説明

高光沢ブローンフィルムに適する組成物およびそれらから製造したフィルム

【課題】高光沢空冷ブローンフィルムに適する組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも5g/10分のメルトフローレートを有し、かつ8〜21モルパーセントのアルファオレフィンから誘導される単位を有する、2〜15重量パーセントの実質的にアイソタクチックなプロピレン系コポリマー(A);並びに85〜98重量パーセントの、0.1〜9g/10分のメルトインデックスを有するエチレン系コポリマー(B)を含み、エチレン系コポリマー(B)から単独で製造される空冷ブローンフィルムが示す光沢値よりも高い光沢値を示す組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高光沢の空冷ブローンフィルム(air-quenched blown films)の製造における使
用に適する熱可塑性組成物に属する。特には、本発明は、大多数のエチレン系ポリマーも
しくはコポリマーおよび少量のプロピレン系コポリマーを含むポリオレフィン配合物に属
する。加えて、本発明は、本発明の組成物が組み込まれた単層および/もしくは多層空冷
ブローンフィルムに属する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
発明の目的
本発明の目的の1つは、大多数のエチレン系コポリマーを含み、かつプロピレン系コポ
リマーをも含む組成物を提供することである。この組成物は、エチレン系コポリマーから
単独で製造される空冷ブローンフィルムよりも高い光沢値を示す空冷ブローンフィルムに
することができる。
【0003】
本発明の別の目的は、エチレン系コポリマーから単独で製造されるフィルムと比較して
フィルムの物理的特性(例えば、引裂きおよび強靱性)を過度に低下させずに高光沢を提
供する、上記組成物から製造される単層空冷ブローンフィルムを提供することである。
【0004】
本発明のさらに別の目的は、層のうちの1つが相溶剤および/もしくは結合層を加える
必要なしに同時に他の層と相溶性でありながら高光沢を提供する、多層空冷ブローンフィ
ルムを提供することである。
【0005】
本発明のさらなる目的は、層のうちの1つが優れたヒートシーリング挙動(特には、低
いホットタック開始温度(hot tack initiation temperature))をも提供しながら高光沢
を提供する、単層および/もしくは多層空冷ブローンフィルムを提供することである。
【0006】
本発明の別のさらなる目的は、一般的に利用可能なブローンフィルム機器を用いて商業
的に許容し得る速度でブローンフィルムに変換することも可能でありながら上記利点の1
つおよび/もしくは全てを提供する、空冷ブローンフィルムに適する組成物を提供するこ
とである。
【0007】
本発明の最後の目的は、エチレン系コポリマーから単独で製造されるフィルムと比較し
て、フィルムの物理的特性(例えば、引裂きおよび(ダート衝撃(dart impact)として示
される)強靱性)を過度に低下させずに高い光沢および低いホットタック開始温度を示す
、空冷ブローンフィルムに適する組成物を提供することである。好ましくは、本発明の組
成物から製造されるフィルムはエチレン系コポリマーから単独で製造されるフィルムより
も低い曇り値をも提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の実施形態において、本発明は空冷ブローンフィルム(an air quenched blown fil
m)における使用に適する組成物であって:
A.2〜15重量%の、実質的にアイソタクチックなプロピレン配列を有するプロピレ
ン系コポリマーであって、プロピレンおよび、約8〜約21モルパーセントの、アルファ
オレフィンから誘導される単位を含み、少なくとも5g/10分のメルトフローレートを
有するプロピレン系コポリマー;並びに
B.約85〜約98重量%の、0.1〜9g/10のメルトインデックスを有するエチ
レン系コポリマー、
を含み、該組成物から製造される空冷ブローンフィルムは成分Bから単独で製造される空
冷ブローンフィルムが示す光沢(gloss)値よりも高い光沢値を示す組成物である。
【0009】
第2の実施形態において、本発明は空冷ブローンフィルムにおける使用に適する組成物
であって:
A.2〜15重量%の、実質的にアイソタクチックのプロピレン配列を有するプロピレ
ン系コポリマーであって、プロピレンおよび、約6〜約15重量%の、エチレンから誘導
される単位を含み、少なくとも5g/10分のメルトフローレートを有するプロピレン系
コポリマー;並びに
B.約85〜約98重量%の、約0.1〜約9g/10分のメルトインデックスを有す
るエチレン/アルファオレフィンコポリマー、
を含む組成物である。
【0010】
第3の実施形態において、本発明は空冷ブローンフィルムであって:
(A)2〜15重量%の、実質的にアイソタクチックなプロピレン配列を有するプロ
ピレン系コポリマーであって、プロピレンおよび、約8〜約21モルパーセントの、アル
ファオレフィンから誘導される単位を含み、少なくとも5g/10分のメルトフローレー
トを有するプロピレン系コポリマー、好ましくは、プロピレン−エチレンコポリマー;並
びに
(B)約85〜約98重量%の、0.1〜9g/10分のメルトインデックスを有す
るエチレン系コポリマー、
を含む少なくとも1つの層を含み、Bのエチレン系コポリマーから製造されるフィルムが
示す光沢よりも高い光沢を示す空冷ブローンフィルムである。
【0011】
好ましくは、上記実施形態において、本発明の組成物から製造されるフィルムは、さら
に、成分Bのエチレン系コポリマーから単独で製造されるフィルムが示すホットタック開
始温度(hot tack initiation temperature)よりも低い、好ましくは、少なくとも5℃低
い、より好ましくは、少なくとも10℃低い、ホットタック開始温度の値を示す。また、
本発明の組成物から製造されるフィルムは、好ましくは、エチレン系コポリマーから製造
されるフィルムが示す光沢よりも相対的に少なくとも20パーセント高い、より好ましく
は、少なくとも30相対パーセント高い光沢を示す。本発明の組成物から製造されるフィ
ルムは、さらに、好ましくは、成分Bから単独で製造される空冷ブローンフィルムが示す
ものに匹敵するエルメンドルフ引裂き強さ(Elmendorf tear strength)(横方向(CD:cr
oss direction)および縦方向(MD:machine direction)の両方)およびダート衝撃(da
rt impact)の物理特性を示す。エルメンドルフ引裂き強さは、本発明の組成物から製造さ
れるフィルムから(類似の条件下、類似のフィルム設計で)得られる値が成分B単独から
製造されるフィルムが示すエルメンドルフ引裂き強さの値の15相対パーセント以内であ
る場合、匹敵するものとみなされる。ダート衝撃は、本発明の組成物から製造されるフィ
ルムについて(類似の条件下、類似のフィルム設計で)得られる値が成分B単独から製造
されるフィルムが示すダート衝撃の値の20相対パーセント以内である場合、匹敵するも
のとみなされる。好ましくは、本発明の組成物から製造されるフィルムは成分Bから単独
で製造される空冷ブローンフィルムよりも低いホットタック開始温度を示す。好ましくは
、本発明の組成物から製造されるフィルムは成分Bから単独で製造される空冷ブローンフ
ィルムよりも低い曇り(haze)値も示す。
【0012】
第4の代替実施形態において、本発明は空冷ブローンフィルムにおける使用に適する組
成物であって:
A.16〜40重量%の、実質的にアイソタクチックのプロピレン配列を有するプロピ
レン系コポリマーであって、プロピレンおよび、約8〜約21モルパーセントの、アルフ
ァオレフィンから誘導される単位を含み、少なくとも5g/10分のメルトフローレート
を有するプロピレン系コポリマー;並びに
B.約60〜約84重量%の、0.1〜9g/10のメルトインデックスを有するエチ
レン系コポリマー、
を含み、該組成物から製造される空冷ブローンフィルムは成分Bから単独で製造される空
冷ブローンフィルムが示す光沢値よりも高い光沢値を示し、かつ成分Bから単独で製造さ
れる空冷ブローンフィルムが示すホットタック開始温度の値よりも低いホットタック開始
温度の値を示す組成物である。好ましくは、この実施形態において、ホットタック開始温
度は成分Bから単独で製造される空冷ブローンフィルムが示すホットタック開始温度より
も少なくとも15℃低く、より好ましくは、成分Bから単独で製造される空冷ブローンフ
ィルムが示すホットタック開始温度よりも少なくとも20℃低く、幾つかの場合には、少
なくとも30℃低い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
エチレン系コポリマー:
配合物において用いられるエチレン系コポリマー(しばしば、「ポリエチレン」と呼ば
れる)は、好ましくは、エチレンおよびアルファ−オレフィンコモノマーから誘導される
単位のコポリマーである。好ましいアルファ−オレフィンコモノマーはC3〜C10アル
ファ−オレフィン、より好ましくは、C4〜C8アルファ−オレフィン、さらにより好ま
しくは、C4、C5、C6およびC8アルファ−オレフィン、最も好ましくは、1−ブテ
ン、1−ヘキセンおよび1−オクテンである。それらの優れたフィルム強度特性(例えば
、引裂き抵抗(tear resistance)、突き刺し抵抗(puncture resistance)、保持力(holding
force)およびダート衝撃強さ(dart impact strength))のため、ポリエチレンコポリマ
ーは、好ましくは、当業者に公知のように、気相、溶液もしくはスラリーポリマー製造法
を用いて製造される直鎖ポリエチレンである。本発明において有用なポリエチレンの例は
、The Dow Chemical Companyから商標「AFFINITY」で入手可能なエチレン/1−
オクテン実質直鎖コポリマー、The Dow Chemical Companyから商標「DOWLEX」で入
手可能なエチレン/1−オクテンおよびエチレン/1−ヘキセン直鎖コポリマー、The Do
w Chemical Companyから商標「ATTANE」で入手可能なエチレン/1−オクテン直鎖
コポリマー、The Dow Chemical Companyから商標「ELITE」で入手可能なエチレン/
1−オクテン強化ポリエチレン、Polimeri Europaから商標「CLEARFLEX」およ
び「FLEXIRENE」で入手可能なエチレン系コポリマー、Exxon Mobil Chemicalか
ら商標「Escorene」、「Exact」および「Exceed」で入手可能なエチ
レン/アルファ−オレフィンコポリマー、BP Petrochemicalsから商標「INNOVEX
」で入手可能なエチレン/アルファ−オレフィンコポリマー、Basellから商標「TUFL
EXEN」および「LUPOLEX」で入手可能なエチレン/アルファ−オレフィンコポ
リマー、DSMから商標「STAMYLEX」で入手可能なエチレン/アルファ−オレフ
ィンコポリマー、並びにSabicから商標「LADENE」で入手可能なエチレン/アルフ
ァ−オレフィンコポリマーである。
【0014】
ポリエチレンのメルトインデックス(「MI」)は0.1〜9g/10分、より好まし
くは、0.3〜6g/10分、さらにより好ましくは、0.5〜4g/10分、最も好ま
しくは、1〜3g/10分である。メルトインデックス(MI)測定は、従来「条件E」
として知られ、かつI2としても知られる、ASTM D−1238、条件190℃/2
.16キログラム(kg)重量に従って行う。メルトインデックスはポリマーの分子量に
逆比例する。したがって、その関係は直線ではないものの、分子量が大きいほどメルトイ
ンデックスは小さくなる。
【0015】
プロピレン系コポリマー:
プロピレン系コポリマーは、対象となるブローンフィルムもしくはブローンフィルム層
に用いることができるポリマー組成物全体の2〜15重量パーセントを構成する。好まし
くは、プロピレン系コポリマーは組成物全体の3〜13重量パーセント、より好ましくは
、ポリマー組成物全体の4〜12重量パーセント、さらにより好ましくは、ポリマー組成
物全体の5〜10重量パーセントを構成する。
【0016】
本発明のプロピレン系コポリマーは実質的にアイソタクチックなプロピレン配列を有す
るものと特徴付けられる。「実質的にアイソタクチックなプロピレン配列」および類似の
用語は、13C NMRによって測定される、約0.85を上回り,好ましくは約0.90
を上回り、より好ましくは約0.92を上回り、最も好ましくは約0.93を上回るアイ
ソタクチック三連子(isotactic triad)(mm)を有する配列を意味する。アイソタクチ
ック三連子は当分野において周知であり、例えば、米国特許第5,504,172号およびWO 00/0
1745に記載され、これは13C NMRスペクトルによって決定されるコポリマー分子鎖中
の三連子単位の観点でアイソタクチックな配列を参照する。NMRスペクトルは下記のよ
うに測定する。
【0017】
本発明のプロピレン系コポリマーは、典型的には、少なくとも5g/10分のメルトフ
ローレート(MFR)を有する。
【0018】
表面に分離の強化をもたらすため、このコポリマーは、下記DSC法に従って決定され
る、好ましくは40重量パーセント未満(69ジュール/グラム未満の溶融熱)、より好
ましくは30重量パーセント未満(51ジュール/グラム未満の溶融熱)の結晶化度を有
し、かつ少なくとも15重量パーセント(少なくとも24.8ジュール/グラムの溶融熱
)の結晶化度を有する。
【0019】
本発明のプロピレン系コポリマーはプロピレンから誘導される単位およびアルファ−オ
レフィンから誘導されるポリマー単位から構成される。プロピレン系コポリマーの製造に
用いられる好ましいコモノマーは、C2およびC4〜C10アルファ−オレフィン、好ま
しくは、C2、C4、C6およびC8アルファ−オレフィン、最も好ましくは、エチレン
である。
【0020】
本発明のプロピレン系コポリマーは、好ましくは、8〜21モルパーセントの、アルフ
ァ−オレフィンコモノマーから誘導される単位、より好ましくは、10〜18モルパーセ
ントの、アルファ−オレフィンコモノマーから誘導される単位を含む。エチレンがコモノ
マーであるとき、プロピレン系コポリマーは、好ましくは、6〜15重量パーセントの、
エチレンから誘導される単位、より好ましくは、7〜13重量パーセントの、エチレンか
ら誘導される単位、さらにより好ましくは、8〜12重量パーセントの、エチレンから誘
導される単位、最も好ましくは、9〜11重量パーセントの、エチレンから誘導される単
位を含む。
【0021】
13C NMR分光分析は、ポリマーへのコモノマーの組み込みを測定し、かつプロピレ
ン系コポリマーにおけるアイソタクチック三連子レベルを測定する、当分野において公知
である多数の技術のうちの1つである。この技術の一例は、例えば、エチレン/α−オレ
フィンのコモノマー含有率の決定について、Randall(Journal of Macromolecular Scien
ce, Reviews in Macromolecular Chemistry and Physics, C29 (2 & 3), 201 - 317 (198
9))に記載される。オレフィンインターポリマーのコモノマー含有率を決定するための基
本手順は、試料中の異なる炭素に対応するピークの強度がその試料中の寄与核(contribut
ing nuclei)の総数に直接比例する条件下で13C NMRスペクトルを得ることを含む。こ
の比例を確実にするための方法は当分野において公知であり、1パルス後の十分な緩和時
間の許容、ゲート制御デカップリング技術(gated-decoupling techniques)の使用、緩和
剤を含む。ピークもしくはピーク群の相対強度は、実際には、そのコンピュータ生成積分
(computer-generated integral)から得られる。スペクトルを得、ピークを積分した後、
コモノマーに関連するピークを割り当てる。この割り当ては、公知のスペクトルもしくは
文献を参照することにより、またはモデル化合物の合成および分析により、または同位体
標識コモノマーの使用により行うことができる。コモノマーのモル%は、例えばRandall
に記載されるように、コモノマーのモル数に対応する積分のインターポリマー中の全ての
モノマーのモル数に対応する積分に対する比によって決定することができる。
【0022】
データは、100.4MHzの13C共鳴周波数に相当する、Varian UNITY Plus 400MHz
NMRスペクトロメーターを用いて収集する。取得パラメータは、緩和剤の存在下で、
定量的13Cデータ取得が保証されるように選択する。データは、ゲート制御1Hデカップ
リング、データファイルあたり4000トランジエント(transient)、7秒パルス反復遅
延、24,200Hzのスペクトル幅および32Kデータ点のファイルサイズを用い、プ
ローブヘッドを130℃に加熱して取得する。試料は、約3mLの、クロムアセチルアセ
トン(緩和剤)中に0.025Mである、テトラクロロエタン−d2/オルトジクロロベ
ンゼンの50/50混合物を、10mm NMR管において、0.4gの試料に添加する
ことによって調製する。管のヘッドスペースは純粋窒素での置換によって酸素をパージす
る。試料は、ヒートガンによって開始される周期的還流で管およびその内容物を150℃
に加熱することにより、溶解および均一化する。
【0023】
データ収集の後、化学シフトを21.90ppmのmmmm五連子に対して内部参照す
る。
【0024】
プロピレン−エチレンコポリマーについては、ポリマー中のエチレンのモルパーセント
の算出に以下の手順を用いる。積分領域は以下のように決定する:
【0025】
【表1A】

領域DはD=P×(G×Q)/2として算出される。領域E=R+Q+(G×Q)/2。
【0026】
【表1E】

【0027】
C2値は上述の2つの方法(三連子合計(triad summation)および代数法(algebraic))
の、平均として算出する(しかしながら、これら2つは通常は異ならない)。プロピレン
−エチレンコポリマー中のエチレンから誘導される単位の重量パーセントは、エチレンの
モルパーセントの値から、当業者により算出され得る。
【0028】
本発明の特に好ましい態様において、本発明において用いられるプロピレン系コポリマ
ーは非メタロセン金属中心ヘテロアリール配位子触媒を用いて製造されるプロピレン−エ
チレンコポリマーを含み、この触媒は2002年5月5日出願の米国特許出願第10/139,786号(
WO 03/040201)に記載される通りであり、その出願は参照により、そのような触媒に関す
るそれらの教示について、それら全体が本明細書に組み込まれる。そのような触媒に対し
て、「ヘテロアリール」という用語は置換ヘテロアリールを含む。そのような非メタロセ
ン金属中心ヘテロアリール配位子触媒の一例は実施例に記載される触媒Aである。そのよ
うな非メタロセン金属中心ヘテロアリール配位子触媒で製造されるプロピレン−エチレン
コポリマーは独自のレジオエラー(regio-error)を示す。レジオエラーは約14.6およ
び15.7ppmに相当する13C NMRピークによって同定され、成長するポリマー鎖
へのプロピレン単位の立体選択的2,1−挿入エラーの結果であるものと信じられる。こ
の特に好ましい態様において、これらのピークはほぼ等しい強度のものであり、それらは
、典型的には、ホモポリマーもしくはコポリマー鎖への約0.02〜約7モルパーセント
のプロピレン挿入を表す。
【0029】
幾つかの13C NMRスペクトルの比較は、本発明の特に好ましい態様において好まし
く用いられるプロピレン−エチレンコポリマーに独自のレジオエラーをさらに示す。図1
および2は実施例において用いられるプロピレン−エチレンコポリマーに類似するプロピ
レン−エチレンコポリマーのスペクトルである。各々のポリマーのスペクトルは、これら
のプロピレン−エチレン系コポリマーの高度のアイソタクティシティ(0.94を上回る
13C NMRによって測定されるアイソタクチック三連子(mm))および独自レジオ
エラーを報告する。図3の13C NMRスペクトルはメタロセン触媒を用いて調製された
プロピレン−エチレンコポリマーのものである。このスペクトルは、本発明において用い
られる最も好ましいプロピレン−エチレンコポリマーのレジオエラー(約15ppm)特
性を報告しない。
【0030】
三連子レベルでのアイソタクティシティ(mm)はmm三連子(22.70〜21.2
8ppm)、mr三連子(21.28〜20.67ppm)およびrr三連子(20.6
7〜19.74)の積分から決定する。mmアイソタクティシティは、mm三連子の強度
をmm、mrおよびrr三連子の合計で除することによって決定する。エチレンコポリマ
ーについては、37.5〜39ppm積分を差し引くことによってmr領域を修正する。
mm、mrおよびrr三連子の領域にピークを生成する他のモノマーを有するコポリマー
については、ひとたびそれらのピークが同定されたら、標準NMR技術を用いて妨害ピー
クの強度を差し引くことによってこれらの領域の積分を同様に修正する。これは、例えば
、様々なレベルのモノマー組み込みの一連のコポリマーの分析により、文献の指示により
、同位体標識により、もしくは当分野において公知である他の手段により達成することが
できる。
【0031】
好ましくは、プロピレン系コポリマーは3.5以下の分子量分布(MWD)を有し、こ
れは数平均分子量で除した重量平均分子量(Mw/Mn)として定義される。
【0032】
ポリマーの分子量分布は、4本の直線混合床カラム(Polymer Laboratories(20ミク
ロン粒子サイズ))を備えるPolymer Laboratories PL-GPC-220高温クロマトグラフィー
ユニットでのゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて決定する。オーブン温度は
160℃であり、オートサンプラー・ホットゾーン(hot zone)は160℃、ウォームゾー
ン(warm zone)は145℃である。溶媒は、200ppmの2,6−ジ−t−ブチル−4
−メチルフェノールを含有する1,2,4−トリクロロベンゼンである。流量は1.0ミ
リリットル/分であり、注入サイズは100マイクロリットルである。注入用に、200
ppmの2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを含有する窒素パージ1,2,
4−トリクロロベンゼンに試料を160℃で2.5時間、穏やかに混合しながら溶解する
ことにより、試料の約0.2重量%溶液を調製する。
【0033】
分子量の決定は、10種類のナロー分子量分布ポリスチレン標準(Polymer Laboratori
es製、580〜7,500,000g/モルの範囲のEasiCal PS1)をそれら
の溶出体積と共に用いて推測する。等価プロピレン−エチレンコポリマー分子量は、ポリ
プロピレン(Th.G. Scholte, N.L.J. Meijerink, H.M. Schoffeleers, and A.M.G. Brand
s, J. Appl. Polym. Sci., 29, 3763 - 3782 (1984)に記載)およびポリスチレン(E. P.
Otocka, R. J. Roe, N. Y. Hellman, P. M. Muglia, Macromolecules, 4, 507 (1971)に
記載)の適切なMark−Houwink係数をMark−Houwink式:
{N}=KMa
(式中、Kpp=1.90E-04、app=0.725およびKps=1.26E-04、aps=0.702)
において用いることによって決定する。
【0034】
示差走査熱量測定
示差走査熱量測定(DSC)は、半結晶性ポリマー(semi-crystalline polymers)の溶
融および結晶化の試験に用いることができる一般技術である。DSC測定の一般原理およ
び半結晶性ポリマーの研究へのDSCの適用は標準テキスト(例えば、E. A. Turi, ed.,
Thermal Characterization of Polymeric Materials, Academic Press, 1981)に記載さ
れている。本発明の特に好ましい態様においては、プロピレン−エチレンコポリマーが本
発明において用いられ、これは、本質的に同じままであるTmeおよびコポリマー中の不飽
和コモノマーの量の増加に従って減少するTmaxを伴うDSC曲線によって特徴付けられ
る。Tmeは溶融が終了する温度を意味し、かつTmaxはピーク溶融温度を意味し、両者と
も当業者により、最終加熱ステップからのデータを用いたDSC分析から、決定される。
【0035】
示差走査熱量測定(DSC)分析はTA Instruments, Inc. 製のモデルQ1000 D
SCを用いて決定する。DSCの較正は以下のように行う。まず、アルミニウムDSCパ
ン内にいかなる試料も存在することなしに、DSCを−90℃から290℃まで稼働させ
ることによってベースラインを得る。次に、7ミリグラムの新鮮なインジウム試料を、そ
の試料を180℃に加熱し、10℃/分の冷却速度で140℃に冷却した後、140℃で
等温的に1分間保持し、次いで10℃/分の加熱速度で140℃から180℃まで加熱す
ることによって分析する。インジウム試料の融解熱および溶融の開始を決定し、溶融の開
始については0.5℃〜156.6℃内、融解熱については0.5J/g〜28.71J
/g内にあることをチェックする。その後、脱イオン水を、新鮮な試料の小滴をDSCパ
ン内で、10℃/分の冷却速度で25℃から−30℃まで冷却することによって分析する
。試料を等温的に−30℃で2分間保持し、10℃/分の加熱速度で30℃に加熱する。
溶融の開始を決定し、0.5℃〜0℃内であることをチェックする。
【0036】
プロピレン系コポリマー試料を190℃の温度でプレスして薄膜とする。約5〜8mg
の試料を秤量し、DSCパンに入れる。パン上で蓋にひだを寄せ、閉鎖雰囲気を確実なも
のとする。その試料パンをDSCセル内に入れ、約100℃/分の高速で溶融温度を約3
0℃上回る温度まで加熱する。試料をこの温度で約3分間保持する。次に、試料を10℃
/分の速度で−40℃まで冷却し、等温的にその温度で3分間保持する。結果的に、試料
は、溶融が完了するまで、10℃/分の速度で加熱される。生じるエンタルピー曲線を、
ピーク溶融温度、開始およびピーク結晶化温度、溶融熱および結晶化熱、Tme並びに対象
となるあらゆる他のDSC分析値について分析する。溶融熱を名目上の結晶化度重量%に
変換するのに用いられる因子は165J/g=100結晶化度重量%である。この変換因
子を用いて、プロピレン系コポリマーの総結晶化度(単位:結晶化度重量%)を、165
J/gで除した溶融熱の100%倍として算出する。
【0037】
本発明に有用なプロピレン系コポリマーのメルトフローレート(「MFR」)は、典型
的には、少なくとも5g/10分、好ましくは、少なくとも6g/10分、より好ましく
は、少なくとも7g/10分、最も好ましくは、少なくとも8g/10分のメルトフロー
レートを有する。メルトフローレート(MFR)測定はASTM D−1238、条件2
30℃/2.16キログラム(kg)重量に従って行う。メルトインデックスと同様に、
メルトフローレートはポリマーの分子量に反比例する。したがって、その関係は直線では
ないものの、分子量が大きいほどメルトフローレートは小さくなる。
【0038】
空冷ブローンフィルム:
適切な空冷ブローンフィルム法は、例えば、The Encyclopedia of Chemical Technolog
y, Kirk-Othmer, Third Edition, John Wiley & Sons, New York, 1981, Vol. 16, pp. 4
16-417およびVol. 18, pp. 191-192に記載されている。適切な同時押出し技術(coextrusi
on techniques)および必要条件は当業者に公知である。
【0039】
成分の配合:
フィルムに組み込まれる組成物は:(a)成分ペレットの乾燥配合;(b)押出機に搭
載された配合機システム(容積的もしくは質量的)による成分ペレットの直接供給;(c
)化合生成物のペレットを生成する化合押出機におけるペレット成分の化合(compounding
the pellet components in a compounding extruder producing pellets of compounded
product);および/もしくは(d)当業者に公知のあらゆる他の配合技術によって製造
することができる。
【実施例】
【0040】
<触媒A>
触媒Aの合成
ハフニウム、[N−[2,6−ビス(1−メチルエチル)フェニル]−α−[2−(1−
メチルエチル)フェニル]−6−(1−ナフタレニル−κ−C2)−2−ピリジンメタン
アミナト(2−)−κN1,κN2]ジメチル−
【化1】

【0041】
a)2−ホルミル−6−ブロモピリジン
この化合物は文献の手順、Tetrahedron Lett., (2001) 42, 4841に従って合成する。
【0042】
b)6−ブロモ−2−(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミノピリジン)
乾燥500mL三首丸底フラスコに、0.3nm細孔サイズモレキュラーシーブ(6g
)および80mgのp−TsOHを含む500mLの無水トルエン中の2−ホルミル−6
−ブロモピリジン(72.1g、383mmol)および2,6−ジイソプロピルアニリ
ン(72.5g、383mmol)の溶液を装入する。その反応器は濃縮器、オーバーヘ
ッド機械式攪拌機および熱電対ウェルを備える。混合物をN2の下で12時間、70℃に
加熱する。濾過して揮発物を減圧下で除去した後、褐色油を単離する。収量は109g、
81.9パーセントであった。
GC/MS 346(M+)、331、289、189、173、159、147、13
1、116、103、91、78。
【0043】
c)6-(1-ナフチル)-2-[(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミノ]ピリジン
ナフチルボロン酸(54.5g、316mmol)およびNa2CO3(83.9g、7
92mmol)を200mLの脱気1:1 H2O/EtOHに溶解する。この溶液を6
−ブロモ−2−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−イミノピリジン(109g、31
6mmol)のトルエン溶液(500mL)に添加する。ドライボックスの内部で、1g
(0.86mmol)のテトラキス(トリフェニル−ホスフィン)パラジウム(0)を5
0mLの脱気トルエンに溶解する。その溶液をドライボックスから取り出し、N2パージ
した反応器に投入する。その二相溶液を激しく攪拌し、70℃に4〜12時間加熱する。
室温に冷却した後、有機相を分離して水層をトルエン(3×75mL)で洗浄し、合わせ
た有機抽出物をH2O(3×200mL)で洗浄してMgSO4で乾燥させる。減圧下で揮
発物を除去した後、生じる明黄色油をメタノールからの再結晶化によって生成し、黄色固
体を得る。収量109g、87.2パーセント;mp 142〜144℃。
1H NMR(CDCl3)δ 1.3(d、12H)、3.14(m、2H)、7.26
(m、3H)、7.5−7.6(m、5H)、7.75−7.8(m、3H)、8.02
(m、1H)、8.48(m、2H)。
13C NMR(CDCl3)δ 23.96、28.5、119.93、123.50、
124.93、125.88、125.94、126.49、127.04、127.2
4、128.18、128.94、129.7、131.58、134.5、137.5
6、137.63、138.34、148.93、154.83、159.66、163
.86。
GC/MS 396(M+)、380、351、337、220、207、189、14
7。
【0044】
d)2−イソプロピルフェニルリチウム
不活性雰囲気グローブボックスの内部で、n−ブチルリチウム(52.5mmol、2
1mLの2.5Mヘキサン溶液)を添加ロートにより35〜45分にわたって2−イソプ
ロピルブロモベンゼン(9.8g、49.2mmol)のエーテル溶液(50mL)に添
加する。添加が完了した後、その混合物を周囲温度で4時間攪拌する。その後、エーテル
溶媒を減圧下で一晩除去する。翌日、残留する白色固体にヘキサンを添加し、その混合物
を濾過してさらなるヘキサンで洗浄した後、真空乾燥する。2−イソプロピルフェニルリ
チウム(4.98g、39.52mmol)を明白色粉末として集める。その後、生成物
の第2クロップ(0.22g)を元のヘキサン濾液の第2濾過から得る。
1H NMR(d8−THF)δ 1.17(d、J=6.8Hz、6H)、2.91(七
重項(sept)、J=6.8、1H)、6.62−6.69(多重項(multiplets)、2H)、
6.77(d、J=7.3Hz、1H)、7.69(多重項(multiplet)、1H)。
13C NMR(d8−THF)δ 25.99、41.41、120.19、122.7
3、122.94、142.86、160.73、189.97。
【0045】
e)2-ピリジンメタンアミン, N-[2,6-ビス(1-メチルエチル)フェニル]-α-[2-(1-メチ
ルエチル)フェニル]-6-(1-ナフタレニル)
イミン、工程c)の6−(1−ナフチル)−2−[(2,6−ジイソプロピルフェニル
)イミノ]ピリジン(2.20g、5.6mmol)を60〜70mLの乾燥エーテル中
のスラリーとして窒素雰囲気下で磁気攪拌する。2−イソプロピルフェニルリチウム(2
5mL乾燥エーテル中に1.21g、9.67mmol)のエーテル溶液を、シリンジを
用いて、4〜5分にわたって徐々に添加する。添加が完了した後、少量の試料を取り出し
て1N NH4Clで反応を停止させ、有機層を高速液体クロマトグラフィー(HPLC
)によって分析して出発物質の消費の完了をチェックする。反応物の残部を1N NH4
Cl(10mL)を慎重に徐々に添加することによって反応を停止させる。その混合物を
さらなるエーテルで希釈し、有機層を食塩水で2回洗浄して乾燥(Na2SO4)させ、濾
過して減圧下で溶媒を除去する。濃厚赤色油として得られた粗製生成物(2.92g;理
論収量=2.87g)をさらに精製することなく用いる。
1H NMR(CDCl3)δ 0.96(d、J=6.6Hz、3H)、1.006(d
、J=6.8Hz、3H)、1.012(d、J=6.8Hz、6H)、1.064(d
、J=6.8Hz、6H)、3.21−3.34(多重項、3H)、4.87(br s
、N)、5.72(s、1H)、6.98(d、J=7.6Hz、1H)、7.00−
7.20(多重項、7H)、7.23−7.29(多重項、4H)、7.51(d、J=
7.1Hz、1H)、7.60−7.65(多重項、2H)、7.75(多重項、1H)
、8.18(多重項、1H)。
13C NMR(CDCl3)δ 23.80、24.21、24.24、24.36、2
8.10、28.81、67.08、120.20、122.92、123.96、12
4.42、125.35、125.81、126.01、126.28、126.52、
126.58、126.65、127.80、128.52、128.62、129.2
5,131.82、134.52、136.81、138.82、140.94、143
.37、143.41、146.66、159.05、162.97。
【0046】
f)ハフニウム、[N−[2,6−ビス(1−メチルエチル)フェニル]−α−[2−
(1−メチルエチル)フェニル]−6−(1−ナフタレニル−κ−C2)−2−ピリジン
メタンアミナト(2−)−κN1,κN2]ジメチル−
ガラスジャーに、30mLのトルエンに溶解した8.89mmolの工程e)からの配
位子を投入する。この溶液に8.98mmolのn−BuLi(2.5Mヘキサン溶液)
をシリンジによって添加する。この溶液を1時間攪拌した後、8.89mmolの固体H
fCl4を添加する。ジャーに空冷還流濃縮器で蓋をし、混合物を還流下で1時間加熱す
る。冷却後、31.1mmolのMeMgBr(3.5当量、3.0Mジエチルエーテル
溶液)をシリンジによって添加し、生じる混合物を周囲温度で一晩攪拌する。溶媒(トル
エン、ヘキサンおよびジエチルエーテル)をドライボックスに取り付けられた真空システ
ムを用いて反応混合物から除去する。トルエン(30mL)を残滓に添加してその混合物
を濾過し、残滓(マグネシウム塩)をさらなるトルエン(30mL)で洗浄する。溶媒を
合わせたトルエン溶液から真空によって除去し、ヘキサンを添加した後、真空によって除
去する。ヘキサンを再度添加して生じるスラリーを濾過し、生成物をペンタンで洗浄して
所望の生成物を黄色粉末として得る。
1H NMR(C66):δ 8.58(d、J=7.8Hz、1H)、8.25(d、
J=8.4Hz、1H)、7.82(d、J=7.5Hz、1H)、7.72(d、J=
6.9Hz、1H)、7.50(d、J=8.1Hz、1H)、7.36−7.27(多
重項、3H)、7.19−6.99(多重項、7H)、6.82(t、J=8.1Hz、
1H)、6.57(s、1H)、6.55(d、J=7.8Hz、1H)、3.83(七
重項、J=6.9Hz、1H)、3.37(七重項、J=6.9Hz、1H)、2.89
(七重項、J=6.9Hz、1H)、1.38(d、J=6.6Hz、3H)、1.37
(d、J=6.9Hz、3H)、1.17(d、J=6.9Hz、3H)、1.15(d
、J=7.2Hz、3H)、0.96(s、3H)、0.70(s、3H)、0.69(
d、J=5.4Hz、3H)、0.39(d、J=6.9Hz、3H)。
【0047】
<一般的な連続ループ溶液プロピレン−エチレン共重合法>
プロピレン−エチレンコポリマーを以下の手順に従って製造する。
触媒A。
【0048】
この重合法は発熱性である。重合されるプロピレンのポンド当たり〜900BTUが放
出され、重合されるエチレンのポンド当たり〜1,500BTUが放出される。主なプロ
セス設計の考慮は反応の熱を如何にして除去するかである。プロピレン−エチレンコポリ
マーは3”ループパイプに加えて2台の熱交換器で構成される低圧溶液重合ループ反応器
において生成され、その総容積は31.4ガロンである。溶媒およびモノマー(プロピレ
ン)は液体として反応器内に注入する。コモノマー(エチレン)ガスは液体溶媒中に完全
に溶解する。供給物は反応器への注入に先立って5℃に冷却する。反応器は18重量%に
等しいポリマー濃度で稼働させる。溶液の断熱的な温度上昇が重合反応からの熱除去の幾
らかを占める。反応器内の熱交換器が反応の残りの熱の除去に用いられ、105℃での反
応器温度制御を可能にする。
【0049】
用いられる溶媒は、Isopar Eと呼ばれる、Exxonから購入した高純度イソ
−パラフィン系画分である。新鮮なプロピレンを精製のためセレックスソーブCOS(Sel
exsorb COS)の床に通した後、再循環流(溶媒、プロピレン、エチレンおよび水素を含む
)と混合する。再循環流と混合した後、高圧(700psig)供給ポンプを用いて内容
物を反応器に汲み上げる前に、合わせた流れをさらなる精製のため75重量% モレキュ
ラーシーブ13Xおよび25重量% セレックスソーブCD(Selexsorb CD)の床に通す。
新鮮なエチレンを精製のためセレックスソーブCOS床に通した後、その流れを750p
sigに圧縮する。水素(分子量の低下に用いられるテロゲン(telogen))を圧縮された
エチレンと混合した後、その2つを液体供給物に混合/溶解する。その流れ全体を適切な
供給温度(5℃)に冷却する。反応器は525psigおよび105℃に等しい制御温度
で稼働させる。反応器内でのプロピレン変換は触媒注入速度を制御することによって維持
する。反応器温度は熱交換器のシェル側を横切る水温を85℃に制御することによって維
持する。反応器内の滞留時間は短く、10分である。反応器通過あたりのプロピレン変換
は60重量%である。
【0050】
反応器を出ると同時に、水および添加物をポリマー溶液に注入する。水は触媒を加水分
解し、重合反応を停止させる。添加物は酸化防止剤、500ppmのIrganox(商
標)1010および1000ppmのIrgafos(商標)168からなり、ポリマー
と共に残留して、消費者の施設での次の製造に先立つ保管の間、ポリマーの分解を防止す
る安定化剤として作用する。反応器後溶液(post-reactor solution)を2段階揮発物除去
の準備において反応器温度から230℃まで超加熱(super-heated)する。溶媒および未反
応モノマーはこの揮発物除去プロセスの最中に除去する。ポリマー溶融物を水中ペレット
切断(underwater pellet cutting)のためダイに汲み上げる。
【0051】
揮発物除去機(devolatilizer)の最上部から排出される溶媒およびモノマーはコアレッ
サに送られる。コアレッサは揮発物除去の最中に蒸気に流入したポリマーを除去する。コ
アレッサを出た清浄な蒸気流は一連の熱交換器によって部分的に濃縮される。その2相混
合物は分離ドラムに入る。濃縮された溶媒およびモノマーは精製され(これは上述の再循
環流である)、反応プロセスにおいて再利用される。分離ドラムを出て、主としてプロピ
レンおよびエチレンを含む蒸気はフレアブロック(a block flare)に送られ、燃焼される
。上記プロセスに従って製造されるプロピレン−エチレンコポリマーが、好ましくは、本
発明のプロピレンアルファオレフィンコポリマーに用いられる。
【0052】
実施例において用いられるポリマー樹脂:
実施例の単層フィルムの製造に用いられる樹脂を以下に記述する。全ての樹脂のメルト
フローレートはASTM D 1238に従って測定した。
【0053】
1.The Dow Chemical CompanyからDOWLEX NG 5056Gの商標で商業的に入手可能な直鎖
低密度ポリエチレンコポリマー(LLDPE-1)は、2.16Kgの重量の下、190℃で1.
1g/10分のメルトインデックス、0.919g/mlの密度を有し、11重量パーセ
ントの、1−オクテンコモノマーから誘導される単位を含み、かつチーグラー・ナッタ型
触媒を用い、溶液重合法を用いて調製される。
【0054】
2.The Dow Chemical CompanyからDOWLEX 2042Gの商標で商業的に入手可能な直鎖低密
度ポリエチレンコポリマー(LLDPE-2)は、2.16Kgの重量の下、190℃で1.0g
/10分のメルトインデックスを有し、0.930g/mlの密度を有し、6重量パーセ
ントの、1−オクテンコモノマーから誘導される単位を含み、かつチーグラー・ナッタ型
触媒を用い、溶液重合法を用いて調製される。
【0055】
3.RCPは、気相重合において支持チーグラー・ナッタ触媒系を用いて製造され、Th
e Dow Chemical CompanyからRandom PP R338-02Nの商品名で入手可能であり、230℃/
2.16kgで2.0g/10分のメルトフローレートを有し、かつ4.1重量パーセン
トの、エチレンコモノマーから誘導される単位を含むプロピレン−エチレン・ランダムコ
ポリマーである。RCPは3.5を上回る分子量分布(Mw/Mn)を有する。
【0056】
4.P−E1は、上述の溶液ループ重合法に類似する方法において製造され、230℃
/2.16kgで8g/10分のメルトフローレート、0.888g/cm3の密度を有
し、かつ5重量%のエチレンコモノマーを含むプロピレン−エチレンコポリマーである。
P−E1は約2.5の分子量分布(Mw/Mn)を有する。
【0057】
5.P−E2は、上述の溶液ループ重合法に類似する方法において製造され、230℃
/2.16kgで8g/10分のメルトフローレート、0.876g/cm3の密度を有
し、かつ9重量パーセントのエチレンコモノマーを含むプロピレン−エチレンコポリマー
である。P−E2は約2.5の分子量分布(Mw/Mn)を有する。
【0058】
6.P−E3は、上述の溶液ループ重合法に類似する方法において製造され、230℃
/2.16kgで8g/10分のメルトフローレート、0.866g/cm3の密度を有
し、かつ12重量パーセントの、エチレンから誘導される単位を含むプロピレン−エチレ
ンコポリマーである。P−E3は約2.5の分子量分布(Mw/Mn)を有する。
【0059】
LLDPEおよびP−Eコポリマーの配合
以下のように、望ましいLLDPE、P−EコポリマーおよびRCPを配合した後、ブ
ローンフィルム押出機に導入する:
【0060】
望ましいLLLDPE、P−EコポリマーおよびRCPを、表1に記載される重量%に
したがってプラスチックドラムに入れる。そのドラムをプラスチックライナーで覆う。そ
の後、上記ドラムを密封してタンブルブレンダに乗せ、少なくとも45分間転回させて良
好な混合を確実なものとする。
【0061】
【表1】

【0062】
空冷ブローンフィルム製造方法
表1に記載されるポリマー組成物を以下の手順に従って単層フィルムにする:ポリマー
組成物はCovex 45ブローンフィルム押出しラインを用いて単層フィルム構造にす
る。この押出機は、Oremorモーター(Bk180m、33Kw)、28:1のL/
D比を有するユニバーサルスクリューを用いる45mm押出機および150mmの直径を
有する環状ダイからなる。
【0063】
全てのフィルムは1.5mmのダイギャップで製造する。製造されたフィルムは2.5
:1ブローアップ比(BUR)でエア・ブローし、空冷して単層フィルムを製造する。
【0064】
典型的なポリマー溶融温度は導入口から排出口に向けて200℃/210℃/220℃
/220℃/220℃を目標とし、目標ダイ温度は220℃である。典型的な押出機出力
速度は22.5kg/hrであり、これは65rpmのおおよそのスクリュー速度に相当
する。
【0065】
単層フィルム特性試験法:
ダート衝撃はISO 7765−1(方法A)に従って測定する;エルメンドルフ引裂
きはASTM D−1922−94aに従って測定する。
【0066】
光沢および曇りは、それぞれ、ASTM D−2457およびASTM D−1003
に従って試験する。
【0067】
ホットタックは、シール操作を行った直後、そのシールのあらゆる冷却を行う前の密封
力を表すのに用いる。
【0068】
フィルムのホットタック開始温度は、ヒートシールを、そのシールが完全に冷却される
(結晶化される)機会を有する前に分離するのに必要な力を測定する、「JB機器ホット
タック試験法(JB Instrument Hot Tack Test Method)」を用いて測定する。シールは、以
下に記載されるシーリング時間および圧力を用いて、フィルムの一方の表面を同じフィル
ム検体の別の表面に対して押し付けることによって形成する。この試験は、そのシールが
完全に冷却される機会を有する前の、ポーチもしくはバッグへの物質の充填をシミュレー
トする。「JB機器ホットタック試験法」は、JB Instrument Hot Tack Tester Type 300
0を以下の条件に従って用いる試験である:
検体幅: 15mm
シーリング時間: 0.5秒
シーリング圧: 0.5N/mm2
遅延時間: 0.2秒
剥離速度: 200mm/秒
温度あたりの検体数: 5
温度増分: 5℃
【0069】
フィルム試料を低温から高温までの様々な温度で試験する。ホットタック開始温度は、
上に示される詳細に従って試験されるフィルム検体が、15mm幅の検体を横断して印加
される少なくとも1Nの、シールを分離するための抵抗力を維持することができる最低温
度である。ホットタック開始温度が低いほど、包装形態充填およびシール機器に関する操
作ウィンドウが広くなり、並びに/または包装ラインをより高速に稼働させることができ
る。本発明の組成物が、改善されたホットタック開始温度に加えて、ホットタック開始温
度を上回る温度でそれぞれのエチレン系コポリマー単独と同様のホットタック強さも示す
ことは重要である。
【0070】
フィルム特性試験の結果を表2に記録する。表2の結果からわかるように:
【0071】
本発明の組成物から製造されるフィルムの光沢値はポリエチレン単独から製造される比
較フィルムの値よりも高い。並びに、本発明の組成物から製造されるフィルムはポリエチ
レン単独から製造されるフィルムよりも低いホットタック開始温度も示す。加えて、実施
例1〜4および6のフィルムのエルメンドルフ引裂き値は関連ポリエチレン単独から製造
されるフィルムより得られる値に匹敵する。さらに、実施例2、3および6のフィルムは
ポリエチレン単独に匹敵するダート衝撃の値も示す。これらのデータは、8〜12重量パ
ーセントの、エチレンから誘導される単位を有するプロピレン−エチレンコポリマーの使
用が、より低レベルの、エチレンから誘導される単位を有するプロピレン−エチレンコポ
リマーより好ましいことを示す。
【0072】
実施例1〜3および5は、ポリエチレンから単独で製造されるフィルムと比較した、光
沢(より高い)および曇り(より低い)の両者における改善の両者を示す。
【0073】
RCPの配合物(CS−1)で製造された比較例は、より低レベルのエチレンから誘導
される単位およびより広範な分子量分布(Mw/Mn)を有するポリマーがその組成物か
ら製造されるフィルムの光沢およびホットタックを僅かに改善し得るものの、それらが、
全体として、ポリエチレン単独から製造されるフィルムには匹敵しない程度まで物理特性
が低下することを示す。
【0074】
実施例5および7のフィルムは、より多量のプロピレン−エチレンコポリマーが用いら
れるとき、生じるフィルムが、ポリエチレン単独から製造されるそれぞれのフィルムと比
較して、改善された光沢値だけではなく、有意に改善されたホットタック開始温度の値(
実施例7については約20度の低下および実施例5については約30度の低下)も有する
ことを示す。
【0075】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】実施例に記載されるプロピレン−エチレンコポリマーに類似する、(触媒Aに類似する、活性化非メタロセン金属中心ヘテロアリール配位子触媒を用いて製造された)プロピレン−エチレンコポリマーの13C NMRスペクトルを示す図。
【図2】図1と同じプロピレン−エチレンコポリマーの13C NMRスペクトルを示す図。しかしながら、このスペクトルは、約14.6および15.7ppmでのレジオエラーピーク(regio-error peaks)をより明瞭に示すため、図1に対してY軸スケールが拡張されて示されている。
【図3】メタロセン触媒を用いて調製されたプロピレン−エチレンコポリマーの13C NMRスペクトルを示す図。この図は、メタロセン触媒で製造されたプロピレン−エチレンコポリマーについて、約15ppmの領域にレジオエラーピークが存在しないことを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空冷ブローンフィルム(an air quenched blown film)における使用に適する組成物であ
って:
A.2〜15重量%の、実質的にアイソタクチックなプロピレン配列を有するプロピレ
ン系コポリマーであって、プロピレンおよび、約8〜約21モルパーセントの、アルファ
オレフィンから誘導される単位を含み、少なくとも5g/10分のメルトフローレートを
有するプロピレン系コポリマー;並びに
B.約85〜約98重量%の、0.1〜9g/10のメルトインデックスを有するエチ
レン系コポリマー、
を含み、前記組成物から製造される空冷ブローンフィルムが成分Bから単独で製造される
空冷ブローンフィルムが示す光沢(gloss)値よりも高い光沢値を示す組成物。
【請求項2】
前記組成物から製造される空冷ブローンフィルムが、さらに、成分Bから単独で製造さ
れる空冷ブローンフィルムが示すホットタック開始温度(hot tack initiation temperatu
re)の値よりも低いホットタック開始温度の値を示す、請求項1の組成物。
【請求項3】
プロピレン系コポリマーが3.5未満の分子量分布(Mw/Mn)を有する、請求項2
の組成物。
【請求項4】
前記組成物から製造される空冷ブローンフィルムが、さらに、成分Bから単独で製造さ
れる空冷ブローンフィルムが示すものに匹敵するエルメンドルフ引裂き強さ(Elmendorf t
ear strength)およびダート衝撃(dart impact)の物理特性を示す、請求項3の組成物。
【請求項5】
前記組成物から製造される空冷ブローンフィルムが、成分Bから単独で製造される空冷
ブローンフィルムが示す光沢よりも相対的に20パーセント高い光沢値を示す、請求項4
の組成物。
【請求項6】
前記組成物から製造される空冷ブローンフィルムが、成分Bから単独で製造される空冷
ブローンフィルムが示す光沢よりも相対的に30パーセント高い光沢値を示す、請求項4
の組成物。
【請求項7】
成分Aのプロピレン系コポリマーが、7〜13重量パーセントの、エチレンから誘導さ
れる単位を有するプロピレン−エチレンコポリマーを含む、上記請求項1〜6のいずれか
一項に記載の組成物。
【請求項8】
成分Aのプロピレン系コポリマーが、8〜12重量パーセントの、エチレンから誘導さ
れる単位を有するプロピレン−エチレンコポリマーを含む、上記請求項1〜6のいずれか
一項に記載の組成物。
【請求項9】
成分Aのプロピレン系コポリマーが約14.6および約15.7ppmの領域エラー(r
egion-error)に相当する13C NMRピークを特徴とし、前記ピークがほぼ等しい強度で
ある、上記請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
空冷ブローンフィルムにおける使用に適する組成物であって:
A.2〜15重量%の、実質的にアイソタクチックのプロピレン配列を有するプロピレ
ン系コポリマーであって、プロピレンおよび、約6〜約15重量%の、エチレンから誘導
される単位を含み、少なくとも5g/10分のメルトフローレートを有するプロピレン系
コポリマー;並びに
B.約85〜約98重量%の、約0.1〜約9g/10分のメルトインデックスを有す
るエチレン/アルファオレフィンコポリマー、
を含み、前記組成物から製造される空冷ブローンフィルムが成分Bから単独で製造される
空冷ブローンフィルムが示す光沢値よりも高い光沢値を示し、かつ前記組成物から製造さ
れる空冷ブローンフィルムが、さらに、成分Bから単独で製造される空冷ブローンフィル
ムが示すものに匹敵するエルメンドルフ引裂き強さおよびダート衝撃の物理特性を示す組
成物。
【請求項11】
プロピレン系コポリマーが3.5未満の分子量分布(Mw/Mn)を有する、請求項1
0の組成物。
【請求項12】
前記組成物から製造される空冷ブローンフィルムが、さらに、成分Bから単独で製造さ
れる空冷ブローンフィルムが示すホットタック開始温度の値よりも低いホットタック開始
温度の値を示す、請求項11の組成物。
【請求項13】
前記組成物から製造される空冷ブローンフィルムが、成分Bから単独で製造される空冷
ブローンフィルムが示す光沢よりも相対的に20パーセント高い光沢値を示す、請求項1
2の組成物。
【請求項14】
前記組成物から製造される空冷ブローンフィルムが、成分Bから単独で製造される空冷
ブローンフィルムが示す光沢よりも相対的に30パーセント高い光沢値を示す、請求項1
2の組成物。
【請求項15】
前記組成物から製造されるフィルムが、成分Bから単独で製造される空冷ブローンフィ
ルムが示す曇り(haze)値よりも低い曇り値を示す、請求項12の組成物。
【請求項16】
成分Aのプロピレン系コポリマーが、7〜13重量パーセントの、エチレンから誘導さ
れる単位を含む、上記請求項10〜15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
成分Aのプロピレン系コポリマーが、8〜12重量パーセントの、エチレンから誘導さ
れる単位を含む、上記請求項10〜15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
空冷ブローンフィルムであって:
(A)2〜15重量%の、実質的にアイソタクチックなプロピレン配列を有するプロ
ピレン系コポリマーであって、プロピレンおよび、約8〜約21モル%の、アルファオレ
フィンから誘導される単位を含み、少なくとも5g/10分のメルトフローレートを有す
るプロピレン系コポリマー;並びに
(B)約85〜約98重量%の、0.1〜9g/10分のメルトインデックスを有す
るエチレン系コポリマー、
を含む少なくとも1つの層を含み、フィルムの前記少なくとも1つの層が(B)のエチレ
ン系コポリマー単独から製造される空冷ブローンフィルムが示す光沢値よりも高い光沢値
を示す空冷ブローンフィルム。
【請求項19】
プロピレン系コポリマーが3.5未満の分子量分布(Mw/Mn)を有する、請求項1
8の空冷ブローンフィルム。
【請求項20】
前記少なくとも1つの層が、成分Bから単独で製造される空冷ブローンフィルムが示す
ものに匹敵するエルメンドルフ引裂き強さおよびダート衝撃の物理特性を示す、請求項1
9の空冷ブローンフィルム。
【請求項21】
前記組成物から製造される空冷ブローンフィルムが、さらに、成分Bから単独で製造さ
れる空冷ブローンフィルムが示すホットタック開始温度の値よりも低いホットタック開始
温度の値を示す、請求項20の空冷ブローンフィルム。
【請求項22】
プロピレン系コポリマーが、8〜12重量パーセントの、エチレンから誘導される単位
を有するプロピレン−エチレンコポリマーを含む、請求項21の空冷ブローンフィルム。
【請求項23】
前記少なくとも1つの層が、成分B単独から製造される空冷ブローンフィルムが示す曇
り値よりも低い曇り値を示す、請求項22の空冷ブローンフィルム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−79391(P2013−79391A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−279695(P2012−279695)
【出願日】平成24年12月21日(2012.12.21)
【分割の表示】特願2008−507747(P2008−507747)の分割
【原出願日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】