説明

高吸収性コエンザイムQ10組成物及びその製造方法

【課題】高吸収性のコエンザイムQ10(CoQ10)組成物およびその製造方法の提供。
【解決手段】コエンザイムQ10は、溶媒、及び、キャリアオイルを含むソフトゲルカプセルとし、栄養補給のための、並びに、抗酸化物質としての使用のための、本質的に非結晶型で、高度に生物利用可能で高吸収性のCoQ10組成物。さらに、血漿中のコエンザイムQ10の吸収水準、及び、生物学的利用能水準を上昇させる方法、並びに、高吸収性のCoQ10組成物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、栄養補給のための、並びに、活力増進剤、及び、抗酸化物質としての使用のための、並びに、多くの状態の処置における高吸収性で、高度に生物利用可能なコエンザイムQ10(CoQ10)組成物に関連する。本発明は、摂取されるために必要とされるCoQ10の量を減らすこと、CoQ10補給の費用を減らすこと、及び、追加的な栄養補給を提供することを目的とするものである。本発明は、また、血漿中のコエンザイムQ10の吸収水準、及び、生物学的利用能水準を上昇させる方法、並びに、高吸収性のCoQ10組成物の製造方法にも関連する。
【背景技術】
【0002】
CoQ10は、あらゆる生体細胞、及び、生物体に存在する天然物質である。CoQ10は、各々のヒト細胞でのエネルギー生成における電子伝達を引き起こす重要な因子である。CoQ10は、抗酸化物質であり、種々の状態を処置するために、又は、改善するために使用することができ、体内で機能する。CoQ10は、心臓の健康のためにとりわけ重要である。健常若年成人の血液中に検出されるCoQ10の通常の水準は、0.56 μg/ml から 1.45 μg/ml までの間に分布する(平均値=0.81 μg/ml)。ある人々は、ダイエット、遺伝的性質、加齢、医学的な状態、又は、その他のストレスの結果として、自然のCoQ10が低水準であり、彼らは、CoQ10補給の恩恵を受けることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これまでのところ、補給目的のためのCoQ10は、種々の製造方法により、その純粋な結晶型で製造される。この形は、体内によりうまくは吸収されず、それゆえに、効果を得るためには高用量を摂取する必要がある。補給目的のために製造される最も一般的なCoQ10は、6時間から8時間において摂取された用量のおよそ0.6 % から 2.8 %の吸収、及び、1.4 μg/mL から 2.8 μg/mL の血漿中における定常状態の生物学的利用能を有する。また、補給目的のための 500 mg のソフトゲル中におよそ 100 mg のCoQ10を与えるのが一般的である。CoQ10は、とても高価であり、それゆえに、補給に必要とされる用量が高ければ高いほど、より費用がかかる。さらに、CoQ10を溶解するために現在使用されるオイルは、好ましくない溶媒であり、及び/又は、人体によるCoQ10の吸収を阻害する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の要約)
本発明の一つの対象は、栄養補給のための、抗酸化剤としての使用のための、及び、多くの状態の処置における人体に高水準で吸収されることが可能なCoQ10組成物である。
本発明の別の対象は、本質的に非結晶型のCoQ10組成物である。
本発明の別の対象は、より高い吸収水準のためにCoQ10量がより少なくてすみ、それゆえに、生産のための費用もよりかからないCoQ10組成物に対するものである。
本発明のさらに別の対象は、CoQ10の吸収を改善するキャリアオイル、及び、溶媒を含むCoQ10組成物に対するものである。
本発明のさらなる対象は、上昇された生物学的利用能、及び、追加的な栄養補給を提供するCoQ10組成物に対するものである。
本発明に基づき、高度に生物利用可能で、人体に高水準で吸収される能力を有する栄養補給のための本質的に非結晶型のCoQ10組成物が開発された。本発明のCoQ10組成物は、CoQ10、溶媒、及び、キャリアオイルを含む。
ある実施態様において、このCoQ10組成物は、CoQ10の吸収に役立つモノグリセリド類、又は、ジグリセリド類を含んでいてもよい。別の実施態様において、モノグリセリド類、又は、ジグリセリド類は、植物由来であってもよい。
【0005】
本発明は、また、本発明のCoQ10組成物が投与される血漿中におけるCoQ10の吸収水準、及び、生物学的利用能水準を上昇させる方法にも関連する。
本発明は、また、CoQ10、溶媒、及び、キャリアオイルの混合、CoQ10を溶媒に完全に溶解するためのCoQ10組成物の加熱、並びに、経口投与、及び、組成物成分の保護のためのソフトゲル形態へのCoQ10の被包を含むCoQ10組成物の製造方法にも関連する。
本明細書において使用される”ソフトゲル”という用語は、経口投与剤形のための液体を囲む柔らかいゼラチン殻として定義される。
本発明のこれらの実施態様、及び、別の実施態様は、詳細な説明と共により十分に記載される。
【0006】
(発明の詳細な記載)
本発明は、栄養補給のための、抗酸化物質としての使用のための、並びに、多くの状態の処置における、本質的に非結晶型で、高度に生物利用可能で高吸収性のCoQ10組成物に関連する。本発明は、CoQ10の結晶が、640倍の拡大率で光学顕微鏡により可視的でない非結晶型吸収性CoQ10に関連する。本発明は、摂取されるために必要とされるCoQ10量を減らすこと、CoQ10補給の費用を減らすこと、及び、追加的な栄養補給を提供することを目的とするものである。本発明は、また、血漿中のコエンザイムQ10の吸収水準、及び、生物学的利用能水準を上昇させる方法、並びに、高吸収性CoQ10組成物の製造方法にも関連する。
【0007】
本発明のCoQ10組成物は、CoQ10、溶媒、及び、キャリアオイルを含む。本発明のCoQ10は、本質的に非結晶型であり、本発明をもたらすようにヒトの血液中に高度に吸収される。好ましくは、本発明において、100 mg の用量のCoQ10のおよそ 7 % から 10 % が、6時間から8時間において血液中に吸収される。さらに好ましくは、長期間にわたる本発明のCoQ10組成物を毎日摂取するヒトの血液中に検出されるCoQ10の水準は、3 μg/ml を越える定常状態まで上昇する。
本発明のCoQ10組成物は、CoQ10の高吸収水準のために、先行技術よりもごく少量のCoQ10を含む。好ましくは、本発明のCoQ10組成物は、より少ないCoQ10量のために、先行技術よりもより費用がかからなくてもよい。ある実施態様において、本発明は、およそ 700 mg から 900 mg のソフトゲル中におよそ 50 mgのCoQ10を含む。さらなる実施態様において、本発明は、およそ 800 mg から 900 mgのソフトゲル中におよそ 50 mg のCoQ10を含む。
【0008】
本発明の溶媒は、CoQ10の非結晶型状態を維持し、CoQ10を溶解状態に保つ。本発明において、使用のための好ましい溶媒としては、共役リノール酸(CLA)、アマニ油、エチルエステル海洋生物脂質類(ethyl ester marine lipids)、柑橘系オイル類、又は、その組み合わせが挙げられる。ある実施態様に従って、溶媒は、CLAを含むことができる。別の実施態様において、溶媒は、柑橘系オイル類を含むことができる。
本発明のキャリアオイルは、本発明をもたらすように、ヒトの血液中へのCoQ10の吸収水準を改良するのに役立つ。このキャリアオイルは、吸収細胞を越えて受動的に促進される拡散過程におけるCoQ10分子用の輸送体として作用する。脂質キャリアなしでは、CoQ10分子は吸収されることができない。この脂質キャリアは、また、本発明をもたらすように、ヒトの腸へ運搬されるCoQ10の個々の投与体の体積を増加させ、これにより、CoQ10が吸収されることができる全体的な表面積を増加させる。ある実施態様において、本発明のキャリアオイルは、アマニ油であってもよく、オメガ-3 脂肪酸、及びさらなる健康上の利益を提供する。本発明の別の実施態様において、本発明のキャリアオイルは、アルファリノール酸(ALA)を含む有機性のアマニ油であってもよい。本発明の別の実施態様において、このキャリアオイルは、大豆脂質類、ルリジサ脂質類、又は、海洋生物脂質類(marine lipids)であってもよい。海洋生物脂質類(marine lipids)は、エチルエステルEPA/DHAの濃縮物であり、50 % から 90 % までのEPA/DHAが混合されていることが可能である。
【0009】
本発明のある実施態様において、CoQ10組成物は、カプリン酸グリセリド類、及び、カプリル酸グリセリド類を含む。カプリン酸グリセリド類、及び、カプリル酸グリセリド類は、モノグリセリド類、及び、ジグリセリド類を含む脂肪酸類であり、本発明のCoQ10の吸収に役立つ。本発明の更なる実施態様において、CoQ10組成物は、植物性モノグリセリド類を含む。植物性モノグリセリド類は、本発明のCoQ10の吸収に役立つ。別の実施態様において、植物性モノグリセリド類、及び、植物性ジグリセリド類の混合物が使用されてもよい。
本発明のある実施態様において、CoQ10組成物は、およそ 50 mg のCoQ10、およそ 400 mg の共役リノール酸、およそ 40 mg のカプリン酸グリセリド類、及び、カプリル酸グリセリド類、並びに、およそ 200 mg のアマニ油を含む。
本発明の別の実施態様において、CoQ10組成物は、およそ 50 mg のCoQ10、およそ 400 mg の共役リノール酸、およそ 40 mgの植物性モノグリセリド類、及び、およそ 200 mg のアマニ油を含む。
【0010】
本発明の別の実施態様において、CoQ10組成物は、およそ 50 mg のCoQ10、およそ 400 mg の共役リノール酸、およそ 40 mg の植物性モノグリセリド類、及び、およそ200 mg のアマニ油を含む。
本発明の別の実施態様において、CoQ10組成物は、重量でおよそ 2 % から 12 % のCoQ10、重量でおよそ 53 % から 63 % の共役リノール酸、重量でおよそ 1 % から11 % のカプリン酸グリセリド類、及び、カプリル酸グリセリド類、並びに、重量でおよそ 24 % から 34 % のアマニ油を含む。
本発明の更なる実施態様において、CoQ10組成物は、重量でおよそ 2 % から 12 % のCoQ10、重量でおよそ 53 % から 63 % の共役リノール酸、重量でおよそ 1 % から 20 % の植物性モノグリセリド類、及び、重量でおよそ 24 % から 34 % のアマニ油を含む。
本発明のCoQ10組成物は、経口的に投与されてもよい。本発明の別の実施態様において、CoQ10は、ソフトゲルに被包され、経口的に投与されてもよい。本発明の更なる実施態様において、ソフトゲルは、14長楕円形、又は、16長楕円形の大きさであってもよい。別の実施態様において、本発明物は、局所的に投与されてもよい。さらに別の実施態様において、本発明物は、固体組成物、又は、液体組成物であってもよい。
【0011】
本発明は、また、本発明のCoQ10組成物が投与された血漿中のコエンザイムQ10の吸収水準、及び、生物学的利用能水準を上昇させる方法にも関連する。本発明のある実施態様において、CoQ10の吸収水準は、6時間から8時間で、100 mg の本発明のCoQ10組成物の 8 % から 10 % であってもよい。本発明の別の実施態様において、血漿中のCoQ10の生物学的利用能水準は、少なくとも 4 μg/mL であってもよい。
本発明は、また、高吸収性CoQ10組成物の製造方法にも関連する。この方法は、CoQ10、溶媒、及び、キャリアオイルの混合、CoQ10を溶媒に完全に溶解するためのCoQ10組成物の加熱、並びに、経口投与、及び、組成物成分の保護のためのソフトゲル形態へのCoQ10組成物の被包を含む。本発明の方法のある実施態様において、CoQ10をその融点まで加熱し、温度が 35 ℃ で維持されている間に植物性モノグリセリド類を加えることができる。それから、このキャリアオイルに引き続き、溶媒が加えられる。この被包は、温度が 35 ℃ で維持されている間に完成されてもよい。
【実施例】
【0012】
本発明のCoQ10組成物のピーク吸収試験、及び、定常状態の生物学的利用能試験
本発明のCoQ10組成物のピーク吸収、及び、定常状態の生物学的利用能を、従来の結晶性ドライパウダー状CoQ10を対照として試験した。この試験は、20人の健常ボランティアで行った。産物Aは、被包された投与形態中の本発明のCoQ10組成物であり、およそ 50 mg のCoQ10、およそ 400 mg の共役リノール酸、およそ 40 mg のカプリン酸グリセリド類、及び、カプリル酸グリセリド類、並びに、およそ 200 mg のアマニ油を含んでいた。産物Bは、被包された投与形態中の本発明のCoQ10組成物であり、およそ 50 mg のCoQ10、およそ 400 mg の共役リノール酸、およそ 40 mg の植物性モノグリセリド類、及び、およそ 200 mg のアマニ油を含んでいた。産物Cは、錠剤、又は、硬い殻のカプセル剤中のおよそ 100 mg の従来の結晶性ドライパウダー状CoQ10であった。
【0013】
36時間のピーク吸収試験を行った。各々のボランティアは休息し、試験開始に先立って少なくとも8時間絶食し、血漿CoQ10水準を検査するために、コントロール血液サンプルを採取した。ボランティアに、240 mL の水、及び、朝食と共に産物A、又は、産物Bのどちらからの 100 mg (2 x 50 mg)の経口投与体を与えた。血漿CoQ10水準を測定するために、2時間後、4時間後、6時間後、8時間後、10時間後、12時間後、24時間後、及び36時間後に各々のボランティアから血液サンプルを採取した。これらの間隔の間、更なる産物をボランティアに与えてはいなかった。同様の試験を産物Cのピーク吸収を測定するために同じボランティアで行った。この試験結果を下記の表1、及び、表2に要約した。
【表1】

【表2】

【0014】
10人のボランティアを産物Aの36時間のピーク吸収試験で試験した。平均のコントロール基底血漿中CoQ10水準は、0.93 ± 0.20 μg/mL であった。平均のCmaxは、8時間後で生じ、その平均のCoQ10血漿中濃度は、3.02 ± 0.23 μg/mL であった。平均のCoQ10血漿中濃度は、12時間後に 1.50 ± 0.26 μg/mL まで低下した。36時間後の 1.24 μg/mL の平均のCoQ10血漿中濃度は、まだ、コントロール水準の 0.93 ± 0.20 μg/mL よりもはっきりと多かった。吸収の指標である平均のAUC(0-12時間後)は、12.05 ± 2.39 μg/mL・時間であった。Cmaxにおいて吸収されたCoQ10の量は、8.78 ± 2.043 mg であり、これは、100 mg 投与量の 8.78 % に相当する。
10人のボランティアを産物Bの36時間のピーク吸収試験で試験した。平均のコントロール基底血漿中CoQ10水準は、1.05 ± 0.17 μg/mL であった。平均のCmaxは、6時間後から8時間後に生じ、平均のCoQ10血漿中濃度は、3.07 ± 0.40 μg/mL であった。平均のCoQ10血漿中濃度は、12時間後に 1.73 ± 0.34 μg/mL まで低下した。36時間後の 1.47 μg/mL の平均のCoQ10血漿中濃度は、まだ、コントロール水準の 1.05 ± 0.17 μg/mL よりもはっきりと多かった。吸収の指標である平均のAUC(0-12時間)は、13.48 ± 1.48 μg/mL・時間であった。Cmaxにおいて吸収されたCoQ10の量は、8.49 ± 2.04 mg であり、これは、100 mg 投与量の 8.49 % に相当する。
10人のボランティアを産物Cの36時間のピーク吸収試験で試験した。平均のコントロール基底血漿中CoQ10水準は、0.90 ± 0.23 μg/mL であった。平均のCmaxは、6時間後に生じ、その平均のCoQ10血漿中濃度は、1.14 ± 0.23 μg/mL であった。平均のCoQ10血漿中濃度は、12時間後に 1.01 ± 0.17 μg/mL まで低下した。36時間後の 1.02 ± 0.26 μg/mL の平均CoQ10血漿中濃度は、まだ、コントロール水準の 0.90 ± 0.23 μg/mL よりもわずかに多かった。吸収の指標である平均のAUC(0-12時間)は、2.60 ± 1.74 μg/mL・時間であった。Cmaxにおいて吸収されたCoQ10の量は、1.01 ± 0.19 mg であり、これは、100 mg 投与量の 1.01 % に相当する。0時間後から12時間後までに吸収された平均総量は、2.6 ± 1.74 μg/mL・時間であった。
本発明のCoQ10組成物(産物A、及び、産物B)は、2時間後、及び、36時間のピーク吸収試験の残りの間中、従来の結晶性ドライパウダーCoQ10(産物C)よりもはっきりと高い血漿CoQ10水準を有していた。表1、及び、表2を参照。
【0015】
36時間のピーク吸収試験に参加した各々のボランティアは、また、28日間の定常状態の生物学的利用能試験にも参加した。各々のボランティアに、産物A、又は、産物Bのどちらか割り当てられた産物の供給物を一ヶ月間与えた。各々のボランティアは、いくらか脂肪を含む朝食と共に、毎朝一回投与された。この一回の一日量は、朝食と共に摂取するCoQ10の2つの 50 mg ソフトゲルカプセル剤であった。各々のボランティアの基底のCoQ10水準の試験は、一日量を摂取した後に、7日後、14日後、21日後、及び、28日後に行った。同様の試験を、産物Cの定常状態の生物学的利用能を測定するために、同じボランティアで行った。試験結果を下記の、表3、及び、表4に要約した。
【表3】

【表4】

【0016】
産物Aに対して、血漿中CoQ10は、7日後に著しく増加し、14日後から21日後のプラトーに達するまで増加し続けた。この28日後の平均の定常状態の生物学的利用能CoQ10水準は、3.19 ± 0.40 μg/mL であり、28日後の生物学的利用の総量は、9.49 ± 2.66 mg であった。生物学的利用能の指標である平均AUC(0-28日)は、43.89 ± 9.10 μg/mL・日であった。
産物Bに対して、血漿中CoQ10は、14日後に生じる定常状態の生物学的利用のCoQ10水準と共に著しく増加した。21日後、及び28日後の平均の定常状態の生物学的利用能CoQ10水準はそれぞれ、3.43 ± 0.53 μg/mL、及び、3.46 ± 0.49 μg/mL であり、28日後の生物学的利用の総量は、10.42 ± 2.42 mg であった。生物学的利用能の指標である0日後から28日後までの平均AUCは、53.31 ± 8.17 μg/mL・日であった。
産物Cに対して、血漿中CoQ10は、7日後に生じる定常状態の生物学的利用のCoQ10水準と共に著しく増加し、28日間を通して上昇されたままであった。21日後、及び28日後の平均の定常状態の生物学的利用能CoQ10水準はそれぞれ、1.32 ± 0.09 μg/mL、及び、1.35 ± 0.09 μg/mL であり、28日後の生物学的利用の総量は、1.89 ± 0.78 mg であった。0日後から28日後までに吸収された平均総量AUCは、9.85 ± 3.44 μg/mL・日であった。
【0017】
本発明のCoQ10組成物(産物A、及び、産物B)は、28日の試験期間中、従来の結晶性ドライパウダーCoQ10(産物C)よりもはっきりと高い血漿中CoQ10の生物学的利用能水準を有していた。表3、及び、表4を参照。本発明のCoQ10組成物の相対的な生物学的利用能は、従来の結晶性ドライパウダーCoQ10よりも 236 % から 256 % も高かった。
さらに、本発明のCoQ10組成物(産物A、及び、産物B)の総吸収%が、従来の結晶性ドライパウダーのCoQ10(産物C)よりも 745 % から 783 % も高いことが判明した。
【0018】
前記の明細書において、本発明は、その特定の好ましい実施態様について記載され、多くの詳細が、例証の目的のために示されるが、本発明が、付加的な実施態様を許容し、本明細書に記載された特定の詳細は、本発明の基本原理から逸脱することなく、相当に変えることができることは当業者にとって明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コエンザイムQ10;
溶媒;及び、
キャリアオイルを含む、非結晶型コエンザイムQ10組成物。
【請求項2】
およそ50 mgのコエンザイムQ10が、700 mg から 900 mg の容量のソフトゲルに被包される請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
さらに植物性モノグリセリド類を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
さらに植物性ジグリセリド類を含む請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
コエンザイムQ10が、本質的に非結晶型である請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
溶媒が、共役リノール酸、アマニ油類、エチルエステル海洋生物脂質類、柑橘系オイル類、及び、その組み合わせからなる群より選択された請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
溶媒が、共役リノール酸を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
溶媒が、エチルエステル海洋生物脂質類を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
溶媒が、柑橘系オイル類を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
キャリアオイルが、アマニ油を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
キャリアオイルが、大豆脂質類、ルリジサ脂質類、及び、海洋生物脂質類からなる群より選択された請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
組成物が、経口的に投与される請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
組成物が、局所的に投与される請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
組成物が、14長楕円形ソフトゲルカプセルに被包された請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
請求項1に記載の組成物が投与された血漿中のコエンザイムQ10の吸収水準、及び、生物学的利用能水準を上昇させる方法。
【請求項16】
血漿中のコエンザイムQ10の吸収水準が、6時間から8時間で、100 mg の投与量の請求項1に記載の組成物の 7 % から 10 % である請求項15に記載の方法。
【請求項17】
血漿中のコエンザイムQ10の生物学的利用能水準が、少なくとも4 μg/mL である請求項15に記載の方法。
【請求項18】
コエンザイムQ10を重量で、2 % から 12 % ;
溶媒を重量で、53 % から 63 % ;
脂肪酸を重量で、1 % から 20 % ;及び、
キャリアオイルを重量で、24 % から 34 % 含む、非結晶型コエンザイムQ10組成物。
【請求項19】
溶媒が、共役リノール酸、アマニ油、エチルエステル海洋生物脂質類、柑橘系オイル類、及びその組み合わせからなる群より選択され;
脂肪酸が、カプリン酸グリセリド類、及び、カプリル酸グリセリド類、植物モノグリセリド類、植物ジグリセリド類、並びに、その組み合わせからなる群より選択され;
キャリアオイルが、アマニ油、大豆脂質類、ルリジサ脂質類、海洋生物脂質類、及び、その組み合わせからなる群より選択された請求項18に記載の非結晶型コエンザイムQ10組成物。
【請求項20】
50 mg のコエンザイムQ10;
400 mg の共役リノール酸;
40 mg の植物モノグリセリド類;及び、
200 mg のアマニ油を含む、非結晶型コエンザイムQ10組成物。

【公開番号】特開2007−297395(P2007−297395A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−147427(P2007−147427)
【出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【出願人】(507181327)ソフトゲル フォーミュレイターズ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】