高周波モジュール及びその製造方法
【課題】簡単な工程によって製造することができ、従って製造コストの安価な小型高周波モジュールを提供すること。
【解決手段】配線基板と、前記配線基板上に搭載された回路部品と、前記配線基板上に搭載され、前記配線基板によって前記回路部品に電気的に接続された導電性部材と、前記回路部品及び前記導電性部材の上側を覆う絶縁性部材と、前記絶縁性部材の上に形成され、前記導電性部材に交流的に結合した電極を含む導電膜を具備した高周波回路モジュール。
【解決手段】配線基板と、前記配線基板上に搭載された回路部品と、前記配線基板上に搭載され、前記配線基板によって前記回路部品に電気的に接続された導電性部材と、前記回路部品及び前記導電性部材の上側を覆う絶縁性部材と、前記絶縁性部材の上に形成され、前記導電性部材に交流的に結合した電極を含む導電膜を具備した高周波回路モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波モジュールに関し、特にアンテナを具備した無線通信用高周波モジュール及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信装置、特に近距離無線通信用の無線通信装置の小型化及び高機能化への要求が高まっている。このような要求に応えるためには、アンテナを具備し電磁波の送受信を行う高周波モジュール(以下、単に高周波モジュールと呼ぶ)の小型化が重要である。
【0003】
例えば、10cm以内の近距離で通信を行う非接触ICカードやICタグの小型化のためには、これらの機器に搭載される高周波モジュールの小型化が重要である。
【0004】
また、10m以内の近距離で装置間の接続を無線によって行う情報処理機器(例えば、ノートパソコン、PDA(Personal Digital Assistants)、及び携帯電話等)の小型化にも、これらの機器に搭載される高周波モジュールの小型化が重要である。
【0005】
近距離無線通信に用いられる高周波モジュールでは、通常、アンテナと送受信回路とが同一配線基板上に取り付けられる。しかしながら、アンテナ設置のためには送受信回路と同程度またはそれ以上のスペースが必要であり、高周波モジュールの小型化は困難であった。
【0006】
図1は、このような技術的課題に対して提案された半導体装置の分解組立斜視図である(特許文献1)。図1に示すように、この半導体装置では、アンテナとして機能する金属膜(アンテナパターン10)が形成された樹脂又はセラミック製の絶縁板(アンテナ板2)と、半導体素子4と、金属板6とが積層されている。
【0007】
アンテナ板2の表面には、アンテナとして機能し得るように形状が加工された金属膜(アンテナパターン10)が形成されている。半導体素子4は、表面側の端子12及び裏面側に端子(図示せず)が形成されている。表面側の端子12は、アンテナ板2に設けられた貫通孔を利用して、アンテナパターン10と電気的に接続される。一方、半導体素子4の裏面側の端子は、金属板6に電気的に接続される。これら、3つの部材が、接着剤14(半導体素子4の表面のみに図示)によって接着される。更に、接着されたこれらの部材は、周囲が樹脂又はキャップで覆われている。
【0008】
この半導体装置8では、アンテナ板2は半導体素子4の上に積層される。従って、アンテナ設置のための専用スペースを半導体素子4と同一平面上に設ける必要がないので、半導体装置8の小型化は容易である。
【0009】
しかし、この半導体装置8を組み立てるためには、アンテナ板2となる樹脂又はセラミック製の基板に、アンテナパターン10を形成し、且つアンテナパターン10を半導体素子4に接続するための貫通孔を開ける必要がある(尚、上記貫通孔には、金属が充填されると想定される。)。
【0010】
すなわち、半導体装置8を製造するためには、アンテナ板への貫通孔の形成とそれに続く貫通孔への金属の充填、更には貫通孔に充填された金属と半導体素子4に設けられた端子12Aの電気的接続という一連の作業が必要になると推認される。このような煩雑な作業は、製造コストの増加を招来する。
【0011】
一方、高周波無線回路を覆うシールドケースの一部を加工して、アンテナとして利用する無線装置も提案されている(特許文献2)。
【0012】
図2は、このような無線装置20の構成を説明する斜視図である。
【0013】
図2に示すように、無線装置20では、プリント配線基板22に設けられた高周波無線回路16がシールドケース18で覆われ、このシールドケース18の一部に、スロットアンテナとして動作する切欠き部24が設けられている。
【0014】
この無線装置20でも、プリント基板22の上にはアンテナは設けられない。従って、無線装置20の小型化も、容易である。更に、この無線装置20は、図1を参照して説明した半導体装置8とは異なり、アンテナ板2すなわちアンテナとして機能する特別な部材を用意することなく製造することができる。従って、製造コストの上昇は招来されないようにも考えられる。
【0015】
しかしながら、シールドケース18に設けられた切欠き部24が、マウンターによる無線装置20の組立てを困難にしていると推認される。何故ならば、マウンターは、真空吸着を利用して部品をピックアップしているからである。従って、無線装置20の組立工程を自動化することは困難であり、製造コストの上昇の招来は避けられない。
【特許文献1】特許第3398705号公報
【特許文献2】特開2004−159029号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
そこで、本発明の目的は、アンテナを備え電磁波の送受信を行う小型の高周波モジュールであって、簡単な工程によって製造でき、従って製造コストの安価な高周波モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の目的を達成するために、開示の高周波モジュールは、配線基板と、前記配線基板上に搭載された回路部品と、前記配線基板上に搭載され、前記配線基板によって前記回路部品に電気的に接続された導電性部材と、前記回路部品及び前記導電性部材の上側を覆う絶縁性部材と、前記絶縁性部材の上に形成され、前記導電性部材に交流的に結合した電極を含む導電性膜を具備している。
【発明の効果】
【0018】
開示の高周波モジュールによれば、製造工程が簡単で、従って製造コストの安価な高周波モジュールを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
【0020】
(実施の形態1)
本実施の形態は、回路部品と導電性部材をモールド樹脂で埋め込み、このモールド樹脂の頂上に導電膜を印刷してアンテナとした高周波モジュールに関する。
【0021】
(1)製造手順
図3乃至図6は、本実施の形態に従う高周波モジュール26の製造手順を説明する斜視図である。以下、本実施の形態に従う高周波モジュールの構成を、製造手順に従って説明する。
【0022】
(ステップ1)
まず、配線基板30を用意する(図3参照)。
【0023】
この配線基板30の表面には、後述する導電性部材及び回路部品をハンダ付けするためのパッド28,28´が設けられている。
【0024】
配線基板30としては、プリント基板(FR4−プリント基板)やLTCC基板を使用することができる。LTCC基板とは、低温同時焼成セラミック(Low Temperature Co-fired Ceramics)をベースとする配線基板のことである。
【0025】
配線基板30としてはベースが単層の配線基板を使用することもできるが、図3に図示された配線基板30は、複数の絶縁層が積層された多層配線基板である。
【0026】
図3に示す配線基板30では、最上層に、パッド28,28´と共に配線32,32´(実線で図示)が設けられている。一方、下層にも、配線32´´(破線で図示)が設けられている。図3には図示されていないが、導電膜の形状を工夫して、コンデンサやインダクタンス等の回路部品を下層の絶縁層に形成してもよい。
【0027】
尚、回路部品とは、コンデンサ、インダクタンス、抵抗、及び半導体集積回路等、電子回路を構成する部品を意味する。
【0028】
(ステップ2)
次に、パッド28,28´の上に、クリーム状のハンダをスクリーン印刷によって塗布する。
【0029】
(ステップ3)
次に、図4に示すように、回路部品34を、その端子が対応するパッド28に接するように、配線基板30の上に載置する。また、柱状の導電性部材36を、その底面がパッド28´に接するように、配線基板30の上に載置する。
【0030】
図4に図示された導電性部材36は、金属ブロックを三角柱状に成形した部材である。しかし、必ずしも金属の塊を成形して、導電性部材36とする必要はない。例えば、導電性部材36は金属板を曲げ加工して形成し、中空の構造としてもよい。
【0031】
また、導電性部材36は、必ずしも三角柱である必要はない。例えば、後述するように、円柱や角柱であってもよい。但し、導電性部材36は、頂上が平坦であることが好ましい。更に、導電性部材36は、その背丈が、全ての回路部品34より高いか、少なくても最も高い回路部品と同じ高さであることが好ましい。
【0032】
(ステップ4)
次に、リフロー処理によって、回路部品34及び導電性部材36を、配線基板30にハンダ付けする。
【0033】
回路部品34は、このリフロー処理によって、パッド28にハンダ付けされる。パッドにハンダ付けされた回路部品34は配線32,32´´によって互いに接続され、例えば発振器、変調器、復調器、増幅器、及びフィルタ等からなる無線通信回路ユニット38を形成する。
【0034】
一方、導電性部材36は、リフロー処理によってパッド28´にハンダ付けされる。パッド28´にハンダ付けされた導電性部材36は、配線32´によってこの無線通信回路ユニット38に接続される。
【0035】
(ステップ5)
次に、導電部材36より僅かに背が高い型枠(図示せず)の中に配線基板30を配置する。
【0036】
次に、この枠内に、流動化したモールド樹脂を流し込む。その後、モールド樹脂を硬化させ、モールド樹脂の硬化後上記枠を取り外す。
【0037】
モールド樹脂としては、例えばエポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂が好ましい。
【0038】
本ステップにより、導電性部材36及び回路部品34は、絶縁性のモールド樹脂40(レジンモールド)の中に埋め込まれる(図5参照)。図5に示すように、モールド樹脂40の上面42は平坦になる。また、導電性部材36の頂上は、薄いモールド樹脂層によって覆われる。
【0039】
尚、図5は、モールド樹脂40を透視した状態を描いた斜視図である(以下の図面でも、モールド樹脂は内部を透視した状態で描かれている。)。
【0040】
(ステップ6)
次に、モールド樹脂40の上面42にAgを主成分とする導電膜44を印刷する(図6参照)。導電膜44は、Ag以外の金属、例えばCuを主成分とするものであってもよい。導電膜44を印刷する方法としては、例えばスクリーン印刷法を使用することができる。
【0041】
図7は、図6のA−A線に於ける断面を矢印の方向から見た図である。図7に示すように、モールド樹脂40の上面42は平坦なので、導電膜44の印刷は容易である。
【0042】
図6に示すように、導電膜44は、平面アンテナ46と、導電性部材36に交流的に結合する電極48と、両者を電気的に接続する接続部50という機能の異なる3つ領域に区分することができる。
【0043】
上述したように電極48は、絶縁性の薄いモールド樹脂層を介して導電性部材36の上に配置されている(図7参照)。従って、電極48と導電性部材36は、薄いモールド樹脂を誘電体層とするコンデンサを形成する。
【0044】
このコンデンサが形成する容量結合によって、電極48は導電性部材36に交流的に結合する。その結果、平面アンテナとして機能する導電膜44が、回路部品34によって形成された無線通信回路ユニット38に接続される。尚、容量結合とは、コンデンサに流れる交流電流によって、一対の端子間が電気的に接続されることをいう(本実施の形態では、電極48及び導電性部材36が一対の端子に相当する。)。
【0045】
ところで、製造コストの削減のためには、広面積の配線基板上に複数の高周波モジュール26を同時に製造することが好ましい。この場合には、上記手順に従って配線基板上に複数の高周波モジュール26を同時に製造した後、個々のモジュールに対応して配線基板を分割する必要がある。
【0046】
以上の手順によって、平面アンテナ46を具備した高周波モジュール26が完成する。
【0047】
上記説明から明らかなように、本実施の形態では、回路部品34を埋め込んだモールド樹脂40の上に、導電膜44を印刷して平面アンテナとする。
【0048】
すなわち、アンテナは、モールド樹脂を介して回路部品上に積層される。従って、本実施の形態に従う高周波モジュール26は、小型化が容易である。
【0049】
また、平面アンテナ46は、印刷によって形成されるので、その製造手順は簡単である。
【0050】
更に、平面アンテナ46と無線通信回路ユニット38は、電極48と導電性部材36の交流的結合によって接続される。従って、モールド樹脂40に貫通孔を形成して、平面アンテナ46から無線通信回路ユニット38に達する配線を形成する必要もない。
【0051】
故に、本実施の形態に従えば、アンテナを備え電磁波の送受信を行う小型の高周波モジュールを簡単な工程で製造することができるので、その製造コストを安価にすることができる。
【0052】
上記手順を纏めると、以下のようになる。
【0053】
本実施の形態では、まず、回路部品34と導電性部材36とを、配線基板30の上に搭載し電気的に接続する。
【0054】
次に、電気的に接続された回路部品34と導電性部材36とをモールド樹脂40で埋め込む。
【0055】
次に、モールド樹脂40の上に導電膜44を印刷して、導電膜44の一部(電極48)を導電性部材36の上に配置し、高周波モジュール26を完成する。
【0056】
(2)動作
高周波モジュール26に於ける電波の送信は、次のように行われる。
【0057】
まず、無線通信回路ユニット38が、例えば2GHzの搬送波を発生し、入力された電気信号に従ってこの搬送波を変調する。
【0058】
無線通信回路ユニット38は、変調された搬送波すなわち高周波信号を増幅し、導電性部材36に供給する。導電性部材36は、容量結合により(導電膜44の一部を形成する)電極48にこの高周波信号を供給する。電極48に供給された高周波信号は、平面アンテナ46から空間中に電磁波を放射される。
【0059】
一方、高周波モジュール26による電波の受信は、次のように行われる。
【0060】
導電膜44に到達した電磁波は、平面アンテナ46によって吸収され、高周波電流を発生する。この高周波電流は、容量結合によって、電極48から導電性部材36に供給される。
【0061】
導電部材36に供給された高周波電流は、無線通信回路ユニット38に入力される。無線通信回路ユニット38は、この高周波電流に対して、増幅、フィルタリング、及び復調等の処理を施して出力する。
【0062】
上記動作から明らかなように、高周波モジュール26は、電磁波の送信及び受信を行う無線装置である。但し、高周波モジュール26は、電磁波の送信及び受信の何れか一方のみを行うものであってもよい。
【0063】
(3)装置構成
最後に、本実施の形態に従う高周波モジュール26の構成を纏める。
【0064】
本実施の形態に従う高周波モジュール26は、図6に示すように、配線基板30と、上記配線基板上に搭載された回路部品34を有している。
【0065】
また、本実施の形態に従う高周波モジュール26は、上記配線基板上に搭載され、上記配線基板30によって上記回路部品34に電気的に接続された導電性部材36を有している。
【0066】
そして、本実施の形態に従う高周波モジュール26は、上記回路部品34及び上記導電性部材36の上側を覆う絶縁性部材(モールド樹脂40)と上記絶縁性部材の上に形成され、上記導電性部材36に交流的に結合した電極を含む導電膜44を具備している。
【0067】
そして、上記導電膜44は、電磁波の送信及び受信を可能とするアンテナ機能を有している。
【0068】
(実施の形態2)
本実施の形態は、配線基板に取り付けられた回路部品をシールドケースで覆い、シールドケースと導電性部材の上に、アンテナとして好適な形状に導体箔が成形されたフレキシブル基板を貼り付けた高周波モジュールに関する。
【0069】
(1)製造手順
図8乃至図10は、本実施の形態に従う高周波モジュールの製造手順を説明する斜視図である。以下、本実施の形態に従う高周波モジュールの構成を、製造手順に従って説明する。
【0070】
(ステップ1)
実施の形態1で説明したステップ1乃至4と略同じ手順に従って、回路部品34と導電性部材36を配線基板30に取り付ける(図8参照)。但し、本実施の形態で使用する配線基板30は、後述するシールドケースを取り付けるためパッド28´´がその外縁に沿って設けられている点で、実施の形態1で使用する配線基板とは相違する。
【0071】
パッド28´´には、高周波モジュールが搭載される電子機器(携帯電話等)のグランドに接続可能な配線(図示せず)が接続されている。
【0072】
(ステップ2)
次に、導電性のシールドケース50を、その下縁がパッド28´´に重なるように、配線基板30の上に載置する(図9参照)。この時、導電性のシールドケース50の下縁には、クリーム状のハンダが付着されている。
【0073】
シールドケース50の上面及び側面は導電性の金属板で形成され、下面は開放されている。すなわち、シールドケース50は、箱の蓋と略同じ構造を有している。但し、完全な蓋形のままでは配線基板30に搭載した場合に、シールドケース50は、導電性部材側の角が導電性部材36に衝突してしまう。そこで、シールドケース50は、導電性部材を避けるように成型されている。(図9参照)。
【0074】
故に、シールドケース50を配線基板30に搭載しても、シールドケース50と導電性部材36の間には隙間が空き、両者が接触することはない。
【0075】
更に、シールドケース50の頂上は平坦に形成され、且つその高さは導電性部材36と同じに成形されている。
【0076】
図9は、シールドケース50を透視した状態を描いた斜視図である(以下の図面でも、シールドケース50は内部を透視した状態で描かれている。)。
【0077】
(ステップ3)
次に、リフロー処理によって、シールドケース50を、配線基板30にハンダ付けする。
【0078】
(ステップ4)
次に、その導体箔(導電膜)がアンテナとして機能とするように成形された、フィルム状のフレキシブル基板52(Flexible printed circuit; FPC)を用意する。
【0079】
このフレキシブル基板52を、その裏面に塗布された接着剤によって、シートケース50及び導電性部材36の頂上に貼り付ける(図10参照)。
【0080】
図11は、図10のA−A線に於ける断面を矢印の方向から見た図である。図11に示すように、シールドケース50及び導電性部材36双方の頂上(上面54,54´)は平坦で、しかも同じ高さである。従って、フレキシブル基板52を、シールドケース50及び導電性部材36の頂上に貼り付けることは容易である。
【0081】
フレキシブル基板52の導体箔56は、図10のように、平面アンテナ46と、導電性部材36に交流的に結合する電極48と、及び両者を電気的接続する接続部50として機能する3つの領域に区分することができる。この導体箔56と、導体箔56を担持する絶縁性のベースフィルム58によって、フレキシブル基板52は形成されている。
【0082】
上述したように、フレキシブル基板52は、シールドケース50及び導電性部材36の上に貼り付けられる。すなわち、フィルム状の絶縁性部材(ベースフィルム58)が、シールドケース及び導電性部材36双方の上面に亘って配置される。この時、電極48は、導電性部材36の真上に配置される。
【0083】
ところで、ベースフィルム58は極めて薄く、その厚さは高々10〜50μmである。従って、電極48と導電性部材36は、絶縁性のベースフィルム58を誘電体層としてコンデンサが形成する。このコンデンサによって、導電性部材36と導電箔56は交流的に結合する。
【0084】
以上の手順によって、平面アンテナ46を具備した高周波モジュール26が完成する。
【0085】
本実施の形態では、フレキシブル基板52をシートケース50の上に貼り付けるという簡単な工程によって、アンテナを高周波モジュールに取り付ける。また、容量結合によって、アンテナとなる導電箔56と導電性部材36が接続されるので、フレキシブル基板52に貫通孔を設けて配線を形成する必要はない。また、シールドケース50には切り欠き等の真空吸着を妨げるものがないので、マウンターを用いて、シールドケース50を配線基板30に搭載することができる。すなわち、本実施の形態に従うシールドケース50は、ピックアップ性に優れている。
【0086】
故に、本実施の形態によれば、アンテナを備え電磁波の送受信を行う小型の高周波モジュールを簡単な工程で安価に製造することできる。
【0087】
上記手順を纏めると、以下のようになる。
【0088】
本実施の形態では、まず、回路部品34と導電性部材36とを、配線基板30の上に搭載し電気的に接続する。
【0089】
次に、上記導電性部材36と電気的に接続された上記回路部品34を、導電性のシールドケース50で覆う。
【0090】
そして、上記シールドケース50と上記導電性部材36の上に、アンテナとして機能する導電箔56(導電膜)の形成された、フィルム状の絶縁性基板(ベースフィルム58)を貼り付ける。この時、上記導電箔の一部(電極)が上記導電性部材36の上に位置するように、絶縁性基板(ベースフィルム58)を貼り付ける。以上の手順によって、高周波モジュール60が完成する。
【0091】
(2)動作
本実施の形態に従う高周波モジュール60の動作は、実施の形態1に従う高周波モジュール26の動作と略同じである。
【0092】
但し、シールドケース50が、回路部品34によって形成される無線通信回路ユニット38をシールドして、外部との電磁干渉を防止する点で相違する。
【0093】
尚、本実施の形態では、フレキシブル基板52に形成された導電箔56とシールドケース50によって、夫々を放射板及び地板とするパッチアンテナが形成される。
【0094】
(3)装置構成
最後に、本実施の形態に従う高周波モジュール60の構成の要部を纏める。
【0095】
本実施の形態に従う高周波モジュール60は、図10に示すように、配線基板30と、上記配線基板上に搭載された回路部品34を有している。
【0096】
また、本実施の形態に従う高周波モジュール60は、上記配線基板上に搭載され、上記配線基板30によって上記回路部品34に電気的に接続された導電性部材36を有している。
【0097】
そして、本実施の形態に従う高周波モジュール60は、上記回路部品34及び上記導電性部材36の上側を覆う絶縁性部材(ベースフィルム58)と上記絶縁性部材の上に形成され、上記導電性部材に交流的に結合した電極48を含む導電膜(導電箔56)を具備している。
【0098】
(実施の形態3)
本実施の形態は、実施の形態2に従う高周波モジュールに於いて、シールドケースと導電性部材が一体化した高周波モジュールに関する。
【0099】
図12乃至図14は、本実施の形態に従う高周波モジュールの製造手順する斜視図である。
【0100】
図12は、配線基板30の上に回路部品34がハンダ付けされた後の状態を説明する斜視図である。図13は、回路部品34のハンダ付け後、シールドケース50と導電性部材36が一体化された構造体が配線基板30にハンダ付けされた状態を説明する斜視図である。図14は、シールドケース50及び導電性部材36が一体化された構造体の上面に、フレキシブル基板52が貼り付けられた状態を説明する斜視図である。すなわち、図14は、本実施の形態に従う高周波モジュール62の完成図である。
【0101】
本実施の形態に従う高周波モジュール62の製造手順及び構成は、実施の形態2に従う高周波モジュールの製造手順及び製造方法と略同じである。
【0102】
但し、本実施の形態に従う高周波モジュール62は、導電性部材36がシールドケース50と一体化している点で、実施の形態2に従う高周波モジュール60と相違する。すなわち、本実施の形態で使用する導電性部材36は、図13に示すように、中空の三角柱であり、その左側面を形成する導電板が延在してシールドケース50の左側面と一体化している。
【0103】
更に、この相違点に従って、導電性部材36を配線基板30にハンダ付けするためのパッド28´の形状も相違している(図12参照)。また、シールドケース50を配線基板30にハンダ付けするためのパッド28´´も、導電性部材36の左側面の直下まで延長されている。
【0104】
以上の相違点を除き、本実施の形態に従う高周波モジュール62と実施の形態2に従う高周波モジュール60の間には、構成上、特段の相違点はない。
【0105】
また、本実施の形態に従う高周波モジュール62の製造手順も、上記構成上の相違点に基づく手順の相違を除き、特段の相違点はない。
【0106】
本実施の形態で使用するシールドケース50と導電性部材36は、導電性材料によって一体の部品として形成される。従って、直流動作に対しては、導電性部材36は、シールドケース50と同電位になる。
【0107】
しかし、高周波領域では、導電性部材36は、一端が配線32によって回路部品34に接続され、他端がシールドケース50によって接地された負荷として振舞う。従って、導電性部材36は、その大きさ及び形状に応じて、特定の周波数で高周波電流を吸収し、他の周波数では高周波電流を反射する。すなわち、導電性部材36はフィルタとして機能する。
【0108】
故に、本実施の形態に従う高周波モジュール62に従えば、この導電性部材36のフィルタ機能を利用して、電磁波のフィルタリングを行うことができる。
【0109】
(実施の形態4)
本実施の形態は、箱の蓋と同じように矩形の上面と4つの側面を備えたシールドケースを具備した高周波モジュールに関する。
【0110】
図15は、本実施の形態に従う高周波モジュール64の斜視図である。
【0111】
本実施の形態では、シールドケース50が、箱の蓋形をしている。更に、導電性部材36も、細長い箱の蓋形をしている。そして、導電性部材36は、シールドケース50の横に並置される。
【0112】
その他の点では、本実施の形態に従う高周波モジュール60の構成は、実施の形態2に従う高周波モジュール60と特段の相違はない。
【0113】
(実施の形態5)
本実施の形態は、箱の蓋形のシールドケースと円柱状の導電性部材を有する高周波モジュールに関する。
【0114】
図16は、本実施の形態に従う高周波モジュール66の斜視図である。
【0115】
本実施の形態に従う高周波モジュール66も、実施の形態5と同様に、箱の蓋形のシールドケース50を備えている。一方、導電性部材36は箱の蓋形ではなく、円柱状である。
【0116】
その他の点では、本実施の形態に従う高周波モジュール66の構成は、実施の形態4に従う高周波モジュール64と略同じである。
【0117】
ところで、実施の形態1乃至5で例示したアンテナは、全て平面アンテナであった。しかし、開示の高周波モジュールに搭載可能なアンテナは、平面アンテナに限られない。例えば、スパイラルアンテナのような線状アンテナを、モールド樹脂やフレキシブル基板の上に形成してもよい。
【0118】
上記説明から明らかなように、開示の高周波モジュールは、小型でしかも製造コストが安価である。従って、開示の高周波モジュールは、例えば非接触ICカードやICタグ、或いは携帯電話等の情報処理機器へ搭載することができる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】アンテナ板と半導体素子と金属板が積層されて形成された半導体装置の構成を説明する図である。
【図2】高周波無線回路を覆うシールドケースにスロットアンテナが形成された無線装置の構成を説明する斜視図である。
【図3】実施の形態1に従う高周波モジュールの製造手順を説明する斜視図である(その1)。
【図4】実施の形態1に従う高周波モジュールの製造手順を説明する斜視図である(その2)。
【図5】実施の形態1に従う高周波モジュールの製造手順を説明する斜視図である(その3)。
【図6】実施の形態1に従う高周波モジュールの製造手順を説明する斜視図である(その4)。
【図7】実施の形態1に従う高周波モジュールの断面を説明する図である。
【図8】実施の形態2に従う高周波モジュールの製造手順を説明する斜視図である(その1)。
【図9】実施の形態2に従う高周波モジュールの製造手順を説明する斜視図である(その2)。
【図10】実施の形態2に従う高周波モジュールの製造手順を説明する斜視図である(その3)。
【図11】実施の形態2に従う高周波モジュールの断面を説明する図である。
【図12】実施の形態3に従う高周波モジュールの製造手順を説明する斜視図である(その1)。
【図13】実施の形態3に従う高周波モジュールの製造手順を説明する斜視図である(その2)。
【図14】実施の形態3に従う高周波モジュールの製造手順を説明する斜視図である(その3)。
【図15】実施の形態4に従う高周波モジュールの構成を説明する斜視図である。
【図16】実施の形態5に従う高周波モジュールの構成を説明する斜視図である。
【符号の説明】
【0120】
2・・・アンテナ板2 4・・・半導体素子
6・・・金属板 8・・・半導体装置
10・・・アンテナパターン 12・・・端子
14・・・接着剤 16・・・高周波無線回路
18・・・シールドケース 20・・・無線装置
22・・・プリント配線基板 24・・・切欠き部
26・・・(実施の形態1に従う)高周波モジュール
28,28´,28´´・・・パッド
30・・・配線基板 32,32´・・・配線
34・・・回路部品 36・・・導電性部材
38・・・無線通信回路ユニット 40・・・モールド樹脂
42・・・(モールド樹脂の)上面 44・・・導電膜
46・・・平面アンテナ 48・・・電極
50・・・シールドケース 52・・・フレキシブル基板
54,54´・・・上面 56・・・導電箔
58・・・ベースフィルム
60・・・(実施の形態2に従う)高周波モジュール
62・・・(実施の形態3に従う)高周波モジュール
64・・・(実施の形態4に従う)高周波モジュール
66・・・(実施の形態5に従う)高周波モジュール
68・・・リッジ基板
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波モジュールに関し、特にアンテナを具備した無線通信用高周波モジュール及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信装置、特に近距離無線通信用の無線通信装置の小型化及び高機能化への要求が高まっている。このような要求に応えるためには、アンテナを具備し電磁波の送受信を行う高周波モジュール(以下、単に高周波モジュールと呼ぶ)の小型化が重要である。
【0003】
例えば、10cm以内の近距離で通信を行う非接触ICカードやICタグの小型化のためには、これらの機器に搭載される高周波モジュールの小型化が重要である。
【0004】
また、10m以内の近距離で装置間の接続を無線によって行う情報処理機器(例えば、ノートパソコン、PDA(Personal Digital Assistants)、及び携帯電話等)の小型化にも、これらの機器に搭載される高周波モジュールの小型化が重要である。
【0005】
近距離無線通信に用いられる高周波モジュールでは、通常、アンテナと送受信回路とが同一配線基板上に取り付けられる。しかしながら、アンテナ設置のためには送受信回路と同程度またはそれ以上のスペースが必要であり、高周波モジュールの小型化は困難であった。
【0006】
図1は、このような技術的課題に対して提案された半導体装置の分解組立斜視図である(特許文献1)。図1に示すように、この半導体装置では、アンテナとして機能する金属膜(アンテナパターン10)が形成された樹脂又はセラミック製の絶縁板(アンテナ板2)と、半導体素子4と、金属板6とが積層されている。
【0007】
アンテナ板2の表面には、アンテナとして機能し得るように形状が加工された金属膜(アンテナパターン10)が形成されている。半導体素子4は、表面側の端子12及び裏面側に端子(図示せず)が形成されている。表面側の端子12は、アンテナ板2に設けられた貫通孔を利用して、アンテナパターン10と電気的に接続される。一方、半導体素子4の裏面側の端子は、金属板6に電気的に接続される。これら、3つの部材が、接着剤14(半導体素子4の表面のみに図示)によって接着される。更に、接着されたこれらの部材は、周囲が樹脂又はキャップで覆われている。
【0008】
この半導体装置8では、アンテナ板2は半導体素子4の上に積層される。従って、アンテナ設置のための専用スペースを半導体素子4と同一平面上に設ける必要がないので、半導体装置8の小型化は容易である。
【0009】
しかし、この半導体装置8を組み立てるためには、アンテナ板2となる樹脂又はセラミック製の基板に、アンテナパターン10を形成し、且つアンテナパターン10を半導体素子4に接続するための貫通孔を開ける必要がある(尚、上記貫通孔には、金属が充填されると想定される。)。
【0010】
すなわち、半導体装置8を製造するためには、アンテナ板への貫通孔の形成とそれに続く貫通孔への金属の充填、更には貫通孔に充填された金属と半導体素子4に設けられた端子12Aの電気的接続という一連の作業が必要になると推認される。このような煩雑な作業は、製造コストの増加を招来する。
【0011】
一方、高周波無線回路を覆うシールドケースの一部を加工して、アンテナとして利用する無線装置も提案されている(特許文献2)。
【0012】
図2は、このような無線装置20の構成を説明する斜視図である。
【0013】
図2に示すように、無線装置20では、プリント配線基板22に設けられた高周波無線回路16がシールドケース18で覆われ、このシールドケース18の一部に、スロットアンテナとして動作する切欠き部24が設けられている。
【0014】
この無線装置20でも、プリント基板22の上にはアンテナは設けられない。従って、無線装置20の小型化も、容易である。更に、この無線装置20は、図1を参照して説明した半導体装置8とは異なり、アンテナ板2すなわちアンテナとして機能する特別な部材を用意することなく製造することができる。従って、製造コストの上昇は招来されないようにも考えられる。
【0015】
しかしながら、シールドケース18に設けられた切欠き部24が、マウンターによる無線装置20の組立てを困難にしていると推認される。何故ならば、マウンターは、真空吸着を利用して部品をピックアップしているからである。従って、無線装置20の組立工程を自動化することは困難であり、製造コストの上昇の招来は避けられない。
【特許文献1】特許第3398705号公報
【特許文献2】特開2004−159029号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
そこで、本発明の目的は、アンテナを備え電磁波の送受信を行う小型の高周波モジュールであって、簡単な工程によって製造でき、従って製造コストの安価な高周波モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の目的を達成するために、開示の高周波モジュールは、配線基板と、前記配線基板上に搭載された回路部品と、前記配線基板上に搭載され、前記配線基板によって前記回路部品に電気的に接続された導電性部材と、前記回路部品及び前記導電性部材の上側を覆う絶縁性部材と、前記絶縁性部材の上に形成され、前記導電性部材に交流的に結合した電極を含む導電性膜を具備している。
【発明の効果】
【0018】
開示の高周波モジュールによれば、製造工程が簡単で、従って製造コストの安価な高周波モジュールを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
【0020】
(実施の形態1)
本実施の形態は、回路部品と導電性部材をモールド樹脂で埋め込み、このモールド樹脂の頂上に導電膜を印刷してアンテナとした高周波モジュールに関する。
【0021】
(1)製造手順
図3乃至図6は、本実施の形態に従う高周波モジュール26の製造手順を説明する斜視図である。以下、本実施の形態に従う高周波モジュールの構成を、製造手順に従って説明する。
【0022】
(ステップ1)
まず、配線基板30を用意する(図3参照)。
【0023】
この配線基板30の表面には、後述する導電性部材及び回路部品をハンダ付けするためのパッド28,28´が設けられている。
【0024】
配線基板30としては、プリント基板(FR4−プリント基板)やLTCC基板を使用することができる。LTCC基板とは、低温同時焼成セラミック(Low Temperature Co-fired Ceramics)をベースとする配線基板のことである。
【0025】
配線基板30としてはベースが単層の配線基板を使用することもできるが、図3に図示された配線基板30は、複数の絶縁層が積層された多層配線基板である。
【0026】
図3に示す配線基板30では、最上層に、パッド28,28´と共に配線32,32´(実線で図示)が設けられている。一方、下層にも、配線32´´(破線で図示)が設けられている。図3には図示されていないが、導電膜の形状を工夫して、コンデンサやインダクタンス等の回路部品を下層の絶縁層に形成してもよい。
【0027】
尚、回路部品とは、コンデンサ、インダクタンス、抵抗、及び半導体集積回路等、電子回路を構成する部品を意味する。
【0028】
(ステップ2)
次に、パッド28,28´の上に、クリーム状のハンダをスクリーン印刷によって塗布する。
【0029】
(ステップ3)
次に、図4に示すように、回路部品34を、その端子が対応するパッド28に接するように、配線基板30の上に載置する。また、柱状の導電性部材36を、その底面がパッド28´に接するように、配線基板30の上に載置する。
【0030】
図4に図示された導電性部材36は、金属ブロックを三角柱状に成形した部材である。しかし、必ずしも金属の塊を成形して、導電性部材36とする必要はない。例えば、導電性部材36は金属板を曲げ加工して形成し、中空の構造としてもよい。
【0031】
また、導電性部材36は、必ずしも三角柱である必要はない。例えば、後述するように、円柱や角柱であってもよい。但し、導電性部材36は、頂上が平坦であることが好ましい。更に、導電性部材36は、その背丈が、全ての回路部品34より高いか、少なくても最も高い回路部品と同じ高さであることが好ましい。
【0032】
(ステップ4)
次に、リフロー処理によって、回路部品34及び導電性部材36を、配線基板30にハンダ付けする。
【0033】
回路部品34は、このリフロー処理によって、パッド28にハンダ付けされる。パッドにハンダ付けされた回路部品34は配線32,32´´によって互いに接続され、例えば発振器、変調器、復調器、増幅器、及びフィルタ等からなる無線通信回路ユニット38を形成する。
【0034】
一方、導電性部材36は、リフロー処理によってパッド28´にハンダ付けされる。パッド28´にハンダ付けされた導電性部材36は、配線32´によってこの無線通信回路ユニット38に接続される。
【0035】
(ステップ5)
次に、導電部材36より僅かに背が高い型枠(図示せず)の中に配線基板30を配置する。
【0036】
次に、この枠内に、流動化したモールド樹脂を流し込む。その後、モールド樹脂を硬化させ、モールド樹脂の硬化後上記枠を取り外す。
【0037】
モールド樹脂としては、例えばエポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂が好ましい。
【0038】
本ステップにより、導電性部材36及び回路部品34は、絶縁性のモールド樹脂40(レジンモールド)の中に埋め込まれる(図5参照)。図5に示すように、モールド樹脂40の上面42は平坦になる。また、導電性部材36の頂上は、薄いモールド樹脂層によって覆われる。
【0039】
尚、図5は、モールド樹脂40を透視した状態を描いた斜視図である(以下の図面でも、モールド樹脂は内部を透視した状態で描かれている。)。
【0040】
(ステップ6)
次に、モールド樹脂40の上面42にAgを主成分とする導電膜44を印刷する(図6参照)。導電膜44は、Ag以外の金属、例えばCuを主成分とするものであってもよい。導電膜44を印刷する方法としては、例えばスクリーン印刷法を使用することができる。
【0041】
図7は、図6のA−A線に於ける断面を矢印の方向から見た図である。図7に示すように、モールド樹脂40の上面42は平坦なので、導電膜44の印刷は容易である。
【0042】
図6に示すように、導電膜44は、平面アンテナ46と、導電性部材36に交流的に結合する電極48と、両者を電気的に接続する接続部50という機能の異なる3つ領域に区分することができる。
【0043】
上述したように電極48は、絶縁性の薄いモールド樹脂層を介して導電性部材36の上に配置されている(図7参照)。従って、電極48と導電性部材36は、薄いモールド樹脂を誘電体層とするコンデンサを形成する。
【0044】
このコンデンサが形成する容量結合によって、電極48は導電性部材36に交流的に結合する。その結果、平面アンテナとして機能する導電膜44が、回路部品34によって形成された無線通信回路ユニット38に接続される。尚、容量結合とは、コンデンサに流れる交流電流によって、一対の端子間が電気的に接続されることをいう(本実施の形態では、電極48及び導電性部材36が一対の端子に相当する。)。
【0045】
ところで、製造コストの削減のためには、広面積の配線基板上に複数の高周波モジュール26を同時に製造することが好ましい。この場合には、上記手順に従って配線基板上に複数の高周波モジュール26を同時に製造した後、個々のモジュールに対応して配線基板を分割する必要がある。
【0046】
以上の手順によって、平面アンテナ46を具備した高周波モジュール26が完成する。
【0047】
上記説明から明らかなように、本実施の形態では、回路部品34を埋め込んだモールド樹脂40の上に、導電膜44を印刷して平面アンテナとする。
【0048】
すなわち、アンテナは、モールド樹脂を介して回路部品上に積層される。従って、本実施の形態に従う高周波モジュール26は、小型化が容易である。
【0049】
また、平面アンテナ46は、印刷によって形成されるので、その製造手順は簡単である。
【0050】
更に、平面アンテナ46と無線通信回路ユニット38は、電極48と導電性部材36の交流的結合によって接続される。従って、モールド樹脂40に貫通孔を形成して、平面アンテナ46から無線通信回路ユニット38に達する配線を形成する必要もない。
【0051】
故に、本実施の形態に従えば、アンテナを備え電磁波の送受信を行う小型の高周波モジュールを簡単な工程で製造することができるので、その製造コストを安価にすることができる。
【0052】
上記手順を纏めると、以下のようになる。
【0053】
本実施の形態では、まず、回路部品34と導電性部材36とを、配線基板30の上に搭載し電気的に接続する。
【0054】
次に、電気的に接続された回路部品34と導電性部材36とをモールド樹脂40で埋め込む。
【0055】
次に、モールド樹脂40の上に導電膜44を印刷して、導電膜44の一部(電極48)を導電性部材36の上に配置し、高周波モジュール26を完成する。
【0056】
(2)動作
高周波モジュール26に於ける電波の送信は、次のように行われる。
【0057】
まず、無線通信回路ユニット38が、例えば2GHzの搬送波を発生し、入力された電気信号に従ってこの搬送波を変調する。
【0058】
無線通信回路ユニット38は、変調された搬送波すなわち高周波信号を増幅し、導電性部材36に供給する。導電性部材36は、容量結合により(導電膜44の一部を形成する)電極48にこの高周波信号を供給する。電極48に供給された高周波信号は、平面アンテナ46から空間中に電磁波を放射される。
【0059】
一方、高周波モジュール26による電波の受信は、次のように行われる。
【0060】
導電膜44に到達した電磁波は、平面アンテナ46によって吸収され、高周波電流を発生する。この高周波電流は、容量結合によって、電極48から導電性部材36に供給される。
【0061】
導電部材36に供給された高周波電流は、無線通信回路ユニット38に入力される。無線通信回路ユニット38は、この高周波電流に対して、増幅、フィルタリング、及び復調等の処理を施して出力する。
【0062】
上記動作から明らかなように、高周波モジュール26は、電磁波の送信及び受信を行う無線装置である。但し、高周波モジュール26は、電磁波の送信及び受信の何れか一方のみを行うものであってもよい。
【0063】
(3)装置構成
最後に、本実施の形態に従う高周波モジュール26の構成を纏める。
【0064】
本実施の形態に従う高周波モジュール26は、図6に示すように、配線基板30と、上記配線基板上に搭載された回路部品34を有している。
【0065】
また、本実施の形態に従う高周波モジュール26は、上記配線基板上に搭載され、上記配線基板30によって上記回路部品34に電気的に接続された導電性部材36を有している。
【0066】
そして、本実施の形態に従う高周波モジュール26は、上記回路部品34及び上記導電性部材36の上側を覆う絶縁性部材(モールド樹脂40)と上記絶縁性部材の上に形成され、上記導電性部材36に交流的に結合した電極を含む導電膜44を具備している。
【0067】
そして、上記導電膜44は、電磁波の送信及び受信を可能とするアンテナ機能を有している。
【0068】
(実施の形態2)
本実施の形態は、配線基板に取り付けられた回路部品をシールドケースで覆い、シールドケースと導電性部材の上に、アンテナとして好適な形状に導体箔が成形されたフレキシブル基板を貼り付けた高周波モジュールに関する。
【0069】
(1)製造手順
図8乃至図10は、本実施の形態に従う高周波モジュールの製造手順を説明する斜視図である。以下、本実施の形態に従う高周波モジュールの構成を、製造手順に従って説明する。
【0070】
(ステップ1)
実施の形態1で説明したステップ1乃至4と略同じ手順に従って、回路部品34と導電性部材36を配線基板30に取り付ける(図8参照)。但し、本実施の形態で使用する配線基板30は、後述するシールドケースを取り付けるためパッド28´´がその外縁に沿って設けられている点で、実施の形態1で使用する配線基板とは相違する。
【0071】
パッド28´´には、高周波モジュールが搭載される電子機器(携帯電話等)のグランドに接続可能な配線(図示せず)が接続されている。
【0072】
(ステップ2)
次に、導電性のシールドケース50を、その下縁がパッド28´´に重なるように、配線基板30の上に載置する(図9参照)。この時、導電性のシールドケース50の下縁には、クリーム状のハンダが付着されている。
【0073】
シールドケース50の上面及び側面は導電性の金属板で形成され、下面は開放されている。すなわち、シールドケース50は、箱の蓋と略同じ構造を有している。但し、完全な蓋形のままでは配線基板30に搭載した場合に、シールドケース50は、導電性部材側の角が導電性部材36に衝突してしまう。そこで、シールドケース50は、導電性部材を避けるように成型されている。(図9参照)。
【0074】
故に、シールドケース50を配線基板30に搭載しても、シールドケース50と導電性部材36の間には隙間が空き、両者が接触することはない。
【0075】
更に、シールドケース50の頂上は平坦に形成され、且つその高さは導電性部材36と同じに成形されている。
【0076】
図9は、シールドケース50を透視した状態を描いた斜視図である(以下の図面でも、シールドケース50は内部を透視した状態で描かれている。)。
【0077】
(ステップ3)
次に、リフロー処理によって、シールドケース50を、配線基板30にハンダ付けする。
【0078】
(ステップ4)
次に、その導体箔(導電膜)がアンテナとして機能とするように成形された、フィルム状のフレキシブル基板52(Flexible printed circuit; FPC)を用意する。
【0079】
このフレキシブル基板52を、その裏面に塗布された接着剤によって、シートケース50及び導電性部材36の頂上に貼り付ける(図10参照)。
【0080】
図11は、図10のA−A線に於ける断面を矢印の方向から見た図である。図11に示すように、シールドケース50及び導電性部材36双方の頂上(上面54,54´)は平坦で、しかも同じ高さである。従って、フレキシブル基板52を、シールドケース50及び導電性部材36の頂上に貼り付けることは容易である。
【0081】
フレキシブル基板52の導体箔56は、図10のように、平面アンテナ46と、導電性部材36に交流的に結合する電極48と、及び両者を電気的接続する接続部50として機能する3つの領域に区分することができる。この導体箔56と、導体箔56を担持する絶縁性のベースフィルム58によって、フレキシブル基板52は形成されている。
【0082】
上述したように、フレキシブル基板52は、シールドケース50及び導電性部材36の上に貼り付けられる。すなわち、フィルム状の絶縁性部材(ベースフィルム58)が、シールドケース及び導電性部材36双方の上面に亘って配置される。この時、電極48は、導電性部材36の真上に配置される。
【0083】
ところで、ベースフィルム58は極めて薄く、その厚さは高々10〜50μmである。従って、電極48と導電性部材36は、絶縁性のベースフィルム58を誘電体層としてコンデンサが形成する。このコンデンサによって、導電性部材36と導電箔56は交流的に結合する。
【0084】
以上の手順によって、平面アンテナ46を具備した高周波モジュール26が完成する。
【0085】
本実施の形態では、フレキシブル基板52をシートケース50の上に貼り付けるという簡単な工程によって、アンテナを高周波モジュールに取り付ける。また、容量結合によって、アンテナとなる導電箔56と導電性部材36が接続されるので、フレキシブル基板52に貫通孔を設けて配線を形成する必要はない。また、シールドケース50には切り欠き等の真空吸着を妨げるものがないので、マウンターを用いて、シールドケース50を配線基板30に搭載することができる。すなわち、本実施の形態に従うシールドケース50は、ピックアップ性に優れている。
【0086】
故に、本実施の形態によれば、アンテナを備え電磁波の送受信を行う小型の高周波モジュールを簡単な工程で安価に製造することできる。
【0087】
上記手順を纏めると、以下のようになる。
【0088】
本実施の形態では、まず、回路部品34と導電性部材36とを、配線基板30の上に搭載し電気的に接続する。
【0089】
次に、上記導電性部材36と電気的に接続された上記回路部品34を、導電性のシールドケース50で覆う。
【0090】
そして、上記シールドケース50と上記導電性部材36の上に、アンテナとして機能する導電箔56(導電膜)の形成された、フィルム状の絶縁性基板(ベースフィルム58)を貼り付ける。この時、上記導電箔の一部(電極)が上記導電性部材36の上に位置するように、絶縁性基板(ベースフィルム58)を貼り付ける。以上の手順によって、高周波モジュール60が完成する。
【0091】
(2)動作
本実施の形態に従う高周波モジュール60の動作は、実施の形態1に従う高周波モジュール26の動作と略同じである。
【0092】
但し、シールドケース50が、回路部品34によって形成される無線通信回路ユニット38をシールドして、外部との電磁干渉を防止する点で相違する。
【0093】
尚、本実施の形態では、フレキシブル基板52に形成された導電箔56とシールドケース50によって、夫々を放射板及び地板とするパッチアンテナが形成される。
【0094】
(3)装置構成
最後に、本実施の形態に従う高周波モジュール60の構成の要部を纏める。
【0095】
本実施の形態に従う高周波モジュール60は、図10に示すように、配線基板30と、上記配線基板上に搭載された回路部品34を有している。
【0096】
また、本実施の形態に従う高周波モジュール60は、上記配線基板上に搭載され、上記配線基板30によって上記回路部品34に電気的に接続された導電性部材36を有している。
【0097】
そして、本実施の形態に従う高周波モジュール60は、上記回路部品34及び上記導電性部材36の上側を覆う絶縁性部材(ベースフィルム58)と上記絶縁性部材の上に形成され、上記導電性部材に交流的に結合した電極48を含む導電膜(導電箔56)を具備している。
【0098】
(実施の形態3)
本実施の形態は、実施の形態2に従う高周波モジュールに於いて、シールドケースと導電性部材が一体化した高周波モジュールに関する。
【0099】
図12乃至図14は、本実施の形態に従う高周波モジュールの製造手順する斜視図である。
【0100】
図12は、配線基板30の上に回路部品34がハンダ付けされた後の状態を説明する斜視図である。図13は、回路部品34のハンダ付け後、シールドケース50と導電性部材36が一体化された構造体が配線基板30にハンダ付けされた状態を説明する斜視図である。図14は、シールドケース50及び導電性部材36が一体化された構造体の上面に、フレキシブル基板52が貼り付けられた状態を説明する斜視図である。すなわち、図14は、本実施の形態に従う高周波モジュール62の完成図である。
【0101】
本実施の形態に従う高周波モジュール62の製造手順及び構成は、実施の形態2に従う高周波モジュールの製造手順及び製造方法と略同じである。
【0102】
但し、本実施の形態に従う高周波モジュール62は、導電性部材36がシールドケース50と一体化している点で、実施の形態2に従う高周波モジュール60と相違する。すなわち、本実施の形態で使用する導電性部材36は、図13に示すように、中空の三角柱であり、その左側面を形成する導電板が延在してシールドケース50の左側面と一体化している。
【0103】
更に、この相違点に従って、導電性部材36を配線基板30にハンダ付けするためのパッド28´の形状も相違している(図12参照)。また、シールドケース50を配線基板30にハンダ付けするためのパッド28´´も、導電性部材36の左側面の直下まで延長されている。
【0104】
以上の相違点を除き、本実施の形態に従う高周波モジュール62と実施の形態2に従う高周波モジュール60の間には、構成上、特段の相違点はない。
【0105】
また、本実施の形態に従う高周波モジュール62の製造手順も、上記構成上の相違点に基づく手順の相違を除き、特段の相違点はない。
【0106】
本実施の形態で使用するシールドケース50と導電性部材36は、導電性材料によって一体の部品として形成される。従って、直流動作に対しては、導電性部材36は、シールドケース50と同電位になる。
【0107】
しかし、高周波領域では、導電性部材36は、一端が配線32によって回路部品34に接続され、他端がシールドケース50によって接地された負荷として振舞う。従って、導電性部材36は、その大きさ及び形状に応じて、特定の周波数で高周波電流を吸収し、他の周波数では高周波電流を反射する。すなわち、導電性部材36はフィルタとして機能する。
【0108】
故に、本実施の形態に従う高周波モジュール62に従えば、この導電性部材36のフィルタ機能を利用して、電磁波のフィルタリングを行うことができる。
【0109】
(実施の形態4)
本実施の形態は、箱の蓋と同じように矩形の上面と4つの側面を備えたシールドケースを具備した高周波モジュールに関する。
【0110】
図15は、本実施の形態に従う高周波モジュール64の斜視図である。
【0111】
本実施の形態では、シールドケース50が、箱の蓋形をしている。更に、導電性部材36も、細長い箱の蓋形をしている。そして、導電性部材36は、シールドケース50の横に並置される。
【0112】
その他の点では、本実施の形態に従う高周波モジュール60の構成は、実施の形態2に従う高周波モジュール60と特段の相違はない。
【0113】
(実施の形態5)
本実施の形態は、箱の蓋形のシールドケースと円柱状の導電性部材を有する高周波モジュールに関する。
【0114】
図16は、本実施の形態に従う高周波モジュール66の斜視図である。
【0115】
本実施の形態に従う高周波モジュール66も、実施の形態5と同様に、箱の蓋形のシールドケース50を備えている。一方、導電性部材36は箱の蓋形ではなく、円柱状である。
【0116】
その他の点では、本実施の形態に従う高周波モジュール66の構成は、実施の形態4に従う高周波モジュール64と略同じである。
【0117】
ところで、実施の形態1乃至5で例示したアンテナは、全て平面アンテナであった。しかし、開示の高周波モジュールに搭載可能なアンテナは、平面アンテナに限られない。例えば、スパイラルアンテナのような線状アンテナを、モールド樹脂やフレキシブル基板の上に形成してもよい。
【0118】
上記説明から明らかなように、開示の高周波モジュールは、小型でしかも製造コストが安価である。従って、開示の高周波モジュールは、例えば非接触ICカードやICタグ、或いは携帯電話等の情報処理機器へ搭載することができる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】アンテナ板と半導体素子と金属板が積層されて形成された半導体装置の構成を説明する図である。
【図2】高周波無線回路を覆うシールドケースにスロットアンテナが形成された無線装置の構成を説明する斜視図である。
【図3】実施の形態1に従う高周波モジュールの製造手順を説明する斜視図である(その1)。
【図4】実施の形態1に従う高周波モジュールの製造手順を説明する斜視図である(その2)。
【図5】実施の形態1に従う高周波モジュールの製造手順を説明する斜視図である(その3)。
【図6】実施の形態1に従う高周波モジュールの製造手順を説明する斜視図である(その4)。
【図7】実施の形態1に従う高周波モジュールの断面を説明する図である。
【図8】実施の形態2に従う高周波モジュールの製造手順を説明する斜視図である(その1)。
【図9】実施の形態2に従う高周波モジュールの製造手順を説明する斜視図である(その2)。
【図10】実施の形態2に従う高周波モジュールの製造手順を説明する斜視図である(その3)。
【図11】実施の形態2に従う高周波モジュールの断面を説明する図である。
【図12】実施の形態3に従う高周波モジュールの製造手順を説明する斜視図である(その1)。
【図13】実施の形態3に従う高周波モジュールの製造手順を説明する斜視図である(その2)。
【図14】実施の形態3に従う高周波モジュールの製造手順を説明する斜視図である(その3)。
【図15】実施の形態4に従う高周波モジュールの構成を説明する斜視図である。
【図16】実施の形態5に従う高周波モジュールの構成を説明する斜視図である。
【符号の説明】
【0120】
2・・・アンテナ板2 4・・・半導体素子
6・・・金属板 8・・・半導体装置
10・・・アンテナパターン 12・・・端子
14・・・接着剤 16・・・高周波無線回路
18・・・シールドケース 20・・・無線装置
22・・・プリント配線基板 24・・・切欠き部
26・・・(実施の形態1に従う)高周波モジュール
28,28´,28´´・・・パッド
30・・・配線基板 32,32´・・・配線
34・・・回路部品 36・・・導電性部材
38・・・無線通信回路ユニット 40・・・モールド樹脂
42・・・(モールド樹脂の)上面 44・・・導電膜
46・・・平面アンテナ 48・・・電極
50・・・シールドケース 52・・・フレキシブル基板
54,54´・・・上面 56・・・導電箔
58・・・ベースフィルム
60・・・(実施の形態2に従う)高周波モジュール
62・・・(実施の形態3に従う)高周波モジュール
64・・・(実施の形態4に従う)高周波モジュール
66・・・(実施の形態5に従う)高周波モジュール
68・・・リッジ基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線基板と、
前記配線基板上に搭載された回路部品と、
前記配線基板上に搭載され、前記配線基板によって前記回路部品に電気的に接続された導電性部材と、
前記回路部品及び前記導電性部材の上側を覆う絶縁性部材と、
前記絶縁性部材の上に形成され、前記導電性部材に交流的に結合した電極を含む導電膜を、
具備した高周波回路モジュール。
【請求項2】
前記導電膜が、電磁波の送信及び受信を可能とするアンテナ機能を有することを特徴とする請求項1に記載の高周波モジュール。
【請求項3】
前記電極が、前記絶縁性部材を介して前記導電性部材の上に配置され、
前記電極と前記導電性部材の容量結合により、前記電極と前記導電性部材が交流的に結合していることを特徴とする請求項1又は2に記載の高周波回路モジュール。
【請求項4】
前記絶縁性部材は、
モールド樹脂で形成され、
前記回路部品及び前記導電性部材の双方を埋め込んでいることを、
特徴とする請求項1又は2に記載の高周波モジュール。
【請求項5】
前記モールド樹脂の上面が平坦であることを特徴とする請求項4に記載の高周波モジュール。
【請求項6】
前記導電膜が、前記モールド樹脂の上面に印刷されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の高周波モジュール。
【請求項7】
前記回路部品を覆い、前記導電性部材と同じ高さの導電性のシールドケースを有し、
前記シールドケースと前記導電性部材の上に、前記絶縁性部材が配置されていることを特徴とする請求項1乃至3に記載の高周波回路モジュール。
【請求項8】
前記導電性部材及び前記シールドケース双方の上面が平坦であることを特徴とする請求項7に記載の高周波モジュール。
【請求項9】
前記導電性部材と前記シールドケースは、一部が連結した一体の部材として形成されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の高周波モジュール。
【請求項10】
前記絶縁性部材がフィルム状であり、
前記シールドケース及び前記導電性部材双方の上面に亘って配置されていることを、
特徴とする請求項7乃至9に記載の高周波モジュール。
【請求項11】
フレキシブル基板によって、前記絶縁性部材及び前記導電膜が一体として形成されていることを特徴とする請求項10に記載の高周波モジュール。
【請求項12】
前記絶縁性部材が板状であり、
前記シールドケース及び前記導電性部材双方の上面に亘って配置されていることを特徴とする請求項7乃至9に記載の高周波モジュール。
【請求項13】
プリント基板又は低温焼成セラミック基板によって、前記絶縁性部材及び前記導電膜が一体として形成されていることを特徴とする請求項12に記載の高周波モジュール。
【請求項14】
前記導電膜が、平面アンテナを形成していることを特徴とする請求項1乃至13に記載の高周波モジュール。
【請求項15】
前記導電膜が、線状アンテナを形成していることを特徴とする請求項1乃至13に記載の高周波モジュール。
【請求項16】
前記線状アンテナが、配列アンテナを形成していることを特徴とする請求項15に記載の高周波モジュール。
【請求項17】
前記線状アンテナが、スパイラルアンテナを形成していることを特徴とする請求項15に記載の高周波モジュール。
【請求項18】
前記導電膜と前記シールドケースによって、夫々を放射板及び地板とするパッチアンテナが形成されていることを特徴とする請求項7に記載の高周波回路モジュール。
【請求項19】
回路部品と導電性部材とを、配線基板上に搭載して電気的に接続し、
電気的に接続された前記回路部品と前記導電性部材とをモールド樹脂で埋め込み、
前記モールド樹脂の上に、アンテナとして機能する導電膜を印刷して、前記導電膜の一部を前記導電性部材の上に配置する、
高周波モジュールの製造方法。
【請求項20】
回路部品と導電性部材とを、配線基板上に搭載し電気的に接続し、
前記導電性部材と電気的に接続された前記回路部品を導電性のシールドケースで覆い、
前記シールドケースと前記導電性部材の上に、アンテナとして機能する導電膜の形成されたフィルム状又は板状の絶縁性基板を貼り付けて、
前記導電膜の一部が、前記導電性部材の上に配置されるようにする、
高周波モジュールの製造方法。
【請求項1】
配線基板と、
前記配線基板上に搭載された回路部品と、
前記配線基板上に搭載され、前記配線基板によって前記回路部品に電気的に接続された導電性部材と、
前記回路部品及び前記導電性部材の上側を覆う絶縁性部材と、
前記絶縁性部材の上に形成され、前記導電性部材に交流的に結合した電極を含む導電膜を、
具備した高周波回路モジュール。
【請求項2】
前記導電膜が、電磁波の送信及び受信を可能とするアンテナ機能を有することを特徴とする請求項1に記載の高周波モジュール。
【請求項3】
前記電極が、前記絶縁性部材を介して前記導電性部材の上に配置され、
前記電極と前記導電性部材の容量結合により、前記電極と前記導電性部材が交流的に結合していることを特徴とする請求項1又は2に記載の高周波回路モジュール。
【請求項4】
前記絶縁性部材は、
モールド樹脂で形成され、
前記回路部品及び前記導電性部材の双方を埋め込んでいることを、
特徴とする請求項1又は2に記載の高周波モジュール。
【請求項5】
前記モールド樹脂の上面が平坦であることを特徴とする請求項4に記載の高周波モジュール。
【請求項6】
前記導電膜が、前記モールド樹脂の上面に印刷されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の高周波モジュール。
【請求項7】
前記回路部品を覆い、前記導電性部材と同じ高さの導電性のシールドケースを有し、
前記シールドケースと前記導電性部材の上に、前記絶縁性部材が配置されていることを特徴とする請求項1乃至3に記載の高周波回路モジュール。
【請求項8】
前記導電性部材及び前記シールドケース双方の上面が平坦であることを特徴とする請求項7に記載の高周波モジュール。
【請求項9】
前記導電性部材と前記シールドケースは、一部が連結した一体の部材として形成されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の高周波モジュール。
【請求項10】
前記絶縁性部材がフィルム状であり、
前記シールドケース及び前記導電性部材双方の上面に亘って配置されていることを、
特徴とする請求項7乃至9に記載の高周波モジュール。
【請求項11】
フレキシブル基板によって、前記絶縁性部材及び前記導電膜が一体として形成されていることを特徴とする請求項10に記載の高周波モジュール。
【請求項12】
前記絶縁性部材が板状であり、
前記シールドケース及び前記導電性部材双方の上面に亘って配置されていることを特徴とする請求項7乃至9に記載の高周波モジュール。
【請求項13】
プリント基板又は低温焼成セラミック基板によって、前記絶縁性部材及び前記導電膜が一体として形成されていることを特徴とする請求項12に記載の高周波モジュール。
【請求項14】
前記導電膜が、平面アンテナを形成していることを特徴とする請求項1乃至13に記載の高周波モジュール。
【請求項15】
前記導電膜が、線状アンテナを形成していることを特徴とする請求項1乃至13に記載の高周波モジュール。
【請求項16】
前記線状アンテナが、配列アンテナを形成していることを特徴とする請求項15に記載の高周波モジュール。
【請求項17】
前記線状アンテナが、スパイラルアンテナを形成していることを特徴とする請求項15に記載の高周波モジュール。
【請求項18】
前記導電膜と前記シールドケースによって、夫々を放射板及び地板とするパッチアンテナが形成されていることを特徴とする請求項7に記載の高周波回路モジュール。
【請求項19】
回路部品と導電性部材とを、配線基板上に搭載して電気的に接続し、
電気的に接続された前記回路部品と前記導電性部材とをモールド樹脂で埋め込み、
前記モールド樹脂の上に、アンテナとして機能する導電膜を印刷して、前記導電膜の一部を前記導電性部材の上に配置する、
高周波モジュールの製造方法。
【請求項20】
回路部品と導電性部材とを、配線基板上に搭載し電気的に接続し、
前記導電性部材と電気的に接続された前記回路部品を導電性のシールドケースで覆い、
前記シールドケースと前記導電性部材の上に、アンテナとして機能する導電膜の形成されたフィルム状又は板状の絶縁性基板を貼り付けて、
前記導電膜の一部が、前記導電性部材の上に配置されるようにする、
高周波モジュールの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−290553(P2009−290553A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−140984(P2008−140984)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(398067270)富士通メディアデバイス株式会社 (198)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(398067270)富士通メディアデバイス株式会社 (198)
【Fターム(参考)】
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