説明

高温電気化学用のCu系サーメット

銅系サーメット及びその製法が提供される。銅系サーメットは、銅合金及び銅合金相と密着して高度の電子的導通性を示す安定化ジルコニアの相互貫通ネットワークを有する。幾つかの実施形態において、セラミック及び銅系粉体の混合物を、銅又は銅合金の融点以上の温度の還元性雰囲気で焼結する工程を含む方法が提供される。更に、例えば、陽極と金属支持体の間の陽極構造又はバリヤ層としての銅系サーメットを有する電気化学構成が提供される。サーメット構造体及び構造の応用には、固体酸化物燃料セル、水素発生器、電気化学流体反応器などを含む高作用温度電気化学装置の使用が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Cu系サーメット組成物、その組成物の製法及び使用法に関する。
【背景技術】
【0002】
固体相酸化物燃料セル(SOFC)及び関連する高温電気化学装置には、多孔性の陽極、陰極及び高密度セラミック電解質が含まれ、この多孔性陽極の中ではガス状反応物の酸化が発生する。陽極は、イオン及び電子の効率的な導体であることが必要であり、セラミックイオン導体及び金属又は電解質のサーメット混合物及び混合イオン電子導通体(MIEC)が、典型的にこの技術分野で使用されている。ニッケル─イットリア安定化ジルコニア(Ni─YSZ)電極は、その製造の容易さ、作用、及び耐久性の理由で最も広範囲に開発されている。溶融金属は、一般的にセラミックの表面に濡れ性がないと、サーメットの製造温度は典型的に金属の融点より低くなり、そうでないと、金属は、撥水したり、その結果セラミックと金属との間の接触が失われたり、金属ネットワークの相互連結が失われたりする。Ni─YSZサーメットは、一般に、酸化ニッケルとYSZの混合物とを空気中で、高温(1100─1450°C)にて焼結することによって生成される。次、酸化ニッケルは、高温(500─1000°C)で還元性雰囲気に晒されることによって、ニッケルへと変換される。SOFCの燃料流れは、好適に還元性であり、このような遷移をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、銅系サーメット及びその製法を提供する。銅系のサーメットは、密接している銅又は銅合金と安定化したジルコニアとの相互貫通ネットワークを有する。サーメットは、銅又は銅合金相を通じて高度の電子的結合性を有する。セラミック及び銅系粉末を、還元性雰囲気中、銅又は銅合金の融点以上の温度で焼結するサーメットの製法が提供される。更に、例えば、陽極又は陽極と金属支持体の間のバリヤ層としての銅系サーメットを含む電気化学構造が提供される。サーメット組成物及び構造の応用には、固体酸化物燃料セル、水素発生装置、電気化学流体反応器などの高温運転電気化学装置での使用が含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様において、本発明は、銅系サーメットの製法に関する。この製法には、安定化ジルコニアからなるセラミック粒子組成物と銅からなる銅系粒子組成物との混合物を準備する処理と、この混合物を、銅系組成物の融点以上の温度の還元性雰囲気で焼成し、銅系金属とセラミックとの相互貫通ネットワークからなるサーメット組成物を形成する処理とが含まれる。
【0005】
銅系粒子組成物に、純銅や銅合金を含めてもよい。使用可能な合金用の金属には、ニッケル、クロム、モリブデン、チタン、バナジウム、ハフニウム、及びジルコニウムがある。銅合金が使用される場合、これは、粉末合金又は純金属粉末体、粉末化された金属酸化物、粉末化された金属ハイブリッド、及び/又はその他の含金属前駆体粉末であってもよい。幾つかの実施形態において、得られる合金組成物は、0─90重量%のニッケルを含むことができる。また、約0.1─10重量%のCr,Mo,Ti,V,Hf又はZr、又はこれらの結合物が含まれてもよい。これらの結合物の例には、CuNi,Cu94NiCr,Cu94NiTi,及びCu94NiMoの粉体がある。一般に、安定化ジルコニアには、イットリア、カルシア、スカンディア、セリア、及びこれらの結合であるドーパントの中の一つを1−11モル%含む。
【0006】
この方法には、粒子組成物を、例えば、ペースト中に混合すること、及び/又はこの混合物を乾燥し、粉砕し、篩いなどして、セラミックと銅系粒子の焼結された混合物を製造することも含めてよい。混合物には、粒子組成物に加えて孔形成剤のようなその他の添加剤が含まれてもよい。
【0007】
焼結温度は、銅系組成物の融点又はそれ以上である。幾つかの実施形態において、焼結温度は、融点よりも高く、例えば、少なくとも約100°C、150°C、又は200°C高くなっている。この温度は、合金の融点によるものであり、幾つかの実施形態において、少なくとも1200°C又は1300°Cである。高温焼結の結果、銅又は銅合金が溶融するものの、溶融した銅及び銅合金は、ジルコニア粒子を濡らして相互貫通するネットワークを形成することができる。
【0008】
幾つかの実施形態において、銅系サーメットは、電解質及び/又は金属支持体及び/又はその他の電気化学構造層と共に、又はそれに接触して準備してよい。例えば、特別な実施形態において、製法には、混合物と接触したグリーン又はビスク焼きされた電解質前駆体を共焼結することが含まれる。一実施形態の製法には、グリーン又はビスク焼きされた金属支持体の上を混合物で覆い、金属支持体を混合物と共焼結することが含まれる。幾つかの実施形態では、三枚の層をすべて共焼結してもよい。
【0009】
本製法の実施形態は、例えば、粒子又は特徴サイズが約0.1及び10μmの間の細密マイクロ構造を有するサーメットの製造に使用してもよい。高密度又は多孔性サーメットを製造してもよい。
【0010】
本発明の別の態様では、銅系サーメット組成物に関する。サーメット組成物は、相互貫通するセラミック及び銅系ネットワークからなり、セラミックネットワークは安定化ジルコニアからなり、銅系ネットワークは銅及びニッケル、クロム、モリブデン、チタン、バナジウム、ハフニウム、及びジルコニウムの少なくとも一つからなる。
【0011】
一般に、ジルコニアは、イットリア、カルシア、スカンディア、セリア、及びこれらの組合せのうちの一つを約1−11モル%含む。幾つかの実施形態において、ジルコニアは、イットリア安定化ジルコニア、即ち、YSZである。幾つかの実施形態において、銅系ネットワークは、約10−99.9重量%の銅、約0−90重量%のニッケル、及び約0.1−10重量%のクロム、モリブデン、チタン、バナジウム、ハフニウム、ジルコニウム及びこれらの組合せのうちの一つからなる。その例には、CuNi,Cu94NiCr,Cu94NiTi,及びCu94NiMoがある。特定の実施形態において、銅系ネットワークは、少なくとも約50%が銅である。又、幾つかの実施形態において、銅系ネットワークは、電子的導通性の相互貫通ネットワークであり、ジルコニアネットワークは、イオン導通性の相互貫通ネットワークである。
【0012】
銅系サーメット組成物は、例えば、ネットワークの片方又は両方の平均又は特徴サイズが直径で約0.1−10μmの細密マイクロ構造を有するものであってもよい。サーメット組成物は、多孔性であってもよく、高密度であってもよい。平均孔サイズは、直径で約0.1−30μmの範囲でよい。幾つかの実施形態において、サーメット組成物は、例えば、固体酸化物電気化学装置用の陽極構造として多孔性金属支持体及び/又は高密度電解質層と接触してもよい。
【0013】
更に別の態様では、本発明は、多孔性陽極、高密度電解質、及び銅系金属とセラミックの相互貫通ネットワークからなる銅系サーメット材料からなる電気化学装置構造に関する。電気化学装置構造は、平面状であってもよく、筒状であってもよい。銅合金ネットワークは、例えば、ニッケル、クロム、モリブデン、チタン、バナジウム、ハフニウム、及びジルコニウムの少なくとも一つとの銅合金ネットワークであってもよい。幾つかの実施形態において、銅系サーメット材料は多孔性陽極であり、高密度電解質と接触している。一例において、高密度電解質とセラミックネットワークとはYSZである。
【0014】
幾つかの実施形態において、銅系サーメット材料は、例えば、陽極と金属支持体との間のバリヤ層として多孔性陽極と接触している。一例において、多孔性陽極は、Ni−YSZサーメットであり、及び/又は金属支持体はフェライト系ステンレススチールである。銅系サーメットは、陽極と支持体との間の相互拡散を減少させるかもしれない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】種々の実施形態による銅系サーメットの製造プロセスの工程を示すプロセスフロー図。
【図2a】種々の実施形態による銅系サーメット電極を有する多層構造を示す図。
【図2b】種々の実施形態による銅系サーメット電極を有する多層構造を示す図。
【図2c】種々の実施形態による銅系サーメット電極を有する多層構造を示す図。
【図3】幾つかの実施形態による銅系サーメットの詳細を示す電解質/銅系サーメット多層構造の略図。
【図4】銅系サーメットバリヤ層を有する電気化学構造を示す略図。
【図5a】一実施形態により製造された電気化学セルの断面画像。このセルは、YSZ/銅合金サーメット多孔性陽極層、YSZ高密度電解質層、LCSF陰極、及びPt電流コレクタ層を含む。
【図5b】図5aに示すYSZ/銅合金サーメットのマイクロ構造を示す画像。
【図6】図5a及び図5bに示すYSZ/銅合金サーメットのYSZ及び銅合金相の低倍率及び高倍率のSEM及びEDS画像。
【図7a】図5a及び図5bに示すYSZ/銅合金サーメットの切片の高倍率電子画像。
【図7b】図5a及び図5bに示すYSZ/銅合金サーメットの切片の高倍率画像。
【図8a】図5aに示す電気化学セルの800°CでのACインピーダンスデータのグラフ。
【図8b】図5aに示す電気化学セルの分極化挙動を示すグラフ。
【図8c】図5aに示す電気化学セルの電流中断後のセル電位リカバリを示すグラフ。
【図9a】共焼結されたYSZ/銅合金陽極層を有する本発明の一実施形態によるステンレススチールに支持された固体酸化物燃料セルのACインピーダンスデータを示すグラフ。
【図9b】共焼結されたYSZ/銅合金陽極層を有するステンレススチールに支持された固体酸化物燃料セルの極性挙動を示すグラフ。
【図10】本発明の一実施形態例による高密度YSZ/銅合金サーメットの画像。
【図11a】金属支持体/Cu−YSZバリヤ層/Ni−YSZ陽極焼結構造におけるステンレススチール金属支持体及びNi−YSZサーメット陽極間の相互拡散を示すグラフ。図11aは、Ni−YSZ又はCu−YSZ層に接触する支持体の縁からの距離の関数としてステンレススチール支持体のNi成分を示すグラフ。
【図11b】焼結後のNi/YSZ層内の金属粒子のEDS痕跡を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、固体酸化物燃料セルに使用可能であり高温電気化学装置に関する銅系サーメット組成物及び構造に関する。これらの装置には、多孔性陽極、多孔性陰極、及び高密度セラミック電解質が含まれる。多孔性陽極の中では、ガス性反応物の酸化が発生する。陽極は、効率的にイオン及び電子を導通させなくてはならない。上記のように、一般に、セラミックイオン導通体及び金属又は電解質のサーメットの混合物及びイオン電子導通体混合物(MIEC)が使用され、Ni−YSZ(イットリア安定化ジルコニア)陽極が最も広範囲に開発されている。しかしながら、Ni−YSZには、高価、低強度、酸化還元サイクリングに対する不耐性、及びSOFCに関係する多くの燃料の中に存在する炭素及び硫黄による中毒などの欠点がある。
【0017】
本発明による銅系サーメットは、Ni−YSZサーメットに代わるものを提供する。銅はニッケルの代替触媒であり、とりわけ、燃料システムに炭素及び硫黄が存在する場合に有望な作用を示す。銅/酸化銅の遷移は、ニッケル/酸化ニッケルの遷移よりも高い酸素分圧で発生するため、酸化還元への耐性の向上も期待される。
【0018】
更に、銅系サーメットの製法が提供される。上記のように、一般に、Ni−YSZサーメットは、酸化ニッケルとYSZとの混合物を空気中で、高温(1100−1450°C)にて焼結することによって生成される。次に、酸化ニッケルは、高温(500−1000°C)で還元性雰囲気に晒されることによって金属ニッケルに変換される。SOFCの燃料流れは、好適に還元性であり、このような遷移をもたらす。その結果、細密構造(粒子サイズ0.5−5μm)を有するニッケルとYSZとの相互貫通ネットワークが得られる。この工程は、銅とYSZとでは空気中で高温にて反応するため、実行不可能である。銅−電解質サーメット陽極を製造する一方法は、予備焼結された多孔性電解質構造の孔の中への銅の浸透によるものである。浸透処理は、電子輸送の為の効率的な浸透ネットワークを供するよう銅が十分に装填されるように何度も繰り返す必要があり、これは、高価で時間のかかる工程である。本発明の実施形態は、単一ステップによって高度な導通性を有する銅−電解質サーメットの製法を提供し、これは、既存技術よりかなり有利である。この方法は、微小な銅及び電解質(例えば、YSZ)粒子の混合物を還元性雰囲気中、銅の融点付近、又はそれ以上の温度で焼結することを含む。
【0019】
次に、特定の実施形態を詳細に参照する。特定の実施例の例を図示する。本発明は、特定の実施例によって記述されるものの、特定の実施例によって本発明が限定されることを意図していない。これに反し、後述の請求項で定義されるように、本発明の思想に沿った別例、変更例、均等例などを含むことを意図している。後で述べる記述では、本発明の完全な理解を目的として特定の詳細が説明されている。特定の詳細例には、特定の実施に使用しないものも含まれる。別の場合、本発明の実際の内容を明確にするため、周知のプロセスや操作についての記述を省略する。
【0020】
本発明は、固体酸化物燃料セルに関して開発されたものであり、主としてこれに関し本願の文脈中に開示されているが、これに限定されるものではなく、他の電気化学装置を含む種々の応用面があることに留意すべきである。本発明は、混合されたイオン電子導通体を要する他の高温用途に応用可能である。
銅系サーメットの製造
一態様において、本発明は、銅系サーメットの新規な製法に関する。この方法は、細密な銅及びセラミック(例えば、YSZ)の粒子を還元性雰囲気中、銅の融点付近、又はそれ以上の温度で焼結することに関する。溶融金属は、一般的にセラミック表面を濡らさないため、サーメット製造の温度は、金属の融点未満であり、そうでないと、金属は、セラミックネットワークから撥水する。結果として、セラミックと金属との間の接触が失われ、金属ネットワーク内の相互結合も失われてしまう。大部分の溶融金属とは異なり、銅及び銅合金は、YSZのようなセラミックの表面に良好な濡れ性を示す。粒子混合物を融点以上で焼結すると、相互接続を維持したまま、銅相は、相互接続したセラミック格子のボイド空間を占有することができる。
【0021】
図1は、本発明の種々の実施形態に従って銅系サーメットを製造する処理の段階を示すフロー図である。第一に、粉体セラミックと粉体銅組成物とが供給される(101)。説明の便宜上、図1及び以下の説明の大部分においてイットリア安定ジルコニア又はYSZについて言及するが、他の酸素イオンを導通させる安定化ジルコニアセラミックも、以下記述される工程、組成物、及び構造に使用可能であり、YSZに関する言及もこれらを含むことを理解すべきである。一般的に、イットリア、カルシア、スカンディア、セリア、及びこれらの組合せからなるドーパントの一つを約1−11モル%有し、酸素イオンを導通させるジルコニアセラミックがこれらに含まれる。安定化ジルコニア粉体は、正方晶又は立方体の相構造、又は正方晶及び立方体の混合物を有してもよい。
【0022】
粉体銅組成物は、種々の形態で供給されてよい。後述するように、特定の銅合金は、純粋の銅よりYSZに良好な濡れ性を示す。このため、多くの実施形態において、銅構造体は合金である。しかしながら、本発明の特定の実施形態では、合金ではなくて純粋の銅が使用される。銅合金を使用する場合、粉体構造体は、粉体合金又は金属粉体の混合物の形態で供給されてもよい。幾つかの実施形態において、粉体組成物は、金属粒子と酸化物又はハイブリッドの混合物を、焼成工程で部分的又は全体的に還元された酸化物のように含むことができる。粉体銅構造体の例には、粉体Cu、粉体Cu及び合金金属(及び/又はハイブリッド及び/又はこれらの金属の酸化物)、又は粉体Cu合金(及び/又は酸化物及び/又はその合金のハイブリッド)が含まれる。合金金属には、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ハフニウム(Hf)、及びジルコニウム(Zr)が含まれる。特定の実施形態において、組成物には、0.90重量%のNi及び0.1−10重量%のCr,Mo,Ti,V,Hf、Zr又はこれらの混合物を伴うCuを含むか、及び/又は実質上それからなる。
【0023】
上述したように、Ni、Cr,Mo,Ti,V,Hf、Zrのいずれも金属、酸化物、ハイブリッド、又は他の前駆体として供給されてよい。一方で、一般的に、銅は、金属銅粉体又は粉体合金として供給される。例えば、一実施形態において、Cu94NiCr混合物は、実質上Crの形態で提供されるCu、Ni、及びCrからなる。重量%は、例えば、0.95g Cu,0.04g Ni 及び0.029g Cr又は94重量%Cu、4重量% Ni、及び2重量%Crである最終的合金構造体の重量%を指す。組成物のその他の例には、金属(例えば、Mo又はTi金属)又は酸化物(例えば、Cr又はTiO)の形態で提供されるCu又はCu合金に加えてCu96Ni、Cu94NiTi、及びCu94NiMo又は他の前駆体がある。
【0024】
種々の実施形態において、YSZ及び銅系組成物粉体は、0.1−10μmの範囲であってもよい。
粉体のYSZ及び粉体の銅系組成物は、混合されてグリーンコンパクトを形成する(103)。混合に、あらゆる適当な方法を用いてもよい。例えば、特定の実施形態において、イソプロパノール溶液中のHPC(ヒドロキシプロピルセルローズ)を使用して粉体が共に混合されて、濃厚なペーストにされる。コンパクトは、本来は、YSZと金属粒子の間に孔を有し、追加的に孔形成剤が編入されてもよい。混合物は、製粉機にかけられたり、粉砕されたりして、微小粒子にされる。
【0025】
次に、金属とセラミックとの粒子は、還元性雰囲気中、銅相の融点又はそれ以上の温度で焼結される(105)。焼結温度は、(銅相が溶融するように)融点から融点よりも数百度高い範囲である。多くの実施形態において、焼結温度は、銅又は銅合金の融点よりも、例えば、少なくとも約100°C実質的に高くなっている。一般に、焼結工程は、大気圧に近い圧力で実施される。
【0026】
コンパクトが減圧下で焼結されるため、種々の現象が発生する。銅合金(又は純粋な銅)相の融点以下で、YSZ粒子は焼結し始め、連続的な相互貫通YSZ格子ネットワークが形成される。銅合金相粒子も焼結する。この段階において、YSZと銅合金相との間における最小限の焼結が期待される。銅合金の融点以上になると、銅合金が溶融し始める一方で、YSZの焼結は継続する。サーメットの構造的完全性及び形状は、主としてこの段階におけるYSZに依存する。溶融された銅合金は、多孔性YSZ格子内のボイド空間を占有するものと想定される。焼結温度の上昇に伴い、YSZの表面が還元され、これにより、YSZ表面上での銅合金の濡れ性が向上する。従って、溶融金属の溜まり又は完全突出(合金がYSZを濡らさない場合に予期されること)が防止される。それに反し、溶融合金は細密構造を維持し、YSZ格子と相互貫通する相互接続した格子となる。そして、銅合金を固化して銅系サーメットを得るため、焼結された構造体が冷却される。多くの実施形態において、一般に、銅ネットワークが元の粒子形態と類似せず、接続された部位や樹枝状形態を示すのに対し、YSZネットワークは、共に焼結された粒子の外観を呈する。この工法は、多孔性又は高密度のサーメットの製造に使用可能であり、密度は、例えば、銅相への合金要素の添加、孔形成剤の添加、焼結期間における定圧加圧、又はYSZ-銅比率の制御によって制御される。
【0027】
上記の工程によると、唯一の処理によってサーメットが焼結及び還元される。このことは、酸化ニッケルとYSZとがまず第一温度にて空気中で焼結された後、酸化ニッケルが別の温度で金属ニッケルに変換される従来技術と比較して、有利な点を提供する。
【0028】
上記の工程によって相互接続された金属相を有する銅系サーメット構造体は、YSZ又は他の安定化ジルコニア上の銅又は銅合金の濡れ性の結果として得られる。YSZ上の銅の濡れ性は、多くの要素によるものであり、例えば、焼結温度が銅の融点以上になると濡れ性は向上する。発明者らは、1200°Cで焼成した後のYSZ上の純銅の適度の濡れ性、及び1300°Cで焼成した後の同一の組成物の優れた濡れ性を観察した。特別な理論に拘束されることなく、これは、高温におけるYSZの表面の化学的性質変化(例えば、還元)に関係するものと思われる。YSZ上の銅の濡れ性は、同様に、還元性雰囲気での焼成によっても期待される。銅の濡れ性は、合金元素の添加(合金として、又は物理的混合として)によっても向上する。例えば、Zr又はNi及びCrの添加によるYSZの上の銅の向上した濡れ性が報告されている。Nakashima et al., ”Effect Of Additional Elements Ni And Cr On Wetting Characteristics Of Liquid Cu On Zirconia Ceramics,” Acta mater. 48(2000)46 77−4681 及びIwamoto et al., Joining Of Zirconia To Metals Using Zr?Cu Alloy Engineering Fracture Mechanics Vol.40, No.415,pp.931−940,1991を参照し、両者とも本願に参照として組み込まれている。
【0029】
銅-YSZサーメット製造の上記の方法の更に別の有利点は、金属支持体の焼結と矛盾しないことである。薄手の銅−YSZ活性層は、機械的に強固な構造を達成するため、多孔性金属(例えば、FeCr)の厚手の支持体上で焼結することができる。広範囲に亘る酸化を防止するため、一般的な金属支持体は、還元性雰囲気中で焼成されなくてはならない。上記のように、一般に、Ni−YSZサーメットは、NiOとYSZとを空気中で、高温(1100−1450°C)にて焼成し、その後かなりの低温(500−1000°C)でニッケルに還元することによって製造される。相互貫通のNi-YSZ構造は、高温の還元性雰囲気中で直接製造できるが、ニッケル粒子はかなり粗雑となり、還元性雰囲気中でのYSZの焼結に必要な高温(1100−1450°C)での十分な焼結のためYSZへの濡れ性が不良となる。その結果、触媒活動の為の表面積は狭くなり、電気的接触が不良となる。金属支持体とニッケルとの間の相互拡散によりニッケルの触媒作用が更に劣化し、SOFCの動作中における金属支持体の酸化に影響を及ぼす。それとは対照的に、還元性雰囲気において、溶融銅は、高温でYSZを良好に濡らし、YSZネットワークや金属支持体への接触が良好な銅の連続的で高い表面面積のネットワークを可能にする。
銅系サーメット構造体
別の態様において、本発明は、銅系サーメットに関する。銅系サーメットは、ドーパントで安定化されたジルコニアセラミック及び銅又は銅合金の相互貫通ネットワークである。相互貫通ネットワークとは、相互に貫通しているセラミックと金属ネットワークとのことを指す。これには、セラミック材料が金属ネットワークを浸透している、及び/又はその逆であるサーメットが含まれる。応用分野により、サーメット内のセラミックと金属との相対量は変化してよい。これらのネットワークは密接しており、セラミック相を通じた高度のイオン接続性、及び銅系相を通じた高度の電子的接続性を有している。
【0030】
上記のように、ドーパント安定化ジルコニアは、通常酸素イオン導通性ジルコニアセラミックであり、約1−11モル%のイットリア、カルシア、スカンディア、セリア、及びこれらの組合せから選ばれる一種を有している。YSZ(又は他のセラミック)は、部分的に還元されたものであってもよい。
【0031】
銅又は銅合金のネットワークは、銅を含み、幾つかの実施形態において、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ハフニウム(Hf)、及びジルコニウム(Zr)の中の少なくとも一種が含まれる。製造中、合金は、一般に還元された金属である。作用中、合金は、一部酸化されてもよい。特定の実施形態において、銅系ネットワークは、0−90重量%Ni及び0.1−10重量%のCr,Mo,Ti,V,Hf,Zr又はこれらの混合物と共にCuを含み、及び/又はこれらからなる。これには、いくらかの元素が酸化物(例えば、焼結工程の間に一部還元されたCr)、又は他の前駆体の形態である組成物が含まれる。特定の実施形態において、少なくとも約50重量%の銅合金ネットワークが銅である。
【0032】
応用として、サーメットの銅系相は、触媒及び電気接続の片方又は両方に使用してよい。銅構造は、(例えば、溶融銅又は銅合金のセラミック粒子への良好な濡れ性により)高表面面積であり、銅、イオン導通体及びガス状反応物の間の三相境界付近の化学的並びに電気化学的反応を支持することができる。銅系ネットワークは、連続的及び電気的導通性でもある。
【0033】
特定の実施形態において、サーメットは、細密マイクロ構造を有し、例えば、YSZ及び/又は銅系格子は、粒子直径サイズが約0.1−10μmの範囲である。孔サイズは、約0.5−30μmの範囲である。
【0034】
サーメットは、多孔性又は高密度である。高密度とは、相互接続多孔性が不浸透性になる程度に低いサーメットを意味する。多孔性サーメットは、後述するように、電気化学装置内の多孔性陽極又はバリヤ層を含む用途に使用できる。高密度銅系サーメットは、電気化学装置の密接部分を含む用途又はサーメット、セラミック及び金属の結合に使用可能である。一般的に、サーメットの密度は、約30%から100%である。
【0035】
銅系サーメットは、図1を参照して上記の方法で製造できる。
銅系サーメット電気化学構造
本明細書に記述される銅系サーメットは、例えば、陽極構造のような電気化学装置構造を含む種々の構造に使用可能である。SOFC及び他の高温装置は、多孔性陽極、多孔性陰極及び高密度電解質を有する。多孔性陽極では、ガス状反応物の酸化が発生する。本発明の実施形態には、銅系サーメット陽極を有する電気化学構造が含まれる。
【0036】
図2a−図2cは、種々の実施形態における銅系サーメット電極を有する多層構造を示す。(以下の記述において、上記の銅−サーメットへの言及としてCu−YSZが使用される。即ち、銅又は銅合金金属及び安定化ジルコニアセラミックの相互貫通ネットワークである。)図2aは、多孔性Cu−YSZ陽極層203の上の高密度化されたYSZ電解質層201上の陰極層204を示す。この構造は、電気化学セルを形成する。Cu─YSZ層203は、セル用の機械的支持体として作用してもよい。固体酸化物燃料セルの場合、水素系燃料が陽極に与えられ、空気が陰極に与えられる。電極/電解質界面で形成された酸素イオン(O2−)は、電解質内を移動して、燃料電極/電解質界面で水素又は他の燃料と反応し、相互接続/電流コレクタ(図示なし)で収集される電気エネルギを放出する。これと同じ構造が、二個の電極間に電圧を与えることにより電気化学反応器として作用可能である。陰極にてガスから生成されたイオン(例えば、空気からの酸素イオン)は、電解質(所望の純粋ガスのイオンに対する導通性によって選択される)内を移動して、陽極における反応物の流れと反応し、例えば、合成ガスを発生する。電解質が酸素イオン導通体でなくてプロトン導通性薄膜であれば、この装置は、他の不純物を水素と共に含む、例えば、メタン再形成(CH+HO→3H+CO)によって得られる供給ガスから水素を分離するのに使用可能である。一方の電極/薄膜界面でのH/CO混合物から形成されるプロトン(水素イオン)は、電極間に与えられる電圧で駆動されて電解質内を移動することにより、他の電極において高純度の水素を発生することができる。従って、この装置は、ガス発生装置/純化装置として作用可能である。
【0037】
図2bは、より厚手の多孔性金属支持体211上に薄手の活性多孔性Cu−YSZ陽極層209、その上に高密度化電解質層207、その上に多孔性陰極層205を示す。この実施例では、例えば、支持体211が、FeCrのような安価な高強度金属材料からなる場合に使用可能である。Cu−YSZの薄手の活性層は、機械的に強固な構造を実現するため、より厚手の支持体上で焼結されてもよい。上述のように、図1を参照して説明された銅系サーメットの製法は、これらが高温還元性雰囲気で直接形成可能であるため、金属支持体上での焼結と矛盾しない。図2bは、更に、金属電流コレクタ212を示し、これは、通常は多孔性であり、電子的に導通性である。この層は、陰極206用の電流コレクタとして作用する。これは、セル用に構造的な支持を提供する必要がないため、金属支持体211よりも薄手であってもよい。層212は、多孔性材、穿孔シート、ワイヤ、メッシュなどであってもよい。仮に、陰極205が電子的に十分に導通性であれば、金属電流コレクタ212は不要かも知れない。
【0038】
特定の実施形態において、多孔性金属支持体は、電気化学セルの陰極側にあってもよい。これは、図2cに示され、ここでは、多孔性金属支持体219上にて陰極層217と接する高密度YSZ電解質層215、これに接触するCu−YSZ陽極層213が示されている。図2cの実施のため、金属電流コレクタも使用可能である。図2b及び図2cに示す多孔性支持体は、相互接続に結合されてもよい。
【0039】
図3は、電解質/銅系サーメット多層構造の略図であり、特定の実施形態による銅系サーメットの詳細を示している。高密度電解質301は、銅系サーメット陽極構造303と接触している。電解質は、例えば、YSZ又は他の酸素イオン導通性安定化ジルコニアのような高密度イオン導通性材料である。陽極構造303は、銅叉は銅合金315の連続的ネットワーク及びYSZ又はセラミック粒子317の連続的ネットワークを含む。金属相は、三次元的相互接続されたネットワークを形成し、即ち、金属ネットワークは隣接し、図示された各区分は、この隣接した金属ネットワークの一部である。同様に、セラミックネットワーク粒子は、三次元的相互接続されたセラミック層を形成する。この略図には、任意的な触媒粒子319も示され、例えば、Ru粒子などの粒子が陽極内に分散されていてもよい。銅は、SOFCの陽極にて炭素と硫黄とに対する優れた耐性が知られ、それゆえに、特定の実施形態において、銅又は銅合金のみで十分の触媒作用があり、Ru又はその他の触媒の添加が必要であるかもしれない。銅は陽極構造を通じて電子的に接続されたネットワークも提供するため、浸透性電子的ネットワークを形成する必要なく、追加的触媒剤を陽極内に分散させてもよい。
【0040】
別の態様において、本発明は、Cu−YSZサーメットがバリヤ層として作用し、かつ金属支持体と陽極層との間に位置される構造に関する。図4は、Cu−YSZバリヤ層403を有する電気化学構造の略図である。銅系サーメット層403は、金属支持体405とNi−YSZ陽極401との間に設けられている。サーメットは、陽極と金属支持体との間の結合及び電気的接続を提供し、また、これらの層の間の相互拡散を軽減する。例えば、フェライト系ステンレススチール支持体とNi/YSZ陽極層との間に位置された場合、Cu−YSZサーメットは、支持体から陽極及びFeCrからニッケルの相互拡散の程度を低下させる。このことは、以下例2において説明する。

以下の例は、本発明の種々の態様を説明することが目的であり、発明を限定するものではない。
例1:金属又は酸化物添加による銅合金のイットリア安定化ジルコニア(YSZ)への結合
少量の酸化物及び/又は金属が銅又は銅合金に添加された。これにより、YSZへの濡れ性と接合を向上することが示された。使用された材料は:銅粉末1−1.50μm、ニッケル粉末3μm、TiO−1μm、Mo金属3−7μm。
組成物
”96Cu−4Ni”
0.96g Cu
0.04g Ni

”94Cu−4Ni−2Cr”
0.94g Cu
0.04g Ni
0.02g Cr

”94Cu−4Ni−2Ti”
0.94g Cu
0.04g Ni
0.02g TiO

”94Cu−4Ni−2Mo”
0.94g Cu
0.04g Ni
0.02g Mo(金属)

各々の混合物に同重量のIPA溶液中の2重量%のHPC(ヒドロキシプロピルセルローズ)を加え、粉体の混合用の濃厚なペーストを作製した。各ペーストの一滴を、磨かれたYSZの皿(直径約3cm)に載せた。次に、サンプルは、4%H/Heの流量60sccmの筒状の炉で、以下の加熱スケジュールに従って焼成された:
8時間で300°Cへ
3時間20分で1300°Cへ(5°C/分)
1時間保持
3時間20分で25°Cへ。
【0041】
焼成後、4個のサンプルでは、濡れ性が”96Cu−4Ni””94Cu−4Ni−2Cr””94Cu−4Ni−2Ti” ”94Cu−4Ni−2Mo”の順に改善され、すべてYSZのディスクに結合された。このことは、金属又は酸化金属の形態で銅合金に添加することでYSZへの濡れ性が向上することを示している。
例2:合金構造体の濡れ性及びフェライト系スチールへのCr拡散への効果
ニッケル成分を増加することの濡れ性及び銅合金内でのCr拡散の効果を評価した。合金を含むFeCrと接触している銅合金又はサーメットの焼結中、Cr及び/又はFeは、金属支持体から銅合金へと拡散してしまう。この結果、Cr含有微細金属粒子は酸化し、燃料セルの作用期間中に、サーメットが割れる虞がある。Crは、銅への溶解度が非常に低いことが知られているが、ニッケルの量が如何に高温におけるCrの溶解度に影響するかについては未知である。以下に記載する組成物を430SSシート上で焼成し、次に、これらを、銅とニッケルには還元性を示すがCrには酸化性を示す雰囲気中に設置(800°Cで24時間H+3%HOの中)した。その後、我々は、50重量%以上の銅を含む銅合金がCr拡散及びその後の酸化が行われないことを見出した。この実験により、我々は、下記の組成物が還元性雰囲気中で、かつ1000°C以上の温度でYSZとの焼成に好適であることを見出した:0−90重量%のNi、及び0.1−10重量%のCr,Mo,Ti,V,Hf,Zr又はこれらの混合物(金属、酸化物、ハイブリッド、又は前駆体として)を伴う銅。この組成物は、合金、金属粉の混合物、金属粒子と酸化物又はハイブリッドとの混合物、又は焼成期間中に部分的又は全体的に金属に還元する酸化物の形態であってよい。
【0042】
我々は、このような合金組成物がYSZと焼成されたり、FeCr合金と共焼成されたりすることを見出した。YSZに結合された合金は、燃料セル陽極雰囲気(800°Cで24時間H+3%HO中)における高温焼き戻しの後であっても、YSZへの結合は良好である。合金がフェライト系スチールのような別の金属に接触して焼成される場合には、Crの銅への拡散が過剰にならないように、銅成分が50重量%以上であることが望ましい。
【0043】
これらの合金で製造されたサーメットは、銅の融点以上で焼成されたとしても、細密構造(直径<0.5−10μmの特徴サイズ)を維持することができる。改善された濡れ性と結合性により、非常に長手の構造物を作製することができる。上記のように、本発明の多くのサーメットにおいて、銅ネットワークが接続された区分及び樹枝状形態等を有するのに対し、セラミックネットワークは、本来の構造を有し、即ち、共に焼結された粒子の様相を供する。セラミックネットワークの粒子及び銅ネットワークのこれらの特徴は、最小断面において約10μm以下である。
例3:YSZ/Cuに支持されたSOFC
陽極触媒の主要部としてのYSZ/Cu合金サーメット構造の有効性を評価するため、薄膜電解質セルをYSZ/Cu合金サーメット上に作製した。YSZ/Cu−Ni−CrのディスクをYSZ電解質の薄層により覆い、還元性雰囲気中1300°Cで共焼結した。少量のNi及びCrの添加でYSZ上での銅の濡れ性が向上する。焼結後、YSZ/Cu合金サーメットは、室温で電子的導通性を示した。この構造は、燃料雰囲気でRuに変化する少量のRuClで浸透された。Ptの電流コレクタを有するスプレイされたLSCF陰極が、電気化学的評価のために添加された。
製造
5g 8Y YSZ(Tosoh Corp)、4.75g Cu,0.2g Ni,0.073g Cr(すべて粉末粒子サイズ1.5μm以下)、0.12g PMMA(ポリメチルメタクリレート)孔形成剤(0.5−11μm粒子サイズ)、及び0.2g HPC(ヒドロキシプロピルセルローズ)がIPA(イソプロピルアルコール)内で、24時間、ボールミルにより粉砕された。次に、この混合物は乾燥され,粉砕され、150μm以下に篩い分けされた。得られた粉体を、10kpsiにおいて直径1インチのディスクへ一軸的に圧接した。一枚のディスクは、1000°Cで2時間、還元性雰囲気(4%H残余Ar)中でビスク焼きした。次に、ディスクの一面を、IPAとDBT(ジブチルフタレート)分散剤の溶液からの8Y YSZの薄層によりエアロゾルスプレーした。得られた二層を、1300°Cで4時間、還元性雰囲気中で共焼結した。焼結後、YSZ/Cu合金支持層は、室温で電子的導通性であり、YSZ電解質薄膜は、高密度であり、かつ割れもピン孔もなかった。LCSF陰極を、エアロゾルスプレーにより電解質表面に付着した。Ptペースト及びPtメッシュからなる電気的リードを、LCSF陰極及びYSZ/Cu合金支持体に付した。セル全体を、評価用装具に搭載し、陰極側の周囲空気及び湿気のある水素を陽極側に流して、燃料セル試験のため800°Cに加熱した。
【0044】
図5aは、試験後のこのセルの断面画像である:YSZ/銅合金多孔性陽極層507、YSZ高密度電解質層505、LCSF陰極503、及びPt層501。支持体と電界質の間に適宜な結合が達成されている。図5bは、図5aに示すYSZ/銅合金サーメットの構造を示す画像である。YSZ(509)及び銅(510)相の細密構造は、焼成及び試験の後も維持されている。YSZ粒子間のネッキングは、YSZのみの構造においてよく観察されるようには発展していない。図6は、SEM及びEDS画像を示す。SEM画像601及び603は、サーメットを低倍率及び高倍率でそれぞれ示している。EDSマップ605及び607は銅相を低倍率及び高倍率でそれぞれ示し、EDSマップ609及び611はジルコニア相を低倍率及び高倍率でそれぞれ示している。図6のSEM及びEDSマップは、サーメット支持構造を通じて銅合金及びYSZが均一的に分散されていることを示す。高倍率画像603,607及び611は、銅の領域が最大10μmまで大きな特徴に溜まることを示している。これは、銅が平均粒子サイズ10μmの孔形成剤で導入される孔の中へ突入したかもしれない。
【0045】
図7aは、YSZ/銅合金サーメットの切片の高倍率電子画像である。この切片は、非常にクリーンで詳細な表面を供する合焦点イオン線(FIB)で切断されたものである。最も暗い区域はエポキシであり、より明るい区域はYSZ及び銅合金である。粒子サイズの小さいことは明瞭である。図7bは、FIBで切断された面を示し、この画面は、電子ビームでなくイオンビームで作製されたものである。これにより、YSZと銅合金とのコントラストがより鮮明に表示される。暗い部分はYSZであり、電界質膜は画面の左側に見える。うす灰色の部分はエポキシであり、白色の部分は銅合金である。銅合金が非常に微小な特徴サイズを維持していることは明瞭である。
【0046】
スプレーされた陰極を備えたYSZ/銅合金サーメットで支持されたセルの電気化学機能について評価した。試験結果を以下に示す。図8aは、フルセルの800°CでのACインピーダンスデータのグラフである。オーミックインピーダンスは極めて良好であり、合金相における高度の電子導通性、及び良好なイオン導通性を与える十分なYSZ相焼結を示している。全体的セルインピーダンスは、LCSF陰極からの有意な寄与を含むであろう。図8bは、セルの分極化挙動を示すグラフである。開回路電位(OCP)は1.0V以上であり、良好な密着及び漏れのない電解質層を示している。最大電力密度は275mW/cm以上である。図8cに示す電流遮断後の急速なセル電位リカバリは、オーミック及び活性過電圧が濃度分極化よりもかなり大きいことを示している。YSZ/銅合金及びLCSF構造中において質量移動は適切であった。
例4:共焼結されたYSZ/銅合金陽極層を有するステンレススチールに支持されたSOFC
図2bに示す5層のセルを、金属支持体とYSZ/銅合金陽極層と共に作製した。このセルは、以下に記載の層を含む:
1.多孔性ステンレススチール支持体
2.多孔性YSZ/銅合金陽極層
3.高密度YSZ電解質
4.多孔性YSZ/LSM陰極層
5.多孔性ステンレススチール電流コレクタ
このセルは、全ての目的のためその全体が本明細書に参照として組み込まれた2007年7月26日に提出の米国暫定特許出願第60/962054号(”Interlocking Structure For High Temperature Electrochemical Device And Method For Makinig The Same”)により作製されたものである。
製造
ステンレススチール支持体は、筒状体及びマンデルの型に入れた金属粒子を20kpsiで定圧的に圧接して作製した。金属粒子は、9gのフェライト系ステンレススチール粉体、1gの銅(1.5μm)、0.5gのPEG 6000(ポリエチレングリコール)、1.5gのPMMA(53−76μm),及び2gのアクリル溶液(水中15重量%)を混合して調整した。混合され、破砕されて、<150μmに篩いわけされる間に、混合物を乾燥した。加圧の後筒状体を、空気中525°Cで1時間デバインドし、1000°Cの還元性雰囲気で2時間、ビスク焼きした。30gのIPA,5gの8y YSZ、4.75gのCu、0.2gのNi、0.073gのCr2O3、1gのPEG300、1.2gのアクリルビード(0.5−11μm)の溶液からディップコーティングすることにより、YSZ/銅合金サーメットの層をビスク焼きした筒体に付した。支持体及び浸潤された層を、1050°Cの還元性雰囲気で2時間、ビスク焼きした。次に、電解質層を、IPA,8Y YSZ,及びDBTの溶液からエアロゾルスプレーによって付着した。次に、得られた三層構造体を、1300°Cの還元性雰囲気で4時間、共焼結した。共焼結後、陰極中間層が、YSZスラリー(2.7g水性アクリル分散(15重量%固体)、0.534g 0.3−1μmYSZ粉体、0.0165g 0.5−3.5μmアクリル孔形成剤ビード、0.0495g 7−11μmアクリル孔形成剤ビード)の上をブラッシングして付けられた。次に、フェライト系ステンレススチール電流コレクタを、2006年7月28日に提出された、”Joined Concentric Tubes”と題する本願にすべての目的において全体的に合体されるものである出願PCT/US2006/029580号に記載されたように、筒体の周囲に設置した。次に、得られた五層構造体を、1275°Cの還元性雰囲気中で4時間焼成した。焼結したセルを、Ticsil(Morgan Advanced Ceramics)を使用して、セルハウジング及びガスマニホールドに対しろう接により密着させた。密着後、セルを評価用装具上に配置し、周囲の空気と700−800°Cの湿気ある水素の流れの中で作用させると、筒体内部(陽極)はIPA内のRuClによって浸透され、外部(陰極)はLSMによって浸透される。
【0047】
金属支持体は、焼結中、薄手の層間体からの銅の蒸発を最小に抑えるため、10重量%の銅を含んでいた。評価前、陽極層は、燃料雰囲気内でRuに変化するRuClの希釈溶液で浸透された。試験結果を以下に記述する。
【0048】
図9aは、オーミックインピーダンスを示す。図9aに示すオーミックインピーダンスは熱的に活性化されたものであり、イオン導電率が支配的である(即ち電子的導通性が非常に高い)ことを示唆している。これは、図5bに見られるように、銅存在下でのYSZネッキングの減少によるものであろう。図9bは、セルの分極性を示す。分極は線形性を示し、91mW/cmの最大電力密度を達成した。
例5 高密度銅−YSZサーメット
高密度であるYSZ/銅サーメットを準備した。このサーメットは、49重量%8Y YSZ,49重量%銅、及び2重量%IPA内のHPCをボールミルで粉砕した後、乾燥、<150mmに篩い分け、及び10kpsiまで一軸的に加圧して作製した。得られたペレットコンパクトを、1300°Cの還元性雰囲気で、4%H/残余アルゴン中で焼結した。図10は、高密度サーメットのSEM画像である。画像の明るい部分は銅相で、灰色の部分はYSZ、小さい黒色部分は孔である。この構造体は、完全に高密度ではないが、孔は極めて小さく(<2μm)、接続は良好ではない。銅相中での合金元素の使用、焼結中での高温定圧加圧、又はYSZ−Cu比率の調節によって、100%近くの密度が期待されるであろう。焼結中、いくらかの銅はペレットの孔から流出して、ペッレットの外側にCuの溜まり及び球形を形成した。Cuに4重量%Ni及び1重量%Crを追加して、上記の製法に従い、追加的ペレットを作製した。流出の程度は、純Cuの場合に比較して低下した。これは、Ni及びCrの追加によりYSZへのCuの濡れ性が改善されたためである。
例6 バリヤ層としてのCu−YSZサーメットの使用
図4に示すように、金属支持体、Cu−YSZバリヤ層、及びNi−YSZ陽極層を有するモデル構造を作製した。ビスク焼きされた多孔性フェライト系ステンレススチール筒状支持体が、Cu合金/YSZサーメットペンキ(0.96gアクリル溶液(水中42重量%)、0.216g 8y YSZ, .306g Cu, 0.013g Ni、 0.005g Cr, 0.08g アクリルビード(0.5−11μm))と共にブラッシ塗りされた。この層の上に、Ni/YSZペンキ(2.7g アクリル溶液(水中15重量%)、0.218g 8Y YSZ,0.322g Ni)を塗装した。これとは別に、Cu−YSZバリヤ層のないフェライト系ステンレススチール支持体に直接Ni/YSZペンキを塗装することによって、別の構造を作製した。得られた層状構造を、1300°Cで4時間、4%H2/Ar中で共焼結した。焼結後、これらの構造を、エポキシ上に配置し、区分化して、研磨した。種々の層の元素成分を、スキャン原子顕微鏡を使用したエネルギ分散x線(EDS)解析によって、特定した。図11aは、ステンレススチール支持体のNi成分を、Ni/YSZ又はCu/YSZ層に接触する支持体の縁からの距離の関数として示している。Ni/YSZとステンレススチールとが直接接触するため、Niのステンレススチールへの拡散が観察された。Cu−YSZ層がステンレススチールとNi/YSZとを隔離しているため、非常に少量のNiしか、ステンレススチールへ拡散しなかった。図11bは、焼結後のNi/YSZ層内の金属粒子のEDS痕跡を示す。Ni/YSZとステンレススチールとが直接接触するため、Fe及びCrのNi/YSZへの拡散が観察された。Cu−YSZ層がステンレススチールとNi/YSZとを隔離しているため、非常に低程度のFe及びCrの濃度が観察された。
結論
上記の発明は明確な理解のため詳細に記述されたものであるが、ある程度の変形や変更が記載されたクレームの思想の範囲内で実施可能であることは明白である。特に、本発明は、主に、固体相酸化物燃料セル及び合成ガス発生装置、エレクトロライザ、電気化学流体反応装置のような電気化学装置に関して説明したが、当業者であれば、銅系サーメット及びその製法のための他の応用についても明白であろう。例えば、サーメットは、金属とYSZとの接合に使用可能である。本発明の構造及び方法を実施する多くの別の方法が存在することに留意すべきである。従って、本実施形態は、例示的なものであって、限定的なものではなく、本明細書に開示された詳細に本発明を限定すべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Cu系サーメットを製造する方法であって、
安定化ジルコニアからなるセラミック粒子組成物と銅からなる銅系粒子組成物の混合物を準備する工程と、
前記混合物を、前記銅系組成物の融点以上の温度の還元性雰囲気で焼成し、銅系金属とセラミックとの相互貫通ネットワークからなるサーメット組成物を形成する工程と
を備える方法。
【請求項2】
銅系粒子組成物が、ニッケル、クロム、モリブデン、チタン、バナジウム、ハフニウム、及びジルコニウムから選ばれる少なくとも一つからなる銅合金組成物である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
銅合金組成物が粉末体合金からなる請求項2に記載の方法。
【請求項4】
銅合金組成物が、純金属粉末体合金及び/又はその酸化物又はハイブリッドからなる請求項2に記載の方法。
【請求項5】
銅系金属ネットワークが、約0−90重量%のニッケル含有組成物及び約0.1−10重量%のCr,Mo,Ti,V,Hf又はZr含有組成物又はその結合からなる請求項1に記載の方法。
【請求項6】
安定化ジルコニアが、イットリア、カルシア、スカンディア、セリア、及びこれらの組合せのうちの一つを約1−11モル%含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
焼成温度が、前記銅系組成物の融点より少なくとも約100°C高い請求項1−6に記載の方法。
【請求項8】
焼成温度が、少なくとも約1200°Cである請求項1−6に記載の方法。
【請求項9】
焼成温度が、少なくとも約1300°Cである請求項1−6に記載の方法。
【請求項10】
溶融した銅又は銅合金が、ジルコニア粒子を濡らせて前記相互貫通ネットワークを形成する請求項1−6に記載の方法。
【請求項11】
前記混合物と接触するグリーン又はビスク焼きされた電解質前駆体を準備して、前記電解質前駆体を前記混合物と共焼成する工程を更に備える請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記混合物をグリーン又はビスク焼きされた金属支持体で被い、前記金属支持体を前記混合物と共焼成する工程を更に備える請求項1又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記混合物を、グリーン又はビスク焼きされた電解質前駆体、及び前記混合物と接触する金属支持層と共焼成する工程を更に備える請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記混合物が、更に、孔形成材を含む請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記サーメット組成物の前記相互貫通ネットワークの各々の平均特徴サイズが、約0.1−10μmの範囲である請求項1−6に記載の方法。
【請求項16】
前記混合物を焼成する前に製粉機にかけるか、又はすり砕く工程を更に備える請求項1−6に記載の方法。
【請求項17】
銅組成物が銅及びニッケルを含む請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記サーメット組成物が多孔性である請求項1−6に記載の方法。
【請求項19】
前記サーメット組成物が高密度である請求項1−6に記載の方法。
【請求項20】
相互貫通するセラミック及び銅系ネットワークからなるサーメット組成物であって、
前記セラミックネットワークは安定化ジルコニアからなり、前記銅系ネットワークが、銅、及びニッケル、クロム、モリブデン、チタン、バナジウム、ハフニウム、及びジルコニウムの少なくとも一つからなるサーメット組成物。
【請求項21】
銅系ネットワークが、約10−99.9重量%の銅、約0−90重量%のニッケル、及び約0.1−10重量%のクロム、モリブデン、チタン、バナジウム、ハフニウム、ジルコニウム及びこれらの組合せのうちの一つからなる請求項20に記載のサーメット組成物。
【請求項22】
銅系ネットワークが、約50重量%の銅からなる請求項20に記載のサーメット組成物。
【請求項23】
銅系ネットワークは、相互接続された電子的導通性のネットワークである請求項20に記載のサーメット組成物。
【請求項24】
ジルコニアが、イットリア、カルシア、スカンディア、セリア、及びこれらの組合せのうちの一つを約1−11モル%含む請求項20に記載のサーメット組成物。
【請求項25】
銅系ネットワークの平均特徴サイズは、直径で約0.1−10μmの範囲である請求項20−24に記載のサーメット組成物。
【請求項26】
セラミックネットワークの平均粒子サイズが、直径で約0.1−10μmの範囲である請求項20−24に記載のサーメット組成物。
【請求項27】
各ネットワークの平均特徴サイズが、直径で約0.1−10μmの範囲である請求項20−24に記載のサーメット組成物。
【請求項28】
前記サーメットが多孔性である請求項20−24に記載のサーメット組成物。
【請求項29】
平均孔サイズが、直径で約0.1−30μmの範囲である請求項28に記載のサーメット組成物。
【請求項30】
前記サーメットが高密度である請求項20−24に記載のサーメット組成物。
【請求項31】
銅系ネットワークが銅合金ネットワークである請求項20−24に記載のサーメット組成物。
【請求項32】
セラミックネットワークがYSZからなる請求項20−24に記載のサーメット組成物。
【請求項33】
サーメット組成物が、高密度セラミック材に接触している請求項20−24に記載のサーメット組成物。
【請求項34】
サーメット組成物が、多孔性金属支持体に接触している請求項20又は33に記載のサーメット組成物。
【請求項35】
サーメット組成物が、固体酸化物電気化学装置用の陽極構造である請求項20−24に記載のサーメット組成物。
【請求項36】
多孔性陽極、高密度電解質、及び銅系金属とセラミックの相互貫通ネットワークからなる銅系サーメット材料を備える電気化学装置構造。
【請求項37】
前記銅系ネットワークが銅合金ネットワークである請求項36に記載の構造。
【請求項38】
前記銅合金ネットワークが、銅及びニッケル、クロム、モリブデン、チタン、バナジウム、ハフニウム、及びジルコニウムの少なくとも一つからなる請求項37に記載の構造。
【請求項39】
前記銅合金ネットワークが、約0−90重量%のニッケル含有組成物及び約0.1−10重量%のCr,Mo,Ti,V,Hf又はZr含有組成物又はその組合せからなる請求項37に記載の構造。
【請求項40】
前記銅系サーメット材料が、前記高密度電解質と接触している請求項36−39に記載の構造。
【請求項41】
前記多孔性陽極が、前記銅系サーメット材料からなる請求項36−39に記載の構造。
【請求項42】
前記高密度電解質がYSZからなり、前記銅系サーメット材料がYSZからなる請求項40に記載の構造。
【請求項43】
前記銅系サーメット材料が、更に、ニッケル、クロム、モリブデン、チタン、バナジウム、ハフニウム、及びジルコニウムの少なくとも一つを含む請求項42に記載の構造。
【請求項44】
前記銅系サーメット材料が、前記多孔性陽極と接触している請求項36−39に記載の構造。
【請求項45】
前記多孔性陽極が、Ni−YSZサーメットからなる請求項44に記載の構造。
【請求項46】
前記サーメット材料と接触している多孔性金属支持体を更に含む請求項46に記載の構造。
【請求項47】
前記サーメット材料が、前記多孔性陽極と前記多孔性金属支持体との間に位置している請求項46に記載の構造。
【請求項48】
前記多孔性金属支持体が、フェライト系ステンレススチールである請求項46に記載の構造。
【請求項49】
前記銅系サーメット材料が、前記多孔性陽極と前記多孔性金属支持体との間の相互拡散を減少させるように構成されている請求項47に記載の構造。
【請求項50】
平面状である請求項36−39に記載の構造。
【請求項51】
筒状である請求項36−39に記載の構造。
【請求項52】
多孔性陰極を更に備える請求項36−39に記載の構造。
【請求項53】
前記銅系サーメットが、前記電解質及び前記多孔性陰極を支持している請求項36−39に記載の構造。
【請求項54】
固体酸化物燃料セル構造である請求項36−39に記載の構造。
【請求項55】
多孔性陽極、高密度電解質、及び銅合金とセラミックの相互貫通ネットワークからなる銅系サーメット材料を備える固体酸化物燃料セル構造。

【図1】
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【図5b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−514931(P2011−514931A)
【公表日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545845(P2010−545845)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【国際出願番号】PCT/US2008/053869
【国際公開番号】WO2009/099447
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(500210903)ザ、リージェンツ、オブ、ザ、ユニバーシティ、オブ、カリフォルニア (31)
【氏名又は名称原語表記】THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF CALIFORNIA
【Fターム(参考)】