説明

高分岐ポリマーを含有する調製物

本発明は、少なくとも1種の低分子物質および少なくとも1種の高分岐ポリマーを含む調製物に関し、この場合、高分岐ポリマーは、ポリエステル単位および疎水性末端基を有する親水性コアを含み、前記高分岐ポリマーが分子量6000g/mol以上およびヒドロキシル価0〜200mgKOH/gを有し、分岐度が20〜70%であり、前記高分岐ポリマーは、少なくとも30℃の融点を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種の低分子物質および少なくとも1種の高分岐ポリマーを含む調製物に関する。
【0002】
高分岐ポリマーおよび低分子物質の調製物は、本来、公知である。一般に、このような調製物を使用して、低分子物質の遅延作用を実現する。さらに、このような調製物は、多種のプラスの特性を有する。
【0003】
高分岐ポリマーに関する記載は多く、例えば、このようなポリマーは、欧州特許出願第0630389(A)号に詳述されている。この公報において、具体的には、アクリル樹脂、飽和ポリエステル樹脂および不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂または歯科材料に使用することができる超分岐ポリエステルが記載されている。遅延様式で低分子物質を放出するための担体物質としてこれらのポリマーの使用に関しては、その中で記載されていない。
【0004】
さらに、高分岐ポリマーは、国際公開第97/06825号に詳述されている。この中で記載されている高分岐ポリマーは、多くの場合、多くの用途に使用することができるポリアミドである。ここで不可欠なことは、開始剤分子が単一方法工程において高分岐ポリマーに変換することができる芳香族化合物であることである。こうして得られた高分岐ポリマーを、多くの用途に使用することができる。これらは、具体的に、建築用高分子、線維、フィルム、ボトル製造用ポリマー、医薬品用担体および触媒用の膜および支持体を含む。
【0005】
さらに、高分岐ポリマーの調製物は、J.Chem.Soc.Perkin Trans.1992(pages 2459−2469)に記載され、この場合、高分岐ポリマーは、多段階方法において調製される。
【0006】
Macromolecules 1993,26,pages 4617−4623は、フェノールおよび酢酸末端基を用いた芳香族高分岐ポリマーの調製について詳述する。合成は、A2Bモノマー、例えば、3,5−ビス(トリメチルシルオキシ)塩化ベンゾイルおよび3,5−ジアセトキシ安息香酸の溶融縮合に基づく。
【0007】
米国特許第5041516号は、脂肪族および芳香族モノマー由来のポリエステルを調製する多段階方法を開示する。
【0008】
さらに、芳香族および脂肪族モノマー由来のポリエステルの調製物を、米国特許第5136014号に開示する。さらに、米国特許第5183862号は、脂肪族および芳香族モノマー由来の超分岐ポリエステルの調製物について記載している。
【0009】
さらに、文献米国特許第5196502号は、ジアセトキシ安息香酸およびモノアセトキシニ安息香酸を使用して多分岐芳香族ポリエステルの調製物について詳述する。
【0010】
文献米国特許第5225522号は、脂肪族および芳香族基を有する多分岐ポリエステルおよびその調製物の方法を開示する。
【0011】
さらに、米国特許公開第5227462号は、脂肪族および芳香族基をともに含むことができる超分岐ポリエステルについて記載する。
【0012】
高分岐ポリマーを含むインクを生成する組成物を米国特許第5266106号に開示する。
【0013】
表面官能性高分子の粒子の生成を米国特許第5306561号に詳述する。
【0014】
米国特許公開第5362843号は、超分岐ポリマーを調製する方法を開示する。
【0015】
米国特許公開第5418301号は、樹枝状高分子を調製する方法を開示する。
【0016】
さらに、国際特許公開第98/30604号は、高分岐ポリマーおよび金属化合物を含むことができる組成物について記載する。この場合、特にポリアミドアミンおよびポリエステルについて詳述する。
【0017】
さらに、国際公開第2004/072153号は、医薬品用担体として高分岐ポリマーの使用について詳述し、この場合、担体分子は、医薬品の細胞への放出および輸送の遅延を促進することを目的とする。これに関して、具体的に窒素含有基を有する修飾デンドリマーについて詳述する。
【0018】
さらに、国際特許公開第00/065024号は、疎水性分子の封入化のための細胞を有するポリマーについて記載する。この場合、多数の疎水性基をポリオールコアと結合し、続いて、得られたポリマーを、ポリアルキレン酸化物により変換し、水溶性高分子を得る。
【0019】
さらに、国際特許公開第2005/034909号は、生物学的活性基に結合する高分岐ポリマーを含む組成物について記載する。
【0020】
さらに、国際特許公開第03/037383号は、高分岐ポリマーを含む調製物について記載する。詳述された高分岐ポリマーは、具体的に、ポリアミドアミンまたはポリプロピレンアミンである。
【0021】
さらに、高分岐ポリマーは、国際特許公開第00/06267号に記載され、詳述された高分岐ポリマーは、特に、ポリエーテルイミドである。
【0022】
さらに、樹枝状高分子および活性医薬成分を含む調製物を国際公開第03/033027号に詳述し、デンドリマーは、陽性基を含む。
【0023】
a)さらに、有効成分の制御放出のための高分岐ポリマーの使用は、Zou et al.Macromol.Biosci.5(2005)662−668により記載される。この場合、高分岐ポリマーは、イオン基とともに提供される。使用される高分岐ポリマーの分子量は、約5500g/molであり、高分岐ポリマーについて、融点は、明記されていない。
【0024】
b)さらに、米国特許第6379683号および欧州特許1034839(B1)号は、高分岐ポリマーを含むナノカプセルについて記載する。高分岐ポリマーは、分子量約4800g/molを有する。
【0025】
さらに、国際公開第97/14404号は、デンドリマーを含む組成物について記載する。しかし、これらのデンドリマーは、物質を封入化するために作用しない。本発明の意味の調製物は、国際公開第97/14404号に記載されていない。
【0026】
樹枝状ポリエステルを含む組成物は、米国特許第6284233号に詳述される。しかし、樹枝状ポリエステルは、物質を封入化するために作用しない。本発明の意味の調製物は、米国特許第6284233号に記載されていない。
【0027】
美容組成物のヒドロキシ官能性樹枝状高分子の使用は、国際公開第01/17485号に記載される。しかし、これらの組成物は、本発明の意味の調製物を含まない。
【0028】
S.Suttiruengwong"Silica Aerogels and Hyperbranched Polymers as Drug Delivery Sytems",Erlangen 2005による論文は、高分岐ポリマーを含むことができる封入化システムについて記載する。しかし、ポリマーは、最大4600g/molの分子量を有し、高分岐ポリマーについて、融点は、明記されていない。
【0029】
独国特許第102004026904号は、具体的に印刷用インクの構成要素として有用である超分岐ポリエステルについて記載する。しかし、これらの超分岐ポリエステルは、物質を封入するために作用しない。本発明の意味の調製物は、独国特許第102004026904号に記載されていない。
【0030】
さらに、米国特許公開第6525170号は、超分岐ポリエステルについて記載する。しかし、実施例のポリエステルは、疎水性コアを含む。さらに、ポリマーは、種々の反応前におよそ1400g/molの分子量を有し、修飾後に得られたポリマーの特性については、詳細に記載されていない。さらに、得られたポリマーのガラス転移温度または融点に関する情報が不足している。
【0031】
さらに、米国特許公開第2002/0002242号は、表面特性の修飾に使用される高分岐ポリマーについて記載する。この場合、これらのポリマーのコアは、疎水性であってよく、この場合、ポリマーは、全体に両親媒性特性を有する。これらのポリマーは、低分子物質を封入するために作用しない。本発明の意味の調製物は、記載されていない。
【0032】
米国特許公開第2003/0114553号は、星型高分子を含むことができる歯科材料について記載する。しかし、親水性コアおよび疎水性末端基を有する高分岐ポリマーについては詳述されていない。低分子量化合物の遅延放出のための調製物は同様に記載されていない。
【0033】
さらに、文献米国特許第2004/016394号は、高分岐ポリマーを含むことができる美容組成物について記載する。しかし、これらの高分岐ポリマーの特性、具体的には、分子量、分岐度、ヒドロキシル価または融点について、明白に述べられていない。
【0034】
さらに、高分岐ポリマーは、国際公開第93/17060号に詳述されている。しかし、これらのポリマーは、低分子量化合物の制御放出に関して記載されていない。本発明の意味の調製物は、詳述されていない。
【0035】
国際特許公開第2006/031388号は、具体的に整形外科的用途に使用することができる樹枝状高分子を開示する。しかし、非常に多くの異なるポリマーが詳述され、これらのポリマーのうち、本発明に使用される高分岐ポリマーの全ての特性を有することについて明白に詳述しているものはない。例えば、特に、ポリマーの融点に関する情報が不足している。さらに、親水性コア、疎水性末端基を有し、少なくとも6000g/molの分子量を有する高分岐ポリマーについて記載されていない。
【0036】
国際特許公開第2006/031358号は、具体的に眼科的用途に使用することができる樹枝状高分子を開示する。しかし、非常に多くの異なる高分子が詳述され、これらの高分子のうち、本発明の場合に使用されるための高分岐ポリマーの全ての特性を有することについて明白に詳述しているものはない。例えば、特に、ポリマーの融点に関する情報が不足している。さらに、親水性コア、疎水性末端基を有し、少なくとも6000g/molの分子量を有する高分岐ポリマーについて記載されていない。
【0037】
それに応じて、高分岐ポリマーおよび低分子量化合物を含む多数の調製物が記載されていると言える。しかし、非常に有利な調製物を提供することが絶えず必要とされる。
【0038】
本明細書において明記および考察された従来技術の点から、顕著な特性プロフィールを有する調製物を提供することが本発明の目的であった。
【0039】
特に、本発明の調製物は、実質的に非常に長時間にわたり、選択された媒体中に低分子物質を放出するものとし、この放出は、実質的に非常に一定であるものとする。
【0040】
さらなる態様において、低分子物質の放出は、非常に単純で信頼性のある様式において制御可能であるものとする。
【0041】
本発明のさらなる目的は、特に低分子物質を豊富に含む調製物を提供することであった。
【0042】
さらに、調製物は、特に安定性が高く、これは特に感受性の高い低分子物質をその特性が著しく変化することなく、特に長時間にわたり保存することができる。この場合、調製物は同様に、高い剪断安定性が有するものとし、そのため、単純で問題ない調製物の加工が可能である。
【0043】
明記されないが、本明細書において考察された関連から明らかな様式において導くことができ、または必然的に生じるこれらの目的およびさらなる目的は、請求項1に記載された調製物により実現される。これらの調製物に対する適当な修正は、請求項1に戻る下位の請求項において保護される。
【0044】
ポリエステル単位および疎水性末端基を有する親水性コアを含む高分岐ポリマーであり、前記高分岐ポリマーは、分子量6000g/mol以上およびヒドロキシル価0〜200mgKOH/gを有し、分岐度は、20〜70%であり、前記高分岐ポリマーは、少なくとも30℃の融点を有することにより、すぐに予測できない様式において、改良された特性プロフィールを有する少なくとも1種の低分子物質および少なくとも1種の高分岐ポリマーを含む調製物を提供することが可能である。
【0045】
本発明の測定により、1つまたは複数の以下の利点を実現することができる。
【0046】
特定の態様において、本発明の調製物は、特定の長期間にわたり多数の媒体において低分子物質を放出する。
【0047】
本発明のさらなる実施形態において、低分子物質を、長時間の保存後、短時間内に放出することができる。
【0048】
両方の実施形態において、外部のパラメーター、例えば、温度、pH、電磁波の周波数および調製物を包む媒体の型により、放出を正確に制御することができる。
【0049】
さらに、本明細書に詳述される調製物は、感受性の高い低分子物質を特定の安定した方法で保存することができる。それに応じて、物質を安全で単純な様式において、多くの場合、火および/または爆発を避けて保存することができる。
【0050】
さらに、化学的に活性な、具体的に、酸化の物質を媒体中で活性させずに保存することができる。
【0051】
さらに、本発明の調製物は、驚くほど安定しており、そのため、これらは、少しも分解することなく長期間にわたり保存することができる。さらに、剪断安定性が高いため、調製物を単純で安価な様式において加工することができる。
【0052】
さらに、低分子物質において、本発明の調製物が、健康を害することはない。
【0053】
さらに、本発明の調製物は、特に低分子物質を豊富に含むことができる。
【0054】
高度分岐高分子構造および疎水性基数を介してポリマーの溶解特性を調節することが可能なことにより、従来技術と比較して、単位時間当たりに放出される低分子物質量以上のより良好な制御を実現することが可能である。
【0055】
高分岐ポリマー構造および、疎水性基数を介してポリマーの溶解特性を調節することが可能なことにより、担体ポリマーg当たりの低分子物質の本発明の調製物中の負荷濃度を、用途に応じて具体的に調節することができる。この場合、従来技術の負荷濃度よりかなり高い負荷濃度を実現することが可能である(ポリマーおよび低分子物質からなる二成分系に基づいて低分子物質20質量%以上)。
【0056】
驚くことに、高分岐担体ポリマーの場合、溶剤または圧縮ガス量をかなり減量して、封入化プロセスを操作することができることがわかっている。従って、高分岐ポリマー自体、溶剤/分散剤として機能することができる。結果として溶剤/ガス濃度の低下は、従来技術に比べ、より安全なプロセスにつながり、これは、高分岐ポリマーが他の従来技術の溶剤のように爆発性の水蒸気を形成する恐れがないためである。
【0057】
本発明の調製物は、親水性コアを有する高分岐ポリマーを含む。親水性は、コアが高い割合で水を吸収することができることを意味する。本発明の好ましい態様において、親水性コアは、水溶性である。90℃の水溶性は、好ましくは少なくとも10質量%、より好ましくは少なくとも20質量%である。このパラメーターを疎水化前の高分岐ポリマー、すなわち、親水性コア自体に基づき測定する。いわゆるフラスコ法により測定することができ、この方法は、純粋物質の水溶性を測定する。
【0058】
この方法において、物質(固体は粉砕されなければいけない)を試験温度よりわずかに高い温度にて水に溶解する。飽和に達した場合、溶液を冷却し、試験温度にて保持する。平衡が得られるまで溶液を撹拌する。別法として、適当な試料採取により飽和平衡が得られていると確認できる場合、試験温度にて、測定を直接行うことができる。次いで、水溶液中の試験物質の濃度、これは少しの不溶性物質粒子も含んではいけないが、適切な分析法により決定する。
【0059】
親水性コアは、好ましくは疎水化前に測定されたヒドロキシル価が400〜600mgKOH/g、より好ましくは、450〜550mgKOH/gを有することが好ましい。この特性をASTM E222に従い測定する。この方法において、ポリマーを規定量の無水酢酸と反応させる。未変換の無水酢酸を水で加水分解する。続いて、混合物をNaOHで滴定する。ヒドロキシル価は、比較の被検物質とポリマーの測定値との差に対応する。この測定において、ポリマーの酸基価を考慮に入れなければならない。
【0060】
本発明の高分岐ポリマーは、ポリエステル単位を含むコアを有する。ポリエステル単位を有する高分岐ポリマーは、具体的に欧州特許第0630389号に詳述される。一般に、親水性コアは、通常、少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個のヒドロキシル基を有する開始剤分子由来の中心単位ならびに少なくとも1個のカルボニル基および少なくとも2個のヒドロキシル基を有するモノマー由来の反復単位である。
【0061】
また、高分岐球状ポリマーは、技術文献において「樹枝状高分子」と呼ばれる。多官能性モノマーから合成されるこれらの樹枝状高分子を2つの異なる分類、「デンドリマー」および「高分岐ポリマー」に分けることができる。デンドリマーは、非常に規則正しい、放射状の対称性の生成構造を有する。これらは、単分散球状ポリマーであり、これは、高分岐ポリマーと比較され、高度の合成複雑性を有する多段階の合成において調製される。構造は、3つの異なる領域(対称中心を構成する多官能性コア、様々な特定の放射状の対称層の反復単位(生成)および、末端基)を特徴とする。デンドリマーとは対照に、高分岐ポリマーは、これらの分岐および構造において、多分散であり、不規則である。樹枝状および線状単位に加えて、デンドリマーとは対照に、線状単位もまた、高分岐ポリマーにおいて生じる。
【0062】
【化1】

【0063】
デンドリマーおよび高分岐ポリマーを合成する様々な手段に関して、
a)Frechet J.M.J.,Tomalia D.A.,Dendrimers and Other Dendritic Polymers,John Wiley & Sons,Ltd.,West Sussex,UK 2001;並びに
b)Jikei M.,Kakimoto M.,Hyperbranched polymers:a promising new class of materials,Prog.Polym.Sci.,26(2001)1233−1285 および/または
c)Gao C.,Yan D.,Hyperbranched Polymers:from synthesis to applications,Prog.Polym.Sci.,29(2004)183−275
を参照し、これらは、参照をもって本発明の開示の一部としてみなされる。
【0064】
これらの刊行物に記載された高分岐および高度分岐ポリマーはまた、本発明の関連において、好ましい担体ポリマーである。これに関して、高分岐ポリマーは、少なくとも3個の反復単位/分子、好ましくは少なくとも10個の反復単位/分子、より好ましくは少なくとも100個の反復単位/分子、さらに好ましくは少なくとも200個の反復単位/分子およびなおさらに好ましくは、少なくとも400個の反復単位/分子を有することが好ましく、これらは、それぞれ、少なくとも3つ、好ましくは少なくとも4つの結合手段を有し、これらの反復単位の少なくとも3個、より好ましくは少なくとも10個およびなおさらに好ましくは少なくとも20個を、それぞれ少なくとも3つ、好ましくは少なくとも4つの結合手段を介して、少なくとも3個、好ましくは少なくとも4個の追加の反復単位に結合する。
【0065】
種々の場合において、高分岐ポリマーは、10000個以下、好ましくは5000個以下およびより好ましくは2500個以下の反復単位を有する。
【0066】
好ましい実施形態において、高度分岐高分子は、少なくとも3個の反復単位を有し、これらは、それぞれ少なくとも3つの可能な結合手段を有し、この場合、これらの反復単位の少なくとも3個は、少なくとも2つの可能な結合手段を有する。
【0067】
これに関連して、「反復単位」という用語は、好ましくは高分岐分子内の常に反復する構造を意味する。「結合手段」という用語は、好ましくは別の反復単位に結合することが可能である反復単位内の機能的構造を意味すると理解される。デンドリマーおよび高分岐ポリマーの上述の実施例に基づき、反復単位は、それぞれの場合において、3つの結合手段(X、Y、Z)
【化2】

を有する構造である。
【0068】
個々の結合単位を縮合重合により、フリーラジカル重合により、陰イオン重合により、陽イオン重合により、基転移重合により、配位重合によりまたは開環重合により互いに結合することができる。
【0069】
「開始剤分子」および「反復単位」という用語は、当該技術分野において広く知られている。従って、多縮合により、本発明において使用するための高分岐ポリマーを得ることは可能であり、この場合、多価アルコールから進み、はじめにモノマーのカルボン酸基を変換する。これは、エステル基を形成する。
【0070】
モノマーは、少なくとも2個のヒドロキシル基を含むため、各反応後の高分子は、反応前よりも多くのヒドロキシル基を有する。
【0071】
開始剤分子は、好ましくは、3、4、5、6、7または8個、より好ましくは3、4または5個のヒドロキシル基を有する脂肪族ポリオールが好ましい。
【0072】
開始剤分子は、ジトリメチロールプロパン、ジトリメチロールエタン、ジペンタエリトリトール、ペンタエリトリトール、アルコキシル化ペンタエリトリトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、アルコキシル化トリメチロールプロパン、グリセロール、ネオペンチルアルコール、ジメチロールプロパンおよび/または1,3−ジオキサン−5,5ジメタノールから選択されることがより好ましい。
【0073】
本発明の特定の態様において、反復単位は、1個のカルボキシル基および少なくとも2個のヒドロキシル基を有するモノマー由来である。これらの好ましいモノマーは、具体的に、ジメチルプロピオン酸、α,α−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、α,α,α−トリス−(ヒドロキシメチル)酢酸、α,α−ビス(ヒドロキシメチル)−吉草酸、α,α−ビス(ヒドロキシ)プロピオン酸および/または3,5−ジヒドロキシ安息香酸を含む。
【0074】
親水性コアは、ジメチロールプロピオン酸の重合により得られることができることが最も好ましく、この場合、使用される開始剤分子は、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールプロパン、エトキシル化ペンタエリトリトール、ペンタエリトリトールまたはグリセロールがより好ましい。
【0075】
好ましい実施形態において、親水性コアは、少なくとも1500g/mol、好ましくは少なくとも2500g/molの分子量を有することが好ましい。このパラメーターは、質量平均分子量(Mw)に基づき、これは、ゲル透過クロマトグラフィーにより測定することができ、測定は、DMF中で行われ、ポリエチレングリコールを基準物質として使用する(特に、Burgath et al.in Macromol.Chem.Phys.,201(2000) 782−791を参照)。この場合、ポリスチレン標準物質を使用して得られた較正曲線を使用する。それゆえ、このパラメーターが明確な測定値となる。
【0076】
親水性コアは、好ましくは−40〜60℃、より好ましくは0〜50℃および最も好ましくは10〜40℃のガラス転移温度を有することができる。ガラス転移温度は、3℃/分の加熱率を利用してDSCプロセスにより測定することができる(DMA法 Tanδピーク;Netzch DMA 242 3点曲げ測定 1Hz 3℃/分)。
【0077】
一般に、表面の疎水化は、少なくとも一部の遊離ヒドロキシル基と好ましくは長鎖カルボン酸を反応させることにより最後の反応工程として得られる。
【0078】
疎水性末端基、好ましくは、脂肪酸含有単位を用いた高分岐コア分子の官能化度は、好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも40%である。本発明のさらなる態様において、疎水性末端基、好ましくは、脂肪酸含有単位を用いた高分岐コア分子の官能化度は、30〜100%、好ましくは35〜95%、特に好ましくは40〜90%および最も好ましくは45〜85%である。
【0079】
官能化度は、疎水化において変換されるヒドロキシル基の割合に基づく。それに応じて、脂肪酸を用いた多官能化度またはエステル化の程度を、疎水化反応前および疎水化反応後の高分岐コア分子におけるヒドロキシル価の測定により決定することができる。
【0080】
親水性コアに加えて、高分岐ポリマーは、疎水性末端基を有する。これに関して、「疎水性末端基」という用語は、高分岐ポリマーの少なくとも一部の鎖末端が、疎水性基を有することを意味する。これに関連して、少なくとも部分的な疎水化表面が結果として得られることが推測されうる。
【0081】
「疎水性」という用語は、本来、当該技術分野において既知であり、本来、高分岐ポリマーの少なくとも一部の末端に存在する基は、水溶性が低いと考えられる。
【0082】
特定の態様において、表面を、少なくとも6個、好ましくは少なくとも12個の炭素原子を有するカルボン酸由来の基により疎水化する。カルボン酸は、最大40個、特に最大32個の炭素原子、より好ましくは最大20個の炭素原子および最も好ましくは最大18個の炭素原子を有することが好ましい。基は、飽和および/または不飽和脂肪酸由来であってよい。炭素原子12個〜18個を有するカルボン酸の割合は、疎水化に使用されるカルボン酸の質量に基づき、好ましくは少なくとも30質量%、より好ましくは少なくとも50質量%および最も好ましくは少なくとも60質量%である。
【0083】
これらは、具体的に、アマニ、大豆および/またはトールオイルに存在する脂肪酸を含む。特に適した脂肪酸は、二重結合の割合が低いもの、例えば、ヘキサデセン酸、具体的にパルミトレイン酸およびオクタデセン酸、具体的にオレイン酸である。
【0084】
これに関連する好ましいカルボン酸は、少なくとも35℃、好ましくは少なくとも40℃およびより好ましくは少なくとも60℃の融点を有する。それに応じて、線状の、飽和カルボン酸を使用することが好ましい。これらは、具体的に、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、エイコサン酸、ドコサン酸およびテトラコサン酸を含む。炭素原子16個〜22個、特に好ましくは炭素原子16個〜18個を有する飽和脂肪酸が特に好ましい。
【0085】
高分岐担体ポリマー(疎水化後)は、少なくとも6000g/mol、より好ましくは少なくとも7500g/molの分子量を有する。分子量は、好ましくは最大30000g/mol、より好ましくは最大25000g/molである。このパラメーターは、質量平均分子量(Mw)に基づき、これは、ゲル透過クロマトグラフィーにより測定することができ、測定はDMF中で行われ、使用される基準物質は、ポリエチレングリコールである(特に、Burgath et al.in Macromol.Chem.Phys.,201(2000) 782−791を参照)。この方法において、ポリスチレン標準物質を使用して得られる較正曲線を使用する。それゆえ、このパラメーターが明確な測定値となる。
【0086】
好ましい高分岐ポリマーの多分散性Mw/Mnは、好ましくは1.01〜6.0、より好ましくは1.10〜5.0および最も好ましくは1.2〜3.0であり、この場合、数量平均分子量(Mn)を同様に、GPCにより得ることができる。
【0087】
親水性コア対疎水性末端基の質量比は、好ましくは10:1〜1:10、より好ましくは1:1〜1:2.5であってよい。この比は、親水性コアの質量平均および高分岐ポリマーの質量平均に起因する。
【0088】
高分岐ポリマーの粘性は、好ましくは50mPas〜5.00Pas、より好ましくは70mPas〜3.00Pasである。この場合、このパラメーターを、2つの20mmプレート間で110℃および30s-1にて回転式粘度計により測定することができる。
【0089】
高分岐ポリマーの酸価は、好ましくは0〜20mg KOH/g、より好ましくは1〜15mg KOH/gおよび最も好ましくは6〜10mg KOH/gである。この特性を、NaOHで滴定することにより測定することができる(DIN53402参照)。
【0090】
さらに、疎水化後の高分岐ポリマーは、0〜200mg KOH/g、好ましくは1〜150mg KOH/g、および最も好ましくは10〜140mg KOH/gのヒドロキシル価を有する。この特性をASTME222に従い測定する。この場合、ポリマーを規定量の無水酢酸と反応させる。未変換の無水酢酸を水で加水分解する。続いて、混合物をNaOHで滴定する。ヒドロキシル価は、比較の被検物質とポリマーの測定値との差から算出する。この場合、ポリマーの酸性基数を考慮に入れるものとする。これを、酸価を通して行うことができ、これは、上記の方法の手段により測定することができる。
【0091】
c)高分岐ポリマーの分岐度は、20〜70%、好ましくは25〜60%である。分岐度は、ポリマーを調製するために使用される構成物質、具体的には、親水性コアおよび反応条件によって決まる。分岐度は、Frey等に従って決定することができ、この方法は、D.Hoelter,A.Burgath,H.Frey,Acta Polymer,1997,48,30およびH.Magnusson,E.Malmstroem,A.Hult,M.Joansson,Polymer 2002,43,301に詳述されている。
【0092】
高分岐ポリマーは、少なくとも30℃、より好ましくは少なくとも35℃および最も好ましくは少なくとも40℃の融点を有する。本発明の特定の態様において、高分岐ポリマーの融点は、好ましくは最大65℃、具体的に好ましくは最大60℃、より好ましくは最大57℃および最も好ましくは最大55℃であってよい。融点は、示差走査熱量測定法(DSC)、例えばMettler DSC27HP装置および加熱率10℃/分を用いて決定することができる。
【0093】
疎水化後の高分岐ポリマーの水溶性は、40℃にて上述のフラスコ法により測定され、好ましくは最大10質量%、より好ましくは最大7質量%および最も好ましくは最大5質量%である。
【0094】
さらに、特に好ましい高分岐ポリマーにおいて、60℃以下、好ましくは50℃以下およびより好ましくは約48℃以下にて水と混合される場合は、液−液平衡のみを呈するが、固−液平衡または固−液−液平衡は呈さず、この特性は、水50質量%および高分岐ポリマー50質量%の混合物を使用することにより決定される。測定を、フィルター実験により行うことができ、混合物を20μm以下が好ましい適切な孔径のフィルターを通して濾過する。固−液平衡または固−液−液平衡において、平衡の固体構成物質は、フィルターに残り、この場合、残留物は、液−液平衡の場合には認められない。この特性を、特に、官能化度および疎水化に使用されるカルボン酸により制御することができる。高分岐ポリマーが官能化度が低くおよび/または短鎖カルボン酸を有する場合、一般に、これらのポリマーは、上述の条件下において液−液平衡のみを呈するが、固−液平衡は呈さない。
【0095】
高分岐ポリマーは、好ましくは基本的に水素、酸素および炭素からなる。「基本的に」という用語は、高分岐ポリマーにおいて、最大10質量%、より好ましくは最大5質量%まで存在する追加の要素を意味する。
【0096】
本発明の特定の態様において、高分岐ポリマーを、酵素的に分解することができる。これは、例えば、酵素的に分解可能な有機エステル基を含む親水性コアおよび/または疎水性シェルにより実現することができる。
【0097】
本発明において好ましい高分岐ポリマーまたは調製物は、3日以内、好ましくは2日以内およびより好ましくは1日以内に酵素分解を呈する。この場合、調製物は、適切な酵素、具体的に、リパーゼ、例えば、Lipomod34P(Biocatalyst Lmt.,UK)および放出されている有効成分の50質量%が測定されるまでの時間を用いて分解される。例えば、10〜20質量%の負荷の調製物を分析することができ、この場合、好ましくは有効成分を含んだポリマー粒子0.22gをリン酸緩衝液(pH5.01)15mlまたは同緩衝液中酵素Lipomod34P(Biocatalyst Lmt.,UK)溶液15ml(Lipomod34P濃度は0.5mg/mlであった)に懸濁することができる。被検物質を混合せずに37℃にて水浴で保持することができる。一定の時間間隔、例えば5時間で、約2mlの被検物質を取り込むことができ、有効成分濃度は、適切な方法、例えばHPLC(高圧液体クロマトグラフィー)を用いて分析することができる。この場合、選択された測定条件下の保存性の問題を除外するために酵素を含まない比較被検物質の放出を考慮に入れ、これは、上記の値が分析された被検物質と比較被検物質との差に起因するためである。
【0098】
これらの高分岐ポリマーの調製物は、欧州特許第630389号に具体的に詳述される。一般に、開始剤分子を少なくとも2個のヒドロキシル基および少なくとも1個のカルボン酸基を含む少なくとも1種の化合物と反応させることができる。これは、少なくとも1種の疎水化合物、例えば、長鎖カルボン酸と反応させることができる親水性コアを生成する。
【0099】
一般に、反応は、0℃〜300℃、好ましくは100℃〜250℃にて行われ、反応を既知のエステル化触媒により促進することができる。これらの触媒は、例えば、ルイス酸およびブロンステッド酸、具体的にはp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、BF3、AlCl3およびSnCl4、チタン化合物、具体的にはチタン酸テトラブチル、亜鉛華でんぷんおよび/またはズズ粉を含む。
【0100】
反応混合物からエステル化で放出された水を除去することが好ましい。
【0101】
高分岐ポリマーに加えて、本発明の調製物は、少なくとも1種の低分子物質を含む。低分子物質は、非共有法により高分岐ポリマーに結合することが好ましい。例えば、イオン相互作用または極性相互作用によりあるいは分子間力により、これを行うことができる。
【0102】
高分岐ポリマーおよび低分子物質の相互作用に基づき、本発明の調製物は、従来のこれらの構成物質の混合物と異なっていてよい。
【0103】
この相互作用は、既知の様式において測定することができる。低分子物質において、多くの場合、分光法がこれに適している。例えば、いくつかの場合、赤外線スペクトルのシフトを認めることが可能である。
【0104】
さらに、従来の混合物に比べ、本発明の調製物は、本調製物の低分子物質以外の媒体への低分子物質の放出を遅延させることができる。遅延放出を、Smirnova,I.;Suttiruengwong,S.;Arlt W."Feasibility study of hydrophilic and hydrophobic silica aerogels as drug delivery systems";Journal of Non−Crystalline Solids(2004)54−60により記載された方法において測定することができる。
【0105】
一般に、低分子物質が放出される媒体において、同一濃度の低分子物質を得るための時間差は、少なくとも1分間、好ましくは少なくとも5分間である。これに関連して、この時間差は、同一の遅延放出条件下において、本発明の調製物および従来のこれらの構成物質の混合物の測定に基づく。遅延放出は、調製物が低分子物質を可能な限り早く放出しないように選択する条件を意味する。これらの条件は、本出願の知識を有する当業者が詳しい。従来の混合物の値もまた、構成物質を個別に添加することにより決定することができる。
【0106】
特定の実施形態において、調製物は、封入化形態において存在し、「封入化」という用語は、当該技術分野において既知である。封入化調製物において、例えば、低分子物質を、高分岐ポリマーを含むシェルに埋め込むことができる。例えば、マトリックス封入化および/またはコア−シェル封入化により、これを行うことができる。
【0107】
本発明の特定の態様において、本発明の調製物は、粒子の形態であってよい。この場合、これらの粒径は、好ましくは、1〜1000μm、より好ましくは10〜500μmである。
【0108】
粒子の形態は、本来、重要ではない。しかし、粒子は、球状形態を有することが好ましい。
【0109】
本発明に関連して、「球状」という用語は、粒子が球状の形状を有することが好ましいことを意味するが、調製方法により、別の形状の粒子が存在する可能性もあり、または粒子形態が理想の球状形態から外れうることは、当業者に明白である。
【0110】
それに応じて、「球状」という用語は、粒子の最長径対最短径の比が4以下、好ましくは2以下であることを意味し、これらの径は、それぞれ粒子の中心を通り測定される。粒子数に基づき、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも90%が球状である。
【0111】
粒度を、周知の様式において決定することができる。このために、例えば、視覚的および/またはコンピュータを利用して評価することができる顕微鏡画像を使用することが可能である。
【0112】
さらに、好ましい微粒子は、特に狭い粒度分布を有する。従って、好ましくは少なくとも80質量%の粒径は、最大200μm、好ましくは最大100μm、より好ましくは最大50μmである。
【0113】
本発明の具体的な態様において、90%の粒径は、1〜1000μm、特に好ましくは3〜800μm、より好ましくは7〜700μmおよび最も好ましくは10から500μmであることが好ましい。
【0114】
本発明の調製物は、優れた剪断安定性を呈し、多くの場合、これは、高分岐ポリマーの選択および調製物製造の方法条件により影響されうる。調製物は、1分以上、好ましくは5分以上の剪断安定性を呈することが好ましく、この安定性は、15000回転/分、好ましくは20000回転/分のULTRA−TURRAX撹拌機のものに対応する負荷にて測定される。一般に、例えば、医薬用油(Univar GmbH製パラフィン油WINOG100Pharma)の分散液を、本明細書において調製し、分散液は、例えば調製物10質量%を含有することができる。例えば、15000回転/分、好ましくは20000回転/分のULTRA−TURRAX撹拌機により行うことができる安定性測定の前後に、粒子を顕微鏡で分析し、粒子形態、径および分布を評価する。顕著な変化が認められない場合、前述の条件下の剪断安定性である。
【0115】
本発明の調製物の保存性は同様に、多くの場合、驚くほど高く、調製物を分散液または乳液の形態で保存する場合の媒体の型および組成物および/または保存温度によって決まる。好ましい保存条件下において、好ましい調製物を長期間、例えば10日以上、好ましくは30日以上およびより好ましくは90日以上にわたり保存することができる。このパラメーターを、媒体への有効成分の放出または低分子物質の分解により測定することができる。これらのデータは、最大10%の低分子物質を、調製物を保存することができる媒体に放出し、または最大10%の低分子物質を例えば酸化により分解するまでの期間に基づく。
【0116】
低分子物質は、15g/mol〜1000g/mol、より好ましくは30g/mol〜800g/molおよび最も好ましくは60g/mol〜500g/molのモル質量を有することが好ましい。
【0117】
本発明の分子物質を広範囲の分野から選択することができる。具体的に、過酸化物基、アミノ酸、触媒、染料および/または顔料、ビタミン、モノマー、香味料および/または芳香剤、生物学的活性構成物質、具体的には医薬品、開始剤、過流酸塩、シリコーン、界面活性剤、シリカ、シラン、酵素および補酵素、溶剤、充填剤、反応性架橋剤、清浄剤、毛髪染剤、コンクリート添加剤および植物エキスを含む化合物を含む。
【0118】
驚くことに、本発明の調製物は、化学的に不安定な化合物、特に、例えば、開始剤および/または過流酸塩を確実に保存および輸送することを可能にし、これらの物質の溶液または粉末用のものに比べ、求められる保存および輸送条件は、かなり少ない。これに関連して、爆発または火炎形成の危険を予想外にかなりの程度まで減少させることができる。
【0119】
好ましい生物学的活性構成物質は、具体的にペプチド、ビタミンおよびビタミン前駆体、脂肪および脂肪酸、アミノ酸およびアミノ酸前駆体、例えば、クレアチン、糖および糖誘導体、ヌクレオチド、核酸およびその前駆体ならびに誘導体、例えば、DNAオリゴマーおよびRNAオリゴマーを含む。
【0120】
ビタミンは、具体的にビタミンA、ビタミンB複合体のビタミン、例えば、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3(葉酸)およびビタミンB12、ビタミンC(アスコルビン酸)、D複合体のビタミン、具体的に、7−デヒドロコレステロール、ルミステロール、カルシフェロール、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、22,23−ジヒドロエルゴカルシフェロールおよびシトカルシフェロールおよびビタミンE(トコフェロール)ならびにビタミンK(フィロキノン、メナキノン)を含む。
【0121】
好ましいアミノ酸は、具体的にDL−メチオニン、L−リジン、L−トレオニン、L−トリプトファンおよびL−ロイシンを含む。
【0122】
さらに、本発明の調製物は、低分子物質として、具体的に、香味料、芳香剤、天然エキス、香味促進化合物、天然と同一の芳香剤および酵素修飾食品添加剤を含むことができる。
【0123】
芳香剤は、具体的に、ケトン、アルデヒド、硫黄化合物、カルボン酸エステル、アルコールおよび/または天然エキスを含む。
【0124】
使用されるケトンは、好ましくは例えば、アセトン、アセトフェノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、3−デセン−2−オン、メチルアミルケトン、メチルエチルケトン、メチルヘプチルケトン、メチルノニルケトン、4−メチル−2−ペンタノン、メチルプロピルケトン、1−メチル−4−イソプロペニル−6−シクロヘキセン−2−オン(D,L−カルボン)および/またはプロピオフェノンを含む。
【0125】
使用されるアルデヒドは、好ましくは具体的に、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、桂皮アルデヒド、デカナール、ドデカナール、ヘプタナール、ヘキサナール、イソブチルアルデヒド、E−2−デセナール、E−2−ドデカナール、E−2−ヘキサナール、E−2−ノネナール、E−2−オクテナール、2,4−デカジエナール、2,4−ドデカジエナール、2,4−ヘプタジエナール、2,4−ノナジエナールおよび/または2,4−オクタジエナールを含む。
【0126】
使用される硫黄化合物は、好ましくは硫化物、例えば、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジフェニルジスルフィド、ジプロピルジスルフィド、ジプロピルトリスルフィド、エチルメチルスルフィド、イソプロピルジスルフィド、メチルプロピルジスルフィド、メチルプロピルトリスルフィド、2−チオフロン酸メチル、4−メチルチオ−2−ブタノン、3−メチルチオ−1−ヘキシル酢酸、4−(メチル−チオ)−4−メチル−2−ペンタノン、
チオカルボン酸およびチオカルボン酸誘導体、具体的にチオエステル、例えば、3−(メチルチオ)ブチル化エチル、チオ酢酸エチル、3−(メチルチオ)プロピオン酸メチル、チオ安息香酸メチル、チオブチル化メチル、チオヘキサン酸メチル、チオイソ吉草酸メチル、n−プロピルチオ酢酸、
メルカプタン、具体的に、ヘキシルメルカプタン、イソアミルメルカプタン、イソブチルメルカプタンおよび/または
チオケトン、例えば、チオメントンを含む。
【0127】
使用されるカルボン酸エステルは、好ましくは酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸エチル、p−アニス酸エチル、蟻酸エチル、ヘキサン酸エチル、オクタン酸エチル、酪酸エステル、n−ヘキシル酢酸、n−ヘキシルクロトン酸、イソ吉草酸ヘキシル、酪酸イソアミル、ヘキサン酸イソアミル、酪酸イソブチル、プロピオン酸イソブチル、安息香酸メチル、2−メチルブチル酢酸、シアン酸メチル、デカン酸メチル、イソ吉草酸メチル、オクタン酸メチル、プロピオン酸メチル、酢酸ネリル、イソ酪酸ネリル、n−オクチル酢酸、酢酸フェネチル、イソ酪酸フェネチル、イソ吉草酸フェネチル、プロピオン酸フェネチル、酢酸フェニルプロピル、ヘキサン酸フェニルプロピル、n−プロピル酢酸、n−プロピル蟻酸および/またはn−プロピルイソ酪酸を含む。
【0128】
使用されるアルコールは、好ましくは具体的に、アニシルアルコール、ベンジルアルコール、1−ブタノール、1−ヘキサノール、イソアミルアルコール、イソブチルアルコール、ネロール、エタノール、フェネチルアルコール、プロパノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、2−ノナノールおよび/または3−ヘキサノールを含む。
【0129】
天然エキスは、具体的に、バナナエキス、イチゴエキス、ココアエキス、バニラエキス、コーヒーエキス、茶エキス、ナッツエキス、ラムエキス、柑橘果物のエキス、カーネルエキス、リンゴエキスおよびスパイスエキスを含む。これらのエキスは、多くの場合、市販にて入手可能である。これらは、具体的にココア純粋物(Cocoa Absolute)14620、ココアLC10167、ココアP11197、ココアU88を含み、全てDegussa AGより入手可能である。これに関連する天然エキスは、天然源から得られ、またはこれらのエキスに類似の特性を有することができる。
【0130】
本発明のさらなる態様において、天然物質エキスは、低分子物質として使用することができる。天然物質エキスは、天然物質から得られたエキスである。好ましい天然物質エキスは、パイナップル、リンゴ、バナナ、ビール、西洋ナシ、イチゴ、柑橘果物、ラズベリー、スグリ、コーヒー、コーヒー油、サクランボ、マンゴー、オレンジ油、パッションフルーツ、ラム、サワーチェリー、スローおよび/または純粋麦芽ウィスキーの抽出により得られた組成物を含む。
【0131】
さらに、本発明の調製物は、天然および合成添加剤、例えば、食品添加剤、具体的に、2−アセチル−3,5(6)−ジメチルピラジン、2−アセチルピラジン、2−アセチルチアゾール、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン、2,3−ジエチルピラジン、2,3−ジメチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン、2,6−ジメチルピラジン、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、2−エチルフラン、2−エチル−3−メチルピラジン、2−エチル−5(6)−メチルピラジン、3−エチルピラジン、2−メトキシ−3−イソブチルピラジン、2−メトキシ−3(5),(6)−メチルピラジン、2−メトキシピラジン、2−メチルピラジン、2−ペンチルフラン、2,3,5−トリメチルピラジンおよび/または化合物1036(一般的に知られるコニャックオイル代替品)を含むことができる。
【0132】
さらに、本発明の調製物は、酵素により修飾された飼料成分(EMDI)を含むことができる。これらの添加剤は、多様な食品、例えば、CPF(登録商標)チーズペースト香味料、NCF(登録商標)粉末チーズ香味料、BCF(登録商標)液体ブルーチーズ香味料、FDF(登録商標)液体チーズ香味料の商品名のチーズ香味料として入手可能である。さらに、EMDIは、バター香味料、例えば、LBO(登録商標)バター脂肪/クリームペースト香味料、NBF(登録商標)粉末バター脂肪香味料、FDF(登録商標)/DCF(登録商標)液体バター香味料として入手可能である。
【0133】
過酸化物基を有する好ましい化合物は、具体的に、H22、過流酸塩および/または有機過酸化物を含む。
【0134】
モノマーは、具体的に、オレフィン、例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、ノルボーネン、
ハロゲン化ビニル、例えば、塩化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデンおよびフッ化ビニリデン、
酢酸ビニル等のビニルエステル、
スチレン、側鎖にアルキル置換基を有する置換スチレン、例えば、α−メチルスチレンおよびα−エチルスチレン、環上にアルキル置換基を有する置換スチレン、例えば、ビニルトルエンおよびp−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、例えば、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、トリブロモスチレンおよびテトラブロモスチレン、
複素環式ビニル化合物、例えば、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン、3−エチル−4−ビニルピリジン、2,3−ジメチル−5−ビニルピリジン、ビニル−ピリミジン、ビニルピペリジン、9−ビニルカルバゾール、3−ビニル−カルバゾール、4−ビニルカルバゾール、1−ビニルイミダゾール、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリドン、2−ビニル−ピロリドン、N−ビニルピロリジン、3−ビニルピロリジン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルブチロラクタム、ビニルオキソラン、ビニルフラン、ビニルチオフェン、ビニルチオラン、ビニルチアゾールおよび水素化ビニルチアゾール、ビニルオキサゾールおよび水素化ビニルオキサゾール、
ビニルおよびイソプレニルエーテル、
マレイン酸およびマレイン酸誘導体、例えば、マレイン酸のモノおよびジエステル、無水マレイン酸、無水メチルマレイン酸、マレイミド、メチルマレイミド、
フマル酸およびフマル酸誘導体、例えば、フマル酸のモノおよびジエステル、
ジエン、例えば、ジビニルベンゼン、
および以後、(メタ)アクリル酸として記述されるアクリル酸およびメタクリル酸を含む。
【0135】
これらは、例えば、
飽和アルコール由来の(メタ)アクリル酸、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、2−エチル−(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、2−tert−(メタ)アクリル酸ブチルヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、3−(メタ)アクリル酸イソプロピルヘプチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、5−(メタ)アクリル酸メチルウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、2−(メタ)アクリル酸メチルドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、5−(メタ)アクリル酸メチルトリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、2−(メタ)アクリル酸メチルヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、5−(メタ)アクリル酸イソプロピルヘプタデシル、4−tert−(メタ)アクリル酸ブチルオクタデシル、5−(メタ)アクリル酸エチルオクタデシル、3−(メタ)アクリル酸イソプロピルオクタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル、(メタ)アクリル酸セチルエイコシル、(メタ)アクリル酸ステアリルエイコシル、(メタ)アクリル酸ドコシルおよび/または(メタ)アクリル酸エイコシルテトラトリアコンチル、
(メタ)アクリル酸シクロアルキル、例えば、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、3−(メタ)アクリル酸ビニルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ボルニル、
不飽和アルコール由来の(メタ)アクリル酸、例えば、2−(メタ)アクリル酸プロピニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニルおよび/または(メタ)アクリル酸オレイル、
(メタ)アクリル酸アリール、例えば、メタクリル酸ベンジルまたはメタクリル酸フェニル、この場合、アリール基は、それぞれ非置換または四置換まであってよく、
ハロゲン化アルコールのメタクリル酸、例えば、2,3−メタクリル酸ジブロモプロピル、4−メタクリル酸ブロモフェニル、1,3−ジクロロ−2−メタクリル酸プロピル、2−メタクリル酸ブロモエチル、2−メタクリル酸ヨードエチル、メタクリル酸クロロメチルを含む。
【0136】
さらに、好ましい低分子物質は、毛髪洗浄組成物および毛髪着色剤に使用される清浄剤および添加剤の分野、例えば、アセトアミノフェン、アセチル化ラノリンアルコール、セイヨウノコギリソウ、セイヨウトチノキ、サイザルアサ、アロエベラ、アルミナ、クロロ水酸化アルミニウム、蟻酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ステアリン酸、具体的にステアリン酸アルミニウムおよびステアリン酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、トリステアリン酸アルミニウム、アミノメチルプロパノール、アンモニア、重炭酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、アンモニオチオグリコール酸、アンモニオチオ乳酸、アモジメチコン、ローマンカモミール、ラッカセイ由来であってよい。
【0137】
好ましい触媒は、具体的に、水和または水素化、例えば、硬化脂肪酸、ニトリルおよびポリオールの水素化、樹脂、芳香族および白色油の水素化;アセチレンおよびジエンの選択的水素化ならびにクメンへのAMSの選択的水素化に使用される金属含有触媒を含む。
【0138】
さらにこれらは、酸化、例えば、エチレン酸化物およびビニル酢酸モノマーを調製するための選択的酸化、プロセスからのオフガスの洗浄、例えば、COおよびVOCの除去、ハロゲン化炭化水素を含むオフガスの洗浄に使用される触媒、および工業ガスを洗浄するための触媒を含む。
【0139】
一般に、これらの触媒は、金属、例えば、ニッケル、コバルト、銅、モリブデン、クロミウム、鉄および白金群金属、例えば、ロジウム、パラジウム、白金を含む。このような触媒は本来、既知であり、多くの場合、市販にて購入可能である。これらは、具体的に、Degussa製のcatASium(登録商標)およびcataCXium(登録商標)の商標名の製品を含む。
【0140】
これらの触媒の例として、
(−)−2,3−ビス[(2R,5R)−2,5−ジメチルホスホルアニル]無水マレイン酸(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I)テトラフルオロホウ酸塩(catASium(登録商標)M(R)Rh)、
(−)−2,3−ビス[(2R,5R)−2,5−ジメチルホスホルアニル]−N−メチル−マレイミド(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I)テトラフルオロホウ酸塩(catASium(登録商標)MN(R)Rh)、
(+)−2,3−ビス[(2S,5S)−2,5−ジメチルホスホルアニル]無水マレイン酸(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I)テトラフルオロホウ酸塩(catASium(登録商標)M(S)Rh)、
(+)−2,3−ビス[(2R,5S)−2,5−ジメチルホスホルアニル]−N−メチル−マレイミド(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I)テトラフルオロホウ酸塩(catASium(登録商標)MN(S)Rh)、
(+)−(3R,4R)−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1−ベンジルピロリジン(catASium(登録商標)D(R))、
(+)−(3R,4R)−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1−ベンジルピロリジン(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I)テトラフルオロホウ酸塩(catASium(登録商標)D(R)Rh)、
ブチルジ−1−アダマンチルホスフィン(cataCXium(登録商標)A)、
ベンジルジ−1−アダマンチルホスフィン(cataCXium(登録商標)ABn)、
トランス−ジ(mu−アセタト)ビス[o−(ジ−o−トリルホスフィノ)ベンジル]−ジパラジウム(II)(cataCXium(登録商標)C)、
N−フェニル−2−(ジシクヘキシルホスフィノ)ピロール(cataCXium(登録商標)PCy)、
N−フェニル−2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)ピロール(cataCXium(登録商標)PtB)、
1−(メトキシフェニル)(ジシクロヘキシルホスフィノ)ピロール(cataCXium(登録商標)POMeCy)、
1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−イミダゾール(cataCXium(登録商標)PICy)がある。
【0141】
触媒に関連して、本発明の調製物は、特にその長く安定した貯蔵寿命および特に容易な取扱いが可能である。さらに、触媒は、特に長期間にわたり反応混合物に放出することができる。
【0142】
上述の低分子物質を個々に、または2つ、3つ以上の混合物として使用することができる。この場合、混合物は、同じクラスまたは異なるクラスの低分子物質を含むことができる。例えば、組み合わせは、ビタミンおよび香味料を含む混合物である低分子物質として含むことができる。
【0143】
本発明の調製物を製造するため、低分子量化合物および高分岐ポリマーを互いに組み合わせることができる。このために、種々の方法、具体的に、コアセルベーション、RESS、GASおよび/またはPGSSプロセスおよび同軸ノズル、噴霧乾燥、流動床被覆および微封入化を使用するプロセスが適している。
【0144】
好ましい方法において、圧縮ガスを使用し、または少なくとも2つ液相が生じ、この場合、2つの前記相は、低分子物質を含み、少なくとも1つの液相は、高分岐ポリマーを含む。
【0145】
RESSプロセス(超臨界溶液の急速膨張)において、超臨界流体およびその中に溶解された物質を含む混合物を急速に減圧する。さらなる証拠をもってこのプロセスをより詳細に説明しているものは、Gamse et al.,Chemie Ingenieur Technik 77(2005),No.6,pages 669 to 679である。
【0146】
GASプロセスにおいて、ガス状または超臨界の析出物を、高分岐ポリマーの存在下において低分子物質の希釈溶液に添加する。このプロセスはまた、連続して操作できることが好ましい。これらのプロセスは、Gamse et al.,Chemie Ingenieur Technik 77(2005),No.6,pages 669 to 679およびTom,J.W.;Lim,G.B.;Debendetti,P.G.;Prod´homme,R.K.Supercritical Fluid Engineering Science,Washington DC 1993:Brennecke,J.F.;Kiran,E.;American Chemical Society:1993により具体的に詳述されている。
【0147】
PGSSプロセスにおいて、圧縮ガスを、溶液または融解生成物に添加する。次いで、ガス飽和混合物をノズルで膨張し、固体粒子を形成する。PGSSプロセスは、Gamse et al.,Chemie Ingenieur Technik 77(2005),No.6,pages 669 to 679;Perez de Diego,Y.Production of Controlled Drug Delivery Microparticles using Supercritical CO2 2004;およびShariati,A.;Peters,C.J.Recent developments in particle design using supercritical fluids.Current Opinion in Solid State & Materials Science 2003,7(4−5)、371−383に記載されている。
【0148】
さらに、本発明の調製物は、好ましくはPCAプロセス(圧縮液体貧溶剤で析出)により得ることができ、この場合、溶剤/固体溶液を、高圧室に噴霧し、相接触が、微細液滴と超臨界流体との間の噴霧室において生じ、これが微粒子を形成する(Gamse et al.,Chemie Ingenieur Technik 77(2005),No.6,pages 669 to 679を参照)。
【0149】
さらに、本発明の調製物を、好ましくはSEDSプロセス(超臨界流体による溶液促進分散)により製造することができる。SEDSプロセスにおいて、低分子物質および高分岐ポリマーを含む液流は、同様に得られる。この液流は、早ければノズル内で超臨界流体に接触する。この方法の変形例により、特に小粒子を得ることができる(Gamse et al.,Chemie Ingenieur Technik 77(2005),No.6,pages 669 to 679を参照)。
【0150】
さらに、本発明の調製物をCPFプロセスにより得ることができ、またはさらに加工することができる。CPFプロセス(粉末形態に濃縮)において、粒度に変化はない。このプロセスの目的は、固体として高濃度の液体を実現することである。この場合、液体を、適切な気体、例えば、CO2と、噴霧前または高粘性物質の場合は溶解前のどちらかで、スタティックミキサーにおいて接触することができ、これは、粘性の顕著な低下を実現することができる。ノズルによる超微細液滴は、並行して計量された固体と衝突し、その上に付着し、そのため、多含量の液体を有する凝集体を形成することができる(Gamse et al.,Chemie Ingenieur Technik 77(2005),No.6,pages 669 to 679を参照)。
【0151】
高圧を用いて行う上記のプロセス、具体的に、RESS、GASおよび/またはPGSSプロセスにおいて、封入化は、−20℃〜250℃、好ましくは0℃から180℃およびより好ましくは10℃〜150℃にて有利に行うことができる。これらのプロセスの圧は、広範囲にわたり変化することができ、これらの高圧プロセスは、0.5bar〜400bar、より好ましくは1bar〜200barおよび最も好ましくは1bar〜100barにて実施されることが好ましい。
【0152】
高圧プロセスにおいて、高分岐担体ポリマーの低分子量構成物質の濃度は、好ましくは0.5質量%〜95質量%、より好ましくは1質量%〜80質量%および最も好ましくは5質量%〜50質量%であってよい。
【0153】
コアセルベーションにおいて、高分岐ポリマーおよび低分子物質の溶液からの析出により、粒子を形成する。
【0154】
一般に、区別は、単純および複雑なコアセルベーションとの間ならびに水相および有機相分離の間でなされる(R.Arshady,"Microspheres and microcapsules−A survey of manufacturing techniques,Part III:Coacervation",Polymer Engineering and Science 30(1990)905以下)。単純なコアセルベーションにおいて、1種のコロイド状構成物質、例えば、ゼラチンを使用し、複雑なコアセルベーションにおいて、2つの対極に電荷されるコロイド状構成物質、例えば、ゼラチンおよびアラビアゴムを使用する。コアセルベーションの原理は、例えば、エタノールを添加することにより、ゼラチン水溶液をゼラチン富化相(コアセルベート)および低ゼラチン相からなる二相系に変換することからなる。これは、高分子分別に非常に類似しており、ただし、この場合、微粒子が剪断力の作用下において2〜5000μmの平均径を有する。
【0155】
コアセルベーションによる微粒子の生成は、多くの場合、以下の3つの工程に分けることができる。
(1)(3つの)不混和相の生成、
(2)カプセルシェルとしてのコロイドの沈積および
(3)カプセルシェルの凝固。
【0156】
3つの不混和相は、外側の媒体、コア材料およびカプセルシェル材料を含む。カプセルシェル材料を外側の媒体で溶解し、コア材料はその中に分散する。外部刺激(温度、pH、電解質)の作用の結果として、カプセルシェル材料は、外側の媒体に不溶性となり、分散されたコア材料に対する界面で沈積する。濾過後、カプセルシェルを、最終的に熱作用、架橋または溶剤の除去により硬化し、あるいは噴霧乾燥または凍結乾燥により乾燥する。
【0157】
−20℃〜150℃、より好ましくは0℃〜100℃および最も好ましくは10℃〜90℃にてコアセルベーションを行うことが好ましい。
【0158】
コアセルベーションが生じる圧は、いかなる特定の制限をも受けない。多くの場合、コアセルベーションは、10mbar〜10bar、好ましくは200mbar〜5barおよびより好ましくは500mbar〜3barにて行うことができる。
【0159】
高分岐担体ポリマーの低分子量構成物質の濃度は、好ましくは0.5質量%〜95質量%、より好ましくは1質量%〜80質量%および最も好ましくは5質量%〜50質量%であってよく、これが制限を課すものと意図しない。
【0160】
このプロセスは、特に、
R.Arshady,"Microspheres and microcapsules−A survey of manufacturing techniques,Part III:Coacervation",Polymer Engineering and Science 30(1990)905以下.;
Jain,R.A.The manufacturing techniques of various drug loaded biodegradable poly(lactide−co−glycolide)(PLGA)devices.Biomaterials 2000,21(23),2475−2490;
Jung,J.;Perrut,M.Particle design using supercritical fluids:Literature and patent survey.Journal of Supercritical Fluids 2001,20(3),179−219;および
Subramaniam,B.;Rajewski,R.A.;Snavely,K.Pharmaceutical processing with supercritical carbon dioxide.Journal of Pharmaceutical Sciences 1997,86(8),885−890.
に記載されている。
【0161】
噴霧乾燥は、溶液、懸濁液または糊状物質を乾燥するために連続的に行うことができる方法である。この方法は、広く知られており、方法を行う系は、市販されている。一般に、ノズル(液圧または圧縮空気あるいは不活性ガスにより行われる)または噴霧ディスクを回転(4000〜50000rpm)することにより、乾燥させる材料を熱風流(装置に従い220℃までの温度)に入れ、これは、一瞬にして微細粉末に乾燥させる。設計または末端使用に従い、熱風を、噴霧ジェットの方向または噴霧ジェットに対して流動することができる(並流、対向流方法)。噴霧デバイスは、噴霧塔の上部に存在し、得られた乾燥材料を、通常サイクロン分離器により空気流から分離し、噴霧塔の上部に回収することができる。
【0162】
微封入化は、少なくとも1種の物質(有効成分)を少なくとも1種の第2物質(シェル材料)を使用して埋め込むことを意味すると理解される。前者は、多くの場合、種々の理由において(溶解性、反応性、安定性等)、直接使用することができず、または微封入化(例えば、制御放出における放出曲線、独自の特徴等)により、特定の作用が実現されるものとする。
【0163】
実施において、微封入化の一連の手法があり、これは、2つの方法、具体的にマトリックス封入化およびコアシェル封入化から基本的に進む。
【0164】
両方の方法において、市販の溶液が入手可能である。これに関して、一般に、個々に有効成分に合わせる配合およびプロセスが使用される。これらの溶液の商業的供給業者は、BRACE GmbH、Alzenauである。
【0165】
本発明の好ましい態様において、本発明の調製物は、
少なくとも1種の高分岐ポリマーおよび少なくとも1種の低分子物質を含むポリマー溶融物を調製し、
ポリマー溶融物を第2液相に入れ、この場合、前記高分岐ポリマーは、難溶性であり、これは、前記高分岐ポリマーの凝固温度以下の凝固温度を有し、
前記高分岐ポリマーの凝固温度以上の温度にて前記第2液相に前記ポリマー溶融物を分散し、
前記第2液相に分散された前記ポリマー溶融物を凝固する
工程を含む方法により得ることができる。
【0166】
好ましい方法において、ポリマー溶融物を調製する。「ポリマー溶融物」という用語は、少なくとも1種の高分岐ポリマーおよび少なくとも1種の低分子物質を含む組成物の自由流動性状態を指す。ポリマー溶融物の粘性は、好ましくは50mPa*s〜5000Pa*s、より好ましくは100mPa*s〜1000Pa*sであり、このパラメーターは、回転式粘度計により決定される。これに関連して、自由流動性状態は、温度を含めた因子に依存する。ポリマー溶融物の上述の粘性範囲は、好ましくは、10〜200℃、より好ましくは50〜150℃にて測定される。本発明の特定の態様において、ポリマー溶融物の粘性は、100mPa*s〜1000Pa*sであってよく、このパラメーターは、2つの20mmプレート間で110℃および30s-1にて回転式粘度計により測定可能である。
【0167】
低分子物質は、ポリマー溶融物中に微細に分布されることが好ましい。このため、既知の装置、例えば、プロペラ撹拌機を有する撹拌タンクを含む撹拌機、ディスク撹拌機、歯状ディスク撹拌機、アンカー撹拌機、螺旋型撹拌機、ブレード撹拌機、パドル撹拌機、ピッチブレード型撹拌機、クロスブレード型撹拌機、渦巻型撹拌機、MIG撹拌機、インターミグ撹拌機、Ultra−Turrax撹拌機、スクリュー型撹拌機、ベルト型撹拌機、フィンガー型撹拌機、バスケット型撹拌機、インペラ型撹拌機および、特に、超音波で行うことができる分散機およびホモジナイザーを使用することが可能である。一般に、装置は、少なくとも1つのシャフト有することができ、その上に、好ましくは1〜5の撹拌要素を順に組み込むことができる。
【0168】
低分子物質が粒子状形態で存在する場合、これは、例えば、溶液、懸濁液または分散液を生じ、分布形態で存在する相の粒度は、好ましくは最大5000μm、より好ましくは最大1000μmである。
【0169】
このために必要なパラメーターは、上述の装置によって決まる。撹拌機の速度は、好ましくは10〜25000回転/分、より好ましくは20〜10000回転/分であってよい。
【0170】
ポリマー溶融物が調製される温度は、同様に、広範囲であってよく、これは、高分岐ポリマーの凝固温度を含めた因子によって決まる。温度は、好ましくは−20℃〜250℃、より好ましくは0℃〜200℃である。本発明の特定の態様において、ポリマー溶融物の調製において選択される温度は、高分岐ポリマーの凝固温度以上の、10℃〜200℃、より好ましくは15℃〜150℃であるだろう。ポリマー溶融物の調製に使用される圧は同様に、決定的ではなく、多くの場合、低分子物質の型および高分岐ポリマーの凝固温度によって決まる。例えば、圧を、0.1mbar〜200bar、好ましくは10mbar〜100bar内で選択することができる。
【0171】
本発明の特定の態様において、好ましくは、溶剤、具体的には有機溶剤をポリマー溶融物に添加せず、特に好ましいポリマー溶融物は、いかなる溶剤をも含まない。本明細書において、溶剤は、高分岐ポリマーが溶解性である物質を意味すると理解され、これは、調製方法中に除去しなければならず、このため、この化合物は調製において存在すべきではない。これに関連して、上述の低分子物質の多くは、溶剤の特性を有しうることが強調されるべきである。しかし、これらの物質は、調製物の目的の構成要素であり、そのため、これらの化合物は、本発明の関連において溶剤ではない。それに応じて、方法を行うための溶剤の使用を必要としない。一方で、低分子物質の中には、溶解形態において供給されるものもあり、この場合、一般に、このために使用される溶剤は、低分子物質の使用に必須ではなく、これは、低分子物質が生物学的活性である場合、これらが、例えば健康に有害ではないためである。このような補助剤は、ポリマー溶融物の調製前に必ずしも除去される必要はない。代わりに、これらの補助物質は、ポリマー溶融物に組み込むことができる。
【0172】
本発明において、上記のポリマー溶融物は、第2液相に変換され、この場合、高分岐ポリマーは、難溶性であり、この液相は、高分岐ポリマーの凝固温度以下の凝固温度を有する。
【0173】
「難溶性」という用語は、第2液相において高分岐ポリマーの溶解性が最小時であるものとする。多くの場合、溶解性は、温度によって決まる。それに応じて、分散条件は、多くの場合、最少の割合の高分岐ポリマーが第2液相に溶解されるように選択することができる。高分岐ポリマーは、第2液相中、最大20質量%、好ましくは最大10質量%の分散温度にてフラスコ法により溶解することが好ましい。
【0174】
第2液相は、高分岐ポリマーの凝固温度以下の凝固温度を有する。一般に、この温度は、第2液相の主要構成要素の融点またはガラス転移温度に起因し、補助剤または添加剤の結果としてあるいは物質の混合に使用される結果として、氷点の下降を生じうる。このパラメーターを、DSC測定から得ることができ、第2液相の慣例の主要構成要素の融点または氷点は、参照文献に一覧されている。
【0175】
第2液相は、好ましくは健康に有害でなく、より好ましくは、条例(EC)第1831/2003号、改訂4版に従って飼料添加剤の地域登録簿において承認されている物質、2006年5月29日に公布(FDA)されている物質を含む。
【0176】
疎水性高分岐ポリマーを使用する場合、好ましくは少なくとも1種の親水性物質を第2液相の主要構成要素として使用する。第2液相の主要構成要素として存在することができる親水性物質は、具体的に水および炭素原子を1〜7個、好ましくは1〜4個有するアルコール、具体的に、メタノール、エタノール、プロパノールおよび/またはブタノールを含む。
【0177】
第2液相は、主要構成要素とならび、追加の補助剤、具体的に分散剤および安定剤を含むことができる。これらの補助剤は、当該技術分野において既知であり、分散剤は、粒子の凝集を弱める。これらは、具体的に、乳化剤、保護コロイドおよび界面活性剤を含み、これらは、それぞれ使用される高分岐ポリマー、第2液相の低分子物質および主要構成要素に従い使用されることができる。好ましい界面活性剤は、具体的にラウリルエーテル硫酸塩等の陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤および非イオン性界面活性剤、例えば、ポリビニルアルコールおよびエトキシル化脂肪アルコールを含む。安定剤は、多数の使用目的において使用され、これらの補助剤を維持し、または所望の不安定状態を一定に保つ。これらは、具体的にペクチンおよび/またはカラゲナン等の沈降防止剤を含む。
【0178】
第2液相は、主要構成要素、例えば、上述の親水性物質、例えば水または炭素原子を4個まで有するアルコール60〜100質量%を含むことが好ましい。さらに、第2液相は、補助物質0〜40質量%、具体的には乳化剤0〜20質量%および安定剤0〜20質量%を含むことができる。
【0179】
第2液相に入れられるポリマー溶融物を、高分岐ポリマーの凝固温度以上の温度にて分散する。
【0180】
本発明に関連して、高分岐ポリマーの凝固温度は、高分岐ポリマーが固体になる温度を指し、これは、この温度のポリマー粒子が外部の作用なしでより大きな凝集体にもはや凝集しないためである。構造および結晶化特性において、凝固温度は、例えば、高分岐ポリマーのガラス転移温度または融点から生じることができ、これは、例えば、DSCプロセス(示差走査熱量測定法;動的示差熱量計)により決定することができる。これに関連して、部分的結晶性ポリマーは、ガラス転移温度および融点をともに呈することができ、この場合、粒子が凝集体を呈さない温度が重要であることを強調すべきである。表面が基本的に結晶性である場合、多くの場合、これらの構成要素の融点が重要である。
【0181】
これに関連して、分散は、少なくとも1種の低分子物質を含むポリマー溶融物が連続的な第2液相において微細に分布することを意味する。本明細書において、分散は、既知の設備および装置、例えば、プロペラ撹拌機を有する撹拌タンクを含む撹拌機、ディスク撹拌機、歯状ディスク撹拌機、アンカー撹拌機、螺旋型撹拌機、ブレード撹拌機、パドル撹拌機、ピッチブレード型撹拌機、クロスブレード型撹拌機、渦巻型撹拌機、MIG撹拌機、インターミグ撹拌機、Ultra−Turrax撹拌機、スクリュー型撹拌機、ベルト型撹拌機、フィンガー型撹拌機、バスケット型撹拌機、インペラ型撹拌機および、特に、超音波で作用することができる分散機およびホモジナイザーで行うことができる。一般に、装置は、少なくとも1つのシャフト有することができ、その上に、好ましくは1〜5の撹拌要素を順に組み込むことができる。
【0182】
本明細書において、分散の期間およびエネルギー入力は、所望の粒度および粒度分布に依存する。それに応じて、分散の期間は、広範囲から選択することができる。分散は、好ましくは1秒〜5時間、より好ましくは10秒〜2時間で行われる。
【0183】
特定の態様において、ポリマー溶融物は、高分岐ポリマーの好ましくは10〜99.99質量%、より好ましくは50〜99.00質量%および最も好ましくは70〜90質量%を含むことができる。さらに、ポリマー溶融物は、低分子物質の好ましくは0.01質量%〜90質量%、好ましくは1質量%〜50質量%および最も好ましくは10質量%〜30質量%を含むことができる。
【0184】
本発明の特定の態様において、分散の過程のニュートン数は、好ましくは0.1〜1000、より好ましくは0.4〜800であってよい。
【0185】
本発明における方法の特定の実施形態において、分散の過程のレイノルズ数は、好ましくは1〜107、より好ましくは10〜106であってよい。
【0186】
このために必要とされるパラメーターは、上述の装置によって決まる。撹拌機の速度は、好ましくは10〜25000回転/分、より好ましくは20〜10000回転/分であってよい。
【0187】
同時に、使用されるニュートン数および撹拌機の速度は、所望の粒度および粒度分布によって決まる。より多くのエネルギーが供給されるほど、より長い分散が行われ、より小さい粒度を実現することができる。狭い粒度分布は同様に、高分散エネルギーおよび長い分散時間により実現することができる。一方、長い分散時間および高分散エネルギーは、費用の追加と関連が深い。
【0188】
ポリマー溶融物を第2液相に分散する温度は同様に、広範囲であってよく、これは、高分岐ポリマーの凝固温度を含めた因子によって決まる。温度は、好ましくは−20℃〜250℃、より好ましくは0℃〜200℃である。ポリマー溶融物の分散に使用される圧は同様に、決定的ではなく、多くの場合、低分子物質の型および高分岐ポリマーの凝固温度によって決まる。例えば、圧は、10mbar〜200bar、好ましくは100mbar〜100bar内から選択されることができる。
【0189】
分散の過程の温度は、高分岐ポリマーの凝固温度以上である。分散温度は、高分岐ポリマーの凝固温度以上の好ましくは1℃〜200℃、より好ましくは5℃〜150℃および最も好ましくは10〜50℃である。
【0190】
ポリマー溶融物対第2液相の質量比は、広範囲であってよい。この比は、好ましくは1:1〜1:1000、より好ましくは1:1.5〜1:500である。
【0191】
分散の過程において、組成物は、例えば、第2液相50〜99質量%、好ましくは70〜98質量%およびポリマー溶融物1〜50質量%、好ましくは2〜30質量%を含むことができる。
【0192】
ポリマー溶融物が第2液相に分散されると、分散されたポリマー溶融物を凝固する。凝固は、既知の方法、例えば、わずかに凝固温度以上の温度にて塩を添加しまたは冷却することにより行うことができる。高分岐ポリマーの凝固温度以下に第2液相を冷却することによりポリマー溶融物を凝固することが好ましい。
【0193】
冷却の型は、所望の粒度および粒度分布を含めた因子によって決まる。凝集を防ぐことができるため、急速冷凍により、特に、特定の均一な粒度分布および小粒子ができる。同時に、大量の冷却で集合体が形成されることは、少ない。
【0194】
さらに、粒度分布および粒子径は、補助剤、例えば、分散剤および乳化剤により影響されうる。これらの添加剤を、例えば、第2相に添加することができ、この場合、形成された粒子の表面の添加を実現することができる。この添加はまた、乾燥または保存過程中の微粒子の凝集を防ぐことができる。
【0195】
本出願において、このようにして得られた組成物を精製、濃縮または除去を行うことなく、さらに直接加工することができる。特定の実施形態において、本方法は、第2液相に形成された微粒子を除去する工程を含むことができる。除去は、既知の方法、具体的に、濾過、遠心分離、沈降、磁気分離、浮選、スクリーニングおよびデカントにより行うことができ、方法は、個々にまたは組み合わせて使用することができる。これは、第2液相の化合物を基本的に完全に除去することができ、このため、乾燥した微粒子が得られ、または粒子を濃縮することができ、この場合、より多量の第2液相の化合物が最終生成物中に存在する。最終生成物は、好ましくは少なくとも80質量%の微粒子、より好ましくは少なくとも95質量%の微粒子を有することができる。
【0196】
微粒子を除去または濃縮するために使用可能な装置を以後、分離器と呼び、これは、一般に公知である。例えば、遠心分離器、デカンター、遠心力分離器、フィルター、例えば、重力フィルター、吸引フィルター(真空フィルター)、加圧フィルター、吸引/加圧フィルター、加圧濾過機、真空ドラムフィルター、ベルトフィルター、ディスクフィルター、プラナーフィルター、チャンバーフィルタープレス、フレームフィルタープレス、キャンドルフィルター、リーフフィルター、膜フィルタープレートおよび/またはスクリーニングベルトプレスを含めた装置を使用することが可能である。
【0197】
除去または濃縮の温度は同様に、広範囲であってよく、高分岐ポリマーの凝固温度を含めた因子に依存する。粒子の凝集を防ぐために、選択される温度は、高分岐ポリマーの凝固温度以下とする。温度は、好ましくは−20℃〜250℃、より好ましくは−10℃〜100℃である。除去または濃縮に使用される圧は同様に、決定的ではなく、多くの場合、低分子物質の型および高分岐ポリマーの凝固温度によって決まる。例えば、圧は、10mbar〜200bar、好ましくは100mbar〜100barから選択することができる。
【0198】
除去後、得られた粒子を洗浄することができる。これに関して、粒子を洗浄液で処理し、追加の残留物および/または粒子由来の粒子の表面に存在する低分子物質を分離することができる。それに応じて、粒子、特に、高分岐ポリマーは、洗浄液に溶解しないものとする。一方、除去される物質、例えば、低分子物質は、最大溶解性を有する。好ましい親水性洗浄液は、具体的に水および/または炭素原子1〜7個、好ましくは1〜4個を有するアルコール、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノールおよび/またはブタノールを含む。これらの液体を個々に、または2つ、3つ以上の液体の混合物として使用することができる。
【0199】
洗浄の過程の温度は同様に、広範囲であってよく、これは、高分岐ポリマーの凝固温度を含む因子によって決まる。粒子の凝集を防ぐため、選択される温度は、高分岐ポリマーの凝固温度以下とする。温度は、好ましくは−20℃〜250℃、より好ましくは−10℃〜100℃である。洗浄に使用される圧は同様に、決定的ではなく、多くの場合、低分子物質の型および高分岐ポリマーの凝固温度によって決まる。例えば、洗浄の過程の圧は、10mbar〜200bar、好ましくは100mbar〜100barから選択することができる。
【0200】
粒子を洗浄するために使用可能な装置は、公知である。例えば、このために、混合容器および分離器を含む装置を使用することが可能である。混合容器は、上述の分散用の設備および装置を含むことが好ましい。さらに、混合容器は、温度制御を備えることができる。それに応じて、これらの混合容器は、加熱要素または冷却要素を含むことができる。
【0201】
さらなる工程において、得られた微粒子を乾燥することができる。微粒子を乾燥するために使用可能な装置は、公知である。例えば、ドラム式乾燥機、回転式乾燥機、パン式乾燥機、スクリュー乾燥機、パドル式乾燥機、シリンダー乾燥機、ロール乾燥機、冷凍乾燥機、流動床乾燥機、噴霧乾燥機、流動乾燥機、粉砕乾燥機、トレイ乾燥機、トンネル乾燥機、真空乾燥機および/または真空吸着乾燥機を含めた装置を使用することが可能である。
【0202】
乾燥の過程の温度は同様に、広範囲であってよく、これは、高分岐ポリマーの凝固温度を含めた因子によって決まる。粒子の凝集を防ぐために、選択される温度は、高分岐ポリマーの凝固温度以下とする。乾燥の過程の温度は、好ましくは−20℃〜150℃、より好ましくは−10℃〜100℃である。乾燥の過程に使用される圧は同様に、決定的ではなく、多くの場合、低分子物質の型および高分岐ポリマーの凝固温度によって決まる。例えば、圧を、0.1mbar〜10bar、好ましくは0.2mbar〜2barから選択することができる。
【0203】
上記の方法を、本来、公知の構成物質から構成できる単純な系で行うことができる。適切な系は、少なくとも2つの混合容器および分離器を含むことが好ましく、この場合、混合容器は、少なくとも1つのフィードラインを介して互いに接続し、第2混合容器は、分離器に接続する。分離器において除去された第2相は、再循環ラインを介して混合容器へ再循環できることが好ましい。
【0204】
好ましい実施形態において、高粘度の液体に適したポンプを、ポリマー溶融物を調製する第1混合容器とポリマー溶融物を第2液相に分散する第2混合容器との間のラインに提供することができる。好ましいポンプは、具体的にはスクリューポンプ、例えば、1つ、2つまたは3つのスクリューを有するスクリューポンプ、スクリューコンプレッサ、羽根ポンプ、回転ピストンポンプ、回転ポンプ、ピストンポンプおよび/または蠕動ポンプを含む。
【0205】
本発明の特定の態様において、系は、少なくとも3つの混合容器を有することが好ましく、この場合、少なくとも2つの混合容器を、フィードラインを介して少なくとも1つの混合容器に接続する。この場合、少なくとも1つの混合容器は、ポリマー溶融物を調製し、少なくとも1つの混合容器は、第2液相を調製し、少なくとも1つの混合容器は、第2液相のポリマー溶融物を分散するために作用する。ポリマー溶融物および第2液相をさらに別々の混合容器において回分式または連続的に調製し、確実に微粒子を連続して生成する。
【0206】
系は、好ましくは分離器に接続された少なくとも1つの乾燥機を有することができる。さらに、系は、好ましくは粒子を洗浄するための装置を含むことができる。
【0207】
分散液中のポリマー溶融物の凝固は、種々の測定により系において実現することができる。例えば、混合容器を冷却することが可能であり、この場合、分散液が調製されている。これは、例えば、外部からの冷却により、または第2液相と同じまたは類似の組成物を有することが好ましい液体を供給することにより行われることができる。このために、熱伝導器または熱交換器、混合弁あるいは追加の混合容器を使用することも可能である。
【0208】
系は、例えば、液体の輸送または昇圧もしくは減圧の発生に作用することができるポンプを含むことができる。適切なポンプは特定の目的によって決まる。好ましいポンプは、例えば、置換ポンプ、例えば、延伸機、運搬スクリュー、ベローズポンプ、ピストンポンプ、回転ピストンポンプ、外部/内部歯状ギアポンプ、膜ポンプ、回転羽根ポンプ、遠心ポンプ、蠕動ポンプ、歯状ベルトポンプ、偏心渦巻型ポンプ、スクリューポンプおよびスクリューコンプレッサおよび/または水撃ポンプ、
流動ポンプ、例えば、遠心ポンプ、軸ポンプ、斜ポンプおよび/またはラジアルポンプ、泡ポンプ、ウォータージェットポンプ、蒸気ジェットポンプ、水撃ポンプ、ホースヘッドポンプ(深井戸ポンプ)、
真空ポンプ、例えば、置換ポンプ、プロペラポンプ、分子ポンプ、ターボ分子ポンプ、クライオポンプ、吸着ポンプ、油拡散ポンプを含む。
【0209】
このような系は、以下に詳細に記載される図の実施例により図示される。
【0210】
図1は、本発明の方法を行うための系の第1の実施形態を記載する。
【0211】
図1は、本発明の方法を行うための系の第1の実施形態を示す。この系は、例えば、1つ、2つ以上のフィード1または2、例えば、ラインまたはフィードスクリューを有することができ、これを通して、1つまたは複数の高分岐ポリマーおよび/または1つまたは複数の低分子物質を第1混合容器3に供給する。混合容器3において、供給された物質をポリマー溶融物に変換することができ、これは、少なくとも1種の高分岐ポリマーおよび少なくとも1種の低分子物質を含む。混合容器3において、構成物質を互いに微細に分布させることができる。例えば、溶液、分散液または懸濁液を調製することができる。多くの場合、高分岐ポリマーは、マトリックス相を形成し、この場合、低分子物質を分布する。このため、上記の装置を使用することが可能である。
【0212】
混合容器3に得られたポリマー溶融物を、例えば、フィード5、例えばラインを介して、ポンプ4で混合容器6に移動することができる。
【0213】
混合容器6は、1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上のさらなるフィード7、8、9、10、例えばスクリューまたはポンプ等のラインまたはフィード設備を有することができ、これらを通して、例えば、安定剤、乳化剤、温水および/または冷水を供給することができる。本発明の図の記載において、水は、第2液相の実施例として使用される。しかし、当業者にとって、第2液相の主要構成要素として上記のいくつかの他の化合物は同様に、水のかわりに、または水と合わせて使用することができることは明らかである。
【0214】
従って、水は、上述の化合物の実施例として単に作用し、これは、対応して他の物質により置き換えることができる。
【0215】
フィード7、8、9、10は全て、混合容器6において開放することができる。さらに、これらのフィードもまた、混合容器6への入口の上流に結合することができる。
【0216】
ポリマー溶融物を混合容器6にフィードする前に、例えば、フィード7、8および9を通して溶液を調製することが可能であり、これは、例えば、水またはエタノールを主要構成要素として、ならびに補助剤、例えば、安定剤および乳化剤を含む。この溶液を高分岐ポリマーの凝固温度以上の温度に加熱することができる。さらに、供給される構成物質は、すでに適当な温度を有することができる。
【0217】
適当な溶液を混合容器6で調製した後、混合容器3で調製されたポリマー溶融物を混合容器6に供給することができる。混合容器6において、ポリマー溶融物を上記の溶液中に分散する。このために、混合容器6は、分散のための既知の装置を有する。このために、上述の装置を使用することができる。
【0218】
所望の液滴直径および液滴粒度分布が分散を介して得られると、第2液相、例えば水中に分散して存在するポリマー溶融物を凝固することができる。これに関して、例えば、冷水をフィード10を介して混合容器6に入れることができる。さらに、混合容器6を、冷却媒体により冷却することができ、これは、熱交換器またはジャケットを通過する。
【0219】
従って、得られた粒子を第2液相から除去することができる。これに関して、混合容器6に得られた、凝固された微粒子を含む組成物を、例えば、ポンプ11でライン12を介して分離器13に移動することができる。分離器13は、第2液相に存在する微粒子を除去または濃縮するために作用し、これにおいて、上述の装置のいくつかを使用することができる。本発明の場合、分離器において、微粒子を第2液相から分離し、このため、多くの場合、十分に濃縮することができる。例えば、水、乳化剤および安定剤を含むことができ、除去された第2液相は、再循環ライン14を介して混合容器6に入れることができる。
【0220】
除去された微粒子を、例えば、フィード16、例えばラインを介してポンプ15で乾燥機17に移動することができる。乾燥機17において、第2液相の残留物、例えば、水を除去することができる。乾燥された微粒子を、ライン18を介して乾燥機から除去することができる。
【0221】
負荷の過程の温度は、広範囲であってよい。―10℃〜150℃、より好ましくは0℃〜80℃にて負荷を行うことが好ましい。
【0222】
驚くことに、本発明の調製物は、高い割合の低分子物質を有することができる。本発明の特定の態様において、高分岐ポリマー対低分子物質の質量比は、好ましくは40:1〜0.5:1、より好ましくは20:1〜2:1であってよい。負荷度は、好ましくは1%〜99%、より好ましくは5%〜90%およびかなり詳細には10%〜30%であってよく、負荷度は、調製物の総質量において低分子物質の質量による割合により得られる。
【0223】
所望の様式において、低分子物質を本発明の組み合わせまたは本発明の調製物から放出することができる。例えば、酵素分解を使用して、低分子物質を放出することができる。この場合、放出期間は、分解速度により制御することができる。
【0224】
さらに、放出をpH、温度、pH、電磁波の周波数および媒体の型の変化を介して正確に制御することができる。
【0225】
媒体の型を例えば、溶剤の添加を介して変更することができる。
【0226】
媒体を変更するために使用される溶剤は、水、エタノールまたはイソプロパノール等のアルコール、圧縮CO2、圧縮プロパン、テトラヒドロフラン、トルエン、アセトン、過酸化ベンゾイル、HCl水溶液、ヘキサン、酢酸、エタンジオール、ジクロロメタン、ジクロロエタンあるいはイオン液体を含む。
高分岐ポリマーおよび低分子物質を放出する媒体の官能化度に準じ、従って、種々の異なる溶剤を添加し、非常に遅延なまたは非常に急速な放出を実現することができる。封入化された低分子物質を極性媒体に放出する場合、高分岐コアポリエステルのより多くのOH基は、脂肪酸でエステル化/官能基化されており、放出はより遅い。この効果は、適当な溶剤の添加により促進することができる。
【0227】
さらに、有効成分放出を、特に、低分子物質を包む担体ポリマーシェルの厚さ、または有効成分および/または官能化度/疎水化の程度あるいは高分岐ポリマーのヒドロキシル価により制御することができる。
【0228】
担体ポリマーシェルが厚いほど、放出期間は長い。担体ポリマーシェルの厚さを、特に出発混合物の高分子濃度の上昇により、増加させることができる(少なくとも1種の高分岐ポリマーおよび低分子物質からなる)。この場合、封入化プロセスの型は、このパラメーターに影響することができ、当業者は、単純で定期的な試験により、所与の目的のために上記のものから最も実行可能なプロセスを選択することができる。
【0229】
驚くことに、多分岐担体高分子の場合において、(溶剤+担体ポリマー+低分子物質からなる)出発混合物の濃度もまた、従来技術に慣行のポリマー濃度10質量%以上でポリマー濃度70質量%まで増加させることができる。最終的に選択されたポリマー濃度は、温度制御および溶剤のpHまたは溶解力の変化に合わせて、ポリマーシェルの厚さおよび従って放出期間を決定する。
【0230】
担体ポリマーシェルの厚さに加えて、官能化度またはヒドロキシル価により、放出期間を決定する。封入化低分子物質を極性媒体に放出する場合、超分岐コアポリエステルのより多くのOH基を脂肪酸でエステル化/官能基化しており、放出はより遅い。
【0231】
本発明の調製物は、種々の使用目的を有することができる。例えば、調製物を硬化剤として、架橋剤として、触媒として、消泡剤として、分散剤として、抗微生物または殺菌作用を有する添加剤として、表面の耐引掻性を向上するための添加剤として、被覆または接着の添加剤として、流動改善剤および/またはコンクリート添加剤として使用することができる。さらに、調製物を化粧品に、医薬品に、脱臭剤に、食品に、飼料に、飲料に、壁または床の仕上げ材に、材料の接合に、包装におよび/または塗料系に使用することができる。
【0232】
本発明の特定の態様において、調製物は、これらの物質が低分子物質として単一で使用される場合、ごく少量のクレアチン、蟻酸、またはトコフェロールを含むことが好ましい。調製物が低分子物質をさらに含まない場合、より好ましくは、ケラチン、蟻酸またはトコフェロールの量を、調製物の質量に基づき、10質量%、より好ましくは5質量%に制限する。しかし、クレアチン、蟻酸および/またはトコフェロールを互いにまたはさらに低分子物質との組み合わせを含む調製物が好ましく、この場合、これらの調製物もまた、ケラチン、蟻酸またはトコフェロール10質量%以上を含むことができる。
【0233】
本発明は、以下の実施例により詳細に説明され、これが制限を課すものと意図しない。
【0234】
実施例
実施例1
図1に示す系を使用して、DL−メチオニンおよび超分岐ポリエステルを含む本発明の調製物を調製した。
【0235】
使用した超分岐ポリエステルは、親水性超分岐ポリエステルを疎水化することにより(BoltornH30(登録商標)の商品名でPerstorp(登録商標)から市販)得られ、このポリエステルは、質量平均分子量Mw3500g/mol、ガラス転移温度約35℃およびヒドロキシル価約490mgKOH/gを有した。疎水化は、エイコサン酸およびベヘン酸の混合物(エイコサン酸対ベヘン酸の質量に基づいた比=2対3)で親水性高分子をエステル化することにより行われ、親水性ポリマーのヒドロキシル基90%が変換された。分子量Mwは、10500g/molであった。親水性ポリマーの調製物およびエステル化の詳細については、文献欧州特許第0630389(B1)号または国際特許公開第93/01760号から引用することができる。
【0236】
調製物を生成するため、アミノ酸DL−メチオニン20質量%(CAS:59−51−8;Degussa(登録商標)AGより市販;粉末、粒度d90 1μm〜100μm)を、第1混合容器において5分間、200回転/分で渦巻型撹拌機を用いて約95℃にて溶解ポリマー中に分散した。
【0237】
追加の混合容器に、はじめに、ポリビニルアルコール1質量%(M=6000g/mol、Polisciences(登録商標)、Warrington ,USA)およびエトキシル化脂肪アルコール0.1質量%(Degussa(登録商標)AG製Tego(登録商標)AlkanolL4)からなる界面活性剤の混合物を70℃の水に攪拌しながらに入れた。
【0238】
続いて、第1混合容器に調製され、ポリマー、さらに低分子物質を含むポリマー溶融物を、Ultra−Turrax撹拌機、2000回転/分にて撹拌し続けながら、70℃にて第1混合容器から第2混合容器に移した。
【0239】
0.5〜10分間の滞留時間後、ポリマーの融点以下の15℃まで、第2混合容器に存在する組成物を冷却し、粒子を形成した。蠕動ポンプを使用して、懸濁液を遠心分離にフィードし、この場合、有効成分の粒子を連続相から25℃にて除去した。続いて、有効成分の粒子を100時間、25℃および10mbarにて真空乾燥機で乾燥した。
【0240】
これらの粒子は、粒度分布200μm<d90,粒子<300μmを呈した。粒子は、所望しない溶剤を含まず、超分岐脂肪酸修飾ポリエステルと粒子質量に基づくDL−メチオニン約12質量%から構成された。
【0241】
実施例2
実施例1を基本的に繰り返し、ただし、使用された超分岐ポリエステルは、BoltornH30(登録商標)をステアリン酸およびパルミチン酸の混合物(ステアリン酸対パルミチン酸の質量に基づいた比=2:1)で疎水化することにより得られ、親水性ポリマーのヒドロキシル基50%を変換した。分子量Mwは、7500g/molであった。
【0242】
得られた粒子は、粒度分布150μm<d90,粒子<300μmを呈した。粒子は、所望しない溶剤を含まず、超分岐脂肪酸修飾ポリエステルと粒子質量に基づくDL−メチオニン約16質量%から構成された。
【0243】
得られた微粒子の保存性、剪断安定性および酵素分解性を検討した。
【0244】
保存性を、ガラス容器の乾燥微粒子を保存することにより決定し、酸素を含む雰囲気(空気)中において室温にて保存された。6か月の保存期間後、HPLCによりクロマトグラフ的に決定したメチオニン量は、元の値の少なくとも98%であった。
【0245】
剪断安定性を検討するために、医薬用油(Univar(登録商標)GmbH製パラフィン油WINOG100Pharma)中において、得られた微粒子の分散液を調製した。これに関して、粒子を、20000回転/分にて撹拌するUltra−Turrax撹拌機で、1分間、標準医薬用油(Univar(登録商標)GmbH製パラフィン油WINOG100Pharma)に加えた。標準医薬用油に加える前後の有効成分の粒子の顕微鏡画像の比較から、粒子の性状の変化は確認できず、従って、生物学的有効成分DL−メチオニンの保護作用を維持することが示された。
【0246】
微粒子に存在する有効成分の酵素遊離は、リパーゼを用いて行われた。これに関して、微粒子0.22gをリン酸緩衝液(pH5.01)中酵素Lipomod34P(Biocatalyst Lmt.,UK)溶液15mlに懸濁した(Lipomod34Pの濃度は、0.5mg/mlであった)。被検物質を混合せずに37℃にて水浴中で保存した。一定の時間間隔にて、被検物質2mlを入れた。有効成分の濃度を、HPLCによりクロマトグラフ的に分析した。24時間後、封入化メチオニン約70%を放出していた。対照的に、24時間後、酵素非含有緩衝溶液に、封入化メチオニン20%未満を放出していた。
【0247】
実施例3
実施例2を基本的に繰り返し、ただし、L−ロイシン(CAS:61−90−5;Degussa(登録商標)AGより市販;粒度d90 1μm〜10μm)をDL−メチオニンの代わりに使用した。この場合、ポリマー溶融物を約85℃にて調製した。さらに、ポリマー溶融物の第2液相への移動において、Ultra−Turrax撹拌機を3000回転/分にて操作した。
【0248】
得られた粒子は、粒度分布10μm<d90,粒子<50μmを呈した。粒子は、所望しない溶剤を含まず、超分岐脂肪酸修飾ポリエステルと粒子質量に基づくLロイシンおよそ16質量%から構成された。
【0249】
剪断安定性試験において、これらの微粒子は同様に、高い安定性を呈した。標準医薬用油に加える前後の有効成分の粒子の顕微鏡画像の比較から、粒子の性状の変化は確認できず、従って、生物学的有効成分Lロイシンの保護作用を維持することが示された。
【0250】
実施例4
実施例2を基本的に繰り返し、ただし、L−リシン(CAS:56−87−1;粉末;50質量%;Degussa(登録商標)AGより市販にて入手可能;粒度d90 1μm〜10μm)をDL−メチオニンの代わりに使用した。この場合、ポリマー溶融物を約85℃にて調製した。
【0251】
得られた粒子は、粒度分布150μm<d90,粒子<300μmを呈した。粒子は、所望しない溶剤を含まず、超分岐脂肪酸修飾ポリエステルと粒子質量に基づくLリシン約8質量%から構成された。
【0252】
剪断安定性試験において、これらの微粒子は同様に、高い安定性を呈した。標準医薬用油に加える前後の有効成分の粒子の顕微鏡画像の比較から、粒子の性状の変化は確認できず、従って、生物学的有効成分Lリシンの保護作用を維持することが示された。
【0253】
実施例5
実施例1を基本的に繰り返し、ただし、BoltornH30(登録商標)をステアリン酸およびパルミチン酸の混合物(ステアリン酸対パルミチンの質量に基づいた比=2:1)で疎水化することにより得られた超分岐ポリエステルを使用し、親水性ポリマーのヒドロキシル基95%を変換した。分子量Mwは、10000g/molであった。さらに、Lトリプトファン(CAS:73−22−3;Degussa(登録商標)AGより市販にて入手可能;粒度d90 1μm〜10μm)を低分子物質としてDLメチオニンの代わりに使用した。この場合、ポリマー溶融物を約85℃にて調製した。さらに、ポリマー溶融物の第2液相への移動において、Ultra−Turrax撹拌機を3000回転/分にて操作した。
【0254】
得られた粒子は、粒度分布10μm<d90,粒子<60μmを呈した。粒子は、所望しない溶剤を含まず、超分岐脂肪酸修飾ポリエステルと粒子質量に基づくLトリプトファン約16質量%から構成された。
【0255】
剪断安定性試験において、これらの微粒子は同様に、高い安定性を呈した。標準医薬用油に加える前後の有効成分の粒子の顕微鏡画像の比較から、粒子の性状の変化は確認できず、従って、生物学的有効成分Lトリプトファンの保護作用を維持することが示された。
【0256】
実施例6
実施例5を基本的に繰り返し、ただし、バナナエキス溶液(エタノール中バナナエキス20質量%)をLトリプトファンの代わりに使用した。この場合において、バナナエキス溶液20体積%を溶解ポリマーに溶解した。
【0257】
得られた粒子は、粒度分布10μm<d90,粒子<60μmを呈した。粒子は、所望しない溶剤を含まず、超分岐脂肪酸修飾ポリエステルと粒子質量に基づくバナナエキスおよそ3質量%から構成された。
【0258】
実施例7
実施例5を基本的に繰り返し、ただし、イチゴエキス溶液(エタノール中イチゴエキス20質量%)およびクレアチン(クレアピュア、CAS:50−00−1、粉末、Degussa(登録商標)AGより市販にて入手可能;粒度d90 0μm〜10μm)の組み合わせをLトリプトファンの代わりに使用した。この場合において、イチゴエキス溶液5体積%およびクレアチン20質量%を溶解ポリマーに溶解した。
【0259】
得られた粒子は、粒度分布10μm<d90,粒子<60μmを呈した。粒子は、所望しない溶剤を含まず、超分岐脂肪酸修飾ポリエステルと粒子質量に基づくイチゴエキス約0.8質量%およびクレアチン16質量%から構成された。
【0260】
実施例8
実施例5を基本的に繰り返し、ただし、L(+)アスコルビン酸(ビタミンC、CAS:50−81−7、粉末、AcrosOrganics(登録商標)より市販、粒度d90 0μm〜10μm)およびクレアチン(クレアピュア、CAS:50−00−1、粉末、Degussa(登録商標)AGより市販にて入手可能;粒度d90 0μm〜10μm)をLトリプトファンの代わりに使用した。この場合において、L(+)アスコルビン酸10質量%およびクレアチン10質量%を溶解ポリマーに分散した。
【0261】
得られた粒子は、粒度分布10μm<d90,粒子<50μmを呈した。粒子は、所望しない溶剤を含まず、超分岐脂肪酸修飾ポリエステルと粒子質量に基づくL(+)アスコルビン酸約8質量%およびクレアチン8質量%から構成された。
【0262】
実施例9
実施例5を基本的に繰り返し、ただし、レモン芳香剤溶液(エタノール中レモン芳香剤20質量%)および過炭酸塩(洗濯洗剤用の過炭酸ナトリウム、AcrosOrganics(登録商標)より市販にて入手可能;粒度d90 1μm〜10μm)をLトリプトファンの代わりに使用した。この場合において、レモン芳香剤溶液5体積%および過炭酸ナトリウム20質量%を溶解ポリマーに溶解した。さらに、ポリマー溶融物の第2液相への移動において、ULTRA−TURRAX撹拌機を2000回転/分にて操作した。
得られた粒子は、粒度分布10μm<d90,粒子<60μmを呈した。粒子は、所望しない溶剤を含まず、超分岐脂肪酸修飾ポリエステルと粒子質量に基づくレモン芳香剤約0.8質量%および過炭酸ナトリウム16質量%から構成された。
【0263】
実施例10
実施例2を基本的に繰り返し、ただし、過硫酸アンモニウム(CAS:7727−54−0;Degussa(登録商標)AGより市販にて入手可能;粒度d90 1μm〜200μm)をDL−メチオニンの代わりに使用した。この場合、ポリマー溶融物を約70℃にて調製した。
【0264】
得られた粒子は、粒度分布250μm<d90,粒子<400μmを呈した。粒子は、所望しない溶剤を含まず、超分岐脂肪酸修飾ポリエステルと粒子質量に基づく過硫酸アンモニウム約16質量%から構成された。
【0265】
実施例11
実施例2を基本的に繰り返し、ただし、Lトリプトファン(CAS:73−22−3;Degussa(登録商標)AGより市販にて入手可能;粒度d90 1μm〜10μm)をDL−メチオニンの代わりに使用した。この場合、ポリマー溶融物を約85℃にて調製した。さらに、ポリマー溶融物の第2液相への移動において、Ultra−Turrax撹拌機を1000回転/分にて操作した。
【0266】
得られた粒子は、粒度分布300μm<d90,粒子<500μmを呈した。粒子は、所望しない溶剤を含まず、超分岐脂肪酸修飾ポリエステルと粒子質量に基づくLトリプトファン約16質量%から構成された。本実施例は、粒度が本発明における方法により、所望の径および例えば、少しの粉末形成も示さない大きい粒子に容易に調節できることを示す。
【図面の簡単な説明】
【0267】
【図1】図1は、本発明の方法を行うための系の第1の実施形態を示す。
【符号の説明】
【0268】
1、2、5、7、8、9、10、16 フィード、 3、6 混合容器、 4、11、15 ポンプ、 12、18 ライン、 13 分離器、 14 再循環ライン、 17 乾燥機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の低分子物質および少なくとも1種の高分岐ポリマーを含む調製物であって、高分岐ポリマーがポリエステル単位および疎水性末端基を有する親水性コアを含み、前記高分岐ポリマーが分子量6000g/mol以上およびヒドロキシル価0〜200mgKOH/gを有し、分岐度が20〜70%であり、前記高分岐ポリマーが少なくとも30℃の融点を有することを特徴とする調製物。
【請求項2】
前記高分岐ポリマーが少なくとも30%の官能化度を有することを特徴とする請求項1に記載の調製物。
【請求項3】
前記高分岐ポリマーが40℃のフラスコ法により、最大10質量%の水溶性を有することを特徴とする請求項1または2に記載の調製物。
【請求項4】
前記親水性コアがポリエステル形成モノマー由来の少なくとも90質量%の反復単位を有することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項5】
前記親水性コアが少なくとも2個のヒドロキシル基を有する開始剤分子由来の中心単位および少なくとも1個のカルボキシル基および少なくとも2個のヒドロキシル基を有するモノマー由来の反復単位を有することを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項6】
開始剤分子が脂肪族ポリオールであることを特徴とする請求項5に記載の調製物。
【請求項7】
前記開始剤分子が、ジトリメチロールプロパン、ジトリメチロールエタン、ジペンタエリトリトール、ペンタエリトリトール、アルコキシル化ペンタエリトリトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、アルコシキル化トリメチロールプロパン、グリセロール、ネオペンチルアルコール、ジメチロールプロパンおよび/または1,3−ジオキサン−5,5−ジメタノールから選択されることを特徴とする請求項5または6に記載の調製物。
【請求項8】
前記モノマーがジメチルプロピオン酸、α,α−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、α,α,α−トリス(ヒドロキシメチル)酢酸、α,α−ビス(ヒドロキシメチル)吉草酸、α,α−ビス(ヒドロキシ)プロピオン酸および/または3,5−ジヒドロキシ安息香酸からなる群から選択されることを特徴とする請求項5から7までのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項9】
前記疎水性末端基が少なくとも10個の炭素原子を有するカルボン酸由来の基により形成されることを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項10】
前記カルボン酸が少なくとも40℃の融点を有することを特徴とする請求項9に記載の調製物。
【請求項11】
前記カルボン酸の少なくとも一部がデカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、エイコサン酸、ドコサン酸およびテトラコサン酸から選択されることを特徴とする請求項9または10に記載の調製物。
【請求項12】
前記疎水性末端基の少なくとも一部が最大18個の炭素原子を有するカルボン酸由来の基により形成されることを特徴とする請求項9から11までのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項13】
炭素原子12〜18個を有する前記カルボン酸の割合が疎水化に使用されるカルボン酸の質量に基づき、少なくとも30質量%であることを特徴とする請求項9から11までのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項14】
前記高分岐ポリマーが0〜20mgKOH/gの酸価を有することを特徴とする請求項1から13までのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項15】
前記高分岐ポリマーは、最高57℃の融点を有することを特徴とする請求項1から14までのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項16】
前記低分子物質が15g/mol〜1000g/molのモル質量を有することを特徴とする請求項1から15までのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項17】
前記親水性コアが疎水化前に測定されたヒドロキシル価400〜600mgKOH/gを有することを特徴とする請求項1から16までのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項18】
前記低分子物質が過酸化物基を有する化合物であることを特徴とする請求項1から17までのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項19】
前記低分子物質がアミノ酸であることを特徴とする請求項1から18までのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項20】
前記低分子物質が触媒であることを特徴とする請求項1から19までのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項21】
前記低分子物質が染料および/または顔料であることを特徴とする請求項1から20までのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項22】
前記低分子物質がビタミンであることを特徴とする請求項1から21までのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項23】
前記低分子物質がモノマーであることを特徴とする請求項1から22までのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項24】
前記低分子物質が香味剤または芳香剤であることを特徴とする請求項1から23までのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項25】
前記低分子物質が生物学的活性の構成物質、特に医薬品、ビタミン、酵素、補酵素および/または植物エキスであることを特徴とする請求項1から24までのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項26】
前記低分子物質が開始剤、シリコーン、界面活性剤、シリカ、シラン、溶剤、充填剤、反応性架橋剤、清浄剤、毛髪染料および/またはコンクリート添加剤であることを特徴とする請求項1から25までのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項27】
前記高分岐ポリマーが酵素分解可能であることを特徴とする請求項1から26までのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項28】
1μm〜1000μmの径を有する粒子の形態であることを特徴とする請求項1から27までのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項29】
少なくとも80質量%の前記粒子が100μm以下の径であることを特徴とする請求項1から28までのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項30】
高分岐ポリマーが、48℃で、50質量%/50質量%の水との混合物において液−液平衡のみを有するが、固−液平衡、固−液−液平衡は有さないことを特徴とする請求項1から29までのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項31】
高分岐ポリマーおよび少なくとも1種の低分子物質を混合することによる請求項1から30までのいずれか1項に記載の調製物を製造する方法。
【請求項32】
硬化剤としての、架橋剤としての、触媒としての、消泡剤としての、分散剤としての、抗微生物または殺菌作用を有する添加剤としての、表面の耐引掻性を向上させる添加剤としての、被覆または接着の添加剤としての、流動改善剤および/またはコンクリート添加剤としての請求項1から30までのいずれか1項に記載の調製物の使用。
【請求項33】
化粧品における、医薬品における、消臭剤における、食品における、飼料における、飲料における、壁または床の仕上げ材における、接合材料における、包装におけるおよび/または塗装系における請求項1から30までのいずれか1項に記載の調製物の使用。
【請求項34】
高分岐ポリマーを酵素分解することを特徴とする請求項1から30までのいずれか1項に記載の調製物から低分子物質を放出する方法。
【請求項35】
圧縮ガスを使用し、または少なくとも2つの液相を生じ、この場合、2つの前記相が低分子物質を含み、少なくとも1つの液相が高分岐ポリマーを含むことを特徴とする請求項1から30までのいずれか1項に記載の調製物を製造する方法。
【請求項36】
請求項1から30までのいずれか1項に記載の調製物を製造する方法において、少なくとも1種の高分岐ポリマーおよび少なくとも1種の低分子物質を含むポリマー溶融物を製造し、前記ポリマー溶融物を前記高分岐ポリマーが難溶性であり、かつ前記高分岐ポリマーの凝固温度未満の凝固温度を有する第2液相に入れ、前記高分岐ポリマーの凝固温度以上において前記第2液相の前記ポリマー溶融物を分散させ、前記第2液相に分散させた前記ポリマー溶融物を凝固させる工程を含む方法。

【図1】
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【公表番号】特表2009−512769(P2009−512769A)
【公表日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−537032(P2008−537032)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【国際出願番号】PCT/EP2006/066722
【国際公開番号】WO2007/048672
【国際公開日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】