説明

高圧水素製造装置

【課題】簡単且つ経済的な構成で、ピストン部材により良好な荷重の付与を確実に行うことを可能にする。
【解決手段】水電解装置(高圧水素製造装置)10では、単位セル12の積層方向に延在し、水素を前記積層方向に流通させる水素連通孔54が設けられるとともに、ピストン部材56には、セルユニット14に対向する端面56aから開口して前記水素連通孔54に連通する第1水素通路70と、前記第1水素通路70に連通し且つ前記端面56aから開口する第2水素通路72と、前記第1水素通路70及び前記第2水素通路72に連通し、水素を水電解装置10の外部に導出する水素導出通路76とが設けられる。端面56aの中央を中心とする仮想円上に、第1水素通路70及び第2水素通路72が互いに等角度間隔ずつ離間して配設される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解質膜の両側に給電体が設けられ、前記給電体にセパレータが積層されるとともに、一方の給電体と一方のセパレータとの間には、水を供給する水流路が形成され、他方の給電体と他方のセパレータとの間には、前記水が電気分解されて前記水の圧力よりも高圧な水素を得る水素流路が形成される複数の単位セルを積層したセルユニットを備え、前記セルユニットに積層方向一端から押圧力を付与する進退自在なピストン部材を設ける高圧水素製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、燃料電池の発電反応に使用される燃料ガスとして、水素が使用されている。この水素は、例えば、水電解装置により製造されている。水電解装置は、水を分解して水素(及び酸素)を発生させるため、固体高分子電解質膜(イオン交換膜)を用いている。固体高分子電解質膜の両面には、電極触媒層が設けられて電解質膜・電極構造体が構成されるとともに、前記電解質膜・電極構造体の両側には、給電体を配設して単位セルが構成されている。
【0003】
そこで、複数の単位セルが積層されたセルユニットには、積層方向両端に電圧が付与されるとともに、アノード側の給電体に水が供給される。このため、電解質膜・電極構造体のアノード側では、水が分解されて水素イオン(プロトン)が生成され、この水素イオンが固体高分子電解質膜を透過してカソード側に移動し、電子と結合して水素が製造される。一方、アノード側では、水素と共に生成された酸素が、余剰の水を伴ってユニットから排出される。
【0004】
この種の設備として、例えば、特許文献1に開示されている固体高分子型水電解槽における締め付け装置が知られている。図5に示すように、締め付け装置1は、陽極主電極2a、複数の単位セル3及び陰極主電極2bの組み合わせを、その一側に配されたフランジ4と、他側に配された加圧機構5とにより均一に締め付けている。
【0005】
加圧機構5は、圧縮用流体の導入ノズル6a及び排出ノズル6bを有するシリンダ6と、前記シリンダ6内にOリング7を介して配されたピストン8とを備えている。
【0006】
そして、固体高分子型水電解槽の運転にあたり任意の運転圧力で運転をする場合、あるいは運転圧力を任意の圧力へ変動したい場合、運転圧力及び圧力変動に関係なしに、一定の相対締め付け圧力下で運転を行って簡易的に安定した電解性能を発揮できる、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−160891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の特許文献1では、固体高分子型水電解槽の運転中、水素圧力よりも常に一定の締め付け圧力だけ高めの圧力を加圧機構5に付与するように、導入ノズル6a及び排出ノズル6bにそれぞれ連結された流体流量調整弁を調整している。このため、固体高分子型水電解槽の外部から圧縮用流体を供給するための外部設備が必要になる。特に、高圧水素を発生させる差圧式高圧水電解装置(高圧水素製造装置)では、高圧の圧縮流体によりピストン8を積層方向に押圧することになり、外部設備を高圧部品とする必要がある。これにより、外部設備が大型化するとともに、コストが高騰するという問題がある。
【0009】
本発明はこの種の問題を解決するものであり、簡単且つ経済的な構成で、ピストン部材により良好な荷重の付与を確実に行うことが可能な高圧水素製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、電解質膜の両側に給電体が設けられ、前記給電体にセパレータが積層されるとともに、一方の給電体と一方のセパレータとの間には、水を供給する水流路が形成され、他方の給電体と他方のセパレータとの間には、前記水が電気分解されて前記水の圧力よりも高圧な水素を得る水素流路が形成される複数の単位セルを積層したセルユニットを備え、前記セルユニットに積層方向一端から押圧力を付与する進退自在なピストン部材を設ける高圧水素製造装置に関するものである。
【0011】
この高圧水素製造装置では、単位セルの積層方向に延在し、水素流路に連通して水素を前記積層方向に流通させる水素連通孔が設けられるとともに、ピストン部材には、セルユニットに対向する端面から開口して前記水素連通孔に連通する第1水素通路と、前記第1水素通路に連通し且つ前記端面から開口する少なくとも1つの第2水素通路と、前記第1水素通路及び前記第2水素通路に連通し、水素を高圧水素製造装置の外部に導出する水素導出通路とが設けられている。
【0012】
そして、端面の中央を中心とする仮想円上に、第1水素通路及び第2水素通路が互いに等角度間隔ずつ離間して配設されている。
【0013】
また、この高圧水素製造装置では、第1水素通路及び第2水素通路は、ピストン部材の内部に形成される連結通路を介して水素導出通路に連通することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、水電解により製造された高圧水素は、水素連通孔を流通してピストン部材の第1水素通路に導入されるとともに、前記第1水素通路に連通する第2水素通路に導入される。このため、ピストン部材には、第1水素通路及び第2水素通路に導入される高圧水素を介してセルユニットに対向する端面側から水素圧力が付与される。
【0015】
その際、ピストン部材の端面の中央を中心とする仮想円上に、第1水素通路及び第2水素通路が互いに等角度間隔ずつ離間して配設されている。従って、ピストン部には、軸方向、すなわち、進退方向に向かって水素圧力が作用されるため、前記ピストン部材が傾斜することを確実に阻止することができる。
【0016】
これにより、ピストン部材は、セルユニットに対して均一な押圧力を付与することが可能になり、積層荷重の付与性能が向上し、良好且つ安定した機能を維持することができる。しかも、高圧流体用の外部設備が不要になり、簡単且つ経済的な構成で、ピストン部材により良好な荷重の付与を確実に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る水電解装置の一部断面側面図である。
【図2】前記水電解装置の要部断面説明図である。
【図3】前記水電解装置を構成するピストン部材の端面側からの平面説明図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る水電解装置を構成するピストン部材の端面側からの平面説明図である。
【図5】特許文献1に開示されている水電解槽の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る水電解装置10は、差圧式の高圧水素製造装置を構成している。この水電解装置10は、複数の単位セル12が鉛直方向(矢印A方向)又は水平方向(矢印B方向)に積層された積層体であるセルユニット14を備える。
【0019】
セルユニット14の積層方向一端には、ターミナルプレート16a、絶縁プレート18a及びエンドプレート20aが、順次、配設される。セルユニット14の積層方向他端には、同様にターミナルプレート16b、絶縁プレート18b及びエンドプレート20bが、順次、配設される。
【0020】
水電解装置10は、例えば、矢印A方向に延在する複数のタイロッド22を介して、円盤形状のエンドプレート20a、20b間が一体的に締め付け保持される。なお、水電解装置10は、エンドプレート20a、20bを端板として含む箱状ケーシング(図示せず)により一体的に保持される構成を採用してもよい。また、水電解装置10は、全体として略円柱体形状を有しているが、立方体形状等の種々の形状に設定可能である。
【0021】
ターミナルプレート16a、16bの側部には、端子部24a、24bが外方に突出して設けられる。端子部24a、24bは、配線26a、26bを介して電源28に電気的に接続される。陽極(アノード)側である端子部24bは、電源28のプラス極に接続される一方、陰極(カソード)側である端子部24aは、前記電源28のマイナス極に接続される。
【0022】
単位セル12は、円盤状の電解質膜・電極構造体32と、この電解質膜・電極構造体32を挟持するアノード側セパレータ34及びカソード側セパレータ36とを備える。
【0023】
アノード側セパレータ34及びカソード側セパレータ36は、円盤状を有するとともに、例えば、カーボン部材等で構成され、又は、鋼板、ステンレス鋼板、チタン板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属板をプレス成形して、あるいは切削加工した後に防食用の表面処理を施して構成される。
【0024】
電解質膜・電極構造体32は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜38と、前記固体高分子電解質膜38の両側に配設されるアノード側給電体40及びカソード側給電体42とを備える。
【0025】
固体高分子電解質膜38の両面には、アノード電極触媒層40a及びカソード電極触媒層42aが形成される。アノード電極触媒層40aは、例えば、Ru(ルテニウム)系触媒を使用する一方、カソード電極触媒層42aは、例えば、白金触媒を使用する。
【0026】
アノード側給電体40及びカソード側給電体42は、例えば、球状アトマイズチタン粉末の焼結体(多孔質導電体)により構成される。アノード側給電体40及びカソード側給電体42は、研削加工後にエッチング処理される平滑表面部を設ける。なお、アノード側給電体40及びカソード側給電体42は、耐食性のチタンシート等の金属シートに、エッチング、ドリル加工、放電加工、電子ビーム、レーザ又はプレス等により開口部を形成してもよい。
【0027】
アノード側セパレータ34の電解質膜・電極構造体32に対向する面には、第1流路44が設けられるとともに、カソード側セパレータ36の前記電解質膜・電極構造体32に対向する面には、第2流路46が設けられる。第1流路44及び第2流路46は、アノード側給電体40及びカソード側給電体42の表面積に対応する範囲内に設けられるとともに、複数の流路溝や複数のエンボス等で構成される。
【0028】
第1流路44には、水(純水)を供給するための水供給通路48と、反応により生成された酸素及び使用済みの水を排出するための酸素排出通路50とが連通する。第2流路46には、反応により生成された水素(高圧水素)を排出するための水素排出通路52が設けられる。この水素排出通路52には、水素を積層方向である矢印A方向に流すための水素連通孔54が連通する。
【0029】
カソード側セパレータ36の固体高分子電解質膜38に接する面には、水素連通孔54を周回して第1シール部材(例えば、Oリング)55aが配設される。アノード側セパレータ34の電解質膜・電極構造体32に接する面には、水素連通孔54を周回して第2シール部材(例えば、Oリング)55bが配設される。図2に示すように、第1シール部材55aに周回される面積、すなわち、高圧の水素圧力が作用する面積F1は、第2シール部材55bに周回される面積F2よりも大きな面積に設定される(面積F1>面積F2)。
【0030】
絶縁プレート18aとエンドプレート20aとの間には、ピストン部材56が進退自在に配設される。ピストン部材56は、フランジ部58から矢印A方向に膨出形成されるピストン60を備え、前記ピストン60は、エンドプレート20aの内周部に形成されるシリンダ室62に配設される。シリンダ室62の内壁面62aとピストン60の先端との間には、弾性体、例えば、皿ばね64が介装される。
【0031】
ピストン60の外周面60aには、周溝66が形成される。周溝66には、例えば、Oリングであるシール部材68が配設される。
【0032】
ピストン部材56には、セルユニット14に対向する端面(フランジ部58の底面)56aから開口して水素連通孔54に一端が連通する第1水素通路70が形成される。ピストン部材56の端面56aには、第1水素通路70に連通し且つ前記端面56aから開口する1つの第2水素通路72が設けられるとともに、前記第1水素通路70と前記第2水素通路72とは、前記ピストン部材56の内部に形成される連結通路74を介して連通する。
【0033】
連結通路74は、水素を水電解装置10の外部に導出する水素導出通路76に連通する。水素導出通路76は、ピストン60の中央部を軸方向に延在し、エンドプレート20aに形成される高圧水素導出口78が連通する。なお、水素導出通路76は、ピストン60の中央部から偏心した位置に設けてもよく、また、複数本設けてもよい。
【0034】
図3に示すように、第1水素通路70及び第2水素通路72は、端面56aの中央を中心とする仮想円O上に、互いに等角度間隔ずつ、具体的には、180°ずつ離間して配設される。端面56aには、第1水素通路70を周回して第3シール部材80aと、第2水素通路72を周回して第4シール部材80bとが設けられる。第3シール部材80aに周回される面積、すなわち、高圧の水素圧力が作用する面積F1と、第2シール部材55bに周回される面積F2と、第4シール部材80bに周回される面積F3とは、面積F1−面積F2=面積F3の関係を有する。
【0035】
なお、セルユニット14には、ピストン部材56の第2水素通路72に積層方向に連通し、矢印A方向に延在する連通孔を設けてもよい。
【0036】
このように構成される水電解装置10の動作について、以下に説明する。
【0037】
図1に示すように、水電解装置10を構成する各単位セル12の水供給通路48に水が供給されるとともに、ターミナルプレート16a、16bの端子部24a、24bに電気的に接続されている電源28を介して電圧が付与される。このため、各単位セル12では、水供給通路48からアノード側セパレータ34の第1流路44に水が供給され、この水がアノード側給電体40内に沿って移動する。
【0038】
従って、水は、アノード電極触媒層40aで電気により分解され、水素イオン、電子及び酸素が生成される。この陽極反応により生成された水素イオンは、固体高分子電解質膜38を透過してカソード電極触媒層42a側に移動し、電子と結合して水素が得られる。
【0039】
このため、カソード側セパレータ36とカソード側給電体42との間に形成される第2流路46に沿って水素が流動する。この水素は、水供給通路48よりも高圧に維持されており、水素排出通路52から水素連通孔54を流れて水電解装置10の外部に取り出し可能となる。
【0040】
水素連通孔54に導出された高圧水素は、図2に示すように、ピストン部材56の第1水素通路70から連結通路74及び水素導出通路76を通ってシリンダ室62に導入される。このため、ピストン部材56は、シリンダ室62に導入される高圧水素の圧力と皿ばね64の弾性力とを介して、カソード側セパレータ36を電解質膜・電極構造体32側に押圧する。従って、固体高分子電解質膜38とカソード側給電体42との間に生じる隙間を小さくすることができ、電解電圧の上昇を阻止して電解電圧を有効に低下させることが可能になる。
【0041】
一方、第1流路44には、図1に示すように、反応により生成した酸素と使用済みの水とが流動している。酸素と水との混合流体は、酸素排出通路50に沿って水電解装置10の外部に排出される。なお、第2流路46は、第1流路44よりも圧力が高い。
【0042】
この場合、第1の実施形態では、水電解により製造された高圧水素は、水素連通孔54を流通してピストン部材56の第1水素通路70に導入されるとともに、前記第1水素通路70に連結通路74を介して連通する第2水素通路72に導入されている。このため、ピストン部材56には、第1水素通路70及び第2水素通路72に導入された高圧水素を介してセルユニット14に対向する端面56a側から水素圧力が付与されている。
【0043】
その際、図2及び図3に示すように、ピストン部材56の端面56aの中央を中心とする仮想円上に、第1水素通路70及び第2水素通路72が互いに等角度間隔ずつ離間して配設されている。従って、ピストン部材56には、軸方向、すなわち、進退方向に向かって水素圧力が作用されるため、前記ピストン部材56が傾斜することを確実に阻止することができる。
【0044】
これにより、ピストン部材56は、セルユニット14に対して均一な押圧力を付与することが可能になり、積層荷重の付与性能が向上し、良好且つ安定した機能を維持することができる。
【0045】
その上、第3シール部材80aに周回される面積F1と、第4シール部材80bに周回される面積F3とは、面積F1−面積F2=面積F3の関係を有している。このため、ピストン部材56の傾動を可及的に抑制し、例えば、ピストン60の外周面60aがシリンダ室62の内壁面62aに摺動して塵埃等が発生することを阻止可能である。
【0046】
しかも、高圧流体用の外部設備が不要になり、簡単且つ経済的な構成で、ピストン部材56により良好な荷重の付与を確実に行うことが可能になるという効果が得られる。
【0047】
図4は、本発明の第2の実施形態に係る水電解装置を構成するピストン部材90の端面側からの平面説明図である。なお、第1の実施形態に係る水電解装置10を構成するピストン部材56と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0048】
ピストン部材90の端面90aには、第1水素通路70に連通し且つ前記端面90aから開口する2つの第2水素通路72a、72bが設けられるとともに、前記第1水素通路70と前記第2水素通路72a、72bとは、前記ピストン部材90の内部に形成される連結通路74aを介して連通する。連結通路74aは、水素導出通路76に連通する。
【0049】
第1水素通路70、第2水素通路72a、72bは、端面90aの中央を中心とする仮想円O1上に、互いに等角度間隔α°ずつ、具体的には、120°ずつ離間して配設される。端面90aには、第1水素通路70を周回してシール部材92aと、第2水素通路72a、72bを周回してシール部材92b、92cとが設けられる。シール部材92aに周回される面積F1と、各シール部材92b、92cに周回される面積F3とが設定される。
【0050】
このように構成される第2の実施形態では、第1水素通路70、第2水素通路72a及び第2水素通路72bは、端面90aの中央を中心とする仮想円O1上に、互いに等角度間隔ずつ離間して配設されている。このため、ピストン部材90は、傾斜することなく、軸方向に円滑に進退することができ、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0051】
なお、第2の実施形態では、2つの第2水素通路72a、72bを設けているが、これに限定されるものではない。例えば、3つの第2水素通路を設けることができ、その際、第1水素通路70及び前記3つの第2水素通路は、ピストン部材の端面に、それぞれ90°ずつ離間して配設される。
【0052】
なお、本発明は、膜ポンプにも適用することができる。
【符号の説明】
【0053】
10…水電解装置 12…単位セル
14…セルユニット 16a、16b…ターミナルプレート
18a、18b…絶縁プレート 20a、20b…エンドプレート
24a、24b…端子部 28…電源
32…電解質膜・電極構造体 34…アノード側セパレータ
36…カソード側セパレータ 38…固体高分子電解質膜
40…アノード側給電体 42…カソード側給電体
44、46…流路 48…水供給通路
50…酸素排出通路 52…水素排出通路
54…水素連通孔 56、90…ピストン部材
60…ピストン 62…シリンダ室
64…皿ばね 68、92a、92b、92c…シール部材
70、72、72a…水素通路
74、74a…連結通路
76…水素導出通路 78…高圧水素導出口
55a、55b、80a、80b…シール部材
90a…端面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質膜の両側に給電体が設けられ、前記給電体にセパレータが積層されるとともに、一方の給電体と一方のセパレータとの間には、水を供給する水流路が形成され、他方の給電体と他方のセパレータとの間には、前記水が電気分解されて前記水の圧力よりも高圧な水素を得る水素流路が形成される複数の単位セルを積層したセルユニットを備え、前記セルユニットに積層方向一端から押圧力を付与する進退自在なピストン部材を設ける高圧水素製造装置であって、
前記単位セルの積層方向に延在し、前記水素流路に連通して前記水素を前記積層方向に流通させる水素連通孔が設けられるとともに、
前記ピストン部材には、前記セルユニットに対向する端面から開口して前記水素連通孔に連通する第1水素通路と、
前記第1水素通路に連通し且つ前記端面から開口する少なくとも1つの第2水素通路と、
前記第1水素通路及び前記第2水素通路に連通し、前記水素を高圧水素製造装置の外部に導出する水素導出通路と、
が設けられ、
前記端面の中央を中心とする仮想円上に、前記第1水素通路及び前記第2水素通路が互いに等角度間隔ずつ離間して配設されることを特徴とする高圧水素製造装置。
【請求項2】
請求項1記載の高圧水素製造装置において、前記第1水素通路及び前記第2水素通路は、前記ピストン部材の内部に形成される連結通路を介して前記水素導出通路に連通することを特徴とする高圧水素製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−177169(P2012−177169A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41052(P2011−41052)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】