説明

高圧放電ランプおよび照明装置

【課題】外管及び口金に係止部、被係止部を設けなくても、外管と口金とを接続できる条件を実験によって求め、求めた条件を満たす高圧放電ランプを提供する。
【解決手段】一端に開口部304を有し、他端に閉塞部305を有する外管300と、外管300内に配置され、内部に放電管100が配された内管200と、内管200の一端部を囲み、かつ外管300の開口部304に挿入される接続部を有する口金400とを備え、口金400の接続部の外周面と外管300の内周面との間に隙間があり、隙間の幅が2mm以下の部分の少なくとも一部に第1の接着剤500が配されていることを特徴とする高圧放電ランプ11。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧放電ランプに関し、特に、高圧放電ランプにおける外管及び口金の間の接続技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の高圧放電ランプとして、例えば、図13の概略図及び図14の概略分解斜視図に示すように、放電管190が収納された内管290がさらに外管390で被覆され、外管390と口金490とが接合された、三重管構造の高圧放電ランプ91がある。
以下、より具体的に、内管290及び口金490と、外管390及び口金490との接続について説明する。内管290はその一端部としてピンチシール部291を有し、口金490は口金本体491及び貫通孔492aが設けられた接続部492で構成される。
【0003】
ピンチシール部291が貫通孔492aに配され、接着剤を充填したりクリップで固定したりすることにより、内管290は接続部492の貫通孔492a内に保持される。接続部492の外周面と外管390の開口部394の内周面との間には隙間が存在し、この隙間に接着剤を注入することで、外管390と接続部492とが接続される。
また、外管390と口金490との接続をより強固なものとするため、外管390の開口部394の内周面に凸部390a(被係止部)を設け、接続部492の外周面に凹部493(係止部)を設け、外管390の凸部390aを接続部492の凹部493に嵌合させ、凹部493において外管390の開口部394から遠ざかる方向に凸部390aを越えて接着剤を流し込み固化する。このように構成することにより、外管390の開口部394から遠ざかる方向に凸部390aを越えて固化した接着剤により凸部390aが引っ掛かるような係止構造が形成されるため、照明装置への取り付け・取り外し時に力が加わっても、外管390が口金490からはずれにくくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−182508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、外管に係止部、口金に被係止部を設けた構造は形状が複雑であり、係止部と被係止部との位置合せをして組立てるという手間のかかるものであった。このため、高圧放電ランプの製造コストが高くなるおそれがあるので、できるだけ簡易的な構造にすることが望まれている。そして、簡易的な構造の一例として、係止構造を廃止することが考えられるが、そのためには、接着剤で外管と口金とを実用上支障が無い程度に固定できるかどうか、並びに、外管及び口金の隙間のどの程度の領域に接着剤を注入すれば良いか等の検討がなされる必要がある。すなわち、外管及び口金との接続における接着剤によってもたらされる実用的強度に関して、吟味が課題となっている。
【0006】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたもので、本発明に係る高圧放電ランプは、外管及び口金に係止部、被係止部を必ずしも設けなくても、照明装置への取り付け・取り外し時に加わる力により生じる外管の脱落を抑制することを目的とする。
また、本発明に係る照明装置は、高圧放電ランプの取り付け・取り外し時に加わる力により生じる外管の脱落を抑制でき、安全性の高い照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明に係る高圧放電ランプは、一端に開口部を有し、他端に閉塞部を有する外管と、前記外管内に配置され、内部に放電管が配された内管と、前記内管の一端部を囲み、前記外管の開口部に挿入される接続部を有する口金とを備え、前記接続部の外周面と前記外管の内周面との間に隙間があり、前記隙間の幅が2[mm]以下の部分の少なくとも一部に、第1の接着剤が配されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る照明装置は、前記高圧放電ランプを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る高圧放電ランプは、隙間の幅が2[mm]以下の部分の少なくとも一部に、接着剤が配さているという条件を満たすため、照明装置への取り付け・取り外し時に加わる力により生じる外管の脱落を抑制できる。
また、本発明に係る照明装置は、高圧放電ランプの取り付け・取り外し時に加わる力により生じる外管の脱落を抑制でき、安全性の高い照明装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施の形態における高圧放電ランプの概略図である。
【図2】図1に示した高圧放電ランプの概略分解斜視図である。
【図3】(a)は、図1に示した高圧放電ランプのA−A´断面を示す概略断面図であり、(b)は接着剤を塗布した周の割合とねじり強度との関係を示すグラフであり、(c)は接着剤を塗布した周の割合と引っ張り強度との関係を示すグラフである。
【図4】第1の実施の形態において口金の接続部の第1の変形例を示す斜視図である。
【図5】第1の実施の形態において口金の接続部の第2の変形例を示す斜視図である。
【図6】第1の実施の形態において口金の接続部の第3の変形例を示す斜視図である。
【図7】第1の実施の形態において口金の接続部の第4の変形例を示す斜視図である。
【図8】第1の実施の形態おいて外管の形状に係る第5の変形例を示す高圧放電ランプの概略図である。
【図9】(a)は、第1の実施の形態における外管の開口部に係る第6の変形例を示した概略構成図であり、(b)は、当該口金の接続部の断面図である。
【図10】(a)は、第1の実施の形態における外管の開口部に係る第7の変形例を示した概略構成図であり、(b)は、当該口金の接続部の断面図である。
【図11】(a)は、第1の実施の形態における外管の開口部に係る第8の変形例を示した概略構成図であり、(b)は、当該口金の接続部の断面図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る照明装置の一部切り欠き正面図である。
【図13】従来の高圧放電ランプの概略図である。
【図14】従来の高圧放電ランプの概略分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明の実施の形態で使用している、材料、数値は好ましい例を例示しているだけであり、この実施の形態に限定されることはない。また、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。また、他の実施の形態との組み合わせは、矛盾が生じない範囲で可能である。なお、図1、図2を含む全ての図において各部材間の縮尺は統一していない。また、「〜」の記載は、その両端の値を含むものである。
<第1の実施の形態>
本発明を実施するための第1の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
1.構成
図1は第1の実施の形態に係る高圧放電ランプ11の構造を示す概略図であり、図2は図1に示した高圧放電ランプ11の概略分解斜視図である。
【0012】
高圧放電ランプ11(以下、「ランプ11」という。)は、一端に開口部304を有し、他端に閉塞部305を有する外管300と、外管300内に配置され、内部に放電管100が配された内管200と、内管200の一端部を囲み、外管300の開口部に挿入される接続部402を有する口金400とを備える。
具体的には、例えば、ランプ11は、一端に開口部304を有し、他端に閉塞部305を有する外管300と、外管300内に配置され、内部に放電管100が配された内管200と、内管200を囲む貫通孔402a、及び外管300の開口部304に対向するように挿入される外周面402bを有する接続部402とを備える。
【0013】
なお、本発明の要旨となる外管300と口金400との接続方法については、後に詳細に説明する。
(1)放電管100
放電管100は、本管部101及び細管部102,103を接続して形成されている。より具体的には、本管部101は内部に放電空間を有し、細管部102,103は本管部101から本管部101の管軸(口金400の中心軸である軸Xと略一致している)方向両側に延出するように配置されている。
【0014】
放電空間内には、発光物質である金属ハロゲン化物、始動補助ガスである希ガス、及び緩衝ガスである水銀がそれぞれ所定量封入されている。金属ハロゲン化物は、例えば、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化ジスプロシウム、ヨウ化ホルミウム、ヨウ化ツリウム、ヨウ化タリウム、ヨウ化セリウム、ヨウ化ネオジム、ヨウ化プラセオジム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化インジウム、ヨウ化スカンジウム等であり、発光色により適宜決定される。
【0015】
本管部101と細管部102,103とからなる外囲器104は、例えば、透光性セラミックからなる本管部101および細管部102,103が一体的に成形された一体型である。また、放電管100は一対の電極を有し、一対の電極の先端部が本管部101の放電空間内で互いに対向し、他端部が細管部102,103に挿入されている。電極の他端部は、細管部102,103内において給電体105,106の一端部と接続されており、給電体105,106は、細管部102,103内に例えばフリットからなるシール材によって封着されている。
【0016】
透光性セラミックには、例えば、アルミナセラミックを用いることができる。なお、外囲器104は、他のセラミック、例えば、希土類アルミナガーネットセラミックなどでも良く、あるいは、石英ガラス等で構成してもよい。
なお、外囲器104は、複数の部材を接合して本管部101を形成したものであってもよい。例えば、本管部101の中心で軸Xと直交する方向に半切した形状の部材において端部に細管部102もしくは103を一体に成形し、これらを2個1組として本管部101中央の切片に相当する面を接合して形成したものであってもよく、本管部101と細管部102,103とを有しかつ本管部101の管軸に水平な方向に切断した形状の部材をそれぞれ別々に成形し、切片に相当する面を接合したものであってもよい。さらには、本管部101と細管部102,103とを別々に形成した後に接合する焼き嵌めタイプのものであってもよいし、本管部101と細管部102,103との接合部における隙間にリング部材を介在させ、本管部101と細管部102,103及びリング部材とを焼き嵌めしたタイプのものであってもよい。
(2)内管200
内管200は、口金400側の端部(内管200の一端部)であるピンチシール部201、口金400とは反対側の端部である先端部202、及びピンチシール部201と先端部202との間の中間部203からなる。また、内管200は片封止型の気密容器であって、例えば、石英ガラスで形成されている。なお、内管200は、石英ガラスで形成されたものに限定されず、アルミナセラミック等の透光性セラミック、硼珪酸ガラス等の硬質ガラス等で形成されていてもよい。
【0017】
ピンチシール部201は、内管200を構成するガラス管の端部を、例えば、公知のピンチシール法により圧潰封止することで形成され、電力供給線107,108の一端部、金属箔120,121の全体、及びリード線109a,109bの一端部が封止されている。
先端部202の一部であるチップオフ部204は、内管200内を真空引きする際に用いた排気管の残部である。内管200内を真空引きすることにより、給電体105,106や電力供給線107,108等の金属部材の酸化を抑制できる。ここでいう真空引きとは、大気中に含まれる酸素による金属部材の酸化により生じる美観の損失が顕著でないくらいに、内管200内を減圧された状態にすることを意味し、実用的には、0.1気圧以下とすれば美観に対して影響は少ない。なお、内管200内を真空にする代わりに、内管200内に窒素等の不活性ガスに置換することによっても、酸素ゲッタなどにより脱酸素処理をすることによっても、金属部材における酸化が進行するのを防止することができる。
【0018】
中間部203は内部に放電管100が配置され、例えば、略円筒状である。
外管300は筒状であり、中間部301の一部に膨出部302を有する中膨形状である。より具体的には、放電管100の本管部101に対応する領域の中間部301の内径及び外径が、それ以外の領域の内径及び外径よりも大きくなっているような形状である。膨出部302を設けることにより放電管100からの熱による外管300の温度上昇を低減することで、外管300が例えば硬質ガラスで形成されている場合に、硬質ガラスの歪点からの裕度が増加するため適合する照明装置(図示せず)の選択の幅を広げることができる。さらに、外管300の内周面と内管200の内周面との間の隙間が最大で5[mm]になるよう設計されていてもよい。この場合、コンパクトな高圧放電ランプとすることができるため、照明装置(図示せず)の選択の幅を一層広げることができる。
【0019】
また、外管300は、円筒状の開口部304(外管300の開口側の端部に相当する)と、開口部304と反対側の端部である閉塞部305とを有する。
外管300は、例えば硬質ガラスで形成されている。なお、外管300は、硬質ガラスで形成されたものに限定されず、アルミナセラミック等の透光性セラミック、石英ガラス等で形成されていてもよい。
【0020】
膨出部302の最大外径は20[mm]〜29[mm]であり、この場合、コンパクトな照明装置への適合をさせやすくすることができる。外管300の中間部の肉厚は1[mm]〜2[mm]であってもよい。
なお、外管300の最小内径と内管200の最大内径との差が0.5[mm]以上3.0[mm]以下の範囲内であってもよい。この場合、ランプ11の組立工程において外管300を内管200に被せやすくすることができる。
【0021】
なお、外管300は、膨出部302を有するものに限らず、直管形状のものであってもよい。
(4)口金400
口金400は、例えば日本工業規格JIS C7709「電球類の口金・受金及びそれらのゲージ並びに互換性・安全性」に記載されたEU10に適合するものであり、口金本体401及び取り付けベース403で構成される。
(4−a)口金本体401
口金本体401はシェル部401a及びアイレット部401bを有する。口金本体401は、放電管100側に、取り付けベース403の一部が挿入される挿入口401dを有する。
【0022】
なお、図2に示すように、挿入口401dの内側に、後述する取り付けベース403の取り付け部403aの凹部402cと摺合するための凸部401cが形成されていてもよい。この場合、取り付けベース403の取り付け部403aを挿入口401dに挿入する際、取り付けベース403と口金本体401との位置合わせをしやすくすることができる。また、口金本体401に凸部401c、接続部402に凹部402cがあるとして説明したが、口金本体401に凹部、接続部402に凸部を設けてもよい。
【0023】
放電管100から延伸された一対のリード線109a,109bのうち、一方のリード線109aは、接続部402に設けられた貫通孔402aを貫通して外部へと導出され、シェル部401aに接続されることで口金400に固定されている。他方のリード線109bは、接続部402に設けられた貫通孔402aを貫通してアイレット部401bと接続されることで、口金400に固定されている。
(4−b)取り付けベース403
取り付けベース403は、接続部402と、接続部402の口金本体401側に設けられ、かつ口金本体401と接続される取り付け部403aと、接続部402と取り付け部403aとの境界部分に設けられたフランジ部403bとを有する。
【0024】
図2示すように、接続部402は、例えば略円柱形状であって、その放電管100側には、内管200のピンチシール部201が挿入されるI型の貫通孔402aが形成されている。すなわち、内管200のピンチシール部201が貫通孔402aに挿入されることで、接続部402が内管200の一端部を囲むこととなる。ここで、「内管の一端部を囲む」とは、単に内管200のピンチシール部の略平坦部201aのみを挟むものではなく、例えば略平坦部201aに加えて膨出部201bを挟むもの等、略平坦部201a以外のものも挟んでいるものを含む。さらに、「内管の一端部を囲む」とは、図2に示すように、内管200の一端部をその全周に亘って囲むものに限らず、接続部402の一部にスリットや切欠き等を有するものも含むものであり、以下、後述する他の実施形態および変形例においても同様である。
【0025】
また、貫通孔402aは、接続部402の放電管100側から取り付け部403aの口金本体401側まで貫通した貫通孔であるが、これに限らず、内管200の一端部が挿入できるものであればよい。
なお、軸Xに対して略垂直に切った断面において、接続部402の外周面402bは、外管300の開口部304の内周面に沿った形状であることが望ましい。この場合、接続部402を外管300の開口部304に滑らかに挿入することができる。
【0026】
軸Xに対して略垂直な方向から見たときの、接続部402と外管300とが重なる部分の軸X方向の長さh[mm]は、軸X方向における外管300の長さL[mm]に対して3[%]以上であることが好ましい。例えば、長さLが70[mm]のとき、長さhは2.1[mm]以上である。この場合、十分に接着剤ののりしろを確保することができる。さらに、長さhは、長さLに対して5[%]以上であることがより好ましい。さらには、長さhは、長さLに対して7[%]以上であることがさらにより好ましい。
【0027】
取り付け部403aは、例えば略円柱形状であって、口金本体401に接続される部分である。当該部分は、口金本体401内に収納されている。
なお、図2に示すように、取り付け部403aの外周面には、口金本体401の凸部401cと摺合するための、略軸X方向に沿う凹部402cが形成されていてもよい。
フランジ部403bは、接続部402と取り付け部403aとの境界部分に設けられた略円環形状の部分である。接続部402が外管300の開口部304に挿入される際、フランジ部403bの放電管100側に外管300の開口端が直接的または間接的に当接されることで、外管300の軸X方向の位置合わせをしやすくすることができる。
(5)規制部材600
内管200の先端部202の外側であって外管300の内側には、例えば、ステンレスからなる規制部材600が配置されている。規制部材600は、例えば内管200先端のチップオフ部204が貫通される環状部601と、環状部601から外管300に向かってに延伸しかつその先端部が外管300に当接する脚部602とを有する。
【0028】
規制部材600は、ランプ11の製造時に内管200と外管300とを略同軸上に配置しやすく、かつ放電管100の破損時に内管200が軸X方向に移動するのを抑制する効果がある。
なお、図2に示すように、環状部601には、その内側に片601aが設けられていてもよい。この場合、環状部601にチップオフ部204が挿入される際、チップオフ部204によって片601aが押し広げられ、片601aがチップオフ部204に押し当てられた状態となるため、環状部601とチップオフ部204との間の接続をより安定化させることができる。
【0029】
また、チップオフ部204の先端部は、軸Xに対して略垂直な方向に径が大きくなっていてもよい。この場合、チップオフ部204に規制部材600を取り付けた後に、規制部材600がチップオフ部204から抜けるのを防止することができる。
また、規制部材600は、環状部601及び脚部602を有する構造に限らず、コイル状の部材や網状の部材等が内管200の先端部202の外側と外管300の内側との間に配置されたものであってもよい。具体的には、例えばコイル状の部材が内管200の先端部202やチップオフ部204に装着されたものであってもよい。規制部材600をコイル状部材や網状部材で形成する場合、同じ線材を材料として、様々な形状、大きさに加工することができるため、設計の自由度を大きくすることができる。
【0030】
また、ランプ11の製造時に内管200と外管300とを略同軸上に配置しやすくするためだけであれば、規制部材600は、内管200または外管300のいずれか一方と接触していなくてもよい。
また、規制部材600は、ステンレス製に限らず、アルミニウム、鉄、ニッケル等の金属製であればよい。規制部材600の表面には、例えば酸化アルミニウム(Al)、二酸化珪素(SiO)または酸化チタン(TiO)等の保護膜が形成されていてもよい。この場合、規制部材600の酸化を抑制し、劣化を抑制することができる。
【0031】
また、規制部材600は、その表面にメッキが施されたものであってもよい。具体的には、例えばニッケルメッキ、クロムメッキ、亜鉛メッキ、錫メッキ等を用いることができる。
2.内管、外管、及び口金の接続の詳細な説明
(1)接続部の構成
図3(a)は、図1に示したランプ11のA−A´断面を示す概略断面図である。図3(a)に示すように、当該断面は口金400の接続部402及び外管300の開口部304の、軸Xに対して略垂直に切った断面である。
【0032】
外管300の開口部304内に、口金400の一部である接続部402が挿入されている。外管300の内周面303と口金400の接続部402の外周面402bとの間には隙間304aがある。
隙間304aの幅が2[mm]以下である領域の一部に、第1の接着剤500が配されている。なお、第1の接着剤500が配されている隙間を2[mm]以下と限定しているのは、隙間304aが広すぎると、外管300と口金400とのいずれか一方のみにしか第1の接着剤500がつかないことがあり、第1の接着剤500で外管300と口金400とを接続するのが難しくなるためである。
【0033】
ここで、「隙間の幅」とは、軸Xに対して略垂直に切った断面において、接続部402の中心と、外管300の内周面303上の任意の点とを結ぶ線分上における、接続部402の外周面402bと外管300の内周面303との間の距離のことをいい、以下、後述する他の実施形態および変形例においても同様である。
ランプ11では、接続部402の外周面402bにおける第1の接着剤500が配されている領域が、外管300の内周面303に沿った形状となっているため、隙間304aの大きさの制御を容易に行うことができる。
【0034】
高圧放電ランプの取り付け・取り外し時に加わる力には、軸X方向の引っ張り力と、軸Xを回転軸としたねじり力とがある。実用的には、引っ張り強度は100[N]以上あれば良く、ねじり強度は1[N]以上であれば良い。
ここで、発明者らは、隙間304aの幅が2[mm]以下の部分の少なくとも一部に、接着剤が配さていれば、照明装置への取り付け・取り外し時に加わる力により生じる外管の脱落を抑制できることを確認するために、軸Xを回転軸として回転させた場合のねじり強度と、軸X方向への引っ張り強度とを確認する実験を行った。
【0035】
図3(b)は接着剤が配される位置とねじり強度との関係を示すグラフである。
図3(b)において、「外管端面1/2」とは、外管300と口金400との間において、外管300の端面のうち1/2の領域のみに接着剤が配されたランプである。また、「外管端面3/4」とは、外管300と口金400との間において、外管300の端面のうち3/4の領域にのみ接着剤が配されたランプである。また、「隙間0.15」とは、接続部402の外周面と外管300の内周面との間の幅が2[mm]以下の隙間の一部にのみ接着剤が配され、接続部402における接着剤が配された部分の外周の接続部402の外周面402b全体に占める割合が0.15のランプである。また、「隙間0.23」とは、接続部402の外周面と外管300の内周面との間の幅が2[mm]以下の隙間の一部にのみ接着剤が配され、接続部402における接着剤が配された部分の外周の接続部402の外周面402b全体に占める割合が0.23のランプである。
【0036】
図3(b)に示すように、「外管端面1/2」および「外管端面3/4」の場合には、実用的に必要なねじり強度である1[N]未満となってしまうことがわかった。
これに対して、「隙間0.15」および「隙間0.23」の場合には、ねじり強度が1「N」以上を確保することができることがわかった。
図3(c)は接着剤が配される位置と引っ張り強度との関係を示すグラフである。
【0037】
図3(c)において、「外管端面全周」とは、外管と口金との間において、外管の端面全周の領域のみに接着剤が配されたランプである。
図3(c)に示すように、「外管端面3/4」および「外管端面全周」の場合には、実用的に必要なねじり強度である100[N]未満となってしまうことがわかった。
これに対して、「隙間0.15」および「隙間0.23」の場合には、引っ張り強度が100「N」以上を確保することができることがわかった。
【0038】
よって、図3(b)および(c)より、隙間の幅が2[mm]以下の部分の少なくとも一部に、接着剤が配されていれば、照明装置への取り付け・取り外し時に加わる力により生じる外管の脱落を抑制できることを確認することができた。
また、隙間の幅が0.13[mm]以上の場合には、引っ張り強度を100[N]以上としつつ、ねじり強度を1.4[N]以上とすることができ、より好ましい。
【0039】
さらに、隙間の幅が0.26[mm]以上の場合には、引っ張り強度を100[N]以上としつつ、ねじり強度を2.2[N]以上とすることができ、さらにより好ましい。
なお、接続部402の外周面と外管300の内周面との間の幅が2[mm]以下の隙間において、接続部402における接着剤500が配された部分の外周が接続部402の外周面402b全体に占める割合は、軸Xに対して略垂直に切った断面において測定する。
【0040】
「軸Xに対して略垂直に切った断面」とは、接続部402および外管300を含む任意のいずれの断面であってもよく、以下、後述する他の実施形態および変形例においても同様である。これは、隙間304aの幅が2[mm]以下の部分に第1の接着剤500を配する場合、接続部402または外管300の開口部304の内側に予め第1の接着剤500を配した後に、外管300の開口部304に接続部402を挿入するか、または外管300の開口部304に接続部402を部分的に挿入した状態において、接続部402と外管300との間の隙間から第1の接着剤500を配するしかないためである。そして、この場合、軸X方向における第1の接着剤500の配する領域を精密に制御することは非常に困難であり、軸Xに対して略垂直に切った任意の断面における第1の接着剤500の配されている領域を確認できれば、軸X方向における他の断面の違いはほぼ影響の無いものと考えられる。
(2)2種類の接着剤を配する位置
上述のように、ランプ11では、接続部402の外周面402bと外管300の開口部304との間に第1の接着剤500が配され、接続部402の貫通孔402a側の内周面と内管200のピンチシール部201との間に第2の接着剤501が配されている。より具体的には、第1の接着剤500は、一対のリード線109a,109bを結ぶ第1の仮想線Uの延長上に配され、第1の仮想線Uに直交し、且つ、前記一対のリード線を結ぶ線分の中点を通る第2の仮想線V上であって内管200のピンチシール部201と接続部402の貫通孔402aとの間に、さらに第2の接着剤501が配されている。
【0041】
図3に示すように、貫通孔402aは、軸Xに対して略垂直に切った断面において、第2の仮想線V方向の長さが相対的に短い幅狭部402dと、相対的に長い幅広部402eとを有する。幅狭部および幅広部は、それぞれピンチシール部201の略平坦部201aおよび膨出部201bと対応している。すなわち、幅狭部402dの第2の仮想線V方向の長さは、ピンチシール部201の略平坦部201aの第2の仮想線V方向の長さよりも長ければよく、幅広部402eの第2の仮想線V方向の長さは、ピンチシール部201の膨出部201bの第2の仮想線V方向の長さよりも長ければよい。
【0042】
幅狭部402dの内面は、ピンチシール部201の略平坦部201aに対応するように第1の仮想線U方向に略平坦になっている。
また、ランプ11では、貫通孔402aの幅狭部402dの内面とピンチシール部201の略平坦部201aとの間に、第2の接着剤501が配されている。この場合、第2の接着剤501が、略平坦な面の間に配されているため、内管200と貫通孔402aとを強固に固定することができる。なお、図3においては、貫通孔402aの幅狭部402dの内面とピンチシール部201の略平坦部201aとの間にのみ第2の接着剤501が配されているが、これに限らず、例えば貫通孔402aの幅広部402eの内面とピンチシール部201の略平坦部201aとの間に第2の接着剤が配されていてもよいし、貫通孔402aの幅広部402eの内面とピンチシール部201の膨出部201bとの間に第2の接着剤が配されていてもよい。
【0043】
ここで、軸Xに対して略垂直に切った断面において、第1の仮想線Uに対して方向P1側におけるピンチシール部201を方向P1から第1の仮想線Uに投射した長さをQ1、及び第1の仮想線Uに対して方向P2側におけるピンチシール部201を方向P2から第1の仮想線Uに投射した長さをQ2とする。このとき、第1の仮想線Uに対して方向P1側において、第1の接着剤500の配された領域を方向P1から第1の仮想線U上に投射した線分と、第2の接着剤501の配された領域を方向P1から仮想線U上に投射した線分とが重なっている長さをR1とする。また、第1の仮想線Uに対して方向P2側において、第1の接着剤500の配された領域を方向P2から第1の仮想線U上に投射した線分と、第2の接着剤501の配された領域を方向P2から第1の仮想線U上に投射した線分とが重なっている長さをR2とする。なお、この場合の「軸Xに対して略垂直に切った断面」は、隙間304aの幅が2[mm]以下の部分の、少なくとも一部に第1の接着剤500が配されている断面である。
【0044】
よって、第1の接着剤500が一対のリード線109a,109bを結ぶ第1の仮想線Uの延長上であって隙間304aの一部である領域に配され、第2の仮想線V上であって内管200の一端部と接続部402との間の一部である領域に、さらに第2の接着剤501が配され、第1の仮想線Uに直交する方向から見ると、第1の仮想線Uより手前において、第1の接着剤500が配された領域と、第2の接着剤501が配された領域とが重複している場合、0<R1または0<R2である。
【0045】
この場合、例えば(R1+R2)/(Q1+Q2)<0.5であることが好ましい。第1の仮想線Uに直交する方向から見て、第1の仮想線Uより手前において、第1の接着剤500が配された領域と、第2の接着剤501が配された領域とが完全に重複している場合(R1/Q1=1かつR2/Q2=1の場合)には、第1の仮想線Uに直交する方向において内管200から外管300までの間が第1の接着剤500および第2の接着剤501において埋められてしまうこととなる。この場合、内管200、第2の接着剤501、接続部402、第1の接着剤500および外管300の熱膨張が生じた際、その膨張分を吸収できるスペースが確保し難く、熱膨張による応力により、第1の接着剤500または第2の接着剤501に亀裂が入る等して、破損する可能性がある。よって、例えば(R1+R2)/(Q1+Q2)<0.5とすることで、R1/Q1=1かつR2/Q2=1の場合と比べて、熱膨張した各構成要素が収まる空間が確保でき、点灯によって生じる応力を逃がすことができ、第1の接着剤500および第2の接着剤に亀裂が入る等して破損するのを抑制することができる。
【0046】
また、(R1+R2)/(Q1+Q2)<0.2であれば、完全に重複している場合と比べて、さらに、熱膨張した各構成要素が収まる空間が確保でき、点灯によって生じる応力を逃がすことができるため、第1の接着剤500および第2の接着剤に亀裂が入る等して破損するのを、さらに抑制することができる。
さらに、第1の接着剤500が一対のリード線109a,109bを結ぶ第1の仮想線Uの延長上であって隙間304aの一部である領域に配され、第2の仮想線V上であって内管200の一端部と接続部402との間の一部である領域に、さらに第2の接着剤501が配され、第1の仮想線Uに直交する方向から見ると、第1の仮想線Uより手前において、第1の接着剤500が配された領域と、第2の接着剤501が配された領域とが重複していない場合が好ましく、この場合R1=0またはR2=0である。
【0047】
なお、第1の仮想線Uに直交する方向から見た場合に限らず、第1の仮想線Uの方向から見た場合に着目してもよい。この場合、第1の接着剤が第2の仮想線上であって隙間の一部である領域に配され、第1の仮想線の延長上であって内管の一端部と接続部との間の一部である領域に、さらに第2の接着剤が配され、第1の仮想線Uの方向から見ると、第2の仮想線Vより手前において、第1の接着剤が配された領域と、第2の接着剤が配された領域とが重複していない場合が好ましい。
(3)接着剤
第1の接着剤500及び第2の接着剤501はその熱膨張率が外管300を構成する材料に近いもの、例えば、シリカ、ジルコニア、アルミナ等が含まれる無機接着剤が良い。これにより、放電管100から伝わった熱により外管300が膨張しても、第1の接着剤500及び第2の接着剤501が外管300に近い割合で膨張するため、外管300及び第1の接着剤500と、口金400及び第2の接着剤501とが剥がれにくく、外管300の口金400からの脱落を抑制できる。第1の接着剤500及び第2の接着剤501の材料は、同じものでも良いし、異なるものであっても良い。
3.効果
上記のように、接続部402の外周面402bと外管300の内周面との間に隙間304aがあり、隙間304aの幅が2[mm]以下の部分の、少なくとも一部に第1の接着剤500が配されていれば、照明装置への取り付け・取り外し時に加わる力により生じる外管300の脱落が抑制できる十分な強度を有する高圧放電ランプ11を提供できる。
4.変形例
以下、第1の実施の形態に係る高圧放電ランプ11の変形例について記載する。
(1)口金についての変形例
口金は、第1の実施の形態に係る高圧放電ランプに示したものに限らず、異なる構造であっても良い。
(1−1)第1の変形例
口金の第1の変形例の斜視図を図4に示す。図4に示すように、口金の第1の変形例(以下、「口金420」という。)は、接続部422の貫通孔402aと外周面との間をつなぐスリット422bが設けられている点を除いて、口金400と実質的に同じ構成を有する。この場合、例えば、内管と接続部422との間に接着剤が配される場合、接着剤の量が多くなっても、接着剤をスリット422b側に逃がすことができ、作業性を向上することができる。
(1−2)第2の変形例
口金の第2の変形例の斜視図を図5に示す。図5に示すように、口金の第2の変形例(以下、「口金430」という。)は、接続部432の外周面432bの一部に凹部432eが設けられている点を除いては、口金400と実質的に同じ構成を有する。この場合、接続部432の第1の接着剤によって接着される表面積を増すことで、第1の接着剤による接着強度を高めることができる。
【0048】
図5に示す凹部432eは、接続部432の放電管側から取り付け部432cの口金本体401側まで貫通した縦凹部432fと、縦凹部432fの一部から取り付けベース433の周回方向に延出した横凹部432gとを有する。
なお、図5に示す横凹部432gは、縦凹部432fの一部から取り付けベース433の周回方向に延出しているが、これに限らず、貫通孔402a側に延出するものであってもよい。この場合、接続部432の外周面432bのうち、凹部の形成されている領域を小さくすることができ、接続部432の第1の接着剤によって接着される表面積を増しつつ、すっきりとしたデザインとすることができる。
(1−3)第3の変形例
口金の第3の変形例の斜視図を図6に示す。図6に示すように、口金の第3の変形例(以下、「口金440」という。)は、第1の変形例に対して第2の変形例の凹部432eが設けられた接続部442を備える。この場合、例えば、内管と接続部442との間に接着剤が配される場合、接着剤の量が多くなっても、接着剤をスリット側に逃がすことができ、作業性を向上することができ、接続部442の第1の接着剤によって接着される表面積を増すことで、第1の接着剤による接着強度を高めることができる。
(1−4)第4の変形例
口金の第4の変形例の斜視図を図7に示す。図7に示すように、口金の第4の変形例(以下、「口金450」という。)は、軸Xに対して略垂直な方向から見た場合、接続部の凹部452eが軸Xに対して傾いた溝である点を除いては、第3の変形例である口金430と実質的に同じ構成を有する接続部452を備える。この場合、例えば口金本体401が鉛直方向上側に位置する状態で、口金本体401側から凹部452eに接着剤を流し込んだ場合、凹部452eが軸Xに対して傾いた溝であることで、口金本体401側から鉛直方向下側に向かって流れる接着剤がその凹部452eの溝を伝うようにして流れ、凹部452eが軸Xに対して略平行な溝である場合に比べて接着剤が放電管側に垂れてしまうのを抑制することができる。
(1−5)取り付けベースと口金本体
ランプ11やその変形例において、口金は、取り付けベースと口金本体が別々に形成された後に接続されるものであったが、これに限らず、一体に形成されたものであってもよい。
(2)外管の形状についての変形例
第1の実施の形態では、膨出部302を有する外管300を用いた形態を説明したが、中間部311に膨出部302がない外管310であってもよい。
【0049】
図8に示す第5の変形例において、高圧放電ランプ21は、放電管100、内管200、外管310、及び口金400を備える。外管310は、外管300と異なり、膨出部が形成されていない。
第5の変形例では、第1の実施形態の効果に加えて、外管310に膨出部302が形成されておらず、外管310を小さく形成できるため、高圧放電ランプ21の大型化を抑制できる。
(3)外管の開口部の形状についての変形例
第1の実施の形態では、外管300の開口部304を円筒状としたが、これに限らない。製造コストを考慮しないのであれば、外管300の開口部304において、口金400の接続部402が外管300の開口部304に挿入される際、接続部402および外管300の開口部304の周回方向の位置合わせをする必要の無いように、凸部、凹部または凹凸部を設けても良い。
【0050】
ここで「接続部が外管300の開口部304に挿入される際、接続部および外管300の開口部304の周回方向の位置合わせをする必要の無い」とは、接続部402が外管300の開口部304に挿入される際、接続部402と外管300の開口部304との周回方向のいずれか特定の位置でしか挿入されることができないことが無く、周方向いずれの位置でも挿入可能であることを意味する。例えば、外管300の開口部304の内周の最小内径が、接続部402の外周の最大外径以下である場合が相当する。
【0051】
より具体的には、図9(a),(b)に示す第6の変形例のように、開口部344の内側に、2つの凸部340aが設けられた外管340を用いても良い。この場合、第1の接着剤によって接着される表面積を増すことで、第1の接着剤による接着強度を高めることができる。
凸部は、例えば、外管340の内周からの高さPが1[mm]、外管340の管軸方向に沿って開口端から外管340の内方に向けた長さSが2.5[mm]である。なお、外管340の内周からの高さPは、1[mm]に限らず、例えば0.5[mm]〜3[mm]であってもよい。また、外管340の管軸方向に沿って開口端から外管340の内方に向けた長さSは、2.5[mm]に限らず、例えば1[mm]〜4[mm]であってもよい。
【0052】
また、図10(a),(b)に示す第7の変形例のように開口部354の内側に3つの凸部350aを形成した外管350としても良い。この場合、第6の変形例よりもさらに第1の接着剤によって接着される表面積を増やすことで、第1の接着剤による接着強度を高めることができる。
さらに、図11(a),(b)に示す第8の変形例のように開口部364に4つの凸部360aを形成した外管360を用いても良い。この場合、第7の変形例よりもさらに第1の接着剤によって接着される表面積を増やすことで、第1の接着剤による接着強度を高めることができる。また、5つ以上の凸部を形成した外管を用いても良い。
【0053】
図9(a),(b)、図10(a),(b)および図11(a),(b)においては、開口部344の内側に凸部340aが略等間隔に設けられているが、これに限らず、不均等な間隔に設けられていてもよい。
なお、第6の変形例から第8の変形例では、外管の開口部の内側に凸部を設けるものであったが、開口部と接続部とを接続するときに位置合せをして組立てる必要のないように、外管の開口部の内側の同様の位置に凹部若しくは凹凸部を設けても良い。
【0054】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態に係る照明装置の一部切り欠き正面図を図12に示す。本発明の第2の実施形態に係る照明装置(以下、「照明装置700」という。)は、高圧放電ランプと、高圧放電ランプが取り付けられた照明装置700とを備える。高圧放電ランプは、例えばランプ11を用いることができる。なお、ランプ11に限らず、ランプ21や変形例を用いてもよい。
【0055】
照明装置700は、内部に配置されたランプ11から発せられた光を前方に反射させる反射板704と、反射板704内に組み込まれ、かつランプ11が取り付けられるソケット(図示せず)と、反射板704を壁や天井に取着するための取着具(図示せず)とを備える。反射板704は、図12に示すように、凹状の反射面703を備える。この反射面703は、例えば、アルミ鏡を利用することで構成される。なお、この反射板704は、その開口(光取り出し口)705がガラス板等によって塞がれていない、所謂、(前面)開放型である。
【0056】
ソケットは、ランプ11の口金と電気的に接続され、ランプ11に電力を供給する。なお、ランプ11を点灯させるための安定器(図示せず)は、例えば、天井内に埋め込まれる等しており、供給線706を介してランプ11に給電を行う。
取着具は、例えば、「コ」字形状をしており、並行に配された一対のアーム707と、一対のアーム707の一端同士を連結する連結部(図示せず)とを有し、一対のアーム707間に反射板704を挟んだ状態で、反射板704がアーム707により回動自在に軸支され、連結部が、例えば、壁や天井に取り付けられる。なお、照明装置700から放射される光の向きは、反射板704に対して回動自在な取着具を回動させることによって調節できる。
【0057】
上記のとおり、本発明の第2の実施形態に係る照明装置700の構成によれば、高圧放電ランプの取り付け・取り外し時に加わる力により生じる外管の脱落を抑制でき、安全性の高い照明装置を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の高圧放電ランプは、各種照明装置の光源として利用可能である。
【符号の説明】
【0059】
11,21,91 高圧放電ランプ
100,110,190 放電管
200,210,290 内管
300,310,390 外管
400,420,430,490 口金
500 第1の接着剤
501 第2の接着剤
600,690 規制部材
700 照明装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に開口部を有し、他端に閉塞部を有する外管と、
前記外管内に配置され、内部に放電管が配された内管と、
前記内管の一端部を囲み、前記外管の開口部に挿入される接続部を有する口金と
を備え、
前記接続部の外周面と前記外管の内周面との間に隙間があり、
前記隙間の幅が2[mm]以下の部分の少なくとも一部に、第1の接着剤が配されている
ことを特徴とする高圧放電ランプ。
【請求項2】
前記外管の開口部の内周の最小内径は、前記接続部の外周の最大外径以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ。
【請求項3】
前記外管の開口部において前記外管の管軸に直交する断面が円である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の高圧放電ランプ。
【請求項4】
前記内管の一端部には、前記放電管から延伸する一対のリード線が封止されており、
前記第1の接着剤は、前記一対のリード線を結ぶ第1の仮想線の延長上であって前記隙間の一部である領域に配され、
前記第1の仮想線に直交し、且つ、前記一対のリード線を結ぶ線分の中点を通る第2の仮想線上であって前記内管の一端部と前記接続部との間の一部である領域に、さらに第2の接着剤が配され、
前記第1の仮想線に直交する方向から見ると、前記第1の仮想線より手前において、前記第1の接着剤が配された領域と、前記第2の接着剤が配された領域とが重複していない
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の高圧放電ランプ。
【請求項5】
前記内管の一端部には、前記放電管から延伸する一対のリード線が封止されており、
前記第1の接着剤は、前記一対のリード線を結ぶ第1の仮想線に直交し、且つ、前記一対のリード線を結ぶ線分の中点を通る第2の仮想線上であって前記隙間の一部である領域に配され、
前記第1の仮想線の延長上であって前記内管の一端部と前記接続部との間の一部である領域に、さらに第2の接着剤が配され、
前記第1の仮想線の方向から見ると、前記第2の仮想線より手前において、第1の接着剤が配された領域と、第2の接着剤が配される領域とが重複していない
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の高圧放電ランプ。
【請求項6】
前記接着剤が無機接着剤である
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の高圧放電ランプ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の高圧放電ランプを備えた照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−41701(P2013−41701A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176508(P2011−176508)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】