説明

高性能インデューサ

【課題】
【解決手段】ポンプ組立体用の改良された高性能インデューサは1:1以内の蒸気−液体の比を実現し得るよう1組みの1次ブレード及びスプリッタブレードを有する。圧送した流体の蒸気成分が除去される、ブレード内に流体を供給するのを助けるため、最小の背圧が前縁にて提供される。ハブの直径は、ヘリカルブレードの軸方向距離に亙って増大し、これによりインデューサの入口と出口との間にてブレードの深さが減少する。流体を貯蔵リザーバから除去するときの顕著な改良が実現され、その結果、輸送コストは実質的に節減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年12月5日付けにて出願され且つ、その内容の全体を参考として引用し本明細書に含めた、米国仮特許出願明細書60/527,334号に基づく優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、圧送組立体に関し、例えば、ポンプ組立体が輸送船のようなリザーバ又は容器内に貯蔵された流体中に浸漬され、流体をリザーバの底部から圧送するために必要とされるような、極低温材料を圧送する際に特に使用される。
【背景技術】
【0003】
LNG輸送船の積込みポンプ及び1次送り出しポンプのような液体天然ガス(LNG)用途のためのインデューサ(inducer)を具体化するポンプは、全キャビテーションモードにて作動する間でさえ、完全な流れを維持しつつ、貯蔵タンクの完全な排出を促進するため、極めて小さい値の要求有効吸込水頭(NPSHR)にて作動することがしばしば要求される。更に、低タンク液位にて作動する間、ポンプは、不十分な吸引状態及び旋回流に起因する蒸気を吸い込む可能性がある。その結果、2相の流れ形態となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる状態下にて、LNGポンプのインデューサは、液圧動力学的に安定的な仕方にて液体中に再吸収するのに十分、これらの蒸気を圧縮するのに十分な水頭(圧力)を発生させることが可能でなければならない。さもなければ、蒸気柱がポンプ入口に入り、完全に再吸収されないとき、ポンプの排出圧力が変動することが周知である。かかる変動の存在は、振動を生じさせ、このため、ポンプの寿命を短くする可能性がある。
【0005】
その詳細を参考として引用し本明細書に含めた、米国再発行特許明細書31,445号は、それ用の改良されたインデューサ又は高性能のインデューサが開発されている型式の液中ポンプ組立体に関するものである。米国再発行特許明細書31,445号には、リザーバ、貯蔵タンク、タンク車、タンカー船等が上方閉塞部材又は天井から懸架されたケーシングを有する極低温貯蔵システムが開示されている。パイプ部分が天井から伸びており、該パイプ部分は、リザーバ又は貯蔵容器の床に配置されたポンプ及びモータユニットを収容している。電力は電気ケーブルを介して提供され、また、ポンプ及びモータ組立体の全体がケーブル又は硬い管又はパイプを介して懸架されている。
【0006】
フート板がポンプ及びモータ組立体の最下端に設けられている。流れインデューサのベーン付きインペラが底端部から内方に配置されている。米国再発行特許明細書31,445号に記載されたように、典型的なインデューサのインペラは、中心ハブから半径方向外方に伸びる周縁方向に隔てられた複数のベーンを有している。この構造体は、全体としてファン型インデューサと称される。更に他の製造メーカは、米国再発行特許明細書31,445号に示された4つのブレードファン型インデューサではなくて、混合流インデューサのような異なる形態のインペラ又はインデューサを使用する。
【0007】
この型式のポンプ組立体にて既知のファン型インデューサ及び混合流インデューサのポンプがかなり成功裏に使用されているが、2相媒質又は流体(すなわち液体及び蒸気)を圧送するため使用されるとき、これらは、上述した問題点に遭遇する。設計上の理由のため、液体よりも多くの空気がポンプ組立体内に吸引されるから、かなりの量の流体がリザーバ内に残ることになる。LNGが例えば、輸送船にて輸送されるならば、LNGは、沿岸の貯蔵リザーバに荷降ろしされ又は圧送される。インデューサは、利用可能な入口圧力が極めて低いとき、作動させる必要のある重要な要素である。LNGの積込み及び1次送出ポンプにおいて、殆ど液中に入ることのできない貯蔵タンク内の液位であるため、タンク内の液体は飽和圧力(正味蒸気圧力とも称される)にある結果、これらの状態が存在する。LNGの2次送出ポンプにおいて、パイプは再凝縮器からの沸騰する気体を損失し、また、ポンプの吸引が再凝縮器内の自由液面とポンプ入口(インデューサアイ)との間の高さの差に近付くとき、再凝縮器は正味蒸気圧力にあるため、これらの状態が存在する可能性がある。
【0008】
これらの状態が生ずると、インデューサアイ内の圧力は、正味蒸気圧力に等しくなり、また、更なる圧力降下の結果、キャビテーションが生じ、液体中に気泡又は雲状の気泡を発生させる。これは、ブレードに対する流体の相対速度が0以外の入射角を有するとき、インデューサのブレードの前縁にて生ずる。他の状態下にて、吸引旋回流ファネルがポンプ吸引部と流体の自由面との間にて開放し、蒸気の流れがポンプの吸引部に流れるのを許容するとき、雲状の気泡をポンプにより吸い込む可能性がある。体積による蒸気対液体の比は、V/L又は空隙比率と称される。液体/蒸気の混合体は、2相の流れである。極端な場合、雲状の気泡又は空隙は、流れを妨害し且つ、ポンプの吐出量及び効率を低下させることになろう。
【0009】
既知のインデューサの設計ではは、輸送船のリザーバの基部に約1.219m(約4フィート)のLNGが残る。換言すれば、船のリザーバは、十分に排出されず、輸送船は、残ったLNGを圧送ステーションから輸送船がその後に再充填される遠方の位置まで運ぶことを余儀なくされる。この望ましくない残留及び輸送容器から圧送されずに残るLNGの無駄な輸送に伴なうコストは、残留するLNGの0.305m(1フィート)当たり約$100,000/年間に達することもある。
【0010】
上記のことを鑑みて、先行技術の短所である1つ又はより多くの非効率さに対する解決策を提供するであろう改良された高性能のインデューサ組立体が当然に必要とされていることは明らかである。従来から実現されていなかった関連する多数の有利な点を提供しつつ、先行技術により不十分にしか対処されていなかった必要性の各々に対する解決策を提供する、改良された高性能のインデューサ組立体は、この分野にて顕著な進歩をもたらすことはより明白である。従って、ポンプの作動が停止した後、船のリザーバ内に残る残量LNGの量を顕著に減少させる改良された高性能インデューサ組立体、特に、改良された高性能インデューサが必要とされている。同様に、2相の流体をより効率良く取り扱い又は圧送する必要性も存ずる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
極低温の2相流体をリザーバから圧送する新規且つ改良された高性能インデューサが提供される。
より具体的には、極低温の2相流体をリザーバから圧送するインデューサは、第一の直径を有する第一の部分と、第一の直径よりも大きい第二の直径を有する第二の部分とを備えるハブを含む。複数の1次及び2次ブレードがハブの回りにて周方向に配置されている。2次ブレードの各々は2つの1次ブレードの間に介在されている。
【0012】
2相の流体成分を含む、リザーバ内に貯蔵された液化気体を圧送するダウンホールポンプ組立体のインデューサのインペラは、ハブから伸びる複数の1次ブレードを有する。1次ブレードは、全体としてヘリカル状の形態を有し、また、ハブの回りにて周方向に隔てられ又は配置されている。2次ブレードは、ハブから伸び且つ、複数の1次ブレードの間に介在されている。複数の1次及び2次ブレードの深さは、ハブの第二の部分よりもハブの第一の部分にて実質的に深い。
【0013】
2相の流体を極低温貯蔵システムから圧送するインデューサのインペラは、直径が第一の部分から第二の部分まで増大するハブを有している。軸方向に伸びる複数の1次ブレードの各々は、ハブから半径方向に且つ軸方向に伸びる前縁を有する。軸方向に伸びる2次ブレードは、ハブの回りにて周方向に配置され、2次ブレードの1つは2つの隣接する1次ブレードの間に介在される。1次ブレード及び2次ブレードの各々の外径は、かかる1次及び2次ブレードの前縁から後縁までほぼ一定である。
【0014】
本発明の主たる有利な点は、約1:1の蒸気−液体比(V/L)を実現する能力にある。
本発明の別の有利な点は、リザーバ内に残留し又は残る残量燃料を実質的に減少させる能力にある。
【0015】
更に別の有利な点は、より多量のLNGを圧送する能力、すなわちリザーバ内に残るLNG残量深さを減少させる能力と関係した実質的な節約効果にある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の更に別の有利な点及び特徴は、以下の詳細な説明を読み且つ、理解することにより明らかになるであろう。
本発明は、特定の部品及び部品の配置の点にて物理的形態をとることができ、また、その好ましい実施の形態は、本明細書にて詳細に説明し且つ、本発明の一部を形成する添付図面に示す。
【0017】
勿論、本明細書の説明及び図面は、単に一例であり、本発明の精神から逸脱せずに、開示された構造体に色々な形態変更及び変化を加えることが可能であることを理解すべきである。
【0018】
図1を参照すると、米国再発行特許明細書31,445号に開示されたように、本発明の改良されたインデューサ(図2ないし図4に関して以下に詳細に説明する)を組み込むことのできる、加圧された極低温気体の貯蔵リザーバの圧送システム用のポンプ及びモータユニット10における一部分が示されている。
【0019】
図1に示し且つ、米国再発行特許明細書31,445号に記載されたように、従来のインデューサモータ12は、上方に開放するブッシュ(図示せず)内に支持された減摩軸受(図示せず)内にその上端が軸支された垂直なモータ軸14を有している。該モータ軸14の底部は、典型的に、減摩軸受18内にて頂部が開放した円筒状殻体16内にて軸支されている。軸の第一の端部すなわち底端部は、その上に取り付けられた高性能インデューサ20を有しており、また、1次及び2次遠心型ベーン付きインペラ22、24が流れインデューサ20の上方に軸方向に隔てた間隔にて軸14にキー止めされて、2段ポンプ26のインペラを形成する。第二の段のインペラ24は、軸受18に対して通気され、このため、圧送された流体は、頂部軸受(図示せず)からモータ12を通って流れて下方軸受18を潤滑し、次に、通気孔28を通って排出され、インペラ24により圧送される流体に再導入されて戻される。
【0020】
高性能インデューサ20は、周方向に隔てられた複数のベーン29を有する。該複数のベーンは、キー(図示せず)による等により離間板32の下方にてモータ軸14の下端にキー止めされた中心ハブ30の半径方向に伸びている。このように、高性能インデューサ20は、ポンプの入口を渡り且つ、フート弁(図示せず)に対するフート板36の周縁に開放する入口接続具34と協働する。このフート板36は、その回りにて隔てた間隔に配置された立ち上がりリブ(図示せず)を有している。該リブはシュラウド接続具34を保持しており、該シュラウド接続具34は、縁部38と当接し、このため流体はインデューサブレード29の作用の下、板36の上を1次インペラ22及び2次インペラ24まで流れる。
【0021】
1次インペラ22は二重シュラウド型であり、また、離間板32の頂部と当接する中心ハブ40を有し、また、共に回転し得るよう軸14にキー止めされている。インペラは、ハブ40の半径方向を伸びてポンプハウジング46の内部の環状通路44の入口端に達し且つ、インペラを取り囲む第一のシュラウドすなわち頂部シュラウド42を有している。第二のシュラウドすなわち底部シュラウド48は、シュラウド42及び周方向に隔てられた立ち上がるインペラベーン50と協働して、軸方向上方に開放し、次に、半径方向外方に環状通路44内に伸びる圧送通路を提供する。
【0022】
ベーン52は、周方向に隔てた間隔にて環状通路44を亙って半径方向へ伸び、また、速度水頭をインペラベーン50から圧力水頭に変換するのに効果的である。環状通路44は、ベーン52を超えて流路54内に排出し、該流路は2次インペラ24の入口端まで収斂する。この2次インペラは、1次インペラ22と同一構造とされ且つ、同一の要領にて作動し、また、同一の要領にて軸14により駆動される。2次インペラ24は、流体をベーン52と類似した平衡ベーン58を保持する環状通路56を通って上方に排出する。流体は、通路56の環状の開放した頂部からケーシング58内に排出され、出口接続具(図示せず)まで上方に流れる。
【0023】
本発明の好ましい実施の形態のみを示し且つ、本発明を限定することを意図するものではない図2ないし図4を参照すると、図2には、上述したように、加圧された極低温気体の貯蔵リザーバの圧送システムに対するポンプ及びモータユニット10内に組み込むことができるインデューサ100が示されている。本発明のインデューサは、空気と関連した問題点を解消し、このため、2相の圧送された媒質がインデューサを通って途中まで流れたならば、その媒体は1相の液体である。このことは、図2ないし図4に示し且つ、本明細書に記載したインデューサの設計により実現される。
【0024】
より具体的には、インデューサの中心ハブ110は、インデューサをモータ12から伸びる駆動軸14に固定する貫通した開口部112を有している。ハブの第一の端部は、丸味を付けた端部(すなわち鋭角な端縁又は外形部が無い)と、図2及び図3に最も良く示すように、該端部から伸びる湾曲構造物とを有しており、該湾曲構造物は、軸から全体として半径方向外方に且つ該軸に沿って軸方向に伸びる。ハブは、端部に形成された凹所114から伸び且つ、ほぼ一定の直径の第一のハブ部分116まで外方に湾曲する。第一、第二及び第三のヘリカル状ブレード120aないし120cの前縁は、ハブから半径方向に且つ軸方向外方に伸び、特に、その一定の直径部分から伸びている。理解し得るように、ブレードの各々に相応する前縁122aないし122cは、隣りのブレードの前縁から約120゜だけ周方向に隔てられている。ブレードの厚さは、それぞれの後縁126aないし126cの前方にある、参照番号124aないし124cで示したブレードの残りの部分に亙って前縁122aないし122cから実質的に一定の厚さまで増大する、すなわちテーパーが付けられる。多分、図2及び図3に最も良く示すように、ブレードの各々は、その他のブレードと同一であり且つ、前縁122aないし122cからそれぞれの後縁126aないし126cまで約180゜だけ周方向に伸びている。ブレードの各々は、該ブレードがハブの回りにて周方向に伸び且つ、ハブ130の拡大直径部分(図3、図4)に向けてハブのほぼ一定の直径部分116から軸方向にも伸びるとき、ヘリカル状又はら旋状の形態を有する。理解し得るように、ハブの直径は、ブレードの第一の端部すなわち前端とその第二の端部すなわち軸方向に隔てられた後端との間にて増大する。換言すれば、ハブの所要形状は、一定のテーパーではなく、また、その長さに亙って何ら鋭利な隅部を有しないこと望ましい。
【0025】
2次ブレードすなわちスプリッタブレードが3つの1次ブレード120の間に介在されている。スプリッタブレードは、インデューサを通してより多くの流れを「運ぶ」得るよう配置されている。このため、流れがインデューサの後端に到達する時点迄、その流れは、入口端における3つの当初のブレードではなくて6つのブレードにより圧送される。1次ブレードは、蒸気の圧縮を助けるより大きい捻り効果を有し、この増大した捻り効果は、スプリッタブレードを受容する軸方向へ(すなわち回転軸線に対して平行に又は回転軸線に沿った)より大きい間隔も提供する。上述したように、1次ブレードの各々の間に各々1つずつ、3つのスプリッタブレード150a、150b、150cが設けられる。多分、図2及び図4に最も良く例示するように、スプリッタブレードの前縁152は、1次ブレードの前縁122から約60゜だけ周方向に隔てられる。スプリッタブレードの各々は、ブレードの輪郭外形の残りの周方向拡がり角度に亙って実質的により一定の厚さに合体するテーパー付きの前縁152も有している。各スプリッタブレードの前縁152から後縁156までの周方向拡がり角度は、約150゜である。
【0026】
多分、図3に最も良く示すように、ハブは、ブレードの前縁からその後端に向けて進むのに伴いその直径の増大が続く。しかし、流れが1次ブレード及び2次ブレードの各々から出るとき、ハブは、ほぼ一定の直径を有し、また、該ハブが第二の端部160にて終わる箇所にて滑らかに丸味を付けた所要形状を有する。ハブの形態は、前縁における背圧を最小にする目的を果たす。このことは、流体をインデューサのブレード内に導入することを容易にする。ブレードの大きい捻り角度は、コンプレッサ様の機能を果たし、蒸気を圧縮して、圧送された媒質はその媒質がインデューサから出るとき迄に、空気及び液体双方の2相の媒質から1相又は液体に変換される。このように、ブレード及びハブの増大する直径は、この圧縮動作を提供する。
【0027】
ファン型インデューサは0.2ないし0.3の蒸気ー液体比(V/L)を実現することができ、また、混合流インデューサは、0.4ないし約0.45の比を有する一方、本発明のインデューサは、約1:1の蒸気−液体(V/L)比を有する。
【0028】
ブレードの深さ、すなわちブレードからブレードの外径端縁までほぼ半径方向に測定したときのブレードの寸法も本発明によれば、極めて相違する。混合流ポンプは、典型的に、出口にて前縁の深さよりも増大するブレード深さを有する一方、本発明の場合は、そうではない。この場合、ハブから先端まで測定したときのブレードの深さは、出口よりも入口にて実質的に大きい(図3参照)。ブレードの外径は、前縁から後縁まで実質的に不変であるが、ハブの直径は、前端すなわち入口端から後端すなわち出口端まで増大するため、ブレードの深さは、この軸方向距離を亙って減少する。上述したように、この形態はインデューサ組立体の改良された蒸気−液体の圧送比にも寄与する。
【0029】
このインデューサの設計をポンプ組立体内に組み込む結果、残留し又はリザーバ内に残る残留燃料が実質的に減少する。先行技術の配置の結果、リザーバ内に残る残留LNGは約4フィート(1.22m)となるが、本発明は、残留深さを約0.203m(約8インチ)又は0.2m(0.66フィート)まで実質的に減少させる。船のリザーバから圧送されなかったLNGの輸送に伴なう$100,000/年間/フィートの推定コストに対して、より多量のLNGを圧送する能力、すなわちリザーバ内に残るLNGの残留深さを減少させる能力に伴なって実質的な節約効果が実現される。
【0030】
この蒸気の取り扱い能力に優れた高性能インデューサは、多段の高圧ポンプ内にて沸騰する気体を取り扱うという問題に適用することができる。その優れた空気/液圧力学的ブレードの設計は、ブレードにキャビテーションが生じ難くする。その高いポンプ水頭能力は、取り込み又はキャビテーションに起因するかどうかを問わずに、存在する全ての気体を圧縮して液体相に再吸収されるようにする。高性能のインデューサは、インデューサ内の再循環を制御する設計の特徴のため、低流量又は定格流の10%以下の流量のときでさえ、安定的に作動する。これらの能力は、高性能インデューサは、このインデューサがその目的を果たすため、再凝縮器を不要にすることができよう。コスト節減効果の可能性は大きいと考えられる。
【0031】
一例としての実施の形態について、好ましい実施の形態に関して説明した。勿論、上記の詳細な説明を読み且つ理解することにより、当業者には形態変更例及び代替例が明らかになるであろう。かかる形態変更例及び代替例が特許請求の範囲又はその等価物の範囲に属する限り、一例としての実施の形態はかかる形態を包含するものと解釈すべきことを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図2ないし図4の高性能インデューサに組み込むことのできる米国再発行特許明細書31,445号に開示された先行技術の圧送システムの長手方向断面図である。
【図2】本発明に従ったハブ及びブレードの組立体を示す、高性能インデューサの斜視図である。
【図3】図2のインデューサの平面図である。
【図4】図2のインデューサのハブ及びブレードの組立体の後方斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
極低温の2相流体をリザーバから圧送する高性能インデューサにおいて、
第一の直径を有する第一の部分と、該第一の直径よりも大きい第二の直径を有する第二の部分とを含むハブと、
該ハブの回りにて周方向に配置された複数の1次ブレードと、
該ハブの回りにて周方向に配置されて、各々が2つの1次ブレードの間に介在された複数の2次ブレードとを備える、極低温の2相流体をリザーバから圧送する高性能インデューサ。
【請求項2】
請求項1に記載の高性能インデューサにおいて、ハブの直径は第一の部分から第二の部分まで増大する、高性能インデューサ。
【請求項3】
請求項2に記載の高性能インデューサにおいて、複数の1次ブレード及び2次ブレードの半径方向深さは、ハブの第二の部分よりもハブの第一の部分にて実質的に深い、高性能インデューサ。
【請求項4】
請求項2に記載の高性能インデューサにおいて、1次ブレードの各々及び2次ブレードの各々の外径は、前記1次ブレード及び2次ブレードの前縁から後縁までほぼ一定である、高性能インデューサ。
【請求項5】
請求項1に記載の高性能インデューサにおいて、第一の部分は、全体として丸味を付けた端部と、該丸味を付けた端部から半径方向外方へ且つ軸方向への双方に伸びる側壁とを有する、高性能インデューサ。
【請求項6】
請求項5に記載の高性能インデューサにおいて、側壁は全体として湾曲した形態を有する、高性能インデューサ。
【請求項7】
請求項1に記載の高性能インデューサにおいて、1次ブレードは全体としてヘリカル状の形態を有する、高性能インデューサ。
【請求項9】
請求項7に記載の高性能インデューサにおいて、1次ブレードは、その前縁から後縁までほぼ180゜ハブの回りにて周方向に伸びる、高性能インデューサ。
【請求項10】
請求項7に記載の高性能インデューサにおいて、1次ブレードの各々の前縁は、隣接する1次ブレードの前縁からほぼ120゜周方向に隔てられる、高性能インデューサ。
【請求項11】
請求項7に記載の高性能インデューサにおいて、2次ブレードの各々の前縁は、隣接する1次ブレードの前縁からほぼ60゜周方向に隔てられる、高性能インデューサ。
【請求項12】
請求項11に記載の高性能インデューサにおいて、2次ブレードの各々の前縁からその後縁までの周方向拡がり角度はほぼ150゜である、高性能インデューサ。
【請求項13】
請求項1に記載の高性能インデューサにおいて、1次ブレード及び2次ブレードは、前記1次ブレード及び2次ブレードの残りの周方向拡がり角度を亙って前記1次ブレード及び2次ブレードの前縁から実質的に一定の厚さまでテーパーが付けられた厚さを有する、高性能インデューサ。
【請求項14】
2相の流体成分を含む、リザーバ内に貯蔵された液化気体を圧送するダウンホールポンプ組立体の高性能インデューサにおいて、
第一の直径を有する第一の部分と、該第一の直径よりも大きい第二の直径を有する第二の部分とを含むハブと、
該ハブの回りにて周方向に配置されたほぼヘリカル状の形態を有するハブから伸びる複数の1次ブレードと、
複数の1次ブレードの間に介在された、ハブから伸びる複数の2次ブレードと、を備え、
複数の1次ブレード及び2次ブレードの深さは、ハブの第二の部分よりもハブの第一の部分にて実質的に深い、ダウンホールポンプ組立体の高性能インデューサ。
【請求項15】
請求項14に記載の高性能インデューサにおいて、ハブの直径は第一の部分から第二の部分まで増大する、高性能インデューサ。
【請求項16】
請求項14に記載の高性能インデューサにおいて、1次ブレードの各々及び2次ブレードの各々の外径は、前記1次ブレード及び2次ブレードの前縁から後縁までほぼ一定である、高性能インデューサ。
【請求項17】
請求項14に記載の高性能インデューサにおいて、1次ブレード及び2次ブレードは、前記1次ブレード及び2次ブレードの残りの周方向拡がり角度を亙って前記1次ブレード及び2次ブレードの前縁から実質的に一定の厚さまでテーパーが付けられた厚さを有する、高性能インデューサ。
【請求項18】
2相の液体を極低温貯蔵システムから圧送するために使用される型式の液中ポンプにおいて、2相の流体を圧送するインデューサのインペラは、
第一の直径を有する第一の部分と、第二の直径を有する第二の部分とを含み、第一の部分から第二の部分まで直径が増大するハブと、
ハブの回りにて周方向に配置された全体としてヘリカル状の構造物と、ハブから半径方向に且つ軸方向に伸びる前縁とを有する複数の軸方向に伸びる1次ブレードと、
2次ブレードの1つが隣接する2つの1次ブレードの間に介在されるように、ハブの回りにて周方向に配置された複数の軸方向に伸びる2次ブレードと、を備え、
1次ブレードの各々及び2次ブレードの各々の外径は、前記1次ブレード及び前記2次ブレードの前縁から後縁までほぼ一定である、2相の液体を極低温貯蔵システムから圧送するために使用される型式の液中ポンプ。
【請求項19】
請求項18に記載の液中ポンプにおいて、複数の1次ブレード及び2次ブレードの深さは、ハブの第二の部分よりもハブの第一の部分にて実質的に深い、液中ポンプ。
【請求項20】
請求項18に記載の液中ポンプにおいて、圧送した流体の蒸気−液体の比(V/Lは)は約1:1の比以内である、液中ポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−514091(P2007−514091A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−542850(P2006−542850)
【出願日】平成16年12月6日(2004.12.6)
【国際出願番号】PCT/US2004/040760
【国際公開番号】WO2005/057016
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(503366221)アーゴ−テック・コーポレーション (5)
【Fターム(参考)】