説明

高可溶性食物繊維発酵食品

発酵段階以前にピロデキストリン、特に結合が高度にランダム化されているピロデキストリンを発酵食品に添加することによってかかる食品の可溶性食物繊維含量を増大させるための方法。発酵に関する酵素は、添加されたピロデキストリンを部分的に分解し、それを糖と可溶性食物繊維に還元する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
発酵は、昔からの食品加工方法である。発酵食品における最古の記録は東南アジアに由来する。古代エジプト人が、酵母を用いる製パン所や醸造所を生み出した。多くの文化においては、発酵に関与する醸造、ワインなどの製造(vinting)、パン焼き、培養乳、他の方法によって製造される食品が食され、これらの製法は現代でもなお利用されている。
【0002】
現代の食品産業では、特に高度な加工食品に関してより健康に良く風味豊かな食品を開発することが関心の的である。多くの食品加工方法によって食物繊維などの「健康に良い」成分が除去される。次いで、最終食品生成物中に食物繊維が認められる場合、それを生成物中に加え戻す必要がある。費用効率が高くてかつ最終生成物の風味または機能性に作用を示さないという意味で食物繊維を強化することは困難である。例えば、米国特許第5629036号明細書では「非消化性デキストリン」をパン生地に添加することが記載され、ここではデキストリンが可溶性食物繊維に消化されている。これにより、可溶性食物繊維を生成させて単離し、同食物繊維をパン生地の中に導入する費用が上乗せされることから焼いた食品の調製コストが増大する。
【発明の開示】
【0003】
要約
発酵段階以前に高度にランダム化されているグリコシド結合を含むデキストリンを発酵食品に添加することによって該食品における可溶性食物繊維の含量を増大させるための方法が提供される。発酵に必要な酵素により、添加された、ランダムに結合したデキストリンを単に部分的に分解して糖と可溶性食物繊維に還元することができる。デキストリンにおける結合のランダム化の量が増大し、非消化性が高まるほど、発酵過程の間に生成される可溶性食物繊維の量が増大する。
【0004】
発酵食品を製造する方法であって、本方法で製造されていない食品と比べて可溶性食物繊維量が増大した発酵食品を製造する方法であって、(a)発酵前にピロデキストリンを発酵食品中に混合させることと、(b)デンプン結合の消化を可能にする条件下で該食品を発酵させることとを含み、それによって本方法で製造されていない食品と比べて可溶性食物繊維量が増大した発酵食品を製造する方法がさらに提供される。
【0005】
パンを製造する方法であって、本方法で製造されていないパンと比べて可溶性食物繊維量が増大したパンを製造する方法であって、(i)場合によってパンスポンジを製造し、このパンスポンジを1回以上膨らませるステップと、(ii)パンスポンジを含むパン生地を製造し、パン生地を1回以上膨らませるステップと、(iii)パン生地を焼くステップとを含み、ピロデキストリンをパンスポンジ、またはパン生地、またはパンスポンジおよびパン生地の両方に添加する、パンを製造する方法がさらに提供される。かかる生成物においては、ピロデキストリンを可溶性食物繊維に完全に消化するためにグルコシダーゼおよび/またはアミラーゼを添加してもよい。
【0006】
パンスポンジまたはパン生地またはその両方を製造する方法であって、本方法で製造されていないパンスポンジまたはパン生地またはその両方と比べて可溶性食物繊維量が増大しパンスポンジまたはパン生地またはその両方を製造する別の方法が提供される。ここで本方法は、パンスポンジまたはパン生地またはその両方を1回以上膨らませる前に、ピロデキストリンをパンスポンジまたはパン生地またはその両方の中に混合させることを含み、それによってこの方法で製造されていないパンスポンジまたはパン生地またはその両方と比べて可溶性食物繊維量が増大したパンスポンジまたはパン生地またはその両方を製造する。かかる生成物においては、ピロデキストリンを可溶性食物繊維に完全に消化するためにグルコシダーゼおよび/またはアミラーゼを添加してもよい。
【0007】
ヨーグルトを製造する方法であって、本方法で製造されていないヨーグルトと比べて可溶性食物繊維量が増大したヨーグルトを製造する別の方法が提供される。ここで本方法は、ヨーグルト培養物とともに培養する前にピロデキストリンをヨーグルト調製物に添加することを含み、それによってこの方法によって製造されていないヨーグルトと比べて可溶性食物繊維量が増大したヨーグルトを製造する。
【0008】
ソーセージを製造する方法であって、本方法で製造されていないソーセージと比べて可溶性食物繊維量が増大したソーセージを製造する方法を本発明はさらに含む。本方法は、塩漬け前にピロデキストリンをソーセージ調製物に添加することを含み、それによって本方法で製造されていないソーセージと比べて可溶性食物繊維量が増大したソーセージを製造する。
【0009】
上記の方法によって作製される組成物についても説明される。
【0010】
本明細書では、例えば、小麦粉、酵母、ピロデキストリンを含むパン製造キット、発酵糖およびピロデキストリンを含むビール製造キット、発酵糖およびピロデキストリンを含むワイン製造キットといったキットも提供される。ピロデキストリンを可溶性食物繊維に完全に消化させるのにグルコシダーゼおよび/またはアミラーゼを添加してもよく、かかるキットの中にそれらを提供してもよい。
【0011】
高食物繊維パン(high−fiber bread)を製造する方法も提供される。ここで本方法は、(a)ピロデキストリンをパン生地の中に混合することと、(b)パン生地を1回以上膨らませることと、(c)パン生地を焼くことと、を含み、それによって高食物繊維パンが製造される。
【0012】
さらなる実施形態では、高食物繊維パン生地を製造する方法が提供される。ここで本方法は、パン生地を1回以上膨らませる前にピロデキストリンをパン生地の中に混合することを含み、それによって高食物繊維パン生地が製造される。
【0013】
パンもしくはパン生地の製造において、パン生地を1回以上膨らませる前にデンプン分解酵素をパン生地の中に混合してもよい。デンプン分解酵素は、アミラーゼおよび/またはグルコシダーゼであってもよい。ロールの製造においてパン生地を包装してもよい。
【0014】
高食物繊維ビールの製造方法も提供される。ここで本方法は、ピロデキストリンをビールマッシュの中に混合することと、ビールをビールマッシュから生成することとを含む。あるいは、ピロデキストリンをビール麦芽汁の中に混合し、次いで麦芽汁からビールを生成してもよい。デンプン分解酵素もまたビールマッシュまたはビール麦芽汁の中に混合してもよく、それはアミラーゼおよび/またはグルコシダーゼであってもよい。
【0015】
同様に、ピロデキストリンをワインマストの中に混合し、ワインマストを発酵することによって高食物繊維ワインを製造してもよい。ビールと同様に、デンプン分解酵素もまたワインマストの中に混合してもよく、それはアミラーゼおよび/またはグルコシダーゼであってもよい。
【0016】
更なる実施形態では、小麦粉、酵母、ピロデキストリンを含むパン製造キットが提供される。麦芽シロップとピロデキストリンを含むビール製造キット、果汁およびピロデキストリンを含むワイン製造キットも提供される。かかるキットには、アミラーゼおよび/またはグルコシダーゼでありうるデンプン分解酵素もまた含めてもよい。
【0017】
ピロデキストリンを含む高食物繊維発酵食品が提供される。同食品には、デンプン分解酵素(例えば、アミラーゼまたはグルコシダーゼ)もまた含めてもよい。
【0018】
最後に、発酵食品の調製に使用するための、ピロデキストリンを含む組成物が提供される。同組成物には、デンプン分解酵素(例えば、アミラーゼおよび/またはグルコシダーゼ)をさらに含めてもよい。(a)発酵前にピロデキストリンを組成物中に混合することと、(b)デンプン結合の消化を可能にする条件下で組成物を発酵することと、によって同組成物を生産してもよく、これによってこの方法によって製造されていない組成物と比べて可溶性食物繊維量が増大した組成物が製造される。発酵前にデンプン分解酵素(例えば、アミラーゼまたはグルコシダーゼ)もまた混合してもよい。
【0019】
本明細書において検討される発酵食品として、パン、パン生地、ロール、パン用ミックス粉、ビール、ワイン、ヨーグルト、ソーセージ、チーズ、酢、ソイソース、たまり、醤油、味噌、納豆、テンペ、甘酒、ケフィア、キムチ、ザウアークラウトが挙げられるがこれらに限定されない。
【0020】
本明細書に記載される実施形態のいずれにおいても、ピロデキストリンは、α−アミラーゼまたはα−グルコシダーゼによって消化できない、ピロデキストリンにおけるα結合が、全α結合の少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは全α結合の少なくとも50%である種類であってもよい。
【0021】
発酵前に同食品中にもデンプン分解酵素を混合してもよい。デンプン分解酵素はアミラーゼまたはグルコシダーゼであってもよい。
【0022】
好ましくは、添加されるピロデキストリンの量は、1単位あたり約2グラム〜約12グラムであり、より好ましくは1単位あたり約4グラム〜約9グラムである。最も好ましくは、添加されるピロデキストリンの量は1単位あたり約6グラムである。
【0023】
好ましくは、最終食品中の可溶性食物繊維の量は、1単位あたり約1グラム〜約6グラムであり、より好ましくは1単位あたり約2グラム〜約4.5グラムである。最も好ましくは、最終食品中の可溶性食物繊維の量は、1単位あたり約3グラムである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
詳細な説明
発酵段階前に結合がランダム化されたデキストリンを発酵食品に添加することによって同食品の可溶性食物繊維含量を増大させるための方法が提供される。発酵に必要な酵素は、添加されたデキストリンを単に部分的に分解して発酵可能かつ消化可能な糖および可溶性食物繊維に還元可能である。特に本発明では、ランダム化されているグリコシド結合を含み、得られるランダム化された結合をもつデキストリンが可溶性である範囲までデキストリン化されている多糖類が利用される。結合のランダム化により、従来のアミラーゼおよびグルコシダーゼに対して部分的にしか消化されないデキストリン化されたデンプンが提供される。これらの酵素によるデキストリン化されたデンプンの部分消化によって糖および可溶性食物繊維が生成される。これら2種類の比率は結合のランダム化の度合いによって決定される。デキストリン化されたデンプンがほんのわずかにランダム化されて、依然としてα−1−4結合の長鎖を保持する場合、可溶性食物繊維:糖の比率が低くなる。デキストリン化されたデンプンが高度にランダム化され、α−1−4結合の長鎖がほとんどなくα−1−6、α−1−2、α−1−3結合が多数存在する場合、生成される可溶性食物繊維:糖の比率は極めて高くなる。概して、デキストリンにおけるランダム化された結合の量が多く非消化性が大きいほど、発酵過程の間に生成される可溶性食物繊維の量が多くなる。
【0025】
「デンプン」は、植物の種、果物、塊茎、根、茎髄の中、特にトウモロコシ、ポテト、小麦、米の中に主として見出される複合糖質である。デンプンは、ポリ−D−グルコース、アミロースおよびアミロペクチンといった2つの形態を含有する。アミロースはα−1−4結合を有するD−グルコースの直鎖である一方、アミロペクチンはその分岐点にα−1−6結合を有するアミロースの分岐形態である。デンプンは重要な食料であり、特に接着剤において、そして紙や織物用の充填剤および硬化剤として、他の用途を有する。
【0026】
「デキストリン」という用語は、デンプンと同一の一般的化学式を有するが、より小さくあまり複雑でない分子であり、典型的には酵素、熱または酸の作用によって調製される多数のオリゴ−D−グルコース化合物の任意の1種を示す。デキストリンはα−グルカンもしくはアミロペクチンとも称され、典型的にはα−1−4とα−1−6結合の両方を有する。「α−アミラーゼ」とは直鎖のα−1−4グルコース結合をより短い部分に切断する酵素であり、「α−グルコシダーゼ」とは通常、末端のα−1−4結合もしくはα−1−6結合を切断してグルコースを放出する酵素である。ピロデキストリン中のグリコシド結合の混合によって複雑性がもたらされる故に、ピロデキストリンを正常な醸造用酵母によって完全に発酵することはできず、それらの消化には他の酵素の添加を必要とする。デキストリンは本質的に無味であり甘味を有していない。
【0027】
「限界デキストリン」とは、デキストリン分子における分岐での酵素分子の停止に起因し、酵素による切断後に残存するデキストリンである。例えばα−アミラーゼは、デキストリン中のα−1−6結合の分岐点を介して停止するいずれの場所でも「α−限界デキストリン」を生成する。
【0028】
熱、酸、酵素によるデンプンの加水分解における中間生成物としてデキストリンが生成される。デキストリンの性質および化学的挙動は、その由来となるデンプンの種類に左右される。例えば、ヨウ素と反応することで赤味を帯びた褐色を呈する一部分があれば、青色を呈する他の部分もあり、そしてさらに全く色を呈さない部分も他にある。乾燥デンプンまたは酸で処理したデンプンを加熱し、水と混合させると強力な糊材を形成する、無色もしくは黄色っぽく、無味、無臭の粉末を生成することを介してデキストリンが調製される。それは例えば、郵便切手、封筒、壁紙や、紙および織物のサイジングに対する接着剤において広く使用される。
【0029】
「ピロデキストリン」とは、水を制限する条件下でデンプンの部分加水分解から派生する、グルコースを含有するオリゴ糖の混合物を意味する。一般にデンプンが酸(一般に塩酸)や熱に暴露されると、その間にデンプン結合は分解されてランダムに再形成される。ピロデキストリンは、大腸においてビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)種の増殖を促進することが判明しており、上部胃腸管において消化に対する耐性を示す。ビフィドバクテリウム spp.(Bifidobacterium spp.)は、下部消化管において常在し、適切な食物が提供されると増殖する細菌である。それらがこの食物を消化して成長すると、それらの局所環境が変更され、他の病原性を秘めた微生物にとってより好ましくない状態が構築される。本明細書に記載される方法によって作製されたピロデキストリンは人体を介して生成された酵素によって容易に消化できないことから、これらのピロデキストリンは、消化を切り抜けて腸下部に到達し、そこでビフィドバクテリウム spp.(Bifidobacterium spp.)によって少なくとも部分的に消化される。
【0030】
ランダム化されたα結合として、α−1−2、α−1−3、α−1−4、α−1−6や、デンプン分解酵素の活性部位内にもはや容易に適さない一部のβ結合が挙げられる。こうした変化のために、α−アミラーゼもしくはα−グルコシダーゼによってピロデキストリンを容易に消化することができないか、本明細書に記載される方法によって製造されないデキストリンよりもずっと低い速度で消化される。したがって、「消化できない」結合については、天然デンプンにおいて通常見出される結合よりも低い速度で分解されるか、または通常のヒト消化過程において全く分解されない。総結合数に対する上記の消化できない結合の割合は、総ピロデキストリンの約30%よりも大きいかもしくはそれに等しい。好ましくはその割合は40%以上である。そしてより好ましくは、α−アミラーゼまたはα−グルコシダーゼによって総結合数の50%以上が消化不能である。消化できない結合の量は、酸の量、水分レベル、または熱処理の長さを変化させることによってさらに、すなわち50%を超えるまで増大しうるが、処理が長くなると、最終生成物において色の発現が増大する。本明細書において記載される方法により、最終生成物において最低限の色の発現を伴う割合の大きい消化できない結合が生成され、生成物が白パンなどの焼いた食品の使用において特に有利になる。
【0031】
pHと温度が適切な条件下でデキストリンの溶液をα−アミラーゼおよびグルコアミラーゼで順に処理することにより、ピロデキストリンの食物繊維含量が測定される。この処理後に残存し、DP(重合度)が3を超えるオリゴ糖の断片が可溶性食物繊維の断片である。一般に、各デキストリン分子はある程度消化され、種々のオリゴ糖が残存する。
【0032】
「発酵」とは、純酸化ではなく、微生物を介するエネルギー産生代謝による栄養分子のより単純な生成物への分解について意味する。「発酵食品」とは、ある食用生成物の生産に少なくとも1つの発酵段階が含まれる場合の食用生成物を意味する。他の明示方法がないとしたら、「発酵食品」とは、ある食用生成物の生産がピロデキストリンの可消化部分の代謝を含む少なくとも1つの発酵段階を含む場合を示す。酵母または細菌など(これらに限定されない)の微生物を介して発酵反応を実施することができる。これには、サッカロミセス(Saccharomyces)、乳酸桿菌(Lactobacillus)、ラクトコッカス(Lactococcus)、ペディオコッカス(Pediococcus)、アセトバクター(Acetobacter)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、ロイコノストック(Leuconostoc)、ペニシリウム(Penicillium)、ゲオトリクム(Geotrichum)、ミクロコッカス(Micrococcus)、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)、アスペルギルス(Aspergillus)種などの種が含まれるがこれらに限定されない。
【0033】
発酵食品の例として、パン、パン生地、ロール、パン用ミックス粉、ビール、ワイン、チーズ、ヨーグルト、酢、ピクルス、ザウアークラウト、ケフィール(kephir)、フィルムヨーク(filmjolk)、発酵バルト海ニシン(fermented Baltic Herring)、半乾燥および乾燥ソーセージなどのソーセージ、サラミ、モルタデッラ、ペパローニ、サマーソーセージ、チューリンガー、サウドヨーク(soudjouk)、オリーブ、ケフィア、クシュック(kushuk)、レモン漬け(lamoun makbouss)、メカレル(mekhalel)、トルシー(torshi)、トゥルシュ(tursu)、アチャール(achar)、グンドゥルック(gundruk)、インディアンピクルス(Indian pickles)、アシナン(asinan)、バイミン(bai−ming)、ブラチャン(belacan)、ブロン・マンガ(burong mangga)、ダロック(dalok)、ジュルック(jeruk)、魚醤油(fish sauce)、キムチ、leppet−so、ミアン(miang)、ナタ・デ・ココ(nata de coco)、ナタ・デ・ピナ(nata de pina)、ナウマイドン(naw−mai−dong)、パッシアムドン(pak−siam−dong)、パオツァイ(paw−tsay)、パッドン(phak−dong)、ポンラミドン(phonlami−dong)、魚のすり身(fish paste)、サユルアシン(sajur asin)、サンバル・テンポヤク(sambal tempo−jak)、サントル(santol)、シセッチャイ(si−sek−chai)、スンキ(sunki)、タンチャイ(tang−chai)、テンペ(tempeh)、テンポヤック(tempoyak)、バニラ、甘酒、チャサイ(cha−ts'ai)、dan moogi、ドンチミ、広島菜、ホットペッパーソース、ヤンガギー(jangagee)、kachdoo kigactuki、kakduggi、キムチ、味噌、mootsanji、nara senkei、納豆、奈良漬、野沢菜、糠味噌漬、oigee、オイジ(oiji)、oiso baegi、おみずけ、泡菜(pow tsai)、red in snow、酒、seokbakji、醤油、塩漬け、ソイソース、四川泡菜(szechwan cabbage)、タイタン・ツォイ(tai−tan tsoi)、高菜、沢庵、たまり、トトカル・キムチ(totkal kimchi)、搾菜、ツー(tsu)、梅干、わさび漬、yen tsai、ハイビスカスの種(hibiscus seed)、mauoloh、ムジル(msir)、mslalla、脂肪種子、オギリ(ogili)、オギリ(ogiri)、ルパンの種(lupin seed)、そしてセイウチ、魚、鳥から得た発酵肉が挙げられるがこれらに限られない。
【0034】
高食物繊維の食品種を生成するために、発酵前にピロデキストリンを同食品に添加してもよい。「高食物繊維」とは、発酵段階に先立ってピロデキストリンが添加されていない食品種と比べて、同食品に含まれる可溶性食物繊維の量が増大することを意味する。好ましくは、食品に添加されるピロデキストリンの量は1単位あたりのピロデキストリンが約2グラム〜約12グラムである。より好ましくは、添加される同量は1単位あたりのピロデキストリンが約6グラムである。
【0035】
最終生成物における可溶性食物繊維の量は、生成物の製造において添加されるピロデキストリンの量および発酵が進行しうる度合いを含むいくつかの因子から生じる結果を示す。例えば、発酵過程が途中で終了する場合、第2の食品調製物よりもピロデキストリンを多く含有する第1の食品調製物が含有する可溶性食物繊維がより少ない場合がある。かかる変数の調節については、最終生成物の望ましい特性、原料コストなどに従って、食品の調製および製造の分野において十分に通常実施される技術の範囲内である。好ましくは、最終生成物における可溶性食物繊維の量は、1単位あたりの可溶性食物繊維が約1グラム〜約6グラムである。より好ましくは、最終生成物における可溶性食物繊維の量は、1単位あたり約3グラムである。
【0036】
本発明の一実施形態によると、発酵段階に先立って上記項目にピロデキストリンを添加してもよい。例えば、ピロデキストリンを、マッシング段階の間または発酵段階の直前にビールに、発酵段階の直前にワインに添加してもよく、あるいは発酵またはプルーフィングの前にパンスポンジまたは生地に添加してもよい。
【0037】
「白」パンなど、大量生産される多くのパンでは食物繊維が少ない。高食物繊維パンについては、一般に全粒小麦の小麦粉もしくはふすまなどのスポンジまたは生地に食物繊維を添加する場合以外では従来の「白」パンと同じ方法で生成される。膨らまし段階(rising step)を用い、可溶性食物繊維に富む、パンをはじめとする焼いた製品を生成するのに、本明細書において記載されるピロデキストリンおよび方法を用いてもよい。(スポンジおよび生地の方法をはじめとする商業的に認知されたパンの製造方法として)1回以上の膨らまし段階の前にピロデキストリンを添加してもよく、そうすることで酵母による発酵によってピロデキストリンが可溶性食物繊維および糖へ変換される。パンの膨れを引き起こすのに酵母を介して糖が使用される。
【0038】
一般に、市販のパン焼き器によってパン生地を規定の量もしくは高さに膨らますことができることから、プルーフィングに対する時間が決められる。ピロデキストリンをパンスポンジまたは生地に添加する場合、酵母による発酵によって膨らまし段階の間に可溶性食物繊維が生成される。可溶性食物繊維では、発酵および/または膨らまし時間(rising time)の延長が求められる場合がある。製パン所では、処理量を低下させず、不必要に生産コストを増大させないように発酵およびプルーフィングのための時間が最適化される。最終生成物中の可溶性食物繊維の量と生産工程の速度および効率とを平衡させるのに、パン焼きの同業者であればパンまたは焼いた食品の調製物に添加されるべきピロデキストリンの正確な量を調節することが期待される。
【0039】
本発明の一実施形態によると、かかる項目の生産に用いることを意図した包装済み製品にもピロデキストリンを添加してもよい。例えば、パン機をはじめとする生地用ミックス(dough mix)、酵母を含有する包装済みの冷蔵もしくは冷凍された生地の中にピロデキストリンを含めてもよい。包装済みの冷蔵もしくは冷凍された生地は、その中で小麦粉、水、発酵および/または膨れに必要な酵母をはじめとする微生物(または酵素)を含む、焼いた製品を製造するのに必要なすべての原料が共混合されているものである。
【0040】
一般に生地用ミックスは乾燥形態を示し、適量の水の添加時に焼いた製品の基礎原料である生地を形成する、小麦粉と他の原料を含有する。パン(例えば、そしてこれに限定されないが、白パン、小麦パン、ライムギパン、トウモロコシパン、甘パンなど)をはじめとする焼いた食品(例えば、そしてこれに限定されないが、ロールやベーグル)に対してかかる生地用ミックスを製造してもよい。しかしながら本発明の一実施形態では、生地用ミックスは焼いた食品用であり、その生産には少なくとも1つの発酵段階、すなわち膨らまし段階を少なくとも1回必要とする。かかる発酵段階はスポンジ段階または生地段階、またはその両方でありうる。一般にかかる焼いた食品は発酵パンであるが、発酵段階を導入するのに焼いた食品の他の種類の生産は変更可能である。例えば、「スポンジ」タイプの発酵段階を含めるのにケーキまたはフルーツパンの生成物の生産は変更可能である。
【0041】
本発明では、これに限定されないが、実施例1によって調製されるものなどのピロデキストリンを発酵前または膨らませる前にスポンジもしくは生地に添加してもよい。通常、酵母がパンを膨らませるのに、糖に加えて、ピロデキストリンをスポンジまたは生地に添加してもよく、あるいはかかる糖の代わりに添加してもよい。場合によって、ピロデキストリンの変換のためにアミラーゼとグルコシダーゼもまた添加してもよい。いずれの場合でも、酵母はピロデキストリンの発酵成分を消化して消費し、ピロデキストリンの可溶性食物繊維成分のみを残すことになる。この方法で製造されるパンには可溶性食物繊維が多くなる。本発明は、白パン、ロールなど、通常「食物繊維が多い」と考えられることがない焼いた食品の生産において特に有用である。
【0042】
本発明によると、かかる項目の生産に用いることを意図した包装済み製品にもピロデキストリンを添加してもよい。例えば、パン焼き器用ミックスや、酵母を含有する包装済みの冷蔵または冷凍された生地の中にピロデキストリンおよび安定化酵素を含めてもよい。
【0043】
ビール、ワイン、パンの製造に一般に用いられる酵母のSaccharomyces cerevisiaeが追加酵素の助けなしにデンプンを分解できないことは注目すべきである。酵母はマルトースとデキストロースを利用できる一方、より大きい麦芽糖−オリゴ糖は他の酵素によって分解される。ビール製造では、例えば、マッシング段階により、典型的に142〜158°Fの温度で機能するαおよびβアミラーゼが大きい方のデンプン分子のマルトースおよびデキストロースといった小さい方の分子に還元することが誘発される。本発明では、必要なグルコシダーゼもしくはアミラーゼを分泌しないS.cerevisiaeをはじめとする食品発酵微生物を使用するかかる発酵段階で、グルコシダーゼおよび/またはアミラーゼを添加してもよい。発酵微生物がピロデキストリンを分解するのに有益である、あるいは発酵段階の速度および/または効率を増大させる可能性がある状況では他の酵素を添加してもよい。
【0044】
ケフィア、ヨーグルト、チーズ、ソイソース、味噌を含む(がこれらに限定されない)他の発酵食品の生産においても、ピロデキストリンを用いてもよい。「ケフィア」は発酵乳製品である。醤油およびたまりはソイソースの種類である。醤油は、大豆タンパク質に加えて小麦を含有し、たまりはそれらを含有しない。いずれも発酵によって製造される。更なる日本製発酵大豆食品として、「味噌」(伝統的な日本の味噌であり、発酵大豆と塩と米かもしくは大麦から作られ、汁を作るのに使用される)、「納豆」、テンペが挙げられる。「甘酒」とは、調理されたもち米と麹(アスペルギルス(Aspergillus)培養物が添加された米)の混合物を6〜10時間にわたってインキュベートすることによって製造される非アルコール発酵食品である。麹中に豊富な消化酵素が米中の複合デンプンを分解して容易に消化可能な天然糖にする際に甘味が出てくる。
【0045】
可溶性食物繊維量が増大したビールおよびワインの生産においてもピロデキストリンを使用することができる。
【0046】
通常の発酵アルコール飲料の製造において、発酵に先立って発酵糖が添加される。本発明では、その発酵糖の一部をピロデキストリンの代わりに用いてもよい。
【0047】
例えば、麦芽からビールが生産される。麦芽とは、浸漬、発芽させてから加熱する(「窯で焼く」)ことで保存用に乾燥させた新鮮な穀物である。穀物とは、その後の発芽および成長のためにデンプンの形態で蓄積したエネルギーを含有する種子である。その浸漬段階によって生の穀物の発芽が誘発され、穀物中の天然α−アミラーゼ酵素が活性化される。これらの酵素は、穀物中のデンプンをマルトースとグルコース、他の糖に変換し始める。この過程が極めて迅速に進行する前に、穀物は発芽種子を殺しても酵素を不活化しない温度で徐々に乾燥する。乾燥穀物(「麦芽」)は、醸造に用いられるまで保存される。
【0048】
醸造において、穀物は粗びきされ、粥状の軟度(「マッシュ」)を有する混合物中に再び浸漬される。マッシュは、残存するデンプンを糖に変換するα−およびβ−アミラーゼ(および他の任意のエキソ活性を示すα−1−4アミラーゼ)にとって最適な温度で維持される。一旦マルトース単位をデンプン分子の末端から切断する過程が十分に完了すると、糖分の多い液体が抜かれ、腐敗細菌(spoilage bacteria)および天然酵母のいずれもが死滅するように沸騰し、冷却されることで「麦芽汁」が生成される。一旦ビール醸造に適する冷却した酵母株が麦芽汁に添加されると、同酵母は液体中のグルコースとマルトース、他の糖をアルコールおよび二酸化炭素に変換する。
【0049】
本発明では、マッシュ段階もしくは発酵段階の直後またはその間に、ピロデキストリン、すなわちこれに限定されないが、実施例1によって調製されるものなどを添加してもよい。マッシュ段階で、麦芽中の酵素はα−1−4結合が接近可能なものすべてを切断することになる。これらの結合の切断により、酵母によって後に発酵可能なより短い鎖をもつ糖と、酵母によって消化できない可溶性食物繊維が生成されることになる。したがって、最終ビール(finished beer)では可溶性食物繊維が多くなる。
【0050】
あるいは、ピロデキストリンを麦芽汁に添加してもよい。酵母が麦芽汁を発酵させる際、添加されたα−アミラーゼとα−グルコシダーゼは、ピロデキストリンの可消化部分をグルコース(次いでさらに消化されてアルコールと二酸化炭素になる)および可溶性食物繊維(消化できない)に変換することになる。最終ビールでは可溶性食物繊維が多くなる。
【0051】
いずれかの段階で、ピロデキストリンの変換を確実にする、かつ/または加速するためにもアミラーゼおよびグルコシダーゼを添加してもよい。
【0052】
ビールキットにピロデキストリンも添加してもよい。ここでビールキットは発酵糖原料(例えば、麦芽糖、麦芽シロップ、種々の糖、またはそれらの混合物、または糖がまだ抽出されていない麦芽穀物)および本明細書において記載されるピロデキストリンを含む。上記ビールキットには、同キットの中に共通に見出されるホップ、ホップ抽出物、酵母、スパイス、他の原料も含まれうる。
【0053】
ワイン製造でもピロデキストリンを添加してもよい。ワインの製造では、ブドウおよび/または他の果物が圧縮される。ブドウなどの一部の果物には天然糖を発酵させるのに使用できる天然酵母が含まれるが、酵母を同果物から得られる圧縮された果実もしくは果汁に添加することが多く、酵母は果汁中の糖をアルコールおよび二酸化炭素に変換する。ワイン製造技術において周知のように、付加的な糖や香味料をワインの品質に影響を及ぼす発酵混合物に添加してもよい。
【0054】
ワインキットにもピロデキストリンを含めてもよい。一般にかかるワインキットとして、取扱費および運送費の低減に役立ちうる圧縮果汁(pressed juice)、酵母、添加剤(例えば、酸配合物、タンニン、アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸)、酒類清澄剤および清澄剤(例えば、ベントナイト、ゼラチン、アイシングラス、スパーカロイド(sparkaloid)、ポリクラール、ペクチン酵素)、安定剤および清浄剤(ソルビン酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム)、他の成分(例えば、オークチップまたはおがくず、炭酸カルシウム、酵母栄養素、グリセリン)が挙げられる。
【0055】
ビールおよびワインの醸造分野の当業者により、最終飲料における可溶性食物繊維量の操作が可能である。例えば、ワイン製造において50%の消化できない結合を有するピロデキストリンを添加する場合、ピロデキストリンの半分が開裂されて簡単な分子になって発酵し、そしてピロデキストリンの残り半分が可溶性食物繊維として最終生成物中に残存することになる。ピロデキストリンを発酵糖に対して2対1の比率で代えて用いることにより、ビールやワインの醸造者は最終生成物のアルコールレベルを維持できる。かかる生成物では、ピロデキストリンを用いないで製造された生成物よりも極めて重々しい「食感(mouth feel)」が得られうることから、ビールやワインの醸造者は調製物を若干調節して味における変化を明らかにすることを望む場合がある。
【0056】
本発明では、発酵が開始する前に適切なアミラーゼおよびα−グルコシダーゼとともに、ピロデキストリンすなわち実施例1によって調製されるものなど(これに限定されない)がマスト(果汁)に添加される。酵母によってワインマスト中の糖が発酵される際、これらの酵素はピロデキストリンをもグルコース(次いで発酵されてアルコールおよび二酸化炭素になる)と可溶性食物繊維(消化されない)に分解することになる。最終ワイン(finished wine)では可溶性食物繊維が多くなる。
【0057】
半乾燥および乾燥ソーセージ、サラミ、モルタデッラ、ペパローニ、サマーソーセージ、チューリンガー、サウドヨーク(soudjouk)などの伝統式塩漬けソーセージの製造においても、ピロデキストリンを含めてもよい。かかるソーセージには、その製造においてデキストリンをはじめとする糖が含まれ、同ソーセージはある期間塩漬けにされる。その間に有用生物による糖の発酵が行われ、これによって腐敗細菌の成長が阻止される。ラクトバチルス(Lactobacillus)、ペディオコッカス(Pediococcus)、ストレプトコッカス(Streptococcus)など、乳酸により生成される生物は、ソーセージの製造において共通に利用される生物である。同生物は自然発生しうる、すなわち出発培養物として導入可能である。デキストリンをはじめとする糖のすべてまたは一部を本発明のピロデキストリンと代えて用いることにより、内容物として可溶性食物繊維を有しそれが増大したソーセージがもたらされる。
【実施例】
【0058】
実施例1 ピロデキストリンを生成するための方法
水の非存在下で酸化デンプンを加熱することによってピロデキストリンを作製する。一般のトウモロコシデンプンを約4%の湿度になるまで約100℃以下で乾燥させる。水中の5%デンプン懸濁液がpH2.4〜2.8(0.60〜0.75gmsのHCl/kgのデンプン)をもたらすまで、塩酸を気体形態でまたは10%HCl溶液の吸引によってデンプンに適用した。酸化デンプンを約2%の湿度になるまで約105℃で乾燥させてから、1〜4時間にわたって約150〜170℃でローストした。ロースト後、添加された酸のモル量に等しい量の乾燥炭酸ナトリウムをピロデキストリンと混合させて酸を中和し、ピロデキストリンを冷却した。これによって約55%の食物繊維含量を有するピロデキストリンを生成した。
【0059】
α−アミラーゼおよびグルコアミラーゼを有するピロデキストリンの溶液の消化によってピロデキストリンの食物繊維含量を評価した。
【0060】
試薬
pH6.2の0.1Mリン酸緩衝液
α−アミラーゼ(12,000LU/ml)
グルコアミラーゼ(400SGU/ml)
0.1N水酸化ナトリウム
0.3M塩酸
【0061】
α−アミラーゼ消化
1.スクリュートップ試験管内で約0.4グラムの無水ベースの試料を正確に秤量する。
2.pH6.2で0.1Mリン酸緩衝液20mLを添加する。
3.α−アミラーゼ50mLを添加し、試験管をしっかり密封し、そして95℃まで加熱し、30分間保持する。
【0062】
グルコアミラーゼ消化
1.α−アミラーゼ消化の内容物を125mLのフラスコに完全に移す。
2.全容量が約50mLになるまで脱イオン水を用いて希釈する。
3.0.3M塩酸を用いてpHを4.0〜4.7に調節する。
4.グルコアミラーゼ50mLを添加し、40分間にわたり60℃に加熱する。
5.冷却後、消化物を100mlに希釈する。
【0063】
液体クロマトグラフィーを介する試料分析
1.本明細書によって参照として援用される、「Standard Analytical Methods of the Corn」 Refiners Association,Inc.、第6版のE−61の方法に記載のように、試料のデキストロース、DP2、DP3+の含量を測定する。
2.以下の公式から食物繊維(y)を決定する。ここで(a)は元の試料の質量、(b)は測定されたデキストロースの質量、そして(c)は測定されたDP2の質量である。
食物繊維の割合:y=100x(α−(0.9b)−(0.95c)/a
【0064】
実施例2 培養されるヨーグルト生成物
ヨーグルトにおける調製物中に本発明のピロデキストリンを含めてもよい。1つの典型的な調製物を下記に提供するが、他の調製物もまたピロデキストリンを含んでもよい。
【0065】
【表1】

【0066】
白い塊(white mass)(例えば、90%のStreptococcus thermophilusおよび10%のLactobacillus bulgaricusからなり、ヴィヴォラック(Vivolac)、インディアナポリス、インディアナ、米国によって製造されるDriSet Yoghurt 424)の重量に基づいて、活性ヨーグルト培養物を0.0035%の比率で添加する。
【0067】
上記調製物において使用される安定剤は、ゼラチン、食用デンプン、食用ペクチンからなり、ダニスコカルター(Danisco Cultor)によって製造されるGrindsted SSD−5110 Stabilizer Systemであった。他の適切な安定剤については食品調製物に関する当業者にとって既知である。
【0068】
製造の手順
1.培養物以外の調製物中の乾燥原料を検量し、それらを乾燥配合する。
2.容器内で液体原料(ミルクと水)を混合し、中位の剪断下で、混合された乾燥原料を水/ミルク配合物中に徐々に添加する。
3.すべての乾燥原料を添加した後、5〜7分間にわたって混合物を溶解させ、シャフトの上もしくは混合容器の底面に乾燥クランプが残存しないことを注意深く確認する。
4.第1および第2段階においてそれぞれ2500および500PSIで2段階ホモジナイザーを用いて混合物を均質化する。
5.30秒保持する間に温度85℃で均質化後に混合物に加熱処理を施し、35〜45℃で保持することを止め、溶液を無菌容器内に注意深く放出させる。
6.無菌容器内で適切な使用率、この場合は0.0035%で培養物を溶液に添加し、最低6時間にわたって40〜43℃の培養器内に置く。インキュベーション時間は、最終生成物における望ましい酸性レベルや、培養の実現可能性に左右される。
7.培養器、冷蔵庫から取り出す。ここではヨーグルトの消費の準備ができている。
【0069】
上記の培養したヨーグルト製品では、最低3g/単位の可溶性食物繊維が得られる。
【0070】
実施例3 白パン、スポンジ、生地の方法
製パンにはピロデキストリンを使用してもよい。生地製造に使用される、スポンジを使用する製パン方法では、ピロデキストリンをスポンジまたは生地に添加してもよい。下記にピロデキストリンを生地に添加する方法を提供する。
【0071】
【表2】

【0072】
スポンジを製造するための手順
1.水(10℃)をMcDuffyボウルまたは等価物の中の乾燥原料に添加し(15℃)、Hobartミキサーまたは等価物の中で低速(1)で2分間、次いで中速(2)で5分間混合する。
2.スポンジを薄く油を塗った有蓋容器内に置き、30℃で2時間にわたり発酵する。
【0073】
【表3】

【0074】
生地製造のための手順
1.乾燥原料(塩を除く)および焼き戻した水(7℃)をMcDuffyボウル(または等価物)内に添加し、水とともに8.57mlのOptidex L−400(アミラーゼ)/lbのピロデキストリンを含有させ、低速(1)で1分間混合する。
2.スポンジをボウルに添加し、低速(1)で20秒間混合する。中速(2)に上げ、さらに3分間混合する。塩を添加し、20秒間低速(1)で、そして3分間中速(2)で混合する。
3.18オンス(510g)でパン切れを秤量する。1/4インチ(約0.63cm)に設定したシーターテーブル(table sheeter)を介して生地断片を溶かした後、5/32インチ(約0.39cm)で1秒シーティングを行う。生地を3つ折りにし、フォーマを介して加工する。十分に油を塗ったパンの中に入れて、パンの上から3/4インチ(約1.88cm)の高さまで45℃でパン切れを校正する(約75分)。
4.プルーフボックスからパンを取り出し、215℃(420°F)で18分間焼く。
5.オーブンから取り出し、デパンニング(depanning)およびスライスする前に1時間冷ましておく。
【0075】
この調製物によって製造されるパンでは、最低3g/単位の可溶性食物繊維が得られる
【0076】
実施例4 従来のラガースタイルのアメリカンビール(乾燥麦芽抽出調製物)
可溶性食物繊維を含有するビールを生成するのに醸造調製物中にもピロデキストリンを使用してもよい。1つのかかる調製物を下記に提供するが、醸造分野における同業者によって他の製造も可能である。
【0077】
【表4】

【0078】
手順
2ガロン(約0.13g)の水を攪拌しながら135°Fまで加熱した。乾燥麦芽抽出物を添加した。この混合物を攪拌しながら沸騰させてから、15分間静かに沸騰させておいた。あらゆる付加物を添加した(この全混合物は「麦芽汁」と称される)。次いでホップを添加し、混合物を攪拌しながら45分間静かに沸騰させておいた。麦芽汁からホップを取り除き、攪拌しながら麦芽汁を1.5ガロン(約0.10g)の水を含有する発酵容器に移した。総容量を水を用いて5ガロン(約0.32g)に調節した。温度が98°Fに達すると、12mlのOptidex L−400(アミラーゼ)を添加してから15分間攪拌した。24時間余りにわたり麦芽汁を55〜65°Fに冷却させておいた。24時間後、1袋の再水和したラガー酵母を攪拌しながら添加した。次いで混合物を55〜65°Fで維持した。5〜7日後(発酵の進行に左右される)、この一次発酵溶液を清潔なカーボイに移し、さらに7日間、55〜65°Fで発酵を持続させておいた。二次発酵溶液の一部を取り出した。プライミングシュガー(デキストロース)を二次発酵溶液に添加してから瓶に移し、そして蓋をした。
【0079】
上記調製物によって製造されるビールでは、1単位12オンス(340g)あたり最低3gの可溶性食物繊維が得られる。
【0080】
実施例6 伝統式ペパローニ調製物
半乾燥および乾燥ソーセージ、サラミ、モルタデッラ、ペパローニ、サマーソーセージ、チューリンガー、サウドヨーク(soudjouk)などの伝統的に塩漬けされたソーセージにおける調製物中にピロデキストリンを使用してもよい。伝統式ペパローニ(32%脂質)における調製物を下記に示す。
【0081】
【表5】

【0082】
手順:
1.挽肉原料を粗びきする(1/2インチ(1.25cm)〜1インチ(2.50cm))。
2.ミキサー内に置いて塩と亜硝酸塩/硝酸塩、ピロデキストリンを添加し、混合して各原料を組み入れる。最小限に混合して熱の蓄積や脂肪のスミアリングを阻止する。
3.香味料と出発培養物(約0.4%Colorlife(商標);0.02%出発培養物、冷凍したDiversitech HP)を添加し、混合して組み入れる。
4.タンパク質クランブル(crumble)を添加し、混合して分布させる。
5.再び生成物を粉砕する(3/16インチ(約0.47cm))。
6.生成物を2インチ(2.5cm)(繊維包装)の中に詰め込む。詰め込み段階の間に脂肪のスミアリングを阻止するのに生成物を冷却しておく必要がある。
7.2〜4時間にわたり70°Fで生成物を焼き戻す。
8.12〜14時間にわたりまたはpHが5.1以下になるまで100°Fおよび相対湿度85〜90%で生成物を発酵させる。
9.下記冷却サイクルに示されるように生成物を熱処理する。
【0083】
【表6】

【0084】
10.発酵および熱処理後、相対湿度40〜60%で45〜55°Fの室内にスティックを取り付け、ある湿度になるまで乾燥させておく。ここでタンパク質比が1.6:1である(約3〜4週間以内)。
【0085】
実施例6 高食物繊維調味料の製造
ソイソースなどの多数の調味料は発酵生成物である。ソイソースには、醤油(大豆、ロースト小麦、海塩、麹(Aspergillus oryzae)の発酵生成物)、たまり(大豆、海塩、水、麹(Aspergillus hacho)の発酵生成物)が含まれる。発酵前にランダム化、デキストリン化させた多糖類、すなわち実施例1によって調製されるものを含めることにより、本発明によってもかかる調味料を製造してもよい。ピロデキストリンの食物繊維への変換を確実にするためにも、アミラーゼおよびグルコシダーゼを添加してもよい。この方法で生成される調味料には、現行の加工を介して製造される同一の調味料よりも多くの可溶性食物繊維が含まれることになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発酵食品を製造する方法であって、前記方法で製造されていない食品と比べて可溶性食物繊維量が増大した発酵食品を製造する方法であって、
(a)発酵前にピロデキストリンを食品中に混合させることと、
(b)デンプン結合の消化を可能にする条件下で前記食品を発酵させることと、
を含み、それによって前記方法で製造されていない食品と比べて可溶性食物繊維量が増大した発酵食品を製造する方法。
【請求項2】
前記ピロデキストリン中のα結合の30%以上が、α−アミラーゼまたはα−グルコシダーゼによって消化できない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ピロデキストリン中のα結合の40%以上が、α−アミラーゼまたはα−グルコシダーゼによって消化できない、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ピロデキストリン中のα結合の50%以上が、α−アミラーゼまたはα−グルコシダーゼによって消化できない、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
発酵前にデンプン分解酵素を前記食品中に混合させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記デンプン分解酵素が、アミラーゼまたはグルコシダーゼである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記発酵食品が、パン、パン生地、ロール、パン用ミックス粉、ビール、ワイン、チーズ、ヨーグルト、酢、ソイソース、たまり、醤油、味噌、納豆、テンペ、甘酒、ケフィア、キムチ、およびザウアークラウトとからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
添加されるピロデキストリンの量が、1単位あたり約2〜約12グラムである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
添加されるピロデキストリンの量が、1単位あたり約6グラムである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記食品における可溶性食物繊維の量が、1単位あたり約1〜約6グラムである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記食品における可溶性食物繊維の量が、1単位あたり約3グラムである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
パンを製造する方法であって、前記方法で製造されていないパンと比べて可溶性食物繊維量が増大した前記パンを製造する方法であって、
(i)場合によってパンスポンジを製造し、前記パンスポンジを1回以上膨らませるステップと、
(ii)前記パンスポンジを含むパン生地を製造し、前記パン生地を1回以上膨らませるステップと、
(iii)前記パン生地を焼くステップと、
を含む方法によりパンを製造する方法において、
ピロデキストリンを前記パンスポンジ、または前記パン生地、または前記パンスポンジおよび前記パン生地の両方に添加することを含み、それにより前記方法で製造されていないパンと比べて可溶性食物繊維量が増大した前記パンを製造する方法。
【請求項13】
前記ピロデキストリンにおけるα結合の30%以上が、α−アミラーゼまたはα−グルコシダーゼによって消化できない、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記パンスポンジまたは前記パン生地またはその両方を1回以上膨らませる前に、デンプン分解酵素を前記パンスポンジまたは前記パン生地またはその両方の中に混合させることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記デンプン分解酵素が、アミラーゼまたはグルコシダーゼである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
添加されるピロデキストリンの量が、1単位あたり約2〜約12グラムである、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
添加されるピロデキストリンの量が、1単位あたり約6グラムである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記パンにおける可溶性食物繊維の量が、1単位あたり約1グラム〜約6グラムである、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記パンにおける可溶性食物繊維の量が、1単位あたり約3グラムである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
パンスポンジまたはパン生地またはその両方を製造する方法であって、前記方法で製造されていないパンスポンジまたはパン生地またはその両方と比べて可溶性食物繊維量が増大したパンスポンジまたはパン生地またはその両方を製造する方法であって、パンスポンジまたはパン生地またはその両方を1回以上膨らませる前にピロデキストリンを前記パンスポンジまたは前記パン生地またはその両方に混合させることを含み、それによって前記方法で製造されていないパンスポンジまたはパン生地またはその両方と比べて可溶性繊維量が増大したパンスポンジまたはパン生地またはその両方を製造する方法。
【請求項21】
前記ピロデキストリンにおけるα結合の30%以上が、α−アミラーゼまたはα−グルコシダーゼによって消化できない、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記パンスポンジまたは前記パン生地またはその両方を1回以上膨らませる前に、デンプン分解酵素を前記パンスポンジまたは前記パン生地またはその両方の中に混合させることをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記デンプン分解酵素が、アミラーゼまたはグルコシダーゼである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記パン生地が、ロールの製造のために包装される、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
添加されるピロデキストリンの量が、1単位あたり約2〜約12グラムである、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
添加されるピロデキストリンの量が、1単位あたり約6グラムである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記パンスポンジまたは前記パン生地から製造されるパンにおける可溶性食物繊維の量が、1単位あたり約1グラム〜約6グラムである、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
前記パンスポンジまたは前記パン生地から製造されるパンにおける可溶性食物繊維の量が、1単位あたり約3グラムである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
ヨーグルトを製造する方法であって、前記方法で製造されていないヨーグルトと比べて可溶性食物繊維量が増大したヨーグルトを製造する方法であって、活性ヨーグルト培養物とともに培養する前にピロデキストリンをヨーグルト調製物に添加することを含み、それによって前記方法で製造されていないヨーグルトと比べて可溶性繊維量が増大したヨーグルトを製造する方法。
【請求項30】
前記ピロデキストリンにおけるα結合の30%以上が、α−アミラーゼまたはα−グルコシダーゼによって消化できない、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
添加されるピロデキストリンの量が、1単位あたり約2〜約12グラムである、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
添加されるピロデキストリンの量が、1単位あたり約6グラムである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記ヨーグルトにおける可溶性食物繊維の量が、1単位あたり約1グラム〜約6グラムである、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記ヨーグルトにおける可溶性食物繊維の量が、1単位あたり約3グラムである、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
ビールを製造する方法であって、前記方法で製造されていないビールと比べて可溶性食物繊維量が増大したビールを製造する方法であって、ピロデキストリンをビールマッシュに混合させることと、前記ビールマッシュからビールを生成することとを含む方法。
【請求項36】
前記ピロデキストリンにおけるα結合の30%以上が、α−アミラーゼまたはα−グルコシダーゼによって消化できない、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
デンプン分解酵素を前記ビールマッシュの中に混合させることをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記デンプン分解酵素が、アミラーゼまたはグルコシダーゼである、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
添加されるピロデキストリンの量が、1単位あたり約2〜約12グラムである、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
添加されるピロデキストリンの量が、1単位あたり約6グラムである、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記ビールにおける可溶性繊維の量が、1単位あたり約1グラム〜約6グラムである、請求項35に記載の方法。
【請求項42】
前記ビールにおける可溶性繊維の量が、1単位あたり約3グラムである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
ビールを製造する方法であって、前記方法で製造されていないビールと比べて可溶性食物繊維量が増大したビールを製造する方法であって、ピロデキストリンをビール麦芽汁の中に混合させることと、前記麦芽汁を発酵させることとを含む方法。
【請求項44】
前記ピロデキストリンにおけるα結合の30%以上が、α−アミラーゼまたはα−グルコシダーゼによって消化できない、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
デンプン分解酵素を前記ビール麦芽汁の中に混合させることをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記デンプン分解酵素が、アミラーゼまたはグルコシダーゼである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
添加されるピロデキストリンの量が、1単位あたり約2〜約12グラムである、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
添加されるピロデキストリンの量が、1単位あたり約6グラムである、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記ビールにおける可溶性繊維の量が、1単位あたり約1グラム〜約6グラムである、請求項43に記載の方法。
【請求項50】
前記ビールにおける可溶性繊維の量が、1単位あたり約3グラムである、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
ワインを製造する方法であって、前記方法で製造されていないワインと比べて可溶性食物繊維量が増大したワインを製造する方法であって、ピロデキストリンをワインマストの中に混合させることと、前記ワインマストを発酵させることとを含む方法。
【請求項52】
前記ピロデキストリンにおけるα結合の30%以上が、α−アミラーゼまたはα−グルコシダーゼによって消化できない、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
デンプン分解酵素を前記ワインマストの中に混合させることをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記デンプン分解酵素が、アミラーゼまたはグルコシダーゼである、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
添加されるピロデキストリンの量が、1単位あたり約2〜約12グラムである、請求項51に記載の方法。
【請求項56】
添加されるピロデキストリンの量が、1単位あたり約6グラムである、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記ワインにおける可溶性食物繊維の量が、1単位あたり約1グラム〜約6グラムである、請求項51に記載の方法。
【請求項58】
前記ワインにおける可溶性食物繊維の量が、1単位あたり約3グラムである、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
小麦粉と酵母とピロデキストリンとを含むパン製造キット。
【請求項60】
前記ピロデキストリンにおけるα結合の30%以上が、α−アミラーゼまたはα−グルコシダーゼによって消化できない、請求項59に記載のパン製造キット。
【請求項61】
デンプン分解酵素をさらに含む、請求項59に記載のパン製造キット。
【請求項62】
前記デンプン分解酵素が、アミラーゼまたはグルコシダーゼである、請求項61に記載のパン製造キット。
【請求項63】
前記キットにおけるピロデキストリンの量が、1単位あたり約2〜約12グラムである、請求項59に記載のキット。
【請求項64】
前記キットにおけるピロデキストリンの量が、1単位あたり約6グラムである、請求項63に記載のキット。
【請求項65】
発酵糖とピロデキストリンとを含むビール製造キット。
【請求項66】
前記ピロデキストリンにおけるα結合の30%以上が、α−アミラーゼまたはα−グルコシダーゼによって消化できない、請求項65に記載のビール製造キット。
【請求項67】
デンプン分解酵素をさらに含む、請求項65に記載のビール製造キット。
【請求項68】
前記デンプン分解酵素が、アミラーゼまたはグルコシダーゼである、請求項67に記載のビール製造キット。
【請求項69】
前記キットにおけるピロデキストリンの量が、1単位あたり約2〜約12グラムである、請求項65に記載のキット。
【請求項70】
前記キットにおけるピロデキストリンの量が、1単位あたり約6グラムである、請求項69に記載のキット。
【請求項71】
発酵糖とピロデキストリンとを含むワイン製造キット。
【請求項72】
前記ピロデキストリンにおけるα結合の30%以上が、α−アミラーゼまたはα−グルコシダーゼによって消化できない、請求項71のワイン製造キット。
【請求項73】
デンプン分解酵素をさらに含む、請求項71に記載のワイン製造キット。
【請求項74】
前記デンプン分解酵素が、アミラーゼまたはグルコシダーゼである、請求項73に記載のワイン製造キット。
【請求項75】
前記キットにおけるピロデキストリンの量が、1単位あたり約2〜約12グラムである、請求項71に記載のキット。
【請求項76】
前記キットにおけるピロデキストリンの量が、1単位あたり約6グラムである、請求項75に記載のキット。
【請求項77】
ピロデキストリンで製造された発酵食品。
【請求項78】
前記ピロデキストリンにおけるα結合の30%以上が、α−アミラーゼまたはα−グルコシダーゼによって消化できない、請求項77に記載の発酵食品。
【請求項79】
デンプン分解酵素をさらに含む、請求項77に記載の発酵食品。
【請求項80】
前記デンプン分解酵素が、アミラーゼまたはグルコシダーゼである、請求項79に記載の発酵食品。
【請求項81】
パン、パン生地、ロール、パン用ミックス粉、ビール、ワイン、チーズ、酢、ソイソース、たまり、醤油、味噌、納豆、テンペ、甘酒、ケフィア、キムチ、およびザウアークラウトとからなる群から選択される、請求項77に記載の発酵食品。
【請求項82】
前記食品の製造に使用されるピロデキストリンの量が、1単位あたり約2〜約12グラムである、請求項77に記載の発酵食品。
【請求項83】
前記食品の製造に使用されるピロデキストリンの量が、1単位あたり約6グラムである、請求項82に記載の発酵食品。
【請求項84】
前記食品における可溶性食物繊維の量が、1単位あたり約1グラム〜約6グラムである、請求項77に記載の発酵食品。
【請求項85】
前記食品における可溶性食物繊維の量が、1単位あたり約3グラムである、請求項84に記載の発酵食品。
【請求項86】
ピロデキストリンを含む、発酵食品の調製において使用するための組成物。
【請求項87】
前記ピロデキストリンにおけるα結合の30%以上が、α−アミラーゼまたはα−グルコシダーゼによって消化できない、請求項86に記載の組成物。
【請求項88】
デンプン分解酵素をさらに含む、請求項87に記載の組成物。
【請求項89】
前記デンプン分解酵素が、アミラーゼまたはグルコシダーゼである、請求項88に記載の組成物。
【請求項90】
前記組成物におけるピロデキストリンの量が、1単位あたり約2〜約12グラムである、請求項86に記載の組成物。
【請求項91】
前記組成物におけるピロデキストリンの量が、1単位あたり約6グラムである、請求項90に記載の組成物。
【請求項92】
請求項1に記載の方法によって生成される組成物。
【請求項93】
前記ピロデキストリンにおけるα結合の30%以上が、α−アミラーゼまたはα−グルコシダーゼによって消化できない、請求項92に記載の組成物。
【請求項94】
デンプン分解酵素をさらに含む、請求項92に記載の組成物。
【請求項95】
前記デンプン分解酵素が、アミラーゼまたはグルコシダーゼである、請求項94に記載の組成物。
【請求項96】
前記組成物の作製に使用されるピロデキストリンの量が、1単位あたり約2〜約12グラムである、請求項92に記載の組成物。
【請求項97】
前記組成物の作製に使用されるピロデキストリンの量が、1単位あたり約6グラムである、請求項96に記載の組成物。
【請求項98】
前記組成物における可溶性食物繊維の量が、1単位あたり約1グラム〜約6グラムである、請求項92に記載の組成物。
【請求項99】
前記組成物における可溶性食物繊維の量が、1単位あたり約3グラムである、請求項98に記載の組成物。

【公表番号】特表2007−529200(P2007−529200A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541395(P2006−541395)
【出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【国際出願番号】PCT/US2004/038795
【国際公開番号】WO2005/051085
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(503298977)アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド カンパニー (9)
【Fターム(参考)】