説明

高架橋の柱梁接合部の構築方法、高架橋

【課題】現場におけるコンクリートの打設作業を省略できる高架橋の柱梁接合部の構築方法を提供する。
【解決手段】柱主筋に接続したスリーブ継手を柱の上面に露出させる。上下方向に延びる貫通孔と、梁主筋と、梁主筋に接続されて部材側面に露出するスリーブ継手とを備えた柱梁接合部を構成する第1のPC部材を柱の上部に建て込み、第1のPC部材の貫通孔内に先端が柱のスリーブ継手内に挿入されるように接続鉄筋を挿入する。梁を構成し、側面から突出する梁主筋を備えた第2のPC部材を、梁主筋の突出部分が第1のPC部材のスリーブ継手内に挿入されるように水平方向に移動させて建て込み、第1のPC部材の貫通孔内と、柱及び第1のPC部材のスリーブ継手内にグラウトを充填する。また、梁を構成する第2のPC部材を、前記柱に反力を取って支持する支持架構を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PC部材を用いた高架橋の柱梁接合部の構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、鉄道又は道路用のRC造の高架橋の構築する際に、工期の短縮を目的としてPC(プレキャストコンクリート)部材が用いられている。このようなPC部材を用いた高架橋の構築方法として、例えば、特許文献1には、PC部材からなる柱を立設し、立設した柱の間にPC部材からなる横桁を架設し、柱頭部において柱及び横桁(梁)の鉄筋を配筋した後、柱頭部にコンクリートを打設することで、高架橋を構築する方法が記載されている。
【0003】
なお、本願出願人らは、PC部材を用いて建物の柱梁架構を構築する工法として、柱を構成するPC部材を水平方向に建て込むことを可能にすることで、現場におけるコンクリートの打設工程を省略した工法を提案している(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004―324216号公報
【特許文献2】特許第3837390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1記載の方法では、現場において柱梁接合部における柱及び梁を構成する鉄筋の配筋作業を行う必要があるため、柱梁接合部のコンクリートを打設する必要がある。このため、コンクリートの打設や養生が完了するまで、次の工程を行うことができず、工期が長期化するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、現場におけるコンクリートの打設作業を省略できる高架橋の柱梁接合部の構築方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、高架橋を構成する柱と梁が接合される柱梁接合部を構築する方法であって、
前記柱の柱主筋にスリーブ継手を接続するとともに、前記スリーブ継手を前記柱の上面に露出させておき、
少なくとも前記柱梁接合部を構成し、上下方向に延びる貫通孔と、水平方向に延びる梁主筋と、当該梁主筋に接続され、部材側面に露出するスリーブ継手と、を備えた第1のPC部材を、前記柱の上部に建て込み、
前記第1のPC部材の前記貫通孔内に、先端が前記柱の前記スリーブ継手内に挿入されるように接続鉄筋を挿入し、
前記梁を構成し、側面から先端が突出する梁主筋を備えた第2のPC部材を、前記梁主筋の突出した部分が前記第1のPC部材のスリーブ継手内に挿入されるように、水平方向に移動させて建て込み、
前記第1のPC部材の貫通孔内と、前記柱及び前記第1のPC部材のスリーブ継手内にグラウトを充填する方法において、
前記第2のPC部材を、前記柱に反力を取って支持する支持架構を設けることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、高架橋を構成する柱と梁が接合される柱梁接合部を構築する方法であって、
前記柱の柱主筋にスリーブ継手を接続するとともに、前記スリーブ継手を前記柱の上面に露出させておき、
少なくとも前記柱梁接合部を構成し、上下方向に延びる貫通孔と、水平方向に延び、先端が部材側面から突出する梁主筋と、を備えた第1のPC部材を、前記柱の上部に建て込み、
前記第1のPC部材の前記貫通孔内に、先端が前記柱の前記スリーブ継手内に挿入されるように接続鉄筋を挿入し、
前記梁を構成し、水平方向に延びる梁主筋と、当該梁主筋に接続され、部材側面に露出するスリーブ継手とを備えた第2のPC部材を、前記第1のPC部材の梁主筋の突出する部分が当該第2のPC部材のスリーブ継手内に挿入されるように、水平方向に移動させて建て込み、
前記第1のPC部材の貫通孔内と、前記第1及び第2のPC部材のスリーブ継手内にグラウトを充填する方法において、
前記第2のPC部材を、前記柱に反力を取って支持する支持架構を設けることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、高架橋を構成する柱と梁が接合される柱梁接合部を構築する方法であって、
前記柱の柱主筋にスリーブ継手を接続するとともに、柱の上面にスリーブ継手を露出させておき、
少なくとも前記柱梁接合部を構成し、下面から突出する柱主筋と、水平方向に貫通する貫通孔と、を備えた第1のPC部材を、前記柱主筋の突出する部分が前記柱の前記スリーブ継手内に挿入されるように、垂直方向に移動させて建て込み、
前記梁を構成し、梁主筋と、当該梁主筋に接続され、部材側面に露出するスリーブ継手とを備えた第2のPC部材を、前記第1のPC部材の側方に建て込み、
前記第1のPC部材の貫通孔内に、先端が前記第2のPC部材のスリーブ継手内に挿入されるように接続鉄筋を挿入し、
前記第1のPC部材の貫通孔と、前記柱及び前記第2のPC部材のスリーブ継手内にグラウトを充填する方法において、
前記第2のPC部材を、前記柱に反力を取って支持する支持架構を設けることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、高架橋を構成する柱と梁が接合される柱梁接合部を構築する方法であって、
前記柱の柱主筋を上面から突出させておき、
少なくとも前記柱梁接合部を構成し、上下方向に延びる柱主筋と、前記柱主筋に接続され、部材下面に露出するスリーブ継手と、水平方向に貫通する貫通孔と、を備えた第1のPC部材を、前記柱の柱主筋の突出する部分が前記スリーブ継手内に挿入されるように、垂直方向に移動させて建て込み、
前記梁を構成し、梁主筋と、当該梁主筋に接続され、部材側面に露出するスリーブ継手とを備えた第2のPC部材を、前記第1のPC部材の側方に建て込み、
前記第1のPC部材の貫通孔内に、先端が前記第2のPC部材のスリーブ継手内に挿入されるように接続鉄筋を挿入し、
前記第1のPC部材の貫通孔と、前記第1及び前記第2のPC部材のスリーブ継手内にグラウトを充填する方法において、
前記第2のPC部材を、前記柱に反力を取って支持する支持架構を設けることを特徴とする高架橋の柱梁接合部の構築方法。
【0011】
また、本発明は、高架橋を構成する柱と梁が接合される柱梁接合部を構築する方法であって、
前記柱の柱主筋にスリーブ継手を接続するとともに、前記スリーブ継手を前記柱の上面に露出させておき、
少なくとも前記柱梁接合部を構成し、上下方向に延びる第1の貫通孔と、水平方向に貫通する第2の貫通孔と、を備えた第1のPC部材を、前記柱の上部に建て込み、
前記第1のPC部材の前記第1の貫通孔内に、先端が前記柱の前記スリーブ継手内に挿入されるように接続鉄筋を挿入し、
前記梁を構成し、梁主筋と、当該梁主筋に接続され、部材側面に露出するスリーブ継手とを備えた第2のPC部材を、前記第1のPC部材の側方に建て込み、
前記第1のPC部材の第2の貫通孔内に、先端が前記第2のPC部材のスリーブ継手内に挿入されるように接続鉄筋を挿入し、
前記第1のPC部材の第1及び第2の貫通孔内と、前記柱及び前記第1のPC部材のスリーブ継手内にグラウトを充填する方法において、
前記第2のPC部材を、前記柱に反力を取って支持する支持架構を設けることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、高架橋を構成する柱と梁が接合される柱梁接合部を構築する方法であって、
前記柱及び柱梁接合部を構築するとともに、前記柱梁接合部に水平方向に貫通する貫通孔を設けておき、
前記梁を構成し、梁主筋と、当該梁主筋に接続され、部材側面に露出するスリーブ継手とを備えたPC部材を、前記柱梁接合部の側方に建て込み、
前記柱梁接合部の貫通孔内に、先端が前記PC部材のスリーブ継手内に挿入されるように接続鉄筋を挿入し、
前記柱梁接合部の貫通孔と、前記PC部材のスリーブ継手内にグラウトを充填する方法において、
前記PC部材を、前記柱に反力を取って支持する支持架構を設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、柱梁接合部及び梁を構成するPC部材を建て込んだ後、スリーブ継手や貫通孔内にグラウトを充填することにより、これらPC部材を接合することができるため、コンクリートを打設することなく、高架橋の柱梁接合部を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】本実施形態の構築方法により構築された高架橋を示す側面図である。
【図1B】本実施形態の構築方法により構築された高架橋を示す平面図である。
【図1C】本実施形態の構築方法により構築された高架橋を示し、図1AにおけるC−C断面図である。
【図2A】パターン1の柱と柱梁接合部との接合構造を説明するための図である。
【図2B】パターン2の柱と柱梁接合部との接合構造を説明するための図である。
【図2C】パターン3の柱と柱梁接合部との接合構造を説明するための図である。
【図3A】パターンAの梁と柱梁接合部との接合構造を説明するための図である。
【図3B】パターンBの梁と柱梁接合部との接合構造を説明するための図である。
【図3C】パターンCの梁と柱梁接合部との接合構造を説明するための図である。
【図4A】本実施形態の高架橋の構築方法を説明するための図(その1)である。なお、各図において、(B)は平面図であり、(A)は(B)におけるA−A断面図である。
【図4B】本実施形態の高架橋の構築方法を説明するための図(その2)である。なお、各図において、(B)は平面図であり、(A)は(B)におけるA−A断面図である。
【図4C】本実施形態の高架橋の構築方法を説明するための図(その3)である。なお、各図において、(B)は平面図であり、(A)は(B)におけるA−A断面図である。
【図4D】本実施形態の高架橋の構築方法を説明するための図(その4)である。なお、各図において、(B)は平面図であり、(A)は(B)におけるA−A断面図である。
【図4E】本実施形態の高架橋の構築方法を説明するための図(その5)である。なお、各図において、(B)は平面図であり、(A)は(B)におけるA−A断面図である。
【図4F】本実施形態の高架橋の構築方法を説明するための図(その6)である。なお、各図において、(B)は平面図であり、(A)は(B)におけるA−A断面図である。
【図4G】本実施形態の高架橋の構築方法を説明するための図(その7)である。なお、各図において、(B)は平面図であり、(A)は(B)におけるA−A断面図である。
【図4H】本実施形態の高架橋の構築方法を説明するための図(その8)である。なお、各図において、(B)は平面図であり、(A)は(B)におけるA−A断面図である。
【図4I】本実施形態の高架橋の構築方法を説明するための図(その9)である。なお、各図において、(B)は平面図であり、(A)は(B)におけるA−A断面図である。
【図4J】本実施形態の高架橋の構築方法を説明するための図(その10)である。なお、各図において、(B)は平面図であり、(A)は(B)におけるA−A断面図である。
【図4K】本実施形態の高架橋の構築方法を説明するための図(その11)である。なお、各図において、(B)は平面図であり、(A)は(B)におけるA−A断面図である。
【図5A】PC梁部材を支持する支持架構を示す1通りの鉛直断面図である。
【図5B】PC梁部材を支持する支持架構を示し、図5AにおけるB−B´矢視図である。
【図5C】PC梁部材を支持する支持架構を示し、図5AにおけるC−C´矢視図である。
【図5D】PC梁部材を支持する支持架構を示し、図5AにおけるD−D´矢視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の高架橋の構築方法の一実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1A〜図1Cは、本実施形態の構築方法により構築された高架橋10を示す図であり、図1Aは側面図、図1Bは平面図、図1Cは図1AにおけるC−C断面図である。図1A〜図1Cに示すように、高架橋10は、地中に構築された杭201と耐圧盤202とからなる基礎構造20と、基礎構造20の上部に高架橋10の幅方向(図1Cにおける左右方向)両側に、高架橋10の延びる方向(図1Aにおける左右方向)に所定の間隔をあけて立設された柱30と、柱30の上部に縦横に延びるように組まれた梁40と、梁40の上部に構築されたスラブ50とからなる。本実施形態では、高架橋10の下方を図1Bにおける左右方向に鉄道が通っているものとする。なお、以下説明のため、図1Bにおける左右方向に延びる梁40を夫々図中上から下に向かってA〜B通りとし、上下方向に延びる梁40を夫々右から左に向かって1〜3通りとする。
【0017】
まず、本実施形態で用いられる高架橋における柱梁接合部の構築方法を説明する。
本実施形態の高架橋における柱梁接合部の構築方法では、以下に説明する3通りの柱と柱梁接合部の接続方法のうち何れかの方法を用いるものとする。
【0018】
<パターン1>
図2Aは、パターン1の柱と柱梁接合部との接合構造を説明するための図である。同図に示すように、PC部材63は柱梁接合部を構成する仕口部63A及びこの仕口部63Aに接続される梁端部を構成する梁部63Bを備えるものであり、仕口部63Aに相当する位置に上下方向に延びるように埋設され、下端が部材下面から突出する柱主筋64を備える。また、柱60はPC部材又は現場打ちコンクリートからなり、上下方向に延びるように埋設された柱主筋61と、柱主筋61の上端に接続され、柱の上面に露出するスリーブ継手62とを備える。
【0019】
柱60と仕口部63Aを接続する場合には、PC部材63の柱主筋64の突出する部分が、柱60のスリーブ継手62内に挿入されるように、PC部材63を柱60の上方から下降させて建て込む。そして、スリーブ継手62内及びPC部材63と柱60の間の目地にグラウトを充填する。充填したグラウトが硬化することにより仕口部63Aを構成するPC部材63と、柱60とが接合される。
【0020】
<パターン2>
図2Bは、パターン2の柱と柱梁接合部との接合構造を説明するための図である。同図に示すように、PC部材67は仕口部67A及びこの仕口部67Aに接続される梁端部を構成する梁部67Bを備えるものであり、柱梁接合部67Aに相当する位置に上下方向に延びるように埋設された柱主筋68と、柱主筋68の下端に接続され、部材下面に露出するスリーブ継手69とを備える。また、柱65はPC部材又は現場打ちコンクリートからなり、上下方向に延びるように埋設され、上端が部材上面から突出する柱主筋66を備える。
【0021】
柱65と仕口部67Aとを接続する場合には、柱65の柱主筋66の突出する部分が、PC部材67のスリーブ継手69内に挿入されるように、PC部材67を柱65の上方から下降させて建て込む。そして、スリーブ継手69内及びPC部材67と柱65の間の目地にグラウトを充填する。充填したグラウトが硬化することにより仕口部67Aを構成するPC部材67と柱65とが接合される。
【0022】
<パターン3>
図2Cは、パターン3の柱と柱梁接合部との接合構造を説明するための図である。同図に示すように、PC部材73は仕口部73A及びこの仕口部73Aに接続される梁端部を構成する梁部73Bを備えるものであり、仕口部73Aに相当する位置に上下方向に延びるように貫通するシース管74を備える。また、柱70はPC部材又は現場打ちコンクリートからなり、上下方向に延びるように埋設された柱主筋71と、柱主筋71の上端に接続され、柱の上面に露出するスリーブ継手72とを備える。
【0023】
柱70と仕口部73Aとを接続する場合には、柱70の上部にPC部材73を建て込み、PC部材73のシース管74内に、先端が柱70のスリーブ継手72内に挿入されるように、接合鉄筋75を挿入する。そして、シース管74内、スリーブ継手72内及びPC部材73と柱70の間の目地にグラウトを充填する。充填したグラウトが硬化することにより仕口部73Aを構成するPC部材73と柱70とが接合される。
【0024】
また、本実施形態の柱梁接合部の構築方法では、以下に説明する3通りの梁と柱梁接合部の接続方法のうち何れかの方法を用いるものとする。
【0025】
<パターンA>
図3Aは、パターンAの梁と柱梁接合部との接合構造を説明するための図である。同図に示すように、PC部材83は仕口部80Bに接続される梁端部を構成するものであり、水平方向に延びるように埋設され、端部が接合端面から突出する梁主筋84を備える。また、柱80A及び仕口部80Bは、PC部材又は現場打ちコンクリートからなり、仕口部80Bに水平方向に延びるように埋設された梁主筋81と、梁主筋81に接続され、接合端面に露出するスリーブ継手82とを備える。
【0026】
仕口部80Bに梁を接続する場合には、PC部材83の梁主筋84の突出する部分が、仕口部80Bのスリーブ継手82内に挿入されるように、PC部材83を水平方向に移動させて建て込む。そして、スリーブ継手82内及びPC部材83と仕口部80Bとの目地にグラウトを充填する。充填したグラウトが硬化することにより仕口部80Bと梁を構成するPC部材83とが接合される。
【0027】
<パターンB>
図3Bは、パターンBの梁と柱梁接合部との接合構造を説明するための図である。同図に示すように、PC部材87は仕口部85Bに接続される梁の端部を構成するものであり、水平方向に延びるように埋設された梁主筋88と、梁主筋88に接続され、接合端面に露出するスリーブ継手89と、を備える。また、柱85A及び仕口部85Bは、PC部材又は現場打ちコンクリートからなり、水平方向に延び、端部が接合端面から突出する梁主筋86を備える。
【0028】
柱梁接合部85Bに梁を構成するPC部材87を接続する場合には、仕口部85Bの梁主筋86の突出する部分が、PC部材87のスリーブ継手89内に挿入されるように、PC部材87を水平方向に移動させて建て込む。そして、スリーブ継手89内及びPC部材87と仕口部85Bとの目地にグラウトを充填する。充填したグラウトが硬化することにより仕口部85Bと、梁を構成するPC部材87とが接合される。
【0029】
<パターンC>
図3Cは、パターンCの梁と柱梁接合部との接合構造を説明するための図である。同図に示すように、PC部材92は仕口部90Bに接続される梁の端部を構成するものであり、水平方向に延びるように埋設された梁主筋93と、梁主筋93に接続され、接合端面に露出するスリーブ継手94と、を備える。また、柱90A及び仕口部90Bは、PC部材又は現場打ちコンクリートからなり、仕口部90Bに水平方向に貫通するシース管91を備える。
【0030】
仕口部90Bに梁を構成するPC部材92を接続する場合には、柱梁接合部90Bの側方にPC部材92を建て込み、柱梁接合部90Bのシース管91内に、先端がPC部材92のスリーブ継手94内に挿入されるように、接合鉄筋95を挿入する。
【0031】
そして、シース管91内、スリーブ継手94内及びPC部材92と柱の間の目地にグラウトを充填する。充填したグラウトが硬化することにより仕口部90Bと、梁を構成するPC部材92とが接合される。
【0032】
本実施形態では、上記説明したパターン1〜3及びパターンA〜Cのうち何れかの方法、又は、柱梁接合部と梁とを別体のPC部材により構成し、柱と柱梁接合部とはパターン1〜3の何れかの方法で接合し、柱梁接合部と梁とはパターンA〜Cのうち何れかの方法で接合することにより高架橋における柱梁接合部を構築する。
【0033】
以下、図1A〜図1Cを参照して説明した高架橋を構築する方法を説明する。
図4A〜図4Kは、本実施形態の高架橋の構築方法を説明するための図である。なお、各図において、(B)は平面図であり、(A)は(B)におけるA−A断面図である。
【0034】
まず、図4Aに示すように、地盤に杭201を打設し、杭201の頭部と一体になるように耐圧盤202を構築し、基礎構造20を構築する。そして、基礎構造20の上部に柱30を構築する。柱30はコンクリート部材301内に埋設された柱主筋302と、柱主筋302の上端に接続されたスリーブ継手303とを備え、スリーブ継手303の端部は柱30の上面に露出している。なお、柱30はPC部材を用いて構築してもよいし、現場で構築してもよい。
【0035】
次に、図4Bに示すように、B―1の柱梁接合部及びB通りの1−2通り間の梁のB−1側の端部を構成するPC梁部材400を建て込む。同図に示すように、PC梁部材400は、PC部材からなるコンクリート本体401と、コンクリート本体401内に図4Bにおいて左右方向に延びるように埋設された第1の梁主筋411と、第1の梁主筋411の2通り側の端部に接続されたスリーブ継手412と、コンクリート本体401内の柱梁接続部に図4B(B)において上下方向に延びるように埋設された第2の梁主筋421と、第2の梁主筋421のA通り側の端部に接続されたスリーブ継手422と、コンクリート本体401の柱梁接合部にあたる部分に、下方から突出するように埋設された柱主筋431と、を備える。そして、柱主筋431の下方から突出する部分が、柱30の上端に露出するスリーブ継手303内に挿入されるように、PC梁部材400を上方から下方に移動させることにより建て込む。そして、柱30の上部に埋設されたスリーブ継手303内及び柱30とPC梁部材400の間にグラウトを充填する。
【0036】
次に、図4Cに示すように、1通りのA−B通り間の梁40を構成する一対のPC梁部材450、460を建て込む。これらPC梁部材450、460は、PC部材からなるコンクリート本体451、461と、コンクリート本体451、461内に図4C(B)において上下方向に延びるように埋設され、B通り側の端部がコンクリート本体451、461の端面から突出した梁主筋452、462と、梁主筋452、462のA通り側の端部に接続されたスリーブ継手453、463と、を備える。まず、PC梁部材450を、梁主筋452の突出する部分が、PC梁部材400の第2の梁主筋421に接続されたスリーブ継手422内に挿入されるように水平方向に移動させて建て込む。次に、PC梁部材460を、梁主筋462の突出する部分が、PC梁部材450のA通り側の端部に露出するスリーブ継手453内に挿入されるように、水平方向に移動して建て込む。そして、スリーブ継手453、463内及びPC部材400、450、460の間にグラウトを充填する。
【0037】
ここで、グラウトが硬化してPC部材同士が接続されるまでは、PC梁部材450、460を支持する必要がある。本実施形態では、PC梁部材450、460を以下に説明する支持架構により支持する。
【0038】
図5A〜図5DはPC梁部材450、460を支持する支持架構800を示す図であり、図5Aは、1通りの鉛直断面図、図5Bは図5AにおけるB−B´矢視図、図5Cは図5AにおけるC−C´矢視図、図5Dは図5AにおけるD−D´矢視図である。図5A〜図5Dに示すように、支持架構800は、柱30にアンカーボルト811により固定された取付桁810と、取付桁810の両端近傍に上方に向かって接続された支柱820と、図5Aにおける左右方向に延びるように支柱820上に架け渡された横桁830と、PC梁部材450、460の接合側の端部近傍に、横桁830から下方に延びるように取り付けられた長ボルト850と、図5Cにおける左右方向に延びるように長ボルト850の下端に取り付けられ、PC梁部材450、460を下方から支持する受桁840とにより構成される。PC梁部材450、460の荷重は、受桁840から長ボルト850を介して横桁830に伝達され、さらに、横桁830から支柱820を介して柱30に伝達される。かかる構成により、PC梁部材450、460の下方の地盤上に支持部材を配置することなく、支持することが可能となり、高架橋10の下方を通行する鉄道の往来を妨げることがない。
【0039】
次に、図4Dに示すように、A−1の柱梁接合部及びA通りの1−2通り間の梁のA通り側端部を構成するPC梁部材500を建て込む。PC梁部材500は、PC部材からなるコンクリート本体501と、コンクリート本体501内に図4Dにおいて左右方向に延びるように埋設された第1の梁主筋511と、第1の梁主筋511の2通り側の端部に接続されたスリーブ継手512と、柱梁接続部に図4D(B)において上下方向に貫通するように埋設されたシース管521と、コンクリート本体501の柱梁接合部にあたる部分に、下方から突出するように埋設された柱主筋531と、を備える。PC梁部材は、柱主筋531の下方から突出する部分が、柱30の上端に露出するスリーブ継手303内に挿入されるように、上方から下方に移動させることにより建て込む。
【0040】
次に、図4Eに示すように、PC梁部材500のシース管521内に高架橋10の側方側から、先端が上記建て込んだPC梁部材460のスリーブ継手463内に到達するように接続鉄筋522を挿入する。そして、スリーブ継手463、PC梁部材500、460の間及びシース管521内にグラウトを充填する。
【0041】
次に、図4Fに示すように、A通り及びB通りの1〜2通り間の梁の中間部を構成するPC梁部材550、560を水平方向に移動させて建て込む。PC梁部材550、560は、夫々、PC部材からなるコンクリート本体551、561と、コンクリート本体551、561内に図4F(B)において左右方向に延びるように埋設され、1通り側の端部がコンクリート本体551、561の端面から突出した梁主筋552、562と、梁主筋552、562の2通り側の端部に接続されたスリーブ継手553、563と、を備える。PC梁部材550、560は、梁主筋552、562の突出する部分が、PC梁部材400、500の第1の梁主筋411、511に接続されたスリーブ継手412、512内に挿入されるように水平方向に移動させて建て込む。この際、建て込んだPC梁部材550、560は、上下方向に延びる仮受支持部材をPC梁部材550、560と地上との間に立設することにより支持する。そして、スリーブ継手412、512及びPC梁部材400、500、550、560の間にグラウトを充填する。
【0042】
次に、図4Gに示すように、B―2の柱梁接合部とB通りの1−2通り間及び2−3通り間の梁のB通り側端部を構成するPC梁部材600を水平方向に移動させて建て込む。PC梁部材600は、PC部材からなるコンクリート本体601と、コンクリート本体601に図4G(A)及び(B)における左右方向に延びるように埋設され、1通り側の端部がコンクリート本体601の端面から突出した第1の梁主筋611と、第1梁主筋611の3通り側の端部に接続された第1のスリーブ継手612と、コンクリート本体601内の柱梁接合部に相当する位置に図4G(B)における上下方向に埋設された第2の梁主筋621と、第2の梁主筋621のA通り側の端部に接続された第2のスリーブ継手622と、コンクリート本体601の柱梁接合部にあたる部分に上下方向に貫通するように埋設されたシース管631と、を備えてなる。PC梁部材600は、第1の梁主筋611の突出する部分が、B通りの1−2通り間の梁の中間部を構成するPC梁部材550の梁主筋552に接続されたスリーブ継手553内に挿入されるように水平方向に移動させて建て込む。
【0043】
次に、図4Hに示すように、PC梁部材600のシース管631内に上方から、先端が柱30の柱主筋302の上端に接続されたスリーブ継手303内に到達するように接続鉄筋632を挿入する。そして、スリーブ継手303、PC部材600、550の間及びシース管631内にグラウトを充填する。
【0044】
次に、図4Iに示すように、2通りのA−B通り間の梁を構成する一対のPC梁部材650、660を建て込む。PC梁部材650、660は、コンクリート本体651、661と、コンクリート本体651、661内に図4I(B)において上下方向に延びるように埋設され、B通り側の端部がコンクリート本体651,661の端面から突出した梁主筋652,662と、梁主筋652,662のA通り側の端部に接続されたスリーブ継手653、663と、を備える。まず、PC梁部材650を、梁主筋652の突出する部分が、PC梁部材600の第2の梁主筋621に接続されたスリーブ継手622内に挿入されるようにPC梁部材650を水平方向に移動させて建て込む。次に、この建て込んだPC梁部材650のA通り側の端部に露出するスリーブ継手653内に挿入されるように、PC梁部材660を水平方向に移動して建て込む。そして、スリーブ継手622、653内及びPC部材600、650、660の間にグラウトを充填する。この際、PC梁部材650、660は、図5A〜図5Dを参照して説明した支持架構800により支持すればよい。
【0045】
次に、図4Jに示すように、A―2の柱梁接合部とA通りの1−2通り間及び2−3通り間の梁のB通り側端部を構成するPC梁部材700を水平方向に移動させて建て込む。PC梁部材700は、PC部材からなるコンクリート本体701と、コンクリート本体701に図4J(A)及び(B)における左右方向に延びるように埋設され、1通り側の端部がコンクリート本体701の端面から突出した梁主筋711と、梁主筋711の2通り側の端部に接続されたスリーブ継手712と、コンクリート本体701内の柱梁接合部に相当する位置に図4J(B)における上下方向に貫通するように埋設された第1のシース管721と、コンクリート本体701の柱梁接合部にあたる部分に上下方向に貫通するように埋設された第2のシース管731と、を備えてなる。PC梁部材700は、梁主筋711の突出する部分が、A通りの1−2通り間の梁を構成するPC梁部材560の梁主筋562に接続されたスリーブ継手563内に挿入されるように水平方向に移動させて建て込む。
【0046】
次に、図4Kに示すように、PC梁部材700の上方から第2のシース管731内に、先端が柱30の柱主筋302に接続されたスリーブ継手303内に到達するように接続鉄筋732を挿入する。また、高架橋10の側方から第1のシース管721内に、先端が2通りの梁を構成するPC梁部材660の梁主筋662に接続されたスリーブ継手663内に到達するように接続鉄筋722を挿入する。そして、スリーブ継手563、663、PC部材560、660、700の間及びシース管721、731内にグラウトを充填する。
【0047】
そして、スラブを構成するPCスラブ部材を上記構築した梁40に支持されるように、梁40の上部に建て込む。
上記説明した工程を繰り返すことにより、高架橋を連続的に構築することができる。
【0048】
本実施形態によれば、現場においてコンクリートを打設することなく、高架橋10を構築することができる。このため、現場における施工にかかる手間を削減することができるとともに、施工期間を短縮することができる。
【0049】
また、現場においてコンクリートを打設する場合には、品質が安定しないが、接合部を工場において製作できるため、品質を安定することができる。
【0050】
また、高架橋10はスパンが広いため支持構造が必要となるが、支持構造を梁の下方に設けてしまうと、下方の鉄道の往来を妨げてしまう。これに対して本実施形態では、支持架構800を、柱30に反力をとってPC梁部材を支持する構成としたため、下方の鉄道の往来を妨げることなく施工が可能となる。
【0051】
なお、本実施形態では、A〜B通り間の各スパンの梁を2つのPC梁部材を接続することにより構成し、1〜3通り間の各スパンの梁を柱梁接合部及びその両側の梁の端部が一体になったPC梁部材と、梁の中央部を構成するPC梁部材とを接続することにより構成したが、梁の分割方法はこれに限られない。
【0052】
例えば、各スパンの梁を3つ以上のPC梁部材を接続することにより構成してもよいし、柱梁接合部と、この柱梁接合部に接続される3つの梁の端部が一体になったPC梁部材を用いてもよく、また、柱梁接合部のみを構成するPC部材を用いてもよく、要するに分割方法は、適宜施工性を考慮して決定すればよい。
【0053】
また、本実施形態では、1〜3通り間の各スパンの梁を構成するPC梁部材を下方から支持部材により支持するものとしたが、これに限らず、A〜B通り間の梁を構成するPC梁部材と同様に柱に反力をとって支持してもよい。
【0054】
また、本実施形態では、上記のパターン1〜3のうちパターン1及びパターン3により柱梁接合部が含まれるPC部材と柱を接合したが、これに限らず、パターン2の方法により接合してもよいし、柱と柱梁接合部とを一体に構築し、柱梁接合部と梁を構成するPC部材をパターンA〜Cのうち何れかの方法により接合してもよい。
【0055】
また、本実施形態では、上記のパターンA〜CのうちパターンA及びパターンCにより柱梁接合部が含まれるPC部材と柱を接合したが、これに限らず、パターンBの方法により接合してもよい。
【符号の説明】
【0056】
10 高架橋
20 基礎構造
30 柱
40 梁
50 スラブ
60、65、70、80A、85A、90A 柱
61、64、66、68、71 柱主筋
62、69、72、82、89、94 スリーブ継手
63、67、73、83、87、92 PC部材
63A、67A、73A、80B、85B、90B 仕口部
63B、67B、73B 梁
74、91A シース管
75、95 接合鉄筋
81、84、86、88、93 梁主筋
201 杭
202 耐圧盤
301 コンクリート部材
302 柱主筋
303 スリーブ継手
400、450、460 PC部材
500、550、560 PC部材
600、650、660、700 PC部材
401、451、501、551、601、651、701 コンクリート本体
411、421、452、462 梁主筋
511、552、562 梁主筋
611、621、652、662、711 梁主筋
412、422、453、463 スリーブ継手
512、553、563 スリーブ継手
612、622、653、663、712 スリーブ継手
431、531 柱主筋
521、631、721、731 シース管
522、632、722、732 接続鉄筋
800 支持架構
810 取付桁
811 アンカーボルト
820 支柱
830 横桁
840 受桁
850 長ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高架橋を構成する柱と梁が接合される柱梁接合部を構築する方法であって、
前記柱の柱主筋にスリーブ継手を接続するとともに、前記スリーブ継手を前記柱の上面に露出させておき、
少なくとも前記柱梁接合部を構成し、上下方向に延びる貫通孔と、水平方向に延びる梁主筋と、当該梁主筋に接続され、部材側面に露出するスリーブ継手と、を備えた第1のPC部材を、前記柱の上部に建て込み、
前記第1のPC部材の前記貫通孔内に、先端が前記柱の前記スリーブ継手内に挿入されるように接続鉄筋を挿入し、
前記梁を構成し、側面から先端が突出する梁主筋を備えた第2のPC部材を、前記梁主筋の突出した部分が前記第1のPC部材のスリーブ継手内に挿入されるように、水平方向に移動させて建て込み、
前記第1のPC部材の貫通孔内と、前記柱及び前記第1のPC部材のスリーブ継手内にグラウトを充填する方法において、
前記第2のPC部材を、前記柱に反力を取って支持する支持架構を設けることを特徴とする高架橋の柱梁接合部の構築方法。
【請求項2】
高架橋を構成する柱と梁が接合される柱梁接合部を構築する方法であって、
前記柱の柱主筋にスリーブ継手を接続するとともに、前記スリーブ継手を前記柱の上面に露出させておき、
少なくとも前記柱梁接合部を構成し、上下方向に延びる貫通孔と、水平方向に延び、先端が部材側面から突出する梁主筋と、を備えた第1のPC部材を、前記柱の上部に建て込み、
前記第1のPC部材の前記貫通孔内に、先端が前記柱の前記スリーブ継手内に挿入されるように接続鉄筋を挿入し、
前記梁を構成し、水平方向に延びる梁主筋と、当該梁主筋に接続され、部材側面に露出するスリーブ継手とを備えた第2のPC部材を、前記第1のPC部材の梁主筋の突出する部分が当該第2のPC部材のスリーブ継手内に挿入されるように、水平方向に移動させて建て込み、
前記第1のPC部材の貫通孔内と、前記第1及び第2のPC部材のスリーブ継手内にグラウトを充填する方法において、
前記第2のPC部材を、前記柱に反力を取って支持する支持架構を設けることを特徴とする高架橋の柱梁接合部の構築方法。
【請求項3】
高架橋を構成する柱と梁が接合される柱梁接合部を構築する方法であって、
前記柱の柱主筋にスリーブ継手を接続するとともに、柱の上面にスリーブ継手を露出させておき、
少なくとも前記柱梁接合部を構成し、下面から突出する柱主筋と、水平方向に貫通する貫通孔と、を備えた第1のPC部材を、前記柱主筋の突出する部分が前記柱の前記スリーブ継手内に挿入されるように、垂直方向に移動させて建て込み、
前記梁を構成し、梁主筋と、当該梁主筋に接続され、部材側面に露出するスリーブ継手とを備えた第2のPC部材を、前記第1のPC部材の側方に建て込み、
前記第1のPC部材の貫通孔内に、先端が前記第2のPC部材のスリーブ継手内に挿入されるように接続鉄筋を挿入し、
前記第1のPC部材の貫通孔と、前記柱及び前記第2のPC部材のスリーブ継手内にグラウトを充填する方法において、
前記第2のPC部材を、前記柱に反力を取って支持する支持架構を設けることを特徴とする高架橋の柱梁接合部の構築方法。
【請求項4】
高架橋を構成する柱と梁が接合される柱梁接合部を構築する方法であって、
前記柱の柱主筋を上面から突出させておき、
少なくとも前記柱梁接合部を構成し、上下方向に延びる柱主筋と、前記柱主筋に接続され、部材下面に露出するスリーブ継手と、水平方向に貫通する貫通孔と、を備えた第1のPC部材を、前記柱の柱主筋の突出する部分が前記スリーブ継手内に挿入されるように、垂直方向に移動させて建て込み、
前記梁を構成し、梁主筋と、当該梁主筋に接続され、部材側面に露出するスリーブ継手とを備えた第2のPC部材を、前記第1のPC部材の側方に建て込み、
前記第1のPC部材の貫通孔内に、先端が前記第2のPC部材のスリーブ継手内に挿入されるように接続鉄筋を挿入し、
前記第1のPC部材の貫通孔と、前記第1及び前記第2のPC部材のスリーブ継手内にグラウトを充填する方法において、
前記第2のPC部材を、前記柱に反力を取って支持する支持架構を設けることを特徴とする高架橋の柱梁接合部の構築方法。
【請求項5】
高架橋を構成する柱と梁が接合される柱梁接合部を構築する方法であって、
前記柱の柱主筋にスリーブ継手を接続するとともに、前記スリーブ継手を前記柱の上面に露出させておき、
少なくとも前記柱梁接合部を構成し、上下方向に延びる第1の貫通孔と、水平方向に貫通する第2の貫通孔と、を備えた第1のPC部材を、前記柱の上部に建て込み、
前記第1のPC部材の前記第1の貫通孔内に、先端が前記柱の前記スリーブ継手内に挿入されるように接続鉄筋を挿入し、
前記梁を構成し、梁主筋と、当該梁主筋に接続され、部材側面に露出するスリーブ継手とを備えた第2のPC部材を、前記第1のPC部材の側方に建て込み、
前記第1のPC部材の第2の貫通孔内に、先端が前記第2のPC部材のスリーブ継手内に挿入されるように接続鉄筋を挿入し、
前記第1のPC部材の第1及び第2の貫通孔内と、前記柱及び前記第1のPC部材のスリーブ継手内にグラウトを充填する方法において、
前記第2のPC部材を、前記柱に反力を取って支持する支持架構を設けることを特徴とする高架橋の柱梁接合部の構築方法。
【請求項6】
高架橋を構成する柱と梁が接合される柱梁接合部を構築する方法であって、
前記柱及び柱梁接合部を構築するとともに、前記柱梁接合部に水平方向に貫通する貫通孔を設けておき、
前記梁を構成し、梁主筋と、当該梁主筋に接続され、部材側面に露出するスリーブ継手とを備えたPC部材を、前記柱梁接合部の側方に建て込み、
前記柱梁接合部の貫通孔内に、先端が前記PC部材のスリーブ継手内に挿入されるように接続鉄筋を挿入し、
前記柱梁接合部の貫通孔と、前記PC部材のスリーブ継手内にグラウトを充填する方法において、
前記PC部材を、前記柱に反力を取って支持する支持架構を設けることを特徴とする高架橋の柱梁接合部の構築方法。
【請求項7】
請求項1から6のうち何れか1項に記載の方法により柱梁接合部が構築されたことを特徴とする高架橋。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図4H】
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【図4I】
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【図4J】
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【図4K】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【公開番号】特開2013−68080(P2013−68080A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−9898(P2013−9898)
【出願日】平成25年1月23日(2013.1.23)
【分割の表示】特願2008−317436(P2008−317436)の分割
【原出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】