高忠実度制限エンドヌクレアーゼ
スター活性が低く、特定緩衝液中の忠実度指数(FI)が同一緩衝液中の非変異酵素のFIよりも高い変異体酵素を作製するための方法及び組成物を提供する。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
制限エンドヌクレアーゼは2本鎖DNAを配列特異的に切断する酵素である(Roberts,R.J.Proc Natl Acad Sci U S A 102:5905−5908(2005);Roberts,et al.Nucleic Acids Res 31:1805−1812(2003);Roberts,et al.Nucleic Acids Res 33:D230−232(2005);Alves,et al.Restriction Endonucleases,“Protein Engineering of Restriction Enzymes,”ed.Pingoud,Springer−Verlag Berlin Heidelberg,New York,393−407(2004))。これらは原核生物に遍在しており(Raleigh,et al.,Bacterial Genomes Physical Structure and Analysis,Ch.8,eds.De Bruijin,et al.,Chapman & Hall,New York,78−92(1998))、主にエンドヌクレアーゼとメチルトランスフェラーゼから構成される制限修飾系の一部を形成している。系のメチルトランスフェラーゼは対を成すエンドヌクレアーゼが認識する配列と同一の特定配列をメチル化し、修飾されたDNAをエンドヌクレアーゼによる切断に対して耐性にし、宿主DNAを適切に防御することができる。他方、外来DNA、特にバクテリオファージDNAの侵入があると、外来DNAは完全にメチル化される前に分解される。制限修飾系の主要な生物学的機能は宿主をバクテリオファージ感染から防御することである(Arber Science 205:361−365(1979))。組換えと転位への関与等の他の機能も示唆されている(Carlson,et al.Mol Microbiol,27:671−676(1998);Heitman,Genet Eng(N Y)15:57−108(1993);McKane,et al.Genetics 139:35−43(1995))。
【0002】
制限エンドヌクレアーゼは約3,000種が知られており、250種を越えるその異なる標的配列に対する特異性をその最も興味深い特徴であるとみなすことができる。最初の制限エンドヌクレアーゼの配列特異性(Danna,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A 68:2913−2917(1971);Kelly,et al.,J Mol Biol 51:393−409(1970))が発見されてから、所定の制限エンドヌクレアーゼが非最適条件下でその指定認識配列と同一ではないが、類似する配列を切断することを科学者らが発見するまでに時間はかからなかった(Polisky,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A,72:3310−3314(1975);Nasri,et al.,Nucleic Acids Res 14:811−821(1986))。この特異性のゆらぎを制限エンドヌクレアーゼのスター活性と言う。
【0003】
スター活性は分子生物学的反応における課題である。スター活性はクローニングベクター又は他のDNAに望ましくない切れ目を導入する。固有の指紋を作成するために所定のDNA基質を制限エンドヌクレアーゼにより切断する必要がある法廷用途等の場合、スター活性は切断パターンプロファイルを変化させ、分析を複雑にする。スター活性の回避は鎖置換増幅(Walker,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A,89:392−396(1992))や、遺伝子発現の順次解析(Velculescu,et al.,Science 270:484−487(1995))等の用途でも重要である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Roberts,R.J.Proc Natl Acad Sci U S A 102:5905−5908(2005)
【非特許文献2】Roberts,et al.Nucleic Acids Res 31:1805−1812(2003)
【非特許文献3】Roberts,et al.Nucleic Acids Res 33:D230−232(2005)
【非特許文献4】Alves,et al.Restriction Endonucleases,“Protein Engineering of Restriction Enzymes,”ed.Pingoud,Springer−Verlag Berlin Heidelberg,New York,393−407(2004)
【非特許文献5】Raleigh,et al.,Bacterial Genomes Physical Structure and Analysis,Ch.8,eds.
【非特許文献6】De Bruijin,et al.,Chapman & Hall,New York,78−92(1998)
【非特許文献7】Arber Science 205:361−365(1979)
【非特許文献8】Carlson,et al.Mol Microbiol,27:671−676(1998)
【非特許文献9】Heitman,Genet Eng(N Y)15:57−108(1993)
【非特許文献10】McKane,et al.Genetics 139:35−43(1995)
【非特許文献11】Danna,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A 68:2913−2917(1971)
【非特許文献12】Kelly,et al.,J Mol Biol 51:393−409(1970)
【非特許文献13】Polisky,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A,72:3310−3314(1975)
【非特許文献14】Nasri,et al.,Nucleic Acids Res 14:811−821(1986)
【非特許文献15】Walker,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A,89:392−396(1992)
【非特許文献16】Velculescu,et al.,Science 270:484−487(1995)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1実施形態では、制限エンドヌクレアーゼ及びその変異体の忠実度指数(FI)の同定方法として、反応バッファーと、制限エンドヌクレアーゼの結合・切断部位を含むDNA基質を選択する段階と;順次希釈した制限エンドヌクレアーゼ又はその変異体にDNA基質を切断させる段階と;制限エンドヌクレアーゼ及びその1種以上の変異体の各々のFIを求める段階を含む方法を提供する。
【0006】
1実施形態において、前記方法は更に、制限エンドヌクレアーゼとその変異体のFIを比較し、変異体に例えば2倍を上回る改善倍率を得る段階を含む。
【0007】
本発明の1実施形態では、酢酸カリウム、トリス酢酸及び酢酸マグネシウム、又は塩化マグネシウムを含む緩衝液を選択する。
【0008】
他の実施形態を以下に挙げる。
(a)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号1を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がS36、K77、P154、E163、Y165及びK185から構成される群から選択される前記組成物。
(b)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号2を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がK198及びQ148から構成される群から選択される前記組成物。
(c)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号3を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がS15、H20、E34、M58、Q95、R106、K108、T181、R187及びR199から構成される群から選択される前記組成物。
(d)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号4を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がD16、D148及びE132から構成される群から選択される前記組成物。
(e)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号5を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がK75、N146及びD256から構成される群から選択される前記組成物。
(f)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号6を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がE198及びD200から構成される群から選択される前記組成物。
(g)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号7を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がK229、E025、R034及びQ261から構成される群から選択される前記組成物。
(h)変異の位置がK225である配列番号8を含む酵素を含む組成物。
(i)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号9を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がH137、D177、K363、K408、R411、Q215、Q226及びQ230から構成される群から選択される前記組成物。
(j)変異の位置がF376である配列番号10を含む酵素を含む組成物。
(k)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号11を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がR78、T140、E152、R199及びF217から構成される群から選択される前記組成物。
(l)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号12を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がG26、P105、T195、Q210、Y147、Y193、K114、T197、S245、D252及びY027から構成される群から選択される前記組成物。
(m)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号13を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がH10、N208、K48、K74、R75、Y56、K58及びM117から構成される群から選択される前記組成物。
(n)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号14を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がK014、Q069、E099、R105、R117、G135及びY035から構成される群から選択される前記組成物。
(o)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号15を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がN106、Q169、E314及びR126から構成される群から選択される前記組成物。
(p)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号16を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がT20、P52、Y67、K68、R75、E86、Q90、S91、Q93、H121及びG172から構成される群から選択される前記組成物。
(q)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号17を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がE059、P065、S108、N172、K174、Q179、G182及びY055から構成される群から選択される前記組成物。
(r)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号18を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置N212及びL213がから構成される群から選択される前記組成物。
(s)N65位に変更を有する配列番号19を含む酵素を含む組成物。
(t)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号20を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がE007、D011、E049、R073、R114、G137、S210及びR213から構成される群から選択される前記組成物。
(u)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号21を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がP079、E086、H096及びE218から構成される群から選択される前記組成物。
(v)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号22を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がE32、S081、G132、F60及びS61から構成される群から選択される前記組成物。
(w)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号23を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がG013、G016、K018、P052、R053、K070、E071、D072、G073、S84、E086、R090、K094、R095、P099、P103、K113、N135、S151、P157、G173、T204、S206、K207、E233、N235、E237、S238、D241、K295、S301及びS302から構成される群から選択される前記組成物。
(x)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号24を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がS64、S80、S162、T77/T96及びN178から構成される群から選択される前記組成物。
(y)R232位を変異させた配列番号25を含む酵素を含む組成物。
(z)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号26を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がS50、Y81、N93及びW207から構成される群から選択される前記組成物。
(aa)G26位に変更を有する配列番号27を含む酵素を含む組成物。
(bb)E112/R132位に変更を有する配列番号28を含む酵素を含む組成物。
(cc)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号29を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がN016、S33、P36、H76、P87、N89、R90、T138、K141、K143、Q221、Q224、N253、Q292、R296、T152、G326及びT324から構成される群から選択される前記組成物。
(dd)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号30を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がK024、P214、E146、N251及びY095から構成される群から選択される前記組成物。
(ee)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号31を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がG075、Q099、G155、P022及びR90から構成される群から選択される前記組成物。
(ff)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号32を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がS097及びE125から構成される群から選択される前記組成物。
(gg)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号33を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がK021、I031及びT120から構成される群から選択される前記組成物。
(hh)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号34を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がK7、T10、N11、N14、Q232及びT199から構成される群から選択される前記組成物。
(ii)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号35を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がP92、P144、G197及びM198から構成される群から選択される前記組成物。
【0009】
上記組成物のいずれも、変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつことを更に特徴とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】図1A及び1BはPvuI−HFとPvuI−WTの活性の比較を示す。図1A中、星(*)印はその左側でスター活性が検出されなくなるレーン(レーン2)を示す。番号(#)記号はその右側で部分消化が生じるレーン(レーン8)を示す。PvuI−WTの出発濃度を計算した処、77単位であった。図1Bでは、レーン15まで完全消化が認められ、その後、スター活性が認められた。完全消化を可能にする希釈窓(window of dilution)は希釈系列で6倍希釈から15倍希釈まで拡大した。PvuI−HFの出発濃度を計算した処、少なくとも9600単位であった。
【図1B】図1A及び1BはPvuI−HFとPvuI−WTの活性の比較を示す。図1A中、星(*)印はその左側でスター活性が検出されなくなるレーン(レーン2)を示す。番号(#)記号はその右側で部分消化が生じるレーン(レーン8)を示す。PvuI−WTの出発濃度を計算した処、77単位であった。図1Bでは、レーン15まで完全消化が認められ、その後、スター活性が認められた。完全消化を可能にする希釈窓(window of dilution)は希釈系列で6倍希釈から15倍希釈まで拡大した。PvuI−HFの出発濃度を計算した処、少なくとも9600単位であった。
【図2A】図2A及び2BはHindIII−HFとHindIII−WTの活性の比較を示す。図2A中、星(*)印はその左側でスター活性が検出されなくなるレーン(レーン9)を示す。番号(#)記号はその右側で部分消化が生じるレーン(レーン15)を示す。HindIII−WTの出発濃度を計算した処、9,600単位であった。図2Bでは、レーン13まで完全消化が認められ、その後、スター活性が認められる。完全消化を可能にする希釈窓は希釈系列で6倍希釈から13倍希釈まで拡大した。HindIII−HFの出発濃度を計算した処、少なくとも2,400単位であった。
【図2B】図2A及び2BはHindIII−HFとHindIII−WTの活性の比較を示す。図2A中、星(*)印はその左側でスター活性が検出されなくなるレーン(レーン9)を示す。番号(#)記号はその右側で部分消化が生じるレーン(レーン15)を示す。HindIII−WTの出発濃度を計算した処、9,600単位であった。図2Bでは、レーン13まで完全消化が認められ、その後、スター活性が認められる。完全消化を可能にする希釈窓は希釈系列で6倍希釈から13倍希釈まで拡大した。HindIII−HFの出発濃度を計算した処、少なくとも2,400単位であった。
【図3A】図3A及び3BはDraIII−HFとDraIII−WTの活性の比較を示す。図3A中、星(*)印はその左側でスター活性が検出されなくなるレーン(レーン12)を示す。番号(#)記号はその右側で部分消化が生じるレーン(レーン12)を示す。スター活性も部分消化DNAも認められなかった。DraIII−WTの出発濃度を計算した処、1,200単位であった。図3Bでは、レーン12まで完全消化が認められ、その後、スター活性が認められる。DraIII−HFの出発濃度を計算した処、少なくとも1,200単位であった。
【図3B】図3A及び3BはDraIII−HFとDraIII−WTの活性の比較を示す。図3A中、星(*)印はその左側でスター活性が検出されなくなるレーン(レーン12)を示す。番号(#)記号はその右側で部分消化が生じるレーン(レーン12)を示す。スター活性も部分消化DNAも認められなかった。DraIII−WTの出発濃度を計算した処、1,200単位であった。図3Bでは、レーン12まで完全消化が認められ、その後、スター活性が認められる。DraIII−HFの出発濃度を計算した処、少なくとも1,200単位であった。
【図4A】図4A及び4BはKpnI−HFとKpnI−WTの活性の比較を示す。図4A中、*印はその左側でスター活性が検出されなくなるレーン(レーン9)を示す。#記号はその右側で部分消化が生じるレーン(レーン13)を示す。図1A中、KpnI−WTの出発濃度を計算した処、2,000単位であった。図4Bでは、全体に完全消化が認められ、スター活性又は部分消化は認められなかった。KpnI−HFの出発濃度を計算した処、12,000単位を上回った。
【図4B】図4A及び4BはKpnI−HFとKpnI−WTの活性の比較を示す。図4A中、*印はその左側でスター活性が検出されなくなるレーン(レーン9)を示す。#記号はその右側で部分消化が生じるレーン(レーン13)を示す。図1A中、KpnI−WTの出発濃度を計算した処、2,000単位であった。図4Bでは、全体に完全消化が認められ、スター活性又は部分消化は認められなかった。KpnI−HFの出発濃度を計算した処、12,000単位を上回った。
【図5A】図5A〜5BはStyI−HFとStyI−WTの比較を示す。図5A中、*印はその左側(レーン6)でスター活性が開始することを示し、#記号はその右側(レーン12)で部分活性が開始することを示す。Sty−WTの出発量を計算した処、1,000単位であった。図5Bでは、最初から2レーンでスター活性が認められ、レーン14又は15から部分消化が認められた。StyI−HFの出発量を計算した処、4,000単位であった。
【図5B】図5A〜5BはStyI−HFとStyI−WTの比較を示す。図5A中、*印はその左側(レーン6)でスター活性が開始することを示し、#記号はその右側(レーン12)で部分活性が開始することを示す。Sty−WTの出発量を計算した処、1,000単位であった。図5Bでは、最初から2レーンでスター活性が認められ、レーン14又は15から部分消化が認められた。StyI−HFの出発量を計算した処、4,000単位であった。
【図6】pXbaを基質としてBglI−HFとBglI−WTの比較を示す。BglI−HFはFIが少なくとも8,000であり、BglI−WTはFIが32であり、少なくとも250倍の改善倍率が得られる。右側のパネルは理論消化パターンである。
【図7】pBR322を基質としてBsrDI−HFとBsrDI−WTの比較を示す。BsrDI−HFはNEB4中のFIが少なくとも1,000であり、BsrDI−WTはFIが1/2であり、少なくとも2,000倍の改善倍率が得られる。右側のパネルは理論消化パターンである。
【図8】λ(dam−)を基質としてNEB4中のBclI−HFとBclI−WTの比較を示す。BclI−HFはFIが少なくとも2,000であり、BclI−WTはFIが32であり、少なくとも64倍の改善倍率が得られる。右側のパネルは理論消化パターンである。
【図9】pXbaを基質としてBglII−HFとBglII−WTの比較を示す。BglII−HFはFIが少なくとも32,000であり、BglII−WTはFIが16であり、少なくとも2,000倍の改善倍率が得られる。右側のパネルは理論消化パターンである。
【図10】λDNAを基質としてBstEII−HFとBstEII−WTの比較を示す。BstEII−HFはFIが少なくとも2,000であり、BstEII−WTはFIが4であり、少なくとも500倍の改善倍率が得られる。右側のパネルは理論消化パターンである。
【図11】pBC4を基質としてSfiI−HFとSfiI−WTの比較を示す。SfiI−HFはNEB4中のFIが少なくとも8,000であり、SfiI−WTはFIが64であり、少なくとも120倍の改善倍率が得られる。右側のパネルは理論消化パターンである。
【図12】pXbaを基質としてSmaI−HFとSmaI−WTの比較を示す。SmaI−HFはFIが少なくとも256,000であり、SmaI−WTはFIが64であり、少なくとも4,000倍の改善倍率が得られる。右側のパネルは理論消化パターンである。
【図13】λDNAを基質としてBsmBI−HFとBsmBI−WTの比較を示す。BsmBI−HFはNEB4中のFIが250であり、BsmBI−WTはFIが4であり、少なくとも64倍の改善倍率が得られる。右側のパネルは理論消化パターンである。
【図14】pBR322を基質としてBstNI−HFとBstNI−WTの比較を示す。BstNI−HFはNEB4中のFIが500であり、BstNI−WTはFIが4であり、少なくとも120倍の改善倍率が得られる。右側のパネルは理論消化パターンである。
【図15】λDNAを基質としてMluI−HFとMluI−WTの比較を示す。MluI−HFはNEB4中のFIが少なくとも32,000であり、MluI−WTはFIが32であり、少なくとも1,000倍の改善倍率が得られる。右側のパネルは理論消化パターンである。
【図16】pUC19を基質としてNspI−HFとNspI−WTの比較を示す。NspI−HFはNEB4中のFIが500であり、NspI−WTはFIが32であり、少なくとも16倍の改善倍率が得られる。右側のパネルは理論消化パターンである。
【図17】pBR322を基質としてBsrFI−HFとBsrFI−WTの比較を示す。BsrFI−HFはNEB4中でFIが少なくとも500であり、BsrFI−WTはFIが16であり、少なくとも32倍の改善倍率が得られる。右側のパネルは理論消化パターンである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
単一配列に対する特異性を改善した制限エンドヌクレアーゼの変異体を作製するの容易なことではない。多くの問題にぶつかった。これらの問題を挙げると、変異酵素は活性が低下又は失われたり、スター活性が低下しなかったり、実際にスター活性が増加するという問題があった。あるいは、変異酵素をクローニングできないため、解析できないという問題もあった。
【0012】
変異体を作製できないのは、考えられる種々の原因のいずれかに起因し、以下のいずれかが挙げられる。逆PCR法の失敗が原因に考えられる。宿主細胞は通常通りに非変異制限エンドヌクレアーゼの発現に防御的な条件下では対を成すメチラーゼを発現したとしても、新規特異活性を生じた変異が宿主細胞に毒性になった可能性もある。これらの状況では、生存可能な変異体クローンは得られないであろう。あるいは、変異体が特定緩衝液に選択的であるため、別の緩衝液中で試験した場合には活性が検出されなかった可能性もある。別の問題として、一般には各変異の粗溶解液を試験しているが、場合により、溶解液中で活性が検出されず、アッセイのスコアが負になった場合には、活性を検出するために酵素を精製する必要があった。
【0013】
意外にも、プロリンをアラニンに置換した結果、少なくとも250を上回る望ましいFIをもち、少なくとも2倍の改善倍率をもたらす変異体が得られることが数例で認められた。この例はPvuI、BamHI、NruI及びSpeIの変異体であった。
【0014】
高忠実度変異体を作製する際の他の課題として、所定の制限エンドヌクレアーゼをコードするDNAの寸法も挙げられる。このDNAは鋳型の寸法が大きいため、PCRにより増幅することが困難な場合がある。更に、状況により、PCR産物は新規宿主に容易に形質転換しなかった。宿主細胞形質転換に成功したとしても、形質転換細胞は必ずしもコロニーを形成しないため、容易に検出することができなかった。場合により、形質転換からコロニーが得られたとしても、どのような条件でも培養することができなかった。
【0015】
変異体の特異活性の低下の理由としては、変異が蛋白質の折り畳みに支障を生じ、発現レベルが著しく低下したか、又は変異が特異的酵素活性に悪影響を与えるためであると考えられる。
【0016】
例えば、これはStyI変異体N34A、F35A、D58A、F65A、K66A、K67A、F100A、N148A、E213A、F250A、T251A、D258A、D262A、N283A、R293A、F294A、R295A、R296A、D298A、D299A、M304A、M310A、D318A、S337A、S346A及びF371Aで認められた。
【0017】
酵素活性の低下の理由としては、変異が触媒に重要な残基を欠失させたか、又は変異が折り畳みに重要な残基を置換し、誤って折り畳まれた変異体蛋白質が不活性になるためであると考えられる。
【0018】
例えば、これはStyI変異体M33A、D37A、F41A、D55A、D71A、N77A、R79A、E80A、F81A、T82A、E83A、F97A、F101A、E136A、W137A、M138A、M140A、K144A、Q145A、R151A、R255A、R259A、S261A、T264A、F278A、R281A、T284A、M297A、H305A、N306A、D314A、D338A及びE382Aで認められた。
【0019】
高忠実度変異体を作製するには骨の折れる作業が必要である。複数の変異体を選択及び試験し、高忠実度を示すのは比較的少数のみである。どの変異体が改善された特性を示す可能性が高いかを外挿法により予測することはできなかった。
【0020】
制限エンドヌクレアーゼの高忠実度変異体を同定するために実施したアッセイの例を図1〜17に示す。これらの図は野生型と高忠実度変異体の双方について単一緩衝液中の結果を示す。全図は三角形の方向に酵素濃度を低下させ、ゲル上で左から右に向かって2倍系列希釈後のDNAの切断の量と型を示す。表1は例証した33種の酵素の結果を詳細に示す。実施例で使用した制限エンドヌクレアーゼ反応バッファー(バッファー1〜4)は例えばNEBカタログ(2009/10)に記載されている。使用者の好みに従い、他の緩衝液を選択してもよい。
【0021】
アッセイは、スター活性に結び付けられるバンドの存在により判定した場合に明白なスター活性を示さないための最高制限酵素濃度と、標準NEBバッファー中で指定温度にて1時間50μl反応容量で標準DNA基質1μgを完全に消化する制限酵素濃度の比であるFIを求める。図6〜17では、スター活性バンドを示すために図面中に囲み枠を記入する。本発明の1実施形態において、FIは例えば、好ましくは少なくとも250、例えば>500、例えば>1000、例えば>5000である。
【0022】
変異体のFIを非変異体酵素のFIで割った比として忠実度改善値を計算する。本発明の1実施形態において、改善値は例えば好ましくは少なくとも2、例えば少なくとも4、例えば少なくとも8、例えば少なくとも16である。
【0023】
1実施形態において、FIは明白なスター活性を示さないための最高制限酵素量と、標準NEBバッファー中で特定温度にて1時間50μl反応容量で標準DNA基質1μgを完全に消化する量の比を意味する。
【0024】
【表1】
【0025】
希釈剤(Dil)A、B及びCとバッファー1〜4はNEBカタログ2009/10、87頁に記載されている。
【0026】
本願に引用する全文献と、2010年2月5日付け米国仮出願第61/301,666号及び2010年9月29日付け米国仮出願第61/387,800号は本願に援用する。
【実施例】
【0027】
[実施例1]
高忠実度(HF)PvuIの作製
1.PvuIの発現
各々PvuIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpUC19−PvuIRとpACYC184−PvuIMで形質転換した大腸菌でPvuIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を30℃にて一晩増殖させた。
【0028】
2.PvuI−HFの変異誘発
7位、8位、11位、12位、16位、17位、20位、21位、22位、23位、26位、28位、29位、30位、31位、34位、35位、36位、38位、40位、42位、44位、45位、46位、48位、49位、53位、55位、57位、59位、61位、63位、65位、66位、67位、69位、70位、71位、72位、73位、77位、78位、80位、81位、82位、87位、88位、90位、92位、93位、96位、97位、101位、102位、104位、106位、107位、108位、109位、110位、111位、115位、116位、119位、120位、121位、122位、126位、127位、129位、131位、132位、135位、138位、139位、144位、146位、147位、148位、150位、151位、152位、154位、155位、157位、158位、160位、161位、162位、163位、167位、169位、170位、172位、173位、174位、178位、180位、182位、183位、184位、185位、186位、187位、189位、192位、194位、195位、196位、201位、202位、203位、205位、206位、210位、211位、214位、215位、218位、219位、220位、221位、226位、230位、231位、232位、233位、235位、236位、238位、239位、240位、241位、246位、247位、248位、249位、251位、253位、254位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、18位、52位、56位、84位、91位、130位、143位、165位、204位、242位のTyrをPheに置換した。
【0029】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2683に形質転換した。
【0030】
3.PvuI−HFの選択
pXba DNAを基質としてNEB3及びNEB4(New England Biolabs,Inc.,Ipswich,MA(NEB))中の活性の比較を使用してPvuI−HFの選択を行った。PvuI−WTはNEB3中のほうが高活性である。NEB4中のほうが高活性のものを選択した。S36A、K77A、P154A、E163A、Y165F及びK185Aの6種の変異体はNEB4中のほうが高活性であることが判明した。P154AはNEB4中でWTよりも著しく高活性であった。一般に、NEB4中で最高活性のものはスター活性が改善されたものであった。PvuI(P154A)をPvuI−HFに指定した。有効な変異がプロリン→アラニン変異であったのはこれが最初である。
【0031】
4.PvuI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/mlを添加したLBでER2683細胞(pUC19−PvuI(P154A),pACYC184−PvuIM))2リットルを30℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮し、グリセロール中で−20℃にて保存した。
【0032】
5.PvuI−HFとPvuI−WTの比較
希釈剤Bを添加した4種類のNEBバッファー中でpXba DNAを基質としてPvuI−HFとPvuI−WTのFIを別々に測定した。比較を図1に示し、結果を(下記)表2にまとめる。
【0033】
【表2】
【0034】
PvuI−HFはNEB2及びNEB4中で最良性能であり、FIは≧16,000であり、WT PvuIはNEB3中で最良性能であり、FIは32であった。従って、総改善倍率は≧16,000/32=≧500倍であった。
【0035】
[実施例2]
HF HindIIIの作製
国際公開第WO2009/009797号の実施例21に記載されているようにHindIIIはA/AGCTTで認識・消化する。変異体HindIII(K198A)をHindIIIのHF変異体として選択した。この変異体を更に特性決定した結果、1時間規模でのHindIII(K198A)の性能は優れていたが、一晩消化すると良好に機能しないことが判明した。他の変異体について検討すると、HindIII(Q148A)も部分的に良好であることが判明した。著しく改善させる別の方法はアラニンを他の全アミノ酸残基に置換する方法であった。そのうち、HindIII(Q148I)は1時間反応と一晩反応のどちらでも優れていることが判明し、HindIII−HFに指定した(図2)。
【0036】
HindIII−HFをER3081(pUC19−HindIIIR(Q148I)M)で発現させた。増殖法と精製法はWO/2009/009797に従って実施した。
【0037】
下表(表3)はHindIII−HFとHindIII−WTのFIを比較する。
【0038】
【表3】
【0039】
HindIII−HFはNEB4中で最良活性であり、NEB4中のHindIII−HFのFIは≧520000であり、WT HindIIIはNEB2中で最良活性であった。NEB2中のHindIII−WTのFIは250であった。従って、改善倍率は≧2,000倍であった。
【0040】
[実施例3]
HF DraIIIの作製
1.DraIIIの発現
DraIIIはCACNNN/GTGで認識・消化する。pAGR3−DraIIIR()とpACYC−DraIIIM()を導入した大腸菌ER3081でDraIIIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を30℃にて一晩増殖させた。
【0041】
2.DraIIIの変異誘発
DraIII蛋白質の長さは227アミノ酸である。先ずDraIII蛋白質の合計132カ所のアミノ酸位置をAla(又はPhe)に変異させるように設計した。Cys、Asp、Glu、Phe、His、Lys、Met、Asn、Gln、Arg、Ser、Thr、Gly及びTrpをAlaに変異させた。TryをPheに変異させた。これらは7位、9位、10位、11位、12位、14位、15位、16位、17位、18位、20位、21位、22位、23位、28位、29位、31位、32位、34位、35位、37位、40位、42位、43位、44位、45位、47位、51位、54位、55位、57位、58位、59位、60位、64位、65位、66位、67位、68位、72位、73位、74位、76位、77位、82位、83位、84位、88位、89位、90位、91位、93位、94位、95位、96位、99位、101位、102位、104位、106位、107位、108位、111位、112位、113位、114位、115位、117位、120位、121位、123位、124位、127位、128位、130位、136位、137位、138位、139位、140位、141位、142位、144位、145位、146位、147位、150位、154位、155位、156位、157位、158位、160位、161位、165位、167位、169位、170位、171位、172位、173位、175位、176位、180位、181位、183位、184位、185位、187位、189位、190位、192位、193位、196位、198位、199位、200位、201位、202位、205位、207位、208位、209位、211位、212位、213位、214位、216位、217位、218位、219位、22位及び223位であった。
【0042】
選択した変異の点変異誘発をインバースPCRにより実施した。PCR反応は各PCRプライマー2μl、pAGR3−DraIIIR 1μl,400μM dNTP、Deep Vent(登録商標)DNAポリメラーゼ(NEB)4単位、及び10X Thermopolバッファー10μlに水を加えて反応容量100μlとした。
【0043】
PCR反応条件は94℃で5分後、94℃で30秒、55℃で60秒、72℃て4秒を25サイクル繰返した後、72℃で7分の最終伸長時間とした。PCR産物を20単位のDpnIで1時間消化した。消化産物を大腸菌ER3081(pACYC−DraIIIM)に形質転換した。
【0044】
3.DraIII−HFの選択
AmpとCamを添加したLBで各変異のコロニー4個を37℃にて一晩増殖させた。NEB4バッファー及び10%グリセロール中でpXbaを基質としてDraIIIの標準コグネイト活性アッセイとスター活性アッセイを実施した。
【0045】
変異体S15A、H20A、E34A、M58A、Q95A、R106A、K108A、T181A、R187A、R199A、N202D、T181G、T181N、T181Q、T181C、T181V、T181L、T181I、T181M、D55A、D55S、D55C、D55G、D55N、T12A、H20A、E34A、H45A、T57A、M58A、T60A、S66A、R76A、F90A、M94A、T101A、C115A、F169A、N172A、R173A、H189A、N193A及びQ95A/K104Aをスクリーニングアッセイで選別した。各種条件及び基質で数ラウンドの比較後、DraIII(T181A)が高切断効率高活性を維持しながらスター活性の実質的低下を示す好ましい変異体であることが判明した。DraIII(T181A)をDraIII−HFに指定した。
【0046】
4.DraIII−HFとDraIII−WTの比較
ヘパリン及びSource 15Sカラムを使用してDraIII−WT及びDraIII−HF(T181A)蛋白質を精製した。詳細な比較のためのアッセイ条件は、NEB4(又はNEB1、2、3)、37℃、1時間;20μl反応系で精製蛋白質2μl;基質λDNAとした。比較を図3A及び3Bに示し、結果を表4にまとめる。
【0047】
【表4】
【0048】
DraIII−HFはNEB4中で最高活性であり、FIは少なくとも64,000であり、DraIII−WTはNEB2中で最高活性であり、FIは2である。FI総改善倍率は少なくとも32,000倍であった。
【0049】
[実施例4]
HF KpnIの作製
国際公開第WO2009/009797号の実施例26に記載されているようにKpnIはGGTAC/Cで認識・消化する。三重変異体KpnI(D16N/E132A/D148E)をKpnIの高忠実度変異体として選択した。D148EとE132Aは部位変異誘発法により導入し、D16NはPCRにより導入した。この三重変異体における変異を更に特性決定した結果、E132Aを除去すると特に酵素特異活性の面で制限酵素が更に改善されることが判明した。三重変異体KpnI(D16N/E132A/D148E)は蛋白質1mg当たり特異活性200,000単位であり、KpnI(D16N/D148E)は蛋白質1mg当たり特異活性1,800,000単位である。二重変異体のほうが当初の三重変異体よりも9倍活性が高いため、二重変異体KpnI(D16N/D148E)をKpnI−HFに指定した。
【0050】
KpnI−HFをER2523(pAGR3−KpnI(D16N/D148E),pSYX20−KpnIM)で発現させた。増殖法と精製法はWO/2009/009797に従って実施した。
【0051】
下表(表5)はKpnI−HFとKpnI−WTのFIを比較する。
【0052】
【表5】
【0053】
KpnI WTはNEB1中で最良活性であり、NEB1中のKpnI−WTのFIは16であり、KpnI−HFはNEB1、NEB2及びNEB4中で最良活性であった。これらの3種類のバッファー中のKpnI−HFのFIはいずれも≧1,000,000で最高であった。総改善倍率は≧62,500倍であった。
【0054】
[実施例5]
HF StyIの作製
1.StyIの発現
StyIはC/CWWGGで認識・消化する。pACYC−StyIM及びplaczz1−StyIRを導入した大腸菌(ER2833)でStyIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を30℃にて一晩増殖させた。
【0055】
2.StyIの変異誘発
選択した変異の点変異誘発をインバースPCRにより実施した。StyIに以下のように237カ所のアミノ酸変異を作製した。Cys、Asp、Glu、Phe、His、Lys、Met、Asn、Gln、Arg、Ser、Thr、TrpをAlaに変異させた。TyrをPheに変異させた。これらは7位、9位、10位、11位、12位、14位、16位、22位、23位、24位、25位、26位、28位、30位、31位、32位、33位、34位、35位、36位、37位、38位、39位、40位、42位、43位、49位、51位、52位、53位、54位、57位、58位、59位、61位、62位、64位、65位、66位、69位、70位、73位、75位、76位、78位、79位、80位、81位、82位、85位、91位、92位、93位、95位、96位、97位、98位、99位、100位、102位、103位、104位、105位、106位、109位、111位、112位、114位、116位、118位、119位、122位、123位、124位、125位、126位、128位、129位、130位、131位、135位、136位、137位、139位、140位、141位、142位、143位、144位、145位、146位、147位、150位、151位、152位、153位、155位、157位、158位、159位、163位、164位、165位、166位、167位、170位、172位、173位、175位、176位、177位、178位、181位、183位、187位、188位、192位、193位、194位、195位、196位、200位、203位、204位、205位、207位、209位、211位、212位、213位、214位、216位、218位、219位、220位、221位、222位、227位、229位、230位、232位、234位、235位、236位、237位、238位、239位、241位、242位、245位、247位、248位、249位、250位、252位、253位、254位、256位、257位、258位、259位、260位、261位、263位、266位、267位、269位、272位、274位、277位、280位、282位、283位、284位、286位、288位、289位、291位、292位、293位、294位、295位、296位、297位、298位、303位、304位、305位、307位、308位、309位、313位、317位、318位、319位、320位、323位、324位、326位、327位、329位、331位、335位、336位、337位、339位、340位、343位、345位、346位、347位、349位、350位、351位、353位、355位、356位、359位、360位、361位、363位、365位、366位、368位、369位、370位、372位、373位、376位、377位、379位、381位及び382位であった。
【0056】
プライマー設計及びPCR法はPCT出願公開第WO2009/0029376号(実施例1)に記載されているように実施することができる。PCR産物をDpnIで消化し、コンピテントER2833(pACYC−StyIM)に形質転換した。
【0057】
3.StyI−HFの選択
AmpとCamを添加したLBで各変異のコロニー4個を37℃にて一晩増殖させた。夫々NEB4及びExoIバッファー+20%グリセロール中でλを使用してStyIのコグネイト活性アッセイとスター活性アッセイを実施した。
【0058】
変異体K75A、N146A及びD256Aをスクリーニングアッセイで選別した。各種条件及び基質で数ラウンドの比較後、K75Aが高切断効率高活性を維持しながらスター活性の実質的低下を示す好ましい変異体であることが判明した。StyI(K75A)をStyI−HFに指定した。
【0059】
4.StyI−HFとStyI−WTの比較
NEB4中のStyI−HFとStyI−WTの比較を図5A及び5Bに示し、結果を表6にまとめる。
【0060】
【表6】
【0061】
StyI−WTとStyI−HFはNEB2中で最高活性であった。FIはStyI−WTが16であり、StyI−HFが2000であった。FI総改善倍率は125倍であった。
【0062】
[実施例6]
HF BsaJIの作製
1.BsaJIの発現
同一プラスミド中にBsaJIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpRRS−BsaJIR+Mで形質転換した大腸菌でBsaJIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0063】
2.BsaJI−HFの変異誘発
9位、10位、14位、17位、18位、19位、20位、22位、23位、24位、27位、30位、32位、35位、39位、42位、43位、48位、50位、51位、52位、53位、55位、56位、57位、60位、61位、65位、66位、67位、68位、70位、71位、72位、73位、78位、79位、81位、83位、84位、86位、87位、88位、90位、91位、92位、94位、95位、99位、101位、103位、104位、106位、110位、111位、113位、114位、117位、119位、120位、121位、123位、127位、129位、131位、132位、134位、136位、138位、140位、141位、142位、147位、152位、153位、157位、158位、159位、162位、163位、165位、166位、167位、169位、170位、175位、178位、181位、183位、184位、185位、186位、187位、188位、189位、194位、196位、197位、198位、199位、200位、202位、203位、204位、206位、211位、212位、213位、214位、215位、216位、218位、220位、222位、225位、226位、227位、228位、229位、230位、231位、233位、238位、239位、240位、241位、246位、247位、249位、250位、251位、252位、253位、254位、255位、257位、260位、262位、265位、267位、268位、269位、270位、271位、273位、274位、276位、277位、280位、281位、282位、283位、285位、287位、288位、290位、291位、293位、294位、295位、298位及び299位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、Thr、Phe、TrpをAlaに置換し、21位、59位、62位、77位、89位、105位、130位、191位、208位、272位、286位及び296位のTyrをPheに置換した。
【0064】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER3081に形質転換した。
【0065】
3.BsaJI−HFの選択
pBR322 DNAを基質としてNEB3及びNEB4中の活性の比較を使用してBsaJI−HFの選択を行った。E198AとD200Aが最高活性である。D200AはNEB4中でWTよりもスター活性が著しく低い。BsaJI(D200A)をBsaJI−HFに指定する。
【0066】
4.BsaJI−HFの精製
100μg/ml Amp、33μg/ml Cam及び0.5mM IPTGを添加したLBでER3081細胞(pRRS−BsaJIR(D200A)+M)2リットルを37℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、50mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をAmicon(登録商標)Ultra 30KDa(Millipore,米国;現Merck,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したBsaJI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0067】
5.BsaJI−HFとBsaJI−WTの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でpBR322 DNAを基質としてBsaJI−HFとWT BsaJIのFIを別々に測定した。結果を表7にまとめる。
【0068】
【表7】
【0069】
BsaJI−HFはNEB2、3及び4中で最良性能であり、FIは≧4000であり、WT BsaJIはNEB1、2及び4中で最良性能であり、FIは64であった。従って、NEB4中の改善倍率は≧4000/64≧64倍であった。
【0070】
[実施例7]
HF BsaWIの作製
1.BsaWIの発現
各々BsaWIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpLacZZ1−BsaWIRとpACYC−MspIMで形質転換した大腸菌でBsaWIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を30℃にて一晩増殖させ、30℃にて0.5mM IPTGで18時間誘導した。
【0071】
2.BsaWI−HFの変異誘発
9位、10位、13位、16位、17位、18位、20位、23位、24位、25位、26位、28位、29位、30位、31位、34位、35位、36位、39位、42位、43位、45位、46位、48位、51位、54位、58位、60位、62位、63位、64位、65位、66位、69位、70位、71位、74位、75位、78位、80位、81位、82位、84位、85位、86位、88位、89位、92位、93位、96位、99位、100位、101位、102位、104位、105位、107位、109位、113位、114位、115位、117位、121位、112位、123位、124位、127位、128位、129位、130位、131位、133位、136位、137位、138位、140位、141位、142位、145位、149位、151位、152位、153位、154位、155位、156位、160位、163位、164位、165位、166位、167位、169位、170位、171位、173位、174位、175位、176位、177位、178位、179位、181位、184位、189位、195位、196位、197位、200位、202位、203位、209位、210位、211位、212位、213位、214位、216位、218位、219位、221位、222位、228位、229位、230位、231位、233位、234位、237位、239位、241位、243位、247位、248位、250位、251位、254位、255位、258位、259位、260位、261位、264位及び266位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、11位、57位、106位、147位、157位、215位、224位、236位及び265位のTyrをPheに置換した。
【0072】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER3081に形質転換した。
【0073】
3.BsaWI−HFの選択
λDNAを基質としてNEB3及びNEB4中の活性の比較を使用してBsaWI−HFの選択を行った。以下の変異体:K229A、E025A、R034A及びQ261Aが変化を示した。WT BsaWIは小規模培養で増殖させた場合にはどちらのバッファー中でも消化を完了することができ、Q261Aは安定な部分パターンを与えるだけであることが分かった。これはこの変異体が小規模培養では増殖不良であったためであると考えられる。大規模培養で増殖させ、精製した場合には、部分パターンがなくなり、基質は完全に消化され、基質pXbaで試験した場合にも高忠実度変異体であることが結果から判明した。
【0074】
4.BsaWI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/mlを添加したLBでER3081細胞(pLacZZ1−BwaWI(Q261A),pACYC−MspIM)2リットルを30℃にて一晩増殖させた。8時間後に、培養液を0.5mM IPTGで誘導した。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したBsaWI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0075】
5.BsaWI−HFとBsaWI−WTの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でpXba DNAを基質としてBsaWI−HFとBsaWI−WTのFIを別々に測定した。結果を(下記)表8にまとめる。
【0076】
【表8】
【0077】
BsaWI−HFはNEB2及びNEB4中で最高活性であり、最良FI≧4000であり、BsaWI−WTはNEB4中で最高活性であり、FIは16である。総改善倍率は≧4000/16=〜250倍である。
【0078】
[実施例8]
高忠実度BglIの作製
1.BglIの発現
各々BglIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpUC19−BglIRとpSYX20−BglIMで形質転換した大腸菌でBglIを発現させた。AmpとKanを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0079】
2.BglI−HFの変異誘発
7位、8位、12位、14位、15位、16位、17位、18位、19位、22位、23位、24位、25位、27位、28位、29位、31位、34位、36位、39位、40位、43位、44位、45位、46 47位、48位、50位、52位、54位、5位、57位、60位、61位、65位、67位、68位、70位、71位、72位、73位、75位、76位、77位、78位、79位、81位、84位、86位、87位、88位、91位、92位、94位、95位、96位、99位、100位、101位、102位、103位、105位、107位、108位、110位、112位、113位、114位、115位、116位、117位、118位、122位、123位、124位、125位、128位、130位、131位、132位、134位、135位、136位、152位、158位、159位、160位、161位、163位、164位、165位、166位、167位、170位、172位、173位、174位、176位、177位、178位、179位、180位、181位、183位、184位、185位、186位、187位、188位、189位、193位、194位、196位、197位、202位、203位、204位、205位、208位、211位、215位、216位、221位、222位、224位、225位、226位、227位、228位、229位、230位、231位、234位、236位、239位、241位、242位、243位、245位、249位、250位、251位、255位、256位、259位、263位、264位、265位、266位、267位、268位、269位、270位、271位、272位、275位、276位、277位、279位、281位、283位、286位、287位、289位、290位及び291位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、19位、13位、33位、53位、66位、119位、127位、153位、199位、218位、233位、252位及び258位のTyrをPheに置換した。
【0080】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2566に形質転換した。
【0081】
3.BglI−HFの選択
λDNAを基質としてNEB4中の活性の比較を使用してBglI−HFの選択を行った。BglI−WTはNEB4中で低活性であるため、NEB4中の活性がWTと同等以上の全変異体を選択した後、スター活性レベルの比較のためにグリセロールに対して試験した。ただ1種の変異体K225Aのみがグリセロール中で試験した場合にスター活性を低下しながらNEB4中でWTと同等の活性を示した。BglI(K225A)をBglI−HFに指定する。
【0082】
4.BglI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Kanを添加したLBでER2566細胞(pUC19−BglI(K225A),pSYX20−BglIM)2リットルを37℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したBglI−Hに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0083】
5.BglI−HFとBglI−WTの比較
希釈剤Bを添加した4種類のNEBバッファー中でλDNAを基質としてBglI−HFとWT BglIのFIを別々に測定した。比較を図6に示し、結果を(下記)表9にまとめる。
【0084】
【表9】
【0085】
BglI−HFはNEB2及びNEB4中で最高活性であり、FIは≧8000であり、BglI−WTはNEB3中で最高活性であり、FIは250であった。総改善倍率は≧8000/250=≧32倍であった。
【0086】
[実施例9]
HF BsrDIの作製
1.BsrDIの発現
BsrDI酵素はBsrDIAとBsrDIBの2個のサブユニットを含む。
【0087】
純BsrDIAサブユニットを得るために、IMPACT(Intein−Mediated Purification with an Affinity Chitin−Binding Tag)システム(NEB cat:E6901)をBsrDIAの1段階精製に使用した。要約すると、BsrDIA遺伝子をpTXB1ベクターにサブクローニング後、lacオペロン(NEB #ER2566)の制御下にT7 RNAポリメラーゼを含むコンピテント株に形質転換した。スクリーニングとシーケンシング後、補正株を選択した。アンピシリン(100μg/ml)を添加したLB培地でOD600が0.5に達するまで細胞を37℃にて増殖させた。次に、BsrDIAの誘導のために最終濃度0.4mMとなるようにIPTGを3時間添加した。次に細胞培養液をペレット化し、氷冷カラムバッファー(20mM Tris−HCl,pH8.5,500mM NaCl)に再懸濁し、超音波により溶解させた。得られた細胞溶解液を次に遠心し、細胞破片を除去した。次に、平衡化したキチンカラムに上清をロードした。ローディングバッファーで洗浄後、カラムに切断バッファー(20mM Tris−HCl,pH8.5,500mM NaCl及び50mM DTT)を加えて4℃で一晩インキュベートした。最後に、保存バッファー(10mM Tris−HCl pH7.4,0.1mM EDTA,1mM DTT,50mM KCl及び50%グリセロール)で透析しながらBtsI.A蛋白質を溶出させた。
【0088】
各々BsrDIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpUC19−BsrDIBRとpLG−BsrDIM1M2で形質転換した大腸菌でBsrDIBサブユニットを発現させた。AmpとKamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0089】
2.BsrDI−HFの変異誘発
7位、11位、12位、14位、15位、17位、21位、22位、25位、28位、29位、30位、33位、34位、35位、37位、40位、45位、46位、47位、51位、52位、56位、58位、62位、64位、65位、67位、68位、71位、72位、74位、75位、81位、83位、90位、91位、92位、93位、99位、100位、101位、106位、108位、109位、112位、113位、115位、116位、120位、122位、123位、124位、132位、133位、136位、137位、138位、139位、142位、143位、144位、145位、146位、150位、155位、157位、158位、161位、162位、164位、168位、170位、171位、173位、174位、176位、177位、179位、180位、182位、185位、189位、190位、193位、197位、200位、202位、203位、206位、210位、213位、215位、217位、218位、221位、224位、225位、226位、228位、229位、230位、232位、237位、238位、241位、242位、243位、244位、245位、246位、249位、253位、258位、259位、261位、264位、265位、268位、271位、272位、273位、274位、276位、278位、279位、281位、285位、287位、288位、292位、294位、295位、299位、300位、301位、306位、307位、308位、312位、314位、315位、317位、318位、320位、321位、324位、325位、326位、327位、328位、331位、332位、335位、337位、341位、343位、345位、347位、352位、353位、354位、355位、356位、360位、361位、362位、363位、364位、370位、373位、374位、376位、380位、381位、385位、387位、389位、392位、393位、395位、396位、397位、405位、406位、408位、411位、415位、418位、420位、422位、425位、426位、430位、431位、432位、434位、437位、445位、446位、449位、450位、454位、455位、456位、457位、458位、459位、460位、463位、465位、466位、467位、469位、470位、475位、481位のCys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、Thrを含むBsrDIBの全残基をAlaに置換し、9位、38位、63位、87位、118位、129位、169位、178位、198位、216位、251位、286位、291位、303位、357位、358位、367位、371位、402位、442位、443位、448位のTyrをPheに置換した。
【0090】
変異誘発法は変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2566に形質転換した。
【0091】
3.BsrDI−HFの選択
pBR322 DNAを基質としてNEB4中でBsrDIAと混合したWT BsrDIBと、BsrDIAと混合した変異体BsrDIBのスター活性の比較を使用してBsrDI−HFの選択を行った。H137A、D177A、K363A、K408A、R411A、Q215A、Q226A、Q230Aの8種類の変異体がNEB4中でスター活性が低いことが判明した。
【0092】
スター活性を更に低下させるために、K363A/Q230A、K363A/K408A、Q230A/K408Aの二重変異を生じるように上記変異を組合せた。次に、BsrDIBにQ230A/K363Aの変更を有するBsrDIをBsrDI−HFに指定する。
【0093】
4.BsrDI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Kamを添加したLBでER2566細胞(pUC19−BsrDI(Q230A/K363A),pLG−BsrDIM1M2)2リットルを37℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したBsrDI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃条件で保存した。
【0094】
5.BsrDI−HFとBsrDI−WTの比較
(下記)希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でpBR322 DNAを基質としてBsrDI−HFとBsrDI−WTのFIを別々に測定した。結果を図7に示し、表10にまとめる。
【0095】
【表10】
【0096】
BsrDI−HFはNEB4中で最良性能であり、FIは≧1000であり、BsrDI−WTはNEB2及びNEB3中で最良性能であり、FIは64であった。従って、総改善倍率は≧1000/0.5=≧2000倍であった。
【0097】
[実施例10]
HF NsiIの作製
1.NsiIの発現
各々NsiIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むplaczz1−NsiIRとpACYC−NsiIMで形質転換した大腸菌でNsiIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0098】
2.NsiI−HFの変異誘発
8位、9位、10位、11位、12位、13位、18位、21位、22位、23位、24位、26位、27位、32位、34位、35位、42位、44位、45位、46位、47位、49位、50位、52位、53位、54位、55位、57位、58位、60位、61位、69位、70位、73位、74位、79位、80位、84位、85位、87位、90位、91位、92位、93位、95位、96位、97位、98位、99位、100位、102位、103位、105位、106位、108位、109位、110位、113位、114位、115位、117位、118位、119位、120位、121位、122位、123位、124位、126位、134位、135位、137位、138位、139位、140位、142位、144位、145位、146位、149位、151位、153位、154位、155位、156位、159位、160位、161位、162位、163位、166位、167位、170位、173位、174位、175位、178位、179位、180位、181位、182位、183位、184位、186位、188位、189位、190位、191位、192位、195位、197位、198位、199位、200位、201位、202位、203位、206位、207位、209位、210位、211位、213位、215位、216位、217位、219位、221位、222位、225位、230位、231位、232位、234位、235位、236位、237位、239位、242位、243位、244位、245位、246位、249位、250位、251位、256位、257位、259位、260位、261位、263位、264位、268位、269位、271位、272位、273位、276位、277位、278位、279位、281位、282位、283位、285位、287位、288位、290位、292位、294位、295位、297位、298位、299位、302位、303位、306位、307位、308位、309位、310位、312位、315位、316位、319位、320位、323位、325位、327位、329位、333位、334位、336位、337位、338位、340位、341位、344位、347位、349位、350位、352位、353位、354位、355位、358位、359位、360位、362位、363位、365位、366位、367位、371位、372位、373位、375位、376位及び377位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、Thr、Phe、TrpをAlaに置換し、30位、40位、62位、65位、71位、76位、83位、86位、141位、226位、233位、255位、289位、311位、326位、335位、351位、357位、378位のTyrをPheに置換した。
【0099】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER3081に形質転換した。
【0100】
3.NsiI−HFの選択
pXba DNAを基質としてNEB3及びNEB4中の活性の比較を使用してNsiI−HFの選択を行った。NsiI−WTはNEB3中のほうが高活性であるので、NEB4中のほうが高活性のものを選択した。148種の変異体がNEB4中のほうが高活性であることが判明した。F376AはNEB4中でWTよりも著しく高活性である。通常では、NEB4中で最高活性のものはスター活性が改善されたものである。NsiI(F376A)をNsiI−HFに指定する。
【0101】
4.NsiI−HFの精製
100μg/ml Amp、33μg/ml Cam及び0.5mM IPTGを添加したLBでER3081細胞(placzz1−NsiI(F376A),pACYC−NsiIM)2リットルを37℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、50mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をAmicon Ultra 30KDa(Millipore,米国;現Merck,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したNsiI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃条件下で保存した。
【0102】
5.NsiI−HFとNsiI−WTの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でpXba DNAを基質としてNsiI−HFとWT NsiIのFIを別々に測定した。結果を(下記)表11にまとめる。
【0103】
【表11】
【0104】
NsiI−HFはNEB4中で最良性能であり、FIは≧8000であり、WT NsiIはNEB3中で最良性能であり、FIは32であった。従って、NEB4中の改善倍率は≧8000/32=≧250倍であった。
【0105】
[実施例11]
HF DpnIIの作製
1.DpnIIの発現
pBAD241−DpnII RMで形質転換した大腸菌3081でDpnIIを発現させた。Ampを添加したLBで細胞を30℃にて一晩増殖させた。
【0106】
2.DpnIIの変異誘発
選択した変異の点変異誘発をインバースPCRにより実施した。DpnIIに以下のように189カ所のアミノ酸変異を作製した。Cys、Asp、Glu、Phe、His、Lys、Met、Asn、Gln、Arg、Ser、Thr、TrpをAlaに変異させた。TryをPheに変異させた。これらは7位、8位、9位、10位、12位、13位、14位、15位、16位、17位、19位、20位、21位、22位、23位、24位、25位、26位、27位、29位、31位、32位、33位、35位、36位、38位、40位、42位、44位、45位、46位、50位、51位、52位、54位、55位、56位、57位、59位、61位、62位、63位、64位、66位、69位、76位、77位、78位、80位、81位、82位、86位、87位、90位、91位、92位、93位、94位、95位、96位、97位、98位、99位、100位、101位、102位、104位、105位、106位、107位、108位、109位、111位、112位、113位、116位、117位、118位、120位、121位、122位、125位、126位、129位、130位、132位、135位、138位、139位、140位、141位、143位、144位、145位、146位、147位、149位、150位、151位、152位、153位、156位、157位、158位、160位、161位、162位、164位、168位、169位、171位、172位、173位、175位、176位、177位、178位、180位、181位、183位、184位、186位、188位、189位、191位、192位、193位、195位、196位、198位、199位、200位、201位、202位、205位、206位、207位、208位、211位、214位、216位、217位、218位、219位、221位、223位、224位、226位、227位、228位、229位、230位、231位、232位、233位、234位、236位、237位、238位、239位、240位、241位、244位、246位、247位、248位、249位、251位、252位、254位、256位、257位、258位、259位、260位、261位、262位、264位、265位、266位、267位、268位、272位、274位、275位、277位、278位、280位、281位及び282位であった。
【0107】
プライマー設計及びPCR法は従来記載されている方法と同様である。PCR産物をDpnIで消化し、コンピテント大腸菌3081に形質転換した。
【0108】
3.DpnII−HFの選択
Ampを添加したLBで各変異のコロニー4個を37℃で一晩増殖させた。NEB4バッファー及び5%グリセロール中でdam−λ基質を使用してDpnIIの標準スクリーニングアッセイを実施した。
【0109】
変異体R78A、T140A、E152A、R199A及びF217Aをスクリーニングアッセイで選別した。各種条件及び基質で数ラウンドの比較後、高いカノニカル酵素活性を維持しながらスター活性の実質的低下を示す候補としてR199Aを選択した。R199AをDpnII−HFに指定した。
【0110】
4.DpnII−HFの精製
100μg/ml Ampを添加したLBで大腸菌3081細胞(pBAD241.DpnII.RM(R199A))2リットルを30℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分を更に濃縮した。濃縮したBmt−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃条件下で保存した。
【0111】
5.DpnII−HFとDpnII−WTの比較
DpnII−HFをBで2倍系列希釈し、4種類のNEBバッファー中で反応させ、DpnII−WTを2倍系列希釈し、4種類のNEBバッファー中で反応させた。結果を表12にまとめる。
【0112】
【表12】
【0113】
DpnII−HFはNEB4中で最良性能であり、FI=8000であり、DpnIIはNEB3中で最良性能であり、FIは32であった。FI総改善倍率は8000/32=250倍であった。
【0114】
[実施例12]
高忠実度BclIの作製
1.BclIの発現
各々BclIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpRRS−BclIRとpACYC184−BclIMで形質転換した大腸菌でBclIを発現させた。Ampを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0115】
2.BclI−HFの変異誘発
9位、10位、11位、12位、19位、22位、23位、24位、26位、28位、29位、30位、31位、35位、37位、38位、40位、42位、44位、46位、47位、49位、51位、53位、54位、55位、58位、59位、62位、65位、67位、69位、72位、73位、74位、75位、76位、80位、82位、83位、85位、86位、89位、93位、94位、95位、96位、97位、98位、99位、101位、103位、105位、107位、108位、109位、110位、111位、112位、113位、114位、115位、120位、124位、128位、129位、130位、132位、136位、137位、位、138位、139位、143位、144位、145位、149位、150位、151位、152位、154位、156位、160位、162位、163位、164位、166位、167位、170位、171位、172位、174位、175位、178位、179位、180位、182位、183位、188位、190位、191位、195位、196位、197位、199位、200位、201位、204位、205位、208位、209位、210位、212位、213位、215位、217位、218位、220位、221位、222位、223位、224位、225位、226位、228位、229位、234位、235位、237位、238位、241位、243位、244位、245位、249位、252位、255位、257位、260位、261位、265位、266位、267位、270位、271位、273位、274位及び277位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、17位、27位、36位、63位、66位、77位、87位、100位、116位、118位、133位、142位、147位、157位、192位、193位、194位、207位、212位、231位、236位及び246位のTyrをPheに置換した。
【0116】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2984に形質転換した。
【0117】
3.BclI−HFの選択
dam−λDNAを基質としてグリセロール及びNEB4中の活性の比較を使用してBclI−HFの選択を行った。スター活性の低下が疑われたら、変異体を同一基質で水及びNEB4中の正常活性とも比較した。NEB4中でWTと同等活性でありながら、スター活性が低い可能性のある変異体を選択した。G26A、P105A、T195A、Q210A、Y147F及びY193Fの6種の変異体がこのような特徴をもつことが判明した。数種の変異体(K114A、T197A、S245A、D252A及びY027F)は水中での活性の低下を示したが、スター活性の低下も示し、通常では高グリセロール条件下でWTよりもコグネイト活性が高かった。1種の変異体Y192FはWTよりも高活性でありながら、スター活性が低かった。BclI(Y192F)をBclI−HFに指定する。
【0118】
4.BclI−HFの精製
100μg/ml Ampを添加したLBでER2984細胞(pRRS−BclI(Y192F),pACYC184−BclIM)2リットルを37℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したBclI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0119】
5.BclI−HFとBclI−WTの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でdam−λDNAを基質としてBclI−HFとBclI−WTのFIを別々に測定した。比較を図8に示し、結果を(下記)表13にまとめる。
【0120】
【表13】
【0121】
BclI−HFはNEB2及びNEB4中で最良性能であり、最良FIは≧2000であり、BclI−WTはNEB2及びNEB4中で最良性能であり、FIは32であった。総改善倍率は≧2000/32=≧64倍であった。
【0122】
[実施例13]
HF BglIIの作製
1.BglIIの発現
各々BglIIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpLacZZ−BglIIRとpACYC−BglIIMで形質転換した大腸菌でBglIIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0123】
2.BglII−HFの変異誘発
2位、4位、6位、7位、9位、10位、12位、13位、16位、18位、20位、21位、22位、24位、25位、26位、29位、30位、33位、35位、37位、38位、39位、41位、42位、45位、48位、49位、53位、54位、55位、58位、59位、60位、64位、65位、66位、67位、68位、69位、74位、75位、76位、77位、78位、81位、82位、84位、85位、87位、88位、89位、90位、93位、95位、96位、97位、98位、101位、104位、105位、106位、108位、109位、110位、112位、113位、114位、115位、116位、117位、118位、120位、121位、122位、124位、125位、131位、132位、134位、135位、136位、139位、140位、141位、142位、146位、147位、149位、150位、151位、153位、154位、157位、159位、161位、162位、166位、172位、173位、174位、175位、176位、177位、179位、182位、183位、184位、187位、188位、189位、191位、192位、193位、195位、196位、197位、198位、199位、201位、203位、206位、207位、208位、209位、211位、212位、213位、214位、215位、216位、217位、219位、222位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、8位、56位、99位、144位、145位、158位、185位及び190位のTyrをPheに置換した。
【0124】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER3081に形質転換した。
【0125】
3.BglII−HFの選択
pXba DNAを基質としてNEB3及びNEB4中の活性の比較を使用してBglII−HFの選択を行った。BglII−WTはNEB3中のほうが高活性であるため、NEB4中のほうが高活性の変異体を選択した。次に、高活性の全変異体をグリセロール中でWT活性と比較し、スター活性を試験した。通常では、NEB4中で最高活性の変異体はスター活性が改善された変異体である。BglI−WTでスター活性を促進し得る条件である水中ExoIバッファーを使用して最も有望な変異体(H10A、N208A、K48A、K74A、R75A、Y56F、K58A、M117A)を最終的に試験した。1種の変異体N208AはNEB4中のスター活性の低下と総活性の増加を示した。本発明者らは忠実度が変化したことを示す別の指標である部分活性を測定した処、小規模培養において、この変異体は安定な部分活性をもつようである。BglII(N208A)をBglII−HFに指定する。
【0126】
4.BglII−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/mlを添加したLBでER3081細胞(pLacZZ−BglII(N208A),pACYC−BglIIM)2リットルを30℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したBglII−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0127】
5.BglII−HFとBglII−WTの比較
希釈剤Bを添加した4種類のNEBバッファー中でpXba DNAを基質としてBglII−HF及びBglII−WTのFIを別々に測定した。比較を図9に示し、結果を(下記)表14にまとめる。
【0128】
【表14】
【0129】
BglII−HFはNEB2中で最良性能であり、FIは≧128000であり、BglII−WTはNEB3中で最良性能であり、FIは120であった。総改善倍率は≧128000/120=≧1000倍であった。
【0130】
[実施例14]
HF BstEIIの作製
1.BstEIIの発現
各々BstEIIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpUC19−BstEIIRとpACYC−BstEIIMで形質転換した大腸菌でBstEIIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0131】
2.BstEII−HFの変異誘発
7位、9位、10位、14位、17位、20位、21位、22位、25位、26位、29位、30位、32位、36位、37位、40位、41位、44位、47位、48位、49位、50位、51位、52位、54位、57位、58位、60位、61位、62位、63位、64位、65位、67位、68位、69位、72位、75位、76位、79位、80位、81位、82位、83位、85位、88位、89位、90位、91位、92位、94位、95位、98位、99位、101位、102位、103位、105位、106位、111位、112位、113位、116位、117位、118位、119位、120位、121位、122位、123位、130位、132位、133位、134位、135位、136位、137位、138位、140位、142位、143位、147位、150位、151位、152位、154位、155位、157位、160位、161位、162位、163位、165位、166位、167位、171位、172位、175位、176位、178位、179位、180位、182位、184位、189位、190位、191位、192位、193位、194位、195位、199位、202位、204位、205位、206位、207位、208位、209位、211位、212位、213位、214位、215位、216位、217位、218位、219位、220位、221位、222位、224位、225位、227位、228位、232位、233位、234位、236位、238位、243位、244位、245位、246位、247位、251位、252位、255位、256位、258位、261位、262位、264位、265位、266位、272位、274位、277位、278位、279位、281位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、8位、15位、24位、27位、35位、43位、77位、129位、131位、139位、156位、188位、203位、229位、257位及び263位のTyrをPheに置換した。
【0132】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2683に形質転換した。
【0133】
3.BstEII−HFの選択
λDNAを基質としてNEB3及びNEB4中の活性の比較を使用してBstEII−HFの選択を行った。WT BstEIIはNEB3中のほうが高活性であるため、NEB4中のほうが高活性の変異体を選択した。K014A、Q069A、E099A、R105A、R117A、G135A及びY035Fの7種の変異体はNEB4中の活性が改善されていることが判明した。R105AはNEB4及び水中のWTに比較して活性差が最大であり、WTでスター活性を示す条件であるグリセロール+ExoIバッファー中で試験した場合にスター活性の低下も示した。BstEII(R105A)をBstEII−HFに指定する。
【0134】
4.BstEII−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/mlを添加したLBでER2683細胞(pUC19−BstEII(R105A),pACYC−BstEIIM)2リットルを30℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したBstEII−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0135】
5.BstEII−HFとWT BstEIIの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でλDNAを基質としてBstEII−HFとWT BstEIIのFIを別々に測定した。比較を図10に示し、結果を(下記)表15にまとめる。
【0136】
【表15】
【0137】
BstEII−HFはNEB4中で最良性能であり、FIは≧2000であり、BstEII−WTはNEB2及びNEB4中で最良性能であり、FIは4であった。総改善倍率は≧2000/4=≧500倍である。
【0138】
[実施例15]
HF BanIIの作製
1.BanIIの発現
各々BanIIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpUC19−BanIIRとpACYCl−BanIIMで形質転換した大腸菌でBanIIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0139】
2.BanII−HFの変異誘発
7位、8位、9位、10位、12位、16位、17位、20位、21位、23位、24位、25位、26位、28位、29位、24位、31位、32位、35位、38位、39位、43位、44位、45位、47位、49位、54位、59位、61位、63位、64位、66位、67位、71位、72位、73位、74位、75位、77位、78位、81位、83位、84位、87位、88位、92位、94位、95位、96位、97位、99位、100位、103位、104位、105位、106位、107位、108位、111位、112位、113位、115位、117位、118位、120位、121位、122位、123位、126位、127位、128位、129位、130位、131位、135位、139位、142位、143位、145位、146位、147位、148位、149位、152位、153位、155位、156位、163位、166位、167位、168位、169位、170位、171位、173位、175位、176位、178位、179位、180位、181位、183位、184位、186位、190位、191位、194位、195位、196位、198位、199位、200位、207位、208位、211位、213位、214位、215位、216位、219位、220位、221位、222位、224位、226位、229位、230位、231位、232位、234位、235位、236位、237位、239位、240位、242位、245位、246位、247位、248位、252位、254位、256位、257位、258位、259位、261位、262位、263位、264位、266位、267位、270位、271位、272位、274位、276位、278位、279位、281 284位、285位、286位、287位、289位、291位、292位、293位、294位、295位、296位、300位、302位、303位、305位、309位、311位、312位、314位、317位、318位、319位、322位、326位、327位、328位、330位、331位、334位、338位、339位、341位、342位、344位、346位、347位、348位、349位、351位、352位、355位、356位及び358位のTyr(及び元々Alaの残基)以外の全残基をAlaに置換し、27位、50位、80位、160位、182位、197位、244位、251位、260位、307位及び313位のTyrをPheに置換した。
【0140】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2566に形質転換した。
【0141】
3.BanII−HFの選択
λDNAを基質として、NEB4+水中の活性と、グリセロール+ExoIバッファー中のスター活性の比較を使用してBanII−HFの選択を行った。スター活性の改善を示しながら水及びNEB4中でWTと同等以上の活性を示した変異体を後続試験に選択した。これらの変異体はN106A、Q169A及びE314Aを含む。本発明者らは部分パターンも高忠実度の指標としたが、R126Aは安定した部分パターンを示したため、この変異体も選択した。精製後、R126Aはスター活性の最良の低下を示した。BanII(R126A)をBanII−HFに指定する。
【0142】
4.BanII−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/mlを添加したLBでER2566細胞(pUC19−BanII(R126A),pACYC−BanIIM)2リットルを30℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したBanII−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0143】
5.BanII−HFとBanII−WTの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でdam−λDNAを基質としてBanII−HFとBanII−WTのFIを別々に測定した。結果を(下記)表16にまとめる。
【0144】
【表16】
【0145】
BanII−HFはNEB1中で最良性能であり、FIは≧4000であり、BanII−WTはNEB1、NEB2及びNEB4中で最良性能であり、最良FIは64であった。従って、NEB1中の総改善倍率は≧4000/64=≧64倍である。
【0146】
[実施例16]
HF PspGIの作製
1.PspGIの発現
PspGIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpRRS−PspGIRMで形質転換した大腸菌でPspGIをを発現させた。Ampを添加したLBで細胞を30℃にて一晩増殖させた。
【0147】
2.PspGI−HFの変異誘発
PspGI蛋白質の長さは272アミノ酸である。先ずPspGI蛋白質の合計166カ所のAA位置をAla(又はPhe)に変異させるように設計した。Cys、Asp、Glu、Phe、His、Lys、Met、Asn、Gln、Arg、Ser、Thr、TrpをAlaに変異させた。TryをPheに変異させた。これらは8位、10位、11位、12位、13位、14位、15位、16位、18位、19位、20位、21位、22位、25位、26位、29位、30位、32位、34位、35位、38位、39位、42位、43位、44位、45位、46位、47位、48位、51位、52位、53位、54位、57位、60位、61位、62位、65位、68位、69位、71位、72位、73位、75位、76位、80位、82位、84位、85位、86位、87位、89位、90位、91位、93位、94位、96位、98位、99位、100位、101位、102位、105位、109位、110位、113位、134位、135位、136位、137位、138位、142位、143位、145位、149位、150位、151位、152位、153位、158位、160位、161位、162位、164位及び165位であった。変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株2984に形質転換した。
【0148】
3.PspGI−HFの選択
pBC4 DNAを基質としてNEB4中の変異体とWTの活性の比較を使用してPspGI−HFの選択を行った。PspGIの選択アッセイはNEB4中でpBC4を基質として実施した(69℃で2時間消化)。T20A、P52A、Y67F、K68A、R75A、E86A、Q90A、S91A、Q93A、H121A及びG172Aの11種の変異体はNEB4中の活性がWTよりも高いことが判明した。PspGI(R75A)はNEB4中の活性がWTよりも著しく高い。通常では、NEB4中で最高活性のものはスター活性が改善されたものである。各種条件及び基質で数ラウンドの比較後、PspGI(R75A)が高切断効率高活性を維持しながらスター活性の実質的低下を示す好ましい変異体であることが判明した。PspGI(R75A)をPspGI−HFに指定する。
【0149】
4.PspGI−HFの精製
100μg/ml Ampを添加したLBで大腸菌2984細胞(pRRS−PspGIRM(R75A))2リットルを30℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分を更に濃縮した。濃縮したPspGI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃条件下で保存した。
【0150】
5.PspG−HFとPspGI−WTの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でpBC4 DNAを基質としてPspG−HF及びPspGI−WTのFIを別々に測定した。結果を(下記)表17にまとめる。
【0151】
【表17】
【0152】
PspGI−HFはNEB2、NEB3及びNEB4中で最良性能であり、好ましいFIは≧4000であり、PspGI−WTはNEB2、NEB3及びNEB4中で最良性能であった。NEB3中のPspGI−WTの好ましいFIは8であった。FI総改善倍率は≧4000/8=≧500倍であった。
【0153】
[実施例17]
HF SpeIの作製
1.SpeIの発現
各々SpeIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpRRS−SpeIとpASYX20−SpeIM9で形質転換した大腸菌でSpeIを発現させた。AmpとKanを添加したLBで細胞を30℃にて一晩増殖させた。
【0154】
2.SpeI−HFの変異誘発
7位、9位、10位、17位、18位、20位、21位、22位、24位、25位、26位、29位、30位、31位、32位、33位、34位、36位、40位、43位、45位、46位、49位、50位、51位、52位、53位、54位、57位、58位、59位、61位、65位、66位、70位、73位、74位、75位、76位、77位、78位、80位、81位、84位、86位、87位、88位、89位、90位、92位、96位、97位、101位、102位、103位、105位、107位、108位、109位、110位、112位、113位、115位、116位、118位、121位、122位、125位、126位、128位、130位、131位、137位、138位、139位、140位、142位、146位、149位、151位、152位、154位、157位、158位、159位、160位、161位、163位、166位、167位、169位、170位、172位、174位、175位、179位、180位及び182位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、13位、19位、28位、55位、104位、120位、129位及び164位のTyrをPheに置換した。
【0155】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER1038に形質転換した。
【0156】
3.SpeI−HFの選択
SacI−HFで予め消化したpXBA DNAを基質としてNEB4+水中の各変異体の活性の比較と共に、ExoI及び正常pXbaとのグリセロール反応を使用してSpeI−HFの選択を行った。SacI−HFで消化したpXBAを使用することにより、変異体の活性をWTと比較試験する場合により明瞭にした。グリセロール反応はスター活性結果を比較するために使用した。数種の変異体E059A、P065A、S108A、N172A、K174A、Q179A、G182A及びY055Fは高いコグネイト活性と同時にスター活性の低下を示した。精製サンプルの比較後、SpeI(P065A)をSpeI−HFに指定した。
【0157】
4.SpeI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/mlを添加したLBでER3081細胞(pRRS−SpeIM7(P065A),pSYX20−SpeIM9)2リットルを30℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したSpeI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0158】
5.SpeI−HFとSpeI−WTの比較
希釈剤Cを添加した4種類のNEBバッファー中でpXba DNAを基質としてSpeI−HFとSpeI−WTのFIを別々に測定し、結果を(下記)表18にまとめる。
【0159】
【表18】
【0160】
SpeI−HFはNEB4中で最高活性であり、FIは≧8000であり、SpeI−WTはNEB1中で最高活性であり、FIは1000である。従って、総改善倍率は≧8倍である。
【0161】
[実施例18]
HF BsmAIの作製
1. BsmAIの発現
各々BsmAIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpBAD241−BsmAIRとpACYC−BsmAIMで形質転換した大腸菌でBsmAIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖後、アラビノースにより4時間誘導した。
【0162】
2.BsmAI−HFの変異誘発
BsaI、BsmBI及びBsmAI間には相同性があり、BsmAIの210−227領域にBsaI及びBsmBIの高忠実度変異体が検出されたため、この領域のアミノ酸を全てAlaに変異させることにした。
【0163】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER3081に形質転換した。
【0164】
3.BsmAI−HFの選択
FX174 DNAを基質としてNEB4中の変異体BsmAIとWT BsmAIのスター活性の比較を使用してBsmAI−HFの選択を行った。N212A及びL213Aの2種の変異体はWT BsmAIよりもスター活性が低かった。変異体BsmAI(N212A)をBsmAI−HFに指定する。
【0165】
4.BsmAI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Camを添加したLBでER2566細胞(pBAD241−BsmAI(N212A),pACYC184−BsmAIM)2リットルを37℃にて一晩増殖させた。次に最終濃度0.2%となるようにアラビノースにより細胞を4時間誘導した。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したBsmAI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0166】
5.BsmAI−HFとBsmAI−WTの比較
希釈剤Bを添加した4種類のNEBバッファー中でFX174 DNAを基質としてBsmAI−HFとBsmAI−WTのFIを別々に測定した。結果を(下記)表19にまとめる。
【0167】
【表19】
【0168】
BsmAI−HFはNEB1及びNEB4中で最良性能であり、FIは≧4000であり、BsmAI−WTはNEB4中で最良性能であり、FIは250であった。従って、FI総改善倍率は≧4000/250=≧16倍であった。
【0169】
[実施例19]
HF BstXIの作製
国際公開第WO2009/009797号の実施例19に記載されているようにBstXIはCCANNNNN/NTGGで認識・消化する。変異体BstXI(N65A)をBstXIの高忠実度変異体として選択した。スター活性の低い良好なBstXIを探し出す別の方法はN65を他の全アミノ酸残基に変異させる方法である。そのうち、BstXI(N65T)はスター活性が低いことが判明したので、BstXI−HFに指定した。
【0170】
BstXI−HFをER2833(pBAD241−BstXI(N65T),pACYC−BstXIM)で発現させた。増殖及び精製法はWO/2009/009797号に従って実施した。
【0171】
下表(表20)はBstXI−HFとBstXI WTのFIを比較する。
【0172】
【表20】
【0173】
BstXI−HFはNEB2、NEB3及びNEB4中で最良活性であり、BstXI−HFの最良FIは≧1000であり、WT BstXIはNEB2、NEB3及びNEB4中で最良活性であった。NEB2及びNEB4中のWT BstXIのFIは32であった。従って、総改善倍率は≧32倍であった。
【0174】
[実施例20]
HF SfiIの作製
1.SfiIの発現
各々SfiIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpRRS−SfiIRとpSX33−SfiIMで形質転換した大腸菌でSfiIを発現させた。AmpとKanを添加したLBで細胞を30℃にて一晩増殖させた。
【0175】
2.SfiI−HFの変異誘発
7位、9位、11位、12位、14位、15位、17位、18位、19位、20位、22位、23位、26位、29位、30位、32位、33位、34位、36位、37位、40位、41位、42位、45位、46位、47位、48位、49位、55位、56位、58位、59位、63位、66位、67位、69位、71位、72位、73位、76位、79位、81位、82位、84位、87位、88位、89位、90位、91位、94位、95位、100位、102位、104位、105位、106位、107位、108位、109位、110位、111位、113位、114位、115位、116位、118位、120位、122位、124位、125位、126位、127位、128位、129位、130位、133位、135位、137位、140位、141位、145位、146位、148位、149位、150位、153位、156位、157位、158位、162位、166位、167位、169位、170位、172位、173位、174位、176位、177位、179位、180位、185位、187位、188位、190位、192位、193位、194位、196位、197位、198位、199位、200位、201位、202位、205位、207位、208位、209位、210位、211位、213位、214位、215位、218位、220位、224位、225位、227位、228位、231位、233位、235位、236位、238位、240位、242位、243位、244位、246位、247位、248位、249位、251位、252位、254位、255位、257位、258位、259位、261位、262位、263位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、31位、60位、68位、80位、164位、165位、175位、182位、195位、222位、239位及び245位のTyrをPheに置換した。
【0176】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2169に形質転換した。
【0177】
3.SfiI−HFの選択
EcoRI−HFで予め消化したpXba DNAを基質としてNEB ExoIバッファーとBSAを添加した水中の変異体とWTの活性の比較を使用してSfiI−HFの選択を行った。指定バッファー中でWTに比較してスター活性の変化を示しながら野生型と同等以上の活性を示す変異体を選択した。数種の変異体E007A、D011A、E049A、R073A、R0114A、G137A、S210A及びR213AはNEB4中で高活性であることが判明した。精製後、P114Aはスター活性が最も顕著に低下していることが判明した。SfiI(R114A)をSfiI−HFに指定する。
【0178】
変異体N071A、D079A、H162A、R225A、K227A、Y068F及びY182Fではスター活性が増加したことも注目すべきである。Y068FはWTと切断パターンが異なることが従来から認められている。
【0179】
4.SfiI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Kanを添加したLBでER2169細胞(pRRS−SfiI(R114A),pSX33−SfiIM)2リットルを30℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したSfiI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え−20℃にて保存した。
【0180】
5.SfiI−HFとSfiI−WTの比較
希釈剤Cを添加した4種類のNEBバッファー中でpBC4 DNAを基質としてSfiI−HFとSfiI−WTのFIを別々に測定した。比較を図11に示し、結果を(下記)表21にまとめる。
【0181】
【表21】
【0182】
SfiI−HFはNEB4中で最良性能であり、FIは≧8000であり、WT SfiIはNEB3中で最良性能であり、FIは2000であった。総改善倍率は≧8000/2000=≧4倍である。
【0183】
[実施例21]
HF PmeIの作製
1.PmeIの発現
各々PmeIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpRRS−PmeIRとpACYC184−EsaS9IMで形質転換した大腸菌でPmeIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0184】
2.PmeI−HFの変異誘発
7位、8位、10位、13位、14位、17位、20位、21位、22位、25位、28位、29位、30位、32位、33位、35位、37位、39位、41位、42位、43位、46位、47位、49位、50位、51位、54位、55位、60位、62位、63位、64位、66位、67位、68位、69位、71位、72位、73位、77位、79位、80位、81位、82位、83位、86位、87位、91位、94位、95位、96位、97位、98位、100位、104位、106位、107位、108位、109位、110位、112位、113位、114位、115位、116位、117位、118位、121位、123位、124位、127位、130位、131位、132位、133位、134位、135位、137位、138位、145位、147位、148位、149位、151位、152位、153位、154位、155位、157位、160位、162位、165位、166位、167位、169位、170位、171位、172位、177位、180位、181位、182位、183位、185位、186位、188位、190位、191位、192位、193位、194位、199位、200位、201位、202位、204位、207位、208位、209位、210位、211位、212位、215位、218位、219位、221位、222位、223位、225位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、111位、129位、146位及び161位のTyrをPheに置換した。
【0185】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2426に形質転換した。
【0186】
3.PmeI−HFの選択
水+NEB4中でλDNAを基質とした場合と、グリセロール+NEB Thermopolバッファー中でpXbaを基質とした場合のWTと変異体の活性の比較を使用してPmeI−HFの選択を行った。λDNAを基質として水中で変異体とWT PmeIを試験することによりコグネイト活性を参照し、NEB4中の活性がWTと同等以上のものを選択した。次に、活性が許容可能な変異体でも、ThermopolバッファーとpXbaを使用するグリセロール条件下で試験した場合にスター活性の変化を示さなかった場合には排除した。数種の変異体P079A、E086A、H096A及びE218Aはスター活性が変化することが判明した。PmeI(E086A)をPmeI−HFに指定する。
【0187】
4.PmeI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Camを添加したLBでER2426細胞(pRRS−PmeI(P154A),pACYC184−EsaS9IM)2リットルを37℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したPmeI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0188】
5.PmeI−HFとPmeI−WTの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でpXba DNAを基質としてPmeI−HFとPmeI−WTのFIを別々に測定した。結果を(下記)表22にまとめる。
【0189】
【表22】
【0190】
PmeI−HFはNEB4中で最良性能であり、FIは≧8000であり、PmeI−WTはNEB1及びNEB2中で最良性能であり、FIは250であった。総改善倍率は≧8000/250=≧16倍である。
【0191】
[実施例22]
HF SmaIの作製
1.SmaIの発現
各々SmaIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpRRS−SmaIRとpSYX20−SmaIMで形質転換した大腸菌でSmaIを発現させた。AmpとKanを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0192】
2.SmaI−HFの変異誘発
全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、全てのTyrをPheに置換した。
【0193】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2428に形質転換した。
【0194】
3.SmaI−HFの選択
pXba DNAを基質として、水+NEB4中と、NEB標準Taqバッファーを加えたスター活性誘導グリセロール条件下における活性の比較を使用してSmaI−HFの選択を行った。WTと同等以上のコグネイト活性を維持しながら指定バッファー中でスター活性の変化を示した変異体を選択した。数種の変異体E32R、S081A、G132A及び二重変異体F60L/S61Rが検出された。SmaI(F60L/S61R)をSmaI−HFに指定する。
【0195】
4.SmaI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Kanを添加したLBでER2428細胞(pRRS−SmaI(F60L/S61R),pSYX20−SmaIM)2リットルを37℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したSmaI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0196】
5.SmaI−HFとSmaI−WTの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でpXba DNAを基質としてSmaI−HFとWT SmaIのFIを別々に測定した。比較を図12に示し、結果を(下記)表23にまとめる。
【0197】
【表23】
【0198】
SmaI−HFはNEB4中で最良性能であり、FIは≧256000であり、SmaI−WTはNEB2及びNEB4中で最良性能であり、FIは64であった。総改善倍率は≧256000/64=≧4000倍である。
【0199】
[実施例23]
高忠実度AatIIの作製
1.AatIIの発現
各々AatIIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpRRS−AatIIRとpACYC184−AatIIMで形質転換した大腸菌でAatIIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0200】
2.AatII−HFの変異誘発
8位、9位、11位、12位、13位、16位、17位、18位、20位、22位、26位、29位、32位、33位、35位、36位、37位、38位、40位、43位、45位、46位、49位、52位、53位、54位、56位、57位、58位、60位、61位、62位、64位、65位、69位、70位、71位、72位、73位、74位、75位、77位、79位、80位、83位、84位、86位、87位、90位、92位、93位、94位、95位、97位、99位、100位、103位、104位、106位、107位、111位、113位、114位、117位、121位、123位、124位、125位、126位、128位、129位、131位、132位、133位、135位、136位、140位、141位、143位、144位、145位、146位、148位、149位、150位、151位、153位、155位、156位、157位、160位、164位、165位、167位、169位、171位、172位、173位、174位、175位、176位、177位、179位、181位、182位、186位、189位、191位、192位、193位、194位、196位、198位、200位、201位、203位、204位、205位、206位、207位、208位、210位、211位、213位、214位、216位、217位、219位、220位、221位、222位、226位、228位、230位、231位、233位、235位、236位、237位、238位、240位、241位、244位、247位、248位、249位、250位、251位、252位、253位、256位、262位、264位、265位、266位、268位、269位、272位、273位、275位、280位、281位、282位、283位、286位、298位、292位、293位、295位、296位、297位、298位、301位、302位、308位、309位、311位、312位、313位、314位、315位、317位、319位、321位、325位、327位、329位、330位、333位、334位、335位、336位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、82位、89位、98位、112位、232位、305位及び306位のTyrをPheに置換した。
【0201】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2426に形質転換した。
【0202】
3.AatII−HFの選択
pXba DNAを基質として水中NEB4とグリセロール中NEB ExoIバッファーにおける活性の比較を使用してAatII−HFの選択を行った。水中正常条件下でWTと同等以上の活性を維持しながらグリセロール条件下でスター活性の変化を示した変異体を後続試験に選択した。数種の変異体G013A、G016A、K018A、P052A、R053A、K070A、E071A、D072A、G073A、S84A、E086A、R090A、K094A、R095A、P099A、P103A、K113A、N135A、S151A、P157A、G173A、T204A、S206A、K207A、E233A、N235A、E237A、S238A、D241A、K295A、S301A及びS302Aを初期スクリーニング後の後続試験に選択した。AatII(N235A)をAatII−HFに指定する。
【0203】
4.AatII−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Camを添加したLBでER2426細胞(pRRS−AatII(N235A),pACYC184−AatIIM)2リットルを37℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したAatII−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0204】
5.AatII−HFとAatII−WTの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でpBR322 DNAを基質としてAatII−HFとWT AatIIのFIを別々に測定した。結果を(下記)表24にまとめる。
【0205】
【表24】
【0206】
AatII−HFはNEB4中で最良性能であり、FIは≧1000であり、WT AatIIはNEB2中で最良性能であり、FIは1/4であった。総改善倍率は≧1000/1/4=≧4000倍である。
【0207】
[実施例24]
HF ApoIの作製
1.ApoIの発現
各々ApoIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpRRS−ApoIRとpACYC184−ApoIMで形質転換した大腸菌でApoIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0208】
2.ApoI−HFの変異誘発
8位、9位、10位、11位、13位、14位、17位、18位、19位、20位、21位、22位、23位、24位、26位、28位、29位、33位、35位、36位、37位、39位、41位、43位、47位、48位、49位、50位、51位、56位、57位、60位、62位、63位、64位、66位、67位、69位、71位、72位、73位、75位、76位、77位、80位、81位、82位、83位、84位、87位、92位、93位、94位、95位、96位、97位、102位、103位、105位、106位、107位、108位、109位、110位、111位、113位、115位、116位、117位、119位、120位、121位、124位、125位、128位、129位、131位、132位、133位、136位、137位、143位、144位、145位、148位、153位、155位、157位、159位、160位、161位、162位、163位、166位、167位、169位、170位、175位、176位、178位、179位、181位、184位、185位、186位、187位、188位、189位、192位、193位、194位、195位、199位、201位、202位、204位、206位、207位、209位、210位、214位、216位、217位、218位、221位、226位、227位、229位及び230位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln及びArgをAlaに置換した。
【0209】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2426に形質転換した。
【0210】
3.ApoI−HFの選択
λDNAを基質としてNEB3及びNEB4中の活性の比較を使用してApoI−HFの選択を行った。NEB4中の活性増加は忠実度改善の指標であるので、NEB4中の活性がWTよりも高い変異体を選択した。以下の変異体:S64A、S80A、S162A、T77A/T96A及びN178AはNEB4中で高活性であることが判明した。ApoI(T77A/T96A)をApoI−HFに指定する。
【0211】
4.ApoI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Camを添加したLBでER2426細胞(pRRS−ApoI(T77A/T96A),pACYC184−ApoIM)2リットルを37℃にて一晩増殖させ、8時間増殖後に0.5mM ITPGで誘導した。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したApoI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0212】
5.ApoI−HFとApoI−WTの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でpXba DNAを基質としてApoI−HFとApoI−WTのFIを別々に測定した。結果を(下記)表24にまとめる。
【0213】
【表25】
【0214】
ApoI−HFはNEB2中で最良性能であり、FIは≧4000であり、WT ApoIはNEB2及びNEB3中で最良性能であり、最良FIは64であった。総改善倍率は≧4000/64=≧64倍である。
【0215】
[実施例25]
高忠実度BsmBIの作製
国際公開第WO2009/009797号の実施例23に記載されているようにBsmBIはCGTCTCN1/N5で認識・消化する。変異体BsmBI(R232A)をBsmBIの高忠実度変異体として選択した。この変異体を更に特性決定した結果、1時間規模でのBsmBI(R232A)の性能は優れているが、一晩消化すると性能は良好でなくなった。他の変異体を探すと、BsmBI(W238A)は1時間と一晩のどちらの反応でも優れていることが判明したので、BsmBI−HFに指定した(図13)。
【0216】
BsmBI−HFをER3081(pBAD241−BsmBIR(W238A)/pACYC−BsmAIM)で発現させた。増殖法と精製法はWO/2009/009797に従って実施した。
【0217】
下表(表26)はBsmBI−HFとBsmBI−WTのFIを比較する。
【0218】
【表26】
【0219】
BsmBI−HFはNEB4中で最良活性であり、NEB4中のBsmBI−HFのFIは250であり、BsmBI−WTはNEB3中で最良活性であった。NEB2中のBsmBIのFIは120であった。従って、総改善倍率は2倍であった。
【0220】
[実施例26]
HF BmtIの作製
1.BmtIの発現
pACYC−BmtIMとplaczz1−BmtIRで形質転換した大腸菌でBmtIを発現させた。pACYCは低コピー対応プラスミドである。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0221】
2.BmtI−HFの変異誘発
選択した変異の点変異誘発をインバースPCRにより実施した。BmtIに以下のように150カ所のアミノ酸変異を作製した。Cys、Asp、Glu、Phe、His、Lys、Met、Asn、Gln、Arg、Ser、Thr、TrpをAlaに変異させた。TryをPheに変異させた。これらは5位、9位、11位、12位、16位、19位、20位、23位、24位、25位、26位、27位、30位、32位、33位、34位、35位、36位、39位、45位、46位、49位、50位、51位、53位、56位、58位、59位、60位、63位、65位、69位、71位、72位、73位、74位、75位、76位、78位、79位、80位、81位、83位、85位、86位、88位、89位、90位、92位、93位、94位、95位、97位、98位、99位、101位、104位、105位、106位、108位、110位、111位、112位、113位、116位、118位、119位、120位、121位、122位、124位、128位、129位、131位、132位、133位、134位、136位、138位、139位、140位、141位、142位、144位、145位、146位、147位、148位、150位、151位、152位、154位、156位、157位、161位、162位、163位、165位、166位、167位、168位、169位、171位、172位、173位、175位、178位、179位、180位、181位、185位、186位、189位、190位、191位、193位、194位、195位、196位、199位、200位、201位、202位、203位、204位、205位、206位、207位、208位、210位、211位、213位、214位、216位、217位、218位、219位、220位、221位、222位、226位、228位、229位、230位、231位、234位、236位、237位、238位、239位及び241位であった。変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株3081に形質転換した。
【0222】
3.BmtI−HFの選択
AmpとCamを添加したLBで各変異のコロニー4個を37℃で一晩増殖させた。ExoIバッファー及び10% DMSO中でpBC4を使用してBmtIの標準コグネイトアッセイとスター活性アッセイを実施した。
【0223】
変異体S50A、Y81F、N93A及びW207Aをスクリーニングアッセイで選別した。各種条件及び基質で数ラウンドの比較後、S50Aは高カノニカル酵素活性を維持しながらスター活性の実質的低下を示す好ましい変異体であることが判明した。BmtI(S50A)をBmtI−HFに指定した。
【0224】
4.BmtI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Camを添加したLBで大腸菌3081細胞(placzz1−BmtIR(S50A),pACYC−BmtIM)2リットルを37℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分を更に濃縮した。濃縮したBmtI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0225】
5.BmtI−HFとBmtI−WTの比較
BmtI−HFをAで2倍系列希釈し、pXbaと反応させた。結果を表27に示す。
【0226】
【表27】
【0227】
BmtI−HFはNEB4中で最良性能であり、好ましいFIは≧1000000であり、BmtI−WTはNEB2及びNEB4中で最良性能であり、FIは16であった。FI総改善倍率は≧1000000/16=≧62500倍であった。
【0228】
[実施例27]
HF BstNIの作製
1.BstNIの発現
各々BstNIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpBAD241−BstNIRとpACYC184−BstNIMで形質転換した大腸菌でBstNIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させ、LBで10倍に希釈後、アラビノースにより4時間誘導した。
【0229】
2.BstNI−HFの変異誘発と選択
BstNIの一連の変異を作製する実験中に、BstNI(G26N)はWT BstNIよりもスター活性が低いことが判明した。スター活性が更に低く、より良好なBstNI変異体を探し出すために、G26を他の全アミノ酸に変異させた。これらの全変異体のうちで、BstNI(G26T)はスター活性が最低であるので、BstNI−HFに指定する。
【0230】
3.BstNI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Camを添加したLBでER2833細胞(pBAD241−BstNI(G26T),pACYC184−BstNIM)2リットルを37℃にて一晩増殖させた。次に細胞をLBで10倍に希釈後、最終濃度が0.2%となるようにアラビノースにより4時間誘導した。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したBstNI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0231】
4.BstNI−HFとWT BstNIの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でpBR322 DNAを基質としてBstNI−HFとWT BstNIのFIを別々に測定した。比較を図14に示し、結果を(下記)表28にまとめる。
【0232】
【表28】
【0233】
BstNI−HFはNEB2及びNEB4中で最良性能であり、最良FIは≧500であり、BstNI−WTはNEB2及びNEB3中で最良性能であり、最良FIは250であった。従って、総改善倍率は≧500/250=≧2倍であった。
【0234】
[実施例28]
HF MluIの作製
1.MluIの発現
各々MluIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpUC19−MluIRとpACYC184−MluIMで形質転換した大腸菌でMluIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を30℃にて一晩増殖させた。
【0235】
2.MluI−HFの変異誘発
7位、8位、10位、11位、13位、16位、21位、23位、24位、26位、27位、30位、31位、33位、34位、35位、36位、37位、39位、42位、44位、48位、50位、51位、54位、57位、59位、60位、61位、67位、68位、71位、72位、74位、75位、78位、79位、81位、83位、84位、85位、86位、89位、90位、93位、94位、95位、97位、99位、101位、102位、104位、106位、108位、111位、112位、114位、116位、117位、119位、120位、121位、123位、125位、128位、130位、131位、132位、134位、136位、137位、139位、140位、141位、142位、144位、145位、146位、148位、152位、154位、155位、156位、157位、159位、161位、163位、165位、166位、170位、172位、173位、174位、176位、177位、179位、180位、181位、182位、183位、184位、186位、189位、192位、195位、196位、197位、200位、206位、207位、208位、210位、211位、214位、216位、218位、219位、220位、221位、223位、227位、228位、230位、232位、233位、234位、236位、237位、238位、240位、243位、244位、247位、249位、255位、256位、257位、258位、261位、263位、264位、265位、266位、269位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、14位、28位、47位、53位、77位、107位、175位、198位、217位、239位及び248位のTyrをPheに置換した。
【0236】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER1582に形質転換した。
【0237】
3.MluI−HFの選択
λDNAを基質としてNEB3及びNEB4中の活性の比較を使用してMluI−HFの選択を行った。NEB4中の活性増加は忠実度改善の指標であるので、NEB4中の活性がWTよりも高い変異体を選択した。この条件を満たすことが判明した唯一の変異体はE112A/R132Aであり、MluI(E112A/R132A)をMluI−HFに指定する。
【0238】
4.MluI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Camを添加したLBでER1582細胞(pUC19−MluI(E112A/R132A),pACYC184−MluIM)2リットルを30℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したMluI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0239】
5.MluI−HFとMluI−WTの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でλDNAを基質としてMluI−HFとWT MluIのFIを別々に測定した。比較を図15に示し、結果を(下記)表29にまとめる。
【0240】
【表29】
【0241】
MluI−HFはNEB2及びNEB4中で最良性能であり、FIは≧32000であり、MluI−WTはNEB3中で最良性能であり、FIは2000であった。総改善倍率は≧32000/2000=≧16倍であった。
【0242】
[実施例29]
HF BanIの作製
1.BanIの発現
各々BanIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpUC19−BanIRとpACYC184−BanIMで形質転換した大腸菌でBanIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0243】
2.BanI−HFの変異誘発
7位、8位、9位、11位、12位、14位、15位、16位、19位、22位、23位、27位、28位、29位、30位、31位、32位、33位、36位、37位、40位、41位、42位、43位、47位、50位、52位、53位、54位、55位、56位、58位、61位、64位、66位、67位、69位、70位、71位、75位、76位、81位、82位、84位、85位、86位、87位、89位、90位、92位、93位、94位、96位、97位、100位、103位、105位、106位、107位、109位、110位、111位、112位、114位、115位、117位、121位、122位、123位、124位、126位、130位、131位、133位、135位、136位、138位、139位、140位、141位、143位、145位、146位、148位、150位、151位、152位、154位、156位、157位、160位、161位、169位、171位、174位、175位、176位、178位、179位、182位、183位、185位、187位、188位、191位、192位、193位、194位、195位、197位、198位、201位、202位、203位、208位、209位、211位、212位、213位、215位、217位、218位、220位、221位、224位、225位、226位、229位、232位、233位、234位、236位、237位、238位、240位、242位、243位、244位、245位、246位、248位、249位、251位、252位、253位、254位、255位、256位、257位、259位、260位、262位、266位、267位、268位、269位、270位、271位、275位、277位、279位、281位、282位、283位、284位、285位、287位、288位、289位、291位、292位、294位、296位、298位、301位、302位、303位、304位、305位、312位、313位、315位、316位、318位、319位、320位、321位、324位、325位、328位、329位、330位、331位、333位、337位、338位、339位、340位、342位、346位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、104位、125位、127位、156位、159位、204位、239位、297位、306位及び336位のTyrをPheに置換した。
【0244】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2683に形質転換した。
【0245】
3.BanI−HFの選択
λDNAを基質として、水+NEB4中と、グリセロール+NEB ExoIバッファー中の活性の比較を使用してBanI−HFの選択を行った。NEB4中の活性がWTと同等以上であると共に、グリセロール条件下で試験した場合にスター活性の変化を示した変異体を選択した。これらの変異体の選択に使用した別の指標として、スター活性の除去によりコグネイト切断に遅延部位が生じるという事実も使用した。多数の変異体:N016A、S33A、P36A、H76A、P87A、N89A、R90A、T138A、K141A、K143A、Q221A、Q224A、N253A、Q292A、R296A、T152I、G326A及びT324Aはスター活性が変化し、その結果として遅延部位が生じることが判明した。BanI(Q292A)をBanI−HFに指定する。
【0246】
4.BanI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Camを添加したLBでER2683細胞(pUC19−BanI(P154A),pACYC184−BanIM)2リットルを37℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したBanI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0247】
5.BanI−HFとBanI−WTの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でλDNAを基質としてBanI−HFとWT BanIのFIを別々に測定した。結果を(下記)表30にまとめる。
【0248】
【表30】
【0249】
BanI−HFはNEB4中で最良性能であり、FIは≧2000であり、WT BanIもNEB4中で最良性能であったが、FIは16に過ぎなかった。総改善倍率は≧2000/16=≧125倍である。
【0250】
[実施例30]
HF KasIの作製
1.KasIの発現
各々KasIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むplacZZ−KasIRとpACY−SfoIMで形質転換した大腸菌でKasIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を30℃にて一晩増殖させた。
【0251】
2.KasI−HFの変異誘発
7位、8位、9位、11位、13位、14位、17位、18位、21位、24位、26位、28位、29位、31位、32位、33位、34位、36位、37位、39位、42位、43位、44位、47位、48位、51位、52位、54位、55位、56位、58位、60位、62位、63位、64位、65位、66位、69位、70位、73位、76位、77位、78位、79位、83位、85位、86位、88位、89位、90位、91位、92位、93位、94位、98位、100位、101位、102位、103位、104位、108位、110位、111位、114位、115位、116位、117位、118位、119位、122位、123位、124位、125位、126位、128位、129位、134位、137位、138位、139位、140位、142位、143位、144位、145位、146位、149位、150位、152位、153位、154位、156位、158位、161位、162位、163位、164位、165位、167位、168位、173位、177位、178位、180位、181位、182位、184位、185位、188位、189位、190位、191位、192位、195位、197位、198位、200位、202位、203位、204位、210位、211位、212位、214位、215位、216位、217位、218位、219位、220位、221位、222位、223位、225位、226位、228位、229位、231位、234位、237位、238位、241位、243位、244位、245位、246位、248位、251位、253位、255位、257位、258位、259位、260位、261位、263位、264位、265位、266位、269位、270位、271位、274位、275位、276位、277位及び278位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、19位、41位、74位、80位、95位、207位及び256位のTyrをPheに置換した。
【0252】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2683に形質転換した。
【0253】
3.KasI−HFの選択
pBR322 DNAを基質としてNEB3及びNEB4中の活性の比較を使用してKasI−HFの選択を行った。NEB4中の活性増加は忠実度改善の指標であるので、NEB4中の活性がWTよりも高い変異体を選択した。以下の変異体:K024A、P214A、E146A、N251A及びY095FはNEB4中の活性が高いことが判明した。KasI(N251A)をKasI−HFに指定する。
【0254】
4.KasI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Camを添加したLBでER2683細胞(pLacZZ−KasI(M251A),pACYC−SfoIM)2リットルを30℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したKasI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0255】
5.KasI−HFとKasI−WTの比較
希釈剤Bを添加した4種類のNEBバッファー中でpBR322 DNAを基質としてKasI−HF及びKasI−WTのFIを別々に測定した。結果を(下記)表31にまとめる。
【0256】
【表31】
【0257】
KasI−HFはNEB2及びNEB4中で最良性能であり、FIは≧16000であり、KasI−WTは全バッファー中で同一性能であり、最良FIは8である。総改善倍率は≧16000/8=≧2000倍である。
【0258】
[実施例31]
HF NruIの作製
1.NruIの発現
各々NruIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpUC19−NruIRとpACYC−Sbo13IMで形質転換した大腸菌でNruIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0259】
2.NruI−HFの変異誘発
8位、10位、12位、13位、15位、16位、19位、20位、21位、22位、23位、25位、26位、30位、34位、36位、38位、39位、44位、45位、46位、47位、49位、50位、53位、54位、55位、56位、57位、58位、59位、60位、61位、62位、63位、64位、68位、70位、71位、72位、73位、75位、77位、79位、80位、82位、83位、84位、85位、87位、89位、90位、91位、92位、93位、95位、96位、97位、99位、101位、103位、104位、106位、107位、112位、113位、114位、115位、117位、118位、119位、124位、125位、127位、132位、134位、137位、138位、139位、141位、146位、147位、148位、149位、152位、154位、155位、157位、158位、159位、162位、163位、165位、166位、168位、169位、170位、171位、174位、175位、177位、178位、180位、182位、184位、186位、188位、189位、190位、191位、193位、196位、197位、200位、201位、202位、204位、205位、206位、207位、208位、209位、211位及び213位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、11位、31位、52位、69位、98位、64位及び187位のTyrをPheに置換した。
【0260】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2683に形質転換した。
【0261】
3.NruI−HFの選択
dam−λDNAを基質としてNEB3及びNEB4中の活性の比較を使用してNruI−HFの選択を行った。NEB4中の活性増加は忠実度改善の指標であるので、NEB4中の活性がWTよりも高い変異体を選択した。以下の変異体:G075A、Q099A、G155A及びP022A/R90AはNEB4中の活性が高いことが判明した。P154A NruI(P022A/R90A)をNruI−HFに指定する。
【0262】
4.NruI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Camを添加したLBでER2683細胞(pUC19−NruI(P022AR90A),pACYC184−Sbo13IM)2リットルを37℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したNruI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0263】
5.NruI−HFとNruI−WTの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でdam−λDNAを基質としてNruI−HFとNruI−WTのFIを別々に測定した。結果を(下記)表32にまとめる。
【0264】
【表32】
【0265】
NruI−HFはNEB4中で最良性能であり、FIは≧16000であり、NruI−WTはNEB3中で最良性能であり、FIは500であった。総改善倍率は≧16000/500=≧32倍であった。
【0266】
[実施例32]
高忠実度NspIの作製
1.NspIの発現
各々NspIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpUC19−NspIRとpACYC−FatIMで形質転換した大腸菌でNspIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0267】
2.NspI−HFの変異誘発
9位、10位、12位、13位、14位、16位、17位、18位、19位、20位、21位、23位、26位、29位、30位、31位、32位、34位、36位、37位、39位、40位、41位、42位、44位、45位、46位、47位、50位、51位、52位、53位、55位、56位、58位、59位、60位、61位、62位、63位、64位、65位、66位、70位、71位、72位、73位、74位、77位、78位、80位、81位、82位、83位、85位、86位、87位、89位、90位、91位、93位、94位、96位、97位、99位、100位、102位、104位、107位、108位、111位、114位、116位、117位、120位、121位、122位、123位、124位、125位、126位、127位、128位、132位、133位、134位、136位、138位、139位、141位、143位、144位、145位、146位、147位、149位、150位、152位、153位、154位、155位、157位、158位、159位、161位、164位、165位、166位、167位、168位、169位、170位、171位、172位、175位、176位、177位、178位、180位、181位、184位、185位、186位、187位、188位、189位、191位、193位、195位、199位、200位、201位、202位、203位、205位、206位、208位、209位、210位、211位、212位、213位、215位、216位、217位、220位、222位、225位、227位、230位、231位、234位、235位、236位及び238位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、48位、75位、113位、115位、198位及び224位のTyrをPheに置換した。
【0268】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2566に形質転換した。
【0269】
3.NspI−HFの選択
pBR322 DNAを基質としてNEB3及びNEB4中の活性の比較を使用してNspI−HFの選択を行った。NEB4中の活性増加は忠実度改善の指標であるので、NEB4中の活性がWTよりも高い変異体を選択した。以下の変異体:S097A及びE125AはNEB4中の活性が高いことが判明した。NspI(S097A)をNspI−HFに指定する。
【0270】
4.NspI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Camを添加したLBでER2566細胞(pUC19−NspI(S097A),pACYC−FatIM)2リットルを37℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したNspI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0271】
5.NspI−HFとNspI−WTの比較
希釈剤AとBSAを添加した4種類のNEBバッファー中でpUC19 DNAを基質としてNspI−HFとNspI−WTのFIを別々に測定した。比較を図16に示し、結果を(下記)表33にまとめる。
【0272】
【表33】
【0273】
NspI−HFはNEB1及びNEB4中で最良性能であり、最良FIは≧4000であり、WT NspIはNEB1及びNEB2中で最良性能であり、最良FIは250であった。総改善倍率は≧4000/250=≧16倍である。
【0274】
[実施例33]
HF BsrFIの作製
1.BsrFIの発現
各々BsrFIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpBAD−BsrFIRとpSYX33−HpaIIMで形質転換した大腸菌でBsrFIを発現させた。AmpとKanを添加したLBでアラビノース誘導下に細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0275】
2.BsrFI−HFの変異誘発
7位、8位、9位、12位、13位、15位、16位、17位、18位、19位、20位、21位、23位、25位、26位、28位、32位、35位、36位、37位、39位、40位、41位、42位、44位、45位、46位、48位、49位、51位、52位、56位、59位、61位、62位、64位、65位、66位、68位、72位、73位、74位、75位、76位、77位、80位、86位、87位、89位、91位、93位、94位、95位、97位、98位、103位、105位、106位、108位、109位、111位、113位、114位、117位、118位、119位、120位、121位、122位、123位、126位、128位、129位、130位、133位、134位、135位、136位、137位、139位、142位、143位、144位、145位、146位、151位、152位、153位、154位、157位、158位、159位、161位、162位、163位、165位、166位、168位、169位、170位、171位、173位、174位、177位、180位、181位、183位、184位、185位、187位、189位、190位、194位、196位、198位、199位、200位、202位、203位、204位、205位、206位、208位、211位、212位、213位、214位、217位、218位、222位、224位、226位、229位、230位、231位、233位、235位、238位、240位、241位、242位、243位、245位、246位、248位、249位、250位、253位、254位、257位、258位、259位、262位、264位、265位、266位、267位、268位、269位、272位、273位、276位、278位、279位、281位、282位、284位及び285位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、14位、34位、53位、90位、96位、99位、125位、160位、227位、236位、237位のTyrをPheに置換した。
【0276】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2566に形質転換した。
【0277】
3.BsrFI−HFの選択
pBR322 DNAを基質としてNEB3及びNEB4中の活性の比較を使用してBsrFI−HFの選択を行った。NEB4中の活性増加は忠実度改善の指標であるので、NEB4中の活性がWTよりも高い変異体を選択した。以下の変異体:K021A/I031R及びT120AはNEB4中の活性が高いことが判明した。BsrFI(K021A/I031R)をBsrFI−HFに指定する。
【0278】
4.BsrFI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Kanを添加したLBでER2566細胞(pBAD−BsrFI(K021A/I031R),pSYX33−HpaIIM)2リットルを37℃にて一晩増殖させ、8時間後に0.2%アラビノースで誘導した。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したBsrFI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0279】
5.BsrFI−HFとWT BsrFIの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でpBR322 DNAを基質としてBsrFI−HFとBsrFI−WTのFIを別々に測定した。比較を図17に示し、結果を(下記)表35にまとめる。
【0280】
【表34】
【0281】
BsrFI−HFはNEB1及びNEB4中で最良性能であり、FIは≧500であり、BsrFI−WTはNEB2中で最良性能であり、FIは4であった。総改善倍率は≧500/4=≧120倍である。
【0282】
[実施例34]
HF BspEIの作製
1.BspEI(配列番号34)の発現
各々BspEIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpLazz1−BspEIRとpACYC184−BspEIMで形質転換した大腸菌でBspEIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0283】
2.BspEI−HFの変異誘発
7位、8位、10位、11位、12位、13位、14位、17位、19位、20位、21位、22位、23位、27位、30位、31位、33位、34位、35位、36位、37位、39位、42位、43位、44位、45位、46位、48位、49位、51位、52位、53位、54位、55位、56位、58位、59位、60位、62位、63位、64位、66位、67位、68位、71位、72位、73位、74位、75位、78位、79位、81位、82位、84位、85位、88位、89位、91位、92位、93位、94位、95位、96位、98位、101位、102位、103位、106位、107位、108位、110位、111位、113位、114位、115位、117位、121位、122位、124位、126位、127位、128位、129位、132位、133位、135位、136位、137位、138位、140位、141位、148位、149位、151位、153位、155位、156位、157位、160位、162位、164位、166位、167位、168位、169位、172位、174位、175位、176位、177位、178位、182位、183位、184位、185位、186位、187位、189位、192位、193位、195位、196位、197位、198位、199位、200位、201位、203位、204位、208位、209位、212位、213位、214位、216位、217位、218位、219位、221位、222位、228位、229位、231位、232位、233位、234位、235位、236位、237位、238位、239位、240位、242位、244位、245位、246位、250位、251位、253位、254位、255位、256位、258位、260位、261位、263位、264位、266位、267位、269位、270位、271位、272位、273位、275位、276位、277位、281位、282位、283位、285位、286位、288位、289位、293位、294位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換した。
【0284】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER3081に形質転換した。
【0285】
3.BspEI−HFの選択
非メチル化λ(λ−)DNAを基質としてNEB3及びNEB4中の活性の比較を使用してBspEI−HFの選択を行った。WT BspEIはNEB3中の活性が高いので、NEB4中の活性が高いものを選択した。K7A、T10A、N11A、N14A、Q232A及びT199Aの6種の変異体はNEB4中の活性が高いことが判明した。T199AはNEB4中の活性がWTよりも著しく高い。BspEI(T199A)をBspEI−HFに指定する。
【0286】
[実施例35]
高忠実度BamHI(他の変異体)の作製
国際公開第WO2009/009797号の実施例1に記載されているようにBamHI(配列番号35)はG/GATCCで認識・消化する。変異体BamHI(E163A/E167T)をBamHIの高忠実度変異体として選択した。
【0287】
BamHIで完全な範囲の変異を行った。従来の特許及び出願に報告されている残基以外に、3位、7位、8位、15位、16位、21位、22位、23位、24位、27位、29位、31位、33位、34位、35位、37位、38位、39位、45位、47位、48位、49位、53位、54位、55位、56位、57位、58位、59位、60位、63位、64位、67位、68位、73位、74位、79位、80位、82位、83位、85位、90位、91位、92位、93位、95位、99位、100位、102位、105位、108位、109位、110位、112位、115位、116位、117位、124位、125位、127位、128位、129位、130位、131位、134位、136位、138位、140位、141位、142位、143位、144位、145位、147位、148位、151位、152位、156位、158位、159位、162位、164位、166位、168位、171位、172位、173位、174位、175位、176位、177位、178位、179位、180位、185位、187位、188位、189位、190位、191位、192位、194位、197位、198位、203位、206位、210位及び212位の他の残基もAlaに変異させた。
【0288】
これらの変異体のうち、P92A、P144A、G197A及びM198Aは野生型BamHIよりも忠実度が高い。P92Aを代替高忠実度BamHIとすることができる。
【背景技術】
【0001】
制限エンドヌクレアーゼは2本鎖DNAを配列特異的に切断する酵素である(Roberts,R.J.Proc Natl Acad Sci U S A 102:5905−5908(2005);Roberts,et al.Nucleic Acids Res 31:1805−1812(2003);Roberts,et al.Nucleic Acids Res 33:D230−232(2005);Alves,et al.Restriction Endonucleases,“Protein Engineering of Restriction Enzymes,”ed.Pingoud,Springer−Verlag Berlin Heidelberg,New York,393−407(2004))。これらは原核生物に遍在しており(Raleigh,et al.,Bacterial Genomes Physical Structure and Analysis,Ch.8,eds.De Bruijin,et al.,Chapman & Hall,New York,78−92(1998))、主にエンドヌクレアーゼとメチルトランスフェラーゼから構成される制限修飾系の一部を形成している。系のメチルトランスフェラーゼは対を成すエンドヌクレアーゼが認識する配列と同一の特定配列をメチル化し、修飾されたDNAをエンドヌクレアーゼによる切断に対して耐性にし、宿主DNAを適切に防御することができる。他方、外来DNA、特にバクテリオファージDNAの侵入があると、外来DNAは完全にメチル化される前に分解される。制限修飾系の主要な生物学的機能は宿主をバクテリオファージ感染から防御することである(Arber Science 205:361−365(1979))。組換えと転位への関与等の他の機能も示唆されている(Carlson,et al.Mol Microbiol,27:671−676(1998);Heitman,Genet Eng(N Y)15:57−108(1993);McKane,et al.Genetics 139:35−43(1995))。
【0002】
制限エンドヌクレアーゼは約3,000種が知られており、250種を越えるその異なる標的配列に対する特異性をその最も興味深い特徴であるとみなすことができる。最初の制限エンドヌクレアーゼの配列特異性(Danna,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A 68:2913−2917(1971);Kelly,et al.,J Mol Biol 51:393−409(1970))が発見されてから、所定の制限エンドヌクレアーゼが非最適条件下でその指定認識配列と同一ではないが、類似する配列を切断することを科学者らが発見するまでに時間はかからなかった(Polisky,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A,72:3310−3314(1975);Nasri,et al.,Nucleic Acids Res 14:811−821(1986))。この特異性のゆらぎを制限エンドヌクレアーゼのスター活性と言う。
【0003】
スター活性は分子生物学的反応における課題である。スター活性はクローニングベクター又は他のDNAに望ましくない切れ目を導入する。固有の指紋を作成するために所定のDNA基質を制限エンドヌクレアーゼにより切断する必要がある法廷用途等の場合、スター活性は切断パターンプロファイルを変化させ、分析を複雑にする。スター活性の回避は鎖置換増幅(Walker,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A,89:392−396(1992))や、遺伝子発現の順次解析(Velculescu,et al.,Science 270:484−487(1995))等の用途でも重要である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Roberts,R.J.Proc Natl Acad Sci U S A 102:5905−5908(2005)
【非特許文献2】Roberts,et al.Nucleic Acids Res 31:1805−1812(2003)
【非特許文献3】Roberts,et al.Nucleic Acids Res 33:D230−232(2005)
【非特許文献4】Alves,et al.Restriction Endonucleases,“Protein Engineering of Restriction Enzymes,”ed.Pingoud,Springer−Verlag Berlin Heidelberg,New York,393−407(2004)
【非特許文献5】Raleigh,et al.,Bacterial Genomes Physical Structure and Analysis,Ch.8,eds.
【非特許文献6】De Bruijin,et al.,Chapman & Hall,New York,78−92(1998)
【非特許文献7】Arber Science 205:361−365(1979)
【非特許文献8】Carlson,et al.Mol Microbiol,27:671−676(1998)
【非特許文献9】Heitman,Genet Eng(N Y)15:57−108(1993)
【非特許文献10】McKane,et al.Genetics 139:35−43(1995)
【非特許文献11】Danna,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A 68:2913−2917(1971)
【非特許文献12】Kelly,et al.,J Mol Biol 51:393−409(1970)
【非特許文献13】Polisky,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A,72:3310−3314(1975)
【非特許文献14】Nasri,et al.,Nucleic Acids Res 14:811−821(1986)
【非特許文献15】Walker,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A,89:392−396(1992)
【非特許文献16】Velculescu,et al.,Science 270:484−487(1995)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1実施形態では、制限エンドヌクレアーゼ及びその変異体の忠実度指数(FI)の同定方法として、反応バッファーと、制限エンドヌクレアーゼの結合・切断部位を含むDNA基質を選択する段階と;順次希釈した制限エンドヌクレアーゼ又はその変異体にDNA基質を切断させる段階と;制限エンドヌクレアーゼ及びその1種以上の変異体の各々のFIを求める段階を含む方法を提供する。
【0006】
1実施形態において、前記方法は更に、制限エンドヌクレアーゼとその変異体のFIを比較し、変異体に例えば2倍を上回る改善倍率を得る段階を含む。
【0007】
本発明の1実施形態では、酢酸カリウム、トリス酢酸及び酢酸マグネシウム、又は塩化マグネシウムを含む緩衝液を選択する。
【0008】
他の実施形態を以下に挙げる。
(a)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号1を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がS36、K77、P154、E163、Y165及びK185から構成される群から選択される前記組成物。
(b)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号2を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がK198及びQ148から構成される群から選択される前記組成物。
(c)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号3を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がS15、H20、E34、M58、Q95、R106、K108、T181、R187及びR199から構成される群から選択される前記組成物。
(d)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号4を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がD16、D148及びE132から構成される群から選択される前記組成物。
(e)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号5を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がK75、N146及びD256から構成される群から選択される前記組成物。
(f)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号6を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がE198及びD200から構成される群から選択される前記組成物。
(g)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号7を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がK229、E025、R034及びQ261から構成される群から選択される前記組成物。
(h)変異の位置がK225である配列番号8を含む酵素を含む組成物。
(i)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号9を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がH137、D177、K363、K408、R411、Q215、Q226及びQ230から構成される群から選択される前記組成物。
(j)変異の位置がF376である配列番号10を含む酵素を含む組成物。
(k)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号11を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がR78、T140、E152、R199及びF217から構成される群から選択される前記組成物。
(l)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号12を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がG26、P105、T195、Q210、Y147、Y193、K114、T197、S245、D252及びY027から構成される群から選択される前記組成物。
(m)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号13を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がH10、N208、K48、K74、R75、Y56、K58及びM117から構成される群から選択される前記組成物。
(n)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号14を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がK014、Q069、E099、R105、R117、G135及びY035から構成される群から選択される前記組成物。
(o)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号15を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がN106、Q169、E314及びR126から構成される群から選択される前記組成物。
(p)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号16を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がT20、P52、Y67、K68、R75、E86、Q90、S91、Q93、H121及びG172から構成される群から選択される前記組成物。
(q)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号17を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がE059、P065、S108、N172、K174、Q179、G182及びY055から構成される群から選択される前記組成物。
(r)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号18を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置N212及びL213がから構成される群から選択される前記組成物。
(s)N65位に変更を有する配列番号19を含む酵素を含む組成物。
(t)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号20を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がE007、D011、E049、R073、R114、G137、S210及びR213から構成される群から選択される前記組成物。
(u)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号21を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がP079、E086、H096及びE218から構成される群から選択される前記組成物。
(v)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号22を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がE32、S081、G132、F60及びS61から構成される群から選択される前記組成物。
(w)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号23を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がG013、G016、K018、P052、R053、K070、E071、D072、G073、S84、E086、R090、K094、R095、P099、P103、K113、N135、S151、P157、G173、T204、S206、K207、E233、N235、E237、S238、D241、K295、S301及びS302から構成される群から選択される前記組成物。
(x)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号24を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がS64、S80、S162、T77/T96及びN178から構成される群から選択される前記組成物。
(y)R232位を変異させた配列番号25を含む酵素を含む組成物。
(z)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号26を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がS50、Y81、N93及びW207から構成される群から選択される前記組成物。
(aa)G26位に変更を有する配列番号27を含む酵素を含む組成物。
(bb)E112/R132位に変更を有する配列番号28を含む酵素を含む組成物。
(cc)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号29を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がN016、S33、P36、H76、P87、N89、R90、T138、K141、K143、Q221、Q224、N253、Q292、R296、T152、G326及びT324から構成される群から選択される前記組成物。
(dd)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号30を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がK024、P214、E146、N251及びY095から構成される群から選択される前記組成物。
(ee)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号31を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がG075、Q099、G155、P022及びR90から構成される群から選択される前記組成物。
(ff)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号32を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がS097及びE125から構成される群から選択される前記組成物。
(gg)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号33を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がK021、I031及びT120から構成される群から選択される前記組成物。
(hh)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号34を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がK7、T10、N11、N14、Q232及びT199から構成される群から選択される前記組成物。
(ii)1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号35を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がP92、P144、G197及びM198から構成される群から選択される前記組成物。
【0009】
上記組成物のいずれも、変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつことを更に特徴とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】図1A及び1BはPvuI−HFとPvuI−WTの活性の比較を示す。図1A中、星(*)印はその左側でスター活性が検出されなくなるレーン(レーン2)を示す。番号(#)記号はその右側で部分消化が生じるレーン(レーン8)を示す。PvuI−WTの出発濃度を計算した処、77単位であった。図1Bでは、レーン15まで完全消化が認められ、その後、スター活性が認められた。完全消化を可能にする希釈窓(window of dilution)は希釈系列で6倍希釈から15倍希釈まで拡大した。PvuI−HFの出発濃度を計算した処、少なくとも9600単位であった。
【図1B】図1A及び1BはPvuI−HFとPvuI−WTの活性の比較を示す。図1A中、星(*)印はその左側でスター活性が検出されなくなるレーン(レーン2)を示す。番号(#)記号はその右側で部分消化が生じるレーン(レーン8)を示す。PvuI−WTの出発濃度を計算した処、77単位であった。図1Bでは、レーン15まで完全消化が認められ、その後、スター活性が認められた。完全消化を可能にする希釈窓(window of dilution)は希釈系列で6倍希釈から15倍希釈まで拡大した。PvuI−HFの出発濃度を計算した処、少なくとも9600単位であった。
【図2A】図2A及び2BはHindIII−HFとHindIII−WTの活性の比較を示す。図2A中、星(*)印はその左側でスター活性が検出されなくなるレーン(レーン9)を示す。番号(#)記号はその右側で部分消化が生じるレーン(レーン15)を示す。HindIII−WTの出発濃度を計算した処、9,600単位であった。図2Bでは、レーン13まで完全消化が認められ、その後、スター活性が認められる。完全消化を可能にする希釈窓は希釈系列で6倍希釈から13倍希釈まで拡大した。HindIII−HFの出発濃度を計算した処、少なくとも2,400単位であった。
【図2B】図2A及び2BはHindIII−HFとHindIII−WTの活性の比較を示す。図2A中、星(*)印はその左側でスター活性が検出されなくなるレーン(レーン9)を示す。番号(#)記号はその右側で部分消化が生じるレーン(レーン15)を示す。HindIII−WTの出発濃度を計算した処、9,600単位であった。図2Bでは、レーン13まで完全消化が認められ、その後、スター活性が認められる。完全消化を可能にする希釈窓は希釈系列で6倍希釈から13倍希釈まで拡大した。HindIII−HFの出発濃度を計算した処、少なくとも2,400単位であった。
【図3A】図3A及び3BはDraIII−HFとDraIII−WTの活性の比較を示す。図3A中、星(*)印はその左側でスター活性が検出されなくなるレーン(レーン12)を示す。番号(#)記号はその右側で部分消化が生じるレーン(レーン12)を示す。スター活性も部分消化DNAも認められなかった。DraIII−WTの出発濃度を計算した処、1,200単位であった。図3Bでは、レーン12まで完全消化が認められ、その後、スター活性が認められる。DraIII−HFの出発濃度を計算した処、少なくとも1,200単位であった。
【図3B】図3A及び3BはDraIII−HFとDraIII−WTの活性の比較を示す。図3A中、星(*)印はその左側でスター活性が検出されなくなるレーン(レーン12)を示す。番号(#)記号はその右側で部分消化が生じるレーン(レーン12)を示す。スター活性も部分消化DNAも認められなかった。DraIII−WTの出発濃度を計算した処、1,200単位であった。図3Bでは、レーン12まで完全消化が認められ、その後、スター活性が認められる。DraIII−HFの出発濃度を計算した処、少なくとも1,200単位であった。
【図4A】図4A及び4BはKpnI−HFとKpnI−WTの活性の比較を示す。図4A中、*印はその左側でスター活性が検出されなくなるレーン(レーン9)を示す。#記号はその右側で部分消化が生じるレーン(レーン13)を示す。図1A中、KpnI−WTの出発濃度を計算した処、2,000単位であった。図4Bでは、全体に完全消化が認められ、スター活性又は部分消化は認められなかった。KpnI−HFの出発濃度を計算した処、12,000単位を上回った。
【図4B】図4A及び4BはKpnI−HFとKpnI−WTの活性の比較を示す。図4A中、*印はその左側でスター活性が検出されなくなるレーン(レーン9)を示す。#記号はその右側で部分消化が生じるレーン(レーン13)を示す。図1A中、KpnI−WTの出発濃度を計算した処、2,000単位であった。図4Bでは、全体に完全消化が認められ、スター活性又は部分消化は認められなかった。KpnI−HFの出発濃度を計算した処、12,000単位を上回った。
【図5A】図5A〜5BはStyI−HFとStyI−WTの比較を示す。図5A中、*印はその左側(レーン6)でスター活性が開始することを示し、#記号はその右側(レーン12)で部分活性が開始することを示す。Sty−WTの出発量を計算した処、1,000単位であった。図5Bでは、最初から2レーンでスター活性が認められ、レーン14又は15から部分消化が認められた。StyI−HFの出発量を計算した処、4,000単位であった。
【図5B】図5A〜5BはStyI−HFとStyI−WTの比較を示す。図5A中、*印はその左側(レーン6)でスター活性が開始することを示し、#記号はその右側(レーン12)で部分活性が開始することを示す。Sty−WTの出発量を計算した処、1,000単位であった。図5Bでは、最初から2レーンでスター活性が認められ、レーン14又は15から部分消化が認められた。StyI−HFの出発量を計算した処、4,000単位であった。
【図6】pXbaを基質としてBglI−HFとBglI−WTの比較を示す。BglI−HFはFIが少なくとも8,000であり、BglI−WTはFIが32であり、少なくとも250倍の改善倍率が得られる。右側のパネルは理論消化パターンである。
【図7】pBR322を基質としてBsrDI−HFとBsrDI−WTの比較を示す。BsrDI−HFはNEB4中のFIが少なくとも1,000であり、BsrDI−WTはFIが1/2であり、少なくとも2,000倍の改善倍率が得られる。右側のパネルは理論消化パターンである。
【図8】λ(dam−)を基質としてNEB4中のBclI−HFとBclI−WTの比較を示す。BclI−HFはFIが少なくとも2,000であり、BclI−WTはFIが32であり、少なくとも64倍の改善倍率が得られる。右側のパネルは理論消化パターンである。
【図9】pXbaを基質としてBglII−HFとBglII−WTの比較を示す。BglII−HFはFIが少なくとも32,000であり、BglII−WTはFIが16であり、少なくとも2,000倍の改善倍率が得られる。右側のパネルは理論消化パターンである。
【図10】λDNAを基質としてBstEII−HFとBstEII−WTの比較を示す。BstEII−HFはFIが少なくとも2,000であり、BstEII−WTはFIが4であり、少なくとも500倍の改善倍率が得られる。右側のパネルは理論消化パターンである。
【図11】pBC4を基質としてSfiI−HFとSfiI−WTの比較を示す。SfiI−HFはNEB4中のFIが少なくとも8,000であり、SfiI−WTはFIが64であり、少なくとも120倍の改善倍率が得られる。右側のパネルは理論消化パターンである。
【図12】pXbaを基質としてSmaI−HFとSmaI−WTの比較を示す。SmaI−HFはFIが少なくとも256,000であり、SmaI−WTはFIが64であり、少なくとも4,000倍の改善倍率が得られる。右側のパネルは理論消化パターンである。
【図13】λDNAを基質としてBsmBI−HFとBsmBI−WTの比較を示す。BsmBI−HFはNEB4中のFIが250であり、BsmBI−WTはFIが4であり、少なくとも64倍の改善倍率が得られる。右側のパネルは理論消化パターンである。
【図14】pBR322を基質としてBstNI−HFとBstNI−WTの比較を示す。BstNI−HFはNEB4中のFIが500であり、BstNI−WTはFIが4であり、少なくとも120倍の改善倍率が得られる。右側のパネルは理論消化パターンである。
【図15】λDNAを基質としてMluI−HFとMluI−WTの比較を示す。MluI−HFはNEB4中のFIが少なくとも32,000であり、MluI−WTはFIが32であり、少なくとも1,000倍の改善倍率が得られる。右側のパネルは理論消化パターンである。
【図16】pUC19を基質としてNspI−HFとNspI−WTの比較を示す。NspI−HFはNEB4中のFIが500であり、NspI−WTはFIが32であり、少なくとも16倍の改善倍率が得られる。右側のパネルは理論消化パターンである。
【図17】pBR322を基質としてBsrFI−HFとBsrFI−WTの比較を示す。BsrFI−HFはNEB4中でFIが少なくとも500であり、BsrFI−WTはFIが16であり、少なくとも32倍の改善倍率が得られる。右側のパネルは理論消化パターンである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
単一配列に対する特異性を改善した制限エンドヌクレアーゼの変異体を作製するの容易なことではない。多くの問題にぶつかった。これらの問題を挙げると、変異酵素は活性が低下又は失われたり、スター活性が低下しなかったり、実際にスター活性が増加するという問題があった。あるいは、変異酵素をクローニングできないため、解析できないという問題もあった。
【0012】
変異体を作製できないのは、考えられる種々の原因のいずれかに起因し、以下のいずれかが挙げられる。逆PCR法の失敗が原因に考えられる。宿主細胞は通常通りに非変異制限エンドヌクレアーゼの発現に防御的な条件下では対を成すメチラーゼを発現したとしても、新規特異活性を生じた変異が宿主細胞に毒性になった可能性もある。これらの状況では、生存可能な変異体クローンは得られないであろう。あるいは、変異体が特定緩衝液に選択的であるため、別の緩衝液中で試験した場合には活性が検出されなかった可能性もある。別の問題として、一般には各変異の粗溶解液を試験しているが、場合により、溶解液中で活性が検出されず、アッセイのスコアが負になった場合には、活性を検出するために酵素を精製する必要があった。
【0013】
意外にも、プロリンをアラニンに置換した結果、少なくとも250を上回る望ましいFIをもち、少なくとも2倍の改善倍率をもたらす変異体が得られることが数例で認められた。この例はPvuI、BamHI、NruI及びSpeIの変異体であった。
【0014】
高忠実度変異体を作製する際の他の課題として、所定の制限エンドヌクレアーゼをコードするDNAの寸法も挙げられる。このDNAは鋳型の寸法が大きいため、PCRにより増幅することが困難な場合がある。更に、状況により、PCR産物は新規宿主に容易に形質転換しなかった。宿主細胞形質転換に成功したとしても、形質転換細胞は必ずしもコロニーを形成しないため、容易に検出することができなかった。場合により、形質転換からコロニーが得られたとしても、どのような条件でも培養することができなかった。
【0015】
変異体の特異活性の低下の理由としては、変異が蛋白質の折り畳みに支障を生じ、発現レベルが著しく低下したか、又は変異が特異的酵素活性に悪影響を与えるためであると考えられる。
【0016】
例えば、これはStyI変異体N34A、F35A、D58A、F65A、K66A、K67A、F100A、N148A、E213A、F250A、T251A、D258A、D262A、N283A、R293A、F294A、R295A、R296A、D298A、D299A、M304A、M310A、D318A、S337A、S346A及びF371Aで認められた。
【0017】
酵素活性の低下の理由としては、変異が触媒に重要な残基を欠失させたか、又は変異が折り畳みに重要な残基を置換し、誤って折り畳まれた変異体蛋白質が不活性になるためであると考えられる。
【0018】
例えば、これはStyI変異体M33A、D37A、F41A、D55A、D71A、N77A、R79A、E80A、F81A、T82A、E83A、F97A、F101A、E136A、W137A、M138A、M140A、K144A、Q145A、R151A、R255A、R259A、S261A、T264A、F278A、R281A、T284A、M297A、H305A、N306A、D314A、D338A及びE382Aで認められた。
【0019】
高忠実度変異体を作製するには骨の折れる作業が必要である。複数の変異体を選択及び試験し、高忠実度を示すのは比較的少数のみである。どの変異体が改善された特性を示す可能性が高いかを外挿法により予測することはできなかった。
【0020】
制限エンドヌクレアーゼの高忠実度変異体を同定するために実施したアッセイの例を図1〜17に示す。これらの図は野生型と高忠実度変異体の双方について単一緩衝液中の結果を示す。全図は三角形の方向に酵素濃度を低下させ、ゲル上で左から右に向かって2倍系列希釈後のDNAの切断の量と型を示す。表1は例証した33種の酵素の結果を詳細に示す。実施例で使用した制限エンドヌクレアーゼ反応バッファー(バッファー1〜4)は例えばNEBカタログ(2009/10)に記載されている。使用者の好みに従い、他の緩衝液を選択してもよい。
【0021】
アッセイは、スター活性に結び付けられるバンドの存在により判定した場合に明白なスター活性を示さないための最高制限酵素濃度と、標準NEBバッファー中で指定温度にて1時間50μl反応容量で標準DNA基質1μgを完全に消化する制限酵素濃度の比であるFIを求める。図6〜17では、スター活性バンドを示すために図面中に囲み枠を記入する。本発明の1実施形態において、FIは例えば、好ましくは少なくとも250、例えば>500、例えば>1000、例えば>5000である。
【0022】
変異体のFIを非変異体酵素のFIで割った比として忠実度改善値を計算する。本発明の1実施形態において、改善値は例えば好ましくは少なくとも2、例えば少なくとも4、例えば少なくとも8、例えば少なくとも16である。
【0023】
1実施形態において、FIは明白なスター活性を示さないための最高制限酵素量と、標準NEBバッファー中で特定温度にて1時間50μl反応容量で標準DNA基質1μgを完全に消化する量の比を意味する。
【0024】
【表1】
【0025】
希釈剤(Dil)A、B及びCとバッファー1〜4はNEBカタログ2009/10、87頁に記載されている。
【0026】
本願に引用する全文献と、2010年2月5日付け米国仮出願第61/301,666号及び2010年9月29日付け米国仮出願第61/387,800号は本願に援用する。
【実施例】
【0027】
[実施例1]
高忠実度(HF)PvuIの作製
1.PvuIの発現
各々PvuIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpUC19−PvuIRとpACYC184−PvuIMで形質転換した大腸菌でPvuIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を30℃にて一晩増殖させた。
【0028】
2.PvuI−HFの変異誘発
7位、8位、11位、12位、16位、17位、20位、21位、22位、23位、26位、28位、29位、30位、31位、34位、35位、36位、38位、40位、42位、44位、45位、46位、48位、49位、53位、55位、57位、59位、61位、63位、65位、66位、67位、69位、70位、71位、72位、73位、77位、78位、80位、81位、82位、87位、88位、90位、92位、93位、96位、97位、101位、102位、104位、106位、107位、108位、109位、110位、111位、115位、116位、119位、120位、121位、122位、126位、127位、129位、131位、132位、135位、138位、139位、144位、146位、147位、148位、150位、151位、152位、154位、155位、157位、158位、160位、161位、162位、163位、167位、169位、170位、172位、173位、174位、178位、180位、182位、183位、184位、185位、186位、187位、189位、192位、194位、195位、196位、201位、202位、203位、205位、206位、210位、211位、214位、215位、218位、219位、220位、221位、226位、230位、231位、232位、233位、235位、236位、238位、239位、240位、241位、246位、247位、248位、249位、251位、253位、254位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、18位、52位、56位、84位、91位、130位、143位、165位、204位、242位のTyrをPheに置換した。
【0029】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2683に形質転換した。
【0030】
3.PvuI−HFの選択
pXba DNAを基質としてNEB3及びNEB4(New England Biolabs,Inc.,Ipswich,MA(NEB))中の活性の比較を使用してPvuI−HFの選択を行った。PvuI−WTはNEB3中のほうが高活性である。NEB4中のほうが高活性のものを選択した。S36A、K77A、P154A、E163A、Y165F及びK185Aの6種の変異体はNEB4中のほうが高活性であることが判明した。P154AはNEB4中でWTよりも著しく高活性であった。一般に、NEB4中で最高活性のものはスター活性が改善されたものであった。PvuI(P154A)をPvuI−HFに指定した。有効な変異がプロリン→アラニン変異であったのはこれが最初である。
【0031】
4.PvuI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/mlを添加したLBでER2683細胞(pUC19−PvuI(P154A),pACYC184−PvuIM))2リットルを30℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮し、グリセロール中で−20℃にて保存した。
【0032】
5.PvuI−HFとPvuI−WTの比較
希釈剤Bを添加した4種類のNEBバッファー中でpXba DNAを基質としてPvuI−HFとPvuI−WTのFIを別々に測定した。比較を図1に示し、結果を(下記)表2にまとめる。
【0033】
【表2】
【0034】
PvuI−HFはNEB2及びNEB4中で最良性能であり、FIは≧16,000であり、WT PvuIはNEB3中で最良性能であり、FIは32であった。従って、総改善倍率は≧16,000/32=≧500倍であった。
【0035】
[実施例2]
HF HindIIIの作製
国際公開第WO2009/009797号の実施例21に記載されているようにHindIIIはA/AGCTTで認識・消化する。変異体HindIII(K198A)をHindIIIのHF変異体として選択した。この変異体を更に特性決定した結果、1時間規模でのHindIII(K198A)の性能は優れていたが、一晩消化すると良好に機能しないことが判明した。他の変異体について検討すると、HindIII(Q148A)も部分的に良好であることが判明した。著しく改善させる別の方法はアラニンを他の全アミノ酸残基に置換する方法であった。そのうち、HindIII(Q148I)は1時間反応と一晩反応のどちらでも優れていることが判明し、HindIII−HFに指定した(図2)。
【0036】
HindIII−HFをER3081(pUC19−HindIIIR(Q148I)M)で発現させた。増殖法と精製法はWO/2009/009797に従って実施した。
【0037】
下表(表3)はHindIII−HFとHindIII−WTのFIを比較する。
【0038】
【表3】
【0039】
HindIII−HFはNEB4中で最良活性であり、NEB4中のHindIII−HFのFIは≧520000であり、WT HindIIIはNEB2中で最良活性であった。NEB2中のHindIII−WTのFIは250であった。従って、改善倍率は≧2,000倍であった。
【0040】
[実施例3]
HF DraIIIの作製
1.DraIIIの発現
DraIIIはCACNNN/GTGで認識・消化する。pAGR3−DraIIIR()とpACYC−DraIIIM()を導入した大腸菌ER3081でDraIIIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を30℃にて一晩増殖させた。
【0041】
2.DraIIIの変異誘発
DraIII蛋白質の長さは227アミノ酸である。先ずDraIII蛋白質の合計132カ所のアミノ酸位置をAla(又はPhe)に変異させるように設計した。Cys、Asp、Glu、Phe、His、Lys、Met、Asn、Gln、Arg、Ser、Thr、Gly及びTrpをAlaに変異させた。TryをPheに変異させた。これらは7位、9位、10位、11位、12位、14位、15位、16位、17位、18位、20位、21位、22位、23位、28位、29位、31位、32位、34位、35位、37位、40位、42位、43位、44位、45位、47位、51位、54位、55位、57位、58位、59位、60位、64位、65位、66位、67位、68位、72位、73位、74位、76位、77位、82位、83位、84位、88位、89位、90位、91位、93位、94位、95位、96位、99位、101位、102位、104位、106位、107位、108位、111位、112位、113位、114位、115位、117位、120位、121位、123位、124位、127位、128位、130位、136位、137位、138位、139位、140位、141位、142位、144位、145位、146位、147位、150位、154位、155位、156位、157位、158位、160位、161位、165位、167位、169位、170位、171位、172位、173位、175位、176位、180位、181位、183位、184位、185位、187位、189位、190位、192位、193位、196位、198位、199位、200位、201位、202位、205位、207位、208位、209位、211位、212位、213位、214位、216位、217位、218位、219位、22位及び223位であった。
【0042】
選択した変異の点変異誘発をインバースPCRにより実施した。PCR反応は各PCRプライマー2μl、pAGR3−DraIIIR 1μl,400μM dNTP、Deep Vent(登録商標)DNAポリメラーゼ(NEB)4単位、及び10X Thermopolバッファー10μlに水を加えて反応容量100μlとした。
【0043】
PCR反応条件は94℃で5分後、94℃で30秒、55℃で60秒、72℃て4秒を25サイクル繰返した後、72℃で7分の最終伸長時間とした。PCR産物を20単位のDpnIで1時間消化した。消化産物を大腸菌ER3081(pACYC−DraIIIM)に形質転換した。
【0044】
3.DraIII−HFの選択
AmpとCamを添加したLBで各変異のコロニー4個を37℃にて一晩増殖させた。NEB4バッファー及び10%グリセロール中でpXbaを基質としてDraIIIの標準コグネイト活性アッセイとスター活性アッセイを実施した。
【0045】
変異体S15A、H20A、E34A、M58A、Q95A、R106A、K108A、T181A、R187A、R199A、N202D、T181G、T181N、T181Q、T181C、T181V、T181L、T181I、T181M、D55A、D55S、D55C、D55G、D55N、T12A、H20A、E34A、H45A、T57A、M58A、T60A、S66A、R76A、F90A、M94A、T101A、C115A、F169A、N172A、R173A、H189A、N193A及びQ95A/K104Aをスクリーニングアッセイで選別した。各種条件及び基質で数ラウンドの比較後、DraIII(T181A)が高切断効率高活性を維持しながらスター活性の実質的低下を示す好ましい変異体であることが判明した。DraIII(T181A)をDraIII−HFに指定した。
【0046】
4.DraIII−HFとDraIII−WTの比較
ヘパリン及びSource 15Sカラムを使用してDraIII−WT及びDraIII−HF(T181A)蛋白質を精製した。詳細な比較のためのアッセイ条件は、NEB4(又はNEB1、2、3)、37℃、1時間;20μl反応系で精製蛋白質2μl;基質λDNAとした。比較を図3A及び3Bに示し、結果を表4にまとめる。
【0047】
【表4】
【0048】
DraIII−HFはNEB4中で最高活性であり、FIは少なくとも64,000であり、DraIII−WTはNEB2中で最高活性であり、FIは2である。FI総改善倍率は少なくとも32,000倍であった。
【0049】
[実施例4]
HF KpnIの作製
国際公開第WO2009/009797号の実施例26に記載されているようにKpnIはGGTAC/Cで認識・消化する。三重変異体KpnI(D16N/E132A/D148E)をKpnIの高忠実度変異体として選択した。D148EとE132Aは部位変異誘発法により導入し、D16NはPCRにより導入した。この三重変異体における変異を更に特性決定した結果、E132Aを除去すると特に酵素特異活性の面で制限酵素が更に改善されることが判明した。三重変異体KpnI(D16N/E132A/D148E)は蛋白質1mg当たり特異活性200,000単位であり、KpnI(D16N/D148E)は蛋白質1mg当たり特異活性1,800,000単位である。二重変異体のほうが当初の三重変異体よりも9倍活性が高いため、二重変異体KpnI(D16N/D148E)をKpnI−HFに指定した。
【0050】
KpnI−HFをER2523(pAGR3−KpnI(D16N/D148E),pSYX20−KpnIM)で発現させた。増殖法と精製法はWO/2009/009797に従って実施した。
【0051】
下表(表5)はKpnI−HFとKpnI−WTのFIを比較する。
【0052】
【表5】
【0053】
KpnI WTはNEB1中で最良活性であり、NEB1中のKpnI−WTのFIは16であり、KpnI−HFはNEB1、NEB2及びNEB4中で最良活性であった。これらの3種類のバッファー中のKpnI−HFのFIはいずれも≧1,000,000で最高であった。総改善倍率は≧62,500倍であった。
【0054】
[実施例5]
HF StyIの作製
1.StyIの発現
StyIはC/CWWGGで認識・消化する。pACYC−StyIM及びplaczz1−StyIRを導入した大腸菌(ER2833)でStyIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を30℃にて一晩増殖させた。
【0055】
2.StyIの変異誘発
選択した変異の点変異誘発をインバースPCRにより実施した。StyIに以下のように237カ所のアミノ酸変異を作製した。Cys、Asp、Glu、Phe、His、Lys、Met、Asn、Gln、Arg、Ser、Thr、TrpをAlaに変異させた。TyrをPheに変異させた。これらは7位、9位、10位、11位、12位、14位、16位、22位、23位、24位、25位、26位、28位、30位、31位、32位、33位、34位、35位、36位、37位、38位、39位、40位、42位、43位、49位、51位、52位、53位、54位、57位、58位、59位、61位、62位、64位、65位、66位、69位、70位、73位、75位、76位、78位、79位、80位、81位、82位、85位、91位、92位、93位、95位、96位、97位、98位、99位、100位、102位、103位、104位、105位、106位、109位、111位、112位、114位、116位、118位、119位、122位、123位、124位、125位、126位、128位、129位、130位、131位、135位、136位、137位、139位、140位、141位、142位、143位、144位、145位、146位、147位、150位、151位、152位、153位、155位、157位、158位、159位、163位、164位、165位、166位、167位、170位、172位、173位、175位、176位、177位、178位、181位、183位、187位、188位、192位、193位、194位、195位、196位、200位、203位、204位、205位、207位、209位、211位、212位、213位、214位、216位、218位、219位、220位、221位、222位、227位、229位、230位、232位、234位、235位、236位、237位、238位、239位、241位、242位、245位、247位、248位、249位、250位、252位、253位、254位、256位、257位、258位、259位、260位、261位、263位、266位、267位、269位、272位、274位、277位、280位、282位、283位、284位、286位、288位、289位、291位、292位、293位、294位、295位、296位、297位、298位、303位、304位、305位、307位、308位、309位、313位、317位、318位、319位、320位、323位、324位、326位、327位、329位、331位、335位、336位、337位、339位、340位、343位、345位、346位、347位、349位、350位、351位、353位、355位、356位、359位、360位、361位、363位、365位、366位、368位、369位、370位、372位、373位、376位、377位、379位、381位及び382位であった。
【0056】
プライマー設計及びPCR法はPCT出願公開第WO2009/0029376号(実施例1)に記載されているように実施することができる。PCR産物をDpnIで消化し、コンピテントER2833(pACYC−StyIM)に形質転換した。
【0057】
3.StyI−HFの選択
AmpとCamを添加したLBで各変異のコロニー4個を37℃にて一晩増殖させた。夫々NEB4及びExoIバッファー+20%グリセロール中でλを使用してStyIのコグネイト活性アッセイとスター活性アッセイを実施した。
【0058】
変異体K75A、N146A及びD256Aをスクリーニングアッセイで選別した。各種条件及び基質で数ラウンドの比較後、K75Aが高切断効率高活性を維持しながらスター活性の実質的低下を示す好ましい変異体であることが判明した。StyI(K75A)をStyI−HFに指定した。
【0059】
4.StyI−HFとStyI−WTの比較
NEB4中のStyI−HFとStyI−WTの比較を図5A及び5Bに示し、結果を表6にまとめる。
【0060】
【表6】
【0061】
StyI−WTとStyI−HFはNEB2中で最高活性であった。FIはStyI−WTが16であり、StyI−HFが2000であった。FI総改善倍率は125倍であった。
【0062】
[実施例6]
HF BsaJIの作製
1.BsaJIの発現
同一プラスミド中にBsaJIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpRRS−BsaJIR+Mで形質転換した大腸菌でBsaJIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0063】
2.BsaJI−HFの変異誘発
9位、10位、14位、17位、18位、19位、20位、22位、23位、24位、27位、30位、32位、35位、39位、42位、43位、48位、50位、51位、52位、53位、55位、56位、57位、60位、61位、65位、66位、67位、68位、70位、71位、72位、73位、78位、79位、81位、83位、84位、86位、87位、88位、90位、91位、92位、94位、95位、99位、101位、103位、104位、106位、110位、111位、113位、114位、117位、119位、120位、121位、123位、127位、129位、131位、132位、134位、136位、138位、140位、141位、142位、147位、152位、153位、157位、158位、159位、162位、163位、165位、166位、167位、169位、170位、175位、178位、181位、183位、184位、185位、186位、187位、188位、189位、194位、196位、197位、198位、199位、200位、202位、203位、204位、206位、211位、212位、213位、214位、215位、216位、218位、220位、222位、225位、226位、227位、228位、229位、230位、231位、233位、238位、239位、240位、241位、246位、247位、249位、250位、251位、252位、253位、254位、255位、257位、260位、262位、265位、267位、268位、269位、270位、271位、273位、274位、276位、277位、280位、281位、282位、283位、285位、287位、288位、290位、291位、293位、294位、295位、298位及び299位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、Thr、Phe、TrpをAlaに置換し、21位、59位、62位、77位、89位、105位、130位、191位、208位、272位、286位及び296位のTyrをPheに置換した。
【0064】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER3081に形質転換した。
【0065】
3.BsaJI−HFの選択
pBR322 DNAを基質としてNEB3及びNEB4中の活性の比較を使用してBsaJI−HFの選択を行った。E198AとD200Aが最高活性である。D200AはNEB4中でWTよりもスター活性が著しく低い。BsaJI(D200A)をBsaJI−HFに指定する。
【0066】
4.BsaJI−HFの精製
100μg/ml Amp、33μg/ml Cam及び0.5mM IPTGを添加したLBでER3081細胞(pRRS−BsaJIR(D200A)+M)2リットルを37℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、50mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をAmicon(登録商標)Ultra 30KDa(Millipore,米国;現Merck,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したBsaJI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0067】
5.BsaJI−HFとBsaJI−WTの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でpBR322 DNAを基質としてBsaJI−HFとWT BsaJIのFIを別々に測定した。結果を表7にまとめる。
【0068】
【表7】
【0069】
BsaJI−HFはNEB2、3及び4中で最良性能であり、FIは≧4000であり、WT BsaJIはNEB1、2及び4中で最良性能であり、FIは64であった。従って、NEB4中の改善倍率は≧4000/64≧64倍であった。
【0070】
[実施例7]
HF BsaWIの作製
1.BsaWIの発現
各々BsaWIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpLacZZ1−BsaWIRとpACYC−MspIMで形質転換した大腸菌でBsaWIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を30℃にて一晩増殖させ、30℃にて0.5mM IPTGで18時間誘導した。
【0071】
2.BsaWI−HFの変異誘発
9位、10位、13位、16位、17位、18位、20位、23位、24位、25位、26位、28位、29位、30位、31位、34位、35位、36位、39位、42位、43位、45位、46位、48位、51位、54位、58位、60位、62位、63位、64位、65位、66位、69位、70位、71位、74位、75位、78位、80位、81位、82位、84位、85位、86位、88位、89位、92位、93位、96位、99位、100位、101位、102位、104位、105位、107位、109位、113位、114位、115位、117位、121位、112位、123位、124位、127位、128位、129位、130位、131位、133位、136位、137位、138位、140位、141位、142位、145位、149位、151位、152位、153位、154位、155位、156位、160位、163位、164位、165位、166位、167位、169位、170位、171位、173位、174位、175位、176位、177位、178位、179位、181位、184位、189位、195位、196位、197位、200位、202位、203位、209位、210位、211位、212位、213位、214位、216位、218位、219位、221位、222位、228位、229位、230位、231位、233位、234位、237位、239位、241位、243位、247位、248位、250位、251位、254位、255位、258位、259位、260位、261位、264位及び266位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、11位、57位、106位、147位、157位、215位、224位、236位及び265位のTyrをPheに置換した。
【0072】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER3081に形質転換した。
【0073】
3.BsaWI−HFの選択
λDNAを基質としてNEB3及びNEB4中の活性の比較を使用してBsaWI−HFの選択を行った。以下の変異体:K229A、E025A、R034A及びQ261Aが変化を示した。WT BsaWIは小規模培養で増殖させた場合にはどちらのバッファー中でも消化を完了することができ、Q261Aは安定な部分パターンを与えるだけであることが分かった。これはこの変異体が小規模培養では増殖不良であったためであると考えられる。大規模培養で増殖させ、精製した場合には、部分パターンがなくなり、基質は完全に消化され、基質pXbaで試験した場合にも高忠実度変異体であることが結果から判明した。
【0074】
4.BsaWI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/mlを添加したLBでER3081細胞(pLacZZ1−BwaWI(Q261A),pACYC−MspIM)2リットルを30℃にて一晩増殖させた。8時間後に、培養液を0.5mM IPTGで誘導した。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したBsaWI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0075】
5.BsaWI−HFとBsaWI−WTの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でpXba DNAを基質としてBsaWI−HFとBsaWI−WTのFIを別々に測定した。結果を(下記)表8にまとめる。
【0076】
【表8】
【0077】
BsaWI−HFはNEB2及びNEB4中で最高活性であり、最良FI≧4000であり、BsaWI−WTはNEB4中で最高活性であり、FIは16である。総改善倍率は≧4000/16=〜250倍である。
【0078】
[実施例8]
高忠実度BglIの作製
1.BglIの発現
各々BglIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpUC19−BglIRとpSYX20−BglIMで形質転換した大腸菌でBglIを発現させた。AmpとKanを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0079】
2.BglI−HFの変異誘発
7位、8位、12位、14位、15位、16位、17位、18位、19位、22位、23位、24位、25位、27位、28位、29位、31位、34位、36位、39位、40位、43位、44位、45位、46 47位、48位、50位、52位、54位、5位、57位、60位、61位、65位、67位、68位、70位、71位、72位、73位、75位、76位、77位、78位、79位、81位、84位、86位、87位、88位、91位、92位、94位、95位、96位、99位、100位、101位、102位、103位、105位、107位、108位、110位、112位、113位、114位、115位、116位、117位、118位、122位、123位、124位、125位、128位、130位、131位、132位、134位、135位、136位、152位、158位、159位、160位、161位、163位、164位、165位、166位、167位、170位、172位、173位、174位、176位、177位、178位、179位、180位、181位、183位、184位、185位、186位、187位、188位、189位、193位、194位、196位、197位、202位、203位、204位、205位、208位、211位、215位、216位、221位、222位、224位、225位、226位、227位、228位、229位、230位、231位、234位、236位、239位、241位、242位、243位、245位、249位、250位、251位、255位、256位、259位、263位、264位、265位、266位、267位、268位、269位、270位、271位、272位、275位、276位、277位、279位、281位、283位、286位、287位、289位、290位及び291位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、19位、13位、33位、53位、66位、119位、127位、153位、199位、218位、233位、252位及び258位のTyrをPheに置換した。
【0080】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2566に形質転換した。
【0081】
3.BglI−HFの選択
λDNAを基質としてNEB4中の活性の比較を使用してBglI−HFの選択を行った。BglI−WTはNEB4中で低活性であるため、NEB4中の活性がWTと同等以上の全変異体を選択した後、スター活性レベルの比較のためにグリセロールに対して試験した。ただ1種の変異体K225Aのみがグリセロール中で試験した場合にスター活性を低下しながらNEB4中でWTと同等の活性を示した。BglI(K225A)をBglI−HFに指定する。
【0082】
4.BglI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Kanを添加したLBでER2566細胞(pUC19−BglI(K225A),pSYX20−BglIM)2リットルを37℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したBglI−Hに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0083】
5.BglI−HFとBglI−WTの比較
希釈剤Bを添加した4種類のNEBバッファー中でλDNAを基質としてBglI−HFとWT BglIのFIを別々に測定した。比較を図6に示し、結果を(下記)表9にまとめる。
【0084】
【表9】
【0085】
BglI−HFはNEB2及びNEB4中で最高活性であり、FIは≧8000であり、BglI−WTはNEB3中で最高活性であり、FIは250であった。総改善倍率は≧8000/250=≧32倍であった。
【0086】
[実施例9]
HF BsrDIの作製
1.BsrDIの発現
BsrDI酵素はBsrDIAとBsrDIBの2個のサブユニットを含む。
【0087】
純BsrDIAサブユニットを得るために、IMPACT(Intein−Mediated Purification with an Affinity Chitin−Binding Tag)システム(NEB cat:E6901)をBsrDIAの1段階精製に使用した。要約すると、BsrDIA遺伝子をpTXB1ベクターにサブクローニング後、lacオペロン(NEB #ER2566)の制御下にT7 RNAポリメラーゼを含むコンピテント株に形質転換した。スクリーニングとシーケンシング後、補正株を選択した。アンピシリン(100μg/ml)を添加したLB培地でOD600が0.5に達するまで細胞を37℃にて増殖させた。次に、BsrDIAの誘導のために最終濃度0.4mMとなるようにIPTGを3時間添加した。次に細胞培養液をペレット化し、氷冷カラムバッファー(20mM Tris−HCl,pH8.5,500mM NaCl)に再懸濁し、超音波により溶解させた。得られた細胞溶解液を次に遠心し、細胞破片を除去した。次に、平衡化したキチンカラムに上清をロードした。ローディングバッファーで洗浄後、カラムに切断バッファー(20mM Tris−HCl,pH8.5,500mM NaCl及び50mM DTT)を加えて4℃で一晩インキュベートした。最後に、保存バッファー(10mM Tris−HCl pH7.4,0.1mM EDTA,1mM DTT,50mM KCl及び50%グリセロール)で透析しながらBtsI.A蛋白質を溶出させた。
【0088】
各々BsrDIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpUC19−BsrDIBRとpLG−BsrDIM1M2で形質転換した大腸菌でBsrDIBサブユニットを発現させた。AmpとKamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0089】
2.BsrDI−HFの変異誘発
7位、11位、12位、14位、15位、17位、21位、22位、25位、28位、29位、30位、33位、34位、35位、37位、40位、45位、46位、47位、51位、52位、56位、58位、62位、64位、65位、67位、68位、71位、72位、74位、75位、81位、83位、90位、91位、92位、93位、99位、100位、101位、106位、108位、109位、112位、113位、115位、116位、120位、122位、123位、124位、132位、133位、136位、137位、138位、139位、142位、143位、144位、145位、146位、150位、155位、157位、158位、161位、162位、164位、168位、170位、171位、173位、174位、176位、177位、179位、180位、182位、185位、189位、190位、193位、197位、200位、202位、203位、206位、210位、213位、215位、217位、218位、221位、224位、225位、226位、228位、229位、230位、232位、237位、238位、241位、242位、243位、244位、245位、246位、249位、253位、258位、259位、261位、264位、265位、268位、271位、272位、273位、274位、276位、278位、279位、281位、285位、287位、288位、292位、294位、295位、299位、300位、301位、306位、307位、308位、312位、314位、315位、317位、318位、320位、321位、324位、325位、326位、327位、328位、331位、332位、335位、337位、341位、343位、345位、347位、352位、353位、354位、355位、356位、360位、361位、362位、363位、364位、370位、373位、374位、376位、380位、381位、385位、387位、389位、392位、393位、395位、396位、397位、405位、406位、408位、411位、415位、418位、420位、422位、425位、426位、430位、431位、432位、434位、437位、445位、446位、449位、450位、454位、455位、456位、457位、458位、459位、460位、463位、465位、466位、467位、469位、470位、475位、481位のCys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、Thrを含むBsrDIBの全残基をAlaに置換し、9位、38位、63位、87位、118位、129位、169位、178位、198位、216位、251位、286位、291位、303位、357位、358位、367位、371位、402位、442位、443位、448位のTyrをPheに置換した。
【0090】
変異誘発法は変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2566に形質転換した。
【0091】
3.BsrDI−HFの選択
pBR322 DNAを基質としてNEB4中でBsrDIAと混合したWT BsrDIBと、BsrDIAと混合した変異体BsrDIBのスター活性の比較を使用してBsrDI−HFの選択を行った。H137A、D177A、K363A、K408A、R411A、Q215A、Q226A、Q230Aの8種類の変異体がNEB4中でスター活性が低いことが判明した。
【0092】
スター活性を更に低下させるために、K363A/Q230A、K363A/K408A、Q230A/K408Aの二重変異を生じるように上記変異を組合せた。次に、BsrDIBにQ230A/K363Aの変更を有するBsrDIをBsrDI−HFに指定する。
【0093】
4.BsrDI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Kamを添加したLBでER2566細胞(pUC19−BsrDI(Q230A/K363A),pLG−BsrDIM1M2)2リットルを37℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したBsrDI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃条件で保存した。
【0094】
5.BsrDI−HFとBsrDI−WTの比較
(下記)希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でpBR322 DNAを基質としてBsrDI−HFとBsrDI−WTのFIを別々に測定した。結果を図7に示し、表10にまとめる。
【0095】
【表10】
【0096】
BsrDI−HFはNEB4中で最良性能であり、FIは≧1000であり、BsrDI−WTはNEB2及びNEB3中で最良性能であり、FIは64であった。従って、総改善倍率は≧1000/0.5=≧2000倍であった。
【0097】
[実施例10]
HF NsiIの作製
1.NsiIの発現
各々NsiIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むplaczz1−NsiIRとpACYC−NsiIMで形質転換した大腸菌でNsiIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0098】
2.NsiI−HFの変異誘発
8位、9位、10位、11位、12位、13位、18位、21位、22位、23位、24位、26位、27位、32位、34位、35位、42位、44位、45位、46位、47位、49位、50位、52位、53位、54位、55位、57位、58位、60位、61位、69位、70位、73位、74位、79位、80位、84位、85位、87位、90位、91位、92位、93位、95位、96位、97位、98位、99位、100位、102位、103位、105位、106位、108位、109位、110位、113位、114位、115位、117位、118位、119位、120位、121位、122位、123位、124位、126位、134位、135位、137位、138位、139位、140位、142位、144位、145位、146位、149位、151位、153位、154位、155位、156位、159位、160位、161位、162位、163位、166位、167位、170位、173位、174位、175位、178位、179位、180位、181位、182位、183位、184位、186位、188位、189位、190位、191位、192位、195位、197位、198位、199位、200位、201位、202位、203位、206位、207位、209位、210位、211位、213位、215位、216位、217位、219位、221位、222位、225位、230位、231位、232位、234位、235位、236位、237位、239位、242位、243位、244位、245位、246位、249位、250位、251位、256位、257位、259位、260位、261位、263位、264位、268位、269位、271位、272位、273位、276位、277位、278位、279位、281位、282位、283位、285位、287位、288位、290位、292位、294位、295位、297位、298位、299位、302位、303位、306位、307位、308位、309位、310位、312位、315位、316位、319位、320位、323位、325位、327位、329位、333位、334位、336位、337位、338位、340位、341位、344位、347位、349位、350位、352位、353位、354位、355位、358位、359位、360位、362位、363位、365位、366位、367位、371位、372位、373位、375位、376位及び377位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、Thr、Phe、TrpをAlaに置換し、30位、40位、62位、65位、71位、76位、83位、86位、141位、226位、233位、255位、289位、311位、326位、335位、351位、357位、378位のTyrをPheに置換した。
【0099】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER3081に形質転換した。
【0100】
3.NsiI−HFの選択
pXba DNAを基質としてNEB3及びNEB4中の活性の比較を使用してNsiI−HFの選択を行った。NsiI−WTはNEB3中のほうが高活性であるので、NEB4中のほうが高活性のものを選択した。148種の変異体がNEB4中のほうが高活性であることが判明した。F376AはNEB4中でWTよりも著しく高活性である。通常では、NEB4中で最高活性のものはスター活性が改善されたものである。NsiI(F376A)をNsiI−HFに指定する。
【0101】
4.NsiI−HFの精製
100μg/ml Amp、33μg/ml Cam及び0.5mM IPTGを添加したLBでER3081細胞(placzz1−NsiI(F376A),pACYC−NsiIM)2リットルを37℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、50mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をAmicon Ultra 30KDa(Millipore,米国;現Merck,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したNsiI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃条件下で保存した。
【0102】
5.NsiI−HFとNsiI−WTの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でpXba DNAを基質としてNsiI−HFとWT NsiIのFIを別々に測定した。結果を(下記)表11にまとめる。
【0103】
【表11】
【0104】
NsiI−HFはNEB4中で最良性能であり、FIは≧8000であり、WT NsiIはNEB3中で最良性能であり、FIは32であった。従って、NEB4中の改善倍率は≧8000/32=≧250倍であった。
【0105】
[実施例11]
HF DpnIIの作製
1.DpnIIの発現
pBAD241−DpnII RMで形質転換した大腸菌3081でDpnIIを発現させた。Ampを添加したLBで細胞を30℃にて一晩増殖させた。
【0106】
2.DpnIIの変異誘発
選択した変異の点変異誘発をインバースPCRにより実施した。DpnIIに以下のように189カ所のアミノ酸変異を作製した。Cys、Asp、Glu、Phe、His、Lys、Met、Asn、Gln、Arg、Ser、Thr、TrpをAlaに変異させた。TryをPheに変異させた。これらは7位、8位、9位、10位、12位、13位、14位、15位、16位、17位、19位、20位、21位、22位、23位、24位、25位、26位、27位、29位、31位、32位、33位、35位、36位、38位、40位、42位、44位、45位、46位、50位、51位、52位、54位、55位、56位、57位、59位、61位、62位、63位、64位、66位、69位、76位、77位、78位、80位、81位、82位、86位、87位、90位、91位、92位、93位、94位、95位、96位、97位、98位、99位、100位、101位、102位、104位、105位、106位、107位、108位、109位、111位、112位、113位、116位、117位、118位、120位、121位、122位、125位、126位、129位、130位、132位、135位、138位、139位、140位、141位、143位、144位、145位、146位、147位、149位、150位、151位、152位、153位、156位、157位、158位、160位、161位、162位、164位、168位、169位、171位、172位、173位、175位、176位、177位、178位、180位、181位、183位、184位、186位、188位、189位、191位、192位、193位、195位、196位、198位、199位、200位、201位、202位、205位、206位、207位、208位、211位、214位、216位、217位、218位、219位、221位、223位、224位、226位、227位、228位、229位、230位、231位、232位、233位、234位、236位、237位、238位、239位、240位、241位、244位、246位、247位、248位、249位、251位、252位、254位、256位、257位、258位、259位、260位、261位、262位、264位、265位、266位、267位、268位、272位、274位、275位、277位、278位、280位、281位及び282位であった。
【0107】
プライマー設計及びPCR法は従来記載されている方法と同様である。PCR産物をDpnIで消化し、コンピテント大腸菌3081に形質転換した。
【0108】
3.DpnII−HFの選択
Ampを添加したLBで各変異のコロニー4個を37℃で一晩増殖させた。NEB4バッファー及び5%グリセロール中でdam−λ基質を使用してDpnIIの標準スクリーニングアッセイを実施した。
【0109】
変異体R78A、T140A、E152A、R199A及びF217Aをスクリーニングアッセイで選別した。各種条件及び基質で数ラウンドの比較後、高いカノニカル酵素活性を維持しながらスター活性の実質的低下を示す候補としてR199Aを選択した。R199AをDpnII−HFに指定した。
【0110】
4.DpnII−HFの精製
100μg/ml Ampを添加したLBで大腸菌3081細胞(pBAD241.DpnII.RM(R199A))2リットルを30℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分を更に濃縮した。濃縮したBmt−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃条件下で保存した。
【0111】
5.DpnII−HFとDpnII−WTの比較
DpnII−HFをBで2倍系列希釈し、4種類のNEBバッファー中で反応させ、DpnII−WTを2倍系列希釈し、4種類のNEBバッファー中で反応させた。結果を表12にまとめる。
【0112】
【表12】
【0113】
DpnII−HFはNEB4中で最良性能であり、FI=8000であり、DpnIIはNEB3中で最良性能であり、FIは32であった。FI総改善倍率は8000/32=250倍であった。
【0114】
[実施例12]
高忠実度BclIの作製
1.BclIの発現
各々BclIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpRRS−BclIRとpACYC184−BclIMで形質転換した大腸菌でBclIを発現させた。Ampを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0115】
2.BclI−HFの変異誘発
9位、10位、11位、12位、19位、22位、23位、24位、26位、28位、29位、30位、31位、35位、37位、38位、40位、42位、44位、46位、47位、49位、51位、53位、54位、55位、58位、59位、62位、65位、67位、69位、72位、73位、74位、75位、76位、80位、82位、83位、85位、86位、89位、93位、94位、95位、96位、97位、98位、99位、101位、103位、105位、107位、108位、109位、110位、111位、112位、113位、114位、115位、120位、124位、128位、129位、130位、132位、136位、137位、位、138位、139位、143位、144位、145位、149位、150位、151位、152位、154位、156位、160位、162位、163位、164位、166位、167位、170位、171位、172位、174位、175位、178位、179位、180位、182位、183位、188位、190位、191位、195位、196位、197位、199位、200位、201位、204位、205位、208位、209位、210位、212位、213位、215位、217位、218位、220位、221位、222位、223位、224位、225位、226位、228位、229位、234位、235位、237位、238位、241位、243位、244位、245位、249位、252位、255位、257位、260位、261位、265位、266位、267位、270位、271位、273位、274位及び277位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、17位、27位、36位、63位、66位、77位、87位、100位、116位、118位、133位、142位、147位、157位、192位、193位、194位、207位、212位、231位、236位及び246位のTyrをPheに置換した。
【0116】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2984に形質転換した。
【0117】
3.BclI−HFの選択
dam−λDNAを基質としてグリセロール及びNEB4中の活性の比較を使用してBclI−HFの選択を行った。スター活性の低下が疑われたら、変異体を同一基質で水及びNEB4中の正常活性とも比較した。NEB4中でWTと同等活性でありながら、スター活性が低い可能性のある変異体を選択した。G26A、P105A、T195A、Q210A、Y147F及びY193Fの6種の変異体がこのような特徴をもつことが判明した。数種の変異体(K114A、T197A、S245A、D252A及びY027F)は水中での活性の低下を示したが、スター活性の低下も示し、通常では高グリセロール条件下でWTよりもコグネイト活性が高かった。1種の変異体Y192FはWTよりも高活性でありながら、スター活性が低かった。BclI(Y192F)をBclI−HFに指定する。
【0118】
4.BclI−HFの精製
100μg/ml Ampを添加したLBでER2984細胞(pRRS−BclI(Y192F),pACYC184−BclIM)2リットルを37℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したBclI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0119】
5.BclI−HFとBclI−WTの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でdam−λDNAを基質としてBclI−HFとBclI−WTのFIを別々に測定した。比較を図8に示し、結果を(下記)表13にまとめる。
【0120】
【表13】
【0121】
BclI−HFはNEB2及びNEB4中で最良性能であり、最良FIは≧2000であり、BclI−WTはNEB2及びNEB4中で最良性能であり、FIは32であった。総改善倍率は≧2000/32=≧64倍であった。
【0122】
[実施例13]
HF BglIIの作製
1.BglIIの発現
各々BglIIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpLacZZ−BglIIRとpACYC−BglIIMで形質転換した大腸菌でBglIIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0123】
2.BglII−HFの変異誘発
2位、4位、6位、7位、9位、10位、12位、13位、16位、18位、20位、21位、22位、24位、25位、26位、29位、30位、33位、35位、37位、38位、39位、41位、42位、45位、48位、49位、53位、54位、55位、58位、59位、60位、64位、65位、66位、67位、68位、69位、74位、75位、76位、77位、78位、81位、82位、84位、85位、87位、88位、89位、90位、93位、95位、96位、97位、98位、101位、104位、105位、106位、108位、109位、110位、112位、113位、114位、115位、116位、117位、118位、120位、121位、122位、124位、125位、131位、132位、134位、135位、136位、139位、140位、141位、142位、146位、147位、149位、150位、151位、153位、154位、157位、159位、161位、162位、166位、172位、173位、174位、175位、176位、177位、179位、182位、183位、184位、187位、188位、189位、191位、192位、193位、195位、196位、197位、198位、199位、201位、203位、206位、207位、208位、209位、211位、212位、213位、214位、215位、216位、217位、219位、222位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、8位、56位、99位、144位、145位、158位、185位及び190位のTyrをPheに置換した。
【0124】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER3081に形質転換した。
【0125】
3.BglII−HFの選択
pXba DNAを基質としてNEB3及びNEB4中の活性の比較を使用してBglII−HFの選択を行った。BglII−WTはNEB3中のほうが高活性であるため、NEB4中のほうが高活性の変異体を選択した。次に、高活性の全変異体をグリセロール中でWT活性と比較し、スター活性を試験した。通常では、NEB4中で最高活性の変異体はスター活性が改善された変異体である。BglI−WTでスター活性を促進し得る条件である水中ExoIバッファーを使用して最も有望な変異体(H10A、N208A、K48A、K74A、R75A、Y56F、K58A、M117A)を最終的に試験した。1種の変異体N208AはNEB4中のスター活性の低下と総活性の増加を示した。本発明者らは忠実度が変化したことを示す別の指標である部分活性を測定した処、小規模培養において、この変異体は安定な部分活性をもつようである。BglII(N208A)をBglII−HFに指定する。
【0126】
4.BglII−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/mlを添加したLBでER3081細胞(pLacZZ−BglII(N208A),pACYC−BglIIM)2リットルを30℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したBglII−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0127】
5.BglII−HFとBglII−WTの比較
希釈剤Bを添加した4種類のNEBバッファー中でpXba DNAを基質としてBglII−HF及びBglII−WTのFIを別々に測定した。比較を図9に示し、結果を(下記)表14にまとめる。
【0128】
【表14】
【0129】
BglII−HFはNEB2中で最良性能であり、FIは≧128000であり、BglII−WTはNEB3中で最良性能であり、FIは120であった。総改善倍率は≧128000/120=≧1000倍であった。
【0130】
[実施例14]
HF BstEIIの作製
1.BstEIIの発現
各々BstEIIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpUC19−BstEIIRとpACYC−BstEIIMで形質転換した大腸菌でBstEIIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0131】
2.BstEII−HFの変異誘発
7位、9位、10位、14位、17位、20位、21位、22位、25位、26位、29位、30位、32位、36位、37位、40位、41位、44位、47位、48位、49位、50位、51位、52位、54位、57位、58位、60位、61位、62位、63位、64位、65位、67位、68位、69位、72位、75位、76位、79位、80位、81位、82位、83位、85位、88位、89位、90位、91位、92位、94位、95位、98位、99位、101位、102位、103位、105位、106位、111位、112位、113位、116位、117位、118位、119位、120位、121位、122位、123位、130位、132位、133位、134位、135位、136位、137位、138位、140位、142位、143位、147位、150位、151位、152位、154位、155位、157位、160位、161位、162位、163位、165位、166位、167位、171位、172位、175位、176位、178位、179位、180位、182位、184位、189位、190位、191位、192位、193位、194位、195位、199位、202位、204位、205位、206位、207位、208位、209位、211位、212位、213位、214位、215位、216位、217位、218位、219位、220位、221位、222位、224位、225位、227位、228位、232位、233位、234位、236位、238位、243位、244位、245位、246位、247位、251位、252位、255位、256位、258位、261位、262位、264位、265位、266位、272位、274位、277位、278位、279位、281位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、8位、15位、24位、27位、35位、43位、77位、129位、131位、139位、156位、188位、203位、229位、257位及び263位のTyrをPheに置換した。
【0132】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2683に形質転換した。
【0133】
3.BstEII−HFの選択
λDNAを基質としてNEB3及びNEB4中の活性の比較を使用してBstEII−HFの選択を行った。WT BstEIIはNEB3中のほうが高活性であるため、NEB4中のほうが高活性の変異体を選択した。K014A、Q069A、E099A、R105A、R117A、G135A及びY035Fの7種の変異体はNEB4中の活性が改善されていることが判明した。R105AはNEB4及び水中のWTに比較して活性差が最大であり、WTでスター活性を示す条件であるグリセロール+ExoIバッファー中で試験した場合にスター活性の低下も示した。BstEII(R105A)をBstEII−HFに指定する。
【0134】
4.BstEII−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/mlを添加したLBでER2683細胞(pUC19−BstEII(R105A),pACYC−BstEIIM)2リットルを30℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したBstEII−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0135】
5.BstEII−HFとWT BstEIIの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でλDNAを基質としてBstEII−HFとWT BstEIIのFIを別々に測定した。比較を図10に示し、結果を(下記)表15にまとめる。
【0136】
【表15】
【0137】
BstEII−HFはNEB4中で最良性能であり、FIは≧2000であり、BstEII−WTはNEB2及びNEB4中で最良性能であり、FIは4であった。総改善倍率は≧2000/4=≧500倍である。
【0138】
[実施例15]
HF BanIIの作製
1.BanIIの発現
各々BanIIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpUC19−BanIIRとpACYCl−BanIIMで形質転換した大腸菌でBanIIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0139】
2.BanII−HFの変異誘発
7位、8位、9位、10位、12位、16位、17位、20位、21位、23位、24位、25位、26位、28位、29位、24位、31位、32位、35位、38位、39位、43位、44位、45位、47位、49位、54位、59位、61位、63位、64位、66位、67位、71位、72位、73位、74位、75位、77位、78位、81位、83位、84位、87位、88位、92位、94位、95位、96位、97位、99位、100位、103位、104位、105位、106位、107位、108位、111位、112位、113位、115位、117位、118位、120位、121位、122位、123位、126位、127位、128位、129位、130位、131位、135位、139位、142位、143位、145位、146位、147位、148位、149位、152位、153位、155位、156位、163位、166位、167位、168位、169位、170位、171位、173位、175位、176位、178位、179位、180位、181位、183位、184位、186位、190位、191位、194位、195位、196位、198位、199位、200位、207位、208位、211位、213位、214位、215位、216位、219位、220位、221位、222位、224位、226位、229位、230位、231位、232位、234位、235位、236位、237位、239位、240位、242位、245位、246位、247位、248位、252位、254位、256位、257位、258位、259位、261位、262位、263位、264位、266位、267位、270位、271位、272位、274位、276位、278位、279位、281 284位、285位、286位、287位、289位、291位、292位、293位、294位、295位、296位、300位、302位、303位、305位、309位、311位、312位、314位、317位、318位、319位、322位、326位、327位、328位、330位、331位、334位、338位、339位、341位、342位、344位、346位、347位、348位、349位、351位、352位、355位、356位及び358位のTyr(及び元々Alaの残基)以外の全残基をAlaに置換し、27位、50位、80位、160位、182位、197位、244位、251位、260位、307位及び313位のTyrをPheに置換した。
【0140】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2566に形質転換した。
【0141】
3.BanII−HFの選択
λDNAを基質として、NEB4+水中の活性と、グリセロール+ExoIバッファー中のスター活性の比較を使用してBanII−HFの選択を行った。スター活性の改善を示しながら水及びNEB4中でWTと同等以上の活性を示した変異体を後続試験に選択した。これらの変異体はN106A、Q169A及びE314Aを含む。本発明者らは部分パターンも高忠実度の指標としたが、R126Aは安定した部分パターンを示したため、この変異体も選択した。精製後、R126Aはスター活性の最良の低下を示した。BanII(R126A)をBanII−HFに指定する。
【0142】
4.BanII−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/mlを添加したLBでER2566細胞(pUC19−BanII(R126A),pACYC−BanIIM)2リットルを30℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したBanII−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0143】
5.BanII−HFとBanII−WTの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でdam−λDNAを基質としてBanII−HFとBanII−WTのFIを別々に測定した。結果を(下記)表16にまとめる。
【0144】
【表16】
【0145】
BanII−HFはNEB1中で最良性能であり、FIは≧4000であり、BanII−WTはNEB1、NEB2及びNEB4中で最良性能であり、最良FIは64であった。従って、NEB1中の総改善倍率は≧4000/64=≧64倍である。
【0146】
[実施例16]
HF PspGIの作製
1.PspGIの発現
PspGIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpRRS−PspGIRMで形質転換した大腸菌でPspGIをを発現させた。Ampを添加したLBで細胞を30℃にて一晩増殖させた。
【0147】
2.PspGI−HFの変異誘発
PspGI蛋白質の長さは272アミノ酸である。先ずPspGI蛋白質の合計166カ所のAA位置をAla(又はPhe)に変異させるように設計した。Cys、Asp、Glu、Phe、His、Lys、Met、Asn、Gln、Arg、Ser、Thr、TrpをAlaに変異させた。TryをPheに変異させた。これらは8位、10位、11位、12位、13位、14位、15位、16位、18位、19位、20位、21位、22位、25位、26位、29位、30位、32位、34位、35位、38位、39位、42位、43位、44位、45位、46位、47位、48位、51位、52位、53位、54位、57位、60位、61位、62位、65位、68位、69位、71位、72位、73位、75位、76位、80位、82位、84位、85位、86位、87位、89位、90位、91位、93位、94位、96位、98位、99位、100位、101位、102位、105位、109位、110位、113位、134位、135位、136位、137位、138位、142位、143位、145位、149位、150位、151位、152位、153位、158位、160位、161位、162位、164位及び165位であった。変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株2984に形質転換した。
【0148】
3.PspGI−HFの選択
pBC4 DNAを基質としてNEB4中の変異体とWTの活性の比較を使用してPspGI−HFの選択を行った。PspGIの選択アッセイはNEB4中でpBC4を基質として実施した(69℃で2時間消化)。T20A、P52A、Y67F、K68A、R75A、E86A、Q90A、S91A、Q93A、H121A及びG172Aの11種の変異体はNEB4中の活性がWTよりも高いことが判明した。PspGI(R75A)はNEB4中の活性がWTよりも著しく高い。通常では、NEB4中で最高活性のものはスター活性が改善されたものである。各種条件及び基質で数ラウンドの比較後、PspGI(R75A)が高切断効率高活性を維持しながらスター活性の実質的低下を示す好ましい変異体であることが判明した。PspGI(R75A)をPspGI−HFに指定する。
【0149】
4.PspGI−HFの精製
100μg/ml Ampを添加したLBで大腸菌2984細胞(pRRS−PspGIRM(R75A))2リットルを30℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分を更に濃縮した。濃縮したPspGI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃条件下で保存した。
【0150】
5.PspG−HFとPspGI−WTの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でpBC4 DNAを基質としてPspG−HF及びPspGI−WTのFIを別々に測定した。結果を(下記)表17にまとめる。
【0151】
【表17】
【0152】
PspGI−HFはNEB2、NEB3及びNEB4中で最良性能であり、好ましいFIは≧4000であり、PspGI−WTはNEB2、NEB3及びNEB4中で最良性能であった。NEB3中のPspGI−WTの好ましいFIは8であった。FI総改善倍率は≧4000/8=≧500倍であった。
【0153】
[実施例17]
HF SpeIの作製
1.SpeIの発現
各々SpeIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpRRS−SpeIとpASYX20−SpeIM9で形質転換した大腸菌でSpeIを発現させた。AmpとKanを添加したLBで細胞を30℃にて一晩増殖させた。
【0154】
2.SpeI−HFの変異誘発
7位、9位、10位、17位、18位、20位、21位、22位、24位、25位、26位、29位、30位、31位、32位、33位、34位、36位、40位、43位、45位、46位、49位、50位、51位、52位、53位、54位、57位、58位、59位、61位、65位、66位、70位、73位、74位、75位、76位、77位、78位、80位、81位、84位、86位、87位、88位、89位、90位、92位、96位、97位、101位、102位、103位、105位、107位、108位、109位、110位、112位、113位、115位、116位、118位、121位、122位、125位、126位、128位、130位、131位、137位、138位、139位、140位、142位、146位、149位、151位、152位、154位、157位、158位、159位、160位、161位、163位、166位、167位、169位、170位、172位、174位、175位、179位、180位及び182位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、13位、19位、28位、55位、104位、120位、129位及び164位のTyrをPheに置換した。
【0155】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER1038に形質転換した。
【0156】
3.SpeI−HFの選択
SacI−HFで予め消化したpXBA DNAを基質としてNEB4+水中の各変異体の活性の比較と共に、ExoI及び正常pXbaとのグリセロール反応を使用してSpeI−HFの選択を行った。SacI−HFで消化したpXBAを使用することにより、変異体の活性をWTと比較試験する場合により明瞭にした。グリセロール反応はスター活性結果を比較するために使用した。数種の変異体E059A、P065A、S108A、N172A、K174A、Q179A、G182A及びY055Fは高いコグネイト活性と同時にスター活性の低下を示した。精製サンプルの比較後、SpeI(P065A)をSpeI−HFに指定した。
【0157】
4.SpeI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/mlを添加したLBでER3081細胞(pRRS−SpeIM7(P065A),pSYX20−SpeIM9)2リットルを30℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したSpeI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0158】
5.SpeI−HFとSpeI−WTの比較
希釈剤Cを添加した4種類のNEBバッファー中でpXba DNAを基質としてSpeI−HFとSpeI−WTのFIを別々に測定し、結果を(下記)表18にまとめる。
【0159】
【表18】
【0160】
SpeI−HFはNEB4中で最高活性であり、FIは≧8000であり、SpeI−WTはNEB1中で最高活性であり、FIは1000である。従って、総改善倍率は≧8倍である。
【0161】
[実施例18]
HF BsmAIの作製
1. BsmAIの発現
各々BsmAIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpBAD241−BsmAIRとpACYC−BsmAIMで形質転換した大腸菌でBsmAIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖後、アラビノースにより4時間誘導した。
【0162】
2.BsmAI−HFの変異誘発
BsaI、BsmBI及びBsmAI間には相同性があり、BsmAIの210−227領域にBsaI及びBsmBIの高忠実度変異体が検出されたため、この領域のアミノ酸を全てAlaに変異させることにした。
【0163】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER3081に形質転換した。
【0164】
3.BsmAI−HFの選択
FX174 DNAを基質としてNEB4中の変異体BsmAIとWT BsmAIのスター活性の比較を使用してBsmAI−HFの選択を行った。N212A及びL213Aの2種の変異体はWT BsmAIよりもスター活性が低かった。変異体BsmAI(N212A)をBsmAI−HFに指定する。
【0165】
4.BsmAI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Camを添加したLBでER2566細胞(pBAD241−BsmAI(N212A),pACYC184−BsmAIM)2リットルを37℃にて一晩増殖させた。次に最終濃度0.2%となるようにアラビノースにより細胞を4時間誘導した。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したBsmAI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0166】
5.BsmAI−HFとBsmAI−WTの比較
希釈剤Bを添加した4種類のNEBバッファー中でFX174 DNAを基質としてBsmAI−HFとBsmAI−WTのFIを別々に測定した。結果を(下記)表19にまとめる。
【0167】
【表19】
【0168】
BsmAI−HFはNEB1及びNEB4中で最良性能であり、FIは≧4000であり、BsmAI−WTはNEB4中で最良性能であり、FIは250であった。従って、FI総改善倍率は≧4000/250=≧16倍であった。
【0169】
[実施例19]
HF BstXIの作製
国際公開第WO2009/009797号の実施例19に記載されているようにBstXIはCCANNNNN/NTGGで認識・消化する。変異体BstXI(N65A)をBstXIの高忠実度変異体として選択した。スター活性の低い良好なBstXIを探し出す別の方法はN65を他の全アミノ酸残基に変異させる方法である。そのうち、BstXI(N65T)はスター活性が低いことが判明したので、BstXI−HFに指定した。
【0170】
BstXI−HFをER2833(pBAD241−BstXI(N65T),pACYC−BstXIM)で発現させた。増殖及び精製法はWO/2009/009797号に従って実施した。
【0171】
下表(表20)はBstXI−HFとBstXI WTのFIを比較する。
【0172】
【表20】
【0173】
BstXI−HFはNEB2、NEB3及びNEB4中で最良活性であり、BstXI−HFの最良FIは≧1000であり、WT BstXIはNEB2、NEB3及びNEB4中で最良活性であった。NEB2及びNEB4中のWT BstXIのFIは32であった。従って、総改善倍率は≧32倍であった。
【0174】
[実施例20]
HF SfiIの作製
1.SfiIの発現
各々SfiIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpRRS−SfiIRとpSX33−SfiIMで形質転換した大腸菌でSfiIを発現させた。AmpとKanを添加したLBで細胞を30℃にて一晩増殖させた。
【0175】
2.SfiI−HFの変異誘発
7位、9位、11位、12位、14位、15位、17位、18位、19位、20位、22位、23位、26位、29位、30位、32位、33位、34位、36位、37位、40位、41位、42位、45位、46位、47位、48位、49位、55位、56位、58位、59位、63位、66位、67位、69位、71位、72位、73位、76位、79位、81位、82位、84位、87位、88位、89位、90位、91位、94位、95位、100位、102位、104位、105位、106位、107位、108位、109位、110位、111位、113位、114位、115位、116位、118位、120位、122位、124位、125位、126位、127位、128位、129位、130位、133位、135位、137位、140位、141位、145位、146位、148位、149位、150位、153位、156位、157位、158位、162位、166位、167位、169位、170位、172位、173位、174位、176位、177位、179位、180位、185位、187位、188位、190位、192位、193位、194位、196位、197位、198位、199位、200位、201位、202位、205位、207位、208位、209位、210位、211位、213位、214位、215位、218位、220位、224位、225位、227位、228位、231位、233位、235位、236位、238位、240位、242位、243位、244位、246位、247位、248位、249位、251位、252位、254位、255位、257位、258位、259位、261位、262位、263位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、31位、60位、68位、80位、164位、165位、175位、182位、195位、222位、239位及び245位のTyrをPheに置換した。
【0176】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2169に形質転換した。
【0177】
3.SfiI−HFの選択
EcoRI−HFで予め消化したpXba DNAを基質としてNEB ExoIバッファーとBSAを添加した水中の変異体とWTの活性の比較を使用してSfiI−HFの選択を行った。指定バッファー中でWTに比較してスター活性の変化を示しながら野生型と同等以上の活性を示す変異体を選択した。数種の変異体E007A、D011A、E049A、R073A、R0114A、G137A、S210A及びR213AはNEB4中で高活性であることが判明した。精製後、P114Aはスター活性が最も顕著に低下していることが判明した。SfiI(R114A)をSfiI−HFに指定する。
【0178】
変異体N071A、D079A、H162A、R225A、K227A、Y068F及びY182Fではスター活性が増加したことも注目すべきである。Y068FはWTと切断パターンが異なることが従来から認められている。
【0179】
4.SfiI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Kanを添加したLBでER2169細胞(pRRS−SfiI(R114A),pSX33−SfiIM)2リットルを30℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したSfiI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え−20℃にて保存した。
【0180】
5.SfiI−HFとSfiI−WTの比較
希釈剤Cを添加した4種類のNEBバッファー中でpBC4 DNAを基質としてSfiI−HFとSfiI−WTのFIを別々に測定した。比較を図11に示し、結果を(下記)表21にまとめる。
【0181】
【表21】
【0182】
SfiI−HFはNEB4中で最良性能であり、FIは≧8000であり、WT SfiIはNEB3中で最良性能であり、FIは2000であった。総改善倍率は≧8000/2000=≧4倍である。
【0183】
[実施例21]
HF PmeIの作製
1.PmeIの発現
各々PmeIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpRRS−PmeIRとpACYC184−EsaS9IMで形質転換した大腸菌でPmeIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0184】
2.PmeI−HFの変異誘発
7位、8位、10位、13位、14位、17位、20位、21位、22位、25位、28位、29位、30位、32位、33位、35位、37位、39位、41位、42位、43位、46位、47位、49位、50位、51位、54位、55位、60位、62位、63位、64位、66位、67位、68位、69位、71位、72位、73位、77位、79位、80位、81位、82位、83位、86位、87位、91位、94位、95位、96位、97位、98位、100位、104位、106位、107位、108位、109位、110位、112位、113位、114位、115位、116位、117位、118位、121位、123位、124位、127位、130位、131位、132位、133位、134位、135位、137位、138位、145位、147位、148位、149位、151位、152位、153位、154位、155位、157位、160位、162位、165位、166位、167位、169位、170位、171位、172位、177位、180位、181位、182位、183位、185位、186位、188位、190位、191位、192位、193位、194位、199位、200位、201位、202位、204位、207位、208位、209位、210位、211位、212位、215位、218位、219位、221位、222位、223位、225位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、111位、129位、146位及び161位のTyrをPheに置換した。
【0185】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2426に形質転換した。
【0186】
3.PmeI−HFの選択
水+NEB4中でλDNAを基質とした場合と、グリセロール+NEB Thermopolバッファー中でpXbaを基質とした場合のWTと変異体の活性の比較を使用してPmeI−HFの選択を行った。λDNAを基質として水中で変異体とWT PmeIを試験することによりコグネイト活性を参照し、NEB4中の活性がWTと同等以上のものを選択した。次に、活性が許容可能な変異体でも、ThermopolバッファーとpXbaを使用するグリセロール条件下で試験した場合にスター活性の変化を示さなかった場合には排除した。数種の変異体P079A、E086A、H096A及びE218Aはスター活性が変化することが判明した。PmeI(E086A)をPmeI−HFに指定する。
【0187】
4.PmeI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Camを添加したLBでER2426細胞(pRRS−PmeI(P154A),pACYC184−EsaS9IM)2リットルを37℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したPmeI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0188】
5.PmeI−HFとPmeI−WTの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でpXba DNAを基質としてPmeI−HFとPmeI−WTのFIを別々に測定した。結果を(下記)表22にまとめる。
【0189】
【表22】
【0190】
PmeI−HFはNEB4中で最良性能であり、FIは≧8000であり、PmeI−WTはNEB1及びNEB2中で最良性能であり、FIは250であった。総改善倍率は≧8000/250=≧16倍である。
【0191】
[実施例22]
HF SmaIの作製
1.SmaIの発現
各々SmaIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpRRS−SmaIRとpSYX20−SmaIMで形質転換した大腸菌でSmaIを発現させた。AmpとKanを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0192】
2.SmaI−HFの変異誘発
全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、全てのTyrをPheに置換した。
【0193】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2428に形質転換した。
【0194】
3.SmaI−HFの選択
pXba DNAを基質として、水+NEB4中と、NEB標準Taqバッファーを加えたスター活性誘導グリセロール条件下における活性の比較を使用してSmaI−HFの選択を行った。WTと同等以上のコグネイト活性を維持しながら指定バッファー中でスター活性の変化を示した変異体を選択した。数種の変異体E32R、S081A、G132A及び二重変異体F60L/S61Rが検出された。SmaI(F60L/S61R)をSmaI−HFに指定する。
【0195】
4.SmaI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Kanを添加したLBでER2428細胞(pRRS−SmaI(F60L/S61R),pSYX20−SmaIM)2リットルを37℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したSmaI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0196】
5.SmaI−HFとSmaI−WTの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でpXba DNAを基質としてSmaI−HFとWT SmaIのFIを別々に測定した。比較を図12に示し、結果を(下記)表23にまとめる。
【0197】
【表23】
【0198】
SmaI−HFはNEB4中で最良性能であり、FIは≧256000であり、SmaI−WTはNEB2及びNEB4中で最良性能であり、FIは64であった。総改善倍率は≧256000/64=≧4000倍である。
【0199】
[実施例23]
高忠実度AatIIの作製
1.AatIIの発現
各々AatIIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpRRS−AatIIRとpACYC184−AatIIMで形質転換した大腸菌でAatIIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0200】
2.AatII−HFの変異誘発
8位、9位、11位、12位、13位、16位、17位、18位、20位、22位、26位、29位、32位、33位、35位、36位、37位、38位、40位、43位、45位、46位、49位、52位、53位、54位、56位、57位、58位、60位、61位、62位、64位、65位、69位、70位、71位、72位、73位、74位、75位、77位、79位、80位、83位、84位、86位、87位、90位、92位、93位、94位、95位、97位、99位、100位、103位、104位、106位、107位、111位、113位、114位、117位、121位、123位、124位、125位、126位、128位、129位、131位、132位、133位、135位、136位、140位、141位、143位、144位、145位、146位、148位、149位、150位、151位、153位、155位、156位、157位、160位、164位、165位、167位、169位、171位、172位、173位、174位、175位、176位、177位、179位、181位、182位、186位、189位、191位、192位、193位、194位、196位、198位、200位、201位、203位、204位、205位、206位、207位、208位、210位、211位、213位、214位、216位、217位、219位、220位、221位、222位、226位、228位、230位、231位、233位、235位、236位、237位、238位、240位、241位、244位、247位、248位、249位、250位、251位、252位、253位、256位、262位、264位、265位、266位、268位、269位、272位、273位、275位、280位、281位、282位、283位、286位、298位、292位、293位、295位、296位、297位、298位、301位、302位、308位、309位、311位、312位、313位、314位、315位、317位、319位、321位、325位、327位、329位、330位、333位、334位、335位、336位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、82位、89位、98位、112位、232位、305位及び306位のTyrをPheに置換した。
【0201】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2426に形質転換した。
【0202】
3.AatII−HFの選択
pXba DNAを基質として水中NEB4とグリセロール中NEB ExoIバッファーにおける活性の比較を使用してAatII−HFの選択を行った。水中正常条件下でWTと同等以上の活性を維持しながらグリセロール条件下でスター活性の変化を示した変異体を後続試験に選択した。数種の変異体G013A、G016A、K018A、P052A、R053A、K070A、E071A、D072A、G073A、S84A、E086A、R090A、K094A、R095A、P099A、P103A、K113A、N135A、S151A、P157A、G173A、T204A、S206A、K207A、E233A、N235A、E237A、S238A、D241A、K295A、S301A及びS302Aを初期スクリーニング後の後続試験に選択した。AatII(N235A)をAatII−HFに指定する。
【0203】
4.AatII−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Camを添加したLBでER2426細胞(pRRS−AatII(N235A),pACYC184−AatIIM)2リットルを37℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したAatII−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0204】
5.AatII−HFとAatII−WTの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でpBR322 DNAを基質としてAatII−HFとWT AatIIのFIを別々に測定した。結果を(下記)表24にまとめる。
【0205】
【表24】
【0206】
AatII−HFはNEB4中で最良性能であり、FIは≧1000であり、WT AatIIはNEB2中で最良性能であり、FIは1/4であった。総改善倍率は≧1000/1/4=≧4000倍である。
【0207】
[実施例24]
HF ApoIの作製
1.ApoIの発現
各々ApoIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpRRS−ApoIRとpACYC184−ApoIMで形質転換した大腸菌でApoIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0208】
2.ApoI−HFの変異誘発
8位、9位、10位、11位、13位、14位、17位、18位、19位、20位、21位、22位、23位、24位、26位、28位、29位、33位、35位、36位、37位、39位、41位、43位、47位、48位、49位、50位、51位、56位、57位、60位、62位、63位、64位、66位、67位、69位、71位、72位、73位、75位、76位、77位、80位、81位、82位、83位、84位、87位、92位、93位、94位、95位、96位、97位、102位、103位、105位、106位、107位、108位、109位、110位、111位、113位、115位、116位、117位、119位、120位、121位、124位、125位、128位、129位、131位、132位、133位、136位、137位、143位、144位、145位、148位、153位、155位、157位、159位、160位、161位、162位、163位、166位、167位、169位、170位、175位、176位、178位、179位、181位、184位、185位、186位、187位、188位、189位、192位、193位、194位、195位、199位、201位、202位、204位、206位、207位、209位、210位、214位、216位、217位、218位、221位、226位、227位、229位及び230位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln及びArgをAlaに置換した。
【0209】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2426に形質転換した。
【0210】
3.ApoI−HFの選択
λDNAを基質としてNEB3及びNEB4中の活性の比較を使用してApoI−HFの選択を行った。NEB4中の活性増加は忠実度改善の指標であるので、NEB4中の活性がWTよりも高い変異体を選択した。以下の変異体:S64A、S80A、S162A、T77A/T96A及びN178AはNEB4中で高活性であることが判明した。ApoI(T77A/T96A)をApoI−HFに指定する。
【0211】
4.ApoI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Camを添加したLBでER2426細胞(pRRS−ApoI(T77A/T96A),pACYC184−ApoIM)2リットルを37℃にて一晩増殖させ、8時間増殖後に0.5mM ITPGで誘導した。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したApoI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0212】
5.ApoI−HFとApoI−WTの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でpXba DNAを基質としてApoI−HFとApoI−WTのFIを別々に測定した。結果を(下記)表24にまとめる。
【0213】
【表25】
【0214】
ApoI−HFはNEB2中で最良性能であり、FIは≧4000であり、WT ApoIはNEB2及びNEB3中で最良性能であり、最良FIは64であった。総改善倍率は≧4000/64=≧64倍である。
【0215】
[実施例25]
高忠実度BsmBIの作製
国際公開第WO2009/009797号の実施例23に記載されているようにBsmBIはCGTCTCN1/N5で認識・消化する。変異体BsmBI(R232A)をBsmBIの高忠実度変異体として選択した。この変異体を更に特性決定した結果、1時間規模でのBsmBI(R232A)の性能は優れているが、一晩消化すると性能は良好でなくなった。他の変異体を探すと、BsmBI(W238A)は1時間と一晩のどちらの反応でも優れていることが判明したので、BsmBI−HFに指定した(図13)。
【0216】
BsmBI−HFをER3081(pBAD241−BsmBIR(W238A)/pACYC−BsmAIM)で発現させた。増殖法と精製法はWO/2009/009797に従って実施した。
【0217】
下表(表26)はBsmBI−HFとBsmBI−WTのFIを比較する。
【0218】
【表26】
【0219】
BsmBI−HFはNEB4中で最良活性であり、NEB4中のBsmBI−HFのFIは250であり、BsmBI−WTはNEB3中で最良活性であった。NEB2中のBsmBIのFIは120であった。従って、総改善倍率は2倍であった。
【0220】
[実施例26]
HF BmtIの作製
1.BmtIの発現
pACYC−BmtIMとplaczz1−BmtIRで形質転換した大腸菌でBmtIを発現させた。pACYCは低コピー対応プラスミドである。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0221】
2.BmtI−HFの変異誘発
選択した変異の点変異誘発をインバースPCRにより実施した。BmtIに以下のように150カ所のアミノ酸変異を作製した。Cys、Asp、Glu、Phe、His、Lys、Met、Asn、Gln、Arg、Ser、Thr、TrpをAlaに変異させた。TryをPheに変異させた。これらは5位、9位、11位、12位、16位、19位、20位、23位、24位、25位、26位、27位、30位、32位、33位、34位、35位、36位、39位、45位、46位、49位、50位、51位、53位、56位、58位、59位、60位、63位、65位、69位、71位、72位、73位、74位、75位、76位、78位、79位、80位、81位、83位、85位、86位、88位、89位、90位、92位、93位、94位、95位、97位、98位、99位、101位、104位、105位、106位、108位、110位、111位、112位、113位、116位、118位、119位、120位、121位、122位、124位、128位、129位、131位、132位、133位、134位、136位、138位、139位、140位、141位、142位、144位、145位、146位、147位、148位、150位、151位、152位、154位、156位、157位、161位、162位、163位、165位、166位、167位、168位、169位、171位、172位、173位、175位、178位、179位、180位、181位、185位、186位、189位、190位、191位、193位、194位、195位、196位、199位、200位、201位、202位、203位、204位、205位、206位、207位、208位、210位、211位、213位、214位、216位、217位、218位、219位、220位、221位、222位、226位、228位、229位、230位、231位、234位、236位、237位、238位、239位及び241位であった。変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株3081に形質転換した。
【0222】
3.BmtI−HFの選択
AmpとCamを添加したLBで各変異のコロニー4個を37℃で一晩増殖させた。ExoIバッファー及び10% DMSO中でpBC4を使用してBmtIの標準コグネイトアッセイとスター活性アッセイを実施した。
【0223】
変異体S50A、Y81F、N93A及びW207Aをスクリーニングアッセイで選別した。各種条件及び基質で数ラウンドの比較後、S50Aは高カノニカル酵素活性を維持しながらスター活性の実質的低下を示す好ましい変異体であることが判明した。BmtI(S50A)をBmtI−HFに指定した。
【0224】
4.BmtI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Camを添加したLBで大腸菌3081細胞(placzz1−BmtIR(S50A),pACYC−BmtIM)2リットルを37℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分を更に濃縮した。濃縮したBmtI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0225】
5.BmtI−HFとBmtI−WTの比較
BmtI−HFをAで2倍系列希釈し、pXbaと反応させた。結果を表27に示す。
【0226】
【表27】
【0227】
BmtI−HFはNEB4中で最良性能であり、好ましいFIは≧1000000であり、BmtI−WTはNEB2及びNEB4中で最良性能であり、FIは16であった。FI総改善倍率は≧1000000/16=≧62500倍であった。
【0228】
[実施例27]
HF BstNIの作製
1.BstNIの発現
各々BstNIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpBAD241−BstNIRとpACYC184−BstNIMで形質転換した大腸菌でBstNIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させ、LBで10倍に希釈後、アラビノースにより4時間誘導した。
【0229】
2.BstNI−HFの変異誘発と選択
BstNIの一連の変異を作製する実験中に、BstNI(G26N)はWT BstNIよりもスター活性が低いことが判明した。スター活性が更に低く、より良好なBstNI変異体を探し出すために、G26を他の全アミノ酸に変異させた。これらの全変異体のうちで、BstNI(G26T)はスター活性が最低であるので、BstNI−HFに指定する。
【0230】
3.BstNI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Camを添加したLBでER2833細胞(pBAD241−BstNI(G26T),pACYC184−BstNIM)2リットルを37℃にて一晩増殖させた。次に細胞をLBで10倍に希釈後、最終濃度が0.2%となるようにアラビノースにより4時間誘導した。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したBstNI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0231】
4.BstNI−HFとWT BstNIの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でpBR322 DNAを基質としてBstNI−HFとWT BstNIのFIを別々に測定した。比較を図14に示し、結果を(下記)表28にまとめる。
【0232】
【表28】
【0233】
BstNI−HFはNEB2及びNEB4中で最良性能であり、最良FIは≧500であり、BstNI−WTはNEB2及びNEB3中で最良性能であり、最良FIは250であった。従って、総改善倍率は≧500/250=≧2倍であった。
【0234】
[実施例28]
HF MluIの作製
1.MluIの発現
各々MluIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpUC19−MluIRとpACYC184−MluIMで形質転換した大腸菌でMluIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を30℃にて一晩増殖させた。
【0235】
2.MluI−HFの変異誘発
7位、8位、10位、11位、13位、16位、21位、23位、24位、26位、27位、30位、31位、33位、34位、35位、36位、37位、39位、42位、44位、48位、50位、51位、54位、57位、59位、60位、61位、67位、68位、71位、72位、74位、75位、78位、79位、81位、83位、84位、85位、86位、89位、90位、93位、94位、95位、97位、99位、101位、102位、104位、106位、108位、111位、112位、114位、116位、117位、119位、120位、121位、123位、125位、128位、130位、131位、132位、134位、136位、137位、139位、140位、141位、142位、144位、145位、146位、148位、152位、154位、155位、156位、157位、159位、161位、163位、165位、166位、170位、172位、173位、174位、176位、177位、179位、180位、181位、182位、183位、184位、186位、189位、192位、195位、196位、197位、200位、206位、207位、208位、210位、211位、214位、216位、218位、219位、220位、221位、223位、227位、228位、230位、232位、233位、234位、236位、237位、238位、240位、243位、244位、247位、249位、255位、256位、257位、258位、261位、263位、264位、265位、266位、269位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、14位、28位、47位、53位、77位、107位、175位、198位、217位、239位及び248位のTyrをPheに置換した。
【0236】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER1582に形質転換した。
【0237】
3.MluI−HFの選択
λDNAを基質としてNEB3及びNEB4中の活性の比較を使用してMluI−HFの選択を行った。NEB4中の活性増加は忠実度改善の指標であるので、NEB4中の活性がWTよりも高い変異体を選択した。この条件を満たすことが判明した唯一の変異体はE112A/R132Aであり、MluI(E112A/R132A)をMluI−HFに指定する。
【0238】
4.MluI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Camを添加したLBでER1582細胞(pUC19−MluI(E112A/R132A),pACYC184−MluIM)2リットルを30℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したMluI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0239】
5.MluI−HFとMluI−WTの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でλDNAを基質としてMluI−HFとWT MluIのFIを別々に測定した。比較を図15に示し、結果を(下記)表29にまとめる。
【0240】
【表29】
【0241】
MluI−HFはNEB2及びNEB4中で最良性能であり、FIは≧32000であり、MluI−WTはNEB3中で最良性能であり、FIは2000であった。総改善倍率は≧32000/2000=≧16倍であった。
【0242】
[実施例29]
HF BanIの作製
1.BanIの発現
各々BanIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpUC19−BanIRとpACYC184−BanIMで形質転換した大腸菌でBanIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0243】
2.BanI−HFの変異誘発
7位、8位、9位、11位、12位、14位、15位、16位、19位、22位、23位、27位、28位、29位、30位、31位、32位、33位、36位、37位、40位、41位、42位、43位、47位、50位、52位、53位、54位、55位、56位、58位、61位、64位、66位、67位、69位、70位、71位、75位、76位、81位、82位、84位、85位、86位、87位、89位、90位、92位、93位、94位、96位、97位、100位、103位、105位、106位、107位、109位、110位、111位、112位、114位、115位、117位、121位、122位、123位、124位、126位、130位、131位、133位、135位、136位、138位、139位、140位、141位、143位、145位、146位、148位、150位、151位、152位、154位、156位、157位、160位、161位、169位、171位、174位、175位、176位、178位、179位、182位、183位、185位、187位、188位、191位、192位、193位、194位、195位、197位、198位、201位、202位、203位、208位、209位、211位、212位、213位、215位、217位、218位、220位、221位、224位、225位、226位、229位、232位、233位、234位、236位、237位、238位、240位、242位、243位、244位、245位、246位、248位、249位、251位、252位、253位、254位、255位、256位、257位、259位、260位、262位、266位、267位、268位、269位、270位、271位、275位、277位、279位、281位、282位、283位、284位、285位、287位、288位、289位、291位、292位、294位、296位、298位、301位、302位、303位、304位、305位、312位、313位、315位、316位、318位、319位、320位、321位、324位、325位、328位、329位、330位、331位、333位、337位、338位、339位、340位、342位、346位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、104位、125位、127位、156位、159位、204位、239位、297位、306位及び336位のTyrをPheに置換した。
【0244】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2683に形質転換した。
【0245】
3.BanI−HFの選択
λDNAを基質として、水+NEB4中と、グリセロール+NEB ExoIバッファー中の活性の比較を使用してBanI−HFの選択を行った。NEB4中の活性がWTと同等以上であると共に、グリセロール条件下で試験した場合にスター活性の変化を示した変異体を選択した。これらの変異体の選択に使用した別の指標として、スター活性の除去によりコグネイト切断に遅延部位が生じるという事実も使用した。多数の変異体:N016A、S33A、P36A、H76A、P87A、N89A、R90A、T138A、K141A、K143A、Q221A、Q224A、N253A、Q292A、R296A、T152I、G326A及びT324Aはスター活性が変化し、その結果として遅延部位が生じることが判明した。BanI(Q292A)をBanI−HFに指定する。
【0246】
4.BanI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Camを添加したLBでER2683細胞(pUC19−BanI(P154A),pACYC184−BanIM)2リットルを37℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したBanI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0247】
5.BanI−HFとBanI−WTの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でλDNAを基質としてBanI−HFとWT BanIのFIを別々に測定した。結果を(下記)表30にまとめる。
【0248】
【表30】
【0249】
BanI−HFはNEB4中で最良性能であり、FIは≧2000であり、WT BanIもNEB4中で最良性能であったが、FIは16に過ぎなかった。総改善倍率は≧2000/16=≧125倍である。
【0250】
[実施例30]
HF KasIの作製
1.KasIの発現
各々KasIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むplacZZ−KasIRとpACY−SfoIMで形質転換した大腸菌でKasIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を30℃にて一晩増殖させた。
【0251】
2.KasI−HFの変異誘発
7位、8位、9位、11位、13位、14位、17位、18位、21位、24位、26位、28位、29位、31位、32位、33位、34位、36位、37位、39位、42位、43位、44位、47位、48位、51位、52位、54位、55位、56位、58位、60位、62位、63位、64位、65位、66位、69位、70位、73位、76位、77位、78位、79位、83位、85位、86位、88位、89位、90位、91位、92位、93位、94位、98位、100位、101位、102位、103位、104位、108位、110位、111位、114位、115位、116位、117位、118位、119位、122位、123位、124位、125位、126位、128位、129位、134位、137位、138位、139位、140位、142位、143位、144位、145位、146位、149位、150位、152位、153位、154位、156位、158位、161位、162位、163位、164位、165位、167位、168位、173位、177位、178位、180位、181位、182位、184位、185位、188位、189位、190位、191位、192位、195位、197位、198位、200位、202位、203位、204位、210位、211位、212位、214位、215位、216位、217位、218位、219位、220位、221位、222位、223位、225位、226位、228位、229位、231位、234位、237位、238位、241位、243位、244位、245位、246位、248位、251位、253位、255位、257位、258位、259位、260位、261位、263位、264位、265位、266位、269位、270位、271位、274位、275位、276位、277位及び278位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、19位、41位、74位、80位、95位、207位及び256位のTyrをPheに置換した。
【0252】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2683に形質転換した。
【0253】
3.KasI−HFの選択
pBR322 DNAを基質としてNEB3及びNEB4中の活性の比較を使用してKasI−HFの選択を行った。NEB4中の活性増加は忠実度改善の指標であるので、NEB4中の活性がWTよりも高い変異体を選択した。以下の変異体:K024A、P214A、E146A、N251A及びY095FはNEB4中の活性が高いことが判明した。KasI(N251A)をKasI−HFに指定する。
【0254】
4.KasI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Camを添加したLBでER2683細胞(pLacZZ−KasI(M251A),pACYC−SfoIM)2リットルを30℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したKasI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0255】
5.KasI−HFとKasI−WTの比較
希釈剤Bを添加した4種類のNEBバッファー中でpBR322 DNAを基質としてKasI−HF及びKasI−WTのFIを別々に測定した。結果を(下記)表31にまとめる。
【0256】
【表31】
【0257】
KasI−HFはNEB2及びNEB4中で最良性能であり、FIは≧16000であり、KasI−WTは全バッファー中で同一性能であり、最良FIは8である。総改善倍率は≧16000/8=≧2000倍である。
【0258】
[実施例31]
HF NruIの作製
1.NruIの発現
各々NruIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpUC19−NruIRとpACYC−Sbo13IMで形質転換した大腸菌でNruIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0259】
2.NruI−HFの変異誘発
8位、10位、12位、13位、15位、16位、19位、20位、21位、22位、23位、25位、26位、30位、34位、36位、38位、39位、44位、45位、46位、47位、49位、50位、53位、54位、55位、56位、57位、58位、59位、60位、61位、62位、63位、64位、68位、70位、71位、72位、73位、75位、77位、79位、80位、82位、83位、84位、85位、87位、89位、90位、91位、92位、93位、95位、96位、97位、99位、101位、103位、104位、106位、107位、112位、113位、114位、115位、117位、118位、119位、124位、125位、127位、132位、134位、137位、138位、139位、141位、146位、147位、148位、149位、152位、154位、155位、157位、158位、159位、162位、163位、165位、166位、168位、169位、170位、171位、174位、175位、177位、178位、180位、182位、184位、186位、188位、189位、190位、191位、193位、196位、197位、200位、201位、202位、204位、205位、206位、207位、208位、209位、211位及び213位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、11位、31位、52位、69位、98位、64位及び187位のTyrをPheに置換した。
【0260】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2683に形質転換した。
【0261】
3.NruI−HFの選択
dam−λDNAを基質としてNEB3及びNEB4中の活性の比較を使用してNruI−HFの選択を行った。NEB4中の活性増加は忠実度改善の指標であるので、NEB4中の活性がWTよりも高い変異体を選択した。以下の変異体:G075A、Q099A、G155A及びP022A/R90AはNEB4中の活性が高いことが判明した。P154A NruI(P022A/R90A)をNruI−HFに指定する。
【0262】
4.NruI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Camを添加したLBでER2683細胞(pUC19−NruI(P022AR90A),pACYC184−Sbo13IM)2リットルを37℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したNruI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0263】
5.NruI−HFとNruI−WTの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でdam−λDNAを基質としてNruI−HFとNruI−WTのFIを別々に測定した。結果を(下記)表32にまとめる。
【0264】
【表32】
【0265】
NruI−HFはNEB4中で最良性能であり、FIは≧16000であり、NruI−WTはNEB3中で最良性能であり、FIは500であった。総改善倍率は≧16000/500=≧32倍であった。
【0266】
[実施例32]
高忠実度NspIの作製
1.NspIの発現
各々NspIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpUC19−NspIRとpACYC−FatIMで形質転換した大腸菌でNspIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0267】
2.NspI−HFの変異誘発
9位、10位、12位、13位、14位、16位、17位、18位、19位、20位、21位、23位、26位、29位、30位、31位、32位、34位、36位、37位、39位、40位、41位、42位、44位、45位、46位、47位、50位、51位、52位、53位、55位、56位、58位、59位、60位、61位、62位、63位、64位、65位、66位、70位、71位、72位、73位、74位、77位、78位、80位、81位、82位、83位、85位、86位、87位、89位、90位、91位、93位、94位、96位、97位、99位、100位、102位、104位、107位、108位、111位、114位、116位、117位、120位、121位、122位、123位、124位、125位、126位、127位、128位、132位、133位、134位、136位、138位、139位、141位、143位、144位、145位、146位、147位、149位、150位、152位、153位、154位、155位、157位、158位、159位、161位、164位、165位、166位、167位、168位、169位、170位、171位、172位、175位、176位、177位、178位、180位、181位、184位、185位、186位、187位、188位、189位、191位、193位、195位、199位、200位、201位、202位、203位、205位、206位、208位、209位、210位、211位、212位、213位、215位、216位、217位、220位、222位、225位、227位、230位、231位、234位、235位、236位及び238位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、48位、75位、113位、115位、198位及び224位のTyrをPheに置換した。
【0268】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2566に形質転換した。
【0269】
3.NspI−HFの選択
pBR322 DNAを基質としてNEB3及びNEB4中の活性の比較を使用してNspI−HFの選択を行った。NEB4中の活性増加は忠実度改善の指標であるので、NEB4中の活性がWTよりも高い変異体を選択した。以下の変異体:S097A及びE125AはNEB4中の活性が高いことが判明した。NspI(S097A)をNspI−HFに指定する。
【0270】
4.NspI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Camを添加したLBでER2566細胞(pUC19−NspI(S097A),pACYC−FatIM)2リットルを37℃にて一晩増殖させた。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したNspI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0271】
5.NspI−HFとNspI−WTの比較
希釈剤AとBSAを添加した4種類のNEBバッファー中でpUC19 DNAを基質としてNspI−HFとNspI−WTのFIを別々に測定した。比較を図16に示し、結果を(下記)表33にまとめる。
【0272】
【表33】
【0273】
NspI−HFはNEB1及びNEB4中で最良性能であり、最良FIは≧4000であり、WT NspIはNEB1及びNEB2中で最良性能であり、最良FIは250であった。総改善倍率は≧4000/250=≧16倍である。
【0274】
[実施例33]
HF BsrFIの作製
1.BsrFIの発現
各々BsrFIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpBAD−BsrFIRとpSYX33−HpaIIMで形質転換した大腸菌でBsrFIを発現させた。AmpとKanを添加したLBでアラビノース誘導下に細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0275】
2.BsrFI−HFの変異誘発
7位、8位、9位、12位、13位、15位、16位、17位、18位、19位、20位、21位、23位、25位、26位、28位、32位、35位、36位、37位、39位、40位、41位、42位、44位、45位、46位、48位、49位、51位、52位、56位、59位、61位、62位、64位、65位、66位、68位、72位、73位、74位、75位、76位、77位、80位、86位、87位、89位、91位、93位、94位、95位、97位、98位、103位、105位、106位、108位、109位、111位、113位、114位、117位、118位、119位、120位、121位、122位、123位、126位、128位、129位、130位、133位、134位、135位、136位、137位、139位、142位、143位、144位、145位、146位、151位、152位、153位、154位、157位、158位、159位、161位、162位、163位、165位、166位、168位、169位、170位、171位、173位、174位、177位、180位、181位、183位、184位、185位、187位、189位、190位、194位、196位、198位、199位、200位、202位、203位、204位、205位、206位、208位、211位、212位、213位、214位、217位、218位、222位、224位、226位、229位、230位、231位、233位、235位、238位、240位、241位、242位、243位、245位、246位、248位、249位、250位、253位、254位、257位、258位、259位、262位、264位、265位、266位、267位、268位、269位、272位、273位、276位、278位、279位、281位、282位、284位及び285位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換し、14位、34位、53位、90位、96位、99位、125位、160位、227位、236位、237位のTyrをPheに置換した。
【0276】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER2566に形質転換した。
【0277】
3.BsrFI−HFの選択
pBR322 DNAを基質としてNEB3及びNEB4中の活性の比較を使用してBsrFI−HFの選択を行った。NEB4中の活性増加は忠実度改善の指標であるので、NEB4中の活性がWTよりも高い変異体を選択した。以下の変異体:K021A/I031R及びT120AはNEB4中の活性が高いことが判明した。BsrFI(K021A/I031R)をBsrFI−HFに指定する。
【0278】
4.BsrFI−HFの精製
100μg/ml Ampと33μg/ml Kanを添加したLBでER2566細胞(pBAD−BsrFI(K021A/I031R),pSYX33−HpaIIM)2リットルを37℃にて一晩増殖させ、8時間後に0.2%アラビノースで誘導した。細胞を回収し、20mlの10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaCl中で超音波処理した。15,000rpmで30分間遠心後、同一バッファーで予め平衡化しておいた5ml HiTrap(登録商標)Heparin HPカラム(GE Healthcare、現Pfizer,Inc.,Piscataway,NJ)にシリンジ注入により上清をロードした。次にカラムをシステムに装着し、以下の手順:10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM NaClを48ml、10mM Tris−HCl,pH7.5,50mM−1M NaCl直線勾配を100ml、次いで10mM Tris−HCl,pH7.5,1M NaClステップを10mlの手順で送液した。次に、溶出画分の活性を試験した。最高活性の画分をVivaspin(登録商標)15R(Vivascience,現Sartorius Vivascience GmbH,Goettingen,ドイツ)により更に濃縮した。濃縮したBsrFI−HFに次に同一容量のグリセロールを加え、−20℃にて保存した。
【0279】
5.BsrFI−HFとWT BsrFIの比較
希釈剤Aを添加した4種類のNEBバッファー中でpBR322 DNAを基質としてBsrFI−HFとBsrFI−WTのFIを別々に測定した。比較を図17に示し、結果を(下記)表35にまとめる。
【0280】
【表34】
【0281】
BsrFI−HFはNEB1及びNEB4中で最良性能であり、FIは≧500であり、BsrFI−WTはNEB2中で最良性能であり、FIは4であった。総改善倍率は≧500/4=≧120倍である。
【0282】
[実施例34]
HF BspEIの作製
1.BspEI(配列番号34)の発現
各々BspEIエンドヌクレアーゼ及びメチラーゼ遺伝子を含むpLazz1−BspEIRとpACYC184−BspEIMで形質転換した大腸菌でBspEIを発現させた。AmpとCamを添加したLBで細胞を37℃にて一晩増殖させた。
【0283】
2.BspEI−HFの変異誘発
7位、8位、10位、11位、12位、13位、14位、17位、19位、20位、21位、22位、23位、27位、30位、31位、33位、34位、35位、36位、37位、39位、42位、43位、44位、45位、46位、48位、49位、51位、52位、53位、54位、55位、56位、58位、59位、60位、62位、63位、64位、66位、67位、68位、71位、72位、73位、74位、75位、78位、79位、81位、82位、84位、85位、88位、89位、91位、92位、93位、94位、95位、96位、98位、101位、102位、103位、106位、107位、108位、110位、111位、113位、114位、115位、117位、121位、122位、124位、126位、127位、128位、129位、132位、133位、135位、136位、137位、138位、140位、141位、148位、149位、151位、153位、155位、156位、157位、160位、162位、164位、166位、167位、168位、169位、172位、174位、175位、176位、177位、178位、182位、183位、184位、185位、186位、187位、189位、192位、193位、195位、196位、197位、198位、199位、200位、201位、203位、204位、208位、209位、212位、213位、214位、216位、217位、218位、219位、221位、222位、228位、229位、231位、232位、233位、234位、235位、236位、237位、238位、239位、240位、242位、244位、245位、246位、250位、251位、253位、254位、255位、256位、258位、260位、261位、263位、264位、266位、267位、269位、270位、271位、272位、273位、275位、276位、277位、281位、282位、283位、285位、286位、288位、289位、293位、294位の全残基Cys、Asp、Glu、Gly、His、Lys、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、ThrをAlaに置換した。
【0284】
変異誘発法はプライマー対を使用してインバースPCR後にDpnI消化する方法とした。処理済み産物を次に大腸菌株ER3081に形質転換した。
【0285】
3.BspEI−HFの選択
非メチル化λ(λ−)DNAを基質としてNEB3及びNEB4中の活性の比較を使用してBspEI−HFの選択を行った。WT BspEIはNEB3中の活性が高いので、NEB4中の活性が高いものを選択した。K7A、T10A、N11A、N14A、Q232A及びT199Aの6種の変異体はNEB4中の活性が高いことが判明した。T199AはNEB4中の活性がWTよりも著しく高い。BspEI(T199A)をBspEI−HFに指定する。
【0286】
[実施例35]
高忠実度BamHI(他の変異体)の作製
国際公開第WO2009/009797号の実施例1に記載されているようにBamHI(配列番号35)はG/GATCCで認識・消化する。変異体BamHI(E163A/E167T)をBamHIの高忠実度変異体として選択した。
【0287】
BamHIで完全な範囲の変異を行った。従来の特許及び出願に報告されている残基以外に、3位、7位、8位、15位、16位、21位、22位、23位、24位、27位、29位、31位、33位、34位、35位、37位、38位、39位、45位、47位、48位、49位、53位、54位、55位、56位、57位、58位、59位、60位、63位、64位、67位、68位、73位、74位、79位、80位、82位、83位、85位、90位、91位、92位、93位、95位、99位、100位、102位、105位、108位、109位、110位、112位、115位、116位、117位、124位、125位、127位、128位、129位、130位、131位、134位、136位、138位、140位、141位、142位、143位、144位、145位、147位、148位、151位、152位、156位、158位、159位、162位、164位、166位、168位、171位、172位、173位、174位、175位、176位、177位、178位、179位、180位、185位、187位、188位、189位、190位、191位、192位、194位、197位、198位、203位、206位、210位及び212位の他の残基もAlaに変異させた。
【0288】
これらの変異体のうち、P92A、P144A、G197A及びM198Aは野生型BamHIよりも忠実度が高い。P92Aを代替高忠実度BamHIとすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制限エンドヌクレアーゼ及びその変異体の忠実度指数(FI)の同定方法であって、
反応バッファーと、制限エンドヌクレアーゼの結合及び切断部位を含むDNA基質を選択する段階と;
順次希釈した制限エンドヌクレアーゼ又はその変異体にDNA基質を切断させる段階と;
制限エンドヌクレアーゼ及びその1種以上の変異体の各々のFIを求める段階を含む前記方法。
【請求項2】
更に制限エンドヌクレアーゼとその変異体のFIを比較し、変異体の改善倍率を得る段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
改善倍率が2を上回る請求項2に記載の方法。
【請求項4】
反応バッファーが酢酸カリウム、トリス酢酸及び酢酸マグネシウム、又は塩化マグネシウムを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号1を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がS36、K77、P154、E163、Y165及びK185から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項6】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号2を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がK198及びQ148から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項8】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号3を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がS15、H20、E34、M58、Q95、R106、K108、T181、R187及びR199から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項10】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号4を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がD16、D148及びE132から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項12】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号5を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がK75、N146及びD256から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項14】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号6を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がE198及びD200から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項16】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号7を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がK229、E025、R034及びQ261から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項18】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
変異の位置がK225である配列番号8を含む酵素を含む組成物。
【請求項20】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号9を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がH137、D177、K363、K408、R411、Q215、Q226及びQ230から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項22】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
変異の位置がF376である配列番号10を含む酵素を含む組成物。
【請求項24】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号11を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がR78、T140、E152、R199及びF217から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項26】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号12を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がG26、P105、T195、Q210、Y147、Y193、K114、T197、S245、D252及びY027から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項28】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号13を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がH10、N208、K48、K74、R75、Y56、K58及びM117から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項30】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号14を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がK014、Q069、E099、R105、R117、G135及びY035から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項32】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号15を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がN106、Q169、E314及びR126から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項34】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号16を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がT20、P52、Y67、K68、R75、E86、Q90、S91、Q93、H121及びG172から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項36】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号17を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がE059、P065、S108、N172、K174、Q179、G182及びY055から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項38】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号18を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置N212及びL213がから構成される群から選択される前記組成物。
【請求項40】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項39に記載の組成物。
【請求項41】
N65位に変更を有する配列番号19を含む酵素を含む組成物。
【請求項42】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項41に記載の組成物。
【請求項43】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号20を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がE007、D011、E049、R073、R114、G137、S210及びR213から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項44】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項43に記載の組成物。
【請求項45】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号21を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がP079、E086、H096及びE218から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項46】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項45に記載の組成物。
【請求項47】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号22を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がE32、S081、G132、F60及びS61から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項48】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項47に記載の組成物。
【請求項49】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号23を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がG013、G016、K018、P052、R053、K070、E071、D072、G073、S84、E086、R090、K094、R095、P099、P103、K113、N135、S151、P157、G173、T204、S206、K207、E233、N235、E237、S238、D241、K295、S301及びS302から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項50】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項49に記載の組成物。
【請求項51】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号24を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がS64、S80、S162、T77/T96及びN178から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項52】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項51に記載の組成物。
【請求項53】
R232位を変異させた配列番号25を含む酵素を含む組成物。
【請求項54】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項53に記載の組成物。
【請求項55】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号26を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がS50、Y81、N93及びW207から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項56】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項55に記載の組成物。
【請求項57】
G26位に変更を有する配列番号27を含む酵素を含む組成物。
【請求項58】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項57に記載の組成物。
【請求項59】
E112/R132位に変更を有する配列番号28を含む酵素を含む組成物。
【請求項60】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項59に記載の組成物。
【請求項61】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号29を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がN016、S33、P36、H76、P87、N89、R90、T138、K141、K143、Q221、Q224、N253、Q292、R296、T152、G326及びT324から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項62】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項61に記載の組成物。
【請求項63】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号30を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がK024、P214、E146、N251及びY095から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項64】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項63に記載の組成物。
【請求項65】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号31を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がG075、Q099、G155、P022及びR90から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項66】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項65に記載の組成物。
【請求項67】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号32を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がS097及びE125から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項68】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項67に記載の組成物。
【請求項69】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号33を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がK021、I031及びT120から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項70】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項69に記載の組成物。
【請求項71】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号34を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がK7、T10、N11、N14、Q232及びT199から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項72】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項71に記載の組成物。
【請求項73】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号35を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がP92、P144、G197及びM198から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項74】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項73に記載の組成物。
【請求項1】
制限エンドヌクレアーゼ及びその変異体の忠実度指数(FI)の同定方法であって、
反応バッファーと、制限エンドヌクレアーゼの結合及び切断部位を含むDNA基質を選択する段階と;
順次希釈した制限エンドヌクレアーゼ又はその変異体にDNA基質を切断させる段階と;
制限エンドヌクレアーゼ及びその1種以上の変異体の各々のFIを求める段階を含む前記方法。
【請求項2】
更に制限エンドヌクレアーゼとその変異体のFIを比較し、変異体の改善倍率を得る段階を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
改善倍率が2を上回る請求項2に記載の方法。
【請求項4】
反応バッファーが酢酸カリウム、トリス酢酸及び酢酸マグネシウム、又は塩化マグネシウムを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号1を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がS36、K77、P154、E163、Y165及びK185から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項6】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号2を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がK198及びQ148から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項8】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号3を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がS15、H20、E34、M58、Q95、R106、K108、T181、R187及びR199から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項10】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号4を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がD16、D148及びE132から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項12】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号5を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がK75、N146及びD256から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項14】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号6を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がE198及びD200から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項16】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号7を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がK229、E025、R034及びQ261から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項18】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
変異の位置がK225である配列番号8を含む酵素を含む組成物。
【請求項20】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号9を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がH137、D177、K363、K408、R411、Q215、Q226及びQ230から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項22】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
変異の位置がF376である配列番号10を含む酵素を含む組成物。
【請求項24】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号11を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がR78、T140、E152、R199及びF217から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項26】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号12を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がG26、P105、T195、Q210、Y147、Y193、K114、T197、S245、D252及びY027から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項28】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号13を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がH10、N208、K48、K74、R75、Y56、K58及びM117から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項30】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号14を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がK014、Q069、E099、R105、R117、G135及びY035から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項32】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号15を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がN106、Q169、E314及びR126から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項34】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号16を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がT20、P52、Y67、K68、R75、E86、Q90、S91、Q93、H121及びG172から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項36】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号17を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がE059、P065、S108、N172、K174、Q179、G182及びY055から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項38】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号18を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置N212及びL213がから構成される群から選択される前記組成物。
【請求項40】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項39に記載の組成物。
【請求項41】
N65位に変更を有する配列番号19を含む酵素を含む組成物。
【請求項42】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項41に記載の組成物。
【請求項43】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号20を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がE007、D011、E049、R073、R114、G137、S210及びR213から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項44】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項43に記載の組成物。
【請求項45】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号21を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がP079、E086、H096及びE218から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項46】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項45に記載の組成物。
【請求項47】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号22を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がE32、S081、G132、F60及びS61から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項48】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項47に記載の組成物。
【請求項49】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号23を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がG013、G016、K018、P052、R053、K070、E071、D072、G073、S84、E086、R090、K094、R095、P099、P103、K113、N135、S151、P157、G173、T204、S206、K207、E233、N235、E237、S238、D241、K295、S301及びS302から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項50】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項49に記載の組成物。
【請求項51】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号24を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がS64、S80、S162、T77/T96及びN178から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項52】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項51に記載の組成物。
【請求項53】
R232位を変異させた配列番号25を含む酵素を含む組成物。
【請求項54】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項53に記載の組成物。
【請求項55】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号26を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がS50、Y81、N93及びW207から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項56】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項55に記載の組成物。
【請求項57】
G26位に変更を有する配列番号27を含む酵素を含む組成物。
【請求項58】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項57に記載の組成物。
【請求項59】
E112/R132位に変更を有する配列番号28を含む酵素を含む組成物。
【請求項60】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項59に記載の組成物。
【請求項61】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号29を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がN016、S33、P36、H76、P87、N89、R90、T138、K141、K143、Q221、Q224、N253、Q292、R296、T152、G326及びT324から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項62】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項61に記載の組成物。
【請求項63】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号30を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がK024、P214、E146、N251及びY095から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項64】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項63に記載の組成物。
【請求項65】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号31を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がG075、Q099、G155、P022及びR90から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項66】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項65に記載の組成物。
【請求項67】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号32を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がS097及びE125から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項68】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項67に記載の組成物。
【請求項69】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号33を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がK021、I031及びT120から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項70】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項69に記載の組成物。
【請求項71】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号34を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がK7、T10、N11、N14、Q232及びT199から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項72】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項71に記載の組成物。
【請求項73】
1カ所以上のアミノ酸を変異させた配列番号35を含む酵素を含む組成物であって、1カ所以上の変異の位置がP92、P144、G197及びM198から構成される群から選択される前記組成物。
【請求項74】
変異酵素が所定緩衝液中において前記所定緩衝液中における非変異酵素よりも高いFIをもつ請求項73に記載の組成物。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2013−518596(P2013−518596A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552141(P2012−552141)
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【国際出願番号】PCT/US2011/023944
【国際公開番号】WO2011/097590
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(591021970)ニユー・イングランド・バイオレイブス・インコーポレイテツド (18)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【国際出願番号】PCT/US2011/023944
【国際公開番号】WO2011/097590
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(591021970)ニユー・イングランド・バイオレイブス・インコーポレイテツド (18)
【Fターム(参考)】
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