説明

高濃度酸素水生成装置、高濃度酸素水灌水装置および高濃度酸素水生成方法

【課題】安価且つ簡素な構成でありながらも効率的且つ簡便に高濃度酸素水を生成可能な高濃度酸素水生成装置、高濃度酸素水灌水装置および高濃度酸素水生成方法を提供する。
【解決手段】高濃度酸素水生成装置1は、酸素濃縮空気を発生させる酸素濃縮器10と、水中に微細気泡を発生させる微細気泡発生器20と、酸素濃縮器10と微細気泡発生器20を繋ぐ導気管30と、水供給源100と微細気泡発生器20を繋ぐ導水管40と、微細気泡発生器20と水使用機器110を繋ぐ供給管60と、微細気泡発生器20に流入する酸素濃縮空気および水の流量が所定の比率となるように調整する流量調整装置50と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶存酸素濃度を高めた高濃度酸素水(高酸素水)を生成する高濃度酸素水生成装置、高濃度酸素水灌水装置および高濃度酸素水生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、農業の分野では、溶存酸素濃度を高めた高濃度酸素水を灌水や水耕栽培に使用することで農作物の生育を促進し、集荷量を高めようとする試みがなされている。灌水や水耕栽培に高濃度酸素水を使用することで、植物の根に十分な酸素を供給することが可能となり、これにより植物の生育が促進されることは、様々な研究等により確認されている。
【0003】
また、水に酸素を積極的に溶解させて溶存酸素濃度を高めるためには、水中に微細気泡(マイクロバブルまたはナノバブル)を発生させて気液接触面積を増加させることが効果的であることが従来知られており、このような微細気泡を利用した農業用の高濃度酸素水生成装置等も提案されている。(例えば、特許文献1または2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−211770号公報
【特許文献2】特開2006−304714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1および2に記載された従来の装置では、予め水が貯留されたタンク内に微細気泡を含んだ水を噴射するように構成されているため、高濃度酸素水が使用可能となるまでに多大な時間を要するという問題があった。すなわち、従来の装置では、まずタンク内に所定量の水を貯留し、その後に微細気泡を含んだ水を噴射して、タンク内の所定量の水全体の溶存酸素濃度を必要な値に上昇させる必要があるため、高濃度酸素水を使用可能となるまでの準備時間が長くなっていた。さらに、タンク内の水を使い切った後には、改めて所定量の高濃度酸素水をタンク内で生成する必要があるため、非常に使い勝手の悪いものとなっていた。
【0006】
また、従来の装置は、タンクやポンプ等を備えた高価且つ大がかりな構成となっていることが多く、既存の灌水装置等に追加設置することが困難であったため、一般的な規模の農家には導入し難いものであった。
【0007】
本発明は、斯かる実情に鑑み、安価且つ簡素な構成でありながらも効率的且つ簡便に高濃度酸素水を生成可能な高濃度酸素水生成装置、高濃度酸素水灌水装置および高濃度酸素水生成方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明は、酸素濃縮空気を発生させる酸素濃縮器と、水中に微細気泡を発生させる微細気泡発生器と、前記酸素濃縮器と前記微細気泡発生器を繋ぐ導気管と、水供給源と前記微細気泡発生器を繋ぐ導水管と、前記微細気泡発生器と水使用機器を繋ぐ供給管と、前記微細気泡発生器に流入する酸素濃縮空気および水の流量が所定の比率となるように調整する流量調整装置と、を備えることを特徴とする、高濃度酸素水生成装置である。
【0009】
(2)本発明はまた、前記流量調整装置は、前記導気管の途中に設けられ、酸素濃縮空気の流量に応じた信号を出力する空気流量測定装置と、前記空気流量測定装置から入力した信号を予め設定されたレシオおよびバイアスに基づいて変換した信号を出力する空気流量信号比率変換器と、前記導水管の途中に設けられ、前記空気流量信号比率変換器からの信号に基づいて前記微細気泡発生器に流入する水の流量を調整する水流量調整装置と、を備えることを特徴とする、上記(1)に記載の高濃度酸素水生成装置である。
【0010】
(3)本発明はまた、前記微細気泡発生器は、前記導水管からの水に前記導気管からの酸素濃縮空気を導入する空気導入部と、前記空気導入部の下流側に設けられる微細気泡発生部と、を備えることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の高濃度酸素水生成装置である。
【0011】
(4)本発明はまた、前記空気導入部は、前記導水管からの水と前記導気管からの酸素濃縮空気を、鋭角をなす角度で合流させるように構成されることを特徴とする、上記(3)に記載の高濃度酸素水生成装置である。
【0012】
(5)本発明はまた、前記微細気泡発生部は、ベンチュリ管から構成されることを特徴とする、上記(3)または(4)に記載の高濃度酸素水生成装置である。
【0013】
(6)本発明はまた、前記導気管の途中に逆止弁を備えることを特徴とする、上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の高濃度酸素水生成装置である。
【0014】
(7)本発明はまた、前記酸素濃縮器は、PSA方式であることを特徴とする、上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の高濃度酸素水生成装置である。
【0015】
(8)本発明はまた、前記流量調整装置は、所定の基準温度および基準圧力における酸素濃縮空気および水の体積流量の比率が略1:0.8乃至1.5となるように調整することを特徴とする、上記(1)乃至(7)に記載の高濃度酸素水生成装置である。
【0016】
(9)本発明はまた、前記流量調整装置は、前記導水管の途中に設けられ、水の流量に応じた信号を出力する水流量測定装置と、前記水流量測定装置から入力した信号を予め設定されたレシオおよびバイアスに基づいて変換した信号を出力する水流量信号比率変換器と、前記導気管の途中に設けられ、前記水流量信号比率変換器からの信号に基づいて前記微細気泡発生器に流入する酸素濃縮空気の流量を調整する空気流量調整装置と、を備えることを特徴とする、上記(1)乃至(8)のいずれかに記載の高濃度酸素水生成装置である。
【0017】
(10)本発明はまた、上記(1)乃至(9)のいずれかに記載の高濃度酸素水生成装置と、前記高濃度酸素水生成装置の前記供給管に接続される灌水装置と、を備えることを特徴とする、高濃度酸素水灌水装置である。
【0018】
(11)本発明はまた、前記灌水装置は、さらに前記水供給源に接続され、前記高濃度酸素水生成装置および前記水供給源のいずれを前記灌水装置に接続するかを所定のタイミングで自動的に切り替える切替装置を備えることを特徴とする、上記(10)に記載の高濃度酸素水灌水装置である。
【0019】
(12)本発明はまた、酸素濃縮空気を水に導入して微細気泡を発生させることにより、高濃度酸素水を生成する高濃度酸素水生成方法において、酸素濃縮空気に対する水の流量が所定の比率となるように調整することを特徴とする、高濃度酸素水生成方法である。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る高濃度酸素水生成装置、高濃度酸素水灌水装置および高濃度酸素水生成方法によれば、安価且つ簡素な構成でありながらも効率的且つ簡便に高濃度酸素水を生成可能という優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る高濃度酸素水生成装置の構成を示した概略図である。
【図2】微細気泡発生器の構造を示した概略断面図である。
【図3】(a)および(b)高濃度酸素水生成装置の設置方法を示した概略図である。
【図4】(a)および(b)高濃度酸素水生成装置のその他の形態の例を示した概略図である。
【図5】高濃度酸素水生成装置のその他の形態の例を示した概略図である。
【図6】本発明の実施形態に係る高濃度酸素水灌水装置の一例を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、本実施形態に係る高濃度酸素水生成装置1の構成を示した概略図である。同図に示されるように、高濃度酸素水生成装置1は、酸素濃縮空気を発生させる酸素濃縮器10と、水中に微細気泡を発生させる微細気泡発生器20と、酸素濃縮器10と微細気泡発生器20を繋ぐ導気管30と、水供給源100と微細気泡発生器20を繋ぐ導水管40と、微細気泡発生器20に流入する酸素濃縮空気および水の流量が所定の比率となるように調整する流量調整装置50と、微細気泡発生器20と水使用機器110を繋ぐ供給管60と、を備えている。
【0024】
酸素濃縮器10は、空気を吸引して空気中の窒素を排出することで、酸素の濃度を高めた酸素濃縮空気を発生させるものである。この酸素濃縮器10としては、PSA(Pressure Swing Adsorption)方式、酸素富化膜方式または中空視膜方式等、既存の各種方式のものを使用することができるが、農業用灌水装置等において大量の高濃度酸素水を必要とする場合には、比較的多量の酸素濃縮空気を生成可能なPSA方式のものが好ましい。
【0025】
酸素濃縮器10の吐出側は、導気管30に接続され、発生した酸素濃縮空気は、導気管30を通じて微細気泡発生器20に導入される。なお、本実施形態では、導気管30の途中に逆止弁70を設けることで、微細気泡発生器20に導入される酸素濃縮空気の圧力を保持すると共に、微細気泡発生器20から水が導気管30内を逆流するのを防止するようにしている。
【0026】
微細気泡発生器20は、水供給源100から導水管40を通じて供給された水に、酸素濃縮器10からの酸素濃縮空気を導入し、水中に酸素濃縮空気の微細気泡を発生させるものである。微細気泡発生器20から流出する微細気泡を含んだ水は、微細気泡からの酸素の溶出により溶存酸素濃度が高まった高濃度酸素水となる。この微細気泡発生器20の方式は、特に限定されるものではないが、本実施形態ではベンチュリ管方式を採用している。微細気泡発生器20の構造の詳細については後述する。
【0027】
微細気泡発生器20の吐出側(下流側)には、水使用機器110に繋がる供給管60が接続されており、生成された高濃度酸素水は、この供給管60を通じて水使用機器110に供給される。すなわち、本実施形態では、水供給源100からの水使用機器110に向けて流動する水を、流動の途中で高濃度酸素水に変化させるように構成されている。なお、水供給源100は、既存の水道やポンプ付きの井戸等をそのまま使用することができる。また、必要に応じて、導水管40または供給管60にゴミ除去用のフィルタを設けるようにしてもよい。
【0028】
流量調整装置50は、導気管30の途中に設けられた空気流量測定装置51と、導水管40の途中に設けられた水流量調整装置52および水流量測定装置53と、空気流量測定装置51および水流量調整装置52に電気的に接続された比率変換器(空気流量信号比率変換器)54と、を備えている。
【0029】
空気流量測定装置51は、導気管30を流動する酸素濃縮空気の流量を測定し、流量に応じた信号を出力するものである。この空気流量測定装置51の方式は、特に限定されるものではないが、本実施形態では熱式の質量流量計を採用している。従って、空気流量測定装置51は、質量流量を所定の基準温度および基準圧力(例えば、20℃、1気圧)における体積流量に換算して表示すると共に、換算した体積流量に応じた信号を比率変換器54に出力するように構成されている。
【0030】
水流量調整装置52は、比率変換器54から入力した信号に応じて導水管40を流動する水の流量を調整するものである。この水流量調整装置52の方式は、特に限定されるものではないが、本実施形態ではアクチュエータによって弁体を開閉するボール弁を採用している。水流量測定装置53は、水流量調整装置52の下流側に設けられ、調整後の水の体積流量を測定して表示するものである。この水流量測定装置53の方式は、特に限定されるものではないが、本実施形態では渦流量計を採用している。
【0031】
比率変換器54は、空気流量測定装置51から入力した信号を、予め設定されたレシオおよびバイアスに基づいて変換し、変換した信号を水流量調整装置52に出力するものである。この比率変換器52としては、既存のものを使用することができる。
【0032】
上述の構成により、本実施形態の流量調整装置50では、微細気泡発生器20に流入する酸素濃縮空気の流量に基づいて、微細気泡発生器20に流入する水の流量を調整するようにしている。そして、空気流量測定装置51の出力を比率変換器54を介して直接水流量調整装置52に入力することにより、きわめて簡素な構成でありながらも、酸素濃縮空気および水の比率を略一定に保持することを可能としている。
【0033】
例えば、2つの吸着筒において交互に加圧・減圧を繰り返すことで窒素を排出して酸素を濃縮するPSA方式のものを酸素濃縮器10として採用した場合、吐出される酸素濃縮空気に脈動が生じることとなるが、本実施形態では、酸素濃縮空気の流量の変動に基づいて水流量調整装置が動作するため、酸素濃縮空気と水の流量の比率を略一定に保つことが可能となっている。
【0034】
微細気泡発生器20に流入する酸素濃縮空気および水の流量の比率は、比率変換器54におけるレシオおよびバイアスの設定値によって設定される。従って、本実施形態では、水供給源100の能力によらず、微細気泡発生器20に流入する酸素濃縮空気および水の流量を所定の比率に設定することが可能となっている。
【0035】
本願の発明者らは、種々の実験を繰り返すことにより、所定の基準温度および基準圧力における酸素濃縮空気と水の体積流量の比率を略1:0.8〜1.5の範囲内、より好ましくは略1:1〜1.2の範囲内に設定することで、酸素濃縮空気を過不足なく安定的に水中に導入して効率的に微細気泡を発生させることが可能であることを見出した。従って、比率変換器54におけるレシオおよびバイアスの設定値は、所定の基準温度および基準圧力における酸素濃縮空気と水の体積流量の比率が上記範囲内となるように設定される。ここで、所定の基準温度および基準圧力は、高濃度酸素水生成装置1の設置場所の雰囲気温度および圧力、またはこれに近い値に設定すればよい。
【0036】
なお、水流量測定装置53による測定結果を水流量調整装置52にフィードバックし、水流量調整装置52による水の流量調整を補正するようにしてもよい。また、酸素濃縮空気の流量を調整する空気流量調整装置を酸素濃縮器10または導気管30に設けるようにしてもよい。空気流量調整装置によって酸素濃縮空気の流量を調整することで、生成する高濃度酸素水の量を調整することが可能となる。さらにこの場合、空気流量測定装置51の測定結果を空気流量調整装置にフィードバックして酸素濃縮空気の流量を制御するようにしてもよい。
【0037】
次に、微細気泡発生器20の構造の詳細について説明する。図2は、微細気泡発生器20の構造を示した概略断面図である。同図に示されるように、微細気泡発生器20は、上流側の空気導入部22と、下流側の微細気泡発生部24と、から構成されている。
【0038】
空気導入部22は、微細気泡発生部24と同軸的に設けられた通水管22aと、通水管22aに対して上流側から鋭角をなす角度で斜めに接続された通気管22bと、から構成されており、通水管22aには導水管40が接続され、通気管22bには導気管30が接続されるようになっている。すなわち、空気導入部22は、微細気泡発生部24に向けて流動する水Wに対し、上流側から鋭角をなす角度で酸素濃縮空気Aを合流させるように構成されている。
【0039】
本実施形態では、酸素濃縮空気Aと水Wの体積流量の比率を上記範囲内に設定すると共に、空気導入部22をこのように構成することで、水W中に酸素濃縮空気Aの気泡Bをスムーズに生成することを可能としている。なお、通水管22aと通気管22bのなす角度θは、特に限定されるものではないが、水Wの通気管22bへの流入を防ぎ、気泡Bの生成をスムーズに行うためには、15〜45°の範囲内であることが好ましい。
【0040】
微細気泡発生部24は、本実施形態では、ベンチュリ管から構成している。ベンチュリ管では、拡大部24aにおける急激な圧力上昇に伴う圧縮減速により気泡Bを崩壊させることで微細気泡MBが生成される。従来の装置では、一般的にベンチュリ管ののど部24bで発生する負圧を利用して外部の空気を吸引し、水W中に気泡Bを発生させてこれをそのまま拡大部24aにおいて崩壊させるようにしているが、本実施形態では、上述のように空気導入部22において予め水W中に酸素濃縮空気Aの気泡Bを含ませた上でベンチュリ管である微細気泡発生部24に流入させるようにしているため、より微細な微細気泡MBを効率的に発生させることが可能となっている。
【0041】
すなわち、本実施形態では、水W中の気泡Bを縮小部24cおよびのど部24bで一旦膨張加速させた後に、拡大部24aで急激に圧縮減速させるようにしているため、従来の装置よりも気泡Bを激しく崩壊させることが可能となっている。これにより、きわめて微細な微細気泡MBを発生させて気液接触面積を大幅に拡大し、酸素濃度の高い酸素濃縮空気Aであることとも相俟って略瞬時に水Wの溶存酸素濃度を上昇させることができる。このため、本実施形態では、微細気泡MBを含んだ水Wを貯留するタンク等を設けずとも、水使用機器110に高濃度酸素水を供給することが可能となっている。
【0042】
次に、高濃度酸素水生成装置1の設置方法について説明する。図3(a)および(b)は、高濃度酸素水生成装置1の設置方法を示した概略図である。上述のように、本実施形態の高濃度酸素水生成装置1は、タンクやポンプ等を備えていないため、コンパクトな1つのユニットとして構成することが可能となっている。従って、ポンプおよびタンクの据付や複雑な配管工事等を必要とせず、従来の装置と比較してきわめて容易に設置することが可能となっている。
【0043】
具体的には、同図(a)に示されるように、水供給源100から水使用機器110に供給される水が通過する配管102の近傍に高濃度酸素水生成装置1を配置し、同図(b)に示されるように、配管102を途中で切断して水供給源100側の配管102aを高濃度酸素水生成装置1の導水管40に接続し、水使用機器側110側の配管102bを高濃度酸素水生成装置1の供給管60に接続するだけで、水使用機器110に高濃度酸素水生成装置1を追加設置することができ、水使用機器110にて高濃度酸素水を使用することが可能となる。
【0044】
このように、本実施形態の高濃度酸素水生成装置1は、例えば既存の灌水装置等の水使用機器110に対してきわめて容易に追加設置することができる。また、設置スペースも従来の装置よりも小さいものとなっている。このため、比較的小規模な農家においても容易に導入することが可能となっている。
【0045】
次に、高濃度酸素水生成装置1のその他の形態について説明する。図4(a)および(b)ならびに図5は、高濃度酸素水生成装置1のその他の形態の例を示した概略図である。まず、図4(a)に示す例では、流量調整装置50を、導気管30の途中に設けられた空気流量調整装置55および空気流量測定装置51と、導水管40の途中に設けられた水流量測定装置53と、水流量測定装置53および空気流量調整装置55に電気的に接続された比率変換器(水流量信号比率変換器)56と、から構成した場合の例を示している。
【0046】
この例では、比率変換器56は、水流量測定装置53から入力した信号を予め設定されたレシオおよびバイアスに基づいて変換し、変換した信号を空気流量調整装置55に出力するようになっている。すなわち、この例では、微細気泡発生器20に流入する水の流量に基づいて、微細気泡発生装置20に流入する酸素濃縮空気の流量を調整している。水供給源100の能力に対して酸素濃縮器10の能力が高い場合には、流量調整装置50をこのように構成した方が効率的となる。
【0047】
なお、この例においても、所定の基準温度および基準圧力における酸素濃縮空気と水の体積流量の比率が略1:0.8〜1.5の範囲内、より好ましくは略1:1〜1.2の範囲内に設定されることは言うまでもない。また、空気流量測定装置51による測定結果を空気流量調整装置55にフィードバックし、空気流量調整装置55による酸素濃縮空気の流量調整を補正するようにしてもよい。また、水流量調整装置52を水供給源100または導水管40に設け、水流量調整装置52によって水の流量を調整することで、生成する高濃度酸素水の量を調整するようにしてもよい。さらにこの場合、水流量測定装置53の測定結果を水流量調整装置52にフィードバックして水の流量を制御するようにしてもよい。
【0048】
図4(b)に示す例では、流量調整装置50を、導気管30の途中に設けられた空気流量調整装置55および空気流量測定装置51と、導水管40の途中に設けられた水流量調整装置52および水流量測定装置53と、空気流量測定装置51および水流量調整装置52に電気的に接続された比率変換器(空気流量信号比率変換器)54と、水流量測定装置53および空気流量調整装置55に電気的に接続された比率変換器(水流量信号比率変換器)56と、から構成した場合の例を示している。
【0049】
すなわち、この例では、酸素濃縮空気の流量に基づく水の流量を調整、および水の流量に基づく酸素濃縮空気の流量の調整のいずれも可能となっている。流量調整装置50をこのように構成することで、高濃度酸素水生成装置1の汎用性を高めることが可能となる。なお、フィードバックによる水流量調整装置52および空気流量調整装置55の流量調整の補正、ならびに酸素濃縮空気または水の流量調整による高濃度酸素水の量の調整に関しては、上述の例と同様である。
【0050】
図5に示す例では、図1に示した高濃度酸素水生成装置1に、高濃度酸素水生成装置1全体を制御する制御装置80と、水使用機器110の状態を検出する状態検出装置81を備えるようにした場合の例を示している。
【0051】
制御装置80は、CPU、ROMおよびRAM等を備えると共に、必要に応じてフラッシュメモリやハードディスク等の記憶手段を備える演算処理装置から構成されている。制御装置80は、酸素濃縮器10、空気流量測定装置51、水流量調整装置52、水流量測定装置53、比率変換器54および状態検出装置等と電気的に接続されており(図示省略)、CPUによるソフトウェアの実行または専用回路によって各機器を制御する。
【0052】
なお、制御装置80としては、例えば一般的なPCやマイコン等を採用することができる。また、同図に示す例では、流量調整装置50により、酸素濃縮器10が稼働している場合には微細気泡発生器20に適量の水が供給され、酸素濃縮器10が停止している場合には微細気泡発生器20への水の供給が停止されることとなるため、酸素濃縮器10の備える制御装置を制御装置80としてもよい。
【0053】
状態検出装置81は、水使用機器110に設置され、水使用機器110が高濃度酸素水の供給が必要な状態であるか否かを検出するものであり、各種センサ等から構成されている。状態検出装置81は、水使用機器110が高濃度酸素水の供給を必要としているか否かを検出し、その旨を示す信号を制御装置80に出力する。
【0054】
なお、状態検出センサ81の具体的な例としては、水使用機器110の備える高濃度酸素水タンクに設けられた水位センサや、水使用機器110の稼働状態を検出するセンサ等が挙げられる。さらに、状態検出センサ81は、高濃度酸素水の供給を指示する信号を水使用機器110等から受信する受信装置や、高濃度酸素水の供給を指示するための操作ボタン等であってもよい。また、水使用機器110が農作物等の灌水装置である場合には、灌水先の土壌内の水分量を検出する土壌内水分量検出装置等であってもよい。
【0055】
この例では、制御装置80が、状態検出装置81からの信号に応じて、高濃度酸素水生成装置1を起動または停止させる。すなわち、制御装置80は、状態検出装置81から高濃度酸素水の供給を必要とする旨の信号を受信した場合には、高濃度酸素水生成装置1を起動して水使用機器110に高濃度酸素水を供給する。また、状態検出装置81から高濃度酸素水の供給を必要としない旨の信号を受信した場合には、制御装置80は、高濃度酸素水生成装置1を停止して高濃度酸素水の供給を終了する。
【0056】
このように、高濃度酸素水生成装置1に制御装置80および状態検出装置81を備えることで、水使用機器110の状態に応じて、高濃度酸素水生成装置1を自動的に起動または停止させることが可能となる。これにより、水使用機器110に対して、適切なタイミングで過不足無く高濃度酸素水を供給することができる。
【0057】
なお、図4(a)または(b)に示した高濃度酸素水生成装置1に、制御装置80および状態検出装置81を備えるようにしてもよいことは言うまでもない。また、状態検出装置81を水使用機器110の必要とする高濃度酸素水の量を検出して出力するように構成すると共に、制御装置80が状態検出装置81からの出力に応じて酸素濃縮装置10、空気流量調整装置55または水流量調整装置52等を制御することにより、供給する高濃度酸素水の量を調整するようにしてもよい。
【0058】
また、制御装置80に時計またはタイマを備えるようにし、所定の時間になった場合、または所定の時間の経過後に、高濃度酸素水生成装置1を自動的に起動または停止させるようにしてもよい。さらにこの場合、状態検出装置81からの信号に基づいて高濃度酸素水生成装置1を起動させた後、所定の時間が経過したら高濃度酸素水生成装置1を停止させるようにしてもよいし、所定のタイミングで高濃度酸素水生成装置1を起動させた後に、状態検出装置81からの信号に基づいて高濃度酸素水生成装置1を停止させるようにしてもよい。
【0059】
次に、高濃度酸素水生成装置1を利用した高濃度酸素水灌水装置2について説明する。図6は、高濃度酸素水灌水装置2の一例を示した概略図である。同図に示されるように、高濃度酸素水灌水装置2は、高濃度酸素水生成装置1と、高濃度酸素水生成装置1の供給管60および水供給源100からの配管102に接続される切替装置90と、農作物等への灌水を行う水使用機器110である4つの灌水装置111、112、113、114と、を備えている。また、高濃度酸素水生成装置1は、制御装置80と、状態検出装置81である土壌内水分量検出装置81a、81b、81c、81dと、を備えている。
【0060】
切替装置90は、切替弁、および切替弁を動作させるアクチュエータから構成され、灌水装置111〜114に高濃度酸素水生成装置1および水供給源100のいずれを接続するかを切り替えるものである。切替装置90は、配管91、92、93、94を介して灌水装置111、112、113、114にそれぞれ接続されている。また、切替装置90は、制御装置80に電気的に接続されており、制御装置80に制御されることによって。灌水装置111〜114のそれぞれに高濃度酸素水生成装置1および水供給源100のいずれを接続するかを切り替える。
【0061】
土壌内水分量検出装置81a〜81dは、灌水装置111〜114が灌水を行う土壌内の水分量を検出(測定)し、水分量に応じた信号を制御装置80に出力するものである。制御装置80は、土壌内水分量検出装置81a〜81dからの信号を予め設定された閾値と比較し、灌水装置111〜114に灌水を行わせるか否かを判定する。そして、高濃度酸素水生成装置1および切替装置90を制御して、灌水を行わせると判定した灌水装置111〜114に高濃度酸素水または普通の水を供給する。
【0062】
灌水の開始後は、再び土壌内水分量検出装置81a〜81dからの信号に基づいて灌水を停止するか否かを判定し、高濃度酸素水生成装置1および切替装置90を制御して灌水を停止すると判定した灌水装置111〜114への高濃度酸素水または普通の水の供給を停止する。なお、土壌内水分量検出装置81a〜81dからの信号に基づくのではなく、予め設定された灌水時間を経過したことに基づいて灌水を停止させるようにしてもよい。さらにこの場合、灌水を開始する際に、土壌内水分量検出装置81a〜81dからの信号に基づいて灌水時間を調整するようにしてもよい。
【0063】
この高濃度酸素水灌水装置2によれば、土壌内の水分量に応じて灌水することができるため、農作物等の生育状況や天候状況等に応じた適切な灌水を行うことが可能となる。また、高濃度酸素水と普通の水を適宜に切り替えて灌水することができるため、例えば日中は農作物等に普通の水を灌水し、夜間は高濃度酸素水を灌水するといったように、普通の水と高濃度酸素水を使い分けることが可能となる。また、例えばある時間においては、灌水装置111および114では高濃度酸素水を、灌水装置112および113では普通の水を灌水し、別の時間においては、灌水装置111および114では普通の水を、灌水装置112および113では高濃度酸素水を灌水するといった使い分けをしてもよい。
【0064】
なお、土壌内水分量検出装置81a〜81dを設けずに、予め設定されたタイミングで、予め設定した灌水時間だけ灌水を行うようにしてもよい。また、切替装置90を設けずに、灌水装置111〜114に高濃度酸素水生成装置1を直接接続するようにしてもよい。また、切替装置90の代りに、手動の切替弁を設けるようにしてもよい。また、灌水装置の数は、4つに限定されるものではなく、土壌内水分量検出装置の個数は灌水装置と同数でなくてもよい。
【0065】
以上説明したように、本実施形態に係る高濃度酸素水生成装置1は、酸素濃縮空気を発生させる酸素濃縮器10と、水中に微細気泡を発生させる微細気泡発生器20と、酸素濃縮器10と微細気泡発生器20を繋ぐ導気管30と、水供給源100と微細気泡発生器20を繋ぐ導水管40と、微細気泡発生器20と水使用機器110を繋ぐ供給管60と、微細気泡発生器20に流入する酸素濃縮空気および水の流量が所定の比率となるように調整する流量調整装置50と、を備えている。
【0066】
また、本実施形態に係る高濃度酸素水生成方法は、酸素濃縮空気を水に導入して微細気泡を発生させることにより、高濃度酸素水を生成する高濃度酸素水生成方法において、酸素濃縮空気に対する水の流量が所定の比率となるように調整する。
【0067】
このような構成とすることで、安価且つ簡素な構成でありながらも効率的且つ簡便に高濃度酸素水を生成することができる。特に、酸素濃縮装置10を備えることで空気を使用した場合よりも効率的に水中に酸素を溶解させることが可能であり、また、純酸素を使用した場合よりもランニングコストを低減することができる。
【0068】
また、微細気泡発生器20に流入する酸素濃縮空気および水の流量が所定の比率となるようにすることで、酸素濃縮空気を水中に過不足なく安定的に導入することが可能となるため、必要以上に酸素濃縮空気を水中に導入して無駄なエネルギーを消費したり、逆に導入する酸素濃縮空気の量が少なすぎて生成した高濃度酸素水の溶存酸素濃度が低下したりといった不具合が生じないようにすることができる。
【0069】
また、タンクやポンプ等の大がかりな設備を備えることなく、簡便に高濃度酸素水を生成することができるため、水使用機器100が小規模な設備である場合や、設置スペースが限られているような場合においても、容易に設置して使用することができる。
【0070】
また、流量調整装置50は、導気管30の途中に設けられ、酸素濃縮空気の流量に応じた信号を出力する空気流量測定装置51と、空気流量測定装置51から入力した信号を予め設定されたレシオおよびバイアスに基づいて変換した信号を出力する空気流量信号比率変換器54と、導水管40の途中に設けられ、空気流量信号比率変換器54からの信号に基づいて微細気泡発生器20に流入する水の流量を調整する水流量調整装置52と、を備えている。このようにすることで、流量調整装置50を安価且つ簡素に構成することができる。また、酸素濃縮器10からの酸素濃縮空気の流量が変動するような場合であっても、酸素濃縮空気の流量の変動に合わせて水の流量を調整することが可能となるため、酸素濃縮空気および水の流量の比率を略一定に保ち、酸素濃縮空気を水中に過不足なく安定的に導入することができる。
【0071】
また、微細気泡発生器20は、導水管40からの水に導気管30からの酸素濃縮空気を導入する空気導入部22と、空気導入部22の下流側に設けられる微細気泡発生部24と、を備えている。このようにすることで、予め気泡を含ませた水を微細気泡発生器24に導入することが可能となるため、微細気泡発生部24として特殊な構造や大がかりな構造を採用しなくとも、より微細な微細気泡を効率的に発生させることができる。すなわち、安価且つ簡素な構成でありながらも、気液接触面積を高めて水への酸素の溶解を促進することができるため、十分な溶存酸素濃度を有する高濃度酸素水を迅速に生成することができる。
【0072】
なお、本実施形態では、空気導入部22の下流側にベンチュリ管からなる微細気泡発生部24を設けた例を示したが、ベンチュリ管以外の微細気泡発生部24を設けるようにしてもよいことは言うまでもない。
【0073】
また、空気導入部22は、導水管40からの水と導気管30からの酸素濃縮空気を、鋭角をなす角度で合流させるように構成されている。このようにすることで、水と酸素濃縮空気をスムーズに合流させると共に、水の圧力の影響を低減し、酸素濃縮空気を効率的に水中に導入することができる。
【0074】
また、微細気泡発生部24は、ベンチュリ管から構成されている。このようにすることで、微細気泡発生器20を安価且つ簡素に構成しながらも、十分に微細な微細気泡を安定的に発生させることができる。また、清掃やメンテナンス等を容易にすることができる。
【0075】
また、高濃度酸素水生成装置1は、導気管30の途中に逆止弁70を備えている。このようにすることで、微細気泡発生器20に流入する酸素濃縮空気の圧力を安定的に保持すると共に、水が導気管30を逆流して空気流量測定装置51等に不具合が生じるのを防止することができる。
【0076】
また、酸素濃縮器10は、PSA方式のものを採用している。このようにすることで、比較的多量の酸素濃縮空気を生成することができるため、高濃度酸素水の生成能力を高めることができる。
【0077】
また、流量調整装置50は、所定の基準温度および基準圧力における酸素濃縮空気および水の体積流量の比率が略1:0.8乃至1.5となるように調整する。すなわち、所定の基準温度および基準圧力における酸素濃縮空気の体積流量を1とした場合に、同基準温度および同基準圧力における水の体積流量が1〜1.5の範囲内となるように調整する。このようにすることで、酸素濃縮空気を過不足なく安定的に水中に導入して効率的に微細気泡を発生させることができる。特に、微細気泡発生器20をエジェクタとして利用する必要がなくなるため、より微細な微細気泡を効率的に発生させることが可能となり、水中への酸素の溶解速度を高めることができる。
【0078】
また、流量調整装置50は、導水管40の途中に設けられ、水の流量に応じた信号を出力する水流量測定装置53と、水流量測定装置53から入力した信号を予め設定されたレシオおよびバイアスに基づいて変換した信号を出力する水流量信号比率変換器56と、導気管30の途中に設けられ、比率変換器56からの信号に基づいて微細気泡発生器20に流入する酸素濃縮空気の流量を調整する空気流量調整装置55と、を備えるものであってもよい。このようにすることで、高濃度酸素水生成装置1の汎用性を高めることができる。
【0079】
また、本実施形態に係る高濃度酸素水灌水装置2は、高濃度酸素水生成装置1と、高濃度酸素水生成装置1の供給管60に接続される灌水装置111〜114と、を備えている。このような構成とすることで、安価且つ簡素な構成でありながらも、効率的且つ簡便に高濃度酸素水を生成して灌水することができるため、農作物等の生育を促進し、集荷量を高めることができる。
【0080】
また、高濃度酸素水灌水装置2は、灌水装置111〜114は、さらに水供給源100に接続され、高濃度酸素水生成装置1および水供給源100のいずれを灌水装置111〜114に接続するかを所定のタイミングで自動的に切り替える切替装置90を備えている。このようにすることで、高濃度酸素水と普通の水を適宜に使い分け、農作物等の生育状況や天候状況等に応じた適切な灌水を行うことが可能となる。
【0081】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の高濃度酸素水生成装置、高濃度酸素水灌水装置および高濃度酸素水生成方法は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明に係る高濃度酸素水生成装置、高濃度酸素水灌水装置および高濃度酸素水生成方法は、農業の分野以外にも、例えば魚介類の養殖や、医療または美容等、様々な分野において利用することができる。
【符号の説明】
【0083】
1 高濃度酸素水生成装置
2 高濃度酸素水灌水装置
10 酸素濃縮器
20 微細気泡発生器
22 空気導入部
24 微細気泡発生部
30 導気管
40 導水管
50 流量調整装置
51 空気流量測定装置
52 水流量調整装置
53 水流量測定装置
54、56 比率変換器
55 空気流量調整装置
60 供給管
70 逆止弁
90 切替装置
100 水供給源
110 水使用機器
111、112、113、114 灌水装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素濃縮空気を発生させる酸素濃縮器と、
水中に微細気泡を発生させる微細気泡発生器と、
前記酸素濃縮器と前記微細気泡発生器を繋ぐ導気管と、
水供給源と前記微細気泡発生器を繋ぐ導水管と、
前記微細気泡発生器と水使用機器を繋ぐ供給管と、
前記微細気泡発生器に流入する酸素濃縮空気および水の流量が所定の比率となるように調整する流量調整装置と、を備えることを特徴とする、
高濃度酸素水生成装置。
【請求項2】
前記流量調整装置は、
前記導気管の途中に設けられ、酸素濃縮空気の流量に応じた信号を出力する空気流量測定装置と、
前記空気流量測定装置から入力した信号を予め設定されたレシオおよびバイアスに基づいて変換した信号を出力する空気流量信号比率変換器と、
前記導水管の途中に設けられ、前記空気流量信号比率変換器からの信号に基づいて前記微細気泡発生器に流入する水の流量を調整する水流量調整装置と、を備えることを特徴とする、
請求項1に記載の高濃度酸素水生成装置。
【請求項3】
前記微細気泡発生器は、前記導水管からの水に前記導気管からの酸素濃縮空気を導入する空気導入部と、前記空気導入部の下流側に設けられる微細気泡発生部と、を備えることを特徴とする、
請求項1または2に記載の高濃度酸素水生成装置。
【請求項4】
前記空気導入部は、前記導水管からの水と前記導気管からの酸素濃縮空気を、鋭角をなす角度で合流させるように構成されることを特徴とする、
請求項3に記載の高濃度酸素水生成装置。
【請求項5】
前記微細気泡発生部は、ベンチュリ管から構成されることを特徴とする、
請求項3または4に記載の高濃度酸素水生成装置。
【請求項6】
前記導気管の途中に逆止弁を備えることを特徴とする、
請求項1乃至5のいずれかに記載の高濃度酸素水生成装置。
【請求項7】
前記酸素濃縮器は、PSA方式であることを特徴とする、
請求項1乃至6のいずれかに記載の高濃度酸素水生成装置。
【請求項8】
前記流量調整装置は、所定の基準温度および基準圧力における酸素濃縮空気および水の体積流量の比率が略1:0.8乃至1.5となるように調整することを特徴とする、
請求項1乃至7に記載の高濃度酸素水生成装置。
【請求項9】
前記流量調整装置は、
前記導水管の途中に設けられ、水の流量に応じた信号を出力する水流量測定装置と、
前記水流量測定装置から入力した信号を予め設定されたレシオおよびバイアスに基づいて変換した信号を出力する水流量信号比率変換器と、
前記導気管の途中に設けられ、前記水流量信号比率変換器からの信号に基づいて前記微細気泡発生器に流入する酸素濃縮空気の流量を調整する空気流量調整装置と、を備えることを特徴とする、
請求項1乃至8のいずれかに記載の高濃度酸素水生成装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の高濃度酸素水生成装置と、
前記高濃度酸素水生成装置の前記供給管に接続される灌水装置と、を備えることを特徴とする、
高濃度酸素水灌水装置。
【請求項11】
前記灌水装置は、さらに前記水供給源に接続され、
前記高濃度酸素水生成装置および前記水供給源のいずれを前記灌水装置に接続するかを所定のタイミングで自動的に切り替える切替装置を備えることを特徴とする、
請求項10に記載の高濃度酸素水灌水装置。
【請求項12】
酸素濃縮空気を水に導入して微細気泡を発生させることにより、高濃度酸素水を生成する高濃度酸素水生成方法において、
酸素濃縮空気に対する水の流量が所定の比率となるように調整することを特徴とする、
高濃度酸素水生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−103205(P2013−103205A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250419(P2011−250419)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(505096896)株式会社ICST (5)
【Fターム(参考)】