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高吸油性および高い構造性を有する非晶質シリカ粒子
説明

高吸油性および高い構造性を有する非晶質シリカ粒子

本発明は、高い吸油性および高い構造性を有し、非晶質シリカ粒子に高い負荷をかけても吸油性がほとんど低下しない非晶質シリカ粒子を提供する。特にベンゼン吸着等温線法により得た細孔分布曲線において、ΔVp/ΔRp値(但し、Vpは細孔容積[mm/g]、Rpは細孔半径[nm])の最大値が20mm/nm・g−1以上であり、ΔVp/ΔRp値が最大であるときの細孔ピーク半径が20nm以上100nm以下である非晶質シリカ粒子を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い吸油性および高い構造性を有する非晶質シリカ粒子に関する。具体的にはベンゼン吸着等温線法により得た細孔分布曲線において、ΔVp/ΔRp値(但し、Vpは細孔容積[mm/g]、Rpは細孔半径[nm])の最大値が20mm/nm・g−1以上であり、ΔVp/ΔRp値が最大であるときの細孔ピーク半径が20nm以上100nm以下である非晶質シリカ粒子に関する。本発明はさらに、本発明の非晶質シリカの製造方法ならびに本発明のシリカの使用に関する。
【0002】
シリカは、その物理的および化学的特性に応じて、ゴム補強充填剤、農薬用担体、薬品吸収剤、製紙用充填剤、特殊紙用コーティング剤、樹脂配合剤、塗料用艶消し剤等の広範囲の用途に供されており、その使用用途に応じて、必要とされる特性が異なり、多種類のシリカが市販されている。これらの適用において、医薬、農薬、動物用医薬、浴用剤等の薬品吸収(吸着および吸油)剤、製紙用充填剤、特殊紙用コーティング剤、樹脂配合剤、塗料用艶消し剤等の用途のシリカについては、吸油性能が高いことが要求される。
【0003】
一般に、非晶質シリカ粒子はアルカリ金属ケイ酸塩水溶液と鉱酸の中和反応によって製造することができ、その製造方法は湿式法と呼ばれている。湿式法は、沈殿法とゲル法とに分類される。沈殿法では、塩基であるケイ酸ナトリウムの水溶液に酸を加えていき、中性またはアルカリ性下で反応させ比較的濾過し易い沈澱ケイ酸を得る。ゲル法では、ケイ酸ナトリウム溶液の酸性溶液に塩基を加えて酸性下で反応させ、ゲル状のケイ酸を得る。
【0004】
シリカの沈澱法では、例えば、特公昭39−1207号特許公報に開示されているように、アルカリ金属ケイ酸塩水溶液と鉱酸の中和反応によって生じた1次粒子からなる2次粒子を、構造性を有するように成長あるいは凝集させて沈澱ケイ酸スラリーを得、該スラリーをろ過、乾燥および/または引き続いて粉砕および/または分級することにより製品とされる。該文献は引用することによりここに取り入れる。すなわち、静置乾燥あるいは噴霧乾燥の後に、目的に応じてシリカを適当な粉砕機、例えば最新超微粉砕プロセス技術:ソフト技研出版部編、新技術情報センター発行、1985年、8〜10頁で開示されている様に、シリカ粒子がピンの間での衝撃剪断および摩擦力により粉砕されるピンミル、あるいは高圧のジェット気流にシリカ粒子をまきこんで相互衝突により粉砕するジェット粉砕機等を用いて粉砕される。該文献を引用することによりここに取り入れる。一般的な沈澱法により得られるシリカは、BET比表面積が通常80〜450m/gの範囲であり、場合により600m/g程度のものもある。一般に沈殿法によるシリカは、比較的細孔が大きく、吸油量が高い。沈殿法シリカは主としてゴム補強充填剤、農薬の吸着担体、塗料の艶消し剤、あるいは種々の媒体の粘度調整剤等として使用されている。
【0005】
一方、シリカは、例えばUS特許第2,466,842号に開示されているように、酸性反応によって得られたゲルを洗浄および乾燥後、粉砕して製造することができる。ゲル法によるシリカは、一般的に沈澱法シリカより小さな2次粒子が強く凝集しており、高負荷時において粒子が剪断を受けてもその構造特性を保つことができるので、皮革、プラスチツク等のコーティング分野の用途には有効に使用されている。また、一般に沈殿法により製造されるシリカより嵩が低く、流動性も高いので、医薬、農薬、動物用医薬用の吸着剤として、または粉体の流動性改善剤としても使用されている。
【0006】
しかしながら、沈澱法シリカは吸油量が高いため、例えば、塗料分野において艶消し剤として効果的に使用することができるが、塗膜の生地肌を重視し例えばサンドミル等の高剪断応力のもとで分散させるような使用分野においては、その効果が極度に低減する場合がある。また、農薬、医薬、動物用医薬等の吸着剤として沈殿法シリカを使用する場合、生産ライン中の撹拌機、混合機や粉砕機で粉砕することにより、吸着性能が低下し、場合によっては、吸着させた薬品が漏れ出てきたり、更に、製造装置の機壁に付着したり、製造機のラインを閉塞させることもありうる。これらの問題の原因は、非晶質シリカ粒子の細孔が比較的大きく砕け易いためであると考えられる。
【0007】
一方、ゲル法により製造されるシリカは、比較的細孔が小さく構造的に強いため、高負荷下において、粒子が剪断を受けてもその構造性を保つものの、アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液と鉱酸とをpHl〜2という強酸性域で混合および/または反応させる必要がある。また、一般に粒子の洗浄は困難であり、硬い塊状のヒドロゲル中から副生するボウ硝等の塩類を完全に除去するためには36〜48時間という長時間をかけて粒子を洗浄する必要がある。従って製造設備は、強酸性雰囲気に対する耐食材料が要求され、また長時間の洗浄を必要とするので、設備投資や製造コストが増大する。また、ゲル法シリカは細孔が小さいため、比較的吸油速度が小さく、特に、医薬、農薬、動物用医薬、浴用剤等の薬品吸収(吸着・吸油)剤として使用するような場合、液体薬品をシリカに吸収させるのに時間がかかる。このような場合、かなり注意深く、ゆっくりと液体成分を滴下する必要があり、このような条件が不利であると、液体薬品と非晶質シリカを含む粉末が強く凝集して粘性が上がり、生産ラインを詰まらせたり、撹拌混合機が止まったりして、製造できなくなることがある。従って所望の吸収性シリカを製造することができない。さらに、粒子自身が硬いため、例えば粒子を医薬、農薬、動物用医薬用の吸着剤または艶消し剤等として原材料と混合または粉砕する際に、設備の摩耗性が高く、改善が求められていた。
【0008】
従って本発明の課題は、上記の問題を少なくともいくつか解決することができる新規のシリカを提供することであった。特に、高い剪断応力下でも、つまり非晶質シリカ粒子に高い負荷を適用する場合であっても、吸油量が容易に低下せず、かつ吸油速度が高い非晶質シリカ粒子を提供する。本発明は同様に、本発明のシリカを製造するための方法を提供する。
【0009】
上記の問題を解決するために、高い剪断応力下でも、つまり非晶質シリカ粒子に高い負荷を適用する場合であっても、吸油量が容易に低下せず、かつ吸油速度が高い非晶質シリカ粒子を製造するために発明者等は創意検討を重ねた。この方法では設備および製法上簡便で経済的な沈殿法シリカの製法を使用した。その結果、本発明者らは、細孔半径が15nm以上のメソポアでも比較的正確に測定できるベンゼン吸着等温線法を使用することによって、非晶質シリカ粒子の吸油能および細孔構造に重要な相関があることを見出した。すなわち、ベンゼン吸着等温線より得られた細孔分布曲線において、ΔVp/ΔRp値(但し、Vpは細孔容積[mm/g]、Rpは細孔半径[nm])の最大値が20mm/nm・g−1以上であり、ΔVp/ΔRp値が最大であるときの細孔ピーク半径が20nm以上100nmであれば、非晶質シリカ粒子に高い負荷をかけても、吸油能がほとんど低下せず、かつ、高い吸油速度を維持していることを見出した。
【0010】
従って本発明は特許請求の範囲および発明の詳細な説明において定義されている非晶質シリカおよびその製造方法を提供する。
【0011】
本発明は特に、ベンゼン吸着等温線法により得た細孔分布曲線において、ΔVp/ΔRp値(但し、Vpは細孔容積[mm/g]、Rpは細孔半径[nm])の最大値が20mm/nm・g−1以上であり、ΔVp/ΔRp値が最大であるときの細孔ピーク半径が20nm以上100nm以下である非晶質シリカ粒子を提供する。
【0012】
本発明はさらに、少なくとも1のアルカリ金属ケイ酸塩と、少なくとも1の鉱酸とを中和反応させる、本発明による非晶質シリカの製造方法を提供する。
【0013】
本発明はまた、たとえば艶消し剤、医薬または農薬のための吸着剤(担体)、増量剤または各種ゴム等の充填剤としての本発明による非晶質シリカの使用も提供する。
【0014】
本発明はさらに、本発明の非晶質シリカを含有する艶消し剤および医薬、農薬のための吸着剤を提供する。
【0015】
本発明の非晶質シリカ粒子は、高い吸油能を有する。つまりシリカ粒子に高い剪断力の作用をかけても吸油量がほとんど低下しない。本発明の非晶質シリカ粒子は、高い吸油能を有するので、少量の非晶質シリカ粒子で多量のビタミンEを粉末化することができる。しかも艶消し効果は市販のシリカ粒子に比べ高い。従って本非晶質シリカ粒子は、医薬または農薬の吸着剤、増量剤または各種ゴム等の充填剤として用いることができる。
【0016】
本発明における非晶質シリカ粒子の原料であるケイ酸アルカリは、特に限定されないが、例えば、工業製品としてJISに規格されている水ガラス等のケイ酸ナトリウムやケイ酸カリウム、さらには酸性白土等の粘土質原料より回収した易反応性のシリカにアルカリ金属の水酸化物溶液を反応させたケイ酸アルカリ等を使用することができる。上記、ケイ酸アルカリを水溶液として使用する場合、当該水溶液におけるシリカ濃度は、特に限定されないが、一般に1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%、より好ましくは2.5〜10重量である。濃度が1質量%よりも低ければ、製造効率が悪く経済的に不利となる。濃度が30質量%より高ければ、反応溶液の粘性が高くなり、反応が不均一になったり、反応後のシリカスラリーの取り扱いが非常に困難となる。また、SiO:MO(Mはアルカリ金属である)のモル比は、一般に2:1〜4:1、好ましくは2.5:1〜3.5:1である。これらのモル比は通常2号珪曹、3号珪曹、4号珪曹、などと呼ばれているものである。一般には、コストの面から3号珪曹が汎用される。
【0017】
非晶質シリカ粒子の製造における中和反応に用いる鉱酸は特に限定されず、炭酸水、炭酸ガス、酢酸、ルイス酸、塩酸、硫酸、硝酸等が使用される。とりわけ、設備上、経済上の観点から、硫酸が有利に使われる。鉱酸水溶液の濃度は一般に5〜75質量%、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは、10〜45質量%である。
【0018】
本発明のシリカ粒子はアルカリ金属ケイ酸塩水溶液を酸で中和する方法により製造することができる。両方の原料を接触させることにより中和するための方法として2つの方法が存在する。つまり、原料の一方を撹拌下に他方の原料の水溶液に添加する方法と、両方の原料溶液を固定された条件下で同時に接触させる方法である。製造例を以下に示す。
【0019】
上記のとおり、本発明の非晶質シリカは有利には沈殿法を使用して製造することができる。ゲル法またはゲル法と沈殿法とを組み合わせた製法もまた適切である。この場合、特に組み合わせた方法を使用する場合、第一段階の反応で、生成される核として使用される非晶質シリカ粒子と、この生成後の熟成によるシリカ粒子との成長および凝集を制御する必要がある。すなわち、核として使用されるシリカ粒子の粒径またはその細孔サイズ、ならびに熟成後のシリカ粒子の粒径および細孔サイズに着目して製造条件を決める必要がある。
【0020】
第一の有利な実施態様では、本発明の方法は、ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸水溶液とをpH2〜10で中和反応させて、シリカ濃度が2〜10%のシリカスラリーを直接製造する第一工程を有する。あるいは、ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸水溶液との中和により、シリカスラリーを生成させ、これを一般に30分以上放置することにより、シリカ濃度が5〜30質量%のシリカスラリーを製造する。中和反応の温度は、特に制限はないが、均一な組織のシリカを形成させる点で、一般に50℃以下が好ましい。また必要に応じて、湿式粉砕機等で剪断力をかけながら、中和反応させてもよい。その場合、時間と共に変化するが、中和反応温度は約70℃である。
【0021】
得られたシリカを洗浄した後に、必要に応じ、水分調節および細孔調節のために熱処理を行なってもよい。条件は特に限定されないが、最終的に細孔ピーク半径が20〜100nmの範囲にあるように熱処理を実施すべきである。この方法により製造される非晶質シリカ粒子は一般に、細孔ピーク半径が10nm以下であり、定法より高温で長時間かつ必要に応じてpH5〜9の高pH領域での熱処理が好ましい。例えば、熱処理の温度は、一般には40〜200℃の範囲がよく、好ましくは70〜190℃、より好ましくは100〜170℃である。熱処理は、例えばオートクレーブ中で行うことができ、熱処理のための時間は、細孔ピーク半径に応じて調節すればよい。その時間は通常、5分〜30時間、好ましくは30分〜20時間、より好ましくは1時間〜15時間である。
【0022】
その後、必要に応じ平均粒径が500μm以下、好ましくは2〜200μm、より好ましくは3〜100μmとなるようにシリカスラリーを湿式粉砕してもよい。場合に応じ、熱処理前や熱処理中にシリカスラリーを粗粉砕してもよいが、ろ過効率が悪く、ろ過時に圧搾する場合にシリカスラリーが再度凝集することがあるので、その場合はろ過後にシリカスラリーを再粉砕した方がよい。
【0023】
湿式粉砕には、それ自体公知の方法を適用することができる。例えば、WAB(ウィリー・A・バッコーフェン)社製のダイノーミルのようなビーズミル、シルバーソン社製のハイシェアミキサー、特殊機化製のホモミキサーやラインミル等が好適に使用される。高速剪断力が可能であれば、他の湿式粉砕機を使用することもできる。湿式粉砕時の温度は特に制限されないが、反応または熱処理中に粉砕を実施する場合には、同一の温度で実施することができる。しかし細孔調節終了後に粉砕を実施する場合には、粒子間の凝集を少なくするために、スラリーの温度は50℃を越えてはならない。
【0024】
その後、このシリカスラリーを、ろ過および乾燥後所定の非晶質シリカを得ることができる。乾燥法として、通気乾燥や噴霧乾燥等の公知の方法を使用することができる。一般に高吸油量のシリカを得たい場合は、短時間で乾燥できる噴霧乾燥機やスピンフラッシュ乾燥機が好ましい。噴霧乾燥機の場合、一般に噴霧デイスク(アトマイザー)によって、スラリーを微粒子化する方法と、二流体ノズルを使用してスラリーを微粒子化する方法の2つの方法が使用されるが特に制限されない。また、噴霧乾燥機でスラリーを乾燥すれば、ほぼ球形の固体粒子の製造が可能になる。噴霧乾燥する熱風温度としては、80〜600℃、好ましくは100〜500℃、より好ましくは120〜450℃である。吸油量の向上という点では高温の方が有利であるが、しかし600℃以上の温度では耐熱性並びに特殊な設備設計上コストが膨大になる。一方、温度が100℃以下では製造効率が悪い。実際には、噴霧乾燥機の性能と噴霧速度の関係で最適化すればよいが、通常上記温度範囲が有利である。さらに、必要に応じて、乾燥前のスラリーにアルキルジメチルベンジル−アンモニウムクロリド等のカチオン性界面活性剤を添加することにより、水相中で粒子の表面から水を排除しやすくし、乾燥工程での非晶質シリカ粒子の収縮を効果的に抑制することができ、吸油量を向上させることができる。
【0025】
有利な第二の実施態様では、本発明の方法は、少なくとも1のケイ酸アルカリ水溶液と、少なくとも1の鉱酸水溶液とをpH5〜10で中和反応させ、シリカ濃度2〜10質量%のシリカスラリーを製造する。この場合のケイ酸アルカリおよび鉱酸の種類、濃度および中和の方法は前記の方法と同様である。中和温度は特に限定はないが、好ましくは30℃以上、より好ましくは50℃以上、更に好ましくは70℃以上である。30℃未満の温度では反応速度が遅く効率的ではない。また、必要に応じて先に挙げた湿式粉砕機等で剪断力をかけながら中和反応させてもよい。その後、生成したシリカスラリーの物性に応じて熟成すればよい。一般的な熟成の条件はpH6〜12、温度50〜130℃で反応時間3〜180分間である。好ましくはpH7〜11.5、温度60〜110℃で反応時間3〜165分間である。より好ましくはpH8〜11、温度65〜100℃で反応時間5〜150分間である。特に好ましくはpH8〜11、温度70〜100℃で反応時間5〜140分間である。また、必要に応じて、先に挙げた湿式粉砕機等で剪断力をかけながらシリカスラリーを熟成させてもよい。
【0026】
さらに第二段階の反応として、第一段階の反応で得られたスラリーにケイ酸ナトリウム水溶液を加えながら鉱酸を同時に添加してもよい。この場合、第二段階の反応のために添加する鉱酸の濃度は第一段階の反応の濃度範囲内であり、ケイ酸ナトリウム水溶液の濃度は、第一段階の反応と同一の範囲内であるかそれよりも低濃度のものが好ましい。更に、第二段階の反応時のpHは一定である方が好ましく、一般にはpH4〜10、好ましくはpH6〜10、より好ましくはpH7〜9.5である。その後、得られたシリカスラリーのpHを4以下、好ましくは3以下にし、次いで第二段階の反応をとめる。必要に応じ、スラリーを水で希釈し、必要に応じてロータリーポンプおよびハイドロサイクロンにより粗粒子を分離した後、スラリーをろ過および洗浄する。ろ過および洗浄は、フィルタープレスやロータリーフィルター等の公知の機器を用いて実施できる。
【0027】
こうして得られたフィルターケーキを適当な大きさに解砕し、かつ通気乾燥するか、または水を添加しながら撹拌して、再度スラリー化する。次いでそのスラリー溶液を噴霧乾燥機またはノズル乾燥機によって、乾燥してもよい。上記乾燥機によって特定の粒度分布を調整することができる。この粒度分布は乾燥機の種類および適用する噴霧圧力の選択により調整することができる。特に高吸油量のシリカを得るには、噴霧乾燥機で乾燥をおこなうことが好ましい。噴霧乾燥機を使用する場合、前記の条件と同じ条件下で乾燥すればよい。
【0028】
また、実施態様1または2から得られるシリカのpHに関しては、用途に応じ適正pHが異なる。より具体的には医薬または農薬の吸着剤として使用する際には、ビタミンEなどの医薬有効成分および有機リン剤などの農薬有効成分の安定性にも影響し、きわめて重要である。このような医農薬等の吸着剤として使用する場合の非晶質シリカ粒子のpHは、一般にpH3〜10、好ましくは4〜9、より好ましくは5〜8である。しかし場合に応じて、酸性で安定な化合物では酸性に、アルカリ性で安定な化合物ではアルカリ性に調節したシリカを適用することにより調節したシリカを使用することにより、シリカに吸着された医農薬を安定化することができる。pHを調節する方法としては、乾燥前のシリカスラリーのpHを調節する方法と乾燥後にアンモニアガス等の添加により調節する方法がある。
【0029】
本発明の非晶質シリカは、細孔半径が20nm以上のメソポアでも比較的正確に測定できるベンゼン吸着等温線法によって細孔分布曲線を測定した。
【0030】
ベンゼン吸着等温線より得た細孔分布曲線において、ΔVp/ΔRp値(但し、Vpは細孔容積[mm/g]、Rpは細孔半径[nm])の極大値は20mm/nm・g以上であり、かつΔVp/ΔRp値が最大であるときの細孔ピーク半径は20nm以上100nm以下、好ましくは、25nm以上95nm以下、より好ましくは、30nm以上90nm以下である。細孔ピーク半径が20nm以下では、シリカ粒子が強く凝集して細孔が小さく、吸油速度が低くなる。また、シリカ粒子が固すぎて、設備の摩耗が問題になる可能性がある。一方、細孔が100nm以上では、粒子が高い構造特性を取っており、粒子間の凝集が弱く、粒子自身が崩壊しやすくなる恐れがある。
【0031】
すなわち、細孔半径が20nm以上100nm以下の細孔構造を有するシリカを合成することで粒子の強度を調節し、かつ、毛細管現象による吸着および吸収速度を改善することができる。
【0032】
また、ΔVp/ΔRp値(但し、Vpは細孔容積[mm/g]、Rpは細孔半径[nm])の最大値は20mm/nm・g以上、好ましくは、25mm/nm・g以上、より好ましくは30mm/nm・g以上である。ΔVp/ΔRp(但し、Vp細孔容積[mm/g]、Rpは細孔半径[nm])の最大値が20mm/nm・g未満であると、本発明のシリカと、極大ピークを持たないオープン構造のシリカとの構造上の差異がほとんどなく、高剪断応力下での吸油性能の低下が顕著となる恐れがある。
【0033】
本発明のシリカは、DBP(ジブチルフタレート)の吸油量を指標としたJIS K 6217−4(ブラベンダー法)法によって測定される吸油量を示し、本発明の非晶質シリカのDBP吸油量は非晶質シリカ粒子100gあたり260ml(260ml/100g)以上であり、好ましくは、280ml(280ml/100g)以上、更に好ましくは300ml(300ml/100g)以上、より好ましくは320ml(300ml/100g)以上、特に好ましくは340ml(340ml/100g)以上である。
【0034】
上記JIS試験法においてDBPの滴下速度は4ml/分で一定であり、一般に滴下速度と吸油量の関係に相関がある。通常、DBP滴下速度を高くすると、測定終点までのブラベンダー法での攪拌時間が短くなり、非晶質シリカ粒子への負荷の総量が低下し、非晶質シリカ粒子が潰れにくくなる。したがって、細孔構造が維持されやすくなるため、通常の条件下で処理されたシリカ粒子に比べ、一般に吸油量は向上する。すなわち、DBP滴下速度を変えたときの吸油量の増大が大きい粒子ほど、構造的に弱い粒子であるということができる。
【0035】
他方、ブラベンダー法では、吸油したシリカの粘性の変化をトルクの変化で測定する。したがって、DBP滴下速度が高くなると、シリカがDBPを吸油して粘度上昇するのに要するタイムラグの間に滴下されるDBP量が増えるので、見掛け上吸油量は増大する。いいかえれば、DBP滴下速度を高くした時の吸油量の増大量が大きい場合に、粒子は吸収速度が低い。つまり、DBP滴下速度を変更したときに吸油量に影響する因子として2つの因子が、つまり構造的な強度とDBP吸収速度の二つがあり、構造的に強く、かつ、DBP吸油速度の高いシリカ粒子の吸油量は、DBP滴下速度の影響を受けにくい。しかし一般に、細孔半径の大きい非晶質シリカ粒子は構造的には弱いが、これらの粒子の吸油速度は高く、細孔半径の小さな非晶質シリカ粒子は構造的には強いが、これらの粒子の吸油速度は低い。そこで、構造的な強弱に関する構造因子と吸油速度の因子について、DBP滴下速度を低速から中速〜高速と変更したときの、吸油量への影響度を考慮した。構造因子は撹拌時間の影響を強く受け、吸油速度の因子は滴下速度の影響を強く受ける。すなわち、吸油量への影響に関して、滴加速度が低速から中速領域では吸油速度の因子よりも構造因子の影響が大きく、滴加速度が中速から高速領域では、構造因子よりも吸油速度の因子の影響が大きいと考えられる。
【0036】
以上により、次の2式から、DBP滴下速度、すなわち、非晶質シリカ粒子にかかる負荷を変更した場合の吸油量の指標を求めた。
指標1[分/100g]=(滴下速度7ml/分時の吸油量[ml/100g]−滴下速度2ml/分時の吸油量[ml/100g])/5[ml/分]式(I)
上記式(I)の指標1の値が低いほど、非晶質シリカ粒子は硬くて構造的に強く、吸油速度が高い。
指標2=(滴下速度7ml/分時の吸油量[ml/100g]−滴下速度4ml/分時の吸油量[ml/100g])/ (滴下速度4ml/分時の吸油量[ml/100g]−滴下速度2ml/分時の吸油量[ml/100g])式(II)
【0037】
上記式(I)は、構造強度の影響と吸油速度の影響をあわせた式である。上記式(II)は、分母分子とも、構造強度の影響と吸油速度の影響をあわせたものではあるが、分母は構造因子の方の影響が強く、分子は吸油速度の影響が生じやすい。したがって、上記式(II)によって、構造因子の影響を小さくして吸油速度の影響を評価できる。すなわち、式(II)の値が1より小さいものは、非晶質シリカ粒子の構造因子を除いた上で吸油速度が高い粒子であるといえる。
【0038】
従って本発明の非晶質シリカ粒子に関して、上記式(1)のDBP滴下速度に対する吸油量の変化の総合指標である指標1は一般に9.5[分/100g]以下、好ましくは9[分/100g]以下、より好ましくは8.5[分/100g]以下であり、さらに好ましくは8[分/100g]以下であり、特に好ましくは6[分/100g]以下である。
【0039】
他方、本発明のシリカ粒子は上記式(2)の吸油速度の指標値である指標2によって特徴付けられ、これは一般に1.2以下、好ましくは1.1以下、より好ましくは1.0以下であり、さらに好ましくは0.8以下または0.7以下である。
【0040】
吸油量の指標1および指標2が同時に上記範囲以内にある場合に、非晶質シリカ粒子の構造が強いといえる。
【0041】
本発明の非晶質シリカは一般に、50〜800m/g、好ましくは100〜700m/g、より好ましくは140〜400m/gの範囲のBET比表面積を有する。BET比表面積は、非晶質シリカ粒子の基本物性の一つであり、吸油量はもちろん粒子の透明性および非晶質シリカ粒子のハンドリングに影響する。BET比表面積が50m/g未満であれば大きい細孔が少量あることになり、非晶質シリカ粒子への負荷により細孔が潰れやすくなり、剪断応力下での吸油能は低下する。また、非晶質シリカ粒子の透明性が低下するので、艶消し効果が低減する恐れがある。一方、BET比表面積が800m/gよりも大きければ細孔径が非常に小さく、透明性は向上するが吸油能が低下する。
【0042】
本発明の方法により得られた非晶質シリカ粒子をそのまま商品化してもよいし、用途に合わせてシリカの粒度調節することもできる。通常、粒度調節は粉砕後、乾式分級して実施できる。粉砕機は特に限定されず、ジェット−O−マイザー等の気流衝撃式粉砕機、アトマイザー等のハンマーミル、遠心粉砕機のようなピンミル等の公知の全ての粉砕機が使用できる。分級機も得に限定されないが、精密な分級を要する場合には、ミクロプレックスやターボクラシファイア等の乾式分級機が好適である。他方、洗浄後のシリカスラリーを沈降分級機、水力分級機、機械分級機、遠心分級機等の湿式分級機で分級後、乾燥してもよい。より具体的にはインクジェット記録用紙用充填剤、艶消し剤、アンチブロッキング剤等でシリカを使用するが、粒度調節が重要である。従って本発明のシリカは、0.5〜100μm、好ましくは0.75〜50μm、より好ましくは1〜20μmの範囲の本発明の非晶質シリカ粒子の平均粒径である体積基準のメジアン径を有する。メジアン径が上記範囲内であれば、少ない配合量で艶消し作用やアンチブロッキング作用を発現させることができる。
【0043】
本発明によるシリカはさらに、そのかさ密度により特徴付けられる。かさ密度は非晶質シリカ粒子のハンドリングおいて非常に重要な物性である。本発明の非晶質シリカ粒子のかさ密度は20〜200g/l、好ましくは30〜150g/l、より好ましくは40〜125g/lである。かさ密度が20g/l未満であれば、非常にかさ高くハンドリングが困難である恐れがあり、また200g/lよりも大きければ、各種用途での使用量が増大したり、吸油量が低下する可能性がある。
【0044】
前記の物理化学的特性は無関係に組み合わせることができる。特に有利な組み合わせを以下の段落に記載する。
【0045】
本発明の非晶質シリカ粒子の物性は、好ましくはベンゼン吸着等温線法により得た細孔分布曲線において、ΔVp/ΔRp値(但し、Vpは細孔容積、Rpは細孔半径)の最大値が20mm/nm・g以上で、ΔVp/ΔRp値が最大であるときの細孔ピーク半径が20nm以上100nm以下であり、JIS K6217−4(ゴム用カーボンブラック−基本特性)に規定の方法による吸油量が280ml/100g以上で、DBP滴下速度に対する吸油量の変化の指標値(指標1)が9.5[分/100g]以下でかつ吸油速度の指標値(指標2)が1.2以下である。より好ましくは、ΔVp/ΔRp値の最大値が25mm/nm・g以上であり、ΔVp/ΔRp値が最大であるときの細孔半径が25nm以上95nm以下であり、JIS K6217−4(ゴム用カーボンブラック−基本特性)に規定の方法による吸油量が300ml/100g以上で、指標1が9[分/100g]以下でかつ指標2が1.0以下である。
【0046】
本発明の非晶質シリカ粒子の物性について、より詳しくは、好ましくはΔVp/ΔRp値の最大値が20mm/nm・g以上で、JIS K6217−4(ゴム用カーボンブラック−基本特性)に規定の方法による吸油量が280ml/100g以上、指標1が9.5[分/100g]以下でかつ指標2が1.2以下であり、BET比表面積が50〜800m/g、平均粒子径が0.5〜100μm、かさ密度が20〜200g/lである。より好ましくは、ΔVp/ΔRp値の最大値が25mm/nm・g以上であり、ΔVp/ΔRp値が最大であるときの細孔ピーク半径が25nm以上95nm以下で、JIS K6217−4(ゴム用カーボンブラック−基本特性)に規定の方法による吸油量が300ml/100g以上、指標1が9.0[分/100g]以下でかつ指標2が1.1以下であり、BET比表面積が100〜700m/g、平均粒子径が0.75〜50μm、かさ密度が30〜150g/lである。さらに好ましくは、ΔVp/ΔRp値の最大値が30mm/nm・g以上であり、ΔVp/ΔRp値が最大であるときの細孔ピーク半径が30nm以上90nm以下で、JIS K6217−4(ゴム用カーボンブラック−基本特性)に規定の方法による吸油量が320ml/100g以上、指標1が8.5[分/100g]以下でかつ指標2が1.0以下であり、BET比表面積が140〜450m/g、平均粒子径が1〜20μm、かさ密度が40〜125g/lである。
【0047】
高負荷下でも吸油量がほとんど低下しない本発明の非晶質シリカ粒子が発明された。本発明の非晶質シリカは高い吸収能を有するので、液状の薬品、たとえば農薬、飼料、化粧品、香水、洗剤、液状ビタミン等の高い量を、少ない量の非晶質シリカ粉末により粉末化することができる。
【0048】
本発明の非晶質シリカ粒子は特にブローフィルムのブロッキング、粉体の流動性または貯蔵安定性の改善、液状成分の固形化のための担体、吸着剤として使用される。さらに本発明のシリカは艶消し剤または補強剤として使用する場合には優れた性能を示す。
【0049】
本発明のシリカは特に医薬、農薬および浴用剤分野において有用である。非晶質シリカ粒子は、ビタミンA、ビタミンE、医薬活性成分、ピレスロイド、有機リン剤、生薬抽出成分等の液状成分の吸着剤、粉末化剤、増量剤、固結防止剤、流動性改善剤、粉砕助剤として使用される。例えば、ビタミンEを粉末化する場合、100gの本発明の非晶質シリカ粒子に対し、重量比で好ましくは2.2倍以上、より好ましくは2.3倍以上、さらに好ましくは2.4倍以上のビタミンEが吸着できる。また、有効成分の安定性に応じてシリカのpHを調節することで、シリカ粒子を安定化剤としても使用することができる。農薬分野においては、上記の使用法に加え、シリカ粒子を各種浮選剤での沈降防止剤や、場合によっては効力増強剤としても使用することができる。
【0050】
本発明の非晶質シリカ粒子を農薬用担体として使用する場合、農薬原体と本シリカを混合し、公知の全ての剤形に適用でき、特に規定されない。さらに従来の沈降性シリカが使用される分野で非晶質シリカ粒子を申し分なく使用することができる。例えば、粉末顆粒、水和剤等の微粉状製剤、粒剤、粉粒剤、顆粒水和剤等の粒状製剤や錠剤等の固形製剤、あるいは液剤、油剤、乳剤、マイクロエマルジョン剤等の均一溶液状製剤、水中懸濁剤、油中懸濁剤、水中エマルジョン剤、油中エマルジョン剤、マイクロカプセル剤のような乳化もしくは懸濁状製剤等の液体製剤が挙げられる。各々の製剤は、公知の組成物および公知の製造法により製造できる。
【0051】
例えば固体製剤の場合、農薬原体が固体であり、かつ他の補助成分が固体である場合、シリカ粒子を粉末化助剤、流動性改善剤、粉塵爆発低減剤、固結防止剤等として使用することができる。農薬原体が液体または半固体のとき、もしくは製剤中に溶剤等を含有するときは、シリカ粒子を農薬原体や溶剤の吸着剤等として使用することができる。また、液体製剤の場合には、シリカ粒子を沈降防止用の粘度調節剤または液体に混合される固形成分の流動性改善剤として使用することができる。さらに固形成分を粉末化後混合する場合、シリカ粒子を粉末化助剤、流動性改善剤、粉塵爆発低減剤等として使用することができる。
【0052】
本発明のシリカ粒子の特に有利な使用は艶消し剤としてである。この使用分野では非晶質シリカ粒子自体を公知の塗料中に配合して、艶消し塗料組成物とすることができる。塗料としては、公知の通常使用される塗料、つまり油性塗料、ニトロセルロース塗料、アルキッド樹脂塗料、アミノアルキッド塗料、ビニル樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、ポリエステル樹脂塗料、塩化ゴム系塗料等を使用することができる。さらにこれらの材料の他に、ロジン、エステルガム、ペンタレジン、クマロン・インデンレジン、フェノール系レジン、変性フェノール系レジン、マレイン系レジン、アルキド系レジン、アミノ系レジン、ビニル系レジン、石油レジン、エポキシ系レジン、ポリエステル系レジン、スチレン系レジン、アルキド系レジン、シリコーン系レジン、ゴムベース系レジン、塩素化物系レジン、ウレタン系レジン、ポリアミド系レジン、ポリイミド系レジン、フッ素系レジン、天然あるいは合成の漆等の1種あるいは2種以上を含有する塗料が挙げられる。
【0053】
また、用いる塗料に関して、溶液型塗料、水性塗料、紫外線硬化型塗料、粉体塗料等を任意に使用することができるが、本発明は溶液型塗料および水性塗料に特に適している。
【0054】
この溶液型塗料の有機溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、エタノール、プロパノール、ブタノール、ダイアセトンアルコール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等の1種または2種以上を用いることができる。原料溶液中の樹脂分濃度は、一般に5〜70質量%、特に10〜60質量%の範囲であるのが適当である。
【0055】
さらに水性塗料としては、水溶液型の塗料の他、自己乳化型あるいは界面活性剤乳化型の塗料が使用される。水性塗料の樹脂としては、水性溶媒に水溶化されたあるいは自己乳化された樹脂、つまりアルキド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂あるいはこれらの樹脂の2種以上の混合物を挙げることができる。自己乳化型樹脂では、カルボキシル基をアンモニアあるいはアミン類で中和することにより、あるいは含有されるアミンを4級化することにより自己乳化性が付与される。また、種々のラテックス樹脂も使用される。樹脂分濃度は一般に10〜70質量%、好ましくは20〜60質量%の範囲にあるのが適当である。
【0056】
紫外線(UV)硬化型塗料としては、ハイソリッドレジン、例えばUV硬化型のアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂およびポリエステル樹脂等を使用することができる。これらの樹脂は単独あるいは2種以上の混合物として使用される。
【0057】
粉体塗料としてはポリアミド、ポリエステル、アクリル樹脂、オレフィン樹脂、セルロース誘導体、ポリエーテル、塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ/ノボラック樹脂、イソシアネートあるいはエポキシ硬化型ポリエステル樹脂等を使用することができる。
【0058】
本発明に用いる非晶質シリカ粒子に関しては、シリカ粒子の表面を無機酸化物、例えば酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、シラン系、チタニウム系あるいはジルコニウム系のカップリング剤で被覆し、あるいは表面処理しておくことができる。
【0059】
また、本発明の非晶質シリカは、金属石鹸、樹脂酸石鹸、各種樹脂の所望の材料からワックス類等のコーティング等を施すことができる。特に、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、酸変性ポリエチレンワックス等オレフィン系樹脂ワックスや、動植物系ワックス、鉱物系ワックス等のワックスによる処理が、艶消し効果増大や耐擦傷性向上に有効である。このコーティング処理は、洗浄後の非晶質シリカのケーキにワックスの水性エマルジョンを添加し混合することにより、容易に行うことができる。非晶質シリカ粒子100質量%あたり1〜20質量%、好ましくは3〜15質量%のワックスで表面処理されていることが好ましい。
【0060】
本発明においては、非晶質シリカ粒子を単独で艶消し剤として使用するほか、他の充填剤や顔料と組合せて塗料の配合に使用しうる。塗料と配合される無機成分としては、アルミナ、アタパルガイト、カオリン、カーボンブラック、グラファイト、微粉ケイ酸、ケイ酸カルシウム、ケイソウ土、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、スレート粉、セリサイト、フリント、炭酸カルシウム、タルク、長石粉、二硫化モリブデン、バライト、ひる石、ホワイティング、マイカ、葉ろう石クレイ、石こう、炭化ケイ素、ジルコン、ガラスビーズ、シラスバルーン、アスベスト、ガラス繊維、カーボン繊維、ロックウール、スラグウール、ボロンウスイカ、ステンレススチール繊維、チタン白、亜鉛華、ベンガラ、鉄黒、黄色酸化鉄、ゼオライト、ハイドロタルサイト、リチウム、アルミニウム、カーボネート、チタンエロー、酸化クロムグリーン、群青、紺青等を使用することができる。
【0061】
また、本発明のシリカの特に有利な使用は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂あるいは各種ゴム配合用および、特にアンチブロッキング剤としてである。非晶質シリカがアンチブロッキング剤として配合される熱可塑性樹脂としては、オレフィン系樹脂が好適なものであり、特に低密度、中密度あるいは高密度のポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、これらのエチレンとα−オレフィンとの共重合体であるポリプロピレン系重合体、線状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等を使用することができる。これらの樹脂は単独でもあるいは2種以上の混合によりブレンド物の形でも使用できる。本発明の非晶質シリカ粒子は、メタロセン触媒を用いて製造したオレフィン系樹脂フィルムのアンチブロッキング剤として有用であり、従来のアンチブロッキング剤の着色傾向を解消することができる。
【0062】
当然のことながら、本発明のアンチブロッキング剤は、それ自体公知の他の樹脂フィルムにも配合することができる。例えば該アンチブロッキング剤は、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルフォン、塩化ビニール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、フッ化ビニル樹脂等に配合することもできる。
【0063】
アンチブロッキング剤としての用途の場合、上記シリカ粒子を、熱可塑性樹脂100質量%あたり、0.005〜10質量%、好ましくは0.05〜3.0質量%、より好ましくは0.1〜1.0質量%の割合で配合することができる。
【0064】
本発明の非晶質シリカ粒子は、充填剤として、上記熱可塑性樹脂や、各種ゴムあるいは熱硬化性樹脂に配合することができる。
【0065】
ゴム用のエラストマー重合体としては、例えばニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IIB)、ブチルゴム、天然ゴム、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ポリウレタン、シリコーンゴム、アクリルゴム等、熱可塑性エラストマー、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等を使用することができる。
【0066】
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フラン−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、あるいはこれらの樹脂2種以上の組み合わせを使用することができる。
【0067】
非晶質シリカ粒子を充填剤として使用する場合、熱硬化性樹脂あるいはエラストマー100質量%あたり、シリカ粒子を0.5〜20質量%、好ましくは2〜10質量%の範囲で熱硬化性樹脂またはエラストマーに配合することができる。
【0068】
上記の有利な実施態様に加えて、本発明のシリカは、消泡材用の消泡効果向上剤、粉末消火剤の流動性改善剤や固結防止剤、各種粉体等の流動性改善剤や固結防止等の貯蔵安定性改善剤、印刷インキのフィラー、新聞インキのにじみ防止、浄化吸着剤、ビール等の蛋白吸着用ろ過助剤、飼料中の液状成分の粉体化やミルク増量剤、脂肪コンク、粉乳、飲料用尿素、天然混合物等の固結性物質の固結防止剤、魚用飼料の油分や脂肪分の吸着剤、焼結防止剤、プラスチック工業やポリエチレン、ポリプロピレン、PVC(ポリ塩化ビニル)、HTVシリコーンゴム、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フェノール−メラミン樹脂等のブローフィルムのブロッキング防止剤、プレートアウト防止剤、クロロプレンゴム、熱可塑性ゴム、シリコーンゴムまたは上記樹脂用のフィラー、これらの床材の機械的特性の改善剤、これらの成形コンパウンドの計量特性の改善剤や固結防止剤、接着助剤、耐摩耗性の改善剤、TRクレープソールの耐熱製/寸法安定性の改善剤、発泡ポリスチレングラニュール予備成形物の固結防止剤、発泡スチロールの二次成形フィルムの模様構成の核形成剤として使用される。さらに、ラッカーやワニスペイントおよびこれらの塗料の混合物において、エマルジョンペイントや装飾ペイント中の酸化チタン、白色顔料の一部代替品、塗料やインキ等の艶消し剤、沈降防止剤、粘度調節剤、固結防止剤としても本発明の非晶質シリカ粒子を使用することができる。
【0069】
また製紙工業の分野では、二酸化チタンの一部代替品、ブループリンティングペーパーのコントラストの改善剤、紙用コート剤、および特にインクジェット記録紙用填剤、および製紙用裏抜け防止剤として有用である。
【0070】
また、界面活性剤の粉末化、流動性改善剤および固結防止剤として、バッテリーセパレーターの内填剤、接着剤の助剤、歯磨き粉中の増粘剤および助剤、ケイ酸ナトリウムのモル比調整用基材、ゴム薬品の粉末化、耐火物の粉流性改善剤、固結防止剤または断熱材、単品、あるいは壁中への塗り込み剤としての湿度調節剤、食品中の噴流性改善剤、固結防止剤および触感改善剤等として使用できる。
【0071】
さらに、本発明の非晶質シリカは、また、クロマトグラフ担体、化粧料基剤、電子部品用塗料、電子部品用吸湿剤、その他の非晶質シリカ粒子の用途に用いることができる。
【実施例】
【0072】
以下、実施例を示すが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0073】
実施例1
95℃で7.3%のケイ酸ナトリウム溶液9000lに20%の硫酸を43l/分の速度で30分間滴下し、滴加後直ちにpH4に調整して、ろ過、洗浄することにより、10%濃度のシリカスラリーを製造した。得られたシリカスラリーを大川原化工機製のアトマイザータイプのスプレードライヤーで噴霧乾燥し、サイクロンにより粒子を回収した。回収した粒子をミル(ハンマータイプミル、フジ産業(日本)製)で粉砕後、ターボクラシファイアー(空気分級タイプ、日新エンジニアリング製)で分級した。
【0074】
実施例2
剪断力をかけながら95℃で3.8%のケイ酸ナトリウム溶液9000lに20%の硫酸を21.5l/分の速度で30分間滴下し、90分間熟成させ、そのスラリーに、9.8%のケイ酸ナトリウム溶液を38.3l/分、20%の硫酸を8.3l/分で75分間同時に添加し、30分間95℃で保ち、直ちにpH4に調整して、シリカスラリーを得た。得られたスラリーをろ過および洗浄し、10%程度のスラリーを調整し、大川原化工機製のアトマイザータイプのスプレードライヤーで噴霧乾燥し、サイクロンにより粒子を回収した。回収した粒子をミル(ハンマーミルタイプ、フジ産業製)で粉砕し、かつターボクラシファイアー(空気分級タイプ、日新エンジニアリング製)で分級した。
【0075】
比較例1〜3
比較例としては、市販の非晶質シリカ粒子を用いた(比較例1:サイリシア350[富士シリシア社製]、比較例2:ミズカシールP−526[水澤工業化学社製]、比較例3:シペルナート50S[デグサ社製])。
次に、諸物性の測定方法を示す。
【0076】
試験例1
ベンゼン吸着等温線測定法
本発明の非晶質シリカ粒子の細孔構造を測定するために、細孔半径20nm以上を有するメソポアを測定するベンゼン吸着法により細孔ピーク半径を測定した。
【0077】
ベンゼン吸着等温線の測定には、ファーマテックジャパン Vol.12 No.2 85ー94(1996)中の図1に記載の自動吸着装置を用いた。また、測定に際し、試料の前処理として、サンプル管に秤取した試料を25℃で8時間、真空(1×10−2Torr)脱気処理をおこなった。
【0078】
前処理済サンプル管を自動吸着装置にセットし、死容積測定後、下記条件にて吸着等温線の測定を行った。
・温度条件:測定温度:10℃、恒温槽温度:40℃
・吸着平衡時間:20分
・吸着質:ベンゼン(10℃での飽和蒸気圧:45.5Torr)
・細孔分布曲線の解析
上記測定法により、ベンゼンの吸着等温線を求め、吸着側データをJISーK1150に準拠してドリモアヒールの解析法[D.Dollimore,G.R.Heal,J.Appl.Chem.,14.109 (1964)]により細孔分布曲線を測定した。尚、分析の際に必要な標準等温線(ベンゼン、25℃)はJOURNAL OF COLLOID AND INTERFACE SCIENCE 165,532−535(1994)記載のデータを使用し、ベンゼンの飽和蒸気圧を解析時に確認し、変動がある場合は飽和蒸気圧の補正を行った。
・細孔ピ−クおよび細孔ピーク半径の測定:
細孔分布曲線より、ΔVp/ΔRpの最大値を示すところを細孔ピークとし、その細孔ピークでの半径を細孔ピーク半径としてnm表示で表す。その例は図1〜3に示されている。
【0079】
試験例2
吸油量測定法
JISK6217−4(ゴム用カーボンブラック−基本特性)に規定の方法に準拠して吸油量を測定した。JISK6217−4による吸油量は無水の乾燥シリカに関する。ただし本発明では、試料の本来所持している物性という観点から試料を前処理し、105℃での乾燥原料が0%で測定しているが、本発明では実使用時の使用性という観点から、市販品は乾燥処理なしで、実施例の非晶質シリカ粒子は、流通用の乾燥処理のみで吸油量測定に供試した。
【0080】
さらに、下式でDBP滴下速度に対する吸油量の変化の指標(吸油指標1)および吸油速度の影響(吸油指標2)を求めた。
指標1:DBP滴下速度に対する吸油量の変化の指標
吸油指標1[分/100g]=
(滴下速度7ml/分時の吸油量[ml/100g]−滴下速度2ml/分時の吸油量[ml/100g])/5[ml/分]式(I)
上記式(I)の指標1の値が低いほど、硬くて強い構造を有する吸油速度の高い非晶質シリカ粒子といえる。
吸油指標2
指標2=(滴下速度7ml/分時の吸油量[ml/100g]−滴下速度4ml/分時の吸油量[ml/100g])/ (滴下速度4ml/分時の吸油量[ml/100g]−滴下速度2ml/分時の吸油量[ml/100g]) (II)
第1表に実施例1、2および比較例1〜3の滴下速度、指標1、滴下速度4ml/分と2ml/分の吸油量の差(下記表中「A」)、滴下速度7ml/分と4ml/分の吸油量の差(下記表中「B」)を示す。
【0081】
【表1】

指標1:数値は小さく、粒子は硬く、高い吸油速度を有する。
指標2:数値が1以上の場合、構造因子を除いた上で、吸油速度が低い。値が1以下の場合、構造因子を除いた上で、吸油速度が高い。
【0082】
上記の結果より、実施例1および2の非晶質シリカ粒子の細孔ピーク半径は、30nm以上90nm以下であった。一方、比較例1〜3の細孔ピーク半径は、上記範囲外であった。またΔVp/ΔRpの最大値は、図1〜5に示すように、実施例1および2においては30mm/nm・g−1以上であった。一方、比較例2の非晶質シリカ粒子は、明確な細孔ピークが観察されなかった。
【0083】
比較例1および3は、細孔ピーク半径が小さく、滴下速度の2ml/分および7ml/分の吸油量から算出した指標1の値は比較的小さい。しかし吸油速度の指標である指標2の値は1以上で吸油速度は低い。すなわち、非晶質シリカ粒子は構造は硬いものの、吸油速度は低い。一方、比較例2に関しては、粒子は特定の細孔ピーク半径をもたず、高いオープン構造をとっていると考えられた。指標1の値は大きく、かつ指標2は1以下であり、吸油速度は高いものの、構造は弱く、壊れやすい非晶質シリカ粒子である。
【0084】
実施例1および2に関しては、総合指標は比較例1および3と同等であり、指標2は比較例2と同等に低かった。従ってこれらの粒子は硬くて構造的に強く、吸油速度の高い非晶質シリカ粒子であることが明らかとなった。
【0085】
試験例3
比表面積測定法[窒素吸着法]
比表面積は窒素吸着法により測定し、細孔ピーク半径はベンゼン吸着法より算出した値を用いた。詳しくは以下の方法より算出した。
【0086】
160℃で90分間真空脱気した試料を、日本ベル(株)製全自動比表面積/細孔分布測定装置BELSORP 28を用いて、窒素ガスの吸着等温線を測定し、BET法より算出した。(参考文献:S.Brunauer,P.H.Emmett,E.Teller,J.Amer.Chem.Soc.,60,309(1938))
試験例4
平均粒径[体積平均径]測定法
コールター社のマルチサイザー−IIを用い、適当なアパーチャーチューブを選択して測定した。
【0087】
試験例5
ビタミンE吸油量測定法
全容量2Lを有するBENCH KNEADER(入江商会製)に直径1mmの孔を開けたビタミンE滴下用のパイプを装着する。次に約1Lのシリカをニーダー内に充填し、約60から80℃に加温して粘度を低下させたビタミンEをシリカに滴下しながら撹拌し、吸油させる。吸油時に生じたダマの解砕のため、吸油後のシリカをジューサーミキサーで30〜60秒撹拌する。
【0088】
評価方法:柴田科学社製の小型粉砕機(パーソナルミル、SCM−40A型)にビタミンEを吸収した粒子を2〜5g入れ、約30秒撹拌した。粒子の状態を観察し、粒子の外観が微粉末から微粒状、若しくは白色から黄白色に変化する直前の吸油量の値を最大吸着量とした。次いでビタミンEの吸油量を以下の式から算出した。
最大吸着量=ビタミンE吸着量(g)/吸着前非晶質シリカ粒子の重量(g)。
【0089】
比表面積、平均粒径、ビタミンE吸収量の測定結果を第2表に示す。
【0090】
【表2】

【0091】
非晶質シリカ粒子の比表面積は、200〜240(m/g)であり、また平均粒子径は2〜12μmであった。ビタミンEの吸収量に関して、比較例1および3の非晶質シリカ粒子に比べ、実施例1および2の非晶質シリカ粒子のビタミンEの吸収量は高く、例1および2の非晶質シリカ粒子は液状の医薬、農薬等の吸着剤として有用であることが見出された。
【0092】
試験例6
塗料用艶消し剤としての非晶質シリカ粒子の応用
塗膜艶消し効果試験法
塗膜形成剤として2液形ポリウレタン塗料(関西ペイント(株)製 常乾形Retan PG80III Clear)を用いた。この2液形ポリウレタン塗料に試料を4部添加し、ディスパー分散機(安川電気製作所製のACマグネティックスターラー型式:HXI−7)を用いて2000rpmで15分間分散させた。次いでポリウレタン塗料用硬化剤(関西ペイント(株)製 常乾形Retan PG80III硬化剤)を混合し(塗料:硬化剤の比=90:10)、希釈剤(トルエン)を加え粘度調整した。次いでアプリケーター(上島製作所製のドクターブレード3mil)を用いて黒色光沢紙に材料を塗布し、該紙を60℃で硬化させ塗膜片を調製した。次いで日本電色工業(株)製のグロスメータ300Aを用いて60゜Gloss(光沢率(%))を測定した。
【0093】
艶消し効果の指標となる60°鏡面反射率(%)を実施例1、2および比較例1の非晶質シリカ粒子について測定した。
【0094】
測定した60°鏡面反射率(%)を第3表に示す。その結果、実施例1および2の反射率は、比較例1の反射率に比べ低く、艶消し効果が高いということが明らかとなった。
【0095】
【表3】

【0096】
試験例7:
「かさ密度」の測定
機器
1.ステンレス鋼ふるい(JIS標準認証ふるい)メッシュ幅:850ミクロン、直径:200mm、
2.ふるいホルダー(ステンレスまたはプラスチック)側面:250mm、長さ:250mm、高さ:150mm、
3.受け器(プラスチック)側面:330mm、長さ:270mm、深さ:10mm、
4.測定カップ(透明、プラスチック)容量:100±1mL、口径:50.0±10.2mm、深さ:51.0±0.2mm、厚さ:5mm、
5.スパチュラ(プラスチック)側面:120cm、長さ:40mm、厚さ:5mm、
6.スパチュラ(ステンレス)長さ:230mm。
【0097】
受け器を設置する。ふるいホルダーを受け器の上部に設置する。ふるいをふるいホルダー上に設置する。既知の質量の測定カップを受け器の中央に設置する。試料をふるいに移す。試料をスパチュラ(ステンレス)で滴加する。(幅:60〜70mm、速度:毎秒2回)。試料は測定カップ中で円すい形に堆積する。試料の測定カップのレベルを天秤により秤量する。
かさ密度=S/100 S:試料の質量
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】実施例1の非晶質シリカ粒子のベンゼン吸着等温線(細孔ピーク半径:42nm、Vp:2625mm・g−1)を示す図
【図2】実施例2の非晶質シリカ粒子のベンゼン吸着等温線(細孔ピーク半径:55nm、Vp:2578mm・g−1)を示す図
【図3】比較例1の非晶質シリカ粒子のベンゼン吸着等温線(細孔ピーク半径:15nm、Vp:2213mm・g−1)を示す図
【図4】比較例2の非晶質シリカ粒子のベンゼン吸着等温線(細孔ピーク半径:ピークなし、Vp:1000mm・g−1)を示す図
【図5】比較例3の非晶質シリカ粒子のベンゼン吸着等温線(細孔ピーク半径:12nm、Vp:3312mm・g−1)を示す図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベンゼン吸着等温線法により得た細孔分布曲線において、ΔVp/ΔRp値(但し、Vpは細孔容積[mm/g]、Rpは細孔半径[nm])の最大値が20mm/nm・g−1以上であり、かつΔVp/ΔRp値が最大であるときの細孔ピーク半径が20nm以上100nm以下であることを特徴とする非晶質シリカ粒子。
【請求項2】
ベンゼン吸着等温線法により得た細孔分布曲線において、ΔVp/ΔRp値(但し、Vpは細孔容積[mm/g]、Rpは細孔半径[nm])の最大値が30mm/nm・g−1以上であり、かつΔVp/ΔRp値が最大であるときの細孔ピーク半径が30nm以上90nm以下であることを特徴とする請求項1記載の非晶質シリカ粒子。
【請求項3】
JIS K6217−4(ゴム用カーボンブラック−基本特性)に規定の方法によって測定した吸油量が260ml/100g以上であることを特徴とする請求項1または2記載の非晶質シリカ粒子。
【請求項4】
JIS K6217−4(ゴム用カーボンブラック−基本特性)に規定の方法によって測定した吸油量が280ml/100g以上であることを特徴とする請求項3記載の非晶質シリカ粒子。
【請求項5】
JIS K6217−4(ゴム用カーボンブラック−基本特性)に規定の方法によって測定した吸油量が300ml/100g以上であることを特徴とする請求項4記載の非晶質シリカ粒子。
【請求項6】
JIS K6217−4(ゴム用カーボンブラック−基本特性)に規定の方法によって測定した吸油量が320ml/100g以上であることを特徴とする請求項5記載の非晶質シリカ粒子。
【請求項7】
指数1が9.5以下であることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項記載の非晶質シリカ粒子。
【請求項8】
指数2が1.2以下であることを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項記載の非晶質シリカ粒子。
【請求項9】
艶消し剤、医薬および/または農薬のための吸着剤(担体)、増量剤または各種ゴムの充填剤としての請求項1から8までのいずれか1項記載のシリカ粒子の使用。
【請求項10】
請求項1から8までのいずれか1項に記載の非晶質シリカ粒子を含む医薬または農薬のための吸着剤。
【請求項11】
請求項1から8までのいずれか1項に記載の非晶質シリカ粒子を含む塗料用艶消し剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−501179(P2007−501179A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522425(P2006−522425)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【国際出願番号】PCT/IB2004/002431
【国際公開番号】WO2005/012175
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(303061362)DSL.ジャパン株式会社 (2)
【Fターム(参考)】