説明

高流動性膜を有する経口浸透薬用量形態

経口浸透薬用量形態の半透膜が半透膜の合計乾燥重量を基準として約23重量%〜約50重量%の流動促進剤および約0.01重量%〜約5重量%の酸化防止剤を包含する経口浸透薬用量形態および方法が開示される。そのような組成物は棚上での貯蔵中の改良された機械的および輸送安定性を有する高流動性膜を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、経口浸透薬用量形態の半透膜が半透膜の合計乾燥重量を基準として約23重量%〜約50重量%の流動促進剤および約0.01重量%〜約5重量%の酸化防止剤を含んでなる経口浸透薬用量形態および方法に関する。そのような組成物は棚上での貯蔵中の改良された機械的および輸送安定性を有する高流動性膜を提供する。
【背景技術】
【0002】
背景
経口薬用量形態の1つのタイプは経口浸透薬用量形態である。浸透薬用量形態は、一般的に、流体の自由拡散を可能にするが薬品のものは可能にしない半透膜により少なくとも一部が形成された区画内に流体を浸み込ます駆動力を発生するために浸透圧を利用する。浸透システムに関する利点は、それらの操作がpH−依存性でありそして、それ故、薬用量形態が胃腸管に留まって有意に異なるpH値を有する種々の微生物環境に遭遇しても長期間にわたり浸透的に決められた速度であり続けることである。そのような薬用量形態の概観は非特許文献1に見られる。浸透薬用量は各々が引用することにより本発明の内容となる下記の米国特許にも詳細に記載されている:特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、および特許文献12。上記の文献およびそこに引用される他の文献はここで完全に再現される場合には引用することによりそして全ての目的のために本発明の内容となる。
【0003】
そのような経口浸透薬用量形態の1つの特徴は、浸透薬用量形態が薬用量形態内から薬品を分配する前に開始時間として知られているある期間の時間を必要とすることである。これは、使用環境内の水が半透膜を通って浸み込みそして分配工程を誘発するのに必要な時間のためである。
【0004】
ある場合には、例えば比較的速い分配時間が所望される時には、開始時間は望ましくないほど長くなりうる。これは、薬用量形態に例えば即時放出性オーバーコートの如き追加構造を加えることにより、処理することができるが、そのような追加構造は薬用量形態の費用を上昇させる。短い開始時間を提供しうる別の方法は半透膜を通る水流動量を増加させることである。これは半透膜内への流動促進剤の導入により行うことができる。一般的に、半透膜内に存在する比較的多量の流動促進剤は半透膜を越える水流動性における増加をもたらす。
【0005】
しかしながら、比較的高水準の流動促進剤の導入では、経口浸透薬用量形態における安定性問題が注目されていた。特に、比較的高水準の流動促進剤(flux enhancer)を導入する経口浸透薬用量形態に関しては、比較的低水準の流動促進剤を導入する経口浸透薬用量形態と比べて、時間経過につれて放出速度が有意に変動することが見出された。さらに、比較的高水準の流動促進剤を導入する経口浸透薬用量形態に関しては、比較的低水準の流動促進剤を導入する経口浸透薬用量形態と比べて、適切に機能するため並びに取扱いおよび包装を可能にするのに充分なほど耐久性にするためには時間経過につれて分配システムにとって必要な半透膜の機械的性質が低下することが見出された。
【0006】
これらの安定性問題に関する理由は当該技術で知られていなかった。
【特許文献1】米国特許第3,845,770号明細書
【特許文献2】米国特許第3,916,899号明細書
【特許文献3】米国特許第3,995,631号明細書
【特許文献4】米国特許第4,008,719号明細書
【特許文献5】米国特許第4,111,202号明細書
【特許文献6】米国特許第4,160,020号明細書
【特許文献7】米国特許第4,327,725号明細書
【特許文献8】米国特許第4,519,801号明細書
【特許文献9】米国特許第号4,578,075明細書
【特許文献10】米国特許第4,681,583号明細書
【特許文献11】米国特許第5,019,397号明細書
【特許文献12】米国特許第5,156,850号明細書
【非特許文献1】Santus and Baker,“Osmotic drug delivery:a review of the patent literature,”Journal of Controlled Release,35:1−21(1995)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、高められた水流動性および改良された引っ張り性質を与えながらそのような問題を処理する薬用量形態および方法が要望される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の要旨
一面で、本発明は薬品層を含んでなる芯、芯を取り囲む半透膜、および半透膜を通る少なくとも1個の出口を含んでなる経口浸透薬用量形態であって、半透膜が半透膜の合計乾燥重量を基準として約23重量%〜約50重量%の流動促進剤および約0.01重量%〜約5重量%の酸化防止剤を含んでなる経口浸透薬用量形態に関する。
【0009】
別の面で、本発明は半透膜の合計乾燥重量を基準として約23重量%〜約50重量%の流動促進剤および約0.01重量%〜約5重量%の酸化防止剤を含んでなる半透膜を準備し、薬品層を含んでなる芯の上に半透膜をコーティングし、そして半透膜を通る1個の出口を形成することを含んでなる経口浸透薬用量形態を製造する方法に関する。
【0010】
さらに別の面で、本発明は半透膜の合計乾燥重量を基準として、約23重量%〜約50重量%の流動促進剤および約0.01重量%〜約5重量%の酸化防止剤を含んでなる半透膜を含んでなる経口浸透薬用量形態を準備し、そして経口浸透薬用量形態を患者に投与することを含んでなる方法に関する。
【0011】
図面の簡単な記述
図1は室温において貯蔵された経口浸透薬用量形態の2年間安定性のプロットを示す。
【0012】
図2は摂氏40度において貯蔵された経口浸透薬用量形態の2年間安定性のプロットを示す。
【0013】
図3は摂氏50度において貯蔵された経口浸透薬用量形態の2年間安定性のプロットを示す。
【0014】
図4は経口浸透薬用量形態の2年間放出性能のアレーニウスプロットを示す。
【0015】
図5は数種の温度における1年間にわたる貯蔵後の経口浸透薬用量形態の速度調節膜の引っ張り性質のプロットを示す。
【0016】
図6は数種の温度において2年間にわたり貯蔵された速度調節膜内の実際対理論的BHT含有量の比較からの結果を示す。
【0017】
図7は数種の温度において2年間にわたり貯蔵された経口浸透薬用量形態上で流動促進剤と配合された速度調節膜の分子量および透過性に対するBHTの影響のプロットを示す。
【0018】
図8は2年間にわたる貯蔵後の経口浸透薬用量形態上で流動促進剤と配合された速度調節膜の分子量および透過性に対するBHTの影響のプロットを示す。
【0019】
図9は機素浸透ポンプ薬用量形態を示す。
【0020】
図10は押し出し層を含んでなる経口浸透薬用量形態を示す。
【0021】
図11および12は液体薬品調剤を含んでなる経口浸透薬用量形態を示す。
【0022】
好ましい態様の詳細な記述
定義
「酸化防止剤」は、酸化的分解を抑制する剤を意味する。本発明の実施において有用な酸化防止剤の例はここの別の場所に表示されている。
【0023】
「BHT」は、ブチル化されたヒドロキシトルエンを意味する。
【0024】
「コーティング」は、表面上に膜を形成することを意味する。
【0025】
「芯」は、薬品層および場合により追加の層を含んでなる薬用量形態の一部を意味する。
【0026】
「薬品層」は、活性な製薬学的成分を含んでなる薬用量形態の1つもしくは複数の部分を意味する。
【0027】
「出口」は、浸透薬用量形態の半透膜を通って形成される孔または通路を意味する。本発明の実施において有用な出口およびそれらの製造方法の例はここの別の場所に表示されている。
【0028】
「流動促進剤」(“flux enhancer”)は、半透膜を通る流体(例えば、水)透過性または流動性の増加を助けるために加えられる物質を意味する。ある種の態様では、流動促進剤は半透膜内に配合された水溶性の剤を含んでなる。
【0029】
「経口」は、薬用量形態を記述するために使用される時には、経口投与を意味する。
【0030】
「浸透薬用量形態」(“osmotic dosage form”)は、一般的に、流体の自由拡散を可能にするが薬品のものは可能にしない半透膜により少なくとも一部が形成された区画内に流体を浸み込ます駆動力を発生するために浸透圧を利用する薬用量形態を意味する。本発明の実施において有用な浸透薬用量形態の例はここの別の場所に表示されている。
【0031】
「EOP」は、単一層である水溶性薬品芯をカプセル化する少なくとも1個の分配口を有する速度調節膜を含んでなる浸透薬用量形態を意味する。
【0032】
「患者」は、治療介在を必要とする、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくは人間、を意味する。
【0033】
「半透膜」または「膜」は、例えば水および/または生物学的流体の如き外部流体の通過に対して透過性であるが例えば活性な製薬学的成分の如き成分の通過に対しては不透過性である膜を意味する。半透膜の形成に有用な物質は本質的に非腐食性であり且つ半透膜を含んでなる薬用量形態の寿命中に生物学的流体中に実質的に不溶性である。半透膜を形成するための物質および方法、並びに半透膜を含んでなる浸透薬用量形態の構造はここの別の場所に表示されている。
【0034】
「高流動性膜」(“high flux membrane”)は、水溶性成分がコーティング内に乾燥半透膜の合計重量を基準として約23〜約50%の重量%範囲内で存在する水不溶性および水溶性成分の配合物を含んでなるコーティングを含んでなる半透膜を意味する。
【0035】
「貯蔵寿命」または「安定性」は、時間0において試験された同様に構成された薬用量形態と比べて放出速度における約5%の変化を受ける室温において貯蔵される薬用量形態に関して要求される時間を意味する。試験の期間にわたり、薬用量形態の平均放出速度により測定される放出性能が時間0において試験された同様に構成された薬用量形態と比べて放出速度における約5%以内の変化で保持する場合には、それは安定であると言われる。
【0036】
高流動性膜安定性
発明者は、高水準の流動促進剤を有する経口浸透薬用量形態に伴う安定性問題に関する理由は膜に半透過性を与える重合体の分解であることを予期せぬことに発見した。安定性問題を誘発せずに流動促進剤が半透膜内に比較的低水準で導入されてきたため、この結果は驚異的である。発明者は、経口浸透薬用量形態が含んでなる半透膜に対する促進量の酸化防止剤の添加によりこれらの安定性/貯蔵寿命問題を処理できることもさらに発見した。この問題の解決法は、それが実行し易いため有利である。
【0037】
本発明を次にさらに詳細に記載する。
経口浸透薬用量形態
種々の経口浸透薬用量形態が本発明の実施において有用であるとしてここに開示される。広範囲の経口浸透薬用量形態が当該技術で既知であるため、この列挙およびここでの記述が包括的であることは意味しない。ある種の態様では、本発明は少なくとも約23重量%の量で当該技術で既知であるがここには明白に開示されていないものを包含する流動促進剤を含んでなる半透膜を含んでなる経口浸透薬用量形態に適用可能であることが意味される。
【0038】
当該技術で機素浸透ポンプ薬用量形態(elementary osmotic pump dosage form)と称する例示薬用量形態が図9に示されている。切り取り図で示されている薬用量形態20は機素浸透ポンプとも称され、そして内部区画24を取り囲みそして封入する半透膜22より構成されている。内部区画は選択された賦形剤と混合された本発明の物質28を含んでなるここで薬品層26と称する単一成分層を含有する。流体を外部環境から膜22を通って吸引しそして流体の停止時に分配可能な複合調剤を形成するための浸透活性勾配を与えるために、賦形剤が適合される。賦形剤はここで薬品担体30とも称する適当な懸濁化剤、結合剤32、潤滑剤34、および浸透剤と称する浸透活性剤36を包含しうる。これらの成分の各々に関する例示物質は以下に示される。
【0039】
浸透薬用量形態の半透膜22は例えば水および生物学的流体の如き外部流体の通過に対して透過性であるが内部区画中に存在する薬品の通過に対しては実質的に不透過性である。膜の形成に有用な物質は本質的に非腐食性であり且つ薬用量形態の寿命中に生物学的流体中に実質的に不溶性である。膜を形成するための物質はここの別の場所に表示されておりそして膜形成性物質の例は当該技術において見られる。
【0040】
複合膜から横切る通路を機械的穿孔し、レーザー穿孔し、腐食要素腐食し、引き抜き、溶解し、爆破し、または浸出することにより、出口オリフィスを形成しうる。出口オリフィスは、米国特許第4,200,098号明細書に開示されているように膜または層からソルビトール、ラクトースなどを浸出することにより形成される孔でありうる。この特許は、膜から物質を、例えば酢酸セルロースからソルビトールを、溶解し、引き抜き、または浸出することにより形成される調節された寸法の多孔性の孔を開示している。レーザー穿孔の好ましい形態は、複合膜から物質を所望する深度まで増分しながら除去して出口オリフィスを形成するパルスレーザーの使用である。上記方法を本発明に従ういずれかの適切な経口浸透薬用量形態と共に使用することができる。
【0041】
操作では、浸透活性剤の存在による膜22を越える浸透勾配が生物学的環境の流体を膜を通して吸収させて、薬品層を水和し、そして分配可能な複合調剤(例えば、溶液、懸濁液、スラリーまたは他の流動可能組成物)を内部区画内で形成する。流体が内部区画に入り続けるにつれて、分配可能な本発明の物質調剤は出口38を通って放出される。薬品調剤が薬用量形態から放出されるにつれても、流体は内部区画内に引き込まれ続け、それにより連続的放出を駆動する。この方法で、本発明の物質は持続的且つ連続的方法で長期間にわたり放出される。
【0042】
図10は別の例示経口浸透薬用量形態の図式的説明である。このタイプの薬用量形態は米国特許第4,612,008号明細書、第5,082,668号明細書、および第5,091,190号明細書に詳細に記載されている。簡単に述べると、断面図で示される薬用量形態40は内部区画44を規定する半透膜42を有する。内部区画44は薬品層46および押し出し層48を有する二層−加圧芯を含有する。以下に記載されるように、押し出し層48は押し出し層が使用中に膨張するにつれて薬品層を形成する物質が薬用量形態から1個もしくはそれ以上の例えば出口50の如き出口を通って排出されるように薬用量形態内に配置される排出組成物である。押し出し層は図10に示されているように薬品層と接触する積層配置で置かれることができ、或いは押し出し層および薬品層を分離する1つもしくはそれ以上の媒介層を有することもできる。
【0043】
薬品層46は本発明の物質を例えば図10に言及して以上で論じされたもののような選択された賦形剤と混合して含んでなる。例示薬用量形態は、本発明の物質、担体としてのポリ(エチレンオキシド)、浸透剤としての塩化ナトリウム、結合剤としてのヒドロキシプロピルメチルセルロース、および潤滑剤としてのステアリン酸マグネシウムを含んでなる薬品層を有することができる。
【0044】
押し出し層48は、当該技術において浸透重合体と称する、1種もしくは複数の浸透活性成分、例えば水性または生物学的流体、を吸収しそして膨潤する1種もしくはそれ以上の重合体、を含んでなる。浸透重合体は、水および水性生物学的流体と相互作用しそして高度に膨潤または膨張して、典型的には2〜50倍の容量増加を示す、膨潤可能な親水性重合体である。浸透重合体は架橋結合されてなくてもまたは架橋結合されていてもよく、そして好ましい態様では浸透重合体は少なくとも軽く架橋結合されて使用中に薬用量形態を容易に出すのには大きすぎ且つ絡まっている重合体網目構造を作成することができる。浸透重合体として使用できる重合体の例は、浸透薬用量形態を詳細に記述している上記の参考文献に示されている。代表的な浸透重合体は、ポリ(アルキレンオキシド)、例えば
ポリ(エチレンオキシド)、およびポリ(アルカリカルボキシメチルセルロース)であり、ここでアルカリはナトリウム、カリウム、またはリチウムである。例えば結合剤、潤滑剤、酸化防止剤、および着色剤の如き追加の賦形剤も押し出し層の中に包含しうる。使用中に、流体が半透膜を越えて吸収されるにつれて、1種もしくは複数の浸透重合体が膨潤しそして薬品層に押して薬品を薬用量形態から1種もしくは複数の出口を通って放出する。
【0045】
押し出し層は結合剤と称する成分も包含することができ、それは典型的にはセルロースまたはビニル重合体、例えばポリ−n−ビニルアミド、ポリ−n−ビニルアセトアミド、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ−n−ビニルカプロラクトン、ポリ−n−ビニル−5−メチル−2−ピロリドンなどである。押し出し層は潤滑剤、例えば、ステアリン酸ナトリウムまたはステアリン酸マグネシウム、および成分の酸化を抑制する酸化防止剤も包含しうる。代表的な酸化防止剤はアスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化されたヒドロキシアニソール、2および3第三級−ブチル−4−ヒドロキシアニソールの混合物、並びにブチル化されたヒドロキシトルエンを包含するが、それらに限定されない。
【0046】
浸透剤を浸透薬用量形態の薬品層および/または押し出し層に導入することもできる。浸透剤の存在は半透膜を越える浸透活性勾配を設定する。例示浸透剤は塩類、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウムなど、並びに糖類、例えばラフィノース、スクロース、グルコース、ラクトース、および炭水化物を包含する。
【0047】
経口浸透薬用量形態は場合により、服用量に応じて薬用量形態を色分けするためまたは薬品もしくは他の薬品の即時放出を与えるためにオーバーコート(示されていない)を包含することができる。
【0048】
使用中に、水は膜を越えてそして押し出し層および薬品層の中に流れる。押し出し層は流体を吸収しそして膨潤し始め、そして同時に薬品層44を押して層内の物質を出口オリフィスを通してそして胃腸管内に排出する。押し出し層48は流体を吸収しそして膨潤し続けて、本発明の物質を薬品層から連続的に排出するように設計される。
【0049】
ある態様では、本発明は経口浸透薬用量形態を用いる使用のための液体薬品調剤を提供する。液体薬品調剤を分配するための経口浸透薬用量形態およびこれらの使用方法は、当該技術で、例えば、ALZA corporationにより所有される以下の米国特許第4,111,201号明細書、第5,324,280号明細書、第6,174,547号明細書、第6,419,952号明細書、および第6,551,613号明細書に記載され且つ特許請求されているように既知である。
【0050】
本発明のための例示液体担体は親油性溶媒(例えば、油類および脂質類)、界面活性剤、並びに親水性溶媒を包含する。例示親油性溶媒は、例えば、カプムル(Capmul)PG−8、カプロール(Caprol)MPGO、カプリオール(Capryol)90、プロロール・オレイク(Plurol Oleique)CC497、カプムルMCM、ラブラファック(Labrafac)PG、N−デシルアルコール、カプロール10G10O、オレイン酸、およびビタミンEを包含するが、それらに限定されない。例示界面活性剤は、例えば、ビタミンE TPGS、クレモフォル(Cremophor)EL−P、ラブラソル(Labrasol)、ツイーン(Tween)20、およびクレモフォルRH40を包含するが、それらに限定されない。例示親水性溶媒は、例えば、イソソルビド・ジメチル・エーテル(Isosorbide Dimethyl Ether)、ポリエチレングリコール200(PEG200)、ポリエチレングリコール300(PEG300)、ポリエチレングリコール400(PEG400)、ポリエチレングリコール600(PEG600)、メトキシポリエチレングリコール350(MPEG350)、メトキシポリエチレングリコール550(MPEG550)、トランスクトール(Transcutol)HP、およびポリエチレングリコール(PG)、並びにこれらの溶媒の組み合わせを包含するが、それらに限定されない。
【0051】
熟練専門家は、患者に対する投与に適する液体担体中に溶解させた充分な薬用量の本発明の物質を含んでなるいずれの調剤でも本発明において使用できることを理解するであろう。
【0052】
本発明に従う液体調剤は、例えば、酸化防止剤、透過促進剤などのような追加の賦形剤を含んでなりうる。酸化防止剤はカプセル中に存在する自己酸化可能物質の速度を遅らせるかまたは効果的に停止させるために与えられうる。酸化防止剤は先行技術では米国特許第2,707,154号明細書、第3,573,936号明細書、第3,637,772号明細書、第4,038,434号明細書、第4,186,465号明細書、および第4,559,237号明細書で既知である。
【0053】
ある種の態様では、本発明の物質は自己−乳化性調剤として投与される。他の液体担体のように、界面活性剤は集塊化を予防し、成分間の界面張力を減じ、成分の自由流動を促進させ、そして薬用量形態内の成分滞留の発生を少なくするために機能する。本発明の乳化調剤は乳化を与える界面活性剤を含んでなる。
【0054】
本発明の浸透薬用量形態は2種の特徴的な形態である軟質カプセル形態(図12に示される)および硬質カプセル形態(図11に示される)をさらに有することができる。硬質キャップ薬用量形態の製造方法は米国特許第6,174,547号明細書、第6,419,952号明細書、および第6,596,314号明細書に記載されている。
【0055】
半透膜は軟質または硬質カプセル浸透薬用量形態内に複数の層を含有する区画を取り囲み且つ形成しており、それらの1つはある種の態様では浸透剤を含有しうる膨張可能層である。膨張可能層は1つの態様では例えば胃液の中に存在する水の存在下で膨潤する水で活性化される組成物を含んでなる。簡便には、それは使用環境中に存在する外部流体に対して半透過層を越える浸透圧勾配を示す浸透溶質を含んでなる浸透性組成物を含んでなりうる。別の態様では、水で活性化される層は流体を層の中に外部半透膜を通して吸い上げおよび/または吸収するヒドロゲルを含んでなる。半透膜は無毒である。それは操作中にその物理的および化学的一体性を維持しそしてそれは膨張可能層との相互作用を実質的に含まない。半透膜はここの別の場所でさらに論じられる。
【0056】
軟質または硬質カプセル浸透薬用量形態の1つの好ましい態様における膨張可能層は、浸透重合体としても知られる親水性重合体を含んでなる水活性層を含んでなる。浸透重合体は流体吸収性質を示す。浸透重合体は膨潤可能な親水性重合体であり、その浸透重合体は水および生物学的水性流体と相互作用しそして平衡状態になるまで膨潤または膨張する。浸透重合体は水および生物学的流体の中で膨潤しそして重合体構造内に吸収された流体の有意な部分を保持する。浸透重合体は非常に高い程度まで膨潤または膨張し、一般的には2〜50倍の容量増加を示す。浸透重合体は架橋結合されてなくてもまたは架橋結合されていてもよい。膨潤可能な親水性重合体は1つの態様では軽く架橋結合されており、そのような架橋結合は共有もしくはイオン結合または膨潤後の残存結晶性領域により形成される。浸透重合体は植物、動物または合成源でありうる。
【0057】
ある種の態様では、軟質または硬質カプセル浸透薬用量形態はバリアー層をさらに含んでなりうる。バリアー層はある種の態様では膨張可能層によりかけられる圧力下で変形可能性でありそして膨張可能層内に存在しうる流体および物質、液体の活性調剤並びに活性調剤の分配中の使用環境内に不透過性(または比較的少ない透過性)であるであろう。
【0058】
バリアー層、膨張可能層および半透過層を形成する種々の層は例えば米国特許第5,324,280号明細書の如き従来のコーティング方法により適用することができる。バリアー層、膨張可能層および半透膜は簡単にするために単一層として説明されそして記述されてきたが、これらの層の各々は数層の複合体でありうる。
【0059】
経口浸透薬用量形態の1つのタイプを製造する際に有用であるとしてここに開示されている物質および方法は経口浸透薬用量形態の別のタイプの製造においても有用に適用されうる。そのような物質および方法の交差−適用は普遍的に既知である。
【0060】
高流動性膜
本発明の浸透装置は外部の生物学的流体の通過に透過性であり且つ薬品調剤の通過に実質的に不透過性である半透膜を含んでなる。膜を形成するために使用される選択的透過性組成物は本質的に非−腐食性でありそしてそれらは浸透システムの機能寿命中に生物学的流体内に不溶性である。半透膜は、宿主、薬品調剤、浸透重合体、浸透剤などに悪影響を与えない組成物を含んでなる。上記のように、ある種の環境では、半透膜を通る高い流体流動性は(例えば、開始時間を短縮するために)望ましい。高流動速度調節膜は、水不溶性重合体膜内の高割合の水溶性流動促進剤よりなる膜配合物を含んでなるものである。そのような環境では、増加する水準の流動促進剤が半透膜に導入される。
【0061】
従来の経口浸透薬用量形態では、典型的な流動性半透膜は約77重量%〜約100重量%の半透過性重合体、約0重量%〜約23重量%の流動促進剤、および<0.0023%の酸化防止剤を含んでなりうる。ある態様では、本発明の半透膜は約50重量%〜約77重量%の半透過性重合体、約23重量%〜約50重量%の流動促進剤、および約0.01重量%〜約5.0重量%の酸化防止剤を含んでなりうる。半透膜の成分の全ての重量%は半透膜の合計乾燥重量を基準とする。検査によりわかるように、本発明の半透膜は先行技術のさらに典型的な低流動性半透膜と比べてはるかに多い水準の流動促進剤および酸化防止剤を含んでなる。
【0062】
ある種の態様では、半透過性重合体、流動促進剤、および1種もしくは複数の酸化防止剤を適当な溶媒系中で撹拌しながら溶解させることにより高流動性膜を製造することができる。場合により、溶液を撹拌しながら暖めて完全且つ急速な溶解を促進させうる。好ましい半透過性重合体はテネシー州、キングスポートのイーストマン・ケミカル・カンパニー(Eastman Chemical Company)により製造されそして供給される酢酸セルロースである。この重合体は酸化防止剤なしで供給される。好ましい流動促進剤はニュージャージー州、マウント・オリーブのバスフ・コーポレーション(BASF Corporation)により製造されそして供給されるLutrol(R)F127またはLutrol(R)F68である。Lutrolは一般的に製造業者によると安定剤として100ppmのBHTの名目濃度で供給される。本発明の好ましい酸化防止剤はルイジアナ州、ゲイスマーのユニロイヤル・ケミカル(Uniroyal Chemical)により供給されるBHTである。好ましい溶媒系はアセトンである。或いは、約3重量%までの水と配合されたアセトンよりなる溶媒系も好ましい。
【0063】
半透膜の形成において有用な代表的な半透過性重合体は、半透過性ホモ重合体、半透過性共重合体などを含んでなる。1つのここで好ましい態様では、組成物はセルロースエステル類、セルロースエーテル類、およびセルロース−エステル−エーテル類を含んでなりうる。セルロース系重合体は典型的には0より多く3までのそれらのアンヒドログルコース単位に対する置換度、「D.S.」を有する。置換度によると、置換基により置換されるかまたは別の基に転化されるアンヒドログルコース単位上に最初に存在するヒドロキシル基の平均数が意味される。アンヒドログルコース単位は例えばアシル、アルカノイル、
アルケノイル、アロイル、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、カルボアルキル、アルキルカルバメート、アルキルカーボネート、アルキルスルホネート、アルキルスルファメート、半透過性重合体形成基などの如き基で部分的にまたは完全に置換されうる。半透過性組成物は典型的にはセルロースアシレート、セルロースジアシレート、セルローストリアシレート、セルローストリアセテート、セルロースアセテート、セルロースジアセテート、モノ−、ジ−およびトリ−セルロースアルカニレート類、モノ−、ジ−、およびトリ−アルケニレート類、モノ−、ジ−、およびトリ−アロイレート類などよりなる群から選択される員を包含する。例示重合体は、例えば、1.8〜2.3のD.S.および32〜39.9%のアセチル含有量を有するセルロースアセテート;1〜2のD.S.および21〜35%のアセチル含有量を有するセルロースジアセテート;2〜3のD.S.および34〜44.8%のアセチル含有量を有するセルローストリアセテート、などを包含しうる。より具体的なセルロース系重合体は、1.8のD.S.および38.5%のプロピオニル含有量を有するセルロースプロピオネート;1.5〜7のアセチル含有量および39〜42%のアセチル含有量を有するセルロースアセテートプロピオネート;2.5〜3%のアセチル含有量、39.2〜45%の平均プロピオニル含有量、および2.8〜5.4%のヒドロキシル含有量を有するセルロースアセテートプロピオネート;1.8のD.S.、13〜15%のアセチル含有量、および34〜39%のブチリル含有量を有するセルロースアセテートブチレート;2〜29%のアセチル含有量、17〜53%のブチリル含有量、および0.5〜4.7%のヒドロキシル含有量を有するセルロースアセテートブチレート;2.6〜3のD.S.を有するセルローストリアシレート類、例えばセルロースバレレート、セルローストリラメート、セルローストリパルミテート、セルローストリオクタノエート、セルロースジカルピレートなど;2.2〜2.6のD.S.を有するセルロースジエステル類、例えばセルロースジスクシネート、セルロースジパルミテート、セルロースジオクタノエート、セルロースジカプリレートなど;混合セルロースエステル類、例えばセルロースアセテートバレレート、セルロースアセテートスクシネート、セルロースプロピオネートスクシネート、セルロースアセテートオクタノエート、セルロースバレレートパルミテート、セルロースアセテートヘプトネートなどを包含する。半透過性重合体は米国特許第4,077,407号明細書で既知でありそしてそれらはニューヨークのInterscience Publishers,Inc.,により発行されたEncyclopedia of Polymer Science and Technology,Vol.3,pages 325 to 354,1964に記載された工程により合成することができる。半透膜を形成するための別の半透過性重合体は、例えば、セルロースアセトアルデヒドジメチルアセテート;セルロースアセテートエチルカルバメート;セルロースアセテートメチルカルバメート;セルロースジメチルアミノアセテート;半透過性ポリアミド;半透過性ポリウレタン類;半透過性スルホン化ポリスチレン類;米国特許第3,173,876号明細書、第3,276,586号明細書、第3,541,005号明細書、第3,541,006号明細書、および第3,546,142号明細書に開示されているようなポリアニオンおよびポリカチオンの共沈殿により形成される架橋結合された選択的半透過性重合体;米国特許第3,133,132明細書に開示されているような半透過性重合体;半透過性ポリスチレン誘導体;半透過性ポリ(ナトリウムスチレンスルホネート);半透過性ポリ(ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド);半透膜を越える1気圧の静水または浸透圧差として表示される10exp−5〜10exp−2(cmミル/気圧時間)の流体透過性を示す半透過性重合体を含んでなりうる。重合体は当該技術で米国特許第3,845,770号明細書、第3,916,899号明細書、および第4,160,020号明細書、並びにオハイオ州、クリーブランドのCRC Pressにより発行されたHandbook of Common Polymers,by Scott,J.R.,and Roff,W.J.,1971で既知である。
【0064】
半透膜は流動促進剤も含んでなりうる。流動促進剤はしばしば本質的に親水性である。
ある態様では、半透膜内の流動促進剤の量は半透膜の合計乾燥重量を基準として少なくとも約23重量%、好ましくは約23重量%〜約50重量%、より好ましくは約25重量%〜約45重量%、そしてさらにより好ましくは約30重量%〜約40重量%である。
【0065】
本発明により包括される促進剤のタイプは、エチレンオキシドまたはエチレングリコールの繰り返し単量体単位を有する1個もしくはそれ以上のポリエチレンオキシドまたはポリエチレングリコール部分を包含する分子構造を有するものである。1種の流動促進剤当たりの繰り返し単位の平均数は3〜2,500の範囲にわたり、20〜400の好ましい範囲、そして150〜250の特に好ましい範囲である。そのような重合体は、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンの2ブロック共重合体、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンの3ブロック共重合体、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンの3ブロック共重合体、エチレンジアミンに対するプロピレンオキシドおよび次にエチレンオキシドの順次添加から誘導される4官能性ブロック共重合体、脂肪酸類のポリエチレングリコールおよびポリエチレンオキシドエステル類、例えばポリエチレングリコールミリステート、ポリエチレングリコールパルミテート、ポリエチレングリコールオレエート、ポリエチレングリコールステアレート、ポリエチレングリコールオレエート、ポリエチレングリコールリノレート、ポリオキシルジミリステート、ポリオキシルジパルミテート、ポリオキシルオレエート、ポリオキシルジステアレート、ポリオキシルジオレエート、ポリオキシルジステアレート、エチレンオキシドのグリセリドエステル類、例えばポリオキシエチレンひまし油、水素化されたひまし油のポリオキシエチレン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールモノセチルエーテル、ポリエチレングリコールセトステアリルエーテル、ポリエチレングリコールラウリルエーテル、ポリエチレングリコールオレイルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルエーテル、エトキシル化された脂肪アルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノイソステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンセプタオレエート、およびポリオキシエチレンイソヘキシデシルエーテルを包含する群から選択される。他の流動促進剤はポリオキシエチレンプロピレングリコールミリステート、ポリオキシエチレンプロピレングリコールパルミテート、ポリオキシエチレンプロピレングリコールオレエート、ポリオキシエチレンプロピレングリコールリノレート、ポリエチレングリコールカプリリック/カプリックグリセリド類、ポリエチレングリコールヒドロキシミリステート、ポリエチレングリコールヒドロキシパルミテート、ポリエチレングリコールヒドロキシオレエート、ポリエチレングリコールヒドロキシリノエート、ポリエチレングリコールヒドロキシステアレート、ポリエチレングリコールヒドロキシオレエート、ポリエチレングリコールヒドロキシミリステート、ポリエチレングリコールヒドロキシパルミテート、ポリエチレングリコールラノリン、ポリエチレングリコールラノリンアルコール、ポリプロピレングリコールポリエチレングリコールラノリン、ペギル化された(pegylated)堅果油類、例えばポリエチレングリコールピーナッツ油、ポリエチレングリコールアーモンド油、ポリエチレングリコールパーム核油、ポリエチレングリコールココヤシ油、ペギル化された穀粒油類、例えばペギル化されたトウモロコシ油、ペギル化された小麦胚芽油、ペギル化された種子油類、例えばペギル化された綿実油、ペギル化されたヒマワリ油、ペギル化されたゴマ油、ペギル化された魚油類、例えばペギル化されたサメ肝油、ペギル化されたメンハーデン油、ペギル化されたタラ油、ペギル化されたサメ肝油、ペギル化されたオリーブ油などを包含する。本発明において有用なペギル化された化合物のさらに完全な列挙はMcCutheon’s Detergents and Emulsifiers,International Eddition,1979 AnnualおよびBASF Pluronic and Tetronic Surfactants(1999)に見られる。
【0066】
膜に柔軟性および伸び性質を与えるための半透膜を形成するため、膜を比較的非脆弱性ないし非脆弱性にするため、および引き裂き強度を与えるために使用できる他の物質は、例えば、フタレート可塑剤、例えばジベンジルフタレート、ジヘキシルフタレート、ブチルオクチルフタレート、炭素数6〜8の直鎖状フタレート類、ジ−イソノニルフタレート、ジ−イソデシルフタレートなどを包含する。可塑剤は非フタレート類、例えばモノアセチン、ジアセチン、トリアセチン、低分子量ポリエチレングリコール、例えばPEG400;クエン酸トリメチル、クエン酸アセチルトリメチル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリ−n−ヘキシル、クエン酸アセチルトリ−n−ヘキシル、クエン酸ブチルトリヘキシル、クエン酸トリシクロヘキシル、クエン酸アセチルトリ−n−(ヘキシル/オクチル/デシル)、クエン酸アセチルトリ−n−(オクチル/デシル)、クエン酸アセチルトリ−n−(デシル/ドデシル)、クエン酸トリステアリル、クエン酸モノステアリルなどを含んでなる群から選択される員を包含するクエン酸のエステル類;アゼライン酸ジオクチル、エポキシド化されたタラート、トリメリト酸トリ−イソオクチル、トリメリト酸トリ−イソノニル、スクロースアセテートイソブチレート、エポキシド化された大豆油、エチルヘキシルアセテート、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)などを包含する。膜内に導入される場合のその中の可塑剤の量は約0.01重量%〜20重量%、もしくはそれ以上である。
【0067】
半透膜溶液は、パンまたはカラムコーター内で暖かい空気流中で充分な厚さのコーティングが各錠剤の上に累積するまで芯に噴霧コーティングすることができる。好ましいコーティング厚さは3〜12ミルであり、4〜6ミルがより好ましい範囲である。生じたシステムに1個もしくはそれ以上の分配口を穿孔しそして次に強制空気炉の中で乾燥して残存コーティング溶媒を除去する。或いは、半透膜を芯に積層することもできる。ここに開示された量のここに開示された物質から半透膜を形成するための別の方法を当業者により文献から採用することができる。
【0068】
酸化防止剤
以上で論じたように、高められた水準の流動促進剤は高められた流動性水準を与えるが、棚上での貯蔵中の経口浸透薬用量形態の安定性に負の影響も与える。これらの安定性問題は以下の実施例に例示される。実施例におけるデータは、高められた水準の酸化防止剤を半透膜内に導入することによりそのような安定性問題を処理できることを示している。高められた濃度の酸化防止剤の包含が、以下の実施例に示されているように、貯蔵中の半透膜重合体分子量の改良された安定性を与える。膜の機械的性質を安定するためには半透膜重合体分子量が安定でなければならない。
【0069】
流動促進剤は(合計乾燥半透膜重量を基準として)約17重量%までの水準においては一般的に入手可能であり且つ許容可能な安定性経口浸透薬用量形態では半透膜内に含まれているために、半透膜内の酸化防止剤のそのような高められた水準に関する要望は期待されていない。さらに、一般的な半透膜は普通は酢酸セルロース類と調合される。これらの酢酸セルロース膜の安定性はそれらを酸化防止剤と調合することにより有利となることは明白でなく、その理由はこれらの重合体は普通は酸化防止剤なしで商業的に供給されるからである。さらに、半透膜内で使用されるある種の流動促進剤、例えばLutrol(R)F68またはLutrol(R)F127、は製造業者により酸化防止剤と予備調合されて供給される。しかしながら、実施例で見られるように、高められた量の例えばLutrol(R)の如き流動促進剤が半透膜内に導入される場合には、予備調合された酸化防止剤の量は安定性問題を予防するには不充分である。発明者は、半透膜のそしてその結果として経口浸透薬用量形態の安定性を改良するためにそれを越えて増加する割合の酸化防止剤を必要とする流動促進剤導入のしきい値があることを予期せぬことに発見した。ある態様では、半透膜の合計乾燥重量を基準として、半透膜が約23重量%〜約50重量%の流動促進剤を含んでなる場合には、半透膜は約0.01重量%〜約5重量%の酸化防止剤も含んでなる。
【0070】
ある態様では、別量の酸化防止剤を半透膜に加えて半透膜の合計重量に関する酸化防止剤の濃度を約0.002〜0.005重量%の水準から約0.014〜0.03重量%の水準に上昇させる。ある態様では、半透膜は半透膜の合計乾燥重量を基準として約0.01重量%〜約5重量%、好ましくは約0.01重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約1重量%、そしてさらにより好ましくは約0.014重量%〜約0.05重量%の酸化防止剤を含んでなる。ある態様では、別量の酸化防止剤を乾燥膜内に加え、膜内に存在する流動促進剤の重量に関する酸化防止剤の水準は製造業者により供給される約100ppmから、約300ppmもしくはそれ以上の水準に、好ましくは約400ppmもしくはそれ以上に、より好ましくは約500ppmもしくはそれ以上に、そしてさらにより好ましくは約600ppmもしくはそれ以上に上昇させることができる。
【0071】
本発明において有用な酸化防止剤はブチル化されたヒドロキシアニソール、ブチル化されたヒドロキシトルエン、ブチル化されたヒドロキシメチルフェノール、第三級ブチルヒドロキノン、トコフェロール類、燐脂質類、レシチン、エデト酸、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、フマル酸、リンゴ酸、アスコルビン酸パルミテート、没食子酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、二酸化硫黄、チオグリセロール、チオグリコール酸、システイン塩酸塩、アセチルシステイン、パルミチン酸アスコルビル、ヒドロキノン、ノルジヒドログアイアレチン酸を含んでなる。他の酸化防止剤はフェノール類、ビスフェノール類、ポリフェノール類、ヒドロキノン誘導体、亜燐酸フェニル類、フェニルチオエステル類、フェニルアミン類、フェニレンジアミン類、ジフェニルアミン類、テトラキス(メチレン3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、亜燐酸トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、N’,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)、ホスホン酸o,o−ジ−n−オクタデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル、3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル、チオジエチレンビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート、オクチル化されたジフェニルアミン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、4,4’メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、上記の組み合わせなどを包含する。本発明の実施において有用でありうる別の酸化防止剤は米国特許第3,723,147号明細書(1973年3月、イーストマン・コダック(Eastman Kodak)に譲渡された);第4,137,201号明細書(1979年1月、イーストマン・コダックに譲渡された);第4,839,405号明細書(1989年1月、プラスチカラーズ・インコーポレーテッド(Plasticolors,Inc.)に譲渡された);米国特許出願公開第20030097963号明細書(2003年5月、イーストマン・コダックに譲渡された);および「適合可能な半透過性バリアーを越える透過剤の流動性を調節する方法が剤を哺乳動物身体または植物に投与するため並びに哺乳動物をワクチン処理することにより免疫応答を発生させるために有用である(Method for controlling the flux of penetrants across an adaptable semi−permeable barrier is useful for administering an agent to a mammalian body or a plant and for generating an immune response by vaccinating the mammal)」の名称がついた特許譲渡人:アイデア・AG(Idea AG)、発明者:Cevc,G;Richardson,H;Weiland−Waibel,A.の国際公開第200101963号パンフレットに挙げられている。
【0072】
本発明の態様に適用されたような本発明の特徴および利点が記述されそして指摘されてきたが、医学分野における専門家は発明の精神から逸脱せずに明細書に記述された方法における種々の修飾、変更、追加、および省略を行えることを認識するであろう。
【実施例】
【0073】
以下の実施例は本発明の説明用であり、そしてこれらの実施例およびそれらの別の同等物は本開示、図面および添付された特許請求の範囲に照らして当業者には明らかになるであろうため、本発明の範囲を何らかの方法で制限するものと考えるべきでない。
【0074】
実施例1:塩化カリウム芯
経口浸透薬用量形態における使用のための標準的な芯を以下の通りにして製造した。最初に、5,640グラムの塩化カリウム粉末を45メッシュふるいの中に通しそして23時間にわたり強制空気中で50℃において乾燥した。1モル当たり約44,000〜54,000グラムの範囲内の分子量を有する300gのポリビニルピロリドン(K2932)を1200グラムの無水エチルアルコール処方SDA3Aの中に溶解させた。SDAアルコールは、5容量部のメタノールと配合された100容量部のエタノールを含んでなる特別に変性させたアルコールをさす。乾燥塩化カリウム粉末をホバート混合ボールの中に充填した。PVPのエタノール溶液を粉末に混合しながらゆっくり加えた。混合が約30分間にわたり続いた。生じた湿潤物体を20−メッシュふるいの中に通しそして生じた針状物を煙フードの中で室温において一晩にわたり乾燥した。乾燥針状物を次に20−メッシュふるいの中に通して5,097グラムを生成した。生じた顆粒をツイン・シェル・ミキサーに移した。25.6グラムのステアリン酸マグネシウムを顆粒上で80メッシュふるいの中に通しそしてミキサーの中で2分間にわたり配合した。最終的な顆粒は94.5重量%の塩化カリウム、5重量%のポリビニルピロリドン、0.5重量%のステアリン酸マグネシウムを含んでなっていた。
【0075】
生じた顆粒を3/8インチ丸型標準両凹器具が装着されたキリアン錠剤プレスに移した。顆粒を加圧して532mgの名目重量を有する錠剤にした。これは1個の錠剤当たり約500mgの名目塩化カリウム含有量に相当する。
【0076】
実施例2:製造試験試料
6種の膜調剤(試料タイプA−F)を実施例1に従い製造されたマスターバッチからの6つの別個のサブロットの浸透芯の上にコーティングした。6つのバッチを14インチパンが装着されたハイ−コーターの中で噴霧コーティングした。各バッチに関してパンに約170グラムの塩化カリウム芯および約830グラムのラクトース錠剤を充填した。ラクトース錠剤はコーティング工程中のパン内での適切な撹拌作用を確実にするために錠剤床に追加バルクを与えた。半透膜−形成用組成物を表1に示された成分を用いて、成分をアセトン中に溶解させて5.0重量%固体分溶液を製造することにより、製造した。この溶液製造中の温かい水浴内への溶液の導入が成分の溶解を促進させた。膜−形成用組成物を芯の上にコーティングして各サブロット用の半透膜を与えた。コーティングされた錠剤を次に一晩にわたり強制空気炉の中で40℃において乾燥した。
【0077】
【表1】

【0078】
CA−398−10=ASTM試験D817(処方A)により測定されたボール粘度10秒間に入る、39.8重量%の平均アセチル含有量を有する酢酸セルロース
LutrolF68=a=約80であり、b=約27であり、そして平均分子量=1モル当たり7,680−9,510グラムであるエチレンオキシド:プロピレンオキシド:エチレンオキシドのa:b:a三元ブロック共重合体
LutrolF127=a=約101であり、b=約56であり、そして平均分子量=1モル当たり9,840−14,600グラムであるエチレンオキシド:プロピレンオキシド:エチレンオキシドのa:b:a三元ブロック共重合体
BHT=ブチル化されたヒドロキシトルエン
(註:重量百分率として表示される酸化防止剤含有量は乾燥膜の合計重量を基準として計算されるが、百万部当たりの部数として表示される酸化防止剤含有量はLutrolの重量を基準として計算される。)
【0079】
次に、10ミル出口オリフィスをコーティングされた錠剤の中に機械的に穿孔して、芯と分配装置の外側との接触を与えた。
【0080】
実施例3:時効および放出速度試験
実施例2からのサブロットA−Fを各瓶に含まれた5つのシステムを有する20ccのスクリュー−キャップガラス瓶内に包装した。各サブロットの瓶を次に4群に分けた。生じた群を次に4種の貯蔵温度に、瓶の各サブロットの部分が4℃、周囲室温、40℃、および50℃で貯蔵されるように置いた。
【0081】
生じた瓶を、貯蔵時間0、1.5ヶ月間、3ヶ月間、6ヶ月間、12ヶ月間、18ヶ月間、および24ヶ月間において試料採取した。各貯蔵時間および温度において、システムの瓶を回収しそして塩化カリウムの放出速度を測定することにより性能を評価した。完成したシステムを40メッシュナイロンバッグに装入しそしてそれらを37℃において恒温化された脱イオン水を含有する試験管の中でUnited States Pharmacopeia National Formulary 26/21 Apparatus 7溶解テスター内で放出させることにより、放出性能を測定した。試験は2時間毎の試料採取時間で26時間の期間にわたり行われた。伝導率計および既知濃度の塩化カリウ
ムの対比溶液を用いる伝導率分析により、塩化カリウムの放出速度、dm/dt、を測定した。0桁速度部分中の平均放出速度、dm/dt、を累積放出の20%および70%の間の平均速度として測定した。平均放出速度を次に特定の膜調剤に関してそして特定の貯蔵温度に関して貯蔵時間の関数としてプロットした。各プロットのデータを連結する線はデータの線状回帰を表わす。各プロットを2本の水平点線で構成することもでき、それらの線はそれぞれ0貯蔵時の平均放出速度プラス5%およびマイナス5%を表わす。
【0082】
室温、40℃、および50℃において貯蔵されたシステムに関するこれらの試験の結果は、それぞれ、図1〜3に示されている。4℃において貯蔵されたシステムは時間0と比べて安定性における変化を示さず、従って、時間/温度影響の分析から除外される。
【0083】
図1〜3に再び戻ると、各図面の左欄にある個別のプロットは100ppmの酸化防止剤の標準的水準で安定化された膜の性能を表わす。各図面の右にある個別プロットは600ppmの本発明の酸化防止剤で安定化された半透膜の性能を表わす。これらのプロットの観察から、全ての膜の放出速度性能は個別プロットの線状回帰線のほとんどが負の傾斜により表示される時間、すなわちm−値、につれて下降する傾向があることが明らかである。右欄にあるプロットを左欄にあるプロットと比較すると、特定の流動促進剤濃度およびタイプにおいては負の傾斜の程度は先行技術の100ppmの酸化防止剤水準と比べて本発明の600ppmを有する膜に関してはかなり小さいことも明らかである。より小さい傾斜は貯蔵時間中の性能におけるより少ない変化およびその結果としての先行技術膜と比べてより良好な貯蔵時安定性を示す。例えば、図2に言及すると、39mgの重量でありそして600ppmのBHTと調合された70部の酢酸セルロースおよび30部のLutrolF127と調合されておりそして40℃において貯蔵された膜はm=−0.0517の小さい負の傾斜を有する。対照的に、同じ条件で貯蔵されたが100ppmの先行技術のBHTと調合された同様な膜はm=−0.3319のはるかに大きい負の傾斜を有する。これらの比較は、標準的先行技術実施法と比べてこれらの新しい膜に対して機能的安定性を付与するという本発明の利点を明らかに説明している。
【0084】
これらのデータの別の分析は、従来の実施法と比べた本発明の実施による膜貯蔵寿命安定性の改良を示す。図4はこれらのデータのアレーニウスプロットを表わす。各プロットの座標は特定温度において貯蔵された特定膜組成物の貯蔵寿命を表わす。貯蔵寿命データは、図1〜3における線状回帰線と時間0における放出速度と比べた場合の平均放出速度における5%減少を表わす水平点線との交差点として、得られた。貯蔵寿命は摂氏温度から華氏温度に転換された相反貯蔵温度の関数としてプロットされる。この分析が特定膜組成物の室温における長期貯蔵寿命の推定値を与える。図4の左にあるプロットに言及すると、70部の酢酸セルロースおよび30部のLutrolF68を100ppmの酸化防止剤と共に含んでなる膜に関する推定貯蔵寿命は18ヶ月間だけである。対照的に、600ppmの本発明の酸化防止剤で安定化されたこと以外は同様な半透膜組成物は33ヶ月間の実質的により長い推定貯蔵寿命を与える。同様に、図4の右にあるプロットに言及すると、70部の酢酸セルロースおよび30部のLutrolF127を100ppmの酸化防止剤と共に含んでなる膜に関する推定貯蔵寿命は18ヶ月間だけであるが、600ppmの本発明の酸化防止剤で安定化されたこと以外は同様な半透膜組成物は5年間より長い推定貯蔵寿命を与える。
【0085】
実施例4:膜引っ張り試験
4℃、室温、40℃、または50℃において1年間にわたり貯蔵された実施例3からのシステムからの残存膜殻を放出速度試験から回収し、レーザーで半分の殻に切断し、そして脱イオン水の中に室温において5日間にわたり撹拌しながら浸してLutrol流動促進剤を除去した。浸す前に、膜は70部の酢酸セルロースおよび30部のLutrolF68または70部の酢酸セルロースおよび30部のLutrolF127に相当していた
。膜を標準的な100ppmの先行技術の酸化防止剤またはそれより高い酸化物濃度の600ppmの本発明の酸化防止剤のいずれかと調合した。生じた浸された殻を次に一晩にわたり強制空気炉の中で40℃において乾燥した。次に、半分の殻を52%相対湿度において一定重量となるまで湿らせた。最後に、膜を次に脱イオン水の中で引っ張り試験前の4−24時間にわたり再水和した。
【0086】
生じた水和膜半殻からスチール・ルール・ドッグボーン・ダイを用いてドッグボーン試料を穿孔した。ダイは0.125インチのネック寸法および0.350インチの長さを有していた。生じた水和したドッグボーン試料をジャーで挟みそしてInstron Tensile Tester Series IX Automated Materials Testing Systemの中で引っ張った。毎分10mmのクロスヘッド速度を測定用に使用した。破壊時の伸び値を各殻に関して少なくとも3個のドッグボーンで測定した。膜の破壊時の伸びの平均値を測定しそして標準偏差を計算した。
【0087】
これらの引っ張り試験の結果を図5に示す。上部の2つの枠は70部の酢酸セルロースおよび30部のLutrolF68と調合された膜の性質を表わす。下部の2つの枠は70部の酢酸セルロースおよび30部のLutrolF127と調合された膜の性質を表わす。左にある2つの枠は先行技術濃度の100ppmの酸化防止剤で調合されたこれらの膜を表わす。右にある2つの枠は本発明濃度の600ppmの酸化防止剤で調合されたこれらの膜を表わす。各プロットの横座標は、1年間の貯蔵中に膜が露呈された貯蔵温度を表わす。
【0088】
図5の左にある一対の枠に再び言及すると、先行技術の膜が、特に室温(すなわち約25℃)貯蔵と比べて負荷のかかる温度条件では、機械的性質の劣化をこうむることは明らかである。破壊時の伸び値は40℃−50℃において低下し、膜が脆くなることを示している。対照的に、図5の右にある一対の枠は40℃および50℃の貯蔵時でさえ室温の25℃貯蔵と比べて1年間にわたり破壊時の伸びにおける減少のありうる低下がないことにより証明されるような本発明の改良され且つ安定な機械的性質を示している。
【0089】
実施例5:酸化防止剤保持
BHTは70℃の比較的低い融点を有しそして高温において昇華する。酸化防止剤が膜内で保持されそしてそれが充分な量で存在する場合でさえ長期間にわたり拡散除去されず有利な酸化防止剤効果を与えることが重要である。高温において貯蔵された膜内のBHTの保持が従って試験された。
【0090】
最初に理論的濃度の100ppmBHTまたは600ppmBHTと調合されそして2年間にわたり4種の温度においてスクリュー−キャップガラス瓶の中で貯蔵された実施例3からの70/30 CA398/Lutrol膜を高性能液体クロマトグラフィーによりBHT含有量に関して検定した。図6はこれらの検定の結果を示す。データは、室温において密封瓶の中でさえ、BHTの実質的な減少が貯蔵時に起きることを示している。最初に比較的多量の本発明のBHTと調合された膜は先行技術膜と比べて貯蔵中に比較的多量を保有しており、従って比較的良好な性質を維持する。100ppmBHTの時間0含有量を有する従来の膜は例えば40℃における2年間の貯蔵によって脆く且つ弱くなるが、600ppmと調合された本発明のものは脆かったりまたは弱かったりせずそして機械的一体性を保有していた。
【0091】
実施例6:分子量試験
分子量は良好な機械的性質を与えるために必要であるため、膜の膜−形成性重合体が分子量を維持することが重要である。分子量における減少は、それらが脆くなりうるためにもはや機能しない膜を生じうる。実施例3における放出試験から回収されたセルロース膜
殻の試料を水中に浸して水溶性成分を水−不溶性酢酸セルロースから分離し、そして以上の実施例4に記載されている通りにして乾燥した。生じた乾燥酢酸セルロース膜殻を次にテトラヒドロフランの中に溶解させた。生じた溶液をゲル透過クロマトグラフの中に通して重合体の分子量を測定した。30%の促進剤と調合されそして2年間にわたり4℃、室温、40℃、および50℃において貯蔵された各調剤の2つの膜試料を同定した。
【0092】
最初に70部の酢酸セルロース398−10および30部のLutrolF127と調合された膜に関するこの試験の結果は図7の上部枠に示されている。先行技術水準の100ppm酸化防止剤を含むLutrolF127と配合された酢酸セルロースの分子量は、40℃における2年間の貯蔵後に貯蔵温度につれて分子量における顕著な低下を示した。この低下は三角形記号の付いた曲線により表わされる。対照的に、600ppmの本発明の酸化防止剤以外は同様な膜組成物の分子量は、円形記号により表わされているように、同一時間の期間にわたり冷蔵された膜の分子量と比べて、40℃における2年間にわたる貯蔵後でさえ安定であった。
【0093】
同様に、最初に70部の酢酸セルロース398−10および30部のLutrolF68と調合された膜に関するこの試験の結果は図8の上部枠に示されている。先行技術水準の100ppm酸化防止剤を含むLutrolF68と配合された酢酸セルロースの分子量は、摂氏50度における2年間の貯蔵後は貯蔵温度につれて分子量における低下を示した。この低下は三角形記号の付いた曲線により表わされる。対照的に、600ppmの本発明の酸化防止剤以外は同様な膜組成物の分子量は、円形記号により表わされているように、同一時間の期間にわたり冷蔵された膜の分子量と比べて、40℃〜50℃における2年間にわたる貯蔵後でさえ安定であった。
【0094】
実施例7:透過性測定
膜透過性、K、は式1:
【0095】
【数1】

【0096】
[式中、h=膜厚さ、ミル、であり、
△Π=浸透圧、気圧、であり、
A=膜面積、cm、であり、
S=薬品溶解度、mg/ml、であり、
dm/dt=薬用量形態からの薬品の平均放出速度、mgの塩化カリウム/時間、である]
から計算された。
【0097】
試験したシステムに関する測定値は、△Π=245気圧、A=2.41cm、S=333mg/mlであった。膜厚さはテーブル・マイクロメーターで直接測定された。浸透圧は塩化カリウムの飽和溶液に関して37℃においてKnauerモデルVPO蒸気圧浸透計および比較用の既知浸透圧の標準対比溶液を用いて測定された。錠剤芯の表面積は、最初に錠剤芯の寸法を測定しそして次に標準的測定式を用いて表面積を計算することにより、測定された。薬品溶解度は、塩化カリウムの飽和溶液の濃度を伝導率計および既知の水性濃度の塩化カリウムの対比溶液を用いる伝導率分析により測定することにより、測定された。平均放出速度は、2時間の時間間隔当たりに放出された塩化カリウムの質量を実施例3に記載された実験工程に従い測定することにより、計算された。次に、放出された塩化カリウムの合計質量を全ての2時間間隔に関して薬用量形態内に存在する初期服用量(500mg)の20%〜70%(100mg〜350mgの塩化カリウム)の間で合計された。最後に、これらの全間隔中に放出された薬品の合計質量を平均放出速度に達するためのこれらの時間間隔の合計により割り算した。20%〜70%累積放出対比は薬用量形態が実質的に一定の状態ですなわち0桁速度で分配されるため、それが選択された。
【0098】
膜重合体の透過性に対する高流動性膜内のBHT含有量の影響も評価した。図7に再び言及すると、下部枠は2年間にわたる4種の温度における貯蔵中の実施例3におけるシステムからの70/30酢酸セルロース398/LutrolF127の透過性を示す。100ppmの酸化防止剤を含む先行技術の膜を表わすデータは三角形記号で示され、600ppmの酸化防止剤を含む本発明の膜を表わすデータは円形記号で示される。明らかに、貯蔵温度が高まるにつれて全ての膜が透過性における低下を示す。表示されたデータは、本発明の膜はより少ない程度に低下しそしてその結果として先行技術膜に関する曲線よりかなり上にある本発明の膜に関する曲線により証明されているように先行技術膜より安定性が大きいことを示している。
【0099】
同様に、図8の下部枠は2年間にわたる4種の温度における貯蔵中の70/30酢酸セルロース398/LutrolF68の透過性を示す。先行技術の膜を表わすデータは三角形記号で示され、本発明の膜を表示するデータはグリーンの円形記号(green circular symbols)で示される。明らかに、本発明の膜は透過性の一定値により証明されるように比較的安定であるが、対照的に、先行技術膜の透過性は40℃〜50℃において急勾配で低下する。
【0100】
実施例8:液体薬用量形態(予想)
単位服用量のイブプロフェン(ibuprofen)を含有する液体浸透システムを製造する。薬品は遊離酸として存在しており、そしてカリウム塩は液体鋼油中に溶解されており且つ軟質ゼラチンカプセル内に含有されている。軟質ゼラチンカプセルをアクリル酸エチルメタクリル酸メチル70:30共重合体よりなる柔軟性不透過性膜でコーティングする。浸透押し出し機構を次に柔軟性不透過性膜の上にコーティングする。浸透エンジンは25部の塩化ナトリウムと配合された1モル当たり700,000グラムの分子量を有する75部のナトリウムカルボキシメチルセルロースよりなる。最後に、50部の酢酸セルロース、50部のLutrolF127および600ppmの酸化防止剤であるアスコルビン酸を含んでなる高流動性膜を浸透エンジン上にコーティングする。この高流動性膜組成物は重量基準で50部の酢酸セルロース、49.97部のLutrolF127、および0.03部のアスコルビン酸に相当する。コーティング層を通るがゼラチンカプセル壁は通らないように分配口を穿孔する。生じたシステムはイブプロフェンの単位服用量を4時間の期間にわたり分配しそして棚貯蔵時に安定である。
【0101】
実施例9:固体薬用量形態(予想)
250mg服用量の鎮痛性トラマドール(tramadol)HClを含有するプッシュプル浸透システムを製造する。92部のトラマドールHCl、5部のヒドロキシプロピルセルロース、2部のポリビニルピロリドン、および1部のステアリン酸マグネシウムの薬品顆粒を造粒溶媒としてエタノールを用いる標準的湿潤造粒工程により製造する。55部のポリオキシエチレン700万分子量、14部のヒドロキシプロピルセルロース80,000分子量、29部の塩化ナトリウム、1.5部の酸化第二鉄、および0.5部のステアリン酸マグネシウムよりなる押し出し顆粒組成物を標準的湿潤造粒工程により製造する。二層錠剤を13/32インチ丸型錠剤器具を用いて272mgの薬品層重量および137mgの押し出し層重量で加圧する。二層錠剤を、75部の酢酸セルロース298−10、25部のLutrolF68、および700ppmのブチル化されたヒドロキシルトルエンを含んでなる4−ミル厚さ膜でコーティングする。重量基準で、この膜の組成は75部の酢酸セルロース、24.9825部のLutrol、および.0175部のBHTに相当する。15−ミル直径の分配口を薬品層側で膜を越えて穿孔する。生じた分配システムは薬品服用量を毎時約50mgで約5時間の期間にわたり分配する。分配システムは棚上に長期間にわたり貯蔵された時に安定である。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】図1は室温において貯蔵された経口浸透薬用量形態の2年間安定性のプロットを示す。
【図2】図2は摂氏40度において貯蔵された経口浸透薬用量形態の2年間安定性のプロットを示す。
【図3】図3は摂氏50度において貯蔵された経口浸透薬用量形態の2年間安定性のプロットを示す。
【図4】図4は経口浸透薬用量形態の2年間放出性能のアレーニウスプロットを示す。
【図5】図5は数種の温度における1年間にわたる貯蔵後の経口浸透薬用量形態の速度調節膜の引っ張り性質のプロットを示す。
【図6】図6は数種の温度において2年間にわたり貯蔵された速度調節膜内の実際対理論的BHT含有量の比較からの結果を示す。
【図7】図7は数種の温度において2年間にわたり貯蔵された経口浸透薬用量形態上で流動促進剤と配合された速度調節膜の分子量および透過性に対するBHTの影響のプロットを示す。
【図8】図8は2年間にわたる貯蔵後の経口浸透薬用量形態上で流動促進剤と配合された速度調節膜の分子量および透過性に対するBHTの影響のプロットを示す。
【図9】図9は機素浸透ポンプ薬用量形態を示す。
【図10】図10は押し出し層を含んでなる経口浸透薬用量形態を示す。
【図11】図11は液体薬品調剤を含んでなる経口浸透薬用量形態を示す。
【図12】図12は液体薬品調剤を含んでなる経口浸透薬用量形態を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬品層を含んでなる芯、
芯を取り囲む半透膜、および
半透膜を通る少なくとも1個の出口
を含んでなる経口浸透薬用量形態であって、半透膜が半透膜の合計乾燥重量を基準として、約23重量%〜約50重量%の流動促進剤および約0.01重量%〜約5重量%の酸化防止剤を含んでなる経口浸透薬用量形態。
【請求項2】
経口浸透薬用量形態が機素浸透ポンプ薬用量形態(elementary osmotic pump dosage form)を含んでなる請求項1の経口浸透薬用量形態。
【請求項3】
半透膜内に出口から遠い箇所に配置された押し出し層をさらに含んでなる請求項1の経口浸透薬用量形態。
【請求項4】
薬品層が液体薬品調剤を含んでなる、請求項1の経口浸透薬用量形態。
【請求項5】
酸化防止剤がブチル化されたヒドロキシアニソール、ブチル化されたヒドロキシトルエン、ブチル化されたヒドロキシメチルフェノール、第三級ブチルヒドロキノン、トコフェロール類、燐脂質類、レシチン、エデト酸、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、フマル酸、リンゴ酸、アスコルビン酸パルミテート、没食子酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、二酸化硫黄、チオグリセロール、チオグリコール酸、システイン塩酸塩、アセチルシステイン、パルミチン酸アスコルビル、ヒドロキノン、ノルジヒドログアイアレチン酸を含んでなり、他の酸化防止剤がフェノール類、ビスフェノール類、ポリフェノール類、ヒドロキノン誘導体、亜燐酸フェニル類、フェニルチオエステル類、フェニルアミン類、フェニレンジアミン類、ジフェニルアミン類、テトラキス(メチレン3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、亜燐酸トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、N’,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)、ホスホン酸o,o−ジ−n−オクタデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル、3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル、チオジエチレンビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート、オクチル化されたジフェニルアミン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、または上記の組み合わせを包含する請求項1の経口浸透薬用量形態。
【請求項6】
半透膜が半透膜の合計乾燥重量を基準として約0.01重量%〜約3重量%の酸化防止剤を含んでなる請求項1の経口浸透薬用量形態。
【請求項7】
半透膜が半透膜の合計乾燥重量を基準として、約0.01重量%〜約1重量%の酸化防止剤を含んでなる請求項6の経口浸透薬用量形態。
【請求項8】
半透膜の合計乾燥重量を基準として、約23重量%〜約50重量%の流動促進剤および
約0.01重量%〜約5重量%の酸化防止剤を含んでなる半透膜を準備し、
薬品層を含んでなる芯の上に半透膜をコーティングし、そして
半透膜を通る少なくとも1個の出口を形成する
ことを含んでなる経口浸透薬用量形態の製造方法。
【請求項9】
経口浸透薬用量形態が機素浸透ポンプ薬用量形態を含んでなる請求項8の方法。
【請求項10】
芯が押し出し層をさらに含んでなる請求項8の方法。
【請求項11】
薬品層が半透膜内に出口から遠い箇所に配置された液体薬品調剤を含んでなる請求項8の方法。
【請求項12】
酸化防止剤がブチル化されたヒドロキシアニソール、ブチル化されたヒドロキシトルエン、ブチル化されたヒドロキシメチルフェノール、第三級ブチルヒドロキノン、トコフェロール類、燐脂質類、レシチン、エデト酸、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、フマル酸、リンゴ酸、アスコルビン酸パルミテート、没食子酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、二酸化硫黄、チオグリセロール、チオグリコール酸、システイン塩酸塩、アセチルシステイン、パルミチン酸アスコルビル、ヒドロキノン、ノルジヒドログアイアレチン酸を含んでなり、他の酸化防止剤がフェノール類、ビスフェノール類、ポリフェノール類、ヒドロキノン誘導体、亜燐酸フェニル類、フェニルチオエステル類、フェニルアミン類、フェニレンジアミン類、ジフェニルアミン類、テトラキス(メチレン3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、亜燐酸トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、N’,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)、ホスホン酸o,o−ジ−n−オクタデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル、3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル、チオジエチレンビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート、オクチル化されたジフェニルアミン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、4,4’メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、または上記の組み合わせを包含する請求項8の方法。
【請求項13】
半透膜が半透膜の合計乾燥重量を基準として約0.01重量%〜約3重量%の酸化防止剤を含んでなる請求項8の方法。
【請求項14】
半透膜が半透膜の合計乾燥重量を基準として約0.01重量%〜約1重量%の酸化防止剤を含んでなる請求項13の方法。
【請求項15】
請求項8の方法に従い製造される経口浸透薬用量形態。
【請求項16】
半透膜の合計乾燥重量を基準として、約23重量%〜約50重量%の流動促進剤および約0.01重量%〜約5重量%の酸化防止剤を含んでなる半透膜を含んでなる経口浸透薬用量形態を準備し、そして
経口浸透薬用量形態を患者に投与する
ことを含んでなる方法。
【請求項17】
経口浸透薬用量形態が機素浸透ポンプ薬用量形態を含んでなる請求項16の方法。
【請求項18】
半透膜内に配置された押し出し層をさらに含んでなる請求項16の方法。
【請求項19】
経口浸透薬用量形態が液体薬品調剤を含んでなる請求項16の方法。
【請求項20】
酸化防止剤がブチル化されたヒドロキシアニソール、ブチル化されたヒドロキシトルエン、ブチル化されたヒドロキシメチルフェノール、第三級ブチルヒドロキノン、トコフェロール類、燐脂質類、レシチン、エデト酸、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、フマル酸、リンゴ酸、アスコルビン酸パルミテート、没食子酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、二酸化硫黄、チオグリセロール、チオグリコール酸、システイン塩酸塩、アセチルシステイン、パルミチン酸アスコルビル、ヒドロキノン、ノルジヒドログアイアレチン酸を含んでなり、他の酸化防止剤がフェノール類、ビスフェノール類、ポリフェノール類、ヒドロキノン誘導体、亜燐酸フェニル類、フェニルチオエステル類、フェニルアミン類、フェニレンジアミン類、ジフェニルアミン類、テトラキス(メチレン3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、亜燐酸トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、N’,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)、ホスホン酸o,o−ジ−n−オクタデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル、3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル、チオジエチレンビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート、オクチル化されたジフェニルアミン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、または上記の組み合わせを包含する請求項16の方法。
【請求項21】
半透膜が半透膜の合計乾燥重量を基準として約0.01重量%〜約3重量%の酸化防止剤を含んでなる請求項16の方法。
【請求項22】
半透膜が半透膜の合計乾燥重量を基準として約0.01重量%〜約1重量%の酸化防止剤を含んでなる請求項21の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公表番号】特表2008−528629(P2008−528629A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−553337(P2007−553337)
【出願日】平成18年1月27日(2006.1.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/003273
【国際公開番号】WO2006/081569
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(503073787)アルザ・コーポレーシヨン (113)
【Fターム(参考)】