説明

高周波加熱装置における高周波電力測定装置

【課題】
従来、伝送された高周波電力を実測して、プラズマへ入射された電力を計測することや、伝送路の任意の場所での高周波電力を計測することで、特定範囲での伝送損失や伝送回路を構成する機器の異常損失(高周波放電等)を知ることができる高周波電力測定装置が存在していない。
【解決手段】
高周波電力検出部、吸収電力保持部、駆動部、断熱部、除熱部、検出器固定部、導波管、可動導波管及び真空排気ポートから構成される高周波電力測定装置であって、高周波電力測定時には、電力検出部を高周波伝送路の導波管内に移動させ、導波管内を伝搬する大電力高周波を直接検出部の誘電体に通過させ、そこで熱に変換された高周波電力を温度計で測定し、電力測定が終了すると電力検出部を移動して伝送路外に格納し、導波管ギャップを埋める構造の装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核融合装置の高周波加熱装置に係わり、特に高周波電力測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高周波加熱装置では、高温プラズマに大電力高周波を入射して、効率良く核融合反応が発生する1億度以上の超高温に加熱するひとつの目的がある。発振管や増幅器で生成されたMW級の高周波は、プラズマに到達するまでに伝送路等で損失し、発振した電力の全てがプラズマには入射できない。
【0003】
本発明の装置は、伝送された高周波電力を実測して、プラズマへ入射された電力を計測することや、伝送路の任意の場所での高周波電力を計測することで、特定範囲での伝送損失や伝送回路を構成する機器の異常損失(高周波放電等)を知ることができる。 従来の装置では、以下の方式(1)、(2)及び(3)で高周波電力測定が行われていた。
【0004】
(1) 伝送路の90°ベンド部のミラー部分に高周波の漏れる小さな穴を開けて、これから漏れ出る高周波を計測することにより、伝送電力を較正する方式(非特許文献1)。
(2) 主伝送路から高周波ビームを分枝して、全ての高周波をダミーロードと呼ばれる高周波吸収用円筒状タンクに入射して、内部で反射をくりかえさせることにより高周波を吸収、冷却水により除熱する。この発生熱から電力量を測定する方式(非特許文献2)。
【0005】
(3) 上記(2)と類似した構造であるが、高周波吸収用タンクの内部で反射をくりかえさせて除熱する方式ではなく、高周波ビームを高周波吸収用タンクの中心に入射、この高周波ビームを円錐上のアルミニウム反射板中心に入射することで高周波を散乱させ、円筒状セラミック製の測板で高周波を吸収、冷却水で除熱する。この発生熱から電力量を測定する方式。
【非特許文献1】I. A. Gorelov et al ; "Calorimetric Power Measurements of the DIII-D Gyrotron System, "Bull. Am Phys. Soc. 46, p. 302(2001)
【非特許文献2】Moeller,; C.P.; Prater,-R ; Lin, S.H.; "Components and transmission systems for ECH, " GA Technologies, Inc, San Diego, CA (USA).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記背景技術(1)の課題は
1) 高周波の偏波及びモード状態により電力量が変化する。
2) 穴より漏れ出た微小高周波を検波するため検波器を使用する。したがって検波器固有の性能に左右される。100GHz帯の検波器は特性が不安定で、経年変化や環境条件により一定の性能を維持できない。
【0007】
上記背景技術(2)の課題は
1) 主伝送路の高周波ビームの方向を変化させてダミーロード内にビームを入射しなければならないので、その過程での損失が生じる。
【0008】
2) ダミーロード内部に高周波が散乱するため、条件によっては真空度が上昇しやすく、放電を併発する可能性が大きい。
3) 小型、軽量化がしにくく、高所や煩雑な場所で簡単に設置ができない。
【0009】
4) 主伝送路に直接設置ができない。(高周波をダミーロードに導くため導波管切換器等で伝送路の変更が必要)
上記背景技術(3)の課題は
1) 主伝送路の高周波ビームの方向を変化させてダミーロード内にビームを入射しなければならないので、その過程での損失が生じる。
【0010】
2) 高周波ビームの中心軸が、円錐上のアルミニウム反射板の中心からずれるとある方向の一部に高周波が集中して円筒状セラミックが破損する。
3) セラミックが破損すると冷却水が伝送路である導波管内に漏れ出し、真空破壊と同時に導波管内の酸化と損傷が発生する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、主伝送路の導波管内を伝搬する大電力高周波を直接誘電体に通過させ、そこで熱に変換された高周波電力を測定するもので、全偏波、モードの異なる高周波でも高い精度で測定ができる。また、電力量に応じて最適な誘電正接値の誘電体を使用することで、誘電体検出部の温度上昇を制御できる装置である。
【0012】
上記全偏波とは、電界方向の向きで表現され、0〜360度のあらゆる偏波角を有するもので、直線偏波、楕円偏波、円偏波を意味している。又、上記誘電正接とは、物質を交流電界の中に置いた時、電界の変化にしたがって激しく向きを変える部分が存在すると、分子レベルで摩擦抵抗が生じて発熱が起きることであるが、誘電正接値とは、この発熱の大小を表す、誘電体の種類に固有な値である。
【0013】
従来技術で課題のあった装置内の冷却構造(冷却水漏れ)は、大電力高周波の影響が無い、発熱する電力検出部外にあり、電力測定終了後に検出部が伝送路から引き抜き位置に移動した時点で冷却媒体と接触することにより除熱する構造で解決している。
【0014】
即ち、本発明は、高周波電力検出部、吸収電力保持部、駆動部、断熱部、除熱部、検出器固定部、導波管、可動導波管及び真空排気ポートから構成される高周波電力測定装置であって、高周波電力測定時には、駆動部を作動させて電力検出部を高周波伝送路の導波管内に移動させ、導波管内を伝搬する大電力高周波を直接検出部の誘電体に通過させ、そこで熱に変換された高周波電力を温度計で測定し、測定温度に対して予め決められた関係から高周波電力を見出し、電力測定が終了すると電力検出部を移動して伝送路外に格納し、電力検出部挿入位置には、可動導波管が移動して伝送路の導波管ギャップを埋める構造を有することにより、伝送回路の高周波損失を増大させることなく、且つ測定器内に進入する漏れ高周波を減少させる高周波電力測定装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の高周波電力測定装置は、全偏波、全モードの電力計測が可能で、主伝送路のいずれの場所にでも設置ができ、主高周波伝送路の大電力伝送を妨害しない特色がある。これにより、伝送路の任意の場所での伝送効率測定や、全偏波に対応した高周波電力測定ができる利点がある。以下に特徴的な効果を示す。
【0016】
(1)偏波、モードの異なる高周波の電力測定ができる
(2)長い伝送路導波管においても任意の場所に設置ができる。
(3)電力検出部の断熱構造により高周波により発熱した熱が逃げないため、高精度の測定ができる。
【0017】
(4)電力検出部にペーパー状のヒーターを内蔵するため入熱較正が簡単にできる。
上記入熱較正とはつぎの意味である。誘電体に高周波が通過すると分子レベルで摩擦抵抗が生じて発熱するが、この時の発熱温度上昇を入熱量と表現する。本発明の装置では電気ヒーターを内蔵することで、通電した電圧と電流から高周波電力検出部に供給した電力が判り、この時の検出部の上昇温度を測定することで、供給電力と上昇温度の関係が判り、この較正値と誘電体に高周波が通過した時の温度から電力較正を行うが、かかる操作が入熱較正である。
【0018】
(5)大電力伝送時は電力検出部が可動して、任意で導波管ギャップを閉止する機能を装備したことにより、主伝送路の高周波伝送損失を増大させない、また測定器内に進入する漏れ高周波を最小限にできる効果がある。
【0019】
(6)高周波電力検出部の除熱は、主伝送路から引き抜いた位置で冷却部との接触で行い、設置場所の環境に応じて水冷/空冷どちらにも対応可能である。水冷の場合の冷却水流路は発熱する電力検出部外にあり、冷却水路の金属が機械的に破断されない限り、装置内への水漏れは無に近くできる。
【0020】
(7)MW級の大電力高周波電力の測定装置としては、小型、軽量、取付が簡単で、主伝送経路に直接結合ができ多様な環境で活用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
MW級大電力測定用高周波電力検出部では、誘電体素子に人工ダイヤモンドを使用する。理由は、熱伝導に優れ(ダイヤモンド検出部の発熱を逃がしやすい)、誘電体損失が小さい(大きな高周波電力がダイヤモンド検出部を通過しても発熱しにくい)ため、MW級大電力高周波電力測定に適している。
【0022】
高周波電力検出器は、高周波電力測定時のみに主高周波伝送路に挿入して、測定終了後には伝送路から引きだし冷却する。高周波伝送路に高周波電力検出器を挿入するために、導波管断面にギャップ(できるだけ狭いギャップの方が高周波伝送損失は小さい)を開けているが、高周波電力測定時外の場合は、主伝送路の導波管ギャップは、高周波電力検出器と入れ替わりに可動導波管が主伝送路に挿入固定されることで、主高周波伝送路の伝送損失を損なわずに全偏波、全モードに対応した大電力高周波電力測定装置が実現できる。導波管ギャップとは、導波管11a,11b間の設けられた切断部のギャップで、その切断部間に高周波電力検出部が測定時に挿入され、測定時外には引く上げられ、そのギャップを導波管と同径の可動導波管で密閉する。
【実施例】
【0023】
本発明の実施例を図1,図2により説明する。図1は、高周波電力測定時の高周波電力測定装置の縦断面図である。図2は、高周波電力測定時外の高周波電力測定装置の縦断面図である。 主構成要素は、高周波電力検出部1、吸収電力熱保持部2、断熱部3a、3b、駆動機構5、除熱部6、冷却接触子7、可動導波管12、電力検出部固定部13、電力較正用電気ヒーター19、温度計測用熱電対20が主な構成部品であり、高周波伝送経路に接続するために高周波伝送経路と同じ導波管11a、11bを本体外筒14に導波管用真空フランジ18を介して取付ける。導波管には、断面に狭いギャップ(できるだけ狭いギャップの方が測定精度上望ましいが、構造上の制約から3〜4mmとした)を開けることにより、図1に示すように高周波電力検出部1を挿入して、導波管を伝送する高周波電力を検出する。
【0024】
高周波検出部1は材料の選定と形状設計、製作精度が重要である。誘電体検出素子材料の選定では測定する高周波電力の大きさ、周波数に応じて、誘電正接の異なった誘電体を使用する。実施例では、110 GHz、1MW級、短パルスでの大電力高周波電力測定を前提として設計を行った。誘電体損失は、周波数と材料の誘電正接に比例するため、110GHzのような高い周波数になるほど誘電正接が低い材料が適している。このため、高周波検出部1の材料は、誘電体検出素子の発熱を除熱しやすく(熱伝導率が大きい〜10W/cmK)、また1MW級大電力高周波による発熱が比較的小さい(誘電正接〜5x10-4)人工ダイヤモンド(人工ダイヤモンドの中では比較的誘電正接が大きいものを選択している)を使用した。
【0025】
誘電体検出素子の厚さtは、
t=n・λL / 2 (t:厚さ n:整数)
λLは誘電体中での波長で真空中の波長をλ0とすると
λL=1/ √ε・λ0 (ε:誘電体の誘電率)
ここでの実施例では、ダイアモンド誘電率ε=5.68、周波数f=110GHzとして
λL / 2 = 0.572 (mm)
従って誘電体検出素子の厚さは、n=2で 1.14 mm、n=3で1.72 mmの厚さとなる。また、厚さが異なると誘電体素子部で反射波が生じるため、製作精度は±0.01mmとした。実施例では、n=2で 1.14 mm±0.01mmで製作した。
【0026】
検出部1の誘電体検出素子は導波管内を伝搬してきた高周波により発熱して、吸収電力熱保持部2に伝達される。熱は、温度計測用熱電対20、温度測定観測窓ポート16に取り付けた赤外温度計あるいは放射温度計等により計測する。吸収電力熱保持部2は断熱部3a、断熱部3b、真空断熱層で熱絶縁され、誘電体検出素子で熱に変換された高周波電力を発熱温度として、外部に逃さず計測することができる。
【0027】
断熱部3a、断熱部3bは誘電正接が小さい〔〜2x10-4/106 MHz 〕、熱伝導率が小さい〔〜3x10-3 W/cm・K〕、耐熱温度が高い〔〜150℃〕、真空中での放出ガス量が小さい〔〜2x10-8 Pa・m3・s-1・m-2〕材料を選択した。ここでの実施例では、ポリテトタラフロロエチレンを使用した。
【0028】
断熱部3bと電力検出部固定部13は、吸収電力熱保持部2を数mm(実施例では3〜4mm)の導波管ギャップに接しない構造と、意図しない大気開放や真空排気時の応力にも固定強度を有するため、断熱部3bと電力検出部固定部13は、固定部の断熱部3bへの挿入時に有効なテーパー構造と固定強度、固定精度に優れたはめ込み構造とした。また、導波管11a、11bのギャップ端面と可動導波管12の端面は高周波放電防止と良好な駆動動作を可能にするために面取り加工を施してある。したがって、可動導波管12は、導波管11a、11bと同径の管で構成されているので、高周波電力測定時外に検出部1が引き上げられと、伝送路の導波管ギャップを密閉する。
【0029】
電力測定終了後、図2に示すように高周波電力検出部1、吸収電力熱保持部2は可動して伝送路外に格納され、可動導波管12により、高周波電力検出部1が引きだされた位置に移動して固定される。可動導波管12により、高周波伝送経路の導波管ギャップを埋めるため、高周波伝送主回路の高周波伝送損失を増大させない効果が期待でき、電力測定時外では長パルス伝送、定常伝送にも対応できる構造とした。また、可動導波管12が規定の位置に移動、固定された位置で、吸収電力熱保持部2で保持された熱は、冷却水あるいは空冷(空冷フィン8と必要により設置する空冷ファン)により冷却された除熱部6に接触する構造により除熱される。冷却接触子7は接触面の改善のためインジウムを使用した。
【0030】
本体外筒14の真空シールは高周波遮蔽のため、全て金属ガスケット10a、10b、10c、10d、10eで構成、その他の真空シール部は溶接またロウ付けで製作した。また、電力測定時の導波管ギャップから、一部高周波が漏れ出すため本体外筒14内に漏れ高周波吸収用誘電体(誘電正接が大きい、耐熱性が高い、真空特性に優れている)、実施例ではSiC製セラミック円筒21a、21bを装着、本体外筒14内壁とは、放出ガスのガス排気のため約0.5mmの空間を開けて固定してある。このセラミック円筒は、導波管11aと導波管11bの中心軸ずれ精度を保持するための固定座の役割も有する。
【0031】
高周波電力検出部1の誘電体素子で熱に変換された高周波電力量の絶対値は、吸収電力熱保持部2に内蔵した電力較正用電気ヒーター19(ヒーター絶縁材は真空性能、耐熱性、耐電気絶縁性に優れたものが望ましく、実施例ではポリイミドシートを使用した)により、入熱較正を実施する。ここで検出された高周波電力量は、全高周波電力量の一部であり、全電力の較正では、全電力を吸収してその全熱量を測定する基準計測器により比較較正を実施する。実際の較正では、本高周波電力測定装置の下流側の導波管に基準計測器を取付て、伝送される高周波電力を同時測定することにより、比較換算して全電力量の絶対値を得る。
【0032】
本高周波電力測定装置は小型、軽量で、簡単な導波管脱着操作で、発振器出力近傍や数10〜100mになる大型核融合装置の長い伝送路や核融合プラズマ近傍の狭い場所においても設置できる利点がある。また、長い伝送路の始点と終点に設置することで、伝送損失が測定でき、長い伝送路内の不具合(放電等)についても数箇所設置すれば、異常箇所の判断にも貢献できる可能性を持つ。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の高周波電力測定装置は、核融合装置、大型加速器装置、高周波を利用した産業(たとえば高周波焼却炉等)、導波管で伝送させる高周波機器等において使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】は本発明の一実施例の高周波電力測定時の高周波電力測定装置の縦断面図である。
【図2】は本発明の一実施例の高周波電力測定時外の高周波電力測定装置の縦断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 ・・・高周波電力検出部
2 ・・・吸収電力熱保持部
3a・・・断熱部a
3b・・・断熱部b
4 ・・・誘電体駆動機構軸
5 ・・・駆動機構
6 ・・・除熱部
7 ・・・冷却接触子
8 ・・・空冷フィン
9 ・・・冷却水管
10a・・ 金属真空ガスケットa
10b・・ 金属真空ガスケットb
10c・・ 金属真空ガスケットc
10d・・ 金属真空ガスケットd
10e・・ 金属真空ガスケットe
11a・・・導波管
11b・・・導波管
12・・・可動導波管
13 ・・・電力検出部固定部
14 ・・・本体外筒
15 ・・・誘電体可動部真空フランジ
16・・・温度測定観測窓ポート
17・・・真空排気ポート
18 ・・・導波管用真空フランジ
19 ・・・電力較正用電気ヒーター
20 ・・・温度計測用熱電対
21a ・・・SiCセラミック円筒a
21b ・・・SiCセラミック円筒b


【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波電力検出部、吸収電力保持部、駆動部、断熱部、除熱部、検出器固定部、導波管、可動導波管及び真空排気ポートから構成され、導波管内を伝搬する大電力高周波を直接検出部の誘電体に通過させ、そこで熱に変換された高周波電力を測定することを特徴とする高周波電力測定装置。
【請求項2】
高周波電力検出部、吸収電力保持部、駆動部、断熱部、除熱部、検出器固定部、導波管、可動導波管及び真空排気ポートから構成され、主回路の導波管と一体化した特徴を有するため、高周波を伝送する導波管間に簡単に接続でき、長い伝送路においても任意の場所で高周波電力測定ができることにより、高周波電力検出器を伝送路の始点と終点との間の任意の位置に設置することで、伝送路の伝送損失が測定できることを特徴とする高周波電力測定装置。
【請求項3】
高周波電力検出部、吸収電力保持部、駆動部、断熱部、除熱部、検出器固定部、導波管、可動導波管及び真空排気ポートから構成される高周波電力測定装置であって、全偏波、全モードの電力計測が可能であることを特徴とする高周波電力測定装置。
【請求項4】
高周波電力検出部、吸収電力保持部、駆動部、断熱部、除熱部、検出器固定部、導波管、可動導波管及び真空排気ポートから構成される高周波電力測定装置であって、高周波電力部検出部は電力測定が終了すると電力検出部が移動し伝送路外に格納され、電力検出部挿入位置には、可動導波管が移動して伝送路の導波管ギャップを埋める構造を特徴とするため、主伝送回路の高周波損失を増大させることなく、且つ測定器内に進入する漏れ高周波を減少させる効果を特徴とする高周波電力測定装置。
【請求項5】
高周波電力検出部、吸収電力保持部、駆動部、断熱部、除熱部、検出器固定部、導波管、可動導波管及び真空排気ポートから構成される高周波電力測定装置であって、高周波電力検出器に測定電力の高低により、誘電正接の異なった誘電体を選択して用いることにより、大電力から低電力まで広範囲の測定を可能にしたことを特徴とする高周波電力測定装置。
【請求項6】
高周波電力検出部、吸収電力保持部、駆動部、断熱部、除熱部、検出器固定部、導波管、可動導波管及び真空排気ポートから構成され、高温プラズマにMW級大電力高周波電力を供給する高周波加熱装置の高周波電力測定装置であって、高周波電力検出に熱伝導に優れ、誘電正接が小さい誘電体を用いたこと、その代表として人工ダイヤモンドで製作したことを特徴とする高周波電力測定装置。
【請求項7】
高周波電力検出部、吸収電力保持部、駆動部、断熱部、除熱部、検出器固定部、導波管、可動導波管及び真空排気ポートから構成される高周波電力測定装置であって、高周波電力検出部と吸収電力熱保持部を一体化して断熱構造にしたことにより、高周波により発熱した誘電体の熱は吸収電力熱保持部へ熱伝達して均一になり保持され、その温度を計測後、高周波電力検出部と吸収電力熱保持部を測定位置より引き出し固定された位置で冷却除熱部と密着させ、除熱する構造で製作したことを特徴とする高周波電力測定装置。
【請求項8】
高周波電力検出部、吸収電力保持部、駆動部、断熱部、除熱部、検出器固定部、導波管、可動導波管及び真空排気ポートから構成される高周波電力測定装置であって、高周波電力検出部に電気ヒーターを内蔵したため入熱量較正が簡単にできることを特徴とする高周波電力測定装置。
【請求項9】
高周波電力検出部、吸収電力保持部、駆動部、断熱部、除熱部、検出器固定部、導波管、可動導波管及び真空排気ポートから構成される高周波電力測定装置であって、除熱部は放熱フィンと水冷却管が一体で構成され、空冷/水冷どちらも選択できる方式とし、使用環境に応じて空冷ファンを付属することで冷却効果を上げることができ、高周波電力検出部と吸収電力熱保持部の接点は、インジウムを介して除熱する構造で製作したことを特徴とする高周波電力測定装置。
【請求項10】
高周波電力検出部、吸収電力保持部、駆動部、断熱部、除熱部、検出器固定部、導波管、可動導波管及び真空排気ポートから構成される高周波電力測定装置であって、内部に一部漏洩した高周波による放電等の不具合を防止するために、誘電正接が大きい、耐熱性が高い、真空特性に優れている漏れ高周波吸収用誘電体を装着したことを特徴とする高周波電力測定装置。
















【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−132960(P2006−132960A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−319110(P2004−319110)
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【出願人】(505374783)独立行政法人 日本原子力研究開発機構 (727)