説明

高濃度かつ分離安定性の高い感温性微粒子ゲル分散液およびその製造方法

【課題】
感温性微粒子ゲル分散液を作成するには、従来溶剤に溶解して重合する方法、あるいは乳化重合する方法などがあったが、いずれも分散液安定性や濃度を高くすることができなかった。本発明においては、界面活性剤や有機溶媒を用いることなく、高濃度かつ水中における分離安定性の高い感温性微粒子ゲル分散液およびその製造方法を提供することにある。
【解決手段】
特定の非イオン性単量体を30モル%以上含み、水中で架橋剤と水溶性高分子の存在下において単独重合もしくは共重合することを必須とした条件により得られる感温性微粒子ゲル分散液の製造方法を提案することにより、本発明の課題を解決することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中に分散剤として水溶性高分子を存在させ、下記一般式[1]で表される非イオン性単量体を全単量体に対し30モル%以上含有する単量体(混合物)を、生成する感温性微粒子ゲルの下限臨界共溶温度より高い温度にて、(共)重合および架橋剤による架橋反応により得られる感温性微粒子ゲル分散液およびその製造方法に関する。

(式中、Rは水素原子又はメチル基を、Rは水素原子またはC2m+1を、RはC2m+1をそれぞれ表す。なお、mは、1〜3の自然数を表す。もしくは、R−R間で(CH)nの環状構造を形成してもよい。なお、nは1〜3の自然数である。)
【背景技術】
【0002】
p−イソプロピルアクリルアミドに代表される感温性ゲルは、相転移温度を境界とした親水性・疎水性のスイッチング機能を有しており、ドラッグデリバリーシステム用薬剤、インクジェット用紙用薬剤、マイクロカプセル材料などの広範な利用が成されている。
【0003】
特に微粒子タイプの感温性ゲルは、相転移温度前後で大きく膨潤度が変化する性質があり、吸水ゲルや光応答性ゲルとしての応用が考案されている。(特許文献1,2)
【0004】
微粒子タイプの感温性ゲルを得る方法として、重合体形成時に感温性を示す単量体を適当な溶媒に溶解し、架橋剤存在下にて攪拌しながら合成する方法がある。しかしながら、この方法により得られる微粒子ゲルの分散溶液は分離安定性が悪く、二次凝集を起こしやすい問題を有している。
【0005】
分離安定性の問題を解決するため、界面活性剤存在下にて乳化重合を行い、微粒子ゲルを作成する方法が提案されてきた。(特許文献3)この方法を用いることにより安定な微粒子ゲル分散液を得ることはできるが、分散液中の界面活性剤の分離に工数を要する。界面活性剤の分離なしに分散液を用いることができる場合もあるが、環境中への界面活性剤流出は避けられず、用水中のCOD成分増加等が懸念される。
【0006】
微粒子ゲル分散液の製造方法として、反応溶媒に有機溶媒もしくは有機溶媒と水の混和溶媒を用いて重合反応を行ない、溶媒に可溶な高分子を分散安定剤に用いる方法も考案されている。(特許文献4)この方法では界面活性剤を使用しないものの、反応溶媒に有機溶媒の使用が必須であり、やはり環境問題を考慮した製造方法であるとは考えにくい。
【0007】
【特許文献1】特開2000−189455号公報
【特許文献2】特開2007−108087号公報
【特許文献3】特開平7−331224号公報
【特許文献4】特開平4−132705号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、界面活性剤や有機溶媒を用いることなく、高濃度かつ水中における分離安定性の高い感温性微粒子ゲル分散液およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
下記一般式[1]で表される非イオン性単量体を30モル%以上含み、水中で架橋剤と水溶性高分子の存在下において単独重合もしくは共重合することを必須とした条件により得られる感温性微粒子ゲル分散液の製造方法を提案することにより、本発明の課題を解決することができる。

(式中、Rは水素原子又はメチル基を、Rは水素原子またはC2m+1を、RはC2m+1をそれぞれ表す。なお、mは、1〜3の自然数を表す。もしくは、R−R間で(CH)nの環状構造を形成してもよい。なお、nは1〜3の自然数である。)
【発明の効果】
【0010】
本発明は、界面活性剤や有機溶媒不使用にて高濃度かつ水中における分離安定性の高い感温性微粒子ゲル分散液を製造することができるため、環境に良好な製造方法及び製品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明をさらに記述する。
【0012】
本発明は、前記一般式[1]で表される非イオン性単量体を30モル%以上含み、水中で架橋剤と水溶性高分子の存在下において単独重合もしくは共重合することにより得られる感温性微粒子ゲル分散液の製造方法を用い、界面活性剤や有機溶媒を用いることなく、高濃度かつ水中における分離安定性の高い感温性微粒子ゲル分散液を製造することができる。
【0013】
一般式[1]で表される単量体は、30〜100モル%の範囲であり、共重合単量体として、非イオン性単量体、カチオン性単量体、及びアニオン性単量体を0〜70モル%含んでも良い。またそれぞれの単量体は、上記の範囲にて一種類、もしくは数種類を用いることができる。
【0014】
一般式[1]で表される単量体の例として、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−シクロプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−エチルアクリルアミド、N,N’−ジエチルアクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン等が挙げられる。親水性−疎水性の転移がシャープなことから、N−イソプロピルアクリルアミドがより好ましい。これらの単量体を複数組み合わせて使用することも可能である。
【0015】
共重合単量体の非イオン性水溶性単量体の例としては(メタ)アクリルアミド、N−ジメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、ビニルピロリドン、ビニルホルムアミド、ビニルアセトアミド等が挙げられる。これらの非イオン性水溶性単量体を複数組み合わせて使用することも可能である。
【0016】
共重合単量体のカチオン性水溶性単量体の例として、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドおよびこれらの塩などの三級アミノ基含有カチオン性単量体、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドなどの四級アンモニウム塩基含有カチオン性単量体、また、アリルアミン、ジアリルメチルアミンおよびこれらの塩、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、その他カチオン基を有する単量体などが挙げられる。これらのカチオン性水溶性単量体を複数組み合わせて使用することも可能である。
【0017】
共重合単量体のアニオン性水溶性単量体の例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸、ビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。これらのアニオン性単量体のうち、一種、もしくは複数種用いてもよい。これらは、未中和、部分中和、全中和のいずれの中和状態を用いることもできる。
【0018】
感温性微粒子ゲル分散液の製造に使用する水溶性高分子の例としては、上記の非イオン性単量体、カチオン性単量体、及びアニオン性単量体をそれぞれ構成単位として含む重合体もしくは共重合体が挙げられる。微粒子の分散安定性が高いことから、カチオン性重合体が好ましく、特に高分子の安定性の面からポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド又は(メタ)アクリロイロオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドがより好ましい。
【0019】
感温性微粒子ゲル分散液の製造に使用する水溶性高分子の分子量としては、1,000〜5,000,000が好ましく、より好ましくは10,000〜500,000の範囲である。
【0020】
分散剤として使用する水溶性高分子の添加量は、全単量体の質量に対して1〜50質量%が好ましく、より好ましくは5〜30質量%の範囲である。
【0021】
本発明の感温性微粒子ゲル分散液の製造には架橋剤を使用する。用いる架橋剤の例として、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタアクリルアミド、ジビニルベンゼン、N、N−ジアリルアミン、N、N−ジアリルアミンヒドロクロリド、N、N、N−トリアリルアミン、N、N、N−トリアリルアミンヒドロハライド、N−メチル−N、N、N−トリアンモニウムハライド、N−メチル−N、N、N−トリアリルアンモニウムハライド、N、N、N、N−テトラアリルアンモニウムハライド、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート等の複数のビニル基を有する多官能性単量体、N−ジメチルアクリルアミド等の熱架橋性単量体、ホルムアルデヒド等の後架橋促進剤等が挙げられる。このうち複数のビニル基を有する単量体を架橋剤として使用する場合は、重合時添加し重合と並行して架橋反応を行うことができる。またホルムアルデヒド等を架橋剤として使用する場合は、重合後、生成する感温性微粒子ゲルの下限臨界共溶温度より高い温度にてホルムアルデヒド等を添加し架橋反応を行う。従ってこれらの架橋剤うち、重合と並行して架橋反応を行うことができ、入手も容易であるメチレンビスアクリルアミドが最も好ましい架橋剤である。添加量は、
全単量体の質量に対して50〜50,000ppmの範囲が好ましく、特に好ましくは1,000〜20,000ppmである。
【0022】
重合条件は通常、使用する単量体や共重合モル%によって適宜決めていき、温度としては、生成する感温性微粒子ゲルの下限臨界共溶温度より高い温度で行なう。重合開始はラジカル重合開始剤を使用する。これら開始剤は水溶性のものを使用し、水溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物、4、4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などがあげられる。またレドックス系の例としては、ペルオキソ二硫酸アンモニウムと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、トリメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミンなどとの組み合わせがあげられる。さらに過酸化物の例としては、ペルオキソ二硫酸アンモニウムあるいはカリウム、過酸化水素、ベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、オクタノイルペルオキサイド、サクシニックペルオキサイド、t-ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエ−トなどをあげることができる。
【0023】
単量体と架橋剤を合わせた重合濃度は5〜30質量%の範囲であり、好ましくは10〜20質量%の範囲であり、単量体の組成、開始剤の選択によって適宜重合の濃度と温度を設定する。
【0024】
感温性微粒子ゲルの水への膨潤後の粒径は、0.005〜100μmが望ましい。最も好ましい粒径は、0.05〜20μmである。
【0025】
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。但し本発明は、以下の実施例に制約されない。
【実施例1】
【0026】
攪拌機、窒素ガス導入管、及び温度制御装置を備えた反応槽にN−イソプロピルアクリルアミド30g、メチレンビスアクリルアミド0.3g(単量体に対し1.0質量%)に、分散剤として水溶性高分子、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド6g(単量体に対し20質量%)、イオン交換水263.7gを仕込み溶解させた。得られた混合溶液を70℃の恒温槽中で攪拌下、窒素置換を20分行なった後、重合開始剤として、ペルオキソ二硫酸アンモニウム0.15gをイオン交換水に溶解した溶液を添加し重合反応を開始させた。反応温度を70℃±2℃で5時間重合させ反応を完結させ、白色の分散液を得た。得られた分散液の固形分が1質量%になるように希釈し、20℃と50℃における水中での膨潤後の感温性水不溶性微粒子ゲルの粒径を、動的光散乱法(大塚電子株式会社、ELSZ−2)により測定し、Cumulant法にて解析したところ、平均粒径1.8μm(20℃)、0.9μm(50℃)を示した。評価結果を表1に示す。
【実施例2】
【0027】
実施例1において、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドの替わりに分散剤として水溶性高分子、ポリアクリロイロオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドを用いた以外は実施例1と同様に行ない白色の分散液を得た。得られた分散液の固形分が1質量%になるように希釈し、20℃と50℃における水中での膨潤後の感温性水不溶性微粒子ゲルの粒径を、動的光散乱法(大塚電子株式会社、ELSZ−2)により測定し、Cumulant法にて解析したところ、平均粒径1.9μm(20℃)、1.0μm(50℃)を示した。評価結果を表1に示す。
【実施例3】
【0028】
攪拌機、窒素ガス導入管、及び温度制御装置を備えた反応槽にN−イソプロピルアクリルアミド28.5g、アクリル酸1.5g、メチレンビスアクリルアミド0.3g(単量体に対し1.0質量%)、分散剤として水溶性高分子、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド6g(単量体に対し20質量%)、イオン交換水263.7gを仕込み溶解させた。得られた混合溶液を70℃の恒温槽中で攪拌下、窒素置換を20分行なった後、重合開始剤として、ペルオキソ二硫酸アンモニウム0.15gをイオン交換水に溶解した溶液を添加し重合反応を開始させた。反応温度を70℃±2℃で5時間重合させ反応を完結させ、白色の分散液を得た。得られた分散液の固形分が1質量%になるように希釈し、20℃と50℃における水中での膨潤後の感温性水不溶性微粒子ゲルの粒径を、動的光散乱法(大塚電子株式会社、ELSZ−2)により測定し、Cumulant法にて解析したところ、平均粒径1.7μm(20℃)、0.8μm(50℃)を示した。評価結果を表1に示す。
【実施例4】
【0029】
攪拌機、窒素ガス導入管、及び温度制御装置を備えた反応槽にN−イソプロピルアクリルアミド27g、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド3g、メチレンビスアクリルアミド0.3g(単量体全量に対し1.0質量%)、分散剤として水溶性高分子、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド6g(単量体に対し20質量%)、イオン交換水263.7gを仕込み溶解させた。得られた混合溶液を70℃の恒温槽中で攪拌下、窒素置換を20分行なった後、重合開始剤として、ペルオキソ二硫酸アンモニウム0.15gをイオン交換水に溶解した溶液を添加し重合反応を開始させた。反応温度を70℃±2℃で5時間重合させ反応を完結させ、白色の分散液を得た。得られた分散液の固形分が1質量%になるように希釈し、20℃と50℃における水中での膨潤後の感温性水不溶性微粒子ゲルの粒径を、動的光散乱法(大塚電子株式会社、ELSZ−2)により測定し、Cumulant法にて解析したところ、平均粒径1.7μm(20℃)、0.9μm(50℃)を示した。評価結果を表1に示す。
【0030】
(比較例1)
実施例1において、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドを添加しなかったこと以外は実施例1と同様に実施した。反応途中に凝集物が発生し、きれいな分散液を得ることができなかった。評価結果を表1に示す。
【0031】
(比較例2)
実施例1において、メチレンビスアクリルアミドを添加しなかったこと以外は実施例1と同様に行い、白色の分散液を得た。しかし、20℃に冷却したところ全体が固化してしまい、再度過熱しても元の分散液には戻らなかった。評価結果を表1に示す。
【0032】
(比較例3)
実施例1において、生成する感温性微粒子ゲルの下限臨界共溶温度より低い反応温度において重合および架橋反応を実施した。すなわち20℃±2℃で重合させたこと以外は実施例1と同様に実施した。結果は、反応途中で全体がゲル化してしまい、きれいな分散液を得ることができなかった。評価結果を表1に示す。
【0033】
表1に記載の評価結果は以下のように行なった。
(1)重合後の分散液の状況:重合後に分散液中に目視で凝集物があるかを確認し評価した。
(2)温度安定性:分散液の温度を20℃から50℃に数回変化させたときの分散液の安定性を確認し評価した。
(3)分離安定性:分散液を30日間静置し、分離状態を確認し評価した。
(4)粘度:分散液の20℃と50℃における粘度を測定した。
(5)粒径:固形分1%に純水で希釈した分散液の20℃と50℃における粒径を測定した。
【0034】
(表1)

【産業上の利用可能性】
【0035】
以上より、本発明の方法を用いることで高濃度かつ水中における分離安定性の高い感温性微粒子ゲル分散液を製造することを可能とし、感温性を有する増粘剤、潤滑剤、吸着剤、分散剤、凝集剤、担持体など、幅広く応用することができる。




















【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中に分散剤として水溶性高分子を存在させ、下記一般式[1]で表される非イオン性単量体を全単量体に対し30モル%以上含有する単量体(混合物)を、生成する感温性微粒子ゲルの下限臨界共溶温度より高い温度にて、(共)重合および架橋剤による架橋反応により得られる感温性微粒子ゲル分散液。
【化1】

(式中、Rは水素原子又はメチル基を、Rは水素原子またはC2m+1を、RはC2m+1をそれぞれ表す。なお、mは、1〜3の自然数を表す。もしくは、R−R間で(CH)nの環状構造を形成してもよい。なお、nは1〜3の自然数である。)
【請求項2】
請求項1に記載の架橋反応が、複数のビニル基を有する単量体を存在させ、重合と並行して行われることを特徴とする感温性微粒子ゲル分散液。
【請求項3】
請求項1に記載の一般式[1]で表される非イオン性単量体がN−イソプロピルアクリルアミドであることを特徴とする感温性微粒子ゲル分散液。
【請求項4】
請求項1に記載の水溶性高分子の主成分がカチオン性単量体を構成単位として含むことを特徴とする感温性微粒子ゲル分散液。
【請求項5】
請求項5に記載のカチオン性単量体がジアリルジメチルアンモニウムクロリド又は(メタ)アクリロイロオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドであることを特徴とする感温性微粒子ゲル分散液。
【請求項6】
水中に分散剤として水溶性高分子を存在させ、下記一般式[1]で表される非イオン性単量体を全単量体に対し30モル%以上含有する単量体(混合物)を、生成する感温性微粒子ゲルの下限臨界共溶温度より高い温度にて、(共)重合および架橋剤による架橋反応を行うことを特徴とする感温性微粒子ゲル分散液の製造方法。
【化1】

式中、Rは水素原子又はメチル基を、Rは水素原子またはC2m+1を、RはC2m+1をそれぞれ表す。なお、mは、1〜3の自然数を表す。もしくは、R−R間で(CH)nの環状構造を形成してもよい。なお、nは1〜3の自然数である。

【公開番号】特開2011−246507(P2011−246507A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−117923(P2010−117923)
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【出願人】(000142148)ハイモ株式会社 (151)
【Fターム(参考)】