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高分子アクチュエータ
説明

高分子アクチュエータ

【課題】高分子アクチュエータの耐久性の改善を図ること
【解決手段】電解質層20と、電解質層20に隣接して設けられた電極層11、12とを備え、電極層11、12内部に、少なくともひとつは電解質層20との界面に存在する空隙部を有する、高分子アクチュエータ1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
導電性高分子を用いた高分子アクチュエータは、一般に、複数の電極層と、それらの間に介在する電解質層とから構成される(例えば、特許文献1)。高分子アクチュエータは、駆動電圧が低いこと、エネルギー密度が高いこと等の利点を有しており、人工筋肉等への応用を期待して検討が進められているところである。
【特許文献1】特開2006−50780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
中でも、導電性高分子を含む電極層と、イオン伝導性を持つ電解質層からなる高分子アクチュエータは、相対する電極層間で通電することによってイオンが電解質層を通って電極層間を移動し、イオンが入り込む側の電極層は膨張、イオンが抜ける側の電極層は収縮を生じ、屈曲動作を生じる。この時、電極層と電解質層の界面では、電極層と電解質層の膨張収縮差によって応力が生じ、アクチュエータの繰り返し動作を行った際に電極層と電解質層の界面で剥離を生じてしまい、高分子アクチュエータの耐久性が低下する原因となっている。
【0004】
そこで、本発明は、高分子アクチュエータにおいて、繰り返し動作させたときの耐久性の改善を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の高分子アクチュエータでは、電解質層と、該電解質層に隣接して設けられた電極層と、を備え、前記電極層内の前記電解質層との界面に空隙部を有することを特徴とする。
【0006】
この電解質層と接している電極層内の空隙部は、高分子アクチュエータ駆動時の電極層と電解質層の膨張収縮差による応力を緩和するという作用がある。さらに、空隙部が電解質層との界面に有することにより、電解質層と電極層の剥離が抑制され、アクチュエータとしての繰り返し動作させたときの耐久性の改善という効果が得られる。
【0007】
望ましい態様としては、前記電極層における前記空隙部の占める体積割合が、隣接して設けられた前記電解質層に向かって増加する。これには、電極層の電解質層と隣接している面に空隙部が多いことにより電極層と電解質層の界面の応力を緩和する効果が大きく、電極層の電解質層と離れている箇所は空隙部が少なく電極層が多いため導電率が高く、アクチュエータとしての変位量を大きく得ることができる。
【0008】
また、前記空隙部の前記電極層での体積割合が、4体積%から50体積%である。体積割合が、4体積%から50体積%であると、電極層内の導電率の点で、より大きな変位量が得られ、アクチュエータとして好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高分子アクチュエータの駆動時の電極層と電解質層の膨張収縮差により発生する応力を軽減することにより電極層と電解質層の剥離が改善され、高分子アクチュエータの繰り返し動作させたときの耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、高分子アクチュエータの一実施形態を示す断面図である。
【図2】図2は、電極層内の空隙部の一実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0011】
1・・・高分子アクチュエータ、11、12・・・電極層、20・・・電解質層、30・・・空隙部、41、42・・・接続端子
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0013】
図1は、高分子アクチュエータの一実施形態を示す断面図である。図1に示す高分子アクチュエータ1は、対向する1対の電極層11、12と、1対の電極層11、12の間に挟持された電解質層20とから構成される。電極層11、12の内部には、空隙部30を有する。電極層11、12の外側に接続端子41及び42がそれぞれ取り付けられており、これらは可変電圧電源を含む回路に接続されている。高分子アクチュエータ1においては、通電により例えば接続端子41より42の方に高電位を与えると矢印Aの方向に変位を生じる。
【0014】
電極層11、12は、導電性高分子を含有する。導電性高分子としては、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン等が挙げられる。中でも、製造が容易であること、導電性高分子として周囲環境に対して導電性が安定していることから、ポリピロールが好ましい。また、導電性高分子はドーパントによってドーピングされていることが好ましい。
【0015】
図2は、電極層11、12に含有される空隙部30の実施形態を示す断面図である。空隙部30の少なくともひとつは電極層11、12と電解質層20との界面に有する。相対する電極層と電解質層を積層することによって形成される高分子アクチュエータを駆動させる場合、相対する電極層の片側が膨張、片側が収縮を行うことによって、屈曲動作を行う。この時、電極層と電解質層の界面で応力が発生し、剥離が生じる原因となる。電極層と電解質層の界面に空隙部が存在することにより、電極層と電解質層の界面で生じる応力を緩和することが可能となる。
【0016】
電極層11、12の電解質層20との界面に設けられた空隙部30は、隣接して設けられた電解質層20が空隙部内に露出する開口部を有している。空隙部30の形状は、電極層の厚み方向よりも、隣接して設けられた電解質層に沿った方向に長いことが、電極層を厚く形成できるためアクチュエータ自身を動かすための発生応力が大きいという点でより好ましい。
【0017】
電極層11、12に占める空隙部の割合が4体積%から50体積%であることがより好ましい。4体積%未満では応力緩和の効果が小さく、50体積%以上であると電極層内の導電率が低下し、大きな変位量が得られにくい傾向にある。さらに、20体積%以上40体積%以下であると、変位量が大きく且つ発生力が大きいという点でより好ましい。
【0018】
電極層における前記空隙部の占める体積割合は、隣接して設けられた電解質層に向かって増加することが好ましい。このことにより、電解質層との界面は空隙部が多くなり、より応力緩和の効果が大きく、電極層の電解質層から離れた箇所は空隙部が少ないことによって導電率を維持し、変位量を大きく保つことができる。
【0019】
ここで空隙部とは、電極層の中で、本例でいえば導電性高分子が存在していない部分であって、気体や、電解液などの液体が含まれていてもよい。
【0020】
また、空隙率とは、電極層の中の空隙部が占める体積の割合であって、以下の方法で測定される。(1)本実施形態の高分子アクチュエータを割断し、電極層の断面が露出したサンプルを切り出し、電極層を走査型電子顕微鏡で撮像する(2)撮像した電極層の画像について二値化処理を行い、電極層に対する空隙部分の面積の割合を計算する(3)高分子アクチュエータ1サンプルあたり、任意の5箇所について上記測定を行い、5箇所の平均値を空隙率の値として算出する。
【0021】
前記電極層11、12における前記空隙部30は、電解質層に隣接していない面で空隙部の開口が無いことがより好ましい。空隙部の開口部には、電解質層が露出していることにより、電極層と電解質層の界面の応力を緩和する効果が大きい。また、電解質層に隣接していない面に空隙部の開口がある場合、高分子アクチュエータ表面の電極層が不連続となり、外部から異物が混入する点で好ましくない。
【0022】
電極層11、12の好ましい膜厚は、1〜50μm、より好ましい膜厚は、10〜30μmである。薄いと剛性が低く、発生応力が小さくなる傾向にあり、厚いと電極層自体が変位の妨げとなり変位量が大きく得られないという点で好ましくない。
【0023】
電解質層20は、イオン伝導性を有し、可撓性を持つ層であれば特に限定されない。例えば、イオン性物質を含有させた高分子固体電解質、ゲル状電解質、または、電解液やイオン液体を含有した多孔質膜などが挙げられるが、アクチュエータとしてより大きな変位量が得られる点から、電解液やイオン液体を含有した多孔質膜が好ましい。
【0024】
上記多孔質膜は、電解液またはイオン液体を含有可能で可撓性を持つ膜であれば特に限定されないが、具体的には、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステルなどの樹脂多孔質膜、ガラスペーパー、不織布等が挙げられる。アクチュエータとしてより大きな変位量が得られる点から、樹脂多孔質膜が好ましい。
【0025】
上記電解液は、電解質としてアニオンが含まれる。アニオンは、ドーパントイオンとして、ビストリフルオロメタンスルホニルイミドイオン、4フッ化ホウ酸イオン、6フッ化リン酸イオン等を用いることができる。また、上記アニオンは、Li+、Na+、K+等のカチオンと対イオンを形成した電解質塩を用いても良い。アクチュエータとしてより大きな変位量が得られる点から、ドーパントイオンはビストリフルオロメタンスルホニルイミドイオンが好ましい。
【0026】
上記電解液に含まれる溶媒は、上記電解質を溶解可能な溶媒であれば特に限定はされない。溶媒の例として、水、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ガンマブチロラクトンなどが挙げられ、これらの溶媒を単独で、或いは混合溶媒として使用できる。
【0027】
上記多孔質膜に含まれるイオン性液体としては、イミダゾリウム塩、ピリジウム塩及び4級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0028】
上記イオン性液体は単体で使用しても良いし、イオン性液体と上記溶媒を混合して使用しても良い。
【0029】
電解質層20は、多孔質膜に導電性を付与することを目的として、電極層との界面にあたる面に、0.1μm程度の厚さの金属薄膜を含んでも良い。
【0030】
本実施形態の高分子アクチュエータの製造方法の1例としては、多孔質膜の両面にスパッタで金属薄膜を形成し電解質層20とし、これを作用極として導電性高分子の電解重合を行い、電極層11、12を形成する。この時、電極層11、12内に空隙部を形成する。その後、電解質層に電解液或いはイオン液体を含浸させる事により高分子アクチュエータが製造される。
【0031】
上記金属薄膜は、金、白金、ニッケルなどの金属を、スパッタ、蒸着等の方法で形成することができる。
【0032】
導電性高分子の電解重合は、公知の電解重合方法を用いることが可能であるため、公知の電解液を用いることができる。電解重合は、電流密度0.01〜20mA/cm2、反応温度−70〜80℃の範囲で行うことができる。
【0033】
上記重合用電解液は、導電性高分子単量体と、導電性高分子に含有するドーパントイオンと、溶媒からなる。導電性高分子単量体としては、製造が容易であり、導電性高分子として安定しているピロールが好ましい。ドーパントイオンとしては、ビストリフルオロメタンスルホニルイミドイオン、4フッ化ホウ酸イオン、6フッ化リン酸イオン等が挙げられるが、アクチュエータとして大きな変位量が得られるビストリフルオロメタンスルホニルイミドイオンが好ましい。これらのドーパントイオンは、カチオンと塩を形成していても良い。溶媒としては、上記導電性高分子単量体、及びドーパントイオンを溶解、或いは相溶する溶媒であれば良い。例として、テトラヒドロフラン、ガンマブチロラクトン、酢酸エチル、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチレングリコール、アセトニトリルなどの溶媒が挙げられ、これらの溶媒は、単体、或いは混合溶媒として使用しても良い。
【0034】
また、上記重合電解液には、可塑剤、架橋剤など公知の添加剤を含有することもできる。
【0035】
電極層11、12内部の空隙部30は、電解重合時に電解質層中に気体を含有させることにより、形成することができる。具体的には、電解質層を0.2〜0.5MPaに加圧した窒素或いはアルゴンなどの不活性ガス槽に投入し、電解質層内に不活性ガスを充填する。その後、不活性ガスを充填した電解質層を重合電解液に浸漬し、電解重合を行う事により、電極層内に電解質層内から不活性ガスが流入し、電極層と電解質層の界面で空隙部が形成することができる。空隙部の量は、不活性ガスを充填した電解質層を重合電解液中に浸漬した際に、減圧し脱泡処理つまり多孔質膜中に含まれる不活性ガス量を減らすことによって制御が可能である。
【0036】
或いは、電解質層を重合電解液に浸漬後、電解質層表面に窒素或いはアルゴンなどの不活性ガスをバブリングする事により電解質層内に不活性ガスを充填した後、電解重合を行うことにより、電極層内に空隙部を形成することもできる。
【0037】
また、電解質層表面に除去可能なフィラー、例えばガラスフィラー等を散布し、電極層をフィラーが埋没しない程度の厚さまで形成した後、フィラーを除去し、その表面に電極層を形成する。このことで電解質層に向かって開口部の体積が増える構造を調整することも出来る。
【0038】
本発明は、以上説明した実施形態に固定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形が可能である。例えば、高分子アクチュエータにおいて電極層が1層のみ設けられていても良いし、電極層と電解質層とが交互に複数積層されていても良い。また、高分子アクチュエータの形状は平板状に限られず、用途等に応じて適宜変更され得る。
【実施例】
【0039】
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0040】
<素子作成>
実施例1
多孔質ポリフッ化ビニリデン膜(ミリポア社製GVWP孔径0.22μm)の両面に0.1μmの金スパッタを施して電解質層を作成した。この電解質層を0.2MPaに加圧した窒素中に1時間放置することにより電解質層に窒素を充填した。次にこの電解質層を電解重合用電解液に浸漬し、電解液中で30分間減圧脱泡を行って電解質層中の窒素量を調整後、電解重合法で4時間ポリピロールを重合し電極層とし、電極層の空隙率が4体積%で電解質層との界面に空隙部が存在し、電解質層に向かって空隙部が増加する高分子アクチュエータを作成した。
【0041】
実施例2
電解液中での減圧脱泡を20分間とした以外は実施例1と同様の方法により、電極層の空隙率が12体積%で、電解質層との界面に空隙部が存在し、電解質層に向かって空隙部が増加する高分子アクチュエータを作成した。
【0042】
実施例3
多孔質ポリフッ化ビニリデン膜の孔径を0.45μm(ミリポア社製HVLP)とした以外は、実施例2と同様の方法により、電極層の空隙率が25体積%で、電解質層との界面に空隙部が存在し、電解質層に向かって空隙部が増加する高分子アクチュエータを作成した。
【0043】
実施例4
電解液中での減圧脱泡を10分間とした以外は、実施例3と同様の方法により、電極層の空隙率が38体積%で、電解質層との界面に空隙部が存在し、電解質層に向かって空隙部が増加する高分子アクチュエータを作成した。
【0044】
実施例5
多孔質ポリフッ化ビニリデン膜の孔径を0.65μm(ミリポア社製DVPP)とした以外は、実施例4と同様の方法により、電極層の空隙率が50体積%で、電解質層との界面に空隙部が存在し、電解質層に向かって空隙部が増加する高分子アクチュエータを作成した。
【0045】
実施例6
電解液中での減圧脱泡を40分間とした以外は、実施例3と同様の方法により、電極層の空隙率が3体積%で、電解質層との界面に空隙部が存在し、電解質層に向かって空隙部が増加する高分子アクチュエータを作成した。
【0046】
実施例7
電解液中での減圧脱泡を5分間とした以外は、実施例3と同様の方法により、電極層の空隙率が53体積%で、電解質層との界面に空隙部が存在し、電解質層に向かって空隙部が増加する高分子アクチュエータを作成した。
【0047】
実施例8
多孔質ポリフッ化ビニリデン膜(ミリポア社製 HVLP孔径0.45μm)の両面に0.1μmの金スパッタを施して電解質層を作成した。この電解質層を0.2MPaに加圧した窒素中に1時間放置することにより電解質層に窒素を充填した。次にこの電解質層を電解重合用電解液に浸漬し、電解液中で20分間減圧脱泡を行って電解質層中の窒素量を調整後、電解重合法で2時間ポリピロールを重合した後、電解液中で窒素を1分間バブリングした。更に電解重合法でポリピロールを2時間重合し、電極層とし、電極層の空隙率が32体積%で、電解質層との界面に空隙部が存在し、電解質層に向かって空隙部が減少する高分子アクチュエータを作成した。
【0048】
比較例1
多孔質ポリフッ化ビニリデン膜(ミリポア社製GVWP孔径0.22μm)の両面に0.1μmの金スパッタを施して電解質層を作成した。この電解質層を電解重合用電解液に浸漬し、電解液中で40分間減圧脱泡を行った後、電解重合法で4時間ポリピロールを重合し、電極層とし、電極層の空隙率が0体積%の高分子アクチュエータを作成した。
【0049】
比較例2
多孔質ポリフッ化ビニリデン膜(ミリポア社製GVWP孔径0.22μm)の両面に0.1μmの金スパッタを施して電解質層を作成した。この電解質層を電解重合用電解液に浸漬し、電解液中で40分間減圧脱泡後、電解重合法で1時間ポリピロールを重合した後、電解液中で窒素を3分間バブリングした。更に電解重合法でポリピロールを3時間重合し、電極層とし、電極層の空隙率が35体積%で空隙部の開口部が電解質層に無い高分子アクチュエータを作成した。
【0050】
<変位量の測定>
高分子アクチュエータ素子を長さ12mm、幅2mmの短冊状とし、イオン性液体1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビストリフルオロメタンスルホニルイミドを含浸させ、一方の端部から2mmの位置に接続端子を配し、電圧±1V、周波数1Hzのサイン波で電圧を印加し、高分子アクチュエータを駆動させ、高分子アクチュエータの先端の振れ幅を初期変位量として測定した。初期変位量2mm以上を高いアクチュエータ変位量が得られたとして◎、1mm以上2mm未満を十分な変位量が得られたとして○、1mm未満を初期変位量が不足だったとして×とした。
【0051】
<変位量保持率の測定>
繰り返し動作させたときの耐久性の評価のため、変位量保持率の測定を行った。上記の方法で100時間変位させた後、以下の式で変位量保持率を計算した。
初期変位量 H0(mm)
100時間後変位量 H1(mm)
変位量保持率=H1/H0×100(%)
変位量保持率80%以上を十分な耐久性が得られたとして◎、80%未満を耐久性が十分でないとして×とした。
【0052】
評価結果を表1に示す。実施例1から8は何れも、断面観察の結果、電極層内の空隙部は電極層と電解質層の界面に有り、電極層と電解質層の界面に空隙部が存在することによって、電極層と電解質層の剥離が抑えられ、100時間後の変位量保持率が80%以上となった。これにより、繰り返し動作させたときの耐久性が得られることが確認された。さらに、実施例1から7は何れも、断面の観察の結果、空隙部の体積が電解質層に向かって増加していた。さらに、実施例1から5では、空隙率が4〜50体積%の範囲内であり、より初期変位量が大きくなった。このときの空隙部の断面では、隣接する電解質層に沿った方向に長い形状であることが観察された。しかしながら、比較例1と2では、断面観察の結果、電極層内の空隙部は電極層と電解質層の界面になく、変位量保持率の測定において電解質層と電極層の剥離が生じた。

【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質層と、該電解質層に隣接して設けられた電極層と、を備え、
前記電極層内の前記電解質層との界面に空隙部を有していることを特徴とする、高分子アクチュエータ。
【請求項2】
前記空隙部の前記電極層での体積割合が、前記電解質層に向かって増加することを特徴とする請求項1記載の高分子アクチュエータ。
【請求項3】
前記空隙部の前記電極層での体積割合が、4体積%から50体積%であることを特徴とする請求項1または2記載の高分子アクチュエータ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−106491(P2013−106491A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250535(P2011−250535)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】