高圧放電ランプおよび照明装置
【課題】高圧放電ランプの、外管の管軸方向において、外管の凸部に対して先端側に接着剤を配しやすくし、外管が口金から外れるのをより確実に防止しやすくすることを目的とする。
【解決手段】内部に放電管２００が配置された内管３００が、口金４００と外管５００とで囲まれた空間に収容された高圧放電ランプ１００であって、外管５００は、一端部５０１に開口部および少なくとも１つの内側に突出する凸部５０２を有するとともに、他端部５０３に閉塞部を有し、口金４００は、給電端子４０１を有する本体部４０２と、少なくともその一部が外管５００の開口部内に納められ、かつ給電端子４０１側に開口４０３が設けられた接続部４０４とを有し、接続部４０４の外面には、接続部４０４と外管５００とを接着する接着剤１０１を、開口４０３から凸部５０２に対して外管５００の管軸Ｘ500方向における他端部５０３側に導くガイドが設けられている。
【解決手段】内部に放電管２００が配置された内管３００が、口金４００と外管５００とで囲まれた空間に収容された高圧放電ランプ１００であって、外管５００は、一端部５０１に開口部および少なくとも１つの内側に突出する凸部５０２を有するとともに、他端部５０３に閉塞部を有し、口金４００は、給電端子４０１を有する本体部４０２と、少なくともその一部が外管５００の開口部内に納められ、かつ給電端子４０１側に開口４０３が設けられた接続部４０４とを有し、接続部４０４の外面には、接続部４０４と外管５００とを接着する接着剤１０１を、開口４０３から凸部５０２に対して外管５００の管軸Ｘ500方向における他端部５０３側に導くガイドが設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、高圧放電ランプおよび照明装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来の高圧放電ランプの分解斜視図を図２０に示す。従来の高圧放電ランプ（以下、「ランプ１」という。）は、ガラス製の気密管２にセラミックメタルハライドランプなどの発光管３を収納したランプ本体４が、外管５に収納された状態で口金６に取り付けられてなり、口金６は、ソケット（図示せず）に電気接続される接触端子７を備えた口金本体８と、ランプ本体４および外管５を保持した状態で口金本体８の内側に嵌合される取付ベース９からなり、取付ベース９は、気密管２のピンチシール部１０を挿通保持する挿通孔１１が貫通形成され、外周面には、外管開口端５ａを当接させるフランジ１２が形成されると共に、取付ベース９の外周面と外管の内周面を相互に係合するジョイント部が形成され、口金本体に対向する取付ベースの底面側には、外管を装着した状態で前記ジョイント部に接着剤を充填する接着剤注入口１３が開口形成されている。
【０００３】
ジョイント部は、外管５および取付ベース９の周方向に沿ってその径方向に対向する２箇所に設けられており、取付ベース９の外周面９ａと対峙する外管の内周面５ｂとの間に形成されるギャップに面して、取付ベース９の外周面９ａに形成された係合凹部１４および外管５の内周面５ｂに形成された係合突起１５、ギャップに充填した耐熱性接着剤（図示せず）によってインモールド成形されたジョイントからなる。
【０００４】
そして、係合凹部１４は、外管５に形成された係合突起１５を軸方向に案内し得る程度の幅狭な案内溝１４ａと、係合突起１５が案内溝１４ａ内に案内されて外管５の開口端５ａが取付ベース９のフランジ１２に当接された状態で、外管５を周方向に回転させて係合突起１５を引っ掛けることができる程度の幅広の係合溝１４ｂからなり、係合溝１４ｂの取付ベース９上面側が係合突起１５と係合する水平係合部１４ｃに形成されている。
【０００５】
また、係合凹部１４は、フランジ１２が切り欠かれて取付ベース９の底面９ｂまで延設され、その底面９ｂ側がジョイント部内に耐熱性接着剤を注入する接着剤注入口１３として開口されている（例えば特許文献１参照。）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特開２０１０−１８２５０８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
発明者らは、ランプ１について、市場で用いられているものを調べたところ、図２１に示すように、係合突起１５（外管の凸部）が、案内溝１４ａに位置した状態で接着剤（図示せず。）により接着されていることがわかった。この場合、仮に、外管５と接着剤との間の接着が外れた場合には、水平係止部１４ｃによる係止ができず、外管５が取付ベース９から外れてしまうおそれがあるため、ランプ１の外管５の管軸Ｘ5方向において、係合突起１５に対し、ランプ１の先端側に接着剤を配することが必要である。管軸Ｘ5方向において、係合突起１５に対し、ランプ１の先端側に接着剤が配されていれば、外管５と接着剤との間の接着が外れたとしても、接着剤自体が水平係合部１４ｃと同様の役割を果たし、外管が取付ベース９から外れるのを予防することができるためである。
【０００８】
しかしながら、発明者らの検討により、ランプ１の場合、接着剤注入口１３から接着剤を注入すると、管軸Ｘ5方向において、外管５の係合突起１５に対し、ランプ１の先端側に接着剤を配し難いことがわかった。
【０００９】
図２２に示すように、接着剤注入口１３から接着剤１６を注入すると、外管５の係合突起１５および係合水平部１４ｃによって、接着剤１６が管軸方向に流れていくのを阻害されてしまう。この場合、接着剤１６を大量に注入して、外管５の係合突起１５と係合水平部１４ｃとの間から管軸Ｘ1方向におけるランプ１の先端側に接着剤１６を押し出すことも考えられるが、係合突起１５により押し返された接着剤１６が接着剤注入口１３から溢れてしまう。
【００１０】
そこで、本発明に係る高圧放電ランプは、外管の管軸方向において、外管の凸部に対して先端側に接着剤を配しやすくし、外管が口金から外れるのをより確実に防止しやすくすることを目的とする。
【００１１】
また、本発明に係る照明装置は、外管が口金から外れるのをより確実に防止しやすくした高圧放電ランプを用いることで、信頼性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１２】
上記課題を解決するために、本発明に係る高圧放電ランプは、内部に放電管が配置された内管が、口金と外管とで囲まれた空間に収容された高圧放電ランプであって、前記外管は、一端部に開口部および少なくとも１つの内側に突出する凸部を有するとともに、他端部に閉塞部を有し、前記口金は、給電端子を有する本体部と、少なくともその一部が前記外管の開口部内に納められ、かつ前記給電端子側に開口が設けられた接続部とを有し、前記接続部の外面には、前記接続部と前記外管とを接着する接着剤を、前記開口から前記凸部に対して前記外管の管軸方向における他端部側に導くガイドが設けられており、前記接続部と前記外管との間であって、前記凸部に対して前記外管の管軸方向における前記他端部側に前記接着剤が配されていることを特徴とする。
【００１３】
本発明に係る高圧放電ランプは、内部に放電管が配置された内管が、口金と外管とで囲まれた空間に収容された高圧放電ランプであって、前記外管は、一端部に開口部および少なくとも１つの外側に突出する凸部を有するとともに、他端部に閉塞部を有し、前記口金は、給電端子を有する本体部と、少なくともその一部に前記外管の開口部が納められ、かつ前記給電端子側に開口が設けられた接続部とを有し、前記接続部の内面には、前記接続部と前記外管とを接着する接着剤を、前記開口から前記凸部に対して前記外管の管軸方向における他端部側に導くガイドが設けられており、前記接続部と前記外管との間であって、前記凸部に対して前記外管の管軸方向における他端部側に前記接着剤が配されていることを特徴とする高圧放電ランプ。
【００１４】
本発明に係る高圧放電ランプは、前記ガイドは、前記接続部の周回方向において前記凸部に近づくに従って、前記管軸方向において前記凸部から離れる部分を有していてもよい。
【００１５】
本発明に係る照明装置は、高圧放電ランプと、前記高圧放電ランプが取り付けられた照明器具とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１６】
本発明に係る高圧放電ランプは、外管の管軸方向において、外管の凸部に対して先端側に接着剤を配しやすくし、外管が口金から外れるのをより確実に防止しやすくすることができる。
【００１７】
また、本発明に係る照明装置は、外管が口金から外れるのをより確実に防止しやすくした高圧放電ランプを用いることで、信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１８】
【図１】本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの分解斜視図
【図２】（ａ）同じく高圧放電ランプの正面図、（ｂ）同じく高圧放電ランプの右側面図
【図３】同じく高圧放電ランプの放電管の管軸を含む断面図
【図４】同じく高圧放電ランプの口金の斜視図
【図５】図２（ａ）の要部拡大正面図
【図６】接着剤注入工程の概念図
【図７】本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の平面図
【図８】本発明の第２の実施形態に係る高圧放電ランプの分解斜視図
【図９】（ａ）同じく高圧放電ランプの正面図、（ｂ）同じく高圧放電ランプの右側面図
【図１０】同じく高圧放電ランプの口金の斜視図
【図１１】同じく高圧放電ランプの口金の周壁部の斜視図
【図１２】本発明の第３の実施形態に係る照明装置の一部切り欠き正面図
【図１３】本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例１の斜視図
【図１４】同じく高圧放電ランプの口金の変形例２の斜視図
【図１５】同じく高圧放電ランプの口金の変形例３の斜視図
【図１６】同じく高圧放電ランプの口金の変形例４の斜視図
【図１７】同じく高圧放電ランプの口金の変形例５の斜視図
【図１８】同じく高圧放電ランプの口金の変形例６の斜視図
【図１９】同じく高圧放電ランプの口金の変形例７の斜視図
【図２０】従来の高圧放電ランプの分解斜視図
【図２１】同じく高圧放電ランプの正面図
【図２２】同じく高圧放電ランプの外管と取付ベースとの接着工程の概念図
【発明を実施するための形態】
【００１９】
（第１の実施形態）
本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの分解斜視図を図１に、その正面図を図２（ａ）に、その右側面図を図２（ｂ）にそれぞれ示す。本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプ（以下、「ランプ１００」という。）は、内部に放電管２００が配置された内管３００が、口金４００と外管５００とで囲まれた空間に収容されており、例えば、メタルハライドランプである。なお、説明の便宜上、図２（ａ）および（ｂ）においては、後述する接着剤１０１を図示していない。
【００２０】
１．放電管について
放電管２００の管軸Ｘ200を含む断面図を図３に示す。放電管２００は、内部に放電空間２０１を形成するための本管部２０２と本管部２０２の管軸Ｘ200方向両側に延出するように形成された細管部２０３，２０４とからなる外囲器２０５を有している。
【００２１】
本管部２０２および細管部２０３，２０４は、管状（ここでは、横断面形状が円形状である。）をし、本管部２０２における管軸Ｘ200と直交する方向の寸法（ここでは、内径および外径である。）が、細管部２０３，２０４における寸法（内径・外径）よりも大きい。
【００２２】
本管部２０２および細管部２０３，２０４（すなわち外囲器２０５）は、例えば、透光性セラミックで形成されている。透光性セラミックには、例えば、アルミナセラミックを用いることができる。なお、他のセラミック、例えば、希土類アルミナガーネットセラミックなどでも良く、あるいは、石英ガラス等で構成してもよい。
【００２３】
また、図面では、放電管２００は、本管部２０２および細管部２０３，２０４が一体的に成形された一体型であるが、複数の部材を接合して本管部２０２を形成したものであってもよい。例えば、本管部２０２の中心で管軸Ｘ200と直交する方向に半切した形状の部材において端部に細管部２０３もしくは２０４を一体に成形し、これらを２個１組として本管部２０２中央の切片に相当する面を接合して形成したものであってもよく、本管部２０２と細管部２０３，２０４とを有しかつ本管部２０２の管軸Ｘ200に水平な方向に切断した形状の部材をそれぞれ別々に成形し、切片に相当する面を接合したものであってもよい。
【００２４】
また、本管部２０２と細管部２０３，２０４とを別々に形成した後に接合した焼き嵌めタイプのものであってもよい。この場合、本管部を筒状部材とリング部材とで形成し、筒状部材とリング部材との接合、およびリング部材と細管部との間を焼き嵌めに接合したものであってもよい。
【００２５】
本管部２０２は、放電空間２０１の内部で、図１に示すランプ１００の長手方向の中心軸（以下、単に、「ランプ軸Ｘ100」ともいう。）上、あるいはランプ軸Ｘ100と平行な軸上で互いに略対向する一対の電極２０６，２０７を備える。
【００２６】
放電空間２０１には、例えば発光物質である金属ハロゲン化物、始動補助ガスである希ガス、および緩衝ガスである水銀がそれぞれ所定量封入されている。金属ハロゲン化物としては、例えば、ヨウ化ナトリウムやヨウ化ジスプロシウム、ヨウ化ホルミウム、ヨウ化ツリウム、ヨウ化タリウム、ヨウ化セリウム、ヨウ化プラセオジウム、ヨウ化ネオジウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化インジウム、ヨウ化スカンジウム等が用いられる。
【００２７】
電極２０６，２０７は、図３に示すように、電極棒２０８，２０９と、電極棒２０８，２０９の先端側（放電空間２０１側）の端部に設けられた電極コイル２１０，２１１とを備えている。
【００２８】
なお、図３に示すように、電極棒２０８，２０９と細管部２０３，２０４との隙間には、発光物質の前記隙間への侵入を防ぐためのモリブデンコイル２１２，２１３が電極棒２０８，２０９に巻装されていてもよい。
【００２９】
電極２０６，２０７は、理想的（設計的）には上述した通り、ランプ軸Ｘ100上で互いに対向するように、つまり、電極棒２０８，２０９の中心軸がランプ軸Ｘ100上に配置される。しかし、実際には、そのプロセスの精度上、前記中心軸がランプ軸Ｘ100上にない場合もある。
【００３０】
細管部２０３，２０４の各々には、先端部（放電空間と反対側の端部である。）に前記各電極２０８，２０９が接合された給電体２１４，２１５が挿入されている。給電体２１４，２１５は、内部給電線２１６，２１７と外部給電線２１８，２１９とから構成されている。なお、内部給電線２１６，２１７と外部給電線２１８，２１９とは、例えば、溶接により接合されている。
【００３１】
内部給電線２１６，２１７は、例えばモリブデンとセラミックとを混合、焼結した導電性サーメットである。
【００３２】
外部給電線２１８，２１９は、例えばニッケルである。
【００３３】
内部給電線２１６，２１７と外部給電線２１８，２１９との接続部分にはセラミック筒２２０，２２１が嵌め込まれていてもよい。この場合、内部給電線２１６，２１７と外部給電線２１８，２１９との接続を補強することができる。
【００３４】
さらに、細管部２０３，２０４の端面と、セラミック筒２２０，２２１との間に、ニオブ製またはタンタル製のリング部材２２２，２２３が設けられていてもよい。この場合、後述する給電体２１４，２１５と細管部との間に生じる隙間をシールするフリットにＣＯやＣＯ2の気泡が発生するのを抑制することができる。
【００３５】
給電体２１４，２１５は、それぞれの細管部２０３，２０４における、本管部２０２とは反対側の端部部分に流し込まれたフリットからなるシール材２２４，２２５によって封着されている。
【００３６】
なお、図３においては、図示の便宜上、電極２０６，２０７、モリブデンコイル２１２，２１３および給電体２１４，２１５は断面で切らずに示している。
【００３７】
２．内管について
図１に戻って、内管３００は、例えば、封止部３０１、先端部３０２および中間部３０３からなる片封止型の気密容器である。
【００３８】
封止部３０１は、例えばピンチシール法による圧潰封止で形成されており、内管３００の口金４００側端部を構成している。封止部３０１には、放電管２００の外部給電線２１８，２１９にそれぞれ接続される電力供給線３０４，３０５の一端部と、金属箔３０６，３０７の全体と、導入線３０８，３０９の一端部とが封止されている。
【００３９】
図１に示すように、封止部３０１は、ピンチによる押圧時にピンチに接触している部分（の外面）は平坦面３０１ａとなり、ピンチに接触していない部分（の外面）は、ピンチの間から押圧方向と直交する方向に膨出して膨出面３０１ｂとなる。
【００４０】
先端部３０２は、内管３００の口金４００とは反対側の端部を構成している。先端部３０２には、内管３００内を真空引きする際に用いた排気管（図示せず。）の残部であるチップオフ部分３１０が存在している。内管３００内を真空引きすることによって、給電体２１４，２１５や電力供給線３０４，３０５等の金属部材が高温にさらされ酸化するのを防止することができる。「真空引き」とは、大気中に含まれる酸素による金属部材の酸化のために生じる美観の損失が顕著でないくらいに減圧された状態にすることを意味し、実用的には０．１気圧以下とすれば美観に対して影響は少ない。
【００４１】
なお、内管３００内を真空にする代わりに、内管３００内に窒素等の不活性ガスを充満させることによっても、金属部材が酸化するのを防止することができる。
【００４２】
なお、図２（ａ）および（ｂ）に示すように、内管３００内の酸素等の不純ガスを吸着するため、例えば電力給電線３０４にゲッタ部材３１１を配してもよい。
【００４３】
先端部３０２は、例えば略半球状や平坦形状である場合において、中間部３０３の外径は１３[ｍｍ]〜１７[ｍｍ]、肉厚は１［ｍｍ］〜２[ｍｍ]である。内管３００は、中間部３０３が例えば略円筒状であって、当該中間部３０３内に放電管２００の外囲器２０５が配置されている。なお、中間部３０３の形状は略円筒状に限定されず、多角形や楕円の筒状等円筒以外の筒状であっても良い。また、中間部３０３の内径および外径は必ずしも内管３００の管軸方向に沿って均一である必要はなく、例えば図２（ａ）および（ｂ）に示すように、放電管２００の本管部２０３に相当する位置の内径および外径が、それ以外の位置の内径および外径よりも大きくなっているような形状、すなわち一部に膨出部を有する中膨形状であっても良い。これにより、放電管２００の温度が過度に上昇することを抑制することができる。
【００４４】
内管３００は、例えば石英ガラスで形成されている。なお、内管３００は、石英ガラスで形成されたものに限定されず、アルミナセラミック等の透光性セラミック、硼珪酸ガラス等の硬質ガラス等で形成されていてもよい。
【００４５】
内管３００の口金４００側は、例えば後述する口金４００の接続部４０２にセメント（図示せず）等の接着剤を介して固定されている。
【００４６】
３．外管について
外管５００は、一端部に開口部５０１および少なくとも１つの内側に突出する凸部５０２を有するとともに、他端部に閉塞部５０３を有している。
【００４７】
なお、本発明において、「内側に突出する凸部」とは、図２（ｂ）のように、局所的に内側に出っ張っているものに限らず、なめらかに内側に出っ張っているもの等、外管５００の開口部５０１の内周面が多少なりとも内側に変形している部分を有していればよい。
【００４８】
外管５００は、具体的には、例えば開口部（一端部）５０１と、閉塞部（他端部）５０３と、それら開口部５０１および閉塞部５０３の間の中間部５０４とで構成される有底筒状であって、放電管２００の破裂によって内管３００が破損した場合に、それら破裂や破損で生じた破片が飛散するのを防止する役割を果たす。したがって、光照射側が開口したままの照明器具（図示せず）に使用しても破片が飛散するのを防止することができる。
【００４９】
外管５００は、例えば硬質ガラスで形成されている。なお、外管５００は、硬質ガラスで形成されたものに限定されず、アルミナセラミック等の透光性セラミック、石英ガラス等で形成されていてもよい。
【００５０】
閉塞部５０３は、略半球状、若しくは平坦形状が好ましい。また、必ずしも同一部材で閉塞する必要はなく、例えば金属やセラミック等の別部材を用いて閉塞されていてもよい。
【００５１】
中間部５０４は、例えば放電管２００の本管部２０２に相当する位置の内径および外径が、それ以外の位置の内径および外径よりも大きくなっているような形状、すなわち一部に膨出部５０５を有する中膨形状である。膨出部５０５を設けることにより放電管２００からの熱による外管５００の温度上昇を低減することで、硬質ガラスの歪点からの裕度ができて適合する照明器具（図示せず）の選択の幅を広げることができる。さらに、隙間が最大で５［ｍｍ］になるよう設計されていてもよい。この場合、放電管２００の破損時の安全性を向上することができる。
【００５２】
なお、中間部５０４の形状は、中膨形状に限られず略円筒形状であってもよい。また、中間部５０４の形状は略円筒状に限定されず、多角形や楕円の筒状等円筒以外の筒状であってもよい。
【００５３】
ランプ１００は、外管中間部５０４の最大外径は１６［ｍｍ］〜２９［ｍｍ］でこの場合、コンパクトな照明器具へ適合させやすくすることができる。外管中間部の肉厚は１［ｍｍ］〜２［ｍｍ］であってもよい。
【００５４】
なお、外管５００の最小内径と内管の最大外径との差が０．５［ｍｍ］以上３．０［ｍｍ］以下の範囲内であってもよい。この場合、ランプ１００の組立工程において外管５００を内管３００に被せやすくすることができる。
【００５５】
外管５００は、口金４００に、例えばセメント等の接着剤（図示せず）を用いて接着されている。外管５００の内部は、口金４００の通気孔（図示せず）を介して外管５００の内部と外部とが連通した大気状態とされていてもよいし、通気孔（図示せず）を塞ぐことで減圧状態にされていてもよいし、不活性ガスが充満されていてもよい。
【００５６】
４．口金について
口金の斜視図を図４に示す。口金４００は、給電端子４０１を有する本体部４０２と、少なくともその一部が外管５００の開口部５０１内に納められ、かつ給電端子４０１側に開口４０３が設けられた接続部４０４とを有している。
【００５７】
本体部４０２は、例えば碍子で形成されており、その接続部４０４側に、接続部４０４を固定するための接続部固定部４０５が設けられている。
【００５８】
図１に示すように、接続部固定部４０５は、例えば接続部４０４の少なくとも一部を収納することができる凹部である。なお、接続部固定部４０５には、接続部４０４の嵌合凹部４０６と嵌合する嵌合突起部４０７が設けられていてもよい。この場合、接続部４０４を接続部固定部４０５に固定する際、接続部４０４と接続部固定部４０５との位置合わせをしやすくすることができる。
【００５９】
給電端子４０１は、例えばシェル部４０８と、アイレット部４０９とを有する。
【００６０】
接続部４０４は、例えば外管側接続部４１０と、本体部側接続部４１１と、外管側接続部４１０と本体部側接続部４１１との間の外周に設けられたフランジ部４１２とを有する。
【００６１】
外管側接続部４１０は、例えば外管５００の管軸Ｘ500方向から見たときに、その外周面が外管５００の開口部５０１の内周面に沿った形状（図１および４の場合には略円形状）であって、その本体部４０２とは反対側に、内管３００の封止部３０１を固定するための内管固定部４１３を有する。内管固定部４１３は、例えば外管側接続部４１０の本体部４０２とは反対側の面から本体部側接続部４１１の本体部４０２側の面までの貫通孔である。図１に示すように、内管固定部４１３は、内管３００の封止部３０１を挿入した際、内管３００の平坦部３０１ｂを挟み込む位置に一対の挟持部４１４が設けられていてもよい。なお、挟持部４１４は、互いに対向する側に向かって本体部４０２側に傾斜していることが好ましい。この場合、内管固定部４１３に内管３００の封止部３０１を挿入する際、挟持部４１４に内管の封止部３０１が引っかかり難く、挿入しやすくすることができる。
【００６２】
図１に示すように、内管３００の封止部３０１は、例えば内管固定部４１２に挿入された状態で、接着剤（図示せず。）により接着されている。
【００６３】
本体部側接続部４１１は、例えば略円柱形状であって、本体部４０２の接続部固定部４０５に接続される。接続部４０４と接続部固定部４０５との間は、例えば接着剤（図示せず。）により接着されている。
【００６４】
フランジ部４１２は、外管５００の開口部５０１内に外管側接続部４１０が納められた状態において、外管５００の開口部５０１の端縁が当接することにより、外管５００の管軸Ｘ500方向の位置を調節することができるものである。
【００６５】
接続部４０４の外面には、接続部４０４と外管５００とを接着する接着剤（図示せず。）を、開口４０３から凸部５０２に対して外管５００の管軸Ｘ500方向における他端部５０３側に導くガイドが設けられている。本実施形態において、ガイドは、接続部４０４の側面に形成された溝部４１５の壁の一部である。
【００６６】
溝部４１５は、例えば外管５００の管軸Ｘ500方向に沿う縦溝部４１５ａと、縦溝部４１５ａから接続部４０４の周方向に延出する横溝部４１５ｂとからなる。この場合、ガイドは、横溝部４１５ｂにおける外管５００の管軸Ｘ500方向の他端部５０３側の壁４１５ｃである。具体的には、壁４１５ｃは、縦溝部４１５ａに向かうに従って、開口４０３から離れるようになっている。
【００６７】
図２（ａ）の要部拡大正面図を図５に示す。図５に示すように、接続部４０４と外管５００との間であって、凸部５０２に対して外管５００の管軸Ｘ500方向における他端部５０３側に接着剤１０１が配されている。ガイドとなる壁４１５ｃは、接続部４０４の周回方向において外管５００の凸部５０２に近づくに従って、外管５００の管軸Ｘ500方向において凸部５０２から離れている。以下、その仕組みについて説明する。
【００６８】
接着剤の注入工程の概念図を図６に示す。図６に示すように、接着剤１０１の注入工程は、外管５００の凸部５０２が溝部４１５内に位置するように、接続部４０４の外管側接続部４１０が外管５００の開口部５０１内に挿入された状態で、外管５００の他端部５０３側を略鉛直方向下側に固定した状態において、口金４００の開口４０３から口金４００と外管５００との間に接着剤を注入する。注入された接着剤は、ガイドとなる壁４１５ｃに当たった後、接続部４０４の周回方向において外管５００の凸部５０２に近づくに従って、外管５００の管軸Ｘ500方向において凸部５０２から離れている壁４１５ｃにより、外管５００の凸部５０２を避けるようにして、凸部５０２に対して外管５００の管軸Ｘ500方向における他端部５０３側に案内される。これにより、 接続部４０４と外管５００との間であって、凸部５０２に対して外管５００の管軸Ｘ500方向における他端部５０３側に接着剤１０１を配すことができる。
【００６９】
なお、図１および２〜５においては、ガイドが溝部４１５の壁４１５ｃである場合について説明したが、ガイドはこれに限らず、接続部４０４の少なくとも一部が外管５００の開口部５０１に挿入された状態において、外管５００の凸部５０２を避けるように、外管５００の管軸Ｘ500方向における先端部側に接着剤１０１を導く役割を果たすものであればよい。
【００７０】
また、外管５００の管軸に対して略垂直な方向から見た場合（図２（ａ）および図５の紙面の方向から見た場合）において、外管５００の凸部と、溝部４１５の壁４１５ｃとの間における接着剤が配されている範囲の最短距離Ｍ［ｍｍ］が、１［ｍｍ］以上１０［ｍｍ］以下の範囲内であることが好ましい。より好ましくは、２［ｍｍ］以上８［ｍｍ］以下の範囲内であることが好ましい。この場合、外管５００の管軸Ｘ500方向における先端部側に接着剤を配しやすくすることができる。
【００７１】
また、外管５００の凸部５０２は、横溝部４１５ｂ内に位置する状態で接着剤により接続部４０４と固定されていてもよい。この場合、ランプ１００の口金が鉛直方向において上になる状態でランプを使用する際、接着剤が劣化等により外れたとしても、外管５００の凸部５０２が横溝部４１５ｂに係止され、外管５００が落下するのをより確実に防止することができる。
【００７２】
また、外管５００の管軸Ｘ500方向において、外管５００と外管側接続部４１０との重なる長さＬは、３［ｍｍ］以上１０［ｍｍ］以下の範囲内であることが好ましい。この場合、外管側接続部４１０による光の遮りを抑制しつつ、外管側接続部４１０により、外管５００の管軸Ｘ500の傾きを十分に抑制することができる。さらに、Ｌは５［ｍｍ］以上８［ｍｍ］以下の範囲内であることがより好ましい。
【００７３】
また、口金４００における外管５００の管軸Ｘ500方向の長さＭは、３５［ｍｍ］以上５１［ｍｍ］以下の範囲内であることが好ましい。この場合、否発光な部分である口金４００の範囲を所定範囲内に納めることで、ランプ１００全体のコンパクト化を図ることができる。さらに、Ｍは３７［ｍｍ］以上４７［ｍｍ］以下の範囲内であることがより好ましい。
【００７４】
口金４００の平面図を図７に示す。図７の紙面上において（外管の管軸方向から見た場合において）、溝部４１５の角部の曲率半径Ｒは０．１［ｍｍ］以上１．５［ｍｍ］以下の範囲内であってもよい。この場合、外管５００の凸部５０２を溝部４１５に挿入しやすくすることができる。さらには、溝部４１５の角部の曲率半径Ｒは０．５［ｍｍ］以上１．０［ｍｍ］以下の範囲内であってもよい。この場合、外管５００の凸部５０２を溝部４１５にさらに挿入しやすくすることができる。
【００７５】
５．その他の構成
図１に示すように、内管３００の先端部３０２には、スペーサー１０２が設けられていてもよい。スペーサー１０２は、内管３００の先端部３０２中央に突出したチップオフ部３１０に枢支される環状部１０３と、環状部１０３から放射状に分岐するように形成されたバネ弾性を有する４［本］の帯状部１０４とを有し、これら帯状部１０４が、外管５００の閉塞部５０３側の内周部に押圧されて内方へ窄まるように弾性変形した状態で内管３００を外管５００に対して同心状に支持する曲げ形状に成形されている。
【００７６】
スペーサー１０２は、厚みが０．２［ｍｍ］のバネ用ステンレス鋼帯で形成され、スペーサー１０２の中心板部には、内管の先端部中央に突出した排気管を挿し通す円形穴が形成されると共に、その円形穴の周囲に沿ってチップオフ部３１０の外周部に当接させる複数本の爪片が形成され、更に、その円形穴と同心状に弧状断面を有する環状リブが形成されて、中心板部の強度が補強されている。
【００７７】
環状部１０３は、例えば内管３００の先端部３０２中央に突出したチップオフ部３１０に枢支される円形リング状である。
【００７８】
図１に示すように、環状部１０３の内側には、爪片１０５が形成されていてもよい。この場合、環状部１０３がチップオフ部３１０から外れ難くすることで、スペーサー１０２が内管３００から外れ難くすることができる。さらに、内管３００のチップオフ部３１０は、その先端部が拡径していてもよい。この場合、爪片１０５がチップオフ部３１０の先端部に引っかかることで、さらに環状部１０３がチップオフ部３１０から外れ難くなり、スペーサー１０２が内管３００から外れ難くすることができる。
【００７９】
帯状部１０４は、例えばバネ弾性を有し、環状部１０３から９０［°］間隔で放射状に分岐するように形成されている。帯状部１０４の先端部には、半球状の凸面部１０６が形成されていてもよい。この場合、 スペーサー１０２と外管５００との間の接触抵抗を低減することができる。
【００８０】
帯状部１０４の幅は、０．５［ｍｍ］以上３［ｍｍ］以下の範囲内であることが好ましい。この場合、スペーサー１０２を内管に装着した後に、内管３００に外管５００を被せる際、強い力を加えなくとも、外管５００の内周部に押圧されて内方へ窄まるように弾性変形し、作業を円滑に行うことができる。
【００８１】
なお、帯状部１０４は、４［本］に限らず、２［本］以上設けられていればよい。さらには、帯状部１０４同士の間隔は、略等間隔であることが好ましい。この場合、スペーサー１０２の安定性を向上することができる。
【００８２】
上記のとおり、本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプ１００の構成によれば、外管５００の管軸Ｘ500方向において、外管５００の凸部５０２に対して他端部５０３側に接着剤１０１を配しやすくし、外管５００が口金４００から外れるのをより確実に防止しやすくすることができる。
【００８３】
（第２の実施形態）
本発明の第２の実施形態に係る高圧放電ランプの分解斜視図を図８に、その正面図を図９（ａ）に、その右側面図を図９（ｂ）にそれぞれ示す。本発明の第２の実施形態に係る高圧放電ランプ（以下、「ランプ６００」という。）は、口金４１６の接続部４１７および外管５０６の凸部５０７の構成を除いては、ランプ１００と実質的に同じ構成を有する。よって、口金４１６の接続部４１７および外管５０６の凸部５０７について詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【００８４】
外管５０６は、一端部に開口部５０１および少なくとも１つの外側に突出する凸部５０７を有するとともに、他端部に閉塞部５０３を有する。すなわち、凸部５０７は、外管５０６の外側から内側に向かって突出している点を除いては、外管５００と実質的に同じ構成を有する。なお、本発明において、「外側に突出する凸部」とは、図９（ｂ）のように、局所的に外側に出っ張っているものに限らず、なめらかに外側に出っ張っているもの等、外管５０６の開口部５０１の外周面が多少なりとも外側に変形している部分を有していればよい。
【００８５】
接続部４１７の内面には、接続部４１７と外管５０６とを接着する接着剤１０１を、開口から凸部５０７に対して外管５０６の管軸Ｘ506方向における他端部５０３側に導くガイドが設けられており、接続部４１７と外管５０６との間であって、凸部５０７に対して外管５０６の管軸Ｘ506方向における他端部５０３側に接着剤１０１が配されている。
【００８６】
口金４１６の斜視図を図１０に示す。口金４１６の接続部４１７は、外管側接続部４１０の構成を除いては、接続部４０４と実質的に同じ構成を有する。
【００８７】
接続部４１７は、外管側接続部４１８に対し、フランジ部４１２の外側を覆うように周壁部４１９を有し、溝部４２０が周壁部４１９の内面に形成されている点で、接続部４０４とは異なる。
【００８８】
口金４１６の周壁部４１９の斜視図を図１１に示す。図１１に示すように、周壁部４１９の内面には、溝部４２０が設けられ、溝部４２０は、外管５０６の管軸Ｘ506方向に沿う縦溝部４２０ａと、縦溝部４２０ａから接続部の周方向に延出する横溝部４２０ｂとからなる。 本実施形態において、ガイドは、横溝部４２０ｂにおける外管５０６の管軸Ｘ506方向の他端部５０３側の壁４２０ｃである。
【００８９】
なお、外管５０６の凸部５０７が横溝部４２０ｂ内に位置する状態で接着剤により接続部４１７と固定されていてもよい。この場合、ランプ１００の口金が上になる状態でランプを使用する際、接着剤が劣化等により外れたとしても、外管５０６の凸部５０７が横溝部４２０ｂに係止され、外管５０６が落下するのをより確実に防止することができる。
【００９０】
上記のとおり、本発明の第２の実施形態に係る高圧放電ランプ６００の構成によれば、 外管５０６の管軸Ｘ506方向において、外管５０６の凸部５０７に対して他端部５０３側に接着剤１０１を配しやすくし、外管５０６が口金４１６から外れるのをより確実に防止しやすくすることができる。
【００９１】
（第３の実施形態）
本発明の第３の実施形態に係る照明装置の一部切り欠き正面図を図１２に示す。本発明の第３の実施形態に係る照明装置（以下、「照明装置７００」という。）は、 高圧放電ランプと、高圧放電ランプが取り付けられた照明器具７０１とを備える。
【００９２】
高圧放電ランプは、例えばランプ１００を用いることができる。なお、ランプ１００に限らず、ランプ２００や後述の変形例を用いてもよい。
【００９３】
照明器具７０１は、内部に配置されたランプ１００から発せられた光を前方に反射させる反射板７０４と、反射板７０４内に組み込まれ、かつランプ１００が取り付けられるソケット（図示せず。）と、反射板７０４を壁や天井に取着するための取着具（図示せず）とを備える。
【００９４】
反射板７０４は、図１２に示すように、凹状の反射面７０３を備える。この反射面７０３は、例えば、アルミ鏡を利用することで構成される。なお、この反射板７０４は、その開口（光取り出し口）７０５がガラス板等によって塞がれていない、所謂、（前面）開放型である。
【００９５】
ソケットは、ランプ１００の口金と電気的に接続され、ランプ１００に電力を供給する。なお、ランプ１００を点灯させるための安定器（図示せず。）は、例えば、天井内に埋め込まれる等しており、供給線７０６を介してランプ１００に給電を行う。
【００９６】
取着具は、例えば、「コ」字形状をしており、並行に配された一対のアーム７０７と、一対のアーム７０７の一端同士を連結する連結部（図示せず。）とを有し、一対のアーム７０７間に反射板７０４を挟んだ状態で、反射板７０４がアーム７０７により回動自在に軸支され、連結部が、例えば、壁や天井に取り付けられる。なお、照明装置７００から放射される光の向きは、反射板７０４に対して回動自在な取着具を回動させることによって調節できる。
【００９７】
上記のとおり、本発明の第３の実施形態に係る照明装置７００の構成によれば、 外管５００，５０６が口金４００，４１６から外れるのをより確実に防止しやすくした高圧放電ランプを備えることで、信頼性を向上することができる。
【００９８】
（変形例）
以上、本発明を上記した各実施形態に示した具体例に基づいて説明したが、本発明の内容が各実施形態に示した具体例に限定されないことは勿論であり、種々の高圧放電ランプおよび照明装置に適用することができる。
【００９９】
１．口金について
１−１．口金の変形例１
本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例１の斜視図を図１３に示す。本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例１（以下、「口金４２１」という。）は、溝部４２２の壁４２２ｃの構成を除いては口金４００と実質的に同じ構成を有する。よって、溝部４２２の壁４２２ｃについて詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【０１００】
溝部４２２の壁４２２ｃは、接続部４０４の周回方向において外管５００の凸部５０２に近づくに従って、段階的に外管５００の管軸Ｘ500方向において凸部５０２から離れている。具体的には、壁４２２ｃは、縦溝部４１５ａに向かうに従って、段階的に開口４０３から離れるようになっている。
【０１０１】
この場合、壁４２２ｃが段階的に階段状になっていることで、接着剤を注入して固まった後、接着剤が引っかかる部分を多くすることができ、接着剤と口金４２１との接着力を高めることができる。
【０１０２】
なお、図１３に示す壁４２２ｃは、２段階に外管５００の管軸Ｘ500方向において凸部５０２から離れているが、２段階に限らず、３段階や４段階等、多段階のものであってもよい。
【０１０３】
１−２．口金の変形例２
本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例２の斜視図を図１４に示す。本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例２（以下、「口金４２３」という。）は、溝部４２４の壁４２４ｃの構成を除いては口金４００と実質的に同じ構成を有する。よって、溝部４２４の壁４２４ｃについて詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【０１０４】
溝部４２４の壁４２４ｃは、外管５００の管軸Ｘ500方向において、フランジ部４１２から接続部４０４の本体部４０２とは反対側の端縁まで、接続部４０４の周回方向において外管５００の凸部５０２に近づくに従って、外管５００の管軸Ｘ500方向において凸部５０２から離れている。具体的には、壁４２４ｃは、フランジ部４１２から接続部４０４の本体部４０２とは反対側の端縁まで、縦溝部４１５ａに向かうに従って、開口４０３から離れるようになっている。
【０１０５】
この場合、溝部４２４の構造をよりシンプルにすることで、溝部４２４の加工をしやすくすることができる。
【０１０６】
１−３．口金の変形例３
本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例３の斜視図を図１５に示す。本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例３（以下、「口金４２５」という。）は、溝部４２６の壁４２６ｃの構成を除いては口金４２３と実質的に同じ構成を有する。よって、溝部４２６の壁４２６ｃについて詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【０１０７】
溝部４２６の壁４２６ｃは、縦溝部４１５ａ側に膨らむ弧状となっている。この場合、接着剤１０１が壁４２６ｃの曲面に沿って、より縦溝部４１５ａの本体部４０１とは反対側に流れやすくすることができる。
【０１０８】
なお、図１５に示す溝部４２６の壁４２６ｃは、口金４２３の溝部４２４の壁４２４ｃに対し、縦溝部４１５ａ側に膨らむ形状であるが、これに限らず、他の上述の実施形態や変形例においても同様の構造を採用することが可能である。
【０１０９】
１−４．口金の変形例４
本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例４の斜視図を図１６に示す。本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例６（以下、「口金４２７」という。）は、溝部４２８の壁４２８ｃの構成を除いては口金４２３と実質的に同じ構成を有する。よって、溝部４２８の壁４２８ｃについて詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【０１１０】
溝部４２８の壁４２８ｃは、縦溝４１５ａ側に対して凹む弧状となっている。この場合、横溝部４１５ｂにより多くの接着剤１０１を充填することができ、口金４００と外管５００との接着力を向上することができる。
【０１１１】
なお、図１６に示す溝部４２８の壁４２８ｃは、口金４２３の溝部４２４の壁４２４ｃに対し、縦溝部４１５ａ側に膨らむ形状であるが、これに限らず、他の上述の実施形態や変形例においても同様の構造を採用することが可能である。
【０１１２】
１−５．口金の変形例５
本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例５の斜視図を図１７に示す。本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例５（以下、「口金４２９」という。）は、溝部４３０の横溝部４３０ｂおよび壁４３０ｃの構成を除いては口金４２３と実質的に同じ構成を有する。よって、溝部４３０の横溝部４３０ｂおよび壁４３０ｃについて詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【０１１３】
溝部４３０の横溝部４３０ｂが、縦溝部４１５ａの周回方向の両側に延出して、２つ設けられている。これに伴い、壁４３０ｃも縦溝部４１５ａの両側に設けられている。この場合、ガイドとなる壁４３０ｃが複数設けられていることで、開口４０３から接着剤を注入する際、その注入位置の選択の自由度を広げることができる。
【０１１４】
１−６．口金の変形例６
本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例６の斜視図を図１８に示す。本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例６（以下、「口金４３１」という。）は、溝部４３２の縦溝部４３２ａの構成を除いては口金４２３と実質的に同じ構成を有する。よって、溝部４３２の縦溝部４３２ａについて詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【０１１５】
溝部４３２の縦溝部４３２ａは、外管５００の管軸Ｘ500方向において、接続部４０４の本体部４０２と反対側の端縁まで貫通しておらず、縦溝壁部４３２ｄを有する。この場合、開口４０３から注入した接着剤１０１が接続部４０４の本体部４０２とは反対側の端縁から縦溝部４３２ａを通じてはみ出るのを防止することができ、ランプの美観を向上させることができる。
【０１１６】
なお、この場合、接続部４０４の外管側接続部４１０が外管５００の開口部５０１内に挿入されるためには、凸部５０２の形成されている部分を含む外管５００の開口部５０１の最小内径を外管側接続部４１０の外径よりも大きくする等の寸法の調節が必要である。
【０１１７】
１−７．口金の変形例７
本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例７の斜視図を図１９に示す。本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例７（以下、「口金４３３」という。）は、溝部４３４の縦溝部４３４ａの構成を除いては口金４０４と実質的に同じ構成を有する。よって、溝部４３４の縦溝部４３４ａについて詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【０１１８】
溝部４３４の縦溝部４３４ａは、横溝部４１５ｂの反対側の壁が無く、切り欠かれた構造となっている。すなわち、接続部４０４の外管側接続部４１０が外管５００の開口部５０１内に挿入された状態において、縦溝部４３４ａの横溝部４１５ｂとは反対側の壁が無く、切り欠かれた部分に接着剤を注入することができる。すなわち、切り欠かれた部分において、溝部４３４と外管５００の内面とをガイドとすることができる。
【０１１９】
この場合、溝部４３４の壁が少なくなることで、角部を少なくすることができ、ランプの組み立て等の際、角部が欠けるのを抑制することができる。
【０１２０】
なお、図１９に示す横溝部４１５ｂは、外管５００の管軸Ｘ500方向において、本体部４０２と反対側の壁が接続部４０４の周回方向と略平行となっているが、これに限らず種々の構造を採用することができる。
【０１２１】
１−８．ガイドについて
上述の各実施形態および変形例においては、口金４００，４１６，４２１，４２３，４２５，４２７，４２９，４３１の溝部４１５，４２０，４２２，４２４，４２６，４２８，４３０，４３２の壁の一部をガイドとしていたが、これに限らず、口金４００、４１６，４２１，４２３，４２５，４２７，４２９，４３１の接続部４０４の外面に突出した壁を設けてガイドとしたものであってもよい。
【０１２２】
１−９．接続部と本体部について
上述の各実施形態および変形例においては、口金４００，４１６，４２１，４２３，４２５，４２７，４２９，４３１，４３３は、本体部４０２および接続部４０４，４１７を組み合わせてなるものであったが、本体部４０２および接続部４０４，４１７は一体成型等、一体的に形成されたものであってもよいし、３つ以上の部品を組み合わせてなるものであってもよい。
【０１２３】
２．その他の構成について
２−１．凸部について
各実施形態および変形例においては、外管５００，５０６の凸部５０２，５０７が外管５００，５０６の周方向に略１８０［°］間隔で２つ設けられたものについて説明したが、これに限らず、凸部５０２，５０７は外管５００，５０６の開口部に少なくとも１つ設けられていればよい。
【０１２４】
また、凸部５０２，５０７が複数設けられている場合において、その間隔については、自由に選定可能である。なお、例えば、凸部５０２，５０７が２つ設けられている場合には、凸部５０２，５０７間の最も近い間隔が、外管５００，５０６の周方向に４５［°］以上１８０［°］以下の範囲内の間隔を空けて設けられていることが好ましい。この場合、凸部５０２，５０７同士が近づきすぎず、凸部５０２，５０７を成形しやすくすることができる。
【０１２５】
２−２．溝部および開口について
各実施形態および変形例においては、口金４００，４１６，４２１，４２３，４２５，４２７，４２９，４３１，４３３の溝部４１５，４２０，４２２，４２４，４２６，４２８，４３０，４３２，４３４および開口４０３は、外管５００，５０６の凸部５０２，５０７に対応する数が設けられたもので、具体的には、口金に２つに設けられたものについて説明したが、これに限らず、溝部４１５，４２０，４２２，４２４，４２６，４２８，４３０，４３２，４３４および開口４０３は凸部５０２，５０７の数に対応したものに限らず、１つの溝部４１５，４２０，４２２，４２４，４２６，４２８，４３０，４３２，４３４や開口４０３に２つ以上の複数の凸部５０２，５０７が対応するものであってもよい。
【０１２６】
２−３．数値範囲について
上述の各実施形態および変形例においては、数値範囲を示す符号「〜」は、その両端の数値を含む。
【産業上の利用可能性】
【０１２７】
本発明は、高圧放電ランプおよび照明装置に広く適用できる。
【符号の説明】
【０１２８】
１００、６００ 高圧放電ランプ
１０１ 接着剤
２００ 放電管
３００ 内管
４００、４１６、４２１、４２３、４２５、４２７、４２９、４３１、４３３ 口金
４０１ 給電端子
４０２ 本体部
４０３ 開口
４０４、４１７ 接続部
５００ 外管
５０１ 開口部
５０２ 凸部
５０３ 閉塞部（他端部）
７００ 照明装置
【技術分野】
【０００１】
本発明は、高圧放電ランプおよび照明装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来の高圧放電ランプの分解斜視図を図２０に示す。従来の高圧放電ランプ（以下、「ランプ１」という。）は、ガラス製の気密管２にセラミックメタルハライドランプなどの発光管３を収納したランプ本体４が、外管５に収納された状態で口金６に取り付けられてなり、口金６は、ソケット（図示せず）に電気接続される接触端子７を備えた口金本体８と、ランプ本体４および外管５を保持した状態で口金本体８の内側に嵌合される取付ベース９からなり、取付ベース９は、気密管２のピンチシール部１０を挿通保持する挿通孔１１が貫通形成され、外周面には、外管開口端５ａを当接させるフランジ１２が形成されると共に、取付ベース９の外周面と外管の内周面を相互に係合するジョイント部が形成され、口金本体に対向する取付ベースの底面側には、外管を装着した状態で前記ジョイント部に接着剤を充填する接着剤注入口１３が開口形成されている。
【０００３】
ジョイント部は、外管５および取付ベース９の周方向に沿ってその径方向に対向する２箇所に設けられており、取付ベース９の外周面９ａと対峙する外管の内周面５ｂとの間に形成されるギャップに面して、取付ベース９の外周面９ａに形成された係合凹部１４および外管５の内周面５ｂに形成された係合突起１５、ギャップに充填した耐熱性接着剤（図示せず）によってインモールド成形されたジョイントからなる。
【０００４】
そして、係合凹部１４は、外管５に形成された係合突起１５を軸方向に案内し得る程度の幅狭な案内溝１４ａと、係合突起１５が案内溝１４ａ内に案内されて外管５の開口端５ａが取付ベース９のフランジ１２に当接された状態で、外管５を周方向に回転させて係合突起１５を引っ掛けることができる程度の幅広の係合溝１４ｂからなり、係合溝１４ｂの取付ベース９上面側が係合突起１５と係合する水平係合部１４ｃに形成されている。
【０００５】
また、係合凹部１４は、フランジ１２が切り欠かれて取付ベース９の底面９ｂまで延設され、その底面９ｂ側がジョイント部内に耐熱性接着剤を注入する接着剤注入口１３として開口されている（例えば特許文献１参照。）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特開２０１０−１８２５０８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
発明者らは、ランプ１について、市場で用いられているものを調べたところ、図２１に示すように、係合突起１５（外管の凸部）が、案内溝１４ａに位置した状態で接着剤（図示せず。）により接着されていることがわかった。この場合、仮に、外管５と接着剤との間の接着が外れた場合には、水平係止部１４ｃによる係止ができず、外管５が取付ベース９から外れてしまうおそれがあるため、ランプ１の外管５の管軸Ｘ5方向において、係合突起１５に対し、ランプ１の先端側に接着剤を配することが必要である。管軸Ｘ5方向において、係合突起１５に対し、ランプ１の先端側に接着剤が配されていれば、外管５と接着剤との間の接着が外れたとしても、接着剤自体が水平係合部１４ｃと同様の役割を果たし、外管が取付ベース９から外れるのを予防することができるためである。
【０００８】
しかしながら、発明者らの検討により、ランプ１の場合、接着剤注入口１３から接着剤を注入すると、管軸Ｘ5方向において、外管５の係合突起１５に対し、ランプ１の先端側に接着剤を配し難いことがわかった。
【０００９】
図２２に示すように、接着剤注入口１３から接着剤１６を注入すると、外管５の係合突起１５および係合水平部１４ｃによって、接着剤１６が管軸方向に流れていくのを阻害されてしまう。この場合、接着剤１６を大量に注入して、外管５の係合突起１５と係合水平部１４ｃとの間から管軸Ｘ1方向におけるランプ１の先端側に接着剤１６を押し出すことも考えられるが、係合突起１５により押し返された接着剤１６が接着剤注入口１３から溢れてしまう。
【００１０】
そこで、本発明に係る高圧放電ランプは、外管の管軸方向において、外管の凸部に対して先端側に接着剤を配しやすくし、外管が口金から外れるのをより確実に防止しやすくすることを目的とする。
【００１１】
また、本発明に係る照明装置は、外管が口金から外れるのをより確実に防止しやすくした高圧放電ランプを用いることで、信頼性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１２】
上記課題を解決するために、本発明に係る高圧放電ランプは、内部に放電管が配置された内管が、口金と外管とで囲まれた空間に収容された高圧放電ランプであって、前記外管は、一端部に開口部および少なくとも１つの内側に突出する凸部を有するとともに、他端部に閉塞部を有し、前記口金は、給電端子を有する本体部と、少なくともその一部が前記外管の開口部内に納められ、かつ前記給電端子側に開口が設けられた接続部とを有し、前記接続部の外面には、前記接続部と前記外管とを接着する接着剤を、前記開口から前記凸部に対して前記外管の管軸方向における他端部側に導くガイドが設けられており、前記接続部と前記外管との間であって、前記凸部に対して前記外管の管軸方向における前記他端部側に前記接着剤が配されていることを特徴とする。
【００１３】
本発明に係る高圧放電ランプは、内部に放電管が配置された内管が、口金と外管とで囲まれた空間に収容された高圧放電ランプであって、前記外管は、一端部に開口部および少なくとも１つの外側に突出する凸部を有するとともに、他端部に閉塞部を有し、前記口金は、給電端子を有する本体部と、少なくともその一部に前記外管の開口部が納められ、かつ前記給電端子側に開口が設けられた接続部とを有し、前記接続部の内面には、前記接続部と前記外管とを接着する接着剤を、前記開口から前記凸部に対して前記外管の管軸方向における他端部側に導くガイドが設けられており、前記接続部と前記外管との間であって、前記凸部に対して前記外管の管軸方向における他端部側に前記接着剤が配されていることを特徴とする高圧放電ランプ。
【００１４】
本発明に係る高圧放電ランプは、前記ガイドは、前記接続部の周回方向において前記凸部に近づくに従って、前記管軸方向において前記凸部から離れる部分を有していてもよい。
【００１５】
本発明に係る照明装置は、高圧放電ランプと、前記高圧放電ランプが取り付けられた照明器具とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１６】
本発明に係る高圧放電ランプは、外管の管軸方向において、外管の凸部に対して先端側に接着剤を配しやすくし、外管が口金から外れるのをより確実に防止しやすくすることができる。
【００１７】
また、本発明に係る照明装置は、外管が口金から外れるのをより確実に防止しやすくした高圧放電ランプを用いることで、信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１８】
【図１】本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの分解斜視図
【図２】（ａ）同じく高圧放電ランプの正面図、（ｂ）同じく高圧放電ランプの右側面図
【図３】同じく高圧放電ランプの放電管の管軸を含む断面図
【図４】同じく高圧放電ランプの口金の斜視図
【図５】図２（ａ）の要部拡大正面図
【図６】接着剤注入工程の概念図
【図７】本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の平面図
【図８】本発明の第２の実施形態に係る高圧放電ランプの分解斜視図
【図９】（ａ）同じく高圧放電ランプの正面図、（ｂ）同じく高圧放電ランプの右側面図
【図１０】同じく高圧放電ランプの口金の斜視図
【図１１】同じく高圧放電ランプの口金の周壁部の斜視図
【図１２】本発明の第３の実施形態に係る照明装置の一部切り欠き正面図
【図１３】本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例１の斜視図
【図１４】同じく高圧放電ランプの口金の変形例２の斜視図
【図１５】同じく高圧放電ランプの口金の変形例３の斜視図
【図１６】同じく高圧放電ランプの口金の変形例４の斜視図
【図１７】同じく高圧放電ランプの口金の変形例５の斜視図
【図１８】同じく高圧放電ランプの口金の変形例６の斜視図
【図１９】同じく高圧放電ランプの口金の変形例７の斜視図
【図２０】従来の高圧放電ランプの分解斜視図
【図２１】同じく高圧放電ランプの正面図
【図２２】同じく高圧放電ランプの外管と取付ベースとの接着工程の概念図
【発明を実施するための形態】
【００１９】
（第１の実施形態）
本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの分解斜視図を図１に、その正面図を図２（ａ）に、その右側面図を図２（ｂ）にそれぞれ示す。本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプ（以下、「ランプ１００」という。）は、内部に放電管２００が配置された内管３００が、口金４００と外管５００とで囲まれた空間に収容されており、例えば、メタルハライドランプである。なお、説明の便宜上、図２（ａ）および（ｂ）においては、後述する接着剤１０１を図示していない。
【００２０】
１．放電管について
放電管２００の管軸Ｘ200を含む断面図を図３に示す。放電管２００は、内部に放電空間２０１を形成するための本管部２０２と本管部２０２の管軸Ｘ200方向両側に延出するように形成された細管部２０３，２０４とからなる外囲器２０５を有している。
【００２１】
本管部２０２および細管部２０３，２０４は、管状（ここでは、横断面形状が円形状である。）をし、本管部２０２における管軸Ｘ200と直交する方向の寸法（ここでは、内径および外径である。）が、細管部２０３，２０４における寸法（内径・外径）よりも大きい。
【００２２】
本管部２０２および細管部２０３，２０４（すなわち外囲器２０５）は、例えば、透光性セラミックで形成されている。透光性セラミックには、例えば、アルミナセラミックを用いることができる。なお、他のセラミック、例えば、希土類アルミナガーネットセラミックなどでも良く、あるいは、石英ガラス等で構成してもよい。
【００２３】
また、図面では、放電管２００は、本管部２０２および細管部２０３，２０４が一体的に成形された一体型であるが、複数の部材を接合して本管部２０２を形成したものであってもよい。例えば、本管部２０２の中心で管軸Ｘ200と直交する方向に半切した形状の部材において端部に細管部２０３もしくは２０４を一体に成形し、これらを２個１組として本管部２０２中央の切片に相当する面を接合して形成したものであってもよく、本管部２０２と細管部２０３，２０４とを有しかつ本管部２０２の管軸Ｘ200に水平な方向に切断した形状の部材をそれぞれ別々に成形し、切片に相当する面を接合したものであってもよい。
【００２４】
また、本管部２０２と細管部２０３，２０４とを別々に形成した後に接合した焼き嵌めタイプのものであってもよい。この場合、本管部を筒状部材とリング部材とで形成し、筒状部材とリング部材との接合、およびリング部材と細管部との間を焼き嵌めに接合したものであってもよい。
【００２５】
本管部２０２は、放電空間２０１の内部で、図１に示すランプ１００の長手方向の中心軸（以下、単に、「ランプ軸Ｘ100」ともいう。）上、あるいはランプ軸Ｘ100と平行な軸上で互いに略対向する一対の電極２０６，２０７を備える。
【００２６】
放電空間２０１には、例えば発光物質である金属ハロゲン化物、始動補助ガスである希ガス、および緩衝ガスである水銀がそれぞれ所定量封入されている。金属ハロゲン化物としては、例えば、ヨウ化ナトリウムやヨウ化ジスプロシウム、ヨウ化ホルミウム、ヨウ化ツリウム、ヨウ化タリウム、ヨウ化セリウム、ヨウ化プラセオジウム、ヨウ化ネオジウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化インジウム、ヨウ化スカンジウム等が用いられる。
【００２７】
電極２０６，２０７は、図３に示すように、電極棒２０８，２０９と、電極棒２０８，２０９の先端側（放電空間２０１側）の端部に設けられた電極コイル２１０，２１１とを備えている。
【００２８】
なお、図３に示すように、電極棒２０８，２０９と細管部２０３，２０４との隙間には、発光物質の前記隙間への侵入を防ぐためのモリブデンコイル２１２，２１３が電極棒２０８，２０９に巻装されていてもよい。
【００２９】
電極２０６，２０７は、理想的（設計的）には上述した通り、ランプ軸Ｘ100上で互いに対向するように、つまり、電極棒２０８，２０９の中心軸がランプ軸Ｘ100上に配置される。しかし、実際には、そのプロセスの精度上、前記中心軸がランプ軸Ｘ100上にない場合もある。
【００３０】
細管部２０３，２０４の各々には、先端部（放電空間と反対側の端部である。）に前記各電極２０８，２０９が接合された給電体２１４，２１５が挿入されている。給電体２１４，２１５は、内部給電線２１６，２１７と外部給電線２１８，２１９とから構成されている。なお、内部給電線２１６，２１７と外部給電線２１８，２１９とは、例えば、溶接により接合されている。
【００３１】
内部給電線２１６，２１７は、例えばモリブデンとセラミックとを混合、焼結した導電性サーメットである。
【００３２】
外部給電線２１８，２１９は、例えばニッケルである。
【００３３】
内部給電線２１６，２１７と外部給電線２１８，２１９との接続部分にはセラミック筒２２０，２２１が嵌め込まれていてもよい。この場合、内部給電線２１６，２１７と外部給電線２１８，２１９との接続を補強することができる。
【００３４】
さらに、細管部２０３，２０４の端面と、セラミック筒２２０，２２１との間に、ニオブ製またはタンタル製のリング部材２２２，２２３が設けられていてもよい。この場合、後述する給電体２１４，２１５と細管部との間に生じる隙間をシールするフリットにＣＯやＣＯ2の気泡が発生するのを抑制することができる。
【００３５】
給電体２１４，２１５は、それぞれの細管部２０３，２０４における、本管部２０２とは反対側の端部部分に流し込まれたフリットからなるシール材２２４，２２５によって封着されている。
【００３６】
なお、図３においては、図示の便宜上、電極２０６，２０７、モリブデンコイル２１２，２１３および給電体２１４，２１５は断面で切らずに示している。
【００３７】
２．内管について
図１に戻って、内管３００は、例えば、封止部３０１、先端部３０２および中間部３０３からなる片封止型の気密容器である。
【００３８】
封止部３０１は、例えばピンチシール法による圧潰封止で形成されており、内管３００の口金４００側端部を構成している。封止部３０１には、放電管２００の外部給電線２１８，２１９にそれぞれ接続される電力供給線３０４，３０５の一端部と、金属箔３０６，３０７の全体と、導入線３０８，３０９の一端部とが封止されている。
【００３９】
図１に示すように、封止部３０１は、ピンチによる押圧時にピンチに接触している部分（の外面）は平坦面３０１ａとなり、ピンチに接触していない部分（の外面）は、ピンチの間から押圧方向と直交する方向に膨出して膨出面３０１ｂとなる。
【００４０】
先端部３０２は、内管３００の口金４００とは反対側の端部を構成している。先端部３０２には、内管３００内を真空引きする際に用いた排気管（図示せず。）の残部であるチップオフ部分３１０が存在している。内管３００内を真空引きすることによって、給電体２１４，２１５や電力供給線３０４，３０５等の金属部材が高温にさらされ酸化するのを防止することができる。「真空引き」とは、大気中に含まれる酸素による金属部材の酸化のために生じる美観の損失が顕著でないくらいに減圧された状態にすることを意味し、実用的には０．１気圧以下とすれば美観に対して影響は少ない。
【００４１】
なお、内管３００内を真空にする代わりに、内管３００内に窒素等の不活性ガスを充満させることによっても、金属部材が酸化するのを防止することができる。
【００４２】
なお、図２（ａ）および（ｂ）に示すように、内管３００内の酸素等の不純ガスを吸着するため、例えば電力給電線３０４にゲッタ部材３１１を配してもよい。
【００４３】
先端部３０２は、例えば略半球状や平坦形状である場合において、中間部３０３の外径は１３[ｍｍ]〜１７[ｍｍ]、肉厚は１［ｍｍ］〜２[ｍｍ]である。内管３００は、中間部３０３が例えば略円筒状であって、当該中間部３０３内に放電管２００の外囲器２０５が配置されている。なお、中間部３０３の形状は略円筒状に限定されず、多角形や楕円の筒状等円筒以外の筒状であっても良い。また、中間部３０３の内径および外径は必ずしも内管３００の管軸方向に沿って均一である必要はなく、例えば図２（ａ）および（ｂ）に示すように、放電管２００の本管部２０３に相当する位置の内径および外径が、それ以外の位置の内径および外径よりも大きくなっているような形状、すなわち一部に膨出部を有する中膨形状であっても良い。これにより、放電管２００の温度が過度に上昇することを抑制することができる。
【００４４】
内管３００は、例えば石英ガラスで形成されている。なお、内管３００は、石英ガラスで形成されたものに限定されず、アルミナセラミック等の透光性セラミック、硼珪酸ガラス等の硬質ガラス等で形成されていてもよい。
【００４５】
内管３００の口金４００側は、例えば後述する口金４００の接続部４０２にセメント（図示せず）等の接着剤を介して固定されている。
【００４６】
３．外管について
外管５００は、一端部に開口部５０１および少なくとも１つの内側に突出する凸部５０２を有するとともに、他端部に閉塞部５０３を有している。
【００４７】
なお、本発明において、「内側に突出する凸部」とは、図２（ｂ）のように、局所的に内側に出っ張っているものに限らず、なめらかに内側に出っ張っているもの等、外管５００の開口部５０１の内周面が多少なりとも内側に変形している部分を有していればよい。
【００４８】
外管５００は、具体的には、例えば開口部（一端部）５０１と、閉塞部（他端部）５０３と、それら開口部５０１および閉塞部５０３の間の中間部５０４とで構成される有底筒状であって、放電管２００の破裂によって内管３００が破損した場合に、それら破裂や破損で生じた破片が飛散するのを防止する役割を果たす。したがって、光照射側が開口したままの照明器具（図示せず）に使用しても破片が飛散するのを防止することができる。
【００４９】
外管５００は、例えば硬質ガラスで形成されている。なお、外管５００は、硬質ガラスで形成されたものに限定されず、アルミナセラミック等の透光性セラミック、石英ガラス等で形成されていてもよい。
【００５０】
閉塞部５０３は、略半球状、若しくは平坦形状が好ましい。また、必ずしも同一部材で閉塞する必要はなく、例えば金属やセラミック等の別部材を用いて閉塞されていてもよい。
【００５１】
中間部５０４は、例えば放電管２００の本管部２０２に相当する位置の内径および外径が、それ以外の位置の内径および外径よりも大きくなっているような形状、すなわち一部に膨出部５０５を有する中膨形状である。膨出部５０５を設けることにより放電管２００からの熱による外管５００の温度上昇を低減することで、硬質ガラスの歪点からの裕度ができて適合する照明器具（図示せず）の選択の幅を広げることができる。さらに、隙間が最大で５［ｍｍ］になるよう設計されていてもよい。この場合、放電管２００の破損時の安全性を向上することができる。
【００５２】
なお、中間部５０４の形状は、中膨形状に限られず略円筒形状であってもよい。また、中間部５０４の形状は略円筒状に限定されず、多角形や楕円の筒状等円筒以外の筒状であってもよい。
【００５３】
ランプ１００は、外管中間部５０４の最大外径は１６［ｍｍ］〜２９［ｍｍ］でこの場合、コンパクトな照明器具へ適合させやすくすることができる。外管中間部の肉厚は１［ｍｍ］〜２［ｍｍ］であってもよい。
【００５４】
なお、外管５００の最小内径と内管の最大外径との差が０．５［ｍｍ］以上３．０［ｍｍ］以下の範囲内であってもよい。この場合、ランプ１００の組立工程において外管５００を内管３００に被せやすくすることができる。
【００５５】
外管５００は、口金４００に、例えばセメント等の接着剤（図示せず）を用いて接着されている。外管５００の内部は、口金４００の通気孔（図示せず）を介して外管５００の内部と外部とが連通した大気状態とされていてもよいし、通気孔（図示せず）を塞ぐことで減圧状態にされていてもよいし、不活性ガスが充満されていてもよい。
【００５６】
４．口金について
口金の斜視図を図４に示す。口金４００は、給電端子４０１を有する本体部４０２と、少なくともその一部が外管５００の開口部５０１内に納められ、かつ給電端子４０１側に開口４０３が設けられた接続部４０４とを有している。
【００５７】
本体部４０２は、例えば碍子で形成されており、その接続部４０４側に、接続部４０４を固定するための接続部固定部４０５が設けられている。
【００５８】
図１に示すように、接続部固定部４０５は、例えば接続部４０４の少なくとも一部を収納することができる凹部である。なお、接続部固定部４０５には、接続部４０４の嵌合凹部４０６と嵌合する嵌合突起部４０７が設けられていてもよい。この場合、接続部４０４を接続部固定部４０５に固定する際、接続部４０４と接続部固定部４０５との位置合わせをしやすくすることができる。
【００５９】
給電端子４０１は、例えばシェル部４０８と、アイレット部４０９とを有する。
【００６０】
接続部４０４は、例えば外管側接続部４１０と、本体部側接続部４１１と、外管側接続部４１０と本体部側接続部４１１との間の外周に設けられたフランジ部４１２とを有する。
【００６１】
外管側接続部４１０は、例えば外管５００の管軸Ｘ500方向から見たときに、その外周面が外管５００の開口部５０１の内周面に沿った形状（図１および４の場合には略円形状）であって、その本体部４０２とは反対側に、内管３００の封止部３０１を固定するための内管固定部４１３を有する。内管固定部４１３は、例えば外管側接続部４１０の本体部４０２とは反対側の面から本体部側接続部４１１の本体部４０２側の面までの貫通孔である。図１に示すように、内管固定部４１３は、内管３００の封止部３０１を挿入した際、内管３００の平坦部３０１ｂを挟み込む位置に一対の挟持部４１４が設けられていてもよい。なお、挟持部４１４は、互いに対向する側に向かって本体部４０２側に傾斜していることが好ましい。この場合、内管固定部４１３に内管３００の封止部３０１を挿入する際、挟持部４１４に内管の封止部３０１が引っかかり難く、挿入しやすくすることができる。
【００６２】
図１に示すように、内管３００の封止部３０１は、例えば内管固定部４１２に挿入された状態で、接着剤（図示せず。）により接着されている。
【００６３】
本体部側接続部４１１は、例えば略円柱形状であって、本体部４０２の接続部固定部４０５に接続される。接続部４０４と接続部固定部４０５との間は、例えば接着剤（図示せず。）により接着されている。
【００６４】
フランジ部４１２は、外管５００の開口部５０１内に外管側接続部４１０が納められた状態において、外管５００の開口部５０１の端縁が当接することにより、外管５００の管軸Ｘ500方向の位置を調節することができるものである。
【００６５】
接続部４０４の外面には、接続部４０４と外管５００とを接着する接着剤（図示せず。）を、開口４０３から凸部５０２に対して外管５００の管軸Ｘ500方向における他端部５０３側に導くガイドが設けられている。本実施形態において、ガイドは、接続部４０４の側面に形成された溝部４１５の壁の一部である。
【００６６】
溝部４１５は、例えば外管５００の管軸Ｘ500方向に沿う縦溝部４１５ａと、縦溝部４１５ａから接続部４０４の周方向に延出する横溝部４１５ｂとからなる。この場合、ガイドは、横溝部４１５ｂにおける外管５００の管軸Ｘ500方向の他端部５０３側の壁４１５ｃである。具体的には、壁４１５ｃは、縦溝部４１５ａに向かうに従って、開口４０３から離れるようになっている。
【００６７】
図２（ａ）の要部拡大正面図を図５に示す。図５に示すように、接続部４０４と外管５００との間であって、凸部５０２に対して外管５００の管軸Ｘ500方向における他端部５０３側に接着剤１０１が配されている。ガイドとなる壁４１５ｃは、接続部４０４の周回方向において外管５００の凸部５０２に近づくに従って、外管５００の管軸Ｘ500方向において凸部５０２から離れている。以下、その仕組みについて説明する。
【００６８】
接着剤の注入工程の概念図を図６に示す。図６に示すように、接着剤１０１の注入工程は、外管５００の凸部５０２が溝部４１５内に位置するように、接続部４０４の外管側接続部４１０が外管５００の開口部５０１内に挿入された状態で、外管５００の他端部５０３側を略鉛直方向下側に固定した状態において、口金４００の開口４０３から口金４００と外管５００との間に接着剤を注入する。注入された接着剤は、ガイドとなる壁４１５ｃに当たった後、接続部４０４の周回方向において外管５００の凸部５０２に近づくに従って、外管５００の管軸Ｘ500方向において凸部５０２から離れている壁４１５ｃにより、外管５００の凸部５０２を避けるようにして、凸部５０２に対して外管５００の管軸Ｘ500方向における他端部５０３側に案内される。これにより、 接続部４０４と外管５００との間であって、凸部５０２に対して外管５００の管軸Ｘ500方向における他端部５０３側に接着剤１０１を配すことができる。
【００６９】
なお、図１および２〜５においては、ガイドが溝部４１５の壁４１５ｃである場合について説明したが、ガイドはこれに限らず、接続部４０４の少なくとも一部が外管５００の開口部５０１に挿入された状態において、外管５００の凸部５０２を避けるように、外管５００の管軸Ｘ500方向における先端部側に接着剤１０１を導く役割を果たすものであればよい。
【００７０】
また、外管５００の管軸に対して略垂直な方向から見た場合（図２（ａ）および図５の紙面の方向から見た場合）において、外管５００の凸部と、溝部４１５の壁４１５ｃとの間における接着剤が配されている範囲の最短距離Ｍ［ｍｍ］が、１［ｍｍ］以上１０［ｍｍ］以下の範囲内であることが好ましい。より好ましくは、２［ｍｍ］以上８［ｍｍ］以下の範囲内であることが好ましい。この場合、外管５００の管軸Ｘ500方向における先端部側に接着剤を配しやすくすることができる。
【００７１】
また、外管５００の凸部５０２は、横溝部４１５ｂ内に位置する状態で接着剤により接続部４０４と固定されていてもよい。この場合、ランプ１００の口金が鉛直方向において上になる状態でランプを使用する際、接着剤が劣化等により外れたとしても、外管５００の凸部５０２が横溝部４１５ｂに係止され、外管５００が落下するのをより確実に防止することができる。
【００７２】
また、外管５００の管軸Ｘ500方向において、外管５００と外管側接続部４１０との重なる長さＬは、３［ｍｍ］以上１０［ｍｍ］以下の範囲内であることが好ましい。この場合、外管側接続部４１０による光の遮りを抑制しつつ、外管側接続部４１０により、外管５００の管軸Ｘ500の傾きを十分に抑制することができる。さらに、Ｌは５［ｍｍ］以上８［ｍｍ］以下の範囲内であることがより好ましい。
【００７３】
また、口金４００における外管５００の管軸Ｘ500方向の長さＭは、３５［ｍｍ］以上５１［ｍｍ］以下の範囲内であることが好ましい。この場合、否発光な部分である口金４００の範囲を所定範囲内に納めることで、ランプ１００全体のコンパクト化を図ることができる。さらに、Ｍは３７［ｍｍ］以上４７［ｍｍ］以下の範囲内であることがより好ましい。
【００７４】
口金４００の平面図を図７に示す。図７の紙面上において（外管の管軸方向から見た場合において）、溝部４１５の角部の曲率半径Ｒは０．１［ｍｍ］以上１．５［ｍｍ］以下の範囲内であってもよい。この場合、外管５００の凸部５０２を溝部４１５に挿入しやすくすることができる。さらには、溝部４１５の角部の曲率半径Ｒは０．５［ｍｍ］以上１．０［ｍｍ］以下の範囲内であってもよい。この場合、外管５００の凸部５０２を溝部４１５にさらに挿入しやすくすることができる。
【００７５】
５．その他の構成
図１に示すように、内管３００の先端部３０２には、スペーサー１０２が設けられていてもよい。スペーサー１０２は、内管３００の先端部３０２中央に突出したチップオフ部３１０に枢支される環状部１０３と、環状部１０３から放射状に分岐するように形成されたバネ弾性を有する４［本］の帯状部１０４とを有し、これら帯状部１０４が、外管５００の閉塞部５０３側の内周部に押圧されて内方へ窄まるように弾性変形した状態で内管３００を外管５００に対して同心状に支持する曲げ形状に成形されている。
【００７６】
スペーサー１０２は、厚みが０．２［ｍｍ］のバネ用ステンレス鋼帯で形成され、スペーサー１０２の中心板部には、内管の先端部中央に突出した排気管を挿し通す円形穴が形成されると共に、その円形穴の周囲に沿ってチップオフ部３１０の外周部に当接させる複数本の爪片が形成され、更に、その円形穴と同心状に弧状断面を有する環状リブが形成されて、中心板部の強度が補強されている。
【００７７】
環状部１０３は、例えば内管３００の先端部３０２中央に突出したチップオフ部３１０に枢支される円形リング状である。
【００７８】
図１に示すように、環状部１０３の内側には、爪片１０５が形成されていてもよい。この場合、環状部１０３がチップオフ部３１０から外れ難くすることで、スペーサー１０２が内管３００から外れ難くすることができる。さらに、内管３００のチップオフ部３１０は、その先端部が拡径していてもよい。この場合、爪片１０５がチップオフ部３１０の先端部に引っかかることで、さらに環状部１０３がチップオフ部３１０から外れ難くなり、スペーサー１０２が内管３００から外れ難くすることができる。
【００７９】
帯状部１０４は、例えばバネ弾性を有し、環状部１０３から９０［°］間隔で放射状に分岐するように形成されている。帯状部１０４の先端部には、半球状の凸面部１０６が形成されていてもよい。この場合、 スペーサー１０２と外管５００との間の接触抵抗を低減することができる。
【００８０】
帯状部１０４の幅は、０．５［ｍｍ］以上３［ｍｍ］以下の範囲内であることが好ましい。この場合、スペーサー１０２を内管に装着した後に、内管３００に外管５００を被せる際、強い力を加えなくとも、外管５００の内周部に押圧されて内方へ窄まるように弾性変形し、作業を円滑に行うことができる。
【００８１】
なお、帯状部１０４は、４［本］に限らず、２［本］以上設けられていればよい。さらには、帯状部１０４同士の間隔は、略等間隔であることが好ましい。この場合、スペーサー１０２の安定性を向上することができる。
【００８２】
上記のとおり、本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプ１００の構成によれば、外管５００の管軸Ｘ500方向において、外管５００の凸部５０２に対して他端部５０３側に接着剤１０１を配しやすくし、外管５００が口金４００から外れるのをより確実に防止しやすくすることができる。
【００８３】
（第２の実施形態）
本発明の第２の実施形態に係る高圧放電ランプの分解斜視図を図８に、その正面図を図９（ａ）に、その右側面図を図９（ｂ）にそれぞれ示す。本発明の第２の実施形態に係る高圧放電ランプ（以下、「ランプ６００」という。）は、口金４１６の接続部４１７および外管５０６の凸部５０７の構成を除いては、ランプ１００と実質的に同じ構成を有する。よって、口金４１６の接続部４１７および外管５０６の凸部５０７について詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【００８４】
外管５０６は、一端部に開口部５０１および少なくとも１つの外側に突出する凸部５０７を有するとともに、他端部に閉塞部５０３を有する。すなわち、凸部５０７は、外管５０６の外側から内側に向かって突出している点を除いては、外管５００と実質的に同じ構成を有する。なお、本発明において、「外側に突出する凸部」とは、図９（ｂ）のように、局所的に外側に出っ張っているものに限らず、なめらかに外側に出っ張っているもの等、外管５０６の開口部５０１の外周面が多少なりとも外側に変形している部分を有していればよい。
【００８５】
接続部４１７の内面には、接続部４１７と外管５０６とを接着する接着剤１０１を、開口から凸部５０７に対して外管５０６の管軸Ｘ506方向における他端部５０３側に導くガイドが設けられており、接続部４１７と外管５０６との間であって、凸部５０７に対して外管５０６の管軸Ｘ506方向における他端部５０３側に接着剤１０１が配されている。
【００８６】
口金４１６の斜視図を図１０に示す。口金４１６の接続部４１７は、外管側接続部４１０の構成を除いては、接続部４０４と実質的に同じ構成を有する。
【００８７】
接続部４１７は、外管側接続部４１８に対し、フランジ部４１２の外側を覆うように周壁部４１９を有し、溝部４２０が周壁部４１９の内面に形成されている点で、接続部４０４とは異なる。
【００８８】
口金４１６の周壁部４１９の斜視図を図１１に示す。図１１に示すように、周壁部４１９の内面には、溝部４２０が設けられ、溝部４２０は、外管５０６の管軸Ｘ506方向に沿う縦溝部４２０ａと、縦溝部４２０ａから接続部の周方向に延出する横溝部４２０ｂとからなる。 本実施形態において、ガイドは、横溝部４２０ｂにおける外管５０６の管軸Ｘ506方向の他端部５０３側の壁４２０ｃである。
【００８９】
なお、外管５０６の凸部５０７が横溝部４２０ｂ内に位置する状態で接着剤により接続部４１７と固定されていてもよい。この場合、ランプ１００の口金が上になる状態でランプを使用する際、接着剤が劣化等により外れたとしても、外管５０６の凸部５０７が横溝部４２０ｂに係止され、外管５０６が落下するのをより確実に防止することができる。
【００９０】
上記のとおり、本発明の第２の実施形態に係る高圧放電ランプ６００の構成によれば、 外管５０６の管軸Ｘ506方向において、外管５０６の凸部５０７に対して他端部５０３側に接着剤１０１を配しやすくし、外管５０６が口金４１６から外れるのをより確実に防止しやすくすることができる。
【００９１】
（第３の実施形態）
本発明の第３の実施形態に係る照明装置の一部切り欠き正面図を図１２に示す。本発明の第３の実施形態に係る照明装置（以下、「照明装置７００」という。）は、 高圧放電ランプと、高圧放電ランプが取り付けられた照明器具７０１とを備える。
【００９２】
高圧放電ランプは、例えばランプ１００を用いることができる。なお、ランプ１００に限らず、ランプ２００や後述の変形例を用いてもよい。
【００９３】
照明器具７０１は、内部に配置されたランプ１００から発せられた光を前方に反射させる反射板７０４と、反射板７０４内に組み込まれ、かつランプ１００が取り付けられるソケット（図示せず。）と、反射板７０４を壁や天井に取着するための取着具（図示せず）とを備える。
【００９４】
反射板７０４は、図１２に示すように、凹状の反射面７０３を備える。この反射面７０３は、例えば、アルミ鏡を利用することで構成される。なお、この反射板７０４は、その開口（光取り出し口）７０５がガラス板等によって塞がれていない、所謂、（前面）開放型である。
【００９５】
ソケットは、ランプ１００の口金と電気的に接続され、ランプ１００に電力を供給する。なお、ランプ１００を点灯させるための安定器（図示せず。）は、例えば、天井内に埋め込まれる等しており、供給線７０６を介してランプ１００に給電を行う。
【００９６】
取着具は、例えば、「コ」字形状をしており、並行に配された一対のアーム７０７と、一対のアーム７０７の一端同士を連結する連結部（図示せず。）とを有し、一対のアーム７０７間に反射板７０４を挟んだ状態で、反射板７０４がアーム７０７により回動自在に軸支され、連結部が、例えば、壁や天井に取り付けられる。なお、照明装置７００から放射される光の向きは、反射板７０４に対して回動自在な取着具を回動させることによって調節できる。
【００９７】
上記のとおり、本発明の第３の実施形態に係る照明装置７００の構成によれば、 外管５００，５０６が口金４００，４１６から外れるのをより確実に防止しやすくした高圧放電ランプを備えることで、信頼性を向上することができる。
【００９８】
（変形例）
以上、本発明を上記した各実施形態に示した具体例に基づいて説明したが、本発明の内容が各実施形態に示した具体例に限定されないことは勿論であり、種々の高圧放電ランプおよび照明装置に適用することができる。
【００９９】
１．口金について
１−１．口金の変形例１
本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例１の斜視図を図１３に示す。本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例１（以下、「口金４２１」という。）は、溝部４２２の壁４２２ｃの構成を除いては口金４００と実質的に同じ構成を有する。よって、溝部４２２の壁４２２ｃについて詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【０１００】
溝部４２２の壁４２２ｃは、接続部４０４の周回方向において外管５００の凸部５０２に近づくに従って、段階的に外管５００の管軸Ｘ500方向において凸部５０２から離れている。具体的には、壁４２２ｃは、縦溝部４１５ａに向かうに従って、段階的に開口４０３から離れるようになっている。
【０１０１】
この場合、壁４２２ｃが段階的に階段状になっていることで、接着剤を注入して固まった後、接着剤が引っかかる部分を多くすることができ、接着剤と口金４２１との接着力を高めることができる。
【０１０２】
なお、図１３に示す壁４２２ｃは、２段階に外管５００の管軸Ｘ500方向において凸部５０２から離れているが、２段階に限らず、３段階や４段階等、多段階のものであってもよい。
【０１０３】
１−２．口金の変形例２
本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例２の斜視図を図１４に示す。本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例２（以下、「口金４２３」という。）は、溝部４２４の壁４２４ｃの構成を除いては口金４００と実質的に同じ構成を有する。よって、溝部４２４の壁４２４ｃについて詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【０１０４】
溝部４２４の壁４２４ｃは、外管５００の管軸Ｘ500方向において、フランジ部４１２から接続部４０４の本体部４０２とは反対側の端縁まで、接続部４０４の周回方向において外管５００の凸部５０２に近づくに従って、外管５００の管軸Ｘ500方向において凸部５０２から離れている。具体的には、壁４２４ｃは、フランジ部４１２から接続部４０４の本体部４０２とは反対側の端縁まで、縦溝部４１５ａに向かうに従って、開口４０３から離れるようになっている。
【０１０５】
この場合、溝部４２４の構造をよりシンプルにすることで、溝部４２４の加工をしやすくすることができる。
【０１０６】
１−３．口金の変形例３
本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例３の斜視図を図１５に示す。本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例３（以下、「口金４２５」という。）は、溝部４２６の壁４２６ｃの構成を除いては口金４２３と実質的に同じ構成を有する。よって、溝部４２６の壁４２６ｃについて詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【０１０７】
溝部４２６の壁４２６ｃは、縦溝部４１５ａ側に膨らむ弧状となっている。この場合、接着剤１０１が壁４２６ｃの曲面に沿って、より縦溝部４１５ａの本体部４０１とは反対側に流れやすくすることができる。
【０１０８】
なお、図１５に示す溝部４２６の壁４２６ｃは、口金４２３の溝部４２４の壁４２４ｃに対し、縦溝部４１５ａ側に膨らむ形状であるが、これに限らず、他の上述の実施形態や変形例においても同様の構造を採用することが可能である。
【０１０９】
１−４．口金の変形例４
本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例４の斜視図を図１６に示す。本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例６（以下、「口金４２７」という。）は、溝部４２８の壁４２８ｃの構成を除いては口金４２３と実質的に同じ構成を有する。よって、溝部４２８の壁４２８ｃについて詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【０１１０】
溝部４２８の壁４２８ｃは、縦溝４１５ａ側に対して凹む弧状となっている。この場合、横溝部４１５ｂにより多くの接着剤１０１を充填することができ、口金４００と外管５００との接着力を向上することができる。
【０１１１】
なお、図１６に示す溝部４２８の壁４２８ｃは、口金４２３の溝部４２４の壁４２４ｃに対し、縦溝部４１５ａ側に膨らむ形状であるが、これに限らず、他の上述の実施形態や変形例においても同様の構造を採用することが可能である。
【０１１２】
１−５．口金の変形例５
本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例５の斜視図を図１７に示す。本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例５（以下、「口金４２９」という。）は、溝部４３０の横溝部４３０ｂおよび壁４３０ｃの構成を除いては口金４２３と実質的に同じ構成を有する。よって、溝部４３０の横溝部４３０ｂおよび壁４３０ｃについて詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【０１１３】
溝部４３０の横溝部４３０ｂが、縦溝部４１５ａの周回方向の両側に延出して、２つ設けられている。これに伴い、壁４３０ｃも縦溝部４１５ａの両側に設けられている。この場合、ガイドとなる壁４３０ｃが複数設けられていることで、開口４０３から接着剤を注入する際、その注入位置の選択の自由度を広げることができる。
【０１１４】
１−６．口金の変形例６
本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例６の斜視図を図１８に示す。本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例６（以下、「口金４３１」という。）は、溝部４３２の縦溝部４３２ａの構成を除いては口金４２３と実質的に同じ構成を有する。よって、溝部４３２の縦溝部４３２ａについて詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【０１１５】
溝部４３２の縦溝部４３２ａは、外管５００の管軸Ｘ500方向において、接続部４０４の本体部４０２と反対側の端縁まで貫通しておらず、縦溝壁部４３２ｄを有する。この場合、開口４０３から注入した接着剤１０１が接続部４０４の本体部４０２とは反対側の端縁から縦溝部４３２ａを通じてはみ出るのを防止することができ、ランプの美観を向上させることができる。
【０１１６】
なお、この場合、接続部４０４の外管側接続部４１０が外管５００の開口部５０１内に挿入されるためには、凸部５０２の形成されている部分を含む外管５００の開口部５０１の最小内径を外管側接続部４１０の外径よりも大きくする等の寸法の調節が必要である。
【０１１７】
１−７．口金の変形例７
本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例７の斜視図を図１９に示す。本発明の第１の実施形態に係る高圧放電ランプの口金の変形例７（以下、「口金４３３」という。）は、溝部４３４の縦溝部４３４ａの構成を除いては口金４０４と実質的に同じ構成を有する。よって、溝部４３４の縦溝部４３４ａについて詳細に説明し、その他の点については説明を省略する。
【０１１８】
溝部４３４の縦溝部４３４ａは、横溝部４１５ｂの反対側の壁が無く、切り欠かれた構造となっている。すなわち、接続部４０４の外管側接続部４１０が外管５００の開口部５０１内に挿入された状態において、縦溝部４３４ａの横溝部４１５ｂとは反対側の壁が無く、切り欠かれた部分に接着剤を注入することができる。すなわち、切り欠かれた部分において、溝部４３４と外管５００の内面とをガイドとすることができる。
【０１１９】
この場合、溝部４３４の壁が少なくなることで、角部を少なくすることができ、ランプの組み立て等の際、角部が欠けるのを抑制することができる。
【０１２０】
なお、図１９に示す横溝部４１５ｂは、外管５００の管軸Ｘ500方向において、本体部４０２と反対側の壁が接続部４０４の周回方向と略平行となっているが、これに限らず種々の構造を採用することができる。
【０１２１】
１−８．ガイドについて
上述の各実施形態および変形例においては、口金４００，４１６，４２１，４２３，４２５，４２７，４２９，４３１の溝部４１５，４２０，４２２，４２４，４２６，４２８，４３０，４３２の壁の一部をガイドとしていたが、これに限らず、口金４００、４１６，４２１，４２３，４２５，４２７，４２９，４３１の接続部４０４の外面に突出した壁を設けてガイドとしたものであってもよい。
【０１２２】
１−９．接続部と本体部について
上述の各実施形態および変形例においては、口金４００，４１６，４２１，４２３，４２５，４２７，４２９，４３１，４３３は、本体部４０２および接続部４０４，４１７を組み合わせてなるものであったが、本体部４０２および接続部４０４，４１７は一体成型等、一体的に形成されたものであってもよいし、３つ以上の部品を組み合わせてなるものであってもよい。
【０１２３】
２．その他の構成について
２−１．凸部について
各実施形態および変形例においては、外管５００，５０６の凸部５０２，５０７が外管５００，５０６の周方向に略１８０［°］間隔で２つ設けられたものについて説明したが、これに限らず、凸部５０２，５０７は外管５００，５０６の開口部に少なくとも１つ設けられていればよい。
【０１２４】
また、凸部５０２，５０７が複数設けられている場合において、その間隔については、自由に選定可能である。なお、例えば、凸部５０２，５０７が２つ設けられている場合には、凸部５０２，５０７間の最も近い間隔が、外管５００，５０６の周方向に４５［°］以上１８０［°］以下の範囲内の間隔を空けて設けられていることが好ましい。この場合、凸部５０２，５０７同士が近づきすぎず、凸部５０２，５０７を成形しやすくすることができる。
【０１２５】
２−２．溝部および開口について
各実施形態および変形例においては、口金４００，４１６，４２１，４２３，４２５，４２７，４２９，４３１，４３３の溝部４１５，４２０，４２２，４２４，４２６，４２８，４３０，４３２，４３４および開口４０３は、外管５００，５０６の凸部５０２，５０７に対応する数が設けられたもので、具体的には、口金に２つに設けられたものについて説明したが、これに限らず、溝部４１５，４２０，４２２，４２４，４２６，４２８，４３０，４３２，４３４および開口４０３は凸部５０２，５０７の数に対応したものに限らず、１つの溝部４１５，４２０，４２２，４２４，４２６，４２８，４３０，４３２，４３４や開口４０３に２つ以上の複数の凸部５０２，５０７が対応するものであってもよい。
【０１２６】
２−３．数値範囲について
上述の各実施形態および変形例においては、数値範囲を示す符号「〜」は、その両端の数値を含む。
【産業上の利用可能性】
【０１２７】
本発明は、高圧放電ランプおよび照明装置に広く適用できる。
【符号の説明】
【０１２８】
１００、６００ 高圧放電ランプ
１０１ 接着剤
２００ 放電管
３００ 内管
４００、４１６、４２１、４２３、４２５、４２７、４２９、４３１、４３３ 口金
４０１ 給電端子
４０２ 本体部
４０３ 開口
４０４、４１７ 接続部
５００ 外管
５０１ 開口部
５０２ 凸部
５０３ 閉塞部（他端部）
７００ 照明装置
【特許請求の範囲】
【請求項１】
内部に放電管が配置された内管が、口金と外管とで囲まれた空間に収容された高圧放電ランプであって、
前記外管は、一端部に開口部および少なくとも１つの内側に突出する凸部を有するとともに、他端部に閉塞部を有し、
前記口金は、給電端子を有する本体部と、少なくともその一部が前記外管の開口部内に納められ、かつ前記給電端子側に開口が設けられた接続部とを有し、
前記接続部の外面には、前記接続部と前記外管とを接着する接着剤を、前記開口から前記凸部に対して前記外管の管軸方向における他端部側に導くガイドが設けられており、
前記接続部と前記外管との間であって、前記凸部に対して前記外管の管軸方向における前記他端部側に前記接着剤が配されていることを特徴とする高圧放電ランプ。
【請求項２】
内部に放電管が配置された内管が、口金と外管とで囲まれた空間に収容された高圧放電ランプであって、
前記外管は、一端部に開口部および少なくとも１つの外側に突出する凸部を有するとともに、他端部に閉塞部を有し、
前記口金は、給電端子を有する本体部と、少なくともその一部に前記外管の開口部が納められ、かつ前記給電端子側に開口が設けられた接続部とを有し、
前記接続部の内面には、前記接続部と前記外管とを接着する接着剤を、前記開口から前記凸部に対して前記外管の管軸方向における他端部側に導くガイドが設けられており、
前記接続部と前記外管との間であって、前記凸部に対して前記外管の管軸方向における他端部側に前記接着剤が配されていることを特徴とする高圧放電ランプ。
【請求項３】
前記ガイドは、前記接続部の周回方向において前記凸部に近づくに従って、前記管軸方向において前記凸部から離れる部分を有することを特徴とする請求項１に記載の高圧放電ランプ。
【請求項４】
請求項１〜３のいずれか１項に記載の高圧放電ランプと、前記高圧放電ランプが取り付けられた照明器具とを備えることを特徴とする照明装置。
【請求項１】
内部に放電管が配置された内管が、口金と外管とで囲まれた空間に収容された高圧放電ランプであって、
前記外管は、一端部に開口部および少なくとも１つの内側に突出する凸部を有するとともに、他端部に閉塞部を有し、
前記口金は、給電端子を有する本体部と、少なくともその一部が前記外管の開口部内に納められ、かつ前記給電端子側に開口が設けられた接続部とを有し、
前記接続部の外面には、前記接続部と前記外管とを接着する接着剤を、前記開口から前記凸部に対して前記外管の管軸方向における他端部側に導くガイドが設けられており、
前記接続部と前記外管との間であって、前記凸部に対して前記外管の管軸方向における前記他端部側に前記接着剤が配されていることを特徴とする高圧放電ランプ。
【請求項２】
内部に放電管が配置された内管が、口金と外管とで囲まれた空間に収容された高圧放電ランプであって、
前記外管は、一端部に開口部および少なくとも１つの外側に突出する凸部を有するとともに、他端部に閉塞部を有し、
前記口金は、給電端子を有する本体部と、少なくともその一部に前記外管の開口部が納められ、かつ前記給電端子側に開口が設けられた接続部とを有し、
前記接続部の内面には、前記接続部と前記外管とを接着する接着剤を、前記開口から前記凸部に対して前記外管の管軸方向における他端部側に導くガイドが設けられており、
前記接続部と前記外管との間であって、前記凸部に対して前記外管の管軸方向における他端部側に前記接着剤が配されていることを特徴とする高圧放電ランプ。
【請求項３】
前記ガイドは、前記接続部の周回方向において前記凸部に近づくに従って、前記管軸方向において前記凸部から離れる部分を有することを特徴とする請求項１に記載の高圧放電ランプ。
【請求項４】
請求項１〜３のいずれか１項に記載の高圧放電ランプと、前記高圧放電ランプが取り付けられた照明器具とを備えることを特徴とする照明装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【公開番号】特開２０１３−４４３４（Ｐ２０１３−４４３４Ａ）
【公開日】平成２５年１月７日（２０１３．１．７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１３６９０３（Ｐ２０１１−１３６９０３）
【出願日】平成２３年６月２１日（２０１１．６．２１）
【出願人】（０００００５８２１）パナソニック株式会社 (73,050)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年１月７日（２０１３．１．７）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年６月２１日（２０１１．６．２１）
【出願人】（０００００５８２１）パナソニック株式会社 (73,050)
【Ｆターム（参考）】
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