説明

高剛性ステアリングシャフトを有するトルクセンサ型電動ステアリング装置およびこれを用いた車両

【課題】ステアリングにハンドルを使うレジャー用車両などの目的に適したシャフトの剛性が高い電動補助ステアリング装置を提供する。
【解決手段】ステアリング装置38は半分になされた2つの部分42および44からなるハウジングを有する。電動モータ46はハウジングに取り付けられる。ウォーム48は電動モータ46のシャフトに連結され、ステアリングシャフト32のスプライン54に取り付けられたセクタ歯車52と係合する。電動モータ46の回転でウォーム48が回転すると、セクタ歯車52とステアリングシャフト32とが回転する。磁場センサ部60はハウジングに取り付けられ、ステアリングシャフト32の周りに延在するセンサハウジングおよび少なくとも1つの磁場センサを含む。磁場センサは、ステアリングシャフト32に対して配向され、トルクセンサ変換器として機能する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の動力補助ステアリング装置に関し、特に、ハンドルを有する車両に用いられる、トルクセンサを用いた電動補助ステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電動補助ステアリング装置は既知であり、レジャー用車両および小型の実用車等に用いられている。電動補助ステアリング装置の一種としては、ステアリングシャフトに結合される電気モータがあり、このモータは通常、ステアリングシャフトに取り付けられたウォーム歯車と係合する、モータの駆動シャフトに取り付けられたウォームを含む。
【0003】
いくつかの従来技術の例によると、ステアリング装置は、ねじれ棒としても既知である、より狭い内部シャフトを有し、トルクセンサ用変換器として機能する中空のステアリングシャフトを含むものがある。これの実施例として、米国特許第6360841号、米国特許第7182169号、米国特許第7183681号、米国特許第7077235号がある。ステアリングシャフト自体は通常、複数の構成部分で作られる。この結果、ステアリング装置には、異なる構成部分間での遊びが生じ、鋭く直接的なステアリング感を欠く恐れがある。
【0004】
ねじれ棒を有する上述の初期のステアリング装置は、通常、車やトラックなど複数の回転ステアリング装置用としては許容できるものである。かかる装置における典型的なねじれ棒は、検知範囲が±4度から±8度であり、ハンドル範囲が720度から1440度である。ねじれ棒圧縮率はステアリング範囲の約1%である。しかしながら、かかる型のステアリング装置は、例えば、ハンドルまたは耕耘機用ステアリングを有する車両などのステアリング範囲がおよそ90度の車両で使われる場合、ステアリングシャフトにかけられるトルクがより高いため、ねじれ棒の圧縮率が9度から18度となる場合もある。
【0005】
剛性については、従来のステアリング装置に用いられたねじれ棒は通常、900Nm/radから120Nm/radの範囲である。電動ステアリングシャフトの剛性は、「エス・エイ・イー ペーパー 2006−01−1320(SAE Paper 2006−01−1320)」で参照されるように、ステアリングシャフトのねじれ範囲で決定される。採用される検知技術によってこのようなステアリング装置は、ねじれ剛性が比較的柔らかいシャフトを用いる。転位の大きさに比例して、分圧器などの変位計に示される感度は高くなる。磁気弾性検知技術を有するねじれ棒の他の例として、圧縮率±4または±8度を有する米国特許第6,360,841号があげられる。剛性はねじれ範囲で決定される。
【0006】
【特許文献1】米国特許第6360841号明細書
【特許文献2】米国特許第7182169号明細書
【特許文献3】米国特許第7183681号明細書
【特許文献4】米国特許第7077235号明細書
【非特許文献1】「エス・エイ・イー ペーパー 2006−01−1320(SAE Paper 2006−01−1320)」,(米国),ソサエティ・オブ・オートモーティブ・エンジニアズ(Society of Automotive Engineers,inc.),2006年4月
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
低剛性ステアリング装置を備えている場合、ハンドル車両で片側1車線での車線変更操縦時の振動を避けることは困難である。
例えばこの型のねじれ棒を片側1車線の車線変更運転試験で用いた場合、ステアリング装置は著しいオーバシュートおよび振動を受けることもありうる。したがって、特にステアリングにハンドルを使うレジャー用車両などの目的に適した、改良された電動補助ステアリング装置が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの側面によると、外部、ステアリング部材に連結するための入力端部、および車両の少なくとも1つのステアリング可能なホイールに連結するための出力端部を有する回転可能なステアリングシャフトを含むステアリング装置が提供される。電動モータは、ステアリングシャフトを回転させるためにステアリングシャフトに作動的に連結される。ステアリングシャフトには少なくとも、磁気弾性材料で作られ、磁場を有し、軸方向に延在し円周方向に延在する画定された表面領域を含む部分がある。少なくとも1つの磁場センサがステアリングシャフトの外部に隣接している。ステアリングシャフトと少なくとも1つの磁場センサが、ステアリング部材によってステアリングシャフトにかけられたトルクを検知し、ステアリング部材によってステアリングシャフトにかけられたトルクを示す信号を与えるトルクセンサを形成する。
【0009】
本発明の他の側面によると、フレーム、少なくとも1つのステアリング可能なホイールを有する複数のホイール、少なくとも1つのステアリング可能なホイールを操縦するためのステアリング部材、および回転可能なステアリングシャフトを有する電動補助ステアリング装置と、を含む車両が提供される。ステアリングシャフトは、外部、ステアリング部材に連結するための入力端部、および車両の少なくとも1つのステアリング可能なホイールを連結するための出力端部を含む。電動モータは、ステアリングシャフトを回転させるためにステアリングシャフトに作動的に連結される。ステアリングシャフトには少なくとも、磁気弾性材料で作られ、ステアリングシャフトのねじれによって変化する磁場を有し、軸方向に延在し円周方向に延在する画定された表面領域を含む部分がある。ステアリングシャフトの外部に隣接した少なくとも1つの磁場センサがあり、ステアリングシャフトと当該少なくとも1つの磁場センサが、手動操作可能なステアリング部材によってステアリングシャフトにかけられたトルクを検知し、ステアリング部材によってステアリングシャフトにかけられたトルクを示す信号を与えるトルクセンサを形成する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(一実施形態)
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。まず図1には1組のステアリング可能な前輪であるホイール12および14と、後輪であるホイール16と、を含む車両としての三輪車10を示す。三輪車10は、フレーム20として概示されたフレームと、ステアリング機構22として概示されたステアリング装置を含む。図1にてステアリング部材24として概示された、ホイール12および14をステアリングするためのハンドル26を含む手動操作可能な部材がある。この型の車両10は一例として示されるのみであり、少なくとも1つのステアリング可能なホイールを有する他の型の車両にも本発明は適用されうることを理解されたい。
【0011】
図1のハンドル26は、図2に示されたステアリングシャフト32の入力端部30に取り付けられる。ステアリングシャフト32の出力端部34は、当技術分野で既知の方法により、ステアリング機構22に作動的に連結されるので、この配列については説明を省略する。ステアリングシャフト32は図2および図3で示されたステアリング装置38の一部を形成する。これは電動補助型ステアリング装置である。その一般的な配置図は当技術分野で既知である。
【0012】
ステアリング装置38は図2に示すハウジング40を含み、ハウジング40は図3に示す半分になされた2つの部分42および44を有する。電動モータ46はハウジング40に取り付けられる。ウォーム48は電動モータ46のシャフトに連結され、ステアリングシャフト32のスプライン54に取り付けられた、本実施形態ではセクタ歯車52として構成されているウォーム歯車と係合する。したがって電動モータ46の回転によりウォーム48が回転し、これにより、セクタ歯車52とステアリングシャフト32とが回転する。この実施形態では1つのセクタ歯車52だけを必要とする。なぜならば、図1に示された三輪車10のハンドル26は、本実施形態においては、±180度未満の角度、好ましくは±90度未満の角度、あるいは±45度未満の角度でのみステアリング可能であるからである。本実施形態におけるセクタ歯車52は金属で作成されているが、あるいは、プラスチックで作成することもまた可能である。本実施形態では、セクタ歯車52は約四分の一円である。ステアリングシャフト32は、図2で示されるように、ベアリング35および37によって支持された2つの離間された軸受部31および33を有する。これは3つの軸受部を通常必要とする従来技術のステアリング装置に匹敵する。
【0013】
ステアリング装置38は図5に示されハウジング40に取り付けられた磁場センサ部60を含む。磁場センサ部60はステアリングシャフト32の周りに延在するセンサハウジング62を含む。当該技術分野で知られているように、この部分は少なくとも1つの磁場センサを含む。本実施形態では、8個の磁場センサを有し、そのうちの4個、すなわち磁場センサ64、70、72、74は図6に示される。これらはステアリングシャフト32の周りに、2の磁場センサからなる組が90度離間されて配置される。各2の磁場センサの組は、センサ台に取り付けられる。例えば、磁場センサ68および70は図4に示すように、センサ台90に取り付けられる。センサ台90は、図6に示すように、ステアリングシャフト32が延在する開口部94を有する、輪状部材92に連結される。図4に示されるように、ステアリングシャフト32は部分99から出力端部34に向かって勾配が付けられており、この結果、ステアリングシャフト32は図6に示される輪状部材92の開口部94、ならびに図5に示されるハウジング62の対応する開口部93に挿入可能となることがわかるであろう。
【0014】
これらの4個の磁場センサ68、70、74、76は、図4に断面図で示される。これらの磁場センサは、ステアリングシャフト32に対して配向され、トルクセンサ変換器として機能する。このトルクセンサ変換器としての機能は、静止状態の螺旋方向から多少とも傾斜した周辺方向へのねじれ圧力のために分極された磁化を再配向した結果、シャフト周の空間によって生じる磁場の大きさと極性を検知するものである。磁場センサ部60は、ステアリングシャフト32にかけられたトルクの大きさと方向を反映する出力信号を与える。信号は電動モータ46を操作して、手動操作可能なステアリング部材24によるステアリングシャフト32のステアリングを補助する。例えば、磁場センサは集積回路ホール効果センサである。
【0015】
上述されたように、ステアリングシャフト32はトルクセンサ用変換器として機能するものであり、軸方向に区別され、磁力的に隣接し、反対方向に分極された、1つまたは複数の円周帯域または領域を含む。本実施形態のステアリングシャフト32は、所望の結晶構造を有する強磁性の磁気ひずみ材料で形成される。ステアリングシャフト32は少なくとも、磁気弾性材料で作成され、当該ステアリングシャフト32のねじれによって変化する磁場を有し、軸方向に延在し円周方向に延在する画定された表面領域を含む部分99を含む。本実施形態におけるステアリングシャフト32は、ケース硬化鋼(本実施形態では9310鋼)の一片の硬い部材であるが、他の材料を用いることもまた可能である。
【0016】
したがってハンドル26にかけられる全トルクは、ステアリングシャフト32によってステアリング可能なホイール12および14に伝達されることがわかる。
鍔なしで環状の磁化トルク変換器は、米国特許第6,047,605号で開示され既知であり、本明細書中に参考として援用する。なお、従来技術で既知であるように、本発明のステアリングシャフトは、磁場センサに隣接し当該ステアリングシャフトの周に延在する磁化リングを有してもよい。この場合、ステアリングシャフトはステンレスなどの非磁性体のものであってもよい。
【0017】
かかる型の、すなわちステアリング装置38にて構成されたステアリング機構22のようなステアリング機構の3つの重要な評価基準は、重要性の順に並べると、トルク範囲、剛性、制御帯幅である。
まずトルク範囲を考えると、運転状態において、運転者から予見できる作動トルクを識別するようにトルク制御方式は設定されるべきである。電力補助のないステアリング装置では通常、使用トルクは運転中ほとんど25Nmから50Nmまでの範囲である。最大積載量の場合および熱い舗道などの摩擦が最大の面においては、使用トルクは80Nmに達することがある。したがって実施形態の検知範囲は±90Nmに設定される。
【0018】
ステアリングシャフト32の材料とサイズは、トルク範囲がトルク検知範囲のトルクセンサ領域である部分99の降伏強さの20%から30%となるように選択される。本実施形態のステアリングシャフト32の検知領域の径は約21mmである。上述されたように、本実施形態のステアリングシャフト32は、ケース硬化範囲に炭化されたAISI9310鋼である。本件は米国特許第6,553,847号を参照するものであり、本明細書中に参考として援用される。しかしながら、本発明のステアリングシャフトには、センサ要件に合致する他の材料を用いてもよい。
【0019】
トルク感度と測定可能なトルク範囲のバランスをとることもまた重要である。本実施形態のステアリング装置38のトルク感度は±90Nmの範囲に対し1%F.S.すなわち±0.9Nmである。
電動ステアリング装置の剛性は、入力シャフトから出力シャフトまでの回転剛性として画定される。ステアリングシャフト32の部分99の剛性は、センサ隣接部(本実施形態では、センサ部60に隣接する部分)で18100Nm/rad、入出力スプライン隣接部(本実施形態では、スプライン54に隣接する部分)で19900Nm/rad、本実施形態におけるステアリングシャフト32のその他の部位で31425Nm/radである。本実施形態のステアリングシャフト32の剛性は、合計6200Nm/radである。例えば、このステアリングシャフト32においてトルクを90Nmとすれば、0.8度の圧縮率となろう。なお、これらの数値は特定の例であり、本発明の異なる実施形態において大幅に変化しうるものであることに留意されたい。本発明のステアリングシャフトの剛性の合計は2900Nm/radから6200Nm/radの間、好ましくは4400Nm/radから6200Nm/radの間であってもよい。
【0020】
上述した一実施形態に準ずる本発明の他の実施形態において、中央の検知領域の剛性は、9500Nm/radである。ステアリングシャフト剛性は計4400Nm/radである。上記に詳述した一実施形態および上述した他の実施形態のいずれも、満足なステアリング性能を示した。ステアリングシャフトの検知領域の径が、典型的な駆動時の圧縮率が約1度で約12mmであるような、剛性の最小値が2900Nm/radである場合において、ステアリング性能が適切となることが判明した。
【0021】
本発明におけるステアリングシャフトの剛性は、従来の電動補助ステアリング装置より大幅に優れている。シャフトの剛性を3.5倍から7倍増加させることによって、装置の固有振動数は通常、平方根相関で増加する。したがって、固有振動数は1.9倍から2.6倍増加する。増加した固有振動数は、制御バンド帯の幅を増加させる。片側1車線での車線変更時などのステアリング角変化において、オーバシュートと強制振動が最小限に抑えられる。
【0022】
本発明における剛性の改良は、ステアリング精度を改良する。ステアリングシャフトの圧縮率はステアリング角と比べて最小限となり、車両の動力または速度が維持される。
また、上述された高いシャフトの剛性およびシャフトの降伏強さの20%から30%である最大トルク検知範囲により、例えば米国特許第6,360,841号の従来例では必要とされていた、動力補助機構が機能不全に陥った際の手動ステアリングでの回転停止機能は、本発明によれば省略しても差し支えなく、そのためステアリング装置の組立をより簡素化することが可能となる。
【0023】
本発明によるステアリング装置は、典型的なステアリング範囲が360度未満である(±180度未満である)ジェットボートにおいてもまた、有用である。
添付の特許請求の範囲から逸脱することなく多くの改良がなされうることは当業者にとって明白であろう。このため、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態によるステアリング装置を含む三輪車の正面図である。
【図2】本発明の実施形態によるステアリング装置の側面視における部分断面図である。
【図3】図2のステアリング装置の分解された状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態におけるステアリングシャフトとトルクセンサ部の縦断面図である。
【図5】図4のステアリングシャフトとトルクセンサ部の斜視図である。
【図6】図2および図3のステアリング装置の磁場センサ部の平面図である。
【符号の説明】
【0025】
10:三輪車(車両)、12:ホイール、14:ホイール、16:ホイール、20:フレーム、22:ステアリング機構(ステアリング装置)、24:ステアリング部材、26:ハンドル、30:入力端部、31:軸受部、32:ステアリングシャフト、33:軸受部、34:出力端部、35:ベアリング、37:ベアリング、38:ステアリング装置、40:ハウジング、42:部分、44:部分、46:電動モータ、48:ウォーム、52:セクタ歯車、54:スプライン、60:磁場センサ部、62:センサハウジング、64:磁場センサ、68:磁場センサ、70:磁場センサ、72:磁場センサ、74:磁場センサ、76:磁場センサ、90:センサ台、92:輪状部材、93:開口部、94:開口部、99:部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部、ステアリング部材に連結する入力端部、および車両の少なくとも1つのステアリング可能なホイールに連結する出力端部を有する回転可能なステアリングシャフトと、
前記ステアリングシャフトを回転させるよう当該ステアリングシャフトに作動的に連結された電動モータと、
を含むステアリング装置であって、
前記ステアリングシャフトは、磁気弾性の材料で作成された少なくとも一部分であって、その軸方向に延在し円周方向に延在し磁場を有する画定された表面領域を含む部分を有し、
前記ステアリングシャフトの前記外部に隣接するよう少なくとも1つの磁場センサが設けられ、
前記ステアリングシャフトと前記少なくとも1つの磁場センサは、前記ステアリング部材によって前記ステアリングシャフトにかけられたトルクを検知し前記ステアリング部材によって前記ステアリングシャフトにかけられたトルクを示す信号を与えるトルクセンサを形成することを特徴とするステアリング装置。
【請求項2】
前記ステアリングシャフトの前記部分は、当該ステアリングシャフトのねじれによって磁場が変化することを特徴とする請求項1に記載のステアリング装置。
【請求項3】
前記ステアリングシャフトの前記部分は、トルクセンサ変換器として機能するように形成されたことを特徴とする請求項1に記載のステアリング装置。
【請求項4】
前記部分を含む前記ステアリングシャフトは、一部材であることを特徴とする請求項1に記載のステアリング装置。
【請求項5】
前記ステアリングシャフトの前記部分は、前記少なくとも1つの磁場センサに隣接した当該ステアリングシャフトの周に延在する磁気リングであることを特徴とする請求項1に記載のステアリング装置。
【請求項6】
前記ステアリングシャフトの前記部分は、前記ステアリング部材によって当該ステアリングシャフトにかけられる最大トルクが前記ステアリングシャフトの前記部分におけるねじれの降伏強さの20%から30%となるよう、その材料が選択されてなることを特徴とする請求項1に記載のステアリング装置。
【請求項7】
前記ステアリングシャフトに適用される最大トルクは90Nmであることを特徴とする請求項6に記載のステアリング装置。
【請求項8】
前記ステアリングシャフトの全体的なねじれ剛性は2900Nm/radから6200Nm/radであることを特徴とする請求項1に記載のステアリング装置。
【請求項9】
前記ステアリングシャフトの全体的なねじれ剛性は4400Nm/radから6200Nm/radであることを特徴とする請求項1に記載のステアリング装置。
【請求項10】
前記ステアリングシャフトの前記部分の径は12mmから21mmであることを特徴とする請求項1に記載のステアリング装置。
【請求項11】
前記ステアリング部材は手動操作可能であることを特徴とする請求項1に記載のステアリング装置。
【請求項12】
前記ステアリングシャフトは、前記ステアリング部材によって前記少なくとも1つのステアリング可能なホイールにかけられる全トルクが当該ステアリングシャフトによって伝達されるように構成されることを特徴とする請求項1に記載のステアリング装置。
【請求項13】
前記ステアリングシャフトは、当該ステアリングシャフトが保持されるのに2つの離間された軸受部のみを有することを特徴とする請求項1に記載のステアリング装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの磁場センサに対応する磁場センサハウジングをさらに含み、前記ステアリングシャフトが前記部分から前記出力端部に向かってテーパ勾配されたことにより、前記ステアリングシャフトが前記磁場センサハウジングの開口部に挿入可能であることを特徴とする請求項1に記載のステアリング装置。
【請求項15】
前記信号は、前記ステアリング部材でステアリングシャフトのステアリングを補助する電動モータを操作することを特徴とする請求項1に記載のステアリング装置。
【請求項16】
外部、ステアリング部材に連結する入力端部、および車両の少なくとも1つのステアリング可能なホイールに連結する出力端部を有する回転可能な剛性の高いステアリングシャフトと、
前記ステアリングシャフトを回転させるよう当該ステアリングシャフトに作動的に連結された電動モータと、を含むステアリング装置であって、
前記ステアリングシャフトは、磁気弾性材料で作成され、
前記外部は、軸方向に延在し円周方向に延在する画定された磁場を有する表面領域を有し、
前記磁場は、ステアリングシャフトのねじれによって変化し、
前記ステアリングシャフトは、一体型トルクセンサ変換器を有することを特徴とするステアリング装置。
【請求項17】
前記ステアリングシャフトは、当該ステアリングシャフトの周に延在する磁気リングによって磁化されることを特徴とする請求項16に記載のステアリング装置。
【請求項18】
前記ステアリング部材は手動操作可能であることを特徴とする請求項16に記載のステアリング装置。
【請求項19】
前記ステアリングシャフトは、前記ステアリング部材により前記少なくとも1つのステアリング可能なホイールにかけられる全トルクが当該ステアリングシャフトにより伝達されるように構成されることを特徴とする請求項16に記載のステアリング装置。
【請求項20】
前記電動モータはウォームによって前記ステアリングシャフトに作動的に連結され、前記ステアリングシャフトの外部にはセクタウォーム歯車が連結され、当該セクタウォーム歯車は前記ウォームと係合することを特徴とする請求項16に記載のステアリング装置。
【請求項21】
前記ステアリングシャフトは一部材であり、磁化された部分を有することを特徴とする請求項16に記載のステアリング装置。
【請求項22】
前記ステアリングシャフトはケース硬化鋼で作成されたことを特徴とする請求項16に記載のステアリング装置。
【請求項23】
前記金属は鉄鋼であることを特徴とする請求項16に記載のステアリング装置。
【請求項24】
前記ステアリングシャフトと当該ステアリングシャフトの前記外部に隣接する少なくとも1つの磁場センサとを有してなるトルクセンサを含むことを特徴とする請求項16に記載のステアリング装置。
【請求項25】
前記トルクセンサは、前記ステアリング部材により前記ステアリングシャフトのステアリングを補助する電動モータを操作するための信号を与えることを特徴とする請求項16に記載のステアリング装置。
【請求項26】
フレームと、
少なくとも1つのステアリング可能なホイールを含む複数のホイールと、
前記少なくとも1つのステアリング可能なホイールをステアリングするステアリング部材と、
外部を有する回転可能なステアリングシャフトと、前記ステアリング部材に連結する入力端部と、前記少なくとも1つのステアリング可能なホイールに連結する出力端部と、を有する電動ステアリング装置と、
前記ステアリングシャフトを回転させるようステアリングシャフトに作動的に連結された電動モータと、を含む車両であって、
前記ステアリングシャフトは、磁気弾性材料で作成された少なくとも一部分であって、その軸方向に延在し円周方向に延在しステアリングシャフトのねじれにより変化する磁場を有する画定された、表面領域を含む部分を有し、
前記少なくとも1つの磁場センサは、前記ステアリングシャフトの前記外部に隣接し、
前記ステアリングシャフトと前記少なくとも1つの磁場センサは、前記ステアリング部材によって前記ステアリングシャフトにかけられたトルクを検知するトルクセンサを形成し、前記ステアリング部材によって前記ステアリングシャフトにかけられたトルクを示す信号を与えるトルクセンサを形成することを特徴とする車両。
【請求項27】
前記部分を含む前記ステアリングシャフトは一部材であることを特徴とする請求項26に記載の車両。
【請求項28】
前記ステアリングシャフトの前記部分は、前記少なくとも1つの磁場センサに隣接する当該ステアリングシャフトの周に延在する磁気リングであることを特徴とする請求項26に記載の車両。
【請求項29】
前記ステアリングシャフトの前記部分は、前記ステアリング部材によって当該ステアリングシャフトにかけられる最大トルクが前記ステアリングシャフトの前記部分におけるねじれの降伏強さの20%から30%となるよう、その材料が選択されてなることを特徴とする請求項26に記載の車両。
【請求項30】
前記ステアリングシャフトにかけられた最大トルクは90Nmであることを特徴とする請求項29に記載の車両。
【請求項31】
前記ステアリングシャフトのねじれ剛性は4400Nm/radから6200Nm/radであることを特徴とする請求項26に記載の車両。
【請求項32】
前記ステアリング部材は手動操作可能であることを特徴とする請求項26に記載の車両。
【請求項33】
前記ステアリングシャフトは、前記ステアリング部材によって前記少なくとも1つのステアリング可能なホイールにかけられる全トルクが当該ステアリングシャフトによって伝達されるように構成されることを特徴とする請求項26に記載の車両。
【請求項34】
前記ステアリングシャフトは、当該ステアリングシャフトが保持されるのに2つの離間された軸受部のみを有することを特徴とする請求項26に記載の車両。
【請求項35】
前記少なくとも1つの磁場センサに対応する磁場センサハウジングをさらに含み、前記ステアリングシャフトが前記部分から前記出力端部に向かってテーパ勾配されたことにより、前記ステアリングシャフトが前記磁場センサハウジングの開口部に挿入可能であることを特徴とする請求項26に記載の車両。
【請求項36】
前記ステアリング部材は中央位置から最大±180度回転可能であることを特徴とする請求項26に記載の車両。
【請求項37】
前記ステアリング部材は中央位置から最大±90度回転可能であることを特徴とする請求項26に記載の車両。
【請求項38】
前記ステアリング部材は中央位置から最大±45度回転可能であることを特徴とする請求項26に記載の車両。
【請求項39】
前記ステアリング部材はハンドルを含むことを特徴とする請求項26に記載の車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−35253(P2009−35253A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−199130(P2008−199130)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【出願人】(503154215)テレフレックス カナダ インコーポレーテッド (8)
【Fターム(参考)】