説明

高温でのIV族金属含有膜の堆積

IV族金属含有前駆体と、IV族金属含有膜{窒化物、酸化物および金属)の高い処理温度での堆積におけるその使用とを開示している。金属中心に結合したシクロペンタジエニル配位子およびイミド配位子の使用は熱安定性を確保し、広範な堆積温度ウィンドウおよび不純物の低い混入を可能にする。IV族金属(チタン、ジルコニウム、ハフニウム)含有膜の堆積は、熱および/またはプラズマ強化CVD、ALDおよびパルスCVDによって行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、米国特許法第119条(e)の定めにより、2009年7月14日に提出し、その内容全体が参照によりここに組み込まれている仮出願第61/225,280号の利益を請求する。
【0002】
背景
化学気相堆積(CVD)および原子層堆積(ALD)は、薄膜を堆積させるための主な堆積技術として、半導体デバイスの縮小に応じるように適合されてきた。何故なら、CVDおよびALDは、微細な規定厚さおよび高い表面/ステップカバレッジの膜(金属、酸化物、窒化物など)の達成を可能にするからである。膜の成長は、有機金属化合物(前駆体)の化学反応によって得られ、そのため、適切な前駆体を開発し、その反応プロセスを理解することが重要である。
【0003】
前駆体は所定のタイプの所望の膜へのその適用に基づいて必要な性質を得るように開発されてきた。しかしながら、優れた品質の膜を得るには、いくつかの基本的な性質を考慮すべきである。第1に、それを容れた容器から反応チャンバへの容易な配送のために十分な蒸気圧が必要とされる。第2に、優れた熱安定性が配送前の保管温度での容器における保管中に必要とされる。第3に、堆積チャンバ内で所望の膜に容易に変換されるように、反応ガスに対する強い反応性が必要とされる。もう1つの重要な要件は、通常堆積プロセス中に配位子から生じる膜中の不純物であって、前駆体設計の段階で考慮しなければならない膜中の不純物を制御することである。
【0004】
いくつかのIV族金属前駆体が既に開発されており、金属酸化物または窒化物膜の堆積に使用されている。主なチタン前駆体は四塩化チタン、TiCl4である。これはチタン含有膜を作るのに広く使用されている。H2Oを用いるALDモードでの酸化チタンのためのテトラキス(ジメチルアミノ)チタン(TDMAT)およびテトラキス(ジエチルアミノ)チタン(TDEAT)などの分子の使用は既に報告されている。たとえばEP0503001を参照のこと。また、いくつかの窒化物膜も、アンモニアを共反応剤として使用して堆積された。
【0005】
ジルコニウムの場合、テトラキス(ジメチルアミノ)ジルコニウム(TDMAZ)が、現在のところ、ジルコニウム含有膜、特に酸化ジルコニウムを堆積させるのに使用される標準材料である。この分子の低い分解温度は多くのプロセスにおける問題のままである。
【0006】
上述の前駆体の他に、新たな分子も開発されている。
【0007】
特許出願公報(たとえば、US 2008/0102205およびKR 2007/0121281を参照のこと)には、シクロペンタジエニル含有化合物の使用、たとえば以下に示すもののCVD/ALD前駆体としての使用が記載されている。
【化1】

【0008】
2つまたは3つのアルキルアミノ配位子を、エチレンジアミノ配位子、アミノアルキルアミノ配位子、およびグアミジナト配位子と共に有する分子が、IV族金属窒化物、金属酸化物、および金属電極用途のCVD/ALD前駆体として言及されている(たとえば米国特許出願公開第2009/0036697号およびWO2009/012341号を参照のこと)。
【化2】

【0009】
以下に示すIV族またはV族金属を有するイミドタイプ化合物の重合用触媒としての使用を言及しているいくつかの特許出願公開公報も入手可能である(たとえばWO 2005/123790およびWO 2008/148499を参照のこと)。
【化3】

【0010】
合成側では、シクロペンタジエニルイミドチタンの化学に関する多くの研究論文が、オックスフォード大学のPhilip Mountfordのグループによって発表されている(Dunnら, J. Chem. Soc., Dalton Trans., (1997), 293-304;Stewartら, J. Organometallic Chemistry 564 (1998) 209-214;Stewartら, Organometallics 17 (1998) 3271-3281; Guiducciら, Organometallics 25, (2006), 1167-1187)。記載された分子のうちのいくつかを以下に示す。
【化4】

【0011】
開発された分子の中で、いくつかは液体であったが、その熱安定性は示されなかった。出願人は、このような分子は決して半導体用途のために考慮されなかったと思っている。
【0012】
いくつかを以下に示すが、イミドタイプの金属前駆体を使用するCVD/ALDに関するいくつかの研究論文が、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのC.J. Carmaltのグループによって発表されている:C.J. Carmaltら, “Synthesis of TiN thin films from titanium imido complexes”, Journal of Materials Chemistry 13, 2003, 84-87;C.J. Carmaltら, “Titanium imido complexes as precursors to titanium nitride”, J. Chem. Soc., Dalton Trans., 2002, 4055-4059;Pottsら, “Tungsten Imido Complexes as Precursors to Tungsten Carbonitride thin films”, Dalton Transactions 2008, 5730-5736。
【化5】

【0013】
TiCl4の広範な使用は、塩素化した副生物の堆積ラインでの導入をもたらす。これらの塩素化した副生物は、それらの腐食性および毒性のせいで望ましくない。現在使用中の他の分子、たとえばTDMATおよびTDEATは乏しい熱安定性を示し、このことは、それらを高温(400℃まで)堆積のために、特にALDモデルで使用することを不可能にする。
【0014】
制御された厚さおよび組成を有する膜の高温での堆積を可能にする、ハロゲンを含まない分子の開発の必要が残っている。
【0015】
概要
IV族金属含有膜をリアクタ内で1枚以上の基板上に堆積させる方法を開示する。以下の一般式を有する金属含有前駆体を用意する:
M(NR)X1mX2n (I)
ここで:
− Mはチタン、ハフニウム、またはジルコニウムであり;
− RはH;C1−C4の線状、分枝、もしくは環式のアルキル基もしくはパーフルオロアルキル基;またはC1−C4の線状、分枝、もしくは環式のアルキルシリル基もしくはパーフルオロアルキルシリル基であり;
− X1はシクロペンタジエニル、ペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、ヘキサジエニル、シクロヘプタジエニル、ヘプタジエニル、シクロオクタジエニル、およびオクタジエニルからなる群より選択され(C1−C4の線状、分枝、もしくは環式のアルキル基;C1−C4の線状、分枝、もしくは環式のアルキルシリル基;C1−C4のアルキルアミノ基;C1−C4の線状、分枝、もしくは環式のフルオロアルキル基;またはこれらの組み合わせによって置換されていてもよい);
− X2は水素;酸素;線状、分枝、もしくは環式のC1−C8のアルキル;線状、分枝、もしくは環式のC1−C8のアルコキシ;線状、分枝、もしくは環式のC1−C8のアルキルアミノ基;線状、分枝、もしくは環式のC1−C8のパーフルオロアルキル;C1−C4の線状、分枝、もしくは環式のアルキルシリル;線状、分枝、もしくは環式のC1−C8のパーフルオロアルコキシ;C1−C8のアルケン;ホルムアミジナート;アミジナート;グアミジナート;カルボニル;ニトリル;イソシアナート;エチレン;ハロゲン;アルキルジエン;シクロアルキルジエン;ノルボルナジエン;ジアザブタジエン;エチレンジアミン;エタノールアミン;β−ジケトナート;β−ジケトイミナート;およびβ−エナミノケトナートからなる群より独立して選択され(C1−C4の線状、分枝、もしくは環式のアルキル基;C1−C4のアルキルアミノ基;C1−C4の線状、分枝、もしくは環式のフルオロアルキル基;またはこれらの組み合わせによって置換されていてもよい);
− m=0または1であり;
− n=1または2であり;
− m+n=2である。
【0016】
この金属含有前駆体を気化させて、気化前駆体を形成する。気化前駆体をリアクタに導入する。気化前駆体の少なくとも一部を基板上に堆積させて、IV族金属含有膜を形成する。開示する方法は以下の態様のうちの1つ以上を含むことができる:
・X1=Cpである;
・X2は線状、分枝、もしくは環式のC1−C8のアルキルアミノ基;ホルムアミジナート;アミジナート;アルキルジエン;シクロアルキルジエン;ノルボルナジエン;ジアザブタジエン;エチレンジアミン;エタノールアミン;β−ジケトナート;β−ジケトイミナート;およびβ−エナミノケトナートからなる群より独立して選択される;
・X2はホルムアミジナート、アミジナート、またはβ−ジケチミナートである;
・m=1であり、n=1である;
・金属含有前駆体は、以下からなる群より選択される:
TiCp(NtBu)(NMe2)、TiCp(NtBu)(NEt2)、TiCp(NtBu)(N(EtMe)2)、TiCp(NtBu)(N(SiMe32)、TiCp(NtBu)[MeC(NSiMe32]、TiCp(NtBu)[MeC(NiPr)2]、TiCp(NtBu)[MeC(NtBu)2]、TiCp(NtBu)[MeC(NtBuEt)2]、TiCp(NtBu)[HC(C(Me)N(Me))2]、TiCp(NtBu)[HC(C(Me)N(Et))2]、
HfCp(NtBu)(NMe2)、HfCp(NtBu)(NEt2)、HfCp(NtBu)(N(EtMe)2)、HfCp(NtBu)(N(SiMe32)、HfCp(NtBu)[MeC(NSiMe32]、HfCp(NtBu)[MeC(NiPr)2]、HfCp(NtBu)[MeC(NtBu)2]、HfCp(NtBu)[MeC(NtBuEt)2]、HfCp(NtBu)[HC(C(Me)N(Me))2]、HfCp(NtBu)[HC(C(Me)N(Et))2]、
ZrCp(NtBu)(NMe2)、ZrCp(NtBu)(NEt2)、ZrCp(NtBu)(N(EtMe)2)、ZrCp(NtBu)(N(SiMe32)、ZrCp(NtBu)[MeC(NSiMe32]、ZrCp(NtBu)[MeC(NiPr)2]、ZrCp(NtBu)[MeC(NtBu)2]、ZrCp(NtBu)[MeC(NtBuEt)2]、ZrCp(NtBu)[HC(C(Me)N(Me))2]、およびZrCp(NtBu)[HC(C(Me)N(Et))2];
・m=0であり、n=2である;
・金属含有前駆体は以下からなる群より選択される:
Ti(NtBu)[HC(C(Me)N(Me))22、Ti(NtBu)[HC(C(Me)N(Et))22
Hf(NtBu)[HC(C(Me)N(Me))22、Hf(NtBu)[HC(C(Me)N(Et))22
Zr(NtBu)[HC(C(Me)N(Me))22、およびZr(NtBu)[HC(C(Me)N(Et))22
・堆積工程は化学気相堆積(CVD)プロセスまたは原子層堆積(ALD)プロセスを含む;
・IV族金属含有膜はIV族金属膜、IV族金属酸化物膜、およびIV族金属窒化物膜からなる群より選択される;
・異種金属元素の前駆体をリアクタに導入して、IV族金属含有膜の組成を調整する;
・リアクタは約50〜約600℃、好ましくは約200℃〜約500℃、より好ましくは約300℃〜約400℃の温度を有する;
・リアクタは約0.0001Torr〜約1000Torr、好ましくは約0.1Torr〜約10Torrの圧力を有する;
・反応剤をリアクタに導入し、この反応剤を気化前駆体と反応させる;
・反応剤は還元剤を含む;
・反応剤はN2、H2、NH3、SiH4、Si26、Si38、(CH32SiH2、(C252SiH2、(CH3)SiH3、(C25)SiH3、フェニルシラン、N24、N(SiH33、N(CH3)H2、N(C25)H2、N(CH32H、N(C252H、N(CH33、N(C253、(SiMe32NH、(CH3)HNNH2、(CH32NNH2、フェニルヒドラジン、N含有分子、B26、9-ボラビシクロ[3,3,1]ノナン、ジヒドロベンゼンフラン、ピラゾリン、トリメチルアルミニウム、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、これらのラジカル種、およびこれらの混合物からなる群より選択される;
・反応剤は酸化剤を含む;
・反応剤はO2、O3、H2O、H22、NO、NO2、カルボン酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、これらのラジカル種、およびこれらの混合物からなる群より選択される。
【0017】
また、開示する方法の生成物を含むIV族金属含有膜でコーティングした基板を開示する。
【0018】
表記法および命名法
特定の系の構成要素を表すために、いくつかの用語を以下の説明および特許請求の範囲を通じて使用している。
【0019】
元素の周期表からの元素の標準的な略語をここでは使用する。元素をこれらの略語により表すことがあることを理解されたい(たとえば、Tiはチタンを表し、Hfはハフニウムを表し、Zrはジルコニウムを表す、など)。
【0020】
ここで使用する限りにおいて、用語「独立して」は、R基を説明する文脈で使用される場合、当該R基が、同じまたは異なる下付きまたは上付きをもつ他のR基に対して独立して選択されるだけでなく、同じR基の任意の追加の種に対しても独立して選択されることを意味すると理解されたい。たとえば、xが2または3である式MR1x(NR23(4-x)において、2つまたは3つのR1基は、必要ではないが、互いに同じでもよいし、またはR2もしくはR3と同じでもよい。さらに、特別に述べない限り、R基の価数は、異なる式において使用される場合、互いに独立していると理解されたい。
【0021】
ここで使用する限りにおいて、用語「アルキル基」はもっぱら炭素原子および水素原子を含む飽和官能基を表す。さらに、用語「アルキル基」は線状、分枝、または環式のアルキル基を表す。線状アルキル基の例としては、限定されないが、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。分枝アルキル基の例としては、限定されないが、t−ブチルが挙げられる。環式アルキル基の例としては、限定されないが、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
【0022】
ここで使用する限りにおいて、略語「Me」はメチル基を表し;略語「Et」はエチル基を表し;略語「Pr」はプロピル基を表し;略語「iPr」はイソプロピル基を表し;略語「Bu」はブチル(n−ブチル)を表し;略語「tBu」はtert−ブチルを表し;略語「sBu」はsec−ブチル基を表し;略語「acac」はアセチルアセトナト/アセチルアセトナートを表し;略語「tmhd」は2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタジオナトを表し;略語「od」は2,4−オクタジノナトを表し;略語「mhd」は2−メチル−3,5−ヘキサジオナトを表し;略語「tmod」は2,2,6,6−テトラメチル−3,5−オクタジオナトを表し;略語「ibpm」は2,2,6−トリメチル−3−5−ヘプタジオナトを表し;略語「hfac」はヘキサフルオロアセチルアセトナトを表し;略語「tfac」はトリフルオロアセチルアセトナトを表し;略語「Cp」はシクロペンタジエニルを表し;略語「Cp*」はペンタメチルシクロペンタジエニルを表し;略語「cod」はシクロオクタジエンを表し;略語「dkti」および構造R1C(C(R2)N(R3))2はジケトイミン/ジケトイミナート(ここで、R1は以下の構造におけるdkti配位子の軸においてCと結合したR配位子であり、各R2は独立してdkti鎖においてCと結合したR配位子であり、各R3は独立してNに結合したR配位子であり、たとえばHC(C(Me)N(Me))2である)を表し;略語「emk」はエナミノケトン/エナミノケトナート(R配位子は窒素原子に結合していても)を表し;略語「amd」および構造R1C(N(R2))2はアミジナート(ここで、R1は、以下の構造においてCと結合しているR配位子であり、各R2は独立して各Nと結合しているR配位子であり、たとえばMeC(N(SiMe32)である)を表し;略語「formd」はホルムアミジナートを表し;略語「dad」はジアザブタジエン(Rが窒素原子上にあっても)を表す。
【0023】
上で説明した配位子のうちのいくつかの一般構造をより十分に理解するために、これらの構造を以下に示す。ここでは、各Rは独立して、H;C1−C6の線状、分枝、もしくは環式のアルキルもしくはアリール基;アミノ置換基(たとえば以下に示すように金属Mに結合したNR12もしくはNR123であり、ここで、R1、R2、およびR3は、H、およびC1−C6の線状、分枝、または環式のアルキルまたはアリール基から独立して選択される);およびアルコキシ置換基(たとえば、以下に示すように金属Mに結合したOR4またはOR45であり、ここでR4およびR5はH、およびC1−C6の線状、分枝または環式のアルキルまたはアリール基から独立して選択される)から独立して選択される。
【化6】

【0024】
本発明の性質および対象をさらに理解するために、添付の図面と組み合わせて以下の詳細な説明を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、TiCp(NtBu)[MeC(N(SiMe3))2]の温度に対する質量減少の割合を示す熱重量分析(TGA)のグラフである。
【図2】図2は、TiCp(NtBu)[MeC(NiPr)2]の温度に対する質量減少の割合を示すTGAグラフである。
【図3】図3は、TiCp(NtBu)[MeC(NtBu)2]の温度に対する質量減少の割合を示すTGAグラフである。
【図4】図4は、TiCp(NtBu)[MeC(NtBu/Et)2]の温度に対する質量減少の割合を示すTGAグラフである。
【図5】図5は、TiCp(NtBu)[HC(C(Me)N(Me))2]の温度に対する質量減少の割合を示すTGAグラフである。
【図6】図6は、TiCp(NtBu)[HC(C(Me)N(Et))2]の温度に対する質量減少の割合を示すTGAグラフである。
【図7】図7は、Ti(NtBu)[HC(C(Me)N(Me))22の温度に対する質量減少の割合を示すTGAグラフである。
【図8】図8は、Ti(NtBu)[HC(C(Me)N(Et))22の温度に対する質量減少の割合を示すTGAグラフである。
【図9】図9は、TiCp(NtBu)[MeC(N(SiMe3))2]およびテトラキス(エチルメチル)アミノチタン(TEMAT)についての示差走査熱量分析結果のグラフである。
【図10】図10は、テトラキス(ジエチルアミノ)チタン(TDEAT)およびTEMATと比較した、開示する分子のうちのいくつかの熱分解温度のグラフである。
【0026】
好ましい実施形態の説明
半導体、光電池、LCT−TFT、またはフラットパネルタイプディスプレーの製造で使用できる方法、装置、および化合物についての非限定的な実施形態をここに開示する。
【0027】
高いプロセス温度でのIV族金属含有膜(窒化物、酸化物、および金属)の堆積のために使用できるIV族金属含有前駆体を開示する。開示する前駆体は以下の式を有する:
M(NR)X1mX2n (I)
ここで:
− MはIV族金属、たとえばチタン、ハフニウム、またはジルコニウムであり;
− RはH;C1−C4の線状、分枝、もしくは環式のアルキル基もしくはパーフルオロアルキル基(ここで、置換基の全てがFであるまたは全てがFでない、すなわち全体的にフッ素化されているまたはフッ素化されていない);またはC1−C4の線状、分枝、もしくは環式のアルキルシリル基(モノ、ビス、またはトリスアルキル)もしくはパーフルオロアルキルシリル基(ここで、置換基の全てがFであるまたは全てがFでない、すなわち全体的にフッ素化されているまたはフッ素化されていない)であり;
− X1はシクロペンタジエニル、ペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、ヘキサジエニル、シクロヘプタジエニル、ヘプタジエニル、シクロオクタジエニル、およびオクタジエニルからなる群より選択され(C1−C4の線状、分枝、もしくは環式のアルキル基;C1−C4の線状、分枝、もしくは環式のアルキルシリル基(モノ、ビス、またはトリスアルキル);C1−C4のアルキルアミノ基;C1−C4の線状、分枝、もしくは環式のフルオロアルキル基(ここで、置換基の全てがFであるまたは全てがFでない、すなわち全体的にフッ素化されているまたはフッ素化されていない);またはこれらの組み合わせによって置換されていてもよい);
− X2は水素;酸素;線状、分枝、もしくは環式のC1−C8のアルキル;線状、分枝、もしくは環式のC1−C8のアルコキシ;線状、分枝、もしくは環式のC1−C8のアルキルアミノ基;線状、分枝、もしくは環式のC1−C8のパーフルオロアルキル(ここで、置換基の全てがFであるまたは全てがFでない、すなわち全体的にフッ素化されているまたはフッ素化されていない);C1−C4の線状、分枝、もしくは環式のアルキルシリル(モノ、ビス、またはトリスアルキル);線状、分枝、もしくは環式のC1−C8のパーフルオロアルコキシ(ここで、置換基の全てがFであるまたは全てがFでない、すなわち全体的にフッ素化されているまたはフッ素化されていない);C1−C8のアルケン;ホルムアミジナート;アミジナート;グアミジナート;カルボニル;ニトリル;イソシアナート;エチレン;F、Cl、Br、またはIなどのハロゲン;アルキルジエン、たとえばブタジエン、ペンタジエン、ヘキサジエン、ヘプタジエン、オクタジエンなど;シクロアルキルジエン、たとえばシクロブタジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエンなど;ノルボルナジエン;ジアザブタジエン;エチレンジアミン;エタノールアミン;β−ジケトナート;β−ジケトイミナート;およびβ−エナミノケトナートからなる群より独立して選択され(C1−C4の線状、分枝、もしくは環式のアルキル基;C1−C4のアルキルアミノ基;C1−C4の線状、分枝、もしくは環式のフルオロアルキル基(ここで、置換基の全てがFであるまたは全てがFでない、すなわち全体的にフッ素化されているまたはフッ素化されていない);またはこれらの組み合わせによって置換されていてもよい);
− m=0または1であり;
− n=1または2であり;
− m+n=2である。
【0028】
開示するIV族金属含有前駆体は熱的に安定であり、ハロゲンフリーでありうる。金属中心に結合したシクロペンタジエニル配位子およびイミド配位子の使用は熱安定性を確保し、広範な堆積温度ウィンドウを可能にし、不純物の低い混入を可能にする。開示する前駆体は、文献に記載されているように調製できる。たとえば、上述の背景で挙げたオックスフォード大学のPhilip Mountfordのグループによって出された論文を参照されたい。開示する前駆体を調製する例示的な方法としては以下の例に示したものがさらに挙げられる。
【0029】
好ましくは、m=1であり、n=1である場合、X1=Cpであり、X2は線状、分枝、もしくは環式のC1−C8のアルキルアミノ基;ホルムアミジナート;アミジナート;アルキルジエン;シクロアルキルジエン;ノルボルナジエン;ジアザブタジエン;エチレンジアミン;エタノールアミン;β−ジケトナート;β−ジケトイミナート;およびβ−エナミノケトナートからなる群より選択される。さらにより好ましくは、X2はホルムアミジナート、アミジナート、またはβ−ジケトイミナートである。この式の例示的な化合物としては限定はされないが:
TiCp(NtBu)(NMe2)、TiCp(NtBu)(NEt2)、TiCp(NtBu)(N(EtMe)2)、TiCp(NtBu)(N(SiMe32)、TiCp(NtBu)[MeC(NSiMe32]、TiCp(NtBu)[MeC(NiPr)2]、TiCp(NtBu)[MeC(NtBu)2]、TiCp(NtBu)[MeC(NtBuEt)2]、TiCp(NtBu)[HC(C(Me)N(Me))2]、TiCp(NtBu)[HC(C(Me)N(Et))2]、
HfCp(NtBu)(NMe2)、HfCp(NtBu)(NEt2)、HfCp(NtBu)(N(EtMe)2)、HfCp(NtBu)(N(SiMe32)、HfCp(NtBu)[MeC(NSiMe32]、HfCp(NtBu)[MeC(NiPr)2]、HfCp(NtBu)[MeC(NtBu)2]、HfCp(NtBu)[MeC(NtBuEt)2]、HfCp(NtBu)[HC(C(Me)N(Me))2]、HfCp(NtBu)[HC(C(Me)N(Et))2]、
ZrCp(NtBu)(NMe2)、ZrCp(NtBu)(NEt2)、ZrCp(NtBu)(N(EtMe)2)、ZrCp(NtBu)(N(SiMe32)、ZrCp(NtBu)[MeC(NSiMe32]、ZrCp(NtBu)[MeC(NiPr)2]、ZrCp(NtBu)[MeC(NtBu)2]、ZrCp(NtBu)[MeC(NtBuEt)2]、ZrCp(NtBu)[HC(C(Me)N(Me))2]、およびZrCp(NtBu)[HC(C(Me)N(Et))2
が挙げられる。
【0030】
好ましくは、m=0であり、n=2である場合、X2は線状、分枝、もしくは環式のC1−C8のアルキルアミノ基;ホルムアミジナート;アミジナート;アルキルジエン;シクロアルキルジエン;ノルボルナジエン;ジアザブタジエン;エチレンジアミン;エタノールアミン;β−ジケトナート;β−ジケトイミナート;およびβ−エナミノケトナートからなる群より独立して選択される。さらにより好ましくは、X2はホルムアミジナート、アミジナート、またはβ−ジケトイミナートである。この式の例示的な化合物としては、限定はされないが
Ti(NtBu)[HC(C(Me)N(Me))22、Ti(NtBu)[HC(C(Me)N(Et))22
Hf(NtBu)[HC(C(Me)N(Me))22、Hf(NtBu)[HC(C(Me)N(Et))22
Zr(NtBu)[HC(C(Me)N(Me))22、およびZr(NtBu)[HC(C(Me)N(Et))22
が挙げられる。
【0031】
開示する前駆体は、当業者に知られている任意の堆積方法を使用して薄膜を堆積させるのに使用できる。好適な堆積方法の例としては、限定されないが、通常の化学気相堆積(CVD)、低圧化学気相堆積(LPCVD)、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)、原子層堆積(ALD)、パルス化学気相堆積(PCVD)、プラズマ強化原子層堆積(PEALD)、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0032】
開示する前駆体は、純粋な状態で供給できるし、または好適な溶媒、たとえばエチルベンゼン、キシレン、メシチレン、デカン、ドデカンとのブレンドとして供給できる。開示する前駆体は溶媒中に種々の濃度で存在できる。
【0033】
純粋なまたはブレンドした前駆体を、通常の手段、たとえば配管および/または流量計によって、蒸気の状態でリアクタに導入する。蒸気の状態にある前駆体は、純粋なまたはブレンドした前駆体溶液を通常の気化工程、たとえば直接気化、蒸留などにより気化させることによって、またはバブリングによって製造できる。純粋なまたはブレンドした前駆体を液体の状態で気化器に供給して、そこでそれをリアクタに導入する前に気化してもよい。あるいは、前駆体を容れた容器にキャリアガスを通すことによって、またはキャリアガスを前駆体にバブリングすることによって、純粋なまたはブレンドした前駆体を気化させてもよい。キャリアガスとしては、限定されないが、Ar、He、N2、およびこれらの混合物が挙げられる。キャリアガスでのバブリングは、純粋なまたはブレンドした前駆体溶液中に存在する溶存酸素を除去することもできる。その後、キャリアガスおよび前駆体を蒸気としてリアクタに導入する。
【0034】
必要であれば、開示する前駆体の容器を、前駆体がその液相でいることおよび十分な蒸気圧を有することを許容する温度まで加熱してもよい。この容器はたとえば約0℃〜約150℃の範囲にある温度に維持してもよい。当業者であれば、容器の温度を周知の方法で調節して気化させる前駆体の量を調節できることが分かる。
【0035】
リアクタは、中で堆積方法が実行されるデバイスの内部の任意の閉鎖容器またはチャンバでよく、たとえば、限定されないが、前駆体を反応させて層を形成するのに好適な条件下にある、平行板タイプリアクタ、コールドウォールタイプリアクタ、ホットウォールタイプリアクタ、枚様式リアクタ、マルチウェハリアクタ、または他のタイプの堆積システムでありうる。
【0036】
一般に、リアクタは1枚以上の基板を収容し、この上に膜を堆積させる。この1枚以上の基板は、半導体、光電池、フラットパネルまたはLCD−TFTデバイス製造において使用される任意の好適な基板でありうる。好適な基板の例としては、限定されないが、シリコン基板、シリカ基板、窒化珪素基板、酸窒化珪素基板、タングステン基板、またはこれらの組み合わせが挙げられる。加えて、タングステンまたは貴金属(たとえば、白金、パラジウム、ロジウム、または金)を含む基板を使用できる。また、基板は、前の製造工程から既にその上に堆積している異種材料の1つ以上の層を有してもよい。
【0037】
リアクタ内の温度および圧力は、ALDまたはCVD堆積に好適な条件に保持される。言い換えると、気化した前駆体をチャンバに導入した後、チャンバ内の条件は、気化した前駆体の少なくとも一部が基板上に堆積して金属含有膜を形成するようなものである。たとえば、リアクタ内の圧力は、堆積パラメータによって必要とされるのに応じて、約0.0001torr〜約1000torr、または好ましくは約0.1torrないし10torrに保持されうる。同様に、リアクタ内の温度は、約50℃〜約600℃、好ましくは約200℃〜約500℃、より好ましくは約300℃〜約400℃に保持されうる。
【0038】
開示する前駆体に加えて、反応剤をリアクタにさらに導入する場合がある。反応剤は酸化性ガス、たとえばO2、O3、H2O、H22、NO、NO2、カルボン酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、およびこれらの混合物のうちの1つでありうる。あるいは、反応剤は還元性ガス、たとえばH2、NH3、SiH4、Si26、Si38、(CH32SiH2、(C252SiH2、(CH3)SiH3、(C25)SiH3、フェニルシラン、N24、N(SiH33、N(CH3)H2、N(C25)H2、N(CH32H、N(C252H、N(CH33、N(C253、(SiMe32NH、(CH3)HNNH2、(CH32NNH2、フェニルヒドラジン、N−含有分子、B26、9−ボラビシクロ[3,3,1]ノナン、ジヒドロベンゼンフラン、ピラゾリン、トリメチルアルミニウム、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、これらのラジカル種、およびこれらの混合物のうちの1つでありうる。
【0039】
反応剤をプラズマで処理して、反応剤をそのラジカルの形態に分解することもできる。また、プラズマで処理する場合、N2を還元性ガスとして利用することもできる。たとえば、プラズマは、約50W〜約500W、好ましくは約100W〜約200Wの範囲のパワーで発生させることができる。プラズマは、リアクタ自体の中で発生させてもよいしまたはそこに存在してもよい。あるいは、プラズマを反応チャンバから離れた場所、たとえば遠隔設置されたプラズマシステムで発生させてもよい。当業者であれば、このようなプラズマ処理に好適な方法および装置が分かるであろう。
【0040】
チャンバ内の気相堆積条件は、開示する前駆体および反応剤を反応させて基板上にIV族金属含有膜を形成させる。いくつかの実施形態では、出願人は、反応剤をプラズマ処理
することは、開示する前駆体との反応に必要なエネルギーを有する反応剤を提供しうることを信じている。
【0041】
堆積させようとする膜の種類が何であるかに応じて、第2の前駆体をリアクタに導入する場合がある。第2の前駆体は異種金属供給源、たとえば銅、プラセオジム、マンガン、ルテニウム、チタン、タンタル、ビスマス、ジルコニウム、ハフニウム、鉛、ニオブ、マグネシウム、アルミニウム、ランタン、またはこれらの混合物でありうる。第2の金属含有前駆体を利用する場合、基板上に堆積して得られた膜は少なくとも2種類の異なる金属種を含有することができる。
【0042】
開示する前駆体および任意の反応剤または前駆体は、反応チャンバに逐次的に導入(ALDのように)してもよいし、または同時に導入(CVDのように)してもよい。前駆体の導入と反応剤の導入との間に、反応チャンバを不活性ガスを用いてパージしてもよい。あるいは、反応剤および前駆体を互いに混合して反応剤/前駆体混合物をつくり、次にこれを混合物の状態でリアクタに導入してもよい。
【0043】
気化した前駆体および反応剤をパルスとして逐次的にまたは同時(たとえばパルスCVD)にリアクタに送ることができる。前駆体の各パルスは約0.01秒〜約10秒、あるいは約0.3秒〜約3秒、あるいは約0.5秒〜約2秒の範囲にある期間にわたって継続させることができる。もう1つの実施形態では、さらに反応剤をパルスでリアクタに送ってもよい。このような実施形態では、各ガスのパルスは約0.01秒〜約10秒、あるいは約0.3秒〜約3秒、あるいは約0.5秒〜約2秒の範囲にある期間にわたって継続させることができる。
【0044】
特定のプロセスパラメータに応じて、種々の長さの時間にわたって堆積を行うことができる。一般に、必要な性質を有する膜を製造するのに望まれるまたはそれに必要なだけ長く堆積を継続させることができる。典型的な膜厚は、具体的な堆積プロセスに依存するが、数百オングストローム〜数百ミクロンでありうる。また、所望の膜を得るのに必要なだけ多くの回数、堆積プロセスを行うこともできる。
【0045】
1つの非限定的な例示的CVDタイププロセスでは、開示する前駆体の蒸気相および反応剤を同時にリアクタに導入する。これら2つが反応してその結果薄膜を形成する。この例示的CVDプロセスでの反応剤をプラズマで処理する場合、この例示的なCVDプロセスは例示的なPECVDプロセスとなる。共反応剤を、チャンバへの導入の前にまたはそれに続けてプラズマで処理してもよい。
【0046】
1つの非限定的な例示的ALDタイププロセスでは、開示する前駆体の蒸気相をリアクタに導入し、ここでそれを好適な基板に接触させる。その後、過剰な前駆体は、リアクタをパージおよび/または排気することによってリアクタから除去できる。還元性ガス(たとえば、H2)をリアクタに導入し、ここでそれを吸収された前駆体と自己停止方式で反応させる。過剰な還元性ガスは、リアクタをパージおよび/または排気することによってリアクタから除去する。所望の膜が金属膜である場合、この2工程プロセスが所望の膜を提供する場合があるし、または必要な厚さを有する膜が得られるまでこのプロセスを繰り返すことができる。
【0047】
あるいは、所望の膜が二成分からなる膜である場合、上記2工程プロセスに続けて、第2の金属含有前駆体の蒸気をリアクタに導入してもよい。第2の金属含有前駆体は、堆積させる二成分からなる膜の性質に基づいて選択されるであろう。リアクタへの導入後、第2の金属含有前駆体は基板に接触する。過剰な第2の金属含有前駆体はリアクタをパージおよび/または排気することによってリアクタから除去される。先と同じように、還元性ガスをリアクタに導入して、第2の金属含有前駆体と反応させる。過剰な還元性ガスはリアクタをパージおよび/または排気することによってリアクタから除去できる。所望の膜厚が達成されたら、プロセスを終わらせることができる。しかしながら、より厚い膜が所望されるならば、4工程プロセス全てを繰り返すこともできる。金属含有前駆体、第2の金属含有前駆体、および反応剤を交互に供給することにより、所望の組成および厚さの膜を堆積させることができる。
【0048】
この例示的ALDプロセスでの反応剤をプラズマで処理する場合、この例示的なALDプロセスは例示的なPEALDプロセスとなる。共反応剤を、チャンバへの導入の前にまたはそれに続けてプラズマで処理してもよい。
【0049】
上で説明したプロセスによって得られるIV族金属含有膜または金属含有層としては、純銅(M)、金属珪酸塩(MkSil)、金属酸化物(Mnm)、または金属酸窒化物(Mxyz)の膜(ここで、M=Ti、Zr、またはHfであり、k、l、m、n、x、y、およびzは包括的に1ないし6の範囲にある整数である)を挙げることができる。当業者であれば、適切な開示された前駆体、任意の第2の金属含有前駆体、および共反応剤種の公平な選択によって、所望の膜組成を得ることができるが分かるであろう。
【0050】

本発明の実施形態をさらに説明するために、以下の非限定的な例を提供する。しかしながら、この例は包括的であることを意図したものではないし、発明の範囲をここで説明するものに限定することを意図したものではない。
【0051】
例1 − M(NR)X1X2(ここで、M=Tiであり、NR=tert−ブチルイミドであり、X1=Cpであり、X2=amdである)の合成
【化7】

【0052】
化合物1:シクロペンタジエニル(tert−ブチルイミド)ジアルキルアミジナトチタン{TiCp(NtBu)[MeC(NR)2]}(ここで、R=トリメチルシリル(SiMe3)である)をTiCl4から3つの反応工程により得た。
【0053】
工程1:tBuNH2(60mL、6.3eq)を15分かけて、TiCl3(10mL、0.091mol)のジクロロメタン(150mL)溶液に滴下し、−50℃で30分間攪拌した。得られた橙色の溶液を室温まで温め、その後攪拌を5時間続けた。反応混合物をろ過して、橙色の溶液を得、これにピリジン(17mL、2.3eq)を添加した。4時間後、揮発分を混合物から除去し、残留した固体を、150mLの10:1のトルエン:ジクロロメタン混合物に抽出した。得られた濃い橙色の溶液を再度ろ過して、減圧下で蒸発乾固させた。抽出を2回繰り返し、続けてペンタン(50mL)で洗浄した。溶液を蒸発乾固させ、減圧しながら乾燥させた後、22.0gのTi(NtBu)Cl2Py2が橙色の固体として提供された。収率:70%。NMR(CDCl3):1H(400MHz)、9.20(4H、d,NC55のo−H)、7.78(2H、t、NC55のp−H)、7.34(4H、t、NC55のm−H)および0.85(9H、s、NtBu)
【0054】
工程2:工程1の橙色の固体Ti(NtBu)Cl2Py2(3g、8.7mmol)のTHF(40mL)中の溶液に、LiCp(0.67g、8.7mmol)のTHF(40mL)溶液をカニューレを通して室温で添加した。溶液は暗くなり、攪拌を5時間続けた。次に、揮発分を減圧下で除去し、残留物をEt2Oおよびペンタン(各30mL)に抽出した。この溶液をろ過して、減圧下で蒸発乾固させて、2.0gのTi(NtBu)CpClPyが明るい赤色固体として提供された。収率:80%。NMR(CDCl3):1H(400MHz)、8.73(2H、d、NC55のo−H)、7.82(1H、NC55のp−H)、7.34(2H、t、NC55のm−H)、6.34(5H、s、C55)、および1.07(9H、s、NtBu)
【0055】
工程3:工程2の赤色の固体Ti(NtBu)CpClPy(1.5g、5.0mmol)のTHF(30mL)溶液に、Li[MeC(N(SiMe3))2](1.04g、5.0mmol)のTHF(30mL)溶液を−78℃で添加した。得られた混合物は直ちに暗くなった。反応混合物を室温まで温め、攪拌を12時間続けた。次に、揮発分を減圧下で除去し、残留物をペンタン(30mL)に抽出してろ過し、濃い赤色の粘着性固体を得た。それを蒸留して、0.5gのTiCp(NtBu)[MeC(N(SiMe3))2]が紫色の液体として提供された。収率:30%。NMR(C66):1H(400MHz)、6.63(5H、s、C55)、1.87(3H、s、CH3)、1.11(9H、s、NtBu)、および0.14(9H、s、SiMe3)。
【0056】
別の種類のアミジナート、たとえばR=iPrである化合物2、R=tBuである化合物3、R=tBu/Etである化合物4を、上で説明したのと同様の手順を使用して合成した。全ての分子は、紫色の固体であった化合物3を除き、紫色の液体として得られた。
【0057】
例2 − M(NR)X1X2(ここで、M=Tiであり、NR=tert−ブチルイミドであり、X1=Cpであり、X2=dktiである)の合成
【化8】

【0058】
化合物5:シクロペンタジエニル(tert−ブチルイミド)(β−ジケトイミナト)チタン{TiCp(NtBu)[HC(C(Me)N(R))2]}(ここでR=Meである)を、工程3を以下のものに換えた以外は例1と同様の手順を使用して、TiCl4から3つの反応工程により得た。
【0059】
工程3:工程2の生成物Ti(NtBu)CpClPy(1.5g、5.0mmol)のTHF(30mL)溶液に、Li[HC(C(Me)N(Me))2](0.66g、5.0mmol)のTHF(30mL)溶液を−78℃で添加した。混合物は直ちに暗くなった。反応混合物を室温まで温め、攪拌を12時間続けた。次に、揮発分を減圧下で除去し、残留物をペンタン(30mL)に抽出してろ過し、濃い赤色の粘着性固体を得た。それを減圧下で昇華させて、0.5gの赤色粉末として提供された。収率:30%。NMR(C66):1H(400MHz)、6.03(5H、s、C55)、4.82(1H、s、CH)、3.06(6H、s、CCH3)、1.57(6H、s、NCH3)および1.30(9H、s、NtBu)。
【0060】
ジケトイミナート構造を有する第2の化合物、化合物6(ここでR=Etである)を、上と同様の手順を使用して合成し、さらに赤色粉末が提供された。
【0061】
例3 − M(NR)X1X2(ここで、M=Tiであり、NR=tert−ブチルイミドであり、X2=dktiである)の合成
【化9】

【0062】
化合物7:(tert−ブチルイミド)ビス(β−ジケトイミナト)チタン{Ti(NtBu)[HC(C(Me)N(R))22}(ここでR=Meである)をTiCl4から2つの反応工程により得た。
【0063】
工程1:例1で説明したのと同様
工程2:工程1の生成物Ti(NtBu)Cl2Py2(3g、8.7mmol)のTHF(40mL)溶液に、Li[HC(C(Me)N(Me))22(1.32g、17.4mmol)のTHF(30mL)溶液を−78℃で添加した。混合物は直ちに暗くなった。攪拌を10時間続けた。揮発分を減圧下で除去し、残留物をEt2O(30mL)に抽出し、ろ過して、粘着性固体を得た。それを減圧下で昇華させて2.5gの緑みを含んだ青色の固体が提供された。収率:80%。NMR(CDCl3):1H(400MHz)、4.33(2H、s、ジケトイミン中のH−CのH)、3.40(12H、CCH3のH)、1.64(12H、s、NCH3)、および1.54(9H、s、NtBu)
【0064】
ビス−ジケトイミナート構造を有する第2の化合物、化合物8(ここでR=Etである)を、上で説明したものと同様の手順を使用して合成し、明るい黄色粉末が製造された。
【0065】
例4 − 化合物1−4[シクロペンタジエニル(tert−ブチルイミド)(ジアルキルアミジナト)チタン{TiCp(NtBu)[MeC(NR)2]}]の熱的特性評価
TiCp(NtBu)[MeC(NR)2]の熱安定性および揮発性を評価するために、熱重量分析(TGA)を不活性雰囲気下のグローブボックス中で10℃/分の加熱速度で行った。図1−4は、それぞれ、開放されたアルミニウム製の蒸発皿における化合物1−4についてのTGAの結果を示している。
【0066】
化合物1および2は残留物を残さずに非常に円滑に蒸発するが、化合物3および4は数パーセントの残留量を示すことが観察された。4種類の化合物の蒸発の終了は250℃では概略的に同じであり、これは、化合物1および2の揮発性は化合物3および4のそれよりも高いようであることを証明しているようである。また、残留生成物がないことは、これらの条件下で、化合物1および2が少なくとも250℃までは安定であることを証明している。全ての化合物についての分解温度および揮発性をより正確に評価するために他の評価を行った(例7を参照のこと)。
【0067】
例5 − 化合物5および6[tert−ブチルイミド−シクロペンタジエニル−β−ジケトイミナト]チタン{TiCp(NtBu)[HC(C(Me)N(R))2]}]の熱的特性評価
図5および6は、例4と同様の方法によって測定した、化合物5および6のTGA結果をそれぞれ示している。
【0068】
化合物5および6は残留物を残すことなく非常に円滑に蒸発することが観察された。2種類の化合物の蒸発の終わりは290℃では概略的に同じであり、これは、それらの揮発性が概略的に同じであること証明しているようである。また、分解が観察されないので、これらの条件下ではこれら2種類の化合物が290℃までは安定であるということを帰結することができる。この温度は、同じ条件下において260℃から既に分解が観察される現在の標準的な分子(たとえば、TDMAT、TDEATおよびTEMAT)の場合に観察される温度よりも遥かに高い。この高い熱安定性を他の評価によって確認した(例7を参照のこと)。
【0069】
例6 − 化合物7および8[(tert−ブチルイミド−ビス−β−ジケトイミナト)チタン{Ti(NtBu)[HC(C(Me)N(R))22}]の熱的特性評価
図7および8は、例4と同様の方法によって測定した、化合物7および8のTGA結果をそれぞれ示している。
【0070】
化合物8は残留物を残すことなく非常に円滑に蒸発する一方、化合物7の場合には数パーセントの残留物が検出されることが観察された。2種類の化合物の蒸発の終わりは300℃では概略的に同じであり、これは、それらの揮発性が概略的に同じであることを証明しているようである。また、分解が観察されないので、これらの条件下では化合物8は300℃までは安定であることを帰結することができる。これらの結果からは、この温度までの化合物7の安定性は確認されなかった。300℃は、同じ条件下において260℃から既に分解が観察される現在の標準的な分子(たとえば、TDMAT、TDEATおよびTEMAT)の場合に観察される温度よりも遥かに高い。この高い熱安定性を他の評価によって確認した(例7を参照のこと)。
【0071】
例7 − 化合物1−8の熱的特性評価
前駆体の蒸発を制限し、それにより質量減少を遅らせる閉じた蒸発皿でのTGA構成を使用して、より抑制的な試験を同様の手段で行った。結果として、より高温範囲での分子の挙動を試験することができた。表1に、閉じた蒸発皿でのTGAにより測定した熱分解温度(TD)と蒸気圧(VP)とを含む化合物1−8の特性を纏めている。
【表1】

【0072】
TGAによって測定した熱安定性を確かめるために、金被覆した高圧蒸発皿を使用して、10℃/分の加熱速度での示差走査熱量測定(DSC)をさらに行った。
【0073】
図9は、化合物1と、チタン含有膜堆積の用途のために開発された一般的な分子の1つであるテトラキス(エチルメチル)アミノチタン(TEMAT)とについてのDSC結果を示している。この結果から、TGAから観察されたものと同じ分解温度を確認することができた。化合物1の分解温度はTEMATのそれよりも約30℃高いことが観察された。分解温度がより高いことは、より高い品質の膜をもたらすより高い温度でのALDモードで膜を得るのに有益であろう。
【0074】
図10は、テトラキス(ジエチルアミノ)チタン(TDEAT)およびTEMATなどの2種類の標準的なチタン分子と比べた、開示する分子のうちのいくつかに関するより高い熱分解温度を示しており、それはさらにTEMATよりも80℃まで高い結果を示している。先に述べたように、より高い分解温度は、より高い品質の膜をもたらすより高い温度でのALDモードで膜を得るのに有益であろう。
【0075】
例8:テトラキス(ジエチルアミノ)チタン(TDEAT)を使用する予想のTiN堆積
テトラキス(ジエチルアミノ)チタン(TDEAT)を、ALDモードでTiN膜を体積させるのに使用する。100gのTDEATをキャニスタ内に保管し、80℃で加熱し、その蒸気をバブリング法によって反応炉に供給する。配送機構は、チタン分子およびアンモニアの交互導入を可能にするものである。200℃程度の低さの温度であっても、一定の成長速度の明確なウィンドウが得られることは予想されず、このことは、この分子がALDモードでは使用できないことを証明するであろう。
【0076】
例9:TiCp(NtBu)[MeC(N(SiMe3))2]を使用する予想のTiN堆積
例1で合成された分子、TiCp(NtBu)[MeC(N(SiMe3))2]を、ALD堆積のために使用する。40gのこのチタン分子をキャニスタ内に保管し、100℃で加熱し、その蒸気をバブリング法により反応炉に供給する。配送機構は、チタン分子およびアンモニアの交互導入を可能にするものである。窒化チタン膜が、1Å/サイクルの堆積速度で得られることが予想され、410℃までは一定の堆積速度を示すことが予想される。この温度を超えると、堆積速度が大幅に上昇し、これは410℃までのALDレジームの飽和モード特性を示す。
【0077】
膜の組成を様々な技術(Auger、SIMS)で分析すると、これらの膜が、数パーセントの炭素不純物を有する概略に化学量論的なTiNであることが予想される。ALDの温度ウィンドウの上限は、TDEATを用いるものよりも遥かに高いことが予想され、これにより、この分子のより高い熱安定性が確認されるであろう(既に例7で述べている)。
【0078】
本発明の実施形態を示して説明してきたが、当業者であれば、本発明の精神および教示から外れることなしにその変更を行うことができる。ここで説明した実施形態は、例示的なものに過ぎず、限定的なものではない。組成および方法の多くの変形および変更が可能であり、それは本発明の範囲内である。したがって、保護範囲は、ここで説明した実施形態に限定されず、以下の特許請求の範囲によってのみ限定されるものであり、特許請求の範囲は、請求項に記載した発明特定事項の全ての等価物を含むであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IV族金属含有膜を1枚以上の基板に堆積させる方法であって:
a)リアクタおよび前記リアクタ内に配置された少なくとも1枚の基板を用意することと;
b)一般式:
M(NR)X1mX2n (I)
(ここで:
− Mはチタン、ハフニウム、またはジルコニウムであり;
− RはH;C1−C4の線状、分枝、もしくは環式のアルキル基もしくはパーフルオロアルキル基;またはC1−C4の線状、分枝、もしくは環式のアルキルシリル基もしくはパーフルオロアルキルシリル基であり;
− X1はシクロペンタジエニル、ペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、ヘキサジエニル、シクロヘプタジエニル、ヘプタジエニル、シクロオクタジエニル、およびオクタジエニルからなる群より選択され(C1−C4の線状、分枝、もしくは環式のアルキル基;C1−C4の線状、分枝、もしくは環式のアルキルシリル基;C1−C4のアルキルアミノ基;C1−C4の線状、分枝、もしくは環式のフルオロアルキル基;またはこれらの組み合わせによって置換されていてもよい);
− X2は水素;酸素;線状、分枝、もしくは環式のC1−C8のアルキル;線状、分枝、もしくは環式のC1−C8のアルコキシ;線状、分枝、もしくは環式のC1−C8のアルキルアミノ基;線状、分枝、もしくは環式のC1−C8のパーフルオロアルキル;C1−C4の線状、分枝、もしくは環式のアルキルシリル;線状、分枝、もしくは環式のC1−C8のパーフルオロアルコキシ;C1−C8のアルケン;ホルムアミジナート;アミジナート;グアミジナート;カルボニル;ニトリル;イソシアナート;エチレン;ハロゲン;アルキルジエン;シクロアルキルジエン;ノルボルナジエン;ジアザブタジエン;エチレンジアミン;エタノールアミン;β−ジケトナート;β−ジケトイミナート;およびβ−エナミノケトナートからなる群より独立して選択され(C1−C4の線状、分枝、もしくは環式のアルキル基;C1−C4のアルキルアミノ基;C1−C4の線状、分枝、もしくは環式のフルオロアルキル基;またはこれらの組み合わせによって置換されていてもよい);
− m=0または1であり;
− n=1または2であり;
− m+n=2である)
を有する金属含有前駆体を用意することと;
c)前記金属含有前駆体を気化させて、気化前駆体を形成することと;
d)前記気化前駆体を前記リアクタに導入することと;
e)前記気化前駆体の少なくとも一部を前記基板上に堆積させて、IV族金属含有膜を形成することと
を含む方法。
【請求項2】
X1=Cpであり、m=1であり、n=1であり、X2は線状、分枝、もしくは環式のC1−C8のアルキルアミノ基;ホルムアミジナート;アミジナート;アルキルジエン;シクロアルキルジエン;ノルボルナジエン;ジアザブタジエン;エチレンジアミン;エタノールアミン;β−ジケトナート;β−ジケトイミナート;およびβ−エナミノケトナートからなる群より選択される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記金属含有前駆体は:
TiCp(NtBu)(NMe2)、TiCp(NtBu)(NEt2)、TiCp(NtBu)(N(EtMe)2)、TiCp(NtBu)(N(SiMe32)、TiCp(NtBu)[MeC(NSiMe32]、TiCp(NtBu)[MeC(NiPr)2]、TiCp(NtBu)[MeC(NtBu)2]、TiCp(NtBu)[MeC(NtBuEt)2]、TiCp(NtBu)[HC(C(Me)N(Me))2]、TiCp(NtBu)[HC(C(Me)N(Et))2]、
HfCp(NtBu)(NMe2)、HfCp(NtBu)(NEt2)、HfCp(NtBu)(N(EtMe)2)、HfCp(NtBu)(N(SiMe32)、HfCp(NtBu)[MeC(NSiMe32]、HfCp(NtBu)[MeC(NiPr)2]、HfCp(NtBu)[MeC(NtBu)2]、HfCp(NtBu)[MeC(NtBuEt)2]、HfCp(NtBu)[HC(C(Me)N(Me))2]、HfCp(NtBu)[HC(C(Me)N(Et))2]、
ZrCp(NtBu)(NMe2)、ZrCp(NtBu)(NEt2)、ZrCp(NtBu)(N(EtMe)2)、ZrCp(NtBu)(N(SiMe32)、ZrCp(NtBu)[MeC(NSiMe32]、ZrCp(NtBu)[MeC(NiPr)2]、ZrCp(NtBu)[MeC(NtBu)2]、ZrCp(NtBu)[MeC(NtBuEt)2]、ZrCp(NtBu)[HC(C(Me)N(Me))2]、およびZrCp(NtBu)[HC(C(Me)N(Et))2
からなる群より選択される請求項2に記載の方法。
【請求項4】
m=0であり、n=2であり、X2は線状、分枝、もしくは環式のC1−C8のアルキルアミノ基;ホルムアミジナート;アミジナート;アルキルジエン;シクロアルキルジエン;ノルボルナジエン;ジアザブタジエン;エチレンジアミン;エタノールアミン;β−ジケトナート;β−ジケトイミナート;およびβ−エナミノケトナートからなる群より独立して選択される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記金属含有前駆体は:
Ti(NtBu)[HC(C(Me)N(Me))22、Ti(NtBu)[HC(C(Me)N(Et))22
Hf(NtBu)[HC(C(Me)N(Me))22、Hf(NtBu)[HC(C(Me)N(Et))22
Zr(NtBu)[HC(C(Me)N(Me))22、およびZr(NtBu)[HC(C(Me)N(Et))22
からなる群より選択される請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記堆積工程(e)は化学気相堆積(CVD)プロセスまたは原子層堆積(ALD)プロセスを含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記IV族金属含有膜はIV族金属膜、IV族金属酸化物膜、およびIV族金属窒化物膜からなる群より選択される請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
異種金属元素の前駆体を前記リアクタに導入して、前記IV族金属含有膜の組成を調整することをさらに含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記リアクタは約50〜約600℃、好ましくは約200℃〜約500℃、より好ましくは約300℃〜約400℃の温度を有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記リアクタは約0.0001Torr〜約1000Torr、好ましくは約0.1Torr〜約10Torrの圧力を有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
a)反応剤を前記リアクタに導入することと;
b)前記反応剤を前記気化前駆体と反応させることと
をさらに含む請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記反応剤は還元剤を含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記反応剤はN2、H2、NH3、SiH4、Si26、Si38、(CH32SiH2、(C252SiH2、(CH3)SiH3、(C25)SiH3、フェニルシラン、N24、N(SiH33、N(CH3)H2、N(C25)H2、N(CH32H、N(C252H、N(CH33、N(C253、(SiMe32NH、(CH3)HNNH2、(CH32NNH2、フェニルヒドラジン、N含有分子、B26、9-ボラビシクロ[3,3,1]ノナン、ジヒドロベンゼンフラン、ピラゾリン、トリメチルアルミニウム、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、これらのラジカル種、およびこれらの混合物からなる群より選択される請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記反応剤は酸化剤を含む請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記反応剤はO2、O3、H2O、H22、NO、NO2、カルボン酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、これらのラジカル種、およびこれらの混合物からなる群より選択される請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法の生成物を含むIV族金属含有膜でコーティングした基板。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2012−533680(P2012−533680A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520144(P2012−520144)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【国際出願番号】PCT/IB2010/053219
【国際公開番号】WO2011/007323
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(591036572)レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード (438)
【Fターム(参考)】