説明

高分子電解質積層フィルム

【課題】高分子電解質フィルムを長期間保管しても皺等の欠点を増やすことなく、且つ、容易に高分子電解質フィルムを皺無く剥離して使用することのできる高分子電解質積層フィルム及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】樹脂支持フィルムと、高分子電解質フィルムと、を有する高分子電解質積層フィルムであって、
少なくとも前記高分子電解質フィルムとの積層面側にコロナ放電処理又はプラズマ放電処理が施された厚み5〜500μmの樹脂支持フィルム上に、厚み1〜500μmの高分子電解質フィルムが積層されており、
前記高分子電解質フィルムの厚み方向全てと、前記樹脂支持フィルムの厚み方向の積層面側の一部が、同じ平面位置で枚葉型に、又は同じ平面位置で縦か横のどちらか一方に切り込まれた、高分子電解質積層フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂支持フィルム上に高分子電解質フィルムが積層された高分子電解質積層フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、電池内で、燃料(水素源)と酸化剤(酸素)から電気化学的反応により電気エネルギーを得るものであり、燃料の化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換するものである。燃料電池の燃料源としては、純水素をはじめ水素元素を含む石油、天然ガス(メタン等)、メタノール等が使用されている。
燃料電池自体は、機械部分がないため騒音の発生が少なく、また外部からの燃料と酸化剤を供給し続けることにより、原理的には半永久的に発電させることが可能である。
燃料電池に用いられる電解質は、液体電解質や固体電解質に分類されるが、この中で電解質として高分子電解質フィルムを用いたものが固体高分子形燃料電池と言われる。特に、固体高分子形燃料電池は、他の種類の燃料電池と比較して低温で作動することから、自動車等の代替動力源や家庭用コジェネレーションシステム、携帯用発電機としての用途が期待されている。
固体高分子形燃料電池は、電極触媒層とガス拡散層が積層されたガス拡散電極が高分子電解質フィルムの両面に接合された膜/電極接合体を少なくとも備えている。ここで言う高分子電解質フィルムとは、高分子鎖中にスルホン酸基やカルボン酸基等の強酸性基を有し、プロトンを選択的に透過する性質を有する材料である。このような高分子電解質フィルムとしては、化学的安定性の高いNafion(登録商標、米国デュポン社製)に代表されるパーフルオロ系プロトン交換樹脂フィルムが好適に用いられている。
このような高分子電解質フィルムは、柔軟性を有する厚さ20〜100μmの薄膜であるのが一般的であり、薄膜のままで取り扱うと皺や傷が入りやすいと言う欠点を有する。従って、膜/電極接合体を作製するまでの保管や取り扱い上の観点から、非特許文献1に記載されているような樹脂支持フィルム(Backing Film)上に積層されていることが望ましい。
ところで、高分子電解質フィルムは一般的に吸水性が極めて高く、高湿度下において膜が膨潤する。よって、高分子電解質フィルムと樹脂支持フィルムとの密着性が悪いと、夏場の高湿度環境において高分子電解質フィルムが樹脂支持フィルムから剥離しやすい、若しくは気泡が入りやすくなるという問題があった。このような問題が生じると、積層フィルムの保管時、又は積層フィルムを所定の寸法に切断、剥離して使用するときに、高分子電解質フィルムに皺やその他の欠点が入った不良品になり、燃料電池に使用できなくなるといった課題があった。
上記課題を解決する手法として、特許文献1及び2には、積層フィルムの少なくとも一層を厚み方向に完全にカットし、少なくとも一層は厚み方向にカットしない方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−114270号公報
【特許文献2】特開2007−299551号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Dennis E. Curtin, Robert D. Lousenberg, Timothy J. Henry, Paul C. Tangeman, Monica E. Tisack, J. Power Sources, 131 (2004), 41-48
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、一般に、高分子電解質フィルムは樹脂支持フィルムに比べて柔軟であるため、長期間保管した後に高分子電解質フィルムを皺無く剥離するのが困難である。従って、高分子電解質を剥離して使用する際に皺やその他欠点が入った不良品になりやすく、燃料電池に使用できなくなるといった問題がある。
上記事情に鑑み、本発明は、高分子電解質フィルムを長期間保管しても皺等の欠点を増やすことなく、且つ、容易に高分子電解質フィルムを皺無く剥離して使用することのできる高分子電解質積層フィルム及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、少なくとも高分子電解質フィルムとの積層面側にコロナ放電処理又はプラズマ放電処理が施された樹脂支持フィルム上に、高分子電解質フィルムが積層された高分子電解質積層フィルムであって、高分子電解質フィルムの厚み方向全てと、樹脂支持フィルムの厚み方向の積層面側の一部に、同じ平面位置で枚葉型に、又は同じ平面位置で縦か横のどちらか一方に、切り込みを入れることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
樹脂支持フィルムと、高分子電解質フィルムと、を有する高分子電解質積層フィルムであって、
少なくとも前記高分子電解質フィルムとの積層面側にコロナ放電処理又はプラズマ放電処理が施された厚み5〜500μmの樹脂支持フィルム上に、厚み1〜500μmの高分子電解質フィルムが積層されており、
前記高分子電解質フィルムの厚み方向全てと、前記樹脂支持フィルムの厚み方向の積層面側の一部が、同じ平面位置で枚葉型に、又は同じ平面位置で縦か横のどちらか一方に切り込まれた、高分子電解質積層フィルム。
[2]
前記樹脂支持フィルムの厚み方向の一部の切り込みの深さが、樹脂支持フィルム全体の厚みに対して5〜95%である、上記[1]記載の高分子電解質積層フィルム。
[3]
前記高分子電解質フィルムが、スルホン酸基を有するフッ素系高分子電解質を含む、上記[1]又は[2]記載の高分子電解質積層フィルム。
[4]
樹脂支持フィルムと、高分子電解質フィルムと、を有する高分子電解質積層フィルムの製造方法であって、
(1)前記樹脂支持フィルムの前記高分子電解質フィルムとの積層面側にコロナ放電処理又はプラズマ放電処理を施す工程、
(2)前記コロナ放電処理又はプラズマ放電処理が施された樹脂支持フィルム上に前記高分子電解質フィルムを積層して積層フィルムを得る工程、
(3)前記積層フィルムに、前記高分子電解質フィルムの厚み方向全てと、前記樹脂支持フィルムの厚み方向の前記高分子電解質フィルムとの積層面側の一部に切り込みを入れる工程、
を含む、製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の高分子電解質積層フィルムは、長期間保管後でも高分子電解質フィルムの皺等の欠点を増やすことなく、且つ、高分子電解質積層フィルムから高分子電解質フィルムを、皺無く、端部から手で容易に剥離することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】枚葉型に切込みを入れた高分子電解質積層フィルムの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0011】
本実施形態の高分子電解質積層フィルムは、
樹脂支持フィルムと、高分子電解質フィルムと、を有する高分子電解質積層フィルムであって、
少なくとも前記高分子電解質フィルムとの積層面側にコロナ放電処理又はプラズマ放電処理が施された厚み5〜500μmの樹脂支持フィルム上に、厚み1〜500μmの高分子電解質フィルムが積層されており、
前記高分子電解質フィルムの厚み方向全てと、前記樹脂支持フィルムの厚み方向の積層面側の一部が、同じ平面位置で枚葉型に、又は同じ平面位置で縦か横のどちらか一方に切り込まれた、高分子電解質積層フィルムである。
【0012】
ここで「枚葉型」とは、図1に示すように、高分子電解質積層フィルムの平面方向の四方をカットして、高分子電解質フィルムを1枚ずつ取り扱い可能にした形状のことを言う。
【0013】
本実施形態の高分子電解質フィルムを構成する高分子電解質としては、特に限定されないが、特に好適なものは下記に示すようなフッ素系高分子電解質である。
フッ素系高分子電解質としては特に限定されないが、Nafion(登録商標;米国デュポン社製)、Aciplex(登録商標;日本国旭化成ケミカルズ(株)社製)、Flemion(登録商標;日本国旭硝子(株)社製)等の、下記一般式(1)で表されるプロトン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体が代表例として挙げられる。
[CF2CX12a−[CF2−CF(−O−(CF2−CF(CF23))b−Oc−(CFR1d−(CFR2e−(CF2f−X4)]g・・・(1)
(式中、X1、X2及びX3は、それぞれ独立に、ハロゲン原子又は炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基を示し、0≦a<1、0<g≦1、a+g=1、0≦b≦8、cは0又は1であり、d、e及びfは、それぞれ独立に、0〜6の範囲の数(ただし、d+e+fは0に等しくない)を示し、R1及びR2は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基又はフルオロクロロアルキル基を示し、X4は、−COOH、−SO3H、−PO32、−PO3HZ(Zは水素原子、金属原子(Na、K、Ca等)、又はアミン類(NH4、NH3R、NH22、NHR3、NR4(Rはアルキル基、又はアレーン基)))を示す。)
【0014】
中でも、プロトン伝導度が高くなる傾向にあるため、下記一般式(2)又は(3)で表されるパーフルオロカーボン重合体がより好ましい。
[CF2CF2a−[CF2−CF(−O−(CF2−CF(CF3))b−O−(CF2f−X4)]g・・・(2)
(式中、0≦a<1、0<g≦1、a+g=1、1≦b≦3、1≦f≦8であり、X4は−COOH、−SO3H、−PO32又は−PO3Hを示す。)
[CF2CF2a−[CF2−CF(−O−(CF2f−X4)]g・・・(3)
(式中、0≦a<1、0<g≦1、a+g=1、1≦f≦8であり、X4は−COOH、−SO3H、−PO32又は−PO3Hを示す。)
【0015】
上記パーフルオロカーボン重合体は、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン等のパーフルオロオレフィンや、パーフルオロアルキルビニルエーテル等のコモノマーに由来する単位をさらに含む共重合体であってもよい。
【0016】
フッ素系高分子電解質の製造方法としては、例えば、米国特許第5,281,680号明細書、日本国特開平7−252322号公報、米国特許第5,608,022号明細書に記載された方法を用いることができる。
【0017】
フッ素系高分子電解質以外の高分子電解質としては、例えば、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリトリフルオロスチレン樹脂、トリフルオロスチレン樹脂、ポリ(2,3−ジフェニル−1,4−フェニレンオキシド)樹脂、ポリ(アリルエーテルケトン)樹脂、ポリ(アリルエーテルスルホン)樹脂、ポリ(フェニルキノキサリン)樹脂、ポリ(ベンジルシラン)樹脂、ポリスチレン−グラフト−エチレンテトラフルオロエチレン樹脂、ポリスチレン−グラフト−ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリスチレン−グラフト−テトラフルオロエチレン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂等の炭化水素部を有する高分子にスルホン酸基やカルボン酸基を導入したもの、又はこれらの樹脂や官能基等に燐酸やポリ燐酸、無機酸をドープしたものが挙げられる。
【0018】
本実施形態における高分子電解質フィルムのプロトン交換容量としては特に限定されないが、0.5〜4.0ミリ当量/gであることが好ましく、より好ましくは0.8〜4.0ミリ当量/g、さらに好ましくは0.9〜1.5ミリ当量/gである。よりプロトン交換容量の大きい高分子電解質フィルムを用いることにより、高温低加湿条件下においてより高いプロトン伝導性を示し、これを燃料電池に用いた場合に、より高い出力を得ることができる。一方、プロトン交換容量が4.0ミリ当量/gを超えると、熱水への溶解が大きくなる傾向にある。
【0019】
ここで、高分子電解質フィルムのプロトン交換容量は、高分子電解質フィルムを秤量後、25℃における飽和塩化ナトリウム水溶液に浸漬し、1時間攪拌させてイオン交換反応を行ない、この溶液に指示薬としてフェノールフタレイン溶液を加え、0.01Nの水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定することにより測定される。
【0020】
高分子電解質フィルムとしては、上記の高分子電解質を含むフィルムの内部に、多孔質補強材、不織布状シート、有機や無機のミクロファイバー等を配合することにより補強されたものも含まれる。
【0021】
本実施形態における高分子電解質フィルムの厚みは1〜500μmであり、好ましくは2〜200μm、さらに好ましくは5〜100μm、特に好ましくは10〜50μmである。膜厚が厚くなるほど耐久性が向上する一方で、燃料電池に用いた場合に電気抵抗や初期特性が悪くなり、また、膜厚が薄くなるほど耐久性や剥離後の取り扱い性が悪くなる。上記観点から、本実施形態の高分子電解質フィルムの厚みは1〜500μmの範囲に調整される。
ここで、高分子電解質フィルムの厚みは、接触式のマイクロメーターにより測定される。
【0022】
[樹脂支持フィルム]
本実施形態における高分子電解質積層フィルムを構成する樹脂支持フィルムとしては特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリケトン、ポリ(エチレン/テトラフルオロエチレン)共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等からなる一般的な樹脂支持フィルムが挙げられる。上記の中でも、ポリエチレンテレフタレート製の樹脂フィルムが、膜/電極接合体作製時等に高分子電解質フィルムを剥離しやすいため、取り扱い上の観点から好ましい。
【0023】
本実施形態における樹脂支持フィルムの厚みは5〜500μmであり、好ましくは10〜300μm、さらに好ましくは15〜200μm、特に好ましくは20〜100μmである。樹脂支持フィルムの厚みが5μm未満であると、樹脂支持フィルムに皺が入りやすくなり、500μmを超えると、ホットプレスやラミネーション等による、高分子電解質フィルムと樹脂支持フィルムとの接合が困難となる。
【0024】
本実施形態における樹脂支持フィルムは、少なくとも上記高分子電解質フィルムとの積層面側にコロナ放電処理又はプラズマ放電処理が施されている。樹脂支持フィルムの積層面側にコロナ放電処理又はプラズマ放電処理を施すことにより、樹脂支持フィルムの表面が親水化されるため親水性の強い高分子電解質フィルムとの馴染みが良くなり、樹脂支持フィルムと高分子電解質フィルムとの密着性の向上した高分子電解質積層フィルムが得られる。
【0025】
ここでいうコロナ放電処理とは、放電ハンドブック(発売元 オーム社、昭和57年改訂新版、電気学会放電ハンドブック出版委員会編)p.102〜106に記載されているように、樹脂支持フィルム表面に対し、ステンレス線やタングステン線等の対向電極を対置して、高周波及び高電圧をかけることにより大気中にコロナ放電を発生させ、それによって生成されるカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等の官能基と電子を直接、樹脂支持フィルムに照射する処理等を指す。
【0026】
また、ここでいうプラズマ放電処理とは、放電ハンドブック(発売元 オーム社、昭和57年改訂新版、電気学会放電ハンドブック出版委員会編)p.281〜329に記載されているように、高電圧アークプラズマ放電により大気中にプラズマ放電を発生させ、樹脂支持フィルム表面に対しプラズマ放電電子照射を行って活性化するとともに、放電活性化酸素により生成されるカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等の官能性極性基を樹脂支持フィルム表面に付与する処理等を指す。
【0027】
上記コロナ放電処理又はプラズマ放電処理後の樹脂支持フィルムの表面のぬれ張力は、好ましくは40−70mN/m、より好ましくは44−68mN/m、さらに好ましくは48−66mN/mである。
ここで、ぬれ張力は、JIS K−6768に準拠し、ぬれ張力試験液により測定を行うことができる。
【0028】
本実施形態における高分子電解質積層フィルムは、上記高分子電解質フィルムと上記樹脂支持フィルムとが積層されており、前記高分子電解質フィルムの厚み方向全てと、前記樹脂支持フィルムの厚み方向の積層面側の一部が、同じ平面位置で枚葉型に、又は同じ平面位置で縦か横のどちらか一方に切り込まれている。
ここで、「厚み方向の積層面側の一部」とは、厚み方向全てに切り込みを入れるのではなく、積層面から所定の深さで切り込みを入れることを示す。所定の深さとは、樹脂支持フィルムの厚みに対して5〜95%であることが好ましく、より好ましくは10〜80%、さらに好ましくは15〜60%である。
また、「同じ平面位置で」とは、積層フィルムを上面から見た場合に、高分子電解質フィルムと樹脂支持フィルムの同じ位置に切り込みを入れることを言う。
【0029】
(高分子電解質積層フィルムの製造方法)
本実施形態の高分子電解質積層フィルムの製造方法は、
(1)前記樹脂支持フィルムの前記高分子電解質フィルムとの積層面側にコロナ放電処理又はプラズマ放電処理を施す工程、
(2)前記コロナ放電処理又はプラズマ放電処理が施された樹脂支持フィルム上に前記高分子電解質フィルムを積層して積層フィルムを得る工程、
(3)前記積層フィルムに、前記高分子電解質フィルムの厚み方向全てと、前記樹脂支持フィルムの厚み方向の前記高分子電解質フィルムとの積層面側の一部に切り込みを入れる工程、
を含む、製造方法である。
以下にフッ素系高分子電解質からなる高分子電解質フィルムを用いた例について説明する。
【0030】
フッ素系高分子電解質は、下記一般式(4)で表される前駆体ポリマーを下記の方法で重合した後、加水分解、及び酸処理を行って製造することができる。
[CF2CX12a−[CF2−CF(−O−(CF2−CF(CF23))b−Oc−(CFR1d−(CFR2e−(CF2f−X5)]g・・・(4)
(式中、X1、X2及びX3は、それぞれ独立に、ハロゲン原子又は炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基を示し、0≦a<1、0<g≦1、a+g=1、bは0〜8の範囲の数であり、cは0又は1、d、e及びfは、それぞれ独立に、0〜6の範囲の数(但し、d+e+fは0に等しくない)を示し、R1及びR2は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基又はフルオロクロロアルキル基を示し、X5は−COOR3、−COR4又はSO24(R3は炭素数1〜3のアルキル基(フッ素置換されていないもの)、R4はハロゲン原子)を示す。)
【0031】
上記一般式(4)で表される前駆体ポリマーは、フッ化オレフィン化合物とフッ化ビニル化合物とを共重合させることにより製造することができる。
フッ化オレフィン化合物としては、例えば、CF2=CF2,CF2=CFCl,CF2=CCl2等が挙げられる。
フッ化ビニル化合物としては、例えば、CF2=CFO(CF2z−SO2F,CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2z−SO2F,CF2=CF(CF2z−SO2F,CF2F(OCF2CF(CF3))z−(CF2z-1−SO2F,CF2=CFO(CF2z−CO2R,CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2z−CO2R,CF2=CF(CF2z−CO2R,CF2=CF(OCF2CF(CF3))z−(CF22−CO2R(ここで、Zは1〜8の整数、Rは炭素数1〜3のアルキル基(フッ素置換されていないもの)を示す。)等が挙げられる。
【0032】
上記前駆体ポリマーの重合方法としては、例えば、フッ化ビニル化合物をフロン等の溶媒に溶かした後、フッ化オレフィン化合物のガスと反応させ重合する溶液重合法、フロン等の溶媒を使用せずに重合する塊状重合法、フッ化ビニル化合物を界面活性剤とともに水中に仕込んで乳化させた後、フッ化オレフィン化合物のガスと反応させ重合する乳化重合法等が挙げられる。上記のいずれの重合方法においても、反応温度は30〜90℃が好ましく、反応圧力は280〜1100kPaが好ましい。
【0033】
上記前駆体ポリマーの、JIS K−7210に準拠した、270℃、荷重2.16kgfで測定されるメルトフローインデックス(以後、「MI」と略す。)としては特に限定されないが、0.001g/10分以上1000g/10分以下が好ましく、より好ましくは0.01g/10分以上100g/10分以下、さらに好ましくは0.1g/10分以上10g/10分以下である。前駆体ポリマーのMIが0.001g/10分未満であると、加工成形が困難となる傾向にあり、1000g/10分を超えると、高分子電解質フィルムを燃料電池に使用した際に耐久性が悪化しやすくなる傾向にある。
【0034】
前駆体ポリマーをフィルム状に成形する方法としては、一般的な溶融押出成形法(Tダイ法、インフレーション法、カレンダー法等)が用いられる。
【0035】
フィルム状に成形した前駆体ポリマーを、反応液体に接触させることでイオン交換基前駆体を加水分解して高分子電解質フィルムを製造する。この場合、イオン交換基前駆体の加水分解は、水酸化アルカリ水溶液中で実施することができ、さらに加水分解反応速度を増加させるために比較的高温の溶液を使用することが好ましい。そのような方法としては、例えば、特開昭61−19638号公報に記載された水酸化ナトリウムを20〜25%含んだ水溶液を用い、70〜90℃において16時間加水分解処理する方法等が挙げられる。
【0036】
また、フィルムを膨潤させ、加水分解反応速度を促進するために水酸化アルカリ水溶液とメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールのようなアルコール系溶剤、若しくはジメチルスルホキシド等の水溶性有機溶剤との混合物により加水分解する方法を用いてもよい。そのような方法としては、例えば、特開昭57−139127号公報に記載された水酸化カリウムを11〜13%とジメチルスルホキシドを30%含んだ水溶液を用い90℃で1時間加水分解処理する方法、特開平3−6240号公報に記載された水酸化アルカリを15〜50質量%と水溶性有機化合物を0.1〜30質量%含んだ水溶液を用いて60〜130℃で20分〜24時間加水分解処理する方法等が挙げられる。
【0037】
上記加水分解処理によりイオン交換基を形成させた後、さらに塩酸等の無機酸で酸処理することで、高分子電解質フィルムを製造することができる。
【0038】
樹脂支持フィルムは、上述したとおり、少なくとも高分子電解質フィルムとの積層面側に、コロナ放電処理又はプラズマ放電処理が施される。コロナ放電処理は、例えば、春日電機(株)社製コロナ放電表面処理装置により、出力1kW、50kHzで行なうことができる。プラズマ放電処理は、例えば、春日電機(株)社製プラズマ照射表面改質装置により、出力600W、出力電圧10kVで行うことができる。
【0039】
上述の方法により製造された高分子電解質フィルムと、コロナ放電処理又はプラズマ放電処理が施された樹脂支持フィルムとを積層した状態で、ホットプレス、ロールプレス、真空プレス等の公知のプレス技術やラミネーション技術を用いることにより接合して高分子電解質積層フィルムを得ることができる。
【0040】
また、上記前駆体ポリマーの小片(ペレット、粉末状)を上記と同様に加水分解し、適度な溶剤に溶解又は分散させて均一な溶液ドープとして、これを樹脂支持フィルム上に流延塗工した後、溶剤を留去し、乾燥及び/又は100〜200℃で熱処理して、高分子電解質積層フィルムとしてもよい。
【0041】
この高分子電解質積層フィルムを、平面な台上で、又は回転するバックアップロール上で、連続的に送られてくる高分子電解質積層フィルムの高分子電解質フィルム面と同期して回転する刃物の先を当てて、順次、(a)高分子電解質フィルムの厚み方向全てと、樹脂支持フィルムの厚み方向の積層面側の一部を、同じ平面位置で所定のサイズの枚葉型に切込みを入れるか、又は(b)同じ平面位置で縦か横のどちらか一方に、所定のサイズに切り込みを入れる。ここでいう縦とは連続的に送られてくる高分子電解質積層フィルムの送り方向を示し、横はフィルムの幅方向を示す。枚葉型とは、縦方向と横方向の両方に切り込みを入れた状態を指す。ロール状の巻物では、長さ方向と幅方向の両方に切り込みを入れた状態を指す。
【0042】
上述のような切り込みを入れることにより、皺無く、容易に剥離可能な状態で積層された高分子電解質積層フィルムを得ることができる。樹脂支持フィルムの厚み方向の一部の切り込みの深さは、高分子電解質フィルムを均一にカットする観点から、樹脂支持フィルムの厚み全体に対して5%以上、取り扱い性向上の観点から、樹脂支持フィルムの厚み全体に対して95%以下であることが好ましく、より好ましくは10〜80%、さらに好ましくは15〜60%である。樹脂支持フィルムの厚み方向に、樹脂支持フィルムの厚み全体に対して5〜95%の深さの切り込みを入れることにより、高分子電解質フィルムを剥離する際に、樹脂支持フィルムを切り込み位置で軽く折り曲げることにより、高分子電解質フィルムを皺無く、容易に剥離することができる。
【0043】
(膜/電極接合体)
高分子電解質フィルムを固体高分子形燃料電池に用いる場合、高分子電解質フィルムがアノードとカソードの間に密着保持されてなる膜/電極接合体(membrane/electrode assembly)(以下、「MEA」とも称する。)として使用される。ここでアノードはプロトン伝導性を有するアノード触媒層からなり、カソードはプロトン伝導性を有するカソード触媒層からなる。また、アノード触媒層とカソード触媒層のそれぞれの外側表面にガス拡散層を接合したものもMEAと呼ぶ。
【0044】
MEAの作製方法としては公知の方法を用いることができる。MEAの作製方法は、例えば、JOURNAL OF APPLIED ELECTROCHEMISTRY,22(1992)p.1−7に詳しく記載されている。
【0045】
(固体高分子形燃料電池)
本実施形態における固体高分子形燃料電池は、上記MEAのアノードとカソードを高分子電解質フィルムの外側に位置する電子伝導性材料を介して互いに結合させることにより得ることができる。固体高分子形燃料電池の作製方法としては公知の方法を用いることができる。固体高分子形燃料電池の作成方法は、例えば、FUEL CELL HANDBOOK(VAN NOSTRAND REINHOLD、A.J.APPLEBY et.al、ISBN 0−442−31926−6)、化学One Point,燃料電池(第二版),谷口雅夫,妹尾学編,共立出版(1992)等に詳しく記載されている。固体高分子形燃料電池の運転は、一方の電極(アノード)に水素を、他方の電極(カソード)に酸素又は空気を供給することによって行われる。
【0046】
本実施形態の高分子電解質積層フィルムは、長期間保管しても高分子電解質フィルムの皺等の欠点を増やすことなく、高分子電解質フィルムを剥離させる際には皺無く、容易に剥離できるため、MEA製造時の不良率を大幅に下げることが可能となる。
【0047】
また、本実施形態における高分子電解質積層フィルムの高分子電解質フィルムを適宜剥離して、クロルアルカリ電解、水電解、ハロゲン化水素酸電解、食塩電解、酸素濃縮器、湿度センサー、ガスセンサー等に用いることも可能である。高分子電解質フィルムを酸素濃縮器に利用する方法については、例えば、化学工学,56(3),p.178−180(1992)や、米国特許第4,879,016号の記載を参照できる。高分子電解質フィルムを湿度センサーに利用する方法については、例えば、日本イオン交換学会誌,8(3),p.154−165(1997)や、J.Fang et al.,Macromolecules,35,6070(2002)の記載を参照できる。高分子電解質フィルムをガスセンサーに利用する方法については、例えば、分析化学,50(9),p.585−594(2001)や、X.Yang,S.Johnson,J.Shi,T.Holesinger,B.Swanson:Sens.Actuators B,45,887(1997)の記載を参照できる。
【実施例】
【0048】
以下、本実施形態を実施例により具体的に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。
本実施形態における各評価法及び測定法は以下のとおりである。
[膜厚]
フィルムの厚みは、接触式のマイクロメーターにより測定した。
[プロトン交換容量]
高分子電解質フィルムのプロトン交換容量は、高分子電解質フィルムを秤量後、25℃における飽和塩化ナトリウム水溶液に浸漬し、1時間攪拌させてイオン交換反応を行ない、この溶液に指示薬としてフェノールフタレイン溶液を加え、0.01Nの水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定することにより測定した。
【0049】
[実施例1]
(高分子電解質フィルムの作製)
高分子電解質フィルムとして、[CF2CF20.812−[CF2−CF(−O−(CF22−SO3H)]0.188で表されるパーフルオロスルホン酸重合体(以下、「PFS」と称する。)からなる電解質膜を以下のとおりに作製した。
まず、PFSの前駆体ポリマーとして、テトラフルオロエチレンとCF2=CFO(CF22−SO2Fとのパーフルオロカーボン重合体(MI:3.0)を製造した。この前駆体ポリマーを溶融押出して約50μmの厚みに成形したフィルムを、15質量%の水酸化カリウムと30質量%のジメチルスルホキシドと55質量%の水を含有する反応液体に、60℃にて4時間接触させて、加水分解処理を行った。その後、フィルムを60℃水中に4時間浸漬し、次に60℃の2N塩酸水溶液に3時間浸漬した後、イオン交換水にて酸を洗い出し、高分子電解質フィルムを得た。
得られた高分子電解質フィルムのプロトン交換容量は1.22ミリ当量/g、膜厚は50μmであった。
【0050】
(樹脂支持フィルムの作製)
樹脂支持フィルムとしては、以下のとおりにコロナ放電処理を行ったポリエチレンテレフタレート製フィルムを用いた。
ポリエチレンテレフタレート製フィルムとしては、厚み75μmの帝人デュポンフィルム(株)社製テイジンTMテトロンフィルムを用いた(以下、PETフィルムと称する)。
PETフィルムの高分子電解質フィルムとの積層面側に、春日電機(株)社製コロナ放電表面処理システムを用いて、出力1kW、50kHzでコロナ放電処理を行った。得られた樹脂支持フィルムの表面のぬれ張力は58mN/mであった。
【0051】
(高分子電解質積層フィルムの製造)
次に、10cm角の上記高分子電解質フィルムと上記コロナ放電処理が施されたPETフィルムを積層し、その両側をカプトンフィルム(300H、膜厚75μm)で挟み込んだ。これを圧縮成形機((株)神藤工業所社製、VSF−10)にセットして100℃まで昇温した後、10kgf/cm2にて10分間プレスした。プレス終了後に圧力を開放して30℃まで降温させた後、サンプルAを取り出した。
この積層フィルム(サンプルA)を恒温恒湿槽に入れ、30℃95%RHを3hr、10℃30%RHを3hr繰り返す乾湿サイクル試験を実施した。400サイクル終了後、積層フィルムを取り出したところ、高分子電解質フィルムはコロナ放電処理されたPETフィルムから剥離していなかった。
上記プレス後のサンプルAを、高分子電解質フィルムを上にした状態で、平面な台上で、セラミック刃を高分子電解質積層フィルムの上から押し込み、その際、刃先と平面台の隙間を50μm設け、高分子電解質膜の厚み方向全てと、樹脂支持フィルムの厚み方向の約1/3(積層面側から約25μm)に、平面方向に同じ位置で複数枚の枚葉型に切り込みを入れることにより、本実施形態の高分子電解質積層フィルムを得た。
また、上記プレス後のサンプルAを、高分子電解質フィルムを上にした状態で、回転するバックアップロール上で、連続的に送られてくる高分子電解質積層フィルムに、高分子電解質フィルム面と同期して回転する刃物の先を当てて、その際、刃先とバックアップロール上の隙間を50μm設け、高分子電解質膜の厚み方向全てと、樹脂支持フィルムの厚み方向の約1/3(積層面側から約25μm)に、平面方向に同じ位置で複数枚の枚葉型に順次切り込みを入れることにより、本実施形態の高分子電解質積層フィルムを得た。
得られた高分子電解質積層フィルムから、枚葉型に切られた高分子電解質フィルムを端部から手で剥離しようとしたところ、皺が発生することなく、容易に剥離できた。また、適度な密着性もあり、高分子電解質積層フィルムの取り扱い時に、自然剥離することもなかった。
さらに、保存安定性も良好であり、平面状に一定のサイズで重ねて又はロール状に巻物として、25℃50%RHの恒温恒湿室で3ヶ月保管した後も、所定のカットサイズの枚葉型高分子電解質フィルムが剥離し、フィルム同士がずれたり、皺になったりすることがなかった。また、高分子電解質フィルムが剥離して裏移りすることもなかった。
【0052】
[比較例1]
コロナ放電処理を行っていないPETフィルムを用いたこと以外は、実施例1と同じ方法で高分子電解質積層フィルムを得た。この高分子電解質積層フィルムについて実施例1と同じように乾湿サイクル試験を実施したところ、高分子電解質フィルムはPETフィルムから剥離していた。またこの高分子電解質積層フィルムを実施例1と同じように、重ねて保管又はロール状に巻物として保管したところ、高分子電解質フィルムは部分的に剥離して裏移りしてしまった。
【0053】
[比較例2]
高分子電解質フィルム及び樹脂支持フィルムに切り込みを入れなかったこと以外は、実施例1と同じ方法で高分子電解質積層フィルムを得た。この高分子電解質積層フィルムを、高分子電解質フィルム及び樹脂支持フィルムの厚み方向の全てを枚葉型にカットし、実施例1と同じように、高分子電解質積層フィルムから枚葉型に切られた高分子電解質フィルムを端部から手で剥離しようとしたところ、皺が発生してしまった。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の高分子電解質積層フィルムは、長期間保管後も高分子電解質フィルムの皺等の欠点を増やすことなく、剥離させる際には皺無く、必要な時には容易に剥離できるため、MEA製造時の不良率を大幅に下げることが可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂支持フィルムと、高分子電解質フィルムと、を有する高分子電解質積層フィルムであって、
少なくとも前記高分子電解質フィルムとの積層面側にコロナ放電処理又はプラズマ放電処理が施された厚み5〜500μmの樹脂支持フィルム上に、厚み1〜500μmの高分子電解質フィルムが積層されており、
前記高分子電解質フィルムの厚み方向全てと、前記樹脂支持フィルムの厚み方向の積層面側の一部が、同じ平面位置で枚葉型に、又は同じ平面位置で縦か横のどちらか一方に切り込まれた、高分子電解質積層フィルム。
【請求項2】
前記樹脂支持フィルムの厚み方向の一部の切り込みの深さが、樹脂支持フィルム全体の厚みに対して5〜95%である、請求項1記載の高分子電解質積層フィルム。
【請求項3】
前記高分子電解質フィルムが、スルホン酸基を有するフッ素系高分子電解質を含む、請求項1又は2記載の高分子電解質積層フィルム。
【請求項4】
樹脂支持フィルムと、高分子電解質フィルムと、を有する高分子電解質積層フィルムの製造方法であって、
(1)前記樹脂支持フィルムの前記高分子電解質フィルムとの積層面側にコロナ放電処理又はプラズマ放電処理を施す工程、
(2)前記コロナ放電処理又はプラズマ放電処理が施された樹脂支持フィルム上に前記高分子電解質フィルムを積層して積層フィルムを得る工程、
(3)前記積層フィルムに、前記高分子電解質フィルムの厚み方向全てと、前記樹脂支持フィルムの厚み方向の前記高分子電解質フィルムとの積層面側の一部に切り込みを入れる工程、
を含む、製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2011−243494(P2011−243494A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116385(P2010−116385)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(309002329)旭化成イーマテリアルズ株式会社 (771)
【Fターム(参考)】