説明

高圧液体脱気膜コンタクタならびに製造法および使用法

少なくとも本発明の選択された実施形態によれば、改良された液体脱気膜コンタクタまたはモジュールは、高圧ハウジングと、高圧ハウジング内に配置された少なくとも1つの脱気カートリッジとを含む。高圧ハウジングが、ASMEによって認証された標準の逆浸透(RO)または浄水圧力ハウジングまたは容器(例えばポリプロピレン、ポリカーボネート、ステンレス鋼、フィラメントが巻き付けられた耐食性のガラス繊維強化エポキシ樹脂管でできており、圧力定格が例えば150、250、300、400または600psiであり、例えば4つまたは6つのポートを有し、両端にエンドキャップを有するハウジングまたは容器)であり、脱気カートリッジが、RO高圧ハウジングに嵌入するように適合された自己内蔵型の中空糸膜カートリッジであると好ましいことがある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年8月17日に出願された米国特許出願第61/234,465号および2010年8月16日に出願された米国特許出願第12/857,199号の優先権および恩典を主張するものである。
【0002】
本出願は、膜コンタクタ(membrane contactor)ならびに膜コンタクタの製造法および使用法に関する。少なくとも選択された実施形態において、本発明は、高圧液体脱気(liquid degassing)膜コンタクタ、ならびに/または高圧液体脱気膜コンタクタの製造法および/もしくは使用法を対象とする。少なくともいくつかの実施形態において、本発明は、中空糸膜コンタクタを用いて、同伴ガス(entrained gas)または溶解ガス(dissolved gas)を有する高圧の液体を脱気することを対象とする。少なくとも、おそらくは好ましい特定の実施形態において、このコンタクタは、穴のあいたコア(core)と、複数の中空糸膜と、中空糸のそれぞれの端部を固定する管板(tube sheet)と、シェルまたはケーシングとを含む少なくとも1つの膜カートリッジを取り囲む高圧容器または高圧ハウジングを有する。
【背景技術】
【0003】
膜コンタクタは、限定はされないが、液体からの同伴ガスの除去、液体の脱泡、液体の濾過、および液体へのガスの添加を含む、多くの目的に使用することができる。膜コンタクタは、多くの異なる用途で使用されることが知られており、膜コンタクタは例えば、印刷に使用するインクから同伴ガスを除去する際に使用される。
【0004】
膜コンタクタはさらに、気/液および液/液(これには液体/溶解固体を含めることができる)分離を達成する手段を提供することができる。膜コンタクタは一般に、一方の流体からもう一方の流体への1種もしくは数種の成分の分離および/または移動を達成するために、混ざらない2つの流体相、例えば第1の液体と第2の液体、または気体と液体を、互いに接触させる目的に使用される。
【0005】
中空糸膜コンタクタは一般に、微細孔中空糸束と、中空糸束を取り囲む堅いシェルまたはハウジングとを含む。シェルは4つの流体ポート、すなわち第1の流体を導入する入口、第1の流体を排出する出口、第2の流体を導入する入口、および第2の流体を排出する出口を備えることがある。中空糸の両端は、ハウジング内においてポッティングされて、シェルの第1および第2の共通エンドキャップ(end cap)部分内に中空糸の内孔の両端が開いたポリマー製の管板を形成していることがある。「管側」または「ルーメン(lumen)側」コンタクタでは、第1のエンドキャップが、第1の流体の入口を含むことがある。第1の流体は、中空糸の内部ルーメンを通過する流体であるため、「管側」または「ルーメン側」流体と呼ばれる。第2のエンドキャップは、ルーメン側流体を排出する出口を含む。「シェル側」流体と呼ばれる第2の流体は一般に、管板間に配置された入口ポートおよび出口ポートを通ってハウジングに入り、ハウジングから出、それによってシェル側流体は中空糸の外面と接触する。シェル側流体は、中空糸束の中空糸間の隙間を通って流れ、中空糸の長さに対して平行に、または中空糸の長さに対して垂直に流れるように導かれることがある。一例として、その全体が参照によって本明細書に組み込まれるPrasad他の米国特許第5,352,361号は、シェル内の中空糸膜を横切る流体接触の背景を理解するのに役立つ可能性がある。
【0006】
「シェル側」コンタクタでは、コンタクタが、エンドキャップを貫いて延びる中心コアであり、第1の流体の入口の役目を果たす第1の端部を有する中心コアを含むことがある。この第1の流体は、中空糸の外面またはシェルの表面に沿って通過する流体であるため、「シェル側」流体と呼ばれる。第1のエンドキャップは、第2の流体の入口を含むことがある。この第2の流体は、中空糸の内部ルーメンを通過する流体であるため、「管側」または「ルーメン側」流体と呼ばれる。第2のエンドキャップは、ルーメン側流体を排出する出口を含む。「シェル側」流体と呼ばれる第1の流体は一般に、穴のあいたコアの入口ポート(開端)を通ってハウジングに入り、出口ポート(開端)を通ってハウジングを出る。第1の流体は一般に、管板間のコアの穴からコアの外に出、コアの穴から再びコアに入り、それによってシェル側流体は中空糸の外面と接触する。シェル側流体は、中空糸束の中空糸間の隙間を通って流れ、中空糸の長さに対して平行に、または中空糸の長さに対して垂直に流れるように導かれることがある。
【0007】
管板がルーメン側流体をシェル側流体から分離するため、ルーメン側流体はシェル側流体と混じり合わず、ルーメン側流体とシェル側流体の間の移動は唯一、中空糸の壁を通して起こる。中空糸壁の微細孔は通常、2つの流体のうちの一方の流体の静止した層で満たされており、もう一方の流体は、表面張力および/または圧力差の効果によって微細孔から排除されている。物質移動および分離は通常、拡散によって引き起こされ、この拡散は、移動する種の2相間の濃度差によって駆動される。一般に、膜を横切る対流またはバルク流は起こらない。
【0008】
気/液分離の場合、膜コンタクタは一般に、疎水性の中空糸微細孔膜を有するように製造される。この膜は疎水性であり、非常に小さな細孔を有するため、液体はこの細孔を容易には通過しない。この膜は、液相と気相とを分散を引き起こすことなく直接に接触させる不活性支持体の働きをする。これらの2相間の物質移動は、移動しているガス種の分圧の差によって支配される。
【0009】
液体システムに関しては、それぞれの細孔の液/液界面が一般に、膜の適当な選択および液相の圧力によって不動化される。この場合も、膜は、混ざらない2相を、混合を引き起こすことなく直接に接触させることを容易にする不活性支持体の働きをする。
【0010】
知られているこのような膜コンタクタは、流体からの成分の分離、または1つの流体から別の流体への成分の移動を含むさまざまな用途に利用することができる。例えば、排液流から汚染物質を除去する際に膜コンタクタを使用することができる。汚染された排液流は、多くの工業プロセスで副生物として生成される。環境面の懸念および/またはプロセス効率を向上させるための労力を考慮すれば、汚染物質が環境を汚染したり、もしくは機器に悪影響を与えたりしないように、または排液流を再生利用することができるように、1種または数種の汚染物質を排液流から除去することはしばしば望ましい。環境への放出を低減し、かつ/または効率を高めるため、既存の工業プロセスは頻繁に改良されなければならない。したがって、既存のプラントに対して経済的に後付けして、放出を低減し、機器を保護し、再生利用し、または効率を向上させることができるプロセスおよびシステムがしばしば求められる。
【0011】
膜コンタクタの設計では、分離特性、コスト、圧力降下、重量および効率を含むいくつかの因子が重要である。より高価な高圧機器の必要性を低減させるため、コンタクタを横切る圧力降下は低くすべきである。排出工程流の排出点における工程圧力は一般に大気圧に等しいかまたは大気圧に近いため、排出工程流の排出点に膜コンタクタを追加する後付け計画では、圧力降下が低いことが特に重要である。コンタクタのサイズを低減するためには、物質移動の効率が高いことが望ましい。設置コストおよび維持コストを減らすためには軽量であることが望ましく、海洋用途では特に重要である。少なくともある種の既存の膜コンタクタは、これらの目標を達成するのに、または特定の用途もしくは極端な条件などに対して、決して十分に満足のいくものではないことが分かっている。例えば、一般的な膜コンタクタのシェル部分は、膜コンタクタの重量および費用をかなり増大させる。さらに、シェル型コンタクタは一般に高い圧力で動作しなければならない。これに応じて、特定の用途または極端な条件などで使用するために、知られている膜コンタクタよりも優れた改良された特性を有する改良された膜コンタクタが求められている。少なくとも本発明の選択された実施形態は、これらの必要性および/または他の必要性を満たす微細孔中空糸膜デバイスおよび/または方法を提供することを対象とする。
【0012】
流体を分離することができるバフル付き膜コンタクタは知られている。例えば、それぞれその全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,264,171号、第5,352,361号および第5,938,922号を参照されたい。このようなコンタクタのうちの少なくともいくつかのコンタクタは、穴のあいた中心管と、中心管を取り囲む複数の中空糸と、中空糸の端部を固定する管板と、管板間に位置するバフル(baffle)と、中心管、中空糸、管板およびバフルを取り囲むシェルとを含む。米国特許第5,938,922号に開示されているものを除き、中空糸は通常、一方の管板からもう一方の管板まで中空糸のルーメンを通して流体連通するように、バフルのところが開いている。米国特許第5,938,922号は、中空糸のルーメンを通した流体連通を、管板間の中空糸の中間点の近くで防ぐために、バフルのところで中空糸を閉じることを開示している。
【0013】
流体、例えば溶解ガスを水から分離することができるこのようなコンタクタは多数の工業用途を有する。このような用途には、ボイラまたは発電所タービンの防錆システム、飲料水、冷却水または熱水管路の防錆システム、エレクトロニクス産業用の(例えば製造中に半導体ウェーハをすすぐ)超純水源、超音波洗浄工程、食品加工用の水源などが含まれる。
【0014】
上記の用途のうちの2つの用途は特に関心が高い。それは、水管路の防錆とエレクトロニクス産業用の超純水源である。どちらの用途でも、水から溶存酸素を除去することが極めて重要である。水管路の防錆では、溶存酸素が、溶解した鉄または管路からの鉄と反応して錆を形成し、この錆が沈澱する可能性がある。飲料水において、錆沈澱物は魅力のあるものではなく、着色の原因となり、管路内において管を塞ぐ原因にもなりうる。エレクトロニクス産業用の超純水では、製造中に半導体ウェーハをすすぐために水が使用される。すすぎ水中の溶存酸素は、ウェーハの表面をエッチングし、ウェーハを破壊することがあり、ウェーハの表面を覆い、効果的なすすぎを妨げることもある。したがって、水から溶解ガスを除去することは極めて重要である。
【0015】
したがって、液体から脱気する、新規のまたは改良されたコンタクタおよびシステムの開発が求められている。
【0016】
さらに、膜コンタクタの現行の設計はいくつかの用途に対して有効ではあるが、いくつかの問題または限界を有することがある。それらの問題または限界は例えば、海水などの約50gpm以上および/もしくは約300psi以上の大流量の液体および/もしくは高圧の液体の脱気、高い圧力定格、ASME基準の定格、顧客が慣れ、受け入れること、高コスト、大きな重量、金属もしくは他の腐食性材料の使用、モジュール方式、交換可能な自己内蔵型のカートリッジ、ポーティングオプション(porting option)、モジュールのサイズ、モジュールアレイのサイズ、高圧カートリッジ、過度に長い中空糸、液体流量、ガス濃度の変動、および/または商業生産できないことなどに関係する。
【0017】
大流量高圧膜コンタクタは長い間、膜開発者の関心の的であった。例えば、Celgard,LLC(米ノースカロライナ州Charlotte)の一部門であるMembrana−CharlotteのLiqui−Cel事業部によって開発され、製造された選択されたガス移動膜コンタクタは、大流量(最大400gpm)および高圧力(最高100psi)の液体を処理することができる。
【0018】
例えば最近のLiqui−Cel(登録商標) Extra−Flow(商標)膜コンタクタシステムの使用を除けば、産業用の大部分の大規模脱気システムは、水、海水などから脱気するのに、現在でも、非常に大きな真空塔を利用している。例えば、発電所および海洋石油掘削装置は一般に、水、工程水、貯蔵タンク水、海水または塩水などから脱気するのに、大きな真空塔(高さ30フィート以上)を使用している。
【0019】
比較的に小さなモジュール式の脱気モジュールは、工業プロセスにおいて、発電所で、または海洋石油掘削装置もしくは掘削プラットホーム上で使用され、真空塔の代わりに使用し、または真空塔を補強し、かつ/あるいはモジュール方式であることの利点および交換可能なカートリッジの利点を提供することなどを可能にするであろう。これに応じて、新規のもしくは改良された液体脱気膜コンタクタ、ならびにその製造法および/もしくは使用法、新規のもしくは改良された高圧液体脱気膜コンタクタ、ならびにその製造法および/もしくは使用法、ならびに/または新規のもしくは改良された高圧液体脱気システムが求められている。
【発明の概要】
【0020】
本出願は、膜コンタクタならびに膜コンタクタの製造法および使用法に関する。少なくとも選択された実施形態において、本発明は、高圧液体脱気膜コンタクタ、ならびに/または高圧液体脱気膜コンタクタの製造法および/もしくは使用法を対象とする。少なくともいくつかの実施形態において、本発明は、中空糸膜コンタクタを用いて、1種または数種の同伴ガスまたは溶解ガスを有する高圧の液体から脱気することを対象とする。好ましくは、このコンタクタが、穴のあいたコアと、複数の中空糸膜と、中空糸のそれぞれの端部を固定する管板と、シェルまたはケーシングとを含む少なくとも1つの膜カートリッジを取り囲む高圧容器または高圧ハウジングを有する。より好ましくは、中空糸のルーメンが、スイープガス(ストリップガス)または真空、あるいはその両方と流体連通し、脱気(または脱泡)する対象の液体が、穴のあいたコアの開いた端部からコンタクタに入り、コアの穴を通って半径方向にコアを出、中空糸の外面(シェル側)を横切り、任意選択で少なくとも1つのバフルを越え、中空糸の他の部分の外面を横切り、穴を通ってコアへ戻り、溶解ガスまたは同伴ガスが低減した状態でコンタクタから流出する。同伴ガスまたは溶解ガスは、中空糸膜を横切って液体からルーメン内へ拡散し、または移動する。
【0021】
少なくとも選択された実施形態において、本発明は、一般に逆浸透(RO)機器で使用される(液体脱気膜コンタクタでは使用されない)高圧容器または高圧ハウジングを有する高圧液体脱気膜コンタクタを対象とする。真空条件下または減圧条件下で透過ポートまたはガスポートを正しく機能させるために、このようなRO高圧容器または高圧ハウジングを変更し、または後付けする必要があることがある。大部分のRO高圧容器または高圧ハウジングは、加圧下では機能するが、真空では機能しないように設計されたポートを有する。
【0022】
少なくともいくつかの実施形態において、本発明は、高圧容器または高圧ハウジング、好ましくは標準RO圧力容器などの標準のまたは市販の高圧容器または高圧ハウジングの内側に嵌入するように適合された1つまたは複数の中空糸膜カートリッジを含む膜コンタクタを用いて、1種または数種の溶解ガスまたは同伴ガスを有する液体から脱気することを対象とする。好ましくは、このコンタクタが、穴のあいたコアと、複数の中空糸膜と、前記中空糸のそれぞれの端部を固定する管板と、任意選択のバフルと、シェルとを含む少なくとも1つの膜カートリッジを取り囲む高圧容器または高圧ハウジングを有する。より好ましくは、中空糸のルーメンが、スイープガス(ストリップガス)または真空、あるいはその両方と流体連通し、脱気(または脱泡)する対象の液体が、穴のあいたコアの開いた端部からコンタクタに入り、半径方向にコアの穴を出、シェル内の膜の外面を横切り、任意選択でバフルを越え、シェル内の膜の他の部分の外面を横切り、他の穴を通って再びコアに入り、溶解ガスまたは同伴ガスが低減した状態でコンタクタから流出する。そのため、このコンタクタは、液体がシェル側を通るコンタクタであり、溶解ガスまたは同伴ガスは、膜を横切って液体からルーメン内へ拡散する(その後、側面または端面のガスポートまたは真空ポートから排出される)。
【0023】
少なくとも本発明の選択された実施形態によれば、本発明の新規のまたは改良された膜コンタクタは、例えば、先行技術のコンタクタの欠点に対処し、いくつかの用途に対して有効であり、海水などの約50gpm以上および/もしくは約300psi以上の大流量の液体および/もしくは高圧の液体の脱気に適合しており、高い圧力定格を有し、ASME基準の定格を有し、顧客がすぐに慣れ、すぐに受け入れることができ、比較的に低コストであり、比較的に軽量であり、金属もしくは他の腐食性材料を使用せず、PVCを使用せず、モジュール式であり、交換可能な自己内蔵型のカートリッジを有し、ポーティングオプションを提供し、改良されたもしくは標準のハウジングモジュールサイズを有し、改良されたモジュールアレイサイズを有し、1つもしくは複数の高圧カートリッジを有し、過度に長い中空糸を使用せず、ガス濃度の変動を排除し、もしくは低減させ、かつ/または商業生産を可能にする。
【0024】
大流量高圧膜コンタクタは長い間、膜開発者の関心の的であった。例えば、Celgard,LLC(米ノースカロライナ州Charlotte)の一部門であるMembrana−CharlotteのLiqui−Cel事業部によって開発され、製造された選択されたガス移動膜コンタクタは、大流量(最大400gpm)および高圧力(最高100psi)の液体を処理することができる。
【0025】
例えば最近のLiqui−Cel(登録商標) Extra−Flow(商標)膜コンタクタシステムの使用を除けば、産業用の大部分の大規模脱気システムは、水、海水などから脱気するのに、現在でも、非常に大きな真空塔を利用している。例えば、発電所および海洋石油掘削装置は一般に、水、工程水、貯蔵タンク水、海水および/または塩水などから脱気するのに、大きな金属製の真空塔(高さ30フィート以上)を使用している。
【0026】
少なくとも本発明のいくつかの実施形態によれば、新規のまたは改良された液体脱気膜コンタクタは、比較的に小さなモジュール式の脱気モジュールが、工業プロセスにおいて、発電所で、または海洋石油掘削装置もしくは掘削プラットホーム上で使用され、真空塔の代わりに使用し、または真空塔を補強し、かつ/あるいはモジュール方式であることの利点および交換可能なカートリッジの利点を提供することなどを可能にする。これに応じて、少なくとも本発明のいくつかの実施形態は、新規のもしくは改良された液体脱気膜コンタクタならびに/またはその製造法および/もしくはその使用法に対する必要性に対処する、新規のまたは改良された液体脱気膜コンタクタを提供する。
【0027】
少なくとも本発明の選択された実施形態によれば、改良された液体脱気膜コンタクタまたはモジュールは、高圧ハウジングと、高圧ハウジング内に配置された少なくとも1つの脱気カートリッジとを含む。高圧ハウジングが、ASMEによって認証された標準の(または後付けされ、もしくは変更された)逆浸透(RO)または浄水高圧ハウジングまたは容器(例えばポリプロピレン、ポリカーボネート、ステンレス鋼、フィラメントが巻き付けられた耐食性のガラス繊維強化エポキシ樹脂管でできており、圧力定格が例えば150、250、300、400または600psiであり、例えば3つ、4つまたは6つのポートを有し、両端にエンドキャップを有するハウジングまたは容器)であり、脱気カートリッジが、高圧ハウジングまたは容器に嵌入するように適合された自己内蔵型の中空糸膜カートリッジであると好ましいことがある。
【0028】
少なくとも1つの実施形態では、このような自己内蔵型の液体膜コンタクタカートリッジが、穴のあいた中心管と、両方ともに開いた第1の端部および第2の端部をそれぞれが有する複数の第1の中空糸膜を含む第1のマットと、中空糸マットを2つのエリアに分離する任意選択のバフルと、カートリッジシェル、ケーシングまたはハウジングと、両端に配置されたポッティング(potting)とを含む。膜の第1および第2の端部が開いているのは、例えば、ストリップガスまたはスイープガスが膜を通過するのを可能にするためである。中心管の第1の部分と第2の部分とを接合する中心管コネクタと、中心管コネクタの上の巻き付いているマットまたは束の中央に塗布されて、中空糸マットの全厚にわたるダムまたは遮断物を形成するエポキシ樹脂とによって、バフルが形成されていると好ましいことがある。さらに、ポッティングがエポキシ樹脂製であり、ポッティングした後に開いた第1および第2の端部を形成するために、ポッティングの端部が切り落とされていると好ましいことがある。
【0029】
少なくとも1つの実施形態によれば、カートリッジの中を中空糸の表面に沿って液体が流れるように、中心管が、カートリッジの両端に開口を形成し、中心管の長さに沿って穴を有する。カートリッジの両端の中心管の開口は、高圧ハウジングまたは容器のエンドキャップの対応するそれぞれのポートと流体連通するように適合されている。例えば、中空のまたは管状のアダプタまたは管を使用して、カートリッジの開口とエンドキャップのポートとを接続することができる。
【0030】
少なくとも選択された実施形態によれば、高圧脱気モジュールが、単一のRO高圧ハウジング内に配置された2つ以上のカートリッジを含む。少なくとも、おそらくは好ましい特定の実施形態によれば、高圧脱気モジュールが、単一の高圧ハウジングまたは容器内に配置された2つ以上のカートリッジを含み、隣接するカートリッジ間には、混合室(チャンバ)または「ガス濃度均一化ギャップ(Gas Concentration Equalizing Gap)」の役目を果たす環状エリアを、モジュール内のルーメンの長さの範囲内に提供する十分な空間がある。このチャンバまたはギャップは、中心管に最も近いところのルーメンから最も遠いところのルーメンまでの全てのルーメン内のスイープガスが、モジュールの長さの範囲内において(カートリッジ間で)再混合し、均一になることを可能にする。こうすることによって、効率が最も高いところ(中心管のところ)の中空糸の駆動力を大きくし、効率が最も低いところ(直径の最も外側)の中空糸の駆動力を小さくすることができる。最終結果は、この特徴を持たない同じ膜面積のモジュールに比べて全体性能が大幅に向上することである。一例として、本発明の8×40モジュール(2つの膜カートリッジを有し、それらの2つの膜カートリッジ間にギャップがある8”×40”コンタクタ)の溶存酸素(DO)除去効率は、従来の脱気モジュール(液体流量は100gpm未満)よりも、たとえ膜面積が大体同じあっても、かなり高い。
【0031】
少なくとも1つの実施形態によれば、好ましいROハウジングは、8”×40”または8”×80”のROハウジングであり、膜カートリッジの長さは約20”、40”または80”である。
【0032】
少なくとも1つの実施形態によれば、2つ以上の8”×40”または8”×80”脱気モジュールからなるアレイは、一体に接続された6ポートROハウジングから形成される。
【0033】
少なくとも本発明の選択された実施形態によれば、改良された液体脱気膜コンタクタまたはモジュールは、高圧ハウジングまたはモジュールと、高圧ハウジングまたはモジュール内に配置された少なくとも1つの脱気カートリッジとを含む。高圧ハウジングが、ASMEによって認証された標準の(または変更され、もしくは後付けされた)逆浸透(RO)または浄水圧力ハウジングまたは容器(例えばポリプロピレン、ポリカーボネート、ステンレス鋼、フィラメントが巻き付けられた耐食性のガラス繊維強化エポキシ樹脂管でできており、圧力定格が例えば150、250、300、400または600psiであり、例えば4つまたは6つのポートを有し、両端にエンドキャップを有するハウジングまたは容器)であり、脱気カートリッジが、RO高圧ハウジングに観入するように適合された自己内蔵型の中空糸膜カートリッジであると好ましいことがある。
【0034】
さらに、本発明の膜コンタクタは、多くの用途に対してモジュール式にする選択肢を提供することができ、本発明の膜コンタクタは、建物の事実上任意のエリアに置くことができる。本発明の膜コンタクタは、新しいシステムおよびより古い多くのシステムにおいて、短期間のうちに、強制通風脱気器および真空塔に取って代わる可能性がある。
【0035】
本発明の膜コンタクタは、市販の材料(例えばガラス繊維高圧ハウジング、ABSカートリッジシェル、ポリプロピレン中空糸)、封じ込め容器およびエンドキャップ構成要素を使用することが好ましい。ポッティング材料は、多くの他のLiqui−Cel(登録商標)製品で使用されており、長年にわたってこの分野で検証されているエポキシ樹脂とすることが好ましい。好ましい高性能Celgard(登録商標) X−40およびX−50微細孔疎水性ポリプロピレン中空糸はともに、水から溶解CO2およびO2を除去する際の費用効果が非常に高い。
【0036】
このような好ましいデバイスは、半導体プラントのメイクアップループで使用するため、十分に清浄にすることができる。より具体的には、このような好ましいデバイスを使用して、大型のメイクアップシステムから酸素を除去し、TFTプラントで使用する大量の水流から酸素を除去することができる。さらに、これらのデバイスは、混合床またはEDIテクノロジの前に二酸化炭素(CO2)を除去して、化学薬品の使用を排除し、または低減させ、これらのテクノロジを出る水の質を高める完全な解決策を提供することもできる。酸素(O2)を除去してボイラおよび配管を腐食から保護するため、ボイラ給水用途でこれらのデバイスを使用することもできる。ボイラ用途では、ブローダウンの頻度が低下し、コンタクタシステムを動作させるのに必要なエネルギーがより少なくなるため、これらのデバイスの運転コストをより小さくすることができる。
【0037】
材料、製品設計、使用および交換を好ましく変更することによって、多くの大規模な工業用途およびメイクアップ用途に対するこの好ましいデバイスの経済性をより有利にすることができる。最終用途において純度およびFDAコンプライアンスが重要である場合には、それらの最終用途に対して、高純度の8×40または8×80膜コンタクタ実施形態を使用することができる。
【0038】
少なくとも、おそらくは好ましい選択された実施形態によれば、本発明の膜コンタクタ(または膜カートリッジ)は、アレイの形態に編まれ、分配管の周囲に巻き付けられた疎水性ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMPもしくはポリ(4−メチル−1−ペンテン))などの数千本のCelgard(登録商標)微細孔ポリオレフィン(PO)中空糸、または、アレイの形態に編まれ、分配管の周囲に巻き付けられたポリフッ化ビニリデン(PVDF)、微細孔疎水性PVDF、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(PVDF:HFP)などのポリフッ化ビニリデンの共重合体、他のポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリブテン)、ポリスルホン(例えばポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン)、セルロースおよびセルロース誘導体、ポリフェニルオキシド(PPO)、PFAA、PTFE、他のフッ素化ポリマー、ポリアミド、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミドおよび/もしくはポリアミドイミドなどでできた数千本の中空糸を利用する。好ましい動作中には、液体が、中空糸のシェル側(外側)を流れる。好ましい設計は、コンタクタ(またはカートリッジ)内の中空糸束の中央に、アレイを横切って半径方向に液体を導くバフルを含む。中空糸のルーメン側(内側)には、ストリップガスまたは真空が、別々にまたは組み合わせて使用される。
【0039】
その疎水性のため、この膜は、ガスと液相とを分散を引き起こすことなく直接に接触させることを可能にする不活性支持体の働きをする。液体中の溶解ガスは、ガス流よりも高い圧力を液体流にかけることによって、細孔を通って移動する。
【0040】
本発明の膜コンタクタは、半導体、電力、医薬品、写真、食品および飲料、ならびに他の多くの他の産業において、酸素(O2)、二酸化炭素(CO2)および窒素(N2)をさまざまな液体に添加し、またはさまざまな液体から除去するために、世界中で使用することができる。高周波超音波洗浄(megasonic cleaning)を強化するために、このようなコンタクタを使用して液体にガスを添加することもできる。飲料業界は、炭酸化(carbonation)用、窒素化(nitrogenation)用およびO2除去用の膜コンタクタに期待を寄せている。これらの例は、本発明の膜コンタクタを使用することができるさまざまな用途のほんの少しの例を示しているに過ぎない。
【0041】
さらに、Membrana−Charlotteは、このような膜コンタクタを補完する液封真空ポンプ、エダクタ(eductor)およびOrbisphereセンサを提供している。
【0042】
少なくとも本発明の選択された実施形態は、膜コンタクタを用いて液体から脱気することを対象とする。溶解ガスを有する液体を、ストリップガスおよび/または真空源に接続されたコンタクタに導入する。このコンタクタ(または1つまたは複数のカートリッジ)は、穴のあいたコアと、複数の中空糸膜と、中空糸のそれぞれの端部を固定する管板と、ガス開口および液体開口を有するシェルとを有することが好ましい。シェルは、中空糸、管板およびコアを取り囲む。中空糸のルーメンは、ストリップガスおよび/または真空源と流体連通している。液体は、コアの開いた端部からコンタクタに入り、半径方向にコアを出、シェル内の膜の表面を横切り、再びコアに入り、コンタクタ(またはカートリッジ)から流出する。それによって、溶解ガスは、膜を横切って液体からルーメン内へ拡散する。コンタクタまたはコンタクタアレイを出た脱気または脱泡された液体は、100ppb未満、好ましくは50ppb未満、より好ましくは20ppb未満の溶解ガス含有量(または残留O2)を有することがある。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態によれば、新規のコンタクタ、コンタクタアレイ、および/または、1つもしくは複数の該コンタクタもしくはアレイを含む液体脱気システムが提供される。
【0044】
本発明の少なくとも1つの実施形態によれば、このコンタクタは、穴のあいたコアと、複数の微細孔中空糸と、シェル、ハウジングまたは容器とを含む。中空糸は、コアを取り囲み、2つの端部を有する。管板が、中空糸の端部を固定する。管板間にバフルが配置される。中空糸は、バフルのところで開いているか、または閉じている。シェル、ハウジングまたは容器は、中空糸、管板およびバフルを取り囲む。
【0045】
本発明の少なくとも1つの他の実施形態によれば、液体脱気システムは、ガスを含む液体源と、真空源と、少なくとも1つのコンタクタとを含み、少なくとも1つのコンタクタは、穴のあいたコアと、複数の微細孔中空糸と、バフルと、シェル、ハウジングまたは容器と含む。液体源は、コアの一端と流体連通している。真空源は、管板を介して中空糸のルーメンと流体連通している。液体は、コアから出、中空糸を横切り、バフルを迂回し、中空糸を横切り、コアへ戻る。
【0046】
本発明の少なくとも1つの目的によれば、螺旋型の中空糸膜織物を含み、流れ誘導バフルを含む、分離用途および他の相接触用途向けの新規のまたは改良されたカートリッジおよびモジュールが提供される。
【0047】
少なくとも本発明の選択された実施形態の他の目的は、中空糸束全体にわたる流体の半径方向の流れを促進するために複数の流れ誘導バフルが軸方向に配置されたカートリッジおよびモジュールを提供することにある。
【0048】
本発明の少なくともいくつかの実施形態の他の目的は、供給流体流が、コアの一部分の近くに、および/またはコアの一部分を通して断続的に導かれ、続いて外側の束の周縁に導かれるカートリッジおよびモジュールを提供することにある。
【0049】
本発明の少なくとも特定の実施形態の他の目的は、特定の所望の膜接触レジームに対して選択することができる、半径方向の供給流体流パターンを与えるいくつかのカートリッジ設計およびモジュール設計を提供することにある。
【0050】
本発明の少なくともいくつかの実施形態の追加の目的は、改良されたコンタクタおよび/またはカートリッジを構築する方法を提供することにある。
【0051】
以下の議論の中で、このほかの目的について言及されることがある。
【0052】
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、複数の高圧膜コンタクタからなる直列または並列アレイまたはシステムを用いて、海水などの液体から脱気することを対象とする。このアレイまたはシステムのコンタクタに、溶解ガスを有する液体が導入され、コンタクタは、スイープガス、ストリップガスおよび/または真空源に接続される。好ましくは、このコンタクタがそれぞれ、穴のあいたコアと、複数の中空糸膜と、前記中空糸のそれぞれの端部を固定する管板と、円筒形のシェルとを含む少なくとも1つの膜カートリッジを有する。シェルは、中空糸、管板およびコアを実質的に取り囲む。より好ましくは、中空糸のルーメンが、スイープガス、ストリップガスおよび/または真空源と流体連通している。液体は、コアの開いた端部の延長部分からコンタクタに入り、半径方向にコアを出、シェル内の膜の表面を横切り、少なくとも1つのバフルを迂回して流れ、コアの他の開いた端部の延長部分を通ってコンタクタから流出する。それによって、溶解ガスは、膜を横切って液体からルーメン内へ拡散する。複数の高圧膜コンタクタからなるこのアレイまたはシステムを出た液体は、10ppb未満の溶解ガス含有量を有することがある。複数の高圧膜コンタクタからなるこのアレイまたはシステムは、高圧ハウジングまたは容器と、高圧ハウジングまたは容器内に配置された少なくとも1つの膜カートリッジとをそれぞれが有する少なくとも3つの高圧膜コンタクタからなる、スキッド(skid)またはパレット(pallet)に載せられた移動式のアレイであることが好ましい。好ましいアレイまたはシステムは、RO高圧ハウジングまたは容器をそれぞれが有する複数の高圧膜コンタクタを有する。好ましいアレイまたはシステムは、少なくとも2つの膜カートリッジをそれぞれが含み、それらの膜カートリッジ間に任意選択のガス均一化ギャップがある複数の高圧膜コンタクタを有する。
【0053】
少なくとも本発明の選択された実施形態によれば、螺旋型の中空糸膜織物を含む高圧モジュールまたはコンタクタの改良であって、
1)高圧モジュールハウジングと、
2)前記モジュールハウジングの端部に嵌入し、または前記モジュールハウジングの端部に嵌合するように適合された一対のエンドキャップと、
3)それぞれの前記エンドキャップに配置された液体端面ポートと、
4)少なくとも一方の前記エンドキャップに配置された、または前記モジュールハウジングの一方の端部の近くの前記モジュールハウジングの側面に配置された少なくとも1つのガスポートと、
5)前記モジュールハウジングに嵌入するように適合された少なくとも1つの膜カートリッジと
を備え、膜カートリッジがそれぞれ、
a.ルーメンをそれぞれが有し、織物状のアレイとして形成された複数の中空糸膜であり、この織物状のアレイでは、中空糸が互いに実質的に平行であり、織物のよこ糸を構成し、中空糸が、織物のたて糸を構成するフィラメントによって離隔した関係に維持されている、複数の中空糸膜
を備え、
b.このアレイが、中空糸に実質的に平行な軸に巻き付けられて、2つの束端部と円筒形の外面とを有する螺旋状に巻かれた膜束を形成しており、
c.それらの2つの束端部がそれぞれ、隣接するモノリシック(monolithic)な管板の中に束端部をシールする役目を果たす樹脂ポッティング材料の中にポッティングされており、シェル側領域を形成するために、2枚の管板間の束の部分にはポッティング材料がなく、束端部のうちの第1の束端部を構成する中空糸のルーメン端が露出しており、束の外部と連通しており、
膜カートリッジがそれぞれさらに、
d.第1および第2のハウジング端部と円筒形のハウジング内面とを有し、膜束を収容するのに適した形状に形成されたカートリッジシェル、ケーシングまたはハウジングであり、第1のカートリッジハウジング端部に隣接する管板(ポッティング)が、円筒形のハウジング内面に対して第1の束端部をシールし、束を含む前記カートリッジハウジングが、膜を通して互いに連通した2つの領域を画定し、これらの2つの領域が、(i)(カートリッジ)ハウジング内の管板間の束の前記部分の外側のシェル側空間と、(ii)中空糸ルーメンおよび第1の束端部を含むルーメン側空間とを含む、カートリッジシェル、ケーシングまたはハウジング
を備え、
6)前記エンドキャップのうちの第1のエンドキャップの内面および第1のカートリッジハウジング端部に隣接する前記モジュールハウジングの内面が、円筒形のハウジング内面および第1の束端部とともに、第1のモジュールハウジング端部をシールし、第1のチャンバを画定し、第1のチャンバが前記膜ルーメンと連通し、
7)前記エンドキャップのうちの第2のエンドキャップの内面および第2のカートリッジハウジング端部に隣接する前記モジュールハウジングの内面が、円筒形のハウジング内面および第2の束端部とともに、第2のモジュールハウジング端部をシールし、前記膜ルーメンと連通する第2のチャンバを画定し、
8)前記液体端面ポートが、それぞれの前記膜カートリッジのシェル側空間に動作可能に接続されており、液体端面ポートを通して流体を注入し、流体を抜き取ることができるように配置されており、
9)前記少なくとも1つのガスポートが、第1のチャンバと第2のチャンバのうちの少なくとも一方のチャンバと連通しており、前記少なくとも1つのガスポートを通してガスを注入し、ガスを抜き取ることができるように配置されている
モジュールまたはコンタクタの改良が提供される。
【0054】
上記の改良された螺旋型の中空糸膜織物を含む高圧モジュールまたはコンタクタであって、
1)少なくとも2つのガスポートをさらに備え、少なくともそれぞれの前記エンドキャップのそれぞれ、または前記モジュールハウジングのそれぞれの端部の近くの前記モジュールハウジングのそれぞれの側面に、1つのガスポートがある、
モジュールまたはコンタクタ。
【0055】
上記の改良された螺旋型の中空糸膜織物を含む高圧モジュールまたはコンタクタであって、
1)前記モジュールハウジングに観入するように適合された少なくとも2つの膜カートリッジ
をさらに備える、モジュールまたはコンタクタ。
【0056】
上記の改良された螺旋型の中空糸膜織物を含む高圧モジュールまたはコンタクタであって、
1)それぞれの前記膜カートリッジ内に配置された中空のマンドレル(mandrel)をさらに備え、この中空のマンドレルが、縦軸および円筒形の外面と、軸方向の内孔と、前記内孔と連通した外面に沿った穴とを有する、
モジュールまたはコンタクタ。
【0057】
上記の改良された螺旋型の中空糸膜織物を含む高圧モジュールまたはコンタクタであって、
1)中空糸の両方のルーメン端が露出しており、束の外部と連通している
ことをさらに含む、モジュールまたはコンタクタ。
【0058】
上記の改良された螺旋型の中空糸膜織物を含む高圧モジュールまたはコンタクタであって、
1)前記モジュールハウジングが、RO高圧容器などの高圧容器または高圧ハウジングである
ことをさらに含む、モジュールまたはコンタクタ。
【0059】
上記の改良された螺旋型の中空糸膜織物を含む高圧モジュールまたはコンタクタであって、
1)カートリッジハウジングが破裂するのをモジュールハウジングが防ぎ、加圧下でカートリッジハウジングが膨張した場合には、モジュールハウジングが、カートリッジハウジングを封じ込め、抑え込むため、カートリッジハウジングが高圧に耐える必要がない
ことをさらに含む、モジュールまたはコンタクタ。
【0060】
上記の改良された螺旋型の中空糸膜織物を含む高圧モジュールまたはコンタクタであって、
1)加圧下でカートリッジシェルが膨張したり、または破損したりした場合には、モジュールハウジングが、カートリッジシェルを封じ込め、抑え込む
ことをさらに含む、モジュールまたはコンタクタ。
【0061】
上記の改良された螺旋型の中空糸膜織物を含む高圧モジュールまたはコンタクタであって、
1)膜カートリッジが破損した場合には、モジュールハウジングおよびエンドキャップが、膜カートリッジを封じ込め、抑え込む
ことをさらに含む、モジュールまたはコンタクタ。
【0062】
少なくとも本発明の選択された実施形態はさらに、上記の螺旋型の中空糸膜織物を含む高圧モジュールおよび/またはカートリッジの製造法および/または使用法を提供する。
【0063】
少なくとも本発明の選択された実施形態によれば、少なくともいくつかの目的は、いくつかの用途に対して有効であり、海水などの約50gpm以上および/もしくは約300psi以上の大流量の液体および/もしくは高圧の液体の脱気に適合しており、高い圧力定格を有し、ASME基準の定格を有し、顧客が慣れ、受け入れ、より低コストであり、より軽量であり、金属もしくは他の腐食性材料を使用せず、モジュール式であり、交換可能な自己内蔵型のカートリッジを有し、ポーティングオプションを有し、さまざまなモジュールサイズを有し、さまざまなモジュールアレイサイズを有し、高圧カートリッジを含み、過度に長い中空糸を使用せず、大きな液体流量を有し、ガス濃度の変動を排除し、もしくは低減させ、かつ/または商業生産を可能にする、コンタクタまたはモジュールを提供する。
【0064】
少なくとも本発明の選択された実施形態によれば、少なくともいくつかの目的は、長い間、膜開発者の関心の的であった非金属製、非PVCのモジュール式の大流量高圧膜コンタクタであって、水、海水などから脱気するのに(例えば、発電所で、または海洋石油掘削装置上などで、水、工程水、貯蔵タンク水、海水、塩水などから脱気するのに)、大きな真空塔の代わりに使用し、または大きな真空塔を補強することができるコンタクタを提供する。
【0065】
少なくとも本発明の選択された実施形態によれば、少なくともいくつかの目的は、改良された液体脱気膜コンタクタであって、比較的に小さなモジュール式の脱気モジュールを、工業プロセスにおいて、発電所で、もしくは海洋石油掘削装置もしくは掘削プラットホーム上で使用することを可能にし、真空塔の代わりに使用し、もしくは真空塔を補強することを可能にし、モジュール方式であることの利点もしくは交換可能なカートリッジの利点を提供することを可能にするコンタクタを提供し、かつ/または改良された液体脱気膜コンタクタおよび/もしくはその製造法および/もしくは使用法を提供する。
【0066】
追加の実施形態および/またはさまざまな実施形態が、以下の議論において説明されまたは詳細に記載され、特許請求の範囲において定義されることがある。
【0067】
本発明の実施形態または態様を示す目的上、図面には、現時点のおそらくは好ましい形態が示されている。しかしながら、本発明は、示された正確な実施形態、態様、配置および/または手段に限定されないことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の少なくとも1つの実施形態の例示的なモジュールまたはコンタクタの透視図である。
【図2】図3の線A−Aに沿って切った図1のモジュールの概略縦断面図である(側面ポートは回転されて下を向いている)。
【図3】図1のモジュールの端面図である。
【図4】図1のモジュール実施形態の例示的なカートリッジの透視図である。
【図5】図6の線B−Bに沿って切った図4のカートリッジの縦断面図である。
【図6】図4のカートリッジの端面図である。
【図7】図7および図8はそれぞれ、図4のカートリッジハウジングまたはシェルの側面図および端面図である。
【図8】図7および図8はそれぞれ、図6のカートリッジハウジングまたはシェルの側面図および端面図である。
【図9】図9および図10はそれぞれ、図1の圧力ハウジングまたは容器の側面図および端面図である。
【図10】図9および図10はそれぞれ、図1の圧力ハウジングまたは容器の側面図および端面図である。
【図11】図11および図12はそれぞれ、本発明の少なくとも1つの実施形態のカートリッジハウジングまたはシェルの他の例を示す側面図および端面図である。
【図12】図11および図12はそれぞれ、本発明の少なくとも1つの実施形態のカートリッジハウジングまたはシェルの他の例を示す側面図および端面図である。
【図13】図13、14および15はそれぞれ、本発明の少なくとも1つの実施形態のカートリッジハウジングまたはシェルの他の例を示す透視図、断面図および端面図であり、図14は、図15の線C−Cに沿って切った図13のシェルの断面図である。
【図14】図13、14および15はそれぞれ、本発明の少なくとも1つの実施形態のカートリッジハウジングまたはシェルの他の例を示す透視図、断面図および端面図であり、図14は、図15の線C−Cに沿って切った図13のシェルの断面図である。
【図15】図13、14および15はそれぞれ、本発明の少なくとも1つの実施形態のカートリッジハウジングまたはシェルの他の例を示す透視図、断面図および端面図であり、図14は、図15の線C−Cに沿って切った図13のシェルの断面図である。
【図16】図16および17はそれぞれ、図2および5の2片式中心管の半分の側面図および端面図である。
【図17】図16および17はそれぞれ、図2および5の2片式中心管の半分の側面図および端面図である。
【図18】図18および19はそれぞれ、図2および5の組み立てられた2片式中心管の側面図および端面図である。
【図19】図18および19はそれぞれ、図2および5の組み立てられた2片式中心管の側面図および端面図である。
【図20】図20および21はそれぞれ、図18に示した2つの中心管部分を接合するように適合された中実の中心管コネクタの側面図および端面図である。
【図21】図20および21はそれぞれ、図18に示した2つの中心管部分を接合するように適合された中実の中心管コネクタの側面図および端面図である。
【図22】図22および23はそれぞれ、エンドキャップの端面ポートにカートリッジを接続する図2のアダプタを示す側面図および端面図である。
【図23】図22および23はそれぞれ、エンドキャップの端面ポートにカートリッジを接続する図2のアダプタを示す側面図および端面図である。
【図24】本発明の少なくとも1つの実施形態の例示的な他のモジュールまたはコンタクタの側面図である。
【図25】図26の線D−Dに沿って切った図24のモジュールの概略縦断面図である。
【図25A】図25の中空のカートリッジコネクタの透視図である。
【図26】図24のカートリッジの端面図である。
【図27】モジュールの1つの使用法を示す、本発明の少なくとも1つの実施形態の例示的な他のモジュールまたはコンタクタの概略縦断面図である。
【図28】中空糸膜の一部分を横切るガス移動を示す概略拡大断面図である。
【図29】図29、30および31はそれぞれ、スイープガスモード、真空モードおよびコンボモード(Combo Mode)でのモジュールの使用法を示す概略図である。
【図30】図29、30および31はそれぞれ、スイープガスモード、真空モードおよびコンボモード(Combo Mode)でのモジュールの使用法を示す概略図である。
【図31】図29、30および31はそれぞれ、スイープガスモード、真空モードおよびコンボモード(Combo Mode)でのモジュールの使用法を示す概略図である。
【図32】図32および33はそれぞれ、並列コンタクタ構成および直列コンタクタ構成の概略図である。
【図33】図32および33はそれぞれ、並列コンタクタ構成および直列コンタクタ構成の概略図である。
【図34】本発明の少なくとも1つの実施形態のモジュールアレイの一例の概略透視図である。
【図35】図34のモジュールアレイのような多モジュールアレイを使用する、本発明の少なくとも1つの実施形態の脱気スキッドの一例を示す図である。
【図36】図36および37はそれぞれ、本発明の少なくとも1つの実施形態に基づく高圧コンタクタの側面ガスポートの一例および端面ガスポートの一例を示す端面透視図である。
【図37】図36および37はそれぞれ、本発明の少なくとも1つの実施形態に基づく高圧コンタクタの側面ガスポートの一例および端面ガスポートの一例を示す端面透視図である。
【図38】2つのカートリッジを有し、それらの2つのカートリッジ間にガス均一化ギャップがある、本発明の少なくとも1つの実施形態の例示的なコンタクタの概略断面図である。
【図39】ガスポートが並列に接続された、本発明の少なくとも1つの実施形態の3つの6ポートコンタクタの一例の概略透視図である。
【図40】外ケーシングに穴を有する、本発明の少なくとも1つの実施形態のカートリッジの一例の概略透視図である。
【図41】非常に大きく拡大した、中空糸膜アレイの一例の表面の概略図である。
【図42】図41の中空糸膜などの中空糸膜の概略端面透視図である。
【図43】図42の中空糸の外面(シェル側)の一部分の表面の概略拡大図である。
【図44】本発明の少なくとも1つの実施形態に基づく特定の多コンタクタ構成またはコンタクタアレイの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
本出願は、膜コンタクタならびに膜コンタクタの製造法および使用法に関する。少なくとも選択された実施形態において、本発明は、高圧液体脱気膜コンタクタ、ならびに高圧液体脱気膜コンタクタの製造法および使用法を対象とする。少なくともいくつかの実施形態において、本発明は、中空糸膜コンタクタを用いて、溶解ガスまたは同伴ガスを有する液体から脱気することを対象とする。好ましくは、このコンタクタが、穴のあいたコアと、複数の中空糸膜と、前記中空糸のそれぞれの端部を固定する管板と、シェルとを含む少なくとも1つの膜カートリッジを取り囲む圧力容器または高圧ハウジングを有する。好ましくは、中空糸のルーメンが、スイープガスまたは真空、あるいはその両方と流体連通し、脱気する対象の液体が、穴のあいたコアの開いた端部からコンタクタに入り、半径方向にコアの穴を出、シェル内の膜の外面(ルーメン側)を横切り、溶解ガスまたは同伴ガスが低減した状態でコンタクタから流出する。溶解ガスは、微細孔膜を横切って液体からルーメン内へ拡散することが好ましい。
【0070】
少なくとも本発明の選択された実施形態によれば、改良された液体脱気膜コンタクタまたはモジュールは、高圧ハウジングと、高圧ハウジングまたはモジュール内に配置された少なくとも1つの脱気カートリッジとを含む。高圧ハウジングが、ASMEによって認証された標準の(または変更され、もしくは後付けされた)逆浸透(RO)または浄水圧力ハウジングまたは容器(例えばポリプロピレン、ポリカーボネート、ステンレス鋼、フィラメントが巻き付けられた耐食性のガラス繊維強化エポキシ樹脂管でできており、圧力定格が例えば150、250、300、400または600psiであり、例えば4つまたは6つのポートを有し、両端にエンドキャップを有するハウジングまたは容器)であり、脱気カートリッジが、高圧ハウジングまたは容器に嵌入するように適合された自己内蔵型の中空糸膜カートリッジであると好ましいことがある。
【0071】
少なくとも、おそらくは好ましい本発明の選択された実施形態によれば、改良された液体脱気膜コンタクタまたはモジュールは、高圧ハウジングと、高圧ハウジング内に配置された少なくとも1つの脱気カートリッジとを含む。高圧ハウジングが、ASMEによって認証された標準の逆浸透(RO)または浄水圧力ハウジングまたは容器(例えばポリプロピレン、ポリカーボネート、ステンレス鋼、フィラメントが巻き付けられた耐食性のガラス繊維強化エポキシ樹脂管でできており、圧力定格が例えば150、250、300、400または600psiであり、例えば4つまたは6つのポートを有し、少なくとも側面ポートまたはガスポートが圧力下または真空下で機能し(シールし)、両端にエンドキャップを有するハウジングまたは容器)であり、脱気カートリッジが、RO高圧ハウジングに嵌入するように適合された自己内蔵型の中空糸膜カートリッジであると好ましいことがある。
【0072】
少なくとも1つの実施形態では、このような自己内蔵型の液体膜コンタクタカートリッジが、穴のあいた中心管と、両方ともに開いた第1の端部および第2の端部をそれぞれが有する複数の第1の中空糸膜を含む第1のマットと、中空糸マットを2つのエリアに分離する任意選択のバフルと、カートリッジシェルまたはハウジングと、両端に配置されたポッティングとを含む。膜の第1および第2の端部が開いているのは、例えば、ストリップガスまたはスイープガスが膜を通過するのを可能にするためである。中心管の第1の部分と第2の部分とを接合する中心管コネクタと、中心管コネクタの上の巻き付いているマットまたは束の中央に塗布されて、中空糸マットの全厚にわたるダムまたは遮断物を形成するエポキシ樹脂とによって、バフルが形成されていると好ましいことがある。さらに、ポッティングがエポキシ樹脂製であり、ポッティングした後に開いた第1および第2の端部を形成するために、ポッティングの端部が切り落とされていると好ましいことがある。
【0073】
少なくとも1つの実施形態によれば、カートリッジの中を中空糸の表面に沿って液体が流れるように、中心管が、カートリッジの両端に開口を形成し、中心管の長さに沿って穴を有する。カートリッジの両端の開口は、ROハウジングのエンドキャップのポートと流体連通するように適合されている。例えば、中空のまたは管状のアダプタまたは管を使用して、カートリッジの開口とエンドキャップのポートとを接続することができる。
【0074】
少なくとも選択された実施形態によれば、高圧脱気モジュールが、単一のROハウジング内に配置された2つ以上のカートリッジを含む。
【0075】
少なくとも1つの実施形態によれば、好ましいROハウジングは、8”×40”または8”×80”のROハウジングであり、カートリッジの長さは約20”、40”または80”である。
【0076】
少なくとも1つの実施形態によれば、2つ以上の8”×40”または8”×80”脱気モジュールからなるアレイは、一体に接続された6ポートROハウジングから形成される。
【0077】
可能な限り好ましい本発明の一態様によれば、高圧ハウジングまたは容器と、高圧ハウジングまたは容器内に配置された少なくとも1つの膜カートリッジとを有する商業的に実行可能な高圧脱気コンタクタが提供される。
【0078】
可能な限り好ましい本発明の他の態様によれば、標準RO高圧ハウジングまたは容器と、標準RO高圧ハウジングまたは容器内に配置された少なくとも1つの膜カートリッジとを有する商業的に実行可能な高圧脱気コンタクタが提供される。
【0079】
可能な限り好ましい本発明の他の態様によれば、標準RO高圧ハウジングまたは容器と、標準RO高圧ハウジングまたは容器内に配置された少なくとも2つの膜カートリッジとを有する商業的に実行可能な高圧脱気コンタクタが提供される。
【0080】
可能な限り好ましい本発明の他の態様によれば、標準RO高圧ハウジングまたは容器と、この容器に嵌入するように適合された少なくとも1つの膜カートリッジとを使用して、商業的に実行可能な高圧脱気コンタクタを構築することができることが発見された。
【0081】
可能な限り好ましい本発明の膜コンタクタは、分散を引き起こすことなく、水流中へまたは水流中から、ガスを移動させることを可能にすることができる。このような膜コンタクタは、ポリプロピレン糸を使用してアレイの形態に編まれ(図41参照)、分配管および収集管(穴のあいた中心管の部分)の周囲に巻き付けられた、ポリオレフィン製、例えば疎水性ポリプロピレン製の数千本のCelgard(登録商標)微細孔中空糸を含むことがある。中空糸は、より大きな流動能力および膜の全表面積の利用を可能にする均一な空間を有するパッキングとして配置されることが好ましい。中空糸膜は疎水性であることが好ましいため、水流は細孔に侵入しない。ガス流よりも高い圧力を水流に加えることによって、細孔の気/液界面は不動化にされる。充填カラムなどの分散相コンタクタとは違い、おそらくは好ましい本発明の膜コンタクタでは、移動のための界面の面積が、動作流量範囲全体にわたって一定である。
【0082】
中空糸はさらに、ポリメチルペンテン(PMPまたはポリ(4−メチル−1−ペンテン))、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、微細孔疎水性PVDF、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(PVDF:HFP)などのポリフッ化ビニリデンの共重合体、他のポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリブテン)、ポリスルホン(例えばポリスルホン、ポリエーテルスルフォン、ポリアリールスルホン)、セルロースおよびセルロース誘導体、ポリフェニルオキシド(PPO)、PFAA、PTFE、他のフッ素化ポリマー、ポリアミド、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミドおよび/またはポリアミドイミド(PAI)などからなることができる。
【0083】
可能な限り好ましい本発明の膜コンタクタは微細孔膜を利用するが、その分離原理は、濾過、ガス分離などの他の膜分離とはかなり異なる。このような好ましい中空糸膜コンタクタでは、他の膜分離では起こる細孔を通しての対流が起こらない。その代わりに、好ましい膜は、液相と気相とを分散を引き起こすことなく直接に接触させる不活性支持体の働きをする。これらの2相間の物質移動は完全に、気相の圧力によって支配される。好ましいCelgard(登録商標)中空糸およびコンタクタの幾何形状のため、単位体積あたりの表面積は、充填カラム、強制通風脱気器、真空塔などの伝統的な技術よりも1桁大きい。体積に対する表面積がこのように高いレベルにあると、所与の性能レベルを得るためのコンタクタ/システムのサイズが劇的な小さくなる。
【0084】
バフル付き膜設計が好ましいよう思われるが、本明細書に記載された膜コンタクタに対しては3つの設計変異があると思われることに留意されたい。バフル付き膜設計は、中央バフルを迂回する半径方向の液体流路を使用する。液体は、中空糸の外側(シェル側)を流れる。NB設計すなわちバフル無し(No Baffle)設計は中央バフルを利用しないが、それでもこの設計は半径方向流デバイスである。バフル無し設計の液体出口ポートは、バフル付き設計の場合のようにコンタクタの端部ではなく、デバイスの中央に置かれる。NBコンタクタの一端にはキャップが付けられ、この端部は、液体が、中央の分配管から中空糸を横切って外側へ、または半径方向へ流れることを可能にする。この変異は、真空動作に最もよく適しているように思われる。第3の変異または設計は、中空糸の内側(ルーメン側)を液体が流れることを可能にする。このデバイスは半径方向流デバイスでなく、小流量用途に最もよく適しているように思われる。
【0085】
おそらくは好ましい本発明の膜コンタクタは、水に対する吸収/ストリッピング技法によく適していることがあるPP、PMP、PVDFなど、いくつかある中空糸型のうちの1つの中空糸型を利用することができる。PVDF中空糸は、海水に加えられた消毒剤をより良好に処理することができる。Celgard(登録商標) X−40膜は、X−50よりも厚い壁およびX−50よりも小さい内径を有し、酸素除去に対して推奨される。Celgard(登録商標) X−50膜は、わずかに薄い壁およびより大きな内径を有する(図41および42参照)。この特徴は、X−40膜に比べて、より大きな二酸化炭素除去を可能にする。
【0086】
下表は、Celgard(登録商標) X−40中空糸とX−50中空糸の比較である。
【0087】
【表1】

【0088】
可能な第3の中空糸変異である微細孔ポリオレフィンを、低表面張力流体のガス移動のため、より小型のコンタクタに導入した。この流体は常にこのデバイスのシェル側を流れる。さらに、水中の酸化種のより良好な許容差のために、微細孔PVDF中空糸を導入した。さらに、より大型の工業用コンタクタにXIND中空糸を導入した。XIND中空糸は、非FDA脱気用途に対して適合される。
【0089】
曝気、炭酸飽和などのガス吸収用途でバフル付きまたはバフル無し膜コンタクタを使用するときには、中空糸膜の内側(ルーメン側)にガスが導入され、中空糸の外側(シェル側)に液相が導入される。ガスの分圧および水温が、液相に溶解するガスの量を制御する。この用途でルーメン側液体膜コンタクタ(非半径方向流デバイス)を使用するときには、ルーメン側に液体が導入され、シェル側にガスが導入される。
【0090】
脱炭酸、脱酸素などのガスストリッピング用途でバフル付きまたはバフル無し膜コンタクタを使用するときには、中空糸のルーメン側に、真空またはストリッピングガス、あるいはこれらの組合せが使用される。中空糸の外側に液体流が導入される。液相から溶解ガスを除去するため、ガスの分圧を低下させる。この用途でルーメン側液体膜コンタクタ(非半径方向流デバイス)を使用するときには、ルーメン側に液体が導入され、シェル側にガス/真空が使用される。
【0091】
同様の符号が同様の要素を示す図面を参照すると、図1には、高圧液体脱気膜コンタクタなどのモジュールまたはコンタクタ100の一実施形態が示されている。モジュール100は、圧力ハウジングまたは容器110、端面ポート112、114、エンドキャップ116、118、エンドキャップロック120、122および側面ポート124、126を含む。最も好ましくは、このモジュールが、液体から脱気するように適合されており、端面ポート112、114が液体ポート、好ましくは脱気または脱泡などを実施する対象の液体を受け取る液体ポートであり、側面ポート124、126がガスポート、好ましくは、スイープガスもしくはストリップガスなどを受け取るガスポートおよびそれらのガスを除去するガスポートであり、ならびに/または、1種もしくは数種の同伴ガスもしくは溶解ガスの除去もしくは制御を容易にするために、一方もしくは両方が、真空に接続された(真空源もしくは真空ポンプに接続される)ガスポートである。
【0092】
上記の構成ほどには好ましくないことがあるが、1種または数種のガスを液体に添加するようにモジュールを適合させ、端面ポート112、114を、処理または改質する対象の液体を受け取る液体ポートとし、側面ポート124、126を、二酸化炭素、窒素および/もしくは真空などを受け取り、またはそれらのガスを除去するガスポート、あるいは、1種または数種のガスの制御または添加を容易にするために、両方が、ガスまたは真空に接続された(ガスまたは真空の源またはポンプに接続される)ガスポートとすることもできる。
【0093】
上記の構成ほどには好ましくないことがあるが、湿気を制御し、またはガス流もしくは空気流に湿気を加えるようにモジュールを適合させ、端面ポート112、114を、水を受け取る液体ポートとし、側面ポート124、126を、スイープガス、ストリップガスまたは空気などを受け取るガスポートおよびそれらのガスを除去するガスポート、ならびに/あるいは、水蒸気または湿気などの発生、添加、除去および/または制御を容易にするために、一方または両方が、真空に接続された(真空源または真空ポンプに接続される)ガスポートとすることもできる。
【0094】
上記の構成ほどには好ましくないことがあるが、端面ポート112、114をガスポートとし、側面ポート124、126を液体ポートとすることもできる。上記の構成ほどには好ましくないことがあるが、端面ポート112、114を液体ポートとし、側面ポート124、126を液体ポートとすること、または端面ポート112、114をガスポートとし、側面ポート124、126をガスポートとすることもできる。
【0095】
少なくともいくつかの用途に対しては、好ましい配置が、液体とガスの向流である。例えば、ポート112からポート114へ液体が流れ、同時にポート126からポート124へガスが流れてもよく、またはポート114からポート112へ液体が流れ、同時にポート124からポート126へガスが流れてもよい。少なくともいくつかの他の用途に対しては、好ましい配置が、液体とガスの共通方向流(common direction flow)である。例えば、ポート112からポート114へ液体が流れ、同時にポート124からポート126へガスが流れてもよく、またはポート114からポート112へ液体が流れ、同時にポート126からポート124へガスが流れてもよい。少なくともいくつかの他の用途に対しては、好ましい配置が、一方の液体ポートからもう一方の液体ポートへ液体が流れ、両方のガスポートからガスが吸引される配置である。例えば、ガスポート124および126を(真空ポンプなどの)真空に接続することができる。少なくともいくつかの他の用途に対しては、好ましい配置が、一方の液体ポートからもう一方の液体ポートへ液体が流れ、両方のガスポートにガスが強制的に導入される配置である。例えば、ガスポート124および126を、(炭酸化または窒素化などのため)液体に導入するガスに接続することができる。
【0096】
多くの産業が、液体中の溶解ガスを除去し、液体に溶解ガスを添加し、または液体中の溶解ガスを制御することを必要としている。モジュールまたはコンタクタ100、および本明細書に示し、説明した同種の膜コンタクタは、ガスを除去し、制御し、または添加することを必要としているこのような産業において使用することができる。言い換えると、本発明の液体脱気装置を使用することができる多くの膜脱気用途および膜ガス移動用途が存在する。
【0097】
図2および図4から6を参照すると、モジュール100はカートリッジ130を含むことができる。カートリッジ130は円筒形のシェル、ケーシングまたはハウジング132を含み、この円筒形のシェル、ケーシングまたはハウジングは、外面Oリング溝134、136および内面133を備える(図7および8参照)。カートリッジ130はさらに、カートリッジの両端のケーシングの内面133と中心管154の間をシールし、中空糸の両端を固定し、管板を形成するポッティング138、140を含む。ポッティング138、140はそれぞれ、好ましくは中心管154の外面によって画定された中心端部開口142、144を有する。
【0098】
図2に示すように、モジュール100は、カートリッジ130およびアダプタまたはコネクタ146、148を含み、アダプタまたはコネクタ146、148はそれぞれ、一段高い部分149と、第1の端部150および第2の端部152とを有し、第1の端部150および第2の端部152はそれぞれ、対応する中心管開口151および端面ポート開口113と対合し、または中心管開口151および端面ポート開口113に嵌入するように適合されていることが好ましい。
【0099】
図5に示すように、カートリッジ130はさらに、中心管154、バフル155および膜マット156を含むことが好ましい。
【0100】
図1は、2つの端面ポートまたはシェル側ポート112、114と、2つの側面ポートまたはルーメン側ポート124、126とを有する4ポートモジュールである例示的なモジュールまたはコンタクタ100を示している。おそらくは最も好ましい一実施態様によれば、ハウジングまたは容器110は、エンドキャップ、エンドキャップロック、端面ポートおよび側面ポートを備える標準の逆浸透(RO)型または高圧浄水型の高圧ハウジングまたは容器の外観を有し、好ましくはそのような標準の逆浸透(RO)型または高圧浄水型の高圧ハウジングまたは容器である。ハウジング110は例えば、定格が100psi、好ましくは定格が300psi以上であるRO型または高圧浄水型ハウジング、例えばガラス繊維容器、ステンレス鋼容器などの8”×40”、8”×80”または16”×80”のROまたは高圧浄水ハウジングまたは容器などである。石油掘削装置または海洋掘削プラットホームの脱気用途には、非金属製の耐食性ガラス繊維ハウジングを使用することが好ましい。
【0101】
おそらくはより好ましい一実施形態によれば、モジュール100が、エンドキャップ、エンドキャップロック、端面ポートおよび側面ポートを備える標準の逆浸透(RO)型または高圧浄水型の高圧ハウジングまたは容器の外観を有し、好ましくは、減圧ガス用途または真空用途で使用するために、側面ポート124、126のシールが変更されている。標準のRO型または高圧浄水型の側面ポートの一部のシールは、加圧液体用途に対してしか適合しておらず、減圧ガスまたは真空にさらされたときには漏れる可能性がある。
【0102】
図2および3は、180度回転して側面ポート124、126が下を向いた図1のモジュール100を示す。
【0103】
好ましくは、モジュール100のハウジングまたは容器110が、直径が一定の細長い中央部160と、拡張された端部162、164とを有する(図1から3、9および10参照)。ハウジング110の端部162、164の開口166、168の直径は、カートリッジ130を受け取るように適合された中央部160の細長い円筒形の開口170(図10参照)の内径よりも大きいことが好ましい。おそらくは好ましい一例によれば、カートリッジ130の外径は開口170の直径よりもわずかに小さく、カートリッジは、開口170の端に近い位置において、例えば溝134、136に配置されたOリング172、174によって、開口170の内部にシールされる。標準のROハウジングと同様に、端部開口166、168は、エンドキャップ116、118およびエンドキャップロック120、122を受け取るように適合されており、エンドキャップロック120、122は、アダプタ146、148を受け取り、またはアダプタ146、148と対合する端面ポート112、114と一緒に、エンドキャップを、ハウジング110内の所定の位置に固定し、この固定は、アダプタ146、148を、所定の位置に、中心管154によって受け取られた状態で配置または保持する。エンドキャップがきちんとロックされたときに、カートリッジ、中心管、アダプタおよび端面ポートが所定の位置にロックされ、または保持されることが好ましい。アダプタ146、148の一段高い部分149および肩180は、アダプタの端部152、150をそれぞれ、対応する端面ポートの開口113および中心管の開口151に挿入することができる最大限度を制限する。アダプタ146、148はさらに、例えば、中心管の端部および端面ポートの内側部分と流体密シールを形成するOリングを受け取るOリング溝182、184を含むことが好ましい。
【0104】
上述のとおり、好ましいモジュール100は、非常に単純だが非常に有効な構造を有する。シェル側流体または液体は、(膜界面を除いて)ルーメン側流体またはガスから分離される。好ましくは、カートリッジ、中心管、アダプタなどの特注部品と一緒に、標準ハウジング、エンドキャップ、端面ポート、側面ポート、エンドキャップロックなどの標準部品が使用される。モジュールの最終用途によっては、特注の端面ポート、側面ポートおよび/またはエンドキャップを使用する必要があることもある。
【0105】
中心管154は、1本の穴あき管(中央に栓または流れ制限要素があっても、またはなくてよい)とすることができるが、図2、5および16から21に示すように、中心管154は少なくとも3つの部分、すなわち第1の穴あき管部分190、第2の穴あき管部分192および中実の管コネクタ194からなることが好ましい。示されているように、管コネクタ194は、コネクタ194に隣接する管190および192の端部の雌ねじと対合するように適合された、ねじが切られた対応するそれぞれの端部191および193を有することが好ましい。管190、192を離隔するため、および膜マットまたは膜織物を管154の周囲に配置したときにバフル155を例えばエポキシ樹脂から形成するのを助け、形成した後にバフル155が所定の位置にとどまるのを助けるため、管コネクタ194はさらに、溝が切られた一段高い中央部分195を有することが好ましい。同様に、膜マットまたは膜織物を管154に巻き付け、ケーシング132に入れた後に、ポッティング138、140を例えばエポキシ樹脂から形成するのを助け、形成した後にポッティング138、140が所定の位置にとどまるのを助けるため、管190、192はそれぞれ、コネクタ194とは反対側の端の近くに、リブ(rib)または溝202を含むことが好ましい。好ましくは、アダプタ146、148の端部150を受け取るように適合された管190、192の端部がそれぞれ、穴のない滑らかな内面を有する。
【0106】
膜マット156は、バフル155によって、2つの膜部分196および198に分離されることが好ましい。例えば、脱気する対象の液体が、モジュール100の中を端面ポート112から端面ポート114まで流れている場合、この液体は、端面ポート112の開口113、アダプタ146の開口186および管190の開口151を通り、管190の穴または開口200から管190の外に出、例えば膜マット部分196の中空糸の周囲を流れ、バフル155を越え(バフル155とケーシングの内面133の間を通り)、例えば膜マット部分198の中空糸の周囲を流れ、管192の穴または開口200、管192の開口151およびアダプタ148の開口186を通り、端面ポート114の開口115から流出する。この例では、管190が液体分配管、管192が液体収集管である。
【0107】
他の例では、脱気する対象の液体が、モジュール100の中を端面ポート114から端面ポート112まで流れており、この液体は、端面ポート114の開口115、アダプタ148の開口186および管192の開口151を通り、管192の穴または開口200から管192の外に出、例えば膜マット部分198の中空糸の周囲を流れ、バフル155を越え(バフル155とケーシングの内面133の間を通り)、例えば膜マット部分196の中空糸の周囲を流れ、管190の穴または開口200、管190の開口151およびアダプタ146の開口186を通り、端面ポート112の開口113から流出する。この例では、管192が液体分配管、管190が液体収集管である。
【0108】
図1から6は、モジュール100のハウジング110内の単一のカートリッジ130を示しているが、2つ以上のカートリッジを使用することも企図される(図25、27および39参照)。また、ハウジング110内で1つまたは複数のカートリッジ130を使用することが好ましいが、膜マットおよび中心管をハウジング110に直接にポッティングすることによって、ハウジング110内に一体型の膜コンタクタを形成することもできる。さらに、カートリッジ130がシェルまたはケーシング132を有することが好ましいが、シェルのないカートリッジをハウジング110内で使用することもできる。
【0109】
バフルの付いた膜マットを内部に有する1つまたは複数のカートリッジを使用することが好ましいが、バフルのない構成または複数のバフルを有する構成を使用することもできる。例えば、短いカートリッジの膜マットはバフル無しとすることができ、長いカートリッジの膜マットは2つ以上のバフルを含むことができる。
【0110】
図11および12を参照すると、例示的な他の円筒形のシェル、ケーシングまたはハウジング300は、外面Oリング溝302、304および内面306を有する。
【0111】
図13から15を参照すると、例示的な他の円筒形のシェル、ケーシングまたはハウジング320は、外面Oリング溝322、324と、内面326と、シェル、ケーシングまたはハウジング320の端部にポッティングを形成し、それを維持するのを助けるための溝またはリブが形成された部分328、330とを有する。
【0112】
図4から6に関して、カートリッジは、輸送し、取り扱い、挿入し、交換するのに合理的なサイズおよび重量の自己内蔵型の膜コンタクタユニットであることが好ましいことに留意されたい。このようなカートリッジは、モジュールを構築し、維持するのを容易にする。おそらくは好ましい一例によれば、直径8”のカートリッジの長さは40”以下、直径16”のカートリッジの長さは20”以下である。
【0113】
図7および8に関して、おそらくは好ましい一例では、カートリッジのハウジングまたはシェル132の全長が約39.75インチ、外径が約7.9インチであり、ハウジングまたはシェル132はABSポリマーから形成される。
【0114】
おそらくは好ましい他の例では、カートリッジのハウジングまたはシェル132の全長が約79.75インチ、外径が約7.9インチである。
【0115】
おそらくは好ましい他の例では、カートリッジのハウジングまたはシェル132の全長が約79.75インチ、外径が約15.9インチである。
【0116】
図9および10に関して、おそらくは好ましい一例では、圧力ハウジングまたは容器110の全長が約58.25インチ、内径が約7.95インチであり、圧力ハウジングまたは容器110はガラス繊維またはステンレス鋼などから形成される。
【0117】
図11および12に関して、おそらくは好ましい一例では、カートリッジのハウジングまたはシェル300の全長が約19.88インチ、外径が約7.9インチであり、ハウジングまたはシェル300はABSポリマーから形成される。
【0118】
図13、14および15に関して、おそらくは好ましい一例では、カートリッジのハウジングまたはシェル320の全長が約20.28インチ、外径が約7.9インチであり、ハウジングまたはシェル320はABSポリマーから形成される。
【0119】
図18および19に関して、おそらくは好ましい一例では、中心管154の全長が約21インチ、外径が約1.3インチであり、中心管154はポリマーから形成される。
【0120】
図22および23を参照すると、アダプタまたはコネクタ146、148はそれぞれ、流体を通過させるための中心開口186を有する。
【0121】
図24から26を参照すると、6ポートモジュール400は、4つの側面ポート412、414、416および418、2つの端面ポート、2つのエンドキャップ、2つのアダプタなどを備える圧力ハウジング410を有する。モジュールまたはコンタクタ400は、好ましくは中空コネクタ424によって互いに接続された2つの膜カートリッジ420、422を含み、中空コネクタ424は、カートリッジの中心管の開口と対合し、またはカートリッジの中心管の開口に受け取られるように適合されている。
【0122】
特に図25Aを参照すると、コネクタ424は、カートリッジ420と422の隣接する端部(または管板)と端部(または管板)を短い距離だけ離隔するように適合された一段高い中央部分426を含むことが好ましい。一例によれば、コネクタ424は、カートリッジを約0.25インチ離隔させる。この間隔またはギャップは、1つのカートリッジを出、次のカートリッジに入る1種または数種のルーメン側ガスの均一化を提供することが好ましい。中空糸の開いた端部(管板の外縁)間のこのようなギャップは、約0.01インチから約2インチ、より好ましくは約0.1インチから約0.5インチ、最も好ましくは約0.15インチから約0.35インチであることが好ましい。コネクタ424はさらに、カートリッジ420および422の中心管の対応するそれぞれの開いた端部にOリングを嵌められ、それらの開いた端部に受け取られるように適合された端部428および430を含み、一方のカートリッジの中心管からもう一方のカートリッジの中心管へシェル側液体が流れることを可能にする中心開口432を有することが好ましい。この2カートリッジ構成は、他のコンタクタおよび他の構成よりも優れた性能を有する膜コンタクタを提供する。
【0123】
図27は、モジュール100と同様の4ポートモジュールだが、モジュール400と同様に2つのカートリッジを含むモジュール500を示す。モジュール500は例えば、2つの40”カートリッジを含む8”×80”モジュール、または2つの20”カートリッジを含む16”×40”モジュールである。モジュール500のカートリッジはそれぞれ、穴のあいた中心管と、中実の管コネクタに接続されたバフルと、両端に管板を有する複数の中空糸と、ケーシングとを有する。示されているように、液体とスイープガスは、液体から脱気するため、モジュール内において向流をなす。
【0124】
図28を参照すると、水などの液体から脱気するために、中空糸は、液体の通過は阻止するが、ガスおよび蒸気の通過または移動は許す細孔を有する疎水性の微細孔膜であることが好ましい。
【0125】
図29、30および31は、モジュールまたはコンタクタのさまざまな使用法またはモード(スイープガス、真空、およびスイープガスと真空の両方)を示す。
【0126】
図32および33はそれぞれ、並列コンタクタ構成および直列コンタクタ構成を示す。
【0127】
図34は、本発明の例示的な多モジュールアレイを概略的に示す。図35は、例えば石油掘削装置または掘削プラットホーム上で使用する脱気スキッドとして使用されて、100,000バレル/日超の海水を脱気処理する、(図34のモジュールアレイのような)モジュールアレイの一例を示す(実際の構成または設計、選択された材料、モジュールのサイズおよび数などによって、流量、重量およびその他の仕様は大幅に異なることがある)。
【0128】
図36は、好ましい側面ガスポート配置を有する本発明の少なくとも1つの実施形態の4ポートモジュールを示す。モジュール600は、ハウジング610、エンドキャップ612、エンドキャップロック614、端面ポート616および側面ポート618を有する。
【0129】
図37は、代替ガスポート配置を有する本発明の少なくとも1つの実施形態の4ポートモジュールを示す。モジュール700は、ハウジング710、エンドキャップ712、エンドキャップロック714、端面ポート716および端面ガスポート718を有する。
【0130】
図38は、2つのカートリッジを有し、それらの2つのカートリッジ間にガス均一化ギャップがある例示的なコンタクタ800を示す。
【0131】
図39は、図24の6ポートコンタクタと同様の少なくとも3つの6ポートコンタクタ400からなるアレイ900を示す。コンタクタ400の側面ポート(ガスポート)は、側面ポート連結器401によって並列に接続されており、側面ポート連結器401は、隣接する側面ポートと対合し、隣接する側面ポートの中に受け取られ、または隣接する側面ポートの上に受け取られるように適合されている。空間の節約および/または質量の低減などのため、図34のアレイのコンタクタは、図39または44に示すように接続された側面ポートを有することが好ましい。
【0132】
図40を参照すると、カートリッジ930は、穴933を有する穴のあいた円筒形のシェル、ケーシングまたはハウジング932と、外面Oリング溝934、936とを含む。カートリッジ930はさらに、ポッティング938、中心管などを含む(図5参照)。高圧ハウジングまたは容器内で使用されるようにカートリッジ930が適合されているとき、穴933は、高圧の液体がこの穴を通って流出し、ケーシングと容器の内面の間を流れることを可能にし、それによってケーシング932にかかる圧力のうちの少なくとも一部を除去する。このような穴933によって、ケーシング932の厚さ、カートリッジ930の質量などを低減することができる。
【0133】
さらに、ケーシングまたはシェルを貫通する穴は、カートリッジの内側と外側の液体の圧力が等しくなることを可能にする。その結果、シェル壁が、かなり大きなフープ強度(hoop strength)を有する必要がない。したがって、より安価でより薄いシェルまたは管材料を使用し、なおかつ、ハウジングの内側にシェルがある(shell−inside−housing)本発明の基本設計を維持することが可能である。この構造によって、従来のシステムよりも小さい重量および少ないコストで脱気システムを実現することができる。
【0134】
図41に概略的に示されているように、好ましい中空糸膜アレイ940は、交差する糸946、例えば交差するポリプロピレン糸によって接続され、糸946の長さに沿って離隔した複数の中空糸942、例えばCelgard(登録商標) X−40中空糸を含む。例示的な中空糸の外径は約300μmである。
【0135】
図42では、このような1本の中空糸942が、例えば約300μmの外径および約200から220μmの内径を有する。
【0136】
図43に示されているように、好ましい中空糸942はスリット状の微細孔を有し、平均細孔径は例えば0.03μmである。このような中空糸はポリプロピレンとすることができ、環境にやさしい乾式ストレッチ工程(dry stretch process)によって製造することができる。
【0137】
図44は、本発明の少なくとも1つの実施形態に基づく好ましい特定の多コンタクタ構成またはアレイを示す。この特定の構成は、6ポートモジュールまたはコンタクタと、N2スイープガスと真空の組合せ(コンボモード)とを使用して海水から脱気するのに特によく適している。3つのコンタクタだけが示されているが、3つよりも多いコンタクタまたは3つよりも少ないコンタクタを使用することができることが理解される。また、この特定の構成を、図34および39のそれぞれのアレイに対して使用することもできる。本発明の特定の一態様によれば、この特定の構成は、海洋石油掘削装置または掘削プラットホーム上の従来の真空塔の代わりに使用し、または従来の真空塔を補強するのに特によく適している。例えば、複数の6ポート高圧脱気モジュールまたはコンタクタ(非金属製ハウジングを有することが好ましい)ならびにN2スイープガスおよび真空を、この特定の構成で使用すると、50,000バレル/日以上の脱気された海水を容易に生産することができる。
【0138】
少なくとも1つの実施形態によれば、このような自己内蔵型の液体膜コンタクタカートリッジは、穴のあいた中心管と、両方ともに開いた第1の端部および第2の端部をそれぞれが有する複数の第1の中空糸膜を含む第1のマットと、中空糸マットを2つのエリアに分離する任意選択のバフルと、カートリッジシェルまたはハウジングと、両端に配置されたポッティングとを含むことができる。膜の第1および第2の端部が開いているのは、例えば、ストリップガスまたはスイープガスが膜を通過するのを可能にするためである。中心管の第1の部分と第2の部分とを接合する中心管コネクタと、中心管コネクタの上の巻き付いているマットまたは束の中央に塗布されて、中空糸マットの全厚にわたるダムまたは遮断物を形成するエポキシ樹脂とによって、バフルが形成されていると好ましいことがある。さらに、ポッティングがエポキシ樹脂製であり、ポッティングした後に開いた第1および第2の端部を形成するために、ポッティングの端部が切り落とされていると好ましいことがある。
【0139】
少なくとも1つの実施形態によれば、カートリッジの中を中空糸の表面に沿って液体が流れるように、中心管が、カートリッジの両端に開口を形成し、中心管の長さに沿って穴を有する。カートリッジの両端の開口は、ROハウジングのエンドキャップのポートと流体連通するように適合されている。例えば、中空のまたは管状のアダプタまたは管を使用して、カートリッジの開口とエンドキャップのポートとを接続することができる。
【0140】
少なくとも選択された実施形態によれば、高圧脱気モジュールは、単一のROハウジング内に配置された2つ以上のカートリッジを含むことが好ましい。
【0141】
少なくとも1つの実施形態によれば、好ましいROハウジングは、8”×40”または8”×80”のRO高圧ハウジングであり、カートリッジの長さは約20”、40”または80”である。
【0142】
少なくとも1つの実施形態によれば、2つ以上の8”×40”または8”×80”脱気モジュールからなるアレイは、その中に膜カートリッジが配置された6ポートROハウジングから形成される。
【0143】
8”×80”モジュールの利点
・RO型容器
・ASME定格が300psi以上であること
・なじみのある機器設計であること
・単純なカートリッジ交換
・動作不能時間がより短いこと
・交換カートリッジの保管/取扱いがより便利であること
・専用工具が不要であること
・交換コストがより安価であること
・コンパクトなスキッド設計
・全高がより低いこと
【0144】
モジュールのRO圧力ハウジングは、カートリッジが破損した場合、またはカートリッジハウジングもしくはシェルが外側へ撓んだ場合に、この破損またはカートリッジが圧力ハウジング内に封じ込まれることを保証する。そのため、より薄いまたはより弱い材料からカートリッジシェルを製作することができ、カートリッジの定格を、RO圧力ハウジングまたは容器の全圧に対して決める必要はない。カートリッジシェルの外面とRO圧力ハウジングまたは容器の内面との間のギャップが1.0インチ未満、より好ましくは0.5インチ未満、最も好ましくは0.25インチ未満であると好ましいことがある。このギャップが小さいほど、カートリッジシェルが破損する(ひびが入る、ポッティングがとれる)可能性、およびROハウジングと接触するまでカートリッジシェルが外側へ撓む可能性は小さくなる。
【0145】
少なくとも選択された実施形態によれば、標準ROハウジングまたは容器は、さまざまな商標の製品の中から選択することができ、限定はされないが、これには例えば以下のようなものがある。
1.CodeLine(Pentair Water) − Model 80S30
2.Hangzhou MEY Membrane Technology Co.,Ltd − 8”SS vessel
3.ROPV − R80 S Series
4.PROTEC(Bekaert Progressive Composites) − PRO 8−300−SP(この容器は、陽圧のスイープ圧力でしか機能せず、真空では機能しないことがある。)
【0146】
側面ポートまたはガスポートの特定のシール設計には限定されないが、陽圧と陰圧の両方で機能するシール設計が好ましい。用途が陽圧ROであるため、一部の容器製造業者は、陽圧でしか機能しないシール設計を使用している。
【0147】
ポリマー成分のうちのいくつかの成分は例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、ポリアクリレート−スチレン−アクリロニトリル(ASA)、およびポリカーボネート(PC)の中から選択することができる。
【0148】
少なくとも本発明の選択された実施形態によれば、記載されたそれぞれの構成要素に対する好ましい材料は以下のとおりである。
モジュール容器 − ガラス繊維、ステンレス鋼(SS)
カートリッジシェル − ABS、PVC、FRP、SSまたはエポキシ樹脂で接着する他の材料
中心管 − ABS、PVC
中心管コネクタ − ABS、PVC
端面ポート − Noryl、ABS、Delrin(アセタール樹脂)、鋼またはSS
中心管−端面ポートアダプタ − Noryl、Delrin(アセタール樹脂)、ABS、SS
側面ポート − SS
中空カートリッジコネクタ − Delrin(アセタール樹脂)、Noryl、ABS、SS
エンドキャップ − Norylまたは他のガラス充填樹脂(アルミニウムバッキングプレート有りまたは無し)、SS
中空糸アレイ用の糸 − PP
【0149】
従来のシェル側流れコンタクタの限界の1つは中空糸の長さである。中空糸が過度に長いと、中空糸の反対端からスイープガスが出ていく前に、中空糸のルーメン側において、除去しようとしているガスが飽和してしまう。この効果は、速度が最も高い中心管に最も近い中空糸の効率の方が、直径の最も外側に位置する中空糸の効率よりも高いことによってさらに大きくなる。最終結果は、最も内側の中空糸には、吸収されたガスを除去する駆動力がほとんど残っていないのに対して、最も外側の中空糸には、ガスを除去する能力が依然として残っているということである。問題は、最も高い駆動力を有する中空糸が、最も効率の低いシェル側流れの中にあることである。
【0150】
本発明の少なくとも1つの態様によれば、モジュール内のルーメンの長さの範囲内に、混合室または「ガス濃度均一化ギャップ」が追加される。このギャップは、中心管に最も近いところのルーメンから最も遠いところのルーメンまでの全てのルーメン内のスイープガスが、モジュールの長さの範囲内において再混合し、均一になることを可能にする。こうすることによって、効率が最も高いところ(中心管のところ)の中空糸の駆動力を大きくし、効率が最も低いところ(直径の最も外側)の中空糸の駆動力を小さくすることができる。最終結果は、この特徴を持たない同じ膜面積のモジュールに比べて全体性能が大幅に向上することである。離隔されたカートリッジを有する本発明の8×40モジュールのDO除去効率は、従来の脱気コンタクタ(液体流量は100gpm未満)よりも、たとえ膜面積が大体同じあっても、かなり高い。
【0151】
本発明の可能な他の好ましい態様によれば、中空糸微細孔疎水性膜カートリッジが圧力容器に挿入され、このカートリッジが自己内蔵型であり、追加の支持構造の助けを借りなくても内圧に耐えることができ、もしくは追加の支持構造の助けを借りないと内圧に耐えることができず、RO圧力容器が好ましい容器であることがあり、逆浸透とは違い、液体とは反対側の側面ポートでガスおよび/または真空が使用され、いったん取り付けると、圧力容器の内径と接触する位置までカートリッジ壁が撓むことが許されることがあり、かつ/または取付けを容易にするには十分にゆるく、内圧によって撓んだカートリッジハウジングに支持構造を提供するには十分にきついハウジングとの間のカートリッジクリアランスを提供することなどができる。
【0152】
少なくとも1つの実施形態によれば、以下の方法によって、樹脂の中に中空糸マットが埋め込まれ/ポッティングされる。束ねた中空糸マットをハウジングに導入する。第1のステップで、ハウジングがその中心軸を軸に回転している間に、一時的なまたは除去可能な液体またはゲルを開口からハウジングに導入する。その結果、一時的なまたは除去可能な液体またはゲルが層を形成し、その層に中空糸の端部を埋め込む。第2のステップで、硬化可能な液体樹脂をハウジングに導入し、遠心効果によって、一時的なまたは除去可能な液体またはゲルの第1の層の上に樹脂層を、中空糸の長さに沿った中空糸の端に近い樹脂層のある部分に中空糸が埋め込まれるような態様で形成する。樹脂を硬化させた後、一時的なまたは除去可能な液体またはゲルを除去し、中空糸の端が樹脂層よりも先に延びるような態様で、硬化した樹脂の中に中空糸を埋め込む。次いで、中空糸の端を切り揃えて、中空糸の開いた端部が外面に露出した管板を形成する。
【0153】
少なくとも本発明の選択された実施形態によれば、改良された液体脱気膜コンタクタまたはモジュールは、高圧ハウジングと、高圧ハウジング内に配置された少なくとも1つの脱気カートリッジとを含む。高圧ハウジングが、ASMEによって認証された標準の逆浸透(RO)または浄水圧力ハウジングまたは容器(例えばポリプロピレン、ポリカーボネート、ステンレス鋼、フィラメントが巻き付けられた耐食性のガラス繊維強化エポキシ樹脂管でできており、圧力定格が例えば150、250、300、400または600psiであり、例えば4つまたは6つのポートを有し、両端にエンドキャップを有するハウジングまたは容器)であり、脱気カートリッジが、RO高圧ハウジングに嵌入するように適合された自己内蔵型の中空糸膜カートリッジであると好ましいことがある。
【0154】
ポッティング材料または熱硬化性材料には、限定はされないが、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂および熱可塑性樹脂などが含まれる。エポキシ樹脂が好ましい。本明細書で使用するとき、熱可塑性樹脂は、熱にさらされると柔らかくなり、室温まで冷却するとその本来の状態に戻る高重合体を指す。この用語は通常、ポリ塩化ビニル、ナイロン、フルオロカーボンポリマー、線状ポリエチレン、ポリウレタンプレポリマー、ポリスチレン、ポリプロピレン、セルロース樹脂、アクリル樹脂などの合成物に対して使用される。例示的な熱可塑性樹脂には、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィンが含まれる。
【0155】
さまざまなポッティング法を使用して、ポッティングまたは管板を形成することができる。このようなさまざまなポッティング法には、限定はされないが、モールドポッティング、遠心ポッティングおよび重力ポッティングなどがある。
【0156】
本発明の趣旨および必須の属性から逸脱することなく、本発明を他の形態で具体化することができる。したがって、発明の範囲に示されているように、上記の明細書を参照するよりもむしろ、添付の特許請求の範囲を参照すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧ハウジングと、少なくとも1つの自己内蔵型の膜カートリッジとを備える高圧脱気モジュール。
【請求項2】
複数の前記膜カートリッジを含む、請求項1に記載の高圧脱気モジュール。
【請求項3】
前記高圧ハウジングが標準のRO圧力容器である、請求項1に記載の高圧脱気モジュール。
【請求項4】
螺旋型の中空糸膜織物を含む高圧モジュールまたはコンタクタであって、
高圧モジュールハウジングと、
前記モジュールハウジングの端部に嵌入し、または前記モジュールハウジングの端部に嵌合するように適合された一対のエンドキャップと、
それぞれの前記エンドキャップに配置された液体端面ポートと、
少なくとも一方の前記エンドキャップに配置された、または前記モジュールハウジングの一方の端部の近くの前記モジュールハウジングの側面に配置された少なくとも1つのガスポートと、
前記モジュールハウジングに嵌入するように適合された少なくとも1つの膜カートリッジと
を備え、膜カートリッジがそれぞれ、
a.ルーメンをそれぞれが有し、織物状のアレイとして形成された複数の中空糸膜であり、前記織物状のアレイでは、前記中空糸が互いに実質的に平行であり、織物のよこ糸を構成し、前記中空糸が、織物のたて糸を構成するフィラメントによって離隔した関係に維持されている、複数の中空糸膜
を備え、
b.前記アレイが、前記中空糸に実質的に平行な軸に巻き付けられて、2つの束端部と円筒形の外面とを有する螺旋状に巻かれた膜束を形成しており、
c.前記2つの束端部がそれぞれ、隣接するモノリシックな管板の中に前記束端部をシールする役目を果たす樹脂ポッティング材料の中にポッティングされており、シェル側領域を形成するために、2枚の前記管板間の前記束の部分にはポッティング材料がなく、前記束端部のうちの第1の束端部を構成する前記中空糸のルーメン端が露出しており、前記束の外部と連通しており、
膜カートリッジがそれぞれさらに、
d.第1および第2のハウジング端部と円筒形のハウジング内面とを有し、前記膜束を収容するのに適した形状に形成されたカートリッジシェル、ケーシングまたはハウジングであり、前記第1のカートリッジハウジング端部に隣接する前記管板(ポッティング)が、前記円筒形のハウジング内面に対して前記第1の束端部をシールし、前記束を含む前記カートリッジハウジングが、膜を通して互いに連通した2つの領域を画定し、前記2つの領域が、(i)前記ハウジング内の前記管板間の前記束の前記部分の外側のシェル側空間と、(ii)前記中空糸ルーメンおよび前記第1の束端部を含むルーメン側空間とを含む、カートリッジシェル、ケーシングまたはハウジング
を備え、
前記エンドキャップのうちの第1のエンドキャップの内面および前記第1のカートリッジハウジング端部に隣接する前記モジュールハウジングの内面が、前記円筒形のハウジング内面および前記第1の束端部とともに、第1のモジュールハウジング端部をシールし、第1のチャンバを画定し、前記第1のチャンバが前記膜ルーメンと連通し、
前記エンドキャップのうちの第2のエンドキャップの内面および第2のカートリッジハウジング端部に隣接する前記モジュールハウジングの内面が、前記円筒形のハウジング内面および第2の束端部とともに、第2のモジュールハウジング端部をシールし、前記膜ルーメンと連通する第2のチャンバを画定し、
前記液体端面ポートが、それぞれの前記膜カートリッジの前記シェル側空間に動作可能に接続されており、前記液体端面ポートを通して流体を注入し、流体を抜き取ることができるように配置されており、
前記少なくとも1つのガスポートが、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバのうちの少なくとも一方のチャンバと連通しており、前記少なくとも1つのガスポートを通してガスを注入し、ガスを抜き取ることができるように配置されている
モジュールまたはコンタクタ。
【請求項5】
請求項4に記載の螺旋型の中空糸膜織物を含む高圧モジュールまたはコンタクタであって、
少なくとも2つのガスポートをさらに備え、
少なくともそれぞれの前記エンドキャップのそれぞれ、または前記モジュールハウジングのそれぞれの端部の近くの前記モジュールハウジングのそれぞれの側面に、1つのガスポートがある、
モジュールまたはコンタクタ。
【請求項6】
請求項4に記載の螺旋型の中空糸膜織物を含む高圧モジュールまたはコンタクタであって、
前記モジュールハウジングに嵌入するように適合された少なくとも2つの膜カートリッジ
をさらに備える、モジュールまたはコンタクタ。
【請求項7】
請求項4に記載の螺旋型の中空糸膜織物を含む高圧モジュールまたはコンタクタであって、
それぞれの前記膜カートリッジ内に配置された中空のマンドレルをさらに備え、前記中空のマンドレルが、縦軸および円筒形の外面と、軸方向の内孔と、前記内孔と連通した前記外面に沿った穴とを有する、
モジュールまたはコンタクタ。
【請求項8】
請求項4に記載の螺旋型の中空糸膜織物を含む高圧モジュールまたはコンタクタであって、
前記中空糸の両方のルーメン端が露出しており、前記束の外部と連通している
ことをさらに含む、モジュールまたはコンタクタ。
【請求項9】
請求項4に記載の螺旋型の中空糸膜織物を含む高圧モジュールまたはコンタクタであって、
前記モジュールハウジングが、RO高圧容器などの高圧容器または高圧ハウジングである
ことをさらに含む、モジュールまたはコンタクタ。
【請求項10】
請求項4に記載の螺旋型の中空糸膜織物を含む高圧モジュールまたはコンタクタであって、
前記カートリッジハウジングが破裂するのを前記モジュールハウジングが防ぎ、加圧下で前記カートリッジハウジングが膨張した場合には、前記モジュールハウジングが、前記カートリッジハウジングを封じ込め、抑え込むため、前記カートリッジハウジングが高圧に耐える必要がない
ことをさらに含む、モジュールまたはコンタクタ。
【請求項11】
請求項4に記載の螺旋型の中空糸膜織物を含む高圧モジュールまたはコンタクタであって、
加圧下で前記カートリッジシェルが膨張したり、または破損したりした場合には、前記モジュールハウジングが、前記カートリッジシェルを封じ込め、抑え込む
ことをさらに含む、モジュールまたはコンタクタ。
【請求項12】
請求項4に記載の螺旋型の中空糸膜織物を含む高圧モジュールまたはコンタクタであって、
前記膜カートリッジが破損した場合には、前記モジュールハウジングおよびエンドキャップが、前記膜カートリッジを封じ込め、抑え込む
ことをさらに含む、モジュールまたはコンタクタ。
【請求項13】
高圧の液体を脱気するシステムであって、高圧ハウジングと、少なくとも1つの自己内蔵型の膜カートリッジとを備える少なくとも1つの高圧液体脱気モジュールを備えるシステム。
【請求項14】
前記高圧ハウジングが複数の前記膜カートリッジを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記高圧ハウジングが標準のRO圧力容器である、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
海水を脱気する方法において、請求項13に記載のシステムを使用することを含む改良。
【請求項17】
本明細書に示され、または本明細書に記載された高圧液体脱気膜コンタクタもしくはモジュールまたは方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図25A】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図38】
image rotate

【図44】
image rotate


【公表番号】特表2013−502315(P2013−502315A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525637(P2012−525637)
【出願日】平成22年8月17日(2010.8.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/045736
【国際公開番号】WO2011/022380
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(598064680)セルガード エルエルシー (17)
【Fターム(参考)】