説明

高分子材料

【課題】高い長波紫外線吸収能を維持し耐光性に優れる高分子材料の提供。
【解決手段】下記一般式(1)で表される化合物を高分子物質に含有させてなる高分子材料。


[Arは、1〜10価の5〜20員環の芳香族残基を表す。但し、mが2のとき、Arは、p−フェニレン、2価の炭素数10以上で環を形成する5〜20員環の炭化水素系芳香族残基等である。X1a及びX1bは、互いに独立してヘテロ原子を表す。Yは、1価の置換基を表す。nは、2〜4の整数、mは、1〜10の整数を表す。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線吸収剤を含む高分子材料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から紫外線吸収剤を種々の樹脂などと共用して紫外線吸収性を付与することが行われている。紫外線吸収剤として無機系紫外線吸収剤と有機系紫外線吸収剤を用いる場合がある。無機系紫外線吸収剤(例えば、特許文献1〜3等を参照。)では、耐候性や耐熱性などの耐久性に優れている反面、吸収波長が化合物のバンドギャップによって決定されるため選択の自由度が少なく、400nm付近の長波紫外線(UV−A)領域まで吸収できるものはなく、長波紫外線を吸収するものは可視域まで吸収を有するため着色を伴ってしまう。
これに対して、有機系紫外線吸収剤は、吸収剤の構造設計の自由度が高いために、吸収剤の構造を工夫することによって様々な吸収波長のものを得ることができる。
【0003】
これまでにも様々な有機系紫外線吸収剤を用いた系が検討されており、長波紫外線領域まで吸収する場合には、極大吸収波長が長波紫外線領域にあるものを用いるか、濃度を濃くするかの2通りが考えられている。しかし、特許文献4及び5等に記載された極大吸収波長が長波紫外線領域にあるものは耐光性が悪く、吸収能が時間とともに減少していってしまう。
【0004】
これに対してベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤は比較的耐光性も良く、濃度や膜厚を大きくすれば長波長領域まで比較的クリアにカットできる(例えば特許文献6及び7等を参照。)。また、ベンゾオキサジノン系の紫外線吸収剤も知られている(例えば特許文献8参照)。しかし、通常これらの紫外線吸収剤を樹脂等に混ぜて塗布する場合、膜厚は数十μm程度が限界である。この膜厚では長波長領域までカットしようとするとかなり高濃度に紫外線吸収剤を添加する必要がある。しかしながら、単に高濃度に添加しただけでは紫外線吸収剤の析出や長期使用によるブリードアウトが生じるという問題があった。また、ベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤の中には、皮膚刺激性や生体内への蓄積性を有するものがあり、使用にあたっては細心の注意が必要であった。
【0005】
【特許文献1】特開平5−339033号公報
【特許文献2】特開平5−345639号公報
【特許文献3】特開平6−56466号公報
【特許文献4】特開平6−145387号公報
【特許文献5】特開2003−177235号公報
【特許文献6】特開2005−517787号公報
【特許文献7】特開平7−285927号公報
【特許文献8】特開昭62−11744号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ポリマーに混練または溶媒を用いて溶解させる場合の製造適性に優れ、紫外線吸収剤の析出や長期使用によるブリードアウトが生じることなく、長波紫外線吸収能に優れ、かつ前記吸収能を長期間維持して耐光性に優れる高分子材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、光堅牢性が高い特定の構造を有する化合物を高分子材料に用いることで、その化合物の析出や長期使用によるブリードアウトが生じることなく、長波紫外線吸収能に優れ、かつ前記吸収能を長期間維持して耐光性に優れる高分子材料を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明の課題は、以下の方法によって達成された。
<1>下記一般式(1)で表される化合物を高分子物質に含有させてなることを特徴とする高分子材料。
【化1】

[式中、Arは、1〜10価の5〜20員環の芳香族残基を表す。また、該芳香族残基はヘテロ原子を含有していても良い。但し、mが2のとき、Arは、p−フェニレン、2価の炭素数10以上で環を形成する5〜20員環の炭化水素系芳香族残基、および2価の5〜20員環のヘテロ環残基である。また、Arは置換基を有していても良い。
Arに結合している環は、任意の位置に二重結合を有していても良い。
1a及びX1bは、互いに独立してヘテロ原子を表す。また、X1a及びX1bは置換基を有していても良い。
は、1価の置換基を表す。
は、2〜4の整数を表す。
は、1〜10の整数を表す。]
<2>前記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする、<1>項に記載の高分子材料。
【化2】

[式中、Arは、前記一般式(1)のArと同義である。
は、前記一般式(1)のYと同義である。
は、前記一般式(1)のnと同義である。
は、前記一般式(1)のmと同義である。]
<3>前記一般式(2)で表される化合物が下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする、<2>項に記載の高分子材料。
【化3】

[式中、Arは、p−フェニレン、2価の炭素数10以上で環を形成する5〜20員環の炭化水素系芳香族残基、および2価の5〜20員環のヘテロ環残基を表す。また、Arはヘテロ原子を含有していても良く、置換基を有していても良い。
は、前記一般式(2)のYと同義である。
は、前記一般式(2)のnと同義である。]
<4>前記一般式(3)で表される化合物が下記一般式(4)で表される化合物であることを特徴とする、<3>項に記載の高分子材料。
【化4】

[式中、Yは、前記一般式(3)のYと同義である。
は、前記一般式(3)のnと同義である。]
<5>前記一般式(4)で表される化合物が下記一般式(5)で表される化合物であることを特徴とする、<4>項に記載の高分子材料。
【化5】

[式中、Y5a、Y5b、Y5c及びY5dは、それぞれ前記一般式(4)のYと同義である。]
<6>前記一般式(5)で表される化合物が下記一般式(6)で表される化合物であることを特徴とする、<5>項に記載の高分子材料。
【化6】

[式中、Y6a、Y6b、Y6c及びY6dは、それぞれ互いに独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数10以下のアルコキシ基、ヒドロキシ基、またはハロゲン原子を表す。]
<7>前記一般式(6)で表される化合物が下記一般式(7)で表される化合物であることを特徴とする、<6>項に記載の高分子材料。
【化7】

[式中、Y7a、Y7b、Y7c及びY7dは、それぞれ互いに独立して、ハロゲン原子を表す。]
<8>前記高分子物質がポリアクリル酸エステル、ポリカーボネートまたはポリエステルである、<1>〜<7>のいずれか1項に記載の高分子材料。
<9>前記高分子物質がポリエステルである、<8>項に記載の高分子材料。
<10>前記高分子物質がポリエチレンテレフタレートである、<9>項に記載の高分子材料。
【発明の効果】
【0009】
本発明の高分子材料は、ポリマーに混練または溶媒を用いて溶解させる場合の製造適性に優れ、紫外線吸収剤の析出や長期使用によるブリードアウトが生じることがなく、長波紫外線吸収能に優れかつこの吸収能を長期間維持して耐光性(紫外光堅牢性)に優れる、という効果を奏する。また、紫外線吸収剤が皮膚刺激性のある構造では無い点で取り扱いが容易である。
また、本発明の高分子材料は、優れた耐光性を有しているので、プラスチック、容器、塗料、塗膜、繊維、建材などの高分子成形品として用いることができる。また、優れた長波紫外線吸収能を有しているので、紫外線に弱い内容物を保護するフィルタ、包装材料、容器、塗料、塗膜、インク、繊維、建材、記録媒体、画像表示装置、太陽電池カバーとして用いることができ、光に不安定な化合物の分解を抑制することもできる。
また、本発明の高分子材料は化粧品用途に用いることができる。本発明の高分子材料を含む化粧用製剤は、化粧料の調製に当たり紫外線吸収剤の析出や黄色味の生じることがなく、長波紫外線吸収能に優れかつ前記吸収能を長期間維持できるという効果を奏する。また、紫外線吸収剤が皮膚刺激性のある構造では無い点で有利である。
また、本発明の高分子材料に用いられる化合物は、優れた長波紫外線吸収能を有し、高分子材料に使用しても、析出やブリードアウトを生じず、上記のように耐光性向上など優れた作用を示す。また、該化合物は紫外光に感受性の有機材料、特にヒトならびに動物の皮膚および毛髪を、紫外線照射の損傷作用から防御することができ、化粧用調製品、医薬製剤、および獣医薬製剤における光防御剤として適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の高分子材料は、下記一般式(1)で表される化合物を後述の高分子物質に含有させてなる。
【0011】
【化8】

【0012】
[式中、Arは、1〜10価の5〜20員環の芳香族残基を表す。また、該芳香族残基はヘテロ原子を含有していても良い。但し、mが2のとき、Arは、p−フェニレン、2価の炭素数10以上で環を形成する5〜20員環の炭化水素系芳香族残基、および2価の5〜20員環のヘテロ環残基である。また、Arは置換基を有していても良い。
Arに結合している環は、任意の位置に二重結合を有していても良い。
1a及びX1bは、互いに独立してヘテロ原子を表す。また、X1a及びX1bは置換基を有していても良い。
は、1価の置換基を表す。
は、2〜4の整数を表す。
は、1〜10の整数を表す。]
【0013】
前記一般式(1)において、Arは、1〜10価の5〜20員環の芳香族残基を表す。Arを構成する芳香族環は、単環であっても縮合環であってもよい。単環である場合、Arは5〜10員環が好ましく、5〜6員環がより好ましい。また、縮合環である場合、Arは5〜10員環が縮合した2〜10環式の芳香族環が好ましく、5〜6員環が縮合した2〜5環式の芳香族環がより好ましい。
Arは、2〜6価の基であることが好ましく、2〜4価の基であることがより好ましい。
【0014】
また、該芳香族残基Arはヘテロ原子を含有していても良い。Arに含有されうるヘテロ原子としては例えば、ホウ素原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、リン原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子などを挙げることができる。ヘテロ原子として好ましくは、窒素原子、酸素原子、硫黄原子である。より好ましくは、窒素原子、硫黄原子である。特に好ましくは、硫黄原子である。ヘテロ原子を二つ以上有する場合は、同一原子であっても異なる原子であっても良い。
【0015】
Arは、5〜20員環の芳香族化合物から1〜10個の水素原子を取り除いた1〜10価の芳香族残基である。このような芳香族化合物の具体例としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、インデン、アズレン、ビフェニレン、フルオレン、フェナントレン、ピレン、トリフェニレン、テトラフェニレン、ペリレン、ペンタセン、コロネン、クリセン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,3,5−トリアジン、フラン、チオフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,3,4−チアジアゾールなどを挙げることができる。芳香族化合物として好ましくは、ベンゼン、ナフタレン、ピリジン、チオフェンである。より好ましくは、ベンゼン、チオフェンである。特に好ましくは、ベンゼンである。
芳香族の水素原子を取り除く位置はいずれでも良い。2価の芳香族残基の場合は、例えば、6員環化合物ベンゼンの結合位置は、1,2位、1,4位が挙げられる。また、ヘテロ5員環化合物ピロールでの結合位置は、2,3位、2,4位、2,5位、3,4位、3,5位が挙げられる。また、ヘテロ6員環化合物ピリジンでの結合位置は、2,3位、2,4位、2,5位、2,6位、3,4位、3,5位、3,6位が挙げられる。
3価の芳香族残基の場合は、例えば、6員環化合物ベンゼンの結合位置は、1,2,3位、1,2,4位、1,2,5位、1,3,5位が挙げられる。
【0016】
また、芳香族残基Arは置換基を有していても良い。置換基として1価の置換基が挙げられる。1価の置換基(以下Rとする)の例として、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル、エチル)、炭素数6〜20のアリール基(例えばフェニル、ナフチル)、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル)、置換又は無置換のカルバモイル基(例えばカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル)、アルキルカルボニル基(例えばアセチル)、アリールカルボニル基(例えばベンゾイル)、ニトロ基、置換または無置換のアミノ基(例えばアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ)、アシルアミノ基(例えばアセトアミド、エトキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド)、イミド基(例えばスクシンイミド、フタルイミド)、イミノ基(例えばベンジリデンアミノ)、ヒドロキシ基、炭素数1〜20のアルコキシ基(例えばメトキシ)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ)、アルキルスルホニルオキシ基(例えばメタンスルホニルオキシ)、アリールスルホニルオキシ基(例えばベンゼンスルホニルオキシ)、スルホ基、置換または無置換のスルファモイル基(例えばスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ)、アルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル)、アリールスルホニル基(例えばベンゼンスルホニル)、炭素数6〜20のヘテロ環基(例えばピリジル、モルホリノ)などを挙げることができる。また、置換基は更に置換されていても良く、置換基が複数ある場合は、同じでも異なっても良い。その際、置換基の例としては、上述の1価の置換基Rを挙げることができる。また置換基同士で結合して環を形成しても良い。
置換基として好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、アリール基がある。より好ましくは、アルキル基、アリール基であり、特に好ましくは、アルキル基である。
【0017】
及びXは、互いに独立してヘテロ原子を表す。ヘテロ原子としては例えば、ホウ素原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、リン原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子などを挙げることができる。ヘテロ原子として好ましくは、窒素原子、酸素原子、硫黄原子である。より好ましくは、窒素原子、酸素原子である。また、X及びXは置換基を有していても良い。置換基としては上述した1価の置換基Rの例が挙げられる。
【0018】
は、1価の置換基を表す。置換基としては上述した1価の置換基Rの例が挙げられる。Yとして好ましくは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数10以下のアルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、アルコキシ基またはハロゲン原子である。さらに好ましくは、ハロゲン原子であり、特に好ましくは、塩素原子を表す場合である。
【0019】
は、2〜4の整数を表す。nとして好ましくは、2または3であり、特に好ましくは、2の場合である。
【0020】
は、1〜10の整数を表す。mとして好ましくは、2、3または4であり、さらに好ましくは2または3であり、特に好ましくは、2の場合である。
ただし、mが2のとき、前記Arは、p−フェニレン基、炭素数10以上で環を形成する2価の5〜20員環の炭化水素系芳香族残基、又は2価の5〜20員環のヘテロ環残基を表す。ここで、ヘテロ環および炭素数10以上で環を形成する炭化水素系芳香族環は、単環であっても縮合環であってもよい。また、このときArは置換基を有していても良い。置換基としては上述した1価の置換基Rの例が挙げられる。
【0021】
前記一般式(1)で表される化合物は下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。以下、下記一般式(2)で表される化合物について説明する。
【0022】
【化9】

【0023】
前記一般式(2)中、Arは、前記一般式(1)のArと同義であり、好ましい範囲も同様である。
は、それぞれ前記一般式(1)のYと同義であり、好ましい範囲も同様である。
は、前記一般式(1)のnと同義であり、好ましい範囲も同様である。
は、前記一般式(1)のmと同義であり、好ましい範囲も同様である。
【0024】
前記一般式(2)で表される化合物は下記一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。以下、下記一般式(3)で表される化合物について説明する。
【0025】
【化10】

【0026】
前記一般式(3)中、Arは、p−フェニレン、2価の炭素数10以上で環を形成する5〜20員環の炭化水素系芳香族残基、および2価の5〜20員環のヘテロ環残基を表す。炭素数10以上で環を形成する2価の5〜20員環の炭化水素系芳香族残基、及び2価の5〜20員環のヘテロ環残基としては、前記一般式(1)におけるArについて上述した例が挙げられる。6員環化合物ベンゼンの結合位置は、例えば、1,2位、1,3位、1,4位が挙げられる。また、ヘテロ5員環化合物ピロールでの結合位置は、2,3位、2,4位、2,5位、3,4位、3,5位が挙げられる。また、ヘテロ6員環化合物ピリジンでの結合位置は、2,3位、2,4位、2,5位、2,6位、3,4位、3,5位、3,6位が挙げられる。
また、Arはヘテロ原子を含有していても良く、置換基を有していても良い。ヘテロ原子および置換基としては、前記一般式(1)におけるArについて上述したヘテロ原子および置換基の例が挙げられる。
【0027】
は、それぞれ前記一般式(2)のYと同義であり、好ましい範囲も同様である。
は、前記一般式(2)のnと同義であり、好ましい範囲も同様である。
【0028】
さらに、前記一般式(3)で表される化合物は、下記一般式(4)で表される化合物であることが好ましい。以下、下記一般式(4)で表される化合物について説明する。
【0029】
【化11】

【0030】
前記一般式(4)中、Yは、それぞれ前記一般式(3)のYと同義であり、好ましい範囲も同様である。
は、前記一般式(3)のnと同義であり、好ましい範囲も同様である。
【0031】
さらに、前記一般式(4)で表される化合物は、下記一般式(5)で表される化合物であることが好ましい。以下、下記一般式(5)で表される化合物について説明する。
【0032】
【化12】

【0033】
前記一般式(5)中、Y5a、Y5b、Y5c及びY5dは、それぞれ前記一般式(4)のYと同義であり、好ましい範囲も同様である。
【0034】
さらに、前記一般式(5)で表される化合物は、下記一般式(6)で表される化合物であることが好ましい。以下、下記一般式(6)で表される化合物について説明する。
【0035】
【化13】

【0036】
前記一般式(6)中、Y6a、Y6b、Y6c及びY6dは、それぞれ互いに独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数10以下のアルコキシ基、ヒドロキシ基、またはハロゲン原子を表す。Y6a、Y6b、Y6c及びY6dとして好ましくは、炭素数10以下のアルキル基、炭素数10以下のアルコキシ基、またはハロゲン原子であり、より好ましくはハロゲン原子であり、さらに好ましくは塩素原子であり、特に好ましくはY6a、Y6b、Y6c及びY6dの全てが塩素原子を表す場合である。
【0037】
さらに、前記一般式(6)で表される化合物は、下記一般式(7)で表される化合物であることが好ましい。以下、下記一般式(7)で表される化合物について説明する。
【0038】
【化14】

【0039】
前記一般式(7)中、Y7a、Y7b、Y7c及びY7dは、それぞれ互いに独立して、ハロゲン原子を表す。Y7a、Y7b、Y7c及びY7dとして好ましくは、塩素原子であり、特に好ましくはY7a、Y7b、Y7c及びY7dの全てが塩素原子を表す場合である。
【0040】
前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される化合物は、任意の方法で合成することができる。例えば、公知の特許文献や非特許文献、例えば特開2000−264879号公報の4ページ左43行目〜右8行目の実施例、特開2003−155375の4ページ右欄5行目〜30行目の実施例、「Bioorganic & Medicinal Chemistry」,2000年,8巻,2095−2103ページ、「Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters」,2003年,13巻,4077−4080ページなどを参考にして合成できる。例えば、例示化合物(2)はベンゾイルクロリドと3,5−ジブロモアントラニル酸とを反応させることにより合成できる。また、例示化合物(13)は2−ナフトイルクロリドと3,5−ジクロロアントラニル酸とを反応させることにより合成できる。また、例示化合物(15)は2−アントラセンカルボニルクロリドと3,5−ジクロロアントラニル酸とを反応させることにより合成できる。また、例示化合物(27)は2−テノイルクロリドと3,5−ジクロロアントラニル酸とを反応させることにより合成できる。また、例示化合物(28)は2−ピロールカルボニルクロリドと3,5−ジクロロアントラニル酸とを反応させることにより合成できる。また、例示化合物(29)は2−フランカルボニルクロリドと3,5−ジクロロアントラニル酸とを反応させることにより合成できる。また、例示化合物(34)はピコリン酸クロリドと3,5−ジクロロアントラニル酸とを反応させることにより合成できる。また、例示化合物(45)はピラジンカルボニルクロリドと3,5−ジクロロアントラニル酸とを反応させることにより合成できる。また、例示化合物(86)は2,6−ナフタレンジカルボニルジクロリドと3,5−ジクロロアントラニル酸とを反応させることにより合成できる。また、例示化合物(98)は2,5−フランジカルボニルジクロリドと3,5−ジクロロアントラニル酸とを反応させることにより合成できる。また、例示化合物(119)は二塩化テレフタロイルと2−アミノ−4,5−ジヨード安息香酸とを反応させることにより合成できる。また、例示化合物(120)は二塩化テレフタロイルと4,5−ジメチルアントラニル酸とを反応させることにより合成できる。また、例示化合物(137)は1,3,5−ベンゼントリカルボニルトリクロリドと4,5−ジメトキシアントラニル酸とを反応させることにより合成できる。また、例示化合物(160)は3,5−ピラゾールジカルボニルジクロリドと4,5−ジメトキシアントラニル酸とを反応させることにより合成できる。
【0041】
前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されない。
【0042】
【化15】

【0043】
【化16】

【0044】
【化17】

【0045】
【化18】

【0046】
【化19】

【0047】
【化20】

【0048】
【化21】

【0049】
【化22】

【0050】
【化23】

【0051】
【化24】

【0052】
【化25】

【0053】
【化26】

【0054】
【化27】

【0055】
前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される化合物は、構造とその置かれた環境によって互変異性体を取り得る。本発明においては代表的な形の一つで記述しているが、本発明の記述と異なる互変異性体も本発明の化合物に含まれる。
【0056】
前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される化合物は、同位元素(例えば、H、H、13C、15N、17O、18Oなど)を含有していてもよい。
【0057】
前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される化合物の構造を繰り返し単位内に含むポリマーも、本発明に好適に使用できる。ポリマーは、ホモポリマーであってもよいし、2種類以上の繰り返し単位からなるコポリマーであってもよい。さらに他の繰り返し単位を含むコポリマーであってもよい。なお、紫外線吸収剤構造を繰り返し単位内に含むポリマーについては、特公平1−53455号、特開昭61−189530号の各公報および欧州特許27242号明細書に記載がある。ポリマーを得る方法についてはこれら特許の記述を参考にすることができる。
【0058】
前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される化合物は紫外線吸収剤として好適に用いることができる。
前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される化合物は、好ましくは長波長紫外線吸収剤として使用できる。最大吸収波長は、好ましくは320〜420nmの範囲であり、より好ましくは340〜400nmの範囲であり、特に好ましくは350〜390nmの範囲である。
【0059】
本発明の高分子材料の調製には、その高分子組成物が用いられる。本発明に用いられる高分子組成物は、後述する高分子物質に、前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される化合物からなる紫外線吸収剤を含有してなる。
【0060】
前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される化合物は、様々な方法で高分子物質に含有させることができる。前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される化合物が高分子物質との相溶性を有する場合は、前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される化合物を高分子物質に直接添加することができる。高分子物質との相溶性を有する補助溶媒に、前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される化合物を溶解し、その溶液を高分子物質に添加してもよい。前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される化合物を高沸点有機溶媒やポリマー中に分散し、その分散物を高分子物質に添加してもよい。
【0061】
高沸点有機溶媒の沸点は、180℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがさらに好ましい。高沸点有機溶媒の融点は、150℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがさらに好ましい。高沸点有機溶媒の例には、リン酸エステル、ホスホン酸エステル、安息香酸エステル、フタル酸エステル、脂肪酸エステル、炭酸エステル、アミド、エーテル、ハロゲン化炭化水素、アルコールおよびパラフィンが含まれる。リン酸エステル、ホスホン酸エステル、フタル酸エステル、安息香酸エステルおよび脂肪酸エステルが好ましい。
【0062】
前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される化合物の添加方法については、特開昭58−209735号、同63−264748号、特開平4−191851号、同8−272058号の各公報および英国特許第2016017A号明細書を参考にできる。
【0063】
本発明に用いられる高分子組成物には、異なる構造を有する二種類以上の本発明の紫外線吸収剤を併用してもよいし、本発明の前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される紫外線吸収剤とそれ以外の構造を有する一種類以上の紫外線吸収剤を併用してもよい。二種類(好ましくは三種類)の紫外線吸収剤を併用すると、広い波長領域の紫外線を吸収することができる。また、二種類以上の紫外線吸収剤を併用すると、紫外線吸収剤の分散状態が安定化するとの作用もある。本発明の紫外線吸収剤以外の構造を有する紫外線吸収剤としては、いずれのものでも使用できる。例えば、大勝靖一監修「高分子添加剤の開発と環境対策」(シーエムシー出版、2003年)第2章、東レリサーチセンター調査研究部門編集「高分子用機能性添加剤の新展開」(東レリサーチセンター、1999年)2.3.1、などに記載されている紫外線吸収剤が挙げられる。例えば、紫外線吸収剤の構造として知られているトリアジン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、メロシアニン系、シアニン系、ジベンゾイルメタン系、桂皮酸系、アクリレート系、安息香酸エステル系シュウ酸ジアミド系などの化合物が挙げられる。例えば、ファインケミカル、2004年5月号、28〜38ページ、東レリサーチセンター調査研究部門発行「高分子用機能性添加剤の新展開」(東レリサーチセンター、1999年)96〜140ページ、大勝靖一監修「高分子添加剤の開発と環境対策」(シーエムシー出版、2003年)54〜64ページなどに記載されている。
好ましくは、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、アクリレート系、トリアジン系の化合物である。より好ましくはベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系の化合物である。特に好ましくはベンゾトリアゾール系、トリアジン系の化合物である。
【0064】
本発明の高分子材料は、複数の前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表されるUV吸収剤を混合しても良い。また、他の構造の公知の吸収剤と併用しても良い。
【0065】
前記ベンゾトリアゾール系化合物としては、その有効吸収波長が約270〜380nmで、下記一般式(IIa)又は(IIb)のいずれかで表される化合物が好ましい。(IIa)及び(IIb)について詳述する。
【0066】
【化28】

【0067】
〔前記一般式(IIa)中、
11は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル、置換もしくは無置換のシクロアルキル、又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。
12は、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。
13は、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、又は−COOR14基(ここで、R14は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基である。)を表す。〕
【0068】
〔前記一般式(IIb)中、
Tは、水素原子、又は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。
は、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無
置換のアリール基、又は置換もしくは無置換のアルコキシ基を表す。
Lは2価の連結基または単結合を表し、mは0又は1を表す。
nは1〜4の整数を表す。nが1のときTは、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の
アルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。また、nが2のときTは2
価の置換基を表し、nが3のときTは3価の置換基を表し、nが4のときTは4価の置換基を表す。〕
【0069】
(一般式(IIa))
11は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル、置換もしくは無置換のシクロアルキル、又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。
11として好ましくは、炭素数1〜18の置換もしくは無置換アルキル基、炭素数5〜18の置換もしくは無置換シクロアルキル基、又は炭素数6〜24の置換もしくは無置換アリール基である。R11として特に好ましくは、炭素数1〜18の置換もしくは無置換アルキル基、又は炭素数1〜18の置換もしくは無置換アルキル基である。
【0070】
置換アルキル基、置換シクロアルキル基、置換アリール基は任意の位置に1価の置換基を有しているアルキル基、シクロアルキル基、アリール基を表し、1価の置換基の例としては、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)の直鎖又は分岐のアルキル基(例えばメチル、エチル)、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)のアリール基(例えばフェニル、ナフチル)、シアノ基、カルボキシル基、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル)、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)のアリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル)、炭素数0〜20(好ましくは0〜10)の置換又は無置換のカルバモイル基(例えばカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル)、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアルキルカルボニル基(例えばアセチル)、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)のアリールカルボニル基(例えばベンゾイル)、ニトロ基、炭素数0〜20(好ましくは0〜10)の置換または無置換のアミノ基(例えばアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ)、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアシルアミノ基(例えばアセトアミド、エトキシカルボニルアミノ)、
【0071】
炭素数0〜20(好ましくは0〜10)のスルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド)、炭素数2〜20(好ましくは2〜10)のイミド基(例えばスクシンイミド、フタルイミド)、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のイミノ基(例えばベンジリデンアミノ)、ヒドロキシ基、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアルコキシ基(例えばメトキシ)、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)のアリールオキシ基(例えばフェノキシ)、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアシルオキシ基(例えばアセトキシ)、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアルキルスルホニルオキシ基(例えばメタンスルホニルオキシ)、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)のアリールスルホニルオキシ基(例えばベンゼンスルホニルオキシ)、スルホ基、炭素数0〜20(好ましくは0〜10)の置換または無置換のスルファモイル基(例えばスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアルキルチオ基(例えばメチルチオ)、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)のアリールチオ基(例えばフェニルチオ)、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル)、炭素数6〜20(好ましくは6〜10)のアリールスルホニル基(例えばベンゼンスルホニル)、4〜7員環(好ましくは5〜6員環)のヘテロ環基(例えばピリジル、モルホリノ)などを挙げることができる。
【0072】
12は、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。R12として好ましくは、水素原子、塩素原子、炭素数1〜18の置換もしくは無置換アルキル基、炭素数5〜18の置換もしくは無置換シクロアルキル基、又は炭素数6〜24の置換もしくは無置換アリール基である。R12として特に好ましくは、水素原子、塩素原子、炭素数1〜18の置換もしくは無置換アルキル基、又は炭素数6〜24の置換もしくは無置換アリール基である。
【0073】
13は、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、又は−COOR14基(ここで、R14は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基である。)を表す。R13として好ましくは、水素原子、塩素原子、炭素数1〜18の置換もしくは無置換アルキル基、炭素数1〜18の置換もしくは無置換アルコキシ基、又は−COOR14基(ここで、R14は、水素原子、炭素数1〜18の置換もしくは無置換のアルキル基、又は炭素数6〜24の置換もしくは無置換のアリール基である。)である。
【0074】
11、R12は、ベンゼン環に置換していればいずれの位置でも構わないが、ヒドロキシル基の2位および4位に置換していることが好ましい。
【0075】
(一般式(IIb))
Tは、水素原子、又は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。Tとして好ましくは、水素原子、又は炭素数1〜18の置換もしくは無置換アルキル基である。
は、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無
置換のアリール基、又は置換もしくは無置換のアルコキシ基を表す。Tとして好ましくは、水素原子、塩素原子、炭素数1〜18の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数6〜24のアリール基、又は炭素数1〜18のアルコキシ基である。
【0076】
−L−は2価の連結基または単結合を表し、mは0又は1を表す。
mが0のときは、TがLを介さずに直接ベンゼン環と結合しているとき、即ち−L−
が単なる結合を表しているときを表す。
2価の連結基−L−について説明する。−L−は下記一般式(a)で表わされる2価の置換基である。
一般式(a)
−(Lm1−(Lm2−(Lm3−(Lm4−(Lm5
【0077】
一般式(a)中、m1〜m5は0〜2の整数を表す。
〜Lは各々独立して、−CO−、−O−、−SO−、−SO−、−NR−、置換もしくは無置換の2価のアルキル基、置換もしくは無置換の2価のアルケニル基、又は置換もしくは無置換の2価のアリール基を表す。Rは水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。
【0078】
の具体例としては、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシ
ル基、オクチル基、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。アルキル基上およびアリール基上の任意の位置に1価の置換基を有していてもよい。1価の置換基としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。Rとして好ましくは、炭素数3〜20の置換もしく
は無置換のアルキル基、又は炭素数6〜14の置換もしくは無置換のアリール基である。より好ましくは炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアルキル基、又は炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリール基である。
【0079】
即ち2価の置換基−L−としては、−O−CO−C−CO−O−、−O−CO−C−、−NH−CO−C−CO−NH−、―NH−CO−C−、−CH−、−C−、−C−、−C−、−C10−、−C16−、−C−CO−O−、−C−C−、−NH−SO−C−等が好ましい。
【0080】
前記一般式(IIb)中、nは1〜4の整数を表す。
nが1のときTは、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もし
くは無置換のアリール基を表す。nが1のときTとして好ましくは、塩素原子、炭素数
1〜18の置換もしくは無置換のアルキル基、又は炭素数6〜24の置換もしくは無置換のアリール基である。
【0081】
nが2のときTは、2価の置換基を表す。nが2のときTの具体例としては、上記の2価の置換基−L−の例が挙げられる。nが2の時Tとして好ましくは、−CH−、−O−CO−C−CO−O−、−NH−CO−C−CO−NH−である。
【0082】
nが3のときTは3価の置換基を表す。3価の置換基について説明する。3価の置換
基は3価のアルキル基、3価のアリール基、又は下記一般式
【化29】

で表される置換基である。
3価の置換基のうち、好ましくは炭素数1〜8の3価のアルキル基、炭素数6〜14の3価のアリール基、又は下記一般式、
【化30】

で表される置換基である。
【0083】
nが4のときTは4価の置換基を表す。4価の置換基について説明する。4価の置換
基は4価のアルキル基、4価のアリール基で表される置換基である。4価の置換基のうち好ましくは、炭素数1〜8の4価のアルキル基、炭素数6〜14の4価のアリールである。
【0084】
一般式(IIb)において、nが1又は2の時が特に好ましい。
即ち、一般式(IIb)の好ましい組み合わせとしては、
nが1のとき、Tが水素原子、又は炭素数1〜18の置換もしくは無置換アルキル基であり、Tが水素原子、塩素原子、炭素数1〜18の置換もしくは無置換のアルキル基、
炭素数6〜24のアリール基、又は炭素数1〜18のアルコキシ基であり、Lが−O−CO−C−、−CH−、−C−、−C10−、−C16−、―NH−CO−C−又は単なる結合であり、Tが塩素原子、炭素数1〜18の置換もしくは無置換のアルキル基、又は炭素数6〜24の置換もしくは無置換のアリール基である組合せである。
また、nが2のとき、Tが水素原子、又は炭素数1〜18の置換もしくは無置換アルキル基であり、Tが水素原子、塩素原子、炭素数1〜18の置換もしくは無置換のアルキ
ル基、炭素数6〜24のアリール基、又は炭素数1〜18のアルコキシ基であり、Lが−CH−又は単なる結合であり、Tが、−CH−、−O−CO−C−CO−O−、
又は−NH−CO−C−CO−NH−である組合せである。
また、nが2のとき、mが0であり、Tが水素原子、又は炭素数1〜18の置換もしくは無置換アルキル基であり、Tが水素原子、塩素原子、炭素数1〜18の置換もしくは
無置換のアルキル基、炭素数6〜24のアリール基、又は炭素数1〜18のアルコキシ基であり、Tが、−CH−、−O−CO−C−CO−O−、又は−NH−CO−C
−CO−NH−である組合せも好ましい。
【0085】
前記一般式(IIa)又は(IIb)で表される化合物の代表例としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)−5’−メチルベンジル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−5’−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール]、2−[3’−t−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;
【化31】

(式中、R=3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニル]ベンゾトリアゾール;2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)−フェニル]ベンゾトリアゾール等を挙げることができる。
【0086】
前記トリアジン系化合物としては、その有効吸収波長が約270〜380nmで、下記一般式(III)で表される化合物が好ましい。
【0087】
【化32】

【0088】
[前記一般式(III)中、
置換基Yは、互いに独立して、水素原子、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のア
ルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、又は置換もしくは無置換のアルコキシ基である。Lfは2価の連結基または単結合を表す。
uは1又は2であり、vは0又は1であり、そしてrは1〜3の整数であり、
uが1のときYは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは
無置換のアリール基である。また、uが2のときYは2価の置換基を表す。]
【0089】
は、互いに独立して、水素原子、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のアルキル
基、置換もしくは無置換のアリール基、又は置換もしくは無置換のアルコキシ基を表す。Yとして好ましくは、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜18の置換もしくは無置
換のアルキル基、炭素数6〜24の置換もしくは無置換のアリール基、又は炭素数1〜18の置換もしくは無置換のアルコキシ基である。
【0090】
Lfは2価の連結基または単なる結合を表す。uは1又は2を表す。rは1〜3の整数
を表す。vは0又は1であり、vが0の時はLfは単なる結合を表す。
2価の連結基−Lf−について説明する。2価の置換基Lfは、下記一般式(b)で表わされる2価の置換基である。
一般式(b)
−(Lfmf1−(Lfmf2−(Lfmf3−(Lfmf4−(Lfmf5
【0091】
一般式(b)中、mf1〜mf5は0〜2の整数を表す。
Lf〜Lfは各々独立して、−CO−、−O−、−SO−、−SO−、−NRf−、2価の置換もしくは無置換のアルキル基、2価の置換もしくは無置換のアルケニル基、又は2価の置換もしくは無置換のアリール基を表す。Rfは水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。
【0092】
Rfの具体例としては、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキ
シル基、オクチル基、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。アルキル基上およびアリール基上の任意の位置に1価の置換基を有していてもよい。1価の置換基としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。Rfとして好ましくは、炭素数3〜20の置換も
しくは無置換のアルキル基、又は炭素数6〜14の置換もしくは無置換のアリール基である。より好ましくは炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアルキル基、又は炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリール基である。
【0093】
即ち2価の置換基−Lf−としては、−O−CO−C−CO−O−、−O−CO−C−、−NH−CO−C−CO−NH−、―NH−CO−C−、−CH−、−C−、−C−、−C−、−C10−、−C16−、−C−CO−O−、−C−C−、−NH−SO−C−等が好ましい。
【0094】
uが1のときYは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは
無置換のアリール基である。uが1のときYとして好ましくは、水素原子、炭素数1〜
18の置換もしくは無置換アルキル基、又は炭素数6〜24の置換もしくは無置換アリール基である。
【0095】
uが2のときYは2価の置換基を表す。2価の置換基の例としては上記の2価の置換
基−L−の例があげられる。Yとして好ましくは、置換もしくは無置換の2価のアルキ
ル基、置換もしくは無置換の2価のアルケニル基、置換もしくは無置換の2価のアリール基、−CHCH(OH)CH−O−Y11−OCHCH(OH)CH、−CO−Y12−CO−、−CO−NH−Y13−NH−CO−、又は−(CH−CO−Y14−OCO−(CHである。
ただし、tは、1、2または3であり、
11は、置換もしくは無置換のアルキレン、フェニレン、又は−フェニレン−M−フェニレン−(ここで、Mは、−O−、−S−、−SO−、−CH−または−C(CH−である。)であり、
12は、置換もしくは無置換の2価のアルキル基、置換もしくは無置換の2価のアルケニル基、又は置換もしくは無置換の2価のアリール基であり、
13は、置換もしくは無置換の2価のアルキル基、又は置換もしくは無置換の2価のアリール基であり、そして
14は、置換もしくは無置換の2価のアルキル基、又は置換もしくは無置換の2価のアリール基である。
【0096】
即ちuが2のとき、Yとして好ましくは、炭素数1〜18の置換もしくは無置換の2
価のアルキル基、炭素数6〜24の置換もしくは無置換の2価のアリール基、−CH
H(OH)CH−O−CH−OCHCH(OH)CH−、−CHCH(OH)CH−O−C(CH−OC16−、又は−(CH−CO−C−OCO−(CH−である。
【0097】
前記一般式(III)で表される化合物の代表例としては、2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ジ(4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ジ(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−6−(4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ)フェニル−4,6−ジ(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジン等を挙げることができる。
【0098】
前記ベンゾフェノン系化合物としては、その有効吸収波長が約270〜380nmである化合物が好ましく、下記一般式(IVa)又は(IVb)で表される化合物が好ましい。
【0099】
【化33】

【0100】
〔前記一般式(IVa)中、X及びXは、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、スルホン酸基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、又は置換もしくは無置換のアミノ基を表す。s1及びs2は、互いに独立して1〜3の整数を表す。〕
【0101】
〔前記一般式(IVb)中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換もし
くは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、スルホン酸基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、又は置換もしくは無置換のアミノ基を表し、s1は1〜3の整数を表す。
Lgは2価の置換基または単なる結合を表し、wは0又は1を表す。
tbは1又は2を表し、tbが1のときXは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ
ル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、スルホン酸基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、又は置換もしくは無置換のアミノ基を表す。tbが2のときXは2価の置換基を表す。〕
【0102】
(一般式(IVa))
及びXは、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、スルホン酸基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、又は置換もしくは無置換のアミノ基を表す。X及びXとして好ましくは、水素原子、塩素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜18の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数6〜24の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数1〜18の置換もしくは無置換のアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜24のアリールオキシカルボニル基、スルホン酸基、又は炭素数1〜16の置換もしくは無置換のアミノ基である。X及びXとして特に好ましくは水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜18の置換もしくは無置換のアルコキシ基、スルホン酸基、又は炭素数1〜16の置換もしくは無置換のアミノ基である。
【0103】
(一般式(IVb))
tbは1又は2であり、wは0又は1であり、s1は1〜3の整数である。
置換基Xは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のアル
キル基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、スルホン酸基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、又は置換もしくは無置換のアミノ基を表す。
【0104】
として好ましくは、水素原子、塩素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜18の置換
もしくは無置換のアルキル基、炭素数6〜24の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数1〜18の置換もしくは無置換のアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜24のアリールオキシカルボニル基、スルホン酸基、又は炭素数1〜16の置換もしくは無置換のアミノ基である。Xとして特に好ましくは水素原子、ヒ
ドロキシル基、炭素数1〜18の置換もしくは無置換のアルコキシ基、スルホン酸基、又は炭素数1〜16の置換もしくは無置換のアミノ基である。
【0105】
−Lg−は2価の連結基または単なる結合を表し、wは0〜1の整数を表す。wが0の時はXがLgを介さずに直接ベンゼン環と結合しているとき、即ち−Lg−が単なる結
合を表しているときを表す。
2価の連結基−Lg−について説明する。2価の置換基Lgは、下記一般式(c)で表わされる2価の置換基である。
一般式(c)
−(Lgmg1−(Lgmg2−(Lgmg3−(Lgmg4−(Lgmg5
【0106】
一般式(c)中、mg1〜mg5は0〜2の整数を表す。
Lg〜Lgは各々独立して、−CO−、−O−、−SO−、−SO−、−NRg−、置換もしくは無置換の2価のアルキル基、置換もしくは無置換の2価のアルケニル基、又は置換もしくは無置換の2価のアリール基を表す。Rgは水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。
【0107】
Rgの具体例としては、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキ
シル基、オクチル基、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。アルキル基上およびアリール基上の任意の位置に1価の置換基を有していてもよい。1価の置換基としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。Rgとして好ましくは、炭素数3〜20の置換も
しくは無置換のアルキル基、又は炭素数6〜14の置換もしくは無置換のアリール基である。より好ましくは炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアルキル基、又は炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリール基である。
【0108】
即ち2価の置換基−Lg−としては、―O−、−O−CO−C−CO−O−、−O−C−O−、−O−CO−C−、−NH−CO−C−CO−NH−、―NH−CO−C−、−CH−、−C−、−C−、−C−、−C10−、−C16−、−C−CO−O−、−C−C−、−NH−SO−C−等が好ましい。
【0109】
tbが1のとき、Xは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換もしくは無置
換のフェニル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、スルホン酸基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、又は置換もしくは無置換のアミノ基である。
tbが1のとき、Xとして好ましくは、水素原子、ヒドロキシル基、塩素原子、炭素
数1〜18の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数6〜24の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数1〜18の置換もしくは無置換のアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜24のアリールオキシカルボニル基、スルホン酸基、又は炭素数1〜16の置換もしくは無置換のアミノ基である。
として特に好ましくは水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜18の置換もしくは無置換のアルコキシ基、スルホン酸基、又は炭素数1〜16の置換もしくは無置換のアミノ基である。
【0110】
tbが2のときXは、2価の置換基を表す。
tbが2のとき、Xの具体例としては、上記の2価の置換基−L−の例が挙げられる。tbが2のときXとして好ましくは、−CH−、−C−、−O−C−O−、−O−CO−C−CO−O−、又は−NH−CO−C−CO−NH−である。
【0111】
一般式(IVb)において、tbが1のときが特に好ましい。
即ち、一般式(IVb)の好ましい組み合わせとしては、以下のとおりである。
具体的には、tbが1のとき、
が水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜18の置換もしくは無置換のアルコキシ基、スルホン酸基、又は炭素数1〜16の置換もしくは無置換のアミノ基であり、
Lgが−O−、−O−CO−C−CO−O−、−O−C−O−、−O−CO−C−、−NH−CO−C−CO−NH−、―NH−CO−C−、−CH−、−C−、−C−、−C−、−C10−、−C16−、−C−CO−O−、−C−C−、もしくは−NH−SO−C−、又は単なる結合であり、
が水素原子、ヒドロキシル基、塩素原子、炭素数1〜18の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数6〜24の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数1〜18の置換もしくは無置換のアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜24のアリールオキシカルボニル基、スルホン酸基、又は炭素数1〜16の置換もしくは無置換のアミノ基である組み合わせが好ましい。
【0112】
tbが2のとき、
が水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜18の置換もしくは無置換のアルコキシ基、スルホン酸基、又は炭素数1〜16の置換もしくは無置換のアミノ基であり、
Lgが−O−、−O−CO−C−CO−O−、−O−C−O−、−O−CO−C−、−NH−CO−C−CO−NH−、―NH−CO−C−、−CH−、−C−、−C−、−C−、−C10−、−C16−、−C−CO−O−、−C−C−、もしくは−NH−SO−C−、又は単なる結合であり、
が−CH−、−C−、−O−C−O−、−O−CO−C−CO−O−、又は−NH−CO−C−CO−NH−である組み合わせが好ましい。
【0113】
前記ベンゾフェノン系化合物の代表例としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−デシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノントリヒドレート、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ジエチルアミノ−2’−ヘキシルオキシカルボニルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、1,4−ビス(4−ベンジルオキシ−3−ヒドロキシフェノキシ)ブタン等を挙げることができる。
【0114】
前記サリチル酸系化合物としては、その有効吸収波長が約290〜330nmである化合物が好ましく、その代表例としてはフェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、4−オクチルフェニルサリシレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−t−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−t−ブチルフェニル 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシサリシレート、ヘキサデシル 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシサリシレートなどを挙げることができる。
【0115】
前記アクリレート系化合物としては、その有効吸収波長が約270〜350nmである化合物が好ましく、その代表例としては2−エチルヘキシル 2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル 2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、イソオクチル 2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、ヘキサデシル 2−シアノ−3−(4−メチルフェニル)アクリレート、メチル 2−シアノ−3−メチル−3−(4−メトキシフェニル)シンナメート、ブチル 2−シアノ−3−メチル−3−(4−メトキシフェニル)シンナメート、メチル 2−カルボメトキシ−3−(4−メトキシフェニル)シンナメート2−シアノ−3−(4−メチルフェニル)アクリル酸塩、1,3−ビス(2’−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ)−2,2−ビス(((2’−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ)メチル)プロパン、N−(2−カルボメトキシ−2−シアノビニル)−2−メチルインドリン等を挙げることができる。
【0116】
前記シュウ酸ジアミド系化合物としては、その有効吸収波長が約250〜350nmであるものが好ましく、その代表例としては4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−t−ブチルオキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−t−ブチルオキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキサニリド、2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−t−ブチルオキサニリド等を挙げることができる。
【0117】
本発明に用いられる高分子組成物は更に光安定剤、酸化防止剤を含んでいても良い。
光安定剤、酸化防止剤の好ましい例としては特開2004−117997で表される化合物があげられる。具体的には、特開2004−117997のp29中段、段落番号[0071]〜[0111]に記載の化合物であることが好ましい。段落番号[0072]に記載の一般式(TS−I)、一般式(TS−II)、一般式(TS−IV)一般式(TS−V)で表される化合物であることが特に好ましい。
【0118】
本発明の高分子材料における前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される化合物の含有量は、使用目的と使用形態によって異なるため一義的に定めることはできないが、当業者はいくらかの試験をすることによって容易に決定することができる。好ましくは高分子材料の全量に対して0.001〜10質量%であり、より好ましくは0.01〜5質量%である。また、前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される化合物以外の紫外線吸収剤の含有量は、本発明の目的に応じて適宜決定することができる。
【0119】
本発明においては、紫外線吸収剤のみで実用的には十分な紫外線遮蔽効果が得られるものの、更に厳密を要求する場合には隠蔽力の強い白色顔料、例えば酸化チタンなどを併用してもよい。また、外観、色調が問題となる時、あるいは好みによって微量(0.05質量%以下)の着色剤を併用することができる。また、透明あるいは白色であることが重要である用途に対しては蛍光増白剤を併用してもよい。蛍光増白剤としては市販のものや特開2002−53824号公報記載のものが挙げられる。
【0120】
前記高分子組成物に用いられる高分子物質について説明する。高分子物質としては、天然あるいは合成ポリマーのいずれであってもよい。ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ(1−ブテン)、ポリ4−メチルペンテン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリシクロペンテン、ポリノルボルネンなど)、ビニルモノマーのコポリマー(例えば、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えば、エチレン/ノルボルネンのようなシクロオレフィンコポリマー(COC:Cyclo-Olefin Copolymer))、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマーなど)、アクリル系ポリマー(例えば、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリルなど)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニルコポリマー、ポリエーテル(例えば、ポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドなど)、ポリアセタール(例えば、ポリオキシメチレン)、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど)、ポリカーボネート、ポリケトン、ポリスルホンポリエーテルケトン、フェノール樹脂、メラミン樹脂、セルロースエステル(例えば、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリシロキサン、天然ポリマー(例えば、セルロース、ゴム、ゼラチンなど)、などが例として挙げられる。
【0121】
本発明に用いられる高分子物質は、合成ポリマーである場合が好ましく、ポリオレフィン、アクリル系ポリマー、ポリエステル、ポリカーボネート、セルロースエステルがより好ましい。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンテン)、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、トリアセチルセルロースが特に好ましい。
【0122】
本発明に用いられる高分子物質は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
本発明に用いられる高分子物質は、透過率が80%以上であることが好ましい。なお、本発明における透過率については、日本化学会編「第4版実験化学講座 29 高分子材料媒」(丸善、1992年)225〜232ページに記載の内容に基づき、全光線透過率を求めたものである。
【0123】
本発明の高分子材料には、上記の高分子物質および紫外線吸収剤に加えて、必要に応じて酸化防止剤、光安定剤、加工安定剤、老化防止剤、相溶化剤等の任意の添加剤を適宜含有してもよい。
【0124】
本発明の高分子材料は前記高分子物質を用いてなる。本発明の高分子材料は、前記高分子物質のみから形成されたものでもよく、また、前記高分子物質を任意の溶媒に溶解して形成されたものでもよい。
本発明の高分子材料は、合成樹脂が使用される全ての用途に使用可能であるが、特に日光又は紫外線を含む光に晒される可能性のある用途に特に好適に使用できる。具体例としては、例えばガラス代替品とその表面コーティング材、住居、施設、輸送機器等の窓ガラス、採光ガラス及び光源保護ガラス用のコーティング材、住居、施設、輸送機器等の内外装材及び内外装用塗料、蛍光灯、水銀灯等の紫外線を発する光源用部材、精密機械、電子電気機器用部材、各種ディスプレイから発生する電磁波等の遮断用材、食品、化学品、薬品等の容器又は包装材、農工業用シート又はフィルム材、印刷物、染色物、染顔料等の退色防止剤、日焼け止めクリーム、シャンプー、リンス、整髪料等の化粧品、スポーツウェア、ストッキング、帽子等の衣料用繊維製品及び繊維、カーテン、絨毯、壁紙等の家庭用内装品、プラスチックレンズ、コンタクトレンズ、義眼等の医療用器具、光学フィルタ、プリズム、鏡、写真材料等の光学用品、テープ、インク等の文房具、標示板、標示器等とその表面コーティング材等を挙げることができる。また、本発明の高分子材料は、化粧品用途に用いることもできる。
【0125】
本発明の高分子材料の形状としては、平膜状、粉状、球状粒子、破砕粒子、塊状連続体、繊維状、管状、中空糸状、粒状、板状、多孔質状などのいずれの形状であってもよい。
【0126】
本発明の高分子材料は、前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される長波紫外線吸収化合物を含有しているため、優れた耐光性(紫外光堅牢性)を有しており、紫外線吸収剤の析出や長期使用によるブリードアウトが生じることがない。また、本発明の高分子材料は、優れた長波紫外線吸収能を有するので、紫外線吸収フィルタや容器として用いることができ、紫外線に弱い化合物などを保護することもできる。例えば、前記高分子物質を押出成形又は射出成形などの任意の方法により成形することで、本発明の高分子材料からなる成形品(容器等)を得ることができる。また、別途作製した成形品に前記高分子物質の溶液を塗布・乾燥することで、本発明の高分子材料からなる紫外線吸収膜がコーティングされた成形品を得ることもできる。
【0127】
本発明の高分子材料を紫外線吸収フィルタや紫外線吸収膜として用いる場合、高分子物質は透明であることが好ましい。透明高分子材料の例としては、ポリアミド、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン)、シンジオタクチックポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリウレタン、ポリエーテルイミドおよびポリオキシエチレンなどが挙げられる。好ましくはポリスチレン、ポリオレフィン、ポリウレタンである。本発明の高分子材料は透明支持体として用いることもでき、透明支持体の透過率は80%以上であることが好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。
【0128】
本発明の高分子材料を包装材料に用いる場合について説明する。本発明の高分子材料を用いた包装材料は、前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表わされる化合物を含むものであればいずれの種類の高分子物質から成る包装材料であってもよい。例えば、特開平8−151455号公報に記載のポリビニルアルコール、特開平8−245849号公報に記載のポリ塩化ビニル、特開平10−298397号公報に記載のスチレン系樹脂、特開平11−315175号公報、特開2001−26081号公報、特開2005−305745号公報に記載のポリオレフィン、特表2003−524019号公報に記載のROMPなどが挙げられる。例えば特開2004−50460号公報、特開2004−243674号公報に記載の無機物の蒸着薄膜層を有する樹脂であってもよい。例えば特開2006−240734号公報に記載の紫外線吸収剤を含む樹脂を塗布した紙であってもよい。
【0129】
本発明の高分子材料を用いた包装材料は、食料品、飲料、薬剤、化粧品、個人ケア用品等いずれのものを包装するものであってもよい。例えば、特開平11−34261号公報、特開2003−237825号公報に記載の食品包装、特開平8−80928号公報に記載の着色液体包装、特開2004−51174号公報に記載の液状製剤用包装、特開平8−301363号公報、特開平11−276550号公報に記載の医薬品容器包装、特開2006−271781号公報に記載の医療品用滅菌包装、特開平7−287353号公報に記載の写真感光材料包装、特開2000−56433号公報に記載の写真フィルム包装、特開2005−178832号公報に記載の紫外線硬化型インク用包装、特開2003−200966号公報、特開2006−323339号公報に記載のシュリンクラベルなどが挙げられる。
【0130】
本発明の高分子材料を用いた包装材料は、例えば特開2004−51174号公報に記載の透明包装体であってもよいし、例えば特開2006−224317号公報に記載の遮光性包装体であってもよい。
【0131】
本発明の高分子材料を用いた包装材料は、例えば特開2001−26081号公報、特開2005−305745号公報に記載のように紫外線遮蔽性を有するだけでなく、他の性能を合わせて持っていても良い。例えば特開2002−160321号公報に記載のガスバリヤー性を合わせて有するものや、例えば特開2005−156220号公報に記載の酸素インジケータを内包するものや、例えば特開2005−146278号公報に記載の紫外線吸収剤と蛍光増白剤を組み合わせるものなどが挙げられる。
【0132】
本発明の高分子材料を用いた包装材料は、いずれの方法を用いて製造してもよい。例えば特開2006−130807号公報に記載のインキ層を形成させる方法、例えば特開2001−323082号公報、特開2005−305745号公報に記載の紫外線吸収剤を含有した樹脂を溶融押出し積層する方法、例えば特開平9−142539号公報に記載の基材フィルム上にコーティングする方法、例えば特開平9−157626号公報に記載の接着剤に紫外線吸収剤を分散する方法などが挙げられる。
【0133】
本発明の高分子材料を容器に用いる場合について説明する本発明の高分子材料を用いた容器は、前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表わされる化合物を含むものであればいずれの種類の高分子物質から成る容器であってもよい。例えば、特開2001−88815号公報に記載のポリエチレン製容器、特開平7−216152号公報に記載の環状オレフィン系樹脂組成物製容器、特開2001−270531号公報に記載のプラスチック容器、特開2004−83858号公報に記載の透明ポリアミド容器などが挙げられる。例えば特開2001−114262号公報、特開2001−213427号公報に記載の樹脂を含む紙容器であってもよい。例えば特開平7−242444号公報、特開平8−133787号公報、特開2005−320408号公報に記載の紫外線吸収層を有するガラス容器であってもよい。
【0134】
本発明の高分子材料を用いた容器の用途は食料品、飲料、薬剤、化粧品、個人ケア用品、シャンプー等いずれのものを入れるものであってもよい。例えば特開平5−139434号公報に記載の液体燃料貯蔵容器、特開平7−289665号公報に記載のゴルフボール容器、特開平9−295664号公報、特開2003−237825号公報に記載の食品用容器、特開平9−58687号公報に記載の酒用容器、特開平8−155007号公報に記載の薬剤充填容器、特開平8−324572号公報、特開2006−298456号公報に記載の飲料容器、特開平9−86570号公報に記載の油性食品用容器、特開平9−113494号公報に記載の分析試薬用溶液容器、特開平9−239910号公報に記載の即席麺容器、特開平11−180474号公報、特開2002−68322号公報、特開2005−278678号公報に記載の耐光性化粧料容器、特開平11−276550号公報に記載の医薬品容器、特開平11−290420号公報に記載の高純度薬品液用容器、特開2001−106218号公報に記載の液剤用容器、特開2005−178832号公報に記載の紫外線硬化型インク用容器、WO04/93775号パンフレットに記載のプラスチックアンプルなどが挙げられる。
【0135】
本発明の高分子材料を用いた容器は、例えば特開平5−305975号公報、特開平7−40954号公報に記載のように紫外線遮断性を有するだけでなく、他の性能を合わせて持っていてもよい。例えば特開平10−237312号公報に記載の抗菌性容器、特開2000−152974号公報に記載の可撓性容器、特開2002−264979号公報に記載のディスペンサー容器、例えば特開2005−255736号公報に記載の生分解性容器などが挙げられる。
【0136】
本発明の高分子材料を用いた容器はいずれの方法を用いて製造してもよい。例えば特開2002−370723号公報に記載の二層延伸ブロー成形による方法、特開2001−88815号公報に記載の多層共押出ブロー成形方法、特開平9−241407号公報に記載の容器の外側に紫外線吸収層を形成させる方法、特開平8−91385号公報、特開平9−48935号公報、特表平11−514387号公報、特開2000−66603号公報、特開2001−323082号公報、特開2005−105032号公報、WO99/29490号パンフレットに記載の収縮性フィルムを用いた方法、特開平11−255925号公報に記載の超臨界流体を用いる方法などが挙げられる。
【0137】
本発明の高分子材料を塗料および塗膜に用いる場合について説明する。本発明の高分子材料を用いた塗料は、前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表わされる化合物を含むものであればいずれの成分からなる塗料であってもよい。例えば、ウレタン樹脂系、アミノアルキッド樹脂系、エポキシ樹脂系、シリコーン樹脂系、フッ素樹脂系などが挙げられる。これらの樹脂は主剤、硬化剤、希釈剤、レベリング剤、はじき防止剤などを任意に配合することができる。
【0138】
例えば、透明樹脂成分としては、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等が挙げられる。更にこれら成分に加えアクリル樹脂、シリコーン樹脂などのレベリング剤、シリコーン系、アクリル系等のはじき防止剤等を必要に応じて配合することができる。
【0139】
本発明の高分子材料を用いた塗料の使用目的としてはいずれの用途であってもよい。例えば特開平7−26177号公報、特開平9−169950号公報、特開平9−221631号公報、特開2002−80788号公報に記載の紫外線遮蔽塗料、特開平10−88039号公報に記載の紫外線・近赤外線遮断塗料、特開2001−55541号公報に記載の電磁波遮蔽用塗料、特開平8−81643号公報に記載のクリアー塗料、特開2000−186234号公報に記載のメタリック塗料組成物、特開平7−166112号公報に記載のカチオン電着塗料、特開2002−294165号公報に記載の抗菌性および無鉛性カチオン電着塗料、特開2000−273362号公報、特開2001−279189号公報、特開2002−271227号公報に記載の粉体塗料、特開2001−9357号公報に記載の水性中塗り塗料、水性メタリック塗料、水性クリヤー塗料、特開2001−316630号公報に記載の自動車、建築物、土木系品に用いられる上塗り用塗料、特開2002−356655号公報に記載の硬化性塗料、特開2004−937号公報に記載の自動車バンパー等プラスチック材等に使用される塗膜形成組成物、特開2004−2700号公報に記載の金属板用塗料、特開2004−169182号公報に記載の硬化傾斜塗膜、特開2004−107700号公報に記載の電線用塗装材、特開平6−49368号公報に記載の自動車補修塗料、特開2002−38084号公報、特開2005−307161号公報に記載のアニオン電着塗料、特開平5−78606号公報、特開平5−185031号公報、特開平10−140089号公報、特表2000−509082号公報、特表2004−520284号公報、WO2006/097201号パンフレットに記載の自動車用塗料、特開平6−1945号公報に記載の塗装鋼板用塗料、特開平6−313148号公報に記載のステンレス用塗料、特開平7−3189号公報に記載のランプ用防虫塗料、特開平7−82454号公報に記載の紫外線硬化型塗料、特開平7−118576号公報に記載の抗菌性塗料、特開2004−217727号公報に記載の眼精疲労防止用塗料、特開2005−314495号公報に記載の防曇塗料、特開平10−298493号公報に記載の超耐候性塗料、特開平9−241534号公報に記載の傾斜塗料、特開2002−235028号公報に記載の光触媒塗料、特開2000−345109号公報に記載の可剥塗料、特開平6−346022号公報に記載のコンクリート剥離用塗料、特開2002−167545号公報に記載の防食塗料、特開平8−324576号公報に記載の保護塗料、特開平9−12924号公報に記載の撥水性保護塗料、特開平9−157581号公報に記載の板ガラス飛散防止用塗料、特開平9−59539号公報に記載のアルカリ可溶型保護塗料、特開2001−181558号公報に記載の水性一時保護塗料組成物、特開平10−183057号公報に記載の床用塗料、特開2001−115080号公報に記載のエマルション塗料、特開2001−262056号公報に記載の2液型水性塗料、特開平9−263729号公報に記載の1液性塗料、特開2001−288410号公報に記載のUV硬化性塗料、特開2002−69331号公報に記載の電子線硬化型塗料組成物、特開2002−80781号公報に記載の熱硬化性塗料組成物、特表2003−525325号公報に記載の焼付ラッカー用水性塗料、特開2004−162021号公報に記載の粉体塗料およびスラリー塗料、特開2006−233010号公報に記載の補修用塗料、特表平11−514689号公報に記載の粉体塗料水分散物、特開2001−59068号公報、特開2006−160847号公報に記載のプラスチック用塗料、特開2002−69331号公報に記載の電子線硬化型塗料などが挙げられる。
【0140】
本発明の高分子材料を用いた塗料は一般に塗料(透明樹脂成分を主成分として含む)および紫外線吸収剤から構成されるが、好ましくは樹脂を基準に考えて紫外線吸収剤0〜20質量%の組成である。塗布する際の厚さは、好ましくは2〜1000μmであるが、更に好ましくは5〜200μmの間である。これら塗料を塗布する方法は任意であるが、スプレー法、ディッピング法、ローラーコート法、フローコーター法、流し塗り法などがある。塗布後の乾燥は塗料成分によって異なるが概ね室温〜120℃で10〜90分程度行うことが好ましい。
【0141】
本発明の高分子材料を用いた塗膜は、前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表わされる化合物からなる紫外線吸収剤を含む塗膜であり、上記の本発明の高分子材料を用いた塗料を用いて形成された塗膜である。
【0142】
本発明の高分子材料をインクに用いる場合について説明する。本発明の高分子材料を用いたインクは、前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表わされる化合物を含むものであればいずれの形態のインクであってもよい。例えば、染料インク、顔料インク、水性インク、油性インクなどが挙げられる。また、いずれの用途に用いられてもよい。例えば、特開平8−3502号公報に記載のスクリーン印刷インク、特表2006−521941号公報に記載のフレキソ印刷インク、特表2005−533915号公報に記載のグラビア印刷インク、特表平11−504954号公報に記載の平版オフセット印刷インク、特表2005−533915号公報に記載の凸版印刷インク、特開平5−254277号公報に記載のUVインク、特開2006−30596号公報に記載のEBインクなどが挙げられる。また例えば、特開平11−199808号公報、WO99/67337号パンフレット、特開2005−325150号公報、特開2005−350559号公報、特開2006−8811号公報、特表2006−514130号公報に記載のインクジェットインク、特開2006−257165号公報に記載のフォトクロミックインク、特開平8−108650号公報に記載の熱転写インク、特開2005−23111号公報に記載のマスキングインク、特開2004−75888号公報に記載の蛍光インク、特開平7−164729号公報に記載のセキュリティインク、特開2006−22300号公報に記載のDNAインクなども挙げられる。
【0143】
本発明の高分子材料を用いたインクを用いることで得られるいずれの形態も本発明に含まれる。例えば特開2006−70190号公報に記載の印刷物、印刷物をラミネートして得られる積層体、積層体を用いた包装材料や容器、特開2002−127596号公報に記載のインク受理層などが挙げられる。
【0144】
本発明の高分子材料を繊維に用いる場合について説明する。本発明の高分子材料を用いた繊維は、前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表わされる化合物を含むものであればいずれの種類の高分子物質から成る繊維であってもよい。例えば、特開2002−322360号公報、特開2006−265770号公報に記載のポリフェニレンサルファイド繊維、特開平7−76580号公報、特開2001−348785号公報、特開2003−41434号公報、特開2003−239136号公報に記載のポリアミド繊維、WO03/2661号パンフレットに記載のエポキシ繊維、特開平10−251981号公報に記載のアラミド繊維、特開平6−228816号公報に記載のポリウレタン繊維、特表2005−517822号公報に記載のセルロース繊維などが挙げられる。
【0145】
本発明の高分子材料を用いた繊維はいずれの方法で製造してもよい。例えば特開平6−228818号公報に記載のように前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表わされる化合物をあらかじめ含んだ高分子を繊維状に加工してもよいし、例えば特開平5−9870号公報、特開平8−188921号公報、特開平10−1587号公報に記載のように繊維状に加工したものに対して前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表わされる化合物を含む溶液などを用いて処理をおこなってもよい。特開2002−212884号公報、特開2006−16710号公報に記載のように超臨界流体を用いて処理をおこなってもよい。
【0146】
本発明の高分子材料を用いた繊維は各種用途に用いることができる。例えば、特開平5−148703号公報に記載の衣料、特開2004−285516号公報に記載の裏地、特開2004−285517号公報に記載の肌着、特開2003−339503号公報に記載の毛布、特開2004−11062号公報に記載の靴下、特開平11−302982号公報に記載の人工皮革、特開平7−289097号公報に記載の防虫メッシュシート、特開平10−1868号公報に記載の工事用メッシュシート、特開平5−256464号公報に記載のカーペット、特開平5−193037号公報に記載の透湿・防水性シート、特開平6−114991号公報に記載の不織布、特開平11−247028号公報に記載の極細繊維、特開2000−144583号公報に記載の繊維からなるシート状物、特開平5−148703号公報に記載の清涼衣料、特開平5−193037号公報に記載の透湿防水性シート、特開平7−18584号公報に記載の難燃性人工スエード状構造物、特開平8−41785号公報に記載の樹脂ターポリン、特開平8−193136号公報に記載の膜剤、外壁材剤、農業用ハウス、特開平8−269850号公報に記載の建築資材用ネット、メッシュ、特開平8−284063号公報に記載のフィルター基材、特開平9−57889号公報に記載の防汚膜剤、特開平9−137335号公報に記載のメッシュ織物、陸上ネット、特開平10−165045号公報に記載の水中ネット、特開平11−247027号公報、特開平11−247028号公報に記載の極細繊維、特開平7−310283号公報、特表2003−528974号公報に記載の防織繊維、特開2001−30861号公報に記載のエアバッグ用基布、特開平7−324283号公報、特開平8−20579号公報、特開2003−147617号公報に記載の紫外線吸収性繊維製品などが挙げられる。
【0147】
本発明の高分子材料を建材に用いる場合について説明する。本発明の高分子材料を用いた建材は、前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表わされる化合物を含むものであればいずれの種類の高分子物質から成る建材であってもよい。例えば、特開平10−6451号公報に記載の塩化ビニル系、特開平10−16152号公報に記載のオレフィン系、特開2003−49065号公報に記載のポリフェニレンエーテル系などが挙げられる。
【0148】
本発明の高分子材料を用いた建材はいずれの方法で製造してもよい。例えば特開平8−269850号公報に記載のように前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表わされる化合物を含む材料を用いて所望の形に形成してもよいし、例えば特開平10−205056号公報に記載のように前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表わされる化合物を含む材料を積層して形成してもよいし、例えば特開平8−151457号公報に記載のように前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表わされる化合物を用いた被覆層を形成させてもよいし、例えば特開2001−172531号公報に記載のように前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表わされる化合物を含有する塗料を塗装して形成してもよい。
【0149】
本発明の高分子材料を用いた建材は各種用途に用いることができる。例えば、特開平7−3955号公報、特開平8−151457号公報、特開2006−266042号公報に記載の外装用建材、特開平8−197511号公報に記載の建材用木質構造体、特開平9−183159号公報に記載の建材用屋根材、特開平11−236734号公報に記載の抗菌性建築資材、特開平10−205056号公報に記載の建材用基材、特開平11−300880号公報に記載の防汚建材、特開2001−9811号公報に記載の難燃性材料、特開2001−172531号公報に記載の窯業系建材、特開2003−328523号公報に記載の装飾用建材、特開2002−226764号公報に記載の建材用塗装物品、特開平10−6451号公報、特開平10−16152号公報、特開2006−306020号公報に記載の化粧材、特開平8−269850号公報に記載の建築資材用ネット、特開平9−277414号公報に記載の建材用透湿防水シート、特開平10−1868号公報に記載の建築工事用メッシュシート、特開平7−269016号公報に記載の建材用フィルム、特開2003−211538号公報に記載の表装用フィルム、特開平9−239921号公報、特開平9−254345号公報、特開平10−44352号公報に記載の建材用被覆材料、特開平8−73825号公報に記載の建材用接着剤組成物、特開平8−207218号公報に記載の土木建築構造物、特開2003−82608号公報に記載の歩行路用塗装材、特開2001−139700号公報に記載のシート状光硬化性樹脂、特開平5−253559号公報に記載の木材用保護塗装、特開2005−2941780号公報に記載の押釦スイッチ用カバー、特開平9−183159号公報に記載の接合シート剤、特開平10−44352号公報に記載の建材用基材、特開2000−226778号公報に記載の壁紙、特開2003−211538号公報に記載の表装用ポリエステルフィルム、特開2003−211606号公報に記載の成形部材表装用ポリエステルフィルム、特開2004−3191号公報に記載の床材などが挙げられる。
【0150】
本発明の高分子材料を記録媒体に用いる場合について説明する。本発明の高分子材料を用いた記録媒体は、前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表わされる化合物を含むものであればいずれのものであってもよい。例えば、特開平9−309260号公報、特開2002−178625号公報、特開2002−212237号公報、特開2003−266926号公報、特開2003−266927号公報、特開2004−181813号公報に記載のインクジェット被記録媒体、特開平8−108650熱転写インク用受像媒体、特開平10−203033号公報に記載の昇華転写用受像シート、特開2001−249430号公報に記載の画像記録媒体、特開平8−258415号公報に記載の感熱記録媒体、特開平9−95055号公報、特開2003−145949号公報、特開2006−167996号公報に記載の可逆性感熱記録媒体、特開2002−367227号公報に記載の光情報記録媒体などが挙げられる。
【0151】
本発明の高分子材料を画像表示装置に用いる場合について説明する。本発明の高分子材料を用いた画像表示装置は前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表わされる化合物を含むものであればいずれのものであってもよい。例えば、特開2006−301268号公報に記載のエレクトロクロミック素子を用いた画像表示装置、特開2006−293155号公報に記載のいわゆる電子ペーパーと呼ばれる画像表示装置、特開平9−306344号公報に記載のプラズマディスプレー、特開2000−223271号公報に記載の有機EL素子を用いた画像表示装置などが挙げられる。本発明の紫外線吸収剤は、例えば特開2000−223271号公報に記載の積層構造中に紫外線吸収層を形成させるものでもよいし、例えば特開2005−189645号公報に記載の円偏光板など必要な部材中に紫外線吸収剤を含むものを用いてもよい。
【0152】
本発明の高分子材料を太陽電池用カバーに用いる場合について説明する。本発明における適用する太陽電池は、結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、色素増感太陽電池などいずれの形式の素子からなる太陽電池であってもよい。結晶シリコン太陽電池やアモルファスシリコン太陽電池において、特開2000−174296号公報に記載のように防汚や耐衝撃性、耐久性を付与する保護部材としてカバー材が用いられている。また色素増感太陽電池において、特開2006−282970号公報に記載のように光(特に紫外線)に励起されて活性となる金属酸化物系半導体を電極材料として用いるため、光増感剤として吸着させた色素が劣化し、光発電効率が徐々に低下する問題があり、紫外線吸収層を設けることが提案されている。
【0153】
本発明の高分子材料を用いた太陽電池用カバーはいずれの種類の高分子から成るものであってもよい。例えば特開2006−310461号公報に記載のポリエステル、特開2006−257144号公報に記載の熱硬化性透明樹脂、特開2006−210906号公報に記載のα−オレフィンポリマー、特開2003−168814号公報に記載のポリプロピレン、特開2005−129713号公報に記載のポリエーテルサルホン、特開2004−227843号公報に記載のアクリル樹脂、特開2004−168057号公報に記載の透明フッ素系樹脂等が挙げられる。
【0154】
本発明の高分子材料を用いた太陽電池用カバーはいずれの方法で製造してもよい。例えば特開平11−40833号公報に記載の紫外線吸収層を形成してもよいし、特開2005−129926号公報に記載のそれぞれ紫外線吸収剤を含む層を積層してもよいし、特開2000−91611号公報に記載の充填材層の樹脂に含まれていてもよいし、特開2005−346999号公報に記載の紫外線吸収剤を含む高分子からフィルムを形成してもよい。
【0155】
本発明の高分子材料を用いた太陽電池用カバーはいずれの形状であってもよい。特開2000−91610号公報、特開平11−261085号公報に記載のフィルム、シート、例えば特開平11−40833号公報に記載の積層フィルム、特開平11−214736号公報に記載のカバーガラス構造などが挙げられる。特開2001−261904号公報に記載の封止材に紫外線吸収剤を含むものであってもよい。
【0156】
本発明の高分子材料をガラス被膜に用いる場合について説明する。本発明の高分子材料を用いたガラス皮膜及びこれを用いたガラスは、その被膜に前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される化合物を含むものであれば、どのような形態であってもよい。また、いずれの用途に用いられてもよい。例えば、特開平5−58670、特開平9−52738記載の熱線遮断性ガラス、特開平7−48145記載のウインドガラス、特開平8−157232、特開平10−45425、特開平11−217234記載の着色ガラス、特開平8−59289記載の水銀ランプやメタルハライドランプなどの高輝度光源用紫外線シャープカットガラス、特開平5−43266記載のフリットガラス、特開平5−163174記載の車両用紫外線遮断ガラス、特開平5−270855記載の色つき熱線吸収ガラス、特開平6−316443記載の含蛍光増白剤紫外線吸収断熱ガラス、特開平7−237936記載の自動車用紫外線熱線遮断ガラス、特開平7−267682記載の外装用ステンドグラス、特開平7−291667記載の撥水性紫外線赤外線吸収ガラス、特開平7−257227記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置向けガラス、特開平7−232938記載の調光遮熱複層窓、特開平5−78147、特開平7−61835、特開平8−217486記載の紫外線赤外線カットガラス、特開平6−127974、特開平7−53241記載の紫外線カットガラス、特開平8−165146記載の窓用紫外線赤外線吸収ガラス、特開平10−17336記載の窓用紫外線遮断防汚膜、特開平9−67148記載の栽培室用透光パネル、特開平10−114540記載の紫外線赤外線吸収低透過ガラス、特開平11−302037記載の低反射率低透過率ガラス、特開2000−16171記載のエッジライト装置、特開2000−44286記載の粗面形成板ガラス、特開2000−103655記載のディスプレイ用積層ガラス、特開2000−133987記載の導電性膜つきガラス、特開2000−191346記載の防眩性ガラス、特開2000−7371記載の紫外線赤外線吸収中透過ガラス、特開2000−143288記載のプライバシー保護用車両用窓ガラス、特開2000−239045記載の防曇性車両用ガラス、特開2001−287977記載の舗装材料用ガラス、特開2002−127310号公報に記載の水滴付着防止性及び熱線遮断性を有するガラス板、特開2003−342040記載の紫外線赤外線吸収ブロンズガラス、W001/019748記載の合わせガラス、特開2004−43212記載のID識別機能つきガラス、特開2005−70724記載のPDP用光学フィルタ、特開2005−105751記載の天窓などが挙げられる。前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される化合物を含むガラス被膜ないしこれを用いたガラスはいずれの方法によって作られてもよい。
【0157】
また、その他使用例としては特開平8−102296号公報、特開2000−67629号公報、特開2005−353554号公報に記載の照明装置用光源カバー、特開平5−272076号公報、特開2003−239181号公報に記載の人工皮革、特開2006−63162号公報に記載のスポーツゴーグル、特開2007−93649号公報に記載の偏向レンズ、特開2001−214121号公報、特開2001−214122号公報、特開2001−315263号公報、特開2003−206422号公報、特開2003−25478号公報、特開2004−137457号公報、特開2005−132999号公報に記載の各種プラスチック製品向けハードコート、特開2002−36441号公報に記載の窓外側貼り付け用ハードコート、特開平10−250004号公報に記載の窓張りフィルム、特開2002−36452号公報に記載の高精細防眩性ハードコートフィルム、特開2003−39607号公報に記載の帯電防止性ハードコートフィルム、特開2004−114355号公報に記載の透過性ハードコートフィルム、特開2002−113937号公報に記載の偽造防止帳表、特開2002−293706号公報に記載の芝の紫斑防止剤、特開2006−274179号公報に記載の樹脂フィルムシート接合用シール剤、特開2005−326761号公報に記載の導光体、特開2006−335855号公報に記載のゴム用コーティング剤、特開平10−34841号公報、特開2002−114879号公報に記載の農業用被覆材、特表2004−532306号公報、特表2004−530024号公報に記載の染色ろうそく、特表2004−525273号公報に記載の布地リンス剤組成物、特開平10−287804号公報に記載のプリズムシート、特開2000−71626号公報に記載の保護層転写シート、特開2001−139700号公報に記載の光硬化性樹脂製品、特開2001−159228号公報に記載の床用シート、特開2002−189415号公報に記載の遮光性印刷ラベル、特開2002−130591号公報に記載の給油カップ、特開2002−307619号公報に記載の硬質塗膜塗工物品、特開2002−307845号公報に記載の中間転写記録媒体、特開2006−316395号公報に記載の人工毛髪、WO99/29490号パンフレット、特開2004−352847号公報に記載のラベル用低温熱収縮性フィルム、特開2000−224942号公報に記載の釣り用品、特開平8−208976号公報に記載のマイクロビーズ、特開平8−318592号公報に記載のプレコート金属板、特開2005−504735号公報に記載の薄肉フィルム、特開2005−105032号公報に記載の熱収縮性フィルム、特開2005−37642号公報に記載のインモールド成形用ラベル、特開2005−55615号公報に記載の投影スクリーン、特開平9−300537号公報、特開2000−25180号公報、特開2003−19776号公報、特開2005−74735号公報に記載の化粧シート、特開2001−207144号公報に記載のホットメルト接着剤、特表2002−543265号公報、特表2002−543266号公報、米国特許第6225384号明細書に記載の接着剤、特開2004−352783号公報に記載の電着コート、ベースコート、特開平7−268253号公報に記載の木材表面保護、特開2003−253265号公報、特開2005−105131号公報、特開2005−300962号公報、特許第3915339号公報に記載の調光材料、調光フィルム、調光ガラス、特開2005−304340号公報に記載の防蛾灯、特開2005−44154号公報に記載のタッチパネル、特開2006−274197号公報に記載の樹脂フィルムシート接合用シール剤、特開2006−89697号公報に記載のポリカーボネートフィルム被覆、特開2000−231044号公報に記載の光ファイバテープ、特表2002−527559号公報に記載の固形ワックスなどが挙げられる。
【0158】
次に、本発明の高分子材料の耐光性を評価する方法について説明する。高分子材料の耐光性を評価する方法として、「高分子の光安定化技術」(株式会社シーエムシー,2000年)85ページ〜107ページ、「高機能塗料の基礎と物性」(株式会社シーエムシー,2003年)314ページ〜359ページ、「高分子材料と複合材製品の耐久性」(株式会社シーエムシー,2005年)、「高分子材料の長寿命化と環境対策」(株式会社シーエムシー,2000年)、H.Zweifel編「Plastics Additives Handbook 5th Edition」(Hanser Publishers)238ページ〜244ページ、葛良忠彦著「基礎講座2 プラスチック包装容器の科学」(日本包装学会,2003年)第8章などの記載を参考にできる。
また各々の用途に対する評価としては下記の既知評価法により達成できる。
高分子材料の光による劣化は、JIS−K7105:1981、JIS−K7101:1981、JIS−K7102:1981、JIS−K7219:1998、JIS−K7350−1:1995、JIS−K7350−2:1995、JIS−K7350−3:1996、JIS−K7350−4:1996の方法およびこれを参考にした方法によって評価することができる。
【0159】
包装・容器用途として用いられる場合の耐光性は、JIS−K7105の方法およびこれを参考にした方法によって評価することができる。その具体例としては、特開2006−298456号公報に記載のボトル胴体の光線透過率、透明性評価、キセノン光源を用いた紫外線暴露後のボトル中身の官能試験評価、特開2000−238857号公報に記載のキセノンランプ照射後のヘーズ値評価、特開2006−224317号公報に記載のハロゲンランプ光源としたヘイズ値評価、特開2006−240734号公報に記載の水銀灯暴露後のブルーウールスケールを用いた黄変度評価、特開2005−105004号公報、特開2006−1568号公報に記載のサンシャインウェザーメーターを用いたヘーズ値評価、着色性目視評価、特開平7−40954号公報、特開平8−151455号公報、特開平10−168292号公報、特開2001−323082号公報、特開2005−146278号公報に記載の紫外線透過率評価、特開平9−48935号公報、特開平9−142539号公報に記載の紫外線遮断率評価、特開平9−241407号公報、特開2004−243674号公報、特開2005−320408号公報、特開2005−305745号公報、特開2005−156220号公報に記載の光線透過率評価、特開2005−178832号公報に記載のインク容器内インキの粘度評価、特開2005−278678号公報に記載の光線透過率評価、日光暴露後の容器内サンプル目視、色差ΔE評価、特開2004−51174号公報に記載の白色蛍光灯照射後の紫外線透過率評価、光透過率評価、色差評価、特開2004−285189号公報に記載の光線透過率評価、ヘーズ値評価、色調評価、特開2003−237825号公報に記載の黄色度評価、特開2003−20966号公報に記載の遮光性評価、L表色系色差式を用い
た白色度評価、特開2002−68322号公報に記載のキセノン光を分光した後の波長ごとの暴露後サンプルにおける色差ΔEaを用いた黄ばみ評価、特開2001−26081号公報に記載の紫外線暴露後、紫外線吸収率評価、特開平10−298397号公報に記載のサンシャインウェザーメーターを用いた暴露後のフィルム引っ張り伸び評価、特開平10−237312号公報に記載のキセノンウェザーメーター暴露後の抗菌性評価、特開平9−239910号公報に記載の蛍光灯照射後の包装内容物褪色性評価、特開平9−86570号公報に記載のサラダ油充填ボトルに対する蛍光灯暴露後の油の過酸化物価評価、色調評価、特開平8−301363号公報に記載のケミカルランプ照射後の吸光度差評価、特開平8−208765号公報に記載のサンシャインウェザーメーターを用いた暴露後の表面光沢度保持率、外観評価、特開平7−216152号公報に記載のサンシャインウェザロメーターを用いた暴露後の色差、曲げ強度評価、特開平5−139434号公報に記載の遮光比評価、灯油中の過酸化物生成量評価などがあげられる。
【0160】
塗料・塗膜用途として用いられる場合の長期耐久性は、JIS−K5400、JIS−K5600−7−5:1999、JIS−K5600−7−6:2002、JIS−K5600−7−7:1999、JIS−K5600−7−8:1999、JIS−K8741の方法およびこれを参考にした方法によって評価することができる。その具体例としては、特表2000−509082号公報に記載のキセノン耐光試験機およびUVCON装置による暴露後の色濃度およびCIE L色座標における色差ΔEa、残留光沢を用いた評価、特表2004−520284号公報に記載の石英スライド上フィルムに対するキセノンアーク耐光試験機を用いた暴露後の吸光度評価、ロウにおける蛍光灯、UVランプ暴露後の色濃度およびCIE L色座標における色差ΔEaを用いた評価、特開2006−160847号公報に記載のメタルウェザー耐候性試験機を用いた暴露後の色相評価、特開2005−307161号公報に記載のメタルハイドランプを用いた暴露試験後の光沢保持率評価および色差ΔEaを用いた評価、サンシャインカーボンアーク光源を用いた暴露後光沢感の評価、特開2002−69331号公報に記載のメタルウェザー耐候性試験機を用いた暴露後の色差ΔEaを用いた評価、光沢保持率、外観評価、特開2002−38084号公報に記載のサンシャインウェザオメーターを用いた暴露後の光沢保持率評価、特開2001−59068号公報に記載のQUV耐候性試験機を用いた暴露後の色差ΔEaを用いた評価、光沢保持率評価、特開2001−115080号公報、特開平6−49368号公報、特開2001−262056号公報に記載のサンシャインウェザオメーターを用いた暴露後光沢保持率評価、特開平8−324576号公報、特開平9−12924号公報、特開平9−169950号公報、特開平9−241534号公報、特開2001−181558号公報に記載の塗装板に対するサンシャインウェザオメーターを用いた暴露後の外観評価、特開2000−186234号公報に記載のサンシャインウェザオメーターを用いた暴露後の光沢保持率、明度値変化評価、特開平10−298493号公報に記載の塗膜に対するデューサイクルWOM暴露後の塗膜劣化状態の外観評価、特開平7−26177号公報に記載の塗膜の紫外線透過率評価、特開平7−3189号公報、特開平9−263729号公報に記載の塗膜の紫外線遮断率評価、特開平6−1945号公報に記載のサンシャインウェザーオーメーターを用いた塗膜の光沢保持率80%となる時間比較評価、特開平6−313148号公報に記載のデューパネル光コントロールウェザーメーターを用いた暴露後の錆発生評価、特開平6−346022号公報に記載の屋外暴露後の塗装済み型枠に対するコンクリートの強度評価、特開平5−185031号公報に記載の屋外暴露後の色差ΔEaを用いた評価、碁盤目密着評価、表面外観評価、特開平5−78606号公報に記載の屋外暴露後の光沢保持率評価、特開2006−63162号公報に記載のカーボンアーク光源を用いた暴露後の黄変度(ΔYI)評価等があげられる。
【0161】
インク用途として用いられる場合の耐光性は、JIS−K5701−1:2000、JIS−K7360−2、ISO105−B02の方法およびこれを参考にした方法によって評価することができる。具体的には特表2006−514130号公報に記載の事務所用蛍光灯、褪色試験機を用いた暴露後の色濃度およびCIE L色座標の測定に
よる評価、特開2006−22300号公報に記載のキセノンアーク光源を用いた紫外線暴露後の電気泳動評価、特開2006−8811号公報に記載のキセノンフェードメーターによる印刷物の濃度評価、特開2005−23111号公報に記載の100Wケミカルランプを用いたインク抜け性評価、特開2005−325150号公報に記載のウェザーメーターによる画像形成部位の色素残存率評価、特開2002−127596号公報に記載のアイスーパーUVテスターを用いた印刷物のチョーキング評価、および変色評価、特開平11−199808号公報、特開平8−108650号公報に記載のキセノンフェードメーター暴露後の印刷物についてCIE L色座標における色差ΔEa
用いた評価、特開平7−164729号公報に記載のカーボンアーク光源を用いた暴露後の反射率評価などが挙げられる。
【0162】
太陽電池モジュールの耐光性は、JIS−C8917:1998、JIS−C8938:1995の方法およびこれを参考にした方法によって評価することができる。具体的には、特開2006−282970号公報に記載のキセノンランプに太陽光シミュレーション用補正フィルタを装着した光源による暴露後のI−V測定光発電効率評価、特開平11−261085号公報、特開2000−144583号公報に記載のサンシャインウェザーメーター、フェードメータを用いた暴露後の変褪色グレースケール等級評価、色、外観密着性評価などがあげられる。
【0163】
繊維および繊維製品の耐光性は、JIS−L1096:1999、JIS−A5905:2003、JIS−L0842、JIS−K6730、JIS−K7107、DIN75.202、SAEJ1885、SN−ISO−105−B02、AS/NZS4399の方法およびこれを参考にした方法によって評価することができる。特開平10−1587号公報、特開2006−299428号公報、特開2006−299438号公報に記載の紫外線透過率評価、特開平6−228816号公報、特開平7−76580号公報、特開平8−188921号公報、特開平11−247028号公報、特開平11−247027号公報、特開2000−144583号公報、特開2002−322360号公報、特開2003−339503号公報、特開2004−11062号公報に記載のキセノン光源、カーボンアーク光源を用いた暴露後のブルースケール変褪色評価、特開2003−147617号公報に記載のUVカット率評価、特開2003−41434号公報に記載の紫外線遮断性評価、特開平11−302982号公報に記載のドライクリーニング後のカーボンアーク光源を用いた暴露後ブルースケール変褪色評価、特開平7−119036号公報、特開平10−251981号公報に記載のフェードオメーターを用いた暴露後の明度指数、クロマティクネス指数に基づく色差ΔE評価、特開平9−57889号公
報、特開平9−137335号公報、特開平10−1868号公報、特開平10−237760号公報に記載のUVテスター、サンシャインウェザーメーターを用いた暴露後の引っ張り強度評価、特開平8−41785号公報、特開平8−193136号公報に記載の全透過率評価、強力保持率評価、特表2003−528974号公報、特表2005−517822号公報、特開平8−20579号公報に記載の紫外線保護係数(UPF)評価、特開平6−228818号公報、特開平7−324283号公報、特開平7−196631号公報、特開平7−18584号公報に記載の高温フェードメーターを用いた暴露後の変褪色グレースケール評価、特開平7−289097号公報に記載の屋外暴露後の外観評価、特開平7−289665号公報に記載の紫外線暴露後の黄色度(YI)、黄変度(ΔYI)評価、特表2003−528974号公報に記載の規約反射率評価等があげられる。
【0164】
建材の耐光性は、JIS−A1415:1999の方法およびこれを参考にした方法によって評価することができる。具体的には、特開2006−266402号公報に記載のサンシャインウェザオメーターを用いた暴露後の表面色調評価、特開2004−3191号公報、特開2006−306020号公報に記載のカーボンアーク光源を用いた暴露後の外観評価、アイスーパーUVテスターを用いた暴露後の外観評価、暴露後の吸光度評価、暴露後の色度、色差評価、メタルハイドランプ光源を用いた暴露後のCIE L色座標における色差ΔEaを用いた評価、光沢保持率評価、特開平10−44352号公報、特開2003−211538号公報、特開平9−239921号公報、特開平9−254345号公報、特開2003−211606号公報に記載のサンシャインウェザーメーターを用いた暴露後のヘーズ値変化評価、暴露後の引張試験機を用いた伸度保持率評価、特開2002−161158号公報に記載の溶媒浸漬後の紫外線透過率評価、アイスーパーUVテスターを用いた暴露後の外観目視評価、特開2002−226764号公報に記載のQUV試験後の光沢率変化評価、特開2001−172531号公報に記載のサンシャインウェザオメーターを用いた暴露後の光沢保持率評価、特開平11−300880号公報に記載のブラックライトブルー蛍光灯を用いた紫外線暴露後の色差ΔEaを用いた評価、特開平10−205056号公報に記載のコーブコン促進試験機を用いた暴露後の密着保持率評価、紫外線遮断性評価、特開平8−207218号公報、特開平9−183159号公報に記載の屋外暴露(JIS−A1410)後の外観評価、全光透過率評価、ヘイズ変化評価、引張せん断接着強さ評価、特開平8−151457号公報に記載のキセノンウェザーメーターを用いた暴露後の全光線透過率評価、ヘイズ評価、黄変度評価、特開平7−3955号公報に記載のサンシャインウェザオメーターを用いた暴露後の黄変度(ΔYI)、紫外線吸収剤残存率評価等が挙げられる。
【0165】
記録媒体用途として用いられる場合の耐光性はJIS−K7350の方法およびこれを参考にした方法によって評価することができる。具体的には、特開2006−167996号公報に記載の蛍光灯照射後の印字部位における地肌色差変化評価、特開平10−203033号公報、特開2004−181813号公報に記載のキセノンウェザーメーターを用いた暴露による画像濃度残存率評価、特開2002−207845号公報に記載のキセノンウェザーメーターを用いた暴露による光学反射濃度変化評価、特開2003−266926号公報に記載のサンテストCPS光褪色試験機を用いた暴露後のL評価
形による黄変度評価、特開2003−145949号公報に記載のフェードメーターを用いた暴露後の褪色評価、特開2002−212237号公報に記載のキセノンフェードメーターを用いた暴露後の褪色目視評価、特開2002−178625号公報に記載の室内太陽光暴露後の色濃度保持率評価、キセノンウェザーメーターを用いた暴露後の色濃度保持率評価、特開2002−367227号公報に記載のフェードメーターを用いた暴露後のC/N評価、特開2001−249430号公報に記載の蛍光灯暴露後のかぶり濃度評価、特開平9−95055号公報に記載の蛍光灯を用いた暴露後の光学反射濃度評価、消去性評価、特開平9−309260号公報に記載のアトラスフェードメーターを用いた暴露後の色差ΔE評価、特開平8−258415号公報に記載のカーボンアークフェード
メーターを用いた暴露後の褪色目視評価、特開2000−223271号公報に記載の有機EL素子色変換特性保持率評価、特開2005−189645号公報に記載のキセノン褪色試験機による暴露後の有機ELディスプレイ輝度測定評価などが挙げられる。
【0166】
その他の評価法としてはJIS−K7103、ISO/DIS9050の方法およびこれを参考とした方法によって評価できる。具体的には、特開2006−89697号公報に記載のポリカーボネート被覆フィルムのUVテスターによる暴露後の外観評価、特開2006−316395号公報に記載の人工毛髪における紫外線暴露後のブルースケール評価、特開2006−335855号公報に記載の促進耐候性試験機を用いた暴露後の評価用処理布水接触角評価、特開2005−55615号公報に記載の耐候試験機を用いた暴露後の投影スクリーンに映し出された映像目視評価、特開2005−74735号公報に記載のサンシャインウェザーメーター、メタルウェザーメーターを用いた暴露後の試験体表面劣化、意匠性変化目視評価、特開2005−326761号公報に記載の金属ランプリフレクターを用いた点灯暴露後の外観目視評価、特開2002−189415号公報、特開2004−352847号公報に記載のボトル用ラベルの光線透過率評価、特開2003−19776号公報に記載のキセノンウェザーメーターを用いた湿度条件下、暴露後のポリプロピレン劣化評価、特開2002−36441号公報、特開2003−25478号公報に記載のサンシャインウェザオメーターを用いたハードコートフィルムの劣化評価、基材の劣化評価、親水性評価、耐擦傷性評価、特開2003−239181号公報に記載のキセノンランプ光源を用いた暴露後の人工皮革のグレースケール色差評価、特開2003−253265号公報に記載の水銀灯を用いた暴露後の液晶デバイス特性評価、特開2002−307619号公報に記載のサンシャインウェザオメーターを用いた暴露後の密着性評価、特開2002−293706号公報に記載の芝の紫斑度合い評価、特開2002−114879号公報に記載のキセノンアーク光源を用いた暴露後紫外線透過率評価、引張強度評価、特開2001−139700号公報に記載のコンクリート密着速度評価、特開2001−315263号公報に記載のサンシャインウェザオメーターを用いた暴露後外観評価、および塗膜密着性評価、特開2001−214121号公報、特開2001−214122号公報に記載のカーボンアーク光源を用いた暴露後の黄変度、密着性評価、特開2001−207144号公報に記載の紫外線フェードメーターを用いた接着性能評価、特開2000−67629号公報に記載の照明点灯時における昆虫類飛来抑制評価、特開平10−194796号公報に記載のアイスーパーUVテスターを用いた合わせガラスの黄変度(ΔYI)評価、特開平8−318592号公報に記載のQUV照射、耐湿テストを行った後の表面外観評価、光沢保持率評価、特開平8−208976号公報に記載のデューパネル光コントロールウェザーメーターを用いた経時色差評価、特開平7−268253号公報に記載のキセノンウェザロメーターを用いた暴露後の木材基材塗布状態における光沢度(DI)、黄色度指数(YI)評価、特表2002−5443265号公報、特表2002−543266号公報に記載の紫外線照射、暗闇を繰り返した後の紫外線吸収率評価、特表2004−532306号公報に記載の紫外線暴露後の染料褪色色差ΔE評価等が挙げられる。
【0167】
また、前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される化合物を含有してなる本発明の高分子材料は化粧用製剤としても用いることができる。
前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される化合物を含有する本発明の高分子材料を用いた化粧用製剤は、例えばクリーム、ゲル、ローション、アルコール性および水性/アルコール性溶液、エマルション、ワックス/脂肪組成物、スティック製剤、粉末または軟膏の態様において、更なる助剤および添加剤として、温和な界面活性剤、過脂肪剤、パールエッセンスワックス、稠度調節剤、増粘剤、ポリマー、シリコーン化合物、脂肪、ワックス、安定化剤、生物起原の活性成分、消臭活性成分、ふけ取り剤、皮膜形成剤、膨潤剤、更なるUV光防御因子、抗酸化剤、ヒドロトロピー剤、保存剤、防虫剤、セルフタンニング剤、可溶化剤、香料油、着色剤、制菌剤などを追加として含んでいてもよい。
【0168】
前記過脂肪剤としての使用に適した物質は、例えばラノリンおよびレシチン、ポリオキシエチレン化またはアクリル化ラノリンおよびレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリドならびに脂肪酸アルカノールアミドが挙げられ、前記脂肪酸アルカノールアミドは、同時に気泡安定剤として作用することができる。
【0169】
前記の適切な温和な界面活性剤、換言すれば皮膚に特に良好に許容される界面活性剤の例としては、脂肪アルコールポリグリコールエーテルスルファート、モノグリセリドスルファート、モノ、および/またはジ−アルキルスルホスクシナート、脂肪酸イセチオナート、脂肪酸サルコシナート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタマート、α−オレフィンスルホン酸、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグルコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタインおよび/または蛋白質脂肪酸縮合生成物が挙げられ、前記蛋白質脂肪酸縮合生成物は、好ましくは小麦蛋白質に基づくものである。
【0170】
前記パールエッセンスワックスとしては、例えば:アルキレングリコールエステル、特にジステアリン酸エチレングリコール;脂肪酸アルカノールアミド、特にココ脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、特にステアリン酸モノグリセリド;非置換か、またはヒドロキシ置換された多価カルボン酸の、6〜22個の炭素原子を有する脂肪アルコールとのエステル、特に酒石酸の長鎖エステル;脂肪物質、例えば総数で少なくとも24個の炭素原子を有する脂肪アルコール、脂肪ケトン、脂肪アルデヒド、脂肪エーテルおよび脂肪カルボナート、特にラウロンおよびジステアリルエーテル;ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸またはベヘン酸などの脂肪酸、12〜22個の炭素原子を有するオレフィンエポキシドの、12〜22個の炭素原子を有する脂肪アルコールまたは2〜15個の炭素原子と2〜10個のヒドロキシ基とを有するポリオールによる開環生成物、ならびにその混合物が好ましい。
【0171】
前記稠度調節剤としては、特に12〜22個、好ましくは16〜18個の炭素原子を有する脂肪アルコールまたはヒドロキシ脂肪アルコール、加えて部分グリセリド、脂肪酸およびヒドロキシ脂肪酸が挙げられる。そのような物質の、同一鎖長のアルキルオリゴグルコシドおよび/または脂肪酸N−メチルグルカミド、あるいはポリグリセリンポリ−12−ヒドロキシステアラートとの混合物が好ましい。適切な前記増粘剤としては、例えばアエロジル(Aerosil)タイプ(親水性ケイ酸)、多糖、特にキサンタンガム、グアーガム、寒天、アルギナートおよびチローゼ類(Tyloses)、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシメチルセルロース、また比較的高分子量のポリエチレングリコールの脂肪酸モノ−およびジ−エステル、ポリアクリル酸(例えばGoodrich社からのCarbopol(登録商標)またはSigma社からのSynthalen(登録商標))、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン、界面活性剤、例えばポリオキシエチレン脂肪酸グリセリド、脂肪酸のペンタエリトリトールまたはトリメチロールプロパンのようなポリオールエステルとのエステル、制限された同族体分布を有するポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、アルキルオリゴグルコシド、ならびに塩化ナトリウムまたは塩化アンモニウムのような電解質が挙げられる。
【0172】
前記ポリマーの例として、適切な陽イオン性ポリマーは、例えば陽イオン性セルロース誘導体、例えばAmerchol社のポリマーJR400(登録商標)という名で入手可能な第四級化ヒドロキシメチルセルロース、陽イオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドとの共重合体、第四級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えばLubicat(登録商標)(BASF)、ポリグリコールとアミンとの縮合生成物、第四級化コラーゲンポリペプチド、例えばラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lamequat(登録商標)L/Gruenau)、第四級化小麦ポリペプチド、ポリエチレンイミン、陽イオン性シリコーンポリマー、例えばアミドメチコーン、アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンとの共重合体(Cartaretin(登録商標)/Sandoz)、アクリル酸の塩化ジメチルジアリルアンモニウムとの共重合体(Merquat(登録商標)550/Chemviron)、例えばFR−A−2252840に記載のようなポリアミノポリアミドおよびその架橋水溶性ポリマー、場合により微結晶として分散された、例えば第四級化キトサンの陽イオン性キチン誘導体;ジハロアルキル、例えばジブロモブタンの、ビスジアルキルアミン、例えばビスジメチルアミノ−1,3−プロパンとの縮合生成物、陽イオン性グアーガム、例えばCelaneseのJaguar(登録商標)C−17、Jaguar(登録商標)C−16、第四級化アンモニウム塩ポリマー、例えばMiranolのMirapol(登録商標)A−15、Mirapol(登録商標)AD−1、Mirapol(登録商標)AZ−1である。
【0173】
陰イオン性、双性イオン性、両性および非イオン性ポリマーとしては、例えば酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、ビニルピロリドン/アクリル酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/マレイン酸ブチル/アクリル酸イソボルニル共重合体、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体およびそのエステル、非架橋ポリアクリル酸およびポリオールで架橋されたポリアクリル酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリラート共重合体、オクチルアクリルアミド/メタクリル酸メチル/メタクリル酸tert−ブチルアミノエチル/メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル共重合体、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン/メタクリル酸ジメチルアミノエチル/ビニルカプロラクタム三元重合体、ならびに場合により誘導されたセルロースエーテルおよびシリコーンが好ましい。
【0174】
適切な前記シリコーン化合物としては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン、ならびにアミノ−、脂肪酸−、アルコール−、ポリエーテル−、エポキシ−、フッ素−、グリコシド−および/またはアルキル−変性されたシリコーン化合物であり、室温では液体または樹脂形態であってもよい。200〜300個のジメチルシロキサン単位の平均鎖長を有するジメチコーンのケイ酸水素化物との混合物であるシメチコーンも適している。加えてCosm.Toil.91,27(1976)記載の揮発性シリコーンについても同様に適している。
【0175】
前記脂肪の例としてはグリセリドが挙げられ、前記ワックスとしては、とりわけビーズワックス、カルナウバワックス、カンデリラワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、水素化ヒマシ油および場合により親水性ワックス、例えばセチルステアリルアルコールまたは部分グリセリドと混合された、室温で固形の脂肪酸エステルまたはマイクロワックスが好ましい。脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸またはリシノール酸マグネシウム、アルミニウム、または亜鉛が前記安定化剤として用いられてもよい。
【0176】
前記の生物起原の活性成分としては、例えばトコフェロール、酢酸トコフェロール、パルミチン酸トコフェロール、アスコルビン酸、デオキシリボ核酸、レチノール、ビスアボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、擬似セラミド、エッセンシャルオイル、植物抽出液、およびビタミン複合体であることが好ましい。
【0177】
前記消臭活性成分としては、例えば制汗剤、例えばアルミニウムクロロヒドラート(J.Soc.Cosm.Chem.24,281(1973)を参照)が好ましい。例えば式Al(OH)Cl・2.5HOに対応するアルミニウムクロロヒドラートが、Ho
echst AG,Frankfurt(FRG)の登録商標Locron(登録商標)として市販されており、その使用が特に好ましい(J.Pharm.Pharmacol.26,531(1975)参照)。クロロヒドラートの他に、ヒドロキシ酢酸アルミニウムおよび酸性アルミニウム/ジルコニウム塩を使用することもできる。エステラーゼ阻害剤を、更なる消臭有効成分として添加してもよい。そのような阻害剤は、好ましくはクエン酸トリメチル、クエン酸トリプロピル、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリブチルなどのクエン酸トリアルキル、特にクエン酸トリエチル(Hydagen(登録商標)CAT、Henkel KGaA、Duesseldorf/FRG)であり、それは酵素活性を阻害し、それによって臭気形成を抑制する。エステラーゼ阻害剤として考慮される更なる物質は、硫酸またはリン酸ステロール、例えば硫酸またはリン酸ラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スティグマステロールおよびシトステロール、ジカルボン酸とそのエステル、例えばグルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸およびマロン酸ジエチルエステル、ならびにヒドロキシカルボン酸とそのエステル、例えばクエン酸、リンゴ酸、酒石酸または酒石酸ジエチルエステルである。細菌叢に影響を与え、汗分解菌を殺傷し、またはその増殖を阻害する抗菌活性成分が、同様にその製剤(特にスティック製剤)中に存在することができる。例としては、キトサン、フェノキシエタノールおよびグルコン酸クロルヘキシジンが挙げられる。5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)フェノール(Irgasan(登録商標)、Ciba Specialty Chemicals社)も、特に効果的であることが証明されている。
【0178】
前記制汗剤として、例えばクライマゾール(climbazole)、オクトピロックスおよび亜鉛ピリチオンを用いることができる。慣例的な皮膜形成剤としては、例えばキトサン、微結晶性キトサン、第四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、高比率のアクリル酸を含有する第四級セルロース誘導体のポリマー、コラーゲン、ヒアルロン酸およびその塩、ならびに類似の化合物が挙げられる。水相のための膨潤剤としては、モンモリロン石、粘土鉱物、ペミュレンおよびアルキル変性タイプのCarbopol(Goodrich社)を用いてもよい。更に適したポリマーおよび膨潤剤は、R.LochheadによるCosm.Toil.108,95(1993)のレビューに見出すことができる。
【0179】
前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される化合物を含有してなる本発明の高分子材料を用いた化粧用製剤において、一次光防御物質に加えて、紫外線が皮膚または毛髪を透過する際に誘発される光化学反応連鎖を妨害する抗酸化剤類の二次光防御物質を使用することもできる。そのような抗酸化剤の代表的な例は、アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾール(例えばウロカン酸)およびその誘導体、D,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよびその誘導体(例えばアンセリン)などのペプチド、カロチノイド、カロテン(例えばα−カロテン、β−カロテン、リコペン)およびその誘導体、クロロゲン酸およびその誘導体、リポ酸およびその誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、金チオグルコース、プロピルチオウラシルおよびその他のチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、ならびにそのグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、ラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)およびその塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)、ならびに許容量が非常に少ない(例えばpmol〜μmol/kg)スルホキシイミン化合物(例えばブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン類、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタ−チオニンスルホキシイミン)、ならびに(金属)キレート化剤(例えばα−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびその誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体(たとえばγ−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールおよびその誘導体、ビタミンCおよびその誘導体(例えばパルミチン酸アスコルビル、アスコルビルリン酸マグネシウム、酢酸アスコルビル)、トコフェロールおよびその誘導体(例えば酢酸ビタミンE)、ビタミンAおよび誘導体(例えばパルミチン酸ビタミンA)、ならびにベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸およびその誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、樹脂状ノルジヒドログアヤレチン酸、ノルジヒドログアヤレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、スーパーオキシドジスムターゼ、N−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]スルファニル酸(およびその塩、例えば二ナトリウム塩)、亜鉛およびその誘導体(例えばZnO、ZnSO)、セレンおよびその誘導体(例えばセレンメチオニン)、スチルベンおよびその誘導体(例えばスチルベンオキシド、trans−スチルベンオキシド)、ならびに上述の活性成分の、本発明による適切な誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)である。HALS(=「ヒンダードアミン系光安定化剤」)化合物も挙げられてよい。存在する抗酸化剤の量は、UV吸収剤の質量に基づいて、0.001〜30質量%、好ましくは0.01〜3質量%である。
【0180】
流動性を改善するために、ヒドロトロピー剤、例えばエタノール、イソプロピルアルコールまたはポリオールを使用することもできる。その目的のために考慮されるポリオールは、好ましくは2〜15個の炭素原子、および少なくとも2個のヒドロキシ基を有する。
【0181】
前記ポリオールは、更なる官能基、特にアミノ基を含んでいてもよく、そして/または窒素で変性されていてもよい。代表的な例は、以下のとおりである:
− グリセリン;
− アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールおよび100〜1000Daの平均分子量を有するポリエチレングリコール;
− 1.5〜10の固有縮合度を有する工業的オリゴグリセリン混合物(technical oligoglycerol mixtures)、例えば40〜50質量%のジグリセリン含量を有する工業的ジグリセリン混合物;
− メチロール化合物、例えば特にトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリトリトールおよびジペンタエリトリトール;
− 低級アルキルグルコシド、特にアルキル基内に1〜8個の炭素原子を有するもの、例えばメチルおよびブチルグルコシド;
− 5〜12個の炭素原子を有する糖アルコール、例えばソルビトールまたはマンニトール;
− 5〜12個の炭素原子を有する糖、例えばグルコースまたはサッカロース;
− アミノ糖、例えばグルカミン;及び
− ジアルコールアミン、例えばジエタノールアミンまたは2−アミノ−1,3−プロパンジオール。
【0182】
前記の適切な保存剤としては、例えばフェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン類、ペンタンジオールまたはソルビン酸およびSchedule 6,Parts A and B of the Cosmetics Regulationsに列挙された保存剤が挙げられる。
【0183】
前記香料油として、天然および/または合成の芳香性物質の混合物を挙げることができる。天然の芳香性物質は、例えば花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イランイラン)から、茎および葉(ゼラニウム、パッチュリ、プチグレン)から、果実(アニス実、コリアンダー、ウイキョウ、ネズ)から、果実皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)から、根(メース、アンジェリカ、セロリ、カルダモン、コスタス、アイリス、ショウブ)から、木(マツの木、サンダルウッド、グアヤクの木、シーダーの木、シタン)から、ハーブおよび草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)から、針状葉および小枝(トウヒ、マツ、ヨーロッパアカマツ、コウザンマツ)から、樹脂およびバルサム(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、乳香、オポパナックス)からの抽出物である。動物原料の物質、例えばシベットおよびカストリウムも挙げられる。代表的な合成芳香性物質は、例えばエステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールまたは炭化水素類の製品が挙げられる。
【0184】
エステル類の芳香性物質の化合物は、例えば酢酸ベンジル、イソブチル酸フェノキシエチル、酢酸p−tert−ブチルシクロヘキシル、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、グリシン酸エチルメチルフェニル、プロピオン酸アリルシクロヘキシル、プロピオン酸スチラリルおよびサリチル酸ベンジルである。エーテル類としては、例えばベンジルエチルエーテルが挙げられ;アルデヒド類としては、例えば8〜18個の炭化水素原子を有する直鎖状アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアールおよびボージュナールが挙げられ;ケトン類としては、例えばイオノン類、α−イソメチルイオノンおよびメチルセドリルケトンが挙げられ;アルコール類としては、例えばアネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコールおよびテルピノールが挙げられ;炭水化物類としては、主にテルペン類およびバルサム類が挙げられる。魅力的な香気を一緒に生じる、様々な芳香性物質の混合物を使用することが好ましい。主に芳香成分として用いられ、比較的低揮発性のエーテル油、例えばセージ油、カモミール油、クローブ油、メリッサ油、肉桂の葉の油、ライム花の油、ネズの実の油、ベチベル油、乳香油、ガルバヌム油、ラボラヌム油(labolanum oil)およびラバンジン油も香料油として適している。ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α−ヘキシルシナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイスアンブレンフォルテ(boisambrene forte)、アンブロキサン、インドール、ヘジオン、サンデリス(sandelice)、レモン油、タンゲリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコラート、シクロバータル(cyclovertal)、ラバンジン油、マスカテルセージ油、β−ダマスコン、ブルボンゼラニウム油、サリチル酸シクロヘキシル、バートフィクスクール(vertofix coeur)、イソ−E−スーパー、フィクソリドNP(Fixolide NP)、エバニール、イラルデインガンマ(iraldein gamma)、フェニル酢酸、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、ローズオキシド、ロミラ(romillat)、イロチル(irotyl)およびフローラマ(floramat)を、単独または互いに混和して用いることが好ましい。
【0185】
例えば、Farbstoffkommission der Deutchen Forschungsgemeinschaftの発行物「Kosmetische Farbemittel」Verlag Chemie,Weinheim,1984,p.81〜106に編集されたような、化粧目的に適していて認められた物質が、着色剤として用いられてもよい。前記着色剤は、全混合物に基づいて、通常0.001〜0.1質量%の濃度で用いられる。
【0186】
前記制菌剤の例としては、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、クロロヘキシジン(1,6−ジ(4−クロロフェニルビグアニド)ヘキサン)またはTCC(3,4,4’−トリクロロカルバニリド)など、グラム陽性菌に対する特異的作用を有する保存剤が挙げられる。多数の芳香性物質およびエーテル油も、抗菌性を有している。
【0187】
代表的な例は、クローブ油、ミント油およびタイム油中の有効成分のオイゲノール、メントールおよびチモールである。該当する天然消臭剤は、ライム花油に存在するテルペンアルコールファルネソール(3,7,11−トリメチル−2,6,10−トデカトリエン−1−オール)である。モノラウリル酸グリセリンも、静菌剤になることが証明されている。存在する追加の制菌剤の量は、製剤の固形分に基づいて、通常0.1〜2質量%である。
【0188】
本発明の高分子材料を用いた化粧用調製品は、助剤として、シリコーンなどの消泡剤、マレイン酸などの構造物質、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンまたはジエチレングリコールなどの可溶化剤、ラテックス、スチレン/PVPまたはスチレン/アクリルアミド共重合体などの不透明化剤、EDTA、NTA、β−アラニン二酢酸またはホスホン酸などの錯化剤、プロパン/ブタン混合物、NO、ジメチルエーテル、CO、Nまたは空気などの噴射剤、酸化染料前駆体などのいわゆるカップラー、および顕色剤成分、チオグリコール酸とその誘導体、チオ乳酸、システアミン、チオリンゴ酸またはα−メルカプトエタンスルホン酸などの還元剤、あるいは過酸化水素、臭化カリウムまたは臭化ナトリウムなどの酸化剤を含むことができる。
【0189】
前記防虫剤としては、例えばN,N−ジエチル−m−トルアミド、1,2−ペンタンジオールまたは防虫剤3535が考慮され;適切なセルフタンニング剤は、例えばジヒドロキシアセトン、エリスルロースまたはジヒドロキシアセトンとエリスルロースとの混合物である。
【0190】
本発明の高分子材料を用いた化粧品配合物は、種々の化粧用調製品中に含有させることができる。例えば、特に以下の調製品が好ましい:
− スキンケア調製品、例えば錠剤型または液体石鹸の形態の皮膚洗浄およびクレンジング調製品、合成洗剤または洗浄用練り剤;
− 入浴調製品、例えば液体(フォームバス、ミルク、シャワー用調製品)または固形入浴調製品、例えばバスキューブおよびバスソルト;
− スキンケア調製品、例えばスキンエマルション、マルチエマルションまたはスキンオイル;
− 化粧用パーソナルケア調製品、例えばデイクリームまたはパウダークリームの形態のフェイシャルメイクアップ、おしろい(粉または固形)、ほお紅またはクリームメークアップ、アイケア調製品、例えばアイシャドウ調製品、マスカラ、アイライナー、アイクリームまたはアイフィックスクリーム;リップスティック、リップグロス、リップ輪郭ペンシル、などのリップケア調製品;ネイルラッカー、ネイルラッカーリムーバー、ネイルハードナーまたはキューティクルリムーバーなどのネールケア調製品、;
− フットケア調製品、例えば足浴、フットパウダー、フットクリームまたはフットバルサム、スペシャルデオドラントおよび制汗剤またはたこ除去用調製品;
− サンミルク、ローション、クリームもしくはオイル、サンブロックもしくはトロピカル(tropicals)、プレタンニング調製品またはアフターサン調製品などの光防御調製品;
− スキンタンニング調製品、例えばセルフタンニングクリーム;
− 脱色調製品、例えば皮膚を漂白するための調製品、または美白調製品;
− 防虫剤、例えば防虫オイル、ローション、スプレーまたはスティック;
− 脱臭スプレー、ポンプ式スプレー、デオドラントゲル、スティックまたはロールオンなどの脱臭剤;
− 制汗剤、例えば制汗スティック、クリームまたはロールオン;
− 傷ついた肌をクレンジングおよびケアするための調製品、例えば合成洗剤(固形または液体)、ピーリングもしくはスクラブ調製品またはピーリングマスク;
− 化学薬品としての除毛調製品(脱毛)、例えば除毛パウダー、液体除毛調製品、クリームもしくはペースト形態の除毛調製品、ゲル形態またはエアロゾルフォームの除毛調製品;
− シェービング調製品、例えばシェービングソープ、泡状シェービングクリーム、非泡状シェービングクリーム、フォームおよびゲル、ドライシェービングのためのプレシェーブ調製品、アフターシェーブまたはアフターシェーブローション;
− 芳香調製品、例えば芳香剤(オードコロン、オードトアレ、オードパルファン、パルファンドトアレット、パルファン)、香料油または香料クリーム;及び
− 化粧用ヘアトリートメント調製品、例えばシャンプーおよびコンディショナーの形態の洗髪調製品、ヘアケア調製品、例えばプレトリートメント調製品、ヘアトニック、スタイリングクリーム、スタイリングゲル、ポマード、ヘアリンス、トリートメントパック、強力ヘアトリートメント、ヘアストラクチャリング調製品、例えばパーマネントウェーブのためのヘアウェーブ調製品(ホットウェーブ、マイルドウェーブ、コールドウェーブ)、縮毛矯正調製品、液体へアセッティング調製品、ヘアフォーム、ヘアスプレー、漂白調製品、例えば過酸化水素溶液、ライトニングシャンプー、漂白クリーム、漂白パウダー、漂白ペーストもしくはオイル、一時的、セミパーマネントヘアカラーもしくはパーマネントヘアカラー、自動酸化染料を含む調製品、またはヘンナもしくはカモミールなどの天然ヘアカラー。
【0191】
上記の列挙された各調製品は、種々の形態で、例えば:
− W/O、O/W、O/W/O、W/O/WまたはPITエマルションおよび全種類のミクロエマルションのような液体調製品の形態で、
− ゲルの形態で、
− オイル、クリーム、ミルクもしくはローションの形態で、
− パウダー、ラッカー、錠剤もしくはメークアップの形態で、
− スティックの形態で、
− スプレー(噴射ガスを含むスプレーまたはポンプ式スプレー)もしくはエアロゾルの形態で、
− 泡の形態で、または
− ペーストの形態で
存在してもよい。
【0192】
本発明の高分子材料を用いた化粧用製剤は、前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される紫外線吸収剤をマイクロカプセルに内包した形で化粧品に配合した剤とすることも好ましい。機能性成分をカプセル化することで人体への影響を低下させたり、化合物の安定性を高めたりする手法が使用されることがある。特に、紫外線吸収剤のような光感受性がある成分を安定に使用する方法として用いられており、「シラソーマ(成和化成社商品名)」として市販のものが使用できる。前記市販の材料では、マイクロカプセル化の素材(膜材)として、シリコーン部とコラーゲンやシルクタンパクなどを加水分解して得られるポリペプチド部とからなるシリコーンレジン化ポリペプチドが使用されている(特開2001−106612号公報参照)。カプセル化する素材としては、天然高分子や合成高分子などいかなる素材でもよく、コラーゲン、ゼラチン、デキストリン、DNA等天然由来の高分子を利用することが好ましい。また、カプセル素材(膜材)に光応答性を付与することで、光に当たった部分から本発明に用いられる前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される紫外線吸収剤を放出させることも可能である。この場合、必要な場合のみ吸収剤が肌に接触するため、肌への刺激性を極力低下させ、吸収剤を安定に保持する方法として、好ましい。
【0193】
本発明の高分子材料を用いた化粧用製剤において、皮膚のための化粧用調製品の態様として特に好ましいのは、ミルク、ローション、クリーム、オイル、サンブロックもしくはトロピカルなどの光防御調製品、プレタンニング調製品またはアフターサン調製品、およびスキンタンニング調製品、例えばセルフタンニングクリームである。特に興味があるのは、サンプロテクトクリーム、サンプロテクトローション、サンプロテクトオイル、サンプロテクトミルク、およびスプレーの形態のサンプロテクト調製品である。
【0194】
本発明の高分子材料を用いた化粧用製剤において、毛髪用の化粧用調製品の態様として特に好ましくは、ヘアトリートメントのための上述の調製品、特にシャンプー、ヘアコンディショナーの形態の洗髪調製品、ヘアケア調製品、例えばプレトリートメント調製品、ヘアトニック、スタイリングクリーム、スタイリングゲル、ポマード、ヘアリンス、トリートメントパック、強力ヘアトリートメント、縮毛矯正調製品、液体ヘアセッティング調製品、ヘアフォームおよびヘアスプレーである。特に好ましいのは、シャンプーの形態の洗髪調製品である。
【0195】
前記シャンプーとしては、例えば以下の組成を有することが好ましい。
本発明に用いられる前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される紫外線吸収剤0.01〜5質量%、ラウレス−2−硫酸ナトリウム12.0質量%、コカミドプロピルベタイン4.0質量%、塩化ナトリウム3.0質量%、そして水を添加して100%とする。
【0196】
本発明の高分子材料を用いた化粧用製剤において、毛髪用の化粧用調製品の態様において、例えば、特に以下のヘア化粧配合物を用いてもよい。
)本発明に用いられる前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される紫外線吸収剤と、PEG−6−C10オキソアルコールと、セスキオレイン酸ソルビタンとからなり、水、および所望のいずれかの第四級アンモニウム化合物、例えば4%ミンクアミドプロピルジメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムクロリドまたはQuaternium 80が添加される自己乳化性原料配合物、
)本発明に用いられる前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される紫外線吸収剤と、クエン酸トリブチルと、モノオレイン酸PEG−20−ソルビタンとからなり、水、および所望のいずれかの第四級アンモニウム化合物、例えば4%ミンクアミドプロピルジメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムクロリドまたはQuaternium 80が添加される自己乳化性原料配合物、
b)ブチルトリグリコールとクエン酸トリブチル中の、本発明に用いられる前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される紫外線吸収剤の四倍濃縮溶液(quat−doped solutions);
c)本発明に用いられる前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される紫外線吸収剤の、n−アルキルピロリドンとの混合物または溶液。
【0197】
本発明の高分子材料を化粧用製剤として用いる場合、例えばクリーム、ゲル、ローション、アルコール性および水性/アルコール性溶液、水含有エマルション、油含有エマルション、ワックス/脂肪組成物、スティック製剤、粉末または軟膏に含有することで用いることができる。前記一般式(1)〜(7)のいずれかで表される化合物を用いることで、長波紫外線吸収能に優れ、しかもこの吸収能を長期間維持可能な化粧用製剤を提供できる。
【実施例】
【0198】
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0199】
合成例1
(例示化合物(70)の調製)
3,5−ジクロロアントラニル酸20.0gをN,N−ジメチルアセトアミド60mlに溶解し、この溶液に、二塩化テレフタロイル9.9gを氷冷下で分割添加し、室温で2時間反応させた。その混合物に無水酢酸40mlを加え、還流下に2時間反応させた。室温まで冷却後、濾過、アセトン洗浄することで例示化合物(70)を22.7g得た(収率92%)。
MS:m/z 506(M+)
H NMR(CDCl):δ7.91−7.92(2H),δ8.16−8.17(2H),δ8.51(4H)
λmax=363nm(EtOAc)
【0200】
合成例2
(例示化合物(75)の調製)
3,5−ジメチルアントラニル酸20.0gをN,N−ジメチルアセトアミド150mlに溶解し、この溶液に、二塩化テレフタロイル12.3gを氷冷下で分割添加し、室温で2時間反応させた。その混合物に無水酢酸40mlを加え、還流下に2時間反応させた。室温まで冷却後、濾過、アセトン洗浄することで例示化合物(75)を24.4g得た(収率95%)。
MS:m/z 424(M+)
H NMR(CDCl):δ2.47(6H),δ2.66(6H),δ7.54(2H),δ7.92(2H),δ8.45(4H)
λmax=361nm(EtOAc)
【0201】
合成例3
(例示化合物(94)の調製)
3,5−ジクロロアントラニル酸20.0gをN,N−ジメチルアセトアミド60mlに溶解し、この溶液に、2,5−チオフェンジカルボニルジクロリド10.2gを氷冷下で分割添加し、室温で2時間反応させた。その混合物に無水酢酸40mlを加え、還流下に2時間反応させた。室温まで冷却後、濾過、アセトン洗浄することで例示化合物(94)を23.0g得た(収率93%)。
【0202】
合成例4
(例示化合物(130)の調製)
4,5−ジメトキシアントラニル酸20.0gにN,N−ジメチルアセトアミド60mlを添加し、この混合物に、二塩化テレフタロイル10.3gを氷冷下で分割添加し、室温で2時間反応させた。その混合物に無水酢酸60mlを加え、還流下に2時間反応させた。室温まで冷却後、濾過、アセトン洗浄することで例示化合物(130)を23.0g得た(収率93%)。
MS:m/z 488(M+)
H NMR(CDCl):δ4.03−4.07(12H),δ7.17(2H),δ7.59(2H),δ8.42(4H)
λmax=372nm(EtOAc)
【0203】
合成例5
(例示化合物(138)の調製)
4,5−ジメトキシアントラニル酸20.0gにN,N−ジメチルアセトアミド60mlを添加し、この混合物に、2,6−ナフタレンジカルボニルジクロリド12.8gを氷冷下で分割添加し、室温で2時間反応させた。その混合物に無水酢酸60mlを加え、還流下に2時間反応させた。室温まで冷却後、濾過、アセトン洗浄することで例示化合物(138)を25.9g得た(収率95%)。
【0204】
合成例6
(例示化合物(145)の調製)
4,5−ジメトキシアントラニル酸20.0gにN,N−ジメチルアセトアミド60mlを添加し、この混合物に、2,5−チオフェンジカルボニルジクロリド10.6gを氷冷下で分割添加した。室温で2時間反応させた。その混合物に無水酢酸60mlを加え、還流下に2時間反応させた。室温まで冷却後、濾過、アセトン洗浄することで例示化合物(145)を23.1g得た(収率92%)。
MS:m/z 494(M+)
H NMR(CDCl):δ4.01−4.05(12H),δ7.09(2H),δ7.57(2H),δ7.92(2H)
λmax=401nm(EtOAc)
【0205】
(フィルムの作成)
固有粘度が0.78のポリエチレンテレフタレートのペレットを170℃で6時間乾燥したものと例示化合物(70)を混合し、押し出し機に投入した。溶融温度280℃で溶融混練し、紫外線吸収剤含有ペレットを得た。ペレットとポリエチレンテレフタレートを混合し、280℃で溶融混練を行い、厚み100μmのフィルムを得た。同様にして、例示化合物(75)、例示化合物(94)、例示化合物(130)、例示化合物(138)、例示化合物(145)、比較化合物A及びBについてフィルムを作成した。作成したフィルムについて、それぞれキセノンランプで照度17万ルクスになるように光照射し、1000時間照射後の各フィルムの面状を確認したところ、本発明の例示化合物(70)、例示化合物(75)、例示化合物(94)、例示化合物(130)、例示化合物(138)、例示化合物(145)を含有するフィルムはブリードアウトがなく良好な面状であったが、比較化合物A及びBを含有するフィルムはブリードアウトして白くなっており汚れていた。
【0206】
例示化合物(70)1mgを酢酸エチル100mlに溶解し、試料溶液を調製した。同様にして、例示化合物(75)、例示化合物(94)、例示化合物(130)、例示化合物(138)、例示化合物(145)、比較化合物A及びBについて試料溶液を調製した。試料溶液はそれぞれ1cm石英セルにて島津製作所製分光光度計UV−3600(商品名)を用いて吸光度を測定した。この試料溶液を封入したセルに対して、UVフィルタを除去したキセノンランプで照度17万ルクスになるように光照射し、2日間照射後の各化合物の残存量をそれぞれ測定した。残存量は次式に従い計算した。
残存量(%)=100×(100−照射後の透過率)/(100−照射前の透過率)
なお、透過率はそれぞれの化合物の極大吸収波長で測定した値である。結果を表1に示す。
【0207】
【表1】

【0208】
【化34】

【0209】
表1の結果から明らかなように、本発明の化合物を含有するフィルムは、比較化合物A及びB(UV−A領域に吸収を有する既存の紫外線吸収剤)を含有するフィルムと比較して、紫外線吸収剤の残存率が高く、光照射によって分解しにくいことがわかった。このことから、本発明の高分子材料は、長波紫外線吸収能に優れ、かつこの吸収能が長期間維持し、耐光性に優れることがわかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される化合物を高分子物質に含有させてなることを特徴とする高分子材料。
【化1】

[式中、Arは、1〜10価の5〜20員環の芳香族残基を表す。また、該芳香族残基はヘテロ原子を含有していても良い。但し、mが2のとき、Arは、p−フェニレン、2価の炭素数10以上で環を形成する5〜20員環の炭化水素系芳香族残基、および2価の5〜20員環のヘテロ環残基である。また、Arは置換基を有していても良い。
Arに結合している環は、任意の位置に二重結合を有していても良い。
1a及びX1bは、互いに独立してヘテロ原子を表す。また、X1a及びX1bは置換基を有していても良い。
は、1価の置換基を表す。
は、2〜4の整数を表す。
は、1〜10の整数を表す。]
【請求項2】
前記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする、請求項1記載の高分子材料。
【化2】

[式中、Arは、前記一般式(1)のArと同義である。
は、前記一般式(1)のYと同義である。
は、前記一般式(1)のnと同義である。
は、前記一般式(1)のmと同義である。]
【請求項3】
前記一般式(2)で表される化合物が下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする、請求項2記載の高分子材料。
【化3】

[式中、Arは、p−フェニレン、2価の炭素数10以上で環を形成する5〜20員環の炭化水素系芳香族残基、および2価の5〜20員環のヘテロ環残基を表す。また、Arはヘテロ原子を含有していても良く、置換基を有していても良い。
は、前記一般式(2)のYと同義である。
は、前記一般式(2)のnと同義である。]
【請求項4】
前記一般式(3)で表される化合物が下記一般式(4)で表される化合物であることを特徴とする、請求項3記載の高分子材料。
【化4】

[式中、Yは、前記一般式(3)のYと同義である。
は、前記一般式(3)のnと同義である。]
【請求項5】
前記一般式(4)で表される化合物が下記一般式(5)で表される化合物であることを特徴とする、請求項4記載の高分子材料。
【化5】

[式中、Y5a、Y5b、Y5c及びY5dは、それぞれ前記一般式(4)のYと同義である。]
【請求項6】
前記一般式(5)で表される化合物が下記一般式(6)で表される化合物であることを特徴とする、請求項5記載の高分子材料。
【化6】

[式中、Y6a、Y6b、Y6c及びY6dは、それぞれ互いに独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数10以下のアルコキシ基、ヒドロキシ基、またはハロゲン原子を表す。]
【請求項7】
前記一般式(6)で表される化合物が下記一般式(7)で表される化合物であることを特徴とする、請求項6記載の高分子材料。
【化7】

[式中、Y7a、Y7b、Y7c及びY7dは、それぞれ互いに独立して、ハロゲン原子を表す。]
【請求項8】
前記高分子物質がポリアクリル酸エステル、ポリカーボネートまたはポリエステルである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の高分子材料。
【請求項9】
前記高分子物質がポリエステルである、請求項8記載の高分子材料。
【請求項10】
前記高分子物質がポリエチレンテレフタレートである、請求項9記載の高分子材料。

【公開番号】特開2010−77064(P2010−77064A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−246825(P2008−246825)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】