説明

高度に分枝した第一級アルコール成分を含有するパーソナルケア組成物

(i)1分子当たり炭素原子8〜36個を有し、かつ少なくとも0.7、好ましくは0.7〜3.0の1分子当たりの平均分枝数を有し、前記分枝がメチルおよび/またはエチル分枝を含むことが好ましく、場合によって、アルコール1モル当たり3モルまでのアルキレンオキシドを含み、または場合によって、アルコール1モル当たり3モルまでのアルキレンオキシドの比率において、アルキレンオキシドを分枝第一級アルコールと反応させることにより作製された生成物を含む分枝第一級アルコール成分と、(ii)化粧品として許容可能なビヒクルとを含む、皮膚または毛髪への局所塗布用パーソナルケア組成物。本発明のパーソナルケア組成物は、エモリエント性の利益、塗布および皮膚感触の利益と共に、優れた安定性、粘性およびレオロジ特性をもたらしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高度に分枝した第一級アルコール成分を含む、皮膚または毛髪への局所塗布用パーソナルケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚保湿用クリーム、日焼け止め剤、発汗抑制剤、シャンプーなどのパーソナルケア組成物は、一般に長鎖脂肪族アルコール化合物を含有する。これらの脂肪族アルコールは一般に、炭素原子1〜50個を、好ましくは炭素原子11〜36個を有する直鎖の、飽和または不飽和アルコールである。このようなアルコール化合物は、うるおい性、保湿性、エモリエント性、皮膚表面の視覚的改善、皮膚の鎮静および柔軟化、皮膚の感触の改善などのスキンコンディショニングの利益をもたらすために有用である。長鎖脂肪族アルコール化合物により得られる他の利益には粘性およびレオロジ改質が含まれる。
【0003】
パーソナルケア組成物において、2つの最も一般に使用される長鎖脂肪族アルコールは、ステアリルアルコールおよびセチルアルコールである。これらのアルコールは共に、それぞれ炭素原子18個および炭素原子16個を有する、直鎖飽和アルコールである。これらのアルコールは一般に、大抵の動物性および植物性脂肪中に見出される天然産のグリセリドから由来する。これらのアルコールは、パーソナルケア組成物中に含まれる場合有用な性状をもたらすが、薄片または何らかの他の固体の形態として典型的に供給され、また出荷される欠点がある。このことは、これらのアルコールをパーソナルケア組成物中に製剤することができる前に、加熱により液体に変換する必要があることを意味する。
【0004】
パーソナルケア組成物における使用が知られている他のアルコール化合物には、いわゆる「ゲルベ(Guerbet)」アルコールが含まれ、それらはいくらかのアルキル分枝を含む。典型的な「ゲルベ」アルコールは室温で液体である。大部分の分枝は、炭素鎖上のC2位置におけるものである。さらに、アルキル分枝は、C以上などのより長鎖の分枝となり易い。
【0005】
The Shell Chemical Companyから市販されている、商標名NEODOLを有するアルコールは、長鎖アルコールの合成ブレンドである。例えば、NEODOL 45は、C14アルコールとC15アルコールとの混合物であり、その大部分は直鎖アルコールである。NEODOL 45は、主として洗剤中間体としてThe Shell Chemical Companyから販売されているが、エモリエント性状を有するものとしても販売されている。しかし、NEODOL 45は、室温で半固体であり、薄片および/または粉末の形態で供給されまた出荷され、したがってセチルアルコールおよびステアリルアルコールのように、パーソナルケア製剤中に混和することができる前に、液体に変換する必要がある。
【0006】
米国特許第A−5849960号(Shell Oil Company)は、1分子当たりの平均分枝数少なくとも0.7を有し、前記分枝がメチルおよびエチル分枝を含む、炭素原子8〜36個を有する分枝第一級アルコールを開示している。これらのアルコールは、その後アルコールの、それぞれスルホン化またはエトキシ化により、アニオン型または非イオン型洗剤もしくは一般的界面活性剤に変換することができる。生成される洗剤は、高い生分解性および高い冷水洗浄性などの有用な性状を示す。パーソナルケア組成物にこれらの分枝アルコールを使用することは米国特許第A−5849960号において全く開示がもたらされていない。
【0007】
国際公開第99/18929号、国際公開第99/18928号、および国際公開第97/39089号(The Procter and Gamble Company)は、中間鎖分枝した界面活性剤を含むパーソナルクレンジング組成物を開示している。中間鎖分枝した界面活性剤は、中間鎖分枝したアルコールから製造される。しかし、その製剤は中間鎖分枝したアルコールそれ自体を含有せず、対応する界面活性剤を含有するだけである。さらに、これらの文献は、比較的高レベルの界面活性剤成分を有するクレンジング組成物に関するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
改良された製剤、皮膚感触、粘性、および塗布性状を有するパーソナルケア組成物を提供することへの必要性が依然として存在する。1分子当たり0.7〜3.0の分枝を有する独特の分枝第一級アルコール組成物の使用が、改良された粘性およびレオロジ特性と共に、優れたエモリエント性、皮膚感触、皮膚柔軟性、塗布および保湿性状を有するパーソナルケア組成物をもたらすことがここに驚くべきことに見出されている。本発明において使用されるこの独特の分枝第一級アルコールはまた、広く様々なスキンケア成分を可溶化する能力をも示し、また高度に生分解性である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明により、
(i)1分子当たり炭素原子8〜36個を有し、かつ少なくとも0.7、好ましくは0.7〜3.0の1分子当たりの平均分枝数を有して、前記分枝がメチルおよび/またはエチル分枝を含むことが好ましく、また場合によって、アルコール1モル当たり3モルまでのアルキレンオキシドを含み、または場合によって、アルコール1モル当たり3モルまでのアルキレンオキシドの比率において、アルキレンオキシドを分枝第一級アルコールと反応させることにより作製された生成物を含む分枝第一級アルコール成分と、
(ii)化粧品として許容可能なビヒクルと
を含む、皮膚または毛髪への局所塗布用パーソナルケア組成物を提供している。
【0010】
本発明のさらなる態様により、皮膚にエモリエント性の利益をもたらす、1分子当たり炭素原子8〜36個を有し、かつ少なくとも0.7、好ましくは0.7〜3.0の1分子当たりの平均分枝数を有して、前記分枝がメチルおよび/またはエチル分枝を含む分枝第一級アルコール成分の使用を提供している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本明細書において使用している全ての百分率および比率は、他に指定されない限り、全パーソナルケア組成物の重量による。
【0012】
本明細書において引用している全ての出版物は、他に指定されない限り参照によりそれらの全体が組み込まれている。
【0013】
本明細書において使用している用語「化粧品として許容可能な(cosmetically acceptable)」は、組成物、またはその成分が、不適当な毒性、非相容性、不安定性、またはアレルギー性反応なしに、人間の皮膚または毛髪と接触して使用されることに適していることを意味する。
【0014】
本明細書において使用している用語「安全かつ有効な量」は、本明細書に開示されている利益を独立に含む積極的な利益、好ましくは積極的な皮膚の外観または感触の利益、を著しく誘発するのに十分な、しかし、重大な副作用を避けるために十分低い、すなわち健全な医学的判断の範囲内で適正な利益 対 危険比率をもたらす化合物、成分、または組成物の量を意味する。
【0015】
本発明のパーソナルケア組成物の構成要素を、下記においてより詳細に記述している。
分枝第一級アルコール成分
本明細書におけるパーソナルケア組成物の第1の成分は、1分子当たり炭素原子8〜36個を有し、かつ0.7〜3.0の1分子当たりの平均分枝数を有して、前記分枝がメチルおよび/またはエチル分枝を含む、分枝第一級アルコール成分である。さらに場合によって、分枝第一級アルコール成分は、アルコール1モル当たり3モルまでのアルキレンオキシドを含むことができる。
【0016】
本発明のパーソナルケア組成物は、安全かつ有効な量の、本明細書に記載している分枝第一級アルコール成分を含む。本発明のパーソナルケア組成物は、0.01〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.5〜15重量%、また特に1〜10重量%の分枝第一級アルコール成分を含むことが適切である。
【0017】
本明細書において使用している語句「分子鎖当たりの平均分枝数」は、下記において考察している13C核磁気共鳴(13C NMR)、または場合によってHプロトンNMRにより測定される1アルコール分子当たりの平均分枝数をいう。分子鎖内の平均炭素原子数は、質量選択検出器を有するガスクロマトグラフィにより測定している。
【0018】
本明細書および特許請求範囲全体にわたって、所定の炭素位置における分枝の百分率、分枝のタイプに基づく分枝の百分率、平均分枝数、および第四級原子数の百分率に対し種々の参照が行われるであろう。これらの量は、次の3つの13C−NMR技術の組合せを使用することにより測定しまた決定すべきである。(1)第1は、45度チップ13Cパルスおよび10sリサイクル遅延を使用する標準逆ゲート技術である(定量的結果を確実にするため、重水素化クロロホルム中の分枝アルコール溶液に有機フリーラジカル緩和剤を添加する)。(2)第2は、8msの1/J遅延を有するJ変調されたスピンエコーNMR技術(JMSE)である(Jは、これらの脂肪族アルコール向けの炭素とプロトンとの間の125Hzの結合定数である)。このシーケンスにより、奇数のプロトンを有する炭素を、偶数のプロトンを含有する炭素と、すなわちCH/CH 対 CH/Cq(Cqは第四級炭素を指す)を、識別する。(3)第3は、4msの1/2J遅延を用いるJMSE NMR「quat−only(第四級だけ)」技術であり、第四級炭素だけからのシグナルを含むスペクトルを生じる。第四級炭素原子を検出するためのJMSE NMR quat−only技術は、0.3原子%と少ない第四級炭素原子の存在を検出するのに十分な感度がある。場合によってさらなるステップとして、quat−only JMSE NMRスペクトルの結果から得られた結論を確認しようとする場合、DEPT−135 NMRシーケンスを実行することもできる。DEPT−135 NMRシーケンスは、ブレイクスループロトン化炭素から真の第四級炭素を識別するのに非常に役立つことが見出されている。このことは、DEPT−135シーケンスが、JMSE「quat−only」実験のスペクトルと「反対の」スペクトルを生じる事実のためである。後者では第四級炭素を除く全てのシグナルをゼロにするが、DEPT−135は専ら第四級炭素をゼロにする。したがって2つのスペクトルの組合せは、JMSE「quat−only」スペクトル中において非第四級炭素を見つけるのに非常に有用である。しかし、本明細書全体にわたって第四級炭素原子の存在または不在を参照する場合、所与の量の第四級炭素、または第四級炭素の不在は、quat−only JMSE NMR方法により測定した場合のものとする。場合によって結果の確認を希望する場合、第四級炭素原子の存在および量を確認するためDEPT−135技術を使用することもできる。
【0019】
本発明において使用している第一級アルコール成分は、炭素原子8〜36個、好ましくは炭素原子11〜21個の範囲にある1分子当たりの平均鎖長を含む。炭素原子の数には、分子鎖の主鎖ならびに分枝している炭素に沿った炭素原子が含まれるが、アルキレンオキシド基内の炭素原子は含まれない。
【0020】
第一級アルコール成分における少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも90重量%の分子が、炭素原子11〜21個、さらにより好ましくは炭素原子14〜18個の範囲にある鎖長を有することが好ましい。
【0021】
上記において定義しまた決定したように、1分子当たりの平均分枝数は、少なくとも0.7である。好ましいアルコール成分は、0.7〜3.0の、好ましくは1.0〜3.0の平均分枝数を有するアルコール成分である。特に好ましいアルコール成分は、少なくとも1.5の、特に1.5〜2.3の、特に1.7〜2.1の、範囲にある平均分枝数を有するアルコール成分である。
【0022】
本発明の好ましい実施形態において第一級アルコール成分は、0.3原子%もしくはより良好な検出限界を有するquat−only JMSE改良13C−NMRにより測定して0.5原子%未満のCqを有し、また好ましくはこのNMR技術により測定してCqを全く含有しない。まだ明らかに理解されていない理由のため、アルコール分子上のCqの存在は、生物有機体による生分解を妨げると考えられる。僅か1原子%のCqを含有するアルコールは、不十分な速度でしか生分解しないことが見出されている。
【0023】
本発明の好ましい実施形態において、第一級アルコール成分中のアルコール分子の5%未満、より好ましくは3%未満が直鎖アルコールである。本組成物においてこのような少量まで直鎖アルコールの数が効率的に低下されるのは、プロピレン分子の酸触媒作用によるオリゴマー化技術、またはゼオライト触媒作用によるオリゴマー化などの方法によって分枝を導入していることよりもむしろ、下記においてさらに記述される効率的な触媒を使用した骨格異性化または二量体化技術のいずれかによってオレフィン供給原料に分枝を導入していることに起因する。直鎖である分子の百分率はガスクロマトグラフィにより決定できる。
【0024】
骨格異性化
本明細書における好ましい実施形態において、骨格異性化により分枝が導入されている。骨格異性化により分枝化が達成されている場合、本明細書において使用される第一級アルコール成分は、NMR技術により、ヒドロキシル炭素原子に対してC2炭素位置上の5〜25%の分枝を有することを特徴とすることができる。より好ましい実施形態において、NMR技術により測定し、10〜20%の分枝数がC2位置上にある。第一級アルコール成分はまた、やはりNMR技術により測定し、一般にC3位置上に10〜50%の、より典型的にはC3位置上に15〜30%の、分枝数をも有する。C2位置に見られる分枝数と組み合せると、第一級アルコール成分はC2およびC3炭素位置における著しい量の分枝を含む。
【0025】
本発明において使用している第一級アルコール成分は、C2およびC3位置における著しい分枝数を有するだけでなく、多くの第一級アルコール成分は、ヒドロキシル炭素に対して主鎖における第2〜最終炭素位置におけるメチル分枝を意味する、少なくとも5%のイソプロピル末端タイプの分枝を有する。さらには少なくとも10%の、典型的には10%〜20%の範囲にある、第一級アルコール成分におけるイソプロピル末端タイプの分枝が見られている。The Shell Chemical Companyから市販されているNEODOLシリーズの典型的なヒドロホルミル化オレフィンでは、1%未満の、また通常は0.0%の分枝が、末端イソプロピル分枝である。しかし、本発明によりオレフィンを骨格異性化することにより、第一級アルコール成分は、分枝の全数に対して高百分率の末端イソプロピル分枝を含む。
【0026】
C2、C3およびイソプロピル位置において生じる組み合せた分枝数を考えると、少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%の分枝がこれらの位置に集中している、本発明の実施形態が存在する。しかし、本発明の範囲には、炭素主鎖の長さ全体にわたって生じている分枝が含まれる。
【0027】
本発明の第一級アルコール成分中に見出される分枝のタイプは、メチル、エチル、プロピル、およびブチル以上、と異なっている。
【0028】
本発明の好ましい実施形態において、全メチル分枝数は、上述のNMR技術により測定して、全分枝数の少なくとも40%、さらには少なくとも50%、を数える。この百分率には、ヒドロキシル基に対しC1炭素位置〜C3炭素位置の範囲内で上述のNMR技術により見られるメチル分枝と、末端イソプロピルタイプのメチル分枝との全体数が含まれる。
【0029】
本明細書における第一級アルコール成分は、NEODOL 45などのNEODOLアルコールに見られるエチル分枝数を超えて、エチル分枝の数において著しく増加したものを含む。エチル分枝数は、NMR方法により検出される全体の分枝のタイプに対して5%〜30%、最も典型的には10%〜20%の範囲とすることができる。すなわち、オレフィンの骨格異性化によって、メチル分枝およびエチル分枝の両方が生成される。したがって、骨格異性化を行うため使用できる触媒のタイプは、メチル基だけを生成させる触媒に限定されない。様々な分枝タイプが存在することにより、良好な全体的性状バランスが向上すると考えられる。
【0030】
骨格異性化向けのオレフィン供給物中に使用されるオレフィンは、少なくともCのモノオレフィンである。好ましい範囲として、オレフィン供給物はC〜C35のモノオレフィンを含む。C11〜C19の範囲にあるオレフィンが、C12〜C20の範囲にある第一級アルコール成分を生成させるため、本明細書における使用に最も好ましいとみなされる。
【0031】
一般に、オレフィン供給組成物中のオレフィンは、主として直鎖状である。第四級炭素原子または極めて長い分枝長を含む、主として分枝したオレフィン供給物の処理を試みる場合、触媒ベッド上を通ってオレフィン流を通過させた後、分離方法により、所望の分枝オレフィンからこれらの化学種を分離する必要があるであろう。オレフィン供給物はいくらかの分枝オレフィンを含有することができるが、骨格異性化のために処理されるオレフィン供給物は50モルパーセントを超える、より好ましくは70モルパーセントを超える、また最も好ましくは80モルパーセント以上を超える直鎖オレフィン分子を含有することが好ましい。
【0032】
オレフィン供給物は、一般に、指定された炭素数範囲内のオレフィン100%からなるものではない。このような純度のものは市販されていないからである。オレフィン供給物は、通常、異なった炭素長を有するある分布のモノオレフィンであり、指定されていても、オレフィンの最少50重量%が、言及された炭素鎖範囲または桁内のものである。オレフィン供給物は70重量%を超える、より好ましくは80重量%以上の、指定された炭素数範囲(例えばC〜C、C10〜C12、C11〜C15、C12〜C13、C15〜C18など)におけるモノオレフィンを含有することが好ましく、製品の残部は、他の炭素数または炭素構造のオレフィン、ジオレフィン、パラフィン、芳香族化合物、および合成工程に起因する他の不純物である。二重結合の位置は限定されない。オレフィン供給組成物は、α−オレフィン、内部オレフィン、またはそれらの混合物を含むことができる。
【0033】
Chevron Alpha Olefin製品シリーズ(Chevron Chemical Co.の商標であり、同社から販売される)は、パラフィンろうのクラッキングによって主として直鎖オレフィンを製造している。エチレンオリゴマー化によって製造される商業用オレフィン製品は、商標NEODENEのもとにShell Chemical Companyにより、またEthyl Alpha−OlefinsとしてEthyl Corporationにより米国で販売されている。エチレンから適切な直鎖オレフィンを調製する特定の手順は、米国特許第A−3676523号、米国特許第A−3686351号、米国特許第A−3737475号、米国特許第A−3825615号、および米国特許第A−4020121号において記述されている。大抵のこのようなオレフィン製品は主としてアルファ−オレフィンから構成されるが、高級直鎖内部オレフィンも、例えばパラフィンの塩素化−脱塩化水素化により、パラフィンの脱水素化により、またアルファ−オレフィンの異性化により、商業用に生産される。C〜C22の範囲にある直鎖内部オレフィン製品は、Shell Chemical Companyにより、またLiquichemica Companyにより販売されている。
【0034】
直鎖オレフィンの骨格異性化は、任意の知られている手段によって実施できる。本明細書において、骨格異性化は、触媒異性化炉の使用による米国特許第5849960号の方法を使用して行われるのが好ましい。本明細書において先に定義された異性化供給物は、直鎖オレフィン組成物を骨格異性化して1分子当たり少なくとも0.7の平均分枝数を有するオレフィン組成物とするのに有効な異性化触媒と接触させることが好ましい。この触媒は、室温で測定し4.2オングストロームを超えまた7オングストローム未満の範囲にある結晶学的自由チャンネル直径を有し、7オングストロームを超える自由チャンネル直径を有するチャンネルが本質的に全く存在しないゼオライトを含むことがより好ましい。
【0035】
適切なゼオライトは、米国特許第5510306号において記述され、その内容は参照により本明細書に組み込まれ、またW.M.MeierおよびD.H.OlsonによるAtlas of Zeolite Structure Typesにおいて記述されている。好ましい触媒には、フェリエライト、AlPO−31、SAPO−11、SAPO−31、SAPO−41、FU−9、NU−10、NU−23、ZSM−12、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−35、ZSM−48、ZSM−50、ZSM−57、SUZ−4A、MeAPO−11、MeAPO−31、MeAPO−41、MeAPSO−11、MeAPSO−31、およびMeAPSO−41、MeAPSO−46、ELAPO−11、ELAPO−31、ELAPO−41、ELAPSO−11、ELAPSO−31、およびELAPSO−41、濁沸石、灰霞石、オフレット沸石、水素形の束沸石、マグネシウムまたはカルシウム形のモルデン沸石およびパーシァイト、ならびにそれらの同形構造体が含まれる。ゼオライトの組合せも、本明細書において使用することができる。これらの組合せには混合ゼオライトのペレット、ならびに例えば、フェリエライト上のZSM−22および/またはZSM−23、ZSM−22および/またはZSM−23上のフェリエライト、ZSM−23上のZSM−22などの積み重ねられたベッド構成の触媒が含まれることができる。積み重ねられた触媒は、同一の形状および/または大きさ、または例えば1/32インチ(0.8mm)円筒上の1/8インチ(3.2mm)の三裂体などの異なった形状および/または大きさのものとすることができる。別法として、アルカリまたはアルカリ土類金属を除去しもしくは置換するために、イオン交換法により天然ゼオライトを改質することができる。このようなゼオライトには、天然および合成フェリエライト(斜方晶、または単斜晶とすることができる)、Sr−D、FU−9(欧州特許第B−55529号)、ISI−6(米国特許第A−4578259号)、NU−23(欧州特許第A−103981号)、ZSM−35(米国特許第A−4016245号)、およびZSM−38(米国特許第A−4375573号)が含まれる。触媒はフェリエライトが最も好ましい。
【0036】
骨格異性化触媒は、知られている形で結合剤としての耐熱性酸化物、例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、アタパルジャイト、およびカオリンなどの天然産粘土;アルミナ;シリカ;シリカ−アルミナ;水和アルミナ;チタニア;ジルコニア、ならびにそれらの混合物と結合していることが適切である。より好ましい結合剤は、擬ベーマイト、ガンマおよびバイヤライトアルミナなどのアルミナである。これらの結合剤は、容易に商業的に入手可能であり、アルミナ系触媒を製造するために使用されている。
【0037】
ゼオライト 対 結合剤材料の重量比は10:90〜99.5:0.5、好ましくは75:25〜99:1、より好ましくは80:20〜98:2、また最も好ましくは85:15〜95:5、(無水基準)の範囲とするのが適切である。
【0038】
骨格異性化触媒は、モノカルボン酸および無機酸から選択される少なくとも1種の酸と、少なくとも2つのカルボン酸基を有する少なくとも1種の有機酸(「ポリカルボン酸」)とによって調製されることも好ましい。適切な酸には、米国特許第A−5849960号中に開示されるものが含まれる。
【0039】
場合によって、コークス酸化促進金属をこの触媒中に組み込んで、250℃を超える温度で、酸素の存在においてコークスの酸化を促進することができる。適切なコークス酸化促進材料には、米国特許第A−5849960号中に開示されるものが含まれる。
【0040】
好ましい方法において、この触媒は、器または容器内において本明細書において定義された少なくとも1種のゼオライトの混合物と、アルミナ含有結合剤と、水と、少なくとも1種のモノカルボン酸または無機酸と、少なくとも1種のポリカルボン酸とを混合し、混合された混合物のペレットを形成し、かつ高温でこのペレットを仮焼することにより調製することができる。この触媒の調製方法は、米国特許第A−5849960号において記述されている。
【0041】
本明細書中に記載される方法により、高変換率、高選択性、および高収率が達成される。
【0042】
この骨格異性化方法は、広い範囲の条件で操作することができる。骨格異性化は、200℃〜500℃、より好ましくは250〜350℃の範囲にある高温で、また0.1気圧(10kPa)〜10気圧(1MPa)、より好ましくは0.5〜5気圧(50〜500kPa)の範囲にある圧力で行うことが好ましい。オレフィンの重量時間空間速度(WHSV)は、1時間当たり0.1〜100の範囲とすることができる。WHSVは1時間当たり0.5と50の間、より好ましくは1と40の間、最も好ましくは2と30の間が好ましい。より低いWHSVでは、骨格異性化された分枝オレフィンの高収率を達成しながらより低い温度で操作することが可能である。より高いWHSVでは、骨格異性化された分枝オレフィンへの所望の変換率および選択性を維持するためには、温度を一般に上昇させる。さらに、上述のより低いオレフィン分圧で最適の選択性が一般に達成される。この理由のため、窒素または水素などの希釈剤ガスで供給物流を希釈することがしばしば有利である。本方法の選択性を向上させるため希釈剤でオレフィン分圧を低下させることが有利である可能性があるが、希釈剤でオレフィン流を希釈することは必ずしも必要ではない。
【0043】
希釈剤を使用する場合、オレフィン 対 希釈剤のモル比は、0.01:1〜100:1の範囲とすることができ、また一般に0.1:1〜5:1の範囲内にある。
【0044】
本発明において、骨格異性化が好ましいが、二量体化によって分枝化を達成することもできる。
【0045】
広い観点から言えば、第一級アルコール成分は、C12〜C20オレフィンが得られる二量体化条件下で二量体化触媒の存在においてC6〜C10直鎖オレフィンを含むオレフィン供給物を二量体化することにより得られる。工程条件、オレフィン供給物、および適切な触媒を含む、適切な二量体化方法の詳細は、米国特許第A−5780694号中に見出されるはずである。
【0046】
ヒドロホルミル化
分枝した、骨格異性体化しまたは二量体化したオレフィンはその後、例えばヒドロホルミル化によって、第一級アルコール成分に変換される。ヒドロホルミル化において、骨格異性化したオレフィンは、オキソ法により一酸化炭素および水素との反応によりアルカノールに変換される。最も一般的に使用しているのは、米国特許第A−3231621号、米国特許第A−3239566号、米国特許第A−3239569号、米国特許第A−3239570号、米国特許第A−3239571号、米国特許第A−3420898号、米国特許第A−3440291号、米国特許第A−3448158号、米国特許第A−3448157号、米国特許第A−3496203号、および米国特許第A−3496204号、米国特許第A−3501515号、ならびに米国特許第A−3527818号において記述されるホスフィン、ホスファイト、アルシンまたはピリジン配位子改質コバルトまたはロジウム触媒を使用した「改質オキソ法」である。生成方法は、Kirk Othmer,「Encyclopedia of Chemical Technology」3rd,Ed.vol 16,637〜653頁;「Monohydric Alcohols:Manufacture,Applications and Chemistry」,E.J.Wickson,Ed.Am.Chem.Soc.,1981においても記述されている。
【0047】
ヒドロホルミル化は、反応物オレフィンよりも1つ多い炭素原子を有するアルデヒド/アルコールを生成させるためのオレフィンのCOおよびHとの反応を示すために、当分野において使用されている用語である。しばしば、当分野において、用語、ヒドロホルミル化は、全体としてアルデヒドおよびアルコール段階への還元に及ぶように使用され、すなわち、ヒドロホルミル化は、カルボニル化およびアルデヒド還元過程によるオレフィンからのアルコールの生成を指す。本明細書において使用している、ヒドロホルミル化は究極的にアルコールの生成を指す。
【0048】
例示的な触媒には、コバルトヒドロカルボニル触媒、ならびに、パラジウム、コバルト、およびロジウムが含まれるがそれらに限定されない金属を含む金属ホスフィン配位子触媒が含まれるが、必ずしもそれらに限定されない。触媒の選択により、課せられる種々の反応条件が決定される。これらの条件は、特定の触媒に応じて、広く異なることができる。例えば、温度は室温〜300℃の範囲とすることができる。典型的に使用されるものでもあるコバルトカルボニル触媒を使用する場合、温度は150〜250℃の範囲になるであろう。当分野における通常の技術者は、上記に挙げた参考文献、またはオキソアルコールに関する任意のよく知られている文献を参照することにより、異性化したまたは二量体化したオレフィンをヒドロホルミル化するため必要とされるこれらの温度および圧力の条件を容易に決定することができる。
【0049】
しかし、典型的な反応条件は適度のものである。125℃〜200℃の範囲にある温度が推奨される。2170〜10440kPaの範囲にある反応圧力が典型的であるが、より低いまたはより高い圧力を選択できる。1:1000〜1:1の範囲にある触媒 対 オレフィンの比率が適している。水素 対 一酸化炭素の比率は広く異なることができるが、アルコール生成物に有利であるためには、通常1〜10の範囲にある、好ましくは2モルの水素 対 1モルの一酸化炭素である。
【0050】
ヒドロホルミル化方法は、不活性溶媒を必要としないが、不活性溶媒の存在において実施することができる。ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、およびシクロヘキサン;ベンゼン、トルエン、およびキシレンなどの芳香族化合物;クロロベンゼンおよびオルトジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族化合物;塩化メチレンおよび四塩化炭素などのハロゲン化パラフィン系炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、およびイソオクタンなどのパラフィン、およびベンゾニトリルおよびアセトニトリルなどのニトリルなどの様々な溶媒を適用することができる。
【0051】
触媒配位子に関して、トリアルキルホスフィン、トリアミルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、ジメチルエチルホスフィン、ジアミルエチルホスフィン、トリシクロペンチル(またはヘキシル)ホスフィン、ジフェニルブチルホスフィン、ジフェニルベンジルホスフィン、トリエトキシホスフィン、ブチルジエチオキシホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ジメチルプロピルホスフィンなどの第三級有機ホスフィン、トリトリルホスフィン、ならびに対応するアルシンおよびスチビンに言及できる。
【0052】
二座タイプの配位子として含まれるものは、テトラメチルジホスフィノエタン、テトラメチルジホスフィノプロパン、テトラエチルジホスフィノエタン、テトラブチルジホスフィノエタン、ジメチルジエチルジホスフィノエタン、テトラフェニルジホスフィノエタン、テトラパーフルオロフェニルジホスフィノエタン、テトラフェニルジホスフィノプロパン、テトラフェニルジホスフィノブタン、ジメチルジフェニルジホスフィノエタン、ジエチルジフェニルジホスフィノプロパン、およびテトラトロリルジホスフィノエタン、である。
【0053】
他の適切な配位子の例は、最小のP含有環が炭素原子少なくとも5個を含有する9−ヒドロカルビル−9−ホスファビシクロノナンなどのホスファビシクロ炭化水素である。いくつかの例には、9−アリール−9−ホスファビシクロ[4.2.1]ノナン、(ジ)アルキル−9−アリール−9−ホスファビシクロ[4.2.1]ノナン、9−アルキル−9−ホスファビ−シクロ[4.2.1]ノナン、9−シクロアルキル−9−ホスファビシクロ−[4.2.1]ノナン、9−シクロアルケニル−9−ホスファビシクロ−[4.2.1]ノナン、およびそれらの[3.3.1]および[3.2.1]対応物、ならびにそれらのトリエン対応物が含まれる。
【0054】
エトキシル化
上述のように、分枝第一級アルコール成分は、場合によって、アルコール1モル当たり3モルまでのアルキレンオキシドを含むことができる。アルキレンオキシドのモル数の上限は、本明細書の組成物において第一級アルコール成分は界面活性剤として作用すべきでないという事実を反映している。
【0055】
適切なオキシアルキル化アルコールは、オキシアルキル化しようとするアルコールまたはアルコール混合物に、オキシアルキル化のための触媒の役割を果す、計算された量、例えば、全アルコールに対して0.1重量%〜0.6重量%、好ましくは0.1重量%〜0.4重量%の強塩基、典型的には、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物を添加することにより調製することができる。得られた混合物を、存在するどんな水をも気相除去することによるなど乾燥し、次いでアルコール1モル当たり1モル〜3モルのアルキレンオキシドを供給する計算されたアルキレンオキシドの量を導入し、アルキレンオキシドが消費されるまで反応させ、反応の経過は、反応圧力の低下により追跡される。
【0056】
工程条件を含む適切なオキシアルキル化方法のさらなる詳細は、米国特許第A−6150322号中に見出すことができる。
【0057】
本明細書において使用するのに適したアルキレンオキシドには、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、およびブチレンオキシド、ならびにそれらの混合物、好ましくはエチレンオキシドが含まれる。
【0058】
化粧品として許容可能なビヒクル
本明細書におけるパーソナルケア組成物はまた、第一級分枝アルコール成分のほかに化粧品として許容可能なビヒクルをも含む。化粧品として許容可能なビヒクルは、一般に安全かつ有効な量、好ましくは1%〜99.99%、より好ましくは20%〜99%、特に60%〜90%、において存在する。化粧品として許容可能なビヒクルは、このような組成物を化粧品として、美容的に、または他の方法で許容可能とするのに適した、またはそれらの組成物にさらなる使用における利益をもたらすのに適した様々な成分を含有することができる。化粧品として許容可能なビヒクルの成分は、第一級分枝アルコール成分と物理的かつ化学的に相容性があるべきであり、また本発明のパーソナルケア組成物に関連した安定性、有効性または他の利益を不適切に減ずるべきではない。
【0059】
化粧品として許容可能なビヒクル中に含まれるのに適した成分は、当分野の技術者によく知られている。これらの成分には、エモリエント剤、油吸収剤、抗菌剤、結合剤、緩衝剤、変性剤、化粧用収斂剤、皮膜形成剤、保湿剤、界面活性剤、乳化剤、日焼け止め剤、植物油、鉱油、およびシリコーン油などの油、乳白剤、香料、着色剤、顔料、皮膚鎮静および治癒剤、防腐剤、噴霧剤、皮膚浸透促進剤、溶媒、懸濁剤、乳化剤、洗浄剤、増粘剤、可溶化剤、ワックス、無機日焼け止め剤、日光なし日焼け剤、酸化防止剤および/またはフリーラジカル捕捉剤,キレート化剤、懸濁剤、にきび抑制剤、ふけ抑制剤、炎症抑制剤、剥離/落屑剤、有機ヒドロキシ酸、ビタミン、天然エキス、シリカおよび窒化ホウ素などの無機微粒子、脱臭剤、および発汗抑制剤が含まれるが、それらに限定されない。
【0060】
このような材料の非限定的例は、Harry’s Cosmeticology,7th Edition.,Harry & Wilkinson(Hill Publishers,London 1982)において;The Chemistry and Manufacture of Cosmetics,2nd.Edition,.deNavarre(Van Nostrand 1962〜1965)において;またthe Handbook of Cosmetic Science and Technology,1st Edition.,Knowlton & Pearce(Elsevier 1993);WennigerおよびMcEwen編集のCTFA Intenational Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,7th Edition,volume 2(The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Associations,Inc.,Washington,D.C.,1997);および国際公開第01/89466号において記述されている。
【0061】
好ましい組成物は、Brookfield DVII RV粘度計、スピンドルTD、を使用して、5rpm、25℃、および周囲圧力で測定され、5,000〜2,000,000mPa.sの見掛け粘度を有する。粘度は、組成物がクリームか化粧水かどうかに応じて異なるであろう。
【0062】
本発明の組成物は好ましくは水性であり、またより好ましくは、水中油型または油中水型エマルションの形態にある。例えば、水中油型エマルションの場合、油性材料を含有する疎水性相が水性相内に分散されている。水中油型エマルションは、1重量%〜50重量%、好ましくは1重量%〜30重量%の分散された疎水性相と、1重量%〜99重量%、より好ましくは40重量%〜90重量%の連続的な水性相とを典型的に含む。このエマルションは、G.M.Eccelston,Application of Emulsion Stability Theories to mobile and Semisolid O/W Emulsions,Cosmetic & Toiletries,Vol.101,November 1996,p.73〜92において記述されるものなどのゲル網目を含むこともできる。
【0063】
本発明の組成物は、4.5〜9の、より好ましくは5〜8.5の、pHを有するように製剤するのが好ましいであろう。
【0064】
本明細書における組成物は、当分野で知られているものなどの広く様々な製品形態に製剤することができ、また広く様々な目的に使用することができる。適切な製品形態には、化粧水、クリーム、ゲル、スティック、スプレー、軟膏、ペースト、およびムースが含まれるが、それらに限定されない。
【0065】
本発明の組成物は、非洗浄または洗浄製剤のいずれにも製剤することができる。非洗浄製剤の例には、ヘアコンディショナ、皮膚保湿クリーム、サンクリーン組成物、ナイトクリーム、発汗抑制剤、口紅、化粧用ファンデーション、ボディローションなどが含まれる。洗浄製剤の例には、シャンプー、フェイシャルクレンザ、シャワジェル、バスフォーム、ハンドクレンザなどが含まれる。一般に洗浄製剤は、通例5%を超える、好ましくは10%を超える、比較的高レベルの界面活性剤を含有する。
【0066】
本明細書における好ましい実施形態において、パーソナルケア組成物は、5重量%以下の、より好ましくは3重量%以下の、界面活性剤を含むことが好ましい非洗浄製剤として製剤している。
【0067】
パーソナルケア組成物における使用のため知られているどんな界面活性剤も、選択している界面活性剤が本組成物における他の成分と化学的および物理的に相容性である場合、本明細書において使用することができる。本明細書における組成物に使用するのに適した界面活性剤には、国際公開第01/89466号中に記載されるものなどの非イオン、アニオン、両性、双性イオンおよびカチオン界面活性剤が含まれる。
【0068】
本明細書における好ましい化粧品として許容可能なビヒクルは、典型的には組成物の60重量%〜99重量%のレベルの親水性希釈剤を含有する。適切な親水性希釈剤には、水;低分子量の一価アルコール;プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロール、ブチレングリコールを含むグリコールおよびポリオール;ソルビトールエステル;エタノール、イソプロパノール;エトキシル化エーテル;プロポキシル化エーテル、およびそれらの混合物が含まれる。好ましい希釈剤は水である。
【0069】
本明細書における化粧品として許容可能なビヒクルは、連続水性相内に不連続相を分散させかつ懸濁させるのを助ける乳化剤を含有できる。適切な乳化剤の一例は、Uniquema Ameicas社から市販されているPEG−30ジヒドロキシステアレート、ならびにLipo Chemicals,Inc.社から商標名Lipomulse 165のもとに市販されている、ステアリン酸グリセリルとPEG−100ステアレートとの混合物である。
【0070】
本明細書における好ましい組成物は、それ自体エモリエント性性状を有する第一級分枝アルコール成分のほかに、エモリエント材料を含む。エモリエント剤は、皮膚を潤滑し、皮膚の柔軟性および平滑性を増加させ、乾燥を防止しもしくは軽減し、かつ/または皮膚を保護する材料である。エモリエント剤は、典型的には、水混和性である油性またはワックス状材料である。したがって、水中油型エマルションにおいて、エモリエント剤は、一般に分散性油相の一部を形成する。適切なエモリエント剤は、Sagarin,Cosmetics,Science and Technology,2nd Edition,Vol.1,pp.32〜43(1972)および国際公開第01/89466号において記述されている。
【0071】
好ましいエモリエント剤の例には、ドデカン、スクワレン、コレステロール、イソヘキサデカン、およびC〜C40イソパラフィンなどの炭素原子7〜40個を有する直鎖および分枝鎖炭化水素;イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル、プロピオン酸ミリスチル、ステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸メチル、ベヘン酸ベヘニル、パルミチン酸オクチル、マレイン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、およびジリノール酸ジイソプロピルなどのC〜C30カルボン酸の、またC〜C30ジカルボン酸のC〜C30アルコールエステル;国際公開第01/89466号において開示されている糖および関連材料のC〜C30モノ−およびポリエステル;ならびに、べにばな油、ひまし油、ココヤシ油、綿実油、パーム種油、パーム油、落花生油、大豆油、菜種油、亜麻仁油、米糠油、パイン油、ゴマ油、ひまわり油、上記油の部分的および完全水素化された油を含む植物油および水素化された植物油、ならびにそれらの混合物などの、国際公開第01/89466号において開示されているものが含まれる。
【0072】
本明細書における好ましい組成物は、揮発性または不揮発性有機ポリシロキサン油などのシリコーン系成分を含有する。本明細書において使用するのに好ましいものは、ポリアルキルシロキサン、アルキル置換されたジメチコーン、ジメチコノール、ポリアルキルアリールシロキサン、およびシクロメチコーンから選択された有機ポリシロキサンである。やはり本明細書において有用なものは、ジメチコーンコポリオールなどのシリコーン系乳化剤であり、その一例は、商標名Abil EM90のもとにGoldschmidt社により供給されているセチルジメチコーンコポリオールである。
【0073】
本明細書における組成物は、国際公開第01/89466号において記述されているものなどの増粘剤を含むのが好ましい。適切な増粘剤には、カルボン酸ポリマー、架橋したポリアクリレート、ポリアクリルアミド、キサンタンガム、セルロース誘導体、およびそれらの混合物が含まれる。適切な増粘剤の例には、B.F.Goodrich社から市販されているCarbopolシリーズの材料と、商標名Natrosol 250HR CSのもとにHercules Aqualon社により供給されているセチルヒドロキシメチルセルロースとが含まれる。
【0074】
本明細書における好ましい組成物は、5重量%〜30重量%のレベルで保湿剤を含む。好ましい保湿剤には、グリセリン、ポリオキシアルキレングリコール、尿素、DまたはDLパンテノール、およびプロピレングリコールまたはブチレングリコールなどのアルキレングリコールが含まれるが、それらに限定されない。
【0075】
太陽の有害な影響からの保護をもたらすことが所望される場合、本明細書における組成物は、無機または有機日焼け止め剤から選択された安全かつ有効な量の1種または複数の日焼け止め成分を含有することができる。適切な日焼け止め剤には、国際公開第01/89466号において開示されているものが含まれる。
【0076】
本明細書における組成物は、分枝第一級アルコール成分のほかに、長鎖アルコールを含有できる。適切な長鎖アルコールは、8〜36個の範囲における平均炭素原子数を有する直鎖または分枝状の、飽和もしくは不飽和アルコールから選択することができる。
【0077】
天然産長鎖アルコールの例には、脂肪族アルコールであるセチルアルコール、ステアリルアルコール、およびベヘニルアルコールが含まれる。
【0078】
他の適切な長鎖アルコールには、商標名NEODOLのもとにThe Shell Chemical Companyから市販されているものが含まれる。NEODOLアルコールの例には、NEODOL23、NEODOL91、NEODOL1、NEODOL45、およびNEODOL25が含まれる。全てのこれらのアルコールは、主として直鎖アルコールである。
【0079】
他の適切なアルコールには、SAFOL23などのSAFOLシリーズ、LIAL123などのLIALシリーズ、およびALFONICシリーズのアルコールが含まれ、これらの全てはCognis Corporationから市販されている。
【0080】
やはり本明細書における使用に適したものは、Cognis Corporationから市販されているいわゆる「ゲルベ」アルコール、例えばEUTANOL G16でもある。
【0081】
本明細書における組成物は、化粧品に通常使用され、また当分野の技術者によく知られかつ理解されている手順により調製することができる。
【0082】
下記の実施例は、本発明の特性を例示するであろうが、決して限定的であることを意図していない。
【実施例1】
【0083】
本実施例は、その後骨格異性化C17第一級アルコール成分に変換する骨格異性化C16オレフィンの製造を実証している。本実施例についての製造方法は、米国特許第A−5849960号の実施例1において記述されている通りであるが、便宜のためここに再現している。
【0084】
1リットルのNEODENE 16オレフィン、すなわちShell Chemical Companyから市販されているC16直鎖α−オレフィン、を最初に、アルミナを通して乾燥しかつ精製した。次いでこのオレフィンは、供給速度約1.0ml/分に設定して、かつ約91ml/分で流れる窒素パッドを使用して、250℃で管状炉を通過させた。頂部から作業して、管状炉にガラスウール、次いで10mlの炭化ケイ素、次いで触媒、続いて5mlの炭化ケイ素、かつ底部にさらにガラスウールを装入した。この管状炉の体積は66mlであった。反応器の管状炉は3つの温度帯域を有しており、管反応器中に挿入し、触媒ベッド内の3つの異なった場所の上方、下方およびその場所における温度を監視することができるように、取り付けた多点熱電対を有していた。反応器を逆さにし、炉内に設置した。触媒帯域を含む全ての3つの帯域を、反応の間約250℃に保持し、圧力を反応器内で114kPaに保持した。使用した触媒量は23.1g、体積で53mlであった。NEODENE 16オレフィンを構造的に異性化するため使用した触媒のタイプは、パラジウム金属100ppmを含有する1.59mmの押出しかつ仮焼されたHフェリエライトであった。
【0085】
この触媒は、米国特許第5510306号の実施例Cに従って調製し、便宜のためここに一部を再現した。出発ゼオライトとして、シリカ 対 アルミナモル比62:1と、1グラム当たり表面積369平方メートル(P/P=0.03)と、炭酸ナトリウム含量480ppmと、ゼオライト100g当たりn−ヘキサン収着容量7.3gとを有するアンモニウム−フェリエライトを使用した。Lancaster混合混練機を使用してこの触媒成分を混練した。25.4mmまたは57.2mmのBonnotピンバレル型押出機を使用して混練した触媒材料を押出した。
【0086】
酢酸1重量%およびクエン酸1重量%を使用して触媒を調製した。Lancaster混合混練機に、アンモニウム−フェリエライト(強熱減量5.4%)645グラムと、CATAPAL Dアルミナ91グラム(LOI25.7%)とを装入した。アルミナをフェリエライトと5分間ブレンドし、その時間の間に脱イオン水152ミリリットルを添加した。アルミナを解膠するため、氷酢酸6.8グラムと、クエン酸7.0グラムと、脱イオン水152ミリリットルとの混合物を、混練機にゆっくり添加した。混合物を10分間混練した。次いで、混合物をさらに5分間混練している間に、脱イオン水153グラム中のテトラアンミンパラジウム硝酸塩0.20グラムをゆっくり添加した。METHOCEL F4Mヒドロキシプロピルメチルセルロース10グラムを添加し、ゼオライト/アルミナ混合物を、さらに15分間混練した。押出ミックスは43.5%のLOIを有していた。90:10ゼオライト/アルミナ混合物を、2.25インチ(5.7cm)Bonnot押出機に移し、1.59mm孔を有するダイプレートを使用して押出した。
【0087】
湿った押出物を150℃に加熱したオーブン内において2時間、次いで175℃に上げて4時間、棚乾燥した。乾燥後、押出物を手で長手方向に割った。押出物を空気流中において500℃で2時間仮焼した。
【0088】
反応器炉を通して5時間にわたりオレフィンを通過させた。1時間および5時間の時点で、36.99gおよび185.38gの試料を収集し、合計約222gとして集合させた。次いでこの試料の一部を、0.533kPaで真空蒸留し、160℃でポット内にかつ85℃で頂部において、また182℃でポット内にかつ75℃で頂部において蒸留物留分を収集することにより、際立った量のC16骨格異性化オレフィンを得ている。
【0089】
次いで、改質オキソ法を使用して、骨格異性化オレフィン110.93グラムのうち90グラム試料をヒドロホルミル化した。窒素パージした300ccオートクレーブ内において、骨格異性化オレフィン90グラムを、約185℃までの温度および約7684kPaの圧力で4.5時間、ホスフィン改質コバルト触媒の存在においておよそモル比1.7:1の水素および一酸化炭素と反応させた。反応が完結した後、60℃まで生成物を冷却した。
【0090】
40グラムのヒドロホルミル化生成物を、100mlフラスコに注入し、出発温度89℃から仕上げ温度165℃まで温度を上げ、0.533kPaで4時間真空蒸留した。それぞれ155℃および165℃において蒸留物留分20.14gおよび4.12gを採取し、100mlフラスコ内に集合した。
【0091】
フラスコ内の蒸留物留分に水素化ホウ素ナトリウム0.2gを添加し、攪拌し、かつ8時間にわたり90℃まで加熱して、ヒドロホルミル化触媒を失活させ、アルコールを安定化した。蒸留されたアルコールを90℃の水で3回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して100mlフラスコ中に入れた。次いで、このアルコールをさらに1時間真空蒸留してどんな残留水をも除去した。
【0092】
その後、本明細書において記述されたJSME NMR方法を使用して、分枝の量、タイプ、および位置について実施例1の第一級アルコール成分を試験した。第四級炭素原子の測定については本明細書において記述したquat−onlyJSME NMR技術を使用した。
【0093】
結果は次の通りであった:実施例1により調製した第一級アルコール成分における平均炭素原子数は17であり、1分子鎖あたり平均1.6の分枝を有していた。分枝の67.9%は、C4位置以遠で生じ(ヒドロキシ炭素に対し)、分枝の21%がC3にあり、メチル分枝の4%がC2にあり、エチル分枝の1.2%がC2にあり、プロピルおよびより長鎖のものの分枝の5.9%がC2にあり、プロピルおよびより長鎖の分枝したものは41.7%であり、エチルおよびより長鎖の分枝したものは16.3%であり、メチル分枝したものは42%であり、イソプロピル末端分枝は0%であり、直鎖アルコールは<1%であることを見出した。
【0094】
最後に、分子鎖当たりの分枝数が多いにも拘らず、改良JSME NMR方法により第四級炭素原子は全く検出されなかった。このことは、実施例1の化合物が容易に生分解するはずであることを示唆するであろう。
製剤例
【実施例2】
【0095】
ナイトクリーム(油中水型エマルション)
下記の実施例2のナイトクリームを調製するために、75℃で相Aの成分を組み合わせ、50℃で相Bの成分を組み合わせ、次いで相Bを相Aにゆっくり添加している。均質な混合物が得られるまで2つの相を混合している。
【0096】
【表1】

【実施例3】
【0097】
(比較例)
実施例2のアルコール成分を、Cognis Corporation社から市販されているゲルベアルコール、Eutanol G16、で置き換えている点を除いて、上記の実施例2と同一の方法でナイトクリームを調製した。Eutanol G16は、化学名2−ヘキサデカノールを有し、したがって、炭素鎖分枝がC2炭素位置において炭素原子6個を含有する、炭素原子10個を含有する炭素鎖を有する。
【実施例4】
【0098】
(比較例)
実施例2の分枝アルコール成分を、The Shell Chemical Company社から市販されているC14およびC15第一級直鎖アルコールの混合物であるNEODOL 45で置き換えている点を除いて、上記の実施例2についてと同一の方法でナイトクリームを調製した。
【実施例5】
【0099】
保湿剤(水中油型エマルション)
実施例5の保湿剤は、75℃で相Aの成分を組み合わせ、75℃で相Bの成分を組み合わせ、かつ相Bを相Aに添加することにより調製している。得られた混合物に、相Cを添加し、40℃まで冷却する。最後に相Dを添加する。
【0100】
【表2】

最終的なこの製剤のpHが6.9であることを測定した。
【実施例6】
【0101】
(比較例)
実施例5の分枝アルコール成分を、Eutanol G16で置き換えている点を除いて、上記の実施例5と同一の方法で保湿剤を調製した。最終的な製剤のpHが7.1であることを測定した。
【実施例7】
【0102】
(比較例)
実施例5の分枝アルコール成分を、NEODOL 45で置き換えている点を除いて、上記の実施例5と同一の方法で保湿剤を調製した。最終的な製剤のpHが6.3であることを測定した。
粘度データ
他に指定されない限りBrookfield粘度計、スピンドルNo.5、20rpm,室温、1気圧、を使用して、それぞれの製剤実施例2〜7の粘度を測定した。これらの粘度測定の結果を下記の表1に示している。
【0103】
【表3】

粘度の結果は、NEODOL67、実施例1の分枝第一級アルコール成分と同様の方法で調製したC16〜C17アルコールを含有する組成物が、Eutanol G16を含有する組成物よりも高い粘性を有し、またNEODOL 45を含有する組成物よりも低い粘性を有することを示している。
【0104】
しかし、NEODOL 67は室温で液体であるが、NEODOL 45は薄片または粉末の形態で供給されるので、NEODOL 45を含有する製剤が、NEODOL 67を含有する製剤のように製剤が容易ではなかったことに注目されたい。
【0105】
全ての製剤実施例は、優れた安定性を有することを見出した。
【0106】
上記の結果は、実施例1において調製されたものなどの高度に分枝した第一級アルコール成分を含有している本発明のパーソナルケア製剤が、良好な安定性、優れた粘性およびレオロジ特性、ならびに優れた製剤特性を有することを実証している。したがって、これらの結果は、実施例1により調製したものなどの高度に分枝したアルコール成分が、パーソナルケア組成物における含有物向けの有用な成分であることを実証している。
【0107】
これらの結果はまた、実施例1により調製したものなどの高度に分枝したアルコール成分を含有する本発明の組成物が、より少なく分枝した市販のアルコール、NEODOL 45およびEutanol G16、を含有する組成物と比較して改良された特性を示すことをも実証している。特に、実施例1のものと同様な分枝アルコール成分を含有する製剤はNEODOL45を含有する製剤よりも低い粘度を有するが、前者は、分枝アルコール成分の液体性状のため製剤することが容易であるので、パーソナルケア組成物としてより適している。
【0108】
上記の、実施例1において調製した分枝第一級アルコール成分、および製剤実施例2および5において使用したアルコールは、米国特許第A−5849960号の実施例2〜5、または米国特許第A−5780694号の実施例1〜3に従って調製された分枝アルコール成分のいずれによっても置換できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)1分子当たり炭素原子8〜36個を有し、かつ少なくとも0.7、好ましくは0.7〜3.0の1分子当たりの平均分枝数を有し、前記分枝がメチルおよび/またはエチル分枝を含むことが好ましく、場合によって、アルコール1モル当たり3モルまでのアルキレンオキシドを含み、または場合によって、アルコール1モル当たり3モルまでのアルキレンオキシドの比率において、アルキレンオキシドを分枝第一級アルコールと反応させることにより作製された生成物を含む分枝第一級アルコール成分と、
(ii)化粧品として許容可能なビヒクルと
を含む、皮膚または毛髪への局所塗布用パーソナルケア組成物。
【請求項2】
前記分枝第一級アルコール成分が、安全かつ有効な量、特に0.01〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.5〜15重量%、最も好ましくは1重量%〜10重量%の分枝第一級アルコール成分として存在する請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項3】
前記分枝第一級アルコール成分における1分子当たりの平均鎖長が、炭素原子8〜36個、好ましくは炭素原子11〜21個、より好ましくは炭素原子14〜18個の範囲にある請求項1または2に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項4】
前記1分子当たりの平均分枝数が、1.0〜3.0、好ましくは少なくとも1.5、特に1.5〜2.3、さらに1.7〜2.1である請求項1から3のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
【請求項5】
前記分枝第一級アルコール成分が、0.5原子%未満の第四級炭素を含み、好ましくは第四級炭素を全く含まず、かつ/または
前記分枝第一級アルコール成分が、5%未満、またはより好ましくは3%未満の直鎖アルコール分子を含む請求項1から4のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
【請求項6】
前記分枝第一級アルコール成分が、ヒドロキシル炭素原子に対して、C2炭素位置上の5〜25%の分枝、好ましくはC2炭素位置上の10〜20%の分枝を有し、かつ/または前記分枝第一級アルコール成分が、C3位置上の10〜50%の分枝、好ましくはC3位置上の15〜30%の分枝を有し;かつ/または
前記分枝第一級アルコール成分が、少なくとも5%のイソプロピル末端タイプの分枝、好ましくは少なくとも10%の、特に10%〜20%の範囲にある、イソプロピル末端タイプの分枝を有し;かつ/または
前記分枝第一級アルコール成分における少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%の分枝が、C2、C3、および末端イソプロピルの位置に生じている請求項1から5のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
【請求項7】
全分枝数の少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%がメチル分枝であり、かつ/または全分枝数の5%〜30%、好ましくは10%〜20%がエチル分枝である請求項1から6のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
【請求項8】
前記分枝第一級アルコール成分が、アルコール1モル当たり1〜3モルのアルキレンオキシドを含み;または前記分枝第一級アルコール成分がアルコール1モル当たり1〜3モルのアルキレンオキシドの比率において、アルキレンオキシドを分枝第一級アルコールと反応させることにより作製された生成物を含み;かつ/または前記アルキレンオキシドが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、またはそれらの混合物、好ましくはエチレンオキシドである請求項1から7のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
【請求項9】
前記化粧品として許容可能なビヒクルが、安全かつ有効な量、好ましくは1%〜99.99%、より好ましくは20%〜99%、最も好ましくは60%〜90%で存在し;かつ/または
前記化粧品として許容可能なビヒクルが、エモリエント剤、油吸収剤、抗菌剤、結合剤、緩衝剤、変性剤、化粧用収斂剤、皮膜形成剤、保湿剤、界面活性剤、乳化剤、日焼け止め剤、油、特に植物油、鉱油、またはシリコーン油、乳白剤、香料、着色剤、顔料、皮膚鎮静および治癒剤、防腐剤、噴霧剤、皮膚浸透促進剤、溶媒、懸濁剤、乳化剤、クレンジング剤、増粘剤、可溶化剤、ワックス、無機日焼け止め剤、日光なし日焼け剤、酸化防止剤および/またはフリーラジカル捕捉剤,キレート化剤、懸濁剤、にきび抑制剤、ふけ抑制剤、炎症抑制剤、剥離/落屑剤、有機ヒドロキシ酸、ビタミン、天然エキス、無機微粒子、特にシリカまたは窒化ホウ素、脱臭剤、発汗抑制剤、またはそれらの混合物を含む
請求項1から8のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
【請求項10】
前記パーソナルケア組成物が5,000〜2,000,000mPa.sの見掛け粘度を有し、かつ/または
前記パーソナルケア組成物がエマルション、好ましくは水中油型または油中水型エマルションを含み、かつ/または
前記パーソナルケア組成物が、8〜36個の範囲にある平均炭素原子数を有することが好ましい長鎖アルコールをさらに含む請求項1から9のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
【請求項11】
5重量%以下、好ましくは3重量%以下の界面活性剤を含む請求項1から10のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載のパーソナルケア組成物を皮膚または毛髪に塗布するステップを含む、皮膚または毛髪のケア方法。
【請求項13】
皮膚にエモリエント性の利益をもたらすための、1分子当たり炭素原子8〜36個を有し、かつ少なくとも0.7、好ましくは0.7〜3.0の1分子当たりの平均分枝数を有し、前記分枝がメチルおよび/またはエチル分枝を含む、分枝第一級アルコール成分の使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)1分子当たり炭素原子8〜36個を有し、かつ少なくとも0.7、好ましくは0.7〜3.0の1分子当たりの平均分枝数を有し、前記分枝がメチルおよび/またはエチル分枝を含み、ヒドロキシル炭素原子に対して、C2炭素位置上の5〜25%の分枝、好ましくはC2炭素位置上の10〜20%の分枝を有し、場合によって、アルコール1モル当たり3モルまでのアルキレンオキシドを含み、または場合によって、アルコール1モル当たり3モルまでのアルキレンオキシドの比率において、アルキレンオキシドを分枝第一級アルコールと反応させることにより作製された生成物を含む分枝第一級アルコール成分と、
(ii)化粧品として許容可能なビヒクルと
を含む、皮膚または毛髪への局所塗布用パーソナルケア組成物。
【請求項2】
前記分枝第一級アルコール成分が、安全かつ有効な量、特に0.01〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.5〜15重量%、最も好ましくは1重量%〜10重量%の分枝第一級アルコール成分として存在する請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項3】
前記分枝第一級アルコール成分における1分子当たりの平均鎖長が、炭素原子8〜36個、好ましくは炭素原子11〜21個、より好ましくは炭素原子14〜18個の範囲にある請求項1または2に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項4】
前記1分子当たりの平均分枝数が、1.0〜3.0、好ましくは少なくとも1.5、特に1.5〜2.3、さらに1.7〜2.1である請求項1から3のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
【請求項5】
前記分枝第一級アルコール成分が、0.5原子%未満の第四級炭素を含み、好ましくは第四級炭素を全く含まず、かつ/または
前記分枝第一級アルコール成分が、5%未満、またはより好ましくは3%未満の直鎖アルコール分子を含む請求項1から4のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
【請求項6】
前記分枝第一級アルコール成分が、C3位置上の10〜50%の分枝、好ましくはC3位置上の15〜30%の分枝を有し;かつ/または
前記分枝第一級アルコール成分が、少なくとも5%のイソプロピル末端タイプの分枝、好ましくは少なくとも10%の、特に10%〜20%の範囲にある、イソプロピル末端タイプの分枝を有し;かつ/または
前記分枝第一級アルコール成分における少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%の分枝が、C2、C3、および末端イソプロピルの位置に生じている請求項1から5のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
【請求項7】
全分枝数の少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%がメチル分枝であり、かつ/または全分枝数の5%〜30%、好ましくは10%〜20%がエチル分枝である請求項1から6のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
【請求項8】
前記分枝第一級アルコール成分が、アルコール1モル当たり1〜3モルのアルキレンオキシドを含み;または前記分枝第一級アルコール成分がアルコール1モル当たり1〜3モルのアルキレンオキシドの比率において、アルキレンオキシドを分枝第一級アルコールと反応させることにより作製された生成物を含み;かつ/または前記アルキレンオキシドが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、またはそれらの混合物、好ましくはエチレンオキシドである請求項1から7のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
【請求項9】
前記化粧品として許容可能なビヒクルが、安全かつ有効な量、好ましくは1%〜99.99%、より好ましくは20%〜99%、最も好ましくは60%〜90%で存在し;かつ/または
前記化粧品として許容可能なビヒクルが、エモリエント剤、油吸収剤、抗菌剤、結合剤、緩衝剤、変性剤、化粧用収斂剤、皮膜形成剤、保湿剤、界面活性剤、乳化剤、日焼け止め剤、油、特に植物油、鉱油、またはシリコーン油、乳白剤、香料、着色剤、顔料、皮膚鎮静および治癒剤、防腐剤、噴霧剤、皮膚浸透促進剤、溶媒、懸濁剤、乳化剤、クレンジング剤、増粘剤、可溶化剤、ワックス、無機日焼け止め剤、日光なし日焼け剤、酸化防止剤および/またはフリーラジカル捕捉剤,キレート化剤、懸濁剤、にきび抑制剤、ふけ抑制剤、炎症抑制剤、剥離/落屑剤、有機ヒドロキシ酸、ビタミン、天然エキス、無機微粒子、特にシリカまたは窒化ホウ素、脱臭剤、発汗抑制剤、またはそれらの混合物を含む
請求項1から8のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
【請求項10】
前記パーソナルケア組成物が5,000〜2,000,000mPa.sの見掛け粘度を有し、かつ/または
前記パーソナルケア組成物がエマルション、好ましくは水中油型または油中水型エマルションを含み、かつ/または
前記パーソナルケア組成物が、8〜36個の範囲にある平均炭素原子数を有することが好ましい長鎖アルコールをさらに含む請求項1から9のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
【請求項11】
5重量%以下、好ましくは3重量%以下の界面活性剤を含む請求項1から10のいずれかに記載のパーソナルケア組成物。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載のパーソナルケア組成物を皮膚または毛髪に塗布するステップを含む、皮膚または毛髪のケア方法。
【請求項13】
皮膚にエモリエント性の利益をもたらすための、1分子当たり炭素原子8〜36個を有し、かつ少なくとも0.7、好ましくは0.7〜3.0の1分子当たりの平均分枝数を有し、ヒドロキシル炭素原子に対して、C2炭素位置上の5〜25%の分枝、好ましくはC2炭素位置上の10〜20%の分枝を有し、前記分枝がメチルおよび/またはエチル分枝を含む、分枝第一級アルコール成分の使用。

【公表番号】特表2006−501259(P2006−501259A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−534363(P2004−534363)
【出願日】平成15年8月29日(2003.8.29)
【国際出願番号】PCT/US2003/027127
【国際公開番号】WO2004/022013
【国際公開日】平成16年3月18日(2004.3.18)
【出願人】(590002105)シエル・インターナシヨナル・リサーチ・マートスハツペイ・ベー・ヴエー (301)
【Fターム(参考)】