高周波用コイルアンテナ基板ユニット
【課題】基板に起因するアンテナのゲイン特性のロスや波長短縮を抑制する。
【解決手段】高周波コイルアンテナ(1)を基板(11)上に搭載した高周波用コイルアンテナ基板ユニットであって、高周波コイルアンテナ(1)のコイル(1a,1b)の直下部分の基板(11)に貫通穴(12a,12b)を設ける。
【効果】高周波コイルアンテナ(1)のコイル(1a,1b)の直下部分が貫通穴(12a,12b)なので、基板(11)の誘電体材料が無く、誘電率損や誘電正接の影響を抑制でき、基板(11)に起因するアンテナのゲイン特性のロスや波長短縮を抑制することが出来る。
【解決手段】高周波コイルアンテナ(1)を基板(11)上に搭載した高周波用コイルアンテナ基板ユニットであって、高周波コイルアンテナ(1)のコイル(1a,1b)の直下部分の基板(11)に貫通穴(12a,12b)を設ける。
【効果】高周波コイルアンテナ(1)のコイル(1a,1b)の直下部分が貫通穴(12a,12b)なので、基板(11)の誘電体材料が無く、誘電率損や誘電正接の影響を抑制でき、基板(11)に起因するアンテナのゲイン特性のロスや波長短縮を抑制することが出来る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波用コイルアンテナ基板ユニットに関し、さらに詳しくは、基板に起因するアンテナのゲイン特性のロスや波長短縮を抑制することが出来る高周波用コイルアンテナ基板ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高周波コイルアンテナを基板上に搭載した高周波用コイルアンテナ基板ユニットが知られている(例えば、特許文献1,特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−306137号公報
【特許文献2】特開2007−306198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の高周波用コイルアンテナ基板ユニットでは、基板の誘電体材料による誘電率損や誘電正接の影響により、アンテナのゲイン特性のロスや波長短縮を生じる問題点があった。
また、波長短縮には、高周波用コイルアンテナの単体での共振周波数を高めに設計して対応していたが、これはコイルのターン数を少なくしたり,コイル径を小さくしたりする方向であり、磁界および電界が減少する方向であることから、アンテナとしての特性が悪化する問題点があった。
そこで、本発明の目的は、基板に起因するアンテナのゲイン特性のロスや波長短縮を抑制することが出来る高周波用コイルアンテナ基板ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の観点では、本発明は、高周波コイルアンテナ(1)を基板(11)上に搭載した高周波用コイルアンテナ基板ユニットであって、前記高周波コイルアンテナ(1)のコイル(1a,1b)の直下部分の基板(11)の誘電体材料を除去したことを特徴とする高周波用コイルアンテナ基板ユニットを提供する。
上記第1の観点による高周波用コイルアンテナ基板ユニットでは、高周波コイルアンテナ(1)のコイル(1a,1b)の直下部分の基板(11)の誘電体材料を除去したので、誘電率損や誘電正接の影響を抑制することが出来る。従って、基板に起因するアンテナのゲイン特性のロスや波長短縮を抑制することが出来る。
【0006】
第2の観点では、本発明は、前記第1の観点による高周波用コイルアンテナ基板ユニットにおいて、前記基板(11)は、前記高周波コイルアンテナ(1)の搭載面を持つ誘電体材料層(11a)と、前記誘電体材料層(11a)の前記搭載面と反対側の面に密接する金属材料層(11b)とを有することを特徴とする高周波用コイルアンテナ基板ユニットを提供する。
上記第2の観点による高周波用コイルアンテナ基板ユニットでは、金属材料層(11b)により、高周波コイルアンテナ(1)の搭載面側での磁界および電界が増加するから、アンテナとしての特性を向上することが出来る。
【0007】
第3の観点では、本発明は、前記第1または前記第2の観点による高周波用コイルアンテナ基板ユニットにおいて、前記コイル(1a,1b)の直下部分の基板(11)に貫通穴(12a,12b,13)を設けたことを特徴とする高周波用コイルアンテナ基板ユニット(100,200)を提供する。
上記第3の観点による高周波用コイルアンテナ基板ユニット(100,200)では、高周波コイルアンテナ(1)のコイル(1a,1b)の直下部分の基板(11)の誘電体材料が除去されたので、誘電率損や誘電正接の影響を抑制することが出来る。従って、基板に起因するアンテナのゲイン特性のロスや波長短縮を抑制することが出来る。
【0008】
第4の観点では、本発明は、前記第3の観点による高周波用コイルアンテナ基板ユニット(100,200)において、前記貫通穴(12a,12b,13)を塞ぐように導体箔(14)を設けたことを特徴とする高周波用コイルアンテナ基板ユニット(101,201)を提供する。
上記第4の観点による高周波用コイルアンテナ基板ユニットでは、導体箔(14)により、高周波コイルアンテナ(1)の搭載面側での磁界および電界が増加するから、アンテナとしての特性を向上することが出来る。
【発明の効果】
【0009】
本発明の高周波用コイルアンテナ基板ユニットによれば、高周波コイルアンテナのコイルの直下部分の基板の誘電体材料を除去したので、誘電率損や誘電正接の影響を抑制でき、基板に起因するアンテナのゲイン特性のロスや波長短縮を抑制することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニットを示す正面図である。
【図2】実施例1に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニットを示す背面図である。
【図3】実施例1に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニットを示す右側面図である。
【図4】実施例1に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニットにおけるアンテナのゲイン特性を示すグラフである。
【図5】実施例2に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニットを示す右側面図である。
【図6】実施例2に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニットにおけるアンテナのゲイン特性を示すグラフである。
【図7】実施例3に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニットを示す正面図である。
【図8】実施例3に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニットを示す背面図である。
【図9】実施例3に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニットを示す右側面図である。
【図10】実施例3に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニットにおけるアンテナのゲイン特性を示すグラフである。
【図11】実施例4に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニットを示す右側面図である。
【図12】実施例4に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニットにおけるアンテナのゲイン特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0012】
−実施例1−
図1は、実施例1に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニット100を示す正面図である。図2は、同背面図である。図3は、同右側面図である。
この高周波用コイルアンテナ基板ユニット100は、銅線をソレノイド状に巻回したコイル1a,1bを有するコ字形コイルをボビン2に固定してなる高周波用コイルアンテナ1と、その高周波用コイルアンテナ1を表面に搭載する基板11とからなる。
【0013】
基板11の表面には、配線パターンが形成されると共に、インダクタンスやキャパシタンスのチップ部品や信号接続用レセプタクルも搭載されている。
【0014】
コイル1a,1bの直下部分の基板11には、貫通穴12a,12bが設けられている。なお、コイル1a,1bはボビン2のコイル収容空間に収容されており、コイル1a,1bの直下部分にはボビン2の材料(例えば熱可塑性樹脂に無機フィラーを配合した材料)はない。
【0015】
図3に示すように、基板11は、誘電体材料(例えばガラスエポキシ)層11aと、金属材料(例えば銅)層11bと、誘電体材料(例えば絶縁塗料)層11cとの三層構造になっている。金属材料層11bがあるのは、インピーダンス整合のためである。
【0016】
図4の実線は、高周波用コイルアンテナ基板ユニット100におけるアンテナのゲイン特性である。
図4の破線は、高周波用コイルアンテナ基板ユニット100の貫通穴12a,12bを設けず且つコイルのターン数を少なくして共振周波数を高周波用コイルアンテナ基板ユニット100に合わせた場合におけるアンテナのゲイン特性である。
貫通穴12a,12bを設けたことにより、アンテナのゲイン特性を改善することが出来た。
【0017】
実施例1の高周波用コイルアンテナ基板ユニット100によれば、コイル1a,1bの直下部分が貫通穴12a,12bになっており、誘電体材料が無いので、誘電率損や誘電正接の影響を抑制でき、基板11に起因するアンテナのゲイン特性のロスや波長短縮を抑制することが出来る。
【0018】
−実施例2−
図5は、実施例2に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニット101を示す右側面図である。
この高周波用コイルアンテナ基板ユニット101は、実施例1の高周波用コイルアンテナ基板ユニット100の裏面に導体(例えばアルミニウム)箔14を貼り付けたものである。
【0019】
図6の実線は、高周波用コイルアンテナ基板ユニット101におけるアンテナのゲイン特性である。
図6の破線は、高周波用コイルアンテナ基板ユニット100の貫通穴12a,12bを設けず且つコイルのターン数を少なくして共振周波数を高周波用コイルアンテナ基板ユニット100に合わせた場合におけるアンテナのゲイン特性である。
アンテナのゲイン特性は、実施例1の高周波用コイルアンテナ基板ユニット100とほぼ同じであった。
【0020】
−実施例3−
図7は、実施例3に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニット200を示す正面図である。図8は、同背面図である。図9は、同右側面図である。
この高周波用コイルアンテナ基板ユニット200は、実施例1の高周波用コイルアンテナ基板ユニット100の貫通穴12a,12bの代わりに一つの貫通穴13を設けたものである。
【0021】
図10の実線は、高周波用コイルアンテナ基板ユニット200におけるアンテナのゲイン特性である。
図10の破線は、高周波用コイルアンテナ基板ユニット200の貫通穴13を設けず且つコイルのターン数を少なくして共振周波数を高周波用コイルアンテナ基板ユニット200に合わせた場合におけるアンテナのゲイン特性である。
貫通穴13を設けたことにより、アンテナのゲイン特性を改善することが出来た。
【0022】
実施例3の高周波用コイルアンテナ基板ユニット200によれば、コイル1a,1bの直下部分が貫通穴13になっており、誘電体材料が無いので、誘電率損や誘電正接の影響を抑制でき、基板11に起因するアンテナのゲイン特性のロスや波長短縮を抑制することが出来る。
【0023】
−実施例4−
図11は、実施例4に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニット201を示す右側面図である。
この高周波用コイルアンテナ基板ユニット201は、実施例3の高周波用コイルアンテナ基板ユニット200の裏面に導体箔14を貼り付けたものである。
【0024】
図12の実線は、高周波用コイルアンテナ基板ユニット201におけるアンテナのゲイン特性である。
図12の破線は、高周波用コイルアンテナ基板ユニット200の貫通穴13を設けず且つコイルのターン数を少なくして共振周波数を高周波用コイルアンテナ基板ユニット200に合わせた場合におけるアンテナのゲイン特性である。
アンテナのゲイン特性は、実施例3の高周波用コイルアンテナ基板ユニット200よりも向上した。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明の高周波用コイルアンテナ基板ユニットは、例えばGHz帯のアンテナコイルとして利用することが出来る。
【符号の説明】
【0026】
1 高周波用コイルアンテナ
1a,1b コイル
2 ボビン
11 基板
11a,11c 誘電体材料層
11b 金属層
12a,12b,13 貫通穴
14 導体箔
100,101,200,201 高周波用コイルアンテナ基板ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波用コイルアンテナ基板ユニットに関し、さらに詳しくは、基板に起因するアンテナのゲイン特性のロスや波長短縮を抑制することが出来る高周波用コイルアンテナ基板ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高周波コイルアンテナを基板上に搭載した高周波用コイルアンテナ基板ユニットが知られている(例えば、特許文献1,特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−306137号公報
【特許文献2】特開2007−306198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の高周波用コイルアンテナ基板ユニットでは、基板の誘電体材料による誘電率損や誘電正接の影響により、アンテナのゲイン特性のロスや波長短縮を生じる問題点があった。
また、波長短縮には、高周波用コイルアンテナの単体での共振周波数を高めに設計して対応していたが、これはコイルのターン数を少なくしたり,コイル径を小さくしたりする方向であり、磁界および電界が減少する方向であることから、アンテナとしての特性が悪化する問題点があった。
そこで、本発明の目的は、基板に起因するアンテナのゲイン特性のロスや波長短縮を抑制することが出来る高周波用コイルアンテナ基板ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の観点では、本発明は、高周波コイルアンテナ(1)を基板(11)上に搭載した高周波用コイルアンテナ基板ユニットであって、前記高周波コイルアンテナ(1)のコイル(1a,1b)の直下部分の基板(11)の誘電体材料を除去したことを特徴とする高周波用コイルアンテナ基板ユニットを提供する。
上記第1の観点による高周波用コイルアンテナ基板ユニットでは、高周波コイルアンテナ(1)のコイル(1a,1b)の直下部分の基板(11)の誘電体材料を除去したので、誘電率損や誘電正接の影響を抑制することが出来る。従って、基板に起因するアンテナのゲイン特性のロスや波長短縮を抑制することが出来る。
【0006】
第2の観点では、本発明は、前記第1の観点による高周波用コイルアンテナ基板ユニットにおいて、前記基板(11)は、前記高周波コイルアンテナ(1)の搭載面を持つ誘電体材料層(11a)と、前記誘電体材料層(11a)の前記搭載面と反対側の面に密接する金属材料層(11b)とを有することを特徴とする高周波用コイルアンテナ基板ユニットを提供する。
上記第2の観点による高周波用コイルアンテナ基板ユニットでは、金属材料層(11b)により、高周波コイルアンテナ(1)の搭載面側での磁界および電界が増加するから、アンテナとしての特性を向上することが出来る。
【0007】
第3の観点では、本発明は、前記第1または前記第2の観点による高周波用コイルアンテナ基板ユニットにおいて、前記コイル(1a,1b)の直下部分の基板(11)に貫通穴(12a,12b,13)を設けたことを特徴とする高周波用コイルアンテナ基板ユニット(100,200)を提供する。
上記第3の観点による高周波用コイルアンテナ基板ユニット(100,200)では、高周波コイルアンテナ(1)のコイル(1a,1b)の直下部分の基板(11)の誘電体材料が除去されたので、誘電率損や誘電正接の影響を抑制することが出来る。従って、基板に起因するアンテナのゲイン特性のロスや波長短縮を抑制することが出来る。
【0008】
第4の観点では、本発明は、前記第3の観点による高周波用コイルアンテナ基板ユニット(100,200)において、前記貫通穴(12a,12b,13)を塞ぐように導体箔(14)を設けたことを特徴とする高周波用コイルアンテナ基板ユニット(101,201)を提供する。
上記第4の観点による高周波用コイルアンテナ基板ユニットでは、導体箔(14)により、高周波コイルアンテナ(1)の搭載面側での磁界および電界が増加するから、アンテナとしての特性を向上することが出来る。
【発明の効果】
【0009】
本発明の高周波用コイルアンテナ基板ユニットによれば、高周波コイルアンテナのコイルの直下部分の基板の誘電体材料を除去したので、誘電率損や誘電正接の影響を抑制でき、基板に起因するアンテナのゲイン特性のロスや波長短縮を抑制することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニットを示す正面図である。
【図2】実施例1に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニットを示す背面図である。
【図3】実施例1に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニットを示す右側面図である。
【図4】実施例1に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニットにおけるアンテナのゲイン特性を示すグラフである。
【図5】実施例2に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニットを示す右側面図である。
【図6】実施例2に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニットにおけるアンテナのゲイン特性を示すグラフである。
【図7】実施例3に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニットを示す正面図である。
【図8】実施例3に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニットを示す背面図である。
【図9】実施例3に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニットを示す右側面図である。
【図10】実施例3に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニットにおけるアンテナのゲイン特性を示すグラフである。
【図11】実施例4に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニットを示す右側面図である。
【図12】実施例4に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニットにおけるアンテナのゲイン特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0012】
−実施例1−
図1は、実施例1に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニット100を示す正面図である。図2は、同背面図である。図3は、同右側面図である。
この高周波用コイルアンテナ基板ユニット100は、銅線をソレノイド状に巻回したコイル1a,1bを有するコ字形コイルをボビン2に固定してなる高周波用コイルアンテナ1と、その高周波用コイルアンテナ1を表面に搭載する基板11とからなる。
【0013】
基板11の表面には、配線パターンが形成されると共に、インダクタンスやキャパシタンスのチップ部品や信号接続用レセプタクルも搭載されている。
【0014】
コイル1a,1bの直下部分の基板11には、貫通穴12a,12bが設けられている。なお、コイル1a,1bはボビン2のコイル収容空間に収容されており、コイル1a,1bの直下部分にはボビン2の材料(例えば熱可塑性樹脂に無機フィラーを配合した材料)はない。
【0015】
図3に示すように、基板11は、誘電体材料(例えばガラスエポキシ)層11aと、金属材料(例えば銅)層11bと、誘電体材料(例えば絶縁塗料)層11cとの三層構造になっている。金属材料層11bがあるのは、インピーダンス整合のためである。
【0016】
図4の実線は、高周波用コイルアンテナ基板ユニット100におけるアンテナのゲイン特性である。
図4の破線は、高周波用コイルアンテナ基板ユニット100の貫通穴12a,12bを設けず且つコイルのターン数を少なくして共振周波数を高周波用コイルアンテナ基板ユニット100に合わせた場合におけるアンテナのゲイン特性である。
貫通穴12a,12bを設けたことにより、アンテナのゲイン特性を改善することが出来た。
【0017】
実施例1の高周波用コイルアンテナ基板ユニット100によれば、コイル1a,1bの直下部分が貫通穴12a,12bになっており、誘電体材料が無いので、誘電率損や誘電正接の影響を抑制でき、基板11に起因するアンテナのゲイン特性のロスや波長短縮を抑制することが出来る。
【0018】
−実施例2−
図5は、実施例2に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニット101を示す右側面図である。
この高周波用コイルアンテナ基板ユニット101は、実施例1の高周波用コイルアンテナ基板ユニット100の裏面に導体(例えばアルミニウム)箔14を貼り付けたものである。
【0019】
図6の実線は、高周波用コイルアンテナ基板ユニット101におけるアンテナのゲイン特性である。
図6の破線は、高周波用コイルアンテナ基板ユニット100の貫通穴12a,12bを設けず且つコイルのターン数を少なくして共振周波数を高周波用コイルアンテナ基板ユニット100に合わせた場合におけるアンテナのゲイン特性である。
アンテナのゲイン特性は、実施例1の高周波用コイルアンテナ基板ユニット100とほぼ同じであった。
【0020】
−実施例3−
図7は、実施例3に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニット200を示す正面図である。図8は、同背面図である。図9は、同右側面図である。
この高周波用コイルアンテナ基板ユニット200は、実施例1の高周波用コイルアンテナ基板ユニット100の貫通穴12a,12bの代わりに一つの貫通穴13を設けたものである。
【0021】
図10の実線は、高周波用コイルアンテナ基板ユニット200におけるアンテナのゲイン特性である。
図10の破線は、高周波用コイルアンテナ基板ユニット200の貫通穴13を設けず且つコイルのターン数を少なくして共振周波数を高周波用コイルアンテナ基板ユニット200に合わせた場合におけるアンテナのゲイン特性である。
貫通穴13を設けたことにより、アンテナのゲイン特性を改善することが出来た。
【0022】
実施例3の高周波用コイルアンテナ基板ユニット200によれば、コイル1a,1bの直下部分が貫通穴13になっており、誘電体材料が無いので、誘電率損や誘電正接の影響を抑制でき、基板11に起因するアンテナのゲイン特性のロスや波長短縮を抑制することが出来る。
【0023】
−実施例4−
図11は、実施例4に係る高周波用コイルアンテナ基板ユニット201を示す右側面図である。
この高周波用コイルアンテナ基板ユニット201は、実施例3の高周波用コイルアンテナ基板ユニット200の裏面に導体箔14を貼り付けたものである。
【0024】
図12の実線は、高周波用コイルアンテナ基板ユニット201におけるアンテナのゲイン特性である。
図12の破線は、高周波用コイルアンテナ基板ユニット200の貫通穴13を設けず且つコイルのターン数を少なくして共振周波数を高周波用コイルアンテナ基板ユニット200に合わせた場合におけるアンテナのゲイン特性である。
アンテナのゲイン特性は、実施例3の高周波用コイルアンテナ基板ユニット200よりも向上した。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明の高周波用コイルアンテナ基板ユニットは、例えばGHz帯のアンテナコイルとして利用することが出来る。
【符号の説明】
【0026】
1 高周波用コイルアンテナ
1a,1b コイル
2 ボビン
11 基板
11a,11c 誘電体材料層
11b 金属層
12a,12b,13 貫通穴
14 導体箔
100,101,200,201 高周波用コイルアンテナ基板ユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波コイルアンテナ(1)を基板(11)上に搭載した高周波用コイルアンテナ基板ユニットであって、前記高周波コイルアンテナ(1)のコイル(1a,1b)の直下部分の基板(11)の誘電体材料を除去したことを特徴とする高周波用コイルアンテナ基板ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の高周波用コイルアンテナ基板ユニットにおいて、前記基板(11)は、前記高周波コイルアンテナ(1)の搭載面を持つ誘電体材料層(11a)と、前記誘電体材料層(11a)の前記搭載面と反対側の面に密接する金属材料層(11b)とを有することを特徴とする高周波用コイルアンテナ基板ユニット。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の高周波用コイルアンテナ基板ユニットにおいて、前記コイル(1a,1b)の直下部分の基板(11)に貫通穴(12a,12b,13)を設けたことを特徴とする高周波用コイルアンテナ基板ユニット(100,200)。
【請求項4】
請求項3に記載の高周波用コイルアンテナ基板ユニット(100,200)において、前記貫通穴(12a,12b,13)を塞ぐように導体箔(14)を設けたことを特徴とする高周波用コイルアンテナ基板ユニット(101,201)。
【請求項1】
高周波コイルアンテナ(1)を基板(11)上に搭載した高周波用コイルアンテナ基板ユニットであって、前記高周波コイルアンテナ(1)のコイル(1a,1b)の直下部分の基板(11)の誘電体材料を除去したことを特徴とする高周波用コイルアンテナ基板ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の高周波用コイルアンテナ基板ユニットにおいて、前記基板(11)は、前記高周波コイルアンテナ(1)の搭載面を持つ誘電体材料層(11a)と、前記誘電体材料層(11a)の前記搭載面と反対側の面に密接する金属材料層(11b)とを有することを特徴とする高周波用コイルアンテナ基板ユニット。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の高周波用コイルアンテナ基板ユニットにおいて、前記コイル(1a,1b)の直下部分の基板(11)に貫通穴(12a,12b,13)を設けたことを特徴とする高周波用コイルアンテナ基板ユニット(100,200)。
【請求項4】
請求項3に記載の高周波用コイルアンテナ基板ユニット(100,200)において、前記貫通穴(12a,12b,13)を塞ぐように導体箔(14)を設けたことを特徴とする高周波用コイルアンテナ基板ユニット(101,201)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−195623(P2012−195623A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−162406(P2009−162406)
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(000003414)東京特殊電線株式会社 (173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(000003414)東京特殊電線株式会社 (173)
【Fターム(参考)】
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