説明

高密度エネルギー薄型バッテリのためのはめ込まれたタブ

【課題】高密度エネルギー薄型バッテリのためのはめ込まれたタブを提供すること。
【解決手段】バッテリのための電極アセンブリであって、活性材料層であって、活性材料層は、活性材料層の外側表面において活性材料層に形成されている陥凹を有し、陥凹は、活性材料層の側面から活性材料層の内部部分に向かって延在する、活性材料層と、活性材料層の外側表面上に支持されている電流コレクタ層であって、電流コレクタ層は、活性材料層の外側表面と電気接触している、電流コレクタ層と、部分的に陥凹内に支持されているタブ要素であって、タブ要素は、活性材料層および電流コレクタ層のうちの少なくとも1つと電気接触し、タブ要素は、電極アセンブリのための電気接続を提供するように適合されている、タブ要素とを備えている、電極アセンブリ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に説明される実施形態は、概して、エネルギー貯蔵要素に関し、より具体的には、バッテリ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイルデバイスは、日々の生活において、広範に使用されている。これらのモバイルデバイスは、バッテリによって給電されるが、バッテリは、ほとんどの場合再充電可能であるが、他の場合には使い捨てであり得る。これらの場合の両方において、これらのバッテリが、場合によって、再充電または交換される必要性がある前に、長時間継続するように、高容量を有することが重要である。しかしながら、ハンドヘルドデバイス等のモバイルデバイスは、バッテリのための容量が制限されている。したがって、好適な量の充電を提供するために、空間効率的様式において、バッテリが設計されることが重要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一側面では、本明細書に説明される少なくとも一例示的実施形態では、バッテリのための電極アセンブリが提供される。電極アセンブリは、活性材料層であって、活性材料層は、活性材料層の外側表面において活性材料層に形成されている陥凹を有し、陥凹は、活性材料層の側面から活性材料層の内部部分に向かって延在する、活性材料層と、活性材料層の外側表面上に支持されている電流コレクタ層であって、電流コレクタ層は、活性材料層の外側表面と電気接触している、電流コレクタ層と、部分的に陥凹内に支持されているタブ要素であって、タブ要素は、活性材料層および電流コレクタ層のうちの少なくとも1つと電気接触し、タブ要素は、電極アセンブリのための電気接続を提供するように適合されている、タブ要素とを備えている。
【0004】
少なくともいくつかの場合には、電流コレクタ層の少なくとも一部は、活性材料層と陥凹内のタブ要素との間に支持される。
【0005】
少なくともいくつかの場合には、タブ要素の少なくとも一部は、活性材料層と陥凹内の電流コレクタ層との間に支持される。
【0006】
少なくともいくつかの場合には、陥凹は、活性材料層の端面から離間して、活性材料層内に形成される。
【0007】
少なくともいくつかの場合には、陥凹は、側面から端面に概ね平行に延在する。
【0008】
少なくともいくつかの場合には、陥凹は、床部分と、側面に概ね対向し、床部分を活性材料の外側表面に接合する端壁と、端壁と側面との間に延在し、床部分を活性材料の外側表面に接合する離間された側壁とを備えている。
【0009】
少なくともいくつかの場合には、離間された側壁は、床部分に向かって内向きに傾斜される。
【0010】
少なくともいくつかの場合には、端壁は、床部分に向かって内向きに傾斜される。
【0011】
少なくともいくつかの場合には、電流コレクタ層は、外側表面上への金属蒸着を備えている。
【0012】
少なくともいくつかの場合には、活性材料層は、電解質ポリマーを備えている。
【0013】
少なくともいくつかの場合には、電解質ポリマーは、周囲温度において、機械的に自己安定化する。
【0014】
少なくともいくつかの場合には、タブ要素は、第1の厚さを有し、電流コレクタ層は、第1の厚さ未満の第2の厚さを有する。
【0015】
少なくともいくつかの場合には、タブ要素は、電流コレクタ層に結合され、それらの間にオーム接触を提供する。
【0016】
少なくともいくつかの場合には、タブ要素の上面は、活性材料層の外側表面と実質的に面一である。
【0017】
一側面では、本明細書に説明される少なくとも一例示的実施形態では、バッテリのための電極アセンブリを生産する方法が提供される。方法は、下地基板上に活性材料層を提供することと、活性材料層の外側表面において、活性材料層の側面から、活性材料層の内部部分に向かって延在する陥凹を活性材料層に形成することと、下地基板から活性材料層を除去することと、活性材料層の外側表面に電流コレクタ層を適用することと、部分的に陥凹内にタブ要素を固着することとを含む。
【0018】
少なくともいくつかの場合には、方法はさらに、下地基板から活性材料層を除去することに先立って、下地基板上に活性材料層を安定化させることを含む。
【0019】
少なくともいくつかの場合には、電流コレクタ層は、タブ要素が固着されるのに先立って、活性材料層の外側表面に適用され、タブ要素は、電流コレクタ層に固着される。
【0020】
少なくともいくつかの場合には、電流コレクタ層は、タブ要素が固着された後、活性材料層の外側表面に適用され、電流コレクタ層は、陥凹内のタブ要素を覆って適用される。
【0021】
少なくともいくつかの場合には、電流コレクタ層は、金属蒸着として、活性材料層の外側表面に適用される。
【0022】
少なくともいくつかの場合には、方法はさらに、タブ要素を電流コレクタ層に結合し、その間にオーム接触を提供することを含む。
例えば、本発明は、以下を提供する。
(項目1)
バッテリのための電極アセンブリであって、
活性材料層であって、上記活性材料層は、上記活性材料層の外側表面において上記活性材料層に形成されている陥凹を有し、上記陥凹は、上記活性材料層の側面から上記活性材料層の内部部分に向かって延在する、活性材料層と、
上記活性材料層の外側表面上に支持されている電流コレクタ層であって、上記電流コレクタ層は、上記活性材料層の外側表面と電気接触している、電流コレクタ層と、
部分的に上記陥凹内に支持されているタブ要素であって、上記タブ要素は、上記活性材料層および上記電流コレクタ層のうちの少なくとも1つと電気接触し、上記タブ要素は、上記電極アセンブリのための電気接続を提供するように適合されている、タブ要素と
を備えている、電極アセンブリ。
(項目2)
上記電流コレクタ層の少なくとも一部は、上記活性材料層と上記陥凹内の上記タブ要素との間に支持されている、上記項目に記載の電極アセンブリ。
(項目3)
上記タブ要素の少なくとも一部は、上記活性材料層と上記陥凹内の上記電流コレクタ層との間に支持されている、上記項目のいずれかに記載の電極アセンブリ。
(項目4)
上記陥凹は、上記活性材料層の端面から離間して上記活性材料層内に形成されている、上記項目のいずれかに記載の電極アセンブリ。
(項目5)
上記陥凹は、上記側面から概ね端面に平行に延在する、上記項目のいずれかに記載の電極アセンブリ。
(項目6)
上記陥凹は、
床部分と、
上記側面に概ね対向している端壁であって、上記端壁は、上記床部分を上記活性材料の外側表面に接合する、端壁と、
上記端壁と上記側面との間に延在する離間された側壁であって、上記離間された側壁は、上記床部分を上記活性材料の外側表面に接合する、離間された側壁と
を備えている、上記項目のいずれかに記載の電極アセンブリ。
(項目7)
上記離間された側壁は、上記床部分に向かって内向きに傾斜されている、上記項目のいずれかに記載の電極アセンブリ。
(項目8)
上記端壁は、上記床部分に向かって内向きに傾斜されている、上記項目のいずれかに記載の電極アセンブリ。
(項目9)
上記電流コレクタ層は、上記外側表面上への金属蒸着を備えている、上記項目のいずれかに記載の電極アセンブリ。
(項目10)
上記活性材料層は、電解質ポリマーを備えている、上記項目のいずれかに記載の電極アセンブリ。
(項目11)
上記電解質ポリマーは、周囲温度において、機械的に自己安定化する、上記項目のいずれかに記載の電極アセンブリ。
(項目12)
上記タブ要素は、第1の厚さを有し、上記電流コレクタ層は、上記第1の厚さ未満の第2の厚さを有している、上記項目のいずれかに記載の電極アセンブリ。
(項目13)
上記タブ要素は、上記電流コレクタ層に結合され、上記タブ要素と上記電流コレクタ層との間にオーム接触を提供する、上記項目のいずれかに記載の電極アセンブリ。
(項目14)
上記タブ要素の上面は、上記活性材料層の外側表面と実質的に面一である、上記項目のいずれかに記載の電極アセンブリ。
(項目15)
バッテリのための電極アセンブリを生産する方法であって、
下地基板上に活性材料層を提供することと、
上記活性材料層の外側表面において上記活性材料層に陥凹を形成することであって、上記陥凹は、上記活性材料層の側面から上記活性材料層の内部部分に向かって延在する、ことと、
上記下地基板から上記活性材料層を除去することと、
上記活性材料層の外側表面に電流コレクタ層を適用することと、
部分的に上記陥凹内にタブ要素を固着することと
を含む、方法。
(項目16)
上記下地基板から上記活性材料層を除去することに先立って、上記下地基板上の上記活性材料層を安定化させることをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目17)
上記電流コレクタ層は、上記タブ要素が固着されるのに先立って、上記活性材料層の外側表面に適用され、上記タブ要素は、上記電流コレクタ層に固着される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目18)
上記電流コレクタ層は、上記タブ要素が固着された後、上記活性材料層の外側表面に適用され、上記電流コレクタ層は、上記陥凹内の上記タブ要素を覆って適用される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目19)
上記電流コレクタ層は、金属蒸着として、上記活性材料層の外側表面に適用される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目20)
上記タブ要素を上記電流コレクタ層に結合し、上記タブ要素と上記電流コレクタ層との間にオーム接触を提供することをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(摘要)
バッテリのための電極アセンブリおよび電極アセンブリを作製する方法の種々の実施形態が、本明細書に説明される。電極アセンブリは、活性材料層であって、活性材料層は、活性材料層の外側表面において活性材料層に形成されている陥凹を有し、陥凹は、活性材料層の側面から活性材料層の内部部分に向かって延在する、活性材料層と、活性材料層の外側表面上に支持されている電流コレクタ層であって、電流コレクタ層は、活性材料層の外側表面と電気接触している、電流コレクタ層と、部分的に陥凹内に支持されているタブ要素であって、タブ要素は、活性材料層および電流コレクタ層のうちの少なくとも1つと電気接触し、タブ要素は、電極アセンブリのための電気接続を提供するように適合されている、タブ要素とを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本明細書に説明される種々の実施形態のさらなる理解のために、かつこれらの種々の実施形態がどのように実施され得るかをより明確に示すために、一例として、少なくとも一例示的実施形態を示す、付随の図面を参照する。
【図1】図1は、バッテリのための電極アセンブリを製造するための方法の例示的実施形態である。
【図2A】図2Aは、積層セルバッテリのための電極アセンブリの例示的実施形態の側面図である。
【図2B】図2Bは、積層セルバッテリのための電極アセンブリの別の例示的実施形態の側面図である。
【図3A】図3Aは、積層セルバッテリのための電極アセンブリの別の例示的実施形態の一部の側面図である。
【図3B】図3Bは、積層セルバッテリのための電極アセンブリの別の例示的実施形態の一部の側面図である。
【図3C】図3Cは、積層セルバッテリのための電極アセンブリの別の例示的実施形態の一部の側 面図である。
【図3D】図3Dは、積層セルバッテリのための電極アセンブリの別の例示的実施形態の一部の側面図である。
【図4】図4A−4Cは、例証の目的のために、タブ要素を伴わずに示される、積層セルバッテリのための電極アセンブリの別の例示的実施形態の等角上面および側面図である。
【図5】図5A−5Cは、積層セルバッテリのための電極アセンブリの別の例示的実施形態の等角上面および側面図である。
【図6A】図6Aは、電極アセンブリとともに使用するためのタブ要素の例示的実施形態の等角図である。
【図6B】図6Bは、電極アセンブリとともに使用するためのタブ要素の別の例示的実施形態の等角図である。
【図7】図7は、本明細書に説明される電極アセンブリを使用する、積層セルバッテリの例示的実施形態の等角図である。
【図8】図8は、2つの電極アセンブリを有する電極積層アセンブリの例示的実施形態の一部の等角図と、積層セルバッテリ内で使用するためのタブ要素の種々の例示的構成である。
【図9】図9A−9Eは、本明細書に説明される折り曲げられたタブ要素によって可能なバッテリパック構成の種々の例示的実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
種々の装置またはプロセスが、各請求される発明の例示的実施形態を提供するために後述される。後述される実施形態は、いずれの請求される発明も制限するものではなく、請求される発明は、後述されるものと異なるプロセスまたは装置を網羅し得る。請求される発明は、後述される任意の1つ装置またはプロセスの特徴のすべてを有する装置あるいはプロセス、もしくは後述される装置またはプロセスの複数またはすべてに共通する特徴に制限されない。後述される装置またはプロセスは、いずれの請求される発明の実施形態でもない可能性がある。本書に請求されない、後述される装置またはプロセスにおいて開示されるいずれの発明も、別の保護文書、例えば、継続特許出願の主題となり得、出願人、発明者、または所有者は、本書におけるその開示によって、任意のそのような発明を断念、放棄、または公に供することを意図するものではない。
【0025】
さらに、便宜上、かつ例証を明確にするために、適切と考えられる場合、参照番号は、対応または類似要素を示すために、図中で反復されない場合があることを理解されるであろう。加えて、多数の具体的詳細が、本明細書に説明される実施形態の完全な理解を提供するために記載される。しかしながら、本明細書に説明される実施形態は、これらの具体的詳細を伴うことなく、実践され得ることが、当業者によって、理解されるであろう。他の事例では、周知の方法、手順、および構成要素は、本明細書に説明される実施形態を曖昧にしないように、詳細に説明されていない。また、説明は、本明細書に説明される実施形態の範囲を制限するものと見なされるべきではない。
【0026】
本明細書に説明される実施形態は、概して、モバイルデバイスのためのエネルギー貯蔵要素に関し、より具体的には、バッテリ内で種々のセルを一緒に接続する場合、または種々の積層セルバッテリを一緒に接続する場合、より高いエネルギー密度、よりコンパクトな積層、およびより多くの柔軟性のうちの少なくとも1つを可能にする、積層セルバッテリのための電極アセンブリの種々の設計に関する。
【0027】
バッテリ構成では、電極アセンブリは、電流コレクタ層によって支持される活性材料層から成る。タブ要素が電極アセンブリに接続され、活性材料層と電気接続する。タブ要素は、従来、タブ要素と電流コレクタ層との高さまたは厚さが略等しくなるように、電流コレクタ層と「一列に並んで」形成される。タブ要素および電流コレクタ層はまた、活性材料層の共通表面に固定される。本電極アセンブリは、バッテリセルのためのカソードまたはアノードを形成する。
【0028】
電流コレクタ層の最小限の厚さは、従来のバッテリ製造プロセスに関する3つの問題によって、制限される。これらの制限は、より厚い電流コレクタ層が、電極アセンブリの全体的面積に対する活性材料層の割合を低減させ(バッテリに関するサイズ制約を前提として)、順に、バッテリのエネルギー密度を低減させるので、重要である。しかしながら、発明者らは、バッテリ内のより多くの単位体積当たりの活性材料をもたらし、したがって、より高い単位体積当たりのバッテリ容量をもたらすであろう、より薄い電流コレクタ層による、種々の設計を実現した。
【0029】
電流コレクタ層の厚さに関する第1の制約は、製造の間の機械的安定性の必要性によるものである。現在の積層セルバッテリトポロジにおいて、アノードおよびカソード層のために使用される活性材料は、典型的には、非常に軟質かつ不安定である。例えば、典型的ポータブル電子バッテリの場合、アノードは、黒鉛から作製されることができ、カソードは、リチウムコバルト二酸化物から作製することができる。また、当業者によって周知のように、いくつかの他の商業的実行可能性が存在する。本明細書に説明される教示は、これらの種々の異なる材料の組み合わせとともに使用することができる。故に、これらの軟質かつ不安定材料のため、電極アセンブリの層を生成するために、従来の製造プロセスは、最初に、電流コレクタ層を形成し、次いで、スラリーとして知られる、液体または水溶液として、活性材料を電流コレクタ層上に蒸着し、次いで、活性材料層を硬化させる。硬化後、活性材料層および電流コレクタへのその付着は、依然として、非常に脆弱であり得る。したがって、電流コレクタ層は、製造の間、活性材料層のための基板として作用し、活性材料層に安定性および機械的強度を提供する。電極アセンブリが製造されている場合、活性材料層および/または電流コレクタ層が破損すると、生産ラインプロセスは、中断される必要があるであろう。このようなことが発生するのを防止するために、電流コレクタ層は、従来、要求される機械的強度および安定性を提供するための最小限の厚さで形成される。本最小限の厚さはまた、ある速度で電極アセンブリを生産している間、電極アセンブリの破損を回避するために、ある程度、製造機器の処理量によって、設定される。したがって、より高い処理量速度は、電極アセンブリに対して、より強い機械的強度を要求し、順に、より厚い電流コレクタ層を要求する。
【0030】
電流コレクタ層の厚さに関する第2の制約は、バッテリの等価直列抵抗(ESR)に及ぼす電流コレクタ層の影響である。電流コレクタ層は、バッテリセルの外部端子へ/から電流を伝導するので、電流コレクタ層の有効電気抵抗は、電流の断面積(この場合、電流コレクタ層の断面積である)に反比例する。一般に、より大きな厚さを伴う電流コレクタ層は、より大きな断面積を有し、これは、バッテリに対するより低いESRを意味する。
【0031】
電流コレクタ層の厚さに関する第3の制約は、タブ要素のハンダ付け性である。従来のバッテリトポロジでは、タブ要素は、概して、電流コレクタ層上に超音波溶接される、または別様に、取り付けられる(当業者によって周知の技法を使用して)。タブ要素は、バッテリの外部端子に対する唯一の電気接続を提供するので、タブ要素が破損する場合、バッテリは、損なわれる。したがって、タブ要素は、従来、バッテリの寿命を継続するために十分な厚さに設計される。ある場合には、タブ要素は、より良好な「整合」を提供するために、電流コレクタ層と同じ程度の厚さであり得る。さらに、ハンダ付け、溶接、または取り付けプロセスはまた、ある場合には、電流コレクタ層を穿孔し得、潜在的に、また、電極を短絡させることによって、バッテリを損なうであろう。これらのことは両方とも、電流コレクタ層に対する最小限の厚さをもたらす。
【0032】
従来のバッテリ製造プロセスでは、前述の制約の最も深刻なものが、電流コレクタ層に対する最小可能厚を決定する。すなわち、これらの3つの個別の最小限値のうちの最大のものが、電流コレクタ層の厚さに究極的制約を提供する。
【0033】
しかしながら、発明者らは、従来のバッテリ製造技法による電流コレクタ層の厚さに関する課題が、活性材料層が、電流コレクタ層から独立して、安定化され得る場合、克服することができることを発見した。図1を参照すると、バッテリのための電極アセンブリを製造するための方法100の例示的実施形態が示される。方法100は、ステップ102から開始し、バッテリ電極アセンブリのための活性材料が、一時的下地基板上に蒸着され、活性材料層を形成する。活性材料層は、電解質ポリマーを備えている。少なくともいくつかの場合には、電解質ポリマーは、周囲温度において、機械的に自己安定化する。ステップ104では、活性材料層は、機械的に安定化されている。使い捨てまたは再使用可能であり得る一時的下地基板は、Mylar、活性材料層(AlまたはCu)と同一材料、または機械的および温度要件(これらの要件は、当業者によって周知である)を満たす任意の他の材料であり得る。真の電流コレクタと再使用可能電流コレクタとは、ステップ108中に必要に応じて、相互から容易に分離されるように、その界面において、一緒に「糊着」されることができる。本機械的安定化は、下地基板として、電流コレクタ層を使用することから独立していることに留意されたい。
【0034】
ステップ106では、活性材料層が機械的に安定すると、陥凹が活性材料層の外側表面上に形成される。しかしながら、これはまた、ステップ104の間に行うこともできる。例えば、一時的下地基板は、タブ要素を受け取るための活性材料層内の陥凹を形成するためのネガティブモールドを提供するように、切り込みが入れられるか、または成形されることができる。例えば、活性材料層は、圧延プロセスを受け、その密度を増すことができ、陥凹は、活性材料層の残りより少しだけその面積を特定的に圧縮することによって形成することができる。これは、活性材料層として黒鉛材料を用いて行うことができる。なぜなら、黒鉛材料は、ある程度の圧縮に耐えるように機械的に頑強であり、より高い圧縮力のもとで変形されることができるからである。活性材料層が一時的下地基板から除去される場合、タブ要素を受け取るための陥凹が、既に、活性材料層内に予形成されている。陥凹は、活性材料層の任意の好適な面から活性材料層の内部表面に向かって、および、種々の位置において所与の面に沿って延在することができる。例えば、図2A−6に説明されるような種々の陥凹を形成することができる。代替実施形態では、陥凹は、フォトリソグラフィ技法、化学エッチング、または研磨エッチングを使用して、活性材料層内にエッチングすることができる。さらに、代替実施形態では、陥凹はまた、蒸着またはコーティングプロセス前または後に形成することができる。他の変形例もまた、当業者に周知のように、可能である。
【0035】
ステップ108では、活性材料層は、活性材料層が破壊されないような方法で、下地基板から除去される。2つの基板が存在する場合、それらは、活性材料層を屈曲することなく、またはそれに応力を与えることなく、剥離されるようにより優しく、より丁寧なプロセスを使用して、分離することができる。活性材料層が完全に分離されると、活性材料層は遥かに頑強となるであろう。結合剤もまた、下地基板から活性材料層を解放するために使用され、活性化され得る。分離プロセスは、非常に丁寧であり得るか、または活性材料層は、機械的に頑強な組成を提供する材料から成り得る。結合剤のために使用される材料は、概して、タブ要素のための良好な接着性および良好なオーム接触を達成するように選択される。しかしながら、結合剤のための材料はまた、当業者によって周知であるように、バッテリの目的に基づいて、選択することができる。
【0036】
ステップ110では、活性材料層は、隔離され、陥凹が電流コレクタ層によって充填されないように、電流コレクタ層が活性材料層の外側表面に適用される。本ステップは、典型的には、従来のバッテリ製造プロセスにおいて行われるものと逆であることに留意されたい。電流コレクタ層は、活性材料層上に印刷することができるか、あるいは金属蒸着から形成されるか、または陥凹内に物理的に設置されることができる。金属蒸着の場合、少なくともいくつかの場合には、コレクタ層は、活性材料層上に実質的に連続的であるように形成することができる。障壁層もまた、ある場合には、蒸着当業者に周知のように、蒸着の量を制限するために使用され得る。いくつかの実施形態では、電流コレクタ層はまた、タブ要素のために使用される材料を提供することができる。
【0037】
ステップ112では、タブ要素は、次いで、少なくとも部分的に、活性材料層の陥凹面積内に固着され、電流コレクタ層に取り付けられる。接着または障壁層が、当業者に一般的に周知のように、タブ要素のために使用され得る。タブ要素は、電流コレクタ層に機械的に溶接される、または別様に接合されることができる。タブ要素は、概して、当業者に周知のように、任意の好適な化学、電気、または機械的手段(例えば、圧縮)を使用して、その隣接層に接着することができることに留意されたい。いくつかの実施形態では、ステップ110および112の順序は、逆にされる、または組み合わせることができることに留意されたい。
【0038】
製造プロセス100によって、電流コレクタ層の厚さに関する3つの従来の制約は、電流コレクタ層が、従来の製造プロセス中におけるように、活性材料層を機械的に安定化させるための応力を受けないので、積層セルバッテリトポロジに対して、大幅に緩和される。さらに、積層セルバッテリ構成では、アノード電極アセンブリ、電解質、およびカソード電極アセンブリを含む各バッテリセルは、別個の電子伝導経路を提供し、別個の電子伝導経路は、次いで、他のバッテリセルと並列に接続される。したがって、これらの個々の経路の各々の抵抗は、これらの伝導経路の各々が、並列に接続されるので、従来のバッテリトポロジにおけるより高くなり得る(より薄い電流コレクタ層のため)。言い換えると、厚さ14ミクロン(従来、使用される)を伴う単一電流コレクタ層ではなく、各々が厚さ7ミクロンを有し、並列に接続される2つの電流コレクタ層は、同一の全体的ESRを有するであろう(たとえ各並列伝導経路が14ミクロン電流コレクタ層と比較して2倍の抵抗を有するにしても)。
【0039】
製造プロセス100によって、電流コレクタ層の厚さは、電流コレクタ層が連続層であるために十分に厚いが、孤立されず、依然として、効率的電流の収集を可能にするように低減される。しかしながら、電流コレクタ層は、タブ要素に接続されるために、十分に厚い。この点において、電流コレクタ層とタブ要素との間の結合層は、任意の電圧降下および非線形性を回避するために、ショットキーダイオードタイプ界面ではなく、オームまたは熱接続であり得る。実施例として、従来のバッテリ製造プロセスが、厚さ60ミクロンを有するアノード層および厚さ14ミクロンを有する電流コレクタ層を伴う積層セルトポロジのための電極アセンブリを生産する場合、プロセス100は、例えば、65ミクロンのアノード層、および、厚さ9ミクロンまたは9ミクロン未満ですらある電流コレクタ層伴う積層セルトポロジのための電極アセンブリを生産するために使用することができる。故に、タブ要素は、タブ要素が余分な厚さを必要としないように、活性材料層の「内部」に作製される、またはその中にはめ込まれることができる。加えて、低エネルギー、低貫通マイクロ波ハンダ付け、吸収層の有無等、種々の方法を使用して、タブ要素と電流コレクタ層との間の結合を改善することができる。層加熱/冷却もまた、溶接の貫通能力を制限するために使用され得る。前述のように、当業者に周知のように、種々の電気、化学、または機械的技法を使用することができる。例えば、伝導性の糊またはペーストが、ある場合には、使用され得る。
【0040】
したがって、バッテリ製造プロセス100は、活性材料(すなわち、アノードおよびカソード)の量、または言い換えると、単位体積当たりのバッテリ内の活性/不活性材料比を増加させるために、はめ込まれたタブ要素および減少厚の電流コレクタ層を利用するバッテリのための積層セルトポロジを提供する。電流コレクタ層の厚さが低減されるが、タブ要素の厚さは、従来の積層セルバッテリトポロジと略同一であり、タブ要素は、アノード内にはめ込まれ、その厚さを保持する結果となる。電流コレクタ層の厚さを低減し、タブ要素を活性材料層内にはめ込むことによって、バッテリ容量は、大幅に増加され得る。例えば、本明細書に説明される電極アセンブリ設計によって、任意の所与のバッテリの化学的性質に対して、約10−15%のエネルギー密度が増加され得る。実際、本製造技法は、特に、より薄いバッテリ形状因子の場合、ゼリーロール型バッテリのものと同等またはそれ以上に、積層セルバッテリのためのエネルギー密度を改善することができる。さらに、より薄いバッテリが、所与のエネルギー定格に対して、本製造技法を使用して、生成することができる。本電極アセンブリトポロジはまた、以下にさらに詳述されるように、不規則形状のバッテリを可能にするために使用することができる。いくつかの実施形態では、タブ要素は、前述のように、電流コレクタ層によって形成され得ることに留意されたい。
【0041】
次に、より薄い電流コレクタ層を組み込む、積層セルバッテリ構成のための電極アセンブリの種々の例示的実施形態について、論じられる。製造プロセス100、その変形例、または代替製造プロセスを使用して、以下の電極アセンブリを生産することができることに留意されたい。
【0042】
次に、図2Aを参照すると、バッテリのための電極アセンブリ200の例示的実施形態の側面図が示される。電極アセンブリ200は、活性材料層202、電流コレクタ層204、およびタブ要素206を備えている。電極アセンブリ200は、バッテリセルのカソードまたはアノードを提供するために使用することができる。タブ要素206の少なくとも一部は、電流コレクタ層204が低減された厚さを有し得るように、活性材料層202内に位置する。
【0043】
活性材料層202は、その外側表面に形成される、陥凹を有する。陥凹は、概して、活性材料層202の端面に平行である方向に、活性材料層202の側面から、活性材料層202の内部部分に向かって延在する。陥凹はまた、活性材料層202の端面から離間されるように、活性材料層202内に形成される。本実施例では、陥凹は、長方形外形を有するが、しかしながら、他の外形も、他の実施形態では、使用することができる。
【0044】
本実施例および本明細書に説明される他の例示的実施形態では、陥凹の場所は、側面に沿って、可変であり得る。また、本実施例および本明細書に説明される他の実施例では、陥凹が電極アセンブリの正面または端面に延在することができる、他の実施形態も存在し得る。加えて、本実施例および本明細書に説明される他の実施例では、複数の陥凹が存在することができ、各陥凹が、線形または非線形パターンにおいて、電極アセンブリの類似面または異なる面に延在する、他の実施形態も存在し得る。
【0045】
活性材料層202は、電極アセンブリ200が、場合によって、アノードまたはカソードとして作用するような適切な材料を備えている。例えば、黒鉛は、アノードを提供するために使用することができ、リチウムコバルト二酸化物は、カソードを提供するために使用することができる。また、当業者によって周知であるように、いくつかの他の商業的実行可能性も存在する。少なくともいくつかの場合には、活性材料層202は、現在のリチウムポリマーバッテリにおいて使用される、ポリマーまたはゲル電解質等であるが、それらに制限されない、周囲温度において、機械的に自己安定化する、材料から作製される。
【0046】
電流コレクタ層204は、活性材料層202の外側表面上に支持され、それと電気接触する。電流コレクタ層204は、タブ要素206の一部を受け取るためのスロットまたは陥凹を有する。金属蒸着が活性材料層202上に電流コレクタ層204を形成するために使用されることができる。少なくともいくつかの場合には、金属蒸着は、電流コレクタ層204が活性材料層202上で実質的に連続であり、電流コレクタ層204とタブ要素206との間のより確実な接触を提供し得るように行うことができる。本実施例では、タブ要素206の外側表面は、電流コレクタ層204と同一平面上であることができるか、または、電流コレクタ層204がその上面に形成されるように、活性材料層202内にさらにはめ込まれることができる。代替実施形態では、ある利点を提供し得る、電流コレクタ層204およびタブ要素206の接触表面のための異なる垂直外形が存在し得る。例えば、高電力バッテリのためのより高い電流が存在する、ある場合には、接触する電流コレクタ層204の表面とタブ要素206の表面とは、そうでなければ、高電流のため「火災」の危険があるであろうある面積内の電流密度を低減させるために、傾斜または湾曲され得る。
【0047】
タブ要素206は、タブ要素206が電流コレクタ層204と電気接触するように、活性材料層202の陥凹内に、部分的に、支持される。故に、タブ要素206と、陥凹を形成する電流コレクタ層204および活性材料層202の部分は、相補的表面外形を有する。少なくともいくつかの場合には、タブ要素は、電流コレクタ層に結合され、その間にオーム接触を提供する。本例示的実施形態では、タブ要素206は、活性材料層202の側面から突出し、バッテリの外部端子との、または可能性として、別のバッテリセルとの中間電気接続等の別の電気接続との電気接続を提供するように成形することができる。また、本例示的実施形態では、電流コレクタ層204は、タブ要素206の厚さ未満である厚さを有することが分かる。
【0048】
タブ要素206は、代替実施形態では、異なる場所にあることができることに留意されたい。タブ要素206は、電極アセンブリ200の側面、端面、または正面に延在することができ、これらの面に沿った任意の位置に位置することができるが、隅は、最高電流密度をもたらし得、したがって、ある場合には、電極アセンブリ200の面の略中心に、タブ要素206を位置付けることがよい場合がある。加えて、複数の正および負のタブ要素を1つ以上の電極アセンブリ内で使用することができる。タブ要素は、オーバレイとして、一緒に接続され得るが、これは、絶対要件ではない。
【0049】
また、2つの電極アセンブリは、バッテリセルを形成するために使用され、その場合、その間に電解質材料(図示せず)を伴う2つの電極アセンブリ200が存在し、2つの電極アセンブリ間に電子を流動させることに留意されたい。活性材料層は、一方の電極アセンブリがアノードとして作用し、他方の電極アセンブリがカソードとして作用するように、異なる材料から作製される。
【0050】
次に、図2Bを参照すると、バッテリのための電極アセンブリ250の別の例示的実施形態の側面図が示される。電極アセンブリ250は、活性材料層252、電流コレクタ層204、およびタブ要素256を備えている。この場合、陥凹は、活性材料層252内に陥凹を形成する、側壁252aおよび252bが傾斜されるように形成される。この場合、タブ要素256は、活性材料層252の陥凹面積内に嵌入するための相補的に傾斜された部分を有する。
【0051】
次に、図3Aを参照すると、活性材料層302、電流コレクタ層304、およびタブ要素306を備えている、電極アセンブリ300の別の例示的実施形態の一部の側面図が示される。活性材料層302は、上側リッジを伴う二等分された八角形のように成形される陥凹302rを有する。陥凹302rは、平坦床部分302a、角度付けられた下側側壁302bおよび302c、直線側壁302dおよび302e、ならびに上側リッジ部分302fおよび302gを備えている活性材料層302の領域によって画定される。壁302a−302fは、必ずしも同一長を有する必要はないが、同一長を有する代替実施形態が存在し得る。リッジ部分302fおよび302gは、それぞれ、概して、陥凹302rと、電極アセンブリ300の端面および正面との間にある。リッジ部分302fおよび302gは、活性材料層302の外側表面と概ね面一である、上面で終端する。リッジ部分302fおよび302gの上面は、概して、陥凹302rの床部分302aより高い高さにある。
【0052】
タブ要素306は、壁306a−306hによって画定される、平坦化された八角形形状を有する。壁306a−306eは、壁302a−302eによって画定される活性材料層の面積に対して、相補的形状を有する。この場合、タブ要素306は、上側の内向きに角度付けられた壁306fおよび306gを有するが、代替実施形態では、これらの壁は、活性材料層302の壁302fおよび302gに整合するように、外側に角度付けることができる(また、陥凹の本領域内の電流コレクタ層304の形状を変化させるであろう)。
【0053】
本実施例では、電流コレクタ層304は、下方に延在する、三角形区画304aおよび304bを有する。三角形区画304aは、部分的に、壁302fと306fとの間の間隙を充填し、三角形区画304bは、部分的に、壁302gと306gとの間の間隙を充填する。非平面領域は、積層プロセスにおいて、多層セルの全体的機械的安定性のために、実矧ぎ誘導として、使用され得る。しかしながら、図3Bに示されるように、タブ要素306および電流コレクタ層304に対して、異なる形状を伴う代替実施形態が存在し得る。
【0054】
次に、図3Cを参照すると、活性材料層352、電流コレクタ層304、およびタブ要素306を備えている、電極アセンブリ350の別の例示的実施形態の側面図が示される。活性材料層352は、二等分された六角形のように成形される陥凹を有する。陥凹は、平坦床部分352aならびに角度付けられた側壁352bおよび352cを備えている活性材料層352の領域によって画定される。壁352a−352cは、必ずしも、同一長を有するわけではないが、同一長を有する代替実施形態も存在し得る。タブ要素306の壁306a−306cは、壁302a−302cによって画定される活性材料層の面積に対して相補的形状を有するが、壁306bおよび306cは、壁352bおよび352cと同一長ではない(しかしながら、代替実施形態では、同一長を有し得、その場合、側壁306d−306gは、存在しないであろう)。三角形区画304aは、部分的に、壁352b、306d、および306fの間の間隙を充填し、三角形区画304bは、部分的に、壁352c、306e、および306g間の間隙を充填する。代替実施形態では、部分304aおよび304bは、図3Dに示されるように、これらの部分と側壁352bおよび352cとの間に間隙が存在しないような異なる形状を有することができる。図3C−3Dに示される構成は、タブ要素が、最初に、活性材料層に取り付けられ、電流コレクタ層が、次いで、間隙を充填し、すべての活性材料を被覆するであろう蒸着プロセスによって形成されるプロセスにおいて生じることができる。
【0055】
図3A−3Dでは、電流コレクタ層304の少なくとも一部は、活性材料層302/352と陥凹内のタブ要素306との間に支持される。加えて、タブ要素306は、概して、活性材料層302/352と陥凹内の電流コレクタ層304との間に支持されることが分かる。さらに、タブ要素306の上面は、活性材料層302/352の外側表面と実質的に面一である。しかしながら、他の実施形態では、これは、必ずしも、該当する必要はない。
【0056】
また、図3A−3Bでは、タブ要素306は、電流コレクタ層304に取り付けられて示される一方、図3C−3Dでは、タブ要素306は、活性材料層352に取り付けられて示されることに留意されたい。これは、これらの層を形成するプロセスを逆にすることができるためである。また、代替実施形態では、陥凹近傍の電極アセンブリ300、300’、350、および350’の要素の側壁は、湾曲され得ることに留意されたい。
【0057】
次に、図4A−4Cを参照すると、例証の目的のために、タブ要素を伴わずに示される、積層セルバッテリのための電極アセンブリ400の別の例示的実施形態の等角上面および側面図が示される。電極アセンブリ400は、第1の電流コレクタ402、第1の活性材料層404、電気絶縁層(すなわち、隔壁層)406、第2の活性材料層408、第2の電流コレクタ410、ならびにタブ要素(図示せず)を受け取るための第1および第2の陥凹412および414を備えている。電極アセンブリ400は、両方とも、垂直であり、相互に直交する、側面416および端面418を有する。活性材料層404および408ならびに電流コレクタ層402および410は、2つの異なるバッテリセルのための同一タイプの活性部分を提供するために使用される。例えば、電流コレクタ層402および活性材料層404は、一方のバッテリセルのためのアノードを提供することができる一方、電流コレクタ層410および活性材料層408は、別のバッテリセルのためのアノードを提供することができる。代替として、電流コレクタ層402および活性材料層404は、一方のバッテリセルのためのカソードを提供することができる一方、電流コレクタ層410および活性材料層408は、別のバッテリセルのためのカソードを提供することができる。
【0058】
陥凹412は、床部分412aと、概して側面416に対向し、床部分412aを活性材料層404の外側表面に接合する端壁412bとを備えている。陥凹412はまた、陥凹の端壁418と側面416との間に延在し、床部分412aを活性材料層404の外側表面に接合する離間された側壁412cおよび412dを備えている。離間された側壁412cおよび412dは、床部分412aに向かって、内向きに傾斜される。端壁412bもまた、床部分412aに向かって、内向きに傾斜される。
【0059】
陥凹412はまた、タブ要素が、部分的に、活性材料層404および電流コレクタ層402内に支持されるように、電流コレクタ層402内に垂直に延在する、側壁412eおよび412fを備えている。電流コレクタ層402内の陥凹の部分の端壁は、垂直であることができる(図4Aに示されるように)、または代替実施形態では、傾斜されることができる(図4Bに示されるように)。
【0060】
積層セルバッテリ構成のための従来の電極アセンブリは、典型的には、図4Aに示されるものに類似し、電気絶縁体によって分離される対のアノードまたはカソードを備えているが、活性材料層内に陥凹を伴わず、より厚い電流コレクタ層を伴う。これらの従来の電極アセンブリは、一方が他方の上面に、電解質の層とともに積層され、積層セルバッテリを形成する。アノードおよびカソードのためのタブ要素は、次いで、積層セルバッテリの同一面上に形成される。タブ要素は、次いで、積層電極アセンブリから、比較的に遠く離れて、側方に引き延ばされ、印刷回路基板(PCB)または保護回路モジュール(PCM)に接続されるために、一緒に接合される。積層電極アセンブリとPCBまたはPCMの縁との間の面積は、多くの場合、「大きな耳」と呼ばれ、バッテリ内の有意な体積を無駄にするが、これは、タブ要素が大きな耳領域内に一緒に密集して形成されることができないためである。これは、一部には、それらを電極アセンブリの面から離れるように導出し、それらを相互に接続することによって生成される機械的応力による、タブ要素の破損を回避するために行われる。これはまた、一部には、タブ要素が同一極性のタブ要素であり、異極性のタブが物理的に分離され遠くにある従来の実践が、タブ要素を絶縁しないという事実による。その結果、タブ要素は、バッテリセルのアノードおよびカソードの短絡を回避するために、変形される前にバッテリ積層の面からある長さにわたって延びる必要があり、積層セルバッテリとって、致命的となる可能性が高いであろう。加えて、バッテリセルが、異極性タブ要素を伴うものが、EMI低減のために、相互の上面に積層されると仮定すると、タブ要素を絶縁するために、「大きな耳」領域を密封することは困難である。故に、従来の技術によって、「大きな耳」を絶縁することは、非常に高価となる。恐らく、より重要なこととして、異極性導体への近接性は、「大きな耳」構成における空間縮小に対する主要な制限ではないため、そうすることは、役に立たないであろう。大きな耳領域は、約数ミリメートルであり得るが、本問題は、本領域が典型的積層セルバッテリ内の体積の2から10%を占有し得るので、重要である。特に、モバイルおよびハンドヘルドデバイスにおける使用のためのバッテリのサイズにおける制約を前提として、この無駄な空間は、バッテリの活性部分の体積を低減させ、使い捨てバッテリをより頻繁に交換することを要求するか、または再充電可能バッテリをより頻繁に再充電することを要求するであろう。さらに、タブ要素の本従来の構成によって、第2の積層セルバッテリに接続することが困難である。
【0061】
発明者らは、大きな耳領域に関する問題を克服するための方法が、電極アセンブリ内の1つ以上の層および/または電極アセンブリの面に隣接するように、タブ要素を形成することであることを見出した。言い換えると、タブ要素は、電極アセンブリの外側表面と同一平面上において、アノードまたはカソードの一部を形成する活性材料層の外側表面に沿って、またはアノードまたはカソードの一部を形成する電流コレクタ層の表面に沿って、のうちの少なくとも1つにおいて、位置付けることができる。タブ要素はまた、2つの電極アセンブリ間の電解質材料内に埋め込まれ得る。本アプローチは、従来の技法において行われるように、バッテリ設計によって制限されるのではなく、タブ要素が、次いで、最終製品設計に最も便宜であるいずれの側面上にも延在することができるので、より多くの接続選択肢を提供することから、従来の技法より柔軟である。加えて、本アプローチはまた、積層セルバッテリに対して改善された近接性によって、PCBまたはPCMを位置付けることを可能にし、それによって、大きな耳によって以前に占有されていた空間を縮小させる。実際、積層セルバッテリがPCBまたはPCMに接続される領域の体積は、本技法によって、積層セルバッテリの体積の2%未満まで低減することができる。この回復された空間は、より小さいバッテリパック(同一バッテリ容量を伴う)または同一バッテリパック体積内に増加されたバッテリ容量(例えば、10−15%増加した容量)を可能にする。さらに、本アプローチは、さらなる空間を占有する「パティオ」構成における水平配向の代わりに、垂直配向されるように、PCBまたはPCMを積層セルバッテリに接続することを可能にする。
【0062】
次に、図5A−5Cを参照すると、積層セルバッテリのための電極アセンブリ500の別の例示的実施形態の等角上面および側面図が示される。電極アセンブリ500は、第1の電流コレクタ層502、第1の活性材料層504、絶縁体506、第2の活性材料層508、第2の電流コレクタ層510、ならびに第1および第2のタブ要素512と514を備えている。電流コレクタ層502は、第1の活性材料層504の外側表面に隣接し、電気接触する。電極アセンブリ500の層状要素は、概して、側面516および端面518を有する。
【0063】
第1および第2のタブ要素512と514は、それぞれ、平行線模様によって表される絶縁部分と、非絶縁部分512u、514uとを有する。タブ要素512は、第1の活性材料層504および第1の電流コレクタ層502のうちの少なくとも1つと電気接触する端部リード部分(図示せず)を有する。タブ要素514は、第2の活性材料層508および第2の電流コレクタ層510のうちの少なくとも1つと電気接触する端部リード部分(図示せず)を有する。タブ要素512および514はまた、端部リード部分から延在し、実質的に、第1および第2の活性材料層504と508の側面516に隣接する、第2のリード部分(この場合、側部リード部分)を有する。タブ要素512および514の絶縁領域の部分は、タブ要素512および514の第2のリード部分の内側接触面積を被覆し、電極アセンブリ500の他の領域からそれらを電気的に絶縁する絶縁層を提供する。タブ要素512および514の非絶縁部分512uと514uは、電極アセンブリ500が、積層セルバッテリの外部端子に、または多重積層バッテリ内の別の電極アセンブリ積層に、電気的に接続することができるように、電極アセンブリ500に電気接続を提供する。
【0064】
タブ要素512および514は、例えば、ニッケルおよびアルミニウム等であるが、それらに制限されない、異なるタイプの材料から作製することができる。ある場合には、タブ要素は、短絡の場合、分解する、ポリマー材料から作製することができ、それによって、当業者に周知のように、安全性を保証する。例えば、臭素が使用され得る。
【0065】
タブ要素512および514は、絶縁ポリマー材料において事前コーティングされ、次いで、溶接または他の熱/オーム接続を使用して、それぞれ、電流コレクタ層502および510に結合することができる。ポリマー材料は、タブ要素512および514を他のバッテリセル層から絶縁し、特に、タブ要素512および514は、タブ要素512および514が生じる、反対電極アセンブリから絶縁される。したがって、所与のタブ要素がアノードの電流コレクタ層に接続される場合、ポリマー材料は、短絡を防止するために、バッテリセルを完成するカソードから所与のタブ要素を絶縁する。
【0066】
所与のタブ要素を絶縁するために、選択肢の1つは、ポリマー材料でタブ要素全体をコーティングし、次いで、タブ要素に電気的に接続するために、各端部を切断し、非絶縁領域を提供するものであり得る。第2の選択肢は、PCBまたはPCMに結合される、所与のタブ要素の端部において、ポリマー材料のみを切断するものである。次いで、結合プロセス自体の間に、所与のタブ要素の他の端部において、ポリマー材料を消耗させることによって、電流コレクタ層との好適な結合が効果的に形成され得る。例えば、ポリマー材料は、結合が熱的である場合、溶解し得、または、結合がある種類の触媒材料を使用して行われる場合、実際に、電気化学的に消耗され得る。
【0067】
タブ要素512および514は、電気的に絶縁されるので、現在は、タブ要素512および514を変形させ、「大きな耳」領域を有していた従来の積層セルバッテリによって可能であったものより遥かに密集した形成を達成することが可能である。例えば、図5A−5Cに示されるように、現在は、積層セルバッテリの面に至るまで、タブ要素512および514を変形させ、それによって、非常に小さい体積を占有することが可能である。以前に「大きな耳」によって占有されていた空間を圧縮することによって、現在は、バッテリセルの周囲により緊密な密封を形成することが可能である。その結果、より強力な密封となり、積層セルバッテリを故障により耐えることができるようにする。さらに、タブ要素512および514に塗布されるポリマーコーティングもまた、ある程度の機械的安定性を追加し、これは、タブ要素が、現在は、従来、行われていた程度を上回って変形されるので、有用である。ポリマーコーティングはまた、所与のタブ要素または電流コレクタ層が、屈曲または曲げられるいずれの場所の曲率半径も増加可能にする。追加の機械的安定性は、タブ要素512および514が、現在、より大きな表面に隣接しており、実際、積層セルバッテリの面または内側層に対して不動化されるという事実によるものであり、これは、積層セルバッテリをより頑強にし、衝撃および衝突または他の機械的応力に耐えさせる。
【0068】
次に、図6Aを参照すると、電極アセンブリとともに使用するためのタブ要素600の例示的実施形態の等角図が示される。タブ要素600は、端部リード部分602、側部リード部分604、屈曲部分606、および第2の端部リード部分608を備えている。屈曲部分606は、端部リード部分602および側部リード部分604を接合する。屈曲部分606は、端部リード部分602が電極アセンブリ内に延在し、活性材料層および第1の電流コレクタ層のうちの少なくとも1つとの電気接触を提供することができるように、実質的に、直角に形成される(図8により詳細に示される)。タブ要素600の一部は、斜交平行領域によって示されるように、絶縁層を有する。絶縁層はさらに、タブ要素600の第1の屈曲部分606を被覆する。絶縁層は、ポリマー蒸着を備えている。側部リード部分604の周縁は、実質的に、電極アセンブリの外側側面と同一平面上にある、内側接触面積604iの長さに沿って、実質的に、ポリマー蒸着によって包囲される。タブ要素600は、端部リード部分602が、活性材料層の表面上に受け取られ、隣接する電流コレクタ層に並置される、実施形態において使用することができる。代替として、タブ要素600は、活性材料層が端部リード602の少なくとも一部を受け取るための陥凹を有する実施形態において使用することができる。
【0069】
次に、図6Bを参照すると、電極アセンブリとともに使用するためのタブ要素650の別の例示的実施形態の等角図が示される。タブ要素650は、端部リード部分652、側部リード部分654、屈曲部分656、および第2の端部リード部分658を備えている。タブ要素650もまた、絶縁層で被覆され、端部リード部分652に六角形断面をもたらす追加の部分652aを除き、タブ要素600に類似する。タブ要素650は、端部リード部分652が活性材料層の表面上に受け取られる実施形態において使用することができる。代替として、タブ要素650は、活性材料層が端部リード部分652の少なくとも一部を受け取るための陥凹を有する実施形態において使用することができる。
【0070】
次に、図7を参照すると、本明細書に説明される電極アセンブリを使用する、積層セルバッテリ700の例示的実施形態の等角図が示される。積層セルバッテリ700は、複数の電極アセンブリ702、704、706、および708を備えている。積層セルバッテリはさらに、タブ要素の任意の側部リード部分が、電極アセンブリ702、704、706、および708と下地基板710との間にコンパクトに格納されるように、電極アセンブリ702、704、706、および708の側面に適用される下地基板710を備えている。
【0071】
次に、図8を参照すると、2つの電極アセンブリ800aおよび800bを有する電極積層アセンブリ800の例示的実施形態の一部の等角図と、積層セルバッテリ内で使用するためのタブ要素の種々の例示的構成が示される。電極アセンブリ800aは、すべて、電極アセンブリ800a内に支持される、第1の電流コレクタプレート802、第1の活性材料層804、絶縁層806、第2の活性材料層808、および第2の電流コレクタ層810を備えている。第2の活性材料層808および第2の電流コレクタ層810は両方とも、第1の活性材料層804および第1の電流コレクタ層802から電気的に絶縁される。第2の電極アセンブリ800bは、すべて、電極アセンブリ800b内に支持される、第3の電流コレクタプレート812および第3の活性材料層814、絶縁層816、第4の活性材料層818および第4の電流コレクタ層820を備えている。第4の活性材料層818および第4の電流コレクタ層820は両方とも、第3の活性材料層814および第3の電流コレクタ層812から電気的に絶縁される。本実施例では、第1の電極アセンブリ800aおよび第2の電極アセンブリ800bは、電極積層アセンブリ800内に隣接して支持される。
【0072】
電極積層アセンブリ800はさらに、第1の活性材料層804および第1の電流コレクタ層802と電気接触する第1の端部リード部分824を有する第1のタブ要素822を備えている。代替実施形態では、第1のタブ要素822は、第1の活性材料層804および第1の電流コレクタ層802のうちの少なくとも1つとの第1の電気接触と、別の電極アセンブリの一部または別の要素との第2の電気接続とを有することができる(これは、他のタブ要素に関して後述される類似接続にも該当する)。第1のタブ要素822はまた、実質的に、電極アセンブリ800aおよび800bの側面と同一平面上にある側部リード部分である延在リード部分826を有する。第1のタブ要素822は、実質的に、直角に形成される、屈曲部分824bを有し、第1の端部リード部分824および側部リード部分826を接合する。
【0073】
第1のタブ要素826はさらに、第1の活性材料層804および第1の電流コレクタ層802と電気接触する、別の端部リード部分828を備えている。第1のタブ要素822はまた、側部リード部分826から、電極アセンブリ800a内に延在し、側部リード部分826が静置する側部と反対の側部において電極アセンブリ800aに電気接続832を提供する側方リード部分830を有する。第1のタブ要素822はまた、側部リード部分826から、電極アセンブリ800a内に延在し、別の電気接続836を電極アセンブリ800aに提供する別の側方リード部分834を有する。側方リード部分834は、電流コレクタ層802の外側表面に隣接する。側方リード部分830は、活性材料層の外側表面808と電流コレクタ層810との間にある。第1のタブ要素822はまた、第1の屈曲部分824bと反対の側部リード部分826の端部において、側部リード部分826を側方リード部分834および端部リード部分828に接合する第2の屈曲部分828bを有する。
【0074】
第1の絶縁層は、側部リード部分826の内側接触面積を被覆し、タブ要素826を第2および第3の活性材料層808と814のそれぞれから電気的に絶縁する。第1および第2の屈曲部分824bと828bもまた、絶縁層を有するが、端部リード部分824および828は、それぞれの活性材料層および/または電流コレクタ層と電気接触する。
【0075】
電極積層アセンブリ800はさらに、第2の活性材料層808および第2の電流コレクタ層810と電気接触する端部リード部分840を有する第2のタブ要素838を備えている。第2のタブ要素838はまた、実質的に、電極アセンブリ800aの側面と同一平面上にある側部リード部分である延在リード部分842を有する。第2のタブ要素838は、実質的に、直角に形成され、端部リード部分840と側部リード部分842とを接合する屈曲部分840bを有する。第2のタブ要素838はまた、側部リード部分842から延在し、側部リード部分842が静置する側部と反対の側部の電極アセンブリ800aに電気接続846を提供する側方リード部分844を有する。第2のタブ要素838はまた、側部リード部分842から延在し、電気接続852を電極アセンブリ800aに提供する第2の側方リード部分850を有する。側方リード部分850は、第1および第2の電極アセンブリ800aと800bとの間であり、側方リード部分830と類似表面上において、電極積層アセンブリ800内に延在する。代替実施形態では、側方リード部分850は、第1および第2の電極アセンブリ800aと800bとの間であり、側方リード部分830がある、同一層の反対表面上において、電極積層アセンブリ800内に延在することができる。
【0076】
電極積層アセンブリ800はさらに、第3の活性材料層814および第3の電流コレクタ層812と電気接触する端部リード部分856を有する第3のタブ要素854を備えている。第3のタブ要素854はまた、実質的に、電極アセンブリ800bの側面と同一平面上にある側部リード部分である延在リード部分858を有する。第3のタブ要素854は、実質的に、直角に形成され、端部リード部分856および側部リード部分858を接合する屈曲部分856bを有する。ここでは図示されないが、第3のタブ要素854の側部リード部分858の他の端部も、電気接続を第2の電極アセンブリ800bに提供することができるか、または、第3のタブ要素854は、リード部分850または844のような側方リード部分を有し、電気接続を第2の電極アセンブリ800bに提供することができる。
【0077】
第2の絶縁層は、側部リード部分842の内側接触面積を被覆し、タブ要素838のこの部分を第1の活性材料層804から電気的に絶縁する。同様に、絶縁層は、側部リード部分858の内側接触面積を被覆し、タブ要素854のこの部分を第4の活性材料層818から電気的に絶縁する。屈曲部分840bおよび856bもまた、絶縁層を有する。
【0078】
側部リード部分842および858は、それぞれ、電極アセンブリ800aおよび800bの上方と下方にある、他の電極アセンブリまで延在することができる。加えて、タブ要素は、絶縁されるので、側部リード部分842および858の少なくとも一部は、他のタブ要素の側部リード部分に重層することができる。
【0079】
タブ要素822、838、および854は、タブ要素512および514に類似し、したがって、タブ要素512および514を絶縁し、活性材料層および電流コレクタ層のうちの少なくとも1つに接続するために説明された技法はまた、タブ要素822、838、および854にも適用されることに留意されたい。
【0080】
共通バッテリ積層面から導出し、「大きな耳」領域を形成するように制約された、従来のバッテリ積層とは対照的に、本明細書に説明されるタブ要素は、バッテリパック内において、任意の3次元輪郭を辿ることができる。折り曲げられたタブ要素はまた、「局所」接続、すなわち、単一バッテリパック内の異なる積層セルバッテリ間の接続を行うために使用することができる。任意の軌道を辿る、タブ要素を積層セルバッテリから導出する能力は、それぞれの積層セルバッテリから、任意の形状のバッテリを部品毎に合成することを可能にする。したがって、現在、多くの空間を無駄にすることなく、複数の異なる積層セルバッテリを組み合わせることによって、任意の3次元形状を形成することが可能であるが、従来は、過去の制約のため、積層セルバッテリは、長方形幾何学形状に制限されていた。
【0081】
次に、図9A−9Eを参照すると、本明細書に説明される折り曲げられたタブ要素によって可能である、バッテリパック構成の種々の例示的実施形態が示される。これらの例示的実施形態は、4つの異なるバッテリユニット(各ユニットは、単一の別個の積層セルバッテリであり得る)を伴うバッテリパックを示す。しかしながら、本概念は、4つのバッテリユニットに制限されず、本概念は、より多くのまたはより少ないバッテリユニットに適用され、他の幾何学的構成に配列することができることに留意されたい。
【0082】
図9Aは、線形構成に配列される、積層セルバッテリ902、904、906、および908を伴うバッテリパック900を示す。図9Bは、L形状構成に配列される、積層セルバッテリ912、914、916、および918を伴うバッテリパック910を示す。図9Cは、三角形状構成に配列される、積層セルバッテリ922、924、926、および928を伴うバッテリパック920を示す。図9Dは、逆L形状構成に配列される、積層セルバッテリ932、934、936、および938を伴うバッテリパック930を示す。図9Eは、正方形状構成に配列される、積層セルバッテリ942、944、946、および948を伴うバッテリパック940を示す。
【0083】
図9A−9Eに示される、バッテリパック構成は、共通出力まで、3次元において、異なるバッテリユニットの面に沿って、絶縁されたタブ要素を延設することによって、および/または各積層セルバッテリ内の表面間にタブ要素を延設し、相互に対する接続を促進することによって、可能である。不規則に成形されたバッテリを加工することが可能であることは、バッテリパックに形状因子制約を課すモバイルデバイス構成におけるバッテリ容量の増大を実現するために、非常に有用であり得る。例えば、携帯電話ハードウェアは、完全に規則的ではない電話のケース内に空洞を生成し得る。しかしながら、本明細書に説明されるタブ要素およびバッテリパック構成によって、バッテリパックは、規則的に成形されたバッテリパックを収容するために携帯電話ハードウェアを設計するのではなく、空洞を充填するように設計することができる。
【0084】
図5A−9に関して説明された折り曲げられたタブ要素を含む、種々の実施形態および代替は、単独で、または図1−4Cに関連して説明された陥凹タブ要素を有する、種々の実施形態とともに実装することができることに留意されたい。
【0085】
加えて、折り曲げられたタブ要素を利用する積層セルバッテリの本明細書に説明される種々の実施形態は、より高いエネルギー密度バッテリだけではなく、また、バッテリ磁気的防音装置設計を伴うバッテリを実現するものとして、使用することができる。これは、絶縁されたタブ要素を相互の上面上に重層する能力によるものである。異なる方向に電流を搬送するタブ要素が重層される場合、タブ要素の各々における反対に流れる電流によって発生される磁場は、少なくとも部分的に、相殺され、生成される全体的磁場を減少させ得る。したがって、積層セルバッテリ内のすべてのタブ要素が、類似規模の電流を搬送するが、反対方向における、タブ要素と「対合」される場合、理論的に、タブ要素は、積層セルバッテリによって生成される磁場に対する影響が大幅に低減されるはずである。これは、タブ要素が、多くの場合、この磁場の主要源であるので、重要である。
【0086】
また、折り曲げられたタブ要素を利用する積層セルバッテリの本明細書に説明される種々の実施形態を使用して、タブ要素を絶縁するために使用される絶縁ポリマーの選択に応じて、より安全なバッテリを生成することができることに留意されたい。例えば、絶縁ポリマーは、緊急状況における、「停止」特徴のために選択することができる。ポリマーは、問題を停止するために、タブ要素および電流コレクタ層の少なくとも一部を分解し、短絡を有する任意の要素を除去する破壊特性を活性化するために使用され得る。当業者に周知のように、本特徴を実装するための種々の方法が存在する。例えば、材料の温度がある限界温度を超えて上昇すると(例えば、短絡のために生じ得る)、活性化される、臭素酸を組み込む材料を使用することができる。
【0087】
また、理由が何であれ、異極性の一対の電極が短絡する場合、非常に大量の電流がタブ要素および電流コレクタ層内を含め、積層セルバッテリ内に流入するであろうことに留意されたい。しかしながら、電流コレクタ層が、短絡の規模に対して、十分に薄い場合、電流コレクタ層は、実際には、熱および機械的応力のため、破損し得る。実際、電流コレクタ層は、ヒューズまたは回路遮断器として、機能を兼ね得る。例えば、アノードのうちの1つとその対応するカソードとの間に短絡が存在する場合、対応する電流コレクタ層のうちの1つは、燃焼し、そのセルは、短絡するであろうが、積層セルバッテリの残りから隔離され、これは、より安全な動作を提供する。本特徴は、図1から4Cに関して説明されたように、活性材料層内の陥凹を使用して、可能にすることができる。本特徴をさらに可能にするために、ポリマーコーティングは、追加の機械的安定性をタブ要素および電流コレクタ層に提供し、これは、厚さの減少をもたらし、電流コレクタ層をヒューズとしての動作のためにより好適にさえする。
【0088】
加えて、絶縁ポリマーコーティングをタブ要素上に塗布することは、現在、異極性の電極から導出するタブ要素に重層することを可能にすることに留意されたい。例えば、カソードからのタブ要素は、第1の層における積層セルバッテリの面に沿って、導出し得、アノードからのタブ要素は、少なくとも部分的に、第1の層の上面にある、第2の層において、積層セルバッテリの同一面に沿って、導出し得る。タブ要素をコンパクトにし、積層セルバッテリの面に対して不動化することによって、より機械的安定性が達成され得る。これは、もはや、衝突によって機械的変形を受けるであろう、積層セルバッテリの面から導出または繋がる部品が少ないからである。
【0089】
さらに、異極性電極から導出するタブ要素は、本明細書に説明される設計技法によって、相互に電気的に絶縁されることができるので、不慮の接触による短絡の危険は少なく、次いで、積層セルバッテリ内のタブ要素の数/密度を増加させることを可能にする。タブ要素の数の増加は、バッテリパックの有効抵抗を低下させるであろう。追加のタブ要素はまた、所与の電極アセンブリのために2つ以上のタブ要素を使用する場合、ある程度の冗長性を提供する。これはまた、電流コレクタ内の最大電流密度を減少させ、電極アセンブリのその厚さ要件ならびにESRを低減させる。故に、タブ要素のうちの1つ以上が、動作の間に破損する場合、等価直列抵抗の漸増変化は、より少ない並列タブ要素が存在する場合より小さくなるであろう。
【0090】
添付の請求項に定義される、一般的範囲である、実施形態から逸脱することなく、種々の修正を本明細書に説明および例証される実施形態に行うことができることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリのための電極アセンブリであって、
活性材料層であって、前記活性材料層は、前記活性材料層の外側表面において前記活性材料層に形成されている陥凹を有し、前記陥凹は、前記活性材料層の側面から前記活性材料層の内部部分に向かって延在する、活性材料層と、
前記活性材料層の外側表面上に支持されている電流コレクタ層であって、前記電流コレクタ層は、前記活性材料層の外側表面と電気接触している、電流コレクタ層と、
部分的に前記陥凹内に支持されているタブ要素であって、前記タブ要素は、前記活性材料層および前記電流コレクタ層のうちの少なくとも1つと電気接触し、前記タブ要素は、前記電極アセンブリのための電気接続を提供するように適合されている、タブ要素と
を備えている、電極アセンブリ。
【請求項2】
前記電流コレクタ層の少なくとも一部は、前記活性材料層と前記陥凹内の前記タブ要素との間に支持されている、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項3】
前記タブ要素の少なくとも一部は、前記活性材料層と前記陥凹内の前記電流コレクタ層との間に支持されている、請求項1または請求項2に記載の電極アセンブリ。
【請求項4】
前記陥凹は、前記活性材料層の端面から離間して前記活性材料層内に形成されている、請求項1から3のいずれかに記載の電極アセンブリ。
【請求項5】
前記陥凹は、前記側面から概ね端面に平行に延在する、請求項4に記載の電極アセンブリ。
【請求項6】
前記陥凹は、
床部分と、
前記側面に概ね対向している端壁であって、前記端壁は、前記床部分を前記活性材料の外側表面に接合する、端壁と、
前記端壁と前記側面との間に延在する離間された側壁であって、前記離間された側壁は、前記床部分を前記活性材料の外側表面に接合する、離間された側壁と
を備えている、請求項1から5のいずれかに記載の電極アセンブリ。
【請求項7】
前記離間された側壁は、前記床部分に向かって内向きに傾斜されている、請求項6に記載の電極アセンブリ。
【請求項8】
前記端壁は、前記床部分に向かって内向きに傾斜されている、請求項6または請求項7に記載の電極アセンブリ。
【請求項9】
前記電流コレクタ層は、前記外側表面上への金属蒸着を備えている、請求項1から8のいずれかに記載の電極アセンブリ。
【請求項10】
前記活性材料層は、電解質ポリマーを備えている、請求項1から9に記載の電極アセンブリ。
【請求項11】
前記電解質ポリマーは、周囲温度において、機械的に自己安定化する、請求項10に記載の電極アセンブリ。
【請求項12】
前記タブ要素は、第1の厚さを有し、前記電流コレクタ層は、前記第1の厚さ未満の第2の厚さを有している、請求項1から11のいずれかに記載の電極アセンブリ。
【請求項13】
前記タブ要素は、前記電流コレクタ層に結合され、前記タブ要素と前記電流コレクタ層との間にオーム接触を提供する、請求項1から12のいずれかに記載の電極アセンブリ。
【請求項14】
前記タブ要素の上面は、前記活性材料層の外側表面と実質的に面一である、請求項1から13に記載の電極アセンブリ。
【請求項15】
バッテリのための電極アセンブリを生産する方法であって、
下地基板上に活性材料層を提供することと、
前記活性材料層の外側表面において前記活性材料層に陥凹を形成することであって、前記陥凹は、前記活性材料層の側面から前記活性材料層の内部部分に向かって延在する、ことと、
前記下地基板から前記活性材料層を除去することと、
前記活性材料層の外側表面に電流コレクタ層を適用することと、
部分的に前記陥凹内にタブ要素を固着することと
を含む、方法。
【請求項16】
前記下地基板から前記活性材料層を除去することに先立って、前記下地基板上の前記活性材料層を安定化させることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記電流コレクタ層は、前記タブ要素が固着されるのに先立って、前記活性材料層の外側表面に適用され、前記タブ要素は、前記電流コレクタ層に固着される、請求項15または請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記電流コレクタ層は、前記タブ要素が固着された後、前記活性材料層の外側表面に適用され、前記電流コレクタ層は、前記陥凹内の前記タブ要素を覆って適用される、請求項15または請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記電流コレクタ層は、金属蒸着として、前記活性材料層の外側表面に適用される、請求項15から18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記タブ要素を前記電流コレクタ層に結合し、前記タブ要素と前記電流コレクタ層との間にオーム接触を提供することをさらに含む、請求項15から19のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−89604(P2013−89604A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−232013(P2012−232013)
【出願日】平成24年10月19日(2012.10.19)
【出願人】(500043574)リサーチ イン モーション リミテッド (531)
【氏名又は名称原語表記】Research In Motion Limited
【住所又は居所原語表記】295 Phillip Street, Waterloo, Ontario N2L 3W8 Canada
【Fターム(参考)】