体は実質的には消化管によって非吸収性であるために十分な数である、ということを前提とする。一般的に脂肪族アミン重合体の分子量は少なくとも1000である。例えば、分子量は以下の量であることができる:約1000から約500万、約1000から約300万、約1000から約200万または約1000から約100万。
【0043】
本発明に使用される脂肪族アミン重合体は、随意にプロトン化されることができ、一実施形態において、40%以下、例えば、20%以下または10%以下のような30%以下のアミン基がプロトン化される重合体を含む。別の実施形態において35%から45%(例えば、約40%)のアミン基がプロトン化される。適切にプロトン化された脂肪族アミン重合体の例として塩酸セベラマーが挙げられる。
【0044】
上述のように、脂肪族アミン重合体は、薬学的に許容される塩の形状で投与されることができる。「薬学的に許容される塩」という用語は、投与される、無機酸、有機酸、溶媒和物、水和物、またはそれらのクラスレートを含む薬学的に許容される非毒性酸から調合される脂肪族アミン重合体の塩を示す。つまり、脂肪族アミン重合体の繰り返し単位における窒素族はプロトン化され負荷電対イオンに付随する正荷電窒素原子を作り出す。
【0045】
適した対イオンの例としては、有機イオン、無機イオン、またはそれらの組合せが挙げられる。例えば、適した対イオンは、ハロゲン化合物(例えば、F,Cl,BrおよびI)、CHOSO、HSO、SO2−、HCO、CO2−、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸エステル、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、酪酸塩、アスコルビン酸塩、クエン酸塩、ニ水素クエン酸塩、酒石酸塩、タウロコール酸、グリココール酸、コール酸塩、クエン酸水素、マレイン酸エステル塩、安息香酸エステル、ヨウ酸塩、アミノ酸誘導体、ヌクレオチド、脂質、またはリン脂質を含む。好ましい陰イオンはCl、HCO、CO2−、およびそれらの組合せ(例えば、炭酸塩と重炭酸塩の混合塩、炭酸塩と塩素化合物の混合塩、重炭酸塩と塩素化合物の混合塩)である。前記対イオンは互いに、同一のもの、または異なるものであることができる。例えば、前記ポリマは2つ以上の異なる種類の対イオンを含むことができる。
【0046】
好適な実施形態において、本発明に使用される脂肪族アミン重合体は、セベラマーおよびコレセベラムなどの、エピクロロヒドリン架橋ポリアリルアミンである。(例えば、その内容は参照することにより、本願に組み込まれる、米国特許第6,423,754号;第5,607,669号;および第5,679,717号参照)。好適な実施形態において、ポリアリルアミン重合体はエピクロロヒドリンで架橋され、約9%から約30%の(好ましくは約15%から約21%)アリル基の窒素原子は架橋基と結合され、および陰イオンは塩素化合物、炭酸塩または重炭酸塩またはそれらの混合塩である。
【0047】
特に好ましい脂肪族アミン重合体は、約9.0〜9.8%w/wエピクロロヒドリン、好ましくは9.3〜9.5%で架橋された塩酸ポリアリルアミンであり、セベラマーHClとして知られ、RENAGEL(登録商標)の商標のもと市販される薬品の活性薬品成分である。前記構造は下記に示され、
【0048】
【化17】

式中、
aおよびbの合計(第1アミン基の)は9であり、
c(架橋基の数)は1であり、
n(プロトン化されたアミン基の留分)は0.4であり、
mは大きい数である(拡張された網状重合体を示す)。
【0049】
別の特に好ましい脂肪族アミン重合体は、エピクロロヒドリンで架橋され、1−ブロモデカンおよび(6−ブロモヘキシル)−臭化トリメチルアンモニウムでアルキル化された塩酸ポリアリルアミンであり、コレセベラムHClとして示され、WELCHOL(登録商標)として米国において市販される。
【0050】
さらに別の特に好ましい実施形態において、脂肪族アミン重合体は炭酸セベラマー、重炭酸セベラマー、炭酸塩と重炭酸塩の混合性セベラマー、または炭酸塩と塩化物の混合性セベラマーである。
【0051】
その他の実施形態において、一価の陰イオン性源は脂肪族アミン重合体の炭酸塩と混合される。脂肪族アミン重合体の炭酸塩および一価の陰イオン性源の多様な例は、参照することによって、全体の内容は本願に取り組まれる、2004年11月1日出願の米国仮出願第60/624,001号「錠剤化のための脂肪族アミン重合体塩」、および2004年11月17日出願の米国仮出願第60/628,752号「錠剤化のための脂肪族アミン重合体塩」に開示される。好適な実施形態において、一価の陰イオン性源はマグネシウム化合物ではない。
【0052】
一価の陰イオンは少なくとも、脂肪族アミン重合体炭酸塩および一価の陰イオン性源の総合重量あたり、0.01%、好ましくは0.05%、さらに好ましくは0.01%〜2%、0.05%〜1%、0.08%〜0.5%、または0.1%〜0.3%の幅を有する。
【0053】
適した一価の陰イオンの例としては、有機イオン、無機イオン、または、ハロゲン化合物(Cl、I、FおよびBr)、CHOSO、HSO、酢酸塩、乳酸塩、酪酸塩、プロピオン酸塩、硫酸、クエン酸塩、酒石酸塩、硝酸、スルホン酸、シュウ酸塩、コハク酸エステルまたはパルモエートなどの、それらの組合せを含む。好ましい一価の陰イオンはハロゲン化合物であり、最も好ましくは塩素化合物である。
【0054】
また、一価の陰イオン性源は、一価の陰イオンの、薬学的に許容される酸、アンモニウムあるいは金属塩であることができる。好ましくは、前記金属塩はマグネシウム塩ではない。一価の陰イオン性源の好ましい例としては塩化ナトリウムおよび塩酸が挙げられる。1つの好ましい実施形態において、本発明の処方はセベラマー炭酸塩および塩化ナトリウムを含む。別の好ましい実施形態において、本発明の処方はセベラマー炭酸塩および塩酸を含む。
【0055】
さらに別の実施形態において、脂肪族アミン重合体の炭酸塩は本発明の医薬組成物に含まれる時、一価の陰イオン性源は上記構造式(1)〜(10)によって示される繰り返し単位を含む脂肪族アミン重合体の一価の陰イオン塩であることができる。本実施形態において、脂肪族アミン重合体の一価の陰イオン塩および脂肪族アミン重合体の炭酸塩は、共に物理的に混合されることができる。代替方法として、単一脂肪族アミン重合体は炭酸塩および単一陰イオンの両方を構成することができ、単一脂肪族アミン重合体の混合性の炭酸塩および混合性の一価の陰イオン塩を形成することができる。脂肪族アミン重合体の一価の陰イオン塩および脂肪族アミン重合体の炭酸塩は物理的に共に混合され、脂肪族アミン重合体の一価の陰イオン塩は脂肪族アミン重合体炭酸塩と、同様あるいは異なる脂肪族アミン重合体であることができる。
【0056】
本願で使用されるように、「架橋脂肪族アミン重合体内において同伴される薬学的に許容されるマグネシウム化合物」という表現は、架橋脂肪族アミン重合体は、例えば、架橋結合によって生成されたポケット内(複数のポケット内)において、薬学的に許容されるマグネシウム化合物が入ることを意味する。薬学的に許容されるマグネシウム化合物で同伴された架橋脂肪族アミン重合体は、薬学的に許容されるマグネシウム化合物の存在下で、脂肪族アミン重合体を架橋結合することによって調合されることができる。例えば、ポリアリルアミンは、エピクロロヒドリンなどの多機能架橋剤によって、架橋されることができ、酸化マグネシウムの存在下で、酸化マグネシウムで同伴された架橋ポリアリルアミンを形成することができる。脂肪族アミン重合体、架橋剤および薬学的に許容されるマグネシウム化合物の種々の例と好ましい値は上述の通りである。一般的に、薬学的に許容されるマグネシウム化合物で同伴された架橋脂肪族アミン重合体が用いられ、架橋剤は、架橋剤の追加される脂肪族アミン単量体の総重量に基づいて、0.5〜35重量%(例えば、0.5〜30重量%、2.5−30重量%、5〜25重量%、5〜20重量%または5〜15重量%)の量で存在する。
【0057】
本発明の医薬組成物は、随意に、1つ以上の薬学的に許容されるキャリアおよび/または、ラクト−ス、スターチ、セルロースおよびデキストロースなどのそのための賦形剤を含む。香料添加剤などの他の添加剤;甘味料;およびメチル、エチル、プロピルおよびブチルパラベンなどの保存料も含まれることができる。
【0058】
キャリア、賦形剤および/または添加剤は、組成物のその他の材料と適合するという意味において「許容可能」であり、その受容体に対して有害ではない。該医薬組成物は、便宜的に単位投薬形態で示されることができ、当技術に精通するものに既知であるいかなる方法によっても調合されることができる。一般的には、その医薬組成物は、均一におよび密に、脂肪族アミン重合体と薬学的に許容されるマグネシウム化合物をキャリア、賦形剤および/または添加剤で結合させ、必要に応じて、製品をその単位用量にわけることによって、調合される。
【0059】
本発明の医薬組成物は錠剤、小袋、スラリー、食品処方、トローチ、カプセル、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ、ウエハース、チューイングガムまたは薬用キャンディとして処方されることができる。シロップ処方は一般的に、例えば、香料添加剤または着色剤を伴う、エタノール、グリセリンまたは水などの液体キャリアでの、リン酸結合性ポリマまたは塩の懸濁液または溶液を構成するだろう。その組成物が錠剤の形状をしているとき、通常1つ以上の、固形剤の調合に使用される医薬キャリアを用いることができる。そのようなキャリアの例としてはステアリン酸マグネシウム、でんぷん、ラクトースおよびスクロースが挙げられる。その組成物がカプセルの形状をしているとき、例えば、硬質ゼラチンカプセルシェルでの前述のキャリアの使用など、所定のカプセルの使用が一般的には適している。その組成物が柔らかいゼラチンシェルカプセルの形状をしているとき、分散または懸濁の調合に通常使用される医薬キャリアは、例えば、水性ガム、セルロース、ケイ酸塩または油と考えられ、柔らかいゼラチンカプセルシェルに組み込まれることができる。
【0060】
好適な実施形態において、本発明の医薬組成物は、錠剤として処方される。
【0061】
別の好適な実施形態において、本発明の医薬組成物は、単位用量が、例えば、そこから、予め決められた投薬量の調剤が可能なスプーンまたはカップまたは計器によって計測される、小袋またはタブ型容器として簡単に包装されることのできる、粉末製剤として処方される。その粉末製剤は、好ましくはさらに、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸マグネシウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸エステル、など)、カルボキシメチルセルロース、ポリ乳酸、ポリグルタミン酸、ペクチン、キサンタン、カラギーナン、フルセララン、アラビアゴム、カラヤゴム、ガティゴム、キャロブゴムおよびトラガカントゴム(全教示はは参照することにより本願に取り組まれる、2005年9月15日に出願された米国仮出願第60/717,200参照)などの、薬学的に許容される陰イオン性ポリマを含む。1つ以上の甘味料および/または風味料は随意にその粉末製剤に含められることができる。
【0062】
上記詳細は、本発明の実施形態に一致する医薬組成物の経口投与の経路を対象とするが、当技術分野に精通したものによっては、当然のことながら、従来採用され、脂肪族アミン重合体および薬学的に許容されるマグネシウム化合物に関して不活性である賦形剤またはキャリアを使用したほかの投与法は、医薬組成物の調合と投与に利用されてもよい。そのような方法、賦形剤およびキャリアの例示は、例えば、その開示は参照することによって本願に組み込まれる、レミントン製薬科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)第18版(1990年)に記載されるものである。
【0063】
さらに、本発明のその他の実施形態は、脂肪族アミン重合体またはそれらの塩、およびマグネシウムイオンを含む薬学的に許容されるマグネシウム化合物を含む組成物を対象とする。脂肪族アミン重合体および薬学的に許容されるマグネシウム化合物の適した例および好ましい値は、上述のように、本発明の医薬組成物のためのものである。
【0064】
一実施形態において、薬学的に許容されるマグネシウムイオンは、化合物の無水重量あたり、(例えば、10〜30%、10〜25%、13〜25%、15〜22%および16〜20%など)、5〜35%を構成する。
【0065】
代替方法としては、薬学的に許容されるマグネシウム化合物の薬学的に許容されるマグネシウムイオンは、マグネシウム化合物と脂肪族アミン重合体遊離塩基の無水総合重量あたり、(例えば、10〜30%、10〜25%、13〜25%、15〜22%および16〜20%など)、5〜35%を構成する。本願において、「脂肪族アミン重合体遊離塩基」という用語は、いかなる対イオンも含まない、脂肪族アミンを意味する。本組成物におけるマグネシウム化合物の量がこの方法で表されるとき、当然のことながら本組成物における脂肪族アミン重合体は、非プロトン化、部分的プロトン化または完全にプロトン化されることができる。しかしながら、脂肪族アミン重合体の重量は、それは対応する脂肪族アミン重合体遊離塩基であり、脂肪族アミン重合体の窒素原子の全ては遊離であり、いかなる対イオンにも結合されないということを仮定して計算される。
【0066】
代替方法として、薬学的に許容されるマグネシウム化合物は、薬学的に許容されるマグネシウム化合物のマグネシウムイオンの脂肪族アミン重合体に対する総アミン窒素原子(プロトン化および非プロトン化)のモル比は0.4〜3.0(0.4〜2.5、0.8〜2.0、0.8〜1.5および0.8〜1.3など)のような量で、本発明の組成物において存在する。好ましくは、そのモル比は1である。この比は、薬学的に許容されるマグネシウム化合物のマグネシウムイオンのモル数を脂肪族アミン重合体において窒素原子のモル数で除したものである。存在する場合に、対イオンまたは架橋剤からの窒素は、脂肪族アミン重合体のモル数に含まれる。
【0067】
代替方法として、薬学的に許容されるマグネシウム化合物は、薬学的に許容されるマグネシウム化合物のマグネシウムイオンの、脂肪族アミン重合体の総窒素原子に対する荷重配分比は(0.7〜2.0、1.0〜2.0および1.2〜1.8など)0.7〜2.5であるような量で本発明の組成物において存在する。好ましくは、その荷重比は1.57である。この荷重比は、マグネシウムイオンのグラム数を脂肪族アミン重合体においての窒素原子のグラム数で除したものである(組成物全体ではない。)。つまり、対イオンからの窒素または架橋剤は、存在する場合に、脂肪族アミン重合体の窒素原子のグラム数に含まれる。
【0068】
代替方法としては、薬学的に許容されるマグネシウム化合物は、薬学的に許容されるマグネシウム化合物のマグネシウムイオンの脂肪族アミン重合体遊離塩基に対する荷重配分比は0.2〜1.2(0.2〜1.0、0.3〜1.0、0.3〜0.8および0.3〜0.5.など)であるような量で、本発明の組成物において存在する。好ましくは、その荷重配分比は0.42である。「脂肪族アミン重合体遊離塩基」という用語は上述の通りである。つまり、この比はマグネシウムイオンのグラム数を、脂肪族アミン重合体においていかなる対イオンからの重量も含まない脂肪族アミン重合体のグラム数で除したものである。
【0069】
別の実施形態において、本発明の組成物は、脂肪族アミン重合体またはその塩、および、マグネシウムイオンを含む薬学的に許容されるマグネシウム化合物を含み、前記マグネシウム化合物は酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、およびそれらの組合せからなる群から選択される。さらに別の実施形態において、本発明は架橋脂肪族アミン重合体またはその塩、およびマグネシウムイオンを含む薬学的に許容されるマグネシウム化合物を含む組成物を対象としており、前記マグネシウム化合物は前記架橋脂肪族アミン重合体内において同伴される。
【0070】
本願に開示される本発明の医薬組成物は、被検体において高リン血症の治療のために使用されることができる。高リン血症は、一般的に、人間において血中リン酸塩値が約4.5mg/dL以上と定義される。その状態は、特に長期間に渡って存在する場合に、カルシウムおよびリン代謝に重症な異常を導き、関節、肺、目において異常石灰化を呈する。血中リン酸塩の上昇は、一般的に、横紋筋融解症および悪性腫瘍の治療中に発症する、腎不全、副甲状腺機能低下症、偽副甲状腺機能低下症、未治療の急性末端肥大症、リン酸塩の過剰投与、急性組織破壊を伴う患者に現れる。
【0071】
本願において被験体は哺乳類であり、好ましくは人間であるが、ペット(例えば、犬、猫、および同類のもの)や、家畜(例えば牛、羊、豚、馬、および同類のもの)または実験動物(例えば、ラット、マウス、モルモット、および同類のもの)のような、獣医治療の必要な動物であることもできる。「治療を必要とする」被験体は、慢性腎不全を伴う被検体を含む。その他の、治療を必要とする被検体の例としては、リン酸代謝異常に関連する疾患を伴う患者が挙げられる。このタイプの疾患および/または異常の例としては、副甲状腺機能亢進症、腎機能不全、および高リン血症が挙げられる。
【0072】
上記に開示される医薬組成物の「有効量」は、治療なしに比べて、前記医薬組成物で治療された状態の有益な臨床転帰をもたらす量または影響を及ぼす量である。上記に開示される医薬組成物の被験体への投与量は、その疾患または状態の重症度、深刻度、タイプ、望ましい治療効果の量、医薬組成物の放出特性によって変わるだろう。また被検体の健康状態、大きさ、体重、年齢、性別、薬物耐性によっても変わる。一般的に、本発明の前記医薬組成物は、望ましい治療効果を達成するために、十分な期間投与される。一般的に、上記に開示される医薬組成物の、1日あたり約5mgから約15gの間の量(代わりとしては、1日あたり約50mgから約12gの間、1日あたり約0.5gから約12gの間、1日あたり約1gから約12gの間、1日あたり約0.5gから約10gの間、1日あたり約1gから約10gの間、1日あたり約2gから約10gの間、1日あたり約3gから約10gの間、1日あたり約1gから約8gの間、1日あたり約2gから約8gの間、1日あたり約2gから約6gの間、1日あたり約2gから約5gの間)が、治療が必要な患者へ投与される。これらの投与量は、1日に数回(例えば、1日に2,3,4または5回など)あるいは1日に1回投与されることができる。本発明の医薬組成物は、食事とともに1日に最低4回、食事ととともに1日に最低3回、食事と共に1日に最低2回、食事と共に一日に最低1回投与されることができる(全内容は参照することにより、本願に組み込まれる、2004年11月1に出願された米国仮出願第60/623,985号「リン吸着薬の1日に1回の処方」参照)。具体例な一実施例において、本発明の医薬組成物の約0.8〜7.2g(例えば1日に2〜3回の投与で、1回の投与量が1.2g、1.6g、1.8g、2.0、2.4g、3.0g、3.2g、3.6g、4.0gもしくは4.8g、または、1日に1回の投与で1回の投与量が3.0g、3.2g、3.6g、4.0gもしくは4.8g、5.4g、6.0g、6.2g、6.6g、7.0gもしくは7.2g)が投与される。
【0073】
一般的に、本発明の医薬組成物は食前または食後、または食事と共に投与されることができる。本願において、食「前」または食「後」とは一般的に、それぞれ食前食後2時間以内、好ましくは1時間以内、さらに好ましくは30分以内、最も好ましくは10分以内である。
【0074】
好適な一実施形態において、本発明の方法は、本発明の医薬組成物が単独で使用される、単剤療法である。従って、本実施形態において、脂肪族アミン重合体あるいはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容されるマグネシウム化合物は、例えば、該医薬組成物における唯一のリン吸着薬であり唯一の薬学的な有効成分である。本実施形態においてカルシウム系およびアルミニウム系リン吸着薬は医薬組成物から除かれる。同様に、開示の方法に関して、脂肪族アミン重合体および薬学的に許容されるマグネシウム化合物は、被検体へ投与される唯一のリン吸着薬である。
【0075】
本発明の方法はまた、リン酸輸送阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤またはアルカリホスファターゼ阻害剤などの治療効果のある有効薬との併用治療を含む。リン酸輸送阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤またはアルカリホスファターゼ阻害剤、および脂肪族アミン重合体および薬学的に許容されるマグネシウム化合物は、単一製剤において併用処方されることができ、または代わりに、別々の製剤で併用投与されることができる。
【0076】
リン酸輸送阻害剤の適した例は、その全教示が参照することにより本願に組み込まれる、同時系属の米国出願公開第2004/0019113号および第2004/0019020号および第WO2004/085448に見られる。
【0077】
本発明は下記の例証によって説明されるが、いかなる方法においてもそれらに限定する目的ではない。
【実施例】
【0078】
実施例1.酸化マグネシウムとセベラマーの混合体の調合
酸化マグネシウム(0.1g)が塩酸セベラマー(1g)に加えられ混合された。分析結果:C、42.74;H、8.69;N、14.85;Cl、15.77;Mg、6.16。
【0079】
実施例2.酸化マグネシウムとセベラマーの混合体の調合
酸化マグネシウム(0.2g)が塩酸セベラマー(1g)に加えられ混合された。分析結果:C、39.52;H、8.64;N、13.74;Cl、14.94;Mg、14.62。
【0080】
実施例3.酸化マグネシウムとセベラマーの混合体の調合
酸化マグネシウム(0.5g)が塩酸セベラマー(1g)に加えられ混合された。分析結果:C、33.23;H、7.41;N、11.51;Cl、11.25;Mg、39.31。
【0081】
実施例4.酸化マグネシウムとセベラマーの混合体の調合
酸化マグネシウム(1g)が塩酸セベラマー(1g)に加えられ混合された。分析結果:C、24.83;H、5.59;N、8.50;Cl、9.18;Mg、47.90。
【0082】
実施例5.酸化マグネシウムとセベラマーの混合体の調合
酸化マグネシウム(5g)が塩酸セベラマー(1g)に加えられ混合された。分析結果:C、12.37;H、2.90;N、4.12;Cl、3.03;Mg、60.81。
【0083】
実施例6.エピクロロヒドリン−架橋ポリアリルアミンと酸化マグネシウムの混合体の調合
A.10%エピクロロヒドリン−架橋ポリアリルアミン:271.2gPAA.HCl、10.0モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)の調合
塩酸ポリアリルアミン(PAA.HCl、50%(w/w)水溶液)の溶液に、脱イオン水(1050g)が加えられ、NaOH(水中50%(w/w)NaOHの185.38g)が続いて加えられ、部分的に中和されたポリアリルアミン溶液を形成した。本溶液は18.08%(w/w)塩酸ポリアリルアミン相当を含む。
【0084】
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン(PAA.HCl)溶液(1500g)へエピクロロヒドリン(22.8mL)が加えられた。ゲルが30分以内に形成された。1夜の室温での硬化後、ゲルは小さく砕かれ、大きなプラスチック製ブフナー漏斗にろ紙とともに置かれた。真空下で、ポリマゲルは12回洗浄された(1回の洗浄に4L)。洗浄されたポリマは、熱風乾燥機において60℃で乾燥され247.54gを得た。乾燥されたポリマは、フリッチュグラインダーで第2番ブレードを使用して砕かれ、80メッシュのふるいを通して篩過され、−80メッシュ材料(サンプルA)の178.64gおよび+80メッシュ材料(サンプルB)の18.17gを得た。サンプルAの分析結果:C、42.76;H、10.12;N、14.58;Cl、18.28。
【0085】
B.エピクロロヒドリン−架橋ポリアリルアミと酸化マグネシウムの混合体の調合
10%のエピクロロヒドリン架橋ポリアリルアミン(サンプルAの5.4g)のサンプルが密に酸化マグネシウム(2.1g、−325メッシュ)と混合された。
【0086】
実施例7.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:50gPAA.HCl、70.5重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、9.8モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、276.5g)へ酸化マグネシウム(35.25g)が加えられた。室温で1時間撹拌した後、エピクロロヒドリン(4.10mL)が加えられた。ゲルが30分以内に形成された。室温で3夜硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水(4L)に懸濁された。20分間撹拌した後、該懸濁液はろ過された。該ろ過されたポリマは脱イオン水(1回の洗浄につき4L)で2回洗浄された。ろ過されたポリマの半分は熱風乾燥機において60℃で乾燥され37.37gを得た(実施例7−#1)。実施例7―#1の分析結果:C、25.31;H、7.09;N、8.37;Cl、3.44;Mg、26.76。もう半分のろ過されたポリマは凍結乾燥され36.57gを得た(実施例7−#2)。実施例7−#2の分析結果:C、29.71;H、8.09;N、9.90;Cl、3.29;Mg、5.23。
【0087】
実施例8.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:50gPAA.HCl、53重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、9.8モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
本サンプルは、酸化マグネシウムの使用の量を除いて、上記の実施例7に説明されるように調合される。部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン(実施例6参照、276.5g)へ酸化マグネシウム(26.44g)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(4.10mL)が加えられた。ゲルが30分以内に形成された。室温で3夜硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水(4L)に懸濁された。20分間撹拌された後、該懸濁液はろ過された。該ろ過されたポリマは脱イオン水(各洗浄につき4L)で2回洗浄された。該ろ過されたポリマの半分は60℃の熱風乾燥機で乾燥され32.91gを得た(実施例8−#1)。実施例8−#1の分析結果:C、32.26;H、8.40;N、10.85;Cl、4.46;Mg、16.84。もう半分のろ過されたポリマは凍結乾燥され31.18gを得た(実施例8−#2)。実施例8−#2の分析結果:C、27.36;H、7.76;N、9.28;Cl、3.65;Mg、12.74。
【0088】
実施例9.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:100gPAA.HCl、53重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、9.8モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、553g)へ酸化マグネシウム(52.88g)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(8.2mL)が加えられた。ゲルは30以内に形成された。室温で硬化された後、ゲルは、小さく砕かれ、脱イオン水(4L)に懸濁された。20分間撹拌された後、該懸濁液はろ過された。該ろ過されたポリマは脱イオン水(各洗浄につき4L)でもう3回洗浄された。該ろ過されたポリマは、熱風乾燥機において60℃で乾燥され、135.45gを得た。該ポリマは、コーヒーミルで挽かれ、80メッシュのふるいを使用して篩過され、+80メッシュ材料で61.82g(実施例9−#2)および−80メッシュ材料(実施例9−#1)で73.58gを得た。前記実施例9−#2のポリマはさらに#2スクリーンを使用してフリッチュグラインダーで挽かれ、80メッシュのふるいを使用して篩過され+80メッシュ材料の32.81g(実施例9―#4)および−80メッシュ材料(実施例9−#3)の28.26gを得た。実施例9−#1の分析結果:C、28.58;H、7.69;N、9.54;Cl、3.60;Mg、19.37。
【0089】
実施例10.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:200gPAA.HCl、53重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、9.8モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
本サンプルは、上記の実施例9に説明されるように調合されたが、より大きな規模であった。分析結果:C、28.55;H、7.99;N、9.72;Cl、6.44;Mg、18.97。
【0090】
実施例11.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:50gPAA.HCl、53重量%酸化マグネシウム(30メッシュ)(PAA.HClの重量に基づく)、9.8モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
本調合は、実施例8に説明されるように同様の方法で実施された。部分的に中和されたポリアリルアミン溶液(585g)へ酸化マグネシウム(36.85g、約30メッシュのビーズ)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(5.71mL)が加えられた。ゲルが形成された。室温で1時間以上硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水(4x4L)で洗浄され、熱風乾燥機において60℃で乾燥され、92.93gを得た。
【0091】
実施例12.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:50gPAA.HCl、157重合%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、9.8モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、276.5g)へ酸化マグネシウム(79.32g、−325メッシュ)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(4.10mL)が加えられた。ゲルが形成された。1夜室温で硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水(3x4L)で洗浄され、熱風乾燥機において60℃で乾燥され、134.58gを得た。
【0092】
実施例13.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:50gPAA.HCl、211重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、9.8モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、276.5g)へ酸化マグネシウム(105.76g、−325メッシュ)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(4.10mL)が加えられた。ゲルが形成された。室温で1夜硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水(3x4L)で洗浄され、熱風乾燥機において60℃で乾燥され170.27gを得た。
【0093】
実施例14.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:24gPAA、20重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、9.8モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
脱イオン水(200g)における塩酸ポリアリルアミンの部分的に中和された溶液(実施例6参照、200g、50重量%水溶液)へ、該溶液がpH13を有するまで50%水性NaOHが加えられた。本溶液は、脱イオン水に対して、透析された(MWCO6−8000)。凍結乾燥されポリアリルアミン遊離塩基53.86gを得た。
ポリアリルアミン遊離塩基(23.54g、629−017)、脱イオン水(94.16g)、および酸化マグネシウム(4.69g、−325メッシュ)の混合体へエピクロロヒドリン(3.16mL)が加えられた。ゲルが20分後に形成され、室温で1夜硬化させられることを許された。ゲルは小さく砕かれ、60℃の熱風乾燥機で乾燥され、32.79gを得た。
【0094】
実施例15.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:10gPAA.HCl、71重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、9.8モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、55.3g)へ酸化マグネシウム(7.05g、−325メッシュ)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(0.97g)が加えられた。ゲルが形成された。室温で硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水(3x1L)で洗浄され、凍結乾燥され10.5gを得た。分析結果:C、27.25;H、7.05;N、9.15;Mg、23.40。
【0095】
実施例16.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:10gPAA.HCl、35重合%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、9.8モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、55.3g)へ酸化マグネシウム(3.53g、−325メッシュ)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(0.97g)が加えられた。ゲルが形成された。室温で硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水(3x1L)で洗浄され、凍結乾燥され、9.45gを得た。分析結果:C、43.35;H、9.34;N、14.72;Mg、13.23。
【0096】
実施例17.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:50gPAA.HCl、18重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、9.8モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、275.86g)へ酸化マグネシウム(8.8g、−325メッシュ)が加えられた。室温で2時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(4.86g)が加えられた。ゲルが形成された。室温で硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水(6x2L)で洗浄され、凍結乾燥され、39.95gを得た。分析結果:C、51.68;H、11.45;N、17.86;Cl、4.83;Mg、5.9。
【0097】
実施例18.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:10gPAA.HCl、7重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、9.8モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、55.3g)へ酸化マグネシウム(0.7g、−325メッシュ)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(0.97g)が加えられた。ゲルが形成された。室温で硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水(3x1L)で洗浄され、凍結乾燥され7.95gを得た。分析結果:C、49.37;H、9.98;N、16.70;Mg、0.61。
【0098】
実施例19.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:10gPAA.HCl、3.5重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、9.8モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
本サンプルは、0.35gの酸化マグネシウム(−325メッシュ)の使用を除いて、上述のように調合される。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(0.97g)が加えられた。8.25gの凍結されたゲルが得られた。分析結果:C、47.05;H、10.00;N、16.06;Mg、0.29。
【0099】
実施例20.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:100gPAA.HCl、53重量%重質酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、9.8モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
本サンプルは、重質酸化マグネシウムの使用を除いて、実施例8に説明される方法と同様に調合された。部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、553g)へ重質酸化マグネシウム(52.88g)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(8.2mL)が加えられた。ゲルが30分以内に形成された。室温で硬化された後、ゲルは、小さく砕かれ、脱イオン水(4L)に懸濁された。20分間撹拌された後、該懸濁液はろ過された。該ろ過されたポリマは脱イオン水(3x4L)で洗浄された。該ろ過されたポリマは熱風乾燥機において60℃で乾燥され150.2gを得た。該ポリマはコーヒーミルで挽かれ、80メッシュのふるいを使用して篩過され、+80メッシュ材料で118.56g(実施例20−#1)および−80メッシュ材料で32.06g(実施例20−#2)を得た。実施例20−#2の分析結果:C、27.91;H、7.60;N、9.35;Cl、8.52;Mg、18.23。実施例20−#1の分析結果:C、27.33;H、7.50;N、9.35;Cl、7.86;Mg、19.89。
【0100】
実施例21.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:100gPAA.HCl、53重量%軽質酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、9.8モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
本サンプルは、重質酸化マグネシウムの代わりに軽質酸化マグネシウムを使用することを除いて、上記実施例27に説明されるように調合された。154.6gの乾燥ポリマゲルが得られた。該ポリマはコーヒーミルで挽かれ、80メッシュのふるいを用いて篩過され、+80メッシュ材料で122.96g(実施例21−#1)および−80メッシュ材料で31.64g(実施例21−#2)を得た。実施例21−#2の分析結果:C、27.40;H、7.50;N、9.19;Cl、7.76;Mg、18.82。実施例21−#1の分析結果:C、27.30;H、7.63;N、9.34;Cl、8.86;Mg、18.80。
【0101】
実施例22.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:50gPAA.HCl、35.3重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、14.8モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、276.5g)へ酸化マグネシウム(17.65g)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(6.15mL)が加えられた。20分以内にゲルが形成された。室温で3夜硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水(4L)に懸濁された。20分間撹拌された後、該懸濁液はろ過された。該ろ過されたポリマは脱イオン水(2x4L)で洗浄された。該ろ過されたポリマの半分は、熱風乾燥機において60℃で乾燥され、26.88g(実施例22−#1)を得た。実施例22−#1の分析結果:、C、35.10;H、8.30;N、11.33;Cl、3.69;Mg、24.82。ろ過されたポリマのもう半分は凍結乾燥され、26.35g(実施例22−#2)を得た。実施例22−#2の分析結果:C、33.97;H、8.44;N、11.14;Cl、3.42;Mg、23.08。
【0102】
実施例23.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:50gPAA.HCl、35.3重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、19.8モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、276.5g)へ酸化マグネシウム(17.65g)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(8.20mL)が加えられた。ゲルが20分以内に形成された。室温で3夜、硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水(4L)に懸濁された。20分間撹拌された後、該懸濁液はろ過去れた。該ろ過されたポリマは脱イオン水(2x4L)で洗浄された。該ろ過されたポリマの半分は、熱風乾燥機において60℃で乾燥され、28.09gを得た(実施例23−#1)。実施例23−#1の分析結果:C、24.60;H、6.87;N、7.50;Cl、5.16;Mg、8.67。ろ過されたポリマのもう半分は凍結乾燥され26.97gを得た(実施例23−#2)。実施例23−#2の分析結果:C、41.79;H、9.54;N、13.26;Cl、3.80;Mg、24.00。
【0103】
実施例24.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:200gPAA.HCl、53重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、15モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、1106g)へ酸化マグネシウム(105.76g)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(25.10mL)が加えられた。10分以内にゲルが形成された。室温で3夜、硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水で洗浄され、熱風乾燥機において60℃で乾燥され278.13gの製品を得た。
【0104】
実施例25.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:200gPAA.HCl、53重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、20モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、1106g)へ酸化マグネシウム(105.76g)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(33.47mL)が加えられた。ゲルが形成された。室温で3夜、硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水で洗浄され、熱風乾燥機において60℃で乾燥され、267.52gの製品を得た。
【0105】
実施例26.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合200gPAA.HCl、53重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、30モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、1106g)へ酸化マグネシウム(105.76g)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(50.21mL)が加えられた。ゲルが形成された。室温で3夜、硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水で洗浄され、熱風乾燥機において60℃で乾燥され295.19gの製品を得た。
【0106】
実施例27.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:200gPAA.HCl、53重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、5モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、1106g)へ酸化マグネシウム(105.76g)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(8.37mL)が加えられた。ゲルが形成された。室温で3夜、硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水で洗浄され、熱風乾燥機において60℃で乾燥され、268.41gの製品を得た。
【0107】
実施例28.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:200gPAA.HCl、53重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、50モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、1106g)へ酸化マグネシウム(105.76g)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(83.66mL)が加えられた。ゲルが形成された。室温で3夜、硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水で洗浄され、熱風乾燥機において60℃で乾燥され、285.2gの製品を得た。
【0108】
実施例29.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:50gPAA.HCl、106重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、9.8モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、276.5g)へ酸化マグネシウム(52.88g、−325メッシュ)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(4.10mL)が加えられた。ゲルが形成された。室温で1夜硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水(3x4L)で洗浄され、熱風乾燥機において60℃で乾燥され97.76gの製品を得た。
【0109】
実施例30.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:50gPAA.HCl、53重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、1モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、276.5g)へ酸化マグネシウム(26.44g、−325メッシュ)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(0.419mL)が加えられた。ゲルが形成された。室温で1夜硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水で洗浄され、熱風乾燥機において60℃で乾燥され52.28gの製品を得た。
【0110】
実施例31.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:50gPAA.HCl、50重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、10モル%ビス(2−クロロエチル)アミン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、276.5g)、酸化マグネシウム(25g、−325メッシュ)、およびビス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩(9.46g)の混合体が60℃で8時間加熱された。15分後にゲルが形成された。室温へ冷まされた後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水(3x4L)で洗浄され、熱風乾燥機において60℃で乾燥され60.56gを得た。
【0111】
実施例32.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:50gPAA.HCl、100重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、10モル%ビス(2−クロロエチル)アミン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、276.5g)、酸化マグネシウム(50g、−325メッシュ)、およびビス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩(9.46g)の混合体が60℃で8時間加熱された。ゲルが5分後に形成された。室温に冷まされた後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水(3x4L)で洗浄され、熱風乾燥機において60℃で乾燥され95.95gを得た。
【0112】
実施例33.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:50gPAA.HCl、50重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、20モル%ビス(2−クロロエチル)アミン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、276.5g)、酸化マグネシウム(25g、−325メッシュ)、およびビス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩(18.92g)の混合体が60℃で8時間加熱された。ゲルが10分後に形成された。室温に冷まされた後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水(3x4L)で洗浄され、熱風乾燥機において60℃で乾燥され63.73gを得た。
【0113】
実施例34.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:50gPAA.HCl、100重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、20モル%ビス(2−クロロエチル)アミン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、276.5g)、酸化マグネシウム(50g、−325メッシュ)、およびビス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩(18.92g)の混合体が60℃で8時間加熱された。ゲルが5分後に形成された。室温に冷まされた後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水(3x4L)で洗浄され、熱風乾燥機において60℃で乾燥され96.2gを得た。
【0114】
実施例35.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:50gPAA.HCl、26.4重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、12.5モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6、276.5g)へ酸化マグネシウム(26.44g、−325メッシュ)が加えられた。室温で10分間撹拌された後、エピクロロヒドリン(5.23mL)が加えられた。ゲルが形成された。室温で1夜硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水で洗浄され、熱風乾燥機において60℃で乾燥され64.64gを得た。
【0115】
実施例36.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:50gPAA.HCl、53重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、18モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、276.5g)へ酸化マグネシウム(26.44g、−325メッシュ)が加えられた。室温で10分間撹拌された後、エピクロロヒドリン(7.53mL)が加えられた。ゲルが形成された。室温で1夜硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水で洗浄され、熱風乾燥機において60℃で乾燥され65.96gを得た。
【0116】
実施例37.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:10gPAA.HCl、18重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、19.6モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、55.3g)へ酸化マグネシウム(1.76g、−325メッシュ)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(1.94g)が加えられた。ゲルが形成された。室温で硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水(3x1L)で洗浄され、凍結乾燥され、8.35gを得た。分析結果:C、50.28;H、10.58;N、16.13;Mg、5.06。
【0117】
実施例38.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:10gPAA.HCl、18重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、39.3モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、55.3g)へ酸化マグネシウム(1.76g、−325メッシュ)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(3.89g)が加えられた。ゲルが形成された。室温で硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水(3x1L)で洗浄され、凍結乾燥され8.35gを得た。分析結果:C、43.77;H、9.18;N、12.01;Mg、3.94。
【0118】
実施例39.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:20gPAA.HCl、35重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、15モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、110.6g)へ酸化マグネシウム(7.06、−325メッシュ)を加える。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(2.91g、0.0315モル、15モル%)が加えられた。ゲルが形成された。室温で硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水(3x2L)で洗浄された。該洗浄されたゲルは2つの部分に分けられた。1つの部分は凍結乾燥され、10.8g(サンプル39−#1)を得た。サンプル39−#1の分析結果:C、36.32;H、8.66;N、12.00;Cl、3.71;Mg、13.56。別の部分は熱風乾燥機において60℃で乾燥され10.87g(サンプル39−#2)を得た。サンプル39−#2の分析結果:C、39.50;H、8.67;N、12.97;Cl、2.92;Mg、14.56。
【0119】
実施例40.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:20gPAA.HCl、35重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、20モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、110.6g、20gPAA.HCl、0.21モル)へ酸化マグネシウム(7.06、−325メッシュ、35.3%w/w)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(3.88g、0.0419モル、0.2相当)が加えられた。ゲルが形成された。室温で硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水(3x2L)で洗浄された。該洗浄されたゲルは2つの部分に分けられた。1つの部分は凍結乾燥され11.49g(サンプル40−#1)を得た。サンプル40−#1の分析結果:C、31.38;H、7.82;N、9.91;Cl、4.31;Mg、13.06。別の部分は熱風乾燥機において60℃で乾燥され11.02g(サンプル40−#2)を得た。サンプル40−#1の分析結果:C、40.48;H、8.98;N、12.87;Cl、3.85;Mg、14.73。
【0120】
実施例41.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:20gPAA.HCl、53重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、10モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、110.6g)へ酸化マグネシウム(10.60g、ナノ粉末、53%w/w)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(1.94g)が加えられた。ゲルが形成された。室温で硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水(5x2L)で洗浄された。該洗浄されたゲルは熱風乾燥機において60℃で乾燥され22.17gを得た。分析結果:C、32.31;H、6.70;N、10.71;Cl、2.41;Mg、15.69。
【0121】
実施例42.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:20gPAA.HCl、71重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、10モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、110.6g)へ酸化マグネシウム(14.14g、ナノ粉末、71%w/w)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(1.94g)が加えられた。ゲルが形成された。室温で硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水(5x2L)で洗浄された。該洗浄されたゲルは熱風乾燥機において60℃で乾燥され24gを得た。分析結果:C、36.12;H、8.12;N、11.97;Cl、1.23;Mg、17.36。
【0122】
実施例43.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:50gPAA.HCl、53重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、9.8モル%1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、276.5g)へ酸化マグネシウム(26.44g)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(9.93mL)が加えられた。数分以内にゲルが形成された。室温で3夜、硬化された後、ゲルは小さく砕かれ脱イオン水(4L)に懸濁された。20分間撹拌された後、該懸濁液はろ過された。該ろ過されたポリマは脱イオン水(2x4L)で洗浄された。該ろ過されたポリマは熱風乾燥機において60℃で乾燥され73.16gを得た。分析結果:C、34.53;H、7.80;N、9.69;Cl、3.00;Mg、18.29。
【0123】
実施例44.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:50gPAA.HCl、53重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、9.8モル%1,2−ジブロモエタン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、276.5g)へ酸化マグネシウム(26.44g)が加えられた。室温で30分間撹拌された後、1,2−ジブロモエタン(4.52mL)が加えられた。その混合体は1夜60℃まで加熱された。ゲルが数分以内に形成された。室温で3夜、硬化された後、ゲルは小さく砕かれ脱イオン水(4L)に懸濁された。20分間撹拌された後、該懸濁液はろ過された。該ろ過されたポリマは脱イオン水(2x4L)で洗浄された。該ろ過されたポリマは熱風乾燥機において60℃で乾燥され63.84gを得た。分析結果:C、34.36;H、7.82;N、11.76;Cl、0.87;Br、0.79;Mg、19.21。
【0124】
実施例45.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:50gPAA.HCl、35重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、15モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、276.5g)へ酸化マグネシウム(17.65g)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(6.22mL)が加えられた。ゲルが30分以内に形成された。室温で3夜、硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水(4L)に懸濁された。20分間撹拌された後、該懸濁液はろ過された。該ろ過されたポリマは脱イオン水(2x4L)で洗浄された。該ろ過されたポリマは熱風乾燥機において60℃で乾燥され56.21gを得た。
【0125】
実施例46.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:50gPAA.HCl、53重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、15モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、276.5g)へ酸化マグネシウム(26.44g)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(6.22mL)が加えられた。ゲルが30分以内に形成された。室温で3夜、硬化された後、ゲルは小さく砕かれ脱イオン水(4L)に懸濁された。20分間撹拌された後、該懸濁液はろ過された。該ろ過されたポリマは脱イオン水(各洗浄につき2x4L)で洗浄された。該ろ過されたポリマは熱風乾燥機において60℃で乾燥され64.04gを得た。
【0126】
実施例47.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:50gPAA.HCl、70.5重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、15モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液へ(実施例6参照、276.5g)へ酸化マグネシウム(35.25g)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(6.22mL)が加えられた。ゲルが30分以内に形成された。室温で3夜、硬化された後、ゲルは小さく砕かれ脱イオン水(4L)に懸濁された。20分間撹拌された後、該懸濁液はろ過された。該ろ過されたポリマは脱イオン水(2x4L)で洗浄された。該ろ過されたポリマは熱風乾燥機において60℃で乾燥され79.48gを得た。
【0127】
実施例48マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:50gPAA.HCl、100重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、15モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、276.5g)へ酸化マグネシウム(35.25g)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(6.22mL)が加えられた。ゲルが30分以内に形成された。室温で3夜、硬化された後、ゲルは小さく砕かれ脱イオン水(4L)に懸濁された。20分間撹拌された後、該懸濁液はろ過された。そのろ過されたポリマは脱イオン水(2x4L)で洗浄された。該ろ過されたポリマは熱風乾燥機において60℃で乾燥され97.71gを得た。
【0128】
実施例49.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:50gPAA.HCl、120重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、15モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、276.5g)へ酸化マグネシウム(35.25g)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(6.22mL)が加えられた。ゲルが30分以内に形成された。室温で3夜、硬化された後、ゲルは小さく砕かれ脱イオン水(4L)に懸濁された。20分間撹拌された後、該懸濁液はろ過された。そのろ過されポリマは脱イオン水(各洗浄につき2x4L)で洗浄された。該ろ過されたポリマは熱風乾燥機において60℃で乾燥され、108.9gを得た。
【0129】
実施例50.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:Mg(OH)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、110.6g)へMg(OH)(12.25g)が加えられた。室温で10分間撹拌された後、エピクロロヒドリン(0.985mL)が加えられた。ゲルが1時間以内に形成された。室温で3夜、硬化された後、ゲルは小さく砕かれ脱イオン水(4L)に懸濁された。20分間撹拌された後、該懸濁液はろ過された。該ろ過されたポリマは脱イオン水(1x4L)で洗浄された。該ろ過されたポリマは凍結乾燥され23.81gを得た。分析結果:C、31.55;H、8.49;N、11.27;Cl、6.89;Mg、20.06。
【0130】
実施例51.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:MgCl
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、110.6g)へMgCl(20g)が加えられた。室温で10分間撹拌された後、エピクロロヒドリン(0.985mL)が加えられた。ゲルが1時間以内に形成された。室温で3夜、硬化された後、ゲルは小さく砕かれイソプロパノールと脱イオン水の70:30の溶液(4L)に懸濁された。20分間撹拌された後、該懸濁液はろ過された。該ろ過されたポリマはイソプロパノールと脱イオン水の70:30の溶液(3x4L)で3回洗浄された。該ろ過されたポリマは凍結乾燥され18.04gを得た。分析結果:C、38.62;H、9.67;N、13.53;Cl、20.98;Mg、3.54。
【0131】
実施例52.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:50gPAA.HCl、150重量%Mg(OEt)(PAA.HClの重量に基づく)、9.8モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、276.5g)へMg(OEt)2(75.07g)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、エピクロロヒドリン(4.10mL)が加えられた。ゲルが45分以内に形成された。室温で1夜硬化された後、ゲルは小さく砕かれた。前記ゲルの半分は熱風乾燥機において60℃で乾燥され50.46g(実施例52−#1)を得た。該最初のゲルのもう半分は脱イオン水(4L)に懸濁した。20分間撹拌された後、該懸濁液はろ過された。該ろ過されたポリマは脱イオン水(1x4L)で洗浄された。本洗浄され、ろ過されたポリマは熱風乾燥機において60℃で乾燥され29.91g(実施例52−#2)を得た。実施例52−#2の分析結果:C、19.69;H、6.19;N、6.43;Cl、6.73;Mg、16.39。実施例52−#1の50gは挽かれ、−80メッシュスクリーンを通して篩過され脱イオン水(4L)に懸濁された。15分間撹拌された後、該懸濁液はろ過された。該ろ過されたポリマは、もう2回脱イオン水(各洗浄につき4L)で洗浄され、熱風乾燥機において60℃で乾燥され29.91g(実施例52−#1)を得た。実施例52−#1の分析結果:C、30.46;H、7.93;N、10.07;Cl、2.01;Mg、17.97。
【0132】
実施例53.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:酸化マグネシウム
ポリジアリルアミン塩酸塩の部分的に中和された溶液(76g、pH10.13とポリ(ジアリルアミン)塩酸塩の26.3%(w/w)に相当)へ酸化マグネシウム(1.51g)が加えられた。20分間撹拌された後、室温で、エピクロロヒドリン(2.11mL)が加えられた。ゲルが20分以内に形成された。室温で1夜硬化された後,ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水(4L)で懸濁された。20分間撹拌された後、該懸濁液はろ過された。該ろ過されたポリマは再び脱イオン水(4L)に懸濁され、20分間撹拌され、ろ過された。該ろ過されたポリマは凍結乾燥され17.8gを得た。
【0133】
実施例54.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:酸化マグネシウム
脱イオン水(80g)におけるポリエチレンイミンの溶液(20g、Mw25000、水を含まない)へ酸化マグネシウム(4.64g)が加えられた。20分間撹拌された後、室温で、エピクロロヒドリン(3.24mL)が加えられた。室温で1夜硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水(4L)に懸濁された。20分間撹拌された後、該懸濁液はろ過された。該ろ過されたポリマは再び脱イオン水(4L)に懸濁され、20分間撹拌され、ろ過された。該ろ過されたポリマは熱風乾燥機において60℃で乾燥され24.61gを得た。その乾燥された固体は脱イオン水(4L)に懸濁された。濃縮されたHClが、該懸濁液がpH1を有するまで加えられた。ろ過された後、そのポリマは熱風乾燥機において60℃で乾燥され29.79gを得た。
【0134】
実施例55.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:酸化マグネシウム
脱イオン水(80mL)におけるポリ(ビニルアミン)塩酸塩の溶液(20g)へ酸化マグネシウム(2.52g)が加えられた。室温で1時間撹拌された後、50%NaOH(8.57g)が加えられ、続いてエピクロロヒドリン(1.76mL)が加えられた。室温で1夜硬化された後、ゲルは小さく砕かれ脱イオン水(4L)に懸濁された。20分間撹拌された後、該懸濁液はろ過された。該ろ過されたポリマは再び脱イオン水(4L)に懸濁され、20分間撹拌され、ろ過された。該ろ過されたポリマは熱風乾燥機において60℃で乾燥され、14.3gを得た。分析結果:C、45.11;H、8.88;N、19.68;Mg、1.39。
【0135】
実施例56.架橋ポリ[4−{(トリス(2−アミノエエチル)アミノ)メチル}スチレン]と酸化マグネシウムの混合体の調合
バイアルへ細かく挽かれた9モル%エピクロロヒドリン−架橋ポリ[4−{(トリス(2−アミノエエチル)アミノ)メチル}スチレン](10.8g)が加えられ、続いて酸化マグネシウム(4.2g、−325メッシュ)が加えられた。バイアルは、約5分間手動で振られた。
【0136】
実施例57.エピクロロヒドリン−架橋ポリ[4−{(ビス(3−アミノプロピル)アミノ)メチル}スチレン]の調合
脱イオン水(53g)におけるポリ[4−{(ビス(3−アミノプロピル)アミノ)メチル}スチレン]塩酸塩(13.25g)の溶液へNaOH(50%の水溶液の6.46g)が、溶液pH10まで加えられた。それからエピクロロヒドリン(0.261mL)が加えられた。該溶液は、室温で、ゲル状になるまでオーバーヘッド式撹拌器で撹拌され、該ゲルは室温で硬化させられた。室温で硬化された後、該ゲルは小さく砕かれイソプロパノールと脱イオン水(4L)の70:30の溶液に懸濁され、20分間撹拌された後、該懸濁液はろ過された。該ろ過されたポリマは熱風乾燥機において60℃で乾燥され12.01gを得た。
【0137】
実施例58.エピクロロヒドリン−架橋ポリ[4−{(ビス(3−アミノプロピル)アミノ)メチル}スチレン]と酸化マグネシウムの混合体の調合
バイアルへ、細かく挽かれたエピクロロヒドリン架橋ポリ[4−{(ビス(3−アミノプロピル)アミノ)メチル}スチレン](実施例64の3.5g)が加えられ、続いて酸化マグネシウム(1.4g、−325メッシュ)が加えられた。バイアルは約5分間手動で振られた。
【0138】
実施例59.エチレンビスアクリルアミド−架橋ポリ[4−{(トリス(3−アミノエチル)アミノ)メチル}スチレン]の調合
4−{(トリス(2−アミノエチル)アミノ)メチル}スチレン(15g)、脱イオン水(35mL)、N,N−エチレンビスアクリルアミド(0.5g)、2,2’−アゾビスアミジノプロバン二塩酸塩(20%の水溶液の0.75g)の撹拌された溶液は60℃で18時間、窒素雰囲気の下で加熱された。該溶液は30分以内にゲルになった。室温に冷まされた後、ゲルは小さく砕かれ、メタノール(1L)に懸濁された。15分間撹拌された後、該懸濁液はろ過された。該ろ過されたポリマはメタノール(12x1L)で洗浄された。該ろ過されたポリマはそれから脱イオン水(1L)に懸濁された。15分間撹拌された後、該懸濁液はろ過された。その後該ろ過されたポリマは水(各洗浄につき1Lx2)で洗浄された。その最終的な水性懸濁液のpHは、濃縮HClを加えて7に調整された。該ろ過されたポリマは熱風乾燥機において60℃で乾燥され12.56gを得た。
【0139】
実施例60.エチレンビスアクリルアミド−架橋ポリ[4−{(トリス(3−アミノメチル)アミノ)メチル}スチレン]と酸化マグネシウムの混合体の調合
バイアルへ細かく挽かれたエチレンビスアクリルアミド架橋ポリ[4−{(トリス(3−アミノメチル)アミノ)メチル}スチレン](2.5g、実施例66)が加えられ、続いて酸化マグネシウム(1g、−325メッシュ)が加えられた。バイアルは約5分間手動で振られた。
【0140】
実施例61.エチレンビスアクリルアミド−架橋ポリ[4−{(トリス(3−アミノメチル)アミノ)メチル}スチレン]の調合
4−{(トリス(2−アミノエチル)アミノ)メチル}スチレン(15g)、脱イオン水(35mL)、N,N−エチレンビスアクリルアミド(1g)、2,2’−アゾビスアミジノプロバンニ酸塩酸(20%の水溶液の0.75g)の撹拌された溶液は60℃で18時間、窒素雰囲気の下、加熱された。その溶液は30以内にゲルになった。室温に冷まされた後、前記ゲルは小さく砕かれメタノール(1L)で懸濁された。15分間撹拌された後、該懸濁液はろ過された。該ろ過されたポリマはメタノールで洗浄された(2x1L)。該ろ過されたポリマはそれかた脱イオン水(1L)に懸濁された。15分間撹拌された後、該懸濁液はろ過された。該ろ過されたポリマは、同様に水(2x1L)で洗浄された。その最終的な水性懸濁液のpHは濃縮HCIを加えられ7へ調整された。該ろ過されたポリマは熱風乾燥機において60℃で乾燥され13.98gを得た。
【0141】
実施例62.エチレンビスアクリルアミド−架橋ポリ[4−{(トリス(3−アミノメチル)アミノ)メチル}スチレン]と酸化マグネシウムの混合体の調合
バイアルへ細かく挽かれたエチレンビスアクリルアミド−架橋ポリ[4−{(トリス(3−アミノメチル)アミノ)メチル}スチレン](実施例68の2.5g)が加えられ、続いて酸化マグネシウム(1g、−325メッシュ)が加えられた。バイアルは約5分間手動で振られた。
【0142】
実施例63.架橋ポリ[4−{(トリス(3−アミノメチル)アミノ)メチル}スチレン]の調合
4−{(トリス(2−アミノエチル)アミノ)メチル}スチレン(15g)、脱イオン水(35mL)、架橋剤N,N’−ビス[(4−ビニル)ベンジル]エチレンジアミン(0.83g、実施例70)、2,2’−アゾビスアミジノプロバンニ酸塩酸(20%の水溶液の0.75g)の撹拌された溶液は60℃で18時間窒素雰囲気の下、加熱された。その溶液は4時間以内にゲルになった。室温に冷まされた後、ゲルは小さく砕かれ、メタノール(2L)に懸濁された。15分間撹拌された後、該懸濁液はろ過された。該ろ過されたポリマは同様にもう2回メタノール(各洗浄につき2L)で洗浄された。該ろ過されたポリマはそれから脱イオン水(2L)に懸濁された。15分間撹拌された後、該懸濁液はろ過された。該ろ過されたポリマは同様にもう2回水(各洗浄につき2L)で洗浄された。その最終的な水性懸濁液のpHは、濃縮HClの追加で7へ調整された。該ろ過されたポリマは熱風乾燥機において60℃で乾燥され13gを得た。
【0143】
実施例64.架橋ポリ[4−{(トリス(3−アミノメチル)アミノ)メチル}スチレン]と酸化マグネシウムの混合体の調合
バイアルへ細かく挽かれた架橋ポリ[4−{(トリス(3−アミノメチル)アミノ)メチル}スチレン](2.5g、実施例70)が加えられ、続いて酸化マグネシウム(1g、−325メッシュ)が加えられた。バイアルは約5分間手動で振られた。
【0144】
実施例65.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリ[4−{(トリス(2−アミノエチル)アミノ)メチル}スチレン]の調合:酸化マグネシウム、70重量%(ポリ[4−{(トリス(2−アミノエチル)アミノ)メチル}スチレン]の重量に基づく)
冷却溶液で冷却された脱イオン水(53mL)におけるポリ[4−{(トリス(2−アミノエチル)アミノ)メチル}スチレン](10g)の溶液へ、その溶液がpH10.5を有するまで、ゆっくりと50%NaOHが加えられた。該溶液へ酸化マグネシウム(7g、−325メッシュ)が加えられ、1時間撹拌された。エピクロロヒドリン(0.204g)が加えられ、その混合体はゲルを形成するまで撹拌された(2時間)。室温で硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、脱イオン水(2L)に懸濁された。50分間撹拌された後、該懸濁液はろ過された。該ろ過されたポリマは脱イオン水(2x2L)で洗浄された。該ろ過されたポリマは凍結乾燥され10.3gを得た。分析結果:C、23.42;H、5.28;N、6.62;Mg、29.63。
【0145】
実施例66.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリ[4−{(トリス(2−アミノエチル)アミノ)メチル}スチレン]の調合:酸化マグネシウム、50重量%(ポリ[4−{(トリス(2−アミノエチル)アミノ)メチル}スチレン]の重量に基づく)
冷却溶液で冷却された脱イオン水(53mL)におけるポリ[4−{(トリス(2−アミノエチル)アミノ)メチル}スチレン](10g)の溶液へ、その溶液がpH10.5を有するまで、ゆっくりと50%NaOHが加えられた。本溶液へ酸化マグネシウム(5g、−325メッシュ)が加えられ、1時間撹拌された。エピクロロヒドリン(0.204g)が加えられ、その混合体はゲルが形成されるまで撹拌された(約2時間)。室温で硬化された後、ゲルは小さく砕かれ脱イオン水(2L)に懸濁された。50分間撹拌されたあと、該懸濁液はろ過された。該ろ過されたポリマは、脱イオン水(2x2L)で洗浄された。該ろ過されたポリマは凍結乾燥され、7.4gを得た。分析結果:C、33.02;H、6.45;N、9.41;Mg、29.30。
【0146】
実施例67.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリ[4−{(トリス(2−アミノエチル)アミノ)メチル}スチレン]の調合:酸化マグネシウム、30重量%([4−{(トリス(2−アミノエチル)アミノ)メチル}スチレン]の重量に基づく)
冷水溶液で冷却された脱イオン水(53mL)におけるポリ[4−{(トリス(2−アミノエチル)アミノ)メチル}スチレン](10g)へ、その溶液がpH10.5を有するまで、ゆっくりと50%NaOHが加えられた。本溶液へ酸化マグネシウム(3g、−325メッシュ)が加えられ、1時間撹拌された。エピクロロヒドリン(0.204g)が加えられ、その混合体はゲルが形成されるまで撹拌された(約3時間)。室温で硬化された後、ゲルは小さく砕かれ、水で洗浄され、凍結乾燥された。
【0147】
実施例68.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:酸化マグネシウム
無水メタノール(80g)におけるポリ(アリルアミン)遊離塩基(20.25g)の溶液へ、酸化マグネシウム(8.3g、−325メッシュ)が加えられた。20分間撹拌された後、エピクロロヒドリン(2.5mL)が加えられた。その混合体は2時間室温で撹拌され、それから、60℃で1夜加熱された。90分間加熱された後、ゲルが形成された。ゲルは小さく砕かれた。ゲルの半分は回転蒸発器で濃縮され、真空オーブンにおいて60℃で乾燥された(サンプル68−#1)。もう半分は無水MeOH(300mL)に懸濁され、撹拌され、ろ過され、真空オーブンにおいて60℃で乾燥された(サンプル68−#2)。
【0148】
実施例69.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:Mg(OH)
無水メタノール(40g)におけるポリアリルアミン遊離塩基(10g)の溶液にMg(OH)(6g)が加えられた。30分間撹拌された後、エピクロロヒドリン(1.24mL)が加えられた。該混合体は60℃で1夜加熱した。1.5〜2時間加熱した後、ゲルが形成された。ゲルは小さく砕かれた。ゲルの半分は回転蒸発器で濃縮され、真空オーブンにおいて60℃で乾燥された(サンプル69−#1)。サンプル69−#1の分析結果:C、32.83;H、7.81;N、10.58;Cl、4.06;Mg、13.86。もう半分は無水MeOH(300mL)に懸濁され、撹拌され、ろ過され、真空オーブンにおいて60℃で乾燥された(サンプル69−#2)。サンプル69−#2の分析結果:C、29.10;H、7.06;N、9.17;Cl、6.05;Mg、18.54。
【0149】
実施例70.マグネシウム化合物の存在下で架橋されるポリアリルアミンの調合:69.6gPAA.HCl、53重量%酸化マグネシウム(PAA.HClの重量に基づく)、9.8モル%エピクロロヒドリン(ポリアリルアミンの繰り返し単位の分子量に基づく)
部分的に中和された塩酸ポリアリルアミン溶液(実施例6参照、385g)へ酸化マグネシウム(36.85g)が加えられた。室温で2分間撹拌された後、エピクロロヒドリン(5.71mL)が加えられた。ゲルが形成された。1時間以上室温で硬化された後、ゲルは小さく砕かれ脱イオン水(4L)に懸濁された。5分間撹拌された後、該懸濁液はろ過された。該ろ過されたポリマは脱イオン水(2x4L)で洗浄された。該ろ過されたポリマは凍結乾燥され88.29gを得た。
【0150】
実施例71.物質の化合物量の分析
上述の実施例のマグネシウム含有量は、ICP−OES(誘導結合プラズマ発光分光法)(Inductively Coupled Plasma Optical Emission Spectroscopy)によって分析された。選択された結果が表1に要約される。塩化物の割合は硝酸銀を用いた滴定によって分析された。乾燥減量(LOD)の割合はTGA(熱重量分析器)によって測定された(表2および3参照)。LODのため、オーブンは、オーブン温度が85度まで1分間に10度上げられ、60分間維持し、それから300℃まで1分に10℃上げられるように設定された。LOD重量の割合の変化は0分から65分の間で測定した。
【0151】
【化18】

【0152】
【化19】

実施例72.生体内リン酸塩結合:尿中リン酸塩値の低下のためのポリアミン−マグネシウム化合物の効果
ハウスメールスプラーグドーリー(SD)ラットが該実験のために使用された。該ラットは単独でワイヤ底のケージで飼育し、ピュリナ5002飼料を与え、実験の使用の最低5日前から順応させた。
リン排せつの基準を定めるため、前記ラットは代謝ケージで48時飼育された。その尿が採取され、そのリン含有量は日立分析器で分析され、リン排せつの1日あたりのmg数を測定した。範囲外の値を有するラットは全て排除され、その残りのラットは群に分けられた。
ピュリナ5002が標準飼料として使用された。テストされる化合物はピュリナ5002と混合され、表に記載されるような重量での最終濃度をもたらした。重量あたり0.5%でのセルロースが負の対象として使用された。各ラットに対して、200gの飼料が調合された。
各ラットは体重を測定し、標準飼料で飼育された。4日後、その標準飼料は治療飼料(または対象群には対象治療)に取り替えられた。5日目と6日目に、24時間(+/−30分)でのラットからの尿サンプルが集められ分析された。該テストラットは再び体重を測定し、すべての体重の減少または増加が計算された。すべての残されたえさの量も測定し、1日あたりの消費されたえさの量が計測された。基準および負の対象のセルロースに比べてのリン排せつの変化はエクセルプログラムを使用して計算された。該テストラットから得られた尿中リン酸量の比較の要約は下記の表3に示される。
【0153】
【化20】

【0154】
【化21】

【0155】
【化22】

【0156】
【化23】

実施例73.セベラマーで治療されたラットにおけるマグネシウム取り込み
塩酸セベラマー単独で治療されたラット(72匹)と、対照としてセルロースで治療されたラット(66匹)によるマグネシウム取り込みは、実施例72のリン酸塩分析と同様の方法で、テストされたラットの尿サンプルの分析よって量的に推定された。該テストラットに対して、標準飼料としてピュリナ5002が使用された。塩酸セベラマーとセルロースはそれぞれ単独でピュリナ5002と混合され、図1に記載されるような重量あたりの最終濃度をもたらした。重量あたり0.5%でのセルロースが負の対象として使用された。
【0157】
それぞれのラットのために、200gの飼料が調合された。各ラットは体重を測定し、標準飼料で飼育された。4日後その標準飼料は治療飼料(または対象群には対象飼料)に取り替えられた。5日目および6日目に、24時間(+/−30分)でのラットからの尿サンプルが集められ分析された。該テストラットは再び体重を測定し、すべての体重の減少または増加が計算された。すべての残りのえさの重量も測定し、1日に消費されたえさの量が計算された。分析のため、該尿サンプルは1NHClで1:2(酸対尿)の体積比で希釈され、該尿サンプルのマグネシウム含有量は日立912の臨床化学分析装置により推定された。マグネシウム排せつの変化は、対象のセルロースに相対して、塩酸セベラマーで治療されたラットのマグネシウム取り込みの量を測定するために使用された。
【0158】
0.5%のセベラマーの飼料で治療されたラット(計66匹)およびセルロースで治療されたラット(計72匹)におけるマグネシウム取り込みの結果を図1に示す。図1に見られるように、マグネシウム取り込みのわずかな増加が、塩酸セベラマー治療において認められた。
【0159】
実施例74.マグネシウム化合物の存在下で架橋されたポリアリルアミン(PAA/Mg)で治療されたラットにおけるマグネシウム取り込み
実施例10(図2)および7(図3)のポリアリルアミン−マグネシウム化合物(PAA/Mg)で治療されたラットによるマグネシウム取り込みは、実施例72のリン酸塩分析と同様の方法で尿サンプルの分析でよって、量的に推定された。該テストラットに対し、ピュリナ5002が標準飼料として使用された。セルロース、塩酸セベラマーおよびポリアリルアミン−マグネシウム化合物は単独でピュリナ5002と混合され、図2と3に記載されるような重量の最終濃度をもたらした。重量あたり0.5%でのセルロースが負の対象として使用された。それぞれのラットに対して、200gの飼料が調合された。
【0160】
各ラットは体重を測定し、標準飼料で飼育された。4日後その標準飼料は治療飼料(または対照群に対しては対象飼料)に取り替えられた。5日目と6日目に、24時間(+/−30分)の尿サンプルがラットから集められ、分析された。該テストラットは再び体重を測定し、すべての体重の減少または増加は計算された。すべての残りのえさの量も測定し、1日あたりに消費されたえさの量が計算された。分析のため、該尿サンプルは1NHClで1:2(酸対尿)の体積比で希釈され、またその尿サンプルのマグネシウム含有量が日立912の臨床化学分析装置によって推定された。マグネシウム排せつの変化は、対象のセルロースに相対して、塩酸セベラマーで治療されたラットのマグネシウム取り込みの量を測定するために使用された。
【0161】
PAA/Mg治療および、例えば塩酸セベラマー治療、酸化マグネシウム治療、およびMgCl治療などの、その他の対象治療に関するラットにおけるマグネシウム取り込みの結果を図2および3に示す。図2に示すは、対照としてセルロースで治療されたテストラット、塩酸セベラマー0.5%、0.35%および0.25%の飼料で治療されたテストラット、および実施例7のポリアリルアミン−マグネシウム化合物(実施例7−#1と実施例7−#2の混合体)(PAA/Mg)0.5%、0.35%および0.25%の飼料で治療されたテストラットの尿サンプルにおけるマグネシウム含有量である。図3に示すのは、対照としてセルロースで治療されたラット、塩酸セベラマー0.5%の飼料、酸化マグネシウム1%の飼料、MgCl2.4%の飼料、実施例10のポリアリルアミン−マグネシウム化合物(PAA/Mg)2.6%の飼料、および塩酸セベラマー2%の飼料で治療されたラットの尿サンプルにおけるマグネシウム含有量である。図2に示すように、0.25%のPAA/Mg飼料(低リン酸飼料)で治療されたラットにおける生体内マグネシウム取り込みは、0.25%の塩酸セベラマー飼料(低リン酸飼料)で治療されたラットよりもそれ程高くはない。同様の結果が、テストされたラットが、例えば2.6%のPAA/Mgおよび2%の塩酸セベラマーなど、高リン酸飼料下でも認められた(図3参照)。つまり、意外にも、PAA/Mgリン吸着薬は、酸化マグネシウムのようなマグネシウム化合物の存在に関わらず、塩酸セベラマー単独と同等のマグネシウム取り込みの増加であった。
【0162】
本発明は、特に、その好ましい実施形態を参照して示され説明されてきたが、当技術分野に精通するものによっては、当然のことながら、添付の請求項に包含される本発明の範囲から逸脱しないで、本発明において、形式、詳細における種々の変更はなされてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0163】
【図1】図1は、0.5%の塩酸セベラマー飼料を投与され治療されたスプラーグドーリー(SD)ラットにおける尿中マグネシウム排せつを示す図式である。
【図2】図2は、0.25〜0.5%の低リン酸飼料においてマグネシウム化合物を含む架橋ポリアリルアミン(PAA/Mg)を含む本発明の医薬組成物で治療されたスプラーグドーリー(SD)ラットにおける尿中マグネシウム排せつを示す図式である。
【図3】図3は、2.6%の高リン酸飼料においてマグネシウム化合物を含む架橋ポリアリルアミン(PAA/Mg)を含む本発明の医薬組成物で治療されたスプラーグドーリー(SD)ラットにおける尿中マグネシウム排せつを示す図式である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬組成物であって、
a)脂肪族アミン重合体またはその薬学的に許容される塩と、
b)マグネシウムイオンを含む薬学的に許容されるマグネシウム化合物
とを含み、
前記マグネシウムイオンは、医薬組成物の無水重量あたり5〜35%である、医薬組成物。

【請求項2】
前記マグネシウム化合物は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。

【請求項3】
前記マグネシウム化合物は酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、または酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムの組合せである、請求項2に記載の医薬組成物。

【請求項4】
前記脂肪族アミン重合体は、
【化1】

【化2】

から選択される構造式によって表される1つ以上の繰り返し単位、またはその塩を含み、式中
yおよびzは単独でゼロまたは1から10の整数であり、
R、R、RおよびRは単独で、水素、置換または非置換アルキル基、あるいはアリール基であり、
は、交換性負荷電対イオンである、請求項1に記載の医薬組成物。

【請求項5】
前記脂肪族アミン重合体は架橋される、請求項4に記載の医薬組成物。

【請求項6】
前記脂肪族アミン重合体は二官能性架橋剤で架橋される、請求項5に記載の医薬組成物。

【請求項7】
前記架橋剤は、架橋剤を加えた脂肪族アミン単量体の総量に基づいて、約0.5〜35重量%の量で存在する、請求項6に記載の前記組成物。

【請求項8】
前記脂肪族アミン重合体はポリアリルアミンである、請求項5に記載の医薬組成物。

【請求項9】
前記ポリアリルアミン重合体はセベラマーである、請求項8に記載の医薬組成物。

【請求項10】
前記ポリアリルアミン重合体はセベラマーの塩化物である、請求項9に記載の医薬組成物。

【請求項11】
前記ポリアリルアミン重合体は、セベラマーの炭酸塩である、請求項9に記載の医薬組成物。

【請求項12】
前記ポリアリルアミン重合体は、セベラマーの混合塩化物および混合炭酸塩である、請求項9に記載の医薬組成物。

【請求項13】
前記マグネシウム化合物は酸化マグネシウム、または酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムの組合せである、請求項9に記載の医薬組成物。

【請求項14】
前記マグネシウム化合物は、前記架橋脂肪族アミン重合体内で同伴される、請求項5に記載の医薬組成物。

【請求項15】
リン酸輸送阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、およびアルカリホスファターゼ阻害剤からなる群から選択される薬剤をさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。

【請求項16】
前記医薬組成物は錠剤である、請求項1に記載の医薬組成物。

【請求項17】
薬学的に許容されるキャリアまたは賦形剤をさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。

【請求項18】
医薬組成物であって、
a)架橋脂肪族アミン重合体またはその薬学的に許容される塩と、
b)マグネシウムイオンを含む薬学的に許容されるマグネシウム化合物
とを含み、前記マグネシウム化合物は、前記架橋脂肪族アミン重合体内で同伴される、医薬組成物。

【請求項19】
前記マグネシウムイオンは、前記医薬組成物の無水重量あたり5〜35%である、請求項18に記載の医薬組成物。

【請求項20】
前記マグネシウム化合物は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、およびその組合せからなる前記群から選択される、請求項18に記載の医薬組成物。

【請求項21】
前記マグネシウム化合物は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、または酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムの組合せである、請求項20に記載の医薬組成物。

【請求項22】
前記架橋脂肪族アミン重合体は、
【化3】

から選択される構造式によって表される1つ以上の繰り返し単位、またはその塩を含み、式中
yおよびzは単独でゼロまたは1から10の整数であり、
R、R、RおよびRは単独で、水素、置換または非置換アルキル基、あるいはアリール基であり、
は交換性負荷電対イオンである、請求項18に記載の医薬組成物。

【請求項23】
前記脂肪族アミン重合体はニ官能性架橋剤で架橋される、請求項22に記載の医薬組成物。

【請求項24】
前記架橋剤は、架橋剤を加えた脂肪族アミン単量体の総量に基づいて、約0.5〜35重量%の量で存在する、請求項23に記載の組成物。

【請求項25】
前記肪族アミン重合体は架橋ポリアリルアミンである、請求項22に記載の医薬組成物。

【請求項26】
前記架橋ポリアリルアミン重合体はセベラマーである、請求項25に記載の医薬組成物。

【請求項27】
リン酸輸送阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、およびアルカリホスファターゼ阻害剤からなる群から選択される薬剤をさらに含む、請求項18に記載の医薬組成物。

【請求項28】
前記医薬組成物は錠剤である、請求項18に記載の医薬組成物。

【請求項29】
薬学的に許容されるキャリアまたは賦形剤をさらに含む、請求項18に記載の医薬組成物。

【請求項30】
医薬組成物であって、
a)脂肪族アミン重合体またはその薬学的に許容される塩と、
b)マグネシウムイオンを含む薬学的に許容されるマグネシウム化合物
とを含み、前記マグネシウム化合物は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、およびその組合せからなる前記群から選択される、医薬組成物。

【請求項31】
前記マグネシウム化合物は酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、または酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムの組合せである、請求項30に記載の医薬組成物。

【請求項32】
前記脂肪族アミン重合体は、
【化4】

から選択される構造式によって表される1つ以上の繰り返し単位、またはその塩を含み、式中
yおよびzは単独でゼロまたは1から10の整数であり、
R、R、RおよびRは単独で水素、置換または非置換アルキル基、あるいはアリール基であり、
は交換性負荷電対イオンである、請求項30に記載の医薬組成物。

【請求項33】
前記脂肪族アミン重合体は架橋される、請求項32に記載の医薬組成物。

【請求項34】
前記脂肪族アミン重合体はニ官能性架橋剤で架橋される、請求項33に記載される医薬組成物。

【請求項35】
前記架橋剤は、架橋剤を加えた脂肪族アミン単量体の総量に基づいて、約0.5〜35重量%の量で存在する、請求項34に記載の組成物。

【請求項36】
前記脂肪族アミン重合体はポリアリルアミンである、請求項33に記載の医薬組成物。

【請求項37】
前記ポリアリルアミン重合体はセベラマーである、請求項36に記載の医薬組成物。

【請求項38】
前記マグネシウム化合物は前記架橋脂肪族アミン重合体内で同伴される、請求項33に記載の医薬組成物。

【請求項39】
リン酸輸送阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、およびアルカリホスファターゼ阻害剤からなる群から選択される薬剤をさらに含む、請求項30に記載の医薬組成物。

【請求項40】
前記医薬組成物は錠剤である、請求項30に記載の医薬組成物。

【請求項41】
薬学的に許容されるキャリアまたは賦形剤をさらに含む、請求項30に記載の医薬組成物。

【請求項42】
医薬組成物であって、
a)脂肪族アミン重合体またはその薬学的に許容される塩と、
b)マグネシウムイオンを含む薬学的に許容されるマグネシウム化合物
とを含み、
前記脂肪族アミン重合体におけるアミン窒素原子に対するマグネシウムイオンのモル比は0.4〜3.0である、医薬組成物。

【請求項43】
前記マグネシウム化合物は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、およびその組合せからなる前記群から選択される、請求項42に記載の医薬組成物。

【請求項44】
前記マグネシウム化合物は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、または酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムの組合せである、請求項43に記載の医薬組成物。

【請求項45】
前記脂肪族アミン重合体は、
【化5】

から選択される構造式によって表される1つ以上の繰り返し単位、またはその塩を含み、式中
yおよびzは単独でゼロまたは1から10の整数であり、
R、R、RおよびRは単独で水素、置換または非置換アルキル基、あるいはアリール基であり、
は交換性負荷電対イオンである、請求項42に記載の医薬組成物。

【請求項46】
前記脂肪族アミン重合体は架橋される、請求項45に記載の医薬組成物。

【請求項47】
前記脂肪族アミン重合体は二官能性架橋剤で架橋される、請求項46に記載の医薬組成物。

【請求項48】
前記架橋剤は、架橋剤を加えた脂肪族アミン単量体の総量に基づいて約0.5〜35重量%の量で存在する、請求項47に記載の組成物。

【請求項49】
前記脂肪族アミン重合体はポリアリルアミンである、請求項46に記載の医薬組成物。

【請求項50】
前記ポリアリルアミン重合体はセベラマーである、請求項49に記載の医薬組成物。

【請求項51】
前記マグネシウム化合物は前記架橋脂肪族アミン重合体内で同伴される、請求項48に記載の医薬組成物。

【請求項52】
リン酸輸送阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、およびアルカリホスファターゼ阻害剤からなる群から選択される薬剤をさらに含む、請求項42に記載の医薬組成物

【請求項53】
前記医薬組成物は錠剤である、請求項42に記載の医薬組成物。

【請求項54】
薬学的に許容されるキャリアまたは賦形剤をさらに含む、請求項42に記載の医薬組成物。

【請求項55】
患者における高リン血症の治療方法であって、
a)脂肪族アミン重合体またはその薬学的に許容される塩と、
b)マグネシウムイオンを含む薬学的に許容されるマグネシウム化合物
とを含む、医薬組成物の有効量を前記患者へ投与するステップを備え、
前記マグネシウムイオンは、前記医薬組成物の無水重量あたり5〜35%である、治療方法。

【請求項56】
前記マグネシウム化合物および脂肪族アミン重合体は、前記患者に投与される唯一のリン酸結合剤である、請求項55に記載の方法。

【請求項57】
前記マグネシウム化合物は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、およびその組合せからなる前記群から選択される、請求項55に記載の方法。

【請求項58】
前記マグネシウム化合物は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、または酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムの組合せである、請求項57に記載の方法。

【請求項59】
前記脂肪族アミン重合体は、
【化6】

【化7】

から選択される構造式によって表される1つ以上の繰り返し単位、またはその塩を含み、式中
yおよびzは単独でゼロまたは1から10の整数であり、
R、R、RおよびRは単独で水素、置換または非置換アルキル基、あるいはアリール基であり、
は交換性負荷電対イオンである、請求項55に記載の方法。

【請求項60】
前記脂肪族アミン重合体は架橋される、請求項59に記載の方法。

【請求項61】
前記脂肪族アミン重合体はニ官能性架橋剤で架橋される、請求項60に記載の方法。

【請求項62】
前記架橋剤は、架橋剤を加えた脂肪族アミン単量体の総量に基づいて、約0.5〜35重量%の量で存在する、請求項61に記載の方法。

【請求項63】
前記脂肪族アミン重合体はポリアリルアミンである、請求項60に記載の方法。

【請求項64】
前記ポリアリルアミン重合体はセベラマーである、請求項63に記載の方法。

【請求項65】
前記ポリアリルアミン重合体はセベラマーの塩化物である、請求項64に記載の方法。

【請求項66】
前記ポリアリルアミン重合体はセベラマーの炭酸塩である、請求項64に記載の方法。

【請求項67】
前記ポリアリルアミン重合体は、セベラマーの混合塩化物および混合炭酸塩である、請求項64に記載の方法。

【請求項68】
前記マグネシウム化合物は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、または酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムの組合せである、請求項64に記載の方法。

【請求項69】
前記マグネシウム化合物は前記架橋脂肪族アミン重合体内で同伴される、請求項60に記載の方法。

【請求項70】
リン酸輸送阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、およびアルカリホスファターゼ阻害剤からなる群から選択される薬剤の併用投与をさらに含む、請求項55に記載の方法。

【請求項71】
患者における高リン血症の治療方法であって、
a)架橋脂肪族アミン重合体またはその薬学的に許容される塩と、
b)マグネシウムイオンを含む、薬学的に許容されるマグネシウム化合物
とを含む、医薬組成物の有効量を前記患者へ投与するステップを含み、前記マグネシウム化合物は前記架橋脂肪族アミン重合体内で同伴さる、治療方法。

【請求項72】
前記マグネシウムイオンは、医薬組成物の無水重量あたり5〜35%である、請求項71に記載の方法。

【請求項73】
前記マグネシウム化合物および脂肪族アミン重合体は、前記患者へ投与される唯一のリン酸結合剤である、請求項71に記載の方法。

【請求項74】
前記マグネシウム化合物は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、およびその組合せからなる前記群から選択される請求項71に記載の方法。

【請求項75】
前記マグネシウム化合物は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、または酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムの組合せである、請求項74に記載の方法。

【請求項76】
前記架橋脂肪族アミン重合体は、
【化8】

【化9】

から選択される構造式によって表される1つ以上の繰り返し単位、またはその塩を含み、式中
yおよびzは単独でゼロまたは1から10の整数であり、
R、R、RおよびRは単独で水素、置換または非置換アルキル基、あるいはアリール基であり、
は交換性負荷電対イオンである、請求項71に記載の方法。

【請求項77】
前記架橋脂肪族アミン重合体はニ官能性架橋剤で架橋される、請求項76に記載の方法。

【請求項78】
前記架橋剤は、架橋剤を加えた脂肪族アミン単量体の総量に基づいて、約0.5〜35重量%の量で存在する、請求項77に記載の方法。

【請求項79】
前記架橋脂肪族アミン重合体は架橋ポリアリルアミンである、請求項76に記載の方法。
【請求項80】
前記架橋ポリアリルアミン重合体はセベラマーである、請求項70に記載の方法。

【請求項81】
リン酸輸送阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、およびアルカリホスファターゼ阻害剤からなる群から選択される薬剤の併用投与をさらに含む、請求項71に記載の方法。

【請求項82】
患者における高リン血症の治療方法であって、
a)脂肪族アミン重合体またはその薬学的に許容される塩と、
b)マグネシウムイオンを含む、薬学的に許容されるマグネシウム化合物
とを含む、医薬組成物の有効量を前記患者へ投与するステップを含み、前記マグネシウム化合物は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、およびその組合せからなる前記群から選択される、治療方法。

【請求項83】
前記マグネシウム化合物および脂肪族アミン重合体は、前記患者へ投与される唯一のリン酸結合剤である、請求項82に記載の方法。

【請求項84】
前記マグネシウム化合物は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、または酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムの組合せである、請求項82に記載の方法。

【請求項85】
前記脂肪族アミン重合体は、
【化10】

から選択される構造式によって表される1つ以上の繰り返し単位、またはその塩を含み、式中
yおよびzは単独でゼロまたは1から10の整数であり、
R、R、RおよびRは単独で水素、置換または非置換アルキル基、あるいはアリール基であり、
は交換性負荷電対イオンである、請求項82に記載の方法。

【請求項86】
前記脂肪族アミン重合体は架橋される、請求項72に記載の方法。

【請求項87】
前記脂肪族アミン重合体はニ官能性架橋剤で架橋される、請求項86に記載の方法。

【請求項88】
前記架橋剤は、架橋剤を加えた脂肪族アミン単量体の総量に基づいて、約0.5〜35重量%の量で存在する請求項87に記載の方法。

【請求項89】
前記脂肪族アミン重合体はポリアリルアミンである、請求項86に記載の方法。

【請求項90】
前記ポリアリルアミン重合体はセベラマーである、請求項89に記載の方法。

【請求項91】
前記マグネシウム化合物は、酸化マグネシウム、または酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムの組合せである、請求項90に記載の方法。

【請求項92】
前記マグネシウム化合物は前記架橋脂肪族アミン重合体内で同伴される、請求項86に記載の方法。

【請求項93】
リン酸輸送阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、およびアルカリホスファターゼ阻害剤からなる群から選択される薬剤の併用投与をさらに含む、請求項82に記載の方法。

【請求項94】
患者における高リン血症の治療方法であって、
a)脂肪族アミン重合体またはその薬学的に許容される塩と、
b)マグネシウムイオンを含む、薬学的に許容されるマグネシウム化合物
とを含む、医薬組成物の有効量を前記患者へ投与するステップを含み、
前記脂肪族アミン重合体における前記アミン窒素原子に対する前記マグネシウムイオンの前記モル比は0.4〜3.0である、治療方法。

【請求項95】
前記マグネシウム化合物は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、およびのその組合せからなる前記群から選択される、請求項94に記載の方法。

【請求項96】
前記マグネシウム化合物は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、または酸化マグネシウムと水酸化マグネシウムの組合せである、請求項95に記載の方法。

【請求項97】
前記脂肪族アミン重合体は、
【化11】

【化12】

から選択される構造式によって表される1つ以上の繰り返し単位、またはその塩を含み、式中
yおよびzは単独でゼロまたは1から10の整数であり、
R、R、RおよびRは単独で水素、置換または非置換アルキル基、あるいはアリール基であり、
は交換性負荷電対イオンである、請求項94に記載の方法。

【請求項98】
前記脂肪族アミン重合体は架橋される、請求項97に記載の方法。

【請求項99】
前記マグネシウム化合物は前記架橋脂肪族アミン重合体内で同伴される、請求項98に記載の方法。

【請求項100】
前記脂肪族アミン重合体は架橋ポリアリルアミンである、請求項99に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−514966(P2009−514966A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540139(P2008−540139)
【出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【国際出願番号】PCT/US2006/043402
【国際公開番号】WO2007/056405
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(500579888)ジェンザイム・コーポレーション (34)
【Fターム(参考)】