説明

高溶融強度を有するポリエチレンを調製するための方法

本発明は、ポリエチレン樹脂と式:(R)(R)N−O−Rに対応するアルコキシアミン誘導体とを反応させるステップを含むエチレン系ポリマーであり、式中、RおよびRはそれぞれ互いに独立して、水素、C〜C42アルキルもしくはC〜C42アリール、またはOおよび/もしくはNを含む置換炭化水素基であり、またRおよびRは、一緒になって環構造を形成してもよく;Rは、水素、炭化水素、またはOおよび/もしくはNを含む置換炭化水素基である。Rの好ましい基としては、−C〜C19アルキル;−C〜C10アリール;−C〜C19アケニル;−O−C〜C19アルキル;−O−C〜C10アリール;−NH−C〜C19アルキル;−NH−C〜C10アリール;−N−(C〜C19アルキル)が挙げられる。Rは、アシル基を含むことが最も好ましい。得られた樹脂は、溶融強度が増大し、0.1から100rad/sにおける伸長粘度の比が、アルコキシアミン誘導体と反応してはいない実質的に同様のポリエチレン樹脂に比べて高い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2010年1月11日出願の米国特許出願第12/685,148号の優先権を主張するものであり、その開示内容は、米国実務上、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレンは望ましい特性を有するものであり、それらの特性は最大製造量のポリマーとなるのに役立ってきた。ポリエチレンは、様々な特性を付与するために様々なプロセスで作製することができる。公知のポリエチレンファミリーとしては、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、および高圧反応器を使用して作製された低密度ポリエチレン(LDPE)が挙げられる。広範なこれらのクラス内で、様々なタイプのポリオレフィンプロセス技術(例えば、溶液、スラリー、または気相)によってまたは様々な触媒(例えば、チーグラーナッタまたは幾何拘束型触媒)の使用によって生ずる変形が多数存在する。所望の用途には、レオロジー特性のバランスを注意深く取る必要があり、当業者に、別のタイプのポリエチレンよりもあるタイプのポリエチレンを選択させることになる。ブロー成形やブローンフィルム用途などの多くの用途において、ポリマーの伸長粘度としてしばしば測定される、ポリエチレンの溶融強度は重要なパラメータである。
【0003】
溶融強度は、伸長変形を受けたときの材料の性能を予測することができる実用的な測定値である。溶融加工において、良好な伸長粘度は、被覆、ブローフィルム生成、紡糸および部品の発泡などの加工中に安定性を維持するのに重要である。溶融強度は、溶融ポリマーのいくつかの分子間絡み合いおよび各分子構造の緩和時間に関連付けられ、基本的には臨界分子量より全分子量および分岐数に依存するものである。
【0004】
溶融強度は、ブローンフィルム生成時の気泡安定性、したがって厚みの変動;ブロー成形プロセス時のパリソン形成;異形押出時の垂れ下り;発泡プロセス時の気泡形成;シート/フィルム熱成形時のより安定な厚みの分布など、複数の加工パラメータに直接影響する。
【0005】
この特性は、分子量のより大きい樹脂を使用することによって向上させることができるが、このような樹脂は押出加工時により高い押出圧を発生する傾向があるので、より頑強な設備およびより大きなエネルギーの使用を一般に必要とすることになる。したがって、特性は、物理的諸特性と加工性の組合せが許容できるものとなるようにバランスを取らなければならない。
【発明の概要】
【0006】
厚いフィルム用途において、LDPEとLLDPEのブレンドは、加工性(押出機アンペアおよび圧力)とフィルム機械的特性のバランスを得るために使用される。このブレンドにおいて、LDPE成分は加工性成分であり、一方LLDPEは、機械的目的成分である。したがって、ブレンドのLDPE部分を低減する能力は、ブレンドの機械的諸特性を増大させるはずである。本発明により、LLDPE成分の溶融強度を増大させる能力は、より高い百分率のLLDPEブレンドの使用を可能にし、したがって加工性を犠牲にすることなく、または許容できないレベルの不溶性材料を生成することなく、機械的諸特性が増大する。
【0007】
本発明は、溶融ポリエチレンをアルコキシアミン誘導体と、通常の押出加工によって反応させるステップを含む、ポリエチレンの溶融強度を増大させるための新規プロセスである。したがって、本発明の一態様は、ポリエチレン樹脂の溶融強度を増大させるための方法であって、まず、ASTM D792に従って決定される、0.865g/cmから0.962g/cmの範囲の密度、およびASTM D1238(2.16kg、190℃)に従って決定される、0.01g/10minから100g/10minの範囲のメルトインデックスを有するポリエチレン樹脂を選択するステップと、次いでアルコキシアミン誘導体をポリエチレン樹脂と、ポリエチレン樹脂の溶融強度を増大させるのに十分な量および条件下で反応させるステップとを含む方法である。
【0008】
本発明は、溶融ポリエチレンをアルコキシアミン誘導体と、通常の押出加工によって反応させるステップを含む、ポリエチレンの伸長粘度を増大させるための新規プロセスである。したがって、本発明の一態様は、ポリエチレン樹脂の溶融強度を増大させるための方法であって、まず、ASTM D792に従って決定される、0.865g/cmから0.962g/cmの範囲の密度、およびASTM D1238(2.16kg、190℃)に従って決定される、0.01g/10minから100g/10minの範囲のメルトインデックスを有するポリエチレン樹脂を選択するステップと、次いでアルコキシアミン誘導体をポリエチレン樹脂と、ポリエチレン樹脂の伸長粘度を増大させるのに十分な量および条件下で反応させるステップとを含む方法である。
【0009】
本発明は、低いせん断速度(0.1s−1)では伸長粘度を増大させ、典型的な押出条件で材料の加工しやすさが維持されるようなより高いせん断速度(>100s−1)では粘度を維持する新規プロセスである。本発明の一態様は、同じ操作条件で本発明の樹脂を加工すると、押出機圧力が、比較樹脂の10%を超えて増大しないことである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】添加剤濃度増加と共に、溶融強度対延伸速度のプロットである。
【図2】添加剤濃度増加と共に、粘度対せん断速度のプロットである。
【図3】プラトー領域における溶融強度対メルトインデックス(I、g/10min)のプロットである。
【図4】TA Instruments「Advanced Rheometric Expansion System(ARES)」で1回の周波数掃引で190℃の一定温度で測定された位相角(°)対複素弾性率(G)のプロットである。
【図5】TA Instruments「Advanced Rheometric Expansion System(ARES)」で1回の周波数掃引で190℃の一定温度で測定された位相角(°)対複素弾性率(G)のプロットである。
【0011】
各図中、「Comparative Resin」は「比較樹脂」、「Resin」は「樹脂」、「Dowlex Resins w/3% LDPE」は「3%LDPEを含むDowlex樹脂」、「Inventive resins w/additive in 3% LDPE」は「3%LDPE中の添加剤を含む本発明の樹脂」を意味する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、ポリエチレン樹脂の溶融強度を増大させるための方法である。ポリエチレン樹脂としては、少なくとも50重量%がエチレンモノマー単位に由来する、すべてのポリマーまたはポリマーブレンドが挙げられる。これには、当技術分野において高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、および高圧反応器を使用して作製された低密度ポリエチレン(LDPE)として公知である材料が含まれる。
【0013】
選択された標的ポリエチレン樹脂は、ASTM D792に従って決定される、0.865g/cmから0.970g/cm、より好ましくは0.905g/cmから0.957g/cmの範囲の密度、およびASTM D1238(2.16kg、190℃)に従って決定される、0.01g/10minから100g/10min、より好ましくは0.1g/10minから15g/10minの範囲のメルトインデックスを有するべきである。好適な標的ポリエチレン樹脂は、従来のチーグラーナッタまたはクロム触媒を用いて生成することができるが、メタロセンまたはシングルサイト触媒を用いても生成することができる。このような樹脂は、単峰性または多峰性の分子量分布を有するものであり得る。
【0014】
標的ポリエチレン樹脂が選択されれば、アルコキシアミン誘導体と反応させる。本発明の目的では、「アルコキシアミン誘導体」はニトロキシド誘導体を包含する。アルコキシアミン誘導体は、ポリエチレン樹脂の溶融強度を増大させるのに十分な量および条件下で添加される。アルコキシアミン誘導体は、次式:
(R)(R)N−O−R
に対応するものであり、式中、RおよびRはそれぞれ互いに独立して、水素、C〜C42アルキルもしくはC〜C42アリール、またはOおよび/もしくはNを含む置換炭化水素基であり、RとRは一緒になって環構造を形成してもよく、Rは、水素、炭化水素、またはOおよび/もしくはNを含む置換炭化水素基である。Rの好ましい基としては、−C〜C19アルキル;−C〜C10アリール;−C〜C19アケニル;−O−C〜C19アルキル;−O−C〜C10アリール;−NH−C〜C19アルキル;−NH−C〜C10アリール;−N−(C〜C19アルキル)が挙げられる。Rは、アシル基を含むことが最も好ましい。
【0015】
好ましい化合物は、分解または熱分解後にニトロキシルラジカル(R1)(R2)N−Oまたはアミニルラジカル(R1)(R2)Nを形成することができる。
【0016】
アルコキシアミン誘導体の特に好ましい種は、9−(アセチルオキシ)−3,8,10−トリエチル−7,8,10−トリメチル−1,5−ジオキサ−9−アザスピロ[5.5]ウンデカ−3−イル]メチルオクタデカノアートであり、以下の化学構造を有するものである。
【0017】
【化1】

【0018】
本発明において使用するのに好ましいいくつかの種の例としては、以下のものが挙げられる。
【化2】

【0019】
一般に、ヒドロキシルアミンエステルがより好ましく、特に好ましい1つのヒドロキシルアミンエステルは、9−(アセチルオキシ)−3,8,10−トリエチル−7,8,10−トリメチル−1,5−ジオキサ−9−アザスピロ[5.5]ウンデカ−3−イル]メチルオクタデカノアートである。
【0020】
アルコキシアミン誘導体は、溶融強度および/または伸長粘度を所望のレベルに増大させるのに十分な量で添加する。好ましくは、溶融強度は、アルコキシアミン誘導体と反応してはいない同様の樹脂に比べて少なくとも10%、20%、25%、35%、またはさらには50%増大している。一般に、アルコキシアミン誘導体は、ポリエチレンポリマーの全重量の1から900重量ppm(すなわち、標的樹脂にキャリヤー樹脂がある場合それを加算して100万部当たりアルコキシアミン誘導体1から900重量部)、好ましくは15から600重量ppm、より好ましくは25から400重量ppm、さらにより好ましくは30から200重量ppmの量で添加される。
【0021】
ポリエチレンポリマーへの添加は、慣例のあらゆる混合機で実施することができる。その中で、ポリマーは溶融し、添加剤と混合される。好適な混合機は当業者に公知である。それらは、主にミキサー、ニーダー、および押出機である。
【0022】
このプロセスは、押出機中で、加工時に添加剤を導入することによって実施されることが好ましい。特に好ましい加工機は、単軸押出機、異方向回転および同方向回転二軸押出機、遊星ギア押出機、リング押出機、またはコニーダーである。真空をかけることができる少なくとも1つのガス除去コンパートメントが設けられている加工機を使用することも可能である。好適な押出機およびニーダーについては、例えばHandbuch der Kunststoftextrusion, Vol 1Grundlagen, Editors F. Hensen, W. Knappe, H. Potente, 1989, pp. 3-7, ISBN.3-446-14339-4(Vol 2 Extrusionsanlagen 1986, ISBN 3-446-14329-7)に記載されている。例えば、スクリューの長さは、スクリューの直径の1〜60倍、好ましくはスクリューの直径の35〜48倍とすることができる。スクリューの回転速度は、好ましくは1分当たり10〜600回転(rpm)、より好ましくは25〜300rpmである。まず、好ましくはポリエチレンキャリヤー樹脂中の添加剤1,000から10,000ppmの濃縮された混合物を調製し、次いでこの濃縮体または「マスターバッチ」を、押出機経由で溶融ポリエチレンに導入し、スタティックミキサーを使用して、この2つの材料を、好ましくは溶融樹脂中の濃縮体1から20重量%としてブレンドすることも可能である。濃縮体は、押出機中において、好ましくは180から220℃の温度で加工することができる。スタティックミキサー中の温度は200から250℃の範囲とすることができ、ミキサーにおける滞留時間は1から10分間の範囲とすることができる。
【0023】
最大処理量は、スクリューの直径、回転速度、および駆動力に依存している。本発明のプロセスは、上記のパラメータを変更すること、または注入量を送達する計量機を使用することによって最大処理量より低いレベルで実施することもできる。
【0024】
複数の成分を添加する場合は、予混合してもよく、または個々に添加してもよい。
【0025】
ポリマーには、所望の変化が生ずるように十分な時間高温をかける必要がある。この温度は、通常ポリマーの軟化点を超える。本発明のプロセスの好ましい実施形態において、280℃未満、特に約160℃から280℃の温度範囲が使用される。特に好ましいプロセス変形において、約200℃から270℃の温度範囲が使用される。
【0026】
反応に必要な時間は、温度、反応させる材料の量、および例えば使用される押出機のタイプに応じて変わり得る。通常、約10秒から30分間、特に20秒から20分間である。
【0027】
マスターバッチを使用することによって、アルコキシアミン誘導体を混合デバイスに添加できることは有利である。当業者によって理解されるように、マスターバッチ用のキャリヤー樹脂は、改変対象の樹脂と相溶性があるように選択されるべきである。予想外なことに、LDPE高圧法低密度ポリエチレンポリマー(業界で「LDPE」と呼ばれる)は、マスターバッチ生成時に押出圧の変動がほとんどないことによって明らかなように、反応性がより低いため、好ましいキャリヤーであることがわかった。HDPEには第三級炭素がなく、炭素1,000,000個当たり三置換不飽和単位が非常に少ないため、HDPEははるかに反応しないようになるので、よりよいキャリヤーであり得る。本発明の別の利点は、ポリプロピレンが、典型的な加工温度で分解する傾向があるのでこの添加剤の良好なキャリヤーではないという発見である。別の発見は、酸化防止添加剤には添加剤の活性を抑制する傾向があるので、キャリヤー樹脂にいずれの酸化防止添加剤も実質的に含めるべきでないということであり、好ましくは酸化防止添加剤を1,000ppm未満しか含めるべきでない。
【0028】
好ましいキャリヤー樹脂は、目下の用途と適合性があるべきであり、ブレンドされることになっている標的ポリエチレン樹脂と同様の粘度を有するべきである。好ましくは、三置換不飽和単位を最小限度、好ましくは炭素1,000,000個当たり70未満含むLDPEまたはHDPE樹脂とするべきである。好ましいキャリヤー樹脂は、押出機による圧力低下によって示されるように、加工が容易になるように50,000未満の分子量(Mn)を有するべきである。キャリヤー樹脂には、加工助剤用の他の添加剤を組み込むことができるが、好ましくは酸化防止化合物を実質的に含めるべきでなく、いずれの酸化防止化合物も好ましくは1,000重量ppm未満、好ましくは500重量ppm未満、より好ましくは100重量ppm未満しか含めるべきでない。
【0029】
標的ポリエチレン樹脂は、エチレンと、3から12個の炭素を含む任意のアルケンモノマーとのコポリマーとすることができる。好ましくは、標的ポリエチレン樹脂は、三置換不飽和単位レベルが炭素1,000,000個当たり200から450の範囲とするべきである。標的ポリエチレン樹脂は、メルトインデックス(g/10min)で示した、キャリヤー樹脂より若干低い分子を有するべきである。好ましくは、標的ポリエチレン樹脂のメルトインデックスは、所望の最終樹脂より0.2〜0.5単位(g/10min)高くあるべきである。好ましくは、ポリエチレン樹脂には、酸化防止添加剤を最小限しかまたは全く含めるべきでなく、いずれの添加剤も、キャリヤー樹脂とブレンドする前に樹脂によく分散させておくべきである。
【0030】
キャリヤー樹脂中のアルコキシアミン誘導体材料の量は、0.1から30重量%の範囲、好ましくは0.1から5重量%、より好ましくは0.2から1重量%の範囲とするべきである。マスターバッチの量は、アルコキシアミン誘導体が、標的生成物に1から900ppm、好ましくは15から600ppm、より好ましくは25から400ppm、さらにより好ましくは30から200ppmの範囲で添加されるように添加される。最終生成物中のアルコキシアミン誘導体の量は、この化合物が標的およびキャリヤーポリエチレンと反応するので、添加量から低減されることは、当業者によって容易に理解されるであろう。
【0031】
好ましくは、アルコキシアミン誘導体成分の量は、約1000ppm未満に維持して、最終生成物がさらなる加工で安定なままであるように、キャリヤー樹脂中での反応を最小限に抑え、最終生成物においてゲルを生じる可能性を低減し、最終生成物において実質的になくなるまで反応させるべきである。アルコキシアミン誘導体を標的樹脂と反応させた後、1つまたは複数の酸化防止添加剤を添加して、改変された標的樹脂の特性を保護することが望ましいことがあると理解されたい。これを行う1つの方式は、アルコキシアミン誘導体と反応した後の樹脂を、酸化防止剤に富んでいる別の樹脂とブレンドする方式である。
【0032】
試験方法
溶融強度
溶融強度測定を、Gottfert Rheotester 2000キャピラリーレオメーターに取り付けられたGottfert Rheotens 71.97(Goettfert Inc.;Rock Hill,SC)で実施した。長さ30mm、直径2.0mm、およびアスペクト比(長さ/直径)15のフラット流入角(180度)を装備したGoettfert Rheotester 2000キャピラリーレオメーターを用いて、溶融した試料(約25から30グラム)をフィードした。試料を190℃で10分間平衡化した後、ピストンを一定のピストン速度0.265mm/秒で動かした。標準試験温度は190℃であった。試料を、ダイの100mm下に配置されている1組の加速ニップに、加速度2.4mm/sで一軸延伸した。張力を、ニップロールの巻取速度の関数として記録した。溶融強度を、ストランドが破断する前のプラトー力(cN)として報告した。溶融強度測定では、以下の条件を使用した:プランジャー速度=0.265mm/秒;ホイール加速度=2.4mm/s;キャピラリー直径=2.0mm;キャピラリー長さ=30mm;およびバレルの直径=12mm。
【0033】
メルトインデックス
メルトインデックスは、分子量の指標として使用される。ASTM法D−1238を用いて、寸法が直径0.0825インチおよび長さ0.315インチのオリフィスキャピラリー;3つの罫書き印(4.17インチ、4.33インチ、および5.25インチ)がピストンの末端部の上にあるステンレス鋼製ピストン;重りとピストンの質量を合わせると2.16kgおよび10.00kgとなるようなサイズの重り;ならびにオリフィスキャピラリーを測定するためのプラグゲージを備えたTinius−Olsen Extrusion PlastometerモデルMP987を使用して、190℃でメルトインデックスを決定した。I2と同定されるメルトインデックスは、2.16kgの重りを用いた測定を指し、I10と同定されるメルトインデックスは、10kgの重りを使用した測定を指す。
【0034】
密度
密度測定用の試料を、ASTM D4703−10に従って調製した。
【0035】
動的機械的分光法
樹脂を、350°Fで5分間、空気中1500psiの圧力下で「厚さ3mm×1インチ」の円形プラークに圧縮成形した。次いで、試料をプレス機から取り出し、カウンター上に置いて冷却した。
【0036】
25mm(直径)の平行板を装備したTA Instrumentsの「Advanced Rheometric Expansion System(ARES)」を使用して、温度一定の周波数掃引を窒素パージ下で行った。試料を平行板上に置き、190℃で5分間溶融させた。次いで、平行板を2mmの間隔に閉じ、試料をトリミング(「直径25mm」の平行板の周縁を超えて広がる余分な試料を除去)し、次いで試験を開始した。この方法には、さらに5分遅延が組み込まれており、温度平衡が可能になった。実験を、0.1から100rad/sの周波数範囲にわたって190℃で行った。歪み振幅は10%で一定であった。振幅および位相の点で応力応答を分析し、それから、貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G”)、複素弾性率(G)、複素粘度η、tan(δ)またはタンデルタ、0.1rad/sにおける粘度(V0.1)、100rad/sにおける粘度(V100)、および粘度比(V0.1/V100)を算出した。
【0037】
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
トリプル検出器ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(3D−GPCまたはTD−GPC)システムは、Waters(Milford,Mass)150℃高温クロマトグラフからなる(他の好適な高温GPC装置としては、内蔵示差屈折計(RI)を装備したPolymer Laboratories(Shropshire,UK)モデル210およびモデル220が挙げられる。追加の検出器として、Polymer ChAR(Valencia,Spain)製のIR4赤外検出器、Precision Detectors(Amherst,Mass.)、2角度レーザー光散乱(LS)検出器モデル2040、およびViscotek(Houston,Tex.)150R 4本キャピラリー式溶液粘度計を挙げることができる。これら後者の独立した検出器2台および前者の検出器のうちの少なくとも1台を備えたGPCは、「3D−GPC」または「TDGPC」と呼ばれることもあり、「GPC」という用語は単独では、一般に従来のGPCを指す。試料にもよるが、算出目的には光散乱検出器の散乱角15°または90°が使用される。Viscotek TriSECソフトウェア、バージョン3、および4チャンネルViscotek Data Manager DM400を使用して、データ収集を行う。このシステムには、Polymer Laboratories(Shropshire,United Kingdom)製のオンライン溶媒脱気デバイスも装備されている。
【0038】
Shodex HT803 13ミクロンカラム(長さ30cm)4本または20ミクロン混合孔径充填物のPolymer Labsカラム(30cm)4本(MixA LS、Polymer Labs)など、好適な高温GPCカラムを使用することができる。試料カルーセルコンパートメントは140℃で操作し、カラムコンパートメントは150℃で操作する。試料は、溶媒50ミリリットル中ポリマー0.1グラムの濃度で調製する。クロマトグラフィー用溶媒および試料調製用溶媒は、トリクロロベンゼン(TCB)中200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有する。両方の溶媒を窒素でスパージする。このポリエチレン試料を160℃で4時間穏やかに撹拌する。注入量は200マイクロリットルである。GPCに通す流量を1ml/minに設定する。
【0039】
GPCカラムセットは、狭い分子量分布のポリスチレン標準物質21個を流すことによって較正する。標準物質の分子量(MW)は580から8,400,000の範囲であり、標準物質は6つの「カクテル」混合物に含められる。各標準物質混合物については、個々の分子量間に少なくとも1桁の隔たりがある。標準物質混合物は、Polymer Laboratoriesから購入される。ポリスチレン標準物質は、1,000,000以上の分子量の場合、溶媒50mL中0.025gで調製され、1,000,000未満の分子量の場合、溶媒50mL中0.05gで調製される。ポリスチレン標準物質を、穏やかに撹拌しながら80℃で30分間溶解した。分布の狭い標準物質混合物を最初に流し、最大分子量成分が減少する量の順に流して、分解を最小限に抑制する。
【0040】
次式(WilliamsおよびWard,J.Polym.Sci.,Polym.Let.,6,621(1968)に記載されている):
Mポリエチレン=A(Mポリスチレン)B (1)
を用いて、ポリスチレン標準物質ピーク分子量をポリエチレン分子量に変換した。
【0041】
ここで、Bは1.0の値を有し、実験により決定された値Aは0.38である。
【0042】
一次多項式を使用して、式(1)から得られたそれぞれのポリエチレン−等価較正点をそれらの観測された溶離容量にフィットさせた。各ポリスチレン標準物質について、ポリエチレン等価分子量の対数が観測された溶離容量(および関連する検出力)に関連付けられるように、実際の多項式フィットを得た。
【0043】
数、重量、およびz−平均分子量を、次式に従って算出した。
【数1】

【0044】
式中、Wfiはi番目の成分の重量分率であり、Miはi番目の成分の分子量である。
【0045】
MWDは、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比として表した。
【0046】
A値は、式(3)および対応する保持容量多項式を用いて算出された重量平均分子量Mwが、既知の重量平均分子量115,000g/molを有する線状ホモポリマー参照物質に従って得られるMwの独立して決定された値と一致するまで、式(1)のA値を調整することによって決定された。
【0047】
三置換不飽和基決定方法(FTIR)
ペレットを、まずプレスして、0.25mmの厚いフィルムを作製し、次いで再びプレスして、0.125mmの薄いフィルムを作製する。次いで、フィルムをスキャンカードに固定し、次いで両側をサンドペーパーで磨いた後、Nicolet 6700 FTIR装置に載せる。分解能2cm−1で64回スキャンを行って、909cm−1におけるピーク下面積を積分して、炭素1,000,000個当たりの三置換不飽和単位数の値を得る。この技法は、既知の吸光度および濃度を使用して較正され、試料の濃度を決定するためにフィルムの厚さを補正する。
【0048】
上記の測定を用いて、せん断速度0.1から100(s−1)における伸長粘度の比は、ポリマーにおける分岐の指標および添加剤の効果の指標をもたらす。本発明において、添加剤を含む樹脂は、粘度比が、添加剤を含まない同じ樹脂と比べて10から60%の増大、好ましくは20から40%の増大を示した。
【0049】
添加剤で改変された樹脂は、Iが5%から25%の低下を示し、I10が4から20%の低下を示す。したがって、樹脂のI10とIの比は、添加剤の量が増加すると共に増大し、これは、ポリマーにおける変化の程度を示すものである。
【0050】
本発明の方法に従って改変された樹脂は、溶融強度が、アルコキシアミン誘導体と反応してはいない同じ樹脂に比べて少なくとも10%の増大、好ましくは20から50%の範囲の増大を示すようになる。伸長粘度に関しても同様の性能改善がみられるようになる。本発明の樹脂では、溶融強度および粘度性能の改善が、メルトインデックス測定において観測された変化で予測される改善よりよい。
【0051】
溶融強度および/または伸長粘度の増大と共に、本発明に従って作製された樹脂は、フィルム、シート、パイプ、またはブロー成形品などの成形加工品に特に好都合である。
【0052】
本発明における添加剤および加工条件を使用して作製されたフィルムは、アルコキシアミン誘導体を添加していない原樹脂であったポリエチレン樹脂の機械的諸特性を保持するものである。
【実施例】
【0053】
以下に記載する4つの実施例(それぞれ異なる2つの量の添加剤を含む2つの樹脂)は、同様の分子量を有するが、アルコキシアミン誘導体添加剤の濃度が異なる。使用される特定の添加剤は、9−(アセチルオキシ)−3,8,10−トリエチル−7,8,10−トリメチル−1,5−ジオキサ−9−アザスピロ[5.5]ウンデカ−3−イル]メチルオクタデカノアートであり、これは、1%未満の添加剤を有するLDPEマスターバッチとして添加される(下記で報告されるppmレベルは、アルコキシアミン誘導体の添加量を示すものであって、マスターバッチ全体の添加量ではないことに留意されたい)。
【0054】
マスターバッチは、以下の通り調製される:アルコキシアミン誘導体添加剤を、高圧管型反応器で作製されたメルトインデックス0.7g/10min(190℃で、2.16kg、ASTM D−1238)および密度0.925g/cm(ASTM D792)を有するホモポリマーエチレン樹脂(すなわち、LDPE樹脂)と混合する。このLDPE樹脂は、以下に記載する樹脂Dと同じであり、LDPE樹脂における添加剤の濃度は、5,600重量ppmでマスターバッチを作り出すものである。
【0055】
LDPEおよび誘導体を30mmの同方向回転噛合Coperion Werner−Pfleiderer ZSK−30(ZSK−30)二軸押出機で混合して、マスターバッチを形成する。ZSK−30のバレル区分は10個で、全長960mmであり、長さと直径の比(L/D)は32である。ブレーカープレートもスクリーンパックもない2穴ストランドダイを使用する。押出機は、Vベルトによってギアボックスに連結されているDCモーターからなる。15HPモーターは、制御キャビネットに配置されているGE可変速駆動を動力源とする。スクリュー軸速度の制御範囲は1:10である。最大スクリュー軸速度は500RPMである。圧力変換器をダイの前に配置して、ダイ圧力を測定する。
【0056】
押出機は、30mmのスペーサーに沿って8個の加熱/冷却バレル区分を設け、5つの温度制御部を構成する。押出機は、冷却された唯一の供給区分および加熱された唯一のダイ区分を有し、引棒によって一緒に保持され、機械フレームに支持されている。各区分は、角張ったハーフシェル構造の加熱装置を使用して電気で加熱し、特殊な冷却水路系で冷却することができる。
【0057】
スクリューは、スクリューネジ山構成要素と特殊な混練エレメントがいずれかの所要の順序で設置されている連続した軸からなる。エレメントは、放射状にはキーとキー溝によって、また軸方向にはねじ込み式ネジチップによって一緒に保持されている。スクリュー軸は、軸継ぎ手によってギア軸に連結されており、スクリューバレルから容易に引き出して、分解することができる。
【0058】
Conairペレタイザーを使用して、ブレンドをペレット化する。これは、220ボルトの変速型ソリッドカッターユニットである。変速モーターが一体機械加工のカッティングホイールを駆動し、これが、固定された金属ローラーを駆動する。可動ゴムローラーが、固定されたローラーをプレスし、ストランドを摩擦によってカッティングホイールに引き込む助けとなる。可動ローラー上の張力は、必要に応じて調整することができる。
【0059】
供給部、押出機の4つのゾーン、およびダイの温度を以下のように設定する:
供給部 :80℃
ゾーン1:160℃
ゾーン2:180℃
ゾーン3:185℃
ゾーン4:190℃
ダイ :210℃
スクリュー軸速度を1分当たり276回転(RPM)と設定すると、押出量が約52ポンド/hとなる。
【0060】
アルコキシアミン誘導体の濃度を、標的ポリエチレンに比べて3重量%の量で添加したとき、添加剤が表に示す量で添加されることになるような所望のレベルにするために、以上に定義されるマスターバッチを追加の量のLDPE樹脂Dとドライブレンドする。以下の手順を使用して、マスターバッチまたはドライブレンドされたその材料をLLDPE樹脂BまたはCとブレンドする:マスターバッチまたはドライブレンドされた材料をホッパーに通して、3200psigの破裂板を備えたサイドアーム式のコンベヤとして使用されるSterlingの2 1/2インチの単軸押出機にフィードする。単軸押出機の4つの加熱部を、220℃に設定する。
【0061】
LLDPE樹脂BまたはCを別のホッパーに通して、Century−ZSK−40押出機にフィードする(長さと直径の比が37.13の押出機、駆動150Hpを有する40mmの同方向回転噛合二軸押出機、電機子244アンペア(最大)、およびスクリュー1200rpm(最大))。押出機の9つの加熱部を以下の通り設定する:第1の加熱部25℃、第2の加熱部100℃および残りの加熱部200℃。
【0062】
ポリマーメルトポンプは、100cc/回転のMaagポンプであり、溶融ポリマーを押出機からおよび下流の機器を通して運搬するのに役立つ。20.55/1減速ギアを備えた15hpモーターを動力源とする。ポンプには、圧力伝送器、ならびに入口および出口尾筒に5200psiの破裂板が装備されている。メルトポンプならびに入口および出口尾筒には加熱装置部があり、220℃に設定されている。
【0063】
メルトポンプは押出機に取り付けられており、単軸押出機の流れが、サイドアーム式単軸押出機からインジェクターを通ってポリマー流に入る。インジェクターは、内径3.1インチのパイプの中心線に突出している1インチの3/4のチューブである。
【0064】
押出機からのポリマーは、内径3.1インチの18のKenics混合要素ミキサーが入っているスタティックミキサーを通って流れるので、単軸押出機の樹脂とブレンドされる。混合要素は、長さと直径の比が1.3である。スタティックミキサーには、加熱部が7つあり、すべて220℃に設定されている。
【0065】
次いで、合わさった流れは、Galaペレタイザーシステムを流れる。Galaには、12穴(直径2.36mmの穴)のGalaダイが装備され、その穴のうち4つは塞がっている。カッターは4つ羽のハブを有し、約800ppmで作動する。ペレタイザー中の水温を30℃に保持する。
【0066】
マスターバッチまたはドライブレンドされたマスターバッチと樹脂Dの量は、樹脂全量の約3重量%である。マスターバッチのサイドアーム式押出機における滞留時間は約20分間であり、ポリマーのスタティックミキサーにおける滞留時間は約3分間である。
【0067】
これら実施例のそれぞれについて、Gottfert Rheotester 2000を使用して190℃で溶融強度を測定する。粘度は、TA Instruments「Advanced Rheometric Expansion System(ARES)」で1回の周波数掃引で190℃の一定温度で測定される。メルトインデックスは、Tinius−Olsen Extrusion PlastometerモデルMP987を使用して190℃でASTM方法D−1238を用いて測定される。分子量は、以上の試験方法に記載の方法を用いて決定される。
【0068】
図1は、添加剤濃度増加と共に、溶融強度曲線対延伸速度を示す。添加剤の組込みによって、樹脂BおよびCの挙動が変化し、溶融ポリマーを延伸するのに必要とされる力が増大する。樹脂Eが樹脂Bよりはるかに低いメルトインデックスを有するとしても、60ppmの添加剤を含む樹脂Bの溶融強度は、同じ量の樹脂Dを含むが添加剤を含まない樹脂Eとほぼ同じである。この図において、樹脂はすべて、3重量%の樹脂Dを含有するものである。
【0069】
図2は、TA Instruments「Advanced Rheometric Expansion System(ARES)」で1回の周波数掃引で190℃の一定温度で測定された伸長粘度対せん断速度周波数を示す。添加剤の組込みによって、樹脂AおよびEに比べて低せん断速度における樹脂BおよびCの挙動が変化する。この図において、樹脂はすべて、3重量%の樹脂Dを含有するものである。
【0070】
図3は、チーグラーナッタ触媒を用いて作製された、添加剤を含まない4つのポリエチレン樹脂(樹脂A、B、C、およびE)、ならびに異なる量の添加剤を含む本発明の樹脂BとC、および60ppmの添加剤を含む樹脂Eについて、プラトーにおける溶融強度対メルトインデックス(ASTM法 D−1238、190℃で2.16kg、単位:g/10分間)を示す。同様のメルトインデックスを有するが添加剤を含まない樹脂に比べると、本発明の樹脂B、C、およびEはプラトーにおける溶融強度が高い。樹脂はすべて、3重量%の樹脂Dを含有するものである。
【0071】
図4は、TA Instruments「Advanced Rheometric Expansion System(ARES)」で1回の周波数掃引で190℃の一定温度で測定された位相角(°)対複素弾性率(G)を示す。異なる量の添加剤を含む本発明の樹脂Bを、長鎖分岐を含まない樹脂である比較樹脂Aと比較する。樹脂はすべて、3重量%の樹脂Dを含有するものである。
【0072】
図5は、TA Instruments「Advanced Rheometric Expansion System(ARES)」で1回の周波数掃引で190℃の一定温度で測定された位相角(°)対複素弾性率(G)を示す。異なる量の添加剤を含む本発明の樹脂Cを、長鎖分岐を含まない樹脂である比較樹脂Eと比較する。樹脂はすべて、3重量%の樹脂Dを含有するものである。
【0073】
樹脂の説明:
樹脂A(Dowlex 61528.20)は、チーグラーナッタ触媒を用いて、溶液プロセスで作製された、メルトインデックス0.5g/10min(190℃で2.16kg、ASTM D−1238)および密度0.921g/cm(ASTM D792)のポリエチレン樹脂である。
【0074】
樹脂B(Dowlex TG 2085B)は、チーグラーナッタ触媒を用いて、溶液プロセスで作製された、メルトインデックス0.95g/10min(190℃で2.16kg、ASTM D−1238_および密度0.919g/cm(ASTM D792)のポリエチレン樹脂である。
【0075】
樹脂C(Dowlex NG 5085B)は、チーグラーナッタ触媒を用いて、スラリープロセスで作製された、メルトインデックス1.3g/10min(190℃で2.16kg、ASTM D−1238)および密度0.918g/cm(ASTM D792)のポリエチレンである。
【0076】
樹脂D(LDPE 208C/206M)は、高圧管型反応器で作製された、メルトインデックス0.7g/10min(190℃で2.16kg、ASTM D−1238)および密度0.925g/cm(ASTM D792)のホモポリマーエチレン樹脂である。
【0077】
樹脂E(Dowlex 2045)は、チーグラーナッタ触媒を用いて、溶液プロセスで作製された、メルトインデックス1.0g/10min(190℃で2.16kg、ASTM D−1238)および密度0.920g/cm(ASTM D792)のポリエチレン樹脂である。
【0078】
下記の表において、樹脂A、B、C、およびEはすべて、3重量%の樹脂Dをさらに含むものである。
【0079】
【表1】

【0080】
上記の実施例から、添加剤の添加によって、分子量分布に変化が生じ、分子量を大幅に増加させることなく、比較樹脂AおよびEに比べたレベルで、溶融強度が大幅に増大することが実証される。例えば、I10が、比較樹脂より最低限10%増大されることによって示されるように、分子量分布は広がっている。溶融強度は、比較樹脂より16から65%増大される。添加剤の添加によって、同じ重合技術を用いて作製された、より高い分子量の樹脂(樹脂AおよびE)より高い溶融強度を有する樹脂になることもわかり得る。上記の実施例から、添加剤の添加によって、せん断速度0.1から100s−1における伸長粘度の比がより高い樹脂になることが実証されている。これは、これらの樹脂がさらに加工されるとき押出機におけるより低い圧力低下要件に現れる。樹脂のセットおよび添加剤の使用量にもよるが、伸長粘度の比の比較樹脂に対する変化は19から60%の範囲である。
【0081】
以下の実施形態は、各実施形態を個別に特許請求することはできないが、本発明の一部分であると明らかに考えられる。
1)標的ポリエチレン樹脂の溶融強度を増大させるための方法であって、
a)ASTM D792に従って決定される、0.865g/cmから0.962g/cmの範囲の密度、およびASTM D1238(2.16kg、190℃)に従って決定される、0.01g/10minから100g/10minの範囲のメルトインデックスを有する標的ポリエチレン樹脂を選択するステップと、
b)全ポリエチレン樹脂100万部当たり誘導体900部未満の量のアルコキシアミン誘導体をポリエチレン樹脂と、ポリエチレン樹脂の溶融強度を増大させるのに十分な条件下で反応させるステップと
を含む方法。
2)アルコキシアミン誘導体が、次式:
(R)(R)N−O−R
に対応するものであり、式中、RおよびRはそれぞれ互いに独立して、水素、C〜C42アルキルもしくはC〜C42アリール、またはOおよび/もしくはNを含む置換炭化水素基であり、またRとRは一緒になって環構造を形成してもよく、Rは、水素、炭化水素、またはOおよび/もしくはNを含む置換炭化水素基である、実施形態1に記載の方法。
3)アルコキシアミン誘導体がヒドロキシルアミンエステルである、実施形態1に記載の方法。
4)ヒドロキシルアミンエステルが、9−(アセチルオキシ)−3,8,10−トリエチル−7,8,10−トリメチル−1,5−ジオキサ−9−アザスピロ[5.5]ウンデカ−3−イル]メチルオクタデカノアートである、ヒドロキシルアミンエステルである、実施形態3に記載の方法。
5)アルコキシアミン誘導体が、アルコキシアミン誘導体をキャリヤー樹脂と共に含むマスターバッチとして、標的ポリエチレン樹脂に添加される、実施形態1に記載の方法。
6)キャリヤー樹脂が、HDPE、LLDPE、およびLDPEからなる群から選択される、実施形態5に記載の方法。
7)キャリヤー樹脂がLDPEであり、LDPE樹脂のビニル濃度が、炭素1,000個当たりビニル0から0.5個の範囲である、実施形態6に記載の方法。
8)キャリヤー樹脂のビニル濃度が、炭素1,000個当たりビニル0.1個未満である、実施形態7に記載の方法。
9)キャリヤー樹脂がHDPEであり、HDPE樹脂のビニル濃度が、炭素1,000個当たりビニル0から0.5個の範囲である、実施形態6に記載の方法。
10)キャリヤー樹脂のビニル濃度が、炭素1,000個当たりビニル0.05個未満である、実施形態9に記載の方法。
11)キャリヤー樹脂が、酸化防止剤化合物を0から1,000ppmの範囲で実質的に含まない、実施形態6に記載の方法。
12)キャリヤー樹脂が、一次酸化防止剤化合物を含まない、実施形態11に記載の方法。
13)アルコキシアミン誘導体を、反応押出プロセスにおいてポリエチレン樹脂と反応させる、実施形態1に記載の方法。
14)標的樹脂が、エチレンモノマーおよび3から12個の炭素を有するα−オレフィンコモノマーに由来するLLDPE樹脂を含む、実施形態1に記載の方法。
15)標的ポリエチレン樹脂が、炭素1,000個当たりビニル0から0.5個の範囲のビニル含有量を有するLLDPE樹脂を含む、実施形態1に記載の方法。
16)標的樹脂が、LDPE樹脂とLLDPE樹脂のブレンドを含む、実施形態1に記載の方法。
17)標的樹脂が、HDPE樹脂とLLDPE樹脂のブレンドを含む、実施形態1に記載の方法。
18)標的樹脂が、HDPE樹脂とLDPE樹脂のブレンドを含む、実施形態1に記載の方法。
19)標的ポリエチレン樹脂が、一次酸化防止剤を実質的に含まないか、好ましくは0から1,000ppmの範囲でしか含まない、実施形態1に記載の方法。
20)アルコキシアミン誘導体が、ポリエチレンポリマーの全重量の0.003重量%から0.09重量%未満の量で添加される、実施形態1に記載の方法。
21)キャリヤー樹脂と誘導体の混合物を押出機温度250℃未満で溶融押出することによって、マスターバッチが生成される、実施形態5に記載の方法。
22)アルコキシアミン誘導体と反応してはいない実質的に同様のポリエチレン樹脂に比べて、溶融強度が少なくとも25%増大される、実施形態1に記載の方法。
23)標的樹脂を誘導体と反応させた後、1つまたは複数の酸化防止剤を標的樹脂に添加するステップをさらに含む、実施形態1に記載の方法。
24)1rad/s未満のせん断速度における標的ポリエチレン樹脂の伸長粘度を増大させるための方法であって、
a)ASTM D792に従って決定される、0.865g/cmから0.962g/cmの範囲の密度、およびASTM D1238(2.16kg、190℃)に従って決定される、0.01g/10minから100g/10minの範囲のメルトインデックスを有する標的ポリエチレン樹脂を選択するステップと、
b)アルコキシアミン誘導体を標的ポリエチレン樹脂と、標的ポリエチレン樹脂の伸長粘度を増大させるのに十分な量および条件下で反応させるステップと
を含む方法。
25)アルコキシアミン誘導体と反応してはいない実質的に同様のポリエチレン樹脂に比べて、標的ポリエチレン樹脂の伸長粘度が少なくとも25%増大される、実施形態23に記載の方法。アルコキシアミン誘導体と反応してはいない実質的に同様のポリエチレン樹脂に比べて、0.1から100rad/sにおける標的ポリエチレン樹脂の伸長粘度の比が少なくとも25%増大される、実施形態23に記載の方法。標的ポリエチレン樹脂の溶融強度および/または伸長粘度を改善するためのアルコキシアミン誘導体の使用であって、アルコキシアミン誘導体が、反応押出プロセスにおいて標的ポリエチレン樹脂に添加される使用。
28)実施形態1の方法に従って作製された標的ポリエチレン樹脂から作製される成形加工品。
29)フィルム、シート、パイプ、またはブロー成形品からなる群から選択される、実施形態27に記載の成形加工品。
30)元の樹脂としての機械的諸特性を保持し、アルコキシアミン誘導体と反応してはいない樹脂で作製されたフィルムに比べて、増大された溶融強度および良好な加工性を備えたフィルムである、実施形態28に記載の成形加工品。最終加工ステップにおいて十分な酸化防止剤を添加して、樹脂を完全に安定化する、実施形態27に記載の成形加工品。
32)a)ASTM D792に従って決定される、0.865g/cmから0.962g/cmの範囲の密度、およびASTM D1238(2.16kg、190℃)に従って決定される、0.01g/10minから100g/10minの範囲のメルトインデックスを有する樹脂を特徴とする標的ポリエチレン樹脂を、
b)b)アルコキシアミン誘導体
と、組成物中の全ポリエチレン樹脂100万部当たりアルコキシアミン誘導体900部未満の量で、標的ポリエチレン樹脂の溶融強度を増大させるのに十分な条件下で反応させることによって形成されるエチレン系ポリマー組成物。
33)標的ポリエチレン樹脂が、三置換不飽和単位10個超/C1,000,000個であることをさらに特徴とする、実施形態32に記載のエチレン系ポリマー組成物。
34)アルコキシアミン誘導体が、次式:
(R)(R)N−O−R
に対応するものであり、式中、RおよびRはそれぞれ互いに独立して、水素、C〜C42アルキルもしくはC〜C42アリール、またはOおよび/もしくはNを含む置換炭化水素基であり、またRとRは一緒になって環構造を形成してもよく、Rは、水素、炭化水素、またはOおよび/もしくはNを含む置換炭化水素基である、実施形態32に記載のエチレン系ポリマー組成物。
35)アルコキシアミン誘導体がヒドロキシルアミンエステルである、実施形態32に記載のエチレン系ポリマー組成物。
36)ヒドロキシルアミンエステルが、9−(アセチルオキシ)−3,8,10−トリエチル−7,8,10−トリメチル−1,5−ジオキサ−9−アザスピロ[5.5]ウンデカ−3−イル]メチルオクタデカノアートである、ヒドロキシルアミンエステルである、実施形態35に記載のエチレン系ポリマー組成物。
37)アルコキシアミン誘導体が、アルコキシアミン誘導体をキャリヤー樹脂と共に含むマスターバッチとして、ポリエチレン樹脂に添加される、実施形態32に記載のエチレン系ポリマー組成物。
38)キャリヤー樹脂が、HDPE、LLDPE、およびLDPEからなる群から選択される、実施形態37に記載のエチレン系ポリマー組成物。
39)キャリヤー樹脂がLDPEであり、キャリヤーLDPE樹脂の三置換不飽和単位/C1,000,000個が、0から500の範囲である、実施形態38に記載のエチレン系ポリマー組成物。
40)三置換不飽和単位/C1,000,000個の濃度が100未満である、実施形態39に記載のエチレン系ポリマー組成物。
41)キャリヤー樹脂がHDPEであり、キャリヤーHDPE樹脂の三置換不飽和単位/C1,000,000個が、0から500の範囲である、実施形態38に記載のエチレン系ポリマー組成物。
42)三置換不飽和単位/C1,000,000個の濃度が50未満である、実施形態41に記載のエチレン系ポリマー組成物。
43)キャリヤー樹脂が、酸化防止剤化合物を実質的に含まないか、キャリヤー樹脂100万部当たり酸化防止剤0から1,000部の範囲でしか含まないことを特徴とする、実施形態38に記載のエチレン系ポリマー組成物。
44)キャリヤー樹脂が、一次酸化防止剤化合物を含まない、実施形態43に記載のエチレン系ポリマー組成物。
45)アルコキシアミン誘導体を、反応押出プロセスにおいてポリエチレン樹脂と反応させる、実施形態32に記載のエチレン系ポリマー組成物。
46)標的ポリエチレン樹脂が、0から500ppmの範囲の三置換不飽和単位/C1,000,000個を有するLLDPE樹脂を含む、実施形態32に記載のエチレン系ポリマー組成物。
47)標的ポリエチレン樹脂が、一次酸化防止剤を実質的に含まないか、好ましくは0から1,000ppmの範囲でしか含まない、実施形態32に記載のエチレン系ポリマー組成物。
48)アルコキシアミン誘導体が、ポリエチレンポリマーの全重量の0.003重量%から0.09重量%未満の量で添加される、実施形態32に記載のエチレン系ポリマー組成物。
49)アルコキシアミン誘導体と反応してはいない実質的に同様のポリエチレン樹脂に比べて、標的ポリエチレン樹脂の溶融強度が少なくとも15%増大される、実施形態32に記載のエチレン系ポリマー組成物。
50)1rad/s未満のせん断速度において増大された伸長粘度を有するエチレン系ポリマーであって、ASTM D792に従って決定される、0.865g/cmから0.962g/cmの範囲の密度、およびASTM D1238(2.16kg、190℃)に従って決定される、0.01g/10minから100g/10minの範囲のメルトインデックスを有するポリエチレン樹脂と、1rad/s未満のせん断速度におけるポリエチレン樹脂の伸長粘度を増大させるのに十分な量および条件下のポリエチレン樹脂を含むアルコキシアミン誘導体とを含むポリマー。アルコキシアミン誘導体と反応してはいない実質的に同様のポリエチレン樹脂に比べて、伸長粘度が少なくとも20%増大される、実施形態50に記載のポリマー。
52)アルコキシアミン誘導体と反応してはいない実質的に同様のポリエチレン樹脂に比べて、0.1から100rad/sにおける伸長粘度の比が、少なくとも20%増大される、実施形態50に記載のポリマー。
53)ポリエチレン樹脂の溶融強度および/または伸長粘度を改善するためのアルコキシアミン誘導体の使用であって、アルコキシアミン誘導体が、反応押出プロセスにおいてポリエチレン樹脂に添加される使用。
54)実施形態32に従って作製されたポリエチレン樹脂から作製される成形加工品。
55)フィルム、シート、パイプ、またはブロー成形品からなる群から選択される、実施形態54に記載の成形加工品。
56)元の樹脂としての機械的諸特性を保持し、アルコキシアミン誘導体と反応してはいない樹脂で作製されたフィルムに比べて、増大された溶融強度および良好な加工性を備えたフィルムである、実施形態55に記載の成形加工品。
57)LDPE樹脂とLLDPE樹脂のブレンドである、56に記載のフィルム。
58)単層フィルムまたは多層フィルムで使用される、57に記載のフィルム。
59)厚いフィルム用途で使用される、58に記載のフィルム。
60)最終加工ステップにおいて十分な酸化防止剤を添加して、樹脂を完全に安定化する、実施形態54に記載の成形加工品。
【0082】
本発明を前述の説明および実施例でかなり詳細に説明してきたが、この詳細は例示するためのものであって、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきでなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に記載されている。以上で特定された米国特許、特許出願公開、および許可された特許出願はすべて、参照により本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的ポリエチレン樹脂の溶融強度を増大させるための方法であって、
a)ASTM D792に従って決定される、0.865g/cmから0.970g/cmの範囲の密度、およびASTM D1238(2.16kg、190℃)に従って決定される、0.01g/10分から100g/10分の範囲のメルトインデックスを有する標的ポリエチレン樹脂を選択するステップと、
b)全ポリエチレン樹脂100万部当たり誘導体900部未満の量のアルコキシアミン誘導体をポリエチレン樹脂と、ポリエチレン樹脂の溶融強度を増大させるのに十分な条件下で反応させるステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記アルコキシアミン誘導体が、次式:
(R)(R)N−O−R
に対応するものであり、
式中、RおよびRはそれぞれ互いに独立して、水素、C〜C42アルキルもしくはC〜C42アリール、またはOおよび/もしくはNを含む置換炭化水素基であり、RとRは一緒になって環構造を形成してもよく、Rは、水素、炭化水素、またはOおよび/もしくはNを含む置換炭化水素基である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アルコキシアミン誘導体がヒドロキシルアミンエステルである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ヒドロキシルアミンエステルが、9−(アセチルオキシ)−3,8,10−トリエチル−7,8,10−トリメチル−1,5−ジオキサ−9−アザスピロ[5.5]ウンデカ−3−イル]メチルオクタデカノアートである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記アルコキシアミン誘導体が、アルコキシアミン誘導体をキャリヤー樹脂と共に含むマスターバッチとして、前記標的ポリエチレン樹脂に添加される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記キャリヤー樹脂が、HDPE、LLDPE、およびLDPEからなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記キャリヤー樹脂がLDPEであり、該LDPE樹脂の、炭素原子1,000,000個当たりの三置換不飽和単位が0から500の範囲である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記キャリヤー樹脂の、炭素原子1,000,000個当たりの三置換不飽和単位が100未満である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記キャリヤー樹脂がHDPEであり、該HDPE樹脂の、炭素原子1,000,000個当たりの三置換不飽和単位が0から500の範囲である、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記キャリヤー樹脂の、炭素原子1,000,000個当たりの三置換不飽和単位が50未満である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記キャリヤー樹脂が、酸化防止剤化合物を0から1,000ppmの範囲で実質的に含まない、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記キャリヤー樹脂が、一次酸化防止剤化合物を含まない、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記アルコキシアミン誘導体を、反応押出プロセスにおいて前記ポリエチレン樹脂と反応させる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記標的樹脂が、エチレンモノマーおよび3から12個の炭素を有するα−オレフィンコモノマーに由来するLLDPE樹脂を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記標的ポリエチレン樹脂が、炭素原子1,000,000個当たりの三置換不飽和単位が0から500の範囲であるLLDPE樹脂を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記標的樹脂が、LDPE、LLDPE、およびHDPE樹脂からなる群から選択される2つ以上の樹脂を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記標的ポリエチレン樹脂が、一次酸化防止剤を実質的に含まないか、好ましくは0から1,000ppmの範囲で含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記アルコキシアミン誘導体が、ポリエチレンポリマーの全重量の0.003重量%から0.09重量%未満の量で添加される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記マスターバッチは、前記キャリヤー樹脂と前記誘導体との混合物を押出機温度250℃未満で溶融押出することによって調製される、請求項5に記載の方法。
【請求項20】
前記標的樹脂を前記誘導体と反応させた後、1つまたは複数の酸化防止剤を前記標的樹脂に添加するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−516543(P2013−516543A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548229(P2012−548229)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【国際出願番号】PCT/US2011/020839
【国際公開番号】WO2011/085371
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【出願人】(512171629)ダウ ブラジル エス.エー. (5)
【Fターム(参考)】