説明

高分子電解質濃度の測定方法及び測定装置

【課題】試料溶液中に含まれる高分子電解質の実効濃度を簡便かつ正確に測定する方法及び装置を提供する。
【解決手段】試料溶液中に含まれる高分子電解質の濃度を測定する方法であって、予め試料溶液に所定量のプローブとなる有機イオン物質を添加し高分子電解質と反応せしめた後、未反応の有機イオンの濃度を有機イオンセンサを用いて測定することにより高分子電解質の濃度を求める方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品、食品、化粧品、水処理用薬品等にて用いられる高分子電解質の濃度の測定方法及び測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高分子電解質は界面に吸着し、保護コロイド作用、ゲル化作用等の諸機能を発現させ、少量の添加で高いパフォーマンスを得られることから、医薬品、食品、化粧品、塗料、水処理用薬品等の広範囲な産業分野の製品へ応用されている(非特許文献1参照)。より具体的には、例えば医薬品として用いられる血液凝固阻害剤(ヘパリンなど)、食品として用いられるゲル化剤(カラギーナンなど)、化粧品として用いられる乳化助剤(ヒアルロン酸ナトリウムなど)、水処理用薬品として用いられるスケール防止剤(ポリアクリル酸など)や高分子凝集剤(アルキルアミノメタクリレート4級塩重合物など)などがある。
【0003】
高分子電解質の機能の最適化をはかるためには、高分子電解質の濃度を測定して最適な濃度に調整、維持することが必要不可欠である。高分子電解質の濃度測定方法としては従来より酸塩基滴定法、コロイド滴定法などが知られている。
【0004】
酸塩基滴定法とは酸または塩基の中和反応に基づく滴定法であり、中和滴定と呼ぶこともある。アニオン性高分子電解質を含む試料溶液に対して酸の標準液あるいは塩基(アルカリ)標準液で滴定する滴定法、カチオン性高分子電解質を含む試料溶液に対して酸の標準液あるいは塩基(アルカリ)標準液で滴定する滴定法が高分子電解質の溶存状態とその酸性度あるいは塩基性度に応じて用いられる。
【0005】
コロイド滴定とはポリカチオン(多価陽イオン)とポリアニオン(多価陰イオン)が定量的に反応して沈殿を生じることを利用する滴定分析法であり、ポリカチオン試薬としてはメチルグリコールキトサンなど、ポリアニオン試薬としてはポリ硫酸ビニルカリウムなどが用いられる。終点決定は例えばトルイジンブルーを指示薬としてその変色を利用する。
【0006】
また、例えば冷却水、ボイラー水等の工業用水系ではスケール防止剤としてポリアクリル酸系の高分子電解質が注入されているが、その濃度を維持する目的で、スケール防止剤を含む薬剤にトレーサ物質としてリチウムの水溶性塩を一定量添加し、そのリチウム濃度を測定することでスケール防止剤を含む薬剤の濃度を算出する方法が特許文献1に開示されている。通常、スケール防止剤濃度は蒸発、飛散、排出等により増減し、スケール防止剤の濃度が不足するとスケールが発生するという問題が生じる。一方、スケール防止剤を過剰に注入するとゲル化現象が発生する。またスケール防止剤コストが嵩むという問題もある。特許文献1により開示された方法により、スケール防止剤の濃度が適切な範囲に制御されることが示されている。
【0007】
またさらに本発明者らは特許文献2において、1)試料溶液中に含まれる有効なスケール防止剤濃度を金属イオン電極を用いて測定すること、2)試料溶液にカルシウムイオン等のスケール成分と競争するプローブ金属イオンを加えてスケール防止剤/カルシウムイオン等のスケール成分/プローブ金属イオンの三成分の間に化学平衡を成立させ、その時のプローブ金属イオン濃度を金属イオン電極を用いて測定すること、3)試料溶液にカルシウムイオン等のスケール成分と競争するプローブ金属イオンとプローブ金属イオンと反応するプローブ陰イオンを加えスケール防止剤/カルシウムイオン等のスケール成分/プローブ金属イオン/プローブ陰イオンの四成分の間に化学平衡を成立させ、その時のプローブ陰イオン濃度を陰イオン電極を用いて測定すること、4)試料溶液にカルシウム等スケール成分と競争するプローブ金属イオンとしてFe2+イオン及びFe3+イオンを加えてスケール防止剤/カルシウムイオン等のスケール成分/Fe2+イオン/Fe3+イオンの四成分の間に化学平衡を成立させて、その時のFe2+イオンとFe3+イオンの濃度比を酸化還元電極を用いて測定すること、により有効なスケール防止剤の濃度を測定する方法及び装置を開示している。
【0008】
【特許文献1】特開2004−4045号公報
【特許文献2】特開2006−215014号公報
【非特許文献1】水溶性高分子の機能と応用、堀内照夫監修、シーエムシー出版(2000)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
酸塩基滴定ならびにコロイド滴定は操作が煩雑であり、自動化した装置は大型化しコストがかさむという問題がある。また滴定終点の確認が困難な場合が多く、測定値の信頼性に欠けるという問題もある。
【0010】
特許文献1に開示された方法では、トレーサ物質として共存させたリチウムイオンが高分子電解質であるスケール防止剤と水中にて同じ挙動を示すことが前提となっている。しかしながらスケール防止剤は効果を発現すると共に消費されて濃度が減少するため、実際のスケール防止剤濃度(実効濃度)と一致しないという問題がある。
【0011】
特許文献2にて開示された方法では、適用可能なpH範囲が限られており、pH調整が必要であるという課題を有する。またプローブとして重金属イオンを用いることから、環境面での適合性に若干問題がある。さらに、重金属イオンとして銅イオンを用いた場合、アニオン部に錯形成能が不可欠で、例えばスルホン酸のみを有する高分子電解質などには適用できないという問題もある。
【0012】
本発明は、試料溶液中に含まれる高分子電解質の実効濃度を簡便かつ正確に測定する方法及び装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、試料溶液中に含まれる高分子電解質の濃度を測定する方法であって、予め試料溶液に所定量のプローブとなる有機イオン物質を添加し高分子電解質と反応せしめた後、未反応の有機イオンの濃度を有機イオンセンサを用いて測定することにより前記高分子電解質の濃度を求める高分子電解質濃度の測定方法である。
【0014】
また、前記高分子電解質濃度の測定方法において、前記有機イオンが、有機アンモニウムイオン、有機ホスホニウムイオン、有機ホスホン酸イオン、有機リン酸モノエステルイオン、有機リン酸ジエステルイオン、有機スルホン酸イオン、有機硫酸モノエステルイオン、有機ボロン酸イオンのうち少なくとも1つを含むことが好ましい。
【0015】
また、前記高分子電解質濃度の測定方法において、前記有機イオンセンサが液膜型イオン電極であることが好ましい。
【0016】
また、本発明は、試料溶液中に含まれる高分子電解質の濃度を測定する装置であって、試料溶液にプローブとなる有機イオン物質を加える添加手段と、有機イオンの濃度を測定する有機イオンセンサと、前記有機イオンセンサの信号を測定する測定手段と、前記測定手段により測定した測定値から高分子電解質濃度に換算する演算手段と、を有する高分子電解質濃度の測定装置である。
【0017】
また、前記高分子電解質濃度の測定装置において、前記有機イオンセンサが液膜型イオン電極であることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明により従来法と比べて、試料溶液中に含まれる高分子電解質の実効濃度を簡便かつ正確に測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
【0020】
本発明の実施形態に係る高分子電解質濃度測定装置の構成の一例を図1に示す。高分子電解質濃度測定装置1は、高分子電解質濃度を測定するための測定セル10と、有機イオン濃度を測定する有機イオンセンサである有機イオン選択性電極12及び参照電極14と、試料溶液を送液する試料溶液送液手段である試料溶液送液ポンプ16と、試料溶液にプローブとなる有機イオン物質を加える添加手段であるプローブ溶液注入ポンプ18と、プローブ溶液を貯蔵する貯蔵手段であるプローブ溶液タンク20と、有機イオンセンサの信号を測定する測定手段である測定部22と、測定部22により測定した測定値から高分子電解質濃度に換算する演算手段である演算部24と、制御手段である制御部26と、測定結果を表示する表示手段である表示部28と、を備える。なお、図1の構成は一例であって、これに限定されるものではない。
【0021】
図1の高分子電解質濃度測定装置1において、試料溶液配管が試料溶液送液ポンプ16を介して測定セル10の試料溶液入口34に接続され、廃液出口36には廃液配管が接続されている。プローブ溶液タンク20の出口は、試料溶液送液ポンプ16と試料溶液入口34との間の試料溶液配管にプローブ溶液配管によりプローブ溶液注入ポンプ18を介して接続されている。測定セル10には有機イオン選択性電極12及び参照電極14が設置され、各電極の計測部は測定セル10の流路32内で試料溶液に接触するようになっている。有機イオン選択性電極12及び参照電極14には測定部22が、測定部22には演算部24が、演算部24には制御部26及び表示部28がそれぞれ情報伝達可能に接続されている。また、制御部26には、測定対象の高分子電解質を使用する系における高分子電解質添加手段である制御ポンプ30が情報伝達可能に接続されてもよい。
【0022】
高分子電解質濃度の測定方法及び高分子電解質濃度測定装置1の動作を説明する。高分子電解質を含む試料溶液が試料溶液送液ポンプ16により測定セル10の試料溶液入口34から流路32に供給される。このとき試料溶液配管においてプローブ溶液タンク20からプローブ溶液注入ポンプ18により所定量のプローブとなる有機イオン物質を含むプローブ溶液が注入、混合され、高分子電解質と有機イオン物質から生成する有機イオンとが反応する。なお、測定セル10の前段側に試料溶液とプローブ溶液とを混合する混合槽を別途設けても良い。プローブ溶液が注入された試料溶液は、流路32内を流れた後、廃液出口36から排出される。排出された廃液は通常は廃棄されるが、必要に応じて測定対象の高分子電解質を使用する系に返送しても良い。測定セル10は図1の例ではフローセル型を図示したが容器型等でも構わない。
【0023】
測定セル10において有機イオン選択性電極12及び参照電極14により、流路32内の試料溶液の電位が測定される。有機イオン選択性電極12及び参照電極14による応答電位は直流電位差測定回路等を含む測定部22で測定され、その測定値は演算部24に送られる。演算部24では、予め測定された検量線に従い高分子電解質濃度を算出する。測定された濃度は表示部28に表示する他、またさらには、制御部26により制御ポンプ30を制御することにより、測定対象の高分子電解質を使用する系における高分子電解質の濃度を調整する、例えば冷却水、ボイラー水等の系内に含まれる有効なスケール防止剤濃度が減少した時にスケール防止剤を自動的に添加することも可能である。
【0024】
本実施形態において、高分子電解質に対する有機イオン物質の添加量は、予め検量線を作成して、高分子電解質の活性が残っている官能基と有機イオン物質から生成する有機イオンとの相互作用の強さ等に応じて適宜決めればよい。これにより、高分子電解質の実効濃度(活性が残っている官能基を有する高分子電解質の濃度)を正確に測定することができる。
【0025】
有機イオンセンサとしては公知の方法を用いることができ、例えば、液膜型イオン電極、ガラス薄膜型イオン電極、固体膜型イオン電極等のイオン電極や、UVセンサ、電気伝導率センサ等が挙げられるが、操作の簡便性、コスト、感度等の観点から液膜型イオン電極を用いることが好ましい。液膜型イオン電極とは有機膜中に感応物質を閉じ込め、試料溶液と接した膜表面で発生する電位を測定することにより、試料溶液中に含まれる被測定物質の濃度を測定する方法である。
【0026】
イオン電極測定法の測定原理を説明する。イオン電極測定法では、有機イオン選択性電極12と参照電極14との組み合わせからなる一対の電極が用いられる。有機イオン選択性電極12は特定の有機イオンに対して選択的に応答する感応膜を有し、この感応膜が試料溶液中の特定の有機イオンに接すると、その濃度に応じた膜電位を生じる。試料溶液中に浸漬させた参照電極14を有機イオン選択性電極12の対極として測定部22の直流電位差計に接続し、両電極間の電位差を測定することにより膜電位が測定される。このとき直流電位差計により測定される相対電位を応答電位という。
【0027】
応答電位Eと試料溶液中のイオン濃度Cの間には一般に下記式(1)の関係が成立する。この式はネルンスト式と呼ばれる。
E=E0+(2.303RT/ZF)×LogC (1)
【0028】
ここでE0は25℃での標準電極電位、Rは気体定数、Tは絶対温度、Zは測定対象イオンの電荷数、Fはファラデー定数、Logは常用対数である。式(1)中の(2.303RT/ZF)をネルンスト定数と呼び、イオン濃度が10倍変化した場合のこの定数値を理論応答勾配又はネルンスト勾配という。例えば1価イオンの25℃でのネルンスト勾配理論値は約59mVとなる。イオン電極測定法については、例えば参考資料に詳しい(参考資料:イオン電極測定方法通則(JIS K 0122、日本規格協会発行))。イオン電極測定法は簡便かつ迅速にイオン濃度を測定することが可能である。
【0029】
有機イオン選択性電極12としては先に記述した通り、イオンに対し選択的に応答する感応膜があり、この感応膜が試料溶液中のイオンと接すると、その濃度に応じた膜電位を生じるものをいう。本実施形態では特に、プローブ有機イオンを測定する有機イオン選択性電極を用いる。
【0030】
プローブ有機イオンを測定する有機イオン選択性電極12に用いる感応膜の組成としては公知のものを用いることができるが、膜溶媒を含むポリ塩化ビニル膜にプローブとなる有機イオンの反対電荷を有する有機イオンを含有させたものが好適に用いられる。また併せてプローブとして用いる有機イオンを含有させることも有効である。
【0031】
陰イオン性高分子電解質濃度を計測する場合にはプローブ有機イオンとして有機アンモニウムイオンや、有機ホスホニウムイオン等の陽イオンを用いることができ、その一例としてヘキサデシルトリメチルアンモニウムイオンを添加して計測する場合、イオン電極としては膜溶媒として2−ニトロフェニルオクチルエーテル、プローブとなる有機イオンの反対電荷を有する有機イオンとしてテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸イオン(TFPB)を含むポリ塩化ビニル膜を、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムイオン(HDTMA)でコンディショニングしたものが好適に用いられる。その他の組み合わせとしては、例えばTFPBの代わりには各種の脂溶性陰イオンを、HDTMAの代わりには各種の脂溶性陽イオンを用いることができる。
【0032】
陽イオン性高分子電解質濃度を計測する場合にはプローブ有機イオンとして有機ホスホン酸イオン、有機リン酸モノエステルイオン、有機リン酸ジエステルイオン、有機スルホン酸イオン、有機硫酸モノエステルイオン、有機ボロン酸イオン等の陰イオンを用いることができ、その一例としてドデシル硫酸イオンを添加して計測する場合、イオン電極としては膜溶媒として2−ニトロフェニルオクチルエーテル、プローブとなる有機イオンの反対電荷を有する有機イオンとしてトリドデシルメチルアンモニウムイオン(TDMA)を含むポリ塩化ビニル膜を、ドデシル硫酸イオン(DS)でコンディショニングしたものが好適に用いられる。その他の組み合わせとしては、例えばTDMAの代わりには各種の脂溶性陽イオンを、DSの代わりには各種の脂溶性陰イオンを用いることができる。
【0033】
参照電極14としては基準電位を発生するものであれば良く、例えば銀/塩化銀電極が好適に用いられる。
【0034】
測定部22の直流電位差計は高入力インピーダンスの回路であればよく、特に低ノイズの回路が好ましい。
【0035】
演算部24としては、応答電位を高分子電解質濃度へ変換する機能を有するものであればよく、特にマイクロコンピュータの利用が好ましい。
【0036】
プローブ有機イオンとしては、測定対象である高分子電解質の反対荷電を有し、試料溶液に溶解し、高分子電解質の官能基と反応する有機イオンであればよく、例えば、有機アンモニウムイオン、有機ホスホニウムイオン、有機ホスホン酸イオン、有機リン酸モノエステルイオン、有機リン酸ジエステルイオン、有機スルホン酸イオン、有機硫酸モノエステルイオン、有機ボロン酸イオンのうち少なくとも1つを用いることができる。これらの有機イオンに選択性のある有機イオン選択性電極は一般に作製可能である。プローブ有機イオンとして用いる有機イオンは通常1種類を用いるが、必要に応じて2種類以上の有機イオンを用いて、それらに応じた有機イオン選択性電極を複数使用しても良い。これにより異なった官能基を区別してその濃度を計測できるという利点がある。
【0037】
有機アンモニウムイオンとしては下記化学式(1)に示される4級アンモニウムイオンであれば良く、R1〜R4は炭素数1〜20の置換基であり、同じであっても、異なっていても構わない。また直鎖構造を有するものであっても、環状構造を有するものであっても構わない。R1〜R4は任意に結合して環を形成してもよい。R1〜R4で示される置換基としては、例えば炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基等であり、これらはさらに1つ以上のアルキル基、アリール基、ハロゲン基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシル基等の置換基を有していてもよい。R1〜R4で示される置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基が好ましい。このような構造を有する有機アンモニウムイオンとして例えば、テトラメチルアンモニウムイオン、ヘキシルトリメチルアンモニウムイオン、ドデシルトリメチルアンモニウムイオン、ミリスチルトリメチルアンモニウムイオン、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムイオン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムイオン、トリブチルメチルアンモニウムイオン、メチルトリオクチルアンモニウムイオン、トリドデシルメチルアンモニウムイオン、テトラヘプチルアンモニウムイオン、セチルピリジニウムイオン、トリメチルフェニルアンモニウムイオンなどが挙げられる。
【0038】
【化1】

化学式(1)
【0039】
有機ホスホニウムイオンとしては下記化学式(2)に示される4級ホスホニウムイオンであれば良く、R5〜R8は炭素数1〜20の置換基であり、同じであっても、異なっていても構わない。また直鎖構造を有するものであっても、環状構造を有するものであっても構わない。R5〜R8は任意に結合して環を形成してもよい。R5〜R8で示される置換基としては、例えば炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基等であり、これらはさらに1つ以上のアルキル基、アリール基、ハロゲン基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシル基等の置換基を有していてもよい。R5〜R8で示される置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基が好ましい。このような構造を有する有機ホスホニウムイオンとして例えば、テトラメチルホスホニウムイオン、テトラフェニルホスホニウムイオンなどが挙げられる。
【0040】
【化2】

化学式(2)
【0041】
有機ホスホン酸イオンとしては下記化学式(3)に示されるホスホン酸イオンであれば良く、R9は炭素数1〜20の置換基であり、同じであっても、異なっていても構わない。また直鎖構造を有するものであっても、環状構造を有するものであっても構わない。R9で示される置換基としては、例えば炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基等であり、これらはさらに1つ以上のアルキル基、アリール基、ハロゲン基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシル基等の置換基を有していてもよい。R9で示される置換基としては炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基が好ましい。このような構造を有する有機ホスホン酸イオンとして例えばヘプチルホスホン酸イオン、フェニルホスホン酸イオン、4−エチルフェニルホスホン酸イオンなどが挙げられる。
【0042】
【化3】

化学式(3)
【0043】
有機リン酸モノエステルイオンとしては下記化学式(4)に示されるリン酸エステルイオンであれば良く、R10は炭素数1〜20の置換基であり、同じであっても、異なっていても構わない。また直鎖構造を有するものであっても、環状構造を有するものであっても構わない。R10で示される置換基としては、例えば炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基等であり、これらはさらに1つ以上のアルキル基、アリール基、ハロゲン基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシル基等の置換基を有していてもよい。R10で示される置換基としては炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基が好ましい。このような構造を有する有機リン酸モノエステルイオンとして例えばトリデシルリン酸イオン、1−ナフチルリン酸イオン、4−メチルフェニルリン酸イオンなどが挙げられる。
【0044】
【化4】

化学式(4)
【0045】
有機リン酸ジエステルイオンとしては下記化学式(5)に示されるリン酸ジエステルイオンであれば良く、R11〜R12は炭素数1〜20の置換基であり、同じであっても、異なっていても構わない。また直鎖構造を有するものであっても、環状構造を有するものであっても構わない。R11〜R12は任意に結合して環を形成してもよい。R11〜R12で示される置換基としては、例えば炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基等であり、これらはさらに1つ以上のアルキル基、アリール基、ハロゲン基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシル基等の置換基を有していてもよい。R11〜R12で示される置換基としては炭素数1〜20のアルキル基、アリール基が好ましい。このような構造を有する有機リン酸ジエステルイオンとして例えばジブチルリン酸イオン、ジフェニルリン酸イオンなどが挙げられる。
【0046】
【化5】

化学式(5)
【0047】
有機スルホン酸イオンとしては下記化学式(6)に示されるスルホン酸イオンであれば良く、R13は炭素数1〜20の置換基であり、直鎖構造を有するものであっても、環状構造を有するものであっても構わない。R13で示される置換基としては、例えば炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基等であり、これらはさらに1つ以上のアルキル基、アリール基、ハロゲン基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシル基等の置換基を有していてもよい。R13で示される置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、アルキルアリール基が好ましい。このような構造を有する有機スルホン酸イオンとして例えば、オクタンスルホン酸イオン、オクチルベンゼンスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオンなどが挙げられる。
【0048】
【化6】

化学式(6)
【0049】
有機硫酸モノエステルイオンとしては下記化学式(7)に示される硫酸モノエステルイオンであれば良く、R14は炭素数1〜20の置換基であり、直鎖構造を有するものであっても、環状構造を有するものであっても構わない。R14で示される置換基としては、例えば炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基等であり、これらはさらに1つ以上のアルキル基、アリール基、ハロゲン基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシル基等の置換基を有していてもよい。R14で示される置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。このような構造を有する有機硫酸モノエステルイオンとして例えば、ドデシル硫酸イオン、ヘキサデシル硫酸イオン、オクタデシル硫酸イオンなどが挙げられる。
【0050】
【化7】

化学式(7)
【0051】
有機ボロン酸イオンとしては下記化学式(8)に示されるボロン酸イオンであれば良く、R15〜R18は炭素数1〜20の置換基であり、同じであっても、異なっていても構わない。また直鎖構造を有するものであっても、環状構造を有するものであっても構わない。R15〜R18は任意に結合して環を形成してもよい。R15〜R18で示される置換基としては、例えば炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基等であり、これらはさらに1つ以上のアルキル基、アリール基、ハロゲン基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシル基等の置換基を有していてもよい。R15〜R18で示される置換基としては、炭素数1〜20のアリール基が好ましく、これらはさらに1つ以上のハロゲン基、ハロゲン化アルキル基を有していてもよい。このような構造を有する有機ボロン酸イオンとして例えば、テトラフェニルボロン酸イオン、テトラキス(4−クロロフェニル)ボロン酸イオン、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸イオンなどが挙げられる。
【0052】
【化8】

化学式(8)
【0053】
上記各有機イオンにおけるR1〜R18で示される置換基は炭素数が1〜20の範囲であるが、炭素数が0、すなわち置換基として水酸基等を含むと、測定のpH依存性が大きくなる場合があり、炭素数が20を超えると水への溶解性が乏しくなる場合がある。また一般に炭素数が20を超えるものは入手が困難である。
【0054】
本実施形態において、測定対象となる高分子電解質としては、水中等で解離して電荷を有する官能基を含む高分子化合物であれば良く特に制限はない。例えば医薬品として用いられる血液凝固阻害剤(ヘパリンなど)、食品として用いられるゲル化剤(カラギーナンなど)、化粧品として用いられる乳化助剤(ヒアルロン酸ナトリウムなど)、水処理用薬品として用いられるスケール防止剤(ポリアクリル酸など)や高分子凝集剤(アルキルアミノメタクリレート4級塩重合物など)などが挙げられる。スケール防止剤や高分子凝集剤の溶液中の実効濃度の測定方法はこれまでほとんど知られておらず、本実施形態に係る測定方法及び測定装置を用いることにより、試料溶液中に含まれるスケール防止剤や高分子凝集剤の実効濃度を簡便かつ正確に測定することができる。
【0055】
試料溶液に用いられる溶媒としては、水や、水とメタノール、エタノール等の有機溶媒との混合溶媒等を挙げることができ、通常は水である。
【0056】
測定温度は、特に限定されないが、通常5℃〜50℃の範囲である。測定温度が5℃未満では有機イオンと高分子電解質の反応が遅く、50℃を超えると液膜型イオン電極の安定性に問題が生じる場合があるためである。また、本実施形態に係る測定方法ではpH依存性が従来の方法に比べて低いため、測定時のpHは特に制限はない。
【0057】
本実施形態に係る高分子電解質濃度の測定方法及び測定装置を用いることにより、従来法と比べて、高分子電解質濃度を簡便かつ正確に測定することができ、その結果、高分子電解質濃度を最適濃度に制御することが容易となり、産業上有用である。また従来技術に比べpH等の測定条件が緩和され、またプローブとして環境適合性の高い有機イオンを用いることにより廃液処理等のコストを減じることが可能となる。
【実施例1】
【0058】
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0059】
[実施例1]
(イオン電極)
膜溶媒として同仁化学研究所製2−ニトロフェニルオクチルエーテルを132mg、プローブとなる有機イオンの反対電荷を有する有機イオンとして同仁化学研究所製テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸ナトリウム(Na−TFPB)2mgを含むポリ塩化ビニル膜を作製し、これを10-3Mの塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(HDTMA−Cl)溶液中で室温(25℃)で一晩撹拌することにより感応膜を調製した。該感応膜をφ6mmに切り出し、ポリ塩化ビニル製の筒に貼り付け、内部電極には銀/塩化銀電極、内部液には10-2Mの塩化ナトリウム溶液を用いたHDTMAイオン電極を作製した。
【0060】
(測定装置)
上記HDTMAイオン電極と参照電極(東亜ディーケーケー社製HS−305D)を自作直流電位差計に接続して測定装置とした。
【0061】
(測定手順:検量線の作成)
1)高分子電解質としてポリアクリル酸(重量平均分子量4500)を10-6.5M〜10-3.5M含む試料溶液にプローブ有機イオンとしてヘキサデシルトリメチルアンモニウムイオン(HDTMAイオン)を10-6M〜10-4.5Mとなるように添加した。
2)プローブ有機イオンを添加した各試料溶液にHDTMAイオン電極及び参照電極を浸漬させて応答電位を測定した。
【0062】
(結果)
測定結果を図2に示す。横軸は試料溶液中に含まれるポリアクリル酸の濃度、縦軸は応答電位である。添加したHDTMAイオンの濃度はAが10-4.5M、Bが10-5M、Cが10-5.5M、Dが10-6Mである。図2から明らかなように、AとBではポリアクリル酸濃度が10-5.5M〜10-4Mの範囲で応答を示しており、このような試験で予め最適なプローブ有機イオン濃度を求めておくことにより、ポリアクリル酸濃度を簡便に測定可能であることは明らかである。
【0063】
[実施例2]
(測定手順)
1)高分子電解質としてポリアクリル酸を10-4M含む試料溶液に塩化カルシウムをカルシウムイオン濃度で10-6M〜10-3Mとなるよう添加したサンプルを用意した。pHは8.0±0.1となるように調整した。
2)各サンプルにプローブ有機イオンとしてHDTMAイオンを10-5Mとなるよう添加した。
3)HDTMAイオン電極及び参照電極を浸漬させて応答電位を測定した。
【0064】
(結果)
測定結果を図3に示す。横軸は試料溶液中に含まれるカルシウムイオンの濃度、縦軸は応答電位である。ポリアクリル酸は溶液中のカルシウムイオンと結合することで消費されるが、本測定ではカルシウムイオンの増加と共に応答電位は上昇(図2よりポリアクリル酸濃度は低下)しており、ポリアクリル酸の実効濃度が測定できることは明らかである。
【0065】
[実施例3]
(測定手順)
1)高分子電解質としてpH8.0〜10.0に調整されたポリアクリル酸を10-6.5M〜10-3.5M含む試料溶液を用意した。
2)各サンプルにプローブ有機イオンとしてHDTMAイオンを10-5Mとなるよう添加した。
3)HDTMAイオン電極及び参照電極を浸漬させて応答電位を測定した。
【0066】
[比較例1]
(測定手順)
1)高分子電解質としてpH8.0〜10.0に調整されたポリアクリル酸を10-6.3M〜10-3.3M含む試料溶液を用意した。
2)各サンプルにプローブ金属イオンとして無機イオンであるCuイオンを10-5Mとなるように添加した。
3)銅イオン電極(東亜ディーケーケー株式会社製、型番CU−2021)及び参照電極を浸漬させて応答電位を測定した。
【0067】
(結果)
比較例1は本発明者らによる特開2006−215014号公報に開示された方法である。実施例3の結果を図4に、比較例1の結果を図5に示す。実施例3の方法により、pHの影響を減じることが出来るのは明らかである。また銅イオンを用いる必要が無くなることから、測定後の廃液処理も容易となった。
【0068】
[実施例4]
膜溶媒として同仁化学研究所製2−ニトロフェニルオクチルエーテルを660mg、プローブとなる有機イオンの反対電荷を有する有機イオンとしてFluka製トリドデシルメチルアンモニウムクロライド61mgを含むポリ塩化ビニル膜を作製し、これを10-2Mのドデシル硫酸ナトリウム(Na−DS)溶液中、室温(25℃)にて一晩撹拌することにより感応膜を調製した。該感応膜をφ6mmに切り出し、ポリ塩化ビニル製の筒に貼り付け、内部電極には銀/塩化銀電極、内部液には10-2Mの塩化ナトリウム溶液を用いたDSイオン電極を作製した。
【0069】
(測定装置)
実施例1と同じものを用いた。
【0070】
(測定手順:検量線の作成)
1)高分子凝集剤として用いられる陽イオン性高分子電解質であるポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドを官能基換算で10-6.6〜10-3.9M含む試料溶液(リン酸緩衝液によりpHは7.0±0.1に調整)にプローブ有機イオンとしてドデシル硫酸イオンを10-5Mとなるように添加した。
2)プローブ有機イオンを添加した各試料溶液にDSイオン電極及び参照電極を浸漬させて応答電位を測定した。
【0071】
(結果)
測定結果を図6に示す。横軸は試料溶液中に含まれるポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドの濃度(官能基換算)、縦軸は応答電位である。図6から明らかなように、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド濃度に対する応答を示しており、このような試験で予め最適なプローブ有機イオン濃度を求めておくことにより、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド濃度を簡便に測定可能であることは明らかである。
【0072】
[実施例5]
実施例1において、高分子電解質としてポリアクリル酸の代わりに血液凝固阻害剤であるヘパリンを10-8.5〜10-5.7M含む試料溶液に、プローブ有機イオンとしてHDTMAイオンを10-5Mとなるように添加したこと以外は、実施例1と同様にして応答電位を測定した。結果を図7に示す。
【0073】
[実施例6]
実施例1において、高分子電解質としてポリアクリル酸の代わりにゲル化剤であるアルギン酸ナトリウムを10-6.5〜10-3.5M含む試料溶液に、プローブ有機イオンとしてHDTMAイオンを10-5Mとなるように添加したこと以外は、実施例1と同様にして応答電位を測定した。結果を図8に示す。
【0074】
このように、実施例の高分子電解質濃度の測定方法により従来法と比べて、迅速簡便に、高分子電解質の実効濃度を正確に測定できた。また、pHを調整しなくても良くなり、併せてプローブとして有害性が低く環境適合性の高い有機イオンを用いることができることから、測定条件が緩和されると共に廃液処理等のコストを減じることができた。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施形態に係る高分子電解質濃度測定装置の構成の一例を示す概略図である。
【図2】本発明の実施例1におけるイオン電極の検量線を示す図である。
【図3】本発明の実施例2におけるイオン電極の応答を示す図である。
【図4】本発明の実施例3におけるイオン電極の応答のpH依存性を示す図である。
【図5】本発明の比較例1におけるイオン電極の応答のpH依存性を示す図である。
【図6】本発明の実施例4におけるイオン電極の応答を示す図である。
【図7】本発明の実施例5におけるイオン電極の応答を示す図である。
【図8】本発明の実施例6におけるイオン電極の応答を示す図である。
【符号の説明】
【0076】
1 高分子電解質濃度測定装置、10 測定セル、12 有機イオン選択性電極、14 参照電極、16 試料溶液送液ポンプ、18 プローブ溶液注入ポンプ、20 プローブ溶液タンク、22 測定部、24 演算部、26 制御部、28 表示部、30 制御ポンプ、32 流路、34 試料溶液入口、36 廃液出口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料溶液中に含まれる高分子電解質の濃度を測定する方法であって、
予め試料溶液に所定量のプローブとなる有機イオン物質を添加し高分子電解質と反応せしめた後、未反応の有機イオンの濃度を有機イオンセンサを用いて測定することにより前記高分子電解質の濃度を求めることを特徴とする高分子電解質濃度の測定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の高分子電解質濃度の測定方法であって、
前記有機イオンが、有機アンモニウムイオン、有機ホスホニウムイオン、有機ホスホン酸イオン、有機リン酸モノエステルイオン、有機リン酸ジエステルイオン、有機スルホン酸イオン、有機硫酸モノエステルイオン、有機ボロン酸イオンのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする高分子電解質濃度の測定方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の高分子電解質濃度の測定方法であって、
前記有機イオンセンサが液膜型イオン電極であることを特徴とする高分子電解質濃度の測定方法。
【請求項4】
試料溶液中に含まれる高分子電解質の濃度を測定する装置であって、
試料溶液にプローブとなる有機イオン物質を加える添加手段と、
有機イオンの濃度を測定する有機イオンセンサと、
前記有機イオンセンサの信号を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定した測定値から高分子電解質濃度に換算する演算手段と、
を有することを特徴とする高分子電解質濃度の測定装置。
【請求項5】
請求項4に記載の高分子電解質濃度の測定装置であって、
前記有機イオンセンサが液膜型イオン電極であることを特徴とする高分子電解質濃度の測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−58349(P2009−58349A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−225515(P2007−225515)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(304021277)国立大学法人 名古屋工業大学 (784)
【出願人】(000004400)オルガノ株式会社 (606)
【Fターム(参考)】