説明

高周波伝送用ロータリージョイント

【課題】 回転支持部側への高周波漏れを大幅に低減して回転支持部側での放電や材質劣化を回避でき、小型化しても大電力高周波を伝送可能である高周波伝送用ロータリージョイントを提供する。
【解決手段】 端面が一定の隙間15を隔てて直列に接続され、同心の軸心を中心に相対的に回転可能であり、内部に高周波伝送用の中空の導波路を有する1対の導波管12、14と、導波管の外部に設けられその相対的回転を支持し、かつ導波管内に封入したガスが隙間から漏れるのを防止する回転支持部20とを備えた高周波伝送用ロータリージョイントであって、隙間15から回転支持部まで内部空間が連通するチョーク構造部40を有する。このチョーク構造部は、隙間15に一端が連通し高周波の侵入を低減するチョーク空洞41と、チョーク空洞内に形成される磁場が弱い位置に一端46aが連通し、他端が回転支持部まで連通するシール空洞46とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線治療装置等に用いる高周波伝送用ロータリージョイントに関する。
【背景技術】
【0002】
マグネトロンやクライストロンで発生したマイクロ波を用いた放射線治療装置として、例えば[特許文献1]が開示されている。また、本発明の関連する高気圧気体中の放電に関しては、[非特許文献1]に記載されている。
【0003】
[特許文献1]の放射線治療装置は、図9に示すように、電子銃、線形加速器及びターゲットを有する照射ヘッド51と、この照射ヘッドを予め定めた球面座標上で支持しかつ移動させる支持移動機構52と、床に設置されるマイクロ波発振器53と、一端部がマイクロ波発振器に電磁気的に接続され他端部が線形加速器に電磁気的に接続される導波管部54と、照射ヘッド内に位置する導波管部に設けられるRF窓とを具備するものである。
【0004】
またこのような放射線治療装置において、各導波管部54は金属製の中空管であることから、複数の導波管部を回転可能にかつ電磁気的に接続するために、ロータリージョイントが用いられる。
このロータリージョイント(特許文献1におけるロータリRFカプラ)は、図10に示すように、導波管54の導波路はロータリージョイント56の回転部材に取り囲まれた回転スペース57a,57bに連通し、この中を管内モード2a(2b)でマイクロ波が導かれるようになっている。
なお、この図において、58は軸受を示し、59はλ/4波長チョークを示す。このようなロータリージョイント56と導波管部54との組み合わせにより、床等に固定されたクライストロン等の加速マイクロ波源から移動する照射ヘッドへ加速用のマイクロ波を円滑に供給することができる。
【0005】
【特許文献1】特開2003−175117号公報、「放射線治療装置」
【0006】
【非特許文献1】放電ハンドブック、電気学会、オーム社、P197-205
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した高周波伝播用ロータリージョイントでは、回転支持部へ高周波が漏れることによるベアリング部等での放電やシール材等の材質劣化を防ぐ必要がある。そのため、従来の高周波伝播用ロータリージョイントでは上述したλ/4波長チョーク59のようなチョーク構造を採用し、回転支持部側への高周波漏れを低減している。
しかし、近年の高周波機器における技術動向は大電力で小型の方向に向かっており、大電力高周波を伝送可能な機器が望まれている。このような大電力を伝送するようなロータリージョイントの場合には、上述したような一般的なチョーク構造では、回転支持部側への高周波漏れを低減しきれないため、小型化すると放電や材質劣化などを引き起こすおそれがあった。
【0008】
本発明はかかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、回転支持部側への高周波漏れを大幅に低減して回転支持部側での放電や材質劣化を回避でき、小型化しても大電力高周波を伝送可能である高周波伝送用ロータリージョイントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の発明If necessary please amend cliams roperty of the three-dimentional objwct.によれば、端面が一定の隙間を隔てて直列に接続され、同心の軸心を中心に相対的に回転可能であり、内部に高周波伝送用の中空の導波路を有する1対の導波管と、
前記導波管の外部に設けられ前記相対的回転を支持し、かつ前記隙間を気密にシールする回転支持部と、を備えた高周波伝送用ロータリージョイントであって、
前記隙間から回転支持部まで内部空間が連通するチョーク構造部を有し、該チョーク構造部は、
前記隙間に一端が連通し前記高周波の侵入を低減するチョーク空洞と、
該チョーク空洞内に形成される磁場が最も弱い位置に一端が連通し、他端が回転支持部まで連通するシール空洞とからなる、ことを特徴とする高周波伝送用ロータリージョイントが提供される。
【0010】
また本発明の第2の発明If necessary please amend cliams roperty of the three-dimentional objwct.によれば、端面が一定の隙間を隔てて直列に接続され、同心の軸心を中心に相対的に回転可能であり、内部に高周波伝送用の中空の導波路を有する1対の導波管と、
前記導波管の外部に設けられ前記相対的回転を支持し、かつ前記隙間を気密にシールする回転支持部と、を備えた高周波伝送用ロータリージョイントであって、
前記隙間から回転支持部まで内部空間が連通するチョーク構造部を有し、該チョーク構造部は、
前記隙間に一端が連通し前記高周波の侵入を低減するチョーク空洞と、
該チョーク空洞内に一端が連通し他端が回転支持部まで連通するシール空洞と、
該シール空洞内に位置し、前記1対の導波管間を電気的に導通させるRFコンタクトとからなる、ことを特徴とする高周波伝送用ロータリージョイントが提供される。
【0011】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記チョーク空洞は、前記隙間に一端が連通し、導波管の軸方向に延び、他端が前記隙間から前記高周波の1/4波長にほぼ相当する位置に位置する中空円筒形の第1空洞と、
該第1空洞の他端と一端が連通し、第1空洞の外側に円筒形の隔壁を隔てて軸方向に延び、他端が閉じた中空円筒形の第2空洞とからなる。
【0012】
第1の発明の好ましい実施形態によれば、前記シール空洞の一端は、第1隙間と第2隙間の連通部に形成される磁場が最も弱い位置又はその近傍に位置する。
【0013】
前記導波管間の隙間は、導波管内に形成される電場が最も弱い位置又はその近傍に位置する。
【0014】
前記チョーク空洞及びシール空洞は、内部に形成される磁場が放電限界より十分小さくなるように、寸法が設定されている。
【0015】
また第2の発明の好ましい実施形態によれば、前記RFコンタクトは、前記1対の導波管に接触し、導波管の軸心を中心とする導電性リング部材である。
前記RFコンタクトは、導電性が良く、回転にも支障をきたさない銅製の円形スプリングである。
【0016】
導波管内に、加圧されたSFガスを封入するのが好ましい。また前記導波管内を、真空状態に減圧してもよい。
【0017】
また、前記高周波は、周波数2GHz以上の大電力のマイクロ波である。
【発明の効果】
【0018】
第1の発明If necessary please amend cliams roperty of the three-dimentional objwct.によれば、高周波伝送用ロータリージョイントのチョーク構造部における高周波漏れは、回転支持部まで連通する内部空間(シール空洞)内に電磁波が誘導されることが原因で引き起こされる。この誘導される電磁波はシール空洞の先端位置での磁場の強さにより、シール空洞へと誘導される。従って、チョーク空洞内に形成される磁場が最も弱い位置にシール空洞の先端を配置することにより、回転支持部への電磁波の誘導を激減させることができる。
【0019】
ロータリージョイント内部の電磁場解析を行うことで、チョーク構造内部の磁場が0の位置を特定することが可能である。従って、磁場が0の位置(電界が集中している位置)に回転支持部に連通するシール空洞の先端を位置決めすることにより、シール空洞内への電磁波の誘導を抑止することができ、伝送している高周波の回転支持部側への漏れを激減することが可能となり、大電力の高周波を伝送するような場合においても、高周波漏れによる回転支持部側での放電や材質劣化などを回避することが可能となる。
【0020】
また第2の発明If necessary please amend cliams roperty of the three-dimentional objwct.によれば、シール空洞内に導波管間を電気的に導通させるRFコンタクトを設けることにより、RFコンタクトによりその部分の電場の発生を抑制し、RFコンタクトより奥への電磁場誘導を抑止することができる。
【0021】
そこで、導電性が良く、回転にも支障をきたさない銅製の円形スプリングなどをRFコンタクトとしてシール空洞中に設け、シール部や軸受部への高周波漏れを低減させることにより、放電や材質劣化といった問題の解決を可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0023】
図1は、非特許文献1に開示された隙間と交流放電電圧との関係図である。この図は、高気圧SF中における放電特性を示している。SF(6フッ化硫黄)は、電子を付着して負イオンになりやすい負性気体の1つであり、ガス絶縁方式の絶縁媒体として特に適している。また、大気絶縁と比較して高絶縁耐力を有するために機器の小型化ができる特徴を有する。
しかし、図1からわかるように、SFガスの絶縁耐力(交流放電電圧)は、大気圧よりも加圧するほど高まる。そのため、絶縁媒体としては加圧されたSFガスを用いることが好ましい。この交流放電電圧は、例えば2atm以上の加圧下では、隙間にほぼ比例して増大する。従って、隙間が小さいほど低い電圧で放電が起こることがわかる。
2atmのSFガス中における放電限界電圧は、電界形式や印加電圧形態により変動するが、約14MV/mである。従って、変動幅と安全係数を考慮して10MV/m以下であれば放電を回避できるといえる。
【0024】
図2は、従来のロータリージョイントの模式的断面図である。この図に示すように、従来のロータリージョイント1は、1対の導波管12、14、回転支持部20及びチョーク構造部30を備える。
1対の導波管12、14は、端面12a、14aが一定の隙間15を隔てて直列に接続され、同心の軸心Z-Zを中心に相対的に回転可能であり、内部に高周波伝送用の中空の導波路12b、14bを有する。
回転支持部20は、導波管12、14の外部に設けられた軸受22とガスシール24とからなり、軸受22で前記相対的回転を支持し、ガスシール24で隙間を気密にシールする。導波管12、14内には、好ましくは加圧されたSFガスを封入し、このガスが隙間15から漏れるのをガスシール24で防止する。なお導波管内を、真空状態に減圧してもよい。
チョーク構造部30は、前記隙間35から回転支持部20まで内部空間が連通し、高周波の侵入を低減するようになっている。
【0025】
図3は、図2に示した従来のチョーク構造部の拡大図である。この図は、周波数約11GHzの大電力マイクロ波を伝送する場合を示している。なお図中の各寸法は具体例である。
この図に示すように、従来のチョーク構造部30は、中空円筒形の第1空洞32及び第2空洞34と、第2空洞34から回転支持部20まで連通するシール空洞36とからなる。
中空円筒形の第1空洞32は、隙間35に一端が連通し、導波管12、14の軸方向に延びる。中空円筒形の第2空洞34は第1空洞32の他端と一端が連通し、第1空洞32の外側に円筒形の隔壁37を隔てて軸方向に延び、他端が閉じている。シール空洞36は、一端が第2空洞34の外方端に連通し、図示しない回転支持部20まで連通している。
【0026】
図4は、図3に示した従来のチョーク構造部内の電磁場のシミュレーション結果である。ここで曲線は等電位線、丸印は磁場の強さを表しており、円が大きいほど磁場が強い。また磁場の方向は○に×を重ねた記号が紙面に向かう方向、○が紙面から向かってくる方向である。
この図に示すように、A,B,C,D地点でそれぞれ電場は、10, 4.2, 8.3, 0.7MV/mとなる。
また、導波管壁面でのエネルギー損失は278W、チョーク構造部でのエネルギー損失は56Wであった。導波管全体の壁損失に比べ、チョーク構造部でのエネルギー損失が約20%に達し、かつ、チョーク構造部の最大電場は導波管端面の最大電場の約80%に達している。
従って、図4のシミュレーション結果から、従来のチョーク構造部はエネルギー損失が多く、かつ発生する最大電場が高いことがわかる。
【0027】
図5は、本発明の第1実施形態のロータリージョイントの断面図である。本発明のロータリージョイントは、マグネトロンやクライストロンで発生した大電力(10MW以上)で約11GHzの高周波を伝送するために用いる。
この図に示すように、本発明のロータリージョイント10は、1対の導波管12、14、回転支持部20及びチョーク構造部40を備える。
1対の導波管12、14は、端面12a、14aが一定の隙間15を隔てて直列に接続され、同心の軸心Z-Zを中心に相対的に回転可能であり、内部にマグネトロンやクライストロンで発生した高周波を伝送するための中空の導波路12b、14bを有する。回転支持部20は、導波管12、14の外部に設けられた軸受22とガスシール24とからなり、軸受22で前記相対的回転を支持し、ガスシール24で隙間を気密にシールする。導波管12、14内には、好ましくは加圧されたSFガスを封入し、このガスが隙間15から漏れるのをガスシール24で防止する。なお導波管内を、真空状態に減圧してもよい。
チョーク構造部40は、前記隙間35から回転支持部20まで内部空間が連通し、高周波の侵入を低減するようになっている。
【0028】
図6は、図5に示したチョーク構造部の拡大図と電磁場のシミュレーション結果である。なお図中の電場以外の数字は単位mmの寸法である。この例において、チョーク空洞41及びシール空洞46は、内部に形成される磁場が放電限界より十分小さくなるように寸法が設定されている。
【0029】
この図に示すように、本発明において、チョーク構造部40は、チョーク空洞41とシール空洞46とからなる。また導波管12、14の隙間15は、導波管内に形成される電界が最疎で磁場が最大の位置に位置する。
チョーク空洞41は、隙間15に一端が連通し高周波の侵入を低減する機能を有する。シール空洞46は、チョーク空洞41内に形成される電界が密で磁場が小の位置に一端46aが連通し、他端が回転支持部20まで連通する。
チョーク空洞41は、中空円筒形の第1空洞42及び第2空洞44からなる。中空円筒形の第1空洞42は、隙間15に一端42aが連通し、導波管12、14の軸方向に延び、他端42bが隙間15から高周波の1/4波長(約6.5mm)にほぼ相当する位置に位置する。中空円筒形の第2空洞44は、第1空洞42の他端42bと一端44aが連通し、第1空洞42の外側に円筒形の隔壁47を隔てて軸方向に延び、他端44bが閉じている。
シール空洞46の一端46aは、第1隙間42と第2隙間44の連通部に形成される電界が最密で磁場が最小の位置に位置する。
【0030】
図6に示すように、本発明においてチョーク構造部の最大電場は、6.9MV/mであり、導波管内の最大電場に対して約69%であり、従来の約80%から大幅に低減されている。また、シール空洞46の最大電場は約0.03MV/mであり、従来の0.7MV/mの約1/20以下となり、導波管内の最大電場に対して約0.3%に大幅に低減されている。
従って、回転支持部20に入り込む高周波エネルギーは、導波管内を伝送するエネルギーに対して非常に小さい(0.002%程度)ことがわかる。
【0031】
図4(従来例)と図6(本発明)を比較するとさらに以下のことがわかる。
従来例では、シール空洞36の隙間を微小(0.25mm)にしても回転支持部側に高周波が漏れていることがわかる。この隙間を更に狭くすることで高周波の漏れ量を減らすことが原理的にはできる。しかし、軸受やシールの精度、加工精度、同心度等の機械的な寸法誤差により、隙間を狭くすると局所放電の要因となる。
一方、本発明では、電場が最も強い位置に、回転支持部20へと繋がるシール空洞46を配置しているので、隙間が広くても高周波の漏れ量を減らすことができる。従って、本発明はシール空洞46の隙間が広く、隙間の大きさに対して漏れ出す高周波の漏れ量が左右されない点で非常に有益な構造となっている。
【0032】
本発明において隔壁47の右端(Rの部分)は、チョーク空洞41において最大電場の発生する場所である。実際の機械的精度や周波数変動により、最大電場は上昇する条件もあるため、この部分に発生する電場は極力抑える必要がある。
周波数変動が±5MHzあると、回転支持部側に漏れる電磁場強度は±10%変化する。そこで、隔壁47の右端のRを大きくすることで、電界分布の状態を緩和することが好ましい。
【0033】
図7は、本発明の第2実施形態のロータリージョイントの断面図であり、図8は、図6に示したチョーク構造部の拡大図である。この図において、13aはシール固定ピース、13bは軸受ナット、16は軸受固定ピースである。
【0034】
図8に示すように、本発明において、チョーク構造部40は、チョーク空洞41、シール空洞46及びRFコンタクト48からなる。
チョーク空洞41は、隙間15に一端が連通し高周波の侵入を低減する機能を有する。シール空洞46は、チョーク空洞41内に一端が連通し、他端が回転支持部20まで連通する。RFコンタクト48は、シール空洞46内に位置し、1対の導波管12、14の間を電気的に導通させる機能を有する。
【0035】
チョーク空洞41は、中空円筒形の第1空洞42及び第2空洞44からなる。中空円筒形の第1空洞42は、隙間15に一端が連通し、導波管12、14の軸方向に延び、他端が隙間15から高周波の1/4波長(約6.5mm)にほぼ相当する位置に位置する。中空円筒形の第2空洞44は、第1空洞42の他端と一端が連通し、第1空洞42の外側に円筒形の隔壁47を隔てて軸方向に延び、他端が閉じている。
【0036】
図8の実施例において、RFコンタクト48は、1対の導波管12、14に接触し、導波管の軸心を中心とする導電性リング部材である。この導電性リング部材は、例えば導電性が良く、回転にも支障をきたさない銅製の円形スプリングである。
RFコンタクト48は、1対の導波管12、14が軸心Z-Zを中心に相対的に回転可能であり、かつ導波管12、14の間を電気的に導通させる限りで、どのような構造でもよく、例えば導電性がありかつ導波管の少なくとも一方とスムースに摺動する金属製Oリング又はスリップリングであってもよい。
【0037】
上述した構成により、導波管12、14の間に高周波により発生する電場をRFコンタクト48により、その導通部分において0にすることができる。チョーク構造部における高周波漏れは、回転支持部まで連通する内部空間(シール空洞)内に電磁波が誘導されることが原因で引き起こされるので、シール空洞内に導波管間を電気的に導通させるRFコンタクトを設けることにより、RFコンタクトによりその部分の電場の発生を抑制し、RFコンタクトより奥への電磁場誘導を抑止することができる。
【0038】
なお、本発明は上述した実施例及び実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】非特許文献1に開示された隙間と交流放電電圧との関係図である。
【図2】従来のロータリージョイントの模式的断面図である。
【図3】従来のチョーク構造部の拡大図である。
【図4】従来のチョーク構造部内の電磁場のシミュレーション結果である。
【図5】本発明の第1実施形態のロータリージョイントの断面図である。
【図6】本発明のチョーク構造部の拡大図と電磁場のシミュレーション結果である。
【図7】本発明の第2実施形態のロータリージョイントの断面図である。
【図8】本発明のチョーク構造部の拡大図である。
【図9】特許文献1の「放射線治療装置」の全体模式図である。
【図10】特許文献1の「ロータリRFカプラ」の説明図である。
【符号の説明】
【0040】
1 ロータリージョイント、12、14 導波管、
12a、14a 端面、12b、14b 導波路、
15 隙間、20 回転支持部、22 軸受、24 ガスシール、
30 チョーク構造部、32 第1空洞、34 第2空洞、
36 シール空洞、37 隔壁、
40 チョーク構造部、41 チョーク空洞、42 第1空洞、
42a 一端、42b 他端、
44 第2空洞、44a 一端、44b 他端、
46 シール空洞、46a 一端、47 隔壁、
48 RFコンタクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端面が一定の隙間を隔てて直列に接続され、同心の軸心を中心に相対的に回転可能であり、内部に高周波伝送用の中空の導波路を有する1対の導波管と、
前記導波管の外部に設けられ前記相対的回転を支持し、かつ前記隙間を気密にシールする回転支持部と、を備えた高周波伝送用ロータリージョイントであって、
前記隙間から回転支持部まで内部空間が連通するチョーク構造部を有し、該チョーク構造部は、
前記隙間に一端が連通し前記高周波の侵入を低減するチョーク空洞と、
該チョーク空洞内に形成される磁場が最も弱い位置に一端が連通し、他端が回転支持部まで連通するシール空洞とからなる、ことを特徴とする高周波伝送用ロータリージョイント。
【請求項2】
端面が一定の隙間を隔てて直列に接続され、同心の軸心を中心に相対的に回転可能であり、内部に高周波伝送用の中空の導波路を有する1対の導波管と、
前記導波管の外部に設けられ前記相対的回転を支持し、かつ前記隙間を気密にシールする回転支持部と、を備えた高周波伝送用ロータリージョイントであって、
前記隙間から回転支持部まで内部空間が連通するチョーク構造部を有し、該チョーク構造部は、
前記隙間に一端が連通し前記高周波の侵入を低減するチョーク空洞と、
該チョーク空洞内に一端が連通し他端が回転支持部まで連通するシール空洞と、
該シール空洞内に位置し、前記1対の導波管間を電気的に導通させるRFコンタクトとからなる、ことを特徴とする高周波伝送用ロータリージョイント。
【請求項3】
前記チョーク空洞は、前記隙間に一端が連通し、導波管の軸方向に延び、他端が前記隙間から前記高周波の1/4波長にほぼ相当する位置に位置する中空円筒形の第1空洞と、
該第1空洞の他端と一端が連通し、第1空洞の外側に円筒形の隔壁を隔てて軸方向に延び、他端が閉じた中空円筒形の第2空洞とからなる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の高周波伝送用ロータリージョイント。
【請求項4】
前記シール空洞の一端は、第1隙間と第2隙間の連通部に形成される磁場が最も弱い位置又はその近傍に位置する、ことを特徴とする請求項3に記載の高周波伝送用ロータリージョイント。
【請求項5】
前記導波管間の隙間は、導波管内に形成される電場が最も弱い位置又はその近傍に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の高周波伝送用ロータリージョイント。
【請求項6】
前記チョーク空洞及びシール空洞は、内部に形成される磁場が放電限界より十分小さくなるように、寸法が設定されている、ことを特徴とする請求項1に記載の高周波伝送用ロータリージョイント。
【請求項7】
前記RFコンタクトは、前記1対の導波管に接触し、導波管の軸心を中心とする導電性リング部材である、ことを特徴とする請求項2に記載の高周波伝送用ロータリージョイント。
【請求項8】
前記RFコンタクトは、導電性が良く、回転にも支障をきたさない銅製の円形スプリングである、ことを特徴とする請求項2に記載の高周波伝送用ロータリージョイント。
【請求項9】
前記導波管内に、加圧されたSFガスを封入する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の高周波伝送用ロータリージョイント。
【請求項10】
前記導波管内を、真空状態に減圧する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の高周波伝送用ロータリージョイント。
【請求項11】
前記高周波は、周波数2GHz以上の大電力のマイクロ波である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の高周波伝送用ロータリージョイント。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2006−13578(P2006−13578A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−183324(P2004−183324)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000000099)石川島播磨重工業株式会社 (5,014)
【Fターム(参考)】