説明

高摩擦ローラを備える合流コンベア

合流コンベア(10)は、単一化コンベア(14)に供給するタイミングコンベア(12)を具え、高摩擦の周面(70)を有するローラ(40)を具える横軸コンベアベルト(38)により特徴付けられる。タイミングコンベアは物品(13)を単一化コンベアに、精密な間隔で一度に一物品を供給する。横軸ローラベルトのローラは、搬送方向(18)に直角に自由回転する。プラウ(60)が、単一化ベルトに受けられた時間管理された物品を単一の列に案内する。高摩擦ローラ(40)により、物品が搬送方向にスライドするのが防止され、タイミングコンベアが確立した精密なタイミングが維持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に電力駆動コンベアに関し、より具体的には、複数の物体レーンを単一の列に合流させるローラベルトコンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの搬送アプリケーションにおいて、異なる経路を移動する物体を単一の列に合流させることが必要となる。合流コンベアの一例が、2008年9月23日にMatthew L. Fourneyに発行された米国特許7,426,992「Systems and Methods for Providing an Improved Timing Conveyor」に記載されている。この特許の図15には、不規則な時間間隔で物体を受け取る隣り合わせの2本のタイミングコンベアを備えるタイミングコンベア区画が開示されている。各タイミングコンベアは、物体をコンベアからコンベアへとずらして所望の位置まで進める。所望の位置へのスタガリング(staggering)は、2つのタイミングコンベアが物体を一定間隔で単一のコンベアに供給して、これらが間隔のあいた物体を単一の列に合流させる。
【0003】
一の典型的な単一コンベアは、物体をベルトの出口領域に合流させるプラウまたはガイド付きのフラットトップベルトである。プラウは摩擦係数の低い材料で作られるが、それでも物体はプラウの部分で旋回してそれ自体が再配置されるか接触により僅かに後に移動する。これらの影響は、タイミングコンベア区画からの物体を配送する正確なタイミングに作用し、タイミングコンベアベルトによる物品配送の間隔の上限限界と、スループットの下限限界を設定する。
【0004】
他の典型的な合流コンベアは、プラウをなくして角度付けたローラベルトを用いて物品を合流するものであり、2004年7月6日にMark B. Constanzoに発行された米国特許6,758,323「Singulating Conveyor」に記載されている。記載されている合流ベルトは、前進に伴いベルトの中央線に向かって斜めに回転する各半分にアクチュエーテッドローラベルトを有する。これらのローラはプラスチックで非常に低い摩擦係数であり、搬送路(carryway)の動作ローラまたはベアリングに乗っている。ローラと搬送物品の間のスリップは、タイミングコンベアによる精密な物品のタイミング設定に影響する。これらの角度付けられたローラベルト合流器はプラウ付きのフラットトップベルトより高額で、往々にして物品の合流に長い距離を必要とする。
【0005】
このように、高スループットを実現する簡単な合流コンベアが望まれていた。
【発明の概要】
【0006】
本発明の特徴を具備する合流コンベアの一バージョンは、搬送方向に直交する方向に自由回転するよう構成された物品支持ローラを有するコンベアベルトに異なる時間に物品を下流側端部に供給するマルチレーンタイミングコンベアを具える。このタイミングコンベアは、搬送方向に物品をレーンからレーンへと切り替え、1のレーンに1の時間にコンベアベルトにこれらを供給する。コンベアベルトには、コンベアベルトの幅が狭い領域を通して物品を出口端部に集めるためのプラウが配置される。コンベアベルトのローラは、搬送物品に接触して搬送方向に平行なローラに沿った物品の移動を妨げるべく、高摩擦球面を有する。物品支持ローラは、前記コンベアベルトの前進に伴い前記プラウに接触した物品を横方向に押し出すために回転する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の特徴は、他の態様や利点とともに、以下の説明、添付のクレーム、および添付図面を参照することにより良好に理解される。
【図1】図1は、横軸ローラ合流ベルトを具える本発明の特徴を具備する合流コンベアの一実施例の部分切り欠き側面図である。
【図2】図2は、図1の合流コンベアの平面図である。
【図3】図3は、図1の合流コンベアの出口端部の拡大図である。
【図4】図4A、4Bは、図1の横軸ローラ単一化ベルトにおけるおローラの等尺断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1−3は、本発明の特徴を具備する合流コンベアを示す(各コンベアのコンベアベルトの一部が図1、2では取り除かれており、コンベアのさらなる詳細が現れている)。合流コンベア10は、単一化コンベア14に物品13を供給する上流タイミングコンベア12を具え、これが出力コンベア15に単一の列として物品を供給する。
【0009】
本例のタイミングコンベアは、下流側端部20へ向かう搬送方向18に平行な横並びの5本の独立したタイミングコンベアベルト16A−Eを有するマルチレーンコンベアである。これらのベルトは、下流側端部にある共通の駆動シャフト24に搭載された駆動スプロケット22と、反対側端部の同様のアイドルスプロケットおよびシャフトに誂えられる。駆動シャフトはギアボックス26を介して、タイミングコンベアベルトを駆動するモータ28に連結されている。
【0010】
各タイミングコンベアベルト16は、ベルトの厚さを通って延在し搬送方向に直交する軸上に設けられた複数のローラ30を有する。各タイミングコンベアベルトの下のベアリング面32は下からベルトを支持し、その上にローラが乗ってベルトの前進に伴い上の物品を搬送方向に移動させる面を提供している。ベアリング面は図示するような平鉢(pan)、平行なウェアストリップでもよく、あるいは、搬送方向にローラを前後回転させるべく搬送方向または反対向きに駆動されるフラットコンベアベルトであってもよい。
【0011】
タイミングコンベアベルトはまた、ベルトの下の動作面に接触するとブロック位置に立ち上がるポップアップフライト34などの位置決め要素を搭載している。タイミングコンベアベルトのローラの上を搬送される物品は、ベルトの所望位置に配置され立ち上がるフライトにより止められるまで搬送方向に移動する。これらのフライトは選択された間隔で搬送方向におけるレーンからレーンへと互い違いに配置され、物品が精密な異なる時間にタイミングコンベア12を確実に出るようにしている。好ましい実施例では、各レーンすなわち各タイミングコンベアベルト16A−Eのローラは、フライトに対し前向きに物品を移動させ、その結果物品が既知の間隔で単一化コンベア12に供給される。本発明で利用可能なタイミングコンベアベルトの一例が、2008年9月23日にMatthew L. Fourneyに発行された米国特許7,426,992「Systems and Methods for Providing an Improved Timing Conveyor」に記載されている。この特許の開示は、参照により本開示に組み込まれる。
【0012】
タイミングコンベア12の下流側端部20は、単一化コンベア14の上流側端部36に隣接する。単一化コンベアは、搬送方向に平行な軸42上の搬送方向18を横切る方向44に回転するよう構成されたローラ40を有する横軸ローラコンベアまたはベルト38を具える。この単一化コンベアベルトは、単一化コンベアの出口端部48にある駆動シャフト46(図示せず)と、上流側端部36にあるアイドルシャフト52上のアイドルスプロケット50との周りに誂えられている(train)。ギアボックス56を介して駆動シャフトに連結されたモータ54が、ベルトを搬送方向18に駆動する。
【0013】
単一化コンベアに受けられた物品は、単一化ベルト14の幅が狭くなる領域64にわたり互いに角度付けられた一対のガイドレール62を具えるプラウ60によりベルトの狭い領域48に集められる。この収束するガイドレールは、出口において開口部66を有する三角領域を規定する。互い違いに配列された物品は、タイミングコンベアにより単一化ベルト上に供給され、プラウにより三角形の幅が狭くなる領域に収束される。最も外側のレーン16A、16Eからの物品が、単一化コンベアの上流側端部の近辺で最初にプラウに接触する。次に内側のレーン16B、16Dの物品がさらに下流側で最初に接触する。中央レーン16Cからの物品が、開口部66から出力コンベア15へと整列され、プラウに接触することなく出口の開口部へと進められる。
【0014】
ベルトの横軸ローラ40が、コンベアにわたってプラウが物品を横方向にガイドする作用を実現する。プラウ68の接触面は、摩擦係数の低いUHMWなどの材料で作成するのが好適である。
【0015】
プラウに接触して物品が僅かに公報に動くのをさらに抑止するために、ベルトローラ40は、図4A、4Bに示すように、低摩擦樹脂材料で成型したローラ本体72の周りに成型あるいは固定された高摩擦ラバーまたはエラストマ周面70を具える(高摩擦材料の一例として、35ショアD硬度を有する熱塑性エラストマ材料がある)。ローラ本体を通るボア74を軸42を受け、搬送方向に平行なローラの回転軸76を規定する。タイミングコンベアベルトのインラインローラとは異なり、単一化ベルトの横軸ローラはベアリング面上に乗っていない。代わりに、これらはプラウにより物品にかかる力に従って自由回転する。軸とボアの間が低摩擦なので、支持される物品がプラウに押されると横方向44にローラが自由回転する。ローラの周面が高摩擦なので、物品が搬送方向に沿って摺動するのが防止され、したがって、タイミングコンベアにより確立されたタイミング関係が維持される。タイミングを維持すると、単一化コンベア上で物品同士が衝突せず、詰まったりすることなくベルトの高速運動が可能となり高スループットとなる。高摩擦のローラ周面はまた、プラウのガイドレールに接触することで物品が縦軸で回転するか再配置されるのを防ぐ。このように、タイミングコンベアと高摩擦横軸ローラベルトおよびプラウは協働して効率的な合流コンベアを構築する。
【0016】
本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、他の実施例も実現することができる。例えば、プラウは合流コンベアの単一化コンベア区画にまたがる単一のガイドレールであってよい。別の例では、タイミングコンベアは、複数のレーンに別れた単一のベルトとして、あるいは幾何学的に平行である必要のない複数のベルトで実現されてもよい。このようないくつかの例が示すように、クレームの範囲は例示として記載した好適な実施例に限定されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合流コンベアにおいて、
搬送方向の下流側に物品を搬送する複数のレーンを有するマルチレーン式のタイミングコンベアであって、前記物品を搬送方向にレーンからレーンへと切り替えて前記物品を異なる時間で下流側に供給するタイミングコンベアと、
前記タイミングコンベアから物品を受け取るべく前記タイミングコンベアの下流側端部に隣接する上流側端部から反対側の出口端部へと向かう搬送方向に前進するコンベアベルトであって、前記搬送方向に直交する方向に自由回転するよう構成された複数の物品支持ローラを有するコンベアベルトと、
前記タイミングコンベアから受けた、前記コンベアベルトの幅が狭くなる領域から前記出口へと通る物品を集めるよう前記コンベアベルトに対し配置されたプラウとを具え、
前記ローラは、前記搬送方向に平行に前記物品が前記ローラに沿って動くのを阻止する搬送物品と接触する高摩擦の周面を有するとともに、前記プラウに接触した物品を支持するローラは、前記コンベアベルトが進むにつれ前記物品を横方向に動かすように回転することを特徴とする合流コンベア。
【請求項2】
請求項1の合流コンベアにおいて、前記高摩擦の周面は、ラバーまたはエラストマ材料で作られていることを特徴とする合流コンベア。
【請求項3】
請求項1の合流コンベアにおいて、前記マルチレーン式のタイミングコンベアが複数のベアリング面を具え、前記レーンは、1またはそれ以上のローラベルトが他のレーンの位置決め要素から前記搬送方向に並置され定期的な間隔のあいた各レーンの位置決め要素とともに平行に配置され、前記ローラベルトの厚さを通って延在し前記ローラベルトが前記搬送方向に前進するのに伴い前記ローラベルトの下の前記ベアリング面上で回転し、前記ローラの上の物品を前記位置決め要素内へと移動させることを特徴とする合流コンベア。
【請求項4】
請求項1の合流コンベアにおいて、前記プラウは、搬送される物品を前記コンベアベルトの略三角形の領域に集めるよう構成されていることを特徴とする合流コンベア。
【請求項5】
請求項1の合流コンベアにおいて、前記プラウは、搬送される物品を前記出口端部において一度に1つの物品のみを許容するのに十分狭い前記コンベアベルトを横切る幅に限定することを特徴とする合流コンベア。
【請求項6】
請求項1の合流コンベアにおいて、前記プラウは、前記コンベアベルトの幅を横切って隔てられており前記出口端部へ向かって間隔が減少する一対のガイドを具えることを特徴とする合流コンベア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【公表番号】特表2012−522703(P2012−522703A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503517(P2012−503517)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際出願番号】PCT/US2010/028588
【国際公開番号】WO2010/114754
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(508181663)レイトラム,エル.エル.シー. (43)
【Fターム(参考)】