説明

高圧酸性ガスを除去するための改良された構成および方法

物理的溶媒が、超希薄溶媒を生成するためにフラッシングおよびストリッピングプロセスを用いて再生される。特に好ましい態様では、フラッシングされたC1〜C3炭化水素は、吸収器に再循環され、一方でC4+炭化水素は、溶媒から除去されたCO2から回収される。濃厚溶媒の減圧が、冷凍負荷のほとんどをもたらすことがさらに好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年3月25日に出願され参照により本明細書に組み込まれる、米国特許仮出願第61/210987号明細書に対する優先権を主張するものとする。
【0002】
本発明の分野は、供給ガスから酸性ガスを除去することであり、特に、パイプラインガスおよびEOR(石油増進回収)のための濃縮CO2ストリームの同時生成において高いCO2およびH2S含量を有する高圧ガスから酸性ガスを除去することである。
【背景技術】
【0003】
現在の低硫黄含量の天然ガス田が枯渇してきているため、サワーガス田が、生産需要を満たすためにますます開発されてきている。これらのガス田からの酸性ガスの除去(特に高いサワーガス田の除去)は、かなりの設備投資および運転コストを必要とする。そのような欠点と組み合わせて、サワーガス田の生産プラントは、ますます厳しくなってきているガスパイプライン仕様、エネルギー効率、および排出の要件にも適合しなければならない。さらに、これらのガス田の少なくとも一部の酸性ガス含量は、経時的に増大し、そのために運転条件およびコストにさらなる負担をかけることになる。
【0004】
数多くの酸性ガスの除去方法が、当技術分野で知られているが、それらのほとんどは、少なくともいくつかの欠点を有する。たとえば、従来のアミン吸収プロセスが使用される場合、アミン溶媒(または他の化学溶媒)の循環速度は、酸性ガス含量に概ね比例する。また、酸性ガス濃度が、比較的高い、または経時的に増大する場合、溶媒再生に対する蒸気需要は、比較的高くなりまたは増大し、それと共に望ましくない高いグリーンハウスガス排出を課す。さらに、化学溶媒はまた、酸性ガス負荷(すなわちアミン1モルあたりの酸性ガスのモル)に対する飽和状態を呈し、これは、高いまたは増大する酸性ガスの濃度において特に不利となる。
【0005】
他方で、物理的溶媒が使用される場合、溶媒の酸性ガス負荷は、実際には、酸性ガスの濃度/分圧と共に増大する。したがって、少なくとも理論上では、物理的溶媒は、比較的高いサワーガス含量を有する酸性ガス田に対する望ましい選択肢であると考えられる。さらに、物理的溶媒の再生は、フラッシング再生によって少なくともある程度は達成され得る。残念なことに、外部加熱無しでは、物理的溶媒は、部分的にしか再生され得ない。その結果、外部熱源(たとえば蒸気)が再生に使用されない限り、物理的溶媒は、現在のところ、パイプラインガスの品質を満たすためのサワーガス、特にH2S(たとえば2から4ppmvのH2S)の深い処理に適さないとみなされる。あるいは、供給ガスおよび/または圧縮器の排出物から回収された熱が、国際公開第09/58955号に説明されたように溶媒再生を改良するために使用され得る。そのような構成および方法は、有利には、エネルギーおよび装置の要件を低減するが、これらは、EORに適した純度を有するCO2生成物および/またはパイプラインの仕様を満たす販売ガス生成物を生成することはできない。
【0006】
さらに、物理的溶媒中の炭化水素の高い溶解性のため、CO2ストリームは、しばしば、5モル%を上回る炭化水素を含有し、これは、石油増進回収に必要とされるCO2の純度を満たすことができない。たとえば、CO2は、米国特許第7,192,468号明細書で説明されたように超臨界圧力で供給ガスから除去され得る。そのような除去は比較的効率的であるが、炭化水素の損失はしばしば望ましくない高さになる。さらに、炭化水素の回収は、低圧のフラッシュガスを循環させることによってある程度は実現され得るが、極めて高い再圧縮であるため実用的でない。同様に、国際公開第10/24382号に説明されたように、酸性ガスは、上記の‘468号特許のものと同じまたはそれを下回る圧力で供給ガスから除去される。しかし回収されたCO2ストリームは、依然として比較的大量の炭化水素を含有しており、生成物の収益が低減され、CO2がEORに不向きになる可能性がある。したがって、物理的溶媒プロセスは、大量の炭化水素を有する供給ガスの処理に使用され得るが、そのようなプロセスは、CO2ストリームおよび処理済みガス流中の炭化水素含量を回収できないことが多く、生成物の収益における損失および不適合生成物の生成という結果に至る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第09/58955号
【特許文献2】米国特許第7,192,468号明細書
【特許文献3】国際公開第10/24382号
【特許文献4】米国特許出願公開第2005/0172807号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
供給ガスから酸性ガスを除去するためのさまざまな構成および方法が、知られているが、これらのすべてまたはほとんどすべては、1つまたは複数の欠点を有する。とりわけ、物理的溶媒プロセスは通常、4ppmvを下回るガスパイプライン仕様を満たす処理済みガスを生成できず、かつ/または炭化水素の濃度が、除去されたCO2内で望ましくない高さになる。したがって、酸性ガス除去のための改良された方法および構成を提供する必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、炭化水素の損失を低減しながら、高圧供給ガスから酸性ガスを除去する構成および方法を対象とする。特に好ましい態様では、C1〜C3炭化水素は、吸収器に再循環され、一方でCO2およびC4+炭化水素は、高温で溶媒からフラッシングされる。フラッシングされた溶媒を処理済み供給ガスを用いてさらにストリッピングすることにより、吸収器に戻される第2の炭化水素再循環ストリームがもたらされる。最も好ましくは、CO2は、C4+炭化水素から分離されて石油増進回収に適したCO2と、C4+炭化水素生成物とを生成する。
【0010】
本発明の主題の1つの態様では、供給ガスから酸性ガスを除去する方法は、吸収器内の供給ガスを超希薄物理的溶媒と接触させて濃厚溶媒および処理済み供給ガスを形成するステップを含む。さらなるステップでは、濃厚溶媒は、連続的に減圧されてC1〜C3炭化水素を除去し、そうすることで減圧された溶媒を形成し、減圧中放出されたC1〜C3炭化水素は、吸収器に再循環される。さらに別のステップでは、減圧された溶媒は、フラッシングおよびストリッピングされて超希薄溶媒と、H2S、CO2、およびC4+成分を主に含むフラッシングされたガスとを生成し、この場合、ストリッピングは、処理済み供給ガスの一部分を用いて実施されて、吸収器にこれもまた再循環されるストリッピングされた気化ガスを形成する。フラッシングされたガスは、次いで分離器内で分離されて、5%未満のC4+成分を有するCO2ストリームと、C4+生成物とを生成する。
【0011】
本発明の主題に限定しないが、減圧された溶媒の冷凍含量が、超希薄溶媒および/または供給ガスの冷却に使用され、減圧された溶媒は、供給ガスの熱含量を用いて少なくとも50F(10℃)の温度まで加熱されることが好ましい。処理済み供給ガスのその部分が、加熱され、ターボ膨張器内でストリッパ圧力まで膨張されて動力を発生させることも概ね好ましい。濃厚溶媒の連続的減圧は通常、1つまたは複数の水力タービンを用いて実施され、フラッシングは通常、第1のフラッシングステップでほぼ大気圧まで、第2のステップで大気圧を下回る圧力まで行われる。
【0012】
最も典型的には、吸収器に入る供給ガスは、少なくとも1000psia(6.89MPaA)の圧力を有し、少なくとも10モル%のCO2を含み、吸収器に入る前に、重炭化水素(たとえばC5+)を凝縮させるのに効果的な温度まで冷却される。さらに想到される実施形態では、フラッシングされたガスは、分離器内でフラッシングされたガスを分離するステップの前に、脱水ユニット内で脱水され、かつ/または分離器からのCO2ストリームは、部分的に凝縮されて還流ストリームおよびCO2気化ガスを生成する。
【0013】
したがって、本発明の主題の別の態様では、物理的溶媒を再生する方法は、少なくとも1000psig(6.89MPaG)の圧力の濃厚な物理的溶媒を提供するステップを含み、この場合、濃厚溶媒は、C1〜C3炭化水素、C4+成分、およびCO2を含む。濃厚溶媒は、次いで、CO2のほぼすべてを維持しながら濃厚溶媒からC1〜C3炭化水素を除去するのに効果的な圧力まで連続的に減圧され、それによって減圧された溶媒を形成し、C1〜C3炭化水素は、吸収器に再循環される。さらに別のステップでは、減圧された溶媒は、CO2およびC4+成分のほぼすべてを放出するのに十分な圧力までフラッシングされ、それによってフラッシングされた溶媒を形成し、C4+成分は、CO2から分離され、それによって5%未満のC4+成分を有するCO2ストリームと、C4+生成物とを生成する。そのようにフラッシングされた溶媒は、次いで、処理済み供給ガスの一部分を用いてストリッピングされ、そのようにすることで超希薄溶媒およびストリッピングされた気化ガスを形成し、ストリッピングされた気化ガスは、吸収器に再循環される。
【0014】
前述のように、連続的減圧が、水力タービンを用いて実施され、減圧された濃厚溶媒が、供給ガスおよび/または超希薄溶媒を冷却するために使用され、かつ/または減圧された溶媒が、吸収器への供給ガスの熱含量を用いて少なくとも50F(10℃)の温度まで加熱されることが概ね好ましい。また、フラッシングが、2つのステップ(ほぼ大気圧までの第1のフラッシングステップ、および大気圧を下回る圧力までの第2のステップ)で実施され、フラッシングされた溶媒が、ストリッピングガスとして処理済み供給ガスを用いてストリッピングされることも通常好ましい。本発明の主題に限定しないが、ストリッピング前にストリッピングガスを加熱し、加熱されたストリッピングガスをターボ膨張器内で膨張させ、それによって動力を発生させることが概ね好ましい。最も典型的には、フラッシングされたガスは、CO2からC4+成分を分離するステップの前に脱水ユニット内で脱水される。
【0015】
その結果、かつ違う視点から見れば、処理済み供給ガスおよび濃厚溶媒の形成を可能にするために、少なくとも1000psig(6.89MPaG)の圧力の超希薄溶媒を用いて供給ガスからC1〜C3炭化水素、C4+成分、およびCO2を吸収するように構成された吸収器を含むガス処理プラントが、想到される。複数のフラッシング容器が、次いで、減圧された溶媒およびC1〜C3炭化水素を生成するために濃厚溶媒を受け入れ、連続的にフラッシングするように構成され、低圧のフラッシング段は、減圧された溶媒をフラッシングし、CO2およびC4+の成分を含むフラッシングされたガスと、フラッシングされた溶媒とを生成するためにフラッシング容器に流体結合される。最も典型的には、ストリッピング塔が、処理済み供給ガスの一部分を用いてフラッシングされた溶媒をストリッピングし、そのようにすることで超希薄溶媒およびストリッピングされた気化ガスを生成するように低圧フラッシング段に流体結合され、分留装置が、C4+成分をCO2から分離し、それによって5%未満のC4+成分を有するCO2ストリームと、C4+生成物とを生成するために低圧フラッシング段に流体結合される。想到されるプラントは、さらに、C1〜C3炭化水素を吸収器に再循環するために複数のフラッシング容器および吸収器に流体結合された第1の再循環導管と、ストリッピングされた気化ガスを吸収器に再循環するためにストリッピング塔および吸収器に流体結合された第2の再循環導管とを含むことになる。
【0016】
最も好ましくは、想到されるプラントは、供給ガスからの熱を用いて減圧された溶媒を加熱するための熱交換機、および/または供給ガスから凝縮された重炭化水素を分離するための分離器をさらに含むことになる。低圧のフラッシング段が、減圧された溶媒を準大気圧までフラッシングすることを可能にするように構成されることがさらに依然として好ましい。
【0017】
本発明のさまざまな目的、特徴、態様および利点は、本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の主題による、物理的溶媒を用いた酸性ガス除去の例示的なブロック概略図である。
【図2】本発明の主題による、物理的溶媒による酸性ガス除去プラントの例示的な概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明者は、超希薄物理的溶媒を用いてさまざまな供給ガスから酸性ガスを除去する極めて効率的な構成および方法を開発し、ここでは、溶媒は、C1〜C3成分が吸収器に再循環することを可能にし、C4およびより重質の成分をフラッシングされたCO2から分離することを可能にするフラッシングおよびストリッピングプロセスにおいて再生される。供給ガスは通常、約10から30モル%のCO2、約1000ppmvから1モル%の間のH2Sを含む。最も好ましくは、供給ガスは冷やされ、濃厚溶媒は、廃熱を用いて(たとえば処理済みガスの一部分によって)ストリッピングして超希薄状態に再生され、一方で、炭化水素は、複数段の分離器内でフラッシュガスを再循環させることによって回収される。CO2ストリーム内の炭化水素は、炭化水素の損失を5%未満、より典型的には4%未満、最も典型的には2%未満に低減する分留装置内でCO2から分離される。
【0020】
さらに好ましい構成および方法では、供給ガスおよび溶媒は、外部冷凍および濃厚溶媒のフラッシングから発生した内部冷凍によって冷却される。最も典型的には、想到されるプラントはまた、より重質の炭化水素(C5+)の大部分を除去する供給ガスチラーも含む。
【0021】
本発明の主題の1つの特定の好ましい態様では、想到されるプラントおよび方法は、吸収器への再循環のために炭化水素に富むフラッシュガスを生成して炭化水素の損失を最小限に抑え、酸性ガスの生成のために少なくとも1つの分離器へと連続的に圧力降下する酸性ガスに富むフラッシングされた溶媒をさらに生成するために複数の多段のフラッシング容器を含む。圧力降下は、最も好ましくは、1つまたは複数の水力タービンを用いて、溶媒を冷却すると共にプラント内の1つまたは複数の圧縮器および/またはポンプを駆動させるためにその後に使用され得るエネルギーを発生させること(最も典型的には電気エネルギー)を可能にするように実施される。圧力降下がいくつかの段にわたって実施されるとき、C1〜C3炭化水素は、効果的に回収され、再圧縮の後、吸収器に再循環され得る。
【0022】
後に続く低圧フラッシング段では、溶媒は、次いで、CO2の放出のために大気圧近く(たとえば100psig(0.69MPaG)以下、より典型的には50psig(0.34MPaG)以下)まで、最も好ましくは準大気圧(たとえば10psia(0.069MPaG)以下、より典型的には5psia(0.034MPaG)以下)まで圧力降下され、これは、上流側のフラッシング容器からの減圧された溶媒が、加熱されている場合には特に有利である。特に好ましい態様では、減圧された溶媒の加熱は、廃熱を用いて実施され、特に圧縮器の排出物、蒸気凝縮器、および/または利用可能であればさらには周囲熱からの熱含量を使用する。さらに、ストリッパは、(最も典型的には準大気圧の圧力フラッシング容器である)最終段の分離器からフラッシングされた溶媒を受け取り、これをストリッピングして、好ましくは処理済みガスまたは他の硫黄枯渇ガスの一部分を用いて、100ppmv未満、より好ましくは50ppmv未満、さらにより好ましくは10ppmv未満、最も好ましくは4ppmv未満のH2Sを有する超希薄溶媒を生成することが概ね好ましい。
【0023】
したがって、想到される構成および方法は、炭化水素の損失を低減しながらCO2およびH2Sの効率的な除去を可能にすることを理解されなければならない。最も好ましくは、より軽質の炭化水素は、CO2除去の前にフラッシングステップで回収され、一方でより重質の炭化水素(たとえばC4+炭化水素)は、フラッシングされたCO2から除去される。ストリッピングに使用される軽質の炭化水素もまた、吸収器への再循環によって回収される。本発明の主題による1つの例示的なプラント構成のブロック図が、図1に示され、ここでは、C1〜C4+成分およびCO2を含む供給ガスが、物理的溶媒処理ユニットに供給される。フラッシング段からの炭化水素の再循環ガスは、プラントの前端部に戻され、一方で(主にC1〜C3を含有する)処理済みガスは、パイプライン、ターミナルまたは他の目的地に供給される。C4+成分をこのとき含むフラッシングされたCO2ストリームは、次いで、分留装置に送られ、ここで精製されたCO2およびC4+炭化水素ストリームが生成される。したがって、物理的溶媒プロセスの利点が、酸性ガス処理プラント内で、炭化水素生成物の損失および/またはCO2品質の低下を有さず、それと同時に価値高いC4+生成物の生成も可能にしながら実施され得ることを理解されなければならない。
【0024】
したがって、濃厚溶媒を再生する想到される方法は、濃厚溶媒が、メタンおよびエタン(典型的には少なくとも95%、最も典型的には少なくとも99%)の回収のために複数段にわたって減圧されるもの、およびそのように処理された溶媒が、さらに加熱され、大気圧および/または準大気圧まで減圧されるものを含み、この場合、加熱は、好ましくは、圧縮器排出物からの廃熱を用いて、少なくとも部分的に溶媒を再生するように達成されることを理解されなければならない。異なる視点から見れば、サワー供給ガスからCO2およびH2Sを除去するための方法およびプラントが、想到され、これにおいては、物理的溶媒は、酸性ガス中枯渇した処理済みガスを生成し、かつ複数の減圧ステップにわたってフラッシングされて、供給システムに再循環されるフラッシングされた炭化水素気化ガスを生成する濃厚な物理的溶媒を生成するために、吸収器内で使用される。
【0025】
通常、想到されるシステムおよび方法は、1つまたは複数の熱交換機において、最も好ましくは供給圧縮器、供給ガス、または他の供給源からの低質の熱を用いてフラッシングされた溶媒を加熱することを可能にしてより低圧(通常は準大気圧)までのその後のフラッシングにおいてCO2を取り去る。次いで、溶媒ストリッパが、超希薄溶媒を生成するために、好ましくはストリッピングガスとして処理済み供給ガスまたは他の硫黄枯渇ガスを用いて使用され得る。ストリッパのオーバーヘッド気化ガスが、次いで圧縮され、さらなる炭化水素の回収のために供給ガスシステムに再循環される。最も典型的な例では、想到されるプラントおよび方法は、販売用の炭化水素生成物(C4+)を生成しながら、EORの運転のためにCO2ストリーム中の炭化水素含量が5モル%を下回るように低減する。
【0026】
図2は、図1のブロック図のより詳細な概略を示している。ここでは、通常は12モル%のCO2および1モル%のH2S、100F(37.8℃)、および約650psig(4.48MPaG)である供給ガスストリーム1が、脱水ユニット100を用いて乾燥されて、乾燥ガスストリーム3を生成する。用語「約」は、本明細書で数字と併用される場合、その数字の+/−10%の範囲であることを示す。乾燥ステップは、溶媒処理ユニット内での水和物形成を回避するためにほとんどの場合に必要である。乾燥されたガスは、次いで、再循環ガスストリーム2と混合され、圧縮機51によって圧縮されて、約1200psig(8.27MPaG)および170F(76.7℃)のストリーム4を形成する。圧縮器の排出物は、周囲冷却器52によって冷却されて、約120F(48.9℃)のストリーム5を形成する。交換機52における冷却の程度は、溶媒再生のための加熱要件を実現するために必要に応じて調整され得る。ストリーム5は、さらに、交換機53内で濃厚溶媒ストリーム25によって約10F(−12.2℃)まで冷却され(ストリーム6)、交換機54内で処理済みガスストリーム11によって約0F(0℃)まで冷却されて、ストリーム7を形成し、ストリーム7は、最終的には、交換機55内で冷凍91を用いて約−20F(−28.9℃)まで冷却される。冷やされたストリーム8は、さらに分離器101内で処理されて、販売用にさらに処理され得る(図示されず)炭化水素液体ストリーム113と、吸収器56への供給物としての気化ガスストリーム112とを生成する。キーとなるプロセスストリームは、以下の表1の熱および材料のバランスにおいて示される。
【0027】
【表1】

【0028】
冷やされた供給ガスストリーム112は、約−20F(−28.9℃)の超希薄溶媒ストリーム9によって逆流式に洗われ、約−12F(−24.4℃)の処理済みガスストリーム11と、約−10F(−23.3℃)の濃厚溶媒ストリーム10とを生成する。最も典型的には、吸収器は、パッキングまたはトレイを含む接触装置、または酸性ガスの吸収のための他の適切な媒体を含む。濃厚溶媒ストリームは、第1の水力タービン57を介して約750psig(5.17MPaG)まで圧力降下して、−8F(−22.2℃)のストリーム15を形成する。降下したストリームは、分離器58内で分離されて、フラッシングされた気化ガスストリーム16と、フラッシングされた液体ストリーム17とを生成する。フラッシングされた液体はさらに、第2の水力タービン62を介して約250psig(1.72MPaG)まで圧力降下して、ストリーム18を形成する。降下したストリームは、分離器59内で分離されて、フラッシングされた気化ガスストリーム19と、フラッシングされた液体ストリーム20とを生成する。
【0029】
フラッシングされた溶媒ストリーム20は、JT弁75内で約90psig(0.62MPaG)まで圧力降下して、約−11F(−23.9℃)のストリーム21を形成する。降下したストリームは、分離器60内で分離されて、フラッシングされた気化ガスストリーム22と、フラッシングされた液体ストリーム23とを生成する。フラッシングされた液体は、JT弁74を介して約60psig(0.41MPaG)までさらに圧力降下して、約−14F(−25.6℃)のストリーム24を形成する。フラッシングされた溶媒中の冷凍含量は、交換機63内で、希薄な溶媒ストリーム42を48F(8.9℃)から約0F(0℃)まで冷やす際に回収される。この交換機では、フラッシングされた溶媒は、約0F(0℃)まで加熱されて、ストリーム25を形成するようになり、ストリーム25は、交換機53内で供給ガスストリームによって約55F(12.8℃)までさらに加熱され、そうすることでストリーム26を形成し、ストリーム26は、約30psig(0.21MPaG)で作動している分離器61内で分離されて、約50F(10℃)のフラッシングされた気化ガスストリーム27と、フラッシングされた液体ストリーム28とを生成する。フラッシングされた溶媒ストリーム28は、JT弁76内で約2psig(0.014MPaG)まで圧力降下して、ストリーム29を形成する。降下したストリームは、分離器66内で分離されて、(圧縮器70によって圧縮される)フラッシングされた気化ガスストリーム30と、フラッシングされた液体ストリーム31とを生成する。
【0030】
通常(ただし必ずしもそうではないが)、ストリッパ67の上方に位置している分離器66は、フラッシングされた溶媒ストリーム31が弁77を介して下側のストリッパセクションまで重力で流れてストリーム32を形成することを可能にする。効果的なストリッピングのために、温められた高圧の処理済みガス(ストリーム12)の約5%が、ストリッピングガスとして使用され、一方でその残りは、商品用ストリーム13としてプラントを離れる。ストリッピングプロセスのエネルギー効率を向上させるために、高圧のストリッピングガスストリーム14は、加熱器73内でスチーム94により約300F(148.9℃)まで加熱されて、ストリーム40を形成し、ストリーム40は、次いで、ターボ膨張器78内で圧力降下する。発電機を作動させるまたは溶媒ポンプを駆動するために使用され得る約5MWまたはさらにはそれ以上の電力出力が、ターボ膨張器によって発生させられ得る。低圧のストリーム33が、ストリッパに供給され得る。最適な作動のために、ストリッピングガス対溶媒流は、効果的なストリッピングを確実にするために10から30の容積比で維持されなければならない。通常、ストリッピング作動は、パイプラインの仕様に合わせるように供給ガスを処理するために使用され得る、10ppmv未満のH2S含量を有する超希薄溶媒を生成することができる。したがって、処理済み供給ガス中のCO2含量は、0.2モル%以下、より典型的には0.15モル%以下、および最も典型的には0.1モル%以下まで低減され得ることが認識されなければならない。最も典型的には、ストリッパは、パッキングまたはトレイを含む接触装置、または酸性ガスストリッピングのための他の適切な媒体を含む。
【0031】
ストリッパ67は、酸性ガスに富むオーバーヘッド気化ガス34と、ポンプ68によって圧送され、最後にストリーム9として吸収器56に入る超希薄溶媒41とを生成する。オーバーヘッド気化ガスは、圧縮機69によって約90psig(0.62MPaG)まで圧縮されて、ストリーム35を形成し、ストリーム35は、ストリーム22と混合する前に交換機71内で冷却され、圧縮器65の低段に供給される。圧縮器65は、さらに、フラッシングされた気化ガスストリーム19および16を圧縮して、約650psig(4.48MPaG)のストリーム39を形成し、ストリーム39は、吸収器に再循環する前に交換機72内で冷却される。CO2ストリーム37および27は、組み合わせられて、EORに使用され得るストリーム38を形成する。ほとんどの場合、ストリーム38中の炭化水素含量は、5から10モル%の間であり、これは、EORで使用するには概ね受け入れられないことが留意されなければならない。C4+炭化水素を除去するために、ストリーム38は、圧縮器102によって約250psig(1.72MPaG)まで圧縮されてストリーム114を形成し、ストリーム114は、交換機103内で冷却水ストリーム115によって冷却されて約90F(32.2℃)および240psig(1.65MPaG)のストリーム116を形成する。このストリームは、次いで、脱水ユニット104内で乾燥されて、EORのためのCO2の仕様を満たし、下流のストリーム分留装置での水和物形成を回避するために必要とされる、−40F(−40℃)の露点温度を有するCO2ストリームを生成する。脱水ユニットからストリーム118として水が除去され、乾燥されたCO2ストリーム117が生成され、ストリーム117は、液体生成物ストリーム125とするC4+成分の95%を超える除去のために分留装置105にルーティングされる。(好ましくはオーバーヘッドストリーム119を冷却するためにプロパン冷凍120を用いる)オーバーヘッド凝縮器106が、分留装置に環流をもたらすために使用される。冷やされたオーバーヘッドストリーム121が、分離器125内で処理されて、液体ストリーム123と、気化ガスストリーム122とを生成する。液体ストリーム123は、次いで、ポンプ108によって圧送されて、環流として分留装置に戻されるストリーム124を形成する。したがって、ストリーム122は、5モル%未満の炭化水素を含有し、今ではEORに適したものであることを理解されなければならない。
【0032】
適切な供給ガスに関して言えば、そのようなガスの圧力は、かなり多様になり得、ガスの性質が、少なくとも部分的に圧力を決定付けることを理解されなければならない。供給ガスは、少なくとも400psig(2.76MPaG)、より典型的には少なくとも1000psig(6.89MPaG)、さらにより典型的には少なくとも1200psig(8.27MPaG)の圧力を有することが特に好ましい。したがって、供給ガスは、吸収器内に入る前に圧縮されてもよい(または圧力降下してもよい)ことが留意されなければならない。また、供給ガスは、吸収器のあらゆる上流側の地点で、または吸収器内でC1〜C3炭化水素の再循環ストリームと組み合わされ得ることにも留意される。最も好ましくは、吸収器は、少なくとも700psig(4.83MPaG)、より好ましくは少なくとも1000psig(6.89MPaG)、最も好ましくは少なくとも1500psig(10.34MPaG)の圧力で作動するが、適切な吸収器の圧力は通常、3000psig(20.68MPaG)未満、より典型的には2500psig(17.24MPaG)未満である。
【0033】
同様に、溶媒の性質は、かなり多様になり得ることが留意されなければならず、すべての物理的溶媒およびその混合物は、本明細書での使用に適切であるとみなされる。当技術分野では、数多くの物理的溶媒が知られており、例示的な好ましい物理的溶媒は、FLUOR SOLVENT(TM)(プロピレンカーボネート)、NMP(ノーマルメチルピロリドン)、SELEXOL(TM)(ポリエチレングリコールのジメチルエーテル)、およびTBP(リン酸トリブチル)、および/またはさまざまなポリエチレングリコールジアルキルエーテルを含む。あるいは、強化第3級アミン(ピペラジン)を含む他の溶媒、または他の溶媒または溶媒の混合物が、物理的溶媒としての類似の作用を有して使用されてもよい。
【0034】
濃厚溶媒のフラッシングは、数多くの装置を用いて実施され得ることがさらに留意されなければならず、すべての減圧装置が、本明細書での使用に適切であることが概ね想到される。しかし、減圧装置の少なくとも1つが、水力タービンであることが特に好ましく、その理由は、そのような装置は、再圧縮エネルギーをもたらすために有利に使用され得るシャフト作用(たとえば溶媒循環ポンプを駆動させる、または電力を発生させる)をもたらしながら、酸性ガス含量の膨張およびフラッシングによって冷凍冷却を発生させるためである。減圧量に関して言えば、(作用をもたらしたおよび/または冷却した後の)濃厚溶媒は、約20から70%のメタン含量を有するフラッシングされた気化ガスを放出するのに十分な圧力まで圧力降下することが通常好ましい。これらの気化ガスは、吸収器に再循環されて、メタンの損失を5%未満、より好ましくは3%未満、最も好ましくは1%未満までの最小限に抑える。したがって、典型的な減圧は、吸収器の圧力(たとえば1500から1000psig(10.34から6.89MPaG)の間)から100psig(0.69MPaG)以下、より典型的には80psig(0.55MPaG)以下、最も典型的には60psig(0.41MPaG)以下になる。
【0035】
そのように生成された減圧された溶媒は、次いで、低圧フラッシング段においてフラッシングされ、そうすることでCO2を放出する。最も典型的には、減圧されたストリームは、最初、さまざまな熱源を用いて加熱され、熱源は、低質の熱または廃熱を減圧された溶媒に与えることが特に好ましい。熱源の中でもとりわけ特に好ましい熱源は、圧縮器の排出ストリーム、(送出されるとき、または圧縮後の)供給ガス、ボイラからの廃熱、周囲熱などを含む。特に好ましい態様では、低圧のフラッシング段は、CO2およびC4+の成分を放出するために、加熱された減圧された溶媒を大気圧まで、さらにより好ましくは準大気圧までフラッシングすることを可能にする。
【0036】
CO2ストリームを含むそのように生成されたC4+炭化水素は、好ましくは、図2で概略的に示されるように従来の分離器内で分離される。しかし、さまざまな代替の分離方法および装置もまた、適切であるとみなされる。たとえば、圧縮が利用可能な場合、CO2は、膜分離または自動冷凍プロセスを用いてC4+成分から分離されてもよい。分離プロセスに関わらず、分離後のCO2は、5モル%以下、より典型的にはEORに適した2.5モル%以下の濃度のC4+炭化水素を含有することが概ね好ましい。残りのH2Sおよび炭化水素は、下流側のストリッピング塔内で溶媒から除去され得る。
【0037】
ストリッピング塔に関して言えば、ストリッピング塔は、好ましくは、los−Hh2Sストリッピングガスを用いて、10ppmv以下、より好ましくは5ppmv以下、最も好ましくは3ppmv以下のH2S濃度を有する処理済み供給ガスを生成することができる超希薄溶媒を形成するように作動されることが留意される。したがって適切なストリッピングガスは、不活性ガス、特に吸収器に再循環されて戻されることが有利である処理済み供給ガスの一部分を含む。
【0038】
その結果、本発明の主題による構成は、アミンまたは他の物理的溶媒または膜を含む従来の酸性ガスの除去プロセスと比較して高度な酸性ガス除去のための総エネルギー消費および資本投資を大幅に低減することが認識されなければならない。さらに、想到される構成およびプロセスは通常、外部の熱源を必要とせず、必要とされる場合の熱源は、冷凍および/または供給ガス圧縮システムからの供給ガスまたは圧縮熱によって供給され、したがって、エネルギー消費および環境への影響をさらに低減する。さらに、石油増進回収プロジェクトは、供給ガス中の酸性ガス濃度の増大、通常は10%から60%までの増大に遭遇することが頻繁にある。想到される構成およびプロセスは、これらの変化を、本質的に同じ溶媒循環によって受け入れることができる。したがって、想到される構成および方法の利点の中でもとりわけ、(吸収器への希薄溶媒を冷却することに、次いで冷却水の消費を低減するために供給ガス圧縮器排出物を冷却することにフラッシングされた濃厚溶媒を用いることによって)外部冷凍および冷却水の消費の両方を低減することが、特に望ましい。さらに、吸収器オーバーヘッドガスは、吸収器への供給ガスを冷やして供給ガスチラーの冷凍要件を最小限にさらに抑えることに使用されてもよい。
【0039】
想到される方法および構成は、著しくサポートが少ないオフサイトおよび/またはユティリティシステム(たとえば蒸気ボイラまたは燃料ガス加熱器)が必要とされるときに、プラント設計の大幅な簡易化を可能にすることも認識されなければならない。たとえば、物理的溶媒のフラッシングからの廃棄冷凍は、プロセスの冷却に使用され、したがって冷却水の消費を最小限に抑える。故にたいていの場合、ユティリティの要件は、電力のみである。(必要とされる場合の)さらなる冷却は、周囲空気または冷却水を用いて達成されることが可能であり、これは、環境への影響を大きく低減する。さらなる態様および利点は、本発明者の同時係属の米国特許出願公開第2005/0172807号明細書および本発明者の米国特許第7,192,468号明細書で開示され、いずれも参照により本明細書に組み込まれる。
【0040】
こうして、改良された酸性ガス除去のための構成および方法の特有の実施形態が、開示されてきた。しかし、すでに説明されたもの以外にも多くのさらなる改変形態が、本明細書における本発明の概念から逸脱することなく可能であることが、当業者に明らかになるはずである。したがって、本発明の主題は、付属の特許請求の範囲の趣旨を除き、制限されるものではない。さらに、明細書および特許請求の範囲の両方を解釈する際、すべての用語は、文脈と一致させた最も広い可能性で解釈されなければならない。特に、用語「備える」および「備えている」は、非限定的な方法で要素、成分、またはステップを参照し、参照された要素、成分、またはステップは、明示的に参照されない他の要素、成分、またはステップと共に存在し、利用され、または組み合わせられてもよいことを示していると解釈されなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給ガスからの酸性ガス除去の方法であって、
吸収器内の供給ガスと超希薄物理的溶媒を接触させて濃厚溶媒および処理済み供給ガスを形成するステップと、
濃厚溶媒を連続的に減圧して濃厚溶媒からC1〜C3炭化水素を除去して減圧された溶媒を形成し、C1〜C3炭化水素を吸収器へと再循環させるステップと、
減圧された溶媒をフラッシングおよびストリッピングして超希薄溶媒と、CO2およびC4+成分を主に含むフラッシングされたガスとを生成するステップであって、
ストリッピングするステップが、処理済み供給ガスの一部分を用いて実施されてストリッピングされた気化ガスを形成し、ストリッピングされた気化ガスが、吸収器に再循環される、ステップと、
分離器内でフラッシングされたガスを分離して5%未満のC4+成分を有するCO2ストリームと、C4+生成物とを生成するステップとを含む、方法。
【請求項2】
減圧された溶媒の冷凍含量が、超希薄溶媒および供給ガスの少なくとも1つの冷却に使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
減圧された溶媒が、供給ガスの熱含量を用いて少なくとも50F(10℃)の温度まで加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
処理済み供給ガスの一部分が、加熱され、次いでターボ膨張器内でストリッパ圧力まで膨張され、それによって動力を発生させる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
吸収器に入る供給ガスが、少なくとも1000psia(6.89MpaA)の圧力を有し、少なくとも10モル%のCO2を含み、吸収器に入る前に、重炭化水素を凝縮させるのに効果的な温度まで冷却される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
濃厚溶媒を連続的に減圧するステップが、水力タービンを用いた減圧を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
フラッシングするステップが、ほぼ大気圧までの第1のフラッシングステップ、および大気圧を下回る圧力までの第2のステップを用いて実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
フラッシングされたガスが、分離器内でフラッシングされたガスを分離するステップの前に脱水ユニット内で脱水される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
分離器からのCO2ストリームが、部分的に凝縮されて還流ストリームと、CO2気化ガスとを生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
物理的溶媒を再生する方法であって、
少なくとも1000psig(6.89MPaG)の圧力の濃厚な物理的溶媒を提供するステップであって、濃厚溶媒が、C1〜C3炭化水素、C4+成分およびCO2を含む、ステップと、
濃厚溶媒を、CO2のほぼすべてを維持しながら濃厚溶媒からCl−C3炭化水素を除去するのに効果的な圧力まで連続的に減圧し、それによって減圧された溶媒を形成し、C1〜C3炭化水素を吸収器に再循環させるステップと、
減圧された溶媒を、CO2およびC4+成分のほぼすべてを放出するのに十分な圧力までフラッシングし、それによってフラッシングされた溶媒を形成するステップと、
CO2からC4+成分を分離し、それによって5%未満のC4+成分を有するCO2ストリームと、C4+生成物とを生成するステップと、
フラッシングされた溶媒を、処理済み供給ガスの一部分を用いてストリッピングし、そのようにすることで超希薄溶媒およびストリッピングされた気化ガスを形成し、ストリッピングされた気化ガスを吸収器に再循環させるステップとを含む方法。
【請求項11】
連続的に減圧するステップが、水力タービンを用いて実施され、減圧された濃厚溶媒が、供給ガスおよび超希薄溶媒の少なくとも1つを冷却するために使用される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
減圧された溶媒が、吸収器への供給ガスの熱含量を用いて少なくとも50F(10℃)の温度まで加熱される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
フラッシングするステップが、ほぼ大気圧までの第1のフラッシングステップ、および大気圧を下回る圧力までの第2のステップを用いて実施される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
フラッシングされた溶媒をストリッピングするステップが、処理済み供給ガスを用いて実施される、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
処理済み供給ガスの一部分を加熱し、処理済み供給ガスの加熱された部分をターボ膨張器内で膨張させ、それによって動力を発生させるステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
CO2からC4+成分を分離するステップの前に、フラッシングされたガスを脱水ユニット内で脱水するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
ガス処理プラントであって、
処理済み供給ガスおよび濃厚溶媒の形成を可能にするために、少なくとも1000psig(6.89MPaG)の圧力の超希薄溶媒を用いて供給ガスからC1〜C3炭化水素、C4+成分、およびCO2を吸収するように構成された吸収器と、
減圧された溶媒およびC1〜C3炭化水素を生成するために、濃厚溶媒を受け取り、連続的にフラッシングするように構成された複数のフラッシング容器と、
複数のフラッシング容器に流体結合され、CO2およびC4+成分を含むフラッシングされたガスと、フラッシングされた溶媒とを生成するために減圧された溶媒をフラッシングするように構成された低圧のフラッシング段と、
低圧のフラッシング段に流体結合され、超希薄溶媒およびストリッピングされた気化ガスを生成するように、処理済み供給ガスの一部分を用いてフラッシングされた溶媒をストリッピングすることを可能にするように構成されたストリッピング塔と、
低圧のフラッシング段に流体結合され、5%未満のC4+成分を有するCO2ストリームと、C4+生成物とを生成するためにCO2からC4+成分を分離するように構成された分留装置と、
C1〜C3炭化水素を吸収器に再循環させるために複数のフラッシング容器および吸収器に流体結合された第1の再循環導管と、
ストリッピングされた気化ガスを吸収器に再循環させるためにストリッピング塔および吸収器に流体結合された第2の再循環導管とを備える、ガス処理プラント。
【請求項18】
供給ガスからの熱を用いて減圧された溶媒を加熱することを可能にするように構成された熱交換機をさらに備える、請求項17に記載のガス処理プラント。
【請求項19】
低圧のフラッシング段が、減圧された溶媒を準大気圧までフラッシングすることを可能にするように構成される、請求項17に記載のガス処理プラント。
【請求項20】
吸収器に流体結合され、供給ガスから凝縮された重炭化水素を分離することを可能にするように構成された分離器をさらに備える、請求項17に記載のガス処理プラント。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−521874(P2012−521874A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502192(P2012−502192)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【国際出願番号】PCT/US2010/028419
【国際公開番号】WO2010/111337
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(506354434)フルオー・テクノロジーズ・コーポレイシヨン (35)
【Fターム(参考)】