説明

高性能接着剤およびそれらの使用方法

本発明は、高温において高い接着強度を有するベンゾオキサジン含有接着剤を対象とする。これらの材料は、特に自動車の用途に、とりわけブレーキ部品向けの接着剤として有用である。それらの使用方法も記述される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキアセンブリなどの車両部品の接着における使用を含む、高温の用途に有用なベンゾオキサジン含有接着剤に関する。
【背景技術】
【0002】
高性能接着剤は、自動車分野、ならびに他の分野において有用な材料である。例えば、高温環境において高せん断力に耐えることができる接着剤が必要とされている。他の用途において、他の機械的応力、例えば振動応力下で高温において接着性を保持する接着剤が望ましい。特に、シムおよびブレーキパッドなどの車両ブレーキ部品は、これらの過酷な条件に耐えなければならない。
【0003】
フェノール系樹脂は、それらが低コストであり、機械的および耐熱性状が良好であるため、50年以上の間、制動業界内での接着剤用途の業界標準になっている。しかし、それらは長年にわたり使用されてきたにも拘らず、これらのフェノール系樹脂は、いくつかの不利な点を有する。最も顕著な点は、これらの樹脂が硬化する時に揮発性の副生成物を放出し、それらの副生成物が有効に処理または除去されない場合、接着層内において「気泡」および「空隙」の生成を招き、これらが得られた結合の強度を低下させる点である。硬化段階の間に圧力を加えることは、揮発性副生成物の除去を促進する一方法である。しかし、フェノール系接着剤の強度は、加える圧力の変化の影響を受け易い。典型的には好ましい硬化圧力を達成するため、加えられる圧力量について実験することが必要である。一段階硬化の用途では、最初の結合の強度が影響を受け、例えばせん断強度の低下を招くであろう。二段階硬化の用途では、第1段階の結合が許容可能なものであり得ても、第2段階の結合では、接着強度が向上するよりもむしろ低下する結果となる恐れがある。
【0004】
さらに、フェノール樹脂、特にレゾール樹脂は、樹脂の早過ぎる硬化を遅延させるために、冷蔵貯蔵条件を必要とする。その上、フェノール樹脂は樹脂の塗布を容易にするため、溶剤ビヒクルに溶解した状態でしばしば供給される。溶剤は、その後除去しなければならないものであり、環境的に望ましくない揮発性有機化合物(「VOC」)の放出を招く。さらに、溶剤の除去により、ときには溶剤蒸気のポケットが接着剤内に広がって、より弱い結合をもたらす可能性がある。
【0005】
フェノール系樹脂について溶剤を使用する他の欠点は、溶剤除去工程の間に、フェノール系樹脂が硬化し始めると、柔軟さがより乏しくなる点である。結果として、フェノール系接着剤の塗布がより難しくなる。この作業性の低下を相殺するため、溶剤を使用したフェノール樹脂系にしばしばエラストマーが添加される。エラストマーの添加は、溶剤を除去した後の、フェノール系樹脂の塗布を容易にする。しかし、エラストマーはフェノール系樹脂を塗布する助けになる一方で、高温での接着剤による結合のせん断強度を損なう。
【0006】
エラストマーで改質したフェノール系接着剤は、制振が所望される用途でも使用される。従来技術では、エラストマー質材料を含む樹脂は接着性状を有するだけでなく、望ましい制振性状をも有することを見出されている。しかし上述のように、エラストマーが望ましい制振に寄与する一方で、エラストマー質材料を含有するフェノール系樹脂は、高温において接着強度が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、車両ブレーキ部品において使用するのに適した接着剤であって、硬化中に揮発性物質を放出せずに、高いせん断強度を付与し、かつエラストマー質材料を添加しても、高温において接着強度を保持している接着剤が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ベンゾオキサジン含有接着剤、および高温条件下において高いせん断強度を必要とする用途におけるそれらの使用を対象とする。本発明はまた、ベンゾオキサジン含有接着剤、および制振用途におけるそれらの使用も対象とする。特に、本発明は、ベンゾオキサジン含有接着剤を使用して基材に接着された材料を含む車両部品を対象とする。基材への材料の接着方法も記述される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、少なくとも1つのベンゾオキサジン含有化合物を含む接着剤を対象とし、特に、高温ならびに高いせん断もしくは他の機械的応力に曝される車両部品におけるこのような接着剤の使用を対象とする。接着剤で結合される車両ブレーキ部品、例えば、シムおよびブレーキパッドは、本発明の接着剤を用いて使用できる例示的な車両部品である。本発明はまた、車両動力伝達部品にも適用可能である。
【0010】
本明細書の目的のため、ベンゾオキサジン化合物は、構造:
【0011】
【化1】

(式中、RおよびRは、他のベンゾオキサジン構造も含んでよい任意の有機部分とすることができる。)の少なくとも1つを含有するベンゾオキサジン化合物である。
【0012】
これらの接着剤は、特殊化された貯蔵条件を何ら必要とせず、所望される場合溶剤ビヒクルを使用することができるが、溶媒ビヒクルを必要とせずに材料または基材に塗布することができる。さらに、これらの接着剤は、高温条件下で高いせん断強度を示す結合された部品をもたらす。この高い接着強度は、エラストマー質材料を添加しても、本発明の材料で観察される。
【0013】
本発明の接着剤は、個々の硬化段階における双方の用途に適しており、例えば、最初の結合ステップで接着剤が実質的な硬化を達成する用途に適している。本発明の接着剤はまた、最初の結合ステップで接着剤が実質的な硬化を達成しないが、異なった時間および/または場所において実質的な硬化を達成する二段階硬化の用途ならびに任意の他の用途にも適している。
【0014】
これらの接着剤は高温における使用、例えば、300°F(約149℃)、より典型的には約400°F(約204℃)を超える温度における接着強度が必要とされる任意の接着剤の用途において使用するのに適していると考えられる。好ましい実施形態において、本発明の接着剤は、約100℃と約250℃の間、より特定的には約150℃と約210℃の間の温度で使用するのに適している。他の実施形態において、本接着剤は、300℃における少なくとも短期間の曝露に適している。本発明の接着剤は、高温において長期間持続する接着剤による結合を必要とする用途、ならびに高温へのより短時間曝露を必要とする用途に使用するのに適している。
【0015】
特に、本発明の接着剤は、高温下で高いせん断抵抗を必要とする用途に使用できる。本発明の接着剤が適している例示的な用途は、摩擦アセンブリ分野、特に車両ブレーキ部品分野における使用である。好ましい実施形態において、ブレーキ部品は、典型的に、基材上に接着されもしくは取り付けられて摩擦エレメントを構成する摩擦材を含む。ブレーキ部品の例は、車両ブレーキ分野、例えば、自動車、トラック、航空機、列車およびオートバイブレーキにおいて使用されるブレーキ部品である。ブレーキは、「ディスク」型もしくは「ドラム」型ブレーキのいずれかとすることができる。典型的なディスクブレーキには、回転エレメント(「ブレーキディスク」)と、金属基材、理想的には金属プレート、に結合または接着された摩擦材(「ライニング」)(ひとまとめにして「ブレーキパッド」)とが含まれる。大抵の場合、2つのブレーキパッドがキャリパアセンブリ中に嵌め込まれ、ブレーキディスクの両側を押し付けて、車両の減速および/または停止を行う。典型的なドラムブレーキは、回転するドラムと、摩擦材に結合された金属基材(「ブレーキシュー」)とを備える。減速および/または停止は、ブレーキシューがドラムの内部表面を押し付けることにより行われる。ブレーキ操作の用途には、著しい力、例えばせん断力および他の機械的な力、例えば振動力などが包含される。ブレーキ操作の際、係合の間の相対的な動きのため、極端に高い熱が発生する可能性がある。その上、車両を停止させる場合、車両が運搬する規模および/または積載量に応じて、ブレーキアセンブリが、著しい圧力、振動などに曝される可能性もある。
【0016】
他の車両部品の例には、動力伝達部品に使用される摩擦エレメント、例えば変速機バンド、ならびにクラッチリングおよびディスクが含まれる。このようなアセンブリにおいて、摩擦材被覆紙は金属部品に接着させる。
【0017】
本発明において使用するのに適した摩擦材は、用途および他の考慮に応じて、多様な組成を取ることができる。一般に、本発明の範囲内にある摩擦材には、ブレーキアセンブリが遭遇する高いせん断力および温度に耐えることができる任意の材料が含まれる。例えば、石綿、炭素および樹脂を含む摩擦材は、本発明での使用に適している。さらに、半金属摩擦材、例えば、結合剤で一緒に結合させた青銅、銅、鉄のアマルガム、およびスチールウールを含むものも、本発明による使用に適している。セラミック−金属系摩擦材も使用することができる。
【0018】
既知のフェノール樹脂系接着剤と異なり、本発明の接着剤は硬化段階の間、揮発分を放出しないので、硬化の間に高圧の適用を必要としない。結果として、現記述の接着剤は、ある摩擦材などの多孔質材料を包含する用途において有用である。硬化の間の圧力がより低いと、多孔質材料の吸収量は少なくなり、接着させるために用いられる接着剤がより多量に必要である、という結果になる。さらに、本発明の接着剤は、硬化圧力の変化に対して被影響性を示さない。本発明の接着剤については、接着される材料の物理的接触をもたらすのに十分な圧力のみが必要である、とすることができる。好ましい実施形態において、約10psiと約200psiの間の圧力で十分である。他の実施形態において、約50〜約200psiの間の圧力で十分である。さらに他の実施形態において、約10〜約50psi、特に約10〜約20psiの圧力で十分である。
【0019】
本発明の一態様は、ベンゾオキサジン含有化合物を使用した車両部品の温度が高くなる際に示され、保持される高強度である。ブレーキ部品などのアセンブリの際に使用される従来技術に基づくニトリル−フェノール接着剤は、高レベルのせん断強度が可能であるが、このような強度は、温度および/または時間の関数として低下する。「せん断強度」とは、2つの基材がお互いに対して横滑りする場合、それらの基材を引き離すのに必要とする力である。せん断強度は、SAEJ840を含む、当技術分野で既知の方法によって測定できる。金属、特に鋼を摩擦材に接着させる場合、摩擦材内でしばしば破壊が起こる。結果として、金属対金属の接着が、接着剤の破壊を含む強度に関するデータを提供し、接着剤の接着強度をはかる有用な手段として役立つ。特記されない限り、本明細書におけるせん断強度値は、金属対金属の接着に基づくものである。
【0020】
本発明の実施形態は、高温における高いせん断強度を示す。好ましい実施形態は、約204℃において少なくとも約1500psiのせん断強度を示す。本発明の例示的な実施形態は、約204℃において約2500〜約3000psiのせん断強度を示す。他の例示的実施形態は、約204℃において少なくとも2500psiのせん断強度を示す。特に好ましいものは、約204℃において少なくとも約2800psiまたは少なくとも約2850psiのせん断強度を示す実施形態である。本発明の接着剤はまた、周囲温度において高いせん断強度を示す。例えば、ある実施形態では、約21℃において少なくとも約4000psiのせん断強度を示す。特に好ましいものは、約21℃において約6100psiのせん断強度を示す接着剤である。
【0021】
本発明の範囲内において「高いせん断強度」は、ある実施形態において、400°F(約204℃)におけるせん断強度の、周囲温度(約70°F、約21℃)におけるせん断強度に対する比率を表すもの(「せん断強度比率」)として測定することもできる。本発明の接着剤は、少なくとも約0.4のせん断強度比率を示すことが好ましい。本発明の接着剤は、少なくとも約0.5のせん断強度比率を示すことがより好ましい。本発明のより好ましい実施形態において、この比率は少なくとも約0.6である。最も好ましいものは少なくとも約0.7の比率を示す実施形態である。
【0022】
本発明の他の実施形態は、高いはく離強度を有する接着剤を含む。「T型はく離強度」とは、結合させた材料を分離する(分離角は90度)のに要する、結合線における単位幅当りの平均負荷のことである。はく離強度の測定方法は、当技術分野で知られ、例えば、ASTM D903およびASTM D3807を含む。本発明の接着剤は、約20PLI〜約75PLIのはく離強度を示す。特に好ましいものは、周囲条件に曝露した場合、約50〜約75PLI、より好ましくは約54〜約66PLIのはく離強度を示す実施形態である。ある実施形態において、部品を接着させ、次いで典型的には約250℃で約30分間、熱を掛け、次いで周囲温度(約21℃)まで冷却する。本発明の接着剤は、約20〜約75PLI、より好ましくは約25〜約65PLIの加熱後はく離強度を示す。
【0023】
本発明の接着剤は、他の車両部品を接着させるのにも適している。例えば、車両の停止または減速を開始するために、車両ブレーキの摩擦材が回転子に接触する場合、この動作は、ブレーキアセンブリが振動する原因となる。この振動は、騒音をもたらす恐れがある。ある用途において、この騒音を制御するためブレーキアセンブリ内で「シム」が使用される。シムは、一般に金属プレート、好ましくは鋼またはステンレス鋼で作られ、シムには、プレートの両側またはプレートの片側のいずれかに制振材料層が塗布されている。この金属プレートは一般に、厚さ約500〜約550ミクロンである。多くの場合、制振材料層はゴム、例えばシリコンゴムまたはニトリルゴムで構成される。しかし、非金属繊維、例えば、ガラス繊維、セラミック繊維、岩綿、ミネラルウール、溶融石英繊維、化学処理高シリカ繊維、溶融アルミナシリケート繊維、アルミナ連続繊維、安定化ジルコニア繊維、窒化ホウ素繊維、チタン酸アルカリ繊維、ウイスカ、ホウ素繊維など;フィラー、例えば、粘土、タルク、硫酸バリウム、重炭酸ナトリウム、黒鉛、硫酸鉛、トリポリ(板状珪藻土)、珪灰石などの無機フィラー;有機フィラー;および他のエラストマーも存在することができる。ゴムは、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(ニトリルゴム)、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、イソブチレン−イソプレンゴム、シリコーンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、塩素化ポリエチレン、クロロ−イソブタン−イソプレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、ニトリルイソプレンゴムなどが挙げられる。シムは、車両ブレーキアセンブリの高温環境に耐えなければならないが、同時に、これらのアセンブリの使用に関連した機械的な力、例えば振動力に耐え得なければならない。
【0024】
シムは、任意の当技術分野で既知の技術を使用してブレーキパッドに応用することができる。典型的には、シムは、ブレーキアセンブリのバックプレートに接着させる。車両が運転使用される間、ブレーキアセンブリが作動されて時間が経過すると、熱が発生する。本発明の接着剤を使用することによって、バックプレートと、シムのゴムとの間の強い接着がもたらされる。この点は、運転使用の際に破壊される恐れがあるフェノール系接着剤と異なっている。どの特定の学説にも制約を受けることを望まないが、フェノール系樹脂は、硬化の際に揮発性副生成物を発生させる。運転使用の間に、フェノール系接着剤は、最初にブレーキパッドにシムが接着される間に達成される硬化よりも、より著しい量の硬化を達成する。このさらなる硬化は、揮発性副生成物の発生を招き、これが効果的に処理されない場合、時間が経過するとフェノール系接着剤の結合を弱める傾向がある。これに反して、本発明のベンゾオキサジン系接着剤が硬化する間に、揮発性副生成物は全く生成されない。したがって、接着剤による結合をさらに弱めるであろう揮発性副生成物は全く存在しない。
【0025】
本発明の接着剤は、少なくとも1つのベンゾオキサジン含有化合物を含有する。本接着剤は、本接着剤の乾燥重量に対して80%未満の、より一層好ましくは70%未満のベンゾオキサジン含有化合物を含有することが好ましい。例示的な実施形態は、本接着剤の乾燥重量に対して約30〜約60%のベンゾオキサジン含有化合物を含む。他の実施形態は、本接着剤の乾燥重量に対して約40〜約50%のベンゾオキサジン含有化合物を含む。
【0026】
本発明において有用なベンゾオキサジンは、それらの全体が、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第7,157,509号および米国特許第6,743,852号、ならびに米国特許出願公開第2007/0129509号において記述されている。例えば、適切なベンゾオキサジンには、下記の式I:
【0027】
【化2】

(式中、oは1〜4であり、Xは直接結合(oが2である場合)、アルキル(oが1である場合)、アルキレン(oが2〜4である場合)、カルボニル(oが2である場合)、チオール(oが1である場合)、チオエーテル(oが2である場合)、スルホキシド(oが2である場合)、またはスルホン(oが2である場合)であり、Rはアルキルである。)のベンゾオキサジンが含まれる。
【0028】
他のベンゾオキサジンには、式II:
【0029】
【化3】

(式中、Xは直接結合、CH、C(CH、C=O、S、S=OおよびO=S=Oであり、RおよびRは同一もしくは異なっており、メチル、エチル、プロピルまたはブチルである。)のベンゾオキサジンが含まれる。
【0030】
他の好ましい実施形態において、ベンゾオキサジンは式IIIの化合物:
【0031】
【化4】

(式中、RおよびRは同一もしくは異なっており、メチル、エチル、プロピルまたはブチルである。)である。
【0032】
さらに他の実施形態において、ベンゾオキサジンは、式IV:
【0033】
【化5】

(式中、oは1〜4であり、Xは直接結合(oが2である場合)、アルキル(oが1である場合)、アルキレン(oが2〜4である場合)、カルボニル(oが2である場合)、チオール(oが1である場合)、チオエーテル(oが2である場合)、スルホキシド(oが2である場合)およびスルホン(oが2である場合)からなる群から選択され、Rは水素、アルキルおよびアリールからなる群から選択され、Rは水素、ハロゲン、アルキルおよびアルケニルからなる群から選択される。)のものである。
【0034】
さらに他の実施形態において、ベンゾオキサジンは、式V:
【0035】
【化6】

(式中、pは2であり、Yはビフェニル(pが2である場合)、ジフェニルメタン(pが2である場合)、ジフェニルイソプロパン(pが2である場合)、ジフェニルスルフィド(pが2である場合)、ジフェニルスルホキシド(pが2である場合)、ジフェニルスルホン(pが2である場合)およびジフェニルケトン(pが2である場合)からなる群から選択され、Rは水素、ハロゲン、アルキルおよびアルケニルからなる群から選択される。)のものである。
【0036】
他の好ましい実施形態には、下記の構造:
【0037】
【化7】

が含まれる。
【0038】
さらに他の実施形態において、式VI:
【0039】
【化8】

(式中、Lは、任意のアルキレンもしくはシロキサン結合部分であり、Arは、置換されてもよいアリーレンであり、Qは、構造
【0040】
【化9】

を有するオキサジン環またはそのアミン塩であり、オキサジン環の5位および6位において、縮合した形でArに結合され、Qにおいて、Spが、任意に存在し、存在する場合C〜Cアルキレン、オキシアルキレン、チオアルキレン、カルボキシアルキレン、アミドアルキレン、またはスルホナトアルキレンスペーサーであり、nは1または2であり、mは1または2であり、xおよびyはそれぞれ独立に0〜4であり、式中R、R’またはR”の少なくとも1つは、重合可能な部分、例えば、置換されてもよいオキシアルケニル、アルキニル、シクロアルケニル、ビシクロアルケニル、スチリル、(メタ)アクリレート、イタコネート、マレイミド、ビニルエステル、エポキシ、シアネートエステル、ニトリル、ジアリルアミド、ベンゾシクロブテン、芳香族プロパルギルエーテル、芳香族アセチレンおよびオキサゾリンからなる群から独立に選択される部分であり、R、R’およびR”の残りは、独立に水素、アルキルまたはアルコキシである。)のベンゾオキサジンが存在する。
【0041】
本明細書において使用される、特に式VIに関連する場合の「アリーレン」は、6〜14個までの範囲にある炭素原子を有する芳香族基を指し、「置換アリーレン」は、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、メルカプト、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環、置換複素環、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ニトロン、アミノ、アミド、C(O)H、アシル、オキシアシル、カルボキシル、カルバメート、スルホニル、スルホンアミド、スルフリルなどから選択される1つまたは複数の置換基をさらに有するアリーレン基を指す。
【0042】
「アルキレン」は、炭素原子1〜20個まで、好ましくは炭素原子2〜10個を有する2価ヒドロカルビル基を指し、「置換アルキレン」は、上記に示した置換基の1つまたは複数をさらに有するアルキレン部分を指す。
【0043】
「オキシアルキレン」は、炭素原子の1個または複数が、酸素原子により置換されているアルキレン部分を指し、「置換オキシアルキレン」は、上記に示した置換基の1つまたは複数をさらに有するオキシアルキレン部分を指す。
【0044】
「チオアルキレン」は、炭素原子の1個または複数が、硫黄原子により置換されているアルキレン部分を指し、「置換チオアルキレン」は、上記に示した置換基の1つまたは複数をさらに有するチオアルキレン部分を指す。
【0045】
「カルボキシアルキレン」は、炭素原子の1個または複数が、カルボキシル基により置換されているアルキレン部分を指し、「置換カルボキシアルキレン」は、上記に示した置換基の1つまたは複数をさらに有するカルボキシアルキレン部分を指す。
【0046】
「アミドアルキレン」は、炭素原子の1個または複数が、アミド基により置換されているアルキレン部分を指し、「置換アミドアルキレン」は、上記に示した置換基の1つまたは複数をさらに有するアミドアルキレン部分を指す。
【0047】
「スルホナトアルキレン」は、炭素原子の1個または複数が、スルホナト基により置換されているアルキレン部分を指し、「置換スルホナトアルキレン」は、上記に示した置換基の1つまたは複数をさらに有するスルホナトアルキレン部分を指す。
【0048】
「重合可能な部分」は、重合反応、例えば付加重合または縮合重合などに参加することができる任意の置換基を指す。本明細書において使用される付加重合は、フリーラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、開環重合または配位重合などの重合機構を指す。本明細書において使用される縮合重合は、シロキサン重合などの重合を指す。
【0049】
本発明の一態様において、重合可能な部分は、付加重合に参加する。好ましい付加重合可能な部分には、例えば、任意に置換されるアルケニル、オキシアルケニル、アルキニル、シクロアルケニル、ビシクロアルケニル、スチリル、(メタ)アクリレート、イタコネート、マレイミド、ビニルエステル、エポキシ、シアネートエステル、ニトリル、ジアリルアミド、ベンゾシクロブテン、芳香族プロパルギルエーテル、芳香族アセチレン、オキサゾリンなどが含まれる。最も好ましい付加重合可能な部分には、アルケニル、オキシアルケニル、(メタ)アクリレート、マレイミド、またはシクロアルケニルが含まれる。
【0050】
本明細書において使用される「アルキル」は、炭素原子1〜20個まで、好ましくは炭素原子2〜10個を有するヒドロカルビル基を指す。また「置換アルキル」は、ヒドロキシ、(低級アルキル基の)アルコキシ、(低級アルキル基の)メルカプト、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環、置換複素環、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、ニトロン、アミノ、アミド、C(O)H、アシル、オキシアシル、カルボキシル、カルバメート、スルホニル、スルホンアミド、スルフリルなどから選択される1つまたは複数の置換基をさらに有するアルキル基を含む。
【0051】
「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有し、かつ約2〜約12個までの範囲にある炭素原子を有する直鎖または分岐鎖ヒドロカルビル基を指し、「置換アルケニル」は、1つまたは複数の置換基をさらに有するアルケニル基を指す。
【0052】
「アルコキシ」は、アルキルが上記において定義した通りである―O−アルキル−部位を指し、「置換アルコキシ」は、上記に示した1つまたは複数の置換基をさらに有するアルコキシ基を指す。
【0053】
「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有し、かつ約2〜約12個までの範囲にある炭素原子を有する直鎖または分岐鎖ヒドロカルビル基を指し、「置換アルキニル」は、上記に示した1つまたは複数の置換基をさらに有するアルキニレン基を指す。
【0054】
「シクロアルキル」は、約3〜約8個までの範囲にある炭素原子を有する環状の環含有基を指し、「置換シクロアルキル」は、上記に示した1つまたは複数の置換基をさらに有するシクロアルキル基を指す。
【0055】
「シクロアルケニル」は、約3〜約8個までの範囲にある炭素原子を有し、かつ少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する環状の環含有基を指し、「置換シクロアルケニル」は、上記に示した1つまたは複数の置換基をさらに有するシクロアルケニル基を指す。
【0056】
「アリール」は、6〜約14個までの範囲にある炭素原子を有する芳香族基を指し、「置換アリール」は、上記に示した1つまたは複数の置換基をさらに有するアリール基を指す。
【0057】
「ヘテロアリール」は、環構造の一部として1個または複数のヘテロ原子(例えば、N、O、Sなど)を含有し、かつ6〜約14個までの範囲にある炭素原子を有する芳香族基を指す。
【0058】
「複素環」は、環構造の一部として1個または複数のヘテロ原子(例えば、N、O、Sなど)を含有し、かつ3〜14個までの範囲にある炭素原子を有する環状(すなわち、環含有)基を指し、「置換複素環」は、上記に示した1つまたは複数の置換基をさらに有する複素環基を指す。
【0059】
本発明の他の態様において、重合可能な部分は、縮合重合に参加する。好ましい縮合重合可能な部分には、例えば、シロキサンが含まれる。
【0060】
好ましい実施形態において、本明細書において化合物5と呼ばれる下記のベンゾオキサジン含有化合物を、本発明に関連して使用することができる:
【0061】
【化10】

【0062】
本発明の範囲内にある接着剤は、機械的、物理的および/または化学的性状を減弱させることが出来る添加剤をさらに含むことができる。カーボンブラック、エラストマー(例えば、ニトリルゴム)、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、顔料、レオロジー添加剤、酸化防止剤、またはこれらの組み合わせなどの添加剤を、添加剤組成物中に含むことができる。
【0063】
本発明の接着剤は、溶剤担体もしくはビヒクル、例えば、相安定混合物をもたらす任意の溶剤を含むこともできる。適切な溶剤には、ケトン、例えばアセトンおよびメチルエチルケトン、芳香族化合物、例えばトルエンおよびキシレン、ならびにアセテート溶剤、例えば酢酸n−ブチルが含まれる。しかし、最も好ましい実施形態では、溶剤担体もしくはビヒクルは全く添加されない。すなわち本接着剤は、無溶剤型である。本発明の接着剤は、水に溶解したディスパージョンとして提供することもできる。
【0064】
本発明はさらに、材料を、車両部品、特にシムまたはブレーキパッドなどのブレーキ部品において基材に接着させる方法を対象とする。例えば本発明は、摩擦材を基材に接着させて、ブレーキ部品を例とする車両摩擦アセンブリといった摩擦アセンブリにおいて使用可能である摩擦エレメントを形成する方法に関する。一実施形態において、摩擦材を金属基材に接着させて、ブレーキパッドを形成することができる。ベンゾオキサジン含有接着剤の使用は、特に従来技術のニトリル−フェノール接着剤と比較して、高温において優れたせん断強度を有するこのような摩擦エレメントを提供する。
【0065】
さらに、本発明は、制振を必要とする金属プレートに制振材を接着させる方法に関する。例えば、本発明のベンゾオキサジン含有接着剤は、ブレーキパッドの金属プレートなどの車両ブレーキ部品に、例えば、シムのゴムを接着させるのに使用することができる。ベンゾオキサジン含有接着剤の使用は、特に従来技術のニトリル−フェノール接着剤と比較して、高温で、より長期間にわたって、優れた強度を有するこのようなシムを提供する。さらにエラストマー質材料を、フェノール系樹脂で典型的に使用される量で本発明の接着剤に添加することができ、高温に曝した後も本接着剤の高い接着強度が保持される。
【0066】
本接着剤は、材料、基材もしくはその両方に塗布でき、当技術分野で一般に知られている任意の方法を使用して塗布できる。適切な塗布方法には、吹付け塗り、カーテンコーティング、ロール塗布、浸し塗りまたは、はけ塗りが含まれる。本接着剤は、当技術分野で知られている任意の形態を使用して、所望される塗布に適した任意の形態で塗布することもできる。例えば、本接着剤は、液体、ホットメルト、転写フィルム、粉末、粉末スラリーまたは固体として塗布することができる。
【0067】
典型的には、材料または基材を、ベンゾオキサジン含有化合物を含む接着剤に接触させ、次いで材料と基材とを接触させる。接触させた材料および基材は、接着剤を接着させるのに十分な熱および圧力に曝露して、材料と基材の間の結合を形成させる。ある実施形態において、熱および圧力は、接着剤を実質的に硬化させるのに十分である。他の実施形態において、熱および圧力は、材料と基材とを結合させるのに十分であるが、接着剤を実質的に硬化させるのには不十分である。
【0068】
ある適用において、接着が効果を示すためには、接着しようとする材料の物理的接触をもたらすのに十分な圧力だけがあればよいことがある。好ましい実施形態において約10psiと約200psiの間の圧力で、十分である。なお他の実施形態において約50〜約200psiで、十分である。さらに他の実施形態において約10〜約50psi、特に約10〜約20psiの圧力で、十分である。本接着剤の硬化を引き起こすのに必要な、その結果として材料の接着をもたらす温度は、約160℃〜約250℃(320〜482°F)である。
【0069】
ある実施形態において、本接着剤の塗布は、本接着剤の融点以上の温度において溶融させるステップを含むが、本接着剤の硬化温度未満である温度で本接着剤を溶融させるステップも含む。典型的な塗布において、本接着剤は、約80℃〜約120℃(176〜248°F)の間の温度で溶融する。
【実施例】
【0070】
実施例1
【0071】
【表1】

【0072】
ベンゾオキサジン樹脂を液体状態まで加温し、乾燥雰囲気下で他の構成成分を、上記の表1に示した順序で添加し、均一状態になるまで混合した。この混合物を、はく離紙上において圧縮して、重量24mg/cmのフィルムを形成した。
【0073】
実施例2
【0074】
【表2】

【0075】
表2に示した構成成分を組み合わせ、100℃オーブン内で15分間加温し、その後スピードミキサー上において2000RPMで均一になるまで加温混合した。この混合物を、加熱したカーバープレス上で2枚のはく離紙間において圧縮して(反応温度未満で)、転写フィルムを生成させた。
【0076】
実施例3
接着強度を測定する手段として、寸法1.25”×4”×0.25”の鋼棒を、同等の厚さの1インチ鋼製円板に接合させた。これらの鋼棒および円板を溶剤洗浄し、続いて60メッシュ酸化アルミニウムでグリットブラストした。実施例1および2に従って調製した接着剤フィルムの単層を、円板および棒のグリットブラストした面の間に入れた。円板および棒を、50psiの圧縮荷重下にある固定装置に入れた。この固定物を、217℃で60分間オーブン内に置き、この時間にわたって硬化が生じた。
【0077】
比較例4および5:
PL−605(比較例4)およびPL−700(比較例5)は、Henkel Corp.から市販の、2種の溶剤含有フェノール樹脂系ブレーキ接着剤を表す。溶剤洗浄し、グリットブラストしたボタンおよび棒にそれぞれを塗布し、かつ溶剤について乾燥して(100℃で1時間)、およそ3ミルの乾燥厚が得られた。被覆したボタンの面を合わせて、荷重の適用下(PL605については適用荷重100psi、PL700については適用荷重200psi)にある固定装置内に置き、217℃で1時間熱硬化させた。SAEJ840により、接合したボタン/棒について25℃および204℃において圧縮せん断強度を測定した。データを表3に示している。
【0078】
【表3】

【0079】
実施例7
均一な液体に達するのに十分な時間の間、100部のNipol 1001LGを、460部のメチルエチルケトンと混合することにより、ニトリルゴムの濁った溶液を調製した。
【0080】
実施例8および8A
【0081】
【表4】

【0082】
【表5】

【0083】
表4および4A中の全ての成分を組み合わせ、十分に混合して、均一な黒色接着剤を生成させた(それぞれ実施例8および8A)。
【0084】
比較例9:
PL−686は、Henkel社から市販の、溶剤含有フェノール樹脂系接着剤を表す。
【0085】
実施例10
実施例8、実施例8Aおよび比較例9からの接着剤を、湿ったフィルム厚さ15ミルでブレーキシム(ゴム被覆した鋼シート)に塗布し、その後この被覆シートを乾燥させて溶剤を除いた。次いで、乾燥した被覆シートを1”×4”片に切断し、厚さ1/4インチの鋼バッキングプレートに接着させた。接着させる直前、この鋼の表面を60メッシュ酸化アルミニウムグリットでグリットブラストした。プラテン温度232℃を有する加熱したカーバー社のプレス機を使用し、1分間継続して荷重600psiを適用して接着を行った。
【0086】
実施例11
高温に曝した場合および曝さない場合について、接着した部分の90度はく離強度を25℃で測定した。加熱コンディショニングは、接着した部分を250℃のオーブン内に30分間置くステップにより行った。結果を表5に示している。
【0087】
【表6】

【0088】
組成物の重量パーセント、温度またはせん断強度についてなど、本明細書において範囲が使用される場合、範囲およびその中の特定の実施形態についての全ての組み合わせ、および部分的組み合わせが含まれることを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着剤で基材に接着された摩擦材を含む車両摩擦アセンブリであって、前記接着剤がベンゾオキサジン含有化合物を含み、前記接着剤が約204℃において少なくとも約1500psiのせん断強度を示す車両摩擦アセンブリ。
【請求項2】
前記ベンゾオキサジン含有化合物が、
【化1】

である、請求項1に記載の車両摩擦アセンブリ。
【請求項3】
204℃における前記接着剤のせん断強度の、21℃における前記接着剤のせん断強度に対する比率が、0.4を超える、請求項1に記載の車両摩擦アセンブリ。
【請求項4】
前記接着剤が、乾燥した前記接着剤の約80重量%未満の前記ベンゾオキサジン含有化合物を含有する、請求項1に記載の車両摩擦アセンブリ。
【請求項5】
前記基材が金属プレートであり、前記アセンブリがブレーキパッドまたはブレーキシューを備える、請求項1に記載の車両摩擦アセンブリ。
【請求項6】
前記摩擦材が、セラミック、金属、樹脂、石綿、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の車両摩擦アセンブリ。
【請求項7】
基材への摩擦材の接着方法であって:
前記摩擦材または前記基材に、ベンゾオキサジン含有化合物を含む接着剤を塗布するステップ;
前記基材または摩擦材が、前記ベンゾオキサジン含有接着剤の少なくとも一部分に接触するように、前記基材を前記摩擦材に接触させるステップ;
前記接触した摩擦材および基材を、前記材料と基材の間で前記接着剤が硬化するのに十分な熱、時間および圧力に曝して、摩擦アセンブリを形成するステップ;
を含む方法であり、
前記接着剤が、約204℃において少なくとも約1500psiのせん断強度を示す方法。
【請求項8】
前記ベンゾオキサジン含有化合物が、
【化2】

である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
204℃における前記接着剤の前記せん断強度の、21℃における前記接着剤の前記せん断強度に対する比率が、0.4を超える、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記材料に適用される圧力が、約20psi〜約200psiの間にあり、前記圧力が前記基材の方向に加えられる、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記摩擦材が、セラミック、金属、樹脂、石綿、またはこれらの組み合わせを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記接着剤が、溶剤ビヒクル無しで塗布される、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記基材が金属プレートであり、前記アセンブリがブレーキパッドまたはブレーキシューを備える、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
ゴム被覆された金属を含むブレーキシムの、基材への結合方法であって:
前記シムの前記ゴムに、または前記基材に、ベンゾオキサジン含有化合物を含む接着剤を塗布するステップ;
前記接着剤が、前記ゴムと前記基材の間に存在するように、前記ゴムを前記基材に接触させるステップ;
最初の場所および/または時点で、前記接触したゴムおよび基材を、前記ゴムを前記基材に結合させるのに十分であるが、前記接着剤を実質的に硬化させるのには不十分な熱、時間および圧力に曝すステップ;
を含む方法。
【請求項15】
前記ベンゾオキサジン含有化合物が、
【化3】

である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記接着剤が、約21℃において約20〜約75PLIのはく離強度を示す、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記結合されたブレーキシムを、第2の場所および/または時点で、前記接着剤のさらなる硬化をもたらす熱、時間および/または圧力に曝すステップをさらに含み、このようなさらなる曝露の後で、前記接着剤が、約21℃において約20〜約75PLIのはく離強度を示す、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記基材が、ブレーキアセンブリの金属バッキングプレートである、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
接着剤で金属プレートに接着されたブレーキシムであって、前記接着剤がベンゾオキサジン含有化合物を含み、前記接着剤が、約21℃において約20〜約75PLIのはく離強度を示すブレーキシム。
【請求項20】
前記ベンゾオキサジン含有化合物が、
【化4】

である、請求項19に記載のブレーキシム。

【公表番号】特表2011−526991(P2011−526991A)
【公表日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516807(P2011−516807)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/049229
【国際公開番号】WO2010/002872
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(500538520)ヘンケル コーポレイション (99)
【氏名又は名称原語表記】HENKEL CORPORATION
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】