説明

高保水ラス網パネルを利用した枠建式建造物施肥土、灌水及びビル壁面緑化建設工法。

【課題】 近来建築及び建造物の改良技術の進歩にはめざましいものがある結果都市部には高層ビルの建設ラッシュが目に付く、反面都市部の温暖化現象も深刻である、この問題に真正面から向かい合っていこうという発想が本発明の目的です。ビルで働く人々は癒しを求め、反面旅行者や食事を楽しむ人々は都市の下界の景観を眺望して満足する、高層ビルは二通りの心理が働いていると思われる。又都市部には緑が少なく、都会人は疲れきって仕事に追われている人々が多い、又高層ビルは直射日光を直に受けるのでヒートアイランド現象が益々発達していく。結果高エネルギー高コストの浪費文化である。
【解決手段】 本発明は植物の本来もっている特性を生かしつつ且つ高層ビル建築のニーズに合うように軽量で施肥技術と散水又保水性の高い建築工法の改良技術です。各ブロックに小分けした壁面緑化パーツを壁面に取り付けていく建築工法の改良。又同技術を利用して擁壁、道路遮音壁等にも使用可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は都市部における高層ビル、擁壁、遮音壁の壁面緑化によるヒートアイランドの緩和に関する建築および土木の技術改良に関するものである。
【0002】
本発明は高層ビルの壁面を利用して壁面緑化パネルと太陽熱発電パネルまたその発電装置を利用して糞尿等汚泥をリサイクルして壁面緑化自動天然肥料施肥を可能にした複合的都市型環境配慮建築技術向上の新方式を提供する。又その際外壁部を太陽熱発電パネルにその全体あるいは一部を広告用パネルに変えても良い。
【0003】
本発明は高層ビルを壁面緑化していく技術革新であり、それぞれの各部品を個別にビル壁面に取り付けていき、複合的に全体の壁面緑化を成し得る建築および土木の技術改良の建設工法に関するものである。
【背景技術】
【0004】
従来から都市部における緑化方法は多く考案されている、その多くは建造物の屋上における緑化であり壁面における緑化技術は吸盤系つる植物の自然登蔓や壁面に取り付けるユニット方式植栽等々都市を見渡しても多くはない、その原因は様々で、技術的による高層ビル緑化技術未成熟における発想の低迷、高コストによる経済抑制、都市部の緑化不足による癒し系精神アミニテーの欠落、法整備不足等々であり、特に高層ビルの壁面緑化技術は世界を見渡しても皆無に等しい。
【0005】
近来、壁面緑化を施したビルの技術に関する研究は急速に進歩している。また壁面緑化を施したビルを建設しそのビルのオーナーとなる企業はステータスも高く様々な恩典を受けることが可能である、しかしながらその技術に関してはまだ緒に就いたばかりです、その例が高層ビルの壁面緑化に関しては余り例がなく技術的にはこれから始まっていくものと考える。本発明に係る型枠用せき板は本来コンクリート型枠材として開発されてきたものであるがこの製品を利用して高層ビルの壁面緑化のニーズに合わせて建築工法改良技術で解決していく。
【0006】
【非特許文献】1、特開 2002−138663 型枠用せき板 2、特願 2006−271203 壁面緑化の施工方法枠建方式
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の都市における高層ビルの建築ラッシュによる都市集中化の傾向は時を経るごとに益々帆走していく傾向にある。この傾向は世界を見渡しても文化の向上に伴い比例して顕著に顕れている、同時に温暖化も益々進行している現象は現代社会のもつ人類共通の課題であることは世界共通認識です。本発明はこのような現実に対処していくために特に都市部のヒートアイランド現象を少しでも解決できる、又解消できるものとして考案された従来の建設思考を変えていく建設技術改良の施工課題の提供です。
【0008】
従来の高層ビルの建設はその外壁面処理においてコンクリート、ガラス、タイル、あるいはアルミ又はそれに準ずる様々な製品の外壁用ウォール製品で覆われている。そのような仕上げ方法を続けるかぎりヒートアイランド問題は益々エスカレートしていき都市温暖化は解決できない。また高層ビルはその高さゆえ長所と短所がある、その長所とは景観である高いところから見下ろすように下界を眺める眺望は絶景であり誰もが満足感を覚える処です。しかしながらその眺望も毎日毎日連続して眺めていると慢性化していきその満足感も形骸化してしまいます、サラリーマン等その高層ビルに連続して通勤するような人々はむしろ別の安心感、癒しを求めているとおもいます。窓の外は森林のような緑、太陽を遮断した室内は自然の涼しさ、その中で仕事をする人々は生き生きと新しい発想をも見出し新しいエネルギーを高揚して益々美しい日本の国土発展の源流を創っていくのではないでしようか。眺望を望む建設空間と癒しを求める建設空間との二つの選択肢のなか、本発明は癒し系空間を提供するものです。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この様な問題を解決していくために従来の外壁面の外側にもう1スパン鉄骨のスペースを設けますこのスペースが緑に覆われた癒しのスペースとして活用されます、各階のスラブ床は施肥土あるいはマット床を施した上に常緑の植栽をします、そのスペースは吹き抜けを除いて散策道にしてもよく、公園にしてもよい、問題は新しく出来た外壁です、この外壁に造られた構造体の鉄骨柱及び鉄骨梁を利用して耐震構造の壁面緑化を完成させます。従来の外壁仕上げ用ウォール材に変えて壁面緑化用ウォール材で仕上げます。
【0010】
では外壁仕上げ用壁面緑化ウォール材について説明します、壁面緑化の施工方法枠建方式(特願2006−271203)出願の型枠用せき板(特開2002−138663)を2枚合わせその2枚の間に保水性の高い木質系ボードを挟みこんで組み立てる施工工法の改良に、更に同様2枚のボードを1組とし始めの2枚のボード付せき板と合わせ2組計4枚のボード付せき板を使用するその2組(A組、B組)の間に施肥土を注入する、それらA組、B組、施肥土を1セットとしてプラス1ステージの柱、梁の枠の中に組み込んでいく。更に連続して縦方向、横方向とその建造物の大きさに合わせて組み立てていく、その際耐圧度、耐震度、重量計算等々は法律に基づいた設計をしていく。又施肥土、に関しては別工程で施工してもよい。
【0011】
本来はコンクリート型枠として使用している強度の強い強化リブを基本に設計出願されたこの型枠用せき板を従来のコンクリートに代えて施肥土を打設充填させ保水ボードの保水性を更に高めていき、緑化植物の根を張らせることを更に永続させていくようにシステムを変えた事が本発明の特徴である。
【0012】
そのA組パネルとB組パネルとの間に骨格となるパイプ構造の配管を縦横に配置する、そしてパイプで形成された骨格の周りに施肥土を注入する。出来上がった大パネルはそれぞれA組パネル、施肥土、骨格パイプ、施肥土、B組パネルで形成され取り付け枠の中で固定する。その際施肥土は重量的に後工程でポンプ等を利用し施工してもよい。その際パネルで構成された大パネルはブロック化されておりそれぞれが耐震構造となっている。また外壁面の太陽熱パネルあるいは壁面の緑化植物等の枯渇問題もその部分ブロックを交換することで解決できる、交換作業は従来の外壁部外に設けられたプラス1ステージ壁面の内側部分のスペースで行うことが出来る。
【0013】
プラス1ステージの壁面の内側面に関しては前記ブロック交換の作業を遂行するために出来る限りマット床の小ブロックのマット植物かあるいはコケ類の小ブロックマット植栽を使用する、何故ならば個々の小ブロックマットを交換後再利用するからである、更に小マット取り付け部分は大パネルの1ブロック単位として取り付け工法は本発明工法の施肥土で覆われた骨格配管及び施肥水をはさんだ小パネルの内側面に取り外しの可能な器具を用いなお且つ施肥水が高保水ボード、あるいはそのボードを支えている網面を介してマット植物の根に毛細管現象で流水できる装置とする。
【0014】
外壁部に設けられたプラス1ステージ壁面緑化用壁面のどの位置でも又外壁全体でもよいが太陽熱発電装置を取り付けることができる、取り付けた装置を利用して得た電力でビル全体から発生する糞尿水が濾過装置を通りポンプを利用することにより前項の骨格パイプに送水することが出来る、その際骨格パイプにあけられた散水小孔から施肥水が施肥土に散布することができる。又太陽熱発電装置は日光に向いているがその裏側はプラス1壁面の内側に当たり、AパネルあるいはBパネルを取り付け日照がなくても枯渇しないコケ類、あるいはつる系植物、壁面着根系植物で壁面緑化が可能となる又マット植物を配置することにより根張りが成長し、床面の緑化散策道あるいは小公園とあいまって癒し空間を創る。
【0015】
灌水循環装置はそのビルで排出する糞尿を1ヶ所あるいは数箇所に集水し濾過するその際更に固形物または水溶性でない物質を選定し他所へ排出する、そして選出された植栽により効果的な自然養分を含んだ施肥水を循環する、本管あるいは枝管の目詰まりを起こさない粒子でビル内の緑化するあらゆる植物に施水していく装置、またこの際排出する施水量は多ければ排出しても貯水してもよい、少なければ他の水を追水して調節する。
【0016】
このシステムは自然の法理に則って活用されなければならない、即ち人体に例えば、骨があり、肉があり、皮があり、毛があり、関節があり、細胞があり、神経があり、血液があり、脳がある。骨部分は骨格を形成する循環パイプ組織でパイプの中は血液に当たる施肥水が通管する、肉の部分は施肥土であり高保水ボードである、その肉の部分は栄養分をたっぷり含んだ施肥水が自動的に散布される、又高保水ボードの主成分は木質系でありその圧縮されたボードは細胞にあたる毛管現象により外壁の毛に相当する植物に栄養分を届ける、皮にあたる部分は剛性の強い型枠せき板でA組、B組、合わせて4枚のラス網で保水ボードを覆い包み込んでいる、これが本発明の特徴で本来ラス網はその網目から流動性の物質は流れて流出していく。しかしながらサンドイッチされたA組、B組の2枚の圧縮された木質系高保水ボードに遮られ流動肥土あるいは肥水等栄養分も含めて外部に流出しない、その他神経に当たる部分はセンサーでこの植栽システムの給水、又は渇水等の自然環境を感知し、脳であるコンピューターに伝達する、コンピユーターは各機能に神経であるセンサーを通じ命令を下す。関節に当たる部分は大事な役目を担う、各ブロックで構成された壁面緑化システムですがいざ地震が起きた時にどのように対応していくか、建造物全体に合わせた耐震構造にあわせて敏感に反応するように剛構造ではなく、各、ブロックごとに蛇腹配管等自在連結部品で適応できるよう建造物に合わせて建築基準に則った設計が肝要である、又プラス1ステージを要する為この部分の重量に関して建造物本体の重量計算に加えて外周部耐震補助構造としての本体建築を支えていく地震に強い基礎的役目も果たしていく。
【0017】
本発明は、施肥土をはさみ両側に木質系高保水ボードを配しそれを金属製のラス型枠用せき板で覆うようにセットされた植物にやさしく組み立てられたキッドであるがその耐久性についてそれぞれ施肥土は引力により下へ下へと凝固していく、木質系高保水ボードは木質系であるため腐敗が生じ施肥土に同化していく、又金属製のラス型枠用せき板は亜鉛鍍金製で腐敗試験の結果土の持つ成分に左右されるが大方10年から20年で腐ってしまう。
【0018】
これらの問題を解決していくには、施肥土に関しては骨格配管より施肥水を散布することにより保水性を保ち、さらに植物の根の成長により毛細管現象等の働きあるいはバクテリア等の活動で施肥土の柔軟性を確保していく、木質系のボードは施肥土に同化していき肥料化していく、この際容積率が減少していくが植物の根が成長していくのでこれを補う、金属製のラス型枠用せき板は腐りやすい欠点があるがこれをステンレス等の腐らない製品に変えることで解決する。
【0019】
本発明の壁面緑化はその外壁面において金属製のラス型枠用せき板の剛性を利用して給水、保水性に富み剥離性の高いボードを壁に張り付けていく工法でつる系植物又は壁面着根系植物の成長するまでの期間はラス型枠用せき板の表面が外壁部表面に現わしのまま残存する、美観の関係上そのまま、きらきらひかる金属反射光でも良いし、植物系の緑に塗装しても良い、また広告塔にしても太陽熱発電パネルにしてもその処理方法は自由で良い。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、次の効果を得ることができる。
1、 2枚の剛性型枠せき板を合わせ中に木質系高保水ボードを配したパネルを1組とし同形のパネルをもう1組使用する。合計2組のパネルに使用される剛性の高い型枠せき板は4枚使用されることとなる、それらを骨格に当たる配管パイプに緊結すると更に剛性は強くなる。
2、 2枚の剛性型枠せき板に挟まれた木質系ボードはその剛性の高い型枠用せき板にガードされていて木質系ボードのもつ付着製の弱い欠点を補うと同時に木質系ボードの持つ特性の圧縮されたボードは型枠用せき板の持つ欠点の網目から流出する施肥土、施肥水、栄養分等の放流をくい止める。
3、 骨格にあたる配管パイプはブロック構成の剛性を担う中心的役目を持ち同時にせき板等を固定する緊結用骨組みをも兼ねる。
4、 ブロックで形成された型枠用せき板パネルはそれぞれが独立しており連結するときは自在連結部品を使用する、この効果により、地震等の縦揺れ、横揺れ等に対処することが出来る。
5、 型枠用せき板を仕上げ材として壁面緑化に直接使用するため、従来のコンクリート壁面工事は施工せずに本システムを利用するために型枠材の解体、撤去作業が簡略されその部分の工事費削減、納期削減に寄与する。
6、 ビルの外周部を形成する本システムはその構造はプラス1ステージ構造とし耐震設計されており、ビル本来の耐震構造に加えて更に耐震を強固にすることが可能となる。
7、 そのプラス1ステージは公園にしてもよく遊歩道にしてもよいその緑あふれる空間は仕事に没頭する戦士の癒しの空間として歓迎される。また各階あるいは複数階に設けられたその空間にビル本棟とは別電源、別系統のエレベーター、あるいは散策階段等を設けることにより、非常時の避難路として大きな役目を果たすことが出来る。
8、 本発明を通じての一番大きな効果は高層ビル全体のクールビルズです、夏太陽にさらされたビル全体の温度は想像を絶します又冬季はガラス等で覆われた建造物は冷たさにも敏感です、この薄皮に覆われたビルの中で労働する人々はその気温を一定化するために電力による、クーラー、及びヒーター等の空調設備による安定した気温をコストという代価を払い手に入れている現状です。本発明による効果は計り知れなく大きい、夏季はビルの自然冷却が可能となり電力の省エネルギー、冬季においても緑壁又は施肥土、施肥水。保水ボードの断熱効果は大きく地下室にいるような快適な効果をもたらす。
9、 また都市におけるCO2の削減。ヒートアイランドの緩和、又都市の美観、景観の変革を可能にして世界に冠たる美しい日本の都市を形成する。同時に目に見えない上水道、下水道の節減効果も大きく又自然肥料はその分野のコスト無料化につながっていく。そのことは自然還流の森のサイクルと同じである。
10、本発明による農業振興の面においてはマット栽培コケ類栽培等々の農家支援につながり、又関連するあらゆる業種に恩恵をもたらし、失業対策にも対応できる、特にこのシステムは維持管理が必ず必要となり現役を退任した技術者等の高齢者雇用につながっていく。
11、本発明は自然がテーマとなっており従来のコンクリートに代え施肥土ブロックパネル工法を採用し、鉄骨コラム製等々の大枠に順次組み込まれていく工法であるためそこに充填するための、施肥土のポンプ圧送、施肥土プラント、廃土再利用プラント、廃土、施肥水圧送車、そこに働く労働者等々新しい産業をうみだしていく。
12、本発明による壁面緑化は都市部の高層ビルを対象に開発したものであり高層ビルの森林化をめざすものです、現在世界中で失われていく森林喪失の危機に多少でも役に立てればと考えます。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明は高層ビルの壁面緑化工法として、又一般的各家の隣地境界擁塀に変わる装置として、そして更に高速道路の防音壁として広く適用することが可能である。高層ビルの壁面緑化として施工する場合はそのために従来の高層ビルの外側にもう1スパン、グリーンステージスパンが必要となる、さらにそのスパンの外側の外壁部は、床、壁が施肥土を蓄えた施肥土函、高保水施肥土付高保水ボードの小ブロックとなりそこに蔓系植物又はそれに変わる壁面着根性の高い植物の植栽をし、施肥水を与えることによりそれら植物の生育を促し関係する植物の生命保全を長期間保持していく。又そのスパンの内側の内壁部は二組のパネルの内側に立ち上がる壁であるが、そこにはコケ類植物、あるいはマット植物等を取り付け、内側壁面を緑の縦壁式の畑に仕上げていく。尚この際各階のスラブ上の歩道又は小公園の緑化については従来の工法を用いるのでここでは省略する。
【実施例】
【0022】
以下、図面を用いて説明する。図1は本発明に係る床部分とそこに立ち上がる壁部分の姿図であるが、床部分には施肥土函25がありそこから壁部分10が立ち上がっている、壁部分は剛性の強い型枠用せき板(特開2002−138663)1・2を向かい合わせた間に高保水性の木質系ボード5を挟みこみ1組のパネルとし同様のパネル3・4・5を反対側に配しその2枚のパネルの間に骨格性配水管6を配管してその配管に2組のパネルA組(1、2)+B組(3、4)を取り付けていく更に2組A,Bのパネルの間に骨格配管6として取り付けられた空間の空きスペースに施肥土9を圧送ポンプ等で注入していくそれらを1活して1ブロックとして建造物構造体の柱12梁13等に取り付けていき大ブロックを形成する。この際施肥土9の圧送ポンプ送入は小ブロック10単位でもよく大パネル31でも良い、それらに送入される施肥土充填作業は小ブロック組み立て後本体組み立て前地上で充填してクレーンにて大ブロックに組み立てても良い。
【0023】
小ブロックパネル10が柱12、梁13等に連続して組み込まれて各階の外壁31は完成する、その際各小ブロックパネル10内の骨格配管6はそれぞれが蛇腹タイプの耐震用配管26により上下左右の小ブロックパネル10と緊結する、又この際各植物管理センサーもパネル内に取り付けられ配線、センサー等配線用配管23を通じコントロールセンターのコンピューター24に連結していく。
【0024】
(配水)壁面緑化システムをはじめビルに係る植物に散水していく方法としてビルに関するトイレから排出する糞尿水21をそのまま下水管に流失してしまうのではいかにももったいない又下水道処理費、水道料金、それに係る電力費等々節減出来る部分を極力削減して効率化していくのも本発明の目的である。そこで自然肥料として最大の価値ある糞尿水21をシステム化して、自動的に緑化システムに取り込んでいく。下水処理配水管28の途中に枝管33を配し糞尿水を分岐する、分岐された糞尿水は濾過装置27に入り不要物を除去し栄養分を残した必要な分量を壁面緑化装置10に設置したセンサーにより必要な時に必要な量をコンピューター24の指示に従って施肥水する。その際分量に応じた必要量以外の余浄水は下水処理配水管28で流水する。
【0025】
本発明の壁面緑化システム31に流入された施肥水(糞尿水)21は施肥水用配管6(骨格配管)に流入していく、施肥水用配管6にあけられた散水用小孔29から施肥水(糞尿水)21は施肥水用配管6を取り囲むように設置された施肥土9に自然散布していく、施肥土9に流水された施肥水21は染込む様なかたちでそこに隣接する木質系高保水ボード5に吸い込まれていく、木質系高保水ボード5に留水した施肥水21はそこに植栽された植物が毛細化現象18で根を張った様々な種類の植物に吸収され繁茂していくシステム。
【0026】
(太陽熱発電)本発明の外壁部に設けられた壁面緑化の大パネル31の内、外壁に面する部分を一部あるいは設計に許される範囲で壁面緑化パネルの壁面用植物15に変えて太陽熱発電パネル14を取り付ける。この発電装置で集められた電力に施肥水揚水ポンプ22やシステムのコンピューター24やセンサー30等に振り向かれる、尚この際余った電力は他に振り向かれる、又不足電力は電力供給会社から購入する。太陽熱パネル14は大パネルごとに1ブロックとして故障の際に交換できる様にする、その際交換作業はプラス1ステージの外壁部の内側パネル部分から交換できる様にする。尚その内側パネルは表面を太陽光発電パネル14で裏側はコケ類植物16又はマット植物17の小パネルが個々に交換可能な機能を備えている本発明装置10です。この際太陽熱発電パネル14は広告用パネル等に変更する場合もある。
【0027】
(感知システム)本発明の壁面緑化装置10の各センサー30における機能は自然糞尿分別システムと壁面緑化散水システムに2分する。自然糞尿システムはビル使用者が排便する糞尿を固形物と流水物に仕分けをして固形物から栄養分を取り出し流水物と混ぜ合わせ攪拌する、さらに攪拌された糞尿はコンピューターの指示によりその濃度が決められ次の工程に進んでいく、この際固形物又は余浄水等本システムに不要なものは廃棄される。二次工程として壁面緑化散水システムに移行する、貯水槽34に集水された自然肥料は病原菌等の殺菌駆除装置35を経て本発明の小パネル10に設置された渇水調整センサー30の感知により報告を受けたコンピューター頭脳24の指示通り適量の自然栄養分を含む施肥水21を施肥水用配管6にあけられた散水用小孔29からそのブロック内パネル10に関係する植栽植物に供給される。この際自然影響を受け渇水する場所と、しない場所が当然出てくる、その対応のためセンサー30は各ブロックに1ないし数個取り付けると良い。更に施肥水21は毛細管現象18により施肥上函25、木質系高保水ボード5に伝達され各植物はその恩恵を受けて繁茂していく。この際本発明とは別の小公園20、遊歩道19等にもその恩恵の利を分けあたえる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は産業上様々な利用価値がある、まずその発想上建設業界の変革は壁面緑化の分野においては発想、計画、設計、施工、管理共様々な分野において革新的な改革をもたらす、また関係官庁においても都市部における規制緩和の推進をほう助する法整備が必要になってくる、詳しくは専門家にゆだねるとしても予想される部門だけでも建蔽率の緩和、緑地確保の法規制、エネルギー問題、労働者の再就職ならびに高齢者の都市緑化管理雇用政策、等々様々な分野でプラス思考の前向きな改革をもたらす。他の分野においてもハイテクノロジーの改革農業形態の進歩技術、雇用、新農業の振興、やる気のある農村の活性化等々、又環境問題も大きく変わってくる京都議定書における温暖化対策目標達成に具体化対策として本発明の緑化都市の構想は大いに役立つ、本発明の実施が超高層ビルの高さに対する三分の一程度の高さまで実行されればその高層ビルの基礎部分は強化され耐震構造の大きな進歩につながる。このことにより一例として高層ビルの高さに対する下から三分の一は癒しのステージを持つ緑化森林空間としてそれ以上の階は眺望を求める人々に開放して、景観を楽しむ。なおこれは一例に過ぎず建主の建築意図、設計意図、法規制等により様々な形態の建設物を建造することは自由である。また本技術を幅広く活用して擁壁、道路の遮音壁等々その産業上の利用可能性は高い。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】 本発明に係る壁面緑化の各システム関連イメージ図である。
【図2】 本発明の外壁部床部に施肥土函を置き蔓系植栽面及び太陽熱発電を設置しての大パネルブロックシステムの断面図である。
【図3】 本発明に係る壁面緑化工法の強度の強いラス型枠せき板を4枚使用して2組のパネルを作りその間に施肥土を挟み込むように設置をして壁面緑化用植物を植栽した時点の組み立て斜視図である。
【図4】 ラス型枠用せき板に関する実施例を示した正面図である。
【図5】 同実施例A組1,2とB組3,4の二組の木質系高保水ボードを挟んだパネルに更にその二組のパネルの間に骨格散水用配管を配しその配管を覆うように二組のパネルの間に施肥土を充填させた平面図である。
【図6】 本発明に係る壁面緑化のトータルイメージ図である。
【符号の説明】
【0030】
1 型枠用せき板A組1
2 型枠用せき板A組2
3 型枠用せき板B組3
4 型枠用せき板B組4
5 木質系高保水ボード
6 施肥水用骨格配管
7 施肥水用配管用チーズ
8 配管とせき板との緊結金具
9 施肥土
10 本発明小ブロックパネルセット
11 配管用ブロック間連結耐震対応蛇腹配管
12 柱
13 梁
14 太陽熱発電パネル
15 つる系植物又は壁面着根系植物
16 枠栽培コケ類植物
17 枠栽培マット植物
18 毛細管現象
19 遊歩道
20 小公園
21 糞尿施肥水
22 施肥水揚水用ポンプ
23 センサー用配管
24 コンピューター
25 施肥土函
26 看板用パネル
27 濾過装置
28 下水処理配水管
29 散水用小孔
30 センサー
31 外壁大ブロックパネル
32 内壁大ブロックパネル
33 枝管
34 施肥水貯水槽
35 殺菌装置
36 高層ビル本体
37 壁面緑化部分
38 壁面太陽熱発電部分
39 各パネル取り付け金具
40 各パネル受け金具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高層ビルの壁面緑化において従来の外壁面にプラス1ステージを設けその部分の各階に独立した施肥土函を設け、つる系植物又は他の壁面着根系植物の植栽を可能とし外壁面に繁茂させていき結果的に外壁部の全体又は指定した面を緑化していくことを特徴とした建設工法の改良。
【請求項2】
高層ビルの壁面緑化においてプラス1ステージの各階に緑化空間を設け、ビル内にて散策等、癒し系の行動を可能にした建設工法の改良。
【請求項3】
高層ビルのプラス1ステージの内壁面において交換可能なコケ類等ブロック積租緑化工法あるいはマット植栽工法等を利用し永続的に緑化を維持出来るようにした建設工法の改良。
【請求項4】
高層ビルの外壁面において壁面緑化と太陽熱発電あるいは広告等を同時施工する建設工法の改良。同時に太陽熱発電を利用して壁面広告の電源に使う他、ビルから発生する糞尿等の汚泥をリサイクルし施肥水として再利用するシステム。
【請求項5】
高層ビルの外壁面の緑化装置についての高保水力を保つ効果の向上のために高保水力を持つ木質系ボードをサンドイッチにした複合ボードを2枚重ね合わせた間に骨格施肥水パイプを介し充填された施肥土に自然施肥水を散水して植物植栽の根張りをほう助していく建設工法の改良。
【請求項6】
請求項1から請求項6までを総合的に組み合せた建設工法の改良、あるいは一部的に組み変えて壁面緑化を可能とした建設工法の改良。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−92924(P2008−92924A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−300868(P2006−300868)
【出願日】平成18年10月10日(2006.10.10)
【出願人】(503128515)
【出願人】(599024791)ワッケン株式会社 (4)
【Fターム(参考)】