説明

高吸水性ポリマー

この発明は、約55wt%から約99.9wt%の重合可能な不飽和酸基含有モノマーと、約0.001wt%から約5.0wt%の内部架橋剤と、0wt%から25wt%の予備中和剤とを含む高分子樹脂組成を含み、高分子樹脂組成は0モル%から約50モル%予備中和され、さらに水膨潤性、水不溶性アミノ多糖ポリマーを含む組成を含む高吸水性ポリマーに関し、高吸水性ポリマーが水性溶液に接触するとき、高分子樹脂組成がアミノ多糖ポリマーによって中和されることにより、高吸水性ポリマーの中和の程度が高分子樹脂組成の予備中和の程度より約20モル%またはそれ以上高くなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
この発明は、水、水性液体および血液を吸収する高吸水性ポリマーに関し、この発明の高吸水性ポリマーは改善された特性、特に高い流体保持および浸透性の特性を有する。この発明はまた、これらの高吸水性ポリマーの調製および衛生用品中における吸収材としてのそれらの使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
高吸水性物質(Superabsorbent)とは、0.9重量パーセント塩化ナトリウム水溶液を含む水性溶液中で、自身の重量の約10倍以上、最高約30倍の重量を吸収し得る、水膨潤性、水不溶性の有機または無機材料を示す。高吸水性ポリマーは架橋した中性ポリマーであり、膨潤しながら大量の水性液体および尿または血液などの体液を吸収してヒドロゲルを形成でき、かつ高吸水性物質の一般的な定義に従って特定の圧力下でそれらを保持できる。
【0003】
現在商業的に入手可能な高吸水性ポリマーには架橋したポリアクリル酸または架橋したデンプン−アクリル酸グラフトポリマーがあり、それらにおいてはカルボキシル基のいくつかが水酸化ナトリウム溶液または水酸化カリウム溶液によって中和されている。これらのポリマーはその吸収性のために、主に赤ん坊のオムツ、失禁用品または生理用ナプキンなどの衛生用品に組込むために用いられる。
【0004】
適合性、快適性および審美的な理由、ならびに環境面から、衛生用品をより小さくより薄くする傾向が強まっている。これは、これらの用品の高体積の綿毛繊維の含有量を減少させることによって達成される。衛生用品における体液の一定の合計保持容量を確保するために、これらの衛生用品においてはより高い含有量の高吸水性ポリマーが用いられる。その結果、高吸水性ポリマーは十分な吸収および保持などの他の特徴を保持しながらより高い浸透性の特徴を有する必要がある。
【0005】
高いゲル強度を有する高吸水性ポリマーを得るために、ポリマーの架橋の程度を増加させると、必然的に膨潤性および保持容量が減少する。繊維含有量の低い極端に薄い次世代用品において必要とされるより高い浸透性を達成するために、現行の技術は、高吸水性ポリマーの吸収および保持値が望ましくない低レベルに減少するほどの高レベルにまで共有架橋の量を増加させることを教示している。
【0006】
アミノ多糖ポリマーは脱アセチル化したキチンであるキトサンを含み、これはカチオン活性のポリ第一アミンであり、分散剤、接着剤、農薬、廃水処理、食品加工および創傷治療などの分野における多様な適用を有する。残念ながら、公知の変更されたキトサン材料は一般的に、合成の吸収力の高い材料の多くに匹敵する吸収性を有さない。このため、こうしたキトサン材料は吸収性の個人用ケア製品において広範に使用されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがってこの発明の目的は、吸収性の構造に基づく高吸水性ポリマーの重量パーセントが増加しても高い液体浸透性、親水性および液体保持を維持する能力などの優れた特性を示す吸収性ポリマー組成を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の概要
この発明は、約55wt%から約99.9wt%の重合可能な不飽和酸基含有モノマー、約0.001wt%から約5.0wt%の内部架橋剤(internal crosslinking agent)、および0wt%から25wt%の予備中和剤(preneutralizing agent)を含む高分子樹脂組成を含み、この高分子樹脂組成は0モル%から約50モル%予備中和されており、さらに水膨潤性、水不溶性アミノ多糖ポリマーを含む組成を含む高吸水性ポリマーに関し、この高吸水性ポリマーが水性溶液に接触するとき、高分子樹脂組成がアミノ多糖ポリマーによって中和されることにより、高吸水性ポリマーの中和の程度が高分子樹脂組成の予備中和の程度よりも約20モル%またはそれ以上高くなる。
【0009】
この発明はまた、約55wt%から約99.9wt%の重合可能な不飽和酸基含有モノマー、約0.001wt%から約5.0wt%の内部架橋剤、および0wt%から25wt%の予備中和剤を含む高分子樹脂組成を含み、この高分子樹脂組成は0モル%から約50モル%予備中和されており、さらに水膨潤性、水不溶性アミノ多糖ポリマーを含む組成を含む高吸水性ポリマーを作成する方法に関し、この高吸水性ポリマーが水性溶液に接触するとき、高分子樹脂組成がアミノ多糖ポリマーによって中和されることにより、高吸水性ポリマーの中和の程度が高分子樹脂組成の予備中和の程度よりも約20モル%またはそれ以上高くなる。
【0010】
この発明はさらに、約55wt%から約99.9wt%の重合可能な不飽和酸基含有モノマー、約0.001wt%から約5.0wt%の内部架橋剤、および0wt%から25wt%の予備中和剤を含む高分子樹脂組成を含み、この高分子樹脂組成は0モル%から約50モル%予備中和されており、さらに水膨潤性、水不溶性アミノ多糖ポリマーを含む高吸水性ポリマーを含有する吸収性の構造に関し、この高吸水性ポリマーが水性溶液に接触するとき、高分子樹脂がアミノ多糖ポリマーによって中和されることにより、高吸水性ポリマーの中和の程度が高分子樹脂組成の予備中和の程度よりも約20モル%またはそれ以上高くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
好ましい実施の形態の説明
好適な高吸水性ポリマーは、天然、生分解性、合成、および修飾された天然のポリマーおよび材料から選択されてもよい。高吸水性ポリマーに関して用いられる架橋(crosslinked)という用語は、通常は水溶性の材料を効果的に実質的に水不溶性かつ膨潤性にするためのあらゆる手段を示す。こうした架橋手段はたとえば、物理的な絡み合い、結晶のドメイン、共有結合、イオン錯体および会合、水素結合などの親水性会合、疎水性会合またはファンデルワールス力を含み得る。高吸水性ポリマーは内部架橋および表面架橋を含む。
【0012】
この発明の実施の形態の1つは、約55wt%から約99.9wt%の重合可能な不飽和酸基含有モノマー、約0.001wt%から約5.0wt%の内部架橋剤、および0wt%から25wt%の予備中和剤を含む高分子樹脂組成を含み、この高分子樹脂組成は0モル%から約50モル%予備中和されており、さらに水膨潤性、水不溶性アミノ多糖ポリマーを含む組成を含む高吸水性ポリマーに関し、この高吸水性ポリマーが水性溶液に接触するとき、高分子樹脂組成がアミノ多糖ポリマーによって中和されることにより、高吸水性ポリマーの中和の程度が高分子樹脂組成の予備中和の程度よりも約20モル%またはそれ以上高くなる。特に、アミノ多糖ポリマーは高分子樹脂に対する中和剤として作用し、高吸水性ポリマーが水性溶液に接触するときに高分子樹脂組成と反応して高分子樹脂組成を約20モル%またはそれ以上、好ましくは30モル%またはそれ以上中和し、高分子樹
脂がアミノ多糖ポリマーによって中和されることにより、高吸水性ポリマーの中和の程度は高分子樹脂組成の予備中和の程度よりも約20モル%またはそれ以上高くなる。
【0013】
この発明の別の実施の形態は、約55wt%から約99.9wt%の重合可能な不飽和酸基含有モノマー、約0.001wt%から約5.0wt%の内部架橋剤、および0wt%から25wt%の予備中和剤を含む高分子樹脂組成を含み、この高分子樹脂組成は0モル%から約50モル%予備中和されており、さらに水膨潤性、水不溶性アミノ多糖ポリマーを含む組成を含む高吸水性ポリマーを作成する方法に関し、この高吸水性ポリマーが水性溶液に接触するとき、高分子樹脂組成がアミノ多糖ポリマーによって中和されることにより、高吸水性ポリマーの中和の程度が高分子樹脂組成の予備中和の程度よりも約20モル%またはそれ以上高くなる。
【0014】
この発明の別の実施の形態は、約55wt%から約99.9wt%の重合可能な不飽和酸基含有モノマー、約0.001wt%から約5.0wt%の内部架橋剤、および0wt%から25wt%の予備中和剤を含む高分子樹脂組成を含み、この高分子樹脂組成は0モル%から約50モル%予備中和されており、さらに水膨潤性、水不溶性アミノ多糖ポリマーを含む組成を含む高吸水性ポリマーを含有する吸収性の構造に関し、この高吸水性ポリマーが水性溶液に接触するとき、高分子樹脂がアミノ多糖ポリマーによって中和されることにより、高吸水性ポリマーの中和の程度が高分子樹脂組成の予備中和の程度よりも約20モル%またはそれ以上高くなる。
【0015】
ここで用いられる材料は、過剰な水に実質的に溶解するときには水溶性であり、水溶液を形成することによって最初の粒状の形を失い、水溶液中に本質的に分子的に分散すると考えられる。通例、水溶性のキトサン塩からはかなりの程度の架橋がなくなる。架橋はキトサンを水不溶性にする傾向があるためである。
【0016】
ここで用いられる「水膨潤性、水不溶性」という用語は、0.9重量パーセントの過剰の塩化ナトリウム水溶液に晒されるときに平衡体積まで膨潤するが溶液中には溶解しない材料を意味する。このように、水膨潤性、水不溶性の材料は一般的に、水性溶液を吸収している間、高度に拡張された状態で元の同一性または物理構造を保持するため、流動および隣接する粒子との融合に耐えるために十分な物理的保全性を有する必要がある。この発明において有用な水膨潤性水不溶性キトサン塩は、有効に架橋することによって実質的に水不溶性になっているが、なおも平方インチ当たり約0.3ポンドの負荷をかけられたときに自身の重量の少なくとも約14倍の0.9重量パーセント塩化ナトリウム水溶液を吸収できるものである。
【0017】
アミノ多糖ポリマーの例はキトサンを含む。キトサンの特性は、その高分子電解質および高分子炭水化物の性質に関係する。よってそれは一般的に、水、pHレベルが約6.5より高いアルカリ溶液、または有機溶媒中では不溶性である。一般的に、キトサンを溶解するために必要な酸の量はほぼアミノ基の化学式どおりである。キトサンに存在するアミノ基に対するpKaは6.0から7.0の間であるため、それらは非常に希薄な酸または中性状態に近いところでもプロトン化でき、この生体高分子にカチオンの性質を与える。このカチオンの性質はキトサンの利点の多くの基本である。キトサン材料は、アニオン性の吸収性ゲル化材料存在ポリマーなどの負に帯電した表面と相互作用し得る高い電荷密度を有する直鎖状の高分子電解質と考えることができる。
【0018】
この発明における使用のために広範囲の分子量のキトサン材料が好適であり、典型的に、ここで用いられるキトサン材料は分子量がグラムモル当たり1,000から10,000,000グラム、より好ましくは2,000から1,000,000の範囲である。分子量とは重量平均分子量を意味する。キトサン材料の重量平均分子量を定める方法は当業
者に公知である。典型的な方法は、たとえば光散乱、固有粘度およびゲル浸透クロマトグラフィを含む。一般的に、ブルックフィールド粘度計による25℃における1.0重量パーセント水性溶液中の粘度によってキトサン材料の分子量を表わすのが最も便利である。通常は、1.0重量パーセント酢酸水性溶液を用いるなどして対応するキトサン塩の粘度を測定することによってキトサン材料の粘度を間接的に測定する。この発明における使用に好適なキトサン材料は、25℃における1.0重量パーセント水性溶液中の粘度が好適には約1mPas(1センチポイズ)から約80,000mPas(80,000センチポイズ)、より好適には約30mPas(30センチポイズ)から約10,000mPas(10,000センチポイズ)、さらにより好適には50mPas(50センチポイズ)から約1,000mPas(1,000センチポイズ)、および最も好適には100mPas(100センチポイズ)から約500mPas(500センチポイズ)である。
【0019】
この発明のキトサン材料は、ワシントン州レドモンドにあるバンソン(VANSON)より、標準等級キトサン、すなわち95%までの高い脱アセチル化および特に高い分子量、および約200ミクロンから約500ミクロンの粒子サイズを有するポリアミンとして入手可能である。
【0020】
この発明の高吸水性ポリマーは、約55wt%から約99.9wt%の重合可能な不飽和酸基含有モノマーを重合することによる高分子樹脂の最初の調製によって得られる。好適なモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸または2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのカルボキシル基を含有するものを含み、またはこれらのモノマーの混合物がここでは好ましい。酸基の少なくとも約50重量%、より好ましくは少なくとも約75wt%がカルボキシル基であることが好ましい。
【0021】
高分子樹脂組成およびアミノ多糖ポリマーの混合前に、重合ステップにおいて別個の予備中和剤によって高分子樹脂組成を予備中和することが有利であり得る。特に、酸基は0モル%から約50モル%の程度に予備中和される、すなわち酸基はナトリウム、カリウムまたはアンモニウム塩として存在することが好ましい。予備中和の程度は好ましくは少なくとも約30モル%である。内部架橋剤の存在下でカルボキシル基が最大50モル%まで予備中和されたアクリル酸またはメタクリル酸の重合によって得られるポリマーを得ることが好ましい。高分子樹脂組成がアミノ多糖ポリマーと混合されて高吸水性ポリマーを形成し、高吸水性ポリマーが水性溶液に晒された後、酸基はさらに中和されるかまたは後中和される(post neutralized)。特に、酸基はアミノ多糖ポリマーによって少なくとも約20モル%、好ましくは30モル%から80モル%の程度までさらに中和され、すなわち酸基は高分子樹脂組成の予備中和の程度よりも多く塩の形で存在する。
【0022】
この発明に従った高分子樹脂の調製のために用いられ得るさらなるモノマーは、0−40wt%のエチレン性の(ethylenically)不飽和のモノマーであり、これはアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸(メタクリル酸)ジメチルアミノアルキル、エトキシ化アクリル酸(メタクリル酸)塩、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、またはアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドと共重合できる。これらのモノマーが40wt%よりも多いとポリマーの膨潤性を損ない得る。
【0023】
内部架橋剤は、少なくとも2つのエチレン性の不飽和の二重結合、もしくは1つのエチレン性の不飽和の二重結合および重合可能な不飽和酸基含有モノマーの酸基に対して反応性の1つの官能基を有し、または酸基に対して反応性のいくつかの官能基が内部架橋成分として用いられてもよく、重合可能な不飽和酸基含有モノマーの重合の際に存在してもよい。
【0024】
内部架橋剤の例は、脂肪族不飽和アミド、たとえばメチレンビスアクリル−もしくは−メタクリルアミドまたはエチレンビスアクリルアミドなど、およびさらに、ポリオールもしくはアルコキシル化ポリオールとエチレン性の不飽和の酸との脂肪族エステル、たとえばブタンジオールもしくはエチレングリコール、ポリグリコールまたはトリメチロールプロパンのジアクリル酸(ジメタクリル酸)塩またはトリアクリル酸(トリメタクリル酸)塩、好ましくは1から30モルのアルキレンオキシドによってオキシアルキル化、好ましくはエトキシ化されたトリメチロールプロパンのジ−およびトリアクリル酸エステル、グリセロールおよびペンタエリスリトール、ならびにグリセロールおよび好ましくは1から30モルのエチレンオキシドでオキシエチル化されたペンタエリスリトールのアクリル酸およびメタクリル酸エステルなど、およびさらに、アリル化合物、たとえばアクリル酸(メタクリル酸)アリル、好ましくは1から30モルのエチレンオキシドと反応させたアルコキシル化アクリル酸(メタクリル酸)アリル、トリアリルシアヌル酸塩、トリアリルイソシアヌル酸塩、マレイン酸ジアリルエステル、ポリアリルエステル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン、テトラアリルエチレンジアミン、ジオール、ポリオール、ヒドロキシアリルまたはアクリル酸化合物、およびリン酸または亜リン酸のアリルエステルなど、およびさらに、架橋可能なモノマー、たとえばメタクリルアミドまたはアクリルアミドなどの不飽和アミドのN−メチロール化合物、およびそれに由来するエーテルなどを含む。多価金属塩などのイオン架橋剤が用いられてもよい。上述の架橋剤の混合物を用いることもできる。内部架橋剤の含有量は、重合可能な不飽和酸基含有モノマーの合計量に基づいて約0.01wt%から約5wt%、好ましくは約0.1wt%から約3.0wt%である。
【0025】
この発明の高吸水性ポリマーは重合の後に表面架橋されてもよい。表面架橋とは、高吸水性粒子表面に近接するポリマーマトリックスの架橋密度を粒子内部の架橋密度に対して増加させるあらゆるプロセスである。高吸水性ポリマーは典型的に、表面架橋剤の添加によって表面架橋される。好ましい表面架橋剤は、ポリマー鎖のペンダント基、典型的には酸基に対する反応性を有する1つまたはそれ以上の官能基を有する化学物質を含む。表面架橋剤の含有量は、乾燥ポリマーの重量に基づいて約0.01wt%から約5wt%、好ましくは約0.1wt%から約3.0wt%である。表面架橋剤を添加した後の加熱ステップが好ましい。
【0026】
好ましくは、この発明の高吸水性ポリマーは、高吸水性ポリマー粒子をエチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)などの材料で被覆し、その後加熱することによって表面架橋をもたらして、表面架橋密度およびゲル強度特性を改善するステップを含む。より特定的には、ポリマーをEGDGE表面架橋剤の水性アルコール溶液と混合することによって、表面架橋剤に微粒子を被覆させる。アルコールの量はEGDGEの溶解性によって定められ、たとえば爆発からの保護などの技術的な理由からできる限り低くされる。好適なアルコールはメタノール、エタノール、アセトン、ブタノール、またはブチルグリコール、およびこれらのアルコールの混合物である。好ましい溶媒は水であり、典型的には微粒子高吸水性ポリマーに対して0.3重量%から5.0重量%の量が用いられる。場合によっては、EGDGE表面架橋剤はアルコールなしで水に溶解される。また、EDGDE表面架橋剤は、たとえばSiO2などの無機担体材料などとの粉末混合物から適用することも、またはEDGDEの昇華によって蒸気の状態で適用することも可能である。
【0027】
所望の表面架橋特性を達成するために、EDGDEは微粒子高吸水性ポリマー上に均一に分散する必要がある。このために、混合は流動床ミキサ、パドルミキサ、粉砕ロールまたはツインウォーム(twin−worm)ミキサなどの好適なミキサにおいて行なわれる。微粒子高吸水性ポリマーの製造におけるプロセスステップの1つにおいて特定の高吸水性ポリマーの被覆を行なうことも可能である。このために特に好適なプロセスは逆懸濁重合プロセスである。
【0028】
被覆処理に続く熱処理は以下のように行なわれる。一般的に熱処理は100℃から300℃の間の温度である。好ましいEDGDEが用いられるとき、熱処理は約100℃の温度にて約60分間である。処理温度は休止時間およびEDGDEの種類に依存する。熱処理は従来のドライヤ、オーブン、流動床ドライヤ、ツインスクリュー反応器などで行なわれてもよい。
【0029】
次いで、粒子は例として高吸水性ポリマーの物理的形状で用いられるが、この発明はこの形状に制限されず、繊維、泡、膜、ビーズ、棒などの他の形状にも適用可能である。
【0030】
この発明に従った高吸水性ポリマーはさらに、ポリマーの表面上に、混合物の重量に基づいて0wt%から約5wt%の多価金属塩を含み得る。多価金属塩は水溶性であることが好ましい。好ましい金属カチオンの例は、Al、Fe、Zr、MgおよびZnのカチオンを含む。好ましくは、金属カチオンは少なくとも+3の原子価を有し、Alが最も好ましい。多価金属塩における好ましいアニオンの例は、ハロゲン化物、塩化水和物、硫酸塩、硝酸塩および酢酸塩を含み、塩化物、硫酸塩、塩化水和物および酢酸塩が好ましく、塩化水和物および硫酸塩がより好ましく、硫酸塩が最も好ましい。硫酸アルミニウムは最も好ましい多価金属塩であり、商業的に容易に入手可能である。硫酸アルミニウムの好ましい形は水和した硫酸アルミニウムであり、好ましくは12から14の水和水を有する硫酸アルミニウムである。多価金属塩の混合物を用いることもできる。
【0031】
ポリマーおよび多価金属塩は、当業者に周知の手段を用いて、ドライブレンディングによって、または好ましくは溶液中で混合される。水性溶液が好ましい。ドライブレンディングの際には、塩および高吸水性ポリマーの実質的に均一な混合物が維持されることを確実にするために十分な量の結合剤が用いられてもよい。結合剤は水、または少なくとも150℃の沸点を有する不揮発性有機化合物であってもよい。結合剤の例は水、ならびにプロピレングリコール、グリセリンおよびポリ(エチレングリコール)などのポリオールを含む。
【0032】
この発明に従った高吸水性ポリマーは、0wt%から約5wt%の水不溶性無機粉末をさらに含んでもよい。不溶性無機粉末の例は、二酸化ケイ素、ケイ酸、ケイ酸塩、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、タルク、リン酸カルシウム、クレー、珪藻土、ゼオライト、ベントナイト、カオリン、ハイドロタルサイト、活性白土などを含む。不溶性無機粉末添加剤は、単一の化合物であっても、上述のリストから選択される化合物の混合物であってもよい。これらすべての例のうち、微細な非結晶性の二酸化ケイ素または酸化アルミニウムが好ましい。さらに、無機粉末の好ましい粒径は1,000μmまたはそれより小さく、より好ましくは100μmまたはそれより小さい。
【0033】
この発明に従った高吸水性ポリマーはまた、ポリマー粒子表面への0wt%から約5wt%の界面活性剤の添加を含んでもよい。それは表面架橋ステップの直前、最中または直後に添加されることが好ましい。こうした界面活性剤の例はアニオン、非イオン、カチオンおよび両性の表面活性剤を含み、たとえば脂肪酸塩、ココアミン(coco amines)およびアミドならびにそれらの塩、アルキル硫酸エステル塩(alkylsulfuric ester salts)、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホ−コハク酸塩、アルキルリン酸塩、およびポリオキシエチレンアルキル硫酸塩;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、脂肪酸エステル、およびオキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー;アルキルアミン塩、第四アンモニウム塩;ならびにラウリルジメチルアミン酸化物などである。しかし、界面活性剤を前述のものに制限
する必要はない。こうした界面活性剤は個別に用いられても、組合せて用いられてもよい。
【0034】
高吸水性ポリマーはまた、0wt%から約30wt%の水溶性ポリマー、たとえば部分的または完全に加水分解されたポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、デンプンまたはデンプン誘導体、ポリグリコールまたはポリアクリル酸などを、好ましくは重合された(polymerized−in)形で含んでもよい。これらのポリマーの分子量は、それらが水溶性である限り重要でない。好ましい水溶性ポリマーはデンプンおよびポリビニルアルコールである。
【0035】
表面修飾の際にいくつかの役割を行なう表面添加剤を用いることが望ましい場合がある。たとえば、単一の添加剤は界面活性剤、粘度調整剤であって、架橋ポリマー鎖に反応してもよい。
【0036】
高吸水性ポリマーはまた、0wt%から約2.0wt%の除塵剤を含んでもよく、たとえば米国特許第6,090,875号および第5,994,440号に記載されるものなどの親水性および疎水性除塵剤などがこの発明のプロセスにおいて用いられてもよい。
【0037】
この発明に従ったキトサン高吸水性ポリマーのさらなる添加剤は、臭気結合物質、たとえばシクロデキストリン、ゼオライト、無機または有機塩および類似の材料など;抗ケーキング添加剤、流動調整剤などを含んでもよい。
【0038】
この発明に従った高吸水性ポリマーは好ましくは、まず高分子樹脂組成を調製し、その後乾燥高分子樹脂粒子を湿ったアミノ多糖ポリマーと混合することによって調製される。混合物は押出成形されて約110℃にて約60分間乾燥され、粉砕されてふるいにかけられることにより、所望の粒子サイズが得られる。
【0039】
高分子樹脂組成は2つの方法によって調製できるが、他の方法も用いられ得る。高分子樹脂組成は、上述の公知のプロセスによって大規模な工業的態様で連続的または不連続的に調製でき、この発明に従った後架橋(after−crosslinking)が行なわれる。
【0040】
第1の方法に従うと、部分的に中和されたモノマー、好ましくはアクリル酸が、架橋剤および任意にさらなる成分の存在下で水性溶液中のフリーラジカル重合によってゲルに変換され、そのゲルが細かく砕かれ、乾燥され、粉砕され、ふるいにかけられて所望の粒子サイズにされる。この溶液重合は連続的または不連続的に行なわれ得る。
【0041】
この発明に従った生成物の調製には、逆懸濁およびエマルション重合も用いられ得る。これらのプロセスに従うと、モノマー、好ましくはアクリル酸の部分的に中和された水性溶液が、保護コロイドおよび/または乳化剤の助けによって疎水性有機溶媒中に分散され、フリーラジカルイニシエータによって重合が開始される。内部架橋剤はモノマー溶液に溶解されて一緒に計量されても、または重合の際に別に任意に加えられてもよい。グラフトベースとしての水溶性ポリマーの添加は、モノマー溶液を介して、または油性相への直接導入によって任意に行なわれる。次いで混合物から水が共沸混合物によって取除かれ、ポリマーは濾過されて任意に乾燥される。内部架橋は、モノマー溶液に溶解された多官能性の架橋剤の重合によって、および/または重合ステップにおける好適な架橋剤のポリマーの官能基との反応によって行なわれ得る。
【0042】
実施の形態の1つにおいて、高分子樹脂組成は個別の粒子の形で用いられる。高吸水性ポリマー粒子は、たとえば螺旋形または半螺旋形、立方形、棒形、多面体などのあらゆる
好適な形であってもよい。針状、フレーク状または繊維状などの最大寸法/最小寸法比が大きい粒子の形をここに用いることも予期される。高吸水性ポリマーの粒子の集合体が用いられてもよい。
【0043】
高分子樹脂組成は、湿ったキトサンポリアミン粒子、すなわち70%脱イオン水と混合された30%キトサンと混合される。キトサンポリアミンはバンソンより標準等級キトサンとして入手可能である。キトサンに対する高分子樹脂の割合は5:1から1:5の範囲であってもよい。その結果得られる混合物は押出成形され、110℃の強制空気オーブンにて60分間乾燥され、粉砕されてふるいにかけられることにより、平均粒子サイズが約300ミクロンの所望の粒子サイズが得られる。
【0044】
キトサン高吸水性ポリマーは、エチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)、アセトンおよび脱イオン水を混合することによって溶液を作成することによって表面処理されてもよい。この溶液に乾燥キトサンSAP前駆体が加えられ、乾燥キトサンSAP前駆体がミキサに入れられ、十分な速度で撹拌されることによってミキサ中にSAP粒子が広げられる。表面処理溶液は空気強制スプレーガンによって放出され、キトサンSAP粒子に広げられる。これらの被覆されたキトサンSAP粒子は100℃にて60分間乾燥され、粉砕されてふるいにかけられることにより所望の粒子サイズが得られる。
【0045】
試験方法
遠心機保持容量試験
遠心機保持容量(Centrifuge Retention Capacity:CRC)試験は、高吸水性ポリマーが調節された条件下で飽和されて遠心にかけられた後に、高吸水性ポリマー中に液体を保持する能力を測定するものである。その結果得られる保持容量は、試料のグラム重量当たりの保持された液体のグラム数(g/g)で示される。試験される試料は、米国規格30メッシュスクリーンで予めふるい分けられ、米国規格50メッシュスクリーン上に保持された粒子から調製される。その結果、高吸水性ポリマー試料は、約300ミクロンから約600ミクロンの範囲のサイズの粒子を含む。粒子は手動で、または自動的に予めふるい分けられ得る。
【0046】
保持容量は、約0.2グラムの予めふるい分けられた高吸水性ポリマー試料を水浸透性の袋に入れることによって測定され、その袋は試料を含有しながら試験溶液(蒸留水中の0.9重量パーセント塩化ナトリウム)を試料に自由に吸収させる。熱融着可能なティーバッグ材料、たとえば米国コネチカット州ウィンザーロックスのデクスター社(Dexter Corporation)からモデル名称1234T熱融着可能フィルタペーパーとして入手可能なものなどがほとんどの適用に対して有用である。この袋は、袋材料の5インチ掛ける3インチのサンプルを半分に折り、開放端縁の2つを熱融着して2.5インチ掛ける3インチの矩形の小袋を形成することによって形成される。熱融着は材料の端縁より約0.25インチ内側にすべきである。試料を小袋に入れた後、小袋の残りの開放端縁も熱融着される。対照とするために空の袋も作られる。試験される各高吸水性ポリマーに対して3つの試料が調製される。
【0047】
融着された袋は23℃にてパンまたは試験溶液中に沈められ、袋が完全に湿るまで確実に下に保持されるようにされる。湿らされた後、試料は溶液中に約30分間残されてから溶液から取出され、非吸収性の平らな表面上に一時的に置かれる。
【0048】
次いで、湿った袋は試料に約350のg力をかけることができる好適な遠心機のバスケットに入れられる。好適な遠心機の1つはクレイアダムスダイナック(Clay Adams Dynac)II、モデル♯0103であり、これは水回収バスケットと、デジタルrpm計器と、平らな袋試料を保持して排水するよう適合された機械加工された排水バ
スケットとを有する。複数の試料が遠心分離されるとき、試料は回転の際にバスケットのバランスを取るために遠心機内の対向する位置に置かれる必要がある。袋(湿った空の袋を含む)は、(たとえば、約350の目標g力を得るために)約1,600rpmにて3分間遠心分離される。袋は取出されて計量される。このとき、空の袋(対照)が最初に計量され、その後高吸水性ポリマー試料を含有する袋が計量される。袋自体に保持される溶液を考慮に入れて、高吸水性ポリマー試料によって保持される溶液の量は、高吸水性ポリマーの遠心機保持容量(CRC)であり、高吸水性ポリマーのグラム当たりの流体のグラム数として表わされる。より特定的には、保持容量は次のように定められる。
【0049】
(遠心後の試料/袋−遠心後の空袋−乾燥試料重量)/乾燥試料重量
3つの試料が試験され、その結果を平均することによって高吸水性ポリマーの保持容量(CRC)が定められる。
【0050】
抽出可能ポリマー含有量判定
カルボン酸を主成分とするヒドロゲル形成材料の抽出可能ポリマー含有量は、形成されるヒドロゲルからのポリマー材料の抽出に関して実質的に平衡に近づくために十分な期間、ヒドロゲル形成ポリマーを人工の尿と混合することによって定められる。ヒドロゲル/尿混合物は安定にされ、その一部が濾過される。次いでこの濾過液のアリコートが取られ、濾過液中に溶解するポリマー材料の遊離酸基が塩基によってpH10まで滴定される。次いですべてのカルボキシル基が酸によってpH2.7まで滴定される。これらの滴定データを用いてヒドロゲル形成ポリマー試料中の抽出可能ポリマーの量を算出する。
【0051】
(a) 抽出可能ポリマー含有濾過液試料の調製
1.150mlの使い捨てビーカに0.40gから0.41gのヒドロゲル形成ポリマーを正確に(±0.1mgまで)測り取る。ガラスビーカを用いるときには、使用前に酸洗浄する必要がある。(ガラス製品は希釈HCl[濃HClを蒸留水で1:4に希釈したもの]で3回洗浄し、次いで蒸留水で3回洗浄すべきである。この手順によって滴定の妨げとなり得る微量の洗剤およびその他の混入物が除去される。)
2.75mlの人工尿を加える。ここに参照される人工尿組成は、970.77gの完全に脱塩した水、8.30gの塩化ナトリウム、0.60gの塩化カルシウム、0.93gの6分子の結晶水を有する硫酸マグネシウム、および19.40gの尿素を含む。溶液は最終的に1リットルに希釈される。
【0052】
3.試料を平衡に達するために十分な期間ゆっくりと撹拌する。平衡は一般的に16時間以内に到達される。抽出可能ポリマー含有量が時間の関数として測定されるとき、この場合は1時間に対して、抽出可能なものを定める。
【0053】
4.試料を15分間安定にさせる。
5.3mlの使い捨て注射器および0.22ミクロンフィルタを用いて十分な溶液を濾過することにより20mlのアリコートを得る。
【0054】
(b) 滴定条件
1.滴定を手動で行なう場合には、滴定剤の各添加の後によく注意して平衡に達したことを確認する必要がある。
【0055】
2.濾過液の20mlアリコートを50mlの使い捨てビーカに移す。ガラスビーカを用いるときには、前述のとおり使用前に酸洗浄する必要がある。
【0056】
3.アリコートを0.1NのNaOHでpH10まで滴定する。
4.次いでアリコートを0.1NのHClでpH2.7まで逆滴定する。
【0057】
5.ステップ3および4を20mlの人工尿に対して行なうことによって、滴定の両方のステップに対する滴定ブランクを得る。
【0058】
(c) 計算
1.上清アリコート中の重合した酸部分(例、アクリル酸)の量(M)(ミリモル)は次の式によって得られる。
【0059】
=(V−Vab)Nミリモル(mm)
ここで
=アリコートをpH10まで滴定するために必要な酸の体積(ml)。
【0060】
ab=20mlの人工尿をpH10まで滴定するために必要な酸の体積(ml)。
=酸の規定度(meq/ml)(公称0.10meq/ml)。
【0061】
2.上清アリコート中の重合酸部分(例、アクリル酸)と重合中和酸部分(例、アクリル酸ナトリウム)との合計量(M)(mm)は次の式によって得られる。
【0062】
=(Vb−Vbb)Nbミリモル
ここで
b=アリコートをpH10からpH2.7まで滴定するために必要な塩基の体積(ml)。
【0063】
bb=20mlの人工尿をpH10からpH2.7まで滴定するために必要な塩基の体積(ml)。
【0064】
b=塩基の規定度(meq/ml)(公称0.10meq/ml)。
3.元の上清アリコート中の重合中和酸部分(例、アクリル酸ナトリウム)の量(Mb)(mm)は次の式によって得られる。
【0065】
b=Mt−Ma
4.抽出された重合酸部分(Wa)および重合中和酸部分(Wb)(例、アクリル酸およびアクリル酸ナトリウム)の合計量(mg)は次の式によって得られる。
【0066】
a=MaaDおよびWb=Mbb
ここで
a=ポリ酸部分中の酸部分の平衡重量(例、ポリアクリル酸中のアクリル酸=72meq/mg)。
【0067】
b=中和ポリ酸部分中の中和酸部分の平衡重量(例、ポリアクリル酸ナトリウム中のアクリル酸ナトリウム=94meq/mg)。
【0068】
D=希釈度(75ml/20ml=3.75)。
5.ヒドロゲル形成ポリマー試料中のパーセント抽出可能ポリマー(e)は次の式によって得られる。
【0069】
e=[(Wa+Wb)100]/Wパーセント
ここで、W=mgでの試料重量。
【0070】
負荷下での吸収性(Absorbency Under Load:AUL)
高吸水性材料が負荷の下で液体を吸収する能力は、高吸水性ポリマーの分野における当業者に周知であり、次のように定められる。要求吸収性テスタ(Demand Absorbency Tester:DAT)が用いられるが、これは米国マサチューセッツ州ダナースのM/Kシステムズから入手可能なGATS(重量吸収性テストシステム)、および1974年3月のINDA Technological Symposium Proceedingsの129−142頁においてリヒスタイン(Lichstein)によって記載されたシステムと類似のものである。2.5センチメートル直径領域内に制限されたポートを有し、負荷下吸収性(AUL)装置によって覆われた多孔性プレートが用いられる。電気天秤を用いて高吸水性粒子への流体の流れを測定する。この試験に用いられる流体は、室温で用いられる0.9重量パーセントの塩化ナトリウムを含有する水性溶液である。
【0071】
高吸水性粒子を収容するために用いられるAUL装置は、同心であることを確実にするために少し機械加工された内径1インチ(2.54センチメートル)の熱可塑性の管から作られたシリンダを含む。100メッシュステンレススチールワイヤ布が接着剤によってシリンダの底部に接着される。代替的には、ステンレススチールワイヤ布を炎の中で赤熱するまで加熱した後、シリンダを布の上に保持して冷却することによってワイヤ布をシリンダの底部に融合させることもできる。封止に失敗するかまたは破れたときにははんだごてを用いて修復してもよい。平坦で平滑な底部を維持し、かつシリンダの内部を歪ませることのないよう注意が必要である。4.4グラムのピストンが直径1インチの固体材料(たとえばプレキシグラス(登録商標))から作られ、シリンダ中に結合することなく密に適合するように機械加工される。このピストンを用いてインチ平方当たり0.01ポンドの制限負荷を与える。より大きな程度の制限負荷を与えるために重しが用いられる。前述のとおり、より大きな制限負荷はインチ平方当たり0.29ポンド、インチ平方当たり0.57ポンドおよびインチ平方当たり0.90ポンドである。したがって、それぞれの制限負荷を与えるために(4.4グラムピストンに加えて)100グラム、200グラムおよび317グラムの重しが用いられる。AULを試験するために、重さ0.160(±0.005)グラムの高吸水性粒子の試料が利用される。試料は、米国規格30メッシュによって予めふるい分けられ、米国規格50メッシュ上に保持された顆粒(300−600ミクロン)から取られる。試験されるときの粒子は約5重量パーセントよりも低い水分含有量を有する。
【0072】
この試験は、直径3センチメートルのGF/Aガラスフィルタ紙をプレート上に置くことによって開始される。この紙はシリンダの内径よりも大きくかつ外径よりも小さい大きさにされることによって、DATのポート上の蒸発をなくしながら良好な接触を確実にして飽和を起こさせる。SAP粒子は計量紙の上で計量され、AUL装置の底部のワイヤ布上に置かれる。AUL装置を振動させてワイヤ布上の粒子を一様にする。粒子がシリンダの壁にくっつくことのないよう注意する。ピストンを押圧することなく注意深く置き、任意にはシリンダ中の粒子上に重しを置いた後、AUL装置をガラスフィルタ紙の上に置く。集められた流体の量は、帯記録紙式記録計によって手動で直接的に、または直接データ取得もしくはパーソナルコンピュータシステム中に、時間の関数としてモニタされる。
【0073】
60分後に集められた流体の量(グラム)を試料の重量(0.160グラム)で割ると、試料のグラム当たりの集められた流体のグラム(g/g)によるAUL値となる。集められた流体の速度を測定することもできる。瞬間の最終読出の精度を確保するために2度のチェックを行なってもよい。第1に、ピストンの上がる高さにシリンダの断面積を掛けると、集められた流体の量とほぼ同じになるはずである。第2に、試験の前後にAUL装置を計量してもよく、その重量差は集められた流体とほぼ同じはずである。所与の試料に対して最低3回の試験が行なわれ、平均することによってAUL値を与える。
【0074】
ゲル−ベッド浸透性(Gel Bed Permeability:GBP)
GBP試験を行なうために好適なピストン/シリンダ装置を図1および図2に示す。図1を参照して、装置228は、シリンダ234と、236として一般的に示されるピストンとからなる。図4に示されるとおり、ピストン236は円筒形のレキサン(登録商標)シャフト238からなり、シャフトの長手軸に沿って同心の円筒形の穴240が開けられている。シャフト238の両端部は機械加工されて端部242および246を与える。248として示される重しは端部242に載っており、その中央には円筒形の穴248aが開けられている。他方の端部246には円形のピストンヘッド250が挿入される。ピストンヘッド250は、シリンダ234の内部を垂直に移動するように大きさが定められる。図2に示されるとおり、ピストンヘッド250には、矢印260および254によって一般的に示される、約0.375インチ(0.95cm)の円筒形の穴をそれぞれ7個および14個含む内側および外側の同心リングが設けられる。これらの同心リングの各々における穴は、ピストンヘッド250の頂部から底部まで開けられる。ピストンヘッド250はまた、シャフト238の端部246を受取るために中央に開けられた円筒形の穴262を有する。
【0075】
シリンダ234の底端部には、取付け前に2軸方向にピンと張られたNo.400メッシュステンレススチール布スクリーン266が取付けられる。ピストンヘッド250の底端部には、取付け前に2軸方向にピンと張られたNo.400メッシュステンレススチール布スクリーン264が取付けられる。268として示される高吸水性材料の試料は、スクリーン266上に支持される。
【0076】
シリンダ234は透明なレキサン(登録商標)ロッドまたは同等物に穴を開けたものであり、その内径は6.00cm(面積=28.27cm2)、壁の厚さは約0.5cm、高さは約5.0cmである。ピストンヘッド250はレキサン(登録商標)ロッドから機械加工される。その高さは約0.625インチ(1.59cm)であり、直径はシリンダ234内で壁の隙間を最小限にしながら適合し、かつ自由に摺動するように大きさが定められる。ピストンヘッド250の中央の穴262は、シャフト238の端部246に対するねじ切りされた0.625インチ(1.59cm)の開口部(18ねじ山/インチ)を有する。シャフト238はレキサン(登録商標)ロッドから機械加工され、外径は0.875インチ(2.22cm)、内径は0.250インチ(0.64cm)である。端部146は長さが約0.5インチ(1.27cm)であり、ピストンヘッド250の穴262に合うようねじ切りされる。端部242は長さが約1インチ(2.54cm)であり、直径は0.623インチ(1.58cm)であり、ステンレススチール重し248を支持するための環状の肩を形成する。環状のステンレススチール重し248は内径が0.625インチ(1.59cm)であることによって、シャフト238の端部242の上を滑り、形成された環状の肩に載る。ピストン236および重し248を合せた重量は約596gに等しく、これは28.27cm2の面積に対する0.30psi(20,685ダイン/cm2)の圧力に相当する。
【0077】
溶液がピストン/シリンダ装置を流れるとき、シリンダ234は通常、16メッシュ剛性ステンレススチール支持スクリーン(図示せず)または同等物の上に載る。
【0078】
ピストンおよび重しを空のシリンダ中に置くことによって、重しの底部からシリンダの頂部までの測定値を得る。この測定値は0.01mmまで読取り可能なカリパーを用いて取られる。この測定値は後にゲル−ベッドの高さを算出するために用いられる。空のシリンダの各々を測定し、どのピストンおよび重しを用いたかを把握しておくことが重要である。ゲルが膨張されるときの測定に対して、同じピストンおよび重しが用いられるべきである。
【0079】
GBP測定に用いられる高吸水性層は、GBPシリンダ装置中の約0.9gの高吸水性
材料(膨潤前に乾燥ポリマーをシリンダのスクリーン上に均一に分散させる必要がある)を0.9重量パーセントの塩化ナトリウム水性溶液によって約60分の期間膨潤させることによって形成される。試料は、米国規格♯30メッシュによって予めふるい分けられ、米国規格♯50メッシュ上に保持される高吸水性材料から取られる。したがって、高吸水性材料は300ミクロンから600ミクロンの粒子サイズを有する。粒子は手動で予めふるい分けられても、またはたとえばオハイオ州メンタのW.S.タイラー(Tyler)社から入手可能なRo−Tap機械ふるいシェイカーモデルBなどによって自動的に予めふるい分けられてもよい。
【0080】
この期間の終了時に、シリンダを流体から取除き、ピストンおよび重しの集合体をゲル層の上に置く。マイクロメータによって重しの底部からシリンダの頂部までを測定することによって、膨潤された超吸水性層の厚さが定められる。この測定を空のシリンダによって行なったときに得られた値を、ゲルの膨潤後に得られた値から引く。その結果得られる値がゲル−ベッドの高さHである。
【0081】
GBP測定は、シリンダ234にNaCl溶液を、溶液の高さが高吸水性層268の底部から4.0cmになるまで加えることによって開始される。この溶液の高さは試験の間中維持される。時間に対する高吸水性層268を通過する流体の量を重量によって測定する。試験の最初の2分間に対しては1秒ごと、残りの時間に対しては2秒ごとにデータ点を回収する。データを時間に対するベッドを通過する流体の量としてプロットすると、いつ安定した流量に達したかが当業者に明らかになる。流量計算においては、流量が安定してから回収されたデータのみが用いられる。高吸水性層268を通る流量Qは、時間(秒)に対する高吸水性層268を通過する流体(グラム)の線形最小二乗フィットによって、gm/secの単位で定められる。
【0082】
cm2での浸透性は次の等式によって得られる。
K=[Q*H*Mu)]/[A*Rho*P]
ここでK=ゲル−ベッド浸透性(cm2)、Q=流量(g/sec)、
H=ゲル−ベッドの高さ(cm)、Mu=液体粘度(ポイズ)、
A=液体流に対する断面積(cm2)、Rho=液体密度(g/cm3)、およびP=静水圧(ダイン/cm2)[通常3923ダイン/cm2]。
【実施例】
【0083】
実施例
この発明を以下の実施例によってさらに例示するが、実施例はこの発明の範囲を制限するものとはけっして解釈されない。反対に、この記載を読んだ後にこの発明の趣旨および/または添付の請求項の範囲から逸脱することなく当業者に示唆され得るさまざまなその他の実施の形態、変更および同等のものに対する手段を有してもよいことが明らかに理解される。
【0084】
高吸水性前駆体の調製
アクリル酸、脱イオン水、ポリエチレングリコールジアクリレート(Mw300)、および水酸化ナトリウム(NaOH)を含有するモノマー混合物が調製され、5℃に冷却され、窒素とともに5−10分間散布された。モノマー混合物は、過硫酸ナトリウムおよび過酸化水素などのイニシエータが反応溶液に加えられるとすぐに重合する。その結果得られるポリ(アクリル酸)ヒドロゲルを小片に切断し、ホーバート肉挽機によって押出成形した。次いでゲル(150g)を150gの湿ったキトサン−ポリアミン粒子(大きさ<300ミクロン、70%脱イオン水と混合した30%キトサン)と混合した。キトサン−ポリアミンは標準等級キトサンとしてバンソンから入手可能である。その結果得られる混合物をホーバート肉挽機を用いて3回押出成形し、110℃の強制空気オーブンで60分
間乾燥し、粉砕してふるいにかけることによって約300ミクロンのサイズを有する所望の粒子サイズを得た。
【0085】
高吸水性ポリマーの表面処理
0.4gのエチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)、4グラムのアセトンおよび4グラムの脱イオン水を混合することによって、表面処理溶液を調製した。100グラムの乾燥高吸水性前駆体をキッチンエイドミキサの中に入れ、十分な速度で撹拌することによってSAP粒子をキッチンエイド中に広げ、次いで8.4グラムの表面処理溶液を空気強制スプレーガンによって放出し、高吸水性粒子に広げた。これらの被覆された高吸水性粒子を100℃にて60分間乾燥し、粉砕してふるいにかけることにより所望の粒子サイズを得た。
【0086】
表1 高吸水性ポリマーの実施例および物理データ
【0087】
【表1】

【0088】
表2 表面架橋された高吸水性ポリマーの実施例およびデータ
【0089】
【表2】

【0090】
図1 時間の関数としての高吸水性物質の吸収特性
【0091】
【表3】

【0092】
なお図1において、高吸水性物質は、高吸水性前駆体の調製の部分で述べたように、キトサンと1:1の割合で混合された0%中和を有するポリアクリル酸でできている。その結果得られる高吸水性物質は、キトサンおよび水性溶液の存在によって約30モル%に中和される。図1におけるグラフは、表面架橋された、および表面架橋されていない高吸水性物質の吸収性が、1440分間、すなわち1日の期間にわたって増加し続けることを示す。
【0093】
図2 ゲル−ベッド浸透性対X−リンカの合計濃度(X−リンカ:PEGMAEアクリル酸塩およびPEG300DA、PEGMAEおよびPEG300DAの割合:wt%で1:1、PAAの中和の程度:0%、キトサンおよびPAAの割合:wt%で1:1)
【0094】
【表4】

【0095】
図2は、より多くの架橋材料を加えることによって、高吸水性物質の浸透性の増加に正の影響を与えることを示す。PSXMは高吸水性物質中に架橋剤がない場合を示し、SXMは架橋剤の添加を示す。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】高吸水性ポリマーのゲル−ベッド浸透性(GBP)値を定めるための装置を例示する図である。
【図2】図1の線12−12に沿ったピストンヘッドの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高吸水性ポリマーであって、
a) 高分子樹脂組成を含み、前記高分子樹脂組成は
i) 約55wt%から約99.9wt%の重合可能な不飽和酸基含有モノマーと、
ii) 約0.001wt%から約5.0wt%の内部架橋剤と、
iii) 0wt%から25wt%の予備中和剤とを含み、前記高分子樹脂組成は0モル%から約50モル%予備中和され、前記高吸水性ポリマーはさらに
b) 水膨潤性、水不溶性のアミノ多糖ポリマーを含み、
高吸水性ポリマーが水性溶液に接触するとき、高分子樹脂がアミノ多糖ポリマーによって中和されることにより、高吸水性ポリマーの中和の程度が高分子樹脂組成の予備中和の程度よりも約20モル%またはそれ以上高くなる、高吸水性ポリマー。
【請求項2】
ゲル−ベッド浸透性が100×10-9cm2またはそれ以上である、請求項1に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項3】
液体容量が約20g/gまたはそれ以上である、請求項1に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項4】
液体容量が約25g/gまたはそれ以上である、請求項1に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項5】
ゲル−ベッド浸透性が約200×10-9cm2またはそれ以上である、請求項1に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項6】
ゲル−ベッド浸透性が約300×10-9cm2またはそれ以上である、請求項1に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項7】
粒子表面に適用される約0.001wt%から約5.0wt%の表面架橋剤をさらに含む、請求項1に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項8】
重量比約5:95から約95:5のアミノ多糖および高分子樹脂の混合物であり、前記アミノ多糖は0モル%から約25モル%中和される、請求項1に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項9】
前記アミノ多糖ポリマーはキトサンポリアミンである、請求項1に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項10】
表面処理をさらに含む、請求項1に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項11】
AUL(0.9psi)が15またはそれ以上であり、GBPが450×10-9cm2またはそれ以上である、請求項10に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項12】
高吸水性ポリマーであって、
a) 約1wt%から約99wt%の架橋されたポリアクリル酸樹脂を含み、前記ポリアクリル酸樹脂は0モル%から約50モル%予備中和され、前記高吸水性ポリマーはさらに
b) 約1wt%から約99wt%の水膨潤性、水不溶性アミノ多糖ポリマーを含み、
高吸水性ポリマーが水性溶液に接触するとき、架橋されたポリアクリル酸樹脂がアミノ多糖ポリマーによって中和されることにより、高吸水性ポリマーの中和の程度がポリアクリル酸樹脂の予備中和の程度よりも約20モル%またはそれ以上高くなる、高吸水性ポリマー。
【請求項13】
架橋されたポリアクリル酸は中和の程度が30モル%またはそれ以上である、請求項12に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項14】
液体容量が約20g/gまたはそれ以上である、請求項12に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項15】
液体容量が約25g/gまたはそれ以上である、請求項12に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項16】
ゲル−ベッド浸透性が約200×10-9cm2またはそれ以上である、請求項12に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項17】
ゲル−ベッド浸透性が約300×10-9cm2またはそれ以上である、請求項12に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項18】
粒子表面に適用される約0.001wt%から約5.0wt%の表面架橋剤をさらに含む、請求項12に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項19】
AUL(0.9psi)が15またはそれ以上であり、GBPが450×10-9cm2またはそれ以上である、請求項18に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項20】
前記アミノ多糖ポリマーはキトサンである、請求項10に記載の高吸水性ポリマー。
【請求項21】
高吸水性ポリマーを含む吸収性組成物であって、前記高吸水性ポリマーは
a) 高分子樹脂組成を含み、前記高分子樹脂組成は
i) 約55wt%から約99.9wt%の重合可能な不飽和酸基含有モノマーと、
ii) 約0.001wt%から約5.0wt%の内部架橋剤と、
iii) 0wt%から25wt%の予備中和剤とを含み、前記高分子樹脂組成は0モル%から約50モル%予備中和され、前記高吸水性ポリマーはさらに
b) 水膨潤性、水不溶性のアミノ多糖ポリマーを含み、
高吸水性ポリマーが水性溶液に接触するとき、高分子樹脂組成が水膨潤性、水不溶性のアミノ多糖ポリマーによって中和され、高吸水性ポリマーの中和の程度が高分子樹脂組成の予備中和量よりも約20モル%またはそれ以上高くなる、吸収性組成物。
【請求項22】
前記高吸水性ポリマーの液体容量が約20g/gまたはそれ以上である、請求項21に記載の吸収性組成物。
【請求項23】
前記高吸水性ポリマーの液体容量が約25g/gまたはそれ以上である、請求項21に記載の吸収性組成物。
【請求項24】
前記高吸水性ポリマーのゲル−ベッド浸透性が約200×10-9cm2またはそれ以上である、請求項21に記載の吸収性組成物。
【請求項25】
前記高吸水性ポリマーのゲル−ベッド浸透性が約300×10-9cm2またはそれ以上である、請求項21に記載の吸収性組成物。
【請求項26】
前記高吸水性ポリマーは、粒子表面に適用される約0.001wt%から約5.0wt%の表面架橋剤をさらに含む、請求項21に記載の吸収性組成物。
【請求項27】
AUL(0.9psi)が15またはそれ以上であり、GBPが450×10-9cm2またはそれ以上である、請求項21に記載の吸収性組成物。
【請求項28】
前記アミノ多糖ポリマーはキトサンである、請求項21に記載の吸収性組成物。
【請求項29】
繊維の混合物をさらに含む、請求項21に記載の吸収性組成物。
【請求項30】
水性液または漿液および血液を吸収するための高吸水性ポリマー組成の連続的な生産のためのプロセスであって、
a) 高分子樹脂組成を調製するステップを含み、前記調製するステップは
i) 約55wt%から約99.9wt%の重合可能な不飽和酸基含有モノマーと、
ii) 約0.001wt%から約5.0wt%の内部架橋剤と、
iii) 0wt%から25wt%の予備中和剤とを反応させることによって行なわれ、前記高分子樹脂組成は0モル%から約50モル%予備中和され、前記プロセスはさらに
b) 水膨潤性、水不溶性アミノ多糖ポリマーを含有する水性溶液を調製するステップと、
c) 高分子樹脂組成をアミノ多糖ポリマーを含有する水性溶液と混合することによって高吸水性ポリマーを形成するステップと、
d) 高吸水性ポリマーを乾燥させるステップとを含み、
高吸水性ポリマーが水性溶液に接触するとき、高分子樹脂組成がアミノ多糖ポリマーによって中和されることにより、高分子樹脂組成が水膨潤性、水不溶性アミノ多糖ポリマーによって中和されることにより、高吸水性ポリマーの中和の程度が高分子樹脂の予備中和の程度よりも約20モル%またはそれ以上高くなる、プロセス。
【請求項31】
前記アミノ多糖ポリマーはキトサンである、請求項30に記載のプロセス。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−525569(P2007−525569A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538201(P2006−538201)
【出願日】平成16年10月27日(2004.10.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/035574
【国際公開番号】WO2005/044323
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(505396084)ストックハウゼン・インコーポレイテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】STOCKHAUSEN, INC.
【Fターム(参考)】