説明

高伸度熱成形用インクジェットインク

単官能性ウレタンアクリレートモノマーなどの単官能性ウレタンモノマー;単官能性モノマー;並びに、場合により、着色剤、光開始剤、安定剤、界面活性剤及び/又はビニル樹脂を含み、基材(1)上に印刷されたときに、基材(3)の熱成形に伴って伸びて鋳型(2)の形状になる熱成形用インク又はコーティングとして使用する、エネルギー硬化性インク又はコーティング組成物、そのようなインク又はコーティングを使用して熱成形基材上に印刷する方法及び印刷された成形物品(4)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱成形工程を経る基材上に印刷するための熱成形用インク(thermoforming ink)及びコーティングとして使用するインク及びコーティング、特にインクジェットインク及びコーティングに関する。
【背景技術】
【0002】
熱成形工程は、典型的には、プラスチック基材上のインクを、真空成形し、加熱折り曲げ又は折り畳みして3次元の目的物にすることを含む。基材上のインクの温度は、60〜180℃の間であると推定される。インクイメージは、熱成形工程中に連続的にプラスチック基材と同じ速度で伸びて、図形がデジタルで印刷された3次元製品が製造される。印刷されたインクイメージは、熱成形工程後に均質で且つ亀裂のないものでなければならない。米国特許出願第2007/0084372号には熱成形用インクへの一般的紹介が提供されている。典型的な熱成形工程を下で詳細に説明する;即ち
1)熱成形用インクを平坦な基材上に噴射してから、典型的には約150mJ/cmのエネルギーレベルのUV又は加速電圧100kVで約15kGyのEB照射で硬化させる。
【0003】
2)基材を、オーブン中でIRランプから20cmの距離に20〜25秒の間置く。ランプは700℃の温度に設定する。
【0004】
3)基材はIRランプからの加熱で約25秒後に軟化し、基材成型パターン(図1及び2を参照されたい)が基材の下から出てきてそれを変形させる。
【0005】
4)約40秒後に、基材成型パターンは引っ込み、空気の噴射を当てて基材を冷却する。それで熱成形工程は完結する。
【0006】
インクジェットイメージング技法は、商業的及び消費者向け用途において非常に評判のよいものになった。インクジェットプリンタは、典型的には、インクを受容基材上に、空間的に密接したインク滴の制御されたパターンで噴射することにより作動する。インク滴のパターンを選択的に調節することにより、インクジェットプリンタは、文、図形、像、ホログラム等を含む広く様々な印刷された形を生じることができる。本発明は、特に、熱成形工程を経る基材上に印刷される熱成形用インクとして使用するインクジェットインクに関する。
【0007】
熱成形インクジェットプリンタ及びピエゾインクジェットプリンタは、現在広範に使用されている2種の主要なインクジェットシステムである。両方の手法に対して、インクは、インクが適切に噴射可能で、生じた印刷された形が所望の機械的、化学的、視覚的、及び耐久的特性を有するように、厳格な性能要件に合致しなければならない。
【0008】
溶媒系及び水系の噴射可能なインクは周知である。典型的な水系インクは、一般に、水、染料及び/又は顔料であってよい着色剤、1種又は複数種の共溶媒、及びインクの性能を強化するために含まれる1種又は複数種の添加剤を含んでなる。そのような添加剤の代表的な例として、1種又は複数種の着色剤、滑り改良剤、チキソトロープ剤、起泡剤、消泡剤、流動若しくは他のレオロジー制御剤、ワックス、油剤、可塑剤、結合剤、抗酸化剤、防カビ剤、殺菌剤、有機及び/若しくは無機充填剤粒子、剥離剤、乳白剤、帯電防止剤、及び分散剤等が挙げられる。溶媒系インクには、比較的揮発性の有機溶媒が含まれる。そのようなインクは、通常は水系インクよりも急速に乾燥する。しかしながら、そのような溶媒は、毒性又は引火性などであることがあり、注意深い取り扱いが必要である。それに加えて、溶媒系インクは、限られた範囲の基材にのみ適合性である傾向もある。
【0009】
従来の溶媒の使用を避けるために、重合性希釈剤を組み込んだインクが開発された。該希釈剤は、粘度低下剤及び硬化時の結合剤として機能することに役立つ。硬化していない状態においては、インクは粘度が低く容易に噴射される。しかしながら、重合性希釈剤は、硬化させるエネルギー、例えば紫外線、及び/又は電子ビームエネルギー等の適当な線源に曝されると容易に架橋して、架橋ポリマー網目を形成する。そのようなインクは、従来の「溶媒系」インクと区別するために、通常「エネルギー硬化性」インクと称される。
【0010】
インクジェットインクは、典型的には、紙、プラスチック、横断幕(banner)材料などの平坦なシート構成物上にデジタル印刷することに限定される。3次元のプラスチック構成物に対しては、インクジェットインクをプラスチック基材上にデジタル印刷すると、亀裂の入った像が生ずるか又は熱成形条件下で伸び得ないので、スクリーン印刷が好ましい方法である。それ故、インクジェット印刷システムを使用して、プラスチック基材上に直接デジタル印刷して、加熱工程中に連続的に伸び得るインクイメージを形成する必要がある。
【0011】
米国特許出願第2006/0222831号には、単官能性モノマー、溶媒、顔料及び希釈剤を含む、プラスチック基材に接着し得る硬化性インクジェットインクが記載されている。該インクは、基材の熱成形中に100〜900%の連続的伸びを生じる。10,000g/mol以上の二官能性モノマーの使用の選択肢及びアクリル系ポリマーの使用も、例において挙げられている。
【0012】
米国特許出願第2006/0275588号(Polymer Imaging)及びWO2007/089252にも、顔料、希釈剤、単官能性モノマー及び20mgKOH/g未満の酸数を有するアクリル系コポリマー又はポリマーを含むインクジェットインク組成物が記載されている。該インクは、伸度100〜900%を有する高伸度真空成形性インクとして使用することができる。
【0013】
米国特許出願第2007/0084372号(Polymer Imaging)には、顔料、希釈剤、単官能性モノマー及び分子量が2500〜25000g/molの間のアクリル系コポリマー又はポリマーを含む、伸度が100〜900%の熱成形用インクのためのインク組成物が記載されている。溶媒は使用されない。同様に、WO2008/004002(Sericol)には、熱成形用インク中における受動樹脂(passive resin)の使用が記載されている。記載されたインク組成物は、照射硬化性モノマー、1種又は複数種の受動樹脂、1種又は複数種の光開始剤及び1種又は複数種の着色助剤からなる。受動樹脂は2〜15%の間の量で存在して分子量は1,500〜70000である。
【0014】
先行技術のインクジェットインクは、オープンタイム及び/又は持続可能性についての問題に悩まされることが見出されているので、それらは、インクジェットプリンタのノズルが印刷作業間で開いたままになっているインクジェット印刷技法における使用に特に適してはいない。多くの知られているインクは、印刷ノズル中の環境空気に曝されると許容できないほど急速に粘度が上昇して、ノズルが閉塞するか又はスタートアップ時の印刷性能が劣るに至ることに悩まされる。さらに、受動樹脂を含むインクは、噴射について問題を起こすことがある。多くの知られているインクの他の不利点は、硬化後の許容できないレベルの粘着性及び/又は不完全な硬化である。
【0015】
先行技術の熱成形可能なUV硬化インクジェットインクは、2つの主要な問題、即ち、プリントヘッドのスタートアップ性能が劣ること及び噴射頻度が高くなると印刷持続可能性が劣ること(信頼性)に悩まされる。劣ったスタートアップ性能は、調合物中における溶媒又は揮発性UV硬化モノマーの使用が原因で生ずる。劣った持続可能性は高分子量の受動樹脂が含まれることが原因で生ずる。受動樹脂は、不活性樹脂、特にインクの硬化中に重合性希釈剤モノマーと反応しない不活性熱可塑性樹脂であり、当技術分野において知られている。受動樹脂には、インクが曝される硬化条件下で重合する官能基が実質的にない。例えば、フリーラジカル重合工程において硬化性であるインク中で使用するための受動樹脂は、エチレン性不飽和基又はフリーラジカル硬化反応に関与する他の基を含まない樹脂である。受動樹脂は、重量平均分子量が1500から70000までの熱可塑性アクリル系樹脂を含む。それらは、通常、インク中の反応性モノマー及び/又は重合性希釈剤を置き換えることによりインク調合物中に含まれて、硬化したフィルムを得るために必要とされる架橋度を減少させる。
【発明の概要】
【0016】
本発明の第1の態様において、単官能性ウレタンモノマー、さらに単官能性モノマーを含むエネルギー硬化性熱成形用インク又はコーティングが提供され、その中に存在する多官能性モノマーのレベルは1wt%未満である。本発明の第2の態様において、単官能性ウレタンアクリレート、単官能性モノマー及び顔料又は染料を含んでなるエネルギー硬化性インクが提供され、その中に存在する多官能性アクリレートのレベルは1wt%未満、又はより好ましくは0.5wt%未満である。単官能性ウレタンアクリレート及びさらに単官能性モノマーを含む第2の態様の発明のエネルギー硬化性インクは、熱成形ポリマー基材と共に使用するのに適した熱成形用インクであることが有利である。本発明の第1の態様のインク及びコーティング並びに本発明の第2の態様のインクである本発明のインク及びコーティングは、インクジェット印刷工程において使用するのに適することが有利である。本発明のインク又はコーティングの粘度は、インクジェット印刷において使用するのに適することが有利である。好ましくは、本発明のインク又はコーティングの粘度は、50℃で25mPas未満、より好ましくは50℃で20mPas未満である。本発明のインク又はコーティングは揮発性が低いことが有利である。幾つかの実施形態において、本発明のインク又はコーティングの硬化した層は、亀裂なしに少なくとも300%の伸びが可能であることが見出された。したがって、有利なことに本発明のインク又はコーティングは熱成形基材への適用に適し、それで該基材は基材の表面が300%以上にまで伸ばされるように成形される。
【0017】
第3の態様において、本発明は、本発明の第1の又は第2の態様のインク又はコーティングを、実質的に平坦な基材上に、例えばインクジェット印刷技法により適用するステップ;印刷されたインク又はコーティングを光化学作用のある照射に曝して硬化したフィルムを形成するステップ;ガラス転位温度を超える温度に基材を加熱して基材を軟化させるステップ;基材を変形して成形された物品を製造するステップ;及び基材をガラス転位温度未満に冷却するステップを含む、3次元の印刷された物品を製造する方法を提供する。
【0018】
第4の態様において、本発明は、本発明の第1の若しくは第2の態様のインク若しくはコーティングの硬化した層を含む、及び/又は本発明の第3の態様の方法に従って製造された3次元の印刷された物品を提供する。
【0019】
本発明のインク及びコーティングは、印刷の改善された信頼性及び生産性を示すことが見出された。さらに、本発明のインク及びコーティングは、如何なる溶媒の使用及び/又は揮発性の高い単官能性モノマーの使用も避けながら調合して、低粘度を達成することができることが見出された。上記のことを避けることにより、オープンタイムと持続可能性などの望ましい伸び特性と有利な噴射特性との組合せが得られる。
【0020】
本発明のインク及びコーティングにより、良好な噴射特性と共に良好な伸度を得ることの困難が克服されることが見出された。如何なる理論にも拘束されることは望まず、これは、高レベルの多官能性モノマーを含まないインク及びコーティングの低粘度及び低揮発性に基づくと仮定する。さらに、単官能性ウレタンアクリレートなどの単官能性ウレタンモノマーが含まれると、硬化したときに比較的硬いフィルムを生ずるインク又はコーティングが提供されることが見出された。多官能性アクリレートを含む多官能性モノマーのレベルは、好ましくは約1重量パーセント(wt%)未満又はより好ましくは約0.5wt%未満に保つ。多官能性アクリレートのレベルを約1wt%未満、又はより好ましくは約0.5wt%未満に保つことは、非常に良好な伸度を与えることが見出された。場合により、本発明のインク及びコーティング中に、伸縮率(パーセント)を向上させるために、ビニル樹脂を含ませることができる。ビニル樹脂は、インク又はコーティングの幾つかの実施形態において、他の性能特性の妥協なしに含まれ得ることが見出された。受動樹脂としてアクリル系樹脂をインク及びコーティング調合物中で使用することは、粘着性を減少させ且つ接着性を向上させるのに役立つが、持続可能性について問題が生じ得る。これは、インクのレオロジーに影響する樹脂が原因である。インクジェットインク調合物中に有意のレベルの溶媒が含まれると、ノズルにおけるそのような成分の減少がノズルの閉塞を惹起し得るので、インク又はコーティングのオープンタイムを短くし得ることが見出された。単官能性ウレタンモノマーを使用すると、このような問題は通常は起こらないことが見出された。
【0021】
現在この熱成形用インク技法を使用している市場は、自動車工業がドアパネル、コンソールその他のため、電子工業が携帯電話その他のため、及び販売展示の掲示に関してである。しかし、本発明のインク及びコーティングは、熱成形可能なUV硬化インクジェットインク及びコーティングが使用される如何なる領域においても利用することができると理解される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、基材を熱成形するための典型的な鋳型を示す。
【図2】図2は、熱成形工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明のインク又はコーティングは、熱成形工程における使用に適することが有利である。特に、本発明の第1の態様のインク又はコーティング及び/又は本発明の第2の態様のインクは、次に基材上の硬化したインク又はコーティングが60℃と180℃の間であると推定される温度に曝される熱成形工程を使用して成形される基材上への印刷に適することが有利である。本発明のインク又はコーティングは、少しの熱分解もなくこれらの変化に耐えることができることが有利である。本発明のインク又はコーティングは、一旦硬化されれば、熱分解を受けずに少なくとも約180℃の温度に耐えることができることが有利である。一実施形態において、該インク又はコーティングは、一旦硬化されれば、熱分解を受けずに少なくとも約200℃、例えば少なくとも220℃の温度に耐えることができることが有利である。本発明のインク又はコーティングは、硬化したときに、少なくとも約200%、例えば少なくとも約250%、特に少なくとも約300%の伸びに耐えることができることが有利である。幾つかの実施形態において、本発明のインク又はコーティングの硬化したイメージは、硬化したときに、約300%を超え、例えば少なくとも約450%など少なくとも約400%を超えるだけ伸びることができる。本発明のインク又はコーティングの幾つかの実施形態は、例えば、約900%だけ伸びることができる。
【0024】
本発明のインク又はコーティングは、硬化反応に関与し得る1個の官能基とさらに少なくとも1個のウレタン官能基とを含む単官能性ウレタンモノマーを含んでなる。「ウレタン」という用語は、カルバメート基としても知られる式−NH−CO−O−の基を指す。硬化反応に関与し得る前記官能基は、好ましくは、エチレン性不飽和官能基などのフリーラジカル硬化反応で反応する官能基、例えばビニル又はアクリレート官能基である。好ましい単官能性ウレタンモノマーには、単官能性ウレタンアクリレートモノマー及び単官能性ウレタンビニルモノマー、特に単官能性ウレタンアクリレートモノマーが含まれる。単官能性ウレタンモノマー(単数又は複数)を含む本発明のインク又はコーティングは、グレースケールプリントヘッドのための優れた伸度及び低粘度と結合した良好なオープンタイム及び持続可能性の両方を示すことが有利であることが見出された。
【0025】
本発明のインク及びコーティングは、許容されるオープンタイム特性を達成するように調合することができることが見出された。比較的低揮発性であるように調合されたインク又はコーティングは、通常、許容されるオープンタイム特性を有することが見出された。例えば揮発性の低いインクを生じる単官能性モノマーを選択することにより、許容されるオープンタイムを有するインク又はコーティングを得ることができる。本発明のインク又はコーティングの試料約10gを直径約55mmの開放平底シャーレ中で換気のある約50℃のオーブン中に約4時間置いた後、重量減少が約8%以下であることが有利である。本発明のインク及びコーティングは、揮発性が低いことが有利である。低揮発性インク又はコーティングは、例えば、前記インク又はコーティングの試料約10gを直径約55mmの開放平底シャーレ中で換気のある約50℃のオーブン中に約4時間置いた後、重量減少が約5%未満であるインク又はコーティングと定義することができる。本発明のインク又はコーティングの試料約10gは、同じ条件下で重量減少が約4%未満、例えば約2%未満であることが有利である。
【0026】
それに加えて、本発明のインクは、Polystyrol(商標)、Forex Classic(商標)、Plexiglas XT(商標)及びLexan(商標)などの種々の普通の熱成形基材に対して良好な接着性を示すことが見出された。
【0027】
本発明のインク及びコーティングは、フリーラジカル硬化機構を使用して硬化可能であることが有利である。本発明のインク及びコーティングは、場合により、フリーラジカル光開始剤を含む。
【0028】
本発明のインク又はコーティング中に存在する多官能性モノマーのレベルは、約1重量パーセント(wt%)未満、例えば、1.0wt%未満である。好ましくは、本発明のインク又はコーティング中に存在する多官能性モノマーのレベルは、約0.5wt%未満である。多官能性モノマーは、インク又はコーティングの硬化中に、硬化反応、例えば重合反応に関与し得る2個以上の官能基を含む化合物である。特に、多官能性モノマーは、エチレン性不飽和官能基、例えばビニル又はアクリレート官能基などのフリーラジカル硬化反応において反応する2個以上の官能基を含む。インク又はコーティング調合物中の多官能性モノマーのレベルを最小化すること、特に存在する多官能性アクリレートのレベルを最小化することは、硬化したときに、良好な伸度を有するインク又はコーティングを提供することが見出された。好ましくは、本発明のインク又はコーティング中に存在する多官能性アクリレートのレベルは、約0.4wt%未満である。該インク又はコーティングは約0.3wt%を超える多官能性モノマーを含まないことが有利である。該インク又はコーティングは、多官能性モノマーを実質的に含まず、例えば、約0.2wt%を超える多官能性モノマー及び特に約0.1wt%を超える多官能性モノマーを含まないことが有利である。該インクは、0.3wt%を超える多官能性アクリレートを含まないことが有利である。該インク又はコーティングは多官能性アクリレートを実質的に含まず、例えば、約0.2wt%を超える多官能性アクリレート及び特に約0.1wt%を超える多官能性アクリレートを含まないことが有利である。多官能性アクリレートモノマーを含む多官能性モノマーを完全に排除することは可能であるが、約1.0wt%未満のレベルなど低レベルの多官能性モノマーは、本発明の熱成形用インク及びコーティングの特性に対して有害な効果を有せず、例えば単官能性アクリレート中の微量の不純物として許容することができる。幾つかの市販の単官能性モノマー及び、特に、市販の単官能性アクリレートモノマーの幾つかは、多官能性モノマーを不純物として、例えば約5wt%までのレベルで含む。インク又はコーティング調合物中で使用される単官能性モノマー中に不純物として存在する多官能性アクリレートを含む任意の多官能性モノマーは、インク又はコーティング調合物中に存在する多官能性モノマーの合計含有率に入れて計算すべきである。
【0029】
場合により、本発明のインク又はコーティングは、樹脂、又は樹脂の特にビニル樹脂の混合物を含む。一実施形態において、本発明のインク又はコーティングは、少なくとも約0.05wt%のビニル樹脂、例えば少なくとも約0.1wt%のビニル樹脂、特に少なくとも約0.5wt%のビニル樹脂を含む。幾つかの実施形態において、本発明のインク又はコーティングは、少なくとも約1wt%のビニル樹脂を含む。好ましくは、本発明のインク又はコーティングは、約15wt%以下のビニル樹脂、例えば約12wt%以下のビニル樹脂、特に約10wt%以下のビニル樹脂を含む。幾つかの実施形態において、本発明のインク又はコーティングは、約8wt%以下のビニル樹脂、例えば約5wt%以下のビニル樹脂、特に約4%以下のビニル樹脂を含む。一実施形態において、該インク又はコーティングは、約0.1から約10wt%のビニル樹脂、例えば、約0.5から約8wt%のビニル樹脂、特に約1から約4wt%のビニル樹脂を含む。あるいは、本発明のインク又はコーティングは、ビニル樹脂を含む樹脂を実質的に含まない。場合により、本発明のインク又はコーティングは、約3wt%以下のビニル樹脂、例えば約2wt%以下のビニル樹脂、特に約1wt%以下のビニル樹脂を含む。一実施形態において、本発明のインク又はコーティングは、約0.5wt%以下のビニル樹脂、例えば、約0.1wt%以下のビニル樹脂、特に約0.05wt%以下のビニル樹脂及び、特に、約0.01wt%以下のビニル樹脂を含む。
【0030】
本発明のインク又はコーティングは、約50℃で約25mPas以下の、特に約50℃で約20mPas以下の、例えば約50℃で約15mPas以下の粘度を有することが有利である。該インク又はコーティングは、例えば、約50℃で少なくとも約1mPasの粘度、例えば約50℃で少なくとも約3mPasの、特に約50℃で少なくとも約5mPasの粘度を有することができる。本発明の第1の態様のインク又はコーティングは、インクジェット印刷における使用に適することが有利である。インクジェットインク及びコーティングは、典型的には、約50℃で約5から約20mPas、例えば約50℃で約7から約15mPas、特に約50℃で約8から約12mPasの範囲内の粘度を有する。
【0031】
本発明のインク又はコーティングは、エネルギー硬化性インク又はコーティング組成物である。該エネルギー硬化性インク及びコーティングは、好ましくは、水及び揮発性有機溶媒を含む溶媒を実質的に含有しない。例えば、本発明のインク又はコーティングは、通常、約3wt%以下の溶媒、特に約2wt%以下の溶媒を含む。幾つかの実施形態において、本発明のインクは、約1wt%以下の溶媒、特に約0.5wt%以下の溶媒を含む。
【0032】
本発明のインク又はコーティングは、通常、約5wt%以下の受動樹脂、例えば、約2wt%以下の受動樹脂、特に約1.5wt%以下の受動樹脂を含む。幾つかの実施形態において、本発明のインク又はコーティングは、約1wt%以下の受動樹脂、特に約0.5wt%以下の受動樹脂を含む。さらなる実施形態において、本発明のインク又はコーティングは、受動アクリレート樹脂、及びビニル樹脂などの受動樹脂を含む合計約2wt%以下の樹脂、例えば合計約1wt%以下の樹脂及び特に合計約0.5wt%以下の樹脂を含む。
【0033】
一実施形態において、本発明のインク又はコーティングはインクである。インクは、着色剤、例えば顔料又は染料を含むことが有利である。別の実施形態において、本発明の第1の態様のインク又はコーティングはコーティング、例えばワニスである。コーティングは、場合により、着色剤を含まない無色透明なコーティングであってよく、又は別の選択肢として着色したコーティング、例えば透明な着色コーティングであってもよい。
【0034】
本発明のインク又はコーティングは、少なくとも約15wt%の単官能性ウレタンモノマー、例えば少なくとも約20wt%の単官能性ウレタンモノマー、特に少なくとも約25wt%の単官能性ウレタンモノマーを含むことが有利である。インク又はコーティングは、2種以上の単官能性ウレタンモノマーを含むことができる。本発明のインク又はコーティングは、単官能性ウレタンモノマー(単数又は複数)に加えて、フリーラジカル硬化反応で硬化可能な単官能性モノマーを含むことが有利である。さらなる単官能性モノマーは、典型的には、重合性希釈剤として機能し、インク又はコーティングの粘度を低下させ、及び/又はインク若しくはコーティングのガラス転位温度(Tg)を上昇させる。本発明のインク又はコーティングは、2種以上のさらなる単官能性モノマーを含むことができる。本発明のインク又はコーティングは、さらなる単官能性モノマー(単数又は複数)を少なくとも約15wt%含むことが有利であり、それは単官能性ウレタンモノマー(単数又は複数)に加わる1種又は複数種の単官能性モノマーである。例えば、インク又はコーティングは、少なくとも約25wt%、特に少なくとも約35wt%のさらなる単官能性モノマー(単数又は複数)を含むことができる。一実施形態において、本発明のインク又はコーティングは、少なくとも約40wt%のさらなる単官能性モノマー(単数又は複数)、例えば少なくとも約45wt%のさらなる単官能性モノマー(単数又は複数)を含む。本発明のインク又はコーティングは、合計で少なくとも約60wt%の単官能性モノマーを含むことが有利である。単官能性モノマーの合計は、単官能性ウレタンモノマー(単数又は複数)とさらなる単官能性モノマー(単数又は複数)との両方を含む。本明細書において使用する「単官能性モノマー」という用語は、硬化反応に関与する官能基を1つだけ有するモノマーを指す。
【0035】
本発明のエネルギー硬化性インク又はコーティングは、場合により、安定剤をさらに含む。
【0036】
基材成型パターン
図1に示す寸法の典型的な鋳型を、本出願の発明のインク及びコーティング並びに比較インクを試験するために使用したが、異なる寸法の鋳型及び異なる加工の変法も使用できると理解される。図2は、熱成形工程を例示する。基材(1)は、IRランプによる加熱下に軟化することを図2aで見ることができる。約25秒後に、鋳型(2)が基材の下に来て、それを図2bに示すように変形して、その結果、変形した基材(3)は鋳型(2)の基材成型パターンと同じ形になる。約40秒後に、鋳型(2)は引っ込み、基材は、図2cに示すような要求された形状(4)に熱成形された後、エアジェット(示していない)を適用して冷却される。
【0037】
材料
単官能性ウレタンモノマー:
単官能性ウレタンモノマーは、好ましくは、単官能性ウレタンアクリレートモノマーである。本発明のインク又はコーティングにとって好ましい単官能性ウレタンモノマーは、以下に記載するモノマー1(実施例1を参照されたい)である。
【0038】
使用することができる他の単官能性ウレタンアクリレートは、脂肪族単官能性イソシアネートとヒドロキシ官能性(メタ)アクリレートとの反応生成物である。例として、メチル、エチル、プロピル及びオクチルイソシアネートが挙げられる。一実施形態において、インク又はコーティングは、イソシアネートとヒドロキシル官能性アクリレートとの反応生成物である単官能性ウレタンアクリレートを含む。イソシアネートは、例えば、単官能性イソシアネートであってよい。
【0039】
二官能性脂環式イソシアネートなどのジイソシアネートは、使用することができるが、一方のイソシアネート基がヒドロキシ官能性(メタ)アクリレートと反応し、他方がエタノールなどの飽和単官能性アルコールと反応することが好ましい。単官能性ウレタンアクリレートは、例えば、二官能性イソシアネートを1モル当量の単官能性アルコールと反応させ、続いてこのようにして得られた該モノイソシアネート生成物をヒドロキシル官能性アクリレート又は単官能性エポキシアクリレートと反応させた反応生成物であってよい。一つの適当な二官能性イソシアネートは、異なる反応性を示す第一級及び第二級イソシアネート基の両方を含むので、イソホロンジイソシアネートである。反応性におけるこの相違は、単官能性アクリレートを合成し且つジアクリレートの生成を制限するために使用することができる。トルエン2,4−ジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、m−テトラメチルキシレンジイソシアネート(m−TMXDI)、ナフタレン1,5−ジイソシアネート(NDI)及びp−フェニレンジイソシアネート(PPDI)などの二官能性芳香族イソシアネートを使用することもできる。ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)及びジシクロヘキシルメタン4,4’−ジイソシアネート(HMDI)などの脂肪族及び脂環式イソシアネートも適当である。一実施形態において、単官能性ウレタンアクリレートは、式(I)の化合物である:
【0040】
【化1】

【0041】
式中、Rは、芳香族基又は脂肪族基であり、但し、Rはアクリレート官能基を含まず;YはC〜Cアルキレンであり;かつnは1から5である。一実施形態において、nは1であり、Yは、C〜Cアルキレン、C〜Cアルキレン又はC〜Cアルキレン、例えばエチレンである。さらなる実施形態において、nは、2から5であり、Yは、C〜Cアルキレン又はC〜Cアルキレン、例えば、エチレンである。さらなる実施形態において、Rは、C〜C10アルキル及び
【0042】
【化2】

【0043】
から選択され、上式中、
Aは、C〜Cアルキルで置換されていてもよいC〜C10アリール、及びC〜Cアルキルから選択され;B及びCは、C〜Cアルキルで置換されていてもよいC〜C10アリール、C〜Cアルキル及び結合から各々独立に選択され;及びRはC〜C10アルキルである。他の実施形態において、Rは、C〜Cアルキルから選択される。不確かさを避けるために、本明細書において使用する「アルキレン」という用語は、メチレンなどの二価アルキル基を指す。一実施形態において、用語「アルキレン」は直鎖アルキレンを指す。
【0044】
さらなる単官能性モノマー
適当な単官能性モノマーには、単官能性アクリレートモノマー及び単官能性ビニルモノマーが含まれる。単官能性アクリレートモノマーの例として、2−フェノキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート及びメチルメタクリレートが挙げられる。本発明のインク又はコーティングは、2種以上のさらなる単官能性モノマーを含むことができる。本発明のインク又はコーティングにおいて、単官能性ウレタンアクリレートとの組合せで使用するために適当な単官能性モノマーには、グリシジル(メタ)アクリレートと単官能性の飽和したカルボン酸との反応により形成される単官能性エポキシアクリレートが含まれる。適当なカルボン酸には、メタン酸、エタン酸及びプロパン酸が含まれる。
【0045】
好ましくは、さらなる単官能性モノマーは、インク又はコーティング調合物が、上で規定したように低揮発性であるように選択される。インク又はコーティング調合物が低揮発性であるようにモノマーが選択されたとき、許容されるオープンタイム特性を得ることができるが、それに対して選択されたモノマーが、前記インク又はコーティングの約10gの試料を換気のある約50℃のオーブン中で、直径約55mmの平底シャーレ中に約4時間置いたときに重量減少8%以上特に約10%以上など揮発性が比較的高いインク又はコーティングを生じる場合は、オープンタイムが減少することが見出された。
【0046】
以下のものは、上記特性の一部又は全部を有し、本発明における使用に適する、Sartomer Company Incから入手できる単官能性モノマーのリストの一部である:
SR256−2(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート
SR339−2−フェノキシエチルアクリレート
SR340−2−フェノキシエチルメタクリレート
CD42l−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレート
CD421A−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレート
CD278−アクリレートエステル
CD588−アクリレートエステル
CD585−アクリル系エステル
CD586−アクリル系エステル
CD587−アクリル系エステル
CD420−アクリル系モノマー
CD9075−アルコキシル化ラウリルアクリレート
CD9087−アルコキシル化フェノールアクリレート
CD9088−アルコキシル化フェノールアクリレート
CD611−アルコキシル化テトラヒドロフルフリルアクリレート
SR313B−C12C14アルキルメタクリレート
SR313D−C12C14アルキルメタクリレート
SR495B−カプロラクトンアクリレート
SR531−環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート
CD535−ジシクロペンタジエニルメタクリレート
CD545−ジエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート
SR504−エトキシル化(4)ノニルフェノールアクリレート
CD6l2−エトキシル化(4)ノニルフェノールメタクリレート
CD613−エトキシル化ノニルフェノールアクリレート
SR506A−イソボルニルアクリレート
SR423A−イソボルニルメタクリレート
SR395−イソデシルアクリレート
SR242−イソデシルメタクリレート
SR440−イソオクチルアクリレート
SR440A−イソオクチルアクリレート
SR335−ラウリルアクリレート
SR313A−ラウリルメタクリレート
SR709−金属モノメタクリレート
CD551−メトキシポリエチレングリコール(350)モノアクリレート
SR550−メトキシポリエチレングリコール(350)モノメタクリレート
CD553−メトキシポリエチレングリコール(550)モノアクリレート
CD552−メトキシポリエチレングリコール(550)モノメタクリレート
SR484−オクタデシルアクリレート
SR257−ステアリルアクリレート
SR324−ステアリルメタクリレート
SR285−テトラヒドロフルフリルアクリレート
SR203−テトラヒドロフルフリルメタクリレート
SR489D−トリデシルアクリレート
SR493D−トリデシルメタクリレート
CD730−トリエチレングリコールエチルエーテルメタクリレート。
【0047】
樹脂
適当なビニル樹脂の例として、以下のものが挙げられるが、これらに限定はされない:Dowから入手できるUCARVYNS−3、VYHH、VYHD、VAGH、VAGD、VMCH、VMCC、VMCA、VAGF、VAGF、VAGC及びVROH;Nissinから入手できるSolbin CN、CH、CL、A、AL、TA5R、M、ME、TA2、TA3、TAO及びT;Wackerから入手できるVinnol H11/59、E15/45、H15/50、E15/48A及びLL4320;Wuxi Honghuiから入手できるCKSP、UM55、UM50、UMOH、LPOH、UMCH45及びVAOH;Boading Zhongboaから入手できるBD50、BDOH及びBDCH;Braschemから入手できるVinisol BD50、BDOH及びBDCH並びにTennantsから入手できるTVRHD、TVRHH、TVRCC、TVRCH及びTVRGH。
【0048】
VROHは、塩化ビニル/酢酸ビニル/ヒドロキシエチルアクリレートのヒドロキシル官能性ターポリマーである。ヒドロキシル値は、約65mgKOH/g及び分子量は15000である。
【0049】
VAGCは、塩化ビニル/酢酸ビニル/ヒドロキシエチルアクリレートのターポリマーである。ヒドロキシル値はVROHと同様であるが、分子量はより高く24000である。
【0050】
VAGFは、塩化ビニル/酢酸ビニル/ヒドロキシルエチルアクリレートのターポリマーであるが、約33000の分子量に作製される。
【0051】
VMCAは、塩化ビニル/酢酸ビニル/マレイン酸から作製されるカルボキシ官能性ターポリマーである。酸値は約20mgKOH/g及び分子量は15000である。
【0052】
VYHHは塩化ビニル/酢酸ビニルコポリマーである。分子量は約27000である。
【0053】
VYHDは分子量22000の塩化ビニル/酢酸ビニルコポリマーである。
【0054】
ビニル樹脂は、好ましくは重量平均分子量が35000未満、特に25000未満、例えば20000未満である。ビニル樹脂は、酸値が10から80mgKOH/g、例えば、15から70mgKOH/gであることが有利である。
【0055】
光開始剤
照射硬化性インク又はコーティング組成物は、場合により、重合開始剤も含有することができる。種々の光開始剤が当技術分野において知られており、着色剤が存在すればそのタイプと、インク又はコーティングを硬化するために使用される照射波長とに基づいて選択することができる。硬化のために選択された照射の範囲内で変化する波長で、ピークのエネルギー吸収レベルを有する光開始剤のブレンドを使用ことができる。光開始剤及び光開始剤ブレンドは、顔料及び/又は染料着色剤によって吸収されないか又は部分的に影響されるにすぎない波長感光性であることが好ましい。適当な光開始剤の例として、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−4’−モルホリノブチロフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、トリメチルベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、イソプロピルチオキサントン、2,2−ジメチル−2−ヒドロキシ−アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンジル−ジフェニル−ホスフィンオキシド、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、ベンゾフェノン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド及びカンフルキノン等が挙げられる。上記の1種又は複数種を含む組合せも使用することができる。適当な市販の光開始剤としては、Ciba Specialty Chemicals(「Ciba」)から市販されているIrgacure 907、Irgacure 819、Irgacure 2959、Irgacure 184、Irgacure 369、Irgacure 379、Irgacure 651及びDarocur D1173、ベンゾフェノン、Rahnから市販されているGenocure LBP、Sartomerから市販されている、ITX SarCure SR1124及びTZT SarCure SR1137、Chitec Technology Co.から市販されているChivacure BMS、及びそれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。
【0056】
顔料/染料
適当な着色剤としては、染料、有機又は無機顔料が含まれるが、これらに限定されない。染料としては、アゾ染料、アントラキノン染料、キサンテン染料、アジン染料、それらの組合せ等が含まれるが、これらに限定されない。有機顔料は、例えば、顔料イエロー12、13、14、17、74、83;顔料レッド2、22、23、48:1、48:2、52、53、57:1、122、166、170、266;顔料オレンジ5、16、34、36;顔料ブルー15、15:3、15:4;顔料バイオレット3、23、27;及び/若しくは顔料グリーン7などの顔料の1種又は顔料の組合せであってよい。無機顔料は、以下の限定するものではない顔料の1種であってよい:酸化鉄、二酸化チタン、酸化クロム、フェロシアン化第二鉄アンモニウム、酸化第二鉄ブラック、顔料ブラック7及び/又は顔料ホワイト6及び7。他の有機及び無機顔料及び染料並びに所望の色を得る組合せも使用することができる。
【0057】
添加剤
多くの印刷インク及びコーティングのように、アンモニア、消泡剤、安定剤、シリコーン、可塑剤等を含むがこれらに限定されない他の添加剤も、単独又は組合せで使用することができる。
【0058】
安定剤
インク又はコーティングを安定化し、貯蔵期間を延長するために、当技術分野において「禁止剤」とも称される安定剤を、調合物に添加することもできる。安定剤は、典型的には、ラジカル生成を阻害し、したがって経時的な粘度上昇及びインク又はコーティングのゲル化を防止する。これらは、典型的には、約5wt%まで、例えば、約0.1から約3wt%のレベルで添加する。一実施形態において、インク又はコーティングは、安定剤を0.01から2wt%の間のレベルで含む。使用される典型的な安定剤物質の例は、Sigma−Aldrichの4−メトキシフェノール、ヒドロキノン及びブチル化ヒドロキシルトルエン、RahnのGenorad 16及びCibaから入手できるIrgastab 10及び22である。
【実施例】
【0059】
以下の限定するものではない実施例により本発明を例示する。
【0060】
モノマー1
276.3gのブチルイソシアネート、0.06gのヒドロキノンメチルエーテル及び0.05gのジブチルスズジラウレートを、凝縮器、エアスパージャ、温度プローブ及び前混合添加口を備えた反応フラスコに装填した。温度を60℃に上昇させて、323.7gのヒドロキシエチルアクリレートを一様な速度で5時間かけて加えた。次に、イソシアネート含有率が100ppm未満になるまで、容器を80℃に保った。次に生成物を冷却して、Brookfield DV−II Pro粘度計を毎分100回転(RPM)で使用し、支軸18を使用して測定した20℃における粘度は31.9cpsであった。
【0061】
顔料分散物
【0062】
【表1】

【0063】
149.4gのPHEA、45gのSolsperse 35000、0.3gのブチルヒドロキシトルエン及び0.3gのヒドロキノンメチルエーテルを1リットルの混合容器に装填して高速で10分間攪拌した。105gのspecial black 250を攪拌しながら40分かけて加えた。次に、混合物をVMA Getzmann GmbHから入手できるDispermat SLでD50が<200nmになるまで分散させた。
【0064】
表4のリストに挙げた他のSunjet顔料分散液を製造するために、重量は同じにして表1のSpecial Black 250を以下の顔料で置き換えた:
Cromophtal Yellow LA2(Ciba)−Sunjetイエロー分散を製造するため
Fastogen Super マゼンタ RG(DIC)−Sunjetマゼンタ分散を製造するため
Fastogen Blue TGR(DIC)−Sunjetシアン分散を製造するため。
【0065】
樹脂1
Union Carbideから入手できるビニルターポリマーVinylite VROHの200gを、800gのイソボルニルアクリレート中に高速攪拌により45分間で溶解した。これを1ミクロンフィルタを通して濾過して放冷した。
【0066】
実施例1
【0067】
【表2】

【0068】
【表3】

【0069】
実施例2〜5
実施例2から5は、樹脂1との組合せでモノマー1を含む。樹脂1の添加は、他の性能特性を犠牲にせずに伸縮率(パーセント)を向上させる。
【0070】
【表4】

【0071】
【表5】

【0072】
【表6】

【0073】
【表7】

【0074】
表7の結果は、非常に低レベルの多官能性アクリレートは、伸縮率(%)における大きい減少の原因となり、インクを熱成形用途に対して不適当にすることを示す。
【0075】
【表8】

【0076】
【表9】

【0077】
表9の結果は、低レベルの二官能性ウレタンモノマーは、伸縮率(%)の大きい低下の原因となり、熱成形用途に不適当であることを示す。
【0078】
試験方法
表面硬度/オフセット試験
試験されるインクをABSプラスチック(Amari Plastics PLCにより供給される)上に12ミクロンのドローダウンバー(drawdown bar)を用いて延ばす(draw down)。
【0079】
Fusion UV社の装置(rig)上100mJ/cmで硬化する。
【0080】
清浄なABSプラスチック基材を硬化したインクの表面上に置く。
【0081】
重量を分散するために3”×3”(76mm×76mm)平方の粗基材をドローダウン上に置く。
【0082】
1kgのおもしを粗基材上に置く。
【0083】
測定した時間例えば1時間置いたままにした後、2枚の基材を分離する。
【0084】
「清浄な」基材を、ドローダウンから移ったインクについて検査する。インクが移っていれば、その場合インクは試験に不合格である。
【0085】
伸縮率(%)−この試験は伸度(%)を決定するために行う。
【0086】
設備
1.5mmのABSプラスチック基材
Fusion F300S硬化ランプ及びLC6E実験室コンベヤー装置(rig)
中圧水銀バルブ
12μmドローダウンバー
RK101自動ドローダウン装置
International LightのIL390C Lightbug
赤外線ヒーター
クランプスタンド2個
縦横に連結して締め付ける形のクランプ3個
120℃までの温度計
強力紙挟み2個
耐熱性手袋
試験手順
問題のインクの12μmのフィルムをABSプラスチック基材片上に延ばす。
【0087】
120W/cmのFusion F300ユニット及び非ドープの水銀(H−バルブ)スペクトルを使用して硬化した。エネルギーレベルは150mJ/cmと測定された。
【0088】
このドローダウンから1cm×7cm(長)のストリップを切り出す。
【0089】
強力紙挟み間に紙挟み間5cmの間隔でストリップを置く。
【0090】
2個のクランプスタンドを使用して、赤外線ヒーターをベンチレベルの約12cm上に据え付ける。
【0091】
追加のクランプの1個を、直立したクランプスタンドの1個に、該クランプがベンチレベルにできるだけ近くてヒーターの下にあるように、連結する。
【0092】
残る2個のクランプを一緒に縦横型クランプと連結する。
【0093】
強力紙挟みを、固定したクランプの顎及び連結したクランプの一端に置く(手で保持するように)。
【0094】
温度計をヒーターの下で基材のストリップの近くに置く。
【0095】
耐熱性手袋を着用して、連結したクランプの端を保持する。
【0096】
ヒーターの電熱線2本にスイッチを入れて、温度が基材に対して選ばれた熱さ(約100℃)に達するまで待つ。
【0097】
「破損による白色」が現れるまで一様な圧力で引く。
【0098】
結果を下の方程式のように記録する。
【0099】
伸度(%)を決定する式
[(白線が見えたときの長さ(cm)−元の長さ)/元の長さ)]×100=伸度(%)。
【0100】
注:元の長さは5cmである。
【0101】
合格/不合格基準:
>250伸度(%)は合格である。
【0102】
<250伸度(%)は不合格である。
【0103】
持続可能性
これは、インク又はコーティングの噴射が少しも衰えずに作動する能力である。劣った持続可能性は、ノズルにおけるモノマーの減少、受動樹脂によるノズル閉塞又は不適正な面板加湿が原因で起こり得る。所与の時間中に失われた噴射数が、インク又はコーティングが合格するか又は不合格になるかを左右する。4回を超える欠損は不合格である。
【0104】
バックグラウンド:基礎的噴射能評価は、Spectraのプリントヘッドで、最初にノズルから噴出した滴の質量を、パルス幅、発射頻度及び電圧の関数として算定することにより実施する。2番目に噴射持続可能性を、最適の滴質量で15分までの期間で検査する。
【0105】
装置
Spectraのプリントヘッド及びインク貯蔵ユニット:詳細についてはSpectraのマニュアルを参照されたい。
【0106】
Spectra Apolloキット及び巻取り駆動システム。
【0107】
使い捨て秤量ボート。
【0108】
一般目的巻取紙(3”幅−76mm)
高品質巻取紙(3”幅−76mm)
Fusionの実験室UV硬化ユニット(水銀蒸気バルブ)、約250mJ/cmに設定。
【0109】
約500mLのインク試料が試験のために必要とされるであろう。
【0110】
Guardline WW−3009 クリーンルームワイパー。
【0111】
解説文書
Spectra Apollo PSKマニュアル
プリントヘッドフラッシングのためのガイドライン:インクを試験するための適当な手順を使用する。
【0112】
Spectra文書:「LOIS設定値を見出す」:PSKマニュアル中にコピー。
【0113】
最終合否決定試験(FAT)のプリントアウト:PSKマニュアル中に保持;プリントヘッド又は噴射アセンブリ番号を参照。
【0114】
手順
スタートアップ
2本の六角ドライブボルトを使用してSpectraのプリントヘッド/インク貯蔵器ユニットを巻取駆動ユニットに固定する。確実に面板が巻取紙に並行で且つ推進方向に90°であるようにする。滴質量測定のために、面板と紙との間隔は約2mmであるべきである。
【0115】
プリントヘッドをApollo制御ユニットに電気的に及び空気圧で確実に接続する。適当な手順を使用して、プリントヘッドをフラッシュし、以前のインク又はコーティング又はフラッシュ溶媒も確実に追い出す。次にインク又はコーティングの供給部を貯蔵器の頭部に接続し、このラインに10μmのディスクフィルタを取り付けて汚染の可能性を減少させるべきであり、次に供給ラインはペリスタポンプを通って試料容器中に入るべきである。
【0116】
コンピュータ(TKディスプレイアイコン)でApollo制御系を立ち上げて、噴射温度を要求される47±1℃に確実に設定する。
【0117】
LOISレベルが設定され、貯蔵器の温度が上がったら、プリントヘッドを排紙受けの上に移動させて、長いパージを実施し、次にクリーンルームワイプを使用してノズル板を拭う。100Vの発射電圧及び8μsのパルス幅をすべてのアレイに設定することにより、すべてのノズルが正しく作動することを確かめる。発射頻度制御を「external」に設定し、次に「テストパターン印刷」を実施する。プリントヘッドが巻取り紙の真上に確実に乗っているようにして、低速で(「coarse」ダイヤルで約1.0)巻取駆動を開始する。すべてのノズルが発射していることを確認する。そうなっていなければ、パージ/ワイプ/印刷のサイクルをさらに数回実施する。
【0118】
持続可能性の決定
特定のプリントヘッド/インク又はコーティングシステムのために適正な滴質量を得るための最適設定が決定されたら、これらのデータは、持続可能性試験を実施するために使用することができる。
【0119】
4kHz及び6μsのパルス幅で開始して、最適の滴質量を与えることが見出された発射電圧を入力する。「ジェットパターン」タブですべての噴射を「オン」に設定し、コピー数を「連続」に設定することを確実に行う。高品質紙を巻取り駆動ユニットに取り付けて、次にプリントヘッドを紙上を通して移動させる。巻取り駆動速度を1.0(約4kHz)に設定し、次に「印刷ジェットパターン」をクリックする。約7秒後に巻取り駆動をオンにすると、多数のブロックが印刷される。巻取り駆動をオフに切り換えて、(未だ印刷中の)ヘッドを排紙トレーの上を注意深く移動させる。印刷試料をカットして、それをできるだけ速やかに硬化させる。切片をテープで貼って一緒にして、この印刷物をプリントヘッドを通して供給する。
【0120】
ここで、この工程(印刷/カット/硬化/その他)を、5分間隔で15分まで繰り返すことができる。欠落したか又はずれた噴射がないか注意する。
【0121】
持続可能性試験全部を、異なるパルス幅又は発射頻度で繰り返すこともできる。発射頻度が変われば、巻取り速度を以下のように上げる:
4kHz=1.0。
【0122】
8kHz=2.0。
【0123】
12kHz=3.0。
【0124】
16kHz=4.0。
【0125】
20kHz 4.5で作動
合格/不合格基準
15分の間に4回の噴射が欠損すれば。その場合、インク又はコーティングは持続可能性試験に不合格である。
【0126】
注:Spectraは、最適滴質量の範囲がH.A.D.M電圧の±15%以内である例を挙げている。
オープンタイム
オープンタイムは、インク又はコーティングがどのくらいの期間放置されても、再使用を開始して未だ許容範囲で機能し得るかということである。
【0127】
手順
印刷に欠落又はずれがないか検査する。
【0128】
噴射温度で必要な時間(例えば40分)放置する。
【0129】
テスト印刷を実施して、噴射の欠落及びずれを噴射開始前の任意の時間差について比較する。
【0130】
合格/不合格基準
開始が遅くなったときに、噴射がなくなるとき又は噴射が減速するときは不合格である。
【0131】
開始が遅くなっても、噴射がなくなることがないか又は噴射が減速しなければ合格である。
【0132】
インク又はコーティングの揮発性の測定
本発明のインク又はコーティングは、低揮発性であることが有利である。低粘度のインク又はコーティングとは、例えば、直径約55mmの開放平底シャーレに入れて換気のあるオーブン中で約4時間約50℃に置いた後で、重量減少が約5%以下であるインクと定義することができる。本発明のインク及びコーティングの揮発性は、以下に記載するようにして、重量減少率(パーセント)を決定することにより評価することができる。
【0133】
装置:
1.ブリキ又はアルミニウムの、直径(55±5)mm、縁の高さが少なくとも5mmの平底シャーレ。
【0134】
2.サーモスタットで±2℃(150℃までの温度について)又は10±3.5℃(200℃までの温度について)に制御したエアオーブン。該エアオーブンは、0.8ms−1から1.2ms−1の範囲内の空気流速を提供する強制換気を有する。
【0135】
3.分析天秤、正確度0.1mg。
【0136】
手順:
2連で実施する。
【0137】
1.シャーレを脱グリース及び清浄化する。オーブン中でシャーレを乾燥する。
【0138】
2.空のシャーレを正確に秤量する。
【0139】
3.10±0.1gのインク又はコーティング試料を正確に秤量してシャーレに入れる。シャーレの表面を覆って一様に分布することを確実にする。風袋を量った(tared)曲がった金属ワイヤがこの目的に適する。
【0140】
4.試料を入れたシャーレを室温で10から15分間放置する。
【0141】
5.シャーレを予熱したエアオーブン中に入れて、50℃で4時間そのまま置く。
【0142】
6.シャーレをオーブンから取り出して、好ましくはデシケーター中で放冷する。
【0143】
7.残渣入りのシャーレを再秤量して残渣の質量を計算する。
【0144】
計算及び報告:
重量減少率(%)=(W−W/W)*100
式中:Wは加熱前の試料の重量であり、
は加熱後の残渣の重量である。
【0145】
平均を計算する。2つの結果が平均に対して2%を超えて異なれば、手順を繰り返す。2つの妥当な結果の平均を報告し、四捨五入して0.1%(質量)の桁で報告する。試料重量、試験温度及び加熱時間を含める。
【0146】
実施例E1のインク組成は重量減少が4.5%であるが、それに対して比較例C3のインク組成物は重量減少が13.1%であることが見出された。如何なる理論にも拘束されることは望まず、実施例E1に比較して比較例C3の比較的高い揮発性により、持続可能性試験におけるC3の不合格を説明することができる(上表3を参照されたい)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
存在する多官能性モノマーのレベルが約1wt%未満である、単官能性ウレタンモノマー及びさらなる単官能性モノマーを含む、エネルギー硬化性熱成形用インク又はコーティング。
【請求項2】
存在する多官能性モノマーのレベルが約0.5wt%未満である、請求項1に記載のインク又はコーティング。
【請求項3】
フリーラジカル光開始剤をさらに含む、請求項1又は請求項2に記載のインク又はコーティング。
【請求項4】
約0.5から約10wt%のビニル樹脂をさらに含む、請求項1から3のいずれか1項に記載のインク又はコーティング。
【請求項5】
ビニル樹脂を実質的に含まない、請求項1から3のいずれか1項に記載のインク又はコーティング。
【請求項6】
さらなる単官能性モノマーが単官能性アクリレートモノマー又は単官能性ビニルモノマーである、請求項1から5のいずれか1項に記載のインク又はコーティング。
【請求項7】
インクがインクジェットインクである、請求項1から6のいずれか1項に記載のインク又はコーティング。
【請求項8】
粘度が約50℃で約20mPas未満である、請求項1から7のいずれか1項に記載のインク又はコーティング。
【請求項9】
着色剤をさらに含む、請求項1から8のいずれか1項に記載のインク又はコーティング。
【請求項10】
単官能性ウレタンモノマーが単官能性ウレタンアクリレートモノマーである、請求項1から9のいずれか1項に記載のインク又はコーティング。
【請求項11】
単官能性ウレタンアクリレートがイソシアネートとヒドロキシル官能性アクリレート又は単官能性エポキシアクリレートとの反応生成物である、請求項1から10のいずれか1項に記載のインク又はコーティング。
【請求項12】
単官能性ウレタンアクリレートが式(1):
【化1】

(式中、Rは芳香族基又は脂肪族基であり、ただし、Rはアクリレート官能基を含まず;YはC〜Cアルキルから選択され、かつnは1から5である)
の化合物である、請求項1から11のいずれか1項に記載のインク又はコーティング。
【請求項13】
が、C〜C10アルキル及び
【化2】

(式中、AはC〜Cアルキルで置換されていてもよいC〜C10アリール及びC〜Cアルキルから選択され;B及びCは、各々独立にC〜Cアルキルで置換されていてもよいC〜C10アリール、C〜Cアルキル及び結合から選択され;かつRはC〜C10アルキルである)
から選択される、請求項12に記載のインク又はコーティング。
【請求項14】
少なくとも約15wt%の単官能性ウレタンモノマーを含む、請求項1から13のいずれか1項に記載のインク又はコーティング。
【請求項15】
少なくとも約15wt%のさらなる単官能性モノマーを含む、請求項1から14のいずれか1項に記載のインク又はコーティング。
【請求項16】
合計で少なくとも約60wt%の単官能性モノマーを含む、請求項1から15のいずれか1項に記載のインク又はコーティング。
【請求項17】
安定剤をさらに含む、請求項1から16のいずれか1項に記載のインク又はコーティング。
【請求項18】
インク又はコーティングの硬化した層が亀裂なしに約300%伸び得る、請求項1から17のいずれか1項に記載のインク又はコーティング。
【請求項19】
約10gのインク又はコーティングの試料が、直径約55mmの開放平底シャーレ中で換気のあるオーブン中に約4時間約50℃に置かれた後で、重量減少約5%以下である、請求項1から18のいずれか1項に記載のインク又はコーティング。
【請求項20】
溶媒を実質的に含まない、請求項1から19のいずれか1項に記載のインク又はコーティング。
【請求項21】
a.請求項1から20のいずれか1項に記載のエネルギー硬化性熱成形用インク又はコーティングを実質的に平坦な基材上に適用するステップ;
b.印刷されたインク又はコーティングを光化学作用のある照射に曝して硬化したフィルムを形成するステップ;
c.ガラス転位温度を超える温度に基材を加熱して基材を軟化するステップ;
d.基材を変形して成形された物品を製造するステップ;及び
e.基材をガラス転位温度未満に冷却するステップ
を含む、3次元の印刷された物品を製造する方法。
【請求項22】
インク又はコーティングがインクジェット印刷により適用される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
請求項1から18のいずれか1項に記載のエネルギー硬化性熱成形用インク又はコーティングの硬化した層を含む、及び/又は、請求項21又は請求項22に記載の方法に従って製造された、3次元の印刷された物品。

【図1】
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【図2a)】
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【図2b)】
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【図2c)】
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【公表番号】特表2012−525445(P2012−525445A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506586(P2012−506586)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【国際出願番号】PCT/GB2010/050676
【国際公開番号】WO2010/125373
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(509354318)サン ケミカル ベスローテン フェンノートシャップ (3)
【Fターム(参考)】