説明

高度に安定な、重質炭化水素の水素化脱硫触媒およびその製造方法およびその使用

【解決手段】三酸化モリブデン、ニッケル化合物および無機酸化物材料を含む混合物の成形粒子を焼成することによって製造される焼成混合物を含む、重質炭化水素供給原料の水素化処理において有用な触媒であり、この触媒は、無機酸化物材料、三酸化モリブデンおよびニッケル化合物を混合して、混合物を形成し、これを粒子に成形し、焼成して、焼成混合物を得ることによって製造され得る。
【効果】この方法は、重質炭化水素供給原料の水素化脱硫および水素化変換を含み、重質炭化水素供給原料のピッチ含有量の部分の変換およびP値によって反映される、増進された安定性を有する処理生成物の生成を含み得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒、触媒の製造方法および低硫黄濃度を有する炭化水素生成物の製造方法に関する。さらに、本発明は、重質炭化水素供給原料の水素化脱硫において有用である高度に安定な触媒、重質炭化水素供給原料の水素化脱硫における使用のための高度に安定な触媒の製造方法および重質炭化水素生成物の水素化脱硫方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭化水素の水素化処理の当業者によって認識されている1つのプロセスは、重質炭化水素部分をより軽質の炭化水素へ変換させるための約538℃(1000°F)を超える沸点の炭化水素を含む重質炭化水素供給原料の水素化変換である。これはまた、同時にこのような重質炭化水素供給原料の硫黄含有量の低下をもたらすことが望ましい場合がある。このような重質炭化水素供給原料の水素化変換および脱硫を提供するために使用される従来の多くの触媒は、耐火性酸化物担体上に担持された、例えばモリブデンなどのVIB族金属成分とおよび例えばコバルトまたはニッケルなどのVIII族金属成分とを含有している。
【0003】
米国特許第5,827,421号(Sherwood,Jr)には、VIII族およびVIB族の金属を含み、具体的に定義された表面および細孔特性を有するアルミナ担持触媒を使用する重質炭化水素供給原料の水素化変換および脱硫の方法が開示されている。この特許の背景技術の項目において、この特許は、例えば石油残油および他の重質炭化水素などの重質炭化水素供給原料の水素化変換に使用される従来技術およびこの中に記載された触媒の広範な概説および論議を提供している。しかし、この特許には、水素化処理触媒組成物のモリブデン成分の必要な供給源として三酸化モリブデンを使用し、この水素化処理触媒組成物を、三酸化モリブデンとおよび無機酸化物材料およびニッケル化合物との共混練を含む方法によって製造することについては、何ら詳細に記述されていない。
【0004】
米国特許第5,686,375号(Iyer他)には、下層を形成したニッケルおよびモリブデンの被覆層を含む好ましい触媒と共に、下層を形成したVIII族金属成分を含む水素化処理触媒が記述されている。この特許は、多くのニッケルおよびモリブデン化合物が、三酸化モリブデンの前駆体を含む浸漬または共混練のために有用であることを記述しているが、下層を形成したモリブデン成分を有するこの触媒担体の製造において、多孔質耐火性担体材料と三酸化モリブデンとの共混練については具体的に記述されていない。しかし、この特許には、浸漬の代わりに共混練によって下層を形成したニッケル含有担体の上にモリブデンを組み込むことが記載されている。しかしながら、‘375特許においては、無機担体材料を三酸化モリブデンおよびニッケル化合物と共混練し、次いで、得られた混合物を焼成し、これによって触媒材料を形成することによる、重質炭化水素の水素化変換触媒の製造については何らの教示も存在しない。
【0005】
米国特許第6,030,915号(de Boer)には、水素化処理触媒の製造において、再生された使用済み水素化処理触媒の微粉を使用する水素化処理触媒が開示されている。さらに、この特許には、触媒組成物中に組み込まれる水素化金属の水溶性塩を含む浸漬溶液を使用する浸漬によって、追加の水素化金属が触媒組成物に加えられ得ることが示されている。また、触媒組成物中に余分の金属を組み込む代替方法は、固体状態または溶解された金属成分を、再生された使用済み水素化処理触媒の微粉と、バインダーとおよび場合により添加剤の混合物と混合することを含むことが示されている。この固体状金属は、固体のモリブデン酸化物を含み得る。添加剤が、触媒金属化合物であるということは示されていない。この触媒の製造においては、‘915特許は、例えばアルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、チタニアおよび粘土などのバインダーを含み得る、少なくとも一種の添加剤と混合されるための再生の使用済み水素化処理触媒の微粉を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,827,421号明細書
【特許文献2】米国特許第5,686,375号明細書
【特許文献3】米国特許第6,030,915号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
例えば原油残渣などの重質炭化水素供給原料の水素化脱硫において有用であり、重質炭化水素供給原料の重質留分の少なくとも一部のより軽質の炭化水素への変換をもたらす低製造コストの触媒を有することが望まれている。さらに、触媒の使用から生じる、水素化脱硫された重質炭化水素変換生成物が、そのP値によって反映される高い安定性を示すことが望まれている。また、水素化変換触媒は、重質炭化水素供給原料の重質留分の変換をもたらすために典型的に必要とされるより高い温度で、低い失活速度を示すことが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、このようなことから、三酸化モリブデン、ニッケル化合物および無機酸化物材料を含む混合物の成形粒子を焼成することによって製造された焼成混合物を含む、高度に安定な、重質炭化水素の水素化脱硫触媒が提供される。この高度に安定な、重質炭化水素の水素化脱硫触媒は、無機酸化物材料、三酸化モリブデンおよびニッケル化合物を共混練して混合物を形成すること;前記混合物を粒子に成形すること;および前記粒子を焼成して焼成混合物を得ることを含む方法によって製造され得る。さらに、この高度に安定な、重質炭化水素の水素化脱硫触媒は、好適な重質炭化水素の脱硫条件下で重質炭化水素供給原料を、三酸化モリブデン、ニッケル化合物および無機酸化物材料を含む混合物の成形粒子を焼成することによって製造された焼成混合物を含む重質炭化水素の水素化脱硫触媒と接触させること、および脱硫された生成物を得ることを含む、重質炭化水素供給原料の脱硫方法において使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ピッチ変換の関数として本発明の触媒を使用したときの重質炭化水素供給原料の水素化処理から生じる生成物のP値を、比較触媒と比較してプロットしたものを表している。2つのプロットから理解され得るように、本発明の触媒は、比較触媒によって与えられるP値より、さらに高いP値を有する生成物、したがって、さらに安定な生成物を与える。
【図2】本発明の触媒を使用して重質供給原料の88%水素化脱硫のための時間の関数として、計算された重量平均床温度(Weight Average Bed Temperature(WABT))の相対的な値を、比較触媒と比較してプロットしたものを表す。プロット線の傾斜は、触媒活性の安定性を示しており、2つのプロットの相対的な位置は、触媒の相対的な触媒活性を反映している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
硫黄および538℃(1000°F)より高い沸点を有する重質炭化水素を含む重質炭化水素ストリームの水素化脱硫および水素化変換において特に有用である新規な触媒組成物が発見された。この触媒組成物は、たとえこれが、処理される(processed)、または処理される(treated)ための重質炭化水素ストリーム中に含まれる重質炭化水素の高い変換を与えるために水素化脱硫のために典型的に使用される温度より高いプロセス温度条件で使用されても、この脱硫活性における格別の安定性を発揮する。また、この触媒組成物は、代替触媒の使用から生じる水素化変換生成物と比較して低い凝集傾向を有するという意味で高い安定性を示す水素化変換され脱硫された生成物を与える。また、この新規な触媒が与える多くの触媒およびプロセス上の利点は別としても、このものは、触媒組成物を製造する新規な方法によって製造するのに低コストである。
【0011】
本発明の触媒組成物は、三酸化モリブデン、ニッケル化合物および無機酸化物材料を含む混合物の成形粒子を焼成することによって製造される焼成混合物を含む。本発明の触媒のモリブデン成分の少なくとも主要部分は、例えばジモリブデン酸アンモニウムおよびヘプタモリブデン酸アンモニウムなどのモリブデンのある種の塩のような三酸化モリブデンの前駆体とは対照的に、三酸化モリブデンによって供給されることが、本発明の必須の態様である。また、実際に、粒子に成形される混合物は、三酸化モリブデンを使用して製造されることが、本発明の重要な態様である。混合物の形成において使用される三酸化モリブデンは、液状分散物またはスラリー状であり得る、細かく定義された粉末の形であることが好ましい。したがって、粒子に成形され、その後に焼成される混合物は、例えば、モリブデン塩化合物のような三酸化モリブデン以外の形であるモリブデン化合物を実質的に含まないことも包含し得る。
【0012】
「三酸化モリブデン以外の形のモリブデン化合物を実質的に含まない」と称する場合に本明細書において意味するものは、成形粒子に成形され(shaped)、または成形され(formed)、次いで、本明細書中の別のところでさらに詳細に記載されている好適な焼成条件下で焼成された混合物が、例えばモリブデン塩化合物または無機モリブデン化合物のような三酸化モリブデン以外のモリブデン化合物を少量、すなわち、無視し得る量より少ない量しか含まないということである。三酸化モリブデン以外のモリブデン化合物の例は、モリブデン酸アンモニウム、ジモリブデン酸アンモニウム、ヘプタモリブデン酸アンモニウム、酢酸モリブデン、臭化モリブデン、塩化モリブデン、硫化モリブデンおよび炭化モリブデンを含む。したがって、この混合物は、三酸化モリブデン以外のモリブデン化合物を、この混合物の全重量に基づいて2重量%未満しか含まないことが望ましい。この混合物は三酸化モリブデン以外のモリブデン化合物を1重量%未満しか含まないことが好ましく、0.5重量%未満しか含まないことが最も好ましい。
【0013】
本発明の別の実施形態においては、この混合物は、本質的に三酸化モリブデン、ニッケル化合物および無機酸化物材料からなり得る。「から本質的になる」という用語または同様の用語は、この混合物を構成している要素または成分を定義する際に本明細書において使用され、意味しているものは、三酸化モリブデン以外のいかなるモリブデン化合物の実質的な量もこの混合物から除外されるということである。しかし、この用語は、リンの化合物を含む促進成分のような他の化合物の実質的な量が、この混合物の列挙された成分から除外されることを意味することは意図していない。三酸化モリブデン以外のモリブデン化合物の実質的な量は、最終触媒の触媒性能特性に実質的な影響を与える、混合物中に含まれるこのような化合物の量である。これらの触媒性能特性は、本明細書の中のいずれか他のところで詳細に論じられる。
【0014】
混合物中に含まれる三酸化モリブデンの量は、焼成混合物の全重量に基づく重量%で、金属として12重量%(MoOに基づいて18重量%)までの範囲内のモリブデン含有量を有する最終の焼成混合物を与えるような量である必要がある。しかし、混合物中に含まれる三酸化モリブデンの量は、金属として4から11重量%(酸化物として6から16.5重量%)、好ましくは5から10重量%(酸化物として7.5から15重量%)、最も好ましくは6から9重量%(酸化物として9から13.5重量%)の範囲内のモリブデン含有量を有する最終の焼成混合物を与えるような量であることが望ましい。
【0015】
三酸化モリブデン成分に加えて、混合物は、さらにニッケル化合物を含む。混合物のニッケル成分の供給源は、モリブデン成分の供給源ほど本発明の触媒の製造のために重要ではなく、したがって、ニッケル成分は、混合物の他の成分と共に混合することができ、焼成され、最終の焼成混合物を形成する粒子に成形され得る、任意の好適なニッケル化合物から選択され得る。このニッケル化合物は、例えば水酸化ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケルおよび酸化ニッケルを含み得る。
【0016】
混合物中に含まれるニッケル化合物の量は、焼成混合物の全重量に基づく重量%で、金属として4重量%(NiOに基づいて5.1重量%)までの範囲内のニッケル含有量を有する最終の焼成混合物を与えるような量である必要がある。しかし、混合物中に含まれるニッケル化合物の量は、金属として0.5から3.5重量%(酸化物として0.64から4.45重量%)、好ましくは1から3重量%(酸化物として1.27から3.82重量%)、最も好ましくは1.5から2.5重量%(酸化物として1.91から3.18重量%)の範囲内のニッケル含有量を有する最終の焼成混合物を与えるような量であることが望ましい。
【0017】
三酸化モリブデン成分およびニッケル化合物に加えて、混合物は、さらに無機酸化物材料を含む。本発明の触媒に必要とされる表面構造特性をもたらす、あらゆる好適な多孔質無機耐火性酸化物が、混合物の無機酸化物材料成分として使用され得る。可能性のある好適なタイプの多孔質無機耐火性酸化物の例は、シリカ、アルミナおよびシリカ−アルミナを含む。好ましいものは、アルミナまたはシリカ−アルミナである。
【0018】
混合物中に含まれる無機酸化物材料の量は、焼成混合物の全重量に基づく重量%で最終の焼成混合物中に50から95重量%の範囲内の量の無機酸化物材料を与えるような量である。好ましくは、焼成混合物中の無機酸化物材料の量は、60から92重量%、最も好ましくは、70から89重量%の範囲内である。
【0019】
本発明の触媒のモリブデン成分の供給源は、三酸化モリブデンによって主として供給されるべきであるという要件に加えて、ある濃度の硫黄を含む重質炭化水素供給ストリームの水素化変換および脱硫における性能に対して、本発明の触媒の表面特性もまた重要であり得る。本発明の触媒は、特定の狭い範囲内にある平均細孔径を有すること、および後で述べるように、低いマクロ細孔率を有することが重要である。所望の触媒特性を与えるためには、本発明の触媒の平均細孔径は、一般的に85オングストローム(Å)から100Åの範囲内である。好ましくは、この平均細孔径は、86から98オングストロームの範囲内であり、最も好ましくは、87から97オングストロームの範囲内である。
【0020】
本発明の触媒は、前に論じられたように特定の狭い範囲内にある平均細孔径を有することに加えて、触媒の全細孔容積の少ないパーセントしか、本発明の触媒のマクロ細孔率の範囲内に含まれない、低いマクロ細孔率を有するべきである。「マクロ細孔」という用語は、350オングストロームを超える直径を有する触媒組成物の触媒細孔として定義される。本発明の触媒は、全細孔容積の4.5%未満しか、このマクロ細孔の範囲内に含まれないような低いマクロ細孔率を有することが好ましく、全細孔容積の4%未満しか、このマクロ細孔の範囲内に含まれないことがさらに好ましく、全細孔容積の3.5%未満しか、このマクロ細孔の範囲内に含まれないことが最も好ましい。また、本発明の触媒の細孔構造は、全細孔容積の1%未満しか、1000オングストロームより大きい直径を有するこのマクロ細孔の範囲に含まれないことが望ましく、全細孔容積の0.9%未満しか、1000オングストロームより大きい直径を有するマクロ細孔の範囲に含まれないことがさらに望ましく、全細孔容積の0.8%未満しか、1000オングストロームより大きい直径を有するマクロ細孔の範囲に含まれないことが最も望ましい。
【0021】
本発明の触媒のさらに重要な性質は、これが、著しく広い表面積を有することである。本発明の触媒の多くの重要な性能特性に寄与するものは、細孔径の狭い分布と組み合わさった、著しく広い表面積と、本発明の触媒の製造におけるモリブデン供給源としての三酸化モリブデンの使用との特別な組み合わせである。本発明の触媒は、230m/gを超える適度に広い表面積を有することが望ましい。好ましくは、本発明の触媒の表面積は、240m/gを超え、最も好ましくは、これは250m/gを超える。
【0022】
本発明の方法は、前に述べたように、ある濃度の硫黄と重質炭化水素との両方を含む重質炭化水素ストリームの2つ同時進行の(dual)水素化脱硫および水素化変換に使用された場合に特に良好な特性を示す新規な触媒を与えることが見出された。明確には知れられていないけれども、本発明の触媒の有益な触媒特性の多くが、この触媒の新規な製造方法と、このような製造における別のモリブデン供給源の使用とは対照的である、触媒のモリブデン成分の主たる供給源としての三酸化モリブデンの使用に関係していると考えられる。この理由は、三酸化モリブデンが、アルミナと一緒にされた場合、アルミナマトリックス中にそれ自体をさらに効果的に組み入れ、分散させるような酸性の、およびその他の独特な性質を有していることと何らかの関係があると推測される。事実、硫化された本発明の触媒のある種の走査型電子顕微鏡写真の検査は、別のモリブデン含有水素化処理触媒と比較して、減少した高さおよび長さを有する積み重ねで積み重ねられている二硫化モリブデン(MoS)のスラブ(slab)が、著しくより少ない程度しか存在しないことを示唆している。
【0023】
本発明の触媒を製造する本発明の方法は、適切な出発材料を混合して混合物を形成し、この混合物が粒子に成形または塊状化され、次いでこの粒子が焼成され、これによって焼成混合物を得ることを含む。焼成混合物は、それ自体、高度に安定な、2つ同時進行の水素化変換および水素化脱硫の触媒として使用され得る、あるいは、水素による処理または例えば元素状硫黄、硫化水素または有機硫黄化合物などの硫黄または硫黄化合物による処理を含む任意の数の知られた方法によって、使用の前または使用中に活性化され得る。
【0024】
本発明の方法の第一工程は、触媒の出発材料を合わせて、混合物を形成することを含む。混合物の製造における必須の出発材料は、好ましくは乾燥粉末としてまたは分散物またはスラリー中の粒子として存在し得る微粉化粒子の形である三酸化モリブデンならびにアルミナ、シリカおよびアルミナ−シリカからなる群から選択される無機酸化物材料のような無機酸化物材料を含む。また、混合物の形成においては、さらにニッケル成分が、三酸化モリブデンおよび無機酸化物材料と合わせられ得る。ニッケル成分は、乾燥の、または溶液中に溶解されたニッケル塩化合物、あるいは前に記載されたものを含む任意の他のニッケル化合物を含むニッケルの任意の好適な供給源から選択され得る。
【0025】
混合物の形成は、次のものに限定されないが、タンブラー、静止シェルまたはトラフ(troughs)、ミュラーミキサー(muller mixers)(これはバッチ式または連続式のいずれかである。)および衝撃ミキサーのような好適なタイプの固体混合装置の使用、および固体と液体とを混合するためのあるいは押出し可能であるペースト状混合物の形成のためのバッチ式または連続式のこのような好適なタイプのミキサーの使用を含む、当業者に知られた任意の方法または手段によってなされ得る。バッチ式ミキサーの好適なタイプは、次のものに限定されないが、任意の好適なタイプの攪拌ブレードを装着したチェンジキャンミキサー、静止タンクミキサー、双腕混練混合機を含む。連続式ミキサーの好適なタイプは、次のものに限定されないが、一軸または二軸スクリュー押出機、トラフおよびスクリューミキサー(trough−and−screw mixers)およびパグミル(pug mills)を含む。
【0026】
触媒の出発材料の混合は、混合物を適度に均質化するのに必要な任意の好適な時間実行され得る。一般的に、ブレンド時間は、2時間まで、または3時間より長い範囲内であり得る。典型的には、ブレンド時間は、0.1時間から3時間の範囲内である。
【0027】
「共混練(すること)」という用語は、少なくとも列挙された出発材料が一緒に混合され、好ましくは、混合物の個々の成分の実質的に均一または均質な混合物である、混合物の個々の成分の混合物を形成することを意味するために本明細書において広く使用されている。この用語は、任意の知られた押出方法によって押出物粒子に押し出され、または成形されることを可能にする性質を示すペーストを生成するために出発材料を混合することを含むように範囲において十分に広範であることを意図している。しかし、また、この用語は、好ましくは、実質的に均質であり、次のものに限定されないが、成形、錠剤化、圧縮成形、ペレット化、押出およびタンブリングを含む当業者に知られた任意の方法によって、例えば回転楕円体、丸薬状またはタブレット、シリンダ、不規則な押出体または単にゆるく結合した凝集体またはクラスタなどの成形粒子に塊状化され得る混合物を得るための出発材料の混合を包含することを意図している。
【0028】
既に言及したように、触媒のモリブデン供給源の少なくとも主要な部分が、主として三酸化モリブデンであることが本発明の方法の重要な態様である。触媒の出発材料の混合または共混練においては、三酸化モリブデンが、細粉化固体として、または分散体またはスラリー中の細かな粒子として、細かく分割された状態であることが好ましい。触媒の製造において使用される微粒子状三酸化モリブデンの粒子サイズが0.5mm(500ミクロン、μm)未満、好ましくは、0.15mm(150μm)未満、さらに好ましくは、0.1mm(100μm)未満、最も好ましくは、0.075mm(75μm)未満の最大寸法を有することが最善である。
【0029】
確実には知られていないが、本発明の触媒の製造において使用される三酸化モリブデンが、実際にできるだけ小さい粒子の形であることが、本発明にとって有利であると考えられる。したがって、触媒の製造に使用される三酸化モリブデン粒子のサイズの下限があることは望ましくない。しかし、一般に、触媒の製造に使用される三酸化モリブデンの粒径は、0.2ミクロンより大きいこのサイズに下限があると理解されている。したがって、本発明の触媒の製造において混合物の形成において使用される三酸化モリブデンの粒子径は、好ましくは0.2から150μm、さらに好ましくは0.3から100μm、最も好ましくは0.5から75μmの範囲内である。典型的には、乾燥粉末の形であろうと、分散物の形であろうと、その他であろうと、三酸化モリブデン粒子のサイズ分布は、粒子の少なくとも50%が、2から15μmの範囲内に最大寸法を有するような分布である。
【0030】
一旦、触媒の出発材料が、適度に混合され、成形(shapedまたはformed)粒子に成形されると、混合物または成形粒子内に含まれる水または揮発分のある量を除去するために乾燥工程が有利に使用され得る。成形粒子の乾燥は、過剰の水分または揮発分を除去するために、任意の好適な温度で実行され得るが、好ましくは、乾燥温度は、約75℃から250℃の範囲内である。粒子を乾燥する時間は、焼成工程前の粒子の揮発分含有量において所望量の減少をもたらすのに必要な任意の好適な時間である。
【0031】
乾燥または未乾燥の粒子は、例えば空気などの酸素を含む流体の存在下に所望の程度の焼成を達成するのに好適である温度で焼成される。一般に、焼成温度は、450℃(842°F)から760℃(1400°F)の範囲内である。粒子が焼成される温度条件は、最終の焼成混合物の細孔構造を制御するために重要であり得る。成形粒子の中の三酸化モリブデンの存在のために、必要な細孔構造を有する焼成混合物を与えるために必要とされる焼成温度は、無機酸化物材料を含有する他の組成物、特に三酸化モリブデンを含まない組成物を焼成するのに必要とされる典型的温度より高い。しかし、いかなる場合においても、最終の焼成混合物を与えるために成形粒子が焼成される温度は、本明細書に詳細に記載された細孔構造特性を有する最終の焼成混合物を与えるように制御される。好ましい焼成温度は、510℃(950°F)から730℃(1346°F)、最も好ましくは540℃(1004°F)から705℃(1301°F)の範囲内である。
【0032】
焼成混合物は、高いピッチおよび硫黄の含有量を有する重質供給原料ストリームの水素化処理における使用のための高安定性水素化処理触媒として特に有用である。この触媒使用の前に、必要とされないが、焼成混合物は、当業者に知られた任意の方法によって硫化され、または活性化され得る。一般に、炭化水素供給原料の水素化処理におけるこの触媒使用において、焼成混合物は、反応容器によって限定されるような反応帯域内に含有され、この反応帯域で、炭化水素供給原料が好適な水素化処理反応条件下で焼成混合物と接触され、この反応帯域から、処理された炭化水素生成物が生成される。
【0033】
本発明の方法の好ましい炭化水素供給原料は、重質炭化水素供給原料である。重質炭化水素供給原料は、例えば大気圧塔軽油、大気圧塔残油、真空塔軽油および真空塔残油または残渣などの任意の高沸点の石油留分から誘導され得る。ASTM D−1160に示された試験方法を使用することによって測定して、300℃(572°F)を超える5%蒸留温度での沸点、すなわちT(5)を有するとして、一般的に限定され得る重質炭化水素供給原料の水素化処理を提供することが、本発明の方法の特に有用な態様である。本発明は、さらに詳しくは、315℃(599°F)を超えるT(5)および340℃(644°F)を超えるT(5)さえ有する重質炭化水素供給原料の水素化処理を対象とする。
【0034】
重質炭化水素供給原料は、さらに538℃(1000°F)を超える沸点を有するさらに重質の炭化水素を含むことができる。これらのさらに重質の炭化水素は、本明細書においては「ピッチ」と呼ばれ、既に言及したように、本発明の触媒または方法の特別な特徴の1つは、これが重質炭化水素供給原料のピッチ含有量の水素化変換において特に有効である点にあると認められる。重質炭化水素供給原料は、10容量%程度の少ないピッチまたは90容量%程度の多いピッチを含むことができるが、一般に、重質炭化水素供給原料中に含まれるピッチの量は、20から80容量%の範囲内である。また、さらに典型的には、重質炭化水素供給原料中のピッチ含有量は、30から75容量%の範囲内である。
【0035】
重質炭化水素供給原料は、さらにかなり高い硫黄含有量を含むことができる。本発明の特別な特徴の1つは、本発明が、重質炭化水素供給原料の脱硫と、ピッチ炭化水素の沸点よりも低い沸点を有するより軽い炭化水素へのピッチの変換との両方をもたらすことである。重質炭化水素供給原料の硫黄含有量は、主として、例えばメルカプタン、置換または非置換のチオフェン、ヘテロ環状化合物または任意の他のタイプの硫黄含有化合物を含み得る有機硫黄含有化合物の形である。
【0036】
本発明の特徴は、例えば1重量%未満の硫黄含有量のような減少した硫黄含有量を有する、処理された炭化水素生成物を得るために、例えば1重量%を超える硫黄含有量のようなかなり高い硫黄含有量を有する重質供給原料の脱硫を提供することである。本明細書において重質炭化水素供給原料または処理された炭化水素生成物の硫黄含有量を言及する場合、重量%は、試験方法ASTM D−4294の使用によって測定される。本発明の方法は、2重量%を超える硫黄含有量を有する重質炭化水素供給原料の処理に特に有用であり、このような重質炭化水素供給原料については、硫黄含有量は、2から8重量%の範囲内であり得る。本発明の触媒および方法は、3または4重量%すら超え、3から7重量%、またはさらに4から6.5重量%の範囲内である特に高い硫黄含有量を有する重質炭化水素供給原料の処理に特に有用である。
【0037】
本発明の方法は、減少した硫黄およびピッチ含有量を有する処理された炭化水素生成物を生成するように、同時の脱硫およびピッチの変換をもたらすために、重質炭化水素供給原料の水素化処理において本発明の触媒を使用する。この方法において、重質炭化水素供給原料は、好適な水素化脱硫および水素化変換プロセス条件下で本発明の触媒と接触され、処理された炭化水素生成物が生成される。処理された炭化水素生成物は、例えば1重量%未満の硫黄含有量のような、重質炭化水素供給原料の硫黄含有量より低い減少された硫黄含有量を有すべきである。処理された炭化水素生成物の減少した硫黄含有量は、0.8重量%未満であることが好ましく、0.6重量%未満であることが最も好ましい。しかし、本発明の方法は、0.5重量%未満およびさらに0.4重量%未満の減少した硫黄含有量を有する、処理された炭化水素生成物を与えるように重質炭化水素供給原料を効果的に脱硫する能力を有し得ることが認識される。
【0038】
本発明の方法は、重質炭化水素供給原料のピッチ含有量の部分の変換をさらにもたらすことができる。本明細書において「ピッチの変換(conversion of pitch)」または「ピッチ変換(pitch conversion)」または他の同様の用語を呼称する場合、意味するものは、538℃(1000°F)を超える沸点を有する、重質炭化水素供給原料に含まれる炭化水素の部分が、538℃(1000°F)未満の沸点を有する炭化水素へ変換されるということである。本発明の方法の好ましい実施形態において、ピッチ変換は、重質炭化水素供給原料中に含まれるピッチの20容量パーセントを超え、さらに好ましくは、ピッチ変換は、30容量パーセントを超える。最も好ましくは、ピッチ変換は、重質炭化水素供給原料中に含まれるピッチの40容量パーセントを超える。ピッチ変換の実際の上限値は、90容量パーセントであり、さらに典型的には、ピッチ変換の上限値は、60容量パーセントである。したがって、ピッチ変換は、例えば20から90容量パーセント、または30から60容量パーセント、または40から60容量%の範囲内であり得る。
【0039】
さらに高いレベルのピッチ変換では、処理された炭化水素生成物の品質が、悪くなる傾向がある。これは、処理される重質炭化水素供給原料中に含まれるアスファルテン構造の凝集によると思われる。極端な条件では、この凝集は、処理された炭化水素生成物からの固体画分の分離および処理装置表面上への固形分の沈降(laying down)または堆積をもたらし得る。一般に、ピッチ変換の上限は、生成物沈殿が現れ始める点である。このような沈殿の開始を予測するために、独占権のある試験方法および本明細書の他の個所でさらに詳しく述べられるP値試験を含む様々な技術が、石油処理業界において使用されてきている。
【0040】
本発明の方法の高いピッチ変換によって与えられる利点の1つは、ナフサ、蒸留物(ディーゼルおよび灯油)および真空軽油の温度範囲内の沸点を有する炭化水素を含む、処理された炭化水素生成物の生成をもたらすことである。これらの得られた生成物は、他の精製プロセスユニットによって製造された生成物ストリームと一緒に蓄えられ、さらに処理され得る。例えば、本発明の方法の蒸留生成物は、灯油、航空燃料およびディーゼルのような生成物を生ずるようにさらに水素化処理にかけられ、本発明の方法の真空軽油生成物は、例えば流動触媒式接触分解ユニットまたは水素化分解ユニットなどの精製ユニットへの供給原料として使用され得る。特別な市場状況によって、本発明の方法から得られた蒸留物画分は、特に貴重であり得、したがって、ナフサおよび真空軽油のより高い収率とは対照的により高い蒸留物の収率を非常に望ましいものにする。
【0041】
本発明の触媒および方法は、重質炭化水素供給原料のピッチ含有物の顕著な変換をもたらすことに加えて、代替の触媒および方法よりも、蒸留物生成物の増大したさらに大きい収率を与えることができ、したがって、他の代替の物および方法よりも大きな経済的な利益を与えることができる。さらに、本発明の方法は、538℃(1000°F)未満の沸点を有する炭化水素[この炭化水素は、180℃(356°F)から350℃(662°F)の蒸留物沸点の範囲内で沸騰する炭化水素または蒸留物炭化水素へ変換される。]へ変換される、より大きなピッチの割合の重質炭化水素供給原料を提供することができる。したがって、本発明の方法は、蒸留物沸点範囲内で沸騰する炭化水素を含む変換されたピッチの割合が、変換されたピッチの10重量%を超える、処理された炭化水素生成物を与えることができる。本発明の方法は、好ましくは、蒸留物沸点範囲内で沸騰する炭化水素を含む変換されたピッチの割合が、変換されたピッチの14重量%を超える、さらに好ましくは、変換されたピッチの16重量%を超える、最も好ましくは、変換されたピッチの18重量%を超える、処理された炭化水素生成物を与える。本発明の方法のこの特徴は、他の処理と組み合わせて、極端に低い硫黄のディーゼル生成物が製造される場合、特に有益である。この利益は、極端に低い硫黄のディーゼル生成物を製造するためのさらに過酷な水素化処理を不要にする、比較的低い硫黄含有量を有する、多量の生成された蒸留物生成物による。しかし、緩和な水素化脱硫処理が要求され得る。
【0042】
本発明の方法の別の特徴は、脱硫およびピッチ変換を与えることに加え、本発明の方法が、本発明の触媒を使用する方法の処理された炭化水素生成物のミクロ炭素残渣(MCR)含有量における顕著な減少をもたらし得るということである。「ミクロ炭素残渣含有量」は、物質の蒸留および熱分解後に残存する炭素残渣の量を呼称し、試験方法ASTM D4530によって測定される。重質炭化水素供給原料が、かなりのMCR含有量を有する場合、本発明の方法は、重質炭化水素供給原料のMCR含有量より低いMCR含有量を有する、処理された炭化水素生成物を与えることができ、事実、本発明の触媒は、他の従来の触媒より、MCR含有量におけるより大きな減少をもたらすことができる。供給原料のMCR含有量を減少させる能力におけるこの増進は、本発明の方法が、流動触媒式接触分解(FCC)ユニットへの供給原料として使用される予定である、処理された炭化水素生成物またはこの部分を供給しようとしている状況において特に有利である。この利益は、FCCユニットが処理することができるこのような供給原料の量に、FCC供給原料のMCR含有量がかなり影響を与え得るという状態において認められる。一般にFCCユニットは、高いレベルのMCR含有量を有する供給原料より、低いレベルのMCR含有量を有する供給原料をより多くの量処理することができる。
【0043】
本発明の方法においては、重質炭化水素供給原料は、6%を超えるMCR値を有し得る。本発明の方法は、8%、さらには10%を超えるMCR値を有する重質炭化水素供給原料を処理することにおいて特に有用である。処理された炭化水素生成物は、6%未満、好ましくは、5%未満、より好ましくは、4%未満のMCR値を有することができる。
【0044】
重質炭化水素供給原料の水素化変換における、従来技術の水素化変換触媒の使用による1つの短所は、得られた生成物が低いP値を有する傾向があるということである。P値(解膠値(peptization value))は、炭化水素混合物中に含まれるアスファルテンの凝集傾向の指標である数値である。P値の測定は、J.J.Heithausによる「Measurement and Significance of Asphaltene Peptization」、Journal of Institute of Petroleum、第48巻、第458号、1962年2月、第45−53頁(この刊行物は、参照によって本明細書に組み込まれる。)において記載された方法である。
【0045】
炭化水素混合物にとって高いP値は、この混合物が安定であることを示し、炭化水素混合物にとって低いP値は、炭化水素混合物に含まれるアスファルテンの沈殿のより大きい傾向が存在することにおいてこの混合物が安定でないことを示している。水素化変換された生成物のP値は、変換される重質炭化水素供給原料のピッチ成分のパーセントが増加するのに応じて下降する傾向があり、その結果、沈殿物を形成するより高い傾向を示すことが認められる。しかし、本発明の触媒および方法が、多量のピッチ変換をもたらし、さらに1.25を超える許容され得る高いP値すら有する、処理された炭化水素生成物を与えるということは、本発明の触媒および方法の利点の1つである。本触媒および本方法は、30容量%を超えるピッチ変換を与えることができ、しかも1.25を超えるP値を有する処理された炭化水素生成物を与えることができる。本発明の触媒および方法によって与えられる重質炭化水素供給原料のピッチ変換が30容量パーセントを超える場合、処理された炭化水素生成物のP値は、1.5を超えることが好ましく、さらに好ましくは、1.75を超え、最も好ましくは、2を超えることである。いくつかの例において、重質炭化水素供給原料のP値は、1未満であり得る。
【0046】
本発明の焼成混合物(触媒)は、水素の存在および上昇された全圧力および温度を含み得る好適な水素化処理条件下で、触媒と重質炭化水素供給原料との接触を与える任意の好適な反応器システムの一部として使用され得る。このような好適な反応システムは、固定触媒床システム、沸騰触媒床システム、スラリー触媒システムおよび流動化触媒床システムを含むことができる。好ましい反応器システムは、反応容器中に重質炭化水素供給原料を導入するための、例えば供給ノズルなどの反応器供給入口手段および反応容器から反応器排出物または処理された炭化水素生成物を取り出すための、例えば排水出口ノズルなどの反応器排水出口手段を備えた反応容器中に含まれる本発明の触媒の固定床を含む。
【0047】
本発明の方法は、一般に、2298kPa(300psig)から20,684kPa(3000psig)、好ましくは、10,342kPa(1500psig)から17,237kPa(2500psig)、さらに好ましくは、12,411kPa(1800psig)から15,513kPa(2250psig)の範囲内の水素化処理(水素化変換および水素化脱硫)反応圧力で稼働する。
【0048】
水素化処理反応温度は、一般に、340℃(644°F)から480℃(896°F)、好ましくは、360℃(680°F)から455℃(851°F)、最も好ましくは、380℃(716°F)から425℃(797°F)の範囲内である。
【0049】
重質炭化水素供給原料が本発明の方法の反応帯域に仕込まれる流量は、一般に、0.01時間−1から3時間−1の範囲内の液体毎時空間速度(LHSV)を与えるような流量である。本明細書において使用される「液体毎時空間速度」という用語は、時間あたり容量で、重質炭化水素供給原料が、本発明の方法の反応帯域に仕込まれる割合を、重質炭化水素供給原料が仕込まれた反応帯域中に含まれる触媒の容量で割算した数値の比率を意味する。好ましいLHSVは、0.05時間−1から2時間−1、さらに好ましくは、0.1時間−1から1.5時間−1、最も好ましくは、0.2時間−1から0.7時間−1の範囲内である。
【0050】
本発明の方法の反応帯域には、重質炭化水素供給原料と共に水素を仕込むことが好ましい。この場合、水素は、時々「水素処理ガス」と呼称される。水素処理ガス速度は、反応帯域に仕込まれる重質炭化水素供給原料の量に対する水素の量であり、一般に、1781m/m(10,000SCF/bbl)までの範囲内である。処理ガス速度は、89m/m(500SCF/bbl)から1781m/m(10,000SCF/bbl)の範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは、178m/m(1,000SCF/bbl)から1602m/m(9,000SCF/bbl)、最も好ましくは、356m/m(2,000SCF/bbl)から1425m/m(8,000SCF/bbl)の範囲内である。
【0051】
次の実施例は、本発明をさらに説明するために提供されるが、これらは、本発明の範囲を限定するように解釈されるべきではない。
【実施例】
【0052】
実施例I
この実施例Iは、触媒Aの製造を記述する。
【0053】
触媒A
最初に、シリカ2%インターステージ(interstage)アルミナ3209重量部、脱イオン水99重量部中に溶解された硝酸ニッケル(Ni(NO)287重量部、三酸化モリブデン粉末(MoO)269重量部および粉砕された再生Ni/Mo/P水素化処理触媒652重量部を、69.9%の濃硝酸130重量部および市販の押出し助剤30グラムと一緒にミュラーミキサーの中で一緒にすることによって触媒Aを製造した。混合中にこれらの成分に対して合計2948重量部の水を加えた。これらの成分を約40分間混合した。この混合物は、4.08のpHおよび55.7重量%のLOIを有していた。次いで、この混合物を1.3mmの三葉形ダイを使用して押し出し、1.3の三葉形押出物粒子を形成した。次いで、この押出物粒子を100℃の温度で空気中において数時間の間乾燥した。
【0054】
乾燥した押出物粒子のアリコート部分を426℃(800°F)、566℃(1050°F)、677℃(1250°F)または732℃(1350°F)の温度でそれぞれ2時間の間、空気中において焼成した。最終の焼成混合物は、ニッケル金属2.2重量%(NiOとして2.8重量%)、モリブデン金属7.9重量%(MoOとして11.85重量%)および2%シリカ/アルミナ85.45重量%を含んでいた。次の表1は、それぞれの焼成温度で焼成した、乾燥押出物粒子のある性質を示す。表1に示した細孔特性からわかるように、1000オングストローム以上の細孔径を有するマクロ細孔に含まれる全細孔容積のパーセントは、1パーセント未満である。
【0055】
【表1】

【0056】
実施例II(コンスタントな硫黄変換例)
この実施例IIは、実施例Iに記載された触媒を試験する際に使用される方法の1つを説明する。この方法は、かなりの硫黄濃度を有する供給原料の処理し、特定された硫黄濃度を有する生成物を得るために準備された。反応器生成物中の一定の硫黄濃度を維持するために反応器温度を調節した。
【0057】
ID(内径)1.5875cm(5/8インチ)×127cm(50インチ)のステンレススチール管状反応器中に触媒Aおよび市販の水素化脱金属触媒を、触媒床の底部に置かれた触媒Aからなる床66.7容量%および触媒床の最上部に置かれた水素化脱金属触媒からなる床33.3容量%を有する積み上げ床配置で装着した。
【0058】
この管状反応器には、触媒床の中に同心状に挿入された0.635cm(1/4インチ)の温度計保護管の中に配置された熱電対を備え付けられ、反応管は、長さ132cm(52インチ)の5−領域の炉(この領域のそれぞれが、熱電対からの信号に基づいて別々に制御されている。)の中に保持された。
【0059】
400°Fまで、100°F/時間の速度で反応器温度を増加して高くしながら、LHSV1.5の速度で、反応器に、周囲の圧力でHS5容量%およびH95容量%のガス混合物を供給することによって、この積み上げられた触媒床の触媒を活性化した。この触媒床を400°Fで2時間保持し、次いで、温度を600°Fまで、100°F/時間の速度で温度を増加して上昇させ、この温度で1時間保持した後、再び温度を700°Fまで、75°F/時間の速度で反応温度を増加して上昇させ、この温度で2時間保持後、触媒床温度を周囲温度まで冷却した。次いで触媒床を1000psigで、純粋な水素で加圧し、触媒床の温度を400°Fまで、100°F/時間の速度で増加して上昇させた。次いで、反応器の温度を400°Fに1時間保持しながら、供給原料を反応器に仕込んだ。次いで、触媒床の温度を700°Fまで、50°F/時間の速度で増加し上昇させ、この点から運転を開始した。
【0060】
反応器に仕込まれた供給原料は、中東の長期残渣であった。ASTM方法D7169によって測定された供給原料の蒸留特性を、表2に示す。表3は、供給原料のある種の他の特性を示す。
【0061】
【表2】

【0062】
【表3】

【0063】
反応器に水素ガスと共に供給原料を仕込んだ。1900psigの圧力で反応器を維持し、液体毎時空間速度(LHSV)0.33時間−1を与えるような速度で、反応器に供給原料を仕込み、3,000SCF/bblの速度で水素を供給した。0.52重量%の硫黄含有量を有する生成物を与えるように反応器の温度を設定した。
【0064】
本発明の触媒Aは、処理された供給原料の硫黄含有量よりかなり減少した硫黄含有量を有する生成物を与える。触媒の水素化脱硫活性をかなりの時間にわたって一定に保持しながら、生成物の硫黄含有量は、0.6重量%未満であった。
【0065】
実施例III
この実施例IIIは、触媒Bの製造を記述する。
【0066】
触媒B
最初にDI(脱イオン)水87部中にNi(NO・6HO252重量部を溶解させ、透明になるまで溶液を加熱することによって触媒Bを製造した。別に、MoO281重量部を、アルミナ(アルミナ98%中にシリカ2%)3209部、および新鮮で、粉砕され、篩い分けられた市販のNi−Mo−P触媒(アルミナ含有)639部と一緒にし、ミュラー中で一緒に合わせた。ミュラーを稼動させながら、DI水2905部、ニッケル溶液および硝酸19部(濃度69.8%)を混練ミックスに加えた。この混合物を合計35分間混練した。この混合物は、pH4.18およびLOI56.6重量%を有していた。次いで、1.3mm三葉形ダイを使用してこの混合物を押し出し、1.3三葉形押出物粒子を形成した。次いで、この押出物粒子を100℃の温度で空気中において数時間の間乾燥した。
【0067】
乾燥した押出物粒子のアリコート部分を800°F、1000°Fおよび1200°Fの温度でそれぞれ2時間の間、空気中において焼成した。最終の焼成混合物は、ニッケル金属2.2重量%(NiOとして2.8重量%)、モリブデン金属7.9重量%(MoOとして11.85重量%)、リン0.34%(五酸化リンとして0.55重量%)および2%シリカ/アルミナ84.8重量%を含んでいた。次の表4は、それぞれの焼成温度で焼成した、乾燥押出物粒子のある種の性質を示す。
【0068】
【表4】

【0069】
実施例IV(一定の反応器温度例)
この実施例は、実施例IIIに記載された触媒を試験する際に使用する方法の1つを記述する。この方法は、かなりの硫黄およびピッチの含有量を有する供給原料を処理し、減少した硫黄およびピッチの含有量を有する生成物および安定な生成物液体を得るために準備された。この反応を行う際、反応器温度は一定に保持し、硫黄含有量、ピッチ含有量および生成物液体品質を監視した。
【0070】
この試験を行うために、多筒式反応器を使用した。加熱ブロックは、それぞれが、ID(内径)0.59インチ×長さ23.625インチの321ステンレススチール管である4個の平行な管状反応器を含んでいた。加熱ブロックを制御するために、4個の反応器全てを包み込む単一の温度コントローラーを使用した。管状反応器のそれぞれに、触媒床の底部に位置する触媒B30cmおよび触媒床の最上部に位置する市販の水素化脱金属触媒6cmを有する積み上げ床配置で装着した。この反応器の1つには、他の運転に使用され、RN−650(触媒C)と呼ばれるCriterion Catalyst Companyの市販のアルミナに担持されたニッケルおよびモリブデンの水素化脱硫触媒製品および残りの底部部分に市販のHDM触媒を装着した。
【0071】
400°Fまで、100°F/時間の速度で反応器温度を増加して上昇させながら、SLPH30の速度で、反応器に、周囲の圧力でHS5容量%およびH95容量%のガス混合物を供給することによって、この積み重ねられた触媒床の触媒を活性化した。この触媒床を400°Fで2時間保持し、次いで、温度を600°Fまで、100°F/時間の速度で温度を増加して上昇させ、この温度で2時間保持した後、再び温度を700°Fまで、50°F/時間の速度で温度を増加して上昇させ、この温度で2時間保持後、400°Fの触媒床温度に冷却した。
【0072】
反応器に仕込まれた供給原料は、中東の原油であった。ASTM方法D7169によって測定された供給原料の蒸留特性を、表5に示す。表6は、供給原料のある種の他の特性を示す。
【0073】
【表5】

【0074】
【表6】

【0075】
反応器に、水素ガスと共に供給原料を仕込んだ。1900psigの圧力で反応器を維持し、液体毎時空間速度(LHSV)0.6時間−1を与えるような速度で、反応器に供給原料を仕込み、3,000SCF/bblの速度で水素を供給した。反応器の温度を725°Fに約1ヶ月間固定し、次いで、残りの期間752°Fに上げた。
【0076】
本発明の触媒Bおよび比較触媒Cを使用する方法について、供給原料のピッチ変換の関数として生成物のP値をプロットしたもの(実験データに基づいて推測される一次関数)を図1に示す。図1に示されるデータから観察されるように、本発明の触媒Bは、比較触媒Cよりもかなり高いP値によって反映される生成物安定性を与える。稼働の両方の温度において、本発明の触媒は、より高いピッチ変換およびより高い生成物P値を与える。比較触媒は、ピッチ変換が65%に近づく場合、本発明の触媒よりもより安定でない生成物を与え、かなり高いピッチ変換で安定な生成物を与える。
【0077】
実施例V
この実施例Vは、触媒Dおよび比較触媒Eの製造を記述する。
【0078】
触媒D
最初にミュラーミキサー中でシリカ2%インターステージアルミナ4047重量部、脱イオン水138重量部中に溶解された硝酸ニッケル(Ni(NO)378重量部および三酸化モリブデン粉末(MoO)418重量部を一緒に合わせることによって触媒Dを製造した。混合中にこれらの成分に対して、合計3807重量部の水を加えた。これらの成分を約45分間混合した。この混合物は、pH4.75およびLOI59.6重量%を有していた。次いで、1.3mm三葉形ダイを使用してこの混合物を押し出し、1.3三葉形押出物粒子に成形した。次いで、この押出物粒子を100℃の温度で空気中において数時間の間乾燥した。
【0079】
乾燥した押出物粒子のアリコート部分を1000°F、1250°F、1300°Fおよび1350°Fの温度でそれぞれ2時間の間、空気中において焼成した。最終の焼成混合物は、ニッケル金属2.2重量%(NiOとして2.8重量%)、モリブデン金属7.9重量%(MoOとして11.85重量%)および2%シリカ/アルミナ85.45重量%を含んでいた。次の表7は、1250°Fの焼成温度で焼成した、乾燥押出物粒子のある種の性質を示す。
【0080】
【表7】

【0081】
触媒E
アルミナ粉末4104部を、水酸化ニッケルとしてのニッケル127部と合わせ、短く混練することによって比較触媒Eを製造した。ミュラーを稼動させながら、脱イオン水4104部を加え、ミュラー混合物を55分間混練した。次いで、ジモリブデン酸アンモニウム(すなわち、モリブデン塩)としてのモリブデンを加え、さらに5分間混練した。この混合物は、pH7.23およびLOI59重量%を有していた。次いで、1.3mm三葉形ダイを使用してこの混合物を押し出し、1.3三葉形押出物粒子に成形した。次いで、この押出物粒子を100℃の温度で空気中において数時間の間乾燥した。
【0082】
乾燥した押出物粒子のアリコート部分を1000°Fおよび1200°Fの温度でそれぞれ2時間の間、空気中において焼成した。最終の焼成混合物は、ニッケル金属2.2重量%(NiOとして2.8重量%)、モリブデン金属7.9重量%(MoOとして11.85重量%)およびアルミナ85.35重量%を含んでいた。次の表8は、1250°Fの焼成温度で焼成した、乾燥押出物粒子のある種の性質を示す。
【0083】
【表8】

【0084】
実施例VI(一定の温度での長期試験)
この実施例VIは、実施例Vに記載された触媒を試験する際に使用された方法の1つを記述する。この方法は、かなりの硫黄およびMCRの含有量を有する供給原料を処理し、減少した硫黄含有量を有する生成物を得るために準備した。これらの反応を行う際に反応器温度を一定に保持し、生成物の硫黄含有量を監視した。
【0085】
この試験を行うために、多筒式反応器を使用した。加熱ブロックは、それぞれが、ID(内径)0.59インチ×長さ23.625インチの321ステンレススチール管である4個の平行な管状反応器を含んでいた。加熱ブロックを制御するために、4個の反応器全てを包み込む単一の温度コントローラーを使用した。管状反応器のそれぞれに、触媒床の底部に位置する試験される触媒(触媒DまたはEのいずれか)30cmおよび触媒床の最上部に位置する市販の水素化脱金属触媒6cmを有する積み上げ床配置で装着した。
【0086】
400°Fまで、100°F/時間の速度で反応器温度を増加して上昇させながら、SLPH30の速度で、反応器に周囲の圧力でHS5容量%およびH95容量%のガス混合物を供給することによって、この積み重ねられた触媒床の触媒を活性化した。この触媒床を400°Fで2時間保持し、次いで、温度を600°Fまで、100°F/時間の速度で反応温度を増加して上昇させ、この温度で2時間保持した後、再び温度を700°Fまで、50°F/時間の速度で反応温度を増加して上昇させ、この温度で2時間保持後、400°Fの触媒床温度に冷却した。
【0087】
反応器に仕込まれた供給原料は、中東の原油であった。ASTM方法D7169によって測定された供給原料の蒸留特性を、表9に示す。表10は、供給原料のある種の他の特性を示す。
【0088】
【表9】

【0089】
【表10】

【0090】
反応器に、水素ガスと共に供給原料を仕込んだ。1900psigの圧力で反応器を維持し、液体毎時空間速度(LHSV)0.6時間−1を与えるような速度で、反応器に供給原料を仕込み、3,000SCF/bblの速度で水素を供給した。反応器の温度を725°Fまたは752°Fに固定した。
【0091】
本発明の触媒Dおよび比較触媒Eについての稼働時間の関数としての供給原料の水素化脱硫88重量%に必要とされる、計算された重量平均床温度(WABT)の相対的な値をプロットしたものを図2に示す。図1に示されたデータから観察されるように、本発明の触媒Dは、比較触媒Eの活性より時間にわたってかなり高い触媒活性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機酸化物材料、三酸化モリブデンおよびニッケル化合物を共混練して、混合物を形成すること;
前記混合物を粒子に成形すること;および
前記粒子を焼成して、焼成混合物を得ること
を含む、高度に安定な、重質炭化水素の水素化脱硫触媒の製造方法。
【請求項2】
前記焼成工程が、焼成温度が約600℃(1112°F)から約760℃(1400°F)の範囲内である、制御された温度条件下で、所望の細孔構造を有する前記焼成混合物を得るのに有効な焼成時間実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記所望の細孔構造が、前記焼成混合物の全細孔容積の少なくとも70%が70オングストロームから150オングストロームの範囲内の細孔径を有する前記焼成混合物の細孔中に存在するような、前記焼成混合物についての細孔サイズ分布を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記混合物が、三酸化モリブデン、ニッケル化合物および無機酸化物材料から本質的になる、請求項1、2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記混合物が、モリブデン塩化合物を含まない材料を有する、請求項1、2、3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記共混練工程が、前記混合物が3から6の範囲内に維持されたpHを有するように実施される、請求項1、2、3、4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記焼成混合物が、MoO換算のモリブデンと焼成混合物の全重量とに基づく重量%を用いると4重量%から18重量%の範囲内のモリブデン含有量ならびにNiO換算のニッケルと焼成混合物の全重量とに基づく重量%を用いると1重量%から5.1重量%の範囲内のニッケル含有量を有する、請求項1、2、3、4、5または6に記載の方法。
【請求項8】
三酸化モリブデン、ニッケル化合物および無機酸化物材料を含む混合物の成形粒子を焼成することによって製造された焼成混合物
を含む、高度に安定な、重質炭化水素の水素化脱硫触媒。
【請求項9】
前記焼成混合物が、MoO換算のモリブデンと焼成混合物の全重量とに基づく重量%を用いると4重量%から18重量%の範囲内のモリブデン含有量ならびにNiO換算のニッケルと焼成混合物の全重量とに基づく重量%を用いると1重量%から5.1重量%の範囲内のニッケル含有量を有する、請求項8に記載の高度に安定な、重質炭化水素の水素化脱硫触媒。
【請求項10】
前記焼成混合物が、前記焼成混合物の全細孔容積の少なくとも70%が70オングストロームから150オングストロームの範囲内の細孔径を有する前記焼成混合物の細孔中に存在するような細孔サイズ分布を有する、請求項8または9に記載の高度に安定な、重質炭化水素の水素化脱硫触媒。
【請求項11】
前記焼成混合物が、重質炭化水素供給原料の脱硫に使用された場合、1.5を超えるP値を示す脱硫生成物を生じるような特性を有する、請求項8、9または10に記載の高度に安定な、重質炭化水素の水素化脱硫触媒。
【請求項12】
好適な、重質炭化水素の脱硫条件下で重質炭化水素供給原料を請求項8から11に記載の触媒のいずれか1つまたは請求項1から7に記載の方法によって製造された触媒のいずれか1つと接触させることを含む、重質炭化水素供給原料の脱硫方法。
【請求項13】
前記重質炭化水素供給原料が、1未満の重質炭化水素供給原料P値を有することを特徴とし、前記処理された炭化水素生成物が、1.25を超える処理された炭化水素生成物のP値を有することを特徴とする、請求項12に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−56333(P2013−56333A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−220097(P2012−220097)
【出願日】平成24年10月2日(2012.10.2)
【分割の表示】特願2009−523036(P2009−523036)の分割
【原出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(590002105)シエル・インターナシヨナル・リサーチ・マートスハツペイ・ベー・ヴエー (301)
【Fターム(参考)】