説明

高機能シガレット・ライタ・アダプタ

【課題】車両からパーソナル・ナビゲーション・デバイス(PND)の内部のバッテリに電力を供給することができる高機能シガレット・ライタ・アダプタ(CLA)を提供する。
【解決手段】シガレットライタアダプタ(CLA)は、本体と本体から延びる円筒部とを備える。円筒部が第1及び第2のコンタクトを含み、第1及び第2のコンタクトのそれぞれが、電力供給を受けるために車載シガレットライタの内部に接続可能である。CLAが更に少なくとも1つの一次電子回路を本体内に備え、一次電子回路は、コンタクトと、電力信号を伝送可能である出力とに直接的に又は間接的に接続される。CLAが、一次電子回路と電気的に接続されたアンテナ部品を含み、一次電子回路は、アンテナ信号、電気的に処理されたバージョンのアンテナ信号、電気的に処理されたアンテナ信号から得られるデータのうちの少なくとも1つを出力に伝達することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はその内部に電子機器が提供され、シガレット・ライタを有する車両から電力が供給される高機能シガレット・ライタ・アダプタ(CLA)に関する。すなわち、本発明は電子機器を有し、無線又は有線接続により車載装置と通信可能である高能力CLAに関する。
【背景技術】
【0002】
多種類の装置に電力を供給するためにCLAを用いることが知られている。典型的には、そのようなCLAは、本体部と、電気的な接続が提供される円筒部とを備える。CLAが車載シガレット・ライタの中に挿入されるとき、CLA内部にどんな電子機器が提供されるにせよ、それを含む電子回路が完成され、電力が車載バッテリから供給されるように、第1のコンタクトピンが円筒部の端部から突出し、1つ以上の第2のコンタクトピンが円筒部の円筒形状周辺に設けられる。通常、車載バッテリは、12Vの直流電源を提供するが、車両で用いられる電気装置の大多数は、低くはあるが、わずかに異なる電圧を必要とする。本発明は、例えば、ラップトップコンピュータ、車載DVDプレーヤ、携帯電話、車載又は携帯ナビゲーションデバイスを含む装置に関する。電力はケーブルにより装置に提供されるが、当該ケーブルはCLA内部の電子機器に電気的に接続され、CLAの本体の後方又は側方から現れて最終的に適切なコネクタに終端処理される。
【0003】
パーソナル・ナビゲーション・デバイス又はPNDは、ドライバや車両の所有者によって世界中で広く採用されている。そのようなデバイスによって提供されるナビゲーション支援はオンボードの処理装置により実現され、当該装置は、地表面におけるPNDの位置を正確に(約10メートル以内に)決定し、当該位置を、PNDがアクセス可能なメモリに提供されるデジタル化された地図データと関連づける。当該メモリは、通常は小型のメモリカード、又は、オンボードのRAM又はROMとして提供される。公知のように、PNDは、種々の方法で所望の目的地のユーザ入力を受け付けることができ、PNDは、種々のアルゴリズムやユーザ要求に従って最善のルートを計算し、ナビゲートされるべきルートに沿って地図の関連部分を表示する。典型的には、PNDは内部バッテリを含むであろうが、ほとんどのPNDは、車両が動くにつれて地図データのリアルタイム表示を行うためのディスプレイ画面を含む。それらは、比較的高い電力を必要とするデバイスであり、バッテリ電力だけでは小旅行でしか使えない。
【0004】
PNDのため、及びPNDの内部のバッテリを再充電するための電力を供給するCLAアダプタが知られている。現在、CLAはアフターマーケットのアクセサリであり、PNDにのみ電力を供給するものであるために限定的な市場価値しか有さない。これは、特に、CLAが、自宅用の充電器や他の充電装置と競争する場合に顕著である。従って、当該技術分野には、より費用効率がよく、機能的で、消費者に訴えかけるCLAに対するニーズが存在する。
【0005】
特許文献1は、コンタクトを有する円筒部と本体とを有する従来の形態であるCLAを開示する。本体の内部には、更に電力の管理、調整及び第1の出力への配電のための第1の回路と、コンタクトから電力が供給され、無線LAN(WLAN)で通信可能である1つ以上の更なる回路とが更に設けられる。アンテナが更に本体に設けられ、該アンテナからの信号がWLAN電子回路に伝送され、当該アンテナのための別個の出力も提供される。双方の出力は、再充電する電源、及びデバイス内のアンテナで受信した信号から得られた通信データを別個に提供するために、CLAの本体の後方から延びている2つ以上のケーブルの形態を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0054400号明細書
【発明の概要】
【0007】
本発明によれば、本体と前記本体から延びる円筒部とを備えるCLAが提供される。前記円筒部は、一方端部から突出するピンを形成する第1のコンタクトと、前記円筒部における他のどこかに設けられる1つ以上の第2のコンタクトとを含む。前記CLAは、少なくとも1つの電子回路を本体内部に備え、前記少なくとも1つの電子回路が、前記コンタクトと、電力信号を伝送可能である出力とに直接的に又は間接的に接続される。前記CLAは、前記電子回路と電気的に接続されたアンテナ部品を含み、前記電子回路は、アンテナ信号、電気的に処理されたバージョンのアンテナ信号、電気的に処理されたアンテナ信号から得られるデータのうちの少なくとも1つを、前記電力信号とともに出力に伝達し、電源は車載シガレットライタの内部に設けられるときに前記コンタクトから又はCLAの本体の内部に設けられた代替の電源から導出され、電源は、前記電子回路に電力を供給して動作を可能とするものであることを特徴とする。 代替的側面において本発明は、本体と前記本体から延びる円筒部とを備えるCLAを提供する。前記円筒部は、第1及び第2のコンタクトを含み、前記第1及び第2のコンタクトのそれぞれは、電力供給を受けるために車載シガレットライタの内部に接続可能であり、前記車載シガレット・ライタから電力が供給される。前記CLAは、更に少なくとも1つの一次電子回路を本体内に備え、前記少なくとも1つの一次電子回路は前記コンタクトに直接的に又は間接的に接続される。CLAは、アンテナ部品を含み、該アンテナ部品は前記コンタクトから電源を一次的に得る前記一次電子回路と電気的に接続される。CLAは、SIMカードを受け入れ可能で前記一次電子回路と電気的に接続された加入者識別モジュール(SIM)と、前記一次電子回路と電気的に接続された二次無線送受信機とを更に含む。該二次無線送受信機はアンテナ信号、電気的に処理されたバージョンのアンテナ信号、電気的に処理されたアンテナ信号から得られるデータを遠隔デバイスに無線で通信可能であることを特徴とする。 望ましくは、代替の電源は、リチウムイオンバッテリ、ニッケルメタルハライドバッテリ、又は同種のもののような、(望ましくは)再充電可能なバッテリの形態である。
【0008】
好ましい形態では、前記電子回路は、電源が車載シガレット・ライタから前記コンタクトを介して供給されるときに前記バッテリを充電可能である再充電式電子機器を含む。
【0009】
代替の形態で、CLAは、直接的又は間接的に前記コンタクトに、同様にバッテリに接続される二次電子回路も含む。二次電子回路は、例えば、電源が前記コンタクトから得られているときに前記バッテリでの機能を再充電するために用いられる。
【0010】
最も好ましい形態では、CLAは、電圧スイッチングレギュレータを更に含み、電圧スイッチングレギュレータは、前記二次電子回路に含まれ、又は前記二次電子回路と別個に設けられ得る。
【0011】
最も好ましい形態では、前記電子回路は、例えば、次の通信標準又はプロトコル:GSM、GPRS、EDGE、HSDPA、CDMA、WCDMA、Wifi、WiMax、Bluetoothの少なくとも1つを用いて処理を行うことが可能である無線通信処理回路である。最も好ましくは、前記電子回路は、無線モデムである。
【0012】
好ましくは、CLA出力は、前記電子回路と電気的に接続されたケーブルである。
【0013】
最も好ましくは、前記CLAは、1つ以上のLEDを備え、前記1つ以上のLEDは、バッテリの充電、車載シガレット・ライタからCLAに供給するための電源の存在、及び前記アンテナによって受信された信号の処理の1つを示す。
【0014】
好ましくは、CLAは、少なくとも2つのLEDを備え、前記少なくとも2つのLEDは、CLAに供給するための電源の存在の表示を提供する第1のLEDと、前記アンテナによって受信された信号処理の表示を提供する第2のLEDとを含み、これらは好ましくは異なる色である。
【0015】
好ましい形態では、前記電子回路は、前記アンテナ信号、電気的に処理されたバージョンの前記アンテナ信号、又は前記電気的に処理されたアンテナ信号から得られるデータ信号を、前記電力信号と併合でき、双方を前記出力に接続して伝送することが可能である。
【0016】
最も好ましい形態では、前記電子回路は、前記アンテナによって受信された信号から交通渋滞情報を抽出可能である3又は4種類の周波数帯のGPRSモデムであり、前記出力が、USBソケット又はケーブル、又はUARTソケット又はケーブル、携帯ナビゲーションデバイスに電力及びデータの双方を伝送可能であるようなシリアル出力である。
【0017】
CLAに、前記アンテナ及び関連した処理を行う電子機器を提供することによって、前記GPRSモデム及び関連した構成が、前記PNDから取り除かれ得る。その結果、PNDの中に規制するいくつかの部品を工業デザイナに提供し、その結果、他のデザインにPNDを開放すると共に、エンジニアリング及び製造のコストを節約する。
【0018】
更に好ましい形態では、一次電子回路と電気的に接続される加入者識別モジュール(SIM)カードコネクタを更に備え、前記SIMカードコネクタが、適切に使用可能とされたSIMカードが前記SIMカードコネクタに存在する場合に、前記CLAに、特定の移動体通信サービスプロバイダに自動的に加入し、該特定の移動体通信サービスプロバイダから受信した無線信号を処理することを可能とする。
【0019】
好ましい形態では、前記モデムは、加入者識別子(IMSI)、モデム識別子(IMEI)、識別されたPND(PND UID)の少なくとも1つを用いた無線接続を確立可能である。
【0020】
更に好ましい形態では、前記CLAは、更に電力制御電子機器を含む。
【0021】
最も好ましくは、前記アンテナは、CLAの本体の一部の内面に取り付けられた実質的に平らな部品である。
【0022】
特に好ましい形態では、前記CLAは、本体に設けられた通気穴を備え、前記通気穴を介して、熱を発しながら動作する電子回路及び他の電子回路と接する結果として生じた熱気を逃がすことができる。
【0023】
最も好ましくは、前記CLAは、前記アンテナからの信号を受信する一次電子回路と、電源の管理、調整、スイッチング、再充電機能の少なくとも1つを備える1つ以上の二次電子回路とを含み、前記二次電子回路の少なくとも1つは、前記一次電子回路と別個に設けられる一方で、前記一次電子回路と電気的に接続され、前記1つ以上の二次電子回路は、CLAの本体に設けられる通気穴に隣接して設けられる。
【0024】
最も好ましくは、前記通気穴は、前記バッテリ、一次電子回路、及び任意のSIMコネクタを備えるCLAの本体の前方に向かって設けられる。前記任意のSIMコネクタは、前記円筒部から離れて、前記本体の後方に向かって設けられる。この構成は、次の点で優位性がある。すなわち、CLAが有し得る、電源の管理、調整、スイッチング、及び再充電の機能が通気式電子回路によって達成され、そのような機能(及び電子回路)が、典型的に前記アンテナ信号の処理を行う前記一次電子回路よりもはるかに大きな熱を生じる点である。従って、このような分離配置が、CLA内部の構成の効果的かつ安全な配置である。
【0025】
最も好ましい形態では、もう1つの二次電子回路が、CLAの本体の前方部分の内部に互いに隣接して設けられる1組のPCBに設けられ、更に、それぞれの前記PCBは、CLAの外側で通気穴に隣接して設けられる。
【0026】
本発明の明確な記述は、次の図に言及することで一例として記述されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の好適な形態のCLAの分解斜視図を示す。
【図2A】構成が追加された図1のCLAの異なる斜視図を示す。
【図2B】構成が追加された図1のCLAの異なる斜視図を示す。
【図3A】本発明の第1の側面のCLAの回路図を示す。
【図3B】本発明の第1の側面のCLAの回路図を示す。
【図4】アンテナを内部に有するCLAの斜視図を示す。
【図5】部分的に組み立てられた状態における図4のCLAの斜視図を示す。
【図6】更に組み立てられた状態における図4及び図5のCLAを示す。
【図7】後方に見えるLEDを備える完成された状態におけるCLAを示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
まず、図1を参照すると、全般において2で示すCLAが示される。CLAは、上半分のケーシング半部材4及び下半分のケーシング半部材6のそれぞれから構成され、それぞれが本体4A、6A及び円筒部4B、6Bを有する。これらのケーシング半部材は、組み立てられて結合したときに、内部にCLAの電子機器が提供されるキャビティを有する本体と、内部に第1のコンタクト8及び第2のコンタクト10が通常は弾性的に搭載され、デバイスの電子機器にヒューズ12(図2Bに示される)を介して接続される円筒部分とを規定する。
【0029】
CLAの組み立ては、種々の部品がケーシング半部材の一方又は双方の中に挿入され、電気的に接続され、ケーシング半部材が矢印11Aによって示されるように留め金で嵌め込むことで一体となり、最後に、CLAの本体の大部分をその内部に収容するために、組み立てられたケーシングの上で、カバー14が11Bで示すように軸方向にスライドされた段階で完了される。図に示すように、各ケーシング半部材には、通気穴形成部4C、6Cが提供されている。当該通気穴形成部4C、6Cは、通気穴を規定するためにケーシング半部材が接合されたとき、協働し、或いは、相互に連携し、当該通気穴を介して動作中にCLA内部で生じた熱気を逃がすことができる。空気がデバイスを通って最も直接的に流れるようにするために、通気穴が互いに対向して設けられていることは注目に値し、かつ、優位性がある。
【0030】
図2Aで示すように、再充電可能なバッテリ16が、対応するコネクタ18を備える。コネクタ18は、1つ以上の二次電子回路20、22に電気的な伝達を行い、本実施形態では、別個に設けられているが、比較的近接したプリント基板(PCB)24、26上に搭載される。そのような二次電子回路は、電力の管理、制御、スイッチング、調整、及び再充電のような機能を提供する。更に、バッテリ16及び対応するコネクタは、適切なPCB28に搭載される。PCB28の下方には、図2B及び図4で示すように実質的に平面のアンテナ30が搭載される。
【0031】
図3Aに示す概略ブロック図は、本発明のCLA2の内部に設けられる構成を示している。オンボードバッテリ16が示され、コンタクトが40に概略的に示され、コンタクト40から得られる電源が、42に示され、スイッチングレギュレータ44に供給される。スイッチングレギュレータ44は、直流電源の12Vから直流電源の5Vに従来の直流電源の車載バッテリ電圧を、動作可能なように減らす。4種類の周波数帯のGPRSモデム又は他の無線通信処理デバイスが46に示され、レギュレータ44及びモデム46の双方がLED48、50のそれぞれに接続される。LED48、50は、理想的には異なる色であり、一方では、バッテリ16の充電及び/又はコンタクト42を介する電力の供給、及びモデム46の処理動作が行われていることを明示する。電圧レギュレータは、モデム46及びバッテリ16の双方との電気的な接続を52及び54のそれぞれで行い、双方に電源を供給できる。更に、レギュレータ44の出力は、本実施形態では、USBケーブル出力58及び任意に従来のUART(universal asynchronous receiver/transmitter)ケーブル出力60の双方に56で直接的に連結される。
【0032】
図では接続の可能性について示しているが、通常はいずれか一方のみを必要とすることが多いので、USBケーブル出力及びUARTケーブル出力の双方が、実際に実装されることはありそうにない点について言及しておく。更に、本実施形態では、電力信号がレギュレータ44から双方に直接的に供給されることに言及されるべきである。代替の形態において、モデム46は、更に、基本電力管理及び/又は直接接続56が、特定の通信標準に従うデータ信号と共に出力58、60に伝送される電力信号を必要としないような伝送機能を含み得る。その場合には、そのような信号は、62又は64でモデム46によって供給される。そして、USBケーブル出力が提供される場合には、更なるUSBコントローラ66がUSB通信標準に従うUSB信号を保証するために提供され得る。
【0033】
SIMモジュール68は、従来のSIMカードを受け付け可能であり、SIMカードを発行するサービスプロバイダによって提供される特定の無線通信ネットワークへの加入を可能とするためのモデム46と通信を行う。もちろん、アンテナ30は、空間を介して送信される無線信号を収集するための手段を提供する。また、アンテナ30は、有益な信号をモデム46に渡すためにモデム46と再び通信する。更に、モデム46のソフト及び/又はハードのリセットをもたらす、スイッチ68のようなものの形式でのリセット機能が提供され得る。そのような機能もまた、必要であれば、レギュレータ44に拡張され得る。
【0034】
図3Bによれば、本発明の代替的な側面が概略的に図示され、参照番号は、構成を特定するために、図3Aと同じように用いられる。本発明のこの側面における重要な特徴は、バッテリ16が任意であり、SIMモジュール68は、周囲の移動体通信サービスやモデムの出力から信号を受信することを可能にするためのモデム46のための認証手段を提供する。モデムの出力信号は、基本アンテナ信号、電気的に処理されたバージョンの基本アンテナ信号、又は電気的に処理された基本アンテナ信号から抽出されたデータであろうと、無線送受信機デバイス61Aに供給される。無線送受信機デバイス61Aは、理想的には遠隔デバイス61Bとの無線通信のためのBluetooth(登録商標)送受信機であってもよい。最も好ましい形態では、モデム46及び送受信機61Aの双方は、コンタクト40から、又はもし提供されるのであれば、任意のバッテリ16から電源を提供される。
【0035】
ブロック図は、本発明のCLA2の内部に提供される構成を示している。オンボード・バッテリ16が示され、コンタクトが40に概略的に示され、コンタクト40から得られる電源が42に示され、スイッチングレギュレータ44に供給される。スイッチングレギュレータ44は、従来的な自動車のDCバッテリ電圧を12VDCから5VDCに減圧するように動作する。4種類の周波数帯のGPRSモデム又は他の無線通信処理デバイスが46に示され、レギュレータ44及びモデム46の双方がLED48、50のそれぞれに接続される。LED48、50は、理想的には異なる色であり、一方では、バッテリ16の充電及び/又はコンタクト42を介する電力の供給、及びモデム46の処理動作が行われていることを示す。電圧レギュレータは、モデム46及びバッテリ16の双方との電気的な接続を52及び54のそれぞれで行い、双方に電源を供給できる。更に、レギュレータ44の出力は、本実施形態では、USBケーブル出力58及び任意に従来のUART(universal asynchronous receiver/transmitter)ケーブル出力60の双方に56で直接的に連結される。
【0036】
図では接続の可能性について示しているが、通常はいずれか一方のみを必要とすることが多いので、USBケーブル出力及びUARTケーブル出力の双方が、実際に実装されることはありそうにない点について言及しておく。更に、本実施形態では、電力信号がレギュレータ44から双方に直接的に供給されることに言及すべきである。代替の形態において、モデム46は、更に、基本電力管理及び/又は直接接続56が、特定の通信標準に従うデータ信号と共に出力58、60に伝送される電力信号を必要としないような伝送機能を含み得る。その場合には、そのような信号は、62又は64でモデム46によって提供される。そして、USBケーブル出力が提供される場合には、更なるUSBコントローラ66がUSB通信規格に従うUSB信号を保証するために提供され得る。
【0037】
SIMモジュール68は、従来のSIMカードを受け付け可能であり、SIMカードを発行するサービスプロバイダによって提供される特定の無線通信ネットワークへの加入を可能とするためにモデム46と通信する。もちろん、アンテナ30は、空間を介して送信される無線信号を収集するための手段を提供する。また、アンテナ30は、有用な信号をモデム46に渡すためにモデム46と再び通信する。更に、モデム46のソフト及び/又はハードのリセットをもたらす、スイッチ68のような形式でのリセット機能が提供され得る。そのような機能もまた、必要であれば、レギュレータ44に拡張され得る。
【0038】
図6によれば、”既製”型の部品として利用できるGPRSモデム46が、バッテリ16と隣接して、任意にバッテリが搭載されるPCB28の代替側面に搭載されることがわかる。
【0039】
組み立てられたCLAは、図7で示され、また、LED48、50は、カバー14がLEDの位置に隣接した位置に半透明の又は不透明でない部材を有することによって、又はその位置に適切な隙間を有することによって、視認可能になっている。
【0040】
従って、要約すれば、シガレット・ライタ・アダプタ(CLA)は本体と当該本体から延びる円筒部とを備える。円筒部は、第1及び第2のコンタクトを含み、当該第1及び第2のコンタクトのそれぞれが、電力供給を受けるために車載シガレット・ライタの内部に接続可能である。CLAは更に、少なくとも1つの一次電子回路を本体の内部に備え、当該少なくとも1つの一次電子回路は、コンタクトと、電力信号を伝送可能な出力とに直接的又は間接的に接続される。CLAは更に、一次電子回路と電気的に接続されたアンテナ部品を含む。一次電子回路は、アンテナ信号、電気的に必要な処理が行われたバージョンのアンテナ信号、又は、電気的に処理されたアンテナ信号から得られるデータの少なくとも1つを、電力信号と共に出力に伝達し、電源は、コンタクト、又は、CLAの本体の内部に設けられる再充電可能なオンボード・バッテリのような代替電源から得られる。電源はまた、一次電子回路を動作可能とする。更なる特徴として、CLAの内部に1つ以上の二次電子回路が提供され、当該1つ以上の二次電子回路は、電力の管理、調整、制御、スイッチング、及び/又はバッテリ再充電の機能を提供する。また、一次電子回路と二次電子回路を分離したことで、効果的な熱放出を確実に行うことができる。最も好適には、CLAには通気孔が提供され、当該通気孔に隣接して二次電子回路の少なくとも1つが提供される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と前記本体から延びる円筒部とを備えるシガレット・ライタ・アダプタ(CLA)であって、前記円筒部が第1及び第2のコンタクトを含み、前記第1及び第2のコンタクトのそれぞれが、電力供給を受けるために車載シガレットライタの内部に接続可能であり、前記CLAが更に少なくとも1つの一次電子回路を本体内に備え、前記一次電子回路は、前記コンタクトと、電力信号を伝送可能である1つ以上の出力とに直接的に又は間接的に接続され、前記CLAが、前記一次電子回路と電気的に接続されたアンテナ部品を含み、前記一次電子回路は、
アンテナ信号、
電気的に処理されたバージョンの前記アンテナ信号、
前記電気的に処理されたアンテナ信号から得られるデータのうちの少なくとも1つを、
前記電力信号とともに1以上の出力に伝達し、
電源は主として前記コンタクトから導出され、前記電源は、前記一次電子回路に電力を供給して動作を可能とするものであり、
前記CLAは、再充電可能なオンボードの代替電源を更に含み、
前記代替電源は、前記コンタクトからの電力が得られない場合に電力を供給するために前記一次電子回路と電気的に接続し、前記コンタクトを介して電力が得られる場合に、前記代替電源のために再充電機能を少なくとも提供する1つ以上の二次電子回路と電気的に接続することを特徴とするCLA。
【請求項2】
前記二次電子回路は、前記一次電子回路と別個に設けられる一方で、電源が前記コンタクトから得られるときに前記一次電子回路に電源を供給するために、前記一次電子回路と電気的に接続することを特徴とする請求項1に記載のCLA。
【請求項3】
前記二次電子回路は、更に、電力の管理、調整、制御、スイッチングのうちの少なくとも1つ以上を含む機能を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のCLA。
【請求項4】
前記一次電子回路と電気的に接続される加入者識別モジュール(SIM)カードコネクタを更に備え、
前記SIMカードコネクタは、適切に使用可能とされたSIMカードが前記SIMカードコネクタに存在する場合に、前記CLAに、特定の移動体通信サービスプロバイダに自動的に加入し、該特定の移動体通信サービスプロバイダから受信した無線信号を処理することを可能とする、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のCLA。
【請求項5】
前記一次電子回路と電気的に接続された無線送受信器である三次電子回路を更に含み、
前記三次電子回路により、
前記アンテナ信号、
電気的に処理されたバージョンのアンテナ信号、又は
前記電気的に処理されたアンテナ信号から得られるデータ
を遠隔デバイスと無線で通信可能である
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のCLA。
【請求項6】
本体と前記本体から延びる円筒部とを備えるシガレット・ライタ・アダプタ(CLA)であって、
前記円筒部が第1及び第2のコンタクトを含み、前記第1及び第2のコンタクトのそれぞれが、電力供給を受けるために車載シガレットライタの内部に接続可能であり、前記CLAが更に少なくとも1つの一次電子回路を本体内に備え、前記少なくとも1つの一次電子回路は前記コンタクトに直接的に又は間接的に接続され、前記CLAは、アンテナ部品を含み、該アンテナ部品は前記コンタクトから電源を取り出す前記一次電子回路と電気的に接続され、
前記CLAは更に、SIMカードを受け入れ可能で前記一次電子回路と電気的に接続された加入者識別モジュール(SIM)と、前記一次電子回路と電気的に接続された二次無線送受信回路とを含み、
該二次無線送受信回路は、アンテナ信号、電気的に処理されたバージョンのアンテナ信号、前記電気的に処理されたアンテナ信号から得られるデータを遠隔デバイスに無線で通信可能である
ことを特徴とするCLA。
【請求項7】
前記コンタクトを介して得られる電源の代替として、オンボード電源を更に備えることを特徴とする請求項6に記載のCLA。
【請求項8】
電力の管理、制御、調整、スイッチング及び再充電の機能の少なくとも1つを提供する1つ以上の三次電子回路を更に含み、
前記三次電子回路の少なくとも1つは、前記一次及び二次電子回路と別個に設けられる一方で、前記一次及び二次電子回路のうちの少なくとも1つと電気的に接続されることを特徴とする請求項6又は7に記載のCLA。
【請求項9】
少なくとも1つの三次電子回路は、再充電機能を実行するために提供され、
前記少なくとも1つの三次電子回路は、前記コンタクト及び前記オンボード電源の双方と電気的に接続され、電源が前記コンタクトを介して供給されている場合に前記オンボード電源を再充電することを特徴とする請求項7に従属した請求項8に記載のCLA。
【請求項10】
前記一次電子回路は、無線通信プロトコル処理回路であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のCLA。
【請求項11】
前記一次電子回路は、無線モデムであることを特徴とする請求項10に記載のCLA。
【請求項12】
前記無線通信プロトコル処理回路は、GSM、GPRS、EDGE、HSDPA、CDMA、WCDMA、WiFi、WiMaxのうち少なくとも1つの無線通信プロトコルに適合されていることを特徴とする請求項10又は11に記載のCLA。
【請求項13】
前記CLAの出力は、前記一次電子回路と直接的又は間接的に電気的に接続するケーブルであることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のCLA。
【請求項14】
1つ以上のLEDを更に備え、
前記1つ以上のLEDは、オンボード電源の充電、動作中の車載シガレットライタから前記CLAに供給される電源の存在、及び、前記アンテナが受信した信号の前記一次電子回路の内部での処理、の少なくとも1つを示すことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のCLA。
【請求項15】
少なくとも2つのLEDを更に備え、
第1のLEDは、前記CLAに供給される電源の存在を示し、第2のLEDは、前記アンテナが受信した信号の処理を示すことを特徴とする請求項14に記載のCLA。
【請求項16】
前記LEDは、異なる色を有することを特徴とする請求項15に記載のCLA。
【請求項17】
前記アンテナは、前記CLAの本体の一部の内面に取り付けられた実質的に平らな部品であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載のCLA。
【請求項18】
本体に設けられた通気穴を更に備え、
発熱する電子回路と接する結果として生じる熱気を、前記通気穴を介して逃がすことを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載のCLA。
【請求項19】
前記通気穴が前記CLAの円筒部に隣接した本体の前方に向かって設けられ、前記一次電子回路が前記円筒部から本体の後方に向かって、該円筒部から離れるように設けられ、かつ、1つ以上の二次電子回路が前記通気穴に隣接する前記CLAの本体の前方に向かって設けられることを特徴とする請求項18に記載のCLA。
【請求項20】
もう1つの二次電子回路が、前記CLAの本体の前方部分の内部に互いに隣接して設けられる1組のPCB上に設けられ、前記1組のPCBのそれぞれが、前記CLA外部の通気穴に隣接して設けられることを特徴とする請求項19に記載のCLA。
【請求項21】
前記出力は、USBコネクタ又はケーブル、UARTコネクタ又はケーブルから選択されるシリアル出力であることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1項に記載のCLA。
【請求項22】
前記一次電子回路は、加入者識別子(IMSI)、モデム識別子(IMEI)、識別されたPND(PND UID)の少なくとも1つを用いた無線通信を確立可能であることを特徴とする請求項1乃至21のいずれか1項に記載のCLA。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−70378(P2013−70378A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−228428(P2012−228428)
【出願日】平成24年10月15日(2012.10.15)
【分割の表示】特願2010−529234(P2010−529234)の分割
【原出願日】平成19年10月19日(2007.10.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.WCDMA
【出願人】(307043223)トムトム インターナショナル ベスローテン フエンノートシャップ (144)
【Fターム(参考)】